JP7843628B2 - スタッドレスタイヤ用ゴム組成物 - Google Patents

スタッドレスタイヤ用ゴム組成物

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Description

本発明は、氷上性能に優れたスタッドレスタイヤ用ゴム組成物に関する。
スタッドレスタイヤ(氷雪路用空気入りタイヤ)には、氷上性能およびウェット性能を高いレベルで両立させることが求められる。氷上性能を向上する構成として、例えばトレッドゴム中に多数の凹部を形成することにより、凹部により引掻き作用が得られること、凹部が氷表面の水膜の吸収および離脱を繰り返す作用が得られることが知られている。特許文献1,2は、スタッドレスタイヤ用トレッドゴム組成物に水溶性のリグニン誘導体を配合することにより、水分に接触した水溶性リグニン誘導体が溶解しトレッド表面に凹部(孔部)を形成することを記載する。
しかし、需要者がスタッドレスタイヤに求める氷上性能はより高くなってきており、氷上性能をより高くすることが求められていた。
特開2019-206653号公報 国際公開WO2018/173870号
本発明の目的は、氷上性能を従来レベル以上に優れたものにするスタッドレスタイヤ用ゴム組成物を提供することにある。
上記目的を達成する本発明のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物は、ブタジエンゴムを30質量%以上と天然ゴムを含むジエン系ゴム100質量部に、無機充填剤を20質量部以上、水不溶性リグニンを配合したことを特徴とする。
本発明のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物は、ブタジエンゴムおよび天然ゴムを含むジエン系に、無機充填剤おおよび水不溶性リグニンを配合したので、スタッドレスタイヤの氷上性能を従来レベル以上に優れたものにすることができる。
スタッドレスタイヤ用ゴム組成物は、前記ジエン系ゴム100質量部に、前記水不溶性リグニンを0.1~50質量部配合するとよい。また、前記水不溶性リグニンは、バイオエタノール抽出残渣リグニンであるとよい。更に前記水不溶性リグニンが、5~50質量%の糖類を含有するとよく、前記水不溶性リグニンの平均粒子径が、1~100μmであるとよい。
また、前記水不溶性リグニンは、バイオエタノール抽出残渣リグニンのエタノール水溶液の抽出物および/または前記バイオエタノール抽出残渣リグニンのエタノール水溶液の抽出残渣からなるとよい。さらに、前記水不溶性リグニンは、前記バイオエタノール抽出残渣リグニンのエタノール水溶液の抽出残渣を50質量%以上含有するとよい。なお、前記エタノール水溶液は、エタノールを50~70質量%含有するとよい。
スタッドレスタイヤ用ゴム組成物の硬化物の0℃のゴム硬度および-10℃のゴム硬度は、60以下であるとよい。
スタッドレスタイヤ用ゴム組成物からなるトレッド部を有するスタッドレスタイヤは、氷上性能を従来レベル以上に優れたものにすることができる。
本発明のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量%をブタジエンゴム30質量%以上および天然ゴムにより組成する。ブタジエンゴムを含むことにより、低温時の柔軟性を確保し、低温特性を維持、向上する。ブタジエンゴムは、ジエン系ゴム100質量%中30質量%以上、好ましくは35質量%以上、より好ましくは40~60質量%であるとよい。ブタジエンゴムとして、スタッドレスタイヤ用ゴム組成物に通常使用されるものを用いるとよい。
スタッドレスタイヤ用ゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量%中、天然ゴムを含有する。天然ゴムを含むことにより、ガラス転移温度を低く保ちつつ強度を向上することができる。天然ゴムは、ジエン系ゴム100質量%中、30質量%以上好ましくは35質量%以上、より好ましくは40~60質量%であるとよい。天然ゴムとして、スタッドレスタイヤ用ゴム組成物に通常使用されるものを用いるとよい。
スタッドレスタイヤ用ゴム組成物は、ブタジエンゴムおよび天然ゴム以外の他のジエン系ゴムを含むことができる。他のジエン系ゴムとして、例えばスチレン-ブタジエンゴム、アクリロニトリル-ブタジエンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム等を例示することができる。これら他のジエン系ゴムは、単独又は任意のブレンドとして使用することができる。他のジエン系ゴムの含有量は、ジエン系ゴム100質量%中、好ましくは0~30質量%、より好ましくは0~20質量%であるとよい。
スタッドレスタイヤ用ゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量部に、無機充填剤を20質量部以上配合する。無機充填剤を配合することにより、ゴム組成物の強度を高くし、タイヤ耐久性を確保することができる。無機充填剤は、ジエン系ゴム100質量部に対し20質量部以上、好ましくは30質量部以上、より好ましくは40~80質量部配合する。無機充填剤として、例えばカーボンブラック、シリカ、クレイ、炭酸カルシウム、マイカ、タルク、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、硫酸バリウム等の無機フィラーや、セルロース、レシチン、リグニン、デンドリマー等の有機フィラーを例示することができる。なかでもカーボンブラック、シリカから選ばれる少なくとも1種を配合することが好ましい。
カーボンブラックを配合することにより、ゴム組成物の強度を優れたものにすることができる。カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、グラファイトなどのカーボンブラックを配合してもよい。これらの中でも、ファーネスブラックが好ましく、その具体例としては、SAF、ISAF、ISAF-HS、ISAF-LS、IISAF-HS、HAF、HAF-HS、HAF-LS、FEFなどが挙げられる。これらのカーボンブラックは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらのカーボンブラックを種々の酸化合物等で化学修飾を施した表面処理カーボンブラックも用いることができる。
シリカを配合することにより、ゴム組成物の低発熱性およびウェットグリップ性能を優れたものにすることができる。シリカとしては、スタッドレスタイヤ用ゴム組成物に通常使用されるシリカ、例えば湿式法シリカ、乾式法シリカあるいは、カーボンブラック表面にシリカを担持させたカーボン-シリカ(デュアル・フェイズ・フィラー)、シランカップリング剤又はポリシロキサンなどシリカとゴムの両方に反応性或いは相溶性のある化合物で表面処理したシリカなどを使用することができる。これらの中でも、含水ケイ酸を主成分とする湿式法シリカが好ましい。
本発明のゴム組成物は、シリカとともにシランカップリング剤を配合することにより低発熱性および引張破断伸びがさらに改善されるので好ましい。シリカとともにシランカップリング剤を配合することにより、シリカの分散性を向上しジエン系ゴムとの補強性をより高くする。シランカップリング剤は、シリカ配合量に対して好ましくは2~20重量%、より好ましくは5~15重量%配合するとよい。シランカップリング剤の配合量がシリカ重量の2重量%未満の場合、シリカの分散性を向上する効果が十分に得られない。また、シランカップリング剤が20重量%を超えると、ジエン系ゴム成分がゲル化し易くなる傾向があるため、所望の効果を得ることができなくなる。
シランカップリング剤としては、特に制限されるものではないが、硫黄含有シランカップリング剤が好ましく、例えばビス-(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2-トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、3-メルカプトプロピルジメチルメトキシシラン、2-メルカプトエチルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、及びエボニック社製のVP Si363等、特開2006-249069号公報に例示されているメルカプトシラン化合物等、3-トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3-トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3-トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3-トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3-トリメトキシシリルプロピル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3-トリエトキシシリルプロピル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2-トリエトキシシリルエチル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、ビス(3-ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3-オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン、3-プロピオニルチオプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2-メトキシエトキシ)シラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(β-アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(β-アミノエチル)-γ-アミノプロピルメチルジメトキシシランなどを例示することができる。また、シランカップリング剤は有機ケイ素化合物であり、有機ケイ素化合物としてポリシロキサン、ポリシロキサンの側鎖又は両末端又は片末端又は側鎖と両末端両方にアミノ基又はエポキシ基又はカルビノール基又はメルカプト基又はカルボキシル基又はハイドロジェン基又はポリエーテル基又はフェノール基又はシラノール基又はアクリル基又はメタクリル基又は長鎖アルキル基などの有機基を1つ以上導入したシリコーンオイル、1種以上の有機シランを縮合反応させて得られるシリコーンオリゴマーなども例示することができる。なかでもビス-(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドが好ましい。
本発明のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物は、水不溶性リグニンを配合することを特徴とする。水不溶性リグニンを配合することにより、タイヤドレッド部に分散した水不溶性リグニンの粒子が、タイヤ踏面に表面粗さを付与し氷上性能を向上することができる。水不溶性リグニンは、ジエン系ゴム100質量部に、好ましくは0.1~50質量部、より好ましくは1~50質量部配合するとよい。不溶性リグニンを0.1質量部以上配合することにより、不溶性リグニンの粒子の引掻き作用を得ることができる。また、不溶性リグニンを50質量部以下にすることにより、ゴムの柔軟性を保つことができる。
本発明において、水不溶性リグニンは、バイオエタノール抽出残渣リグニンであるとよい。従来使用されたリグニンスルホン酸、リグニンスルホン酸塩、クラフトリグニン、等は、水溶性リグニンであり、これら水溶性リグニンは、サルファイトパルプ法、クラフトパルプ法などにより、植物資源からパルプを製造するときの副産物として得られるものである。これに対し、バイオエタノール抽出残渣リグニンは、植物資源からバイオエタノールを製造するときバイオエタノールを水抽出した残渣として得られ、水不溶性のリグニンである。
リグニンは、セルロース、ヘミセルロースと共に草木系の植物資源の主要成分である。一般に、草木系の植物資源において、セルロースが40~50%、ヘミセルロースが15~25%、リグニンが20~30%含まれる。例えば、草木系の植物資源中のセルロースおよびヘミセルロースを加水分解しグルコースを生成し、得られたグルコースを発酵させてバイオエタノールを製造することができる。得られたバイオエタノールを水抽出により分離した残渣成分に水不溶性リグニンや糖類が含まれる。バイオエタノールの製造工程では、パルプの製造工程のような薬剤を用いた蒸解や変性を行わないため、水不溶性リグニンや糖類を残渣成分中に得ることができる。また、バイオエタノールの水抽出後にその残渣成分に対して別の溶媒抽出を行うことで得られるリグニンを用いることもできる、即ち、水抽出残渣成分に対し、更に他の溶媒を用いて抽出されたリグニンの溶媒可溶成分、または溶媒抽出残渣成分を用いることもできる。他の溶媒として、有機溶媒が好ましく、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ウンデカン、テトラヒドロフラン、ヘキサデカン、2-エトキシエタノール、流動パラフィン、ジメチルホルムアミド、プロピレングリコール、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコール、エチレングリコール、ジヨードメタン、ホルムアミド、グリセリン、等を挙げることができる。
バイオエタノールの水抽出後に残渣成分として得られた水不溶性リグニンを更に抽出する他の溶媒として、エタノール水溶液が好ましい。エタノール水溶液は、エタノールを好ましくは50~70質量%、より好ましくは55~65質量%、さらに好ましくは58~62質量%含む水溶液である。すなわち、本発明で使用する水不溶性リグニンは、バイオエタノール抽出残渣リグニンのエタノール水溶液の抽出物および/またはバイオエタノール抽出残渣リグニンのエタノール水溶液の抽出残渣からなることが好ましい。
水不溶性リグニンを、バイオエタノール抽出残渣リグニンのエタノール水溶液の抽出物および/またはその抽出残渣にすることにより、ゴム組成物の引張破断強度および/または引張破断伸びをより優れたものにすることができる。さらに、水不溶性リグニンは、バイオエタノール抽出残渣リグニンのエタノール水溶液の抽出残渣を、好ましくは50質量%以上、より好ましくは50~80質量%含有するとよく、ゴム組成物の引張破断強度および/または引張破断伸びをさらに優れたものにすることができる。
バイオエタノールを製造するための草木系の植物資源としては、特に制限されるものではないが、例えばタケ、パームヤシ(樹幹、空房、果実の繊維及び種子)、さとうきび、バガス(さとうきび及び高バイオマス量さとうきびの搾り滓)、稲わら、麦わら、トウモロコシ(穂軸、茎葉及びコーンストーバー、コーンコブ、コーンハル等の残渣)、ソルガム、スイートソルガム、スイッチグラス、エリアンサス、ネピアグラス等のイネ科植物、等が挙げられる。
草木系の植物資源からバイオエタノールを製造する方法として、例えば以下の方法を挙げることができる。
植物粉のセルロース・ヘミセルロースを、触媒を用いて加水分解することでグルコースやキシロースを含むオリゴ糖類や、セルロースを得る。その際の温度は150℃以上200℃未満であることが好ましい。「触媒」とは、リグニンを分解または軟化させ、セルロースおよびヘミセルロースを分解するためのものであれば、特別な限定はない。例えば、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等が挙げられる。これらを単独で又は組み合わせて用いてもよい。中でも工業利用には安価で手に入りやすい硫酸が特に好ましい。
得られたグルコースやキシロースを含むオリゴ糖類やセルロースを更に酵素で糖化、微生物で発酵することによって、バイオエタノールを得ることが出来る。用いられる酵素としては、イネ科植物に含まれるヘミセルロースおよびセルロースを単糖単位に分解する酵素を意味し、セルラーゼ及びヘミセルラーゼの各活性を持つものであればよい。加えて、用いられる微生物としては、イネ科植物の茎葉由来発酵生成物を生成できるものであれば、特別な限定はない。具体的には、酵母や細菌等が挙げられ、遺伝子組換え微生物も好ましく用いられる。
生成したバイオエタノールは、水抽出により発酵液から分離される。バイオエタノールが水抽出された後の発酵液の残渣を乾燥させることにより水不溶性リグニンの粉末を得ることができる。
上記で得られた水不溶性リグニンは、グアイアシルプロパン構造(G核)、シリンギルプロパン構造(S核)、およびヒドロキシフェニルプロパン構造(H核)を基本単位とする高分子化合物であり、薬品等で変性処理がされていないため、上述したG核、S核、およびH核に起因するヒドロキシ基の含有量が高い。更に例えばS核およびG核の結合量(チオアシドリス法によるβ-O-4結合量)が多い。
水不溶性リグニンは、好ましくは5~50質量%の糖類を含有するとよい。水不溶性リグニンが糖類を含有することにより、ゴムの強度をより高めることができる。糖類は、水不溶性リグニン100質量%中、好ましくは5~50質量%、より好ましくは5~40質量%であるとよい。水不溶性リグニンが含有する糖類として、例えばセルロース、ヘミセルロース、セロビオース、キシロース、マンノース、アラビノース、ガラクツロン酸、オリゴ糖、グルコース、フルフラール、5-ヒドロキシメチルフルフラール等を例示することができる。
水不溶性リグニンは、その平均粒子径が、好ましくは1~100μm、より好ましくは5~100μm、さらに好ましくは10~100μmであるとよい。水不溶性リグニンの平均粒子径をこのような範囲内にすることにより、トレッドの踏面の引掻き作用をより高くすることができる。水不溶性リグニンの平均粒子径は、顕微鏡観察により測定することができる。
水不溶性リグニンを配合したスタッドレスタイヤ用ゴム組成物は、その硬化物の0℃のゴム硬度が好ましくは60以下、-10℃のゴム硬度が好ましくは60以下であるとよい。0℃のゴム硬度および-10℃のゴム硬度をそれぞれ60以下にすることにより、柔軟性を維持し氷上性能をより高くすることができる。0℃のゴム硬度は、より好ましくは40~60、更に好ましくは45~60であるとよい。また-10℃のゴム硬度は、より好ましくは40~60、更に好ましくは45~60であるとよい。0℃および-10℃のゴム硬度は、JIS K6253に準拠しデュロメータのタイプAにより測定するものとする。
本発明のゴム組成物には、上記成分以外に、常法に従って、加硫又は架橋剤、加硫促進剤、老化防止剤、加工助剤、可塑剤、液状ポリマー、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などのタイヤトレッド用ゴム組成物に一般的に使用される各種配合剤を配合することができる。このような配合剤は一般的な方法で混練してゴム組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの配合剤の配合量は本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。タイヤトレッド用ゴム組成物は、公知のゴム用混練機械、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等を使用して、上記各成分を混合することによって調製することができる。
スタッドレスタイヤ用ゴム組成物は、スタッドレスタイヤのトレッド部やサイド部を形成するのに好適であり、とりわけスタッドレスタイヤのトレッド部を形成するのに好適である。これにより得られたスタッドレスタイヤは、氷上性能を従来レベル以上に向上することができる。
以下、実施例によって本発明をさらに説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
表3に示す共通の添加剤処方を有し、表1,2に示す配合からなる14種類のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物(実施例1~8、比較例1~6)を調製するに当たり、それぞれ硫黄および加硫促進剤を除く成分を秤量し、1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーで5分間混練した後、そのマスターバッチをミキサー外に放出し室温冷却した。このマスターバッチを同バンバリーミキサーに供し、硫黄および加硫促進剤を加えて混合し、スタッドレスタイヤ用ゴム組成物を得た。なお、表3に示す各添加剤の配合量は、表1,2に示すジエン系ゴム100質量部に対する質量部として記載されている。
上記で得られたスタッドレスタイヤ用ゴム組成物を、それぞれ所定形状の金型中で、170℃、10分間加硫して評価用試料を作製した。得られた評価用試料を使用し、0℃および-10℃のゴム硬度、氷上性能、引張り特性を以下の方法で測定した。
0℃および-10℃のゴム硬度
得られたスタッドレスタイヤ用ゴム組成物の評価用試料を用いて、JIS K6253に準拠して、デュロメータのタイプAにより温度0℃および-10℃のゴム硬度を測定した。得られた結果は、表1,2の「ゴム硬度(0℃)」および「ゴム硬度(-10℃)」の欄に記載した。
氷上性能
得られたスタッドレスタイヤ用ゴム組成物の評価用試料を偏平円柱状の台ゴムにはりつけ、インサイドドラム型氷上摩擦試験機にて、測定温度-3.0℃、荷重5.5kg/cm(約0.54MPa)、ドラム回転速度20km/hで測定した。得られた結果は比較例1の値を100にする指数として、表1,2の「氷上性能(-3.0℃)」の欄に記載した。この指数が大きいほど氷上性能が優れることを意味する。
引張特性(引張破断強度および引張破断伸び)
得られた評価用試料をJIS K6251に準拠してJIS 3号ダンベル型試験片を切り出した。JIS K6251に準拠し引張破断強度および引張破断伸びを測定し、表1,2の「破断強度」および「破断伸び」の欄に示した。
表1~3において使用した原材料の種類を下記に示す。
・NR:天然ゴム、STR20
・BR:ブタジエンゴム、NIPOL BR1261、日本ゼオン社製
・カーボンブラック:シーストKHP、東海カーボン社製
・シリカ:ZEOSIL 165GR、ローディア社製
・カップリング剤:シランカップリング剤、Si69、エボニックデグッサ社製
・リグニン-1:バイオエタノール抽出残渣リグニンである水不溶性リグニン、糖類を30~40質量%含有、平均粒子径が50μm;草本系バイオマスを希硫酸蒸解法により前処理し、それにより得られた前処理済み草本系バイオマスを酵素により糖化し、それにより得られた糖化処理生成物へ酵母を加え発酵し、それにより得られた発酵処理生成物を、水溶液と固形分へ固液分離し、それにより得られた固形分を乾燥して「リグニン-1」とした。
・リグニン-2:バイオエタノール抽出残渣リグニンである水不溶性リグニン、糖類を30~40質量%含有、平均粒子径が50μm;「リグニン-1」およびエタノール60質量%水溶液を攪拌混合した固液混合物を固液分離し、それにより得られた固形分を乾燥して「リグニン-2」とした。
・リグニン-3:バイオエタノール抽出残渣リグニンである水不溶性リグニン、糖類を30~40質量%含有、平均粒子径が50μm;「リグニン-1」およびエタノール60質量%水溶液を攪拌混合した固液混合物を固液分離し、エタノール60質量%水溶液への可溶分を乾燥して「リグニン-3」とした。
・リグニン-4:水溶性リグニン、パールレックスNP、日本製紙社製、糖類を5質量%程度含有
・オイル: エキストラクト4号S、昭和シェル石油社製
・樹脂: YSレジン TO-125およびYSレジン TO-105(共にヤスハラケミカル社製)の混合物
・ステアリン酸: ステアリン酸 YR、日油社製
・酸化亜鉛:正同化学工業社製酸化亜鉛3種
・硫黄:アクゾノーベル社製クリステックスHSOT20
・加硫促進剤:大内新興化学社製ノクセラーDZ
表1,2から明らかなように、実施例1~8のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物は、氷上性能を比較例1のレベル以上に向上することが確認された。
比較例2,3のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物は、水不溶性リグニンの代わりに水溶性リグニンを配合したので、氷上性能の改良効果が十分に得られない。
比較例4のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物は、ブタジエンゴムが30質量%未満なので、氷上性能の改良効果が十分に得られない。
比較例5スタッドレスタイヤ用ゴム組成物は、無機充填剤が20質量部未満なので、硬度、氷上性能が劣る。
比較例6スタッドレスタイヤ用ゴム組成物は、無機充填剤が20質量部未満なので、硬度、氷上性能が劣る。

Claims (10)

  1. ブタジエンゴムを30質量%以上と天然ゴムを含むジエン系ゴム100質量部に、無機充填剤を20質量部以上、水不溶性リグニンを配合したことを特徴とするスタッドレスタイヤ用ゴム組成物。
  2. 前記ジエン系ゴム100質量部に、前記水不溶性リグニンを0.1~50質量部配合したことを特徴とする請求項1に記載のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物。
  3. 前記水不溶性リグニンが、バイオエタノール抽出残渣リグニンである請求項1または2に記載のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物。
  4. 前記水不溶性リグニンが、5~50質量%の糖類を含有することを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物。
  5. 前記水不溶性リグニンの平均粒子径が、1~100μmであることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物。
  6. その硬化物の0℃のゴム硬度および-10℃のゴム硬度が60以下であることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物。
  7. 請求項1~6のいずれかに記載のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物の製造方法であって、前記水不溶性リグニンが、バイオエタノール抽出残渣リグニンのエタノール水溶液の抽出物および/または前記バイオエタノール抽出残渣リグニンのエタノール水溶液の抽出残渣からなることを特徴とするスタッドレスタイヤ用ゴム組成物の製造方法
  8. 前記水不溶性リグニンが、前記バイオエタノール抽出残渣リグニンのエタノール水溶液の抽出残渣を50質量%以上含有することを特徴とする請求項7に記載のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物の製造方法
  9. 前記エタノール水溶液が、エタノールを50~70質量%含有することを特徴とする請求項7または8に記載のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物の製造方法
  10. 請求項1~のいずれかに記載のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物からなるトレッド部を有するスタッドレスタイヤ。
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