以下に、本開示の実施の形態にかかる通信装置、通信品質測定方法、制御回路および記憶媒体を図面に基づいて詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1にかかる通信装置の適用例を示す図である。実施の形態1にかかる通信装置は、例えば、図1に示すように鉄道システムに適用される通信装置1および2である。通信装置1および2は、例えば、第5世代移動通信システム(以下、5G(5th Generation)システムと称する)に対応した通信装置である。通信装置1は移動体である列車10に搭載される。通信装置2は、地上側に、具体的には、駅や通信機器室、指令所などに設置される。通信装置1は5Gシステムの基地局である5G基地局4との間で無線信号を送受信する5G端末5に接続される。5G基地局4は5Gシステムのコアネットワークを形成する5G制御装置3に接続される。通信装置2は5G制御装置3に接続される。なお、5Gシステムのコアネットワークを形成するネットワーク装置は5G制御装置3の他にも存在するが、図1では記載を省略している。これ以降の説明では、通信装置1を車上通信装置、通信装置2を地上通信装置と称する場合がある。
通信装置1は、列車10が5G基地局4の通信カバーエリア200内に位置している場合、5G端末5、5G基地局4および5G制御装置3を介して通信装置2と通信する。
列車10が移動すると列車に搭載された5G端末5と5G基地局4との位置関係が変化し、これに伴い5G端末5と5G基地局4との間の無線品質が変化し、車上通信装置と地上通信装置との間の通信品質も変化する。このため、図2に示すように、5G端末5と5G基地局4との間では無線品質測定が行われ、車上通信装置と地上通信装置との間では通信品質測定が行われる。これらの品質測定は、通信装置1および2を利用するアプリケーション(図2では「アプリ」と記載)間のユーザデータ転送と並行して行われる場合がある。この場合、上述したように、ユーザデータ転送中の通信品質測定は、ユーザデータ転送に影響を与える可能性がある。このため、通信装置1および2は、ユーザデータ転送への影響を考慮した方法で通信品質測定を実施する。なお、図2は、実施の形態1にかかる通信装置が適用されるシステムの動作概要を示す図である。
図3は、実施の形態1にかかる通信システム100および通信装置1,2の構成例を示す図である。通信装置1は、データ転送部11、通信品質測定部12、測定条件判定部13および記憶部14を備える。通信装置2は、データ転送部21、通信品質測定部22、測定条件判定部23および記憶部24を備える。なお、図3では、図1および図2に記載した5G制御装置3、5G基地局4および5G端末5の記載を省略している。
データ転送部11および21は、アプリケーションで生成されるユーザデータの転送処理を行う。通信品質測定部12および22は、通信装置1と通信装置2とが通信を行うn個(nは1以上の整数)の通信回線それぞれについて、通信品質を測定する。測定条件判定部13および23は、定められた測定条件を満たすか否かを通信回線ごとに判定する。記憶部14および24は、通信品質測定時に使用する測定条件と、通信品質の測定結果とを記憶する。
つづいて、通信装置1および2が通信品質を測定する動作について説明する。通信装置1および2は、通信品質を測定するための測定用データを送受信し、測定用データの送受信結果から通信品質を求める。このとき、通信装置1および2は、測定用データの送信方法をユーザデータの発生状況等に応じて変更する。具体的には、通信装置1および2は、ユーザデータが発生していない場合、すなわち、転送するユーザデータが無い場合は測定用データを単独で送信し、ユーザデータが発生している場合には、転送するユーザデータおよび測定用データのサイズに応じて、測定用データをユーザデータと一緒に送信する方法と、測定用データをユーザデータと別に送信する方法とを使い分ける。
図4は、実施の形態1にかかる通信装置1および2が測定用データをユーザデータと一緒に送信する場合の経路上の送信データの構成例を示す図である。図4において、車上アプリは図1~図3に示す通信装置1に相当する車上通信装置を介してユーザデータを送受信するアプリケーションであり、地上アプリは図1~図3に示す通信装置2に相当する地上通信装置を介してユーザデータを送受信するアプリケーションである。
例えば、車上通信装置が地上通信装置へ測定用データである測定情報を送信する場合、車上通信装置は、車上アプリからユーザデータが含まれるデータパケットを受け取ると、このデータパケットに測定情報を挿入して5G端末に転送する。5G端末は、車上通信装置から受け取ったデータパケットにPDU(Protocol Data Unit)レイヤの情報および5G-AN(Access Network)レイヤの情報を付与して5G基地局に転送する。5G基地局は、5G端末からデータパケットを受信するとこれを5G制御装置に転送する。5G制御装置は、5G基地局からデータパケットを受信すると、受信したデータパケットから5G-ANレイヤの情報を除去後、GTP-Uレイヤ、UDP/IPレイヤ、レイヤ2(L2)およびレイヤ1(L1)の情報を付与して転送する。地上通信装置は、車上通信装置が転送したときと同じ構成のデータパケットを受信し、受信したデータパケットから測定情報を取り出し地上アプリに転送する。地上通信装置が車上通信装置へ測定情報を送信する場合の送信データの構成も同様である。
車上通信装置と地上通信装置との間で送受信される測定情報は、測定する通信品質の種類(測定内容)によって異なる。測定情報の例を図5に示す。図5は、実施の形態1にかかる通信装置1および2が通信品質測定のために送受信する測定情報の例を示す図である。
図5に示すように、通信品質としてパケット損失、伝送遅延またはジッタ(伝送ゆらぎ)を測定する場合、通信装置1および2は、シーケンス番号を測定情報の要素とする。また、通信品質としてスループットを測定する場合、通信装置1および2は、測定情報の送信時刻および測定情報のサイズを測定情報の要素とする。測定用ダミーデータを測定情報の要素に含めてもよい。例えば、測定情報をユーザデータとは別に単独で送信する場合に、測定用ダミーデータを測定情報の要素に含めてもよい。通信品質として受信間隔を測定する場合は測定情報を送信しなくてもよい。
図4に記載の最大転送サイズは、車上通信装置と地上通信装置との間の通信回線において単一のパケットで伝送可能なデータサイズの最大値、すなわち、パケットに含ませることができるデータの最大サイズである。データサイズが最大転送サイズよりも大きくなると、パケット分割が発生する。すなわち、データを2つに分割し、2分割されたデータを2つのパケットで送信する処理が車上通信装置で実行されることになる。ユーザデータと測定情報との合計サイズ(図示の「ユーザデータ+測定情報のサイズ」)が最大転送サイズよりも大きい場合はパケット分割が発生する。最大転送サイズは通信回線ごとに予め設定しておくものとする。図4に示す構成でのデータ送受信は、ユーザデータと測定情報との合計サイズが最大転送サイズ以下の場合に実施される。
図6および図7は、実施の形態1にかかる通信装置1および2が測定用データをユーザデータと別に送信する場合の経路上の送信データの構成例を示す図である。図6は、実施の形態1にかかる通信装置1および2がユーザデータを単独で送信する場合の送信データの構成例を示し、図7は、実施の形態1にかかる通信装置1および2が測定用データを単独で送信する場合の送信データの構成例を示す。
図6に示すように、ユーザデータを単独で送信する場合、車上通信装置と地上通信装置との間で送受信される送信データは図4に示す送信データから測定情報が取り除かれた構成となる。
また、図7に示すように、測定情報を単独で送信する場合、車上通信装置と地上通信装置との間で送受信される送信データは、図4に示す送信データから車上側のアプリケーションと地上側のアプリケーションとの間で送受信されるユーザデータが取り除かれた構成となる。
つづいて、実施の形態1にかかる通信装置1および2が通信品質測定のために測定用データを送受信する動作、具体的には、一方の通信装置が他方の通信装置へ測定情報を送信し、測定情報に対応する情報(以下、この情報を測定応答情報と称する)を他方の通信装置が返送する動作について説明する。なお、通信装置1が通信装置2へ測定情報を送信して通信装置2が測定応答情報を返送する場合の動作と、通信装置2が通信装置1へ測定情報を送信して通信装置1が測定応答情報を返送する場合の動作とは同一である。このため、本実施の形態では、一例として、通信装置1が測定情報を送信して通信装置2が測定応答情報を返送する場合の動作について説明する。
図8は、実施の形態1にかかる通信装置1が測定情報を送信する動作の一例を示すフローチャートである。
通信装置1は、動作を開始後、まず、ユーザデータ発生の有無を確認する(ステップS11)。すなわち、通信装置1は、上述した車上アプリで発生したユーザデータであって、データ転送部11が5G端末5へ転送するために保持しているユーザデータが存在するか否か、換言すると、通信回線への転送待ち状態のユーザデータをデータ転送部11が保持しているか否かを確認する。
ユーザデータが発生している場合(ステップS11:Yes)、通信装置1は、定められた最小測定時間が経過したか否かを確認する(ステップS12)。この確認は測定条件判定部13が行う。最小測定時間は、測定情報の送信間隔の最小値であり、測定条件として記憶部14で記憶されている。測定条件判定部13は、通信装置1が動作を開始してからの経過時間、または、測定情報を前回送信してからの経過時間と最小測定時間とを比較する。なお、通信装置1が動作を開始してから初回の測定情報送信までの間は、最小測定時間が経過したか否かの判定を省略してもよい。
最小測定時間が経過した場合、すなわち、「最小測定時間<経過時間」が成り立つ場合(ステップS12:Yes)、測定条件判定部13は、サイズ条件に適合するか否かを確認する(ステップS13)。具体的には、測定条件判定部13は、発生しているユーザデータと測定情報との合計サイズが上述した最大転送サイズ以下であるか否かを確認する。最大転送サイズは、測定条件として記憶部14で記憶されている。サイズ条件に適合する場合(ステップS13:Yes)、測定条件判定部13は、サイズ条件に適合していることを通信品質測定部12に通知し、通信品質測定部12は、測定情報を生成してユーザデータに付加する(ステップS14)。次に、データ転送部11が、測定情報が付加されたユーザデータ、すなわち、測定情報とユーザデータとを含んだデータパケットを、5G端末5に転送する(ステップS19)。なお、通信品質測定部12が生成する測定情報は、図5を用いて説明したように、測定する通信品質の種類(測定内容)に応じて異なる。5G端末5に転送されたデータパケットは、5G基地局4および5G制御装置3を経由して通信装置2に到達する。
一方、最小測定時間が経過していない場合、すなわち、「最小測定時間<経過時間」が成り立たない場合(ステップS12:No)、測定条件判定部13は、データ転送部11にユーザデータを単独で転送することを通知し、データ転送部11は、測定情報が付加されていないユーザデータ、すなわち、ユーザデータのみを含んだデータパケットを5G端末5に転送する(ステップS19)。
また、ユーザデータが発生していない場合(ステップS11:No)、測定条件判定部13は、定められた最大測定時間が経過したか否かを確認する(ステップS15)。最大測定時間は、測定情報の送信間隔の最大値であり、測定条件として記憶部14で記憶されている。なお、最大測定時間は、上述した最小測定時間よりも大きな値とする。
最大測定時間が経過した場合、すなわち、「最大測定時間<経過時間」が成り立つ場合(ステップS15:Yes)、測定条件判定部13は、最大測定時間が経過したこと、すなわち、測定情報を単独で送信することを通信品質測定部12に通知し、通信品質測定部12は、測定情報のみを生成し(ステップS16)、データ転送部11に出力する。データ転送部11は、通信品質測定部12から入力される測定情報のみを含んだデータパケットを5G端末5に転送する(ステップS19)。
また、最大測定時間が経過していない場合、すなわち、「最大測定時間<経過時間」が成り立たない場合(ステップS15:No)、通信装置1は、ステップS11に戻り、上述したステップS11~S19の処理を繰り返す。また、通信装置1は、ステップS19でユーザデータおよび測定情報の一方または両方を転送後、ステップS11に戻り、上述したステップS11~S19の処理を繰り返す。
また、測定条件判定部13は、ユーザデータと測定情報との合計サイズが上記のサイズ条件に適合しない場合(ステップS13:No)、上述した最大測定時間が経過したか否かを確認する(ステップS17)。最大測定時間が経過した場合(ステップS17:Yes)、測定条件判定部13は、測定情報をユーザデータとは別に送信することを通信品質測定部12およびデータ転送部11に通知する。通信品質測定部12は、測定情報を生成し(ステップS18)、データ転送部11に出力する。データ転送部11は、通信品質測定部12から入力される測定情報のみを含んだデータパケットを5G端末5に送信するとともに、ユーザデータのみを含んだデータパケットを5G端末5に転送する(ステップS19)。一方、最大測定時間が経過していない場合(ステップS17:No)、測定条件判定部13は、データ転送部11にユーザデータを単独で転送することを通知し、データ転送部11は、ユーザデータのみを含んだデータパケットを5G端末5に転送する(ステップS19)。通信装置1は、ステップS19でユーザデータの転送のみを行った後、および、ユーザデータの転送および測定情報の送信を別々に行った後、ステップS11に戻り、上述したステップS11~S19の処理を繰り返す。
通信装置1から測定情報を受信した通信装置2は、受信した測定情報に対応する情報を測定応答情報として返送する。通信装置2は、通信装置1が応答情報を送信する場合と同様に、ユーザデータの発生状況、発生しているユーザデータのサイズ、および返送する測定応答情報のサイズに応じて、測定応答情報をユーザデータと一緒に、または、測定応答情報を単独で、通信装置1へ返送する。
通信装置2が通信装置1に返送する測定応答情報は、測定する通信品質の種類(測定内容)に応じて異なる。測定応答情報の例を図9に示す。図9は、実施の形態1にかかる通信装置1および2が通信品質測定のために送受信する測定応答情報の例を示す図である。
図9に示すように、通信品質としてパケット損失を測定する場合、通信装置2は、受信したパケットのシーケンス番号である受信シーケンス番号を測定応答情報として通信装置1へ返送する。通信品質として伝送遅延またはジッタを測定する場合、通信装置2は、受信したパケットのシーケンス番号と、測定情報受信から測定応答情報生成までの処理時間とを測定応答情報として通信装置1へ返送する。通信品質としてスループットを測定する場合、通信装置2は、スループットの測定結果を測定応答情報として通信装置1へ返送する。また、通信品質としてデータパケットの受信間隔を測定する場合、通信装置2は、受信間隔の測定結果を測定応答情報として通信装置1へ返送する。通信装置2は、図9に示す測定内容それぞれに対応する通信品質を公知の方法で測定する。通信品質の測定は、例えば、通信品質測定部22が行う。
図10は、実施の形態1にかかる通信装置2が測定応答情報を送信する動作の一例を示すフローチャートである。
通信装置2は、動作を開始後、まず、ユーザデータ発生の有無を確認する(ステップS21)。すなわち、通信装置2は、上述した地上アプリで発生したユーザデータであって、データ転送部21が5G制御装置3へ転送するために保持しているユーザデータが存在するか否か、換言すると、通信回線への転送待ち状態のユーザデータをデータ転送部21が保持しているか否かを確認する。
ユーザデータが発生している場合(ステップS21:Yes)、通信装置2は、通信装置1から上記の測定情報を受信済みか否かを確認する(ステップS22)。
測定情報を受信済みの場合(ステップS22:Yes)、測定条件判定部23が、サイズ条件に適合するか否かを確認する(ステップS23)。具体的には、測定条件判定部23は、発生しているユーザデータと測定応答情報との合計サイズが上述した最大転送サイズ以下であるか否かを確認する。最大転送サイズは、測定条件として記憶部24で記憶されている。サイズ条件に適合する場合(ステップS23:Yes)、測定条件判定部23は、サイズ条件に適合していることを通信品質測定部22に通知し、通信品質測定部22は、測定応答情報を生成してユーザデータに付加する(ステップS24)。次に、データ転送部21が、測定応答情報が付加されたユーザデータ、すなわち、測定応答情報とユーザデータとを含んだデータパケットを5G制御装置3に転送する(ステップS30)。なお、通信品質測定部22が生成する測定応答情報は、図9を用いて説明したように、測定する通信品質の種類(測定内容)に応じて異なる。5G制御装置3に転送されたデータパケットは、5G基地局4および5G端末5を経由して通信装置1に到達する。
一方、測定情報を受信済ではない場合(ステップS22:No)、測定条件判定部23は、データ転送部21にユーザデータを単独で転送することを通知し、データ転送部21は、測定応答情報が付加されていないユーザデータ、すなわち、ユーザデータのみを含んだデータパケットを5G制御装置3に転送する(ステップS30)。
また、ユーザデータが発生していない場合(ステップS21:No)、測定条件判定部23は、測定情報を受信済みか否かを確認する(ステップS25)。測定情報を受信済みの場合(ステップS25:Yes)、測定条件判定部23は、定められた最大応答送信時間が経過したか否かを確認する(ステップS26)。最大応答送信時間は、測定情報を受信してから測定応答情報を送信するまでの時間の最大値であり、測定条件として記憶部24で記憶されている。測定条件判定部23は、通信装置1から測定情報を受信してからの経過時間と最大応答送信時間とを比較する。
最大応答送信時間が経過した場合、すなわち、「最大応答送信時間<経過時間」が成り立つ場合(ステップS26:Yes)、測定条件判定部23は、最大応答送信時間が経過したことを通信品質測定部22に通知し、通信品質測定部22は、測定応答情報のみを生成し(ステップS27)、データ転送部21に出力する。データ転送部21は、通信品質測定部22から入力される測定応答情報のみを含んだデータパケットを5G制御装置3に転送する(ステップS30)。このように、最大応答送信時間が経過した場合に測定応答情報のみを含んだデータパケットを転送する構成とすることで、測定応答情報をユーザデータに付加して転送する頻度を高くできる。これにより、通信品質測定のためだけにパケットが送受信される回数を低減でき、ネットワーク負荷が増大するのを防止できる。
また、測定情報を受信していない場合(ステップS25:No)、および、最大応答送信時間が経過していない場合、すなわち、「最大応答送信時間<経過時間」が成り立たない場合(ステップS26:No)、通信装置2は、ステップS21に戻り、上述したステップS21~S30の処理を繰り返す。また、通信装置2は、ステップS30でユーザデータおよび測定応答情報の一方または両方を転送後、ステップS21に戻り、上述したステップS21~S30の処理を繰り返す。
また、測定条件判定部23は、ユーザデータと測定応答情報との合計サイズが上記のサイズ条件に適合しない場合(ステップS23:No)、上述した最大応答送信時間が経過したか否かを確認する(ステップS28)。最大応答送信時間が経過した場合(ステップS28:Yes)、測定条件判定部23は、測定応答情報をユーザデータとは別に送信することを通信品質測定部22およびデータ転送部21に通知する。通信品質測定部22は、測定応答情報を生成し(ステップS29)、データ転送部21に出力する。データ転送部21は、通信品質測定部22から入力される測定応答情報のみを含んだデータパケットを5G端末5に送信するとともに、ユーザデータのみを含んだデータパケットを5G端末5に転送する(ステップS30)。一方、最大応答送信時間が経過していない場合(ステップS28:No)、測定条件判定部23は、データ転送部21にユーザデータを単独で転送することを通知し、データ転送部21は、ユーザデータのみを含んだデータパケットを5G端末5に転送する(ステップS30)。通信装置1は、ステップS30でユーザデータの転送のみを行った後、および、ユーザデータの転送および測定応答情報の送信を別々に行った後、ステップS21に戻り、上述したステップS21~S30の処理を繰り返す。
図11および図12は、実施の形態1にかかる通信システム100の全体動作の一例を示すシーケンス図である。図11のシーケンス図は全体動作の前半部分、具体的には、通信品質測定のために測定情報を送受信する測定要求動作を示す。図11および図12に示す例では、車上通信装置が上述した測定情報を送信し、地上通信装置が上述した測定応答情報を送信する。
図11のステップS50~S61は車上通信装置が地上通信装置へ測定情報を送信する測定要求動作を示す。図12のステップS71~S81は、地上通信装置が車上通信装置へ測定応答情報を送信する測定応答動作を示す。
[測定要求動作]
車上通信装置による前回の測定情報送信(ステップS50)から時間Δt1が経過した時点で、車上アプリでユーザデータが発生したとする。この場合、車上通信装置は、時間Δt1と最小測定時間との関係、および、ユーザデータのサイズと測定情報のサイズと最大転送サイズとの関係、に基づいて、ユーザデータおよび測定情報の送信方法を選択する。
具体的には、(1)転送するユーザデータが存在し、かつ(1-1)時間Δt1>最小測定時間の場合、(1-1-1)サイズ条件(ユーザデータと測定情報との合計サイズ≦最大転送サイズ)に適合していれば、車上通信装置は測定情報を生成し(ステップS51)、ユーザデータに付与して地上通信装置へ送信する(ステップS52)。地上通信装置は、受信したユーザデータに付与されている測定情報を除去し(ステップS53)、ユーザデータを地上アプリへ転送する(ステップS59)。一方、(1-1-2)サイズ条件に適合していない場合、(1-1-2-1)時間Δt1>最大測定時間であれば、車上通信装置は、測定情報を生成し(ステップS54)、ユーザデータと測定情報とを地上通信装置へ別々に送信する(ステップS55、S56)。地上通信装置は、ステップS57で受信したユーザデータを地上アプリへ転送する(ステップS59)。また、(1-1-2-2)時間Δt1>最大測定時間ではない場合、および、(1-2)時間Δt1>最小測定時間ではない場合、車上通信装置は、ユーザデータのみを地上通信装置へ送信する(ステップS57、S58)。地上通信装置は、ステップS57、S58で受信したユーザデータを地上アプリへ転送する(ステップS59)。また、(2)転送するユーザデータが存在しない場合、かつ(2-1)車上通信装置による前回の測定情報送信(ステップS50)から現在までの時間Δt2が最大測定時間よりも大きい場合(Δt2>最大測定時間の場合)、車上通信装置は、測定情報を生成し(ステップS60)、測定情報のみを地上通信装置へ送信する(ステップS61)。
なお、図11および図12では、ステップS50で車上通信装置から前回の測定情報を受信したときの地上通信装置の動作については記載を省略している。
[測定応答動作]
地上通信装置による測定情報受信(ステップS52、S56またはS61)から時間Δt3が経過した時点で、地上アプリでユーザデータが発生したとする。この場合、地上通信装置は、時間Δt3と最大応答送信時間との関係、および、ユーザデータのサイズと測定応答情報のサイズと最大転送サイズとの関係に基づいて、ユーザデータおよび測定応答情報の送信方法を選択する。
具体的には、(3)転送するユーザデータが存在し、かつ(3-1)測定情報を受信済みの場合、(3-1-1)サイズ条件(ユーザデータと測定応答情報との合計サイズ≦最大転送サイズ)に適合していれば、地上通信装置は測定応答情報を生成し(ステップS71)、ユーザデータに付与して車上通信装置へ送信する(ステップS72)。車上通信装置は、受信したユーザデータに付与されている測定応答情報を除去し(ステップS73)、ユーザデータを車上アプリへ転送する(ステップS79)。一方、(3-1-2)サイズ条件に適合していない場合、(3-1-2-1)時間Δt3>最大応答送信時間であれば、地上通信装置は、測定応答情報を生成し(ステップS74)、ユーザデータと測定応答情報とを車上通信装置へ別々に送信する(ステップS75、S76)。また、(3-1-2-2)時間Δt3>最大応答送信時間でなければ、地上通信装置は、ユーザデータのみを車上通信装置へ送信する(ステップS77)。車上通信装置は、ステップS75、S77で受信したユーザデータを車上アプリへ転送する(ステップS79)。
また、(4)転送するユーザデータが存在しない場合、かつ(4-1)測定情報を受信済みの場合、(4-1-1)測定情報受信(ステップS52、S56またはS61)から現在までの時間Δt4が最大応答送信時間よりも大きい場合(Δt4>最大応答送信時間の場合)、地上通信装置は、測定応答情報を生成し(ステップS80)、測定応答情報のみを車上通信装置へ送信する(ステップS81)。
図11および図12では記載を省略しているが、車上通信装置から測定情報を受信した地上通信装置の通信品質測定部22は、通信品質の測定内容に応じて以下の処理を実施し、測定応答情報を生成する。
測定内容が図5および図9に示す「パケット損失」の場合、通信品質測定部22は、受信した測定情報に含まれるシーケンス番号を保持する。
測定内容が図5および図9に示す「伝送遅延」および「ジッタ」の場合、通信品質測定部22は、受信した測定情報に含まれるシーケンス番号を保持する。また、通信品質測定部22、測定情報受信から測定応答情報生成までの処理時間(Tb)をカウントする。
測定内容が図5および図9に示す「スループット」の場合、通信品質測定部22は、測定情報の受信時刻と、受信した測定情報に含まれる送信時刻と、受信した測定情報のサイズとに基づいて、以下の式(1)に従ってスループットを算出する。
スループット=サイズ/(受信時刻-送信時刻) …(1)
測定内容が図5および図9に示す「スループット」の場合、通信品質測定部22は、測定情報の受信時刻に基づいて、測定情報の受信間隔を算出する。
一方、地上通信装置から測定応答情報を受信した車上通信装置の通信品質測定部12は、通信品質の測定内容に応じて以下の処理を実施し、通信品質を評価する。
測定内容が図5および図9に示す「パケット損失」の場合、通信品質測定部12は、受信した測定応答情報に含まれるシーケンス番号の連続性を照査することで、パケット損失数からパケット損失率を算出し、通信品質評価結果として記憶部14に記録する。
測定内容が図5および図9に示す「伝送遅延」の場合、通信品質測定部12は、測定応答情報受信時に、対応する測定情報の送信から測定応答情報の受信までの時間(Ta)を測定する。また、通信品質測定部12は、受信した測定応答情報に含まれる、測定情報受信から測定応答情報生成までの処理時間(Tb)を取得し、時間TaおよびTbに基づいて伝送遅延(Ta-Tb)を算出し、通信品質評価結果として記憶部14に記録する。
測定内容が図5および図9に示す「ジッタ」の場合、通信品質測定部12は、測定応答情報受信時に、対応する測定情報の送信から測定応答情報の受信までの時間(Ta)を測定する。また、通信品質測定部12は、受信した測定応答情報に含まれる、測定情報受信から測定応答情報生成までの処理時間(Tb)を取得し、時間TaおよびTbに基づいて伝送遅延(Ta-Tb)を算出して記憶部14に記録(蓄積)する。そして、通信品質測定部12は、記憶部14に蓄積している複数の伝送遅延に基づいてジッタを算出し、通信品質評価結果として記憶部14に記録する。
測定内容が図5および図9に示す「スループット」の場合、通信品質測定部12は、受信した測定応答情報に含まれるスループット測定結果を、通信品質評価結果として記憶部14に記録する。
測定内容が図5および図9に示す「受信間隔」の場合、通信品質測定部12は、受信した測定応答情報に含まれる受信間隔測定結果を、通信品質評価結果として記憶部14に記録する。
本実施の形態では車上の通信装置1が測定情報を送信し、測定情報を受信した地上の通信装置2が測定応答情報を返送する場合の動作について説明したが、地上の通信装置2が測定情報を送信し、測定情報を受信した車上の通信装置1が測定応答情報を返送する場合の動作も同様である。また、通信品質の測定は、通信装置1および2の双方が行ってもよいし、一方のみが行ってもよい。通信装置1および2の一方のみが通信品質を測定する場合、通信品質を測定した通信装置1または2は、測定結果を必要に応じて対向する通信装置に通知してもよい。
つづいて、通信装置1および2のハードウェア構成について説明する。図13は、実施の形態1にかかる通信装置1および2のハードウェア構成の一例を示す図である。通信装置1および2のハードウェア構成は同様であるため、以下では通信装置1の場合を例に説明する。
通信装置1は、メモリ91、プロセッサ92、電源回路93、アプリケーションインタフェース95および通信インタフェース94で構成される。
メモリ91は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(登録商標)(Electrically EPROM)などの、不揮発性または揮発性の半導体メモリなどである。プロセッサ92は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、またはDSP(Digital Signal Processor)などである。電源回路93は、プロセッサ92の駆動電力を生成する電子回路である。電源回路93は、通信装置1のプロセッサ92以外の各部へ電源を供給してもよい。
通信インタフェース94は、5G端末5に接続され、5G端末5を介して通信装置2との間の通信処理を行う回路である。アプリケーションインタフェース95は、車上アプリとの間でユーザデータの受け渡しを行う回路である。
図3に示す通信装置1のデータ転送部11は、通信インタフェース94およびアプリケーションインタフェース95により実現される。図3に示す記憶部14は、メモリ91で実現される。
図3に示す通信品質測定部12および測定条件判定部13は、これらの各部として動作するためのプログラムをプロセッサ92が実行することにより実現される。通信品質測定部12および測定条件判定部13の機能はプログラムとして記述され、メモリ91に格納される。プロセッサ92は、メモリ91に格納されたプログラムを読み出して実行することにより、通信品質測定部12および測定条件判定部13の機能を実現する。このプログラムは、通信品質測定部12および測定条件判定部13の手順または方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。メモリ91は、プロセッサ92が各種処理を実行する際の一時メモリにも使用される。メモリ91に格納される、通信品質測定部12および測定条件判定部13として動作するためのプログラムは、例えば、CD(Compact Disc)-ROM、DVD(Digital Versatile Disc)-ROMなどの記憶媒体に書き込まれた状態で通信装置1のユーザ等に提供される形態であってもよいし、通信ネットワークを介して提供される形態であってもよい。
図13は、汎用のメモリ91およびプロセッサ92を利用して通信装置1および2を実現する場合のハードウェア構成を示すものであるが、メモリ91およびプロセッサ92の代わりに専用の処理回路を利用して通信装置1および2を実現することも可能である。
図14は、実施の形態1にかかる通信装置1および2のハードウェア構成の他の例を示す図である。図14に示すハードウェアは、図13に示すメモリ91およびプロセッサ92を専用の処理回路96に置き換えたものである。処理回路96は、単一回路、複合回路、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせた回路である。例えば、図14に示すハードウェアで通信装置1を実現する場合、通信品質測定部12および測定条件判定部13は処理回路96で実現される。図14に示すハードウェアで通信装置2を実現する場合も同様である。
なお、通信装置1の通信品質測定部12および測定条件判定部13の機能の一部を図14に示す処理回路96に相当する専用の処理回路で実現し、残りを図13に示すメモリ91およびプロセッサ92に相当する汎用のメモリおよびプロセッサで実現してもよい。通信装置2についても同様である。
以上説明したように、本実施の形態にかかる通信装置1および2は、通信品質測定のために対向する通信装置へ測定用データ(測定情報、測定応答情報)を送信する場合、対向する通信装置へ送信するユーザデータの発生状況と、測定用データのサイズと、発生しているユーザデータのサイズとに基づいて送信方法を決定する。例えば、測定情報の送信では、通信装置1および2は、ユーザデータが発生した時点で、測定情報の送信間隔の最小値を示す最小測定時間が経過しており、かつユーザデータのサイズと測定情報のサイズとの合計値が使用する通信回線に設定されている最大転送サイズ以下の場合、測定情報をユーザデータに付加して送信し、ユーザデータのサイズと測定情報のサイズとの合計値が最大転送サイズよりも大きい場合、ユーザデータとは別に測定情報を単独で送信する。本実施の形態にかかる通信装置1および2によれば、ユーザデータ転送への影響を抑えて測定用データを送受信し、通信品質を測定することができる。
実施の形態2.
つづいて、実施の形態2にかかる通信装置について説明する。実施の形態2にかかる通信装置の構成は実施の形態1と同様(図3参照)であり、測定条件判定部の動作の一部が実施の形態1と異なる。このため、本実施の形態では、実施の形態1と共通の部分については説明を省略し、実施の形態1と異なる動作を行う測定条件判定部13および23の動作について説明を行う。なお、実施の形態1と同様に、車上の通信装置1が測定情報を生成して地上の通信装置2へ送信する場合の例を説明する。
実施の形態2にかかる通信装置1の測定条件判定部13は、図8に示すステップS12で最小測定時間が経過したか否かを判定する際に使用する最小測定時間を、通信品質の測定内容ごとに異なる値に設定可能とする。すなわち、実施の形態2にかかる測定条件判定部13は、予め準備された複数の最小測定時間のうち、通信品質の測定内容に対応する最小測定時間を使用して、最小測定時間が経過したか否かの判定処理を行う。
予め準備された複数の最小測定時間の例を図15に示す。図15は、実施の形態2にかかる測定条件判定部13が判定処理で使用する最小測定時間の一例を示す図である。
図15に示す例では、測定条件判定部13がパケット損失を測定する場合に使用する最小測定時間をT1、測定条件判定部13が伝送遅延を測定する場合に使用する最小測定時間をT2、測定条件判定部13がジッタを測定する場合に使用する最小測定時間をT3、測定条件判定部13が伝送速度を測定する場合に使用する最小測定時間をT4としている。なお、T1~T4のうち、2つ以上を同じ値に設定してもよい。
実施の形態2にかかる測定条件判定部13は、さらに、図8に示すステップS15で最大測定時間が経過したか否かを判定する際に使用する最大測定時間を、通信品質の測定内容ごとの値としてもよい。
これにより、通信装置1は、通信品質の測定内容ごとに異なるタイミングで測定情報を送信することが可能となる。すなわち、通信装置1は、通信品質の測定内容ごとに適切なタイミングで測定情報を送信することが可能となる。
最小測定時間および最大測定時間を通信品質の測定内容ごとに異なる値とする場合における、最小測定時間および最大測定時間の設定方法の例を以下に示す。
例えば、パケット損失を高頻度に測定したい場合、パケット損失を測定する際の最小測定時間および最大測定時間を共に小さい値に設定する。
また、ジッタを測定する間隔をできるだけ等しくしたい場合、ジッタを測定する際の最小測定時間を大きな値に設定し、最大測定時間を小さな値に設定する(ただし、最小測定時間<最大測定時間とする)。
また、ネットワーク負荷の増大抑制のために伝送速度の測定頻度を低くしたい場合、伝送速度を測定する際の最小測定時間および最大測定時間の両方を大きな値に設定する。
なお、測定条件判定部13が判定処理に使用する上記の最小測定時間および最大測定時間の両方を通信品質の測定内容ごとに異なる値に設定してもよいし、最小測定時間のみを通信品質の測定内容ごとに異なる値に設定してもよい。
以上説明したように、本実施の形態にかかる通信装置1および2は、図8に示すステップS12で最小測定時間が経過したか否かを判定する際に使用する最小測定時間、および、図8に示すステップS15で最大測定時間が経過したか否かを判定する際に使用する最大測定時間のうち、少なくとも最小測定時間を、通信品質の測定内容ごとに設定可能とする。本実施の形態にかかる通信装置1および2は、通信品質の測定内容ごとに適切なタイミングで測定情報を送信することが可能となるため、実施の形態1と比較して、より高精度な通信品質測定を実現できる。
実施の形態3.
つづいて、実施の形態3にかかる通信装置について説明する。実施の形態3にかかる通信装置の構成は実施の形態1と同様(図3参照)であり、測定条件判定部の動作の一部が実施の形態1と異なる。このため、本実施の形態では、実施の形態1と共通の部分については説明を省略し、実施の形態1と異なる動作を行う測定条件判定部13および23の動作について説明を行う。なお、実施の形態1および2と同様に、車上の通信装置1が測定情報を生成して地上の通信装置2へ送信する場合の例を説明する。
実施の形態3にかかる通信装置1の測定条件判定部13は、図8に示すステップS12で最小測定時間が経過したか否かを判定する際に使用する最小測定時間を、通信回線ごとに異なる値に設定可能とする。すなわち、実施の形態3にかかる測定条件判定部13は、予め準備された複数の最小測定時間のうち、通信品質の測定対象の通信回線に対応する最小測定時間を使用して、最小測定時間が経過したか否かの判定処理を行う。
予め準備された複数の最小測定時間の例を図16に示す。図16は、実施の形態3にかかる測定条件判定部13が判定処理で使用する最小測定時間の一例を示す図である。図16は、通信装置1と通信装置2との間の通信回線が2回線である場合の例を示す。
図16に示す例では、測定条件判定部13が通信回線#1の通信品質を測定する場合に使用する最小測定時間をT1、通信回線#2の通信品質を測定する場合に使用する最小測定時間をT2としている。なお、T1とT2を同じ値に設定してもよい。
実施の形態3にかかる測定条件判定部13は、さらに、図8に示すステップS15で最大測定時間が経過したか否かを判定する際に使用する最大測定時間を、通信回線ごとの値としてもよい。
これにより、通信装置1は、通信回線ごとに異なるタイミングで測定情報を送信することが可能となる。すなわち、通信装置1は、通信回線ごとに適切なタイミングで測定情報を送信して通信品質を測定することが可能となる。よって、通信回線ごとに通信品質の測定頻度を変えることができ、例えば、通信品質が不安定な通信回線は高頻度に測定を行い、通信品質が安定している通信回線は測定頻度を低減する、といった動作が可能となる。
最小測定時間および最大測定時間を通信回線ごとに異なる値とする場合における、最小測定時間および最大測定時間の設定方法の例を以下に示す。
例えば、図16に示す通信回線#1をローカル5G回線、通信回線#2を公衆5G回線とした場合、通信料金が発生しないローカル5G回線(通信回線#1)については、最小測定時間および最大測定時間をともに小さな値に設定し、測定情報の送信頻度が高くなるようにする。一方、通信料金が発生する公衆5G回線(通信回線#2)については、最小測定時間および最大測定時間をともに大きな値に設定し、測定情報の送信頻度が低くなるようにして通信料金の増加をできるだけ抑える。
なお、測定条件判定部13が判定処理に使用する上記の最小測定時間および最大測定時間の両方を通信回線ごとに異なる値に設定してもよいし、最小測定時間のみを通信回線ごとに異なる値に設定してもよい。
以上説明したように、本実施の形態にかかる通信装置1および2は、図8に示すステップS12で最小測定時間が経過したか否かを判定する際に使用する最小測定時間、および、図8に示すステップS15で最大測定時間が経過したか否かを判定する際に使用する最大測定時間のうち、少なくとも最小測定時間を、通信回線ごとに設定可能とする。本実施の形態にかかる通信装置1および2は、通信回線ごとに異なる頻度で測定情報を送信することが可能となるため、実施の形態1と比較して、より高精度な通信品質測定を実現できる。また、通信品質の測定時に発生する通信回線ごとの通信料金を考慮した頻度で測定情報を送信することが可能となる。
実施の形態4.
つづいて、実施の形態4にかかる通信装置について説明する。実施の形態4にかかる通信装置の構成は実施の形態1と同様(図3参照)であり、測定条件判定部の動作の一部が実施の形態1と異なる。このため、本実施の形態では、実施の形態1と共通の部分については説明を省略し、実施の形態1と異なる動作を行う測定条件判定部13および23の動作について説明を行う。なお、実施の形態1~3と同様に、車上の通信装置1が測定情報を生成して地上の通信装置2へ送信する場合の例を説明する。
実施の形態4にかかる通信装置1の測定条件判定部13は、図8に示すステップS12で最小測定時間が経過したか否かを判定する際に使用する最小測定時間を、アプリケーション種別ごとに異なる値に設定可能とする。すなわち、実施の形態4にかかる測定条件判定部13は、予め準備された複数の最小測定時間のうち、転送するユーザデータを作成するアプリケーションに対応する最小測定時間を使用して、最小測定時間が経過したか否かの判定処理を行う。
予め準備された複数の最小測定時間の例を図17に示す。図17は、実施の形態4にかかる測定条件判定部13が判定処理で使用する最小測定時間の一例を示す図である。図17は、通信装置1と通信装置2との間で転送されるユーザデータを作成するアプリケーションが2種類である場合の例を示す。
図17に示す例では、測定条件判定部13がアプリケーション#1のユーザデータを転送する通信回線の通信品質を測定する場合に使用する最小測定時間をT1、アプリケーション#2のユーザデータを転送する通信回線の通信品質を測定する場合に使用する最小測定時間をT2としている。なお、T1とT2を同じ値に設定してもよい。
実施の形態4にかかる測定条件判定部13は、さらに、図8に示すステップS15で最大測定時間が経過したか否かを判定する際に使用する最大測定時間を、アプリケーション種別ごとの値としてもよい。
これにより、通信装置1は、アプリケーション種別ごとに異なるタイミングで測定情報を送信することが可能となる。すなわち、通信装置1は、アプリケーション種別ごとに適切なタイミングで測定情報を送信して通信品質を測定することが可能となる。よって、アプリケーション種別ごとに通信品質の測定頻度を変えることができ、例えば、リアルタイム性が必要なアプリケーションを転送する通信回線は高頻度に通信品質測定を行い、リアルタイム性が不要なアプリケーションを転送する通信回線は通信品質の測定頻度を低減する、といった動作が可能となる。
最小測定時間および最大測定時間をアプリケーション種別ごとに異なる値とする場合における、最小測定時間および最大測定時間の設定方法の例を以下に示す。
例えば、図17に示すアプリケーション#1を音声通話、アプリケーション#2をログ伝送とした場合、リアルタイム性が必要な音声通話(アプリケーション#1)については、最小測定時間および最大測定時間をともに小さな値に設定し、測定情報の送信頻度が高くなるようにする。一方、リアルタイム性が不要なログ伝送(アプリケーション#2)については、最小測定時間および最大測定時間をともに大きな値に設定し、測定情報の送信頻度が低くなるようにする。
なお、測定条件判定部13が判定処理に使用する上記の最小測定時間および最大測定時間の両方をアプリケーション種別ごとに異なる値に設定してもよいし、最小測定時間のみをアプリケーション種別ごとに異なる値に設定してもよい。
以上説明したように、本実施の形態にかかる通信装置1および2は、図8に示すステップS12で最小測定時間が経過したか否かを判定する際に使用する最小測定時間、および、図8に示すステップS15で最大測定時間が経過したか否かを判定する際に使用する最大測定時間のうち、少なくとも最小測定時間を、アプリケーション種別ごとに設定可能とする。本実施の形態にかかる通信装置1および2は、アプリケーション種別ごとに異なる頻度で測定情報を送信することが可能となるため、実施の形態1と比較して、より高精度な通信品質測定を実現できる。
実施の形態5.
つづいて、実施の形態5にかかる通信装置について説明する。実施の形態5にかかる通信装置の構成は実施の形態1と同様(図3参照)であり、測定条件判定部の動作の一部が実施の形態1と異なる。このため、本実施の形態では、実施の形態1と共通の部分については説明を省略し、実施の形態1と異なる動作を行う測定条件判定部13および23の動作について説明を行う。なお、実施の形態1~4と同様に、車上の通信装置1が測定情報を生成して地上の通信装置2へ送信する場合の例を説明する。
実施の形態5にかかる通信装置1の測定条件判定部13は、図8に示すステップS12で最小測定時間が経過したか否かを判定する際に使用する最小測定時間を、使用する伝送プロトコルごとに異なる値に設定可能とする。すなわち、実施の形態5にかかる測定条件判定部13は、予め準備された複数の最小測定時間のうち、ユーザデータの転送で使用する伝送プロトコルに対応する最小測定時間を使用して、最小測定時間が経過したか否かの判定処理を行う。
予め準備された複数の最小測定時間の例を図18に示す。図18は、実施の形態5にかかる測定条件判定部13が判定処理で使用する最小測定時間の一例を示す図である。図18は、通信装置1と通信装置2との間のユーザデータ転送で使用する伝送プロトコルが3種類である場合の例を示す。
図18に示す例では、伝送プロトコルがTCP(Transmission Control Protocol)である場合に測定条件判定部13が使用する最小測定時間をT1、伝送プロトコルがUDP(User Datagram Protocol)である場合に測定条件判定部13が使用する最小測定時間をT2、伝送プロトコルがICMP(Internet Control Message Protocol)である場合に測定条件判定部13が使用する最小測定時間をT3としている。なお、T1~T3のうち、2つ以上を同じ値に設定してもよい。
実施の形態5にかかる測定条件判定部13は、さらに、図8に示すステップS15で最大測定時間が経過したか否かを判定する際に使用する最大測定時間を、使用する伝送プロトコルごとの値としてもよい。
これにより、通信装置1は、使用する伝送プロトコルごとに異なるタイミングで測定情報を送信することが可能となる。すなわち、通信装置1は、伝送プロトコルごとに適切なタイミングで測定情報を送信して通信品質を測定することが可能となる。よって、伝送プロトコルごとに通信品質の測定頻度を変えることができ、例えば、リアルタイム性が必要なユーザデータの転送で使用する伝送プロトコルは高頻度に通信品質測定を行い、リアルタイム性が不要なユーザデータの転送で使用する伝送プロトコルは通信品質の測定頻度を低減する、といった動作が可能となる。
最小測定時間および最大測定時間を伝送プロトコルごとに異なる値とする場合における、最小測定時間および最大測定時間の設定方法の例を以下に示す。
例えば、使用する伝送プロトコルが図18に示すTCP、UDPおよびICMPの3種類である場合、ICMPは、状態監視によく使われ、通信品質測定との親和性が高いことから、最小測定時間および最大測定時間をともに小さな値に設定し、測定情報の送信頻度が高くなるようにする。UDPはセッション状態を持たず、通信品質測定との親和性がICMPの次に高いことから、最小測定時間および最大測定時間をICMPとTCPとの間の値に設定する。TCPは、セッション状態を持ち、通信品質測定との親和性がICMPおよびUDPよりも低いことから、最小測定時間および最大測定時間をICMPおよびUDPよりも大きな値に設定する。
なお、測定条件判定部13が判定処理に使用する上記の最小測定時間および最大測定時間の両方を伝送プロトコルごとに異なる値に設定してもよいし、最小測定時間のみを伝送プロトコルごとに異なる値に設定してもよい。
以上説明したように、本実施の形態にかかる通信装置1および2は、図8に示すステップS12で最小測定時間が経過したか否かを判定する際に使用する最小測定時間、および、図8に示すステップS15で最大測定時間が経過したか否かを判定する際に使用する最大測定時間のうち、少なくとも最小測定時間を、伝送プロトコルごとに設定可能とする。本実施の形態にかかる通信装置1および2は、伝送プロトコルごとに異なる頻度で測定情報を送信することが可能となるため、実施の形態1と比較して、より高精度な通信品質測定を実現できる。
実施の形態6.
つづいて、実施の形態6にかかる通信装置について説明する。実施の形態6にかかる通信装置の構成は実施の形態1と同様(図3参照)であり、測定条件判定部の動作の一部が実施の形態1と異なる。このため、本実施の形態では、実施の形態1と共通の部分については説明を省略し、実施の形態1と異なる動作を行う測定条件判定部13および23の動作について説明を行う。なお、実施の形態1~5と同様に、車上の通信装置1が測定情報を生成して地上の通信装置2へ送信する場合の例を説明する。
実施の形態6にかかる通信装置1の測定条件判定部13は、図8に示すステップS12で最小測定時間が経過したか否かを判定する際に使用する最小測定時間を、通信品質の測定結果に応じて変更可能とする。すなわち、実施の形態6にかかる測定条件判定部13は、予め準備された複数の最小測定時間のうち、過去の通信品質測定結果に対応する最小測定時間を使用して、最小測定時間が経過したか否かの判定処理を行う。
予め準備された複数の最小測定時間の例を図19に示す。図19は、実施の形態6にかかる測定条件判定部13が判定処理で使用する最小測定時間の一例を示す図である。
図19に示す例では、過去の通信品質測定結果から算出した通信品質の変化量Aが閾値#1未満の場合に測定条件判定部13が使用する最小測定時間をT1とし、変化量Aが閾値#1以上閾値#2未満の場合に測定条件判定部13が使用する最小測定時間をT2とする。
実施の形態6にかかる測定条件判定部13は、さらに、図8に示すステップS15で最大測定時間が経過したか否かを判定する際に使用する最大測定時間を、通信品質の測定結果に応じて変更可能としてもよい。
これにより、通信装置1は、通信品質の測定結果に応じて測定情報の送信タイミングを変更することが可能となる。すなわち、通信装置1は、通信品質の変化量に応じたタイミングで測定情報を送信して通信品質を測定することが可能となる。よって、例えば、通信品質の変化量が大きい状態のときは高頻度に通信品質測定を行い、通信品質の変化量が小さい状態のときは通信品質の測定頻度を低減する、といった動作が可能となる。
最小測定時間および最大測定時間を通信品質の測定結果に応じて変更する方法の例を以下に示す。
例えば、最新の通信品質測定結果と直近の通信品質測定結果との差分が小さい場合、通信が安定していると推測されることから、最小測定時間および最大測定時間をともに大きな値に設定し、測定情報の送信頻度が低くなるようにする。また、最新の通信品質測定結果と直近の通信品質測定結果との差分が大きい場合、通信が不安定と推測されることから、最小測定時間および最大測定時間をともに小さな値に設定し、測定情報の送信頻度が高くなるようにする。
なお、測定条件判定部13が判定処理に使用する上記の最小測定時間および最大測定時間の両方を通信品質の測定結果に応じて変更してもよいし、最小測定時間のみを通信品質の測定結果に応じて変更してもよい。
以上説明したように、本実施の形態にかかる通信装置1および2は、図8に示すステップS12で最小測定時間が経過したか否かを判定する際に使用する最小測定時間、および、図8に示すステップS15で最大測定時間が経過したか否かを判定する際に使用する最大測定時間のうち、少なくとも最小測定時間を、通信品質の測定結果に応じて変更可能とする。本実施の形態にかかる通信装置1および2は、通信品質に応じた頻度で測定情報を送信することが可能となるため、実施の形態1と比較して、より高精度な通信品質測定を実現できる。
なお、各実施の形態では、通信装置1および2を鉄道システムに適用する場合の例を説明したが、適用先を鉄道システムに限定するものではない。また、各実施の形態では、5Gを例に説明したが、適用先を5Gに限定するものではなく、LTE(Long Term Evolution)やWi-Fi(登録商標)等、同様の移動体通信システムに適用してもよい。
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、実施の形態同士を組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。例えば、実施の形態2~6で説明した最小測定時間および最大測定時間の設定方法を2つ以上組み合わせて、最小測定時間のみ、または、最小測定時間および最大測定時間の両方を設定するようにしてもよい。