JPH01136945A - 海中耐食性防汚性銅合金 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、海中において使用される目的に好適の銅合金
に関し、特に耐食性、耐銅イオン溶出性及び生物等付着
防止性に優れた銅合金に関するものである。

（従来の技術） 従来、発電所等の海水取水口格子、海水導入管内外面や
桟橋、船舶外板、浮標等の海水と接したりあるいは海中
において長時間使用されたりする材料としてはキュプロ
ニッケル、黄銅等の銅合金が用いられてきたほか、亜酸
化銅や有機錫化合物を含む生物等の付着防止性に富む塗
料が用いられてきた。

（発明が解決しようとする問題点） しかしながら上述の材料は、それぞれ以下に述べるよう
な欠点を有していた。

即ち、キュプロニッケルは、耐食性に富む代表的な銅合
金で広く利用されているが、生物等の付着防止性（以下
、防汚性という）の面で問題があった。

また黄銅は、防汚性が良好であるという特質を有してい
るが、脱亜鉛腐食を起こし易く耐食性に問題があった。

同様に、純銅も防汚性が良いという特質を有しているが
、耐銅イオン溶出性や耐食性が劣るという問題があった
。

一方、防汚性塗料は、短期的には非常に優れた防汚効果
を示すが、成分の溶出、塗料の劣化等により長期的に使
用するには問題があった。

更に、近年防汚性塗料に含有される亜酸化銅や有機錫化
合物の魚介類、食物連鎖における人体への影響が指摘さ
れるようになり、これらの含有物の使用について規制し
ようとする社会的動きも見られる。

（問題点を解決するための手段） 本発明者等は、上述の問題点を解決することのできる銅
合金を開発すべく鋭意研究を行った結果、従来のキュプ
ロニッケル合金系（Ｃｕ−Ｎ　１−Ｆｅ−Ｈｎ合金系）
の適正組成をもつものにアルミニウムを適量添加して得
られる合金が、耐食性、耐銅イオン溶出性、防汚性の要
求を同時に満たす優れた性質を示す合金であることを見
い出した。

即ち、本発明は重量％において、Ｎ　ｉ　：　７．０〜
１１．０％、Ｆ　ｅ　：　０．１〜１．５％、Ｍ　ｎ　
：　１．０〜４．０％、およびＡｌｌ　：　０．０１〜
１．０％を含み残部がＣｕおよび不可避的不純物からな
る組成をもつ海中耐食性防汚性銅合金を提供するもので
ある。

（作　用） 以下に、本発明の内容を具体的に説明する。

まず本発明合金の添加元素の含有量の範囲選定の理由の
概要を述べると、次の通りである。

Ｎｉは７．０％未満では充分な耐銅イオン溶出性が得ら
れず、１１，０％を超えて添加すると生物等の付着を防
止するのに必要な銅イオン溶出量が得られず、防汚性が
低下するなめＮｉの添加量を７゜０〜１１．０％と限定
した。

Ｆｅは合金の結晶粒を微細化し、機械的特性及び耐食性
を向上させる作用があるが、０．１％未満ではその効果
が充分でなく、１．５％を超えて添加すると、熱間及び
冷間加工性を害し、更に耐食性に悪影響を及ぼすため、
Ｆｅの添加量を０．１〜１．５％と限定した。

Ｍｎは合金の耐食性を改善し、更に海洋生物の付着を防
止、抑制する作用があるが、１．０％未満では充分な効
果が得られず、４．０％を超えて添加すると加工性が低
下し、又海水中でのＭｎの溶出が多くなり、耐食性が低
下するためＭｎの添加量を１．０〜４．０％と限定した
。

ＡｆＪは合金の強度を向上させ、また、海水中における
合金表面の保護被膜形成を促進して、耐食性を向上させ
る作用があるが、０．０１％未満では耐食性の向上作用
が得られず、１．０％を超えて添加すると加工性が低下
し、また、防汚性も劣るため、ＡｆＪの添加量を０゜０
１〜１．０％と限定した。

このような成分組成により調製した本発明の銅合金は、
耐食性、耐銅イオン溶出性および防汚性の特性を兼備し
ているゆえ、海水と接する箇所あるいは海中において長
期間使用することが可能となる。

以下に、代表的な本発明の実施例を挙げて本発明合金の
特性を具体的に示す。

（実施例） 第１表にその化学成分値（重量％）を示す本発明の銅合
金Ｎ０１１〜Ｎｏ、５および比較合金材Ｎｏ、６〜Ｎｏ
、１１を高周波溶解炉を用いてアルゴンガス中にて溶解
し、黒鉛鋳型に鋳造後、８５０°Ｃの温度で熱間圧延し
、水急冷した。

これを面削した後、加工率５０％で冷間圧延した材料を
試験材として用いた。これに対し、比較材として用いた
Ｎｏ、１２〜Ｎｏ、１４はそれぞれ市販のキュプロニッ
ケル、黄銅および純銀である。

得られた試験材を用いて、銅イオン溶出量、耐食性およ
び防汚性をそれぞれ調べた結果は第１表に示す通りであ
った。

銅イオン溶出量は、ｐＨ約８．２、温度的２５℃に調節
した人工海水ＩＡ中に表面積２４，６−の試験片を浸漬
し、マグネット・スターラーにて海水の撹拌を行いなが
ら１ケ月間の銅イオン溶出量を測定した結果である。従
って、この銅イオン溶出量の少ないものは耐銅イオン溶
出性の優れた材料であることを意味する。

耐食性および防汚性については板厚２Ｂ、板幅１５０　
ｍ、板長２００閣の試験片を用い、東北地方の東海岸に
て、平均海水面下約１ｍの海中に３ケ月間浸漬を行い評
価した。

耐食性については、上記期間浸漬後の表面状態が良好で
、重量変化も小さいものをＯ１局部腐食を生したり、重
量変化の著しいものを×とした。

なお、表面状態は実体顕微鏡にて２４倍の倍率で観察、
評価し、試験後の試験片の重量は、付着物を除去後測定
した。試験後の試験片の重量は、付着物を除去後測定し
た。防汚性は、生物等の付着がほとんど無いものをＯ、
スライムが表面を覆っているものを△、貝類や海藻類が
付着したものを×として評価した。

第１表に示す結果から、次のことが明白となった。

本発明合金（Ｎｏ、１〜Ｎｏ、５＞は、耐銅イオン溶出
性、耐食性および防汚性に優れ、海中耐食性銅合金とし
て非常に優れた特性を有する合金であることがわかる。

これに対し、成分構成が本発明合金と同一であっても、
成分値の異なる比較例Ｎｏ、６〜Ｎｏ。

１１の合金については、以下の性質を示すことがわかる
。

即ち、Ｎｉ量が本発明合金より少ない比較合金Ｎｏ、６
は、耐銅イオン溶出性に劣り、逆にＮｉ量が本発明合金
より多いＮ０１７は、防汚性に劣っている。

ＦｅＪｌあるいはＭｎ量が本発明合金より多い比較合金
Ｎｏ、８及びＮ００９は耐食性に劣っている。又、Ａｌ
ｌが本発明合金より多いＮｏ、１０は防汚性に劣ってい
ることが第１表より理解される。

更に、Ｃｕ−ＮｉからなりＦｅ、Ｍｎ、Ａｌｌを含有し
ない比較合金Ｎｏ、１１は、耐銅イオン溶出性、耐食性
が共に劣っている。

Ｍｎ量が少なく、ＡＪＩをまったく含まない市販のキュ
プロニッケル（Ｃ７０６０）は、耐銅イオン溶出性や防
汚性が本発明合金より劣っていることが知れる。

また、比較合金Ｎ０１１３、Ｎｏ、１４は市販の黄１ｐ
ｌ（Ｃ２６００）および純ｆ１１（Ｃ１０２０＞である
が、これらは耐銅イオン溶出性、耐食性に劣り、海水中
での使用には適していないことが理解される。

（発明の効果） 以上のように本発明は、耐銅イオン溶出性、耐食性、防
汚性の３特性を併せて有する銅合金を安価に且つ大量に
製造出来るもので、海水と接触する箇所あるいは海中に
おいて長時間使用する物体の材料として有効な銅合金で
ある。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 重量％において、Ｎｉ：７．０〜１１．０％、Ｆｅ：０
   ．１〜１．５％、Ｍｎ：１．０〜４．０％、およびＡｌ
   ：０．０１〜１．０％を含み残部がＣｕおよび不可避的
   不純物からなる組成をもつ海中耐食性防汚性銅合金。