JP7836754B2 - Il-4rアンタゴニストを投与することによりアレルギーを治療しアレルゲン特異的免疫療法を増強するための方法 - Google Patents
Il-4rアンタゴニストを投与することによりアレルギーを治療しアレルゲン特異的免疫療法を増強するための方法Info
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本出願は、PCT国際特許出願として2020年8月5日に出願されており、2019年8月5日に出願された米国特許仮出願第62/882,992号および2020年7月16日に出願された欧州特許出願第20315351.5号の優先権を主張するものである。これら文献の各々の内容は、参照によって本明細書に組み入れられる。
本出願は、PCT国際特許出願として2020年8月5日に出願されており、2019年8月5日に出願された米国特許仮出願第62/882,992号および2020年7月16日に出願された欧州特許出願第20315351.5号の優先権を主張するものである。これら文献の各々の内容は、参照によって本明細書に組み入れられる。
本開示は、アレルギーの症状を治療または低減するための、ならびにアレルゲン特異的免疫療法レジメンの効能および/または耐容性を改善するための、インターロイキン-4受容体(IL-4R)アンタゴニストの使用に関する。
アレルギーおよびアレルギー性疾患は重篤な医学的状態であり、その帰結は、経時的に解消される生命を脅かすものではない応答から、アナフィラキシーなどの生命を脅かす効果にまで及ぶ。アレルギー反応は、ある特定の食料品、昆虫毒、植物または植物由来物質(花粉など)、化学薬品、薬物/薬剤、および動物皮屑などの様々な産物との接触または曝露に起因する場合がある。
皮下免疫療法(SCIT)は、空気アレルゲン(花粉、動物皮屑、またはほこりなど)により引き起こされるアレルギー性鼻炎を有する対象のための疾患修飾治療選択肢である。薬理学的療法が症状の制御に十分ではない場合、SCITが推奨される。SCITでは、誘因アレルゲンの増加用量が投与され、続いて数年間にわたって維持用量が投与される。その目標は、療法中の症状軽快、およびSCITを終えた後の持続的な脱感作(免疫寛容)に結び付く免疫学的変化の誘導である。SCITは、アレルギー性疾患からの長期的保護を提供することができるが、有害反応のリスクもあり、対象間で効能が異なり、免疫寛容の誘導に少なくとも3年を要する場合がある(非特許文献1;非特許文献2;および非特許文献3)。典型的には、患者は、SCITの開始時に、厳格にモニターされた医学的管理下で数週間から数か月間にわたって1週間間隔で増加用量のアレルゲンの注射を受ける。漸進的な用量増量は、療法に対する耐容性を可能にし、アレルゲン投与に関する重度過敏反応のリスクを軽減する。しかしながら、軽度反応(例えば、膨潤、注射部位反応、de novoアレルギー応答、および蕁麻疹形成)から生命を脅かす反応(例えば、喘息増悪およびアナフィラキシー)までの範囲の副作用が、患者の40~50%で生じる(非特許文献4)。したがって、アレルギー性疾患のより効果的な治療、および免疫療法治療戦略の耐容性、安全性、および/または効能の改善には満たされていない必要性が存在する。
Durham SRら、N Engl J Med,1999年、341巻(7号):468~75頁
Durham SRら、J Allergy Clin Immunol,2012年、129巻(3号):717~725.e5頁
Durham SRら、J Allergy Clin Immunol、2016年、137巻(2号):339~349.e10頁
Frew AJ、Clin Exp Allergy.2006年a、36巻(3号):251~3頁
本明細書では、アレルギーを有する患者のアレルゲン特異的免疫療法の効能、耐容性、および/または安全性を増強するための方法が提供される。
一態様では、アレルゲン特異的免疫療法に供される患者のアレルゲン特異的IgE増加を阻害するための方法が提供される。一部の実施形態では、方法は、アレルゲン特異的免疫療法と組み合わせて、1つまたはそれ以上の用量のインターロイキン-4受容体(IL-4R)アンタゴニストを患者に投与する工程を含む。一部の実施形態では、方法は、アレルゲン特異的免疫療法の前または同時に、1つまたはそれ以上の用量のインターロイキン-4受容体(IL-4R)アンタゴニストを患者に投与する工程を含む。一部の実施形態では、アレルゲン特異的免疫療法の開始前に、少なくとも1用量のIL-4Rアンタゴニストが投与される。一部の実施形態では、IL-4Rアンタゴニストは、IL-4Rに特異的に結合する抗IL-4R抗体またはその抗原結合性断片である。
別の態様では、アレルゲン特異的免疫療法に供される患者において、血清アレルゲン特異的IgG4の血清アレルゲン特異的IgEに対する比を増加させるための方法が提供される。一部の実施形態では、方法は、アレルゲン特異的免疫療法と組み合わせて、1つまたはそれ以上の用量のIL-4Rアンタゴニストを患者に投与する工程を含む。一部の実施形態では、方法は、アレルゲン特異的免疫療法の前または同時に、1つまたはそれ以上の用量のIL-4Rアンタゴニストを患者に投与する工程を含む。一部の実施形態では、アレルゲン特異的免疫療法の開始前に、少なくとも1用量のIL-4Rアンタゴニストが投与される。一部の実施形態では、IL-4Rアンタゴニストは、IL-4Rに特異的に結合する抗IL-4R抗体またはその抗原結合性断片である。
別の態様では、患者におけるアレルゲン特異的免疫療法の維持用量(完全漸増)の投与を容易にするための方法が提供される。一部の実施形態では、方法は、アレルゲン特異的免疫療法と組み合わせて1つまたはそれ以上の用量のIL-4Rアンタゴニストを患者に投与する工程を含む。一部の実施形態では、方法は、アレルゲン特異的免疫療法の前または同時に、1つまたはそれ以上の用量のIL-4Rアンタゴニストを患者に投与する工程を含む。一部の実施形態では、アレルゲン特異的免疫療法の開始前に、少なくとも1用量のIL-4Rアンタゴニストが投与される。一部の実施形態では、IL-4Rアンタゴニストは、IL-4Rに特異的に結合する抗IL-4R抗体またはその抗原結合性断片である。
別の態様では、アレルゲン特異的免疫療法に供される患者の全身反応を治療するためのエピネフリンおよび/または経口ステロイドの使用を低減または排除するための方法が提供される。一部の実施形態では、方法は、アレルゲン特異的免疫療法と組み合わせて1つまたはそれ以上の用量のIL-4Rアンタゴニストを患者に投与する工程を含む。一部の実施形態では、方法は、アレルゲン特異的免疫療法の前または同時に、1つまたはそれ以上の用量のIL-4Rアンタゴニストを患者に投与する工程を含む。一部の実施形態では、アレルゲン特異的免疫療法の開始前に、少なくとも1用量のIL-4Rアンタゴニストが投与される。一部の実施形態では、IL-4Rアンタゴニストは、IL-4Rに特異的に結合する抗IL-4R抗体またはその抗原結合性断片である。
別の態様では、草アレルギー(grass allergy)を有する対象における、草アレルゲン(grass allergen)特異的皮下免疫療法(SCIT)レジメンの効能、耐容性、および/または安全性を増強するための方法が提供される。一部の実施形態では、方法は、SCITレジメンと組み合わせて1つまたはそれ以上の用量のインターロイキン-4受容体(IL-4R)アンタゴニストを対象に投与する工程を含み、少なくとも1用量のIL-4Rアンタゴニストは、SCITレジメンの開始前に投与される。一部の実施形態では、方法は、SCITレジメンの前または同時に1つまたはそれ以上の用量のIL-4Rアンタゴニストを対象に投与する工程を含み、少なくとも1用量のIL-4Rアンタゴニストは、SCITレジメンの開始前に投与される。
一部の実施形態では、SCITレジメンは、オオアワガエリ(Timothy)、バヒア(Bahia)、バミューダ(Bermuda)、セイバンモロコシ(Johnson)、ケンタッキーブルーグラス(Kentucky bluegrass)、オーチャード(Orchard)、コヌカグサ(Redtop)、ライムギ(Rye)、ハルガヤ(Sweet Vernal)、ヒロハノウシノケグサ(Meadow Fescue)、およびそれらの組合せからなる群から選択される草に由来する草抽出物の皮下投与を含む。一部の実施形態では、草抽出物は、オオアワガエリ草に由来する。
一部の実施形態では、SCITレジメンは、クラスターSCITレジメンを含む。一部の実施形態では、クラスターSCITレジメンは、漸増レジメン、続いて維持レジメンを含み、漸増レジメンは、4~12週間の期間にわたって(例えば、4、5、6、7、8、9、10、11、または12週間、例えば4~10週間、4~8週間、6~12週間、6~10週間、6~8週間、8~12週間、または8~10週間の期間にわたって)増加用量の草抽出物を投与することを含み、維持レジメンは、漸増レジメン中に投与される最も高い用量の草抽出物の1つまたはそれ以上の維持用量を投与することを含む。一部の実施形態では、漸増レジメンは、8週間の期間にわたって増加用量の草抽出物を投与することを含む。一部の実施形態では、維持レジメンは、少なくとも8週間にわたって(例えば、少なくとも8週間、10週間、12週間、14週間、16週間、またはそれよりも長期間にわたって)、1~4週毎に維持用量を投与することを含む。一部の実施形態では、漸増レジメンは、1生物学的等価アレルギー単位(BAU)の用量から少なくとも約4,000BAUの用量への漸増を含み(例えば、4、5、6、7、8、9、10、11、または12週にわたって)、維持レジメンは、少なくとも約4,000BAUの1つまたはそれ以上の維持用量を投与することを含む。一部の実施形態では、漸増レジメンは、1生物学的等価アレルギー単位(BAU)の用量から4,000BAUの用量への漸増を含み(例えば、4、5、6、7、8、9、10、11、または12週にわたって)、維持レジメンは、4,000BAUの1つまたはそれ以上の維持用量を投与することを含む。
一部の実施形態では、IL-4Rアンタゴニストは、約75mg~約600mgの用量で(例えば、約100mg、約150mg、約200mg、約250mg、約300mg、約350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約550mg、または約600mgの用量で)投与される。一部の実施形態では、IL-4Rアンタゴニストは、初期用量で、続いて1つまたはそれ以上の二次用量で投与され、各二次用量は、直前の用量の1~4週間後に投与される。一部の実施形態では、IL-4Rアンタゴニストの初期用量は、SCITレジメン開始の1~7日前に投与される。一部の実施形態では、初期用量は600mgのIL-4Rアンタゴニストを含み、各二次用量は300mgのIL-4Rアンタゴニストを含む。
一部の実施形態では、IL-4RアンタゴニストおよびSCITは、同じ日には対象に投与されない。
一部の実施形態では、IL-4Rアンタゴニストは、IL-4Rに特異的に結合する抗IL-4R抗体またはその抗原結合性断片である。一部の実施形態では、抗IL-4R抗体またはその抗原結合性断片は、配列番号1のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(HCVR)の重鎖相補性決定領域(HCDR)および配列番号2のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(LCVR)の軽鎖相補性決定領域(LCDR)を含む。一部の実施形態では、抗IL-4R抗体またはその抗原結合性断片は、配列番号1のアミノ酸配列を含むHCVRを含み、配列番号2のアミノ酸配列を含むLCVRを含む。一部の実施形態では、抗IL-4R抗体は、配列番号9のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号10のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。一部の実施形態では、IL-4Rアンタゴニストは、デュピルマブまたはその生物学的等価物である。
一部の実施形態では、SCITレジメンの効能の増強は、対象のアレルギー性鼻炎症状を低減することを含む。一部の実施形態では、アレルギー性鼻炎症状の低減は、草抽出物による鼻アレルゲン負荷後の総鼻症状スコア(TNSS)により測定され、対象のベースラインスコアと比べて、(i)うっ血、(ii)かゆみ、(iii)鼻漏、または(iv)くしゃみの1つまたはそれ以上のスコアが改善されることを含む。一部の実施形態では、SCITレジメンの効能の増強は、鼻アレルゲン負荷後、ピークTNSSが達成された後の最初の1時間(ピークTNSS後の0~1時間)にわたって、対象のピークTNSS後0~1時間のベースラインAUCと比べて、TNSSの曲線下面積(AUC)を低減することを含む。
一部の実施形態では、SCITレジメンの効能の増強は、
(a)SCIT単独療法と比べて、対象の血清草アレルゲン特異的IgG4(sIgG4)の量を増加させること;
(b)SCIT単独療法と比べて、対象の血清草アレルゲン特異的IgE(sIgE)の量を減少させること;および/または
(c)SCIT単独療法と比べて、対象における、sIgG4のsIgEに対する比を増加させること
を含む。
(a)SCIT単独療法と比べて、対象の血清草アレルゲン特異的IgG4(sIgG4)の量を増加させること;
(b)SCIT単独療法と比べて、対象の血清草アレルゲン特異的IgE(sIgE)の量を減少させること;および/または
(c)SCIT単独療法と比べて、対象における、sIgG4のsIgEに対する比を増加させること
を含む。
一部の実施形態では、SCITレジメンと組み合わせた(例えば、その前にまたは同時の)IL-4Rアンタゴニスト投与は、SCIT漸増レジメンおよび/またはSCIT維持レジメン中にsIgEの誘導を低減または阻害する。
一部の実施形態では、SCITレジメンの効能の増強は、対象のアレルギー性結膜炎症状を低減することを含む。一部の実施形態では、アレルギー性結膜炎症状の低減は、草抽出物による鼻アレルゲン負荷後の総眼症状スコア(TOSS)により測定され、対象のベースラインスコアと比べて、(i)眼のかゆみ、(ii)赤眼、(iii)眼流涙、および(iv)眼の膨潤/腫れの1つまたはそれ以上のスコアの改善を含む。
一部の実施形態では、SCITレジメンと組み合わせた(例えば、その前または同時の)IL-4Rアンタゴニスト投与は、SCITレジメンの耐容性を増加させる。一部の実施形態では、SCITレジメンと組み合わせた(例えば、その前または同時の)IL-4Rアンタゴニスト投与は、SCIT単独と比べて、対象により耐容される最大SCIT用量を増加させる。一部の実施形態では、SCITレジメンと組み合わせた(例えば、その前または同時の)IL-4Rアンタゴニスト投与は、SCIT単独と比べて、対象により耐容されるSCIT用量の数またはSCIT治療の期間(例えば、日数)を増加させる。
一部の実施形態では、SCITレジメンと組み合わせた(例えば、その前または同時の)IL-4Rアンタゴニスト投与は、レスキュー薬剤の必要性を低減する。一部の実施形態では、SCITレジメンと組み合わせた(例えば、その前または同時の)IL-4Rアンタゴニスト投与は、レスキュー薬剤としてのエピネフリンまたは経口ステロイドの使用を低減する。
一部の実施形態では、IL-4Rアンタゴニストは、ガラスバイアル、シリンジ、事前充填シリンジ、ペン型送達デバイス、およびオートインジェクターからなる群から選択される容器に含まれている。一部の実施形態では、IL-4Rアンタゴニストは、事前充填シリンジに含まれている。一部の実施形態では、事前充填シリンジは、単一用量事前充填シリンジである。一部の実施形態では、IL-4Rアンタゴニストは、オートインジェクターに含まれている。一部の実施形態では、IL-4Rアンタゴニストは、ペン型送達デバイスに含まれている。
他の実施形態は、下記の詳細な説明を検討すれば明らかになるであろう。
本発明を説明する前に、本発明は、記載されている特定の方法および実験条件に限定されないことが理解されるべきである。それは、そのような方法および条件は様々であり得るためである。本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されることになるため、本明細書で使用されている用語は、特定の実施形態を説明するためのものに過ぎず、限定を意図するものではないことも理解されるべきである。
別様の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者により一般的に理解されるものと同じ意味を有する。
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、特定の記載数値に関して使用される場合、その値が記載値から1%を超えない範囲で変化してもよいことを意味する。例えば、本明細書で使用される場合、「約100」という表現は、99および101、ならびにその間のすべての値(例えば、99.1、99.2、99.3、99.4など)を含む。
本明細書で使用される場合、「治療する」または「治療すること」などの用語は、症状を軽減すること、一時的もしくは恒久的のいずれかで症状の原因を排除すること、または指定された障害もしくは状態の症状の出現を防止もしくは遅らせることを意味する。
「予防する」または「予防すること」などの用語は、アレルギー反応またはアレルギー状態に関して使用される場合、アレルギー、アレルギー反応、またはアレルギー状態の発症を予防することを指す。また、この用語は、本明細書で使用される場合、アレルギー反応を予防するためにアレルゲン感作を低減または消失させることを含む。一部の実施形態では、この用語は、本開示の方法により提供される通りのIL-4Rアンタゴニストを投与した際に、血清アレルゲン特異的IgEのレベルが、ベースラインと比較して、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、または少なくとも50%減少することを指す。
本明細書で使用される場合、「それを必要とする対象」という用語は、(i)アレルギーの1つまたはそれ以上の症状または徴候を呈し、(ii)アレルゲンに対してアレルギーを有すると診断されており、および/または(iii)アレルゲンに対するアレルギーもしくはアレルギー応答を発症するリスクが高いヒトまたは非ヒト動物を指す。ある特定の実施形態では、この用語は、1つまたはそれ以上のアレルゲン(例えば、1つまたはそれ以上の草アレルゲン)に対してアレルゲン感作を示す対象を含む。ある特定の実施形態では、本開示の方法は、これらに限定されないが、総IgE、アレルゲン特異的IgE、胸腺および活性化調節ケモカイン(TARC)、肺および活性化調節ケモカイン(PARC)、乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)、およびペリオスチンを含む、1つまたはそれ以上の血清バイオマーカーのレベル上昇を示す対象を治療するために使用することができる。例えば、一部の実施形態では、本開示の方法は、アレルゲン特異的IgEのレベル上昇を有する患者にIL-4Rアンタゴニストを投与する工程を含む。「対象」および「患者」という用語は、本明細書では同義的に使用される。
本明細書で使用される場合、「アレルギー応答」、「アレルギー反応」、および「アレルギー症状」などの用語は、蕁麻疹形成(例えば、じんましん)、血管浮腫、鼻炎、喘息、嘔吐、くしゃみ、鼻水、副鼻腔炎症、涙眼、喘鳴、気管支痙攣、最大呼気流量(PEF)低下、胃腸障害、紅潮、唇の腫れ、舌の腫れ、血圧低下、アナフィラキシー、および臓器機能障害/不全からなる群から選択される1つまたはそれ以上の兆候または症状を含む。また、「アレルギー応答」、「アレルギー反応」、「アレルギー症状」などは、例えば、IgE産生の増加および/またはアレルゲン特異的免疫グロブリン産生の増加などの、免疫学的応答および反応を含む。
「アレルゲン」という用語は、感受性個体のアレルギー応答を刺激することが可能な物質、化学物質、粒子、または組成物を指す。アレルゲンは、例えば、乳製品(例えば、牛乳)、卵、セロリ、ゴマ、小麦、大豆、魚、甲殻類、糖(例えば、アルファ-ガラクトースなど、肉に存在する糖)、ピーナッツ、他のマメ科植物(例えば、豆類、エンドウ豆、大豆など)、および木の実などの食料品内に含まれていてもよくまたは由来してもよい。その代わりに、アレルゲンは、例えば、ほこり(例えば、家ダニを含む)、花粉、昆虫毒(例えば、ミツバチ、スズメバチ、蚊、カミアリなどの毒)、カビ、動物毛皮、動物皮屑、羊毛、ラテックス、金属(例えば、ニッケル)、家庭用洗浄剤、洗剤、薬剤、化粧品(例えば、香水など)、薬物(例えば、ペニシリン、スルホンアミド、サリチル酸塩など)、療法用モノクローナル抗体(例えば、セツキシマブ)、ブタクサ、草、およびカバノキなどの、非食料品内に含まれていてもよくまたは由来してもよい。一部の実施形態では、アレルゲンは、草の内部に含まれているかまたは由来する。一部の実施形態では、アレルゲンは、オオアワガエリ、バヒア、バミューダ、セイバンモロコシ、ケンタッキーブルーグラス、オーチャード、コヌカグサ、ライムギ、ハルガヤ、ヒロハノウシノケグサ、およびそれらの組合せからなる群から選択される草の内部に含まれているかまたは由来する。「アレルゲン」および「抗原」という用語は、本開示全体を通して同義的に使用される。
本発明の実施には、本明細書に記載のものと類似するかまたは等価である任意の方法および材料を使用することができるが、典型的な方法および材料をこれから記載する。本明細書で言及されている刊行物はすべて、参照によってその全体が本明細書に組み入れられる。
緒言
本明細書では、アレルギーを有する患者におけるアレルゲン特異的免疫療法の効能、耐容性、および/または安全性を増強するための方法であって、アレルゲン特異的免疫療法の前または同時に1つまたはそれ以上の用量のインターロイキン-4受容体(IL-4R)アンタゴニストを投与する工程を含む方法が提供される。本明細書に開示されているように、免疫療法の補助剤としてのIL-4Rアンタゴニスト、デュピルマブの投与は、免疫療法レジメンを完了した患者のパーセンテージ、耐容性だった免疫療法の最大用量、および免疫療法の完全漸増(維持用量)を達成した患者の数により測定される、免疫療法の耐容性を改善したことが見出された。また、IL-4Rアンタゴニストの投与は、アレルゲン特異的免疫療法に供される患者の全身反応を治療するためのレスキュー薬剤としてのエピネフリンまたは経口ステロイドの使用の低減をもたらした。
本明細書では、アレルギーを有する患者におけるアレルゲン特異的免疫療法の効能、耐容性、および/または安全性を増強するための方法であって、アレルゲン特異的免疫療法の前または同時に1つまたはそれ以上の用量のインターロイキン-4受容体(IL-4R)アンタゴニストを投与する工程を含む方法が提供される。本明細書に開示されているように、免疫療法の補助剤としてのIL-4Rアンタゴニスト、デュピルマブの投与は、免疫療法レジメンを完了した患者のパーセンテージ、耐容性だった免疫療法の最大用量、および免疫療法の完全漸増(維持用量)を達成した患者の数により測定される、免疫療法の耐容性を改善したことが見出された。また、IL-4Rアンタゴニストの投与は、アレルゲン特異的免疫療法に供される患者の全身反応を治療するためのレスキュー薬剤としてのエピネフリンまたは経口ステロイドの使用の低減をもたらした。
治療法
一態様では、草アレルゲン特異的皮下免疫療法(SCIT)レジメンの効能および/または耐容性を増強するための方法が提供される。一部の実施形態では、方法は、草アレルギーを有する対象に、SCITレジメンの前または同時に1つまたはそれ以上の用量のインターロイキン-4受容体(IL-4R)アンタゴニストを投与する工程を含む。
一態様では、草アレルゲン特異的皮下免疫療法(SCIT)レジメンの効能および/または耐容性を増強するための方法が提供される。一部の実施形態では、方法は、草アレルギーを有する対象に、SCITレジメンの前または同時に1つまたはそれ以上の用量のインターロイキン-4受容体(IL-4R)アンタゴニストを投与する工程を含む。
本明細書で使用される場合、「皮下免疫療法」または「SCIT」は、アレルギーおよびアレルギー反応を治療もしくは予防するための手段として、またはアレルギー応答を低減もしくは排除するための手段として、対象にアレルゲンを経時的に繰り返して皮下投与することを指す。典型的には、SCITは、アレルゲンに対する免疫寛容の誘導に効果的な用量に到達するまで、徐々に増加する量のアレルゲンを対象に皮下投与することを含む。一部の実施形態では、SCITは、漸増レジメン、続いて維持レジメンを含む。一般に、漸増レジメンは、効果的で安全な用量が達成されるまでの期間にわたって増加用量のアレルゲンを投与することを含み、維持レジメンは、1つまたはそれ以上の用量のアレルゲンを、漸増レジメン中に投与された最も高い用量で投与することを含む。
SCITレジメンは、「従来の」SCITレジメンまたは「加速」SCITレジメンであってもよい。一部の実施形態では、IL-4Rアンタゴニストは、従来のSCITレジメンの前にまたは同時に投与される。典型的には、従来のSCITでは、アレルゲンの増加用量は、厳格にモニターされた医学的管理下で数週間~数か月間の経過にわたって(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12か月、またはそれよりも長期間にわたって)1週間隔で患者に投与される。一部の実施形態では、IL-4Rアンタゴニストは、加速SCITレジメンの前にまたは同時に投与される。加速SCITレジメンは、従来のSCITと比較して、SCITの漸増スケジュールを加速させ、加速SCITレジメンには、「ラッシュSCIT」および「クラスターSCIT」が含まれる。典型的には、ラッシュSCITでは、アレルゲンの増加投薬量を、最大耐容用量に到達するまで数日間連続して(例えば、2日、3日、4日、5日、6日、または1週間にわたって)1日1回投与する。クラスターSCITでは、典型的には、アレルゲンの幾つか(例えば、2~3つの)増加投薬量を、最大耐容用量に到達するまで不連続の日数にわたって、通常は4~8週間にわたって単一の日に投与する。一部の実施形態では、IL-4Rアンタゴニストは、従来のSCITレジメンの前にまたは同時に投与される。一部の実施形態では、IL-4Rアンタゴニストは、クラスターSCITレジメンの前にまたは同時に投与される。一部の実施形態では、IL-4Rアンタゴニストは、ラッシュSCITレジメンの前にまたは同時に投与される。
一部の実施形態では、SCITレジメン(例えば、従来のSCIT、ラッシュSCIT、またはクラスターSCITレジメン)は、草抽出物を対象に皮下投与することを含む。一部の実施形態では、草抽出物は、オオアワガエリ、バヒア、バミューダ、セイバンモロコシ、ケンタッキーブルーグラス、オーチャード、コヌカグサ、ライムギ、ハルガヤ、ヒロハノウシノケグサ、およびそれらの組合せからなる群から選択される草に由来する。一部の実施形態では、草抽出物は、オオアワガエリ草抽出物を含む。草抽出物は当技術分野で公知であり、市販もされている(例えば、Greer Laboratories,Inc.社、ルノワール、ノースカロライナ州から)。
一部の実施形態では、以下のアウトカムまたは現象の1つまたはそれ以上が対象において観察または達成された場合、SCITレジメンの効能、耐容性、および/または安全性は「増強」される:(1)効能もしくは安全性を損なうことなく増用量段階の期間が減少されること;(2)効能もしくは安全性を損なうことなく維持段階の期間が減少されること;(3)効能もしくは安全性を損なうことなく、増用量段階もしくは維持段階中に投与されるアレルゲンの用量の数が低減されること;(4)効能もしくは安全性を損なうことなく、増用量段階もしくは維持段階中に投与されるアレルゲンの頻度が低減されること;(5)効能もしくは安全性を損なうことなく、増用量段階もしくは維持段階中に投与されるアレルゲンの用量が低減されること;(6)SCITレジメンにより引き起こされるアレルギー応答もしくは有害副作用の頻度が低減もしくは排除されること;(7)増用量段階および/もしくは維持段階中の従来のアレルギー薬剤(例えば、ステロイド、抗ヒスタミン薬、充血除去薬、抗IgE剤など)の使用もしくは必要性が低減もしくは排除されること;(8)総IgE発現レベルが低減されること;(9)アレルゲン特異的IgG4発現のレベルが増加すること;(10)アナフィラキシー反応の頻度が低減もしくは排除されること;または(11)レスキュー薬剤(例えば、エピネフリンまたは経口ステロイド)の必要性が低減もしくは排除されること。一部の実施形態では、対象が、IL-4R遮断と組み合わせたSCIT療法後に、SCIT療法単独よりもより少数のおよび/またはより重症度の低いアレルギー反応を経験する場合、SCITレジメンの効能は「増強」される。一部の実施形態では、IL-4Rアンタゴニストを投与した際に、対象により耐容される最大SCIT用量が、SCIT療法単独と比べて増加する場合、SCITレジメンの効能は「増強」される。一部の実施形態では、IL-4Rアンタゴニストを投与した際に、全身反応を治療するためのレスキュー薬剤(例えば、エピネフリンまたは経口ステロイド)の必要性が、SCIT療法単独と比較して減少する場合、SCITレジメンの効能は「増強」される。
別の態様では、IL-4Rアンタゴニストを投与することにより、草アレルギーを有する対象のアレルギー反応またはアレルギー症状を治療、予防、またはその重症度を低減するための方法が提供される。一部の実施形態では、IL-4Rアンタゴニストは、皮下免疫療法レジメン(例えば、クラスターSCIT)の前または同時に投与される。
一部の実施形態では、SCITレジメンと同時のIL-4Rアンタゴニストによる治療は、対象のアレルギー性鼻炎症状を低減する。一部の実施形態では、治療は、アレルゲン(例えば、草抽出物)による鼻アレルゲン負荷(NAC)後の誘発アレルギー性鼻炎症状を低減する。本明細書で使用される場合、「アレルギー性鼻炎症状を低減する」ことは、これらに限定されないが、くしゃみ、かゆみ(鼻、眼、耳、または口蓋の)、鼻漏、後鼻漏、うっ血、嗅覚脱失、頭痛、耳痛、流涙、赤眼、眼の膨潤、および疲労などの、対象のアレルギー性鼻炎の1つまたはそれ以上の症状の重症度または期間を低減または排除することを含む。一部の実施形態では、NAC後の誘発アレルギー性鼻炎症状は、「初期段階」(NAC後の最初の60分以内)および/または「後期」(NACの約6時間後)に測定される。一部の実施形態では、IL-4Rアンタゴニストによる治療は、NAC後の初期段階誘発アレルギー性鼻炎症状を低減する。一部の実施形態では、IL-4Rアンタゴニストによる治療は、NAC後の後期段階誘発アレルギー性鼻炎症状を低減する。
一部の実施形態では、アレルギー性鼻炎症状の低減は、総鼻症状スコア(TNSS)により測定される。TNSSは、うっ血、かゆみ、鼻漏、およびくしゃみの患者報告複合症状評価であり、この評価では、所与の時点の患者評価症状スコアが、4ポイント尺度(0~3)を使用して各カテゴリーに割り当てられ、0は症状が無いことを示し、1のスコアは、容易に耐容される軽度症状であり、2は煩わしいが耐容可能な症状の認識であり、3は、耐容が困難であり日常生活に支障をきたす重度症状に用いられる。TNSSは、症状の各々のスコアを加算して12点満点で算出される。一部の実施形態では、TNSSスコアは、アレルゲンによるNAC後に測定される。一部の実施形態では、対象のベースラインTNSSスコアが測定される(例えば、治療開始前のスクリーニング来院中に)。
一部の実施形態では、SCITレジメンの効能および/もしくは安全性の増強ならびに/またはアレルギー性鼻炎症状の低減は、鼻アレルゲン負荷後にピークTNSSが達成された後の最初の1時間(「ピークTNSS後の0~1時間」)にわたるTNSSの曲線下面積(AUC)を決定することにより測定される。
一部の実施形態では、SCITレジメンと同時のIL-4Rアンタゴニストによる治療は、対象のアレルギー性結膜炎症状を低減する(例えば、アレルゲン(例えば、草抽出物)によるNAC後の誘発アレルギー性鼻炎結膜炎を低減する)。本明細書で使用される場合、「アレルギー性結膜炎症状を低減する」ことは、これらに限定されないが、眼のかゆみ、赤み、流涙、または腫れなどの、対象のアレルギー性結膜炎の1つまたはそれ以上の症状の重症度または期間を低減または排除することを含む。一部の実施形態では、アレルギー性結膜炎症状の低減は、総眼症状スコア(TOSS)により測定される。TOSSは、眼のかゆみ、眼の赤み、眼流涙もしくは涙目、および眼の膨潤もしくは腫れに関する患者報告複合症状評価であり、この評価では、患者評価症状スコアが、4ポイント尺度(0~3)を使用して所与の時点で各カテゴリーに割り当てられ、3は重度症状である。TOSSは、症状の各々のスコアを加算して12点満点で算出される。一部の実施形態では、TOSSスコアは、アレルゲンによるNAC後に測定される。一部の実施形態では、対象のベースラインTOSSスコアが測定される(例えば、治療開始前のスクリーニング来院中に)。
一部の実施形態では、SCITレジメンの効能および/もしくは安全性の増強ならびに/またはアレルギー性鼻炎症状の低減は、鼻アレルゲン負荷後にピーク総鼻症状スコア(TNSS)が達成された後の最初の1時間にわたるTOSSの曲線下面積(AUC)を決定することにより測定される。一部の実施形態では、本開示の方法は、負荷の最初の1時間にわたるTOSSのAUCを、対象のNAC後のTOSSのベースラインAUCと比べて少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、またはそれよりも大きく低減する。
一部の実施形態では、SCITレジメンと同時のIL-4Rアンタゴニストによる治療は、SCITレジメンの効能および/もしくは安全性を改善し、ならびに/または1つもしくはそれ以上のバイオマーカー、例えば、2型免疫活性に関連するバイオマーカーおよび/またはアレルゲン特異的バイオマーカーの改善により測定して、アレルギー性鼻炎症状を低減する。一部の実施形態では、バイオマーカーは、血清バイオマーカーである。一部の実施形態では、バイオマーカーは、総IgE、アレルゲン特異的IgG4、または胸腺および活性化調節ケモカイン(TARC)である。
一部の実施形態では、バイオマーカーは、これらに限定されないが、血清TARCまたは血清総IgEなどの、2型免疫活性のバイオマーカーである。一部の実施形態では、バイオマーカーは、アレルゲン特異的バイオマーカー、例えば、これらに限定されないが、草特異的IgE(例えば、血清オオアワガエリ草sIgE)または草特異的IgG4(例えば、血清オオアワガエリ草sIgG4)などの草特異的バイオマーカーである。一部の実施形態では、本開示の方法は、SCITにより、2型バイオマーカーのレベルを減少させるかまたは2型バイオマーカーの誘導を阻害する。一部の実施形態では、IL-4Rアンタゴニストの投与は、SCIT中に(例えば、SCIT漸増段階および/または維持段階中に)誘導されるsIgEの上昇を低減または阻害する。
一部の実施形態では、バイオマーカーは、草特異的IgG4(例えば、血清オオアワガエリ草sIgG4)である。特定の理論に束縛されないが、アレルゲン特異的抗体、特にIgG4アイソタイプの誘導は、IgG4がIgEと競合し、IgE媒介性エフェクター細胞活性化を遮断し、ヒスタミン放出を抑制し、樹状細胞およびB細胞によるIgE-アレルゲン複合体の抗原提示を阻害するため、IgE媒介性アレルギー症状に対する保護効果を有するという仮説が立てられる。一部の実施形態では、本開示の方法は、対象のベースラインと比べて、または対照値と比べて、アレルゲン特異的バイオマーカー(例えば、血清草アレルゲン特異的IgG4)のレベルを増加させる。
一部の実施形態では、総IgEバイオマーカーおよびアレルゲン特異的IgG4バイオマーカーの両方が測定され、アレルゲン特異的IgG4マーカーの総IgEマーカーに対する比(例えば、草アレルゲン特異的IgEまたはIgG4の総IgEに対する比)が算出される。一部の実施形態では、SCITレジメンと同時のIL-4Rアンタゴニストによる治療は、対象に由来するサンプル中のアレルゲン特異的IgG4の総IgEに対する比を、例えば、対象のベースライン値と比較してまたは対照値(例えば、SCIT単独で治療された対象の)と比較して増加させる。一部の実施形態では、本開示の方法は、アレルゲン特異的IgG4の総IgEに対する比を、対象のベースラインと比べてまたは対照値と比べて増加させる。
当業者であれば理解することになるように、血清バイオマーカーの増加または減少は、(i)IL-4Rアンタゴニストの投与後の規定の時点にて対象で測定されたバイオマーカーのレベルを、(ii)IL-4Rアンタゴニストによる治療の開始前に患者で測定されたバイオマーカーのレベル(つまり、「ベースライン測定」)と比較することにより決定することができる。バイオマーカーが測定される規定の時点は、例えば、IL-4Rアンタゴニストによる治療開始の約4時間、8時間、12時間、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、15日、20日、35日、40日、50日、55日、60日、65日、70日、75日、80日、85日、100日、150日後、またはそれよりも後であってもよい。
アレルゲン特異的IgE、総IgE、またはTARCなどの血清バイオマーカーを検出および/または定量化するための方法は、当技術分野で公知である。そのようなバイオマーカーを測定するためのキットは、種々の商業的供給元から入手可能であり、同様に、種々の商業的診断検査業者が、そのようなバイオマーカーの測定を提供するサービスを提供している。
例えば、Phadiatop(商標)は、アレルギー感作のスクリーニングのために導入された血清特異的または抗原特異的IgEアッセイ検査(Merrettら、1987年、Allergy 17巻:409~416頁)の市販版である。この検査は、一般的な吸入アレルギーを引き起こす関連アレルゲンの混合物に対する血清特異的IgEの同時検査を提供する。この検査では、得られた蛍光応答に応じて、陽性または陰性のいずれかの定性的な結果が得られる。患者サンプルが、参照よりも高いかまたは等しい蛍光応答を示す場合、検査結果は陽性であることが示される。蛍光応答がより低い患者サンプルは、検査結果が陰性であることを示す。
別の例として、バイオマーカーTARCのレベルを測定するための例示的なアッセイ系は、R&D Systems社、ミネアポリス、ミネソタ州からカタログ番号DDN00として提供されているTARC定量的ELISAキットである。
治療集団
本明細書に開示の方法は、それを必要とする対象に、IL-4RアンタゴニストまたはIL-4Rアンタゴニストを含む医薬組成物を投与する工程を含む。一部の実施形態では、本明細書に開示の方法による治療を必要とする対象は、草アレルギー(例えば、オオアワガエリ、バヒア、バミューダ、セイバンモロコシ、ケンタッキーブルーグラス、オーチャード、コヌカグサ、ライムギ、ハルガヤ、またはヒロハノウシノケグサの1つまたはそれ以上に対するアレルギー)の1つもしくはそれ以上の症状もしくは徴候を呈し、(ii)草アレルゲンに対するアレルギーを有すると診断されており、および/または(iii)草アレルギーもしくは草アレルゲンに対するアレルギー応答を発症するリスクが高い対象である。一部の実施形態では、対象は成人である。
本明細書に開示の方法は、それを必要とする対象に、IL-4RアンタゴニストまたはIL-4Rアンタゴニストを含む医薬組成物を投与する工程を含む。一部の実施形態では、本明細書に開示の方法による治療を必要とする対象は、草アレルギー(例えば、オオアワガエリ、バヒア、バミューダ、セイバンモロコシ、ケンタッキーブルーグラス、オーチャード、コヌカグサ、ライムギ、ハルガヤ、またはヒロハノウシノケグサの1つまたはそれ以上に対するアレルギー)の1つもしくはそれ以上の症状もしくは徴候を呈し、(ii)草アレルゲンに対するアレルギーを有すると診断されており、および/または(iii)草アレルギーもしくは草アレルゲンに対するアレルギー応答を発症するリスクが高い対象である。一部の実施形態では、対象は成人である。
一部の実施形態では、治療される対象は、以下の基準の1つまたはそれ以上を満たす:(a)草アレルギーが、草(例えば、オオアワガエリ草)抽出物による皮膚プリック試験(SPT)陽性により確認されること(例えば、平均膨疹直径が、陰性対照よりも少なくとも≧5mm大きい);(b)草アレルギーが、血清草アレルゲン(例えば、オオアワガエリ草)特異的IgE陽性により確認されること(例えば、≧0.35KU/L);および(c)草(例えば、オオアワガエリ草)抽出物によるNACが陽性であり、ピークTNSSスコアが12点中≧7点であること。
インターロイキン-4受容体アンタゴニスト
一部の実施形態では、本開示の方法は、それを必要とする対象(例えば、草アレルギーを有する対象)に、インターロイキン-4受容体(IL-4R)アンタゴニストまたはIL-4Rアンタゴニストを含む医薬組成物を投与する工程を含む。本明細書で使用される場合、「IL-4Rアンタゴニスト」(本明細書では「IL-4R阻害剤」、「IL-4R遮断剤」、または「IL-4Rαアンタゴニスト」とも呼ばれる)は、IL-4RαまたはIL-4Rリガンドと結合または相互作用し、1型および/または2型IL-4受容体の正常な生物学的シグナル伝達機能を阻害または減衰させる任意の作用剤である。ヒトIL-4Rαは、配列番号11のアミノ酸配列を有する。1型IL-4受容体は、IL-4Rα鎖およびγc鎖を含む二量体受容体である。2型IL-4受容体は、IL-4Rα鎖およびIL-13Rα1鎖を含む二量体受容体である。1型IL-4受容体は、IL-4と相互作用し、IL-4により刺激されるが、2型IL-4受容体は、IL-4およびIL-13の両方と相互作用し、IL-4およびIL-13の両方により刺激される。したがって、本開示の方法で使用することができるIL-4Rアンタゴニストは、IL-4媒介性シグナル伝達、IL-13媒介性シグナル伝達、またはIL-4媒介性シグナル伝達およびIL-13媒介性シグナル伝達の両方を遮断することにより機能することができる。したがって、本開示のIL-4Rアンタゴニストは、IL-4および/またはIL-13と1型または2型受容体との相互作用を防止することができる。
一部の実施形態では、本開示の方法は、それを必要とする対象(例えば、草アレルギーを有する対象)に、インターロイキン-4受容体(IL-4R)アンタゴニストまたはIL-4Rアンタゴニストを含む医薬組成物を投与する工程を含む。本明細書で使用される場合、「IL-4Rアンタゴニスト」(本明細書では「IL-4R阻害剤」、「IL-4R遮断剤」、または「IL-4Rαアンタゴニスト」とも呼ばれる)は、IL-4RαまたはIL-4Rリガンドと結合または相互作用し、1型および/または2型IL-4受容体の正常な生物学的シグナル伝達機能を阻害または減衰させる任意の作用剤である。ヒトIL-4Rαは、配列番号11のアミノ酸配列を有する。1型IL-4受容体は、IL-4Rα鎖およびγc鎖を含む二量体受容体である。2型IL-4受容体は、IL-4Rα鎖およびIL-13Rα1鎖を含む二量体受容体である。1型IL-4受容体は、IL-4と相互作用し、IL-4により刺激されるが、2型IL-4受容体は、IL-4およびIL-13の両方と相互作用し、IL-4およびIL-13の両方により刺激される。したがって、本開示の方法で使用することができるIL-4Rアンタゴニストは、IL-4媒介性シグナル伝達、IL-13媒介性シグナル伝達、またはIL-4媒介性シグナル伝達およびIL-13媒介性シグナル伝達の両方を遮断することにより機能することができる。したがって、本開示のIL-4Rアンタゴニストは、IL-4および/またはIL-13と1型または2型受容体との相互作用を防止することができる。
IL-4Rアンタゴニストのカテゴリーの非限定的な例としては、小分子IL-4R阻害剤、抗IL-4Rアプタマー、ペプチドベースのIL-4R阻害剤(例えば、「ペプチボディ(peptibody)」分子)、「受容体-ボディ(receptor-body)」(例えば、IL-4R成分のリガンド結合ドメインを含む遺伝子操作分子)、およびヒトIL-4Rαに特異的に結合する抗体または抗体の抗原結合性断片が挙げられる。本明細書で使用される場合、IL-4Rアンタゴニストとしては、IL-4および/またはIL-13に特異的に結合する抗原結合性タンパク質も挙げられる。
抗IL-4Rα抗体およびそれらの抗原結合性断片
本開示のある特定の例示的な実施形態では、IL-4Rアンタゴニストは、抗IL-4Rα抗体またはその抗原結合性断片である。「抗体」という用語は、本明細書で使用される場合、ジスルフィド結合により相互接続された4つのポリペプチド鎖、2つの重鎖(H)鎖および2つの軽(L)鎖を含む免疫グロブリン分子、ならびにそれらの多量体(例えば、IgM)を含む。典型的な抗体では、各重鎖は、重鎖可変領域(本明細書ではHCVRまたはVHと略される)および重鎖定常領域を含む。重鎖定常領域は、3つのドメイン、CH1、CH2、およびCH3を含む。各軽鎖は、軽鎖可変領域(本明細書ではLCVRまたはVLと略される)および軽鎖定常領域を含む。軽鎖定常領域は、1つのドメイン(CL1)を含む。VHおよびVL領域は、フレームワーク領域(FR)と名付けられているより保存されている領域に散在する相補性決定領域(CDR)と名付けられている超可変性の領域にさらに細分化することができる。各VHおよびVLは、アミノ末端からカルボキシ末端に向かって、以下の順序:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4に配置されている、3つのCDRおよび4つのFRで構成される。一部の実施形態では、抗IL-4R抗体(またはその抗原結合性部分)のFRは、ヒト生殖系列配列と同一である。一部の実施形態では、抗IL-4R抗体(またはその抗原結合性部分)の1つまたはそれ以上のFRは、天然にまたは人工的に改変されている。
本開示のある特定の例示的な実施形態では、IL-4Rアンタゴニストは、抗IL-4Rα抗体またはその抗原結合性断片である。「抗体」という用語は、本明細書で使用される場合、ジスルフィド結合により相互接続された4つのポリペプチド鎖、2つの重鎖(H)鎖および2つの軽(L)鎖を含む免疫グロブリン分子、ならびにそれらの多量体(例えば、IgM)を含む。典型的な抗体では、各重鎖は、重鎖可変領域(本明細書ではHCVRまたはVHと略される)および重鎖定常領域を含む。重鎖定常領域は、3つのドメイン、CH1、CH2、およびCH3を含む。各軽鎖は、軽鎖可変領域(本明細書ではLCVRまたはVLと略される)および軽鎖定常領域を含む。軽鎖定常領域は、1つのドメイン(CL1)を含む。VHおよびVL領域は、フレームワーク領域(FR)と名付けられているより保存されている領域に散在する相補性決定領域(CDR)と名付けられている超可変性の領域にさらに細分化することができる。各VHおよびVLは、アミノ末端からカルボキシ末端に向かって、以下の順序:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4に配置されている、3つのCDRおよび4つのFRで構成される。一部の実施形態では、抗IL-4R抗体(またはその抗原結合性部分)のFRは、ヒト生殖系列配列と同一である。一部の実施形態では、抗IL-4R抗体(またはその抗原結合性部分)の1つまたはそれ以上のFRは、天然にまたは人工的に改変されている。
また、「抗体」という用語は、本明細書で使用される場合、全長抗体分子の抗原結合性断片を含む。抗体の「抗原結合性部分」および抗体の「抗原結合性断片」などの用語は、本明細書で使用される場合、抗原に特異的に結合して複合体を形成するあらゆる天然に存在する、酵素的に得ることが可能な、合成の、または遺伝子操作されたポリペプチドまたは糖タンパク質を含む。抗体の抗原結合性断片は、例えば、タンパク質分解消化、または抗体可変ドメインおよび場合により定常ドメインをコードするDNAの操作および発現を含む組換え遺伝子工学技法などの任意の好適な標準技法を使用して、全長抗体分子から導出することができる。そのようなDNAは、公知であり、および/または例えば、商業的入手先、DNAライブラリー(例えば、ファージ-抗体ライブラリーを含む)から容易に入手可能であるか、または合成することができる。DNAを配列決定し、化学的にまたは分子生物学技法を使用することにより操作して、例えば、1つもしくはそれ以上の可変および/もしくは定常ドメインを好適な構成に配置してもよく、またはコドンを導入してもよく、システイン残基を作出してもよく、アミノ酸を修飾、追加、もしくは欠失させてもよい。
抗原結合性断片の非限定的な例としては、以下のものが挙げられる:(i)Fab断片;(ii)F(ab’)2断片;(iii)Fd断片;(iv)Fv断片;(v)単鎖Fv(scFv)分子;(vi)dAb断片;および(vii)抗体の超可変領域を模倣するアミノ酸残基からなる最小認識単位(例えば、CDR3ペプチドなどの、単離された相補性決定領域(CDR))、または拘束性FR3-CDR3-FR4ペプチド。ドメイン特異的抗体、単一ドメイン抗体、ドメイン欠失抗体、キメラ抗体、CDR移植抗体、ダイアボディ、トライアボディ、テトラボディ、ミニボディ、ナノボディ(例えば、一価ナノボディ、二価ナノボディなど)、小型モジュール式免疫医薬品(small modular immunopharmaceuticals)(SMIP)、およびサメ可変IgNARドメインなどの他の遺伝子操作分子も、本明細書で使用される「抗原結合性断片」という用語に包含される。
抗体の抗原結合性断片は、典型的には、少なくとも1つの可変ドメインを含むことになる。可変ドメインは、任意のサイズまたはアミノ酸組成であってもよく、一般に、1つまたはそれ以上のフレームワーク配列に隣接するかまたはインフレームである少なくとも1つのCDRを含む。VHドメインがVLドメインに会合している抗原結合性断片では、VHおよびVLドメインは、任意の好適な配置で互いに対して相対的に位置していてもよい。例えば、可変領域は、二量体であってもよく、VH-VH、VH-VL、またはVL-VL二量体を含んでいてもよい。その代わりに、抗体の抗原結合性断片は、単量体VHまたはVLドメインを含んでいてもよい。
ある特定の実施形態では、抗体の抗原結合性断片は、少なくとも1つの定常ドメインに共有結合で連結されている少なくとも1つの可変ドメインを含んでいてもよい。本開示の抗体の抗原結合性断片内に見出すことができる可変ドメインおよび定常ドメインの非限定的で例示的な構成としては、以下のものが挙げられる:(i)VH-CH1;(ii)VH-CH2;(iii)VH-CH3;(iv)VH-CH1-CH2;(v)VH-CH1-CH2-CH3;(vi)VH-CH2-CH3;(vii)VH-CL;(viii)VL-CH1;(ix)VL-CH2;(x)VL-CH3;(xi)VL-CH1-CH2;(xii)VL-CH1-CH2-CH3;(xiii)VL-CH2-CH3;および(xiv)VL-CL。上記に列挙されている例示的な構成のいずれかを含む、可変ドメインおよび定常ドメインの任意の構成では、可変ドメインおよび定常ドメインは、互いに直接連結されているかまたは完全なもしくは部分的なヒンジもしくはリンカー領域により連結されているかのいずれであってもよい。ヒンジ領域は、単一ポリペプチド分子内の隣接する可変ドメインおよび/または定常ドメイン間の可撓性または半可撓性連結をもたらす少なくとも2つの(例えば、5、10、15、20、40、60個、またはそれよりも多くの)アミノ酸からなっていてもよい。さらに、本開示の抗体の抗原結合性断片は、互いにおよび/または1つもしくはそれ以上の単量体VHもしくはVLドメインと非共有結合で会合している(例えば、ジスルフィド結合により)上記に列挙されている可変および定常ドメイン構成のいずれかのホモ二量体またはヘテロ二量体(または他の多量体)を含んでいてもよい。
抗体の定常領域は、補体を固定し、細胞依存性細胞傷害性を媒介する抗体の能力にとって重要である。したがって、一部の実施形態では、抗体のアイソタイプは、抗体が細胞傷害性を媒介することが望ましいか否かに基づいて選択することができる。
また、「抗体」という用語は、本明細書で使用される場合、多重特異性(例えば、二重特異性)抗体を含む。多重特異性抗体または抗体の抗原結合性断片は、典型的には、少なくとも2つの異なる可変ドメインを含むことになり、各可変ドメインは、別々の抗原または同じ抗原の異なるエピトープに特異的に結合することが可能である。任意の多重特異性抗体フォーマットを、当技術分野で利用可能な日常的な技法を使用して、本開示の抗体または抗体の抗原結合性断片の状況で使用するために構成することができる。例えば、一部の実施形態では、本開示の方法は、免疫グロブリンの一方のアームがIL-4Rαまたはその断片に特異的であり、免疫グロブリンの他方のアームが第2の療法標的に特異的であるかまたは療法部分にコンジュゲートされている二重特異性抗体の使用を含む。本開示の状況で使用することができる例示的な二重特異性フォーマットとしては、限定ではないが、例えば、scFvベースまたはダイアボディ二重特異性フォーマット、IgG-scFv融合物、二重可変ドメイン(DVD)-Ig、クアドローマ、ノブイントゥホール(knobs-into-holes)、共通軽鎖(例えば、ノブイントゥホールなどと共通の軽鎖)、CrossMab、CrossFab、(SEED)ボディ((SEED)body)、ロイシンジッパー、Duobody、IgG1/IgG2、二重作用性Fab(DAF)-IgG、およびMab2二重特異性フォーマットが挙げられる(上述のフォーマットの総説は、例えば、Kleinら、2012年、mAbs 4巻:6号、1~11頁、およびそこに引用されている参考文献を参照されたい)。二重特異性抗体は、ペプチド/核酸コンジュゲーションを使用して構築することもできる。例えば、直交化学反応性を有する非天然アミノ酸を使用して部位特異的抗体-オリゴヌクレオチドコンジュゲートを生成する。このコンジュゲートは、次いで自己集合して、規定の組成、価数、および形状を有する多量体複合体を形成する。(例えば、Kazaneら、J.Am.Chem.Soc.[Epub:2012年12月4日]を参照)。
一部の実施形態では、本開示の方法に使用される抗体は、ヒト抗体である。「ヒト抗体」という用語は、本明細書で使用される場合、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列に由来する可変領域および定常領域を有する抗体を含むことが意図されている。にもかかわらず、本開示のヒト抗体は、例えば、CDRに、特にCDR3に、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列によりコードされていないアミノ酸残基(例えば、in vitroでのランダム突然変異誘発もしくは部位特異的突然変異誘発またはin vivoでの体細胞突然変異により導入される突然変異)を含んでいてもよい。しかしながら、「ヒト抗体」という用語は、本明細書で使用される場合、マウスなどの別の哺乳動物種の生殖系列に由来するCDR配列がヒトフレームワーク配列に移植されている抗体を含むことは意図されていない。
本開示の方法で使用される抗体は、組換えヒト抗体であってもよい。「組換えヒト抗体」という用語は、本明細書で使用される場合、宿主細胞にトランスフェクトされた組換え発現ベクター(下記でさらに記載されている)を使用して発現される抗体、組換えコンビナトリアルヒト抗体ライブラリー(下記でさらに記載されている)から単離される抗体、ヒト免疫グロブリン遺伝子が遺伝子導入されている動物(例えば、マウス)から単離される抗体(例えば、Taylorら、(1992年)Nucl.AcidsRes.20巻:6287~6295頁を参照)、またはヒト免疫グロブリン遺伝子配列を他のDNA配列にスプライシングすることを含む任意の他の手段により調製、発現、作出、または単離される抗体など、組換え手段により調製、発現、作出、または単離されるすべてのヒト抗体を含むことが意図されている。そのような組換えヒト抗体は、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列に由来する可変領域および定常領域を有する。しかしながら、ある特定の実施形態では、そのような組換えヒト抗体は、in vitro突然変異誘発(または、ヒトIg配列が遺伝子導入されている動物が使用される場合は、in vivo体細胞突然変異誘発)に供されており、したがって、組換え抗体のVH領域およびVL領域のアミノ酸配列は、ヒト生殖系列VH配列およびVL配列に由来および関係しているが、in vivoでのヒト生殖系列レパートリー内に天然では存在し得ない配列である。
「単離された抗体」は、その自然環境の少なくとも1つの成分から特定、分離、および/または回収されている抗体を指す。例えば、生物の少なくとも1つの成分から、または抗体が天然に存在するかもしくは天然に産生される組織もしくは細胞から分離または取り出されている抗体は、「単離された抗体」である。単離された抗体には、組換え細胞内のin situな抗体も含まれる。単離された抗体は、少なくとも1つの精製または単離工程に供されている抗体である。ある特定の実施形態によると、単離された抗体は、他の細胞性物質および/または化学物質を実質的に含んでいなくともよい。
ある特定の実施形態によると、本開示の方法で使用される抗体は、IL-4Rαに特異的に結合する。「特異的に結合する」という用語は、本明細書で使用される場合、抗体またはその抗原結合性断片が、生理学的条件下で比較的安定である、抗原との複合体を形成することを意味する。抗体が抗原に特異的に結合するか否かを決定するための方法は、当技術分野で周知であり、例えば、平衡透析および表面プラズモン共鳴などが挙げられる。一部の実施形態では、IL-4Rαに「特異的に結合する」抗体は、表面プラズモン共鳴アッセイで測定して(例えば、BIAcore(商標)、GE Healthcare社、ピスカタウエイ、ニュージャージー州のBiacore Life Sciences部門)、約1000nM未満、約500nM未満、約300nM未満、約200nM未満、約100nM未満、約90nM未満、約80nM未満、約70nM未満、約60nM未満、約50nM未満、約40nM未満、未満約30nM、約20nM未満、約10nM未満、約5nM未満、約1nM未満、約0.5nM未満、約0.25nM未満、約0.1nM未満、または約0.05nM未満の平衡解離定数(KD)でIL-4Rαまたはその部分に結合する。一部の実施形態では、標的抗原(例えば、IL-4Rα)に特異的に結合する抗体は、別の抗原、例えば標的抗原のオルソログに特異的に結合することもできる。例えば、一部の実施形態では、ヒトIL-4Rαに特異的に結合する単離された抗体は、他の(非ヒト)種に由来するIL-4Rα分子などの他の抗原に対して交差反応性を呈する。
一部の実施形態では、IL-4Rアンタゴニストは、米国特許第7,608,693号明細書に記載の通りの抗IL-4R抗体のアミノ酸配列のいずれかを含む重鎖可変領域(HCVR)、軽鎖可変領域(LCVR)、および/または相補性決定領域(CDR)を含む抗IL-4Rα抗体またはその抗原結合性断片である。一部の実施形態では、IL-4Rアンタゴニストは、配列番号1のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(HCVR)の重鎖相補性決定領域(HCDR)および配列番号2のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(LCVR)の軽鎖相補性決定領域(LCDR)を含む抗IL-4Rα抗体またはその抗原結合性断片である。一部の実施形態では、IL-4Rアンタゴニストは、3つのHCDR(HCDR1、HCDR2、およびHCDR3)および3つのLDCR(LCDR1、LDCR2、およびLDCR3)を含む抗IL-4Rα抗体またはその抗原結合性断片であり、HCDR1は、配列番号3のアミノ酸配列を含み;HCDR2は配列番号4のアミノ酸配列を含み;HCDR3は、配列番号5のアミノ酸配列を含み;LCDR1は配列番号6のアミノ酸配列を含み、LCDR2は配列番号7のアミノ酸配列を含み、LCDR3は配列番号8のアミノ酸配列を含む。
一部の実施形態では、抗IL-4R抗体またはその抗原結合性断片は、それぞれ、配列番号3、4、5、6、7、および8のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LDCR1、LDCR2、およびLDCR3を含み、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも85%配列同一性(例えば、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%配列同一性)を有するHCVR、および配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも85%の配列同一性(例えば、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%配列同一性)を有するLCVRをさらに含む。一部の実施形態では、抗IL-4R抗体またはその抗原結合性断片は、配列番号1を含むHCVRおよび配列番号2を含むLCVRを含む。
一部の実施形態では、抗IL-4R抗体は、配列番号9のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。一部の実施形態では、抗IL-4R抗体は、配列番号10のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
配列番号9のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号10のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む例示的な抗体は、デュピルマブとして知られている完全ヒト抗IL-4R抗体である。ある特定の例示的な実施形態によると、本開示の方法は、デュピルマブまたはその生物学的等価物の使用を含む。「生物学的等価物」という用語は、デュピルマブに関して本明細書で使用される場合、吸収の速度および/または程度が、単一用量または複数用量のいずれかに関わらず、同様の実験条件下で同じモル用量で投与された場合のデュピルマブのものとの有意差を示さない薬学的等価物または薬学的代替物である抗IL-4R抗体またはIL-4R結合性タンパク質またはそれらの断片を指す。一部の実施形態では、この用語は、それらの安全性、純度、および/または効力がデュピルマブと臨床的に意味のある違いを示さない、IL-4Rに結合する抗原結合性タンパク質を指す。
本開示の方法の状況で使用することができる他の抗IL-4Rα抗体としては、例えば、当技術分野においてAMG317(Correnら、2010年、Am J Respir Crit Care Med.、181巻(8号):788~796頁)もしくはMEDI9314と呼ばれており公知である抗体、または米国特許第7,186,809号明細書、米国特許第7,605,237号明細書、米国特許第7,638,606号明細書、米国特許第8,092,804号明細書、米国特許第8,679,487号明細書、もしくは米国特許第8,877,189号明細書に示されている抗IL-4Rα抗体のいずれかが挙げられる。
一部の実施形態では、本開示の方法で使用される抗IL-4Rα抗体は、pH依存的結合特徴を有してもよい。例えば、本明細書で開示の通りに使用するための抗IL-4Rα抗体は、中性pHと比較して酸性pHにおいてIL-4Rαに対する結合の低減を呈してもよい。その代わりに、本明細書で開示の通りに使用するための抗IL-4Rα抗体は、中性pHと比較して酸性pHにおいてその抗原に対する結合の増強を呈してもよい。「酸性pH」という表現は、約6.2未満の、例えば、約6.0、5.95、5.9、5.85、5.8、5.75、5.7、5.65、5.6、5.55、5.5、5.45、5.4、5.35、5.3、5.25、5.2、5.15、5.1、5.05、5.0、またはそれよりも低いpH値を含む。本明細書で使用される場合、「中性pH」という表現は、約7.0~約7.4のpHを意味する。「中性pH」という表現は、約7.0、7.05、7.1、7.15、7.2、7.25、7.3、7.35、および7.4のpH値を含む。
ある特定の場合では、「中性pHと比較して酸性pHにおいてIL-4Rαに対する結合が低減される」は、酸性pHでIL-4Rαに結合する抗体のKD値の、中性pHでIL-4Rαに結合する抗体のKD値に対する比(またはその逆)で表される。例えば、抗体またはその抗原結合性断片が、約3.0またはそれよりも大きな酸性/中性KD比を呈する場合、抗体またはその抗原結合性断片は、「中性pHと比較して酸性pHにおいてIL-4Rαに対する結合の低減」を呈するとみなすことができる。ある特定の例示的な実施形態では、本開示の抗体または抗原結合性断片の酸性/中性KD比は、約3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、10.0、10.5、11.0、11.5、12.0、12.5、13.0、13.5、14.0、14.5、15.0、20.0、25.0、30.0、40.0、50.0、60.0、70.0、100.0、またはそれよりも大きくてもよい。
pH依存的結合特徴を有する抗体は、例えば、中性pHと比較して酸性pHにおいて特定の抗原に対する結合が低減(または増強)されることについて、抗体の集団をスクリーニングすることにより得ることができる。加えて、アミノ酸レベルで抗原結合性ドメインを修飾することにより、pH依存的特徴を有する抗体を産出することができる。例えば、抗原結合性ドメイン(例えば、CDR内)の1つまたはそれ以上のアミノ酸をヒスチジン残基で置換することにより、中性pHと比較して酸性pHにおいて抗原結合性が低減される抗体を得ることができる。
ヒト抗体の調製
ヒト抗体をトランスジェニックマウスで生成するための方法は、当技術分野で公知である。本開示の状況では、そのような公知の方法を使用して、ヒトIL-4Rに特異的に結合するヒト抗体を製作することができる。
ヒト抗体をトランスジェニックマウスで生成するための方法は、当技術分野で公知である。本開示の状況では、そのような公知の方法を使用して、ヒトIL-4Rに特異的に結合するヒト抗体を製作することができる。
VELOCIMMUNE(商標)技術(例えば、米国特許第6,596,541号明細書、Regeneron Pharmaceuticals社を参照)またはモノクローナル抗体を生成するための任意の他の公知の方法を使用して、ヒト可変領域およびマウス定常領域を有する、IL-4Rに対する高親和性キメラ抗体をまず単離する。VELOCIMMUNE(登録商標)技術は、マウスが、抗原刺激に応答してヒト可変領域およびマウス定常領域を含む抗体を産生するように、内因性マウス定常領域遺伝子座に作動可能に連結した、ヒト重鎖および軽鎖可変領域を含むゲノムを有するトランスジェニックマウスを生成することを含む。抗体の重鎖および軽鎖の可変領域をコードするDNAを単離し、ヒト重鎖および軽鎖定常領域をコードするDNAに作動可能に連結する。次いで、完全ヒト抗体を発現可能な細胞でDNAを発現させる。
一般に、VELOCIMMUNE(登録商標)マウスを目的の抗原で負荷し、抗体を発現するマウスからリンパ細胞(B細胞など)を回収する。リンパ細胞を骨髄腫細胞株と融合させて不死ハイブリドーマ細胞株を調製し、そのようなハイブリドーマ細胞株をスクリーニングおよび選択して、目的の抗原に特異的な抗体を産生するハイブリドーマ細胞株を特定する。重鎖および軽鎖の可変領域をコードするDNAを単離し、重鎖および軽鎖の望ましいアイソタイプ定常領域に連結してもよい。このような抗体タンパク質は、CHO細胞などの細胞で産生することができる。その代わりに、抗原特異的キメラ抗体または軽鎖および重鎖の可変ドメインをコードするDNAを、抗原特異的リンパ球から直接単離してもよい。
まず、ヒト可変領域およびマウス定常領域を有する高親和性キメラ抗体を単離する。当業者に公知の標準的手順を使用して、親和性、選択性、エピトープなどを含む望ましい特徴について抗体を特徴付け選択する。マウス定常領域を、所望のヒト定常領域と置き換えて、本開示の完全ヒト抗体、例えば、野生型または改変型IgG1またはIgG4を生成する。選択される定常領域は特定の使用に応じて様々であってもよいが、高親和性抗原結合特徴および標的特異性特徴は可変領域に存在する。
一般に、本開示の方法で使用することができる抗体は、固相に固定化されているかまたは液相にあるかのいずれかの抗原に対する結合を測定すると、上記に記載の通りの高い親和性を有する。マウス定常領域を所望のヒト定常領域と置き換えて、本開示の完全ヒト抗体を生成する。選択される定常領域は特定の使用に応じて様々であってもよいが、高親和性抗原結合性特徴および標的特異性特徴は可変領域に存在する。
一実施形態では、IL-4Rに特異的に結合し、本明細書に開示の方法で使用することができるヒト抗体またはその抗原結合性断片は、配列番号1のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域(HCVR)内に含まれる3つの重鎖CDR(HCDR1、HCDR2、およびHCDR3)、および配列番号2のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域(LCVR)内に含まれる3つの軽鎖CDR(LCVR1、LCVR2、LCVR3)を含む。HCVRおよびLCVRアミノ酸配列内のCDRを特定するための方法および技法は、当技術分野で周知であり、本明細書に開示の指定のHCVRおよび/またはLCVRアミノ酸配列内のCDRを特定するために使用することができる。CDRの境界を特定するために使用することができる例示的な慣例としては、例えば、カバット定義、Chothia定義、およびAbM定義が挙げられる。一般に、カバット定義は、配列変動性に基づき、Chothia定義は構造ループ領域の位置に基づき、AbM定義は、カバット手法およびChothia手法の折衷である。例えば、Kabat、「Sequences of Proteins of Immunological Interest」、National Institutes of Health、ベセスダ、メリーランド州(1991年);Al-Lazikaniら、J.Mol.Biol.273巻:927~948頁(1997年);およびMartinら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86巻:9268~9272頁(1989年)を参照されたい。抗体内のCDR配列を特定するための公開データベースも利用可能である。
医薬組成物
一態様では、本開示は、IL-4Rアンタゴニストを対象に投与する工程を含む方法であって、IL-4Rアンタゴニスト(例えば、抗IL-4R抗体)は、1つまたはそれ以上の薬学的に許容されるビヒクル、担体、および/または賦形剤を含む医薬組成物内に含まれる、方法を提供する。種々の薬学的に許容される担体および賦形剤が当技術分野で周知である。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Company、イーストン、ペンシルバニア州を参照されたい。一部の実施形態では、担体は、静脈内、筋肉内、経口、腹腔内、髄腔内、経皮、局所、または皮下投与に好適である。
一態様では、本開示は、IL-4Rアンタゴニストを対象に投与する工程を含む方法であって、IL-4Rアンタゴニスト(例えば、抗IL-4R抗体)は、1つまたはそれ以上の薬学的に許容されるビヒクル、担体、および/または賦形剤を含む医薬組成物内に含まれる、方法を提供する。種々の薬学的に許容される担体および賦形剤が当技術分野で周知である。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Company、イーストン、ペンシルバニア州を参照されたい。一部の実施形態では、担体は、静脈内、筋肉内、経口、腹腔内、髄腔内、経皮、局所、または皮下投与に好適である。
投与方法としては、これらに限定されないが、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内、皮下、鼻腔内、硬膜外、および経口経路が挙げられる。組成物は、任意の便利な経路により、例えば、輸注またはボーラス注射により、上皮または粘膜皮膚内層(例えば、口腔粘膜、直腸および腸粘膜など)を介した吸収により投与することができ、他の生物学的活性作用剤と共に投与することができる。一部の実施形態では、本明細書に開示の通りの医薬組成物は、静脈内投与される。一部の実施形態では、本明細書に開示の通りの医薬組成物は、皮下投与される。
一部の実施形態では、医薬組成物は、静脈内、皮下、皮内、および筋肉内注射、点滴輸注用などの剤形などの注射可能な調製物を含む。こうした注射可能な調製物は、公知の方法により調製することができる。例えば、注射可能な調製物は、例えば、注射に従来使用される無菌の水性媒体または油性媒体に、上記に記載の抗体またはその塩を溶解、懸濁、または乳化することにより調製することができる。注射用水性媒体としては、例えば、生理食塩水、グルコースおよび他の助剤を含む等張溶液などがあり、これらは、アルコール(例えば、エタノール)、ポリアルコール(例えば、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール)、非イオン性界面活性剤[例えば、ポリソルベート80、HCO-50(水素化ヒマシ油のポリオキシエチレン(50mol)付加物)]などの適切な可溶化剤と組み合わせて使用することができる。油性媒体としては、例えば、ゴマ油、大豆油などが使用され、これらは、安息香酸ベンジル、ベンジルアルコールなどの可溶化剤と組み合わせて使用することができる。このように調製された注射剤は、適切なアンプルに充填することができる。
本開示の方法に従って対象に投与される抗体の用量は、対象の年齢およびサイズ、症状、状態、および投与経路などに応じて様々であってもよい。用量は、典型的には、体重または体表面積に応じて計算される。状態の重症度に応じて、治療の頻度および期間を調整することができる。抗IL-4R抗体を含む医薬組成物を投与するための効果的な投薬量およびスケジュールは、経験的に決定することができる。例えば、対象進行を、定期的な評価によりモニターすることができ、それに応じて用量を調整することができる。さらに、投薬量の種間スケーリングを、当技術分野で周知の方法を使用して実施することができる(例えば、Mordentiら、1991年、Pharmaceut.Res.8巻:1351頁)。本開示の状況で使用することができる、抗IL-4R抗体の特定の例示的な用量およびそれを含む投与レジメンは、本明細書の他所に開示されている。
一部の実施形態では、本開示の医薬組成物は、容器内に含まれている。したがって、別の態様では、本明細書に開示の通りの医薬組成物を含む容器が提供される。例えば、一部の実施形態では、医薬組成物は、ガラスバイアル、シリンジ、ペン型送達デバイス、およびオートインジェクターからなる群から選択される容器内に含まれる。
一部の実施形態では、本開示の医薬組成物は、例えば、標準的な針およびシリンジを用いて皮下または静脈内に送達される。一部の実施形態では、シリンジは、事前充填シリンジである。一部の実施形態では、ペン型送達デバイスまたはオートインジェクターを使用して(例えば、皮下送達の場合)、本開示の医薬組成物を送達する。ペン型送達デバイスは、再利用可能であってもよくまたは使い捨てであってもよい。典型的には、再利用可能なペン型送達デバイスには、医薬組成物を含む交換可能なカートリッジが使用される。カートリッジ内の医薬組成物が投与され、カートリッジが空になると、空のカートリッジを容易に廃棄して、医薬組成物を含む新しいカートリッジと交換することができる。次いで、ペン型送達デバイスを再利用することができます。使い捨てペン型送達デバイスには、交換可能なカートリッジは存在しない。むしろ、使い捨てペン型送達デバイスは、デバイス内のリザーバーに保持されている医薬組成物で事前に充填された状態で提供される。医薬組成物のリザーバーが空になると、デバイス全体が廃棄される。
好適なペン型送達デバイスおよびオートインジェクター送達デバイスの例としては、これらに限定されないが、AUTOPEN(商標)(Owen Mumford,Inc.社、ウッドストック、英国)、DISETRONIC(商標)ペン(Disetronic Medical Systems社、バーグドーフ、スイス)、HUMALOG MIX 75/25(商標)ペン、HUMALOG(商標)ペン、HUMALIN 70/30(商標)ペン(Eli Lilly and Co.社、インディアナポリス、インディアナ州)、NOVOPEN(商標)I、II、およびIII(Novo Nordisk社、コペンハーゲン、デンマーク)、NOVOPEN JUNIOR(商標)(Novo Nordisk社、コペンハーゲン、デンマーク)、BD(商標)ペン(Becton Dickinson社、フランクリンレイクス、ニュージャージー州)、OPTIPEN(商標)、OPTIPEN PRO(商標)、OPTIPEN STARLET(商標)、およびOPTICLIK(商標)(sanofi-aventis社、フランクフルト、ドイツ)が挙げられる。本開示の医薬組成物の皮下送達に応用を有する使い捨てペン型送達デバイスの例としては、これらに限定されないが、SOLOSTAR(商標)ペン(sanofi-aventis社)、FLEXPEN(商標)(Novo Nordisk社)、およびKWIKPEN(商標)(Eli Lilly社)、SURECLICK(商標)オートインジェクター(Amgen社、サウザンドオークス、カリフォルニア州)、PENLET(商標)(Haselmeier社、シュトゥットガルト、ドイツ)、EPIPEN(Dey,L.P.社)、およびHUMIRA(商標)ペン(Abbott Labs社、アボットパーク、イリノイ州)が挙げられる。
一部の実施形態では、医薬組成物は、制御放出系を使用して送達される。一実施形態では、ポンプを使用してもよい(Langer、前出;Sefton、1987年、CRC Crit.Ref.Biomed.Eng.14巻:201頁を参照)。別の実施形態では、高分子材料を使用してもよい:Medical Applications of Controlled Release、LangerおよびWise(編)、1974年、CRC Pres、ボカラトン、フロリダ州を参照されたい。さらに別の実施形態では、制御放出系は、組成物の標的近傍に配置することができ、したがって、全身用量のほんの一部しか必要としない(例えば、Goodson、1984年、Medical Applications of Controlled Release、前出、2巻、115~138頁を参照)。他の制御放出系は、Langer、1990年、Science 249巻:1527~1533頁による総説で考察されている。他の送達系、例えば、リポソーム、マイクロ粒子、マイクロカプセルへの封入、突然変異ウイルスを発現可能な組換え細胞、受容体媒介性エンドサイトーシスが公知であり、医薬組成物を送達するために使用することができる(例えば、Wuら、1987年、J.Biol.Chem.262巻:4429~4432頁を参照)。
一部の実施形態では、医薬組成物は、本明細書で開示されている通りの容器(例えば、ガラスバイアル、シリンジ、ペン型送達デバイス、またはオートインジェクター)中に、約0.5mL~約2.5mL、例えば、約0.7mL、0.8mL、0.9mL、1.0mL、1.1mL、1.15mL、1.2mL、1.25mL、1.3mL、1.4mL、1.5mL、1.6mL、1.7mL、1.75mL、1.8mL、1.9mL、2.0mL、2.1mL、2.2mL、2.25mL、2.3mL、2.4mL、または2.5mLの容積で供給される。一部の実施形態では、医薬組成物は、約0.7mLの容積中に含まれている。一部の実施形態では、医薬組成物は、約1.15mLの容積中に含まれている。一部の実施形態では、医薬組成物は、約2.25mLの容積に含まれている。
一部の実施形態では、本明細書に記載の通りに使用するための医薬組成物は、活性成分の用量への適合に好適な単位用量の剤形に調製される。単位用量のそのような剤形としては、例えば、錠剤、丸剤、カプセル剤、注射剤(アンプル剤)、坐剤などが挙げられる。
本開示の状況で使用することができる抗IL-4R抗体を含む例示的な医薬組成物は、例えば、米国特許第8,945,559号明細書に開示されている。
投薬量
一般に、IL-4Rアンタゴニスト(例えば、抗IL-4R抗体)は、治療有効量で本開示の方法に従って対象に投与される。IL-4Rアンタゴニストに関して本明細書で使用される場合、「治療有効量」という語句は、以下の1つまたはそれ以上をもたらすIL-4Rアンタゴニストの量を意味する:(a)アレルギー反応の治療または重症度もしくは期間の低減;(b)アレルギー反応の1つまたはそれ以上の症状または徴候の軽減;(c)血清アレルゲン特異的IgG4の血清アレルゲン特異的IgEに対する比の増加;(d)2型免疫活性(例えば、血清TARCまたは総IgE)の1つまたはそれ以上のマーカーのレベルの低減;(e)アレルゲン特異的免疫療法に対するアレルギー応答の頻度の低減;および(f)鼻アレルゲン負荷後の誘発アレルギー性鼻炎症状の低減。
一般に、IL-4Rアンタゴニスト(例えば、抗IL-4R抗体)は、治療有効量で本開示の方法に従って対象に投与される。IL-4Rアンタゴニストに関して本明細書で使用される場合、「治療有効量」という語句は、以下の1つまたはそれ以上をもたらすIL-4Rアンタゴニストの量を意味する:(a)アレルギー反応の治療または重症度もしくは期間の低減;(b)アレルギー反応の1つまたはそれ以上の症状または徴候の軽減;(c)血清アレルゲン特異的IgG4の血清アレルゲン特異的IgEに対する比の増加;(d)2型免疫活性(例えば、血清TARCまたは総IgE)の1つまたはそれ以上のマーカーのレベルの低減;(e)アレルゲン特異的免疫療法に対するアレルギー応答の頻度の低減;および(f)鼻アレルゲン負荷後の誘発アレルギー性鼻炎症状の低減。
抗IL-4R抗体の場合、治療有効量は、約0.05mg~約600mgの、例えば、約0.05mg、約0.1mg、約1.0mg、約1.5mg、約2.0mg、約10mg、約20mg、約30mg、約40mg、約50mg、約60mg、約70mg、約80mg、約90mg、約100mg、約110mg、約120mg、約130mg、約140mg、約150mg、約160mg、約170mg、約180mg、約190mg、約200mg、約210mg、約220mg、約230mg、約240mg、約250mg、約260mg、約270mg、約280mg、約290mg、約300mg、約310mg、約320mg、約330mg、約340mg、約350mg、約360mg、約370mg、約380mg、約390mg、約400mg、約410mg、約420mg、約430mg、約440mg、約450mg、約460mg、約470mg、約480mg、約490mg、約500mg、約510mg、約520mg、約530mg、約540mg、約550mg、約560mg、約570mg、約580mg、約590mg、または約600mgの抗IL-4R抗体であってもよい。一部の実施形態では、治療有効量は、約75mg~約600mgである。ある特定の実施形態では、75mg、100mg、150mg、200mg、または300mgの抗IL-4R抗体が対象に投与される。
個々の用量内に含まれるIL-4Rアンタゴニスト(例えば、抗IL-4R抗体)の量は、対象体重1キログラム当たりの抗体のミリグラム(つまり、mg/kg)換算で表すことができる。例えば、IL-4Rアンタゴニストは、対象体重の約0.0001~約10mg/kgの用量で、例えば、約1mg/kg~約10mg/kg、または約1mg/kg、約2mg/kg、約3mg/kg、約4mg/kg、約5mg/kg、約6mg/kg、約7mg/kg、約8mg/kg、約9mg/kg、または約10mg/kgの用量で対象に投与することができる。
一部の実施形態では、IL-4Rアンタゴニスト(例えば、抗IL-4R抗体)は、4週間の治療後に測定した場合、少なくとも約70mg/L(例えば、少なくとも約75mg/L、少なくとも約80mg/L、少なくとも約85mg/L、またはそれよりも大きな)のアンタゴニストの血清濃度レベルをもたらす量で対象に投与される。
SCITの場合、投与されるアレルゲン(例えば、草抽出物)の投薬量は、漸増レジメン中に増加する。一部の実施形態では、SCITは、1生物学的等価アレルギー単位(BAU)の開始投薬量で投与され、漸増レジメン中に、約1,000~4,000BAUの目標用量へと(牧草、例えば、オオアワガエリ、セイバンモロコシ、ケンタッキーブルーグラス、オーチャード、コヌカグサ、ライムギ、ハルガヤ、またはヒロハノウシノケグサの場合)または約300~1500BAUの目標用量(バミューダ草の場合)へと増加される。一部の実施形態では、SCITは、1BAUから開始され、約1,000、約1,500、約2,000、約2,500、約3,000、約3,500、または約4,000BAUへと増加する増加投薬量で投与される。一部の実施形態では、漸増レジメン後、SCITは、目標用量(例えば、牧草の場合は約1,000~4,000BAUの目標用量、またはバミューダ草の場合は約300~1500BAUの目標用量)に等しい維持用量で投与される。SCITの例示的な投薬量レジメンは以下の表1に示されている。
投与レジメン
一部の実施形態では、本明細書に開示の方法は、IL-4Rアンタゴニストを、週に約4回、週2回、週1回、2週毎に1回、3週毎に1回、4週毎に1回、5週毎に1回、6週毎に1回、8週毎に1回、12週毎に1回の投薬頻度で、または療法応答が達成される限りより少ない頻度で、対象に投与する工程を含む。一部の実施形態では、抗IL-4R抗体は、約75mg、150mg、200mg、または300mgの量で、週1回または2週毎に1回投与される。
一部の実施形態では、本明細書に開示の方法は、IL-4Rアンタゴニストを、週に約4回、週2回、週1回、2週毎に1回、3週毎に1回、4週毎に1回、5週毎に1回、6週毎に1回、8週毎に1回、12週毎に1回の投薬頻度で、または療法応答が達成される限りより少ない頻度で、対象に投与する工程を含む。一部の実施形態では、抗IL-4R抗体は、約75mg、150mg、200mg、または300mgの量で、週1回または2週毎に1回投与される。
一部の実施形態では、複数用量のIL-4Rアンタゴニストが、規定の時間経過にわたって対象に投与される。一部の実施形態では、本開示の方法は、複数用量のIL-4Rアンタゴニストを対象に順次投与する工程を含む。本明細書で使用される場合、「順次投与」は、IL-4Rアンタゴニストの各用量が、異なる時点で、例えば、所定の間隔(例えば、時間、日、週、または月)で隔てられた異なる日に、対象に投与されることを意味する。一部の実施形態では、本開示の方法は、IL-4Rアンタゴニストの単一初期用量、続いてIL-4Rアンタゴニストの1つまたはそれ以上の二次用量、および場合により続いてIL-4Rアンタゴニストの1つまたはそれ以上の三次用量を患者に順次投与する工程を含む。
「初期用量」、「二次用量」、および「三次用量」という用語は、IL-4Rアンタゴニストの投与の時間的順序を指す。したがって、「初期用量」は、治療レジメンの始めに投与される用量(「負荷用量」とも呼ばれる)であり;「二次用量」は、初期用量の後に投与される用量であり;「三次用量」は、二次用量の後に投与される用量である。初期、二次、および三次用量はすべて、同量のIL-4Rアンタゴニストを含んでいてもよいが、一般に投与頻度の点で互いに異なっていてもよい。しかしながら、ある特定の実施形態では、初期、二次、および/または三次用量に含まれるIL-4Rアンタゴニストの量は、治療の経過で互いに異なる(例えば、必要に応じて上方または下方に調整される)。ある特定の実施形態では、1つまたはそれ以上(例えば、1、2、3、4、または5つ)の用量が、「負荷用量」として治療レジメンの始めに投与され、続いてその後の用量(例えば、「維持用量」)はより少ない頻度で投与される。例えば、IL-4Rアンタゴニストは、約400mgまたは約600mgの初期用量または負荷用量で、続いて約75mg~約300mgの1つまたはそれ以上の二次用量または維持用量で対象に投与してもよい。一実施形態では、初期用量および1つまたはそれ以上の二次用量は各々、50mg~600mgのIL-4Rアンタゴニスト、例えば、100mg、150mg、200mg、250mg、300mg、400mg、500mg、または600mgのIL-4Rアンタゴニストを含む。一部の実施形態では、初期用量および1つまたはそれ以上の二次用量は各々、同量のIL-4Rアンタゴニストを含む。他の実施形態では、初期用量は、第1の量のIL-4Rアンタゴニストを含み、1つまたはそれ以上の二次用量は各々、第2の量のIL-4Rアンタゴニストを含む。例えば、IL-4Rアンタゴニストの第1の量は、IL-4Rアンタゴニストの第2の量よりも、1.5×、2×、2.5×、3×、3.5×、4×、または5×、またはそれよりも多くてもよい。1つの例示的な実施形態では、IL-4Rアンタゴニストは、約600mgの負荷用量で、続いて約300mgの1つまたはそれ以上の維持用量で対象に投与される。別の例示的な実施形態では、IL-4Rアンタゴニストは、約400mgの負荷用量で、続いて約200mgの1つまたはそれ以上の維持用量で、対象に投与してもよい。一部の実施形態では、負荷用量は投与されない。
一部の実施形態では、各二次および/または三次用量は、直前用量の1~14(例えば、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、またはそれよりも長期の)週間後に投与される。「直前用量」という語句は、本明細書で使用される場合、複数投与の順序において、順序がすぐ次の用量の投与前に介在用量なしで患者に投与されるIL-4Rアンタゴニストの用量を意味する。
本開示の方法は、IL-4Rアンタゴニストの任意の数の二次および/または三次用量を患者に投与する工程を含んでいてもよい。例えば、ある特定の実施形態では、単一の二次用量のみが患者に投与される。他の実施形態では、2つまたはそれ以上(例えば、2、3、4、5、6、7、8、またはそれよりも多く)の二次用量が患者に投与される。同様に、ある特定の実施形態では、単一の三次用量のみが患者に投与される。他の実施形態では、2つまたはそれ以上(例えば、2、3、4、5、6、7、8、またはそれよりも多く)の三次用量が患者に投与される。
複数の二次用量を含む一部の実施形態では、各二次用量は、他の二次用量と同じ頻度で投与される。例えば、各二次用量は、直前用量の1~2週間後に患者に投与してもよい。同様に、複数の三次用量を含む一部の実施形態では、各三次用量は、他の三次用量と同じ頻度で投与される。例えば、各三次用量は、直前用量の2~4週間後に患者に投与してもよい。その代わりに、二次および/または三次用量が患者に投与される頻度は、治療レジメンの経過にわたって変化させることができる。また、投与の頻度は、臨床検査後の個々の患者の必要性に応じて、医師による治療の経過中に調整してもよい。
一部の実施形態では、SCITは、約4~12週間(例えば、4~10週間、4~8週間、6~12週間、6~10週間、6~8週間、8~12週間、または8~10週間)の漸増レジメン、続いて4、6、8、10、12週間、またはそれよりも長期の維持レジメンを含むクラスターSCITレジメンとして対象に投与される。一部の実施形態では、SCITは、約4、5、6、7、8、9、10、11、または12週間の漸増レジメンの増加投薬量で投与され、続いて少なくとも8週間の維持投薬量で投与される。一部の実施形態では、SCITは、8週間の漸増レジメンの増加投薬量で投与され、続いて8週間またはそれよりも長期の維持投薬量で投与される。
一部の実施形態では、IL-4Rアンタゴニストの少なくとも1用量は、SCITレジメン開始の1日前またはそれよりも前に投与される。一部の実施形態では、IL-4Rアンタゴニストの少なくとも1用量は、SCITレジメン開始の少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10日前、またはそれよりも前に投与される。一部の実施形態では、IL-4Rアンタゴニストの最初の用量は、SCITレジメン開始の1~7日前に投与される。一部の実施形態では、IL-4Rアンタゴニストの最初の用量は、SCITレジメン開始の1週間前までに投与される。
一部の実施形態では、IL-4Rアンタゴニストの最初の用量は、SCITレジメンの開始前に投与され、IL-4Rアンタゴニストのその後の用量は、SCITレジメンの開始後に投与される。例えば、一部の実施形態では、IL-4Rアンタゴニストの初期(負荷)用量は、SCITレジメン開始の1~14、1~10、または1~7日前に投与され、IL-4Rアンタゴニストの最初の二次(維持)用量は、SCITレジメン開始の少なくとも1日後までは投与されない。
一部の実施形態では、IL-4Rアンタゴニストの1つよりも多くの用量は、SCITレジメンの開始前に投与される。例えば、一部の実施形態では、IL-4Rアンタゴニストの初期(負荷)用量およびIL-4Rアンタゴニストの少なくとも1つの二次(維持)用量は、SCITレジメンの開始前に投与される。
一部の実施形態では、IL-4RアンタゴニストおよびSCITは、同じ日に対象に投与されない。
併用療法
一部の実施形態では、本開示の方法は、1つまたはそれ以上の追加の療法剤と組み合わせて、IL-4Rアンタゴニスト、またはIL-4RアンタゴニストおよびSCITレジメンを対象に投与する工程を含む。本明細書で使用される場合、「と組み合わせて」という表現は、1つまたはそれ以上の追加の療法剤が、IL-4RアンタゴニストまたはIL-4RアンタゴニストおよびSCITレジメンの前に、同時に、または後で投与されることを意味する。
一部の実施形態では、本開示の方法は、1つまたはそれ以上の追加の療法剤と組み合わせて、IL-4Rアンタゴニスト、またはIL-4RアンタゴニストおよびSCITレジメンを対象に投与する工程を含む。本明細書で使用される場合、「と組み合わせて」という表現は、1つまたはそれ以上の追加の療法剤が、IL-4RアンタゴニストまたはIL-4RアンタゴニストおよびSCITレジメンの前に、同時に、または後で投与されることを意味する。
例えば、IL-4Rアンタゴニストを含む医薬組成物の「前」に投与される場合、追加の療法剤は、IL-4Rアンタゴニストを含む医薬組成物を投与する約72時間、約60時間、約48時間、約36時間、約24時間、約12時間、約10時間、約8時間、約6時間、約4時間、約2時間、約1時間、約30分、約15分、または約10分前に投与してもよい。IL-4Rアンタゴニストを含む医薬組成物の「後に」投与される場合、追加の療法剤は、IL-4Rアンタゴニストを含む医薬組成物を投与した約10分、約15分、約30分、約1時間、約2時間、約4時間、約6時間、約8時間、約10時間、約12時間、約24時間、約36時間、約48時間、約60時間、または約72時間後に投与してもよい。IL-4Rアンタゴニストを含む医薬組成物と「同時」または一緒の投与は、追加の療法剤が、IL-4Rアンタゴニストを含む医薬組成物の投与の5分未満以内に(前、後、または同時に)別の剤形で投与されるか、または追加の療法剤およびIL-4Rアンタゴニストの両方を含む単一の併用投薬製剤として対象に投与されることを意味する。
一部の実施形態では、追加の療法剤は、ステロイド、抗ヒスタミン薬、充血除去薬、または抗IgE剤である。一部の実施形態では、追加の療法剤は、ステロイド(例えば、吸入コルチコステロイド(ICS)などのコルチコステロイド)である。一部の実施形態では、追加の療法剤は、抗ヒスタミン薬(例えば、ロラタジン、フェキソフェナジン、セチリジン、ジフェンヒドラミン、プロメタジン、カルビノキサミン、デスロラタジン、ヒドロキシジン、レボセチリジン、トリプロリジン、ブロムフェニラミン、またはクロルフェニラミン)である。一部の実施形態では、追加の療法剤は、充血除去薬(例えば、プソイドエフェドリンまたはフェニレフリン)である。一部の実施形態では、追加の療法剤は、抗IgE剤(例えば、オマリズマブ)である。
以下の実施例は、本開示の方法および組成物を製作および使用するための方法に関する完全な開示および説明を当業者に提供するために提示されており、本発明者らが自らの発明であるとみなすものの範囲を限定することを意図するものではない。使用される数値(例えば、量、温度など)に関して正確さを保証するための努力がなされているが、一部の実験誤差および偏差を考慮に入れるべきである。別様に示されていない限り、部は重量部であり、分子量は平均分子量であり、温度は摂氏であり、圧力は大気圧またはその付近である。
皮下草免疫療法の補助剤としてのデュピルマブの効能を調査する臨床治験
研究設計および目的
これは、オオアワガエリ草アレルギー季節以外に実施された、アレルギー性鼻炎の病歴を有する成人対象の草SCITに対する補助剤としてのデュピルマブの第2a相多施設無作為化二重盲検並行群間4群研究だった。デュピルマブは、配列番号9のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号10のアミノ酸配列を含む軽鎖;配列番号1/2を含むHCVR/LCVRアミノ酸配列対;ならびに配列番号3~8を含む重鎖および軽鎖CDR配列を含む完全ヒト抗IL-4R抗体である。
研究設計および目的
これは、オオアワガエリ草アレルギー季節以外に実施された、アレルギー性鼻炎の病歴を有する成人対象の草SCITに対する補助剤としてのデュピルマブの第2a相多施設無作為化二重盲検並行群間4群研究だった。デュピルマブは、配列番号9のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号10のアミノ酸配列を含む軽鎖;配列番号1/2を含むHCVR/LCVRアミノ酸配列対;ならびに配列番号3~8を含む重鎖および軽鎖CDR配列を含む完全ヒト抗IL-4R抗体である。
草花粉に対するアレルギー性鼻炎の病歴を有し、スクリーニング手順を無事完了した適格患者を、以下の通りの4つの治療集団へと1:1:1:1に無作為化した:
(1)4,000BAUの維持用量+デュピルマブ(SC 300mg Q2W、600mg負荷用量後)まで記載の通りに漸増されるSCIT
(2)4,000BAUの維持用量+デュピルマブのプラセボまで記載の通りに漸増されるSCIT
(3)SCITのプラセボ+デュピルマブ(SC 300mg Q2W、600mg負荷用量後)
(4)SCITのプラセボ+デュピルマブのプラセボ
(1)4,000BAUの維持用量+デュピルマブ(SC 300mg Q2W、600mg負荷用量後)まで記載の通りに漸増されるSCIT
(2)4,000BAUの維持用量+デュピルマブのプラセボまで記載の通りに漸増されるSCIT
(3)SCITのプラセボ+デュピルマブ(SC 300mg Q2W、600mg負荷用量後)
(4)SCITのプラセボ+デュピルマブのプラセボ
デュピルマブを以下の通りに投薬した:1日目に600mgのデュピルマブ皮下(SC)またはプラセボの負荷用量を、続いて2週間後に300mg Q2W SCを対象に投与し、300mg Q2W SCを合計で16週間継続した。
SCITを以下の通りに投薬した:デュピルマブ投薬の翌日に(デュピルマブ負荷用量の7日後まで)、対象は、1生物学的等価アレルギー単位(BAU)から始めて4,000BAUまでのオオアワガエリ草SCIT漸増レジメンを、8週間にわたる改変クラスターレジメンで開始し、次いで残りの8週間は4,000BAUを維持した。対象がSCITの増用量段階で副作用を発症した場合、主任治験責任医師(PI)は、医療監督者と相談のうえ、SCITの計画維持用量である4000BAUを、400BAU~4000BAUだが400BAUよりも低くならないように低減することを決定することができる。プラセボ一致SCITは、オオアワガエリ草抽出物を添加せずに同じ製剤(SCIT希釈剤)で調製されている。すべてのSCIT来院は、訓練を受けた研究担当医師がいた臨床研究施設にて監督された。SCIT注射後少なくとも30分間、対象を観察した。研究担当医師の定期処方は、エピネフリンの筋肉内投与を含むがそれに限定されない反応の治療を自身の臨床判断に基づいて直ちに開始するために、すべての臨床研究担当者に提供されることになる。すべてのSCIT来院では、対象には、クラスターSCIT中の局所および全身反応を低減するために臨床ガイドラインで推奨されている通り、各注射来院の1~6時間前にH1抗ヒスタミン薬(経口でロラタジン10mg)を事前に薬剤適用した。
スクリーニング
インフォームドコンセントを得た後、以下の通りの3部構成スクリーニング期間中に、対象の適格性を評価した。スクリーニング来院1回目に、草花粉に対するアレルギー性鼻炎の病歴を有する対象は、病歴、身体検査、オオアワガエリ草のSPT、およびオオアワガエリ草特異的IgEのための採血を受ける。対象は、選択/除外基準に従って、オオアワガエリ草SPT陽性およびオオアワガエリ草特異的IgEの基準を満たす場合、スクリーニング来院2回目に招待されることになる。スクリーニング来院2回目では、対象は、該当する場合は妊娠検査を受け、肺活量測定、心電図(ECG)、慢性ウイルス感染症(ヒト免疫不全ウイルス感染症[HIV]ならびにB型およびC型肝炎)の血清学的検査、血液学、化学、尿検査が、研究適格性基準について評価されることになり、ベースライン鼻腔ブラッシングを受けることになる。ベースライン鼻腔ブラッシングは、TNSS≦2の間に行わなければならず、鼻粘膜が再上皮化してNAC前に休止状態に戻ることができるように、スクリーニング来院3回目/登録来院の少なくとも28日前でなければならない。スクリーニング来院3回目/登録来院(-1日目)の際、対象は、少なくとも5日間は抗ヒスタミン薬を服用していてはならない。対象がスクリーニング来院3回目の5日以内に抗ヒスタミン薬を服用していたと報告した場合は、スクリーニング来院3回目のスケジュールを変更することができる。スクリーニング来院3回目/登録来院時には、対象は、約10分間観察され、休止時/ベースラインTNSS≦2が達成されなければならず、これは、対象が、NAC前の休止時に活動性鼻症状(ウイルス感染症、副鼻腔炎、アレルギーなどのための)を示さないことを意味する。対象のTNSSが、休止時に活動性鼻症状を有することを意味する>2である場合は、スクリーニング来院3回目のスケジュールを変更することができる。TNSS(0~12の尺度で測定)は、うっ血、かゆみ、鼻漏(各々0~3の尺度で段階分けされ、3が重度である)、およびくしゃみ(2は3~4回のくしゃみ、3は>5回のくしゃみ)の複合症状評価である。
インフォームドコンセントを得た後、以下の通りの3部構成スクリーニング期間中に、対象の適格性を評価した。スクリーニング来院1回目に、草花粉に対するアレルギー性鼻炎の病歴を有する対象は、病歴、身体検査、オオアワガエリ草のSPT、およびオオアワガエリ草特異的IgEのための採血を受ける。対象は、選択/除外基準に従って、オオアワガエリ草SPT陽性およびオオアワガエリ草特異的IgEの基準を満たす場合、スクリーニング来院2回目に招待されることになる。スクリーニング来院2回目では、対象は、該当する場合は妊娠検査を受け、肺活量測定、心電図(ECG)、慢性ウイルス感染症(ヒト免疫不全ウイルス感染症[HIV]ならびにB型およびC型肝炎)の血清学的検査、血液学、化学、尿検査が、研究適格性基準について評価されることになり、ベースライン鼻腔ブラッシングを受けることになる。ベースライン鼻腔ブラッシングは、TNSS≦2の間に行わなければならず、鼻粘膜が再上皮化してNAC前に休止状態に戻ることができるように、スクリーニング来院3回目/登録来院の少なくとも28日前でなければならない。スクリーニング来院3回目/登録来院(-1日目)の際、対象は、少なくとも5日間は抗ヒスタミン薬を服用していてはならない。対象がスクリーニング来院3回目の5日以内に抗ヒスタミン薬を服用していたと報告した場合は、スクリーニング来院3回目のスケジュールを変更することができる。スクリーニング来院3回目/登録来院時には、対象は、約10分間観察され、休止時/ベースラインTNSS≦2が達成されなければならず、これは、対象が、NAC前の休止時に活動性鼻症状(ウイルス感染症、副鼻腔炎、アレルギーなどのための)を示さないことを意味する。対象のTNSSが、休止時に活動性鼻症状を有することを意味する>2である場合は、スクリーニング来院3回目のスケジュールを変更することができる。TNSS(0~12の尺度で測定)は、うっ血、かゆみ、鼻漏(各々0~3の尺度で段階分けされ、3が重度である)、およびくしゃみ(2は3~4回のくしゃみ、3は>5回のくしゃみ)の複合症状評価である。
対象が、休止時/ベースラインTNSS≦2を有し、したがって休止時に認識できる鼻症状を示さなかった場合、NACならびに初期および後期反応の皮膚検査を以下の通りに実施した。
・最大1時間(漸増段階)またはTNSS≧7に到達するまで、10分毎にオオアワガエリ草抽出物の増加用量を使用してNACを実施する。
・ピークTNSSを記録する。
・TNSS≧7を達成するために使用したオオアワガエリ草抽出物濃度を記録する。
・その後1時間対象を観察し、TNSSを、5分、15分、30分、45分、1時間、次いで6時間まで1時間毎に記録する。
・ベースラインにて、TNSSに加えて、以下のパラメーターを、漸増段階中はおよそ10分毎に、およびピークTNSSが達成された後はその後の1時間(5分、15分、30分、45分、および1時間に)、および6時間まで1時間毎に測定する:
o PNIF;(鼻開存性の測定、L/分)
o くしゃみの合計
o TOSS
・最大1時間(漸増段階)またはTNSS≧7に到達するまで、10分毎にオオアワガエリ草抽出物の増加用量を使用してNACを実施する。
・ピークTNSSを記録する。
・TNSS≧7を達成するために使用したオオアワガエリ草抽出物濃度を記録する。
・その後1時間対象を観察し、TNSSを、5分、15分、30分、45分、1時間、次いで6時間まで1時間毎に記録する。
・ベースラインにて、TNSSに加えて、以下のパラメーターを、漸増段階中はおよそ10分毎に、およびピークTNSSが達成された後はその後の1時間(5分、15分、30分、45分、および1時間に)、および6時間まで1時間毎に測定する:
o PNIF;(鼻開存性の測定、L/分)
o くしゃみの合計
o TOSS
草アレルギー対象は、スクリーニングNAC前(時間0)にTNSS≦2を有し、漸増段階の最初の1時間以内にピークTNSS≧7を有することに基づき、登録に適格であるとした。加えて、適格であるためには、対象は、最初の非ゼロ用量から最高/ピーク用量のおよそ10分後までの間に、PNIFの>20%低下を経験していなければならないか、または>/=3回のくしゃみが計数されなければならないかのいずれかである。
患者選択
標的集団には、草花粉誘導性季節性アレルギー性鼻炎の病歴を有する成人が含まれていた。対象を、オオアワガエリ草が関連草種である地域の北米施設で無作為化した。
標的集団には、草花粉誘導性季節性アレルギー性鼻炎の病歴を有する成人が含まれていた。対象を、オオアワガエリ草が関連草種である地域の北米施設で無作為化した。
選択基準:患者は、研究参加に適格であるためには、以下の基準を満たさなければならなかった:(1)18~55歳の男性または女性であること;(2)草花粉誘導性季節性アレルギー性鼻炎の病歴があること;(3)草花粉アレルギーが、(a)オオアワガエリ草抽出物によるSPT陽性(陰性対照より少なくとも≧5mm大きい平均膨疹直径)および(b)血清オオアワガエリ草特異的IgE陽性(≧0.35KU/L)の両方により確認されること;(4)オオアワガエリ草抽出物によるNACがスクリーニング時に陽性であり、ピークTNSSスコアが12点中≧7点であること;(5)最初の非ゼロ用量からNACの最高用量のおよそ10分後までの間に、参加者は、PNIFの>20%低下を経験しなければならないか、または≧3回のくしゃみが計数されなければならないかのいずれかであること;(6)研究対象が署名したインフォームドコンセントが提供されること;(7)研究関連質問票を理解および記入することができること;ならびに(8)研究施設来院および研究関連手順を遵守する意志および能力があること。
除外基準:研究の除外基準は以下の通りだった:(1)草花粉季節外の、またはベースラインもしくは治験責任医師により評価される最終NAC評価と一致すると予想される症状を引き起こす他のアレルゲンと毎日接触することによる、著しい鼻炎(TNSS>2を引き起こす)、副鼻腔炎を有すること;(2)ベースラインまたは治験責任医師により評価される最終NAC評価と一致すると予想される、自宅または職場環境でのアレルゲン曝露に大きな変化が予測される対象であること;(3)スクリーニングNAC時に、上気道感染症、急性副鼻腔炎、急性中耳炎、または他の関連感染性プロセスの症状が現在あることまたはそれらの治療を受けていること;漿液性中耳炎は除外基準ではない[症状が解消した後、参加者の適格性を再評価することができる];(4)SCITに対するあらゆる禁忌症(つまり、重度心血管疾患、悪性腫瘍、自己免疫疾患、ベータ遮断剤の使用、慢性薬剤適用を必要とするほど重度の喘息、急性感染症);(5)これらに限定されないが、臨床的に重大な/活動性の基礎肝胆道疾患、または>3正常上限(ULN)のアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT);およびスクリーニング時の異常な検査値:>10ULNのクレアチンホスホキナーゼ(CPK)、または<100000細胞/mm3の血小板、または>1500細胞/mm3の好酸球を含む、スクリーニング来院時に治験責任医師により決定される、臓器機能障害の証拠または臨床的に有意な正常範囲からの逸脱を示すあらゆる検査所見を示す患者であること;(6)抗ヒスタミン薬(5日)、ロイコトリエン阻害剤(7日)、マスト細胞阻害剤(7日)、鼻腔内コルチコステロイドおよび/または吸入コルチコステロイド(14日)、経口または局所充血除去薬(5日)、局所カルシニューリン阻害剤(4週間)、ベータ遮断剤(5日)を含む任意の併用薬剤が、任意のスクリーニング来院または任意のスクリーニングNAC来院(来院3回目)前の各期間内に使用されたこと[こうした併用薬剤を服用した期間が過ぎた後で、参加者の適格性を再評価することができる];(7)スクリーニング来院または任意のNAC来院の4週間以内に全身性コルチコステロイドを使用したこと;(8)FEV1が予測値の<80%であると治験責任医師が判断した異常な肺機能;(9)年間>4週間の定期的吸入コルチコステロイドなどの慢性的薬剤適用を必要とする喘息の病歴があること;(10)前年に入院または全身性コルチコステロイドを必要とする2つまたはそれ以上の喘息増悪を伴う喘息の病歴があること;(11)過去12か月間に喘息の緊急来院または入院の病歴があること;(12)過去2年間に年間3回のエピソードとして規定される重大な再発性副鼻腔炎の病歴があり、それらにはすべて抗生物質治療が必要だったこと;(13)2つまたはそれ以上の症状が存在し、そのうちの1つは、±顔面痛/圧迫感;±嗅覚の低減または喪失;≧12週間の、鼻づまり/閉塞/うっ血または鼻汁(前鼻漏/後鼻漏)のいずれかであるべきであると規定される慢性副鼻腔炎(鼻ポリープの有無に関わらない)の病歴があること;(14)治験責任医師の判断によりNACの実施を妨げると考えられるあらゆる肉眼的機械的鼻閉塞、または鼻もしくは副鼻腔手術の病歴を有すること;(15)過去1年内の喫煙(ANY);(16)免疫療法の有害事象共通用語基準(CTCAE)評価基準で定義されている通りの任意の原因によるグレード4のアナフィラキシーのあらゆる病歴;(17)慢性閉塞性肺疾患の病歴があること;(18)治験責任医師の見解により、本研究における対象の健康もしくは安全性、または研究プロトコールを遵守する対象の能力に対するリスクであると考えられる、療法を必要とする他の慢性疾患の(喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎以外の)病歴(例えば、心臓疾患、糖尿病、高血圧)があること;(19)過去5年間の既往アレルギー免疫療法(SCIT、舌下免疫療法、または経口免疫療法)の病歴があること;(20)デュピルマブに対するあらゆる曝露;(21)スクリーニング前の2か月以内または5半減期以内(既知の場合)のいずれか長い方の期間内に研究薬物で治療されていること;(22)臨床施設研究チームのメンバーまたはその近親家族であること;(23)治験責任医師が判断して、感染症の解消にも関わらず、侵襲性日和見感染症(例えば、結核、ヒストプラズマ症、リステリア症、コクシジオイデス症、ニューモシスティス症、アスペルギルス症)、またはそうでなければ異常な頻度の再発性感染症、または免疫不全状態を示唆する長期感染症の病歴があることを含む、免疫抑制が既知であるかまたは疑われること;(24)スクリーニング前の6か月以内に患者報告のアルコール乱用または薬物乱用の履歴があること;(25)出血性疾患または抗凝固療法による治療の履歴があること;(26)HIV抗体、B型肝炎表面抗原、またはC型肝炎抗体の検査に陽性である対象であること;(27)スクリーニング前の6か月以内に抗IgE療法が使用されたこと;(28)スクリーニング前の3か月以内および研究中に生(弱毒化)ワクチンによる処置を受けたこと;(29)スクリーニング来院前の2週間以内に、抗生物質、抗ウイルス薬、抗寄生虫薬、抗原虫薬、または抗真菌薬による全身治療を必要とする活動性の慢性または急性感染症を有したこと[注:感染症が解消した後で対象を再スクリーニングすることができる];(30)完全に治療された子宮頸部の上皮内癌、完全に治療および解消された皮膚の非転移性扁平上皮癌または基底細胞癌を除いて、スクリーニング来院前の5年以内に悪性腫瘍の病歴があること;(31)原発性免疫不全障害(例えば、重症複合免疫不全症、ウィスコット・アルドリッチ症候群、ディジョージ症候群、X連鎖無ガンマグロブリン血症、分類不能型免疫不全症)、または続発性免疫不全症、例えばHIVであると確定診断されていること;(32)妊娠中もしくは授乳中の女性、または研究中に妊娠もしくは授乳することを計画している女性であること;(33)性的禁欲的ではなく、初期用量前/最初の治療の開始前、研究中、および最終用量後少なくとも120日間に、高度に効果的な避妊を実施することを望まない、出産の可能性がある*女性であること[*閉経後の女性は、出産可能であるとみなされないようにするためには、少なくとも12か月間は禁欲的でなければならない。子宮摘出術または卵管結紮術が記録されている女性の場合、妊娠検査および避妊は必要ではない];非常に効果的な避妊手段としては、(a)aスクリーニングの2回またはそれ以上の月経周期前に開始された、排卵の阻害に関連する混合(エストロゲンおよびプロゲストゲン含有)ホルモン避妊薬(経口、膣内、経皮)またはプロゲストゲンのみのホルモン避妊薬(経口、注射可能、埋め込み可能)の安定使用;(b)子宮内避妊器具(IUD);子宮内ホルモン放出系(IUS);(c)両側卵管結紮術;(d)精管切除パートナー;および/または(e)性的禁欲が挙げられ†、‡[†性的禁欲は、研究治療に関連するリスク期間全体にわたって異性との性交を控えることであると規定される場合にのみ、非常に効果的な方法とみなされる。性的禁欲の信頼性は、臨床治験の期間および対象の好ましい通常のライフスタイルとの関連で評価する必要がある。‡周期的禁欲(カレンダー(calendar)法、症状体温(symptothermal)法、排卵後(post-ovulation)法)、退出(膣外射精)、殺精子剤のみ、および授乳性無月経法(LAM)は、許容される避妊法ではない。女性用コンドームおよび男性用コンドームは併用されるべきではない。];(34)対象が、臨床プロトコールを理解および遵守することができないこと;(35)研究治療中に任意の禁止薬剤および手順の使用が計画または予想されること;ならびに(36)研究に同意する能力を欠如する成人であること。
研究治療
デュピルマブ:患者は、600mgデュピルマブSCまたはプラセボの負荷用量、続いて300mg Q2W SCを合計で16週間にわたって受けた。
デュピルマブ:患者は、600mgデュピルマブSCまたはプラセボの負荷用量、続いて300mg Q2W SCを合計で16週間にわたって受けた。
オオアワガエリ草SCIT:オオアワガエリ草SCITを、クラスター用量増量レジメンを使用して8週間にわたって投与し、次いで下記に記載の通りに維持療法を行った。SCITを、デュピルマブ負荷用量の1日後以降およびデュピルマブ負荷用量後1週間までに開始した。デュピルマブの投薬は、SCITと同じ日および投与部位には実施されなかった。
草SCITプロトコールは、下記の表1に示されているような、8週間にわたる下記に記載の漸増レジメン後のアレルゲンの週の来院当たり1~3回のSC注射、続いて次の8週間の維持SC注射を含む。SCITの推奨目標維持用量は、4,000生物学的等価アレルギー単位(BAU)であり、これは、およそ20mcgのフレム・プラテンス5(主要なオオアワガエリ草アレルゲン)と等価である(Cox、2011年)(Frew、2006年b)。増用量段階の1~3週目に、1来院当たり3用量のSCITを投与した。最初のもの(その来院で最も低い用量)を投与し、対象を30分間モニターし、用量が十分に耐容された場合は、その来院で次により高い予定用量を投与した。次いで、対象を次の30分間モニターし、用量が十分に耐容された場合は、その来院で次により高い予定用量を投与した。増用量段階の4~5週目に、2用量のSCITを投与した。最初のもの(その来院で最も低い用量)を投与し、対象を30分間モニターし、用量が十分に耐容された場合は、その来院で次により高い予定用量を投与した。増用量段階の6~8週目に、1用量のSCITを投与した。維持段階では、表1のように、1来院当たり1用量を投与した。草SCITと同じ様式で、同じプロトコールに従ってプラセボSCITを投与したが、活性作用剤の代わりに希釈剤を投与した。最初のもの(その来院で最も低い用量)を投与し、対象を30分間モニターし、用量が十分に耐容された場合は、その来院で次により高い予定用量を投与した。SCITまたはプラセボSCITを投与した日に、対象には、クラスターSCIT中の局所および全身反応を低減するために臨床ガイドラインで推奨されている通り、各注射来院の1~6時間前にH1抗ヒスタミン薬(経口でロラタジン10mg)を事前に薬剤適用した。
デュピルマブ/プラセボおよびSCIT/プラセボのタイミング
表2に示されているように、SCIT投薬前にデュピルマブ投薬を開始した。デュピルマブ/プラセボは、SCIT/プラセボと同じ日には決して投与されるべきではない。
表2に示されているように、SCIT投薬前にデュピルマブ投薬を開始した。デュピルマブ/プラセボは、SCIT/プラセボと同じ日には決して投与されるべきではない。
レスキュー治療
必要に応じて、アレルギー反応を経験した対象を、訓練を受けた研究スタッフによる決定の通りに、エピネフリンのIMまたはSC投与を含むがそれらに限定されないレスキュー治療で治療した。また、対象は、研究の経過で必要に応じてアレルギー性鼻炎症状のために経口抗ヒスタミン薬を服用することができるが、NACまたは皮膚検査の来院前5日以内または来院中に経口抗ヒスタミン薬を使用してはならない。対象がNACまたは皮膚検査の来院前5日以内または来院中に経口抗ヒスタミン薬を使用する場合、スケジュールを変更しなければならない。
必要に応じて、アレルギー反応を経験した対象を、訓練を受けた研究スタッフによる決定の通りに、エピネフリンのIMまたはSC投与を含むがそれらに限定されないレスキュー治療で治療した。また、対象は、研究の経過で必要に応じてアレルギー性鼻炎症状のために経口抗ヒスタミン薬を服用することができるが、NACまたは皮膚検査の来院前5日以内または来院中に経口抗ヒスタミン薬を使用してはならない。対象がNACまたは皮膚検査の来院前5日以内または来院中に経口抗ヒスタミン薬を使用する場合、スケジュールを変更しなければならない。
手順および評価
デュピルマブ単独療法、SCIT単独療法、デュピルマブ+SCIT、およびプラセボの効能/有効性を評価するために、研究中に様々なパラメーターを収集した。そうしたパラメーターには、NACおよびNAC評価(TNSS、TOSS、PNIF、および総くしゃみ)、ならびに血清中または血漿中のバイオマーカー分析(TARC、総IgE、オオアワガエリ草特異的IgE、オオアワガエリ草特異的IgG4)が含まれていた。
デュピルマブ単独療法、SCIT単独療法、デュピルマブ+SCIT、およびプラセボの効能/有効性を評価するために、研究中に様々なパラメーターを収集した。そうしたパラメーターには、NACおよびNAC評価(TNSS、TOSS、PNIF、および総くしゃみ)、ならびに血清中または血漿中のバイオマーカー分析(TARC、総IgE、オオアワガエリ草特異的IgE、オオアワガエリ草特異的IgG4)が含まれていた。
NACおよびNAC評価(TNSS、TOSS、PNIF、および総くしゃみ)
TNSS:TNSS評価は以下の通りに実施した:治療NACの終了時(17週目)に、対象をおよそ10分間観察することになり、対象がNAC前の休止時に活動性鼻症状(ウイルス感染症、副鼻腔炎、アレルギーなどによる)を有していないことを意味する、休止時/ベースラインTNSS≦2が達成されなければならない。TNSS(0~12の尺度で測定)は、うっ血、かゆみ、鼻漏(各々0~3の尺度で段階付けされ、3は重度である)、およびくしゃみ(2は3~4回のくしゃみ、3は>5回のくしゃみ)の複合症状評価である。対象が休止時/ベースラインTNSS≦2を有し、したがって休止時に認識できる鼻症状を有していない場合、NACを実施することになる。オオアワガエリ草抽出物の増加用量を10分毎に使用してNACを実施し、ベースラインNAC来院時に総鼻症状スコア(TNSS)≧7を達成するまで使用したオオアワガエリ草抽出物の濃度に到達するまで、TNSSスコアをおよそ10分毎に記録することになる(漸増症状スコア)。このTNSSスコアを記録することになる。ベースラインNAC来院時に総鼻症状スコア(TNSS)≧7を達成するために使用したオオアワガエリ草抽出物の濃度を使用して達成されたTNSSを記録した後、対象を、その後1時間にわたって観察することになり、TNSSを、5分、15分、30分、45分、1時間、および次いで6時間まで1時間毎に記録することになる。
TNSS:TNSS評価は以下の通りに実施した:治療NACの終了時(17週目)に、対象をおよそ10分間観察することになり、対象がNAC前の休止時に活動性鼻症状(ウイルス感染症、副鼻腔炎、アレルギーなどによる)を有していないことを意味する、休止時/ベースラインTNSS≦2が達成されなければならない。TNSS(0~12の尺度で測定)は、うっ血、かゆみ、鼻漏(各々0~3の尺度で段階付けされ、3は重度である)、およびくしゃみ(2は3~4回のくしゃみ、3は>5回のくしゃみ)の複合症状評価である。対象が休止時/ベースラインTNSS≦2を有し、したがって休止時に認識できる鼻症状を有していない場合、NACを実施することになる。オオアワガエリ草抽出物の増加用量を10分毎に使用してNACを実施し、ベースラインNAC来院時に総鼻症状スコア(TNSS)≧7を達成するまで使用したオオアワガエリ草抽出物の濃度に到達するまで、TNSSスコアをおよそ10分毎に記録することになる(漸増症状スコア)。このTNSSスコアを記録することになる。ベースラインNAC来院時に総鼻症状スコア(TNSS)≧7を達成するために使用したオオアワガエリ草抽出物の濃度を使用して達成されたTNSSを記録した後、対象を、その後1時間にわたって観察することになり、TNSSを、5分、15分、30分、45分、1時間、および次いで6時間まで1時間毎に記録することになる。
TOSS:TOSS(0~3の尺度で測定、3は重度)は、以下の通りに評価された眼症状(かゆみ、赤目、流涙[涙目]、および膨潤[眼の腫れ]の複合症状評価である。TOSスコアはNAC評価中に記録されることになる。ベースラインNAC来院時にTNSS≧7を達成するまで使用したオオアワガエリ草抽出物の濃度に到達するまで、TOSSスコアをおよそ10分毎に記録することになる(漸増症状スコア)。このTOSSスコアを記録することになる。対象をその後1時間にわたって観察することになり、TOSスコアを、5分、15分、30分、45分、1時間、および6時間まで1時間毎に記録することになる。
PNIF:PNIF評価は以下の通りに実施した:ピーク鼻吸気流量(鼻開存性で測定、L/分)を、NACの漸増段階中はおよそ10分毎に測定および記録することになり、ピークTNSSが達成された後のその後の1時間の間に(5分、15分、30分、45分、および1時間)、および6時間まで1時間毎に測定および記録することになる。
総くしゃみ:総くしゃみは、漸増段階中およびピークTNSSが達成された後の1時間の間に計数および記録した。
加えて、連続アレルゲン滴定を伴う皮膚プリック試験(SPT)を実施して、0~60分間の初期反応を評価した。皮内アレルゲン注射を実施して、6~24時間の後期反応を評価した。NACに応答して産生されるサイトカインおよびケモカインのレベルを決定するために、2回のNAC研究来院中に鼻液を収集した。この集団におけるデュピルマブの安全性を、AE、詳細な病歴、徹底的な身体検査、バイタルサイン、心電図(ECG)、肺活量測定、最大呼気流量、および臨床検査を評価することにより評価した。併用薬剤および手順を、インフォームドコンセントの時点から研究終了時まで収集した。薬物濃度および抗デュピルマブ抗体レベルのための血液サンプルを、所定の時点で収集した。研究サンプルおよび探索的バイオマーカー分析用のサンプルを収集した。
薬物動態およびバイオマーカー手順
バイオマーカー:バイオマーカーサンプルを、指定の時点で収集した。血清または血漿中のバイオマーカー測定(TARC、総IgE、オオアワガエリ草特異的IgE、オオアワガエリ草特異的IgG4)を実施して、関連する生理学的プロセスおよび病原性プロセスのバイオマーカーに対する影響を測定した。
バイオマーカー:バイオマーカーサンプルを、指定の時点で収集した。血清または血漿中のバイオマーカー測定(TARC、総IgE、オオアワガエリ草特異的IgE、オオアワガエリ草特異的IgG4)を実施して、関連する生理学的プロセスおよび病原性プロセスのバイオマーカーに対する影響を測定した。
薬物動態:各サンプリング時間での濃度データを決定した。
統計分析
主要効能エンドポイントおよび連続副次的効能エンドポイントを、共分散分析(ANCOVA)モデルおよび最終観察繰り越し(last observation carry forward)(LOCF)法による多重代入法(MI)を使用して分析した。MIでは、統計分析システム(SAS)手順MIを使用することにより、欠落データを40回代入して、40個の完全なデータセットを生成した。40個の完全なデータセットの各々を、ANCOVAモデルを使用して分析した。治療群を主因子とし、ベースライン値を共変量とした。Rubin式を使用して40個の分析の結果を組み合わせることにより、SAS MIANALYZE手順を使用して、有効な統計的推論を生成した。すべての観察データを分析に使用した。
主要効能エンドポイントおよび連続副次的効能エンドポイントを、共分散分析(ANCOVA)モデルおよび最終観察繰り越し(last observation carry forward)(LOCF)法による多重代入法(MI)を使用して分析した。MIでは、統計分析システム(SAS)手順MIを使用することにより、欠落データを40回代入して、40個の完全なデータセットを生成した。40個の完全なデータセットの各々を、ANCOVAモデルを使用して分析した。治療群を主因子とし、ベースライン値を共変量とした。Rubin式を使用して40個の分析の結果を組み合わせることにより、SAS MIANALYZE手順を使用して、有効な統計的推論を生成した。すべての観察データを分析に使用した。
バイオマーカー関連連続エンドポイントを、治療および関連ベースラインを共変量としたランクベースのANCOVAモデルを使用して分析した。LOCF法を使用して、欠落データを代入した。
結果
患者ベースライン特徴
103人の患者を、プラセボ(n=25)に、または3つの治療集団:デュピルマブ(n=26)、SCIT(n=26)、もしくはデュピルマブ+SCIT(n=26)の1つに無作為化した。ベースライン人口統計および臨床的特徴は、治療群間で比較的バランスが取れていた(表3)。
患者ベースライン特徴
103人の患者を、プラセボ(n=25)に、または3つの治療集団:デュピルマブ(n=26)、SCIT(n=26)、もしくはデュピルマブ+SCIT(n=26)の1つに無作為化した。ベースライン人口統計および臨床的特徴は、治療群間で比較的バランスが取れていた(表3)。
安全性
SCITの16週間レジメンでは、臨床的に重大なSCIT関連アレルギー反応のため、SCIT単独で治療した群の著しくより多くの患者が治療を中止した。SCIT治療群では、患者26人中8人(31%)が16週間SCIT治療段階中に治療を中止したが(臨床的に重大なSCIT関連アレルギー反応により7人/8人)、デュピルマブ+SCIT治療群では、患者26人中1人(4%)のみがSCIT治療を中止した。この患者の治療中止は、SCIT反応とは関係がなかった。
SCITの16週間レジメンでは、臨床的に重大なSCIT関連アレルギー反応のため、SCIT単独で治療した群の著しくより多くの患者が治療を中止した。SCIT治療群では、患者26人中8人(31%)が16週間SCIT治療段階中に治療を中止したが(臨床的に重大なSCIT関連アレルギー反応により7人/8人)、デュピルマブ+SCIT治療群では、患者26人中1人(4%)のみがSCIT治療を中止した。この患者の治療中止は、SCIT反応とは関係がなかった。
表4は、SCITと組み合わせたデュピルマブによる治療が、SCIT群と比較して、全身反応を治療するためのエピネフリンおよび経口ステロイドの使用の必要性を低減させたことを示す。SCIT群では、対象の19.2%がエピネフリンを必要とし(それと比較してデュピルマブ+SCIT群では7.7%)、対象の19.2%が経口ステロイドを必要とした(それと比較してデュピルマブ+SCIT群では7.7%)。デュピルマブ+SCIT群では、SCIT注射後により多くの数の全身性アレルギー反応が観察された(11個、それに対してSCIT群では10個、デュピルマブ群では1つ、およびプラセボ群では1つ;11個の反応のうち2つはグレード1であり、9つはグレード2だった;2つのグレード3全身性アレルギー反応を有していたSCIT群とは対照的に、グレード3は無かった)。有害事象および重篤有害事象は、治療群間で類似していた。デュピルマブ+SCIT群では2つの重篤有害事象があり、SCIT群、デュピルマブ群、およびプラセボ群では各々に1つずつあった。
効能
NAC後(0時間目~1時間目)のTNSS AUCの変化パーセントで測定した主要エンドポイントのLOCF分析は、SCITの補助剤としてデュピルマブを投与することには利益があることを示唆した。LOCF分析では、治療群の治療中止患者を「非応答者」とみなし、アレルゲン負荷後の総鼻症状スコア(TNSS)が「ベースラインから0変化」であると割り当てた。表5に示されているように、SCIT単独による治療は、-16.3%(p=0.1871)のプラセボ補正TNSS低減をもたらし、デュピルマブ+SCITは、-24.6%(p=0.0474)のプラセボ補正TNSS低減をもたらした。
NAC後(0時間目~1時間目)のTNSS AUCの変化パーセントで測定した主要エンドポイントのLOCF分析は、SCITの補助剤としてデュピルマブを投与することには利益があることを示唆した。LOCF分析では、治療群の治療中止患者を「非応答者」とみなし、アレルゲン負荷後の総鼻症状スコア(TNSS)が「ベースラインから0変化」であると割り当てた。表5に示されているように、SCIT単独による治療は、-16.3%(p=0.1871)のプラセボ補正TNSS低減をもたらし、デュピルマブ+SCITは、-24.6%(p=0.0474)のプラセボ補正TNSS低減をもたらした。
バイオマーカー
バイオマーカー分析の結果は表6に示されている。SCITは、血清オオアワガエリ草sIgEの量をベースラインから有意に増加させた(17週目で98%の増加)。IgEが劇的に増加した個体は、治療中止のリスクが高いことも観察された。SCITにデュピルマブを追加すると、草特異的IgEの上昇が阻害された(56.4%低減)。デュピルマブは、SCIT増用量中の非常に初期にsIgEの上昇を阻害し、SCIT維持段階中にsIgEを阻害し続けた。SCITおよびデュピルマブ+SCITは両方とも、血清オオアワガエリ草sIgG4を同様の動態で同程度に増加させた(デュピルマブ+SCITでは1896%、それに対してSCITでは1812%)。SCITと組み合わせたデュピルマブによる治療は、SCIT単独による治療と比較して、17週目でsIgG4/sIgEの[log]比を増加させた(1.7対0.87、p<0.0001)。また、SCITおよびデュピルマブ+SCITは両方とも、16週間にわたって特異的な総IgGを増加させた。デュピルマブで治療した患者、またはSCITと組み合わせたデュピルマブで治療した患者は、プラセボ群およびSCIT群と比較して、17週目に全身TARCレベルの低減を呈した。
バイオマーカー分析の結果は表6に示されている。SCITは、血清オオアワガエリ草sIgEの量をベースラインから有意に増加させた(17週目で98%の増加)。IgEが劇的に増加した個体は、治療中止のリスクが高いことも観察された。SCITにデュピルマブを追加すると、草特異的IgEの上昇が阻害された(56.4%低減)。デュピルマブは、SCIT増用量中の非常に初期にsIgEの上昇を阻害し、SCIT維持段階中にsIgEを阻害し続けた。SCITおよびデュピルマブ+SCITは両方とも、血清オオアワガエリ草sIgG4を同様の動態で同程度に増加させた(デュピルマブ+SCITでは1896%、それに対してSCITでは1812%)。SCITと組み合わせたデュピルマブによる治療は、SCIT単独による治療と比較して、17週目でsIgG4/sIgEの[log]比を増加させた(1.7対0.87、p<0.0001)。また、SCITおよびデュピルマブ+SCITは両方とも、16週間にわたって特異的な総IgGを増加させた。デュピルマブで治療した患者、またはSCITと組み合わせたデュピルマブで治療した患者は、プラセボ群およびSCIT群と比較して、17週目に全身TARCレベルの低減を呈した。
完了者(非応答者は補正されていない)では、連続アレルゲン滴定による皮膚プリック試験は、SCITの結果およびSCITと組み合わせたデュピルマブの結果は同様であることを示した(SCITでの膨疹サイズの変化は-45.2%だったのに対して、デュピルマブ+SCITでは-47.1%だった)。皮内アレルゲン注射により誘導した皮膚プリック試験は、SCITと組み合わせたデュピルマブと比較して、SCITの方がより大きな減少を示した(-42.4%対-10.7%)。
薬物動態
機能的デュピルマブの濃度は、SCIT治療の有無に関わらず類似していた。機能的デュピルマブ濃度の平均値および中央値ならびに変動性は、デュピルマブ+SCIT群とデュピルマブ群との間で一貫していた。Cトラフ測定値は、両群で5週目から17週目まで一貫していると考えられたため、機能的デュピルマブ濃度は5週目までに定常状態になると考えられる。治療終了後(17週目)、平均機能性デュピルマブ濃度は、両グループで24週目にはおよそ79mg/Lから16mg/Lへと低下した。
機能的デュピルマブの濃度は、SCIT治療の有無に関わらず類似していた。機能的デュピルマブ濃度の平均値および中央値ならびに変動性は、デュピルマブ+SCIT群とデュピルマブ群との間で一貫していた。Cトラフ測定値は、両群で5週目から17週目まで一貫していると考えられたため、機能的デュピルマブ濃度は5週目までに定常状態になると考えられる。治療終了後(17週目)、平均機能性デュピルマブ濃度は、両グループで24週目にはおよそ79mg/Lから16mg/Lへと低下した。
耐容性
耐容性パラメーターのデータ(8週目または16週目までに4000BAUのSCITを、および8週目または16週目までに最大耐容用量を達成した対象のパーセンテージ)は表7に示されている。SCITと組み合わせたデュピルマブによる治療は、SCIT群と比較して16週間のSCIT投薬を無事達成した対象の数を増加させた(92%対69%)。また、SCITと組み合わせたデュピルマブによる治療は、4000BAUの維持用量(完全漸増)を達成した対象の数を増加させた(62%対46%)。16週間後、デュピルマブ+SCIT群の方が、SCIT群と比べてより高い平均SCIT用量を達成した(3071BAU対2683BAU)。
耐容性パラメーターのデータ(8週目または16週目までに4000BAUのSCITを、および8週目または16週目までに最大耐容用量を達成した対象のパーセンテージ)は表7に示されている。SCITと組み合わせたデュピルマブによる治療は、SCIT群と比較して16週間のSCIT投薬を無事達成した対象の数を増加させた(92%対69%)。また、SCITと組み合わせたデュピルマブによる治療は、4000BAUの維持用量(完全漸増)を達成した対象の数を増加させた(62%対46%)。16週間後、デュピルマブ+SCIT群の方が、SCIT群と比べてより高い平均SCIT用量を達成した(3071BAU対2683BAU)。
結論
この第2a相臨床治験では、SCITの補助剤としてデュピルマブを投与することにより、SCIT単独と比較して安全性および耐容性の著しい改善がもたらされた。デュピルマブによる治療は、16週間のSCIT投薬を完了した患者のパーセンテージ、完全維持用量を達成した患者のパーセンテージ、16週間で達成された平均SCIT用量、ならびにレスキュー薬剤としてのエピネフリンおよび経口ステロイドの必要性の減少により測定される、SCITの耐容性を改善した。
この第2a相臨床治験では、SCITの補助剤としてデュピルマブを投与することにより、SCIT単独と比較して安全性および耐容性の著しい改善がもたらされた。デュピルマブによる治療は、16週間のSCIT投薬を完了した患者のパーセンテージ、完全維持用量を達成した患者のパーセンテージ、16週間で達成された平均SCIT用量、ならびにレスキュー薬剤としてのエピネフリンおよび経口ステロイドの必要性の減少により測定される、SCITの耐容性を改善した。
本発明は、本明細書に記載の特定の実施形態により範囲が限定されるべきではない。実際、当業者であれば、上述の説明および添付の図面から、本明細書に記載のものに加えて本発明には種々の改変があることが明らかになるであろう。そのような改変は、添付の特許請求の範囲内に入ることが意図されている。
Claims (19)
- 草アレルギーを有する対象における、草アレルゲン特異的皮下免疫療法(SCIT)レジメンの効能および/または耐容性を増強するための方法に使用するための、インターロイキン-4受容体(IL-4R)アンタゴニストを含む医薬組成物であって、該方法は、該対象に、該SCITレジメンと組み合わせて、IL-4Rアンタゴニストを投与する工程を含み、該IL-4Rアンタゴニストの600mgの初期用量が、該SCITレジメンの開始の1~7日前に皮下投与され、次いで、該IL-4Rアンタゴニストの300mgの少なくとも8回の二次用量が皮下投与され、各二次用量は、直前の用量の2週間後に皮下投与され、該IL-4Rアンタゴニストは、デュピルマブである、前記医薬組成物。
- SCITレジメンは、オオアワガエリ、バヒア、バミューダ、セイバンモロコシ、ケンタッキーブルーグラス、オーチャード、コヌカグサ、ライムギ、ハルガヤ、ヒロハノウシノケグサ、およびそれらの組合せからなる群から選択される草に由来する草抽出物の皮下投与を含む、請求項1に記載の医薬組成物。
- 草抽出物は、オオアワガエリ草に由来する、請求項2に記載の医薬組成物。
- SCITレジメンは、クラスターSCITレジメンを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の医薬組成物。
- クラスターSCITレジメンは、漸増レジメン、続いて維持レジメンを含み、該漸増レジメンは、4~12週間の期間にわたって増加用量の草抽出物を投与することを含み、該維持レジメンは、該漸増レジメン中に投与される最も高い用量の該草抽出物の1つまたはそれ以上の維持用量を投与することを含む、請求項4に記載の医薬組成物。
- 漸増レジメンは、8週間の期間にわたって増加用量の草抽出物を投与することを含む、請求項5に記載の医薬組成物。
- 維持レジメンは、少なくとも8週間にわたって1~4週毎に維持用量を投与することを含む、請求項5または6に記載の医薬組成物。
- 漸増レジメンは、1生物学的等価アレルギー単位(BAU)の用量から4,000BAUの用量への漸増を含み、維持レジメンは、4,000BAUの1つまたはそれ以上の維持用量を投与することを含む、請求項5~7のいずれか1項に記載の医薬組成物。
- IL-4RアンタゴニストおよびSCITは、同じ日に対象に投与されない、請求項1~8のいずれか1項に記載の医薬組成物。
- SCITレジメンの効能および/または耐容性の増強は、対象のアレルギー性鼻炎症状を低減することを含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の医薬組成物。
- SCITレジメンの効能および/または耐容性の増強は、
(a)SCIT単独療法と比べて、対象の血清草アレルゲン特異的IgG4(sIgG4)の量を増加させること;
(b)SCIT単独療法と比べて、該対象の血清草アレルゲン特異的IgE(sIgE)の量を減少させること;および/または
(c)SCIT単独療法と比べて、該対象における、sIgG4のsIgEに対する比を増加させること
を含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の医薬組成物。 - SCITレジメンと組み合わせたIL-4Rアンタゴニストの投与は、SCIT漸増レジメンおよび/またはSCIT維持レジメン中にsIgEの誘導を低減または阻害する、請求項1~11のいずれか1項に記載の医薬組成物。
- SCITレジメンと組み合わせたIL-4Rアンタゴニストの投与は、対象により耐容される最大SCIT用量を増加させる、請求項1~12のいずれか1項に記載の医薬組成物。
- SCITレジメンと組み合わせたIL-4Rアンタゴニストの投与は、レスキュー薬剤としてのエピネフリンまたは経口ステロイドの使用を低減させる、請求項1~13のいずれか1項に記載の医薬組成物。
- IL-4Rアンタゴニストは、ガラスバイアル、シリンジ、事前充填シリンジ、ペン型送達デバイス、およびオートインジェクターからなる群から選択される容器に含まれている、請求項1~14のいずれか1項に記載の医薬組成物。
- IL-4Rアンタゴニストは、事前充填シリンジに含まれている、請求項15に記載の医薬組成物。
- 事前充填シリンジは、単一用量事前充填シリンジである、請求項16に記載の医薬組成物。
- IL-4Rアンタゴニストは、オートインジェクターに含まれている、請求項15に記載の医薬組成物。
- IL-4Rアンタゴニストは、ペン型送達デバイスに含まれている、請求項15に記載の医薬組成物。
Applications Claiming Priority (5)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| US201962882992P | 2019-08-05 | 2019-08-05 | |
| US62/882,992 | 2019-08-05 | ||
| EP20315351.5 | 2020-07-16 | ||
| EP20315351 | 2020-07-16 | ||
| PCT/US2020/044958 WO2021026203A1 (en) | 2019-08-05 | 2020-08-05 | Methods for treating allergy and enhancing allergen-specific immunotherapy by administering an il-4r antagonist |
Publications (3)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2022543815A JP2022543815A (ja) | 2022-10-14 |
| JPWO2021026203A5 JPWO2021026203A5 (ja) | 2023-08-10 |
| JP7836754B2 true JP7836754B2 (ja) | 2026-03-27 |
Family
ID=
Citations (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2016521713A (ja) | 2013-06-04 | 2016-07-25 | リジェネロン・ファーマシューティカルズ・インコーポレイテッドRegeneron Pharmaceuticals, Inc. | Il−4r阻害剤の投与によるアレルギー処置方法およびアレルゲン特異的免疫療法の向上方法 |
Patent Citations (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2016521713A (ja) | 2013-06-04 | 2016-07-25 | リジェネロン・ファーマシューティカルズ・インコーポレイテッドRegeneron Pharmaceuticals, Inc. | Il−4r阻害剤の投与によるアレルギー処置方法およびアレルゲン特異的免疫療法の向上方法 |
Non-Patent Citations (2)
| Title |
|---|
| Dupilumab As An Adjunct For Subcutaneous Grass Immunotherapy (ClinicalTrials.gov ID: NCT03558997, ver. 4: 2019-06-26),[online],2019年06月,[2024年7月1日検索], インターネット<URL: https://clinicaltrials.gov/study/NCT03558997?term=NCT03558997&viewType=Table&rank=1&tab=history&a=4#version-content-panel> |
| 谷藤 亜希子,審査報告書から見る新薬の裏側(第21回) デュピクセント皮下注[デュピルマブ(遺伝子組換え)],薬事,2018年,第60巻, 第13号,p.2485-2491 |
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