JPH0112477Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、周囲騒音の大きい環境の中におい
ても話者の声を明瞭に集音することができる接話
マイクロホンに関するものである。

［従来の技術］ 第２図には、接話マイクロホンの典形的な従来
例が示されている。すなわち、このマイクロホン
においては、２本の音響管１，２を有し、その各
各をマイクロホンユニツト３の前部気室と背部気
室とに連通し、２つの音響管端子間の音圧傾度に
よつてマイクロホンユニツト３のダイヤフラムを
駆動するようにしている。その場合、従来では図
示の如く、ホルダー４にて２つの音響管１，２を
並べて保持するとともに、それらの音響管に長さ
の差および管口のひらきを与えるようにしている
ため、外形が大きくかつ構造が複雑であつた。ま
た、各音響管１，２が独立しているため、それら
の管口を接近させたとしても、管口間の距離と周
波数との関係から平面波にも応答するため、遠方
から到来する高音をひろつてしまうという欠点が
あつた。

［考案の目的］ したがつて、この考案の目的は、構造および組
立てが簡単で、しかも近接音のみをひろい遠方か
らの音に対しては殆ど応答しないようにした接話
マイクロホンユニツトを提供することにある。

［考案の構成］ 以下、この考案を第１図に示された一実施例を
参照しながら詳細に説明する。

この接話マイクロホンは、第１および第２の２
本の音響管１１，１２と、これらの各音響管１
１，１２に接続されるマイクロホンユニツト１３
とを備えている。マイクロホンユニツト１３は例
えばエレクトレツトコンデンサ形のものであつて
よく、その内部には、ダイヤフラム１４と、この
ダイヤフラム１４の背面側に設けられた背面電極
１５を含むFET１６とが設けられている。

この考案において、第１の音響管１１は第２の
音響管１２よりも太径であつて、その一端は、ダ
イヤフラム１４によつて画定されたマイクロホン
ユニツト１３の前部気室１７に連通されている。
第２の音響管１２は、第１の音響管１１内に同軸
状に挿通されており、その一端は、第１の音響管
１１の一端側から外側へ引出されてマイクロホン
ユニツト１３の背部気室１８内に連通されてい
る。この場合、第２の音響管１２の他端に形成さ
れている管口１２ａは、第１の音響管１１の他端
側の管口１１ａよりも内側に引込まされており、
この管口１２ａと管口１１ａとの間にはダンパー
１９が詰められている。また、管口１１ａのまわ
りには想像線で示すようなウインドスクリーン２
０が取付けられている。

［考案の効果］ 上記した構成によれば、太径の第１の音響管１
１内に第２の音響管１２を同軸状に挿通している
ため、全体を細身にすることができるとともに、
構造および組立てが簡単であつて、例えばヘツド
セツト用マイクロホンとして好適である。また、
第１および第２の音響管１１，１２の各管口１１
ａ，１２ａは同軸的にかつ異なる高さ位置に配置
されているため、遠方からの平面波に対しては応
答が鈍く、近接音のみを明瞭にピツクアツプする
ことができる。さらには、従来のものにおいて
は、２つの音響管の共振を低減するために、その
各管口に対してそれぞれダンパーを付けるように
しているが、この考案によれば、１つのダンパー
で足りることになる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示した断面図、
第２図は従来例の内部構造を概略的に示した断面
図である。 図中、１１は第１の音響管、１２は第２の音響
管、１３はマイクロホンユニツト、１４はダイヤ
フラム、１７は前部気室、１８は背部気室であ
る。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 第１および第２の２本の音響管と、マイクロホ
   ンユニツトとを含み、上記音響管の各一端を上記
   マイクロホンユニツトの前部気室と背部気室とに
   それぞれ連通してなる接話マイクロホンにおい
   て、 上記第１の音響管は上記第２の音響管よりも太
   径であつて、その一端は上記前部気室に連通さ
   れ、上記第２の音響管は上記第１の音響管内に同
   軸状に挿通され、その一端は上記第１の音響管の
   一端側から外方へ引出されて上記背部気室に連通
   されていることを特徴とする接話マイクロホン。