JPH0111082Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、棚上載置物の落下防止装置に関し、
さらに、詳しくは両側面及び背面を板体又は杆体
にて枠組みして棚上の物品の落下を防止し前面だ
けを開放して物品の出し入れ口となし、若しくは
棚板の全周辺を物品の出し入れ口となした本棚、
工具台等の物置き台又はワゴン等の各種棚付き家
具において地震発生時又は移動時の振動によつて
棚上載置物が物品出し入れ口から不用意に落下す
ることを防止するとともに通常の物品出し入れに
際しては全く邪魔にならぬようにした物品落下防
止装置を提供しようとするものである。

従来の棚上の物品の落下防止装置では、通常の
物品出し入れに際し、その都度はずしたり、回動
させたりして物品出し入れ口を開放させる必要が
あり、通常のたな使用時の物品収納作業性を低下
させる一因となつていた。

本考案は、上述の状況に鑑み考案したもので、
少なくとも前側の両支柱の対向側面の上下に棚等
取付け用の複数の縦長係止孔を隔設した棚付き家
具において、該棚の物品出し入れ口の口縁部にも
うけるもので、要旨とするところは、前記両支柱
間隔よりやや短い長さの落下止め片の両端を所定
長さ立起して延設し、続いて前記係止孔の孔縁と
回動自在に係止しうる大きさの取付片を外側方へ
突出し、さらに該取付片先端から該係止孔に嵌入
しうる大きさの抜止め片を斜め後方へ垂下させて
落下防止杆を作成し、該落下防止杆を、少なくと
も、前記棚前面の物品出し入れ口の上位の対向係
止孔に取付片を中心に回動可能に且つ取付け状態
平常時において落下止め片が棚上面の近接上位に
位置設定して取付けて棚上載置物の落下防止装置
を構成してなる点にある。

次に添付図面に示す実施例に基づいて詳説す
る。図上３は本考案に係わる落下防止杆の実施例
を示し、棚付き家具Ａの棚１の物品出し入れ口２
の口縁両側に位置する支柱４，４間に、該支柱の
対向側面に隔設された複数の縦長係止孔５，…を
利用して回動可能に横架されるもので、第１図か
ら第５図に示す如く、前記両支柱４，４間隔より
やや短い長さの落下止め片３′の両端を所定長さ
立起して延設し、続いて前記係止孔５の孔縁と回
動自在に係止しうる大きさの取付片３″，３″を外
側方へ突出し、さらに該取付片３″，３″先端から
該係止孔５に嵌入しうる大きさの抜止め片３ａを
斜め後方へ垂下させた落下防止杆３を、一本の円
形断面の杆体を折曲加工することにより構成した
ものである。

しかして、該落下防止杆３を棚１の物品出し入
れ口２に取付け設定するには、第４図、第５図に
示す如く、落下止め片３′が棚１上面の近接上位
に位置しうる縦長係止孔５，５を選択し、抜止め
片３ａ，３ａと該係止孔５，５とを相対させて交
互に嵌挿して取付片３″，３″を該係止孔５，５の
下端孔縁に係止させればよく、また、該落下防止
杆３の材質による弾性力を利用して落下止め片
３′両端から取付片３″，３″に至る立起させた部
分を内方へやや押圧しつつ該係止孔５，５に抜止
め片３ａ，３ａを嵌挿させてもよい。このように
取付けた落下防止杆３は、平常時には重力の作用
で落下止め片３′が棚１上面の近接上位に位置し
て両支柱間に横架状態で設定されるので、該落下
止め片３′の上部空間を広くして棚上の物品出し
入れ口２からの物品の出し入れに於ける支障を除
くことができるとともに、地震若しくは棚付き家
具自体の移動時等の振動、揺動により棚上の物品
６が物品出し入れ口２へスライドすれば落下止め
辺３′は該物品６により押し出され第４図に示す
ように取付片３″，３″を中心に矢印方向へ回動し
て図中一点鎖線で示す如く、上位にある係止孔
５，５を支持点として物品６のそれ以上のスライ
ドを防止して、物品出し入れ口２から物品６の落
下を防止できるのである。

なお、第４図、第５図において係止孔５，…は
棚位置を上下取付け調節可能にすべく支柱４上下
方向所定間隔毎に形成した棚取付け用の縦長係止
孔を利用した例であるが、これに限定することな
く係止孔の形状、形成高さに応じて落下防止杆３
の抜止め片３ａの形状、大きさを変更し、且つ取
付け状態平常時において、落下止め片３′が棚１
の上面に近接した位置となるようのに落下止め片
３a′両端から取付片３″，３″までの立起高さを調
節すれば、当該係止孔は各種の形状、間隔に形成
されたものでも本落下防止杆の取付け設定用とし
て利用できるものである。更に、これら上下に複
数個設けられた係止孔５，…をもちいて、例え
ば、複数個積段した物品に対しても、他の同様落
下防止杆を該物品の積段数に応じて上方の係止孔
に複数段に設定すれば同時に対処できる。

又、本実施例における棚１は、棚１の移動防止
用の立側辺７′及び突片７″を有する支持杆７をフ
ツク８でもつて係止孔５に取付け、該支持杆７の
載支面９上に棚１を載せることにより、棚るき家
具Ａに取付けられている。

以上にしてなる本考案の棚上載置物の落下防止
装置は、一本の杆体の折曲によつて簡単に製作で
きる落下防止杆を棚付き家具の物品出し入れ口の
両側の支柱に回動可能に取付けるだけの簡単な構
成で、その棚上載置物の落下防止装置の複雑な構
成を必要とせず製作容易でコストが極めて安価で
あり、加えて取付け状態の平常時においては落下
止め片が棚板上面の近接上位に位置するので棚上
の物品の出し入れに全く邪魔にならず、しかも家
具自体が地震等により振動又は揺動して棚上の物
品が物品出し入れ口方向へスライドしても、その
スライドによつて落下防止杆が自動的に回動して
支持支点を上位の取付片嵌合係止位置である係止
孔に移動して、物品の脱落を完全に防止するの
で、収納物品の落下を完全に防止出来、しかも落
下防止杆は自動的に物品の落下を防止できる状態
となるので、いちいち人手によつて操作する必要
もなく、又該落下防止杆自体も抜止め片によつて
確実に脱落防止されており、不意の衝撃、衝突に
対しても安全性を有し、使用止極めて便益なもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案における落下防止杆の一例を平
面図、第２図は同正面図、第３図は同側面図、第
４図は落下防止杆の取付け状態を示す要部縦断面
図、第５図は同じく要部正面図である。 Ａ：棚付き家具、１：棚、２：物品出し入れ
口、３：落下防止杆、４：支柱、５：係止孔、
６：物品、７：支持杆、８：フツク、９：載支
面。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 少なくとも前側の両支柱４，４の対向側面の上
   下に棚１等取付け用の複数の縦長係止孔５，…を
   隔設した棚付き家具Ａにおいて、 前記両支柱４，４間隔よりやや短い長さの落下
   止め片３′の両端を所定長さ立起して延設し、続
   いて前記係止孔５の孔縁と回動自在に係止しうる
   大きさの取付片３″，３″を外側方へ突出し、さら
   に該取付片３″，３″先端から該係止孔５に嵌入し
   うる大きさの抜止め片３ａを斜め後方へ垂下させ
   て落下防止杆３を作成し、該落下防止杆３を、少
   なくとも、前記棚１前面の物品出し入れ口２の上
   位の対向係止孔５，５に取付片３″，３″を中心に
   回動可能に且つ取付け状態平常時において落下止
   め片３′が棚１上面の近接上位に位置設定して取
   付けてなる棚上載置物の落下防止装置。