JP7846980B2 - 搬送車両の走行システム - Google Patents

搬送車両の走行システム

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Description

本発明は、搬送車両の走行システムに関する。
露天掘り鉱山等の作業現場において、自律的に走行、又は、外部から運転支援を受けて走行するダンプトラック等の搬送車両と、当該搬送車両の走行を管理する管制装置とを無線通信回線を介して接続した搬送システムが知られている。
搬送車両は、予め定められた目標軌道に従って走行しており、実際の走行軌道が目標軌道から一定距離以上ずれると軌道逸脱と判断し、停車する。搬送車両の停車は、稼働時間の減少に繋がり、生産性低下の要因となる。また、搬送車両の操舵装置は、環境温度の変化等によって作動油の粘性が変化したり、搬送車両の積載量が重量化したりすることによって、応答性が低下することがある。搬送車両の操舵装置の応答性が低下すると、目標軌道に対する追従性能が低下し、軌道逸脱の回数が増加する可能性がある。
従来技術として、特許文献1には、無人車両の制御システムが開示されている。特許文献1に開示の無人車両の制御システムは、無人車両の走行速度を制御する走行指令を出力する走行指令部と、無人車両の操舵装置を制御する操舵指令を出力する操舵指令部と、操舵装置の目標値と無人車両の走行において検出された操舵装置の検出値とに基づいて、操舵装置の操舵応答性を算出する応答性算出部と、操舵応答性が制限条件を満足するか否かを判定する判定部と、操舵応答性が制限条件を満足するときに、走行速度を制限する制限指令を出力する制限指令部と、を備える。
特開2020-115281号公報
特許文献1に開示の無人車両の制御システムは、目標軌道に対する追従性能を確保するために、操舵装置の応答性が低下すると、車両速度を低下させるので、生産性を低下させる可能性がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、車両速度の低下を抑制しつつ目標軌道に対する追従性能を確保することが可能な搬送車両の走行システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の搬送車両の走行システムは、搬送車両に搭載され、前記搬送車両を目標軌道に従って走行させる搬送車両の走行システムであって、前記搬送車両の車両位置を計測する位置センサと、前記目標軌道を構成するノード毎に算出された前記目標軌道の曲がり具合を示す曲率を記憶する記憶装置と、前記車両位置と前記曲率とに基づいて前記搬送車両の走行を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記搬送車両が通過するべき地点である目標点を、前記車両位置よりも前方の前記目標軌道上に設定する目標点設定部と、前記搬送車両が前記車両位置から前記目標点に向かって走行するよう前記搬送車両の走行を制御する車両制御部と、を有し、前記目標点設定部は、前記車両位置よりも前方の前記ノードにおける前記曲率が閾値未満である場合、前記曲率が当該閾値以上である場合よりも前記車両位置から遠い位置に前記目標点を設定することを特徴とする。
本発明によれば、車両速度の低下を抑制しつつ目標軌道に対する追従性能を確保することが可能な搬送車両の走行システムを提供することができる。
上記以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
実施形態1の搬送システムを説明する図。 図1に示す搬送路を説明する図。 実施形態1の搬送車両の走行システムの構成を示すブロック図。 図3に示す記憶装置に記憶された道路情報を示す図。 仮想点及び目標点を説明する図。 前方移動時間の変更割合と曲率との関係を示す図。 前方移動時間の変更割合と操舵角速度との関係を示す図。 前方移動時間の変更割合と積載量との関係を示す図。 操舵角目標値の算出手法の1つを説明する図。 図3に示す目標点設定部が行う目標点の算出処理のフローチャート。 図3に示す制御目標値算出部が行う操舵角目標値の算出処理のフローチャート。 実施形態2の搬送システムを説明する図。 実施形態2の搬送車両の走行システムの構成を示すブロック図。 図13に示す記憶装置に記憶された道路情報を示す図。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、各実施形態において同一の符号を付された構成については、特に言及しない限り、各実施形態において同様の機能を有し、その説明を省略する。
[実施形態1]
図1~図11を用いて、実施形態1の搬送車両20の走行システム200について説明する。
図1は、実施形態1の搬送システム1を説明する図である。図2は、図1に示す搬送路10を説明する図である。
搬送システム1は、露天掘り鉱山等の作業現場で、土砂や鉱石等の積荷を搬送するための少なくとも1台以上の搬送車両20を有する。搬送車両20は、自律的に走行するダンプトラック等の搬送車両である。或いは、搬送車両20は、搬送車両20の走行を管理する管制装置からの運転支援を受けて走行する搬送車両であってもよい。搬送車両20は、作業現場の地形に基づいて予め設定された搬送路10を走行する。
搬送路10は、図2に示すように、目標軌道11と、ノード12と、走行区画13とを有する。目標軌道11は、搬送路10内において搬送車両20が走行するべき軌道を示すデータである。目標軌道11は、直線又は曲線状に構成された軌道を示すデータであってもよいし、搬送路10の幅方向に幅を持たせた帯状に構成された軌道を示すデータであってもよい。ノード12は、目標軌道11上の地点を示す座標データである。本実施形態では、図2に示すように、目標軌道11は、搬送路10の幅方向中心を通る曲線とし、ノード12は目標軌道11上に等間隔に配置されるとする。
走行区画13は、搬送路10を分割した領域である。走行区画13は、1つの走行区画13に対して1台の搬送車両20だけが走行するように設定される。すなわち、走行区画13は、搬送車両20同士が干渉せずに走行できるよう設定される領域である。走行区画13は、1つのノード12に対して1つの走行区画13が設定されてもよいし、複数のノード12に対して1つの走行区画13が設定されてもよい。
図3は、実施形態1の搬送車両20の走行システム200の構成を示すブロック図である。図4は、図3に示す記憶装置210に記憶された道路情報を示す図である。図5は、仮想点及び目標点を説明する図である。図6は、前方移動時間の変更割合と曲率との関係を示す図である。図7は、前方移動時間の変更割合と操舵角速度との関係を示す図である。図8は、前方移動時間の変更割合と積載量との関係を示す図である。図9は、操舵角目標値の算出手法の1つを説明する図である。
搬送車両20の走行システム200は、搬送車両20に搭載され、搬送車両20を目標軌道11に従って走行させるシステムである。走行システム200は、目標軌道11との偏差が最小となるよう搬送車両20を走行させる。或いは、走行システム200は、目標軌道11上に配置されたノード12を通過するように搬送車両20を走行させる。
搬送車両20の走行システム200は、ハードウェア構成として、記憶装置210と、制御装置220と、駆動装置260と、センサ群270とを備える。
記憶装置210は、情報の読み書きが可能な不揮発性の記憶媒体によって構成される。記憶装置210には、OS(Operating System)、各種制御プログラム、アプリケーションプログラム、データベース等が記憶されている。
制御装置220は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)を含んで構成される。制御装置220は、CPUが、プログラムに従う演算、作業領域への情報の読み書き、プログラムの一時的な記憶等を行って、制御装置220の機能を実現する。
駆動装置260は、搬送車両20を走行させるために搬送車両20を駆動する装置である。駆動装置260は、搬送車両20を制動させるブレーキ装置と、搬送車両20の操舵角を変更する操舵モータと、搬送車両20の走行させる走行モータとを少なくとも含む。駆動装置260は、制御装置220から出力された制御指令に応じて作動する。
センサ群270は、搬送車両20の状態を計測する複数のセンサを含む。センサ群270は、搬送車両20の操舵角を計測する操舵角センサ271と、搬送車両20の車両方位を計測する方位センサ272とを含む。更に、センサ群270は、搬送車両20の車両位置を計測する位置センサ273と、搬送車両20の車両速度を計測する速度センサ274と、搬送車両20における積荷の積載量を計測する積載センサ275とを含む。センサ群270は、各計測値を制御装置220に出力する。
操舵角センサ271は、角度検出装置であってもよい。方位センサ272は、慣性計測装置(IMU:Inertial Measurement Unit)を含んで構成され、取得された角加速度の時間変化を算出することによって方位を計測してもよい。方位センサ272は、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機を含んで構成され、取得された車両位置の軌跡を算出することによって車両方位を計測してもよい。位置センサ273は、GNSS受信機を含んで構成されてもよい。速度センサ274は、車輪速センサであってもよい。速度センサ274は、GNSS受信機により取得された車両位置の時間変化を算出することによって車両速度を計測してもよい。積載センサ275は、搬送車両20のサスペンションに作用する荷重や、油圧シリンダの作動油の圧力から、搬送車両20の積載量を計測してもよい。
続いて、搬送車両20の走行システム200の機能的構成について説明する。
記憶装置210は、目標軌道11を構成するノード12毎に算出された、目標軌道11の曲がり具合を示す曲率を記憶する。具体的には、記憶装置210は、搬送路10の情報(以下「道路情報」とも称する)を記憶する道路情報記憶部211を含む。道路情報記憶部211に記憶された道路情報は、図4に示すように、各ノード12を識別するノードIDと、各ノード12の位置座標を示すノード情報と、各ノード12を通過する際の搬送車両20の上限速度と、各ノード12における目標軌道11の曲率とを含む。ノードID、ノード情報、上限速度及び曲率は、互いに紐付けられて道路情報記憶部211に記憶される。
上限速度は、搬送車両20が各ノード12を通過する際の最大速度である。上限速度は、目標軌道11の曲率若しくは勾配の何れか1つ又は両方と搬送車両20の性能限界とに基づいて、予め定められる。曲率は、所定個数のノード12を通る円の半径(曲率半径)の逆数を算出することによって算出される。或いは、曲率は、車両方位又は車両位置の時間変化から算出される搬送車両20の旋回半径の逆数を算出することによって算出される。
制御装置220は、センサ群270の各計測値と、記憶装置210に記憶された道路情報とに基づいて、搬送車両20の走行を制御する。特に、制御装置220は、位置センサ273により計測された車両位置と記憶装置210に記憶された曲率とに基づいて搬送車両20の走行を制御する。
制御装置220は、目標点設定部230と、制御目標値算出部240と、車両制御部250と、を有する。なお、目標点設定部230、制御目標値算出部240及び車両制御部250のそれぞれは、CPU、ROM、RAMを含んで構成され、それぞれのCPUが、プログラムに従う演算、作業領域への情報の読み書き、プログラムの一時的な記憶等を行って、それぞれの機能を実現してもよい。
車両制御部250は、搬送車両20が車両位置から目標点に向かって走行するよう搬送車両20の走行を制御する。車両制御部250は、制御目標値算出部240により算出された制御目標値に応じて、駆動装置260の作動を制御する制御指令を生成する。制御指令には、操舵角の操作量が含まれる。すなわち、車両制御部250は、搬送車両20が現在の車両位置から目標点に向かって走行するよう、制御目標値算出部240により算出された操舵角目標値に応じて、搬送車両20の走行を制御する。更に、制御指令には、ブレーキペダルの操作量、又は、アクセルペダルの操作量が含まれていてもよい。車両制御部250は、生成された制御指令を駆動装置260に出力する。
目標点設定部230は、搬送車両20が通過するべき地点である目標点を車両位置よりも前方の目標軌道11上に設定する。目標点設定部230は、仮想点算出部231と、目標点算出部232と、変更部233と、を有する。
仮想点算出部231は、搬送車両20が現在の車両速度及び車両方位に基づいて所定の前方移動時間だけ走行すると仮定した場合の車両位置である仮想点を算出する。仮想点算出部231は、記憶装置210に記憶された道路情報と、操舵角センサ271により計測された操舵角と、方位センサ272により計測された車両方位と、位置センサ273により計測された車両位置と、速度センサ274により計測された車両速度と、積載センサ275により計測された積載量とを取得する。仮想点算出部231は、取得されたこれらの情報に基づいて、仮想点を算出する。
具体的には、仮想点算出部231は、現在の搬送車両20の車両位置を起点として、搬送車両20が現在の車両速度及び車両方位を維持して、所定の前方移動時間だけ走行すると仮定した場合の車両位置を、仮想点として算出する。図5の例では、搬送車両20が、現在、車両位置Pに存在し、車両方位Dに向かって車両速度Vで走行している。図5の例では、搬送車両20がこの状態を維持して前方移動時間Tだけ走行すると仮定すると、搬送車両20の車両位置は地点Pvになる。仮想点算出部231は、地点Pvを仮想点として算出する。
或いは、仮想点算出部231は、車両方位の時間変化、又は、操舵角の時間変化から方位変化率を算出する。そして、仮想点算出部231は、現在の搬送車両20の車両位置を起点として、搬送車両20が現在の車両速度及び方位変化率を維持して、所定の前方移動時間だけ走行すると仮定した場合の車両位置を、仮想点として算出してもよい。
目標点算出部232は、仮想点から目標点を算出する。目標点算出部232は、記憶装置210に記憶された道路情報と、仮想点算出部231により算出された仮想点とから目標点を算出する。具体的には、目標点算出部232は、仮想点から目標軌道11に下ろした垂線の足(垂線と目標軌道11との交点)を目標点として算出する。図5の例では、目標点算出部232は、仮想点Pvから目標軌道11に下ろした垂線の足である地点Ptを目標点として算出する。或いは、目標点算出部232は、仮想点に最も近いノード12の地点を目標点として算出してもよい。
目標点算出部232により算出される目標点は、仮想点算出部231により算出される仮想点に依存する。仮想点算出部231により算出される仮想点は、前方移動時間に依存する。前方移動時間は、仮想点及び目標点を算出するために予め設定されたパラメータである。前方移動時間が短いと、仮想点は搬送車両20の現在の車両位置から近い位置になり、目標点は搬送車両20の現在の車両位置から近い位置になる。前方移動時間が長いと、仮想点は搬送車両20の現在の車両位置から遠い位置になり、目標点は搬送車両20の現在の車両位置から遠い位置になる。そして、目標点が搬送車両20の現在の車両位置から近い位置にあると、搬送車両20は目標軌道11に早く近付くように走行し得る。目標点が搬送車両20の現在の車両位置から遠い位置にあると、搬送車両20は目標軌道11にゆっくり(時間をかけて)近付くように走行し得る。
変更部233は、前方移動時間を変更する。変更部233は、予め設定されたデフォルトの前方移動時間に、変更割合を乗算することによって、前方移動時間を変更する。前方移動時間の変更割合は、0より大きく1以下の数値である。すなわち、前方移動時間の変更割合が大きいと、変更後の前方移動時間は長くなる。前方移動時間の変更割合が小さいと、変更後の前方移動時間は短くなる。
変更部233は、現在の搬送車両20の車両位置よりも前方のノード12における曲率に応じて、前方移動時間の変更割合を決定する。現在の搬送車両20の車両位置よりも前方のノード12とは、現在の搬送車両20の車両位置よりも前方のノード12のうち、当該車両位置に最も近いノード12であってもよいし、仮想点に最も近いノード12であってもよい。
具体的には、変更部233には、図6に示すような、車両位置よりも前方のノード12における曲率θと、前方移動時間の変更割合Rθとの関係が予め設定されている。図6の例では、曲率θがゼロ以上θ未満の範囲において、前方移動時間の変更割合Rθは、Rθaという比較的大きな値で一定である。図6の例では、曲率θがθ以上の範囲において、前方移動時間の変更割合Rθは、Rθbという比較的小さい値で一定である。図6の例では、曲率θがθ以上θ未満の範囲において、前方移動時間の変更割合Rθは、曲率θに反比例している。図6において、前方移動時間の変更割合Rθが曲率θに反比例しているのは、曲率θが大きいほど、目標点を車両位置から近い位置に設定したいからであり、目標点を車両位置から近い位置に設定するためには変更割合Rθを小さくする必要があるからである。
図6の例において、変更割合Rθの最小値Rθb及び最大値Rθaは、次のようにして算出されてもよい。すなわち、前方移動時間を固定して搬送車両20を走行させた結果、又は、シミュレーション上で走行させた結果のうち、曲率θが大きい場合であっても操舵が間に合わないことによる目標軌道11からの逸脱が発生しない値が、最小値Rθbとして算出されてもよい。これらの結果のうち、曲率θが小さい場合であっても蛇行による目標軌道11からの逸脱が発生しない値が、最大値Rθaとして算出されてよい。なお、図6の例では、曲率θがθ以上θ未満の範囲内に、曲率θの閾値θthが設定されている。
変更部233は、図6に示すように、現在の搬送車両20の車両位置よりも前方のノード12における曲率が閾値未満である場合、当該曲率が当該閾値以上である場合よりも大きい変更割合に決定する。これにより、変更部233は、現在の搬送車両20の車両位置よりも前方のノード12における曲率が閾値未満である場合、当該曲率が当該閾値以上である場合よりも長い時間に前方移動時間を変更することができる。仮想点算出部231は、当該曲率が当該閾値以上である場合よりも長い時間に変更された前方移動時間を用いて仮想点を算出する。目標点算出部232は、当該曲率が当該閾値以上である場合よりも長い時間に変更された前方移動時間を用いて算出された仮想点から目標点を算出する。すなわち、目標点算出部232は、現在の搬送車両20の車両位置よりも前方のノード12における曲率が閾値未満である場合、当該曲率が当該閾値以上である場合よりも車両位置から遠い位置に目標点を算出することができる。したがって、この場合、目標点設定部230は、当該曲率が当該閾値以上である場合よりも車両位置から遠い位置に目標点を設定することができる。
一方、変更部233は、現在の搬送車両20の車両位置よりも前方のノード12における曲率が閾値以上である場合、当該曲率が当該閾値未満である場合よりも小さい変更割合に決定する。これにより、変更部233は、現在の搬送車両20の車両位置よりも前方のノード12における曲率が閾値以上である場合、当該曲率が当該閾値未満である場合よりも短い時間に前方移動時間を変更することができる。仮想点算出部231は、当該曲率が当該閾値未満である場合よりも短い時間に変更された前方移動時間を用いて仮想点を算出する。目標点算出部232は、当該曲率が当該閾値未満である場合よりも短い時間に変更された前方移動時間を用いて算出された仮想点から目標点を算出する。すなわち、目標点算出部232は、現在の搬送車両20の車両位置よりも前方のノード12における曲率が閾値以上である場合、当該曲率が当該閾値未満である場合よりも車両位置から近い位置に目標点を算出することができる。したがって、この場合、目標点設定部230は、当該曲率が当該閾値未満である場合よりも車両位置から近い位置に目標点を設定することができる。
また、変更部233は、現在の搬送車両20の操舵角速度に応じて、前方移動時間の変更割合を決定することができる。操舵角速度は、操舵角センサ271により計測された操舵角の時間変化である。操舵角速度は、操舵角センサ271によって算出されてもよいし、目標点設定部230(或いは変更部233)によって算出されてもよい。
具体的には、変更部233には、図7に示すような、搬送車両20の操舵角速度dδ/dtと、前方移動時間の変更割合R(dδ/dt)との関係が予め設定されている。図7に示す操舵角速度dδ/dtと変更割合R(dδ/dt)との関係は、図6に示す曲率θと変更割合Rθとの関係と同様な形状のグラフとして表され得る。図7において、前方移動時間の変更割合R(dδ/dt)が操舵角速度dδ/dtに反比例しているのは、操舵角速度dδ/dtが高速であるほど、車輪の向きが早く変わり目標軌道11に早く近付き得るので、目標点を車両位置から近い位置に設定したいからであり、目標点を車両位置から近い位置に設定するためには変更割合R(dδ/dt)を小さくする必要があるからである。
図7の例において、変更割合R(dδ/dt)の最小値R(dδ/dt)b及び最大値R(dδ/dt)aは、次のようにして算出されてもよい。すなわち、前方移動時間を固定して搬送車両20を走行させた結果、又は、シミュレーション上で走行させた結果のうち、操舵角速度dδ/dtが高速である場合であっても操舵が間に合わないことによる目標軌道11からの逸脱が発生しない値が、最小値R(dδ/dt)bとして算出されてもよい。これらの結果のうち、操舵角速度dδ/dtが低速である場合であっても蛇行による目標軌道11からの逸脱が発生しない値が、最大値R(dδ/dt)aとして算出されてよい。なお、図7の例では、操舵角速度dδ/dtが(dδ/dt)以上(dδ/dt)未満の範囲内に、操舵角速度dδ/dtの閾値(dδ/dt)thが設定されている。
変更部233は、図7に示すように、現在の搬送車両20の操舵角速度が閾値未満である場合、当該操舵角速度が当該閾値以上である場合よりも大きい変更割合に決定する。これにより、変更部233は、現在の搬送車両20の操舵角速度が閾値未満である場合、当該操舵角速度が当該閾値以上である場合よりも長い時間に前方移動時間を変更することができる。仮想点算出部231は、当該操舵角速度が当該閾値以上である場合よりも長い時間に変更された前方移動時間を用いて仮想点を算出する。目標点算出部232は、当該操舵角速度が当該閾値以上である場合よりも長い時間に変更された前方移動時間を用いて算出された仮想点から目標点を算出する。すなわち、目標点算出部232は、現在の搬送車両20の操舵角速度が閾値未満である場合、当該操舵角速度が当該閾値以上である場合よりも車両位置から遠い位置に目標点を算出することができる。したがって、この場合、目標点設定部230は、当該操舵角速度が当該閾値以上である場合よりも車両位置から遠い位置に目標点を設定することができる。
一方、変更部233は、現在の搬送車両20の操舵角速度が閾値以上である場合、当該操舵角速度が当該閾値未満である場合よりも小さい変更割合に決定する。これにより、変更部233は、現在の搬送車両20の操舵角速度が閾値以上である場合、当該操舵角速度が当該閾値未満である場合よりも短い時間に前方移動時間を変更することができる。仮想点算出部231は、当該操舵角速度が当該閾値未満である場合よりも短い時間に変更された前方移動時間を用いて仮想点を算出する。目標点算出部232は、当該操舵角速度が当該閾値未満である場合よりも短い時間に変更された前方移動時間を用いて算出された仮想点から目標点を算出する。すなわち、目標点算出部232は、現在の搬送車両20の操舵角速度が閾値以上である場合、当該操舵角速度が当該閾値未満である場合よりも車両位置から近い位置に目標点を算出することができる。したがって、この場合、目標点設定部230は、当該操舵角速度が当該閾値未満である場合よりも車両位置から近い位置に目標点を設定することができる。
また、変更部233は、現在の搬送車両20の積載量に応じて、前方移動時間の変更割合を決定することができる。
具体的には、変更部233には、図8に示すような、搬送車両20の積載量Wと、前方移動時間の変更割合Rとの関係が予め設定されている。図8に示す積載量Wと変更割合Rとの関係は、積載量Wがゼロ以上W未満の範囲において、前方移動時間の変更割合Rは、RWaという比較的小さな値で一定である。図8の例では、積載量WがW以上の範囲において、前方移動時間の変更割合Rは、RWbという比較的大きな値で一定である。図8の例では、積載量WがW以上W未満の範囲において、前方移動時間の変更割合Rは、積載量Wに比例している。図8において、前方移動時間の変更割合Rが積載量Wに比例しているのは、積載量Wが重量であるほど、車輪の向きが変わってから搬送車両20の向き(車両方位)が変わるまでに要する時間が長くなり目標軌道11にゆっくり(時間をかけて)近付き得るので、目標点を車両位置から遠い位置に設定したいからであり、目標点を車両位置から遠い位置に設定するためには変更割合Rを大きくする必要があるからである。
図8の例において、変更割合Rの最小値RWa及び最大値RWbは、次のようにして算出されてもよい。すなわち、前方移動時間を固定して搬送車両20を走行させた結果、又は、シミュレーション上で走行させた結果のうち、積載量Wが軽量である場合であっても操舵が間に合わないことによる目標軌道11からの逸脱が発生しない値が、最小値RWaとして算出されてもよい。これらの結果のうち、積載量Wが重量である場合であっても蛇行による目標軌道11からの逸脱が発生しない値が、最大値RWbとして算出されてよい。なお、図8の例では、積載量WがW以上W未満の範囲内に、積載量Wの閾値Wthが設定されている。
変更部233は、図8に示すように、現在の搬送車両20の積載量が閾値未満である場合、当該積載量が当該閾値以上である場合よりも小さい変更割合に決定する。これにより、変更部233は、現在の搬送車両20の積載量が閾値未満である場合、当該積載量が当該閾値以上である場合よりも短い時間に前方移動時間を変更することができる。仮想点算出部231は、当該積載量が当該閾値以上である場合よりも短い時間に変更された前方移動時間を用いて仮想点を算出する。目標点算出部232は、当該積載量が当該閾値以上である場合よりも短い時間に変更された前方移動時間を用いて算出された仮想点から目標点を算出する。すなわち、目標点算出部232は、現在の搬送車両20の積載量が閾値未満である場合、当該積載量が当該閾値以上である場合よりも車両位置から近い位置に目標点を算出することができる。したがって、この場合、目標点設定部230は、当該積載量が当該閾値以上である場合よりも車両位置から近い位置に目標点を設定することができる。
一方、変更部233は、現在の搬送車両20の積載量が閾値以上である場合、当該積載量が当該閾値未満である場合よりも大きい変更割合に決定する。これにより、変更部233は、現在の搬送車両20の積載量が閾値以上である場合、当該積載量が当該閾値未満である場合よりも長い時間に前方移動時間を変更することができる。仮想点算出部231は、当該積載量が当該閾値未満である場合よりも長い時間に変更された前方移動時間を用いて仮想点を算出する。目標点算出部232は、当該積載量が当該閾値未満である場合よりも長い時間に変更された前方移動時間を用いて算出された仮想点から目標点を算出する。すなわち、目標点算出部232は、現在の搬送車両20の積載量が閾値以上である場合、当該積載量が当該閾値未満である場合よりも車両位置から遠い位置に目標点を算出することができる。したがって、この場合、目標点設定部230は、当該積載量が当該閾値未満である場合よりも車両位置から遠い位置に目標点を設定することができる。
また、変更部233は、現在の搬送車両20の車両位置よりも前方のノード12における曲率に応じて決定される変更割合(Rθ)、操舵角速度に応じて決定される変更割合(R(dδ/dt))、及び、積載量に応じて決定される変更割合(R)の少なくとも1つを用いて、前方移動時間を変更することができる。例えば、変更部233は、曲率に応じて決定される変更割合(Rθ)と、操舵角速度に応じて決定される変更割合(R(dδ/dt))と、積載量に応じて決定される変更割合(R)との積を用いて、前方移動時間を変更することができる。
制御目標値算出部240は、車両位置から目標点に向かって搬送車両20を走行させる際の駆動装置260の制御目標値を算出する。制御目標値算出部240は、方位センサ272により計測された車両方位と、位置センサ273により計測された車両位置と、速度センサ274により計測された車両速度と、積載センサ275により計測された積載量と、目標点設定部230により算出された仮想点、目標点及び前方移動時間とを取得する。制御目標値算出部240は、取得されたこれらの情報に基づいて、駆動装置260の制御目標値を算出する。制御目標値算出部240は、駆動装置260の制御目標値として、操舵角の制御目標値(以下「操舵角目標値」とも称する)を算出する。更に、制御目標値算出部240は、駆動装置260の制御目標値として、車両速度の制動減速度の制御目標値、又は、車両速度の加速度の制御目標値を算出してもよい。
具体的には、制御目標値算出部240は、図5に示すように、現在の搬送車両20の車両位置、車両方位、仮想点及び目標点に基づいて、現在の車両位置から目標点に向かって搬送車両20を走行させるのに必要な車両方位の変化量(以下「必要方位変化量」とも称する)を算出する。図5の例では、必要方位変化量φは、車両位置Pと仮想点Pvとを通る直線と、車両位置Pと目標点Ptとを通る直線とが成す角度として示されている。
制御目標値算出部240は、前方移動時間Tの間に必要方位変化量φだけ車両方位を変化させる必要がある。制御目標値算出部240は、次式(1)を用いて、単位時間当たりの必要方位変化量φの変化率である必要方位変化率γを算出する。
そして、制御目標値算出部240は、次式(2)を用いて、操舵角目標値δを算出する。式(2)において、Lは搬送車両20のホイールベース長、A(W)は積載量Wによって変化するスタビリティファクタ、Vは搬送車両20の車両速度、及び、γは式(1)を用いて算出される必要方位変化率を示している。
操舵角目標値δは、式(2)に示すように、必要方位変化率γに比例する。必要方位変化率γは、式(1)に示すように、前方移動時間Tに反比例する。よって、操舵角目標値δは、前方移動時間Tに反比例する。
操舵角目標値δは、式(2)に示すように、搬送車両20の車両速度Vが高速であるほど大きくなり、車両速度Vが低速であるほど小さくなる。すなわち、制御目標値算出部240は、搬送車両20の車両速度が低速であるほど、操舵角目標値を小さく算出する。これにより、搬送車両20の走行システム200は、様々な車両速度で走行する搬送車両20に対して、目標軌道11に対する追従誤差を抑制し得るような操舵角目標値を算出することができる。よって、搬送車両20の走行システム200は、様々な車両速度で走行する搬送車両20に対して、車両速度の低下を抑制しつつ、目標軌道に対する追従性能を確保することができる。搬送車両20の走行システム200は、生産性の低下を抑制することができる。
スタビリティファクタA(W)は、搬送車両20の積載量Wが重量であるほど大きくなり、積載量Wが軽量であるほど小さくなる。よって、操舵角目標値δは、式(2)に示すように、搬送車両20の積載量Wが重量であるほど大きくなり、積載量Wが軽量であるほど小さくなる。すなわち、制御目標値算出部240は、搬送車両20の積載量が軽量であるほど、操舵角目標値を小さく算出する。これにより、搬送車両20の走行システム200は、様々な積載量で走行する搬送車両20に対して、目標軌道11に対する追従誤差を抑制し得るような操舵角目標値を算出することができる。よって、搬送車両20の走行システム200は、様々な積載量で走行する搬送車両20に対して、車両速度の低下を抑制しつつ、目標軌道に対する追従性能を確保することができる。搬送車両20の走行システム200は、生産性の低下を抑制することができる。
また、制御目標値算出部240は、次のような方法を用いて、操舵角目標値を算出してもよい。図9には、搬送車両20の車両位置Pと目標点Ptとを通り、車両方位Dに沿った直線に接する円Cが示されている。制御目標値算出部240は、この円Cの半径rを算出する。そして、制御目標値算出部240は、式(1)及び式(2)の代わりに次式(3)を用いて、操舵角目標値δを算出してもよい。式(3)において、Lは搬送車両20のホイールベース長、A(W)は積載量Wによって変化するスタビリティファクタ、Vは搬送車両20の車両速度を示している。
操舵角目標値δは、式(3)に示すように、半径rに反比例する。半径rは、目標点Ptが車両位置Pから遠いほど大きくなる。目標点Ptは、前方移動時間Tが長いほど車両位置Pから遠くなる。すなわち、半径rは、前方移動時間Tが長いほど大きくなる。よって、操舵角目標値δは、前方移動時間Tに反比例する。
上記のように、目標点設定部230は、現在の搬送車両20の車両位置よりも前方のノード12における曲率が閾値以上である場合、当該閾値未満である場合よりも短い時間に前方移動時間を変更し、当該閾値未満である場合よりも車両位置から近い位置に目標点を設定する。この場合、制御目標値算出部240は、前方移動時間が短い時間に変更されるので、当該閾値未満である場合よりも大きい操舵角目標値を算出する。算出される操舵角目標値は、搬送車両20が目標軌道11に近付くための操舵角目標値と、搬送車両20が目標軌道11の変化に追従するための操舵角目標値とを合わせた値である。算出される操舵角目標値は、操舵装置の応答性が低下しても、目標軌道11に対する追従誤差を抑制するべく搬送車両20が目標軌道11に早く近付くよう、搬送車両20を走行させる値である。
一方、目標点設定部230は、現在の搬送車両20の車両位置よりも前方のノード12における曲率が閾値未満である場合、当該閾値以上である場合よりも長い時間に前方移動時間を変更し、当該閾値以上である場合よりも車両位置から遠い位置に目標点を設定する。この場合、制御目標値算出部240は、前方移動時間が長い時間に変更されるので、当該閾値以上である場合よりも小さい操舵角目標値を算出する。算出された操舵角目標値は、搬送車両20が目標軌道11に近付くための操舵角目標値が支配的である。算出される操舵角目標値は、操舵装置の応答性が低下しても、蛇行せずに安定して目標軌道11に対する追従誤差を収束させるべく搬送車両20が目標軌道11にゆっくりと近付くよう、搬送車両20を走行させる値である。
このように、制御目標値算出部240は、現在の搬送車両20の車両位置よりも前方のノード12における曲率に応じて、操舵装置の応答性が低下しても目標軌道11に対する追従誤差を抑制し得るような操舵角目標値を算出することができる。すなわち、搬送車両20の走行システム200は、現在の搬送車両20の車両位置よりも前方のノード12における曲率が閾値以上であるような、搬送路10が旋回路である場合には、操舵装置の応答性が低いことで操舵が間に合わず目標軌道11から逸脱することが発生しないように、車両位置から近い位置に目標点を設定し、目標軌道11に早く近付くように搬送車両20を走行させる。一方、搬送車両20の走行システム200は、現在の搬送車両20の車両位置よりも前方のノード12における曲率が閾値未満であるような、搬送路10が直線路に近い場合には、操舵装置の応答性が低いことで蛇行して目標軌道11から逸脱することが発生しないように、車両位置から遠い位置に目標点を設定し、目標軌道11にゆっくりと近付くように搬送車両20を走行させる。よって、搬送車両20の走行システム200は、操舵装置の応答性が低下しても、車両速度の低下を抑制しつつ、目標軌道に対する追従性能を確保することができる。搬送車両20の走行システム200は、生産性の低下を抑制することができる。
また、上記のように、目標点設定部230は、現在の搬送車両20の操舵角速度が閾値以上である場合、当該閾値未満である場合よりも短い時間に前方移動時間を変更し、当該閾値未満である場合よりも車両位置から近い位置に目標点を設定する。この場合、制御目標値算出部240は、前方移動時間が短い時間に変更されるので、当該閾値未満である場合よりも大きい操舵角目標値を算出する。算出される操舵角目標値は、車両位置よりも前方のノード12における曲率が閾値以上である場合と同様に、操舵装置の応答性が低下しても、目標軌道11に対する追従誤差を抑制するべく搬送車両20が目標軌道11に早く近付くよう、搬送車両20を走行させる値である。
一方、目標点設定部230は、現在の搬送車両20の操舵角速度が閾値未満である場合、当該閾値以上である場合よりも長い時間に前方移動時間を変更し、当該閾値以上である場合よりも車両位置から遠い位置に目標点を設定する。この場合、制御目標値算出部240は、前方移動時間が長い時間に変更されるので、当該閾値以上である場合よりも小さい操舵角目標値を算出する。算出される操舵角目標値は、車両位置よりも前方のノード12における曲率が閾値未満である場合と同様に、蛇行せずに安定して目標軌道11に対する追従誤差を収束させるべく搬送車両20が目標軌道11にゆっくりと近付くよう、搬送車両20を走行させる値である。
このように、制御目標値算出部240は、現在の搬送車両20の操舵角速度に応じて、操舵装置の応答性が低下しても目標軌道11に対する追従誤差を抑制し得るような操舵角目標値を算出することができる。よって、搬送車両20の走行システム200は、操舵装置の応答性が低下しても、車両速度の低下を抑制しつつ、目標軌道に対する追従性能を確保することができる。搬送車両20の走行システム200は、生産性の低下を抑制することができる。
また、搬送車両20の積載量が重量であるほど、車輪の向きが変わってから搬送車両20の向き(車両方位)が変わるまでに要する時間が長くなる。すなわち、搬送車両20の積載量が重量であるほど、同じ操舵角でも車両方位の変化が遅くなるので、操舵装置の応答性が低下することがある。上記のように、目標点設定部230は、現在の搬送車両20の積載量が閾値以上である場合、当該閾値未満である場合よりも長い時間に前方移動時間を変更し、当該閾値未満である場合よりも車両位置から遠い位置に目標点を設定する。この場合、制御目標値算出部240は、前方移動時間が長い時間に変更されるので、当該閾値未満である場合よりも小さい操舵角目標値を算出する。算出される操舵角目標値は、車両位置よりも前方のノード12における曲率が閾値未満である場合と同様に、蛇行せずに安定して目標軌道11に対する追従誤差を収束させるべく搬送車両20が目標軌道11にゆっくりと近付くよう、搬送車両20を走行させる値である。
一方、目標点設定部230は、現在の搬送車両20の積載量が閾値未満である場合、当該閾値以上である場合よりも短い時間に前方移動時間を変更し、当該閾値以上である場合よりも車両位置から近い位置に目標点を設定する。この場合、制御目標値算出部240は、前方移動時間が短い時間に変更されるので、当該閾値以上である場合よりも大きい操舵角目標値を算出する。算出される操舵角目標値は、車両位置よりも前方のノード12における曲率が閾値以上である場合と同様に、操舵装置の応答性が低下しても、目標軌道11に対する追従誤差を抑制するべく搬送車両20が目標軌道11に早く近付くよう、搬送車両20を走行させる値である。
このように、制御目標値算出部240は、現在の搬送車両20の積載量に応じて、操舵装置の応答性が低下しても目標軌道11に対する追従誤差を抑制し得るような操舵角目標値を算出することができる。よって、搬送車両20の走行システム200は、操舵装置の応答性が低下しても、車両速度の低下を抑制しつつ、目標軌道に対する追従性能を確保することができる。搬送車両20の走行システム200は、生産性の低下を抑制することができる。
図10は、図3に示す目標点設定部230が行う目標点の算出処理のフローチャートである。
ステップS11において、目標点設定部230は、記憶装置210から搬送路10の道路情報を取得する。目標点設定部230は、操舵角センサ271から搬送車両20の操舵角を取得する。目標点設定部230は、方位センサ272から搬送車両20の車両方位を取得する。目標点設定部230は、位置センサ273から搬送車両20の車両位置を取得する。目標点設定部230は、速度センサ274から搬送車両20の車両速度を取得する。目標点設定部230は、積載センサ275から搬送車両20の積載量を取得する。
ステップS12において、目標点設定部230は、取得された道路情報、操舵角、車両方位、車両位置、車両速度及び積載量から、仮想点を算出する。この際、目標点設定部230は、取得された道路情報に含まれる曲率、操舵角から算出される操舵角速度、及び/又は、積載量に応じて前方移動時間を変更し、仮想点を算出する。
ステップS13において、目標点設定部230は、取得された道路情報、及び、算出された仮想点から、目標点を算出する。その後、目標点設定部230は、図10に示す処理を終了する。
図11は、図3に示す制御目標値算出部240が行う操舵角目標値の算出処理のフローチャートである。
ステップS21において、制御目標値算出部240は、方位センサ272から搬送車両20の車両方位を取得する。制御目標値算出部240は、位置センサ273から搬送車両20の車両位置を取得する。制御目標値算出部240は、速度センサ274から搬送車両20の車両速度を取得する。制御目標値算出部240は、積載センサ275から搬送車両20の積載量を取得する。制御目標値算出部240は、目標点設定部230から仮想点、目標点及び前方移動時間を取得する。
ステップS22において、制御目標値算出部240は、取得された車両方位、車両位置、車両速度、積載量、仮想点、目標点及び前方移動時間から、操舵角目標値を算出する。その後、制御目標値算出部240は、図11に示す処理を終了する。
以上のように、実施形態1の搬送車両20の走行システム200は、目標軌道11の曲率、搬送車両20の操舵角速度及び搬送車両20の積載量の少なくとも1つに応じて、操舵装置の応答性が低下しても目標軌道11に対する追従誤差を抑制し得るような操舵角目標値を算出することができる。よって、実施形態1の搬送車両20の走行システム200は、車両速度の低下を抑制しつつ、目標軌道に対する追従性能を確保することができる。実施形態1の搬送車両20の走行システム200は、生産性の低下を抑制することができる。
[実施形態2]
図12~図14を用いて、実施形態2の搬送車両20の走行システム200について説明する。実施形態2の搬送車両20の走行システム200において、実施形態1と同様の構成及び動作については、その説明を省略する。
図12は、実施形態2の搬送システム1を説明する図である。図13は、実施形態2の搬送車両20の走行システム200の構成を示すブロック図である。図14は、図13に示す記憶装置210に記憶された道路情報を示す図である。
実施形態2の搬送システム1は、図12に示すように、複数の搬送車両20が無線通信回線30を介して接続され、複数の搬送車両20の間で道路情報を共有する。実施形態2の搬送車両20の走行システム200は、図13に示すように、無線通信装置280を備える。
無線通信装置280は、目標軌道11に従って走行する他の搬送車両20と無線通信回線30を介して通信を行う。無線通信装置280は、目標点設定部230に設定された前方移動時間(変更部233により変更された場合は変更後の前方移動時間)、及び、追従誤差を、他の搬送車両20に送信する。他の搬送車両20が複数存在する場合、無線通信装置280は、当該前方移動時間及び当該追従誤差を、当該複数の搬送車両20のそれぞれに送信する。
追従誤差は、搬送車両20の車両位置から目標軌道11に下ろした垂線の長さであってもよい。前方移動時間及び追従誤差は、図14に示すように、目標点設定部230によりノード12毎に算出され、道路情報の一部としてノードID等に紐付けられて記憶装置210に記憶されていてもよい。
また、無線通信装置280は、他の搬送車両20に設定された前方移動時間及び追従誤差を、他の搬送車両20から受信する。他の搬送車両20が複数存在する場合、無線通信装置280は、当該複数の搬送車両20のそれぞれから前方移動時間及び追従誤差を受信する。無線通信装置280は、受信された前方移動時間及び追従誤差、及び、記憶装置210に記憶された前方移動時間及び追従誤差のうち、追従誤差が最も小さい前方移動時間及び追従誤差を抽出する。無線通信装置280は、抽出された前方移動時間及び追従誤差を記憶装置210に記憶させ、記憶装置210に記憶された道路情報を更新する。他の搬送車両20の走行システム200においても同様に道路情報を更新する。
実施形態2の目標点設定部230は、設定された前方移動時間(変更部233により変更後の前方移動時間を含む)と、無線通信装置280により更新され記憶装置210に記憶された前方移動時間との差が所定の許容範囲内に収まるよう、設定された前方移動時間の変更割合を更新する。更新される前方移動時間の変更割合は、上記の曲率に対する前方移動時間の変更割合と、上記の操舵角速度に対する前方移動時間の変更割合と、上記の積載量に対する前方移動時間の変更割合との少なくとも1つを含む。
実施形態2の目標点設定部230は、ノード12毎に追従誤差を算出する。目標点設定部230は、算出された追従誤差と、無線通信装置280により更新され記憶装置210に記憶された追従誤差とを比較する。目標点設定部230は、算出された追従誤差が記憶装置210に記憶された追従誤差よりも小さい場合、算出された追従誤差及び前方移動時間を記憶装置210に記憶させ、記憶装置210に記憶された道路情報を更新する。
このように、実施形態2の搬送車両20の走行システム200は、他の搬送車両20との間で、追従誤差が最も小さい前方移動時間を共有することができる。これにより、実施形態2の搬送車両20の走行システム200は、目標軌道11に対する追従誤差を最大限抑制して搬送車両20を走行させることができる。搬送車両20の走行システム200には、最適な前方移動時間の変更割合が予め設定されていない場合や、目標軌道11が搬送車両20の走行途中に変更される場合がある。このような場合であっても、実施形態2の搬送車両20の走行システム200は、搬送車両20の走行中に、追従誤差の小さい前方移動時間を他の搬送車両20から受信して前方移動時間を更新し、仮想点及び目標点を算出することができる。よって、実施形態2の搬送車両20の走行システム200は、操舵装置の応答性が低下しても、車両速度の低下を抑制しつつ、目標軌道に対する追従性能を更に確保することができる。実施形態2の搬送車両20の走行システム200は、生産性の低下を更に抑制することができる。
[その他]
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記の実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、或る実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、或る実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路にて設計する等によりハードウェアによって実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアによって実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テープ、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(solid state drive)等の記録装置、又は、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
1…搬送システム、11…目標軌道、12…ノード、20…搬送車両、200…走行システム、210…記憶装置、220…制御装置、230…目標点設定部、231…仮想点算出部、232…目標点算出部、233…変更部、240…制御目標値算出部、250…車両制御部、271…操舵角センサ、272…方位センサ、273…位置センサ、274…速度センサ、275…積載センサ、280…無線通信装置

Claims (7)

  1. 搬送車両に搭載され、前記搬送車両を目標軌道に従って走行させる搬送車両の走行システムであって、
    前記搬送車両の車両位置を計測する位置センサと、
    前記搬送車両の車両速度を計測する速度センサと、
    前記搬送車両の車両方位を計測する方位センサと、
    前記目標軌道を構成するノード毎に算出された前記目標軌道の曲がり具合を示す曲率を記憶する記憶装置と、
    前記車両位置と前記曲率とに基づいて前記搬送車両の走行を制御する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、
    前記搬送車両が通過するべき地点である目標点を、前記車両位置よりも前方の前記目標軌道上に設定する目標点設定部と、
    前記搬送車両が前記車両位置から前記目標点に向かって走行するよう前記搬送車両の走行を制御する車両制御部と、を有し、
    前記目標点設定部は、
    前記搬送車両が前記車両速度及び前記車両方位に基づいて所定の前方移動時間だけ走行すると仮定した場合の前記車両位置である仮想点から前記目標点を算出し、
    前記車両位置よりも前方の前記ノードのうち前記車両位置に最も近いノード又は前記仮想点に最も近いノードにおける前記曲率が閾値未満である場合、前記曲率が当該閾値以上である場合よりも前記車両位置から遠い位置に前記目標点を設定する
    ことを特徴とする搬送車両の走行システム。
  2. 前記搬送車両における積荷の積載量を計測する積載センサを更に備え、
    前記目標点設定部は、前記積載量が閾値未満である場合、前記積載量が当該閾値以上である場合よりも前記車両位置から近い位置に前記目標点を設定する
    ことを特徴とする請求項1に記載された搬送車両の走行システム。
  3. 前記搬送車両の操舵角を計測する操舵角センサを更に備え、
    前記目標点設定部は、前記操舵角から算出された操舵角速度が閾値未満である場合、前記操舵角速度が当該閾値以上である場合よりも前記車両位置から遠い位置に前記目標点を設定する
    ことを特徴とする請求項1に記載された搬送車両の走行システム。
  4. 前記搬送車両の操舵角を計測する操舵角センサと、前記搬送車両の車両速度を計測する速度センサと、を更に備え、
    前記制御装置は、前記車両位置から前記目標点に向かって前記搬送車両を走行させる際の前記操舵角の制御目標値を算出する制御目標値算出部を更に有し、
    前記制御目標値算出部は、前記車両速度が低速であるほど、前記操舵角の前記制御目標値を小さく算出し、
    前記車両制御部は、前記操舵角の前記制御目標値に応じて前記搬送車両の走行を制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載された搬送車両の走行システム。
  5. 前記搬送車両の操舵角を計測する操舵角センサと、前記搬送車両における積荷の積載量を計測する積載センサと、を更に備え、
    前記制御装置は、前記車両位置から前記目標点に向かって前記搬送車両を走行させる際の前記操舵角の制御目標値を算出する制御目標値算出部を更に有し、
    前記制御目標値算出部は、前記積載量が軽量であるほど、前記操舵角の前記制御目標値を小さく算出し、
    前記車両制御部は、前記操舵角の前記制御目標値に応じて前記搬送車両の走行を制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載された搬送車両の走行システム。
  6. 記目標点設定部は、
    前記搬送車両が現在の前記車両速度及び前記車両方位に基づいて所定の前方移動時間だけ走行すると仮定した場合の前記車両位置である仮想点を算出する仮想点算出部と、
    前記仮想点から前記目標点を算出する目標点算出部と、
    前記前方移動時間を変更する変更部と、を有し、
    前記変更部は、前記車両位置よりも前方の前記ノードにおける前記曲率が前記閾値未満である場合、前記曲率が当該閾値以上である場合よりも長い時間に前記前方移動時間を変更し、
    前記仮想点算出部は、前記長い時間に変更された前記前方移動時間を用いて前記仮想点を算出し、
    前記目標点算出部は、前記長い時間に変更された前記前方移動時間を用いて算出された前記仮想点から前記目標点を算出することによって、前記車両位置から前記遠い位置に前記目標点を算出する
    ことを特徴とする請求項1に記載された搬送車両の走行システム。
  7. 前記目標軌道に従って走行する他の搬送車両と通信を行う無線通信装置を更に備え、
    前記無線通信装置は、前記前方移動時間を前記他の搬送車両に送信すると共に、前記他の搬送車両に設定された前記前方移動時間を前記他の搬送車両から受信する
    ことを特徴とする請求項6に記載された搬送車両の走行システム。
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