JP7841909B2 - 密漁監視支援システムおよび密漁監視支援方法 - Google Patents

密漁監視支援システムおよび密漁監視支援方法

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Description

本発明は、夜間の漁場における密漁者の監視、捕縛を支援する密漁監視支援システムおよび密漁監視支援方法に関する。
従来、サーモグラフィ監視カメラで接近物映像を取得するとともに、利用者が携帯する遊漁承認書デバイスから送信された承認番号を確認することで、利用者か密漁者かを判定するシステムが知られている(たとえば特許文献1)。
また、飛行体から赤外線カメラまたは高感度カメラで撮影し、事前に登録しておいた監視対象となる動体データベースと対比することで、通報する動体であるか否かを判定する技術が知られている(たとえば特許文献2)。
特開2006-268471号公報 特開2019-185082号公報
特許文献1では、サーモグラフィ画像のシルエットから人間であるかを判定し、さらに遊漁承認書デバイスから送信される承認番号がない場合に、密漁者が存在すると判定していたが、複数の承認遊漁者の中に密漁者が紛れ込んでいる場合に、だれが密漁者であるかまでは判別することはできなかった。
また、特許文献2では、飛行体が必要であることに加え、データベースに予め登録した密漁者のデータを参照し、飛行体から撮像された画像から密漁者であるかを判定するため、夜間の漁において、密漁者が漁師と同様の恰好や作業をしている場合に、密漁者を適切に識別することは困難であった。
さらに、特許文献1,2においては、密漁者が特定できたとしても、監視員が、密漁者を取り押さえるための行動を支援することはできなかった。
本発明は、夜間の漁場に、現場監視員、一般漁師、および密漁者が混在する場合でも、現場監視員の位置を適切に把握し、現場監視員に適切な指示を行わせること、並びに、密漁者の密漁行為の記録を残すことを支援する、密漁監視支援システムおよび密漁監視支援方法を提供することを目的とする。
本発明に係る密漁監視支援方法において、夜間の漁場において、監督監視員が、漁場に位置する現場監視員の位置を把握し、現場監視員に指示することを支援する密漁監視支援方法であって、前記現場監視員が、赤外線光または近赤外線光を発光または反射することが可能な携帯具を携帯し、前記監督監視員および前記現場監視員が、少なくとも前記監督監視員から前記現場監視員に通話が可能な携帯通信端末を携帯し、前記携帯具が発光または反射した光をカメラ装置で撮像し、前記カメラ装置が撮影した画像を、表示装置で、前記監督監視員に表示し、前記監督監視員が、前記表示装置に表示された画像に基づいて、前記携帯通信端末を用いて、前記現場監視員に指示を行う。
上記密漁監視支援方法において、前記カメラ装置により、前記現場監視員の像を含む密漁者の像を一定時間にわたり撮像した画像を記憶装置に記憶することにより、前記密漁者の密漁行為を含む画像を前記記憶装置に記憶する構成とすることができる。
本発明によれば、現場監視員が携帯する携帯具が発光または反射する赤外線光または近赤外線光をカメラ装置で撮像し、その画像を監督監視員に表示することができるため、監督監視員は、夜間の漁場に、現場監視員、一般漁師、および密漁者が混在する場合でも、現場監視員の位置を適切に把握することができ、携帯通信端末を介して、現場監視員に適切に指示することを支援することができる。また、密漁者の密漁行為を画像により残しておくことが可能となる。
第1実施形態に係る密漁監視支援システムの概要図である。 第1実施形態に係るカメラ装置および情報処理端末の構成図である。 第2実施形態に係る密漁監視支援システムの概要図である。 フリッカーおよび反射材の視認性試験の結果を説明するための図である。 夜間の漁場での模擬試験において、カメラ装置で撮像した画像の一例を示す図である。 携帯型投光器を用いた場合の視認性試験の結果を説明するための図である。
以下に、図に基づいて、本発明に係る密漁監視支援システムおよび密漁監視支援方法の実施形態について説明する。本実施形態では、夜間に、漁の許可を受けている漁師に紛れて、漁の許可のない者(以下、密漁者という)が密漁を行っていないかを監視し、密漁者を取り押さえることを支援するためのシステムである。なお、本実施形態で監視対象とする漁は、シラスウナギなどを対象として、浅瀬の漁場において人が実際に浅瀬に立ち入って(体の一部(下半身)を海に浸して)、または、人が浅瀬周辺の陸に立って、漁場である浅瀬に仕掛けた網などの漁具を用いて行う漁であり、密漁船などの船舶を用いた漁は対象としないものとする。
従来、浅瀬の漁場においては、密漁者がたとえば数十名以上の漁師に紛れ込んで密漁を行うため、複数の監視員(専門の監視員でもよいし、漁師が監視員を兼任してもよい)が目視で密漁者を監視していた。密漁者は、夜間に漁師と同様の恰好および動作で漁を行うため、夜間における密漁者の行動パターンを画像解析などして密漁者を特定することは困難であったが、従来より、経験ある漁師は、密漁者の漁具や動作などから総合的に判断して、密漁者を目視で特定することができた。
一方、従来は、一人の監視員が密漁者を発見した場合に、トランシーバーなどを用いて他の監視員と情報をやり取りし、複数の監視員で密漁者を囲い込み、密漁者を取り押さえていた。しかしながら、夜間の漁場は暗いため、他の監視員との連携が難しく、密漁者を逃がしてしまう場合もあった。また、密漁者を追い詰める際に、密漁者が怪我をしてしまう、あるいは溺れてしまうなどの危険もあった。さらに、監視員や密漁者等の行動を証拠として記録するニーズもあった。
このような点から、本発明は、漁場から遠隔に位置する監督監視員が、漁場に位置する複数の現場監視員の位置を適切に把握することができ、現場監視員に適切に指示を行えるように支援することで、密漁者を効果的に囲い込み、取り押さえること可能とする、密漁監視支援システムおよび密漁監視支援方法を提供することを特徴とする。また、本発明では、一定の時間(たとえば、数分ないし数十分間)における密漁者の行動を現場監視員と共に撮像し記録することで、密漁行為を映像で記録することも特徴とする。
なお、本実施形態においては、漁場で密漁者を取り押さえる現場監視員と、事務所などに待機し現場監視員に指示を行う監督監視員とで、密漁者の監視を行うものとする。なお、現場監視員は、密漁者から監視員であることがばれないように、一般の漁師と同じような格好(たとえば、ヘッドライトや獲物を入れる網などの道具を持った格好)に偽装して漁を行っているものとする。
《第1実施形態》
図1は、第1実施形態に係る密漁監視支援システム1の概要図である。図1に示すように、本実施形態に係る密漁監視支援システム1は、カメラ装置10、情報処理端末20、携帯通信端末30およびフリッカー40を有している。以下に、本実施形態に係る密漁監視支援システムの各構成について説明する。
図2は、第1実施形態に係るカメラ装置10および情報処理端末20の構成図である。カメラ装置10は、図2に示すように、赤外線カメラ11、可視光カメラ12、カメラ制御部13、およびカメラ通信部14を有している。本実施形態において、カメラ装置10は、漁場および漁場周辺を撮像するように設定されており、見晴らしの良い高台、たとえば海抜50メートルなどの高さの避難タワーなどに設置され、漁場をある程度俯瞰して撮影することが可能となっている。なお、カメラ装置10は、所定の位置に固設される固定式としてもよいし、搬送可能な可搬型とすることもできる。
赤外線カメラ11は、赤外線光または近赤外線光を受光し、受光した光に応じた画像を撮像する。赤外線カメラ11の撮像範囲は特に限定されないが、たとえば400メートルまでの範囲を、好ましくは500メートルまでの範囲を、より好ましくは1000メートルまでの範囲を撮像し、被写体を把握することが可能な解像度を有することが好ましい。赤外線カメラが受光可能な光の波長は、赤外線光または近赤外線光に該当する波長であれば特に限定されないが、たとえば、赤外線光として940nmの波長の光を受光可能な構成としてもよいし、あるいは、近赤外線光として850nmの波長の赤外線光を受光可能な構成としてもよい。また、赤外線カメラ11は、ズームや露光時間、ISO感度(ゲイン)を適宜変更することが可能となっている。本実施形態では、このようなカメラ装置10として、2眼式サーマルカメラ装置(たとえばAXIS社製の製品名Q8685-LE)を用いるものとする。
本実施形態において、赤外線カメラ11は、夜間の漁場を撮像することで、現場監視員が携帯するフリッカー40が発光する赤外線光または近赤外線光を受光し、撮像することができる。特に、本実施形態では、カメラ制御部13が、赤外線カメラ11の撮像画像に基づいて、フリッカー40(赤外線光または近赤外線光)を自動で検出し、赤外線カメラ11をフリッカー40に追従させて駆動する機能を有することもできる。
また、可視光カメラ12は、可視光を受光し、受光した可視光に基づいて画像を撮像する。なお、本実施形態においては、可視光カメラ12を用いて、昼間における密漁者や密漁船の監視を行うことができるが、可視光カメラ12を省略することもできる。また、カメラ装置10は、カメラ通信部14を有し、無線通信または有線通信により、情報処理端末20と通信可能となっており、赤外線カメラ11または可視光カメラ12で撮像した画像または映像を、情報処理端末20へと送信可能となっている。
情報処理端末20は、ディスプレイを有するパソコン、タブレット、スマートフォンなどの情報端末である。本実施形態において、情報処理端末20は、漁場から携帯通信端末30で通信可能な距離にある事務所内に設置され、監督監視員によって利用されるが、タブレットやスマートフォンなどの携帯端末とした場合には、監督監視員は外に持ち運んで利用することもできる。
情報処理端末20は、図2に示すように、端末通信部21、端末制御部22、ディスプレイ23、入力部24、および記憶部25を有する。入力部24は、キーボードやタッチパネルなどが例示される。情報処理端末20は、端末通信部21を介して、カメラ装置10と通信可能となっており、端末制御部22は、カメラ装置10から受信した画像をディスプレイ23に表示する。これにより、監督監視員は、カメラ装置10が撮像した画像または映像を確認することができる。ここで、カメラ装置10から受信した画像をディスプレイ23に表示する際に、画像処理により検出したフリッカー40からの赤外線光または近赤外線光を強調表示することで、現場監督監視員の位置の視認性を高めてもよい。
また、情報処理端末20は、監督監視員が入力部24を介して入力した指示を、カメラ装置10へと送信することで、カメラ装置10の操作を行うことが可能となっている。さらに、情報処理端末20は、端末通信部21を介して、カメラ装置10が撮像した画像または映像を受信し、受信した画像または映像を記憶部25に記憶し、記憶した画像または映像を外部の記憶媒体に出力することもできる。
携帯通信端末30は、トランシーバー、携帯電話機、スマートフォンなどの情報通信端末であり、一方向または双方向に通話が可能な装置である。本実施形態では、監督監視員および現場監視員が携帯通信端末30を携帯し、少なくとも監督監視員から現場監視員に、指示などの通話ができるように構成される。なお、現場監視員は、携帯通信端末30として、監督監視員から送信される音声信号を受信し、音声として出力するイアホンを携帯する構成としてもよい。
フリッカー40は、所定の発光パターンで発光を行う携帯可能な機器である。本実施形態において、フリッカー40は、赤外線光(不可視光)または近赤外線光(可視光、赤色に見える)を発光する機器であれば、発光する光の波長は特に限定されず、たとえば、波長940nmの赤外線光や、波長850nmの近赤外線光を発光することが可能となっている。
本実施形態では、現場監視員が、フリッカー40を携帯する。特に、本実施形態において、現場監視員は、監視だけを行うのではなく、漁も実際に行うため、フリッカー40は、現場監視員が着用するジャケットなどに取り付け可能であることが好ましい。また、フリッカー40をポケットに収容しても、フリッカー40の光がポケットの生地などを透過することができる場合には、フリッカー40をポケットなどに収容できるサイズとすることが好ましい。さらに、フリッカー40をポケットに収容する場合には、フリッカー40は防水機能を有する構成とすることが好ましい。なお、フリッカー40の形状は、特に限定されないが、たとえば、棒状とすることができる。
フリッカー40は、所定の発光パターン(所定の輝度、波形、周波数および/または点滅パターン)で発光することが可能であり、発光パターンを適宜変更することもできる。フリッカー40の発光パターンの変更方法は、特に限定されず、たとえばフリッカー40が備えるスイッチを切り替えることで、あるいは、フリッカー40が情報処理端末20と通信あるいは接続し、情報処理端末20から入力することで、フリッカー40が記憶するプログラムにより、フリッカー40の発光パターンを変更する構成とすることができる。なお、フリッカー40の輝度調整を、赤外線光をカット可能なフィルムを用いて調整する構成としてもよい。
本実施形態では、現場監視員は複数の班に分かれて監視を行っており、班ごとに、フリッカー40の発光パターンを設定する。これにより、監督監視員は、情報処理端末20のディスプレイに映し出されたフリッカー40の発光パターンから、どの班が漁場のどのあたりにいるかを把握することができる。また、当該構成に限定されず、現場監視員ごとに異なる発光パターンを設定することで、監督監視員が、各現場監視員の位置を特定可能とする構成とすることもできる。
(密漁監視支援方法)
次に、本実施形態に係る密漁監視支援システム1を用いた密漁監視支援方法について説明する。図1に示すように、本実施形態では、監督監視員が事務所に駐在し、複数の現場監視員が漁場で漁師として漁をしながら点在する。また、監督監視員および現場監視員は、携帯通信端末30をそれぞれ携帯しているとともに、現場監視員はさらにフリッカー40を携帯している。
密漁者が漁場に紛れ込んでいる場合、密漁者が漁師と同様に漁を行うため、画像解析などで密漁者を特定することは困難である。そのため、本実施形態においても、従来と同様に、現場監視員が、その経験に基づいて、密漁者を目視で特定する。従来でも、現場監視員は、たとえば3つの班に分かれ、密漁者を特定した場合には、3つの班で密漁者を囲い込むように、他の現場監視員とトランシーバーなどで連絡を取り合い、密漁者の取り押さえを試みていた。しかしながら、暗い夜間の漁場では、現場監視員が他の現場監視員の位置を的確に把握することができないため、連携が上手に行かず、密漁者を適切に取り押さえられないという問題があった。また、監督監視員が、現場監視員に指示を行い、密漁者の取り押さえを指示する場合もあったが、同様に、暗闇のため、現場監視員の位置を的確に把握することができず、的確な指示を行うことができないという問題があった。
これに対して、本実施形態に係る密漁監視支援方法では、カメラ装置10により、漁場の撮像が行われ、撮像された画像が、情報処理端末20のディスプレイに表示される。カメラ装置10は、赤外線カメラ11を有しており、フリッカー40が発光する赤外線光または近赤外線光を受光し、受光した光に応じた画像を撮像するため、監督監視員は、情報処理端末20のディスプレイに表示された画像に基づいて、フリッカー40を携帯する現場監視員の位置を確認することができる。
そのため、本実施形態では、以下のように、密漁者を取り押さえすることが可能となる。すなわち、現場監視員が密漁者を発見した場合、当該現場監視員は携帯通信端末30を介して密漁者の情報を監督監視員および他の現場監視員に伝える。監督監視員は、情報処理端末20のディスプレイに表示される画像を参照し、密漁者を発見した現場監視員の位置(フリッカー40の位置)を適切に把握する。これにより、監督監視員は、携帯通信端末30を介して、各班の現場監視員に、密漁者の囲い込みを行わせ、密漁者を取り押さえるように指示を行う。具体的には、監督監視員は、現場監視員を3班に分けておき、密漁者を3方向から囲い込むように指示することで、密漁者の取り押さえを行うことができる。また、本実施形態では、監督監視員が、情報処理端末20の入力部24を介して、カメラ装置10のアングルやズームを操作することができるため、監督監視員は、密漁者の密漁の行為を記録するように、あるいは、密漁者を撮影するように、カメラ装置10を操作して、現場監視員や密漁者等の行動を証拠として記録することもできる。
以上のように、本実施形態に係る密漁監視支援システム1は、夜間において、監督監視員が、漁場に点在する現場監視員の位置を把握し、現場監視員に指示することを可能とするシステムであって、現場監視員が携帯し、赤外線光または近赤外線光を発光することが可能なフリッカー40と、フリッカー40が発光した光を受光し画像を撮像するカメラ装置10と、カメラ装置10が撮影した画像を受信し、監督監視員に表示する情報処理端末20と、監督監視員および現場監視員が携帯し、監督監視員から現場監視員に通話が可能な携帯通信端末30と、を有しており、これにより、監督監視員は、一般漁師および密漁者が混在する夜間の暗い漁場においても、現場監視員の位置を適切に把握することでき、現場監視員に適切な指示を行うことができる。その結果、現場監視員は、監督監視員の指示に基づいて動くことで、密漁者を適切に監視、取り押さえることができる。
また、本実施形態に係る密漁監視支援システム1では、フリッカー40は、発光する光の波長や点滅パターンなどの発光パターンを変更可能であるため、班ごとに、あるいは、現場監視員ごとに発光パターンを変えることで、監督監視員は、現場監視員を特定することができ、より適切な指示を行うことが可能となる。
さらに、本実施形態では、カメラ装置10で撮像した現場監視員や密漁者等の行動を情報処理端末20で記憶することができるため、現場監視員や密漁者等の行動を証拠として適切に残すことが可能となる。密漁者による密漁行為は、現行犯逮捕が必要であるが、密漁者が獲物や道具を投棄することもあるため、密漁者が密漁している行動を撮像して記録することは重要である。密漁者単体では、撮像画像から密漁行動を認識することは難しいが、フリッカー40の発光により特定が容易な現場監視員と共に密漁者の行動を撮像することで、密漁者の密漁行動を認識可能に記録することが可能となる。
また、密漁者が怪我をした場合などのために、現場監視員が適切な行動を取っていたことの証拠を画像または映像で記録することも重要である。
また、カメラ装置10は、遠隔から操作可能であり、たとえば事務所に駐在する監督監視員が、外の高台に設置されたカメラ装置10を遠隔で操作することで、密漁者の行動や密漁者の像等を適切に、カメラ装置10に撮像させ、証拠として記録することができる。
≪第2実施形態≫
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図3は、第2実施形態に係る密漁監視支援システム1aを示す概要図である。第2実施形態に係る密漁監視支援システム1aは、現場監視員がフリッカー40の代わりに反射材50を携帯していること、および、投光装置60をさらに有すること以外は、第1実施形態に係る密漁監視支援システム1と同じである。
反射材50は、赤外線光または近赤外線光を反射する部材であり、現場監視員の衣服や漁具に貼付などすることで、現場監視員により携帯される。本実施形態において、現場監視員は、密漁の監視だけではなく、漁も実際に行うため、反射材50は、防水機能を有する部材であることが好ましい。
投光装置60は、赤外線LEDランプなど、赤外線光(たとえば波長940nm)または近赤外線光(たとえば波長850nm)を漁場に向けて投光するための照明装置である。投光装置60が投光する光の強度は、特に限定されないが、本実施形態では、1メートル先において約400W/m、500メートル先において0.0016W/m(計算値)とするものとする。また、投光装置60における照射角、光の強度、サイズなどは、監視する漁場の環境や漁場の広さ、漁の種類などに応じて、適宜変更することができる。投光装置60により投光された赤外線光または近赤外線光は、漁場に点在する現場監視員の反射材50により反射され、その反射光がカメラ装置10により撮像される。また、投光装置60は、カメラ装置10と接続され、赤外線カメラ11の向きと連動し、赤外線光または近赤外線光の投光方向を変更可能な構成とすることもできる。さらに、投光装置60は、情報処理端末20と通信するための通信部を備え、情報処理端末20からの指示に基づいて、光を投光する向きや範囲を自在に制御可能な構成とすることができる。また、投光装置60は、所定の位置に固設される固定式であってもよいし、搬送可能な可搬式であってもよい。
(フリッカー40および反射材50の視認性試験)
次に、本発明の実施例について説明する。本実施例では、赤外線LEDライトである投光装置60により赤外線光を投光し、2名の現場監視員にフリッカー40と反射材50とを身に着けてもらい、カメラ装置10(赤外線カメラ11)で投光したエリアを撮像した場合に、情報処理端末20にどのような画像が表示されるかを確認した。図4は、本実施例においてカメラ装置10で撮像した画像の一例を示す図である。なお、図4に示す例では、2人の現場監視員は、カメラ装置10および投光装置60から311メートル離れた位置に立ってもらった。また、画像左側の現場監視員には、反射材50を貼付した襷をかけてもらい、画像右側の現場監視員には、反射材50を貼付したジャケットを着用してもらった。
図4は、フリッカー40および反射材50の視認性試験の結果を説明するための図である。図4に示すように、フリッカー40を発光させることで、カメラ装置10の画像上で、フリッカー40の発光を捉えることができ、フリッカー40を携帯する現場監視員の位置を適切に把握することができた。また、図4に示すように、投光装置60で赤外線光を投光し、反射材50で反射した反射光も、カメラ装置10の画像上で捉えることができ、反射材50を携帯する現場監視員の位置を適切に把握することができることができた。なお、本実施例では、赤外線光を用いて試験を行ったため、目視上では、2つの現場監視員が携帯するフリッカー40および反射材50を認識することはできなかった。
(実際の漁場での模擬試験)
実際の漁場において、複数の現場監視員のうち一人に密漁者役を演じてもらい、カメラ装置10で漁場を撮像し、情報処理端末20に表示される画像を確認した。図5は、模擬試験において撮像された画像を示す図である。なお、図5(A)は、カメラ装置10をズームアウトして漁場全体を撮像した画像であり、図5(B)は、カメラ装置10をズームインして現地監視員および密漁者役の周辺を拡大して撮像した画像である。なお、図5においては、画像左側の現地監視員にフリッカー40を持ってもらい、画像右側の現地監視員に反射材50を付けてもらった。さらに、図5に示す例では、漁場から約500メートルの距離にある高台にカメラ装置10および投光装置60を設置し、投光装置60により漁場に赤外線光を投光した。
図5(B)に示すように、投光装置60で赤外線光を投光することで、フリッカー40での赤外線光の発光に加えて、反射材50で赤外線光が反射され、フリッカー40および反射材50の箇所だけではなく、その周辺箇所も明るくなり、現地監視員や密漁者の像をある程度確認することができることがわかった。また、図5(A)に示すように、漁場全体を映した場合も、フリッカー40および反射材50により、各現地監視員がどこに位置するかを把握することができることがわかった。このように、現地監視員が携帯するフリッカー40および反射材50は、暗い夜間の漁場においても、良好に確認することができることがわかった。また、フリッカー40の発光パターンも良好に認識することができ、発光パターンに基づいて現地監視員(あるいは現地監視員が属する班)を特定することが可能であることがわかった。なお、図5(B)に示すように、密漁者が上半身まで覆うウェットスーツを着用している場合には、密漁者の周辺にフリッカー40や反射材50がある場合でも、密漁者における赤外線光の反射が弱くなり、視認性が低くなってしまうことがわかったが、ウェダーと呼ばれる胴付き長靴を着用している場合には、上半身が見えるため、視認性も良好で、所作も捉えやすかった。
(携帯型投光器による密漁者の視認性試験)
上述した実施形態の構成に加えて、現場監視員に、フリッカー40よりも輝度の高い携帯型の赤外線LEDランプなどの投光器(以下、携帯型投光器)を携帯させて、密漁者に対して赤外線光または近赤外線光を投光させる構成とした場合の、密漁者の視認性試験を行った。図6(A)は、携帯型投光器で投光を行っていない場合のカメラ装置10の撮像画像を示し、図6(B)は、携帯型投光装置により投光した場合のカメラ装置10の撮像画像を示す。図6に示すように、現地監視員に、携帯型投光器で投光を行わせることで、密漁者などの人物を暗闇でも確認することができることがわかった。そのため、たとえば、投光装置60から投光される赤外線光だけでは密漁者の像まで撮像することが困難な場合に、監督監視員が、現地監視員に連絡を取り、現地監視員に携帯型投光器により赤外線光をさらに投光させることで、密漁者の像まで明確な画像を撮像、記録するとことができる。
以上、本発明の好ましい実施形態例について説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態の記載に限定されるものではない。上記実施形態例には様々な変更・改良を加えることが可能であり、そのような変更または改良を加えた形態のものも本発明の技術的範囲に含まれる。
たとえば、上述した実施形態では、情報処理端末20にカメラ装置10が撮像した画像や映像を記憶する構成を例示したが、この構成に限定されず、たとえば、情報処理端末20から、事務所内またはクラウド上などのサーバーに画像または映像を送信することで、サーバーに画像や映像を記憶する構成とすることができる。また、カメラ装置10も、カメラ装置10が撮像した画像や映像を記憶する機能を有する構成とすることもできる。
また、上述した実施形態に加えて、Wi-Fi(登録商標)ルーターなどの無線通信機器を備え、カメラ装置10で撮像した画像を、リアルタイムで、現場監視員が携帯する携帯通信端末30に送信することで、現場監視員に自分の位置や他の現場監視員の位置を把握させて、密漁者の取り押さえを支援する構成とすることができる。
さらに、上述した実施形態では、現地監視員がフリッカー40を有する構成、または、反射材50を有する構成を例示したが、この構成に限定されず、現地監視員がフリッカー40と反射材50とを兼用する構成とすることもできる。
加えて、上述した実施形態では、シラスウナギなどの、浅瀬の海で行う漁を例示して本発明を説明したが、本発明はこのような漁のみに適用されるものではなく、たとえば、鮎の稚魚などの川辺の漁においても適用することができる。
また、上述した実施形態では、カメラ装置10が、赤外線カメラ11および可視光カメラ12を有する構成を例示したが、この構成に限定されず、カメラ装置10が赤外線カメラ11のみを有する構成としてもよいし、あるいは、可視光カメラ12に赤外線フィルタを組み込むことで、夜間において、現場監視員が携帯する携帯具が発光または反射する赤外線光または近赤外線光をカメラ装置で撮像可能とする構成としてもよい。
1,1a…密漁監視支援システム
10…カメラ装置
11…赤外線カメラ
12…可視光カメラ
13…カメラ制御部
14…カメラ通信部
20…情報処理端末
21…端末通信部
22…端末制御部
23…ディスプレイ
24…入力部
25…記憶部
30…携帯通信端末
40…フリッカー
50…反射材
60…投光装置

Claims (2)

  1. 夜間の漁場において、監督監視員が、漁場に位置する現場監視員の位置を把握し、現場監視員に指示することを支援する密漁監視支援方法であって、
    前記現場監視員が、赤外線光または近赤外線光を発光または反射することが可能な携帯具を携帯し、
    前記監督監視員および前記現場監視員が、少なくとも前記監督監視員から前記現場監視員に通話が可能な携帯通信端末を携帯し、
    前記携帯具が発光または反射した光をカメラ装置で撮像し、
    前記カメラ装置が撮影した画像を、表示装置で、前記監督監視員に表示し、
    前記監督監視員が、前記表示装置に表示された画像に基づいて、前記携帯通信端末を用いて、前記現場監視員に指示を行う、密漁監視支援方法。
  2. 前記カメラ装置により、前記現場監視員の像を含む密漁者の像を一定時間にわたり撮像した画像を記憶装置に記憶することにより、前記密漁者の密漁行為を含む画像を前記記憶装置に記憶する、請求項に記載の密漁監視支援方法。
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