JPH0111413Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） この考案は小物用液体ホーニング装置に関する
ものである。

（従来の技術） 出願人は、第７図に示すような、液体ホーニン
グ装置において、一端が加工室ａ内に枢支され、
他端d′が該加工室ａの側壁ｂに設けた開口ｃ外に
まで水平に回動できるようにした腕体ｄの、該他
端d′に、水平に回転できる被加工物取付用円盤ｅ
を、該腕体ｄに設けたモーターｆで回転できるよ
うにし、該腕体ｄと、前記加工室ａの開口ｃの一
側に水平方向に開披できるように枢支した蓋ｇと
の間を連杆ｈで連繋し蓋ｇを開くと、前記円盤ｅ
が前記開口ｃの外に回動して来て被加工物の取
付、取外しが容易に行え、該円盤ｅ上に被加工物
を取付け、蓋ｇを閉じ、前記モーターｆを始動
し、液体ホーニング装置も稼動させると、該円盤
上の被加工物は回転しつつ液体ホーニング作用が
受けられる液体ホーニング装置を既に提供し、比
較的小物で而も表面に凹凸の多いものの液体ホー
ニングによるクリーニング装置として注目されて
いる。

（考案が解決しようとする問題点） この考案は上述のような液体ホーニング装置に
おいて、一層小さな小物で而も表面に凹凸の多い
被加工物を、多量に、能率よく、液体ホーニング
によるクリーニングができる小物用液体ホーニン
グ装置を提供するのをその目的とする。

（問題点を解決するための手段） この考案に係る小物用液体ホーニング装置は、
一端１′が加工室ａ内に枢支され、他端１″が該加
工室ａの側壁ｂに設けた開口ｃ外にまで水平に回
動できるようにした腕体１の該一端１′に、鉛直
方向に主動軸４を設け、該他端１″に該主動軸４
より回転される従動軸８を設け、該従動軸８には
大円盤９を水平に固定し、該大円盤９上には更に
前記従動軸８を中心とする半径ｒの円Ａ上に同一
ピツチｐで被加工物取付用の小円盤１０を回転自
在に設け、該小円盤１０の回転軸１１には、該大
円盤９の裏側において夫々小調車１２を固定し、
該小調車１２に係合できるベルト１４を主動軸４
に遊嵌した調車１３に掛け、該ベルトは発条力に
より該小調車１２と係合できるようにし、該腕体
１と、前記加工室ａの開口ｃの一側に水平方向に
開披できるように枢支した蓋ｇとの間を連杆ｈで
連繋したものである。

（実施例） 第１図乃至第３図に示す一実施例に基ずき、こ
の考案に係る小物用液体ホーニング装置の構成を
詳細に説明すると、一端１′が加工室ａ内の側壁
２に設けたブラケツト３に枢支され、他端１″が
該加工室ａの側壁ｂに設けた開口ｃ外にまで水平
に回動できるようにした腕体１の該一端１′に、
鉛直方向に主動軸４を設け、該他端１″に該主動
軸４より調車５、ベルト６、調車７を介して回転
される従動軸８を設け、該従動軸８には大円盤９
を水平に固定し、該大円盤９上には更に前記従動
軸８を中心とする半径ｒの円Ａ（第２図参照）上
に同一ピツチｐで被加工物取付用の小円盤１０を
回転自在に設け、該小円盤１０の回転軸１１に
は、該大円盤９の裏側において夫々小調車１２を
固定し、前記主動軸４に別に遊嵌した調車１３
と、前記小調車１２の複数個との間に無端ベルト
１４を纒懸し、該無端ベルト１４に対してはベル
トタイトプーリー装置１５を、該腕体１上に設
け、該腕体１と前記加工室ａの開口ｃの一側に水
平方向に開披できるように枢支した蓋ｇとの間を
連杆ｈで連繋したもので、前記主動軸４は下端に
設けた調車１６を加工室ａ外に設けた原動軸（図
示省略）よりベルト１７を介して回転するように
したものである。

なお、上記ベルトタイトプーリー装置１５は、
第１図及び第５図に示すように、腕体１上に揺動
自在に枢支した揺動腕板１８の自由端にベルト用
プーリー１９を回転自在に設け、該揺動腕板１８
は、別に腕体１上に立設したブラケツト２０に螺
合させ、一端にハンドル２１を有する螺子杆２２
の他端を、特に第５図に示すように、コイルスプ
リング２３、小連結杆２４を介して連結した構成
を有する。なおベルトタイトプーリー装置１５の
揺動腕板１８の回動調整機構は上述の構成に限ら
ないものとする。

又加工室ａ内の噴射ガンｉは、第２図に示すよ
うに、加工室ａの内壁に水平に設けた案内杆２５
上を摺動可能に且つ上下方向に回動自在に設け、
ノズルの方向は、加工室ａ内に該大円盤９が位置
した時、該小円盤１０の回転軸１１が配置される
前記半径ｒの円Ａに切線Ｂをなす方向に向けると
よい。

（作用） この考案は叙上のような構成を有するから、小
物にホーニング加工、例えば小物をホーニング加
工によりクリーニングしたいような場合は、加工
室ａの蓋ｇを開くと、腕体１と蓋ｇとは連杆ｈで
連結されているので腕体１の他端１″である自由
端が該開口ｃ外に出て来るので、該小円盤１０上
に被加工用小物を取付ける。

次いで、ベルトタイトプーリー装置１５のハン
ドル２１を回転し、プーリー１９を強く無端ベル
ト１４に圧接する。

次ぎに、蓋ｇを閉じると大円盤９は第２図中点
線に示す位置に配置される。この時噴射ガンのノ
ズルの方向は前記円Ａの切線Ｂの方向に向ける。

次いで主動軸４を回転させると、調車５、ベル
ト６、調車７の伝動機構により大円盤９は回転す
る。この時無端ベルト１４は調車１３が主動軸４
に遊嵌されているので回転しない。従つて小円盤
１０の小調車１２は無端ベルト１４上を転動し、
小円盤１０は大円盤９による公転と自転とを行
い、無端ベルト１４を離れた小調車１２は静止す
る。該小調車１２は大円盤９の回転により、再び
ベルト１４に接すると再び回転し、前記切線Ｂ上
に、自転しながら近づき又遠ざかる時、ノズルよ
りの噴射スラリーにより小物の外周の凹凸面は隈
なくクリーニングされる。

ホーニング加工を終つたならば蓋ｇを開くと大
円盤９は開口ｃ外に出るので加工済のものと未加
工のものとを容易に取換えることができる。

なお、大円盤９が回転すると、小円盤１０の小
調車１２は、大円盤９の一回転の途中でベルト１
４の一側より離れ、再びベルト１４の他側と係合
し、各小調車１２間には間隔があるので、ベルト
１４にはその都度、緊張、弛緩が繰り返えされ、
ベルトのテンシヨンにむらを生じる。このためこ
れを防止するため、第５図に示すように、螺子杆
２２と小連結杆２４との間にコイルスプリング２
３を挿入するが、他の実施例として第６図に示す
ように、ベルト１４の一端部１４₁はコイルスプ
リング２３′を介在させて固定し、他端部１４₂は
調節用ターンバツクル２５を介して固定してもよ
い。

〔考案の効果〕

この考案は叙上のような構成、作用を有し、数
多の小円盤１０を回転させるのに、別の原動機を
必要とせず、１個の主動軸４にて大円盤９を回転
するようにすればよく、小円盤の回転は固定した
ベルトより得られるので構成が極めて簡単とな
り、多くの被加工物は加工室内で公転と自転とを
するので表面に凹凸部の多い数多の小物の液体ホ
ーニングによるクリーニングを能率よく行うこと
ができ、大円盤は被加工物の取替時には加工室外
に出て来ても加工時には蓋により密蔽された加工
室内に位置するので噴射スラリーが加工室外に噴
出する憂は全くない。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る小物用液体ホーニング
装置の要部の斜視図、第２図は平面図、第３図は
側面図、第４図は外観の正面図、第５図はベルト
タイトプーリー装置１５の平面図、第６図はベル
トに緊張を与える他の実施例の平面図、第７図は
出願人が既に提供した小物用液体ホーニング装置
の斜視図を夫々示し、１は腕体、１′は一端、
１″は他端、４は主動軸、８は従動軸、９は大円
盤、１０は被加工物取付用小円盤、１１は回転
軸、１２は小調車、１３は調車、１４はベルト、
ａは加工室、ｇは蓋、ｈは連杆を夫々示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一端が１′が加工室ａ内に枢支され、他端１″が
   該加工室ａの側壁ｂに設けた開口ｃ外にまで水平
   に回動できるようにした腕体１の該一端１′に、
   鉛直方向に主動軸４を設け、該他端１″に該主動
   軸４より回転される従動軸８を設け、該従動軸８
   には大円盤９を水平に固定し、該大円盤９上には
   更に前記従動軸８を中心とする半径ｒの円Ａ上に
   同一ピツチｐで被加工物取付用の小円盤１０を回
   転自在に設け、該小円盤１０の回転軸１１には、
   該大円盤９の裏側において夫々小調車１２を固定
   し、該調車１２に係合できるベルト１４を主動軸
   に遊嵌した調車１３に掛け、該ベルトは発条力に
   より該小調車１２と係合できるようにし、該腕体
   １と前記加工室ａの開口ｃの一側に水平方向に開
   披できるように枢支した蓋ｇとの間を連杆ｈで連
   続繋したことを特徴とする小物用液体ホーニング
   装置。