JP7841385B2 - アンテナおよび非接触型データ受送信体 - Google Patents

アンテナおよび非接触型データ受送信体

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Description

本発明は、アンテナおよび非接触型データ受送信体に関する。
流通管理などを目的として、RFIDタグなどの非接触型データ受送信体が用いられている(例えば、特許文献1を参照)。非接触型データ受送信体は、例えば、基材と、メアンダ形状の放射素子を有するアンテナとを備える。非接触型データ受送信体は、管理対象となる物品に設置される。
特許第4813344号公報
前述のアンテナでは、例えば、非接触型データ受送信体が設置された物品に変形が生じることなどによって、放射素子に外力が加えられることがある。そのため、外力による放射素子の断線を原因として通信性能が低下するのを防ぐことが求められている。
本発明の一態様は、外力が加えられた場合でも通信性能を保つことができるアンテナおよび非接触型データ受送信体を提供することを課題とする。
本発明の一態様は、放射素子を有するアンテナであって、前記放射素子は、主方向に間隔をおいて並んで配置され、前記主方向に交差して延在する複数の主延在部と、複数の前記主延在部のうち隣り合う前記主延在部の一端どうしおよび他端どうしを交互に接続する複数の折返し部と、により蛇行形状とされた線状体によって形成され、複数の前記折返し部のうち少なくとも1つは、前記線状体が1回以上巻回されたらせん状の巻回部を有し、前記巻回部は、らせん軸方向に隣り合う前記線状体の少なくとも一部が互いに導通可能に接触している、アンテナを提供する。
前記線状体は、導電性のメッキが施されていることが好ましい。
本発明の一態様は、前記アンテナと、前記アンテナが設けられる基材と、前記基材に設けられたICチップと、を備えた非接触型データ受送信体を提供する。
前記非接触型データ受送信体は、前記アンテナ、前記基材および前記ICチップを挟み込む被覆材をさらに備えてもよい。
本発明の一態様によれば、外力が加えられた場合でも通信性能を保つことができるアンテナおよび非接触型データ受送信体を提供することができる。
第1実施形態に係る非接触型データ受送信体の平面図である。 第1実施形態に係る非接触型データ受送信体の基材の平面図である。 第1実施形態に係るアンテナの放射素子の平面図である。 第1実施形態に係るアンテナの放射素子の一部の斜視図である。 (A)第1実施形態に係るアンテナの放射素子の一部の平面図である。(B)放射素子の一部の側面図である。 (A)第1実施形態に係るアンテナの放射素子の一部の平面図である。(B)放射素子の一部の側面図である。 (A)断線が生じた放射素子の一部の平面図である。(B)断線が生じた放射素子の一部の側面図である。 第2実施形態に係る非接触型データ受送信体の平面図である。 放射素子および被覆材の一部断面を示す模式図である。 放射素子および被覆材の一部断面の拡大図である。 第2実施形態に係る非接触型データ受送信体が物品に設置された状態の一部断面を示す模式図である。 第2実施形態に係るアンテナの放射素子の一部の平面図である。 試験結果を示す図である。
[非接触型データ受送信体](第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る非接触型データ受送信体10の平面図である。図2は、基材11の平面図である。
図1に示すように、非接触型データ受送信体10は、基材11と、第1実施形態に係るアンテナ12と、ICチップ13と、を備える。
図2に示すように、基材11は、矩形板状に形成されている。基材11は、例えば、長方形状とされている。基材11の一方の面を第1主面11aという。
以下の説明において、XYZ直交座標系を用いることがある。図2に示すように、X方向は第1主面11aの長手方向である。X方向は「主方向」の一例である。Y方向は第1主面11aの短手方向である。Y方向は第1主面11aに沿う面内においてX方向と直交する。Z方向はX方向およびY方向に直交する方向である。Z方向から見ることを平面視という。X方向およびY方向に沿う平面をXY平面という。
図2における右方はX方向の一方の向き(+X方向)である。図2における左方は+X方向とは反対の向き(-X方向)である。図2における上方はY方向の一方の向き(+Y方向)である。図2における下方は+Y方向とは反対の向き(-Y方向)である。図2における紙面手前方向はZ方向の一方の向き(+Z方向)である。図2における紙面奥方向は+Z方向とは反対の向き(-Z方向)である。
基材11としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル樹脂からなる基材;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン樹脂からなる基材;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ4フッ化エチレンなどのポリフッ化エチレン系樹脂からなる基材;ナイロン6、ナイロン6,6などのポリアミド樹脂からなる基材;ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ビニロンなどのビニル重合体からなる基材;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチルなどのアクリル系樹脂からなる基材;ポリスチレンからなる基材;ポリカーボネート(PC)からなる基材;ポリアリレートからなる基材;ポリイミドからなる基材;上質紙、薄葉紙、グラシン紙、硫酸紙などの紙からなる基材などが用いられる。
ICチップ13は、基材11の第1主面11aに設けられている。ICチップ13は、第1主面11aのX方向のほぼ中央に位置する。ICチップ13は、特に限定されず、アンテナ12を介して非接触で情報の書き込みおよび読み出しが可能であればよい。
[アンテナ](第1実施形態)
図1に示すように、アンテナ12は、マッチング回路16と、放射素子17,18とを備える。
図2に示すように、マッチング回路16は、ループ状の閉回路20を有する。閉回路20は、第1配線21と、第2配線22とを備える。マッチング回路16は、パターン形状によってインピーダンスの調整が可能である。マッチング回路16は「回路」の一例である。
第1配線21は、第1経路23と、第2経路24とを備える。
第1経路23の一端23aはICチップ13に電気的に接続されている。第1経路23の他端23bは第1接続箇所25に電気的に接続されている。第2経路24の一端24aはICチップ13に電気的に接続されている。第2経路24の他端24bは第2接続箇所26に電気的に接続されている。
第1接続箇所25は、ICチップ13に対して-X方向側に離れて位置する。第2接続箇所26は、ICチップ13に対して+X方向側に離れて位置する。第1接続箇所25は、第1経路23の他端23bと第2配線22の一端22aとを電気的に接続する。第2接続箇所26は、第2経路24の他端24bと第2配線22の他端22bとを電気的に接続する。
第2配線22の一端22aは第1接続箇所25と電気的に接続されている。第2配線22の他端22bは第2接続箇所26と電気的に接続されている。第2配線22は、接続箇所25,26の一方(第1接続箇所25)から他方(第2接続箇所26)にかけて形成されている。
マッチング回路16は、基材11の第1主面11aに、ポリマー型導電インクを用いて、スクリーン印刷、インクジェット印刷などの印刷法により形成することができる。マッチング回路16は、導電性箔によって形成してもよい。マッチング回路16は、金属メッキによって形成してもよい。
ポリマー型導電インクは、例えば、銀粉末、金粉末、白金粉末、アルミニウム粉末、パラジウム粉末、ロジウム粉末、カーボン粉末(カーボンブラック、カーボンナノチューブなど)などの導電微粒子と、樹脂組成物とを含む。樹脂組成物としては、例えば、熱硬化型、光硬化型、浸透乾燥型、溶剤揮発型などの樹脂組成物を使用できる。
マッチング回路16をなす導電性箔としては、銅箔、銀箔、金箔、白金箔、アルミニウム箔などが挙げられる。マッチング回路16をなす金属メッキとしては、銅メッキ、銀メッキ、金メッキ、白金メッキなどが挙げられる。
図1に示すように、放射素子17,18の平面視形状は、概略、メアンダ形状(蛇行形状)である。放射素子17,18のうち一方である第1放射素子17は、第1接続箇所25から蛇行しつつ-X方向に延出する。放射素子17,18のうち他方である第2放射素子18は、第2接続箇所26から蛇行しつつ+X方向に延出する。
放射素子17,18は、導電性の線状体19によって形成される。放射素子17,18は、例えば、スチール、ステンレス鋼、銅、銅合金などの金属で形成されている。放射素子17,18は、例えば、硬鋼線、銅合金線などで形成することが好ましい。線状体19の表面は導電性を有する。
放射素子17,18を構成する線状体19は、表面に導電性メッキが施されていてもよい。導電性メッキとしては、ニッケルメッキ、銅メッキ、銀メッキ、金メッキ、白金メッキ、真鍮メッキなどの金属メッキが挙げられる。導電性メッキは、線状体19の表面の導電性を高めることができる。
導電性メッキのうちニッケルメッキは、線状体19の加工性の点で利点がある。例えば、巻回部33を形成するには、予め導電性メッキを施した直線状の線状体19を、フォーミング加工などにより曲げを加えて巻回部33の形状とする。導電性メッキとしてニッケルメッキを採用すると、巻回部33を形成する際に、線状体19の表面の滑り性を高めることができる。そのため、巻回部33の曲げ加工が容易となる。
第1放射素子17は、(i)半田付け、(ii)ハトメまたはカシメ留め、(iii)超音波接合、などによって、第1接続箇所25に電気的に接続するとともに、第1接続箇所25に固定することができる。第2放射素子18は、(i)半田付け、(ii)ハトメまたはカシメ留め、(iii)超音波接合、などによって、第2接続箇所26に電気的に接続するとともに、第2接続箇所26に固定することができる。
以下、放射素子17,18の形状について詳しく説明する。
図3は、第1放射素子17の平面図である。図4は、第1放射素子17の一部の斜視図である。
図3に示すように、第1放射素子17は、基延出部30と、複数の主延在部31と、複数の折返し部32とを備える。
基延出部30は、第1接続箇所25から-X方向に延出する(図2参照)。
主延在部31は、Y方向に沿う直線状とされている。主延在部31の延在方向(Y方向)は、X方向に交差する方向である。複数の主延在部31は、互いにほぼ平行である。複数の主延在部31は、X方向(主方向)に間隔をおいて、X方向に並んで配置されている。この実施形態では、主延在部31の数は14である。これらの主延在部31を、第1接続箇所25に近い主延在部31から並び順(-X方向の順)に、第1~第14主延在部31(31A~31N)という。第1主延在部31Aは、基延出部30の先端から-Y方向に延出する。
折返し部32は、X方向に隣り合う主延在部31を接続する。この実施形態では、折返し部32の数は13である。これらの折返し部32を、第1接続箇所25に近い折返し部32から並び順(-X方向の順)に、第1~第13折返し部32(32A~32M)という。第n折返し部32は、第n主延在部31と、第n+1主延在部31とを接続する(nは1以上の整数)。
複数の折返し部32は、複数の主延在部31のうち隣り合う主延在部31の一端どうしおよび他端どうしを交互に接続する。詳しくは、第m折返し部32は、第m主延在部31の一端(-Y方向の端)と、第m+1主延在部31の一端(-Y方向の端)とを接続する(mは1以上の奇数)。第m+1折返し部32は、第m+1主延在部31の他端(+Y方向の端)と、第m+2主延在部31の他端(+Y方向の端)とを接続する。
例えば、第1折返し部32Aは、第1主延在部31Aの一端(-Y方向の端)と、第2主延在部31Bの一端(-Y方向の端)とを接続する。第2折返し部32Bは、第2主延在部31Bの他端(+Y方向の端)と、第3主延在部31Cの他端(+Y方向の端)とを接続する。第3折返し部32Cは、第3主延在部31Cの一端(-Y方向の端)と、第4主延在部31Dの一端(-Y方向の端)とを接続する。
第4、第6、第8、第10、第12折返し部32D,32F,32H,32J,32Lは、第2折返し部32Bと同様に、隣り合う主延在部31の他端(+Y方向の端)どうしを接続する。第5、第7、第9、第11、第13折返し部32E,32G,32I,32K,32Mは、第1折返し部32Aおよび第3折返し部32Cと同様に、隣り合う主延在部31の一端(-Y方向の端)どうしを接続する。
このように、複数の折返し部32は、隣り合う主延在部31の一端どうしおよび他端どうしを交互に接続するため、第1放射素子17は、全体として蛇行形状となっている。
第1放射素子17は、蛇行形状とされているため、形状可変性を有する。第1放射素子17は、例えば、X方向に沿って基材11に対して離間または接近する方向の外力が作用したとき、その外力に応じてX方向に伸縮可能である。
図4に示すように、折返し部32は、巻回部33を有する。巻回部33は、平面視において円形状とされている。
例えば、第1折返し部32Aの巻回部33(第1巻回部33A)は、第1主延在部31Aの一端31Aa(-Y方向の端)を始点とし、第2主延在部31Bの一端31Ba(-Y方向の端)を終点とするらせん状に形成されている。第1巻回部33Aは、Z方向に沿うらせん軸(図示略)の周りを-Z方向に前進しつつ周回する。第1巻回部33Aは、右ねじ方向のらせん状とされている。
第1巻回部33Aは、第1周回部分34Aと半周回部分35Aとを有する1.5周回の構造を有する。第1周回部分34Aは、始点34Aa(一端31Aa)から延出し、1周回して、平面視において始点34Aaと重なる中間点34Abに至る部分である。第1周回部分34Aは、平面視において円形状とされている。中間点34Abは、始点34Aaに対して-Z方向側に位置する。
半周回部分35Aは、中間点34Abから延出し、終点(一端31Ba)に至る部分である。半周回部分35Aは、平面視において第1周回部分34Aと同心かつ同径の半円形状とされている。半周回部分35Aは、平面視において第1周回部分34Aと重なる。
第3、第5、第7、第9、第11、第13折返し部32C,32E,32G,32I,32K,32Mは、それぞれ、第1巻回部33Aと同様の構成の巻回部33(第3、第5、第7、第9、第11、第13巻回部33C,33E,33G,33I,33K,33M)を備える(図3参照)。
第2折返し部32Bの巻回部33(第2巻回部33B)は、第2主延在部31Bの他端31Bb(+Y方向の端)を始点とし、第3主延在部31Cの他端31Cb(+Y方向の端)を終点とするらせん状に形成されている。第2巻回部33Bは、Z方向に沿うらせん軸(図示略)の周りを+Z方向に前進しつつ周回する。第2巻回部33Bは、右ねじ方向のらせん状とされている。
第2巻回部33Bは、第1周回部分34Bと半周回部分35Bとを有する1.5周回の構造を有する。第1周回部分34Bは、始点34Ba(他端31Bb)から延出し、1周回して、平面視において始点34Baと重なる中間点34Bbに至る部分である。第1周回部分34Bは、平面視において円形状とされている。中間点34Bbは、始点34Baに対して+Z方向側に位置する。
半周回部分35Bは、中間点34Bbから延出し、終点(他端31Cb)に至る部分である。半周回部分35Bは、平面視において第1周回部分34Bと同心かつ同径の半円形状とされている。半周回部分35Bは、平面視において第1周回部分34Bと重なる。
第2巻回部33Bが+Z方向に前進しつつ周回するらせん状とされているのに対し、第1巻回部33Aは-Z方向に前進しつつ周回するらせん状である。そのため、第2巻回部33Bは、第1巻回部33Aとは巻き方向が異なる。
第4、第6、第8、第10、第12折返し部32D,32F,32H,32J,32Lは、それぞれ、第2巻回部33Bと同様の構成の巻回部33(第4、第6、第8、第10、第12巻回部33D,33F,33H,33J,33L)を備える(図3参照)。
第1、第3、第5、第7、第9、第11、第13折返し部32の巻回部33は、-Z方向に前進しつつ周回するらせん状である。第2、第4、第6、第8、第10、第12折返し部32の巻回部33は、+Z方向に前進しつつ周回するらせん状である。そのため、第1~第13折返し部32A~32Mのうち、隣り合う折返し部32は、巻回部33の巻き方向が異なる。
巻回部33は、らせん状であるためトーションバネとしての弾性を有する。巻回部33は弾性的に変形可能である。
第1放射素子17は、基延出部30の一部を除き、平面視において基材11の外に延出している(図1参照)。
第2放射素子18は、第1放射素子17と同様の構成である。基材11の長手方向の中央を通り、Y方向に沿う中央線を想定する。第1放射素子17と第2放射素子18とは、この中央線を対称軸とする線対称形である。第2放射素子18は、基延出部30の一部を除き、平面視において基材11の外に延出している(図1参照)。
放射素子17,18は、線状体19にフォーミング加工を施すことによって作製することができる。
図5(A)、図6(A)および図7(A)は、放射素子17の一部の平面図である。図5(B)、図6(B)および図7(B)は放射素子17の一部の側面図である。図5(A)~図7(B)は、放射素子17のうち第2巻回部33B(図4参照)を含む部分を示す。図5(A)および図5(B)に示すように、第2巻回部33Bは、Z方向に沿うらせん軸A1の周りを+Z方向に前進しつつ周回する形状である。
図6(A)に示すように、第2巻回部33Bは、第1周回部分34Bと半周回部分35Bとを含む1.5周回の構造を有する。第2主延在部31Bの他端31Bb(+Y方向の端)を含む部分は、平面視において第1周回部分34Bの終端(中間点34Bb)を含む部分と重なる。第1周回部分34Bのうち始点34Baから半周に相当する部分(図6(A)の上半周部分)は、平面視において半周回部分35Bと重なる。第1周回部分34Bのうち残りの半周に相当する部分(図6(A)の下半周部分)の始端を含む部分は、平面視において第3主延在部31Cの他端31Cb(+Y方向の端)を含む部分と重なる。
このように、第2巻回部33Bでは、図6(A)に網かけで表示した逆U字状の部分において、線状体19がZ方向(らせん軸A1の方向)に重なっている。この線状体19が重なった部分(網かけ部分)を「重なり部分36」という。
重なり部分36のうち、第2主延在部31Bの他端31Bb(+Y方向の端)を含む部分と、第1周回部分34Bの終端(中間点34Bb)を含む部分とが重なった部分を「第1部分R1」という。第1周回部分34Bのうち始点34Baから半周に相当する部分(図6(A)の上半周部分)と、半周回部分35Bとが重なった部分を「第2部分R2」という。第1周回部分34Bのうち残りの半周に相当する部分(図6(A)の下半周部分)の始端を含む部分と、第3主延在部31Cの他端31Cb(+Y方向の端)を含む部分とが重なった部分を「第3部分R3」という。
重なり部分36では、Z方向に隣り合う線状体19の少なくとも一部が互いに導電可能に接触している。詳しくは、例えば、第1部分R1では、Z方向に隣り合う線状体19の少なくとも一部が互いに導電可能に接触している。第2部分R2では、Z方向に隣り合う線状体19の少なくとも一部が互いに導電可能に接触している。第3部分R3では、Z方向に隣り合う線状体19の少なくとも一部が互いに導電可能に接触している。
重なり部分36は、第1~第3部分R1,R2,R3のうち少なくとも第1部分R1および第3部分R3において、隣り合う線状体19の少なくとも一部が互いに導電可能に接触していることが望ましい。
第1部分R1、第2部分R2および第3部分R3では、Z方向に隣り合う線状体19は、自らの曲げ弾性によって接触状態を維持する。
第1部分R1、第2部分R2および第3部分R3において隣り合う線状体19は、それぞれ全長にわたって互いに導通可能に接触していることが望ましいが、一部の長さ範囲のみが互いに導通可能に接触していてもよい。
第2主延在部31Bから第3主延在部31Cに向かう電流について説明する。第1部分R1および第3部分R3で隣り合う線状体19は互いに導通している。そのため、図6(A)に仮想線で示すように、第2主延在部31Bを流れる電流Iは、第1部分R1において、第2主延在部31Bから第1周回部分34Bの一部(図6(A)の下半周部分)に流れる。電流Iは、さらに、第3部分R3において、第1周回部分34Bから第3主延在部31Cに流れる。
非接触型データ受送信体10は、物品に設置される。非接触型データ受送信体10が設置される物品は、変形可能であってもよい。例えば、物品は、ゴム、樹脂などで構成される弾性体であってもよい。物品に伸び、収縮、曲げなどの変形が生じた場合、放射素子17,18に、外力が作用する可能性がある。例えば、放射素子17,18に、X方向に沿って基材11から離れる方向の引張力が作用することが考えられる。放射素子17,18に、X方向に沿って基材11に近づく方向(圧縮方向)の力が作用することも考えられる。放射素子17,18に、X方向に沿う軸の周りのねじれ方向の力が作用することも考えられる。放射素子17,18に、Y方向またはZ方向への曲げ(反り)方向の力が作用することも考えられる。
図7(A)および図7(B)に示すように、放射素子17に外力が加えられることなどによって、断線が生じたことを想定する。詳しくは、第2主延在部31Bの他端31Bb(+Y方向の端)において線状体19が断線したことを想定する。
第2主延在部31Bの他端31Bbに断線が生じた場合でも、第1部分R1において隣り合う線状体19の接触は維持される。そのため、第1部分R1において隣り合う線状体19は互いに導通可能である。したがって、第2主延在部31Bから第3主延在部31Cへの電流は維持される。詳しくは、図7(A)に仮想線で示すように、電流Iは、第1部分R1において、第2主延在部31Bから第1周回部分34Bの一部(図7(A)の下半周部分)に流れる。電流Iは、さらに、第3部分R3において、第1周回部分34Bから第3主延在部31Cに流れる。このように、アンテナ12では、線状体19が断線した場合でも、第2主延在部31Bから第3主延在部31Cへの電流を維持できる。
図5(A)~図7(B)では、第2巻回部33Bを例示したが、他の巻回部33についても第2巻回部33Bと同様の構造を採用できる。
[実施形態のアンテナおよび非接触型データ受送信体が奏する効果]
本実施形態のアンテナ12によれば、巻回部33は、Z方向に隣り合う線状体19の少なくとも一部が互いに導通可能に接触しているため、線状体19に断線が生じた場合でも導通を維持できる。そのため、アンテナ12の通信性能を保つことができる。
アンテナ12は、折返し部32がらせん状の巻回部33を有する。そのため、折返し部32の機械的強度を高め、折返し部32に応力耐性を付与することができる。したがって、放射素子17,18に外力が作用した場合に、折返し部32への応力集中を抑えることができる。よって、放射素子17,18の破損を起こりにくくすることができる。
巻回部33は、弾性変形可能であるため、放射素子17,18に外力が作用した場合に、応力を吸収することができる。そのため、アンテナ12では、放射素子17,18の基端部分(接続箇所25,26に接続された部分)に作用する応力を低くすることができる。よって、基端部分の破損を抑えることができる。
アンテナ12では、隣り合う折返し部32の巻回部33の巻き方向は異なる。例えば、第1巻回部33Aのらせん前進方向は-Z方向であり、第2巻回部33Bのらせん前進方向は+Z方向である(図4参照)。
放射素子17,18が載置される基準面(図示略)を想定する。第1巻回部33Aと第2巻回部33Bとは巻き方向が異なるため、第1巻回部33Aの終点(一端31Ba)と第2巻回部33Bの始点(他端31Bb)とは、基準面に近接して位置する(図4参照)。そのため、基準面に対する第2主延在部31Bの傾斜は小さくなる。他の主延在部31および巻回部33についても傾斜は小さくなる。このように、アンテナ12では、隣り合う巻回部33の巻き方向が異なることによって、主延在部31および巻回部33の傾斜は小さくなる。よって、放射素子17,18の厚み方向の寸法を抑えることができる。
比較形態として、隣り合う折返し部の巻回部の巻き方向が同じであるアンテナを想定する。このアンテナでは、第1巻回部の終点は基準面に近い位置にあり、第2巻回部の始点は基準面から離れて位置する。そのため、主延在部の傾斜は大きくなる。巻回部の傾斜も大きくなる。よって、放射素子の厚み方向の寸法は大きくなりやすい。
非接触型データ受送信体10は、アンテナ12を備えるため、アンテナ12と同様の効果を奏する。
[非接触型データ受送信体](第2実施形態)
図8は、第2実施形態に係る非接触型データ受送信体110の平面図である。図9は、放射素子17および被覆材40の一部断面を示す模式図である。図9は、図8にI-Iで示す部分の巻線部33の幅における断面の一部を示す図である。図10は、放射素子17および被覆材40の一部断面の拡大図である。第1実施形態の非接触型データ受送信体10(図1参照)と同じ構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
図8に示すように、非接触型データ受送信体110は、本体部14と、被覆材40とを備える。本体部14は、非接触型データ受送信体10(図1参照)と同じ構成である。非接触型データ受送信体110は、被覆材40を備える点で、第1実施形態の非接触型データ受送信体10(図1参照)と異なる。
被覆材40は、一対の被覆シート41を備える。被覆シート41は、例えば、平面視において矩形状とされている。被覆シート41は、平面視において本体部14を一括的に包含する大きさとされる。一対の被覆シート41は、互いに同じサイズである。
図9および図10に示すように、一対の被覆シート41は、本体部14(基材11、アンテナ12およびICチップ13)を挟み込んで保持する。
被覆シート41は、例えば、ゴム、樹脂、紙などで形成される。被覆シート41は、弾性および可撓性を有することが望ましい。被覆シート41の材料としては、ウレタンゴム、イソプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、天然ゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。被覆シート41は絶縁性を有する。
放射素子17の表面には、接着層42が形成されていることが好ましい。放射素子17は、接着層42によって被覆シート41の内面に接着される。接着層42は、加硫用接着剤などの接着剤によって形成することができる。接着層42は、被覆材40による放射素子17の保持力を高めることができるため、隣り合う線状体19の接触状態の維持に有利となる。
一対の被覆シート41が互いに接する領域では、被覆シート41は、例えば、接着剤などによって互いに接着することができる。一対の被覆シート41は、例えば、未加硫のゴムシートを加硫工程で加熱および加圧することによって接着(加硫接着)することができる。
図11は、非接触型データ受送信体110が物品50に設置された状態の一部断面を示す模式図である。
図11に示すように、非接触型データ受送信体110は、例えば、物品50の内部に設置される。物品50は、ゴム、樹脂などで構成される弾性体であってよい。
非接触型データ受送信体110は、物品50の表面に設置することもできる。例えば、非接触型データ受送信体110は、紙、樹脂等で形成された被覆材40を有するラベルシートであってもよい。被覆材40の表面には、印刷などにより、文字、図形、記号などによる情報を表示できる。ラベルシートは、粘着材などによって物品50の表面に貼り付けることができる。
非接触型データ受送信体110は、第1実施形態の非接触型データ受送信体10(図1参照)と同様に、巻回部33においてZ方向に隣り合う線状体19の少なくとも一部が互いに導通可能に接触しているため、線状体19に断線が生じた場合でも導通を維持できる。そのため、アンテナ12の通信性能を保つことができる。
非接触型データ受送信体110は、本体部14が被覆材40に挟持される。そのため、巻回部33の隣り合う線状体19は、被覆材40によって厚さ方向に押圧されて接触状態を維持しやすくなる。よって、線状体19どうしの導通を確保しやすくなる。
[アンテナ](第2実施形態)
第2実施形態のアンテナ12の主延在部31(図3参照)は、X方向(主方向)に直交する直線状に形成されているが、主延在部の形状はこれに限定されない。主延在部は、X方向(主方向)に交差する方向に形成されていればよい。主延在部は、Y方向に対して傾斜して形成されていてもよい。
図12は、第2実施形態に係るアンテナの第1放射素子117の一部の平面図である。第1実施形態のアンテナ12と同じ構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
図12に示すように、第1放射素子117は、主延在部31に代えて、主延在部131を備える。主延在部131は、Y方向に対して傾斜する直線状とされている。主延在部131は、例えば、Y方向に対して0°を越え、90°未満の角度で傾斜している。隣り合う主延在部131の傾斜方向は異なる。
図12において、第1主延在部131Aは、基延出部30の先端から折返し部32Aに向かって、-X方向に行くほど下降するように傾斜して延出する。第2主延在部131Bは、折返し部32Aから折返し部32Bに向かって、-X方向に行くほど上昇するように傾斜して延出する。第3主延在部131Cおよび第5主延在部131Eは、第1主延在部131Aと同様に傾斜している。第4主延在部131Dは、第2主延在部131Bと同様に傾斜している。
このアンテナは、主延在部131が傾斜しているため、放射素子117の形状は放射素子17(図3参照)の形状とは異なる。そのため、第1実施形態のアンテナ12とは異なる送受信特性を得ることができる。
(試験1)
図8に示す非接触型データ受送信体110を作製した。アンテナ12の線状体19は断線していない。非接触型データ受送信体110の周波数特性を調べた。結果を図13に示す。
(試験2)
アンテナ12の線状体19を断線させた非接触型データ受送信体110を作製した。詳しくは、図7(A)および図7(B)に示すように、第2主延在部31Bの他端31Bbにおいて線状体19を断線させた。非接触型データ受送信体110の周波数特性を調べた。結果を図13に示す。
図13は、試験結果を示す図である。図13の横軸は周波数(Frequency)(MHz)である。図13の縦軸は通信距離(Theoretical read range forward)(m)である。
図13に示すように、試験2では、線状体19に断線が生じたにもかかわらず、断線がない場合(試験1)と同等の通信性能が得られた。
以上、本発明の実施形態を説明したが、実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。
実施形態のアンテナ12では、図4に示すように、巻回部33は1.5周回のらせん状の構造を有するが、巻回部における線状体19の巻回数は特に限定されない。巻回数は1回以上(例えば、1回を越える回数)であればよい。巻回部は、例えば、2.5周回、3.5周回、4.5周回などのらせん状の構造を有していてもよい。2.5周回の構造は、第1周回部分と第2周回部分と半周回部分とを有するらせん状の構造である。3.5周回の構造は、第1周回部分と第2周回部分と第3周回部分と半周回部分とを有するらせん状の構造である。
実施形態のアンテナ12では、巻回部33(図6(A)参照)においてZ方向に隣り合う線状体19は、直接、接触するのが好ましいが、導電性物質を介して間接的に接触することもできる。導電性物質は、導電性ペーストのように流動可能であってもよい。
平面視における巻回部33の形状としては、円形状を例示したが、巻回部の形状は特に限定されない。例えば、巻回部の平面視形状は、楕円形状であってもよい。放射素子は、伸縮可能な軟質の樹脂シートに積層されてもよい。
図1に示すアンテナ12では、主延在部31は直線状に形成されているが、主延在部は、一部または全部が曲線状であってもよい。図1に示すアンテナ12では、すべての折返し部32が巻回部33を有するが、複数の折返し部のうち少なくとも1つに巻回部が設けられていればよい。
10,110…非接触型データ受送信体、11…基材、11a…第1主面、12…アンテナ、13…ICチップ、16…マッチング回路(回路)、17,117…第1放射素子(放射素子)、18…第2放射素子(放射素子)、19…線状体、31,31A~31N,131,131A~131E…主延在部、32,32A~32M…折返し部、33,33A~33M…巻回部、40…被覆材、A1…らせん軸

Claims (4)

  1. 放射素子を有するアンテナであって、
    前記放射素子は、
    主方向に間隔をおいて並んで配置され、前記主方向に交差して延在する複数の主延在部と、
    複数の前記主延在部のうち隣り合う前記主延在部の一端どうしおよび他端どうしを交互に接続する複数の折返し部と、
    により蛇行形状とされた線状体によって形成され、
    複数の前記折返し部のうち少なくとも1つは、前記線状体が1回以上巻回されたらせん状の巻回部を有し、
    前記巻回部は、らせん軸方向に隣り合う前記線状体の少なくとも一部が互いに導通可能に接触している、
    アンテナ。
  2. 前記線状体は、導電性のメッキが施されている、請求項1記載のアンテナ。
  3. 請求項1または2に記載のアンテナと、
    前記アンテナが設けられる基材と、
    前記基材に設けられたICチップと、を備えた、非接触型データ受送信体。
  4. 前記アンテナ、前記基材および前記ICチップを挟み込む被覆材をさらに備える、請求項3に記載の非接触型データ受送信体。
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