以下、本開示の実施の形態に係るブレーキ制御装置、ブレーキ制御システム、およびブレーキ制御方法について図面を参照して詳細に説明する。なお図中、同一または同等の部分には同一の符号を付す。
(実施の形態1)
鉄道車両に搭載され、車輪ごとに設けられる機械ブレーキ装置を制御するブレーキ制御装置を例にして、実施の形態1に係るブレーキ制御装置について説明する。実施の形態1では、鉄道車両は機械ブレーキ装置が生じさせる機械ブレーキ力によって減速する。図1に示すブレーキ制御システム100は、モータ31による回転力で機械ブレーキ力を生じさせる機械ブレーキ装置30と、機械ブレーキ装置30を制御するブレーキ制御装置1と、を備える。なお図1において、機械ブレーキ装置30の構成要素の内、電気的な制御に関する構成要素のみを示す。図の複雑化を避けるため、図1において1つの機械ブレーキ装置30を示すが、ブレーキ制御装置1は、複数の機械ブレーキ装置30を制御する。
ブレーキ制御装置1は、例えば運転台に設けられる操作部41から取得したブレーキ指令からブレーキ力の目標値である目標ブレーキ力を求める目標ブレーキ力決定部11と、目標ブレーキ力から機械ブレーキ装置30による機械ブレーキ力の目標値である目標機械ブレーキ力を求める目標機械ブレーキ力決定部12と、を備える。
ブレーキ制御装置1は、機械ブレーキ装置30が備える摩擦材と鉄道車両の走行時に回転する回転体とが離れているか否かを判別する判別部13と、目標機械ブレーキ力と判別部13の判別結果に応じて、電源装置42から供給される電力をモータ31に供給するための電力に変換して、変換した電力をモータ31に出力する駆動ドライバ14と、を備える。
上記構成を有するブレーキ制御装置1に制御される機械ブレーキ装置30は、図2および図3に示すように、摩擦材50を鉄道車両の走行時に回転する回転体60に押し付けることで、ブレーキ力を生じさせる。機械ブレーキ装置30は、回転体60ごとに設けられる。摩擦材50は、制輪子、ブレーキパッド等である。回転体60は、車輪、ディスクロータ等である。
機械ブレーキ装置30は、ブレーキ制御装置1から供給される電力で駆動され、駆動シャフト31aを回転させるモータ31と、モータ31の回転数を減速し、トルクを増大して出力する減速機32と、減速機32を介して駆動シャフト31aに連結されて、駆動シャフト31aの回転に応じて出力シャフト33aを摺動させる回転直動変換機構33と、を備える。機械ブレーキ装置30は、モータ31の近傍に取り付けられてモータ31の回転数(単位:rpm)を検出する回転センサ34と、出力シャフト33aの一方の端部33bに取り付けられて、回転直動変換機構33が摩擦材50を回転体60に押し付ける力である押付力を測定するロードセル35と、を備える。図の複雑化を避けるため、図1において1つの駆動ドライバ14を示すが、ブレーキ制御装置1は、複数の機械ブレーキ装置に一対一で対応付けられる複数の駆動ドライバ14を備える。
モータ31は、例えば、ブレーキ制御装置1から供給される三相交流電力で駆動される三相誘導電動機である。モータ31の回転に応じて回転直動変換機構33が有する出力シャフト33aが摺動することで、出力シャフト33aの一方の端部33bに取り付けられた摩擦材50は、回転体60に近づく方向または回転体60から離れる方向に移動する。
機械ブレーキ装置30が動作を停止しているときは、図2に示すように、摩擦材50は回転体60から離れている。機械ブレーキ装置30が動作を開始、具体的には、ブレーキ制御装置1から供給される電力でモータ31が駆動されて順方向に回転すると、回転直動変換機構33はモータ31の回転に応じて出力シャフト33aを回転体60に向けて移動させる。これにより、出力シャフト33aの端部33bに取り付けられた摩擦材50は、回転体60に向けて押される。この結果、図3に示すように、摩擦材50は、回転体60に当接する位置まで移動し、回転直動変換機構33によって回転体60に押し付けられる。
機械ブレーキ装置30の応答性を高めるためには、図2に示す位置から、摩擦材50を速やかに回転体60に当接する位置まで移動させることが好ましい。また、機械ブレーキ装置30の動作中に、機械ブレーキ装置30で消費される電力量の増大は抑制されることが好ましい。機械ブレーキ装置30の応答性を高め、消費電力量の増大を抑制するためのブレーキ制御装置1の詳細について以下に説明する。
図1に示す操作部41は、減速度を示すブレーキ指令を目標ブレーキ力決定部11に出力する主幹制御器を有する。主幹制御器は、運転員のブレーキ操作に応じたノッチに対応する減速度を示すブレーキ指令を目標ブレーキ力決定部11に出力する。
目標ブレーキ力決定部11は、鉄道車両の減速を指示するブレーキ指令が示す減速度から、車両または台車ごとに、ブレーキ力の目標値である目標ブレーキ力を求める。例えば、目標ブレーキ力決定部11は、図示しない応荷重装置から車両の重量を取得し、車両の重量にブレーキ指令が示す減速度を乗算することで車両ごとの目標ブレーキ力を求める。目標ブレーキ力決定部11は、求めた目標ブレーキ力を目標機械ブレーキ力決定部12に送る。
目標機械ブレーキ力決定部12は、目標ブレーキ力から各機械ブレーキ装置30で生じる機械ブレーキ力の目標値である目標機械ブレーキ力を求める。例えば、目標機械ブレーキ力決定部12は、車両ごとの目標ブレーキ力から、車輪ごとに設けられる機械ブレーキ装置30の目標機械ブレーキ力を求める。目標機械ブレーキ力決定部12は、機械ブレーキ装置30が有するロードセル35から機械ブレーキ装置30の押付力を取得し、実際に生じた機械ブレーキ力に相当する実機械ブレーキ力を求める。目標機械ブレーキ力決定部12は、実機械ブレーキ力に基づくフィードバック制御を行って、目標機械ブレーキ力の値を調節し、調節した目標機械ブレーキ力を駆動ドライバ14に送る。
判別部13は、摩擦材50と回転体60とが離れているか否かを判別する。実施の形態1では、判別部13は、ロードセル35から取得した機械ブレーキ装置30の押付力から、摩擦材50と回転体60とが離れているか否かを判別する。一例として、機械ブレーキ装置30の押付力が0であるとみなせるときは、摩擦材50と回転体60とが離れているとみなすことができる。機械ブレーキ装置30の押付力が0より大きければ、摩擦材50と回転体60とが離れていない、換言すれば、当接しているとみなすことができる。判別部13は、判別結果を駆動ドライバ14に送る。
駆動ドライバ14は、目標機械ブレーキ力と判別部13の判別結果から目標トルクを求め、目標トルクから目標回転数を求めるモータ目標値決定部15と、目標トルクおよび目標回転数から、スイッチング動作を指示するPWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)信号を生成し、PWM信号を出力する信号生成部16と、PWM信号に応じてスイッチング動作を行う複数のスイッチング素子を有し、電源装置42から供給される電力を、機械ブレーキ装置30が備えるモータ31に供給するための電力に変換する電力変換回路17と、を備える。
モータ目標値決定部15は、目標機械ブレーキ力決定部12から目標機械ブレーキ力を取得し、機械ブレーキ装置30が有する回転センサ34からモータ31の回転数を取得する。モータ目標値決定部15は、目標機械ブレーキ力から、機械ブレーキ装置30の押付力の目標値である目標押付力を求める。モータ目標値決定部15は、目標押付力と機械ブレーキ装置30のパラメータから、モータ31のトルクの目標値である目標トルクを求める。
機械ブレーキ装置30のパラメータは、摩擦材50が回転体60に押し付けられる力である押付力をモータ31のトルクに換算するためのものである。機械ブレーキ装置30のパラメータは、例えば、回転直動変換機構33の入力である回転運動量と出力である直線運動量との比率、減速機32の減速比等によって決まる。モータ目標値決定部15は、機械ブレーキ装置30のパラメータについての情報を予め保持しているものとする。
モータ目標値決定部15は、判別部13で摩擦材50と回転体60とが離れていると判別されたときは、摩擦材50を回転体60に押し付けるためのモータ31のトルクより小さい値を目標トルクとする。該トルクは、機械ブレーキ装置30の特性に応じたトルクである。例えば、モータ目標値決定部15は、判別部13で摩擦材50と回転体60とが離れていると判別されたときは、摩擦材50を回転体60に近づけるためのモータ31の最小トルクを目標トルクとする。
モータ目標値決定部15は、判別部13で摩擦材50と回転体60とが離れていないと判別されたときは、目標機械ブレーキ力を得るためのモータ31のトルクを目標トルクとする。
モータ目標値決定部15は、上述のように求めた目標トルクから目標回転数を求める。詳細には、モータ目標値決定部15は、モータ31のトルクと回転数との関係特性に基づいて、目標トルクから目標回転数を決定する。モータ31のトルクと回転数は、負の相関関係を有する。モータ31のトルクと回転数との関係特性の一例を、図4に負の傾きを有する直線で示す。モータ31のトルクと回転数との関係特性を示す直線の位置は、モータ31の印加電圧によって変化する。図4では、モータ31の印加電圧V1,V2,V3のそれぞれに対応する関係特性を示す。なおV1,V2,V3は、V1<V2<V3の式を満たす。モータ目標値決定部15は、U相電圧指令値、V相電圧指令値、およびW相電圧指令値のいずれかを取得し、取得した電圧指令値からモータ31のトルクと回転数との関係特性を決定する。
モータ目標値決定部15は、関係特性を示す直線、X軸、およびY軸で囲まれる範囲に位置するトルクおよび回転数をそれぞれ、モータ31の目標トルクおよび目標回転数として用いる。例えばモータ31の印加電圧がV2であるときは、モータ目標値決定部15は、図4において塗りつぶされた範囲に位置するトルクおよび回転数をそれぞれ、モータ31の目標トルクおよび目標回転数として用いる。具体的には、モータ31の印加電圧がV2であるときに、モータ目標値決定部15は、目標機械ブレーキ力を得るためのトルクである目標トルクτ1に対して取り得る最大の回転数である回転数N1を目標回転数とする。モータ目標値決定部15は、判別部13で摩擦材と回転体とが離れていないと判別されたときは、上述のように求めた目標トルクτ1と目標回転数N1を信号生成部16に出力する。
例えば、モータ目標値決定部15は、判別部13で摩擦材50と回転体60とが離れていると判別されたときは、摩擦材50を回転体60に押し付けるためのモータ31のトルクより小さい値を目標トルクとする。例えば、モータ目標値決定部15は、摩擦材50を回転体60に近づけるためのモータ31の最小トルクτMINを目標トルクとする。図4の例では、トルクτMINは、摩擦材50を回転体60に押し付けることができるトルクτ1より小さい。
モータ31の印加電圧がV2であるときに、モータ目標値決定部15は、目標トルクτMINに対して取り得る最大の回転数である回転数NMAXを目標回転数とする。モータ目標値決定部15は、判別部13で摩擦材と回転体とが離れている判別されたときは、上述のように求めた目標トルクτMINと目標回転数NMAXを信号生成部16に出力する。
モータ目標値決定部15は、目標トルクの単位時間ごとの変化率を、鉄道車両の減速度の変化率の目標値に応じた第1目標範囲に維持しながら、目標トルクを変化させることが好ましい。鉄道車両の減速度の変化率の目標値は、鉄道車両の乗り心地の低下を抑制可能な値である。換言すれば、第1目標範囲は、鉄道車両の乗り心地の低下を抑制可能なモータ31のトルクの変化率の範囲である。
同様に、モータ目標値決定部15は、目標回転数の単位時間ごとの変化率を、鉄道車両の減速度の変化率の目標値に応じた第2目標範囲に維持しながら、目標回転数を変化させることが好ましい。換言すれば、第2目標範囲は、鉄道車両の乗り心地の低下を抑制可能なモータ31の回転数の変化率の範囲である。
信号生成部16は、モータ目標値決定部15から取得した目標トルク、実際のモータ31のトルクである実トルク、モータ目標値決定部15から取得した目標回転数および実際のモータ31の回転数である実回転数から、電力変換回路17が有する複数のスイッチング素子を制御するための複数のPWM信号を生成し、出力する。
詳細には、信号生成部16は、モータ目標値決定部15からモータ31の目標トルクを取得し、電流センサ18から電力変換回路17の出力電流の測定値を取得する。具体的には、信号生成部16は、電流センサ18からU相電流の測定値およびV相電流の測定値を取得し、U相電流およびV相電流の測定値からW相電流の値を求める。信号生成部16は、U相電流、V相電流、およびW相電流からモータ31の実トルクを求める。信号生成部16は、目標トルクと実トルクに基づいてフィードバック制御を行って、U相電圧指令値、V相電圧指令値、およびW相電圧指令値を求める。信号生成部16は、U相電圧指令値、V相電圧指令値、およびW相電圧指令値のそれぞれと、目標回転数に応じた周波数を有する三角波信号の値とを比較することで、PWM信号を生成する。なお信号生成部16は、目標回転数と実回転数とに基づいてフィードバック制御を行うことが好ましい。信号生成部16は、電力変換回路17が有する各スイッチング素子にPWM信号を出力する。
電力変換回路17は、信号生成部16から供給されるPWM信号で制御される複数のスイッチング素子を有する。複数のスイッチング素子のスイッチング動作によって、電力変換回路17は、電源装置42から供給される直流電力を三相交流電力に変換し、三相交流電力を機械ブレーキ装置30が有するモータ31に供給する。
電源装置42は、図示しない集電装置から供給される電力を電力変換回路17に供給するための電力に変換し、変換した電力を電力変換回路17に出力する。電源装置42は、電力供給線を介して変電所から電力を取得する集電装置から直流電力の供給を受け、直流電力を交流電力に変換するインバータと、交流電力を直流電力に整流する整流回路と、を有する。
上記構成を有するブレーキ制御装置1のハードウェア構成を図5に示す。ブレーキ制御装置1は、プロセッサ81と、メモリ82と、インターフェース83と、を備える。プロセッサ81、メモリ82、およびインターフェース83は互いにバス80で接続されている。ブレーキ制御装置1の各部の機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアおよびファームウェアはプログラムとして記述され、メモリ82に格納される。プロセッサ81が、メモリ82に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、上述の各部の機能が実現される。すなわち、メモリ82には、ブレーキ制御装置1の各部の処理を実行するためのプログラムが格納される。
メモリ82は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read-Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read-Only Memory)等の不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD(Digital Versatile Disc)等を含む。
ブレーキ制御装置1は、インターフェース83を介して、操作部41、電源装置42、および機械ブレーキ装置30に接続される。インターフェース83は、接続先に応じて、1つまたは複数の規格に準拠したインターフェースモジュールを有する。
上記構成を有するブレーキ制御装置1が行うブレーキ制御処理について図6を用いて説明する。ブレーキ制御装置1は、鉄道車両が運行を開始すると、図6に示す処理を開始する。具体的には、集電装置の一例であるパンタグラフを電力供給線の一例である架線に当接させるための上昇スイッチが操作されると、ブレーキ制御装置1は、図6の処理を開始する。
目標ブレーキ力決定部11は、操作部41からブレーキ指令を取得していない間は(ステップS11;No)、ステップS11の処理を繰り返す。
目標ブレーキ力決定部11は、操作部41からブレーキ指令を取得すると(ステップS11;Yes)、ブレーキ指令が示す減速度から、目標ブレーキ力を求める(ステップS12)。目標ブレーキ力決定部11は、求めた目標ブレーキ力を目標機械ブレーキ力決定部12に送る。
目標機械ブレーキ力決定部12は、ステップS12で求められた目標ブレーキ力から、各機械ブレーキ装置30の目標機械ブレーキ力を求める(ステップS13)。
判別部13は、ロードセル35の測定値から、摩擦材50と回転体60とが離れているか否かを判別する(ステップS14)。
摩擦材50と回転体60とが離れていると判別されたときは(ステップS14;Yes)、駆動ドライバ14が有するモータ目標値決定部15は、摩擦材50を回転体60に押し付けるためのモータ31のトルクより小さい値を目標トルクとする(ステップS15)。詳細には、モータ目標値決定部15は、摩擦材50を回転体60に近づけるためのモータ31の最小のトルク、換言すれば、摩擦材50を回転体60に向けて移動可能なモータ31の最小のトルクを目標トルクとする。
摩擦材50と回転体60とが離れていない、換言すれば、摩擦材50と回転体60とが当接していると判別されたときは(ステップS14;No)、駆動ドライバ14が有するモータ目標値決定部15は、ステップS13で求められた目標機械ブレーキ力に対応する目標押付力から、目標機械ブレーキ力を得るためのモータ31のトルクを求めて、目標機械ブレーキ力を得るためのモータ31のトルクを目標トルクとする(ステップS16)。
モータ目標値決定部15は、モータ31のトルクと回転数との関係特性に基づいて、ステップS15またはS16で求められた目標トルクから目標回転数を求める(ステップS17)。
駆動ドライバ14が有する信号生成部16は、ステップS15またはS16で求められた目標トルクおよびステップS17で求められた目標回転数に応じたPWM信号を生成し、電力変換回路17が有する各スイッチング素子にPWM信号を送ることで、電力変換回路17からモータ31に電力を供給させ、機械ブレーキ装置30を制御する(ステップS18)。詳細には、電力変換回路17は、PWM信号に応じて、電源装置42から供給される電力をモータ31に供給するための電力に変換し、変換した電力をモータ31に供給する。
電力の供給を受けたモータ31が順方向に回転することで、回転直動変換機構33の出力シャフト33aの端部33bに取り付けられた摩擦材50が回転体60に向けて押される。この結果、摩擦材50が回転体60に押し付けられてブレーキ力が生じる。
ステップS18の処理が終了すると、ブレーキ制御装置1は、ステップS11から上述の処理を繰り返す。ブレーキ制御装置1は、鉄道車両が運行している間、図6に示すブレーキ制御処理を定められた間隔で繰り返す。
上記ブレーキ制御装置1によるブレーキ制御処理の動作の一例を示すタイミングチャートを図7に示す。ブレーキ指令が入力されるタイミングを時刻T1とする。時刻T1の後、摩擦材50が回転体60に当接して機械ブレーキ力が作用し始めるタイミングを時刻T2とする。
時刻T1までは、グラフAに示すようにブレーキ指令が入力されていない。このため、グラフBに示すように、時刻T1までは、目標機械ブレーキ力決定部12において目標機械ブレーキ力は求められない。同様に、グラフC,Dに示すように、時刻T1までは、モータ目標値決定部15において目標トルクおよび目標回転数は求められない。この結果、グラフEに示すように摩擦材50が回転体60に押し付けられることはないため、機械ブレーキ装置30において機械ブレーキ力は生じない。
グラフAに示すように、時刻T1においてブレーキノッチBN1を示すブレーキ指令がブレーキ制御装置1に供給されると、目標ブレーキ力決定部11は、ブレーキノッチBN1から目標ブレーキ力を求める。目標機械ブレーキ力決定部12は、グラフCに示すように、ブレーキノッチBN1に応じた目標ブレーキ力から、機械ブレーキ装置30ごとの目標機械ブレーキ力を求める。このときの目標機械ブレーキ力の値をBP1とする。
駆動ドライバ14が有するモータ目標値決定部15は、モータ31の目標トルクおよび目標回転数を求める。時刻T1から時刻T2までの間は、摩擦材50と回転体60とが離れている。このため、モータ目標値決定部15は、グラフCに示すように、摩擦材50を回転体60に近づけることができるモータ31の最小トルクτMINを目標トルクとする。
モータ目標値決定部15は、グラフDに示すように、目標トルクに応じた最大の回転数NMAXを目標回転数とする。
信号生成部16が目標トルクおよび目標回転数に応じたPWM信号を電力変換回路17が有する各スイッチング素子に送ることで、電力変換回路17で変換された電力がモータ31に供給される。目標トルクを最小トルクτMINにすることで、目標回転数が十分に高くなるため、摩擦材50が速やかに回転体60に当接する。この結果、時刻T2において、摩擦材50が回転体60に当接する。
時刻T2以降は、摩擦材50と回転体60が当接している。このため、モータ目標値決定部15は、目標機械ブレーキ力BP1を得るためのトルクτ1を目標トルクとする。また、モータ目標値決定部15は、グラフDに示すように、目標トルクτ1に応じた回転数N1を目標回転数とする。
グラフCに示すように、モータ目標値決定部15は、目標トルクの単位時間ごとの変化率を、鉄道車両の減速度の変化率の目標値に応じた第1目標範囲に維持しながら、目標トルクを変化させる。この結果、時刻T3においてモータ目標値決定部15が信号生成部16に出力する目標トルクの値がτ1に到達する。
同様に、グラフDに示すように、モータ目標値決定部15は、目標回転数の単位時間ごとの変化率を、鉄道車両の減速度の変化率の目標値に応じた第2目標範囲に維持しながら、目標回転数を変化させる。この結果、時刻T3においてモータ目標値決定部15が信号生成部16に出力する目標回転数の値がN1に到達する。摩擦材50と回転体60とが当接すると回転数を低減させることで、モータ31の消費電力が低減する。この結果、機械ブレーキ装置30の消費電力量が低減される。
時刻T2以降、グラフEに示すように、摩擦材50が回転体60に押し付けられるため、機械ブレーキ装置30によるブレーキ力が生じて、グラフFに示すように、鉄道車両が減速する。その後、時刻T4において鉄道車両が停止する。
以上説明した通り、実施の形態1に係るブレーキ制御装置1は、摩擦材50と回転体60とが離れているときに、摩擦材50を回転体60に押し付けることで機械ブレーキ力を生じさせるためのモータ31のトルクより小さい値を目標トルクとする。摩擦材50と回転体60とが離れているときの目標トルクを小さくすることで、目標回転数を増大させて、摩擦材50を回転体60に速やかに近づけることが可能となる。その後、摩擦材50と回転体60とが当接すると、目標機械ブレーキ力を得るためのモータ31のトルクを目標トルクとすることで、目標回転数を減少させて、モータ31の消費電力量を低減させることが可能となる。換言すれば、ブレーキ制御装置1によれば、機械ブレーキ装置30の応答性を維持しながら消費電力量を低減することが可能となる。
(実施の形態2)
摩擦材50と回転体60とが離れているか否かを判別する方法は、上述の例に限られず、任意である。実施の形態1とは異なる方法で、摩擦材50と回転体60とが離れているか否かを判別するブレーキ制御装置について実施の形態1との差異を中心に実施の形態2で説明する。機械ブレーキ力および電気ブレーキ力の少なくともいずれかによって減速する鉄道車両に搭載され、車輪ごとに設けられる機械ブレーキ装置30を制御するブレーキ制御装置を例にして、実施の形態2に係るブレーキ制御装置について説明する。
図8に示すブレーキ制御システム101は、機械ブレーキ装置30と、機械ブレーキ装置30を制御するブレーキ制御装置2と、を備える。なお図8において、機械ブレーキ装置30の構成要素の内、電気的な制御に関する構成要素のみを示す。
目標ブレーキ力決定部11は、求めた目標ブレーキ力から、鉄道車両の推進力を生じさせる主電動機が発電機として動作するときに生じる電力を消費することで発生する電気ブレーキ力の目標値である目標電気ブレーキ力を求める。目標ブレーキ力決定部11は、求めた目標電気ブレーキ力を主回路制御装置43に送る。
主回路制御装置43は、集電装置から供給される電力を主電動機に供給するための電力に変換し、変換した電力を主電動機に供給し、または、発電機として動作する主電動機から供給される電力を他の鉄道車両に供給するための電力に変換し、変換した電力を集電装置に出力する主電力変換装置を制御する。ブレーキ時には、主回路制御装置43は、目標ブレーキ力決定部11から取得した目標電気ブレーキ力に応じて主電力変換装置を制御する。発電機として動作する主電動機から供給される電力が他の鉄道車両に供給されて消費されることで、電気ブレーキ力が生じる。主回路制御装置43は、実際に生じた電気ブレーキ力である実電気ブレーキ力を示す回生フィードバックを目標機械ブレーキ力決定部12に送る。
目標機械ブレーキ力決定部12は、目標ブレーキ力と回生フィードバックが示す実電気ブレーキ力との差分から、車輪ごとに設けられる機械ブレーキ装置30で生じる機械ブレーキ力の目標値である目標機械ブレーキ力を求める。目標機械ブレーキ力決定部12は、実施の形態1と同様に、実機械ブレーキ力に基づくフィードバック制御を行って、目標機械ブレーキ力の値を調節し、調節した目標機械ブレーキ力を駆動ドライバ14に送る。
判別部13は、機械ブレーキ装置30が動作を開始してからのモータ31の回転数の積算値、および、機械ブレーキ装置30が停止しているときの摩擦材50と回転体60との距離から、摩擦材50と回転体60とが離れているか否かを判別する。詳細には、判別部13は、機械ブレーキ装置30が動作を開始してから、回転センサ34からモータ31の回転数を取得するたびに、回転数を積算する。回転数の積算値は、機械ブレーキ装置30が動作を開始してから積算値の計算タイミングまでのモータ31の総回転数を示す。判別部13は、モータ31が停止している状態から回転し始めたときを、機械ブレーキ装置30が動作を開始したタイミングとみなす。換言すれば、判別部13は、回転センサ34から取得した回転数が0を超えると、機械ブレーキ装置30が動作を開始したとみなす。
判別部13は、上述のように求めた回転数の積算値、および、機械ブレーキ装置30が停止しているときの摩擦材50と回転体60との距離に応じて定められる基準回転数から、摩擦材50と回転体60とが離れているか否かを判別する。基準回転数は、機械ブレーキ装置30のパラメータ、具体的には、回転直動変換機構33の入力である回転運動量と出力である直線運動量との比率および減速機32の減速比に基づいて、機械ブレーキ装置30が停止しているときの摩擦材50と回転体60との距離から決定される。回転数の積算値が基準回転数未満であれば、摩擦材50と回転体60とは離れているとみなすことができる。回転数の積算値が基準回転数以上であれば、摩擦材50と回転体60とは当接しているとみなすことができる。判別部13は、基準回転数についての情報を予め保持しているものとする。
ブレーキ制御装置2のハードウェア構成は、実施の形態1に係るブレーキ制御装置1のハードウェア構成と同様である。
ブレーキ制御装置2が行うブレーキ制御処理について図9を用いて説明する。ブレーキ制御装置2は、鉄道車両が運行を開始すると、図9に示す処理を開始する。図9のステップS11-S18の処理は、図6に示す実施の形態1に係るブレーキ制御装置1が行うステップS11-S18の処理と同様である。目標ブレーキ力決定部11は、ステップS12において目標ブレーキ力を求めた後、目標ブレーキ力から電気ブレーキ力を求める(ステップS21)。ステップS13において、目標機械ブレーキ力決定部12は、目標ブレーキ力と回生フィードバックが示す実電気ブレーキ力との差分から、目標機械ブレーキ力を求める。
ステップS14において、判別部13は、回転数の積算値が基準回転数以上であるか否かに基づいて、摩擦材50と回転体60とが離れているか否かを判別する。
実電気ブレーキ力が目標ブレーキ力以上であるときは、ステップS13で求められる目標機械ブレーキ力が0になるので、ステップS16において、モータ目標値決定部15は、目標トルクを0とする。実電気ブレーキ力が目標ブレーキ力未満であるときは、ステップS13で求められる目標機械ブレーキ力が0より大きい値になるので、ステップS16において、モータ目標値決定部15は、目標機械ブレーキ力を得るためのモータ31のトルクを目標トルクとする。
ステップS16で目標トルクが0に設定されたときは、モータ目標値決定部15は、ステップS17において、目標回転数を0に設定する。
上記ブレーキ制御装置2によるブレーキ制御処理の動作の一例を示すタイミングチャートを図10に示す。ブレーキ指令が入力されるタイミングを時刻T11とする。時刻T11の後、摩擦材50が回転体60に当接するタイミングを時刻T12とする。
時刻T11までは、グラフAに示すようにブレーキ指令が入力されていない。このため、グラフBに示すように、時刻T11までは、目標機械ブレーキ力決定部12において目標機械ブレーキ力は求められない。同様に、グラフC,Dに示すように、時刻T11までは、モータ目標値決定部15において目標トルクおよび目標回転数は求められない。この結果、グラフGに示すように摩擦材50が回転体60に押し付けられることはないため、機械ブレーキ装置30において機械ブレーキ力は生じない。
グラフAに示すように、時刻T11においてブレーキノッチBN1を示すブレーキ指令がブレーキ制御装置1に供給されると、目標ブレーキ力決定部11は、ブレーキノッチBN1から目標ブレーキ力を求める。
目標ブレーキ力決定部11は、グラフBに示すように、目標ブレーキ力から目標電気ブレーキ力を求める。目標電気ブレーキ力EBP1は、目標ブレーキ力に一致するものとする。主回路制御装置43が目標電気ブレーキ力に応じて主電力変換装置を制御することで、グラフCに示すように、電気ブレーキ力EBP1’が生じる。電気ブレーキ力EBP1’は、目標電気ブレーキ力EBP1に一致するとみなせるものとする。
目標機械ブレーキ力決定部12は、グラフDに示すように、ブレーキノッチBN1に応じた目標ブレーキ力と回生フィードバックが示す実電気ブレーキ力との差分から、機械ブレーキ装置30ごとの目標機械ブレーキ力を求める。グラフDに示すように、時刻T11以降、目標電気ブレーキ力EBP1に一致するとみなせる電気ブレーキ力EBP1’が生じている間は、目標機械ブレーキ力は0である。
駆動ドライバ14が有するモータ目標値決定部15は、モータ31の目標トルクおよび目標回転数を求める。時刻T11から時刻T12までの間は、摩擦材50と回転体60とが離れている。このため、モータ目標値決定部15は、グラフEに示すように、摩擦材50を回転体60に近づけることができるモータ31の最小トルクτMINを目標トルクとする。
モータ目標値決定部15は、グラフFに示すように、目標トルクである最小トルクτMINに応じた最大の回転数NMAXを目標回転数とする。
信号生成部16が目標トルクおよび目標回転数に応じたPWM信号を電力変換回路17が有する各スイッチング素子に送ることで、電力変換回路17で変換された電力がモータ31に供給される。目標トルクを最小トルクτMINにすることで、目標回転数が十分に高くなるため、摩擦材50が速やかに回転体60に当接する。この結果、時刻T12において、摩擦材50が回転体60に当接する。
時刻T12において、目標機械ブレーキ力は0である。時刻T12以降、判別部13は、摩擦材50と回転体60とが離れていないと判別する。この結果、モータ目標値決定部15は、時刻T12において、グラフEおよびグラフFに示すように、目標トルクおよび目標回転数を0に設定する。
時刻T12において、摩擦材50は回転体60に当接しているが、目標トルクおよび目標回転数が0に設定されている。このため、グラフGに示すように、摩擦材50は回転体60に押し付けられていないため、機械ブレーキ装置30において機械ブレーキ力は生じていない。
時刻T12の後、例えば回生失効により電気ブレーキ力が得られなくなるタイミングを時刻T13とする。時刻T13において、回生フィードバックが示す実ブレーキ力が0になるので、グラフDに示すように、目標機械ブレーキ力決定部12が求める目標機械ブレーキ力が増大する。
判別部13は、摩擦材50と回転体60とが離れていないと判別しているため、モータ目標値決定部15は、グラフEに示すように、目標機械ブレーキ力を得るためのトルクτ1を目標トルクとする。
モータ目標値決定部15は、グラフFに示すように、目標トルクτ1に応じた最大の回転数N1を目標回転数とする。
グラフEに示すように、モータ目標値決定部15は、目標トルクの単位時間ごとの変化率を、鉄道車両の減速度の変化率の目標値に応じた第1目標範囲に維持しながら、目標トルクを変化させる。この結果、時刻T14においてモータ目標値決定部15が信号生成部16に出力する目標トルクの値がτ1に到達する。
同様に、グラフFに示すように、モータ目標値決定部15は、目標回転数の単位時間ごとの変化率を、鉄道車両の減速度の変化率の目標値に応じた第2目標範囲に維持しながら、目標回転数を変化させる。この結果、時刻T14においてモータ目標値決定部15が信号生成部16に出力する目標回転数の値がN1に到達する。摩擦材50と回転体60とが当接すると回転数を低減させることで、モータ31の消費電力が低減する。この結果、機械ブレーキ装置30の消費電力量が低減される。
時刻T13以降、グラフGに示すように、摩擦材50が回転体60に押し付けられるため、機械ブレーキ装置30によるブレーキ力が生じて、グラフHに示すように、鉄道車両が減速する。その後、時刻T15において鉄道車両が停止する。
ブレーキ制御装置2によるブレーキ制御処理の動作の他の一例を示すタイミングチャートを図11に示す。図10と同様に、ブレーキ指令が入力されるタイミングを時刻T11とする。時刻T11の後、摩擦材50が回転体60に当接するタイミングを時刻T12とする。
時刻T11までは、グラフAに示すようにブレーキ指令が入力されていない。このため、グラフBに示すように、時刻T11までは、目標機械ブレーキ力決定部12において目標機械ブレーキ力は求められない。同様に、グラフC,Dに示すように、時刻T11までは、モータ目標値決定部15において目標トルクおよび目標回転数は求められない。この結果、グラフGに示すように摩擦材50が回転体60に押し付けられることはないため、機械ブレーキ装置30において機械ブレーキ力は生じない。
グラフAに示すように、時刻T11においてブレーキノッチBN1を示すブレーキ指令がブレーキ制御装置2に供給されると、目標ブレーキ力決定部11は、ブレーキノッチBN1から目標ブレーキ力を求める。
目標ブレーキ力決定部11は、グラフBに示すように、目標ブレーキ力から目標電気ブレーキ力を求める。目標電気ブレーキ力EBP1は、目標ブレーキ力に一致するものとする。主回路制御装置43は、目標電気ブレーキ力に応じて主電力変換装置を制御するが、近隣に力行中の鉄道車両が位置していないときは、回生失効が生じ、グラフCに示すように、実電気ブレーキ力は生じない。
目標機械ブレーキ力決定部12は、グラフDに示すように、ブレーキノッチBN1に応じた目標ブレーキ力と回生フィードバックが示す実電気ブレーキ力との差分から、機械ブレーキ装置30ごとの目標機械ブレーキ力を求める。時刻T11において、目標電気ブレーキ力に応じた電気ブレーキ力が生じていないときは、目標機械ブレーキ力決定部12は、グラフDに示すように、目標ブレーキ力から、機械ブレーキ装置30ごとの目標機械ブレーキ力を求める。このときの目標機械ブレーキ力の値をBP1とする。
駆動ドライバ14が有するモータ目標値決定部15は、モータ31の目標トルクおよび目標回転数を求める。時刻T11から時刻T12までの間は、摩擦材50と回転体60とが離れている。このため、モータ目標値決定部15は、グラフEに示すように、摩擦材50を回転体60に近づけることができるモータ31の最小トルクτMINを目標トルクとする。
モータ目標値決定部15は、グラフFに示すように、目標トルクである最小トルクτMINに応じた最大の回転数NMAXを目標回転数とする。
信号生成部16が目標トルクおよび目標回転数に応じたPWM信号を電力変換回路17が有する各スイッチング素子に送ることで、電力変換回路17で変換された電力がモータ31に供給される。目標トルクを最小トルクτMINにすることで、目標回転数が十分に高くなるため、摩擦材50が速やかに回転体60に当接する。この結果、時刻T12において、摩擦材50が回転体60に当接する。
時刻T12において、目標機械ブレーキ力はBP1である。時刻T12以降、判別部13は、摩擦材50と回転体60とが離れていないと判別する。この結果、モータ目標値決定部15は、時刻T12において、グラフEおよびグラフFに示すように、目標機械ブレーキ力BP1を得るための目標トルクおよび目標トルクに応じた目標回転数を求める。
上述のように求められた目標トルクおよび目標回転数に応じた電力がモータ31に供給されることで、モータ31が駆動されて回転し、グラフGに示すように、モータ31の回転力で摩擦材50が回転体60に押し付けられる力である押付力が増大する。この結果、グラフHに示すように、鉄道車両が減速する。
時刻T12の後、電気ブレーキ力が生じるタイミングを時刻T21とする。グラフCに示すように、実電気ブレーキ力が生じることで、目標機械ブレーキ力決定部12は、グラフDに示すように、目標機械ブレーキ力を減少させる。モータ目標値決定部15は、目標機械ブレーキ力の減少に伴って、グラフEおよびグラフFに示すように、目標トルクおよび目標回転数を減少させる。その後、目標トルクおよび目標回転数は0に到達する。この結果、グラフGに示すように、摩擦材50が回転体60に押し付けられる力である押付力が減少する。なお電気ブレーキ力が生じているため、グラフHに示すように、鉄道車両は減速し続ける。
時刻T21の後、例えば回生失効により電気ブレーキ力が減少し始めるタイミングを時刻T22とする。時刻T22で回生失効が生じると、グラフCに示すように、実電気ブレーキ力が減少する。この結果、目標機械ブレーキ力決定部12は、グラフDに示すように目標機械ブレーキ力を増大させる。時刻T23において、目標機械ブレーキ力はBP1に到達する。モータ目標値決定部15は、目標機械ブレーキ力の増大に伴って、目標トルクを0から増大させ、目標トルクに応じて0より大きい目標回転数を設定する。その後、時刻T24において、目標トルクがτ1に到達し、目標回転数はトルクτ1に対応する回転数N1に到達する。
時刻T22以降、グラフGに示すように、摩擦材50が回転体60に押し付けられるため、機械ブレーキ装置30によるブレーキ力が増大する。グラフHに示すように、電気ブレーキ力が減少しても、機械ブレーキ装置30による機械ブレーキ力が増大することで、鉄道車両は減速し続ける。その後、時刻T25において鉄道車両が停止する。
以上説明した通り、実施の形態2に係るブレーキ制御装置2は、摩擦材50と回転体60とが離れているときに、摩擦材50を回転体60に押し付けることで機械ブレーキ力を生じさせるためのモータ31のトルクより小さい値を目標トルクとする。摩擦材50と回転体60とが離れているときの目標トルクを小さくすることで、目標回転数を増大させて、摩擦材50を回転体60に速やかに近づけることが可能となる。その後、摩擦材50と回転体60とが当接すると、目標機械ブレーキ力を得るためのモータ31のトルクを目標トルクとすることで、目標回転数を減少させて、モータ31の消費電力量を低減させることが可能となる。換言すれば、ブレーキ制御装置1によれば、機械ブレーキ装置30の応答性を維持しながら消費電力量を低減することが可能となる。
電気ブレーキ力が生じているときに、増大した目標回転数に基づいてモータ31を制御して、摩擦材50を回転体60に近づけておくことで、例えば回生失効により電気ブレーキ力が減少し始めるときに機械ブレーキ装置30を速やかに動作させることが可能となる。換言すれば、機械ブレーキ装置30の応答性が向上する。
(実施の形態3)
機械ブレーキ装置の構成は、上述の例に限られず、モータの回転力で摩擦材50を回転体60に押し付けることで機械ブレーキ力を生じさせるものであれば、任意である。また、摩擦材50と回転体60とが離れているか否かを判別する方法は、上述の例に限られず、任意である。実施の形態1,2とは異なる方法で、摩擦材50と回転体60とが離れているか否かを判別し、実施の形態1,2とは異なる構成の機械ブレーキ装置を制御するブレーキ制御装置について実施の形態1,2との差異を中心に実施の形態3で説明する。
図12に示すブレーキ制御システム102は、モータ31による回転力に基づいて機械ブレーキ力を生じさせる機械ブレーキ装置40と、機械ブレーキ装置40を制御するブレーキ制御装置3と、を備える。なお図12において、機械ブレーキ装置40の構成要素の内、電気的な制御に関する構成要素のみを示す。
機械ブレーキ装置40は、図13に示すように、機械ブレーキ装置30の構成に加えて、出力シャフト33aの摺動を制限して保持する保持機構36を備える。保持機構36は、例えば、ソレノイドを有する。保持機構36は、ソレノイドの通電時に生じる磁気力によって、磁性体で形成される出力シャフト33aを引きつけて、出力シャフト33aの摺動を制限し、摺動が制限された出力シャフト33aを保持する。ソレノイドの非通電時には、保持機構36は、出力シャフト33aの摺動を許容する。
図12に示すように、ブレーキ制御装置3は、ブレーキ制御装置1の構成に加えて、保持機構36が有するソレノイドとソレノイド用電源44とを電気的に接続するリレー45のオンオフを切り替える保持機構制御部19を備える。保持機構制御部19は、モータ目標値決定部15からの指示に応じてリレー45のオンオフを切り替える。
判別部13は、駆動ドライバ14からモータ31に流れる電流から、摩擦材50が回転体60から離れているか否かを判別する。詳細には、判別部13は、電流センサ18の測定値の振幅の増加率が目標範囲にあるか否かを判別する。摩擦材50が回転体60に当接すると、モータ31の回転が制限されるため、モータ31の実回転数は減少する。このため、目標回転数と実回転数との差分が大きくなり、駆動ドライバ14のフィードバック制御によって、駆動ドライバ14からモータ31に流れる電流が急激に増大する。
そこで、判別部13は、駆動ドライバ14からモータ31に流れる電流の振幅の増加率と目標範囲の比較から、摩擦材50が回転体60から離れているか否かを判別する。電流センサ18の測定値の振幅の増加率が目標範囲内であれば、摩擦材50と回転体60とは離れているとみなすことができる。電流センサ18の測定値の振幅の増加率が目標範囲を超えていれば、摩擦材50が回転体60から離れていないとみなすことができる。目標範囲は、摩擦材50と回転体60とが離れているときに電流の振幅が変動し得る範囲より広い範囲であればよい。
モータ目標値決定部15は、目標トルクが一定であって、判別部13で摩擦材50と回転体60とが離れていないと判別された状態が、モータ31の特性に応じて定められた基準時間以上継続すると、リレー45にオンの指示を送る。リレー45にオンの指示を送っているときに、ブレーキ指令が変化すると、モータ目標値決定部15は、リレー45にオフの指示を送る。目標トルクが一定とは、目標トルクの単位時間の変化率が十分に小さいことを示す。基準時間の長さは、モータ31の特性に応じて、高トルクかつ低速での駆動が許容される時間の長さに応じて定められればよい。
リレー45がオフの状態では、保持機構36が有するソレノイドは、ソレノイド用電源44から電気的に切り離されている。このため、ソレノイドに磁気力は生じない。この結果、出力シャフト33aは摺動することが可能となる。
リレー45がオンになると、保持機構36が有するソレノイドは、ソレノイド用電源44に電気的に接続される。ソレノイドが通電されることで磁気力が生じ、出力シャフト33aの摺動が抑制される。ソレノイドを有する保持機構36は、摺動が抑制された出力シャフト33aを保持する。摩擦材50が回転体60に押し付けられている状態で、リレー45がオンになると、ソレノイドを有する保持機構36が出力シャフト33aの摺動を抑制して保持する。この結果、摩擦材50が回転体60に押し付けられる状態が維持される。換言すれば、モータ31を駆動しなくても、機械ブレーキ力を生じさせ続けることが可能となる。
ブレーキ制御装置3のハードウェア構成は、実施の形態1に係るブレーキ制御装置1のハードウェア構成と同様である。
上記構成を有するブレーキ制御装置3が行うブレーキ制御処理について図14を用いて説明する。ブレーキ制御装置3は、鉄道車両が運行を開始すると、図14に示す処理を開始する。図14のステップS11-S18の処理は、図6に示す実施の形態1に係るブレーキ制御装置1が行うステップS11-S18の処理と同様である。
判別部13で摩擦材50と回転体60が離れていないと判別され(ステップS14;No)、目標トルクが一定であって、判別部13で摩擦材50と回転体60とが離れていないと判別された状態が、モータ31の特性に応じて定められた基準時間以上継続すると(ステップS31;Yes)、ブレーキ制御装置3は、保持機構36を制御して、出力シャフト33aの摺動を制限して保持させる(ステップS32)。詳細には、ステップS32において、モータ目標値決定部15は、リレー45をオンにする指示を保持機構制御部19に送り、保持機構制御部19がリレー45をオンにする。この結果、保持機構36が有するソレノイドがソレノイド用電源44に電気的に接続され、ソレノイドの磁気力が生じて、磁性体で形成される出力シャフト33aがソレノイドに引きつけられる。この結果、出力シャフト33aの摺動は抑制され、出力シャフト33aは保持機構36に保持される。
目標トルクが一定であって、判別部13で摩擦材50と回転体60とが離れていないと判別された状態が、モータ31の特性に応じて定められた基準時間以上継続していないときは(ステップS31;No)、実施の形態1と同様にステップS16の処理が行われる。
上記ブレーキ制御装置3によるブレーキ制御における目標トルクおよび目標回転数の一例を図15に示す。時刻T1,T2,T3,T4のブレーキ制御装置3の各部の動作は、図7に示すブレーキ制御装置1の各部の動作と同様である。グラフEに示すように、開始時点でリレー45はオフである。
グラフCに示すように、時刻T3以降、目標トルクは一定である。グラフFに示すように、時刻T2以降、摩擦材50と回転体60とは当接している。
時刻T3から基準時間が経過したタイミングを時刻T31とする。モータ目標値決定部15は、時刻T31において、目標トルクが一定とみなせ、摩擦材50と回転体60とが離れていない状態が、基準時間以上継続していると判別すると、リレー45をオンにする指示を保持機構制御部19に送る。モータ目標値決定部15は、保持機構制御部19にリレー45をオンにする指示を送ると、グラフCおよびグラフDに示すように、目標トルクおよび目標回転数を0にする。
保持機構制御部19は、モータ目標値決定部15からの指示に従って、グラフEに示すように、時刻T31において、リレー45をオンにする。この結果、保持機構36が有するソレノイドがソレノイド用電源44に電気的に接続され、ソレノイドの磁気力が生じる。ソレノイドの磁気力で出力シャフト33aが引きつけられ、出力シャフト33aの摺動が抑制される。摩擦材50が回転体60に押し付けられている状態で、保持機構36が、摺動が抑制された出力シャフト33aを保持することで、グラフFに示すように、押付力が維持される。この結果、グラフGに示すように、鉄道車両が減速し続け、時刻T4において停止する。
以上説明した通り、実施の形態3に係るブレーキ制御装置3は、目標トルクが一定で、摩擦材50と回転体60とが離れていない状態が基準時間以上継続すると、保持機構36を制御して、出力シャフト33aの摺動を抑制し、出力シャフト33aを保持させる。摩擦材50が回転体60に押し付けられている状態で、保持機構36が、摺動が抑制された出力シャフト33aを保持することで、押付力が維持される。モータ31が高トルクかつ低速の状態で長時間駆動することを防止することで、モータ31に過電流が生じることが抑制される。
本開示は、上述の実施の形態に限られない。上述の実施の形態は、任意に組み合わせることができる。一例として、ブレーキ制御装置2は、ブレーキ制御装置3が備える保持機構制御部19をさらに備え、機械ブレーキ装置40を制御してもよい。他の一例として、ブレーキ制御装置1は、ブレーキ制御装置3が備える判別部13のように、駆動ドライバ14からモータ31に流れる電流から、摩擦材50と回転体60とが離れているか否かを判別してもよい。他の一例として、ブレーキ制御装置1,3が備える目標機械ブレーキ力決定部12は、ブレーキ制御装置2と同様に、目標ブレーキ力と実電気ブレーキ力との差分から、目標機械ブレーキ力を求めてもよい。
判別部13の判別方法は、摩擦材50と回転体60とが離れているか否かを判別できる任意の方法であればよい。一例として、判別部13は、モータ31の回転数の積算値、および、機械ブレーキ装置30が停止しているときの摩擦材50と回転体60との距離より短い距離に相当する基準回転数から、摩擦材50と回転体60とが離れているか否かを判別してもよい。このときの基準回転数は、機械ブレーキ装置30が停止しているときの摩擦材50と回転体60との距離に十分近い距離、例えば、機械ブレーキ装置30が停止しているときの摩擦材50と回転体60との距離が5mm以下であるときの該距離に相当する基準回転数である。これにより、ブレーキ指令が入力されて、電気ブレーキ力が作動している間に、摩擦材50を、回転体60に当接しないが、回転体60に十分に近い位置まで移動させることが可能となる。これにより、電気ブレーキ力が減少した際に、機械ブレーキ装置30を速やかに動作させることが可能となる。
モータ目標値決定部15による目標回転数の設定方法は、上述の例に限られない。一例として、モータ目標値決定部15は、摩擦材50と回転体60との距離が十分に小さくなると、目標回転数を、最小トルクに対応する最大の回転数から徐々に小さくしてもよい。具体的には、モータ目標値決定部15は、最小トルクに対応する最大の回転数を目標回転数としてモータ31を制御する時間が一定時間経過すると、目標回転数を徐々に小さくしてもよい。この一定時間は、モータ31の回転数、機械ブレーキ装置30が停止しているときの摩擦材50と回転体60との距離、回転直動変換機構33の入力である回転運動量と出力である直線運動量との比率、減速機32の減速比等によって定められる。
あるいは、モータ目標値決定部15は、最小トルクに対応する最大の回転数を目標回転数としてモータ31を制御している期間のモータ31の回転数の積算値が閾値以上となると、目標回転数を徐々に小さくしてもよい。この閾値は、機械ブレーキ装置30が停止しているときの摩擦材50と回転体60との距離、回転直動変換機構33の入力である回転運動量と出力である直線運動量との比率、減速機32の減速比等によって定められる。
保持機構36を制御するタイミングは、上述の例に限られない。ブレーキ制御装置3が行うブレーキ制御の他の一例を図16に示す。図16の例では、鉄道車両が停止してから一定時間が経過したときに、保持機構制御部19がリレー45をオンにする。図16のステップS11-S18は、図6に示すブレーキ制御装置1が行うステップS11-S18の処理と同様である。モータ目標値決定部15は、鉄道車両に搭載された速度センサ、列車情報管理装置等から鉄道車両の速度を取得する。モータ目標値決定部15は、目標機械ブレーキ力が0より大きく、かつ、鉄道車両が停止している、すなわち、速度が0の状態が一定時間経過しているか否かを判別する(ステップS33)。一定時間の長さは、センサの誤検知ではなく、鉄道車両が停止しているとみなせる程度の長さであればよい。モータ目標値決定部15は、目標機械ブレーキ力が0より大きく、かつ、鉄道車両が停止している状態が一定時間経過していれば(ステップS33;Yes)、ブレーキ制御装置3は、保持機構36を制御して、出力シャフト33aの摺動を制限して保持させる(ステップS32)。詳細には、ステップS32において、モータ目標値決定部15は、保持機構制御部19にリレーをオンにする指示を送る。
図16に対応するタイミングチャートである図17において、時刻T4において鉄道車両が停止してから、一定時間が経過したタイミングを時刻T41とする。時刻T41において、モータ目標値決定部15は、鉄道車両が停止している状態が一定時間経過したと判別すると、保持機構制御部19にリレーをオンにする指示を送る。時刻T41において、モータ目標値決定部15は、グラフCおよびグラフDに示すように、目標トルクおよび目標回転数を0にする。
保持機構制御部19は、グラフEに示すように、リレーをオンにする指示に従ってリレー45をオンにする。この結果、保持機構36が有するソレノイドがソレノイド用電源44に電気的に接続され、ソレノイドの磁気力が生じる。ソレノイドの磁気力で出力シャフト33aが引きつけられ、出力シャフト33aの摺動が抑制される。摩擦材50が回転体60に押し付けられている状態で、保持機構36が、摺動が抑制された出力シャフト33aを保持することで、グラフFに示すように、押付力が維持される。この結果、グラフGに示すように、時刻T4において鉄道車両が停止した状態が維持される。
他の一例として、保持機構制御部19は、目標トルクが一定であって、判別部13で摩擦材50と回転体60とが離れていないと判別された状態が、モータ31の特性に応じて定められた基準時間以上経過したとき、または、鉄道車両が停止してから一定時間が経過したときに、リレー45をオンにしてもよい。
機械ブレーキ装置30,40の構成は、上述の例に限られない。一例として、機械ブレーキ装置30は、図18に示すように、回転直動変換機構33に押圧された力に応じて摩擦材50を回転体60に押し付ける倍力機構37を備えてもよい。このとき、ロードセル35は、倍力機構37に取り付けられ、倍力機構37が摩擦材50を回転体60に押し付ける力を測定すればよい。
倍力機構37は、てこ機構に限られず、例えば、トグル機構、リンク機構等でもよい。機械ブレーキ装置40は、機械ブレーキ装置30と同様に、倍力機構37を備えてもよい。
モータ31は、三相誘導電動機に限られず、トルクと回転数を調節可能なモータであれば任意である。
保持機構36の構成は、上述の例に限られず、ブレーキ制御装置1-3から制御可能であって、出力シャフト33aの摺動を許容または抑制できる機構であれば任意である。一例として、保持機構36は、ソレノイドの通電時に、出力シャフト33aの摺動を許容し、ソレノイドへの非通電時に、出力シャフト33aの摺動を抑制してもよい。
操作部41が出力するブレーキ指令は、常用ブレーキ指令に限られず、非常ブレーキ指令、保安ブレーキ指令、駐車ブレーキ指令等を含んでもよい。
目標ブレーキ力決定部11は、操作部41に限られず、列車情報管理システム、ATS(Automatic Train Stop:自動列車停止)装置等からブレーキ指令を取得してもよい。
プロセッサ81、メモリ82、およびインターフェース83を有し、制御処理を行う中心となる部分は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。例えば、上述の動作を実行するためのコンピュータプログラムを、コンピュータが読み取り可能な記録媒体(フレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc-Read Only Memory)等)に格納して配布し、上記コンピュータプログラムをコンピュータにインストールすることにより、上述の処理を実行するブレーキ制御装置1-3を実現してもよい。また、通信ネットワーク上のサーバ装置が有する記憶装置に上記コンピュータプログラムを格納しておき、通常のコンピュータシステムがダウンロードすることでブレーキ制御装置1-3を実現してもよい。
ブレーキ制御装置1-3の機能を、OS(Operating System:オペレーティングシステム)とアプリケーションプログラムの分担、またはOSとアプリケーションプログラムとの協働により実現する場合には、アプリケーションプログラム部分のみを記録媒体、記憶装置等に格納してもよい。
搬送波にコンピュータプログラムを重畳し、通信ネットワークを介して配信することも可能である。例えば、通信ネットワーク上の掲示板(BBS:Bulletin Board System)に上記コンピュータプログラムを掲示し、通信ネットワークを介して上記コンピュータプログラムを配信してもよい。そして、このコンピュータプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、上述の処理が実行されてもよい。
ブレーキ制御装置1-3のハードウェア構成は、上述の例に限られない。一例として、図19に示すように、ブレーキ制御装置1は、処理回路84で実現されてもよい。処理回路84は、インターフェース回路85を介して、操作部41、電源装置42、および機械ブレーキ装置30に接続される。処理回路84が専用のハードウェアである場合、処理回路84は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせたものである。ブレーキ制御装置1の各部がそれぞれ個別の処理回路84で実現されてもよいし、ブレーキ制御装置1の各部は共通の処理回路84で実現されてもよい。
ブレーキ制御装置1-3の各機能の一部が専用のハードウェアで実現され、他の一部がソフトウェアまたはファームウェアで実現されてもよい。例えば、ブレーキ制御装置1において、駆動ドライバ14は図19に示す処理回路84で実現され、目標ブレーキ力決定部11、目標機械ブレーキ力決定部12、および判別部13は図5に示すプロセッサ81がメモリ82に格納されたプログラムを読み出して実行することで実現されてもよい。
本開示は、本開示の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この開示を説明するためのものであり、本開示の範囲を限定するものではない。すなわち、本開示の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の開示の意義の範囲内で施される様々な変形が、この開示の範囲内とみなされる。