JP7874094B2 - 筋肉量増加用組成物 - Google Patents

筋肉量増加用組成物

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Description

本発明は、筋肉量増加用組成物に関する。
ペルオキシソーム増殖因子活性化レセプターγ共役因子(peroxisome proliferator activated receptor γ coactivator-1。以下「PGC-1」という。)は、転写因子であるPPARγに結合する転写コアクチベーターとして特定された分子であり、ミトコンドリアの生合成の増強や機能の維持に関わり、エネルギー産生に係る遺伝子発現を制御することが知られている。PGC-1は、運動トレーニングによる骨格筋の形質転換などにも有用な機能を果たすと考えられていることから、体内での生合成を促進できる物質の研究開発が行われている(特許文献1)。
一方、バリン、ロイシン、イソロイシンは側鎖に分岐鎖を持つ分岐鎖アミノ酸として知られている。分岐鎖アミノ酸は、体内で生産できない必須アミノ酸であり、持久系のアミノ酸であり運動時に筋肉でエネルギーとして働くことが知られている(特許文献2)。
PGC-1や分岐鎖アミノ酸を有効に増加させることができれば、筋肉代謝に有効に作用し、筋肉量増加作用、筋肉量の減少抑制作用、抗サルコペニア作用、抗フレイル作用、代謝改善に基づく抗メタボリックシンドローム作用、抗疲労作用、抗老化作用を有するため、アスリートだけでなく、老齢者や病弱者、家畜やペットにも役立ち得る。
再公表2018-207741号公報 特表2020-528402号公報
しかしながら、特許文献1は、エンテロコッカス・フェシウムR30株という特別な菌株を用いるものであり、汎用性に乏しかった。また、特許文献2は、分岐鎖アミノ酸を含有する複数の物質を摂取させるものであり、多量の物質を服用せねばならず、摂取者の負担を強いるものであった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、容易に摂取ができ、筋肉量増加を行える組成物等を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定のガラクトマンナン分解物とグアー豆タンパク質とを含有する組成物に筋肉量増加作用があることを見出し、基本的には本発明を完成するに至った。
こうして本願発明に係る筋肉量増加用組成物は、(A)平均分子量が1.8×103~2.0×105、平均分子量の範囲内のものが70質量%以上含まれるグアーガム分解物と(B)グアー豆タンパク質とを含有し、B型粘度計を用いて25℃、60rpmで測定したときの1質量%水溶液の粘度が50mPa・s以下のものであって、前記グアーガム分解物が、グアー由来の胚乳に含まれ、ガラクトースとマンノースの含量比率(ガラクトース:マンノース)が1:1.5~1:2.1の範囲であるガラクトマンナン多糖を微生物由来β-マンナナーゼを用いて加水分解し、低分子化することにより得られたものであり、酵素-HPLC法により規定される食物繊維含量を少なくとも70質量%、グアーガム分解物のオリゴ糖の含有量が15質量%以下であり、含有するタンパク質中のアミノ酸のうち(グルタミン酸+グルタミン+アスパラギン酸+アスパラギン)≧100 mg/100 g、(シスチン+チロシン+セリン+スレオニン)≧40 mg/100 g、全アミノ酸≧150 mg/100gであり、前記(A)/(B)の比率が1000以下であることを特徴とする。
本組成物において、(A)/(B)の比率は、25~1000、好ましくは100~600、更に好ましくは200~500である。この範囲により、十分な筋肉量増加作用が得られる。このとき、上記組成物は、PGC-1発現量増加及び分岐鎖アミノ酸産生促進作用を備えることが好ましい。
別の発明に係る飲食品は、上記筋肉量増加用組成物を含有することを特徴とする。更に、PGC-1発現量増加作用、分岐鎖アミノ酸産生促進作用、筋肉量の減少抑制作用、抗サルコペニア作用、抗フレイル作用、抗メタボリックシンドローム作用、抗疲労作用、抗老化作用を有するものであることが好ましい。
また、別の発明に係る医薬品は、上記筋肉量増加用組成物を含有することを特徴とする。更に、PGC-1発現量増加作用、分岐鎖アミノ酸産生促進作用、筋肉量の減少抑制作用、抗サルコペニア作用、抗フレイル作用、抗メタボリックシンドローム作用、抗疲労作用、抗老化作用を有するものであることが好ましい。
本発明における飲食品は、食品と飲料を含むものであり、例えば、栄養補助食品、健康食品、特定保健用食品、機能性表示食品、食事療法用食品、総合健康食品、サプリメント、茶飲料、コーヒー飲料、ジュース、清涼飲料、ドリンク剤、米飯、パン、麺類、乳製品、卵加工品、水産・畜産加工食品、菓子、油脂および油脂加工食品、調味料、惣菜などが挙げられる。医薬品は、医薬品又は医薬部外品を含むものであり、経口製剤、又は経腸製剤であることが好ましく、液剤、錠剤、顆粒剤、丸剤、シロップ剤などの形態とすることができる。
本発明における飼料とは、ヒト以外の生物に摂食させるための食べ物のことをいい、その形態については特に限定されない。飼料を適用し得る生物としては特に限定されないが、例えば、養殖動物やペット動物などが挙げられる。養殖動物としては、例えば、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ラクダ、ラマなどの家畜や、マウス、ラット、モルモット、ウサギなどの実験動物や、ニワトリ、アヒル、七面鳥、ダチョウなどの家禽などがある。ペット動物としては、例えば、イヌ、ネコなどがある。
本発明によれば、容易に摂取ができ、筋肉量増加促進を行える組成物等を提供できる。
生活習慣病モデルマウスを用いたPHGG摂取試験において、高脂肪食群とPHGG群の筋肉重量の測定結果を示すグラフである。 高脂肪食群とPHGG群のLDL-Cの測定結果を示すグラフである。 豚へのPHGG摂取試験において、コントロール群(C群)とPHGG群(P群)の遊離アミノ酸を調べた結果を示すグラフである。(A)遊離ロイシン、(B)遊離イソロイシン、(C)遊離バリン、(D)遊離分岐鎖アミノ酸の結果をそれぞれ示す。グラフ中の「*」は危険率5%(p<0.05)、「**」は危険率1%(p<0.01)にて有意であったことを示す(図4においても同じ)。 コントロール群(C群)とPHGG群(P群)の遊離アミノ酸を調べた結果を示すグラフである。(A)遊離メチオニン、(B)遊離スレオニン、(C)遊離必須アミノ酸の結果をそれぞれ示す。
次に、本発明の実施形態について、図表を参照しつつ説明する。本発明の技術的範囲は、これらの実施形態によって限定されるものではなく、発明の要旨を変更することなく様々な形態で実施できる。
グアーガムとは、グアー豆の胚乳(正確には、子葉)から得られる水溶性の天然多糖類のことを意味し、直鎖状に結合した2分子のマンノースに1分子のガラクトースの側鎖を持つ多糖類であり、平均分子量は、2.0×105~3.0×105程度である。グアーガムには、血糖値上昇抑制効果、コレステロール低下効果、便通改善効果などの生理作用が知られている。本発明において、グアーガム分解物とは、インド・パキスタン等で食用に供されている一年生豆科植物グアー(学名:Cyanopsis tetragoloba)由来の豆を原料とし、その胚乳に含まれるガラクトマンナン多糖を加水分解し、低分子化することにより得られる水溶性食物繊維を意味する。グアーガムを加水分解する方法としては、酵素分解法、酸分解法など、特に限定するものではないが、分解物の分子量を整えやすい点から酵素分解法が好ましい。
酵素分解法に用いられる酵素としては、マンノース直鎖を加水分解する酵素であれば特に限定されるものではないが、アスペルギルス属菌やリゾップス属菌などに由来するβ-マンナナーゼを用いることが好ましい。グアーガム分解物の平均分子量分布は、上限値が2×105以下であり、好ましくは、1.0×105以下、さらに好ましくは、2.5×104以下である。グアーガム分解物の平均分子量分布の下限値は1.8×102以上であり、好ましくは、3.0×103以上である。平均分子量が2×105を超えると、粘度が高すぎて飲食品に含有させることが難しくなる。分子量分布の測定方法は、特に限定するものではないが、例えば分子量マーカーとしてポリエチレングリコール(平均分子量:2×102、2×103、2×104及び1×105)を使用し、高速液体クロマトグラフ法を用いる方法等がある。
本発明のグアーガム分解物は、上記平均分子量の範囲内のものが70質量%以上、好ましくは80質量%以上含まれるものが用いられる。
ガラクトースとは、アルドヘキソースに分類される単糖の一種であり、分子式はC6H12O6、分子量は180である(いずれもグルコースと同じ)。立体配置は2位(フィッシャー投影式で上から2番目)、5位の-OHが同じ方向、3位、4位が反対方向であり、D-ガラクトースの5位の立体配置はD-グリセルアルデヒドと同じである。
マンノースとは、アルドヘキソースに分類される単糖の一種であり、分子式はC6H12O6、分子量は180である(いずれもグルコースと同じ)。立体配置は2位、3位の-OHが同じ方向、4位、5位が反対方向であり、D-マンノースの5位の立体配置はD-グリセルアルデヒドと同じである。マンノースは人間ではあまり代謝されず、経口摂取した場合には殆ど解糖系には入っていかない。
オリゴ糖の含有量は、高速液体クロマトグラフの分析チャートより、6~15質量%(15質量%以下)であった。
タンパク質中のアミノ酸組成は、例えばHPLCを用いた公知の方法によって測定できる。アスパラギンとグルタミンは、アミノ酸分析の前処理において、タンパク質を加水分解する際に、それぞれアスパラギン酸とグルタミン酸に変化し、測定の際には、アスパラギンとアスパラギン酸、グルタミン酸とグルタミンは区別できない。このため、これらは纏めて、アスパラギン酸、グルタミン酸として定量される。
本発明の筋肉量増加用組成物は、そのまま或いは食品・飲料等に混ぜて経口摂取することができる。経口摂取する場合の投与量は、特に限定されないが、成人一人あたり・1日あたりに0.5g~70g(好ましくは3g~30g、更に好ましくは6g~18g)である。
<グアーガム分解物(PHGG)の調製>
実施例1
水900gに0.1N塩酸を加えてpH4.5に調整した後、アスペルギルス属細菌由来のβ-マンナナーゼ(ノボノルディスクバイオインダストリー社製)0.2gとグアーガム粉末100gを添加、混合した。この混合物を40℃~45℃で24時間に渡って反応させた。反応後、90℃で15分間加熱して酵素を失活させた。反応液を吸引濾過により濾過分離し、不溶物を除去して得られた透明な溶液を減圧濃縮(Yamato製エバポレーター)した。固形分量として、20質量%のものを得た。これを噴霧乾燥装置(大川原化工機(株)製)により乾燥し、粉末として65gのグアーガム分解物を得た。
グアーガム分解物を水に溶解させて、0.5(w/v)%濃度の水溶液を得た。分子量マーカーとして、ポリエチレングリコール(平均分子量:2×102、2×103、2×104及び1×105)を使用し、高速液体クロマトグラフィー(カラム:YMC-Pack Diol-120、検出器:示差屈折計)を用いて平均分子量を求めたところ、約20,000であった。平均分子量が1.8×103~2.0×105のものが85質量%以上含まれていた。
また、1質量%水溶液の粘度をB型粘度計を用いて25℃、60rpmで測定したところ、8mPa・sであった。
ガラクトースとマンノースの含量比率(ガラクトース:マンノース)を測定したところ、1:1.7であった。
酵素-HPLC法によって食物繊維含量を測定したところ、90質量%であった。
オリゴ糖の含有量は、7.3質量%であった。
また、本実施例中のグアー豆タンパク質のアミノ酸分析を行ったところ、表1に示す通りであった。この結果から、(グルタミン酸+グルタミン+アスパラギン酸+アスパラギン)/全アミノ酸、(グルタミン酸+グルタミン+アスパラギン酸+アスパラギン)/(アルギニン+リジン+ヒスチジン)、(シスチン+チロシン)/全アミノ酸、(バリン+ヒスチジン+プロリン+ロイシン)/全アミノ酸を求めたところ、それぞれ0.47、5.0、0.11、0.10であった。
また、グアーガム分解物とグアー豆タンパク質の比率を求めたところグアーガム分解物:グアー豆タンパク質=279:1であった。
なお、アミノ酸分析の特性上、グルタミン酸+グルタミン(Glu+Gln)はグルタミン酸として、アスパラギン酸+アスパラギン(Asp+Asn)はアスパラギンとして、システイン(Cys)はシスチンとして検出されるため、これを考慮して表中の記載を行った。
実施例2
水900gに0.1N塩酸を加えてpH3に調整した後、アスペルギルス属細菌由来のβ-マンナナーゼ(ノボノルディスクバイオインダストリー社製)0.15gとグアーガム粉末100gを添加、混合した。この混合物を40℃~45℃で24時間に渡って反応させた。反応後、90℃で15分間加熱して酵素を失活させた。反応液を吸引濾過により濾過分離し、不溶物を除去して得られた透明な溶液を減圧濃縮(Yamato製エバポレーター)した。固形分量として、20質量%のものを得た。これを噴霧乾燥装置(大川原化工機(株)製)により乾燥し、粉末として68gのグアーガム分解物を得た。
グアーガム分解物の平均分子量を実施例1と同様にして求めたところ、約2.5×104であった。HPLCチャートの結果より、平均分子量が1.8×103~2.0×104のものが85質量%以上含まれていた。
また、1質量%水溶液の粘度をB型粘度計を用いて25℃、60rpmで測定したところ、10mPa・sであった。
ガラクトースとマンノースの含量比率(ガラクトース:マンノース)を測定したところ、1:1.8であった。
酵素-HPLC法によって食物繊維含量を測定したところ、89質量%であった。
オリゴ糖の含有量は、10質量%であった。
また、本実施例中のグアー豆タンパク質のアミノ酸分析を行ったところ、(グルタミン酸+グルタミン+アスパラギン酸+アスパラギン)/全アミノ酸、(グルタミン酸+グルタミン+アスパラギン酸+アスパラギン)/(アルギニン+リジン+ヒスチジン)、(シスチン+チロシン)/全アミノ酸、(バリン+ヒスチジン+プロリン+ロイシン)/全アミノ酸を求めたところ、それぞれ0.56、22.3、0.16、0.03であった。
また、グアーガム分解物とグアー豆タンパク質の比率を求めたところグアーガム分解物:グアー豆タンパク質=418:1であった。
実施例3
水900gに0.1N塩酸を加えてpH4に調整した後、アスペルギルス属細菌由来のβ-マンナナーゼ(ノボノルディスクバイオインダストリー社製)0.25gとグアーガム粉末100gを添加、混合した。この混合物を50℃~55℃で12時間に渡って反応させた。反応後、90℃で15分間加熱して酵素を失活させた。反応液を吸引濾過によって濾過分離し、不溶物を除去して得られた透明な溶液を減圧濃縮(Yamato製エバポレーター)した。固形分量として、20質量%のものを得た。これを噴霧乾燥装置(大川原化工機(株)製)により乾燥し、粉末として70gのグアーガム分解物を得た。
グアーガム分解物の平均分子量を実施例1と同様にして求めたところ、約1.5×104であった。HPLCチャートの結果より、平均分子量が1.8×103~2.0×105のものが86質量%以上含まれていた。
また、1質量%水溶液の粘度をB型粘度計を用いて25℃、60rpmで測定したところ、9mPa・sであった。
ガラクトースとマンノースの含量比率(ガラクトース:マンノース)を測定したところ、1:2.0であった。
酵素-HPLC法によって食物繊維含量を測定したところ、88質量%であった。
オリゴ糖の含有量は、9質量%であった。
また、本実施例中のグアー豆タンパク質のアミノ酸分析を行ったところ、(グルタミン酸+グルタミン+アスパラギン酸+アスパラギン)/全アミノ酸、(グルタミン酸+グルタミン+アスパラギン酸+アスパラギン)/(アルギニン+リジン+ヒスチジン)、(シスチン+チロシン)/全アミノ酸、(バリン+ヒスチジン+プロリン+ロイシン)/全アミノ酸を求めたところ、それぞれ0.48、9.6、0.17、0.05であった。
また、グアーガム分解物とグアー豆タンパク質の比率を求めたところグアーガム分解物:グアー豆タンパク質=357:1であった。
<生活習慣病モデルマウスを用いたPHGG摂取試験>
1.試験方法
(1)実験動物、試験飼料、および飼育方法
4週齢のC57BL/6NJcl系の雄マウス(日本クレア株式会社)を用いた。AIN-93G飼料による1週間の予備飼育終了後、群分けを行い、試験飼料を自由摂食させ12週間飼育した。
コントロールである高脂肪食群はAIN-93G組成に対し、脂質由来カロリーが60%になるようにラードを約30%添加した。PHGG群は高脂肪食群の組成のうち食物繊維であるセルロース5%をPHGGに全置換した。PHGGとして、実施例3のものを用いた。
飼育77日目にcomputed tomography(CT)スキャンによる体脂肪率および筋肉重量の測定を行った。84日目に解剖し、血液の採取と臓器の摘出を行った。肝臓からマイクロアレイ解析用に5 mm角程度のブロックを採取し、RNAlater(Thermo Fisher Scientific株式会社)に4℃で一晩浸漬後-80℃で保管した。
(2)筋肉重量の測定
本飼育77日目に、X線CT装置Latheta LCT-200(株式会社日立製作所)を用いて体組成の測定を行った。イソフルラン麻酔下で腹部肋骨の下から2本目から骨盤の尾側先端の領域を2 mm間隔で測定し、Latheta付属ソフトを用いて筋肉重量を算出した。
(3)血清成分の受託解析
総コレステロール(total cholesterol: T-CHO)、トリグリセリド(triglyceride: TG)、遊離脂肪酸(non-esterified fatty acid: NEFA)、LDLコレステロール(low density lipoprotein cholesterol: LDL-C)、HDLコレステロール(high density lipoprotein cholesterol: HDL-C)、グルコース(glucose: GLU)、グリコアルブミン(glycoalbumin: GA)の測定を長浜ライフサイエンスラボラトリーに委託した。
(4)肝臓のDNAマイクロアレイ
RNAlaterに浸漬後、-80℃で保管した肝臓サンプルよりtotal RNAを抽出し、断片化および標識化されたセンス鎖のcDNAを合成し、DNAマイクロアレイ解析に供した。得られたデータを正規化後、2群間比較を行い、高脂肪食群vs PHGG群間で有意に発現変動した遺伝子を抽出した。さらに、発現変動遺伝子の機能を調べるためエンリッチメント解析を行った。
2.試験結果
(1)筋肉重量
図1には、筋肉重量の測定結果を示した。筋肉重量については、高脂肪食群に対し、PHGG群は有意に(p<0.05)高値を示した。
(2)血清成分
図2には、LDL-Cの測定結果を示した。LDLコレステロールについては、高脂肪食群に対し、PHGG群は有意に(p<0.05)低値を示した。
(3)肝臓のDNAマイクロアレイ解析
表2には、肝臓のDNAマイクロアレイ解析を行い、有意に増加(↑)または減少(↓)した遺伝子を示した。
高脂肪食群に対しPHGG群では、脂肪蓄積、コレステロール生合成に関わる遺伝子群であるCd36、SREBP1、Cyp51、Fdft1、Hmgscs1及びNsdh1の発現が低下した。また、エンリッチメント解析の結果、脂肪蓄積抑制、コレステロール上昇抑制、インスリン抵抗性改善に寄与する事が示された。PHGG摂取により、ミトコンドリア生合成やエネルギー代謝を調節するPGC1αとAMPKの発現が有意に上昇した。
<豚へのPHGG摂取試験>
1.試験方法
(1)実験動物、試験飼料、および飼育方法
一般農場で飼育されている肉豚を対象に試験を実施した。対照群には通常の肉豚用飼料を、PHGG群には対照群と同じ飼料に0.06%のPHGGを添加した飼料を離乳から出荷まで不断給餌で与え飼育した。PHGGとして、実施例1のものを用いた。
各群から無作為に選択した3頭、計6頭を飼育約160日目に屠畜し、屠畜日より5日経過した時点で肩の部位より骨格筋約30gを採取し、遊離アミノ酸分析に供した。
(2)遊離アミノ酸の測定
トリプトファン以外はアミノ酸自動分析法、トリプトファンは高速液体クロマトグラフ法を用いて分析した。
2.試験結果
表3には、コントロール群とPHGG測定群における遊離アミノ酸量の測定結果の平均を示した(n=3)。図3には、ロイシン、イソロイシン、バリン及び分岐鎖アミノ酸の測定結果を示した。
PHGG群(P群)はコントロール群(C群)に比べると、骨格筋中の遊離ロイシン、遊離イソロイシン、遊離バリン、遊離分岐アミノ酸が有意に多く、更に遊離メチオニン、遊離スレオニン、遊離必須アミノ酸が有意に多かった。分岐鎖アミノ酸は、体内で生産できない必須アミノ酸であり、持久系のアミノ酸であり運動時に筋肉でエネルギーとして働くことが知られている。また、筋肉の合成を促進することが知られていることから、PHGGは老齢者や病弱者の筋肉増強に有利に働くことが分かった。
このように本実施形態によれば、容易に摂取ができ、筋肉量増加促進を行える組成物等を提供できた。

Claims (4)

  1. (A)平均分子量が1.8×103~2.0×105、平均分子量の範囲内のものが70質量%以上含まれるグアーガム分解物と(B)グアー豆タンパク質とを含有し、B型粘度計を用いて25℃、60rpmで測定したときの1質量%水溶液の粘度が50mPa・s以下のものであって、
    前記グアーガム分解物が、グアー由来の胚乳に含まれ、ガラクトースとマンノースの含量比率(ガラクトース:マンノース)が1:1.5~1:2.1の範囲であるガラクトマンナン多糖を微生物由来β-マンナナーゼを用いて加水分解し、低分子化することにより得られたものであり、酵素-HPLC法により規定される食物繊維含量を少なくとも70質量%、グアーガム分解物のオリゴ糖の含有量が15質量%以下であり、含有するタンパク質中のアミノ酸のうち(グルタミン酸+グルタミン+アスパラギン酸+アスパラギン)≧100 mg/100 g、(シスチン+チロシン+セリン+スレオニン)≧40 mg/100 g、全アミノ酸≧150 mg/100gであり、前記(A)/(B)の比率が1000以下である筋肉量増加用組成物。
  2. 請求項1に記載の筋肉量増加用組成物を含有する筋肉量増加用飲食品。
  3. 請求項1に記載の筋肉量増加用組成物を含有する筋肉量増加用医薬品。
  4. 請求項1に記載の筋肉量増加用組成物を含有する筋肉量増加用飼料。
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