JPH0111620Y2

JPH0111620Y2 -

Info

Publication number: JPH0111620Y2
Application number: JP1984000579U
Authority: JP
Priority date: 1984-01-09
Filing date: 1984-01-09
Publication date: 1989-04-05
Also published as: JPS60114121U

Description

【考案の詳細な説明】この考案は粉粒体の貯蔵及び輸送を行う装置に
係り、特に停止中の装置の再起動を円滑にするよ
う配管中の粉粒体の閉塞を防止することのできる
装置に関する。

粉粒体の貯蔵、輸送等、粉粒体の取り扱いにつ
いてはその特性上従来から種々の方法が提案され
ているが、特に輸送経路における粉粒体の堆積お
よびこれによる閉塞の問題を解決することが大き
な課題の一つであつた。以下粉粒体の一例として
燃焼装置排ガス中から捕集した燃焼灰を例に、そ
の取扱いについて説明する。

例えば火力発電所用の大型ボイラにおいては石
炭燃焼の場合はもとより重油燃焼の場合において
も燃焼排ガス中からは多量の燃焼灰が捕集され
る。この燃焼灰は主として集塵器において捕集さ
れるわけであるが、これ以外にも節炭器空気予熱
器等の熱交換器のホツパ部、脱硝装置や脱硫装置
等の各種公害対策機器等の各所において捕集さ
れ、プラントの規模によつてはその捕集個所は数
十個所にも及ぶ。このため各所に分散された捕集
灰を各々処理していたのでは操作がきわめて複雑
となるため、気流輸送用配管で所定の貯蔵部に移
送し、以後の処理を一括して行うようにしてい
る。

第１図はこの捕集灰の処理方法の一例を示す。
図中符号１ａ，１ｂは燃焼ガスから捕集した燃焼
灰３０用のホツパである。ホツパ内の燃焼灰３０
は定期的に下部の気流輸送タンク２ａ，２ｂに落
下され、各枝管１０ａ，１０ｂを経て本管１０側
に気流輸送され、さらに本管１０を経て所定の場
所に気流輸送される。この様な灰輸送システムに
おいて、例えば前述のボイラの場合には各所にお
ける灰の捕集量には大きな差があり、これら各所
からの灰の排出、輸送もその貯留量に応じて適宜
行なわなければならない。このため、輸送停止中
の枝管に対する灰の堆積が問題となる。すなわ
ち、第２図において、輸送停止中の気流輸送タン
ク２ｂを例に説明すると、弁４ｂを閉止すること
によりタンク２ｂ内の灰の輸送を中止するが、こ
の間他のタンクより排出された灰が高圧空気によ
つて本管１０内を気流輸送されており、このため
本管中の灰の一部が枝管１０ｂ側に逆流して弁４
ｂ側に堆積し堆積層３０を形成する。この様な状
態となつた時点において気流輸送を再開するため
に弁４ｂを開とすると、タンク２ｂ側からの加圧
気体の流れにより瞬間的にこの堆積層が圧縮固化
し、枝管１０ｂが閉塞してしまうという事故が
度々生じている。またこの様な瞬間的な圧縮固化
以外でも、弁４ｂの密閉性が低い場合には、４ｂ
を介して圧縮気体がタンク２ｂ側に流れ、堆積層
３０′中の気体の量が減少して固化する事態も予
想される。

このため第３図の如く枝管１０ｂと本管１０と
の接続部近傍に対して前述の弁４ｂとは別に逆流
防止用の切換弁４b′を取り付け、これにより弁４
ｂの上流側に灰が堆積するのを防止するよう構成
したものも提案されている。しかし、この方法で
は弁の設置数が多数になり、その制御はかなり複
雑となる。

この考案は上述した問題点を除去し、粉粒体の
閉塞が生じることのない粉粒体輸送装置を提供す
ることにある。

要するにこの考案は、複数個所に配置した粉粒
体貯留用タンクと粉粒体気流輸送用本管とを枝管
で接続し、各タンク内の粉粒体を適宜本管側へ排
出するものにおいて、各枝管の気流輸送タンク側
に各々設けた弁の下流側近傍に、該弁閉止時に当
該枝管内に堆積する粉粒体を流動化する気体を供
給する支管を接続した粉粒体の気流輸送装置であ
ることを特徴とする。

以下この考案の実施例につき図面を用いて説明
する。

第４図はこの考案に係る装置の全体を示す図、
第５図は枝管取付部の断面図を示す。第５図にお
いて符号３１は枝管１０ｂに対して、弁４ｂの近
傍でかつこの弁の下流側に対して取り付けた流動
化気体用ノズルであり、このノズルに対しては流
動化気体（以下「空気」で説明する）Ａを供給す
る管路１４の支管１４ｂが接続している。１５ｂ
はこの支管１４ｂに取り付けた弁である。以上の
様に構成された枝管を各気流輸送用タンク２ａ及
び２ｂと本管１０との間に介在配置させる。

第４図においてこの装置の作動状態について説
明する。

ホツパ１ａ内の灰３０は所定量となつたならば
ダンパ３ａを開として灰３０を気流輸送タンク２
ａ内に落下させる。落下が完了してダンパ３ａを
再度閉止したならば弁５ａを開として本管１３及
び支管１３ａを経て空気Ａをタンク内に供給し内
部の灰を流動化させると共に、弁４ａを開として
枝管１０ａを経て灰３０を本管１０側に気流輸送
する。一方ホツパ１ｂ側のタンク２ｂにおいては
ダンパ３ｂを開として灰３０を落下させている状
態であるので、弁５ｂを閉止して流動化空気Ａの
供給を停止していると共に弁４ｂも閉として同タ
ンク２ｂと本管１０との連絡を遮断している。し
かしながらこの状態においても本管１０内の灰３
０の一部が支管１０ｂ内に流入するのを防止する
のは困難であり、その一部が支管１０ｂ内に侵入
する。このため弁４ｂの閉止と共に弁１５ｂを開
として支管１４ｂを介して空気Ａを枝管１０ｂ内
に供給しかつ本管１０側に流出させる。これによ
り本管１０からの灰の侵入は殆んど阻止すること
ができる。但し、多少の灰の侵入はあるので長時
間弁４ｂを閉止しておくと弁４ｂ下流側に侵入灰
の層３０が形成されるが、この層に対して該弁の
閉止期間中連続して空気が供給されるので、侵入
灰による層は流動化しており、弁４ｂを開とする
とタンク側からの流れにより侵入灰は直ちに本管
側に飛散し枝管１０ｂが閉塞することはない。な
お、枝管１０ｂに対して供給する空気は流速0.5
〜３ｍ／sec程度の比較的遅いもので十分に目的
を達成することができる。

なお、使用する粉粒体の性質による摩耗性や輸
送用空気量の制約によつて枝管に供給する空気流
速をさらに低下させねばならない場合も考えられ
る。このため考案者等は空気流速を種々変化させ
て枝管内の粉粒体の挙動を観察したが粉粒体を前
記燃焼灰とした場合、空気流速が約0.03ｍ／sec
から0.1ｍ／sec程度まではほぼ実用し得ることが
確認できた。すなわちこの様な低い空気速度では
枝管に対する灰３０′の侵入を阻止することは困
難であるが、枝管内に滞留した灰を流動化状態に
保持しておくには十分であることが確認でき、従
つて枝管の閉塞は生じないことが確認できた。

なお図中符号１３ｂはタンク供給用空気の支
管、１４ａは枝管１０ａに対して接続した閉塞用
防止用気体供給用管路、１５ａは同管路に設けた
弁である。

以上この考案の実施例を、燃焼灰を例に説明し
たが他の粉粒体に対してももとより実施可能であ
る。

この考案を実施することにより、粉粒体の気流
輸送停止中の粉粒体貯留部枝管の閉塞が生じない
ので、各粉粒体貯留部からの粉粒体の排出を適宜
自由に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の粉粒体輸送装置の系統図、第２
図は第１図の枝管部の断面図、第３図は粉粒体に
よる閉塞防止対策を施した枝管部の断面図、第４
図はこの考案に係る粉粒体気流輸送装置の系統
図、第５図は第４図の装置の枝管部の断面図であ
る。２ａ，２ｂ……気流輸送タンク、４ａ，４ｂ…
…弁、１０……粉粒体気流輸送用本管、１０ａ，
１０ｂ……粉粒体気流輸送用枝管、１４……閉塞
防止用気体供給管路、３０……燃焼灰。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

複数個所に配置した粉粒体貯留用タンクと粉粒
体気流輸送用本管とを枝管で接続し、各タンク内
の粉粒体を適宜本管側へ排出するものにおいて、
各枝管の各々に設けた弁の近傍でかつこの弁の下
流側に弁閉止期間中連続してこの枝管に対して気
体を流入させ、枝管内に侵入した粉粒体を流動状
態に保持する気体供給用の支管を設けたことを特
徴とする粉粒体の気流輸送装置。