JP7836062B2 - インプラント体及び歯科インプラント - Google Patents
インプラント体及び歯科インプラントInfo
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Description
歯槽骨内において新しく生えてくる歯の上方に埋め込むためのインプラント体であって、
前記インプラント体の上部には、アバットメントが一体に形成されている又は前記アバットメントが固定されており、
前記インプラント体の下部は、前記新しく生えてくる歯の成長に応じて前記インプラント体の先端から短くなるように少なくとも一部が生体吸収性材料から形成されており、かつ、前記インプラント体の下部の内部に、前記新しく生えてくる歯により突き破られた前記インプラント体の部分を収容するように構成された空洞が設けられていることを特徴とする。
前記生体吸収性材料は、ポリ乳酸またはポリグリコール酸であってもよい。
前記インプラント体の前記上部は、非生体吸収性材料から形成されていてもよい。
歯槽骨内において新しく生えてくる歯の上方に取り付けるための歯科インプラントであって、
上部構造と、
前記上部構造が取り付けられるアバットメントと、
前記アバットメントが一体に形成されている又は前記アバットメントが固定されている、上記本発明の第1の観点に係るインプラント体と、
を含むことを特徴とする。
本発明の一実施形態に係る歯科インプラント100について、図面を参照しつつ、説明する。図1(a)~(d)に、歯科インプラント100が取り付けられた状態の歯周組織200の模式図を示す。ヒト又はその他の動物の歯周組織200は、顎骨内の歯を支える部分である歯槽骨210と、歯槽骨210を覆う歯肉220とを備え、歯槽骨210内に新たに生えてくる歯230が存在する。歯科インプラント100は、図1(a)に示すように、歯槽骨210内において新しく生えてくる歯230の上方に取り付けられる。なお、本明細書において、「歯の上方」とは、顎骨内で、現在歯が生えている場所を下、歯が生育し突き出る方向を上としたときの、歯の上方を指す。
新しく生えてくる歯230は、例えば、永久歯、再生歯、又は第3生歯である。
歯科インプラント100は、図2に示すように、上部構造110と、アバットメント120と、インプラント体130とを含む。
歯科インプラント100は、一般的なワンピースインプラントと同様に1回法で、歯槽骨210内に取り付けることができる。具体的には、歯科インプラント100の取り付けを予定している歯槽骨210の部位の上にある粘膜を切開し、歯槽骨210にドリルで穴を開け、穴の内部に雌ねじを切り、アバットメント120及びインプラント体130からなるワンピースインプラントを穴内にねじ入れし、その後、切開した粘膜をアバットメント120を囲むように縫合する。縫合した粘膜が治癒した後、セメントを塗ったアバットメント120の上に上部構造110をかぶせて固定する。
新しく生えてくる歯230が、再生歯又は第3生歯である場合、その歯が歯槽骨210内で成長し歯槽骨210から生え出すまでの期間に、その歯の周囲の歯槽骨210の退縮又は周囲の歯の間の間隔の縮小が生じるおそれがある。この問題は、乳歯が歯の怪我やう蝕により早期に抜けた場合にも生じ得る。歯槽骨210の退縮は新しく生えてくる歯230の成長を阻害する。また、歯間間隔の縮小は新しく生えてくる歯230がそれらの歯の間に歯列に沿って生え出ることを阻害し、結果として、新しく生えてくる歯230が歯列を外れて側方に生え出ることになりかねない。
上述の実施形態の種々の変形例について以下で説明する。上述の実施形態及び以下の変形例は、矛盾のない限り、相互に自由に組み合わせることができる。
上述の実施形態では、アバットメント120とインプラント体130とは同一の材料から形成されているが、この代わりに、両者が別々の材料から形成されてもよい。特に、アバットメント120は、非生体吸収性材料から形成されてもよい。アバットメント120とインプラント体130とが異なる材料から形成される場合、アバットメント120とインプラント体130とは、一体に形成されてもよいし、それぞれが独立した部品として形成された後に互いに固定されてもよい。アバットメント120はインプラント体130を介して歯槽骨210に固定されているので、インプラント体130の大部分が新しく生えてくる歯230の成長によりなくなれば、アバットメント120の材質とは無関係にアバットメント120は歯槽骨210から抜けることになる。当然ながら抜けてしまえばアバットメント120が新しく生えてくる歯230の成長に悪影響を与えることはない。
上述の実施形態では、インプラント体130を形成する生体吸収性材料の生体吸収速度は歯槽骨210内での新しく生えてくる歯230の成長速度以上であるが、この代わりに、インプラント体130を形成する生体吸収性材料の生体吸収速度が歯槽骨210内での新しく生えてくる歯230の成長速度より遅くてもよい。生体吸収性材料は、一般的に、全体が完全に分解・吸収される前でも、部分的に分解・吸収されて脆化している。このため、インプラント体130は容易に新しく生えてくる歯230により突き破られるので、インプラント体130を形成する生体吸収性材料の生体吸収速度が歯槽骨210内での新しく生えてくる歯230の成長速度より遅くても支障はない。換言すれば、インプラント体130を形成する生体吸収性材料の生体吸収速度は、新しく生えてくる歯230がインプラント体130に衝突するまでに、衝突箇所が十分に脆化している程度であれば十分である。
この場合、図3に示すように、突き破られたインプラント体130の部分が収容されるように、空洞がインプラント体130内部(特に、インプラント体130の下部132の内部)に設けられていることが好ましい。この構成によれば、新たに生えてくる歯230が、インプラント体130を突き破った後に突き破られ崩壊したインプラント体130の残骸から受ける圧力が低減される。
また、生体吸収性材料として炭酸アパタイトを用いる場合、炭酸アパタイトは新しい歯の成長に伴う周辺領域で増加した破歯細胞及び/又は破骨細胞により容易に吸収され、新しく生えてくる歯230の成長に悪影響を与えない。この場合、インプラント体130を形成する生体吸収性材料の生体吸収速度が歯槽骨210内での新しく生えてくる歯230の成長速度より遅くてもよい。これは、破歯細胞及び/又は破骨細胞により容易に吸収され得る他の生体吸収性材料についても同様である。反対に、生体吸収性材料が破歯細胞及び/又は破骨細胞により最終的には吸収される場合でも、吸収速度が遅く新しく生えてくる歯230の成長に悪影響を与え得るのであれば、インプラント体130を形成する生体吸収性材料の生体吸収速度が歯槽骨210内での新しく生えてくる歯230の成長速度以上とすべきである。
上述の実施形態では、アバットメント120がインプラント体130と一体に形成されているが、この代わりに、それぞれ独立した部品として形成されたアバットメント120及びインプラント体130が互いに固定されたものでもよい。
上述の実施形態では、インプラント体130の全体が同一の材料から形成されているが、この代わりに、インプラント体130の上部131と下部132とは異なる材料から形成されてもよい。この場合、インプラント体130の上部131と下部132とは、一体に形成されてもよいし、それぞれが独立した部品として形成された後に生体適合性接着剤などの任意の手段により互いに恒久的に固定されてもよい。
インプラント体130の上部131が生体吸収性材料から形成される場合、インプラント体130の上部131の生体吸収速度は、インプラント体130の下部132の生体吸収速度よりも遅いことが好ましい。これによれば、インプラント体130の上部131はインプラント体130の下部132よりも長期に渡り維持されるので、歯科インプラント100は新たに生えてくる歯230の成長の末期まで歯槽骨210にしっかりと固定された状態を維持し、途中で抜けたりしない。
インプラント体130の上部131が非生体吸収性材料から形成される場合、歯科インプラント100は新たに生えてくる歯230の成長の末期まで歯槽骨210にしっかりと固定された状態を維持し、途中で抜けたりしない。なお、乳歯が生え変わる直前の時期には、新たに生えてくる歯230が非生体吸収性材料から形成されたインプラント体130の上部131に突き当たるので、歯科インプラント100全体が動揺し得るようになる。これにより、患者は、歯科インプラント100を外科的に抜歯するために又は抜歯すべきかを確認するために(例えば、当該動揺が、新たに生えてくる歯230が正常に育っていることによるものなのか又は歯周病などの病気が原因であるのかを確認するために)歯科医院にかかる時期を把握できる。そのため、非生体吸収性材料から形成されたインプラント体130の上部131が自発的に抜けずとも支障はない。また、新しく生えてくる歯230が歯科インプラント100とは無関係な発育不良により生えてこない場合には、インプラント体130の上部131が非生体吸収性材料から形成される歯科インプラント100は患者の歯槽骨210にしっかりと固定された状態を維持し、通常の歯科インプラントと同様に機能する。
上述の実施形態では、歯科インプラント100はワンピースインプラントであるが、歯科インプラント100の構造は、インプラント体130の下部132が新しく生えてくる歯230の成長に応じてインプラント体130の先端から短くなるように少なくとも一部が生体吸収性材料から形成されている点を除けば、従来の任意の歯科インプラントと同様に構成できる。この場合、歯科インプラント100は、その構造に応じた手術法で、ヒト又はその他の動物の歯槽骨210内において新しく生えてくる歯230の上方に取り付けることができる。
110 上部構造
120 アバットメント
130 インプラント体
131 インプラント体の上部
132 インプラント体の下部
200 歯周組織
210 歯槽骨
220 歯肉
230 新たに生えてくる歯
Claims (6)
- 歯槽骨内において新しく生えてくる歯の上方に埋め込むためのインプラント体であって、
前記インプラント体の上部には、アバットメントが一体に形成されている又は前記アバットメントが固定されており、
前記インプラント体の下部は、前記新しく生えてくる歯の成長に応じて前記インプラント体の先端から短くなるように少なくとも一部が生体吸収性材料から形成されており、かつ、前記インプラント体の下部の内部に、前記新しく生えてくる歯により突き破られた前記インプラント体の部分を収容するように構成された空洞が設けられていることを特徴とする、
インプラント体。 - 前記生体吸収性材料の生体吸収速度は前記歯槽骨内での新しく生えてくる歯の成長速度以上である、
請求項1に記載のインプラント体。 - 前記生体吸収性材料は、ポリ乳酸またはポリグリコール酸である、
請求項1に記載のインプラント体。 - 前記インプラント体の前記上部は、非生体吸収性材料から形成されている、
請求項1に記載のインプラント体。 - 前記インプラント体の前記上部の生体吸収速度は、前記インプラント体の前記下部の生体吸収速度よりも遅い、
請求項1に記載のインプラント体。 - 上部構造と、
前記上部構造が取り付けられるアバットメントと、
前記アバットメントが一体に形成されている又は前記アバットメントが固定されている、請求項1から5のいずれか1項に記載のインプラント体と、
を含む、
歯槽骨内において新しく生えてくる歯の上方に取り付けるための歯科インプラント。
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