JP7842440B2 - 内部構造推定装置、内部構造推定方法、およびプログラム - Google Patents

内部構造推定装置、内部構造推定方法、およびプログラム

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Description

本発明は、内部構造推定装置、内部構造推定方法、およびプログラムに関する。
対象物の誘電率を推定する手法が提案されている。例えば、特許文献1に記載の技術では、受信された測定データと、測定データを得たときと同じ送信部及び受信部の位置関係において対象物の誘電率を仮定して得られる算出データとの類似度を算出する。なお、送信部は、立体形状を有する対象物の内部に向けて電波を送信し、受信部は、送信部との間に対象物を挟む位置に配置されており、かつ、受信部は、対象物を透過した電波を受信する。
特開2019-148437号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、均一な物質の誘電率の実部を推定するだけである。例えば,生体内部や異物が混入しているコンクリート柱などの内部は、複数の誘電率を有する物質が混在し、複数物質の形状も誘電率も未知のものが多いので、特許文献1に記載の技術では、このような対象物に対応できない。さらに、特許文献1に記載の技術では、誘電率が場所によって変化する機能性材料に関しても対応できない。また、従来、誘電率は、均一な物質の誘電率を計測することが多く、複数の物質が存在する場合、非破壊でその物質の位置や誘電率を推定することが困難であった。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、被測定物内部の分布誘電率を推定することができる内部構造推定装置、内部構造推定方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る内部構造推定装置は、対象物体の少なくとも静電容量を含む測定結果を取得する測定結果取得部と、物体の内部構造を含む解析モデルを用いて解析された前記物体の誘電率の分布の解析結果と、前記物体の内部構造に関する情報との対応関係が学習された学習済みのモデルに、前記測定結果を与える供給部と、前記測定結果が与えられた前記学習済みのモデルに基づいて、前記対象物体の内部構造を推定し、推定した推定結果を出力する出力部と、を備える。
また、本発明の一態様に係る内部構造推定装置において、前記解析結果は、前記解析モデルを有限要素法によって解析することにより得られるようにしてもよい。
また、本発明の一態様に係る内部構造推定装置において、前記解析結果は、所定の位置に測定電極を配置した場合における、前記解析モデルで前記物体を回転軸周りに回転させた場合の基準位置からの回転角度と、前記回転角度毎の前記測定電極による前記静電容量の測定結果との関係を示すようにしてもよい。
また、本発明の一態様に係る内部構造推定装置において、前記測定電極には、高電位電極と、互いに面積が異なり前記高電位電極より電位の低い複数の低電位電極とが含まれ、前記回転軸は、前記高電位電極と、複数の前記低電位電極とが対向する空間内に配置され、前記解析結果は、前記解析モデルにおいて、前記空間内に配置された前記物体を、前記回転軸周りに回転させることによって得られるようにしてもよい。
また、本発明の一態様に係る内部構造推定装置において、前記解析結果は、前記高電位電極と前記低電位電極との間の電位、および前記高電位電極と前記低電位電極との間の損失のうちの少なくとも1つを含むようにしてもよい。
また、本発明の一態様に係る内部構造推定装置において、前記測定結果は、所定の位置に配置される測定電極が、高電位電極と、互いに面積が異なり前記高電位電極より電位の低い複数の低電位電極とを含み、前記対象物体を回転させる回転軸が、前記高電位電極と、複数の前記低電位電極とが対向する空間内に配置されている測定装置で測定される前記静電容量であるようにしてもよい。
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る内部構造推定方法は、測定結果取得部が、対象物体の測定結果を取得し、供給部が、物体の内部構造を含む解析モデルを用いて解析された前記物体の分布誘電率の解析結果と、前記物体に関する情報との対応関係が学習された学習済みのモデルに、前記測定結果を与え、出力部が、前記測定結果が与えられた前記学習済みの前記モデルに基づいて、前記対象物体の内部構造を推定し、推定した推定結果を出力する。
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータに、対象物体の測定結果を取得させ、物体の内部構造を含む解析モデルを用いて解析された前記物体の分布誘電率の解析結果と、前記物体に関する情報との対応関係が学習された学習済みのモデルに、前記測定結果を与えさせ、前記測定結果が与えられた前記学習済みの前記モデルに基づいて、前記対象物体の内部構造を推定し、推定した推定結果を出力させる。
本発明の一態様によれば、被測定物内部の分布誘電率を推定することができる。
実施形態に係る内部構造推定装置の構成例を示す図である。 実施形態に係る解析モデル例を示す図である。 実施形態に係る電位解析用の解析モデル例を説明するための図である。 実施形態に係る測定装置の構成例を示す図である。 実施形態に係る解析モデルと測定装置の等価回路図である。 実施形態に係る電位測定装置の構成例を示す図である。 実施形態に係るモデルの学習の説明するための図である。 実施形態に係るモデルを用いた推定方法を説明するための図である。 実施形態に係るモデルが学習するデータの第1の例を示す図である。 第2の例の物体例を示す図である。 実施形態に係るモデルが学習するデータの第2の例を示す図である。 電位の解析結果例を示す図である。 電位解析において、解析対象の回転角度を説明するための図である。 物体の回転角度が180度付近の誘電率毎の電位の解析結果例を示す図である。 物体が複数の誘電体で構成されている場合の解析モデルを説明するための図である。 図15の画像g350の解析結果を示す図である。 図15の画像g360の解析結果を示す図である。 実施形態に係る内部構造推定装置の処理手順のフローチャートである。 実施形態に係る実測時の処理手順のフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明に用いる図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
[内部構造推定装置の構成例]
図1は、本実施形態に係る内部構造推定装置の構成例を示す図である。図1のように、内部構造推定装置1は、条件取得部11、算出部12、学習部14、モデル記憶部15、取得部17(測定結果取得部)、供給部18、および出力部19を備える。算出部12は、例えば解析モデル13を備える。モデル記憶部15は、モデル16を備える。
内部構造推定装置1は、推定する対象物体の内部構造が未知である対象物体の測定結果を取得して、学習済みのモデル16を用いて対象物体の内部構造に関する情報(以下、「内部構造に関する情報」を「内部構造情報」ともいう)を推定する。測定結果は、少なくとも静電容量であり、電位と損失を含んでいてもよい。内部構造情報は、例えば対象物体内部の比誘電率の分布(分布誘電率)等である。なお、内部構造情報は、例えば、対象物体の内部構造、対象物体の形状、対象物体の大きさ、対象物体が複数の誘電体で構成され場合に誘電体の配置を含んでいてもよい。
測定装置2は、推定時に、対象物体に対して静電容量と損失と電位を測定する。なお、測定装置2の構成例、測定装置2による測定方法等については、後述する。また、測定装置2は、電位測定装置21を備える。
条件取得部11は、モデル16の学習時に、物体の内部構造情報を取得する。
算出部12は、学習時に、取得された内部構造情報と、解析モデル13と、例えば有限要素法を用いて誘電率の実数部と虚数部を考慮して解析を行い、物体を回転させたときに測定装置2によって測定されると想定される物体の解析結果を算出する。解析結果は、例えば、回転角度毎の静電容量と損失と、円周上の各位置の電位である。
学習部14は、条件取得部11が取得した内部構造情報と、算出部12が算出した解析結果を対応付けてモデル16に供給することで、モデル16の学習を行う。なお、学習対象の物体例は後述するが、学習対象の物体は、例えば形状の異なる物体、大きさの異なる物体、1つの物体で比誘電率が異なる構造の物体、複数の構造体からなる物体等である。また、学習に使用するデータは、シミュレーションして算出された結果であってもよく、測定装置2が実測した実測結果であっても良い。
モデル16は、学習部14によって学習を行う。
取得部17は、推定時に、推定対象の対象物体を測定装置2が測定した測定結果を取得する。取得部17は、取得した測定結果を供給部18に出力する。
供給部18は、推定時に、測定結果を学習済みのモデル16に供給する。
出力部19は、測定結果が与えられた学習済みのモデル16が出力する対象物体に対する推定結果であるパラメータを外部装置3に出力する。外部装置3は、例えば、画像表示装置、印字装置、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等である。なお、出力部19は、無線または有線の通信回路を備えていてもよい。
[解析モデル]
次に、解析モデル13について説明する。
図2は、本実施形態に係る解析モデル例を示す図である。解析モデル13は、例えば、外筒101の中に、第1電極102(高電位電極)、補助電極103、補助電極104、第2電極105(低電位電極)、第3電極106(低電位電極)、および第4電極107(低電位電極)を備える。なお、解析モデル13は、図2のように解析対象の物体のモデルも含む。
外筒101の直径は、例えば98(mm)である。第2電極105の一辺の長さは、例えば20(mm)である。第3電極106の一辺の長さは、例えば18(mm)である。第4電極107の一辺の長さは、例えば16(mm)である。なお、第1電極102、補助電極103、補助電極104、第2電極105、第3電極106、および第4電極107は、同一円周上に配置される。これらの電極の円周の中心は、中心点Pであり、物体5を回転させる回転軸である。
外筒101は、シールド用で、電圧が0(V)である。第1電極102は、高電位側の電極であり、印加される電圧が例えば2(V)である。第2電極105~第4電極107は、低電位側の電極であり、電圧が例えば0(V)である。補助電極103と補助電極104は、電圧が例えば0(V)である。
シミュレーションでは、内部情報を推定する物体5を、図2のように、中心点Pから物体5の中心までの距離dかつ電極の内側に配置し、中心点Pに対して360度、自転させる。そして、シミュレーションでは、物体5の自転角度毎に、第2電極105、第3電極106、および第4電極107それぞれの例えば静電容量と電位と損失を算出する。
なお、算出部12は、電極間に生じる宣伝容量は、次式(1)と次式(2)を用いて算出する。
式(1)、(2)において、Qは電荷量(C)、nは測定電極の単位法線ベクトル、Sは電流計が接続された低い電位側の電極の面積(m)、Dは低い電位側の電極側の電極板上の電束密度(C/m)、Vは測定電極間の電位差であり2(V)である。
まず、算出部12は、式(1)を用いて低い電位側の測定電極上の電荷量Qを算出する。このために、算出部12は、測定電極上の電束密度を電極面積で積分し、電荷量Qを算出する。
次に、算出部12は、式(2)を用いて静電容量を算出する。
なお、図2に示した解析モデル13は一例であり、これに限らない。例えば、測定電極(第2電極~第4電極)は、2つであっても4つ以上であってもよい。なお、以下の例では、測定電極(第2電極~第4電極)の数が3つの例を説明する。また、各電極の大きさや電圧値は一例であり、これに限らない。
また、第2電極~第4電極の一辺の大きさの順番は、20(mm)、18(mm)、16(mm)の例を説明したが、これに限らない。一辺の大きさの順番は、例えば、20(mm)、16(mm)、18(mm)であってもよく、18(mm)、20(mm)、16(mm)等であってもよい。すなわち、複数の測定電極は、大きさが互いに異なっていればよい。
[電位計測の解析モデル例]
次に、電位解析用の解析モデル例を説明する。
図3は、本実施形態に係る電位解析用の解析モデル例を説明するための図である。図3のように、算出部12は、丸印で示した全ての位置(g11)で電位を計測するために、有限要素法によって各位置の電位を算出する。解析モデル13は、この電位解析用の解析モデルも備える。
[測定装置]
次に、測定装置2について説明する。
図4は、本実施形態に係る測定装置の構成例を示す図である。測定装置2は、例えば、外筒201の中に、第1電極202(高電位電極)、補助電極203(不図示)、補助電極204(不図示)、第2電極205(低電位電極)、第3電極206(低電位電極)、および第4電極207(低電位電極)を備える。なお、補助電極203は補助電極103と同様に第2電極205の隣に設けられ、補助電極204は補助電極104と同様に第4電極207の外側に設けられている。測定装置2は、第1電極202と第2電極205との静電容量を測定する静電容量計211と、第1電極202と第3電極206との静電容量を測定する静電容量計212と、第1電極202と第4電極207との静電容量を測定する静電容量計213を備える。測定装置2は、第1電極202と第2電極205との損失を測定する損失計221と、第1電極202と第3電極206との損失を測定する損失計222と、第1電極202と第4電極207との損失を測定する損失計223を備える。
なお、図4に示した測定装置2は一例であり、形状や構成は、これに限らない。例えば、静電容量計や損失計は1つずつであってもよい。この場合、測定装置2は、対象物体の1回転目で第1電極202と第2電極205との静電容量と損失を測定し、2回転目で第1電極202と第3電極206との静電容量と損失を測定し、3回転目で第1電極202と第4電極207との静電容量と損失を測定するようにしてもよい。また、第2電極~第4電極は、2つであってみ4つ以上であってもよく、解析モデル13に合わせた数であればよい。
図5は、本実施形態に係る解析モデルと測定装置の等価回路図である。
第1電極302(高電位電極)は、交流電源331の一端と、電圧計311の一端と、電圧計312の一端と、電圧計313の一端とに接続されている。
交流電源331は、他端が外筒301に接続されている。
補助電極303は、外筒301に接続されている。
補助電極304は、外筒301に接続されている。
第2電極305(低電位電極)は、電圧計311の他端と、電流計321の一端とに接続されている。
第3電極306(低電位電極)は、電圧計312の他端と、電流計322の一端とに接続されている。
第4電極307(低電位電極)は、電圧計313の他端と、電流計323の一端とに接続されている。
電流計321の他端と、電流計322の他端と、電流計323の他端とは、外筒301に接続されている。
[電位測定装置]
次に、電位測定装置21について説明する。
図6は、本実施形態に係る電位測定装置の構成例を示す図である。電位測定装置21は、図3に示した解析モデルと同様に、円周上の各位置での電位を電位計231によって測定する。
[学習方法]
次に、モデル16の学習方法例を説明する。
図7は、本実施形態に係るモデルの学習の説明するための図である。図7のように、学習時、学習部14は、シミュレーション結果(解析結果)または測定結果(対象物体を回転させたときに測定される測定結果)と、シミュレーションに用いた物体の内部情報とをモデル16に入力することで、対応関係をモデル16に学習させる。シミュレーション結果には、解析モデル13を用いて算出された、電極毎の静電容量と回転角度の関係、電極毎の電位と回転角度の関係、電極毎の損失と回転角度の関係が含まれる。測定結果には、電極毎の静電容量と回転角度の関係、電極毎の電位と回転角度の関係、電極毎の損失と回転角度の関係が含まれる。内部情報は、例えば、物体内部の構造、物体内部の誘電率の分布、物体の形状、物体の大きさ、物体の誘電体の個数、物体の誘電体の配置等)である。なお、学習に用いるアルゴリズムは、例えば、決定木、ランダムフォレスト、サポートベクターマシン、ニューラルネットワーク等である。
このように、本実施形態では、補助電極と、面積および位置が互いに異なる複数の低電位の電極(第2電極~第4電極)とによって、様々な測定パターンにおいて測定された解析パターン毎の解析結果に基づき、物体の内部情報と、物体の内部構造に関する情報との対応関係を学習する。なお、様々な解析パターンとは、物体の形状、舞台の大きさ、物体の比誘電率、物体の比誘電率の数、測定装置2の中心からの距離等、様々な物体に対するものである。
[推定方法]
次に、モデル16を用いた推定方法例を説明する。
図8は、本実施形態に係るモデルを用いた推定方法を説明するための図である。図8のように、推定時、供給部18は、測定結果を学習済みモデル16に入力する。学習済みモデル16は、入力されたデータに基づいて対象物体の内部情報を推定する。測定結果は、第1電極202と第2電極205との回転角度毎の静電容量、第1電極202と第3電極206との回転角度毎の静電容量、第1電極202と第4電極207との回転角度毎の静電容量、第1電極202と第2電極205との回転角度毎の電位、第1電極202と第3電極206との回転角度毎の電位、第1電極202と第4電極207との回転角度毎の電位、第1電極202と第2電極205との回転角度毎の損失、第1電極202と第3電極206との回転角度毎の損失、第1電極202と第4電極207との回転角度毎の損失である。
[モデルが学習するデータ例]
次に、モデル16が学習するデータ例を説明する。
なお、解析モデル13を用いてシミュレーションした結果と、測定装置2で実測した測定結果を比較した結果、回転角度毎の静電容量と電位の傾向が非常に似通っていることが確認できている。
(第1の例)
図9は、本実施形態に係るモデルが学習するデータの第1の例を示す図である。図9において横軸は回転角(度)、縦軸は静電容量(μF)である。図9は、図2で示した物体に対するシミュレーション結果である。物体は1つであり、物体5の比誘電率は3であり、中心点Pから物体5の中心までの距離dが30(mm)であり、物体5の直径が30(mm)である。四角印と線g101は第1電極と第2電極間の静電容量であり、丸印と線g102は第1電極と第3電極間の静電容量であり、バツ印と線g103は第1電極と第4電極間の静電容量である。
この例では、回転角度150(度)付近から210(度)付近に電極間毎に極大値がある。そして、極大値が発生する回転角度と静電容量が、電極間毎に異なっている。
(第2の例)
図10は、第2の例の物体例を示す図である。物体5Aの形状は、物体5と同じである。物体5Aの比誘電率は、半分が2であり、残り半分が3である。シミュレーションでは、物体5Aを比誘電率3が中心側のまま自転させる。
図11は、本実施形態に係るモデルが学習するデータの第2の例を示す図である。図11において横軸は回転角(度)、縦軸は静電容量(μF)である。中心点Pから物体5Aの中心までの距離dが30(mm)であり、物体5Aの直径が30(mm)である。なお、図11は、比誘電体が2の物体のシミュレーション結果と、比誘電体が2と3の物体のシミュレーション結果と、比誘電体が3の物体のシミュレーション結果とを含んでいる。
線g151は、比誘電率が3の第1電極と第2電極間の静電容量であり、線g152は、比誘電率が3の第1電極と第3電極間の静電容量であり、線g153は、比誘電率が3の第1電極と第4電極間の静電容量である。
線g161は、比誘電率が2と3の第1電極と第2電極間の静電容量であり、線g162は、比誘電率が2と3の第1電極と第3電極間の静電容量であり、線g163は、比誘電率が2と3の第1電極と第4電極間の静電容量である。
線g171は、比誘電率が2の第1電極と第2電極間の静電容量であり、線g172は、比誘電率が2の第1電極と第3電極間の静電容量であり、線g173は、比誘電率が2の第1電極と第4電極間の静電容量である。
図11のように、物体の比によって、さらに複数の比誘電率を備える場合毎に静電容量が異なっている。
(第3の例)
図12は、電位の解析結果例を示す図である。図12において、横軸は回転角(度)であり、縦軸は電位(V)である。電位解析の場合は、図13のように、解析対象の物体を回転させて角度毎に電位を解析させる。図13は、電位解析において、解析対象の回転角度を説明するための図である。図13は、物体の回転角度が0(度)(g251)、回転角度が90(度)(g252)の例を示している、また、図12の解析結果例は、図13のように、物体が2つの比誘電率2と3で構成されている例である。
図12の例では、回転角度が75(度)の場合に、物体の公転角度(0、10、20、30、40、50、60、70、80、90(度))によって電位に差が生じている(g201)。例えば、物体の回転角度が10(度)かわると、電位が約0.002(V)減少している。このように、比誘電率によって電位に差が生じている。
図14は、物体の回転角度が180度付近の誘電率毎の電位の解析結果例を示す図である。横軸は測定地点の角度、縦軸は電位である。鎖線g301は物体の比誘電率が2の解析結果であり、線g302は物体の比誘電率が3の解析結果であり、鎖線g303は物体の比誘電率が2と3の解析結果である。
図14のように、比誘電率によって電位に差が生じている。
(第4の例)
次に、物体が複数の誘電体で構成されている場合を説明する。第1~第3の例では、誘電体が1つであったが、誘電体は2つ以上であってもよい。
図15は、物体が複数の誘電体で構成されている場合の解析モデルを説明するための図である。図15の画像g350とg360は、大きさの異なる2つの誘電体を備えかつ配置が異なる例である。画像g350では、誘電体350aと誘電体350bが180(度)の間隔で配置されている。画像g360では、誘電体350cと誘電体350dが90(度)の間隔で配置されている。
図16は、図15の画像g350の解析結果を示す図である。横軸は回転角(度)、縦軸は静電容量(μF)である。線g401は第1電極と第2電極との間の静電容量であり、線g402は第1電極と第3電極との間の静電容量であり、線g403は第1電極と第4電極との間の静電容量である。
図17は、図15の画像g360の解析結果を示す図である。横軸は回転角(度)、縦軸は静電容量(μF)である。線g411は第1電極と第2電極との間の静電容量であり、線g412は第1電極と第3電極との間の静電容量であり、線g413は第1電極と第4電極との間の静電容量である。
図16の場合は、第1電極と第2電極との間の静電容量において、約220(度)に一番大きな極大値g405が現れ、約30(度)に二番目の極大値g406が現れている。
図17の場合は、第1電極と第2電極との間の静電容量において、約220(度)に一番大きな極大値g415が現れ、約120(度)に二番目の極大値g416が現れている。
ここで、誘電体350aと誘電体350cの比誘電率が等しく大きさも等しく、誘電体350bと誘電体350dの比誘電率が等しく大きさも等しい場合は、図16と図17のように複数の極大値の現れ方や、極大値と極小値との差等に差異が見られる。
[内部構造推定装置の処理手順]
次に、内部構造推定装置1の処理手順例を説明する。
図18は、本実施形態に係る内部構造推定装置の処理手順のフローチャートである。
(ステップS1)学習時、内部構造推定装置1は、想定される内部情報に関して、多数のパターンのシミュレーションを行って、解析モデル13を用いて、例えば有限要素法で解析結果(例えば、回転角度毎の静電容量と損失と、各円周位置での電位)を算出する。
(ステップS2)学習時、内部構造推定装置1は、シミュレーションで算出した解析結果と、物体の内部情報とを対応付けてモデル16に学習させる。
(ステップS3)推定時、内部構造推定装置1は、内部情報が未知の対象物体について、測定装置2で回転角度毎の静電容量と損失と各円周位置での電位を測定する。
(ステップS4)推定時、内部構造推定装置1は、測定結果を取得して、取得した測定結果を学習済みのモデル16に入力して対象物体の内部構造に関する情報(例えば誘電率の分布)を推定する。
(ステップS5)推定時、内部構造推定装置1は、推定した対象物体の内部構造に関する情報を出力する。
次に、実測時の処理手順例を説明する。
図19は、本実施形態に係る実測時の処理手順のフローチャートである。
(ステップS11)測定装置2は、回転角度を初期化(0(度))(基準位置)する。
測定装置2は、例えば回転角度に6(度)加算する(ステップS12)。測定装置2は、静電容量と空間電位(Potential)を測定する(ステップS13)。
(ステップS14)測定装置2は、回転角度が360(度)より大きいか否かを判別する。測定装置2は、回転角度が360(度)より大きいであると判別した場合(ステップS14;YES)、処理を終了する。測定装置2は、回転角度が360(度)以下であると判別した場合(ステップS14;NO)、ステップS12の処理に戻す。
なお、図19に示した処理は一例であり、これに限らない。例えばステップS12で加算する角度は5(度)以下であってもよく、7(度)以上であってもよい。
また、内部構造推定装置1は、学習時に、図19と同様の処理を行ってシミュレーションを行うようにしてもよい。
以上説明した例では、モデル16の学習に静電容量以外に電位と損失を用いる例を説明したが、これに限らない。モデル16の学習に用いるデータは、電位と損失のうちの少なくとも1つであればよく、あるいは他の要素を含んでいてもよい。
同様に、推定に用いるデータは、静電容量以外に電位と損失を用いる例を説明したが、これに限らない。推定に用いるデータは、電位と損失のうちの少なくとも1つであればよく、あるいは他の要素を含んでいてもよい。
図9、図11、図12、図14、図16、および図17に示したように、物体の形状や配置や比誘電率によって、回転角度に対する静電容量の変化が異なり、回転角度に対する電位の変化が異なっている。このため、本実施形態では、誘電体の形状、大きさ、配置、個数等、様々なパターンを、解析モデル13を用いてシミュレーションを行い、その解析結果をモデル16に学習させておく。そして、本実施形態によれば、このように学習したモデル16を用いることで、対象物体の内部構造に関する情報(例えば誘電率の分布)を推定することができる。
なお、上述した例では、図9、図11、図12、図14、図16、および図17のように、学習に全ての回転角度に対する測定結果を用い、推定でも全ての回転角度に対する測定結果を用いる例を説明したが、これに限らない。例えば、図2に示したような誘電体が1つであり比誘電率が1つであり、形状が円柱等の場合は、シミュレーション結果のうち各電極間の極大値を学習させ、推定時に測定結果のうち極大値をモデル16に供給して推定するようにしてもよい。または、学習時と推定時には、極大値が複数ある場合、シミュレーション結果のうち各電極間の複数の極大値を学習させ、推定時に測定結果のうち複数の極大値をモデル16に供給して推定するようにしてもよい。または、学習時と推定時には、シミュレーション結果のうち各電極間の少なくとも1つの極大値と少なくとも1つの極小値を学習させ、推定時に測定結果のうち少なくとも1つの極大値と少なくとも1つの極小値をモデル16に供給して推定するようにしてもよい。あるいは、学習時と推定時には、シミュレーション結果のうち各電極間の極大値と、極小値と、極大値と極小値との差と、を学習させ、推定時に測定結果のうち極大値と、極小値と、極大値と極小値との差と、をモデル16に供給して推定するようにしてもよい。
なお、上述した対象物体は、例えば、生体の一部、コンクリートの柱等である。例えば、対象物が生体の場合、対象物内部の誘電率の分布等を推定することで、臓器形状、内蔵脂肪、悪性腫瘍等の診断に適用することができる。
なお、本発明における内部構造推定装置1の機能の全てまたは一部を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより内部構造推定装置1が行う処理の全てまたは一部を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形および置換を加えることができる。
1…内部構造推定装置、11…条件取得部、12…算出部、13…解析モデル、14…学習部、15…モデル記憶部、16…モデル、17…取得部、18…供給部、19…出力部

Claims (8)

  1. 対象物体の少なくとも静電容量および電位を含む測定結果を取得する測定結果取得部と、
    物体の内部構造を含む解析モデルを用いて解析された前記物体の静電容量および電位の解析結果と、前記物体の内部構造に関する情報との対応関係が学習された学習済みのモデルに、前記測定結果を与える供給部と、
    前記測定結果が与えられた前記学習済みのモデルに基づいて、前記対象物体の内部構造を推定し、推定した推定結果を出力する出力部と、
    を備える内部構造推定装置。
  2. 前記解析結果は、前記解析モデルを有限要素法によって解析することにより得られる、 請求項1に記載の内部構造推定装置。
  3. 前記解析結果は、所定の位置に測定電極を配置した場合における、前記解析モデルで前記物体を回転軸周りに回転させた場合の基準位置からの回転角度と、前記回転角度毎の前記測定電極による前記静電容量の測定結果との関係を示す、
    請求項1または請求項2に記載の内部構造推定装置。
  4. 前記測定電極には、高電位電極と、互いに面積が異なり前記高電位電極より電位の低い複数の低電位電極とが含まれ、
    前記回転軸は、前記高電位電極と、複数の前記低電位電極とが対向する空間内に配置され、
    前記解析結果は、前記解析モデルにおいて、前記空間内に配置された前記物体を、前記回転軸周りに回転させることによって得られる、
    請求項3に記載の内部構造推定装置。
  5. 前記解析結果は、前記高電位電極と前記低電位電極との間の電位、および前記高電位電極と前記低電位電極との間の損失を含む、
    請求項4に記載の内部構造推定装置。
  6. 前記測定結果は、所定の位置に配置される測定電極が、高電位電極と、互いに面積が異なり前記高電位電極より電位の低い複数の低電位電極とを含み、前記対象物体を回転させる回転軸が、前記高電位電極と、複数の前記低電位電極とが対向する空間内に配置されている測定装置で測定される前記静電容量を含む、
    請求項1から請求項5のうちのいずれか1項に記載の内部構造推定装置。
  7. 測定結果取得部が、対象物体の少なくとも静電容量および電位を含む測定結果を取得し、
    供給部が、物体の内部構造を含む解析モデルを用いて解析された前記物体の静電容量および電位の解析結果と、前記物体の内部構造に関する情報との対応関係が学習された学習済みのモデルに、前記測定結果を与え、
    出力部が、前記測定結果が与えられた前記学習済みのデルに基づいて、前記対象物体の内部構造を推定し、推定した推定結果を出力する、
    内部構造推定方法。
  8. コンピュータに、
    対象物体の少なくとも静電容量および電位を含む測定結果を取得させ、
    物体の内部構造を含む解析モデルを用いて解析された前記物体の静電容量および電位の解析結果と、前記物体の内部構造に関する情報との対応関係が学習された学習済みのモデルに、前記測定結果を与えさせ、
    前記測定結果が与えられた前記学習済みのデルに基づいて、前記対象物体の内部構造を推定し、推定した推定結果を出力させる、
    プログラム。
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