<第1の実施の形態>
本実施の形態に関する半導体装置の検査方法、および、半導体装置の製造方法について説明する。
まずは、本実施の形態に関する検査方法の対象であるSBDを内蔵する炭化珪素半導体装置の例について説明する。
以下の説明において、nおよびpは半導体の導電型を示す。本開示においては、第1の導電型をn型、第2の導電型をp型として説明されるが、第1の導電型をp型、第2の導電型をn型としてもよい。また、n-は不純物濃度がnよりも低濃度であることを示し、n+は不純物濃度がnよりも高濃度であることを示す。同様に、p-は不純物濃度がpよりも低濃度であることを示し、p+は不純物濃度がpよりも高濃度であることを示す。
以下、添付の図面を参照しながら実施の形態について説明する。なお、図面は模式的に示されるものであり、異なる図面にそれぞれ示されている画像のサイズおよび位置の相互関係は、必ずしも正確に記載されるものではなく、適宜変更され得る。また、以下の説明では、同様の構成要素には同じ符号を付して図示し、それらの名称および機能も同様のものとする。よって、それらについての詳細な説明を省略する場合がある。
図1は、SBD内蔵SiC-MOSFETである半導体装置を上面から見た例を示す平面図である。図1において、SBD内蔵SiC-MOSFETの上面の一部にはゲートパッド81が形成されており、ゲートパッド81に隣接してソース電極80が形成されている。また、ゲートパッド81から延びるように、ゲート配線82が形成されている。ゲート配線82は、ソース電極80を平面視で囲んで炭化珪素半導体装置の外周部に形成されている。
<1.プレーナ型>
<1-1.ストライプ型構造>
図2は、図1に示された構造における主に炭化珪素半導体部分を示す平面図である。図2に示されるように半導体装置100は、SBD領域を挟んで両側にMOSFET領域が形成された単位セル領域がストライプ状に並んで設けられたものであり、「ストライプ型」と呼ぶ。
図2においては、SBDが形成される領域であるSBD領域にほぼ対応するn型の離間領域21と、MOSFETが形成される領域であるMOSFET領域にほぼ対応するp型のウェル領域30とからなる単位セル領域が、平面視で一方向に繰り返し配置されている。図2においては、後述のドリフト層20および離間領域22も示されている。
SBD内蔵MOSFETが形成された領域を活性領域と呼び、活性領域の外周に形成された領域を終端領域と呼ぶ。終端領域は、p型のウェル領域31などが形成されたゲートパッド81の形成領域を含む。
図3は、図1に示されたソース電極80から炭化珪素半導体装置の外周部におけるゲート配線82にかけての、ストライプ状の単位セル領域を、単位セル領域の長手方向と直交する方向から見た断面の例を模式的に示す断面図である。なお、上記のように、単位セル領域には、SBD領域およびMOSFET領域が形成されている。
図3において、半導体装置100では、n型で低抵抗の炭化珪素(SiC)で構成される半導体基板10の上面に、n型の炭化珪素で構成されるドリフト層20が形成されている。
また、図1で示されたゲート配線82の形成領域にほぼ対応して位置するドリフト層20の表層には、p型の炭化珪素で構成されるウェル領域31が設けられている。
図1で示されたソース電極80の形成領域の下部である活性領域には、ドリフト層20の表層に、p型の炭化珪素で構成され、かつ、ストライプ状に形成された複数のウェル領域30が設けられている。ストライプ状に形成されたそれぞれのウェル領域30は、互いに接続されていてもよいし、複数の分離されたウェル領域30であってもよい。
ウェル領域30のそれぞれの表層には、ウェル領域30の外周から所定の間隔だけ内側の位置に、n型の炭化珪素で構成されるソース領域40が形成されている。
また、ウェル領域30の表層には、低抵抗p型の炭化珪素で構成されるコンタクト領域35が形成されている。また、ストライプ状のウェル領域30内には、ウェル領域30を貫通するように、ドリフト層20と同じn型の炭化珪素で構成される離間領域21が形成されている。離間領域21は、ストライプ状のウェル領域30に沿うようにストライプ状に形成されている。離間領域21のn型の不純物濃度は、ドリフト層20のn型の不純物濃度と同じであってもよいし、ドリフト層20のn型の不純物濃度よりも高くても低くてもよい。コンタクト領域35は、ウェル領域30の表層において、ソース領域40よりも離間領域21に近い側に形成されている。
離間領域21の上面には、離間領域21(ドリフト層20)とショットキー接続するストライプ状のショットキー電極71が形成されている。ここで、ショットキー電極71は、平面視で、少なくとも対応する離間領域21を含むように形成されていることが望ましい(図3においては、ショットキー電極71の一部がウェル領域30を覆うように形成されている)。
また、コンタクト領域35の上面の一部およびソース領域40の上面の一部を覆って、オーミック電極70が形成されている。そして、オーミック電極70、ショットキー電極71およびコンタクト領域35に接続されるソース電極80が、これらの上面に形成されている。
ウェル領域30は、オーミック電極70との間で、低抵抗のコンタクト領域35を介して、電子と正孔との授受を容易に行うことができる。
隣接するウェル領域30同士の間のドリフト層20が形成されている領域には、n型の離間領域22が形成されている。離間領域22のn型の不純物濃度は、ドリフト層20のn型の不純物濃度と同じでもよいし、ドリフト層20のn型の不純物濃度よりも高くても低くてもよい。
隣接するウェル領域30の上面の一部、その間に位置する離間領域22の上面、および、それぞれのウェル領域30内のソース領域40の上面の一部には、酸化珪素からなるゲート絶縁膜50が形成されている。また、ゲート絶縁膜50の上面のうち、少なくともウェル領域30(具体的には、ソース領域40とドリフト層20とに挟まれるウェル領域30)と平面視で重なる部分には、多結晶シリコンからなるゲート電極60が形成されている。
ここで、ゲート電極60が形成されている領域と平面視で重なる、ゲート絶縁膜50を介して対向するウェル領域30の表層を、チャネル領域と呼ぶ。
半導体装置100の最外周のウェル領域30の外側(終端領域)には、ウェル領域31が形成されている。また、ウェル領域30とウェル領域31との間には、ドリフト層20と同じn型である離間領域23が形成されている。離間領域23のn型の不純物濃度は、ドリフト層20のn型の不純物濃度と同じでもよいし、ドリフト層20のn型の不純物濃度よりも高くても低くてもよい。
また、ウェル領域31の上面にも、ゲート絶縁膜50が形成されており、そのゲート絶縁膜50の上部には、ウェル領域30の上面に形成されたゲート電極60と電気的に接続されたゲート電極60が形成されている。
ウェル領域31の表層の一部の領域には、ドリフト層20よりも低抵抗でn型の不純物濃度が高い、炭化珪素からなる炭化珪素導電性層45が形成されている。炭化珪素導電性層45は、ウェル領域31よりもシート抵抗が低く、p型のウェル領域31との間にpn接合を形成する。また、炭化珪素導電性層45は、平面視で活性領域を囲んで形成されるウェル領域31の短手方向の幅の半分以上の幅に渡って形成されている。なお、炭化珪素導電性層45がウェル領域31の短手方向の幅の半分以上の幅で形成されている箇所は、ウェル領域31の長手方向の全範囲である必要はなく、一部の範囲だけであってもよい。
また、ゲート電極60とソース電極80との間には、酸化珪素からなる層間絶縁膜55が形成されている。さらに、ウェル領域31の上方に設けられるゲート配線82とゲート電極60とは、層間絶縁膜55に形成されたゲートコンタクトホール95を介して接続されている。また、ウェル領域31の外周側、すなわち、ウェル領域30と反対側には、p型で炭化珪素からなるJTE(Junction Termination Extension)領域37が形成されている。JTE領域37のp型の不純物濃度は、ウェル領域31のp型の不純物濃度よりも低いものとする。なお、JTE領域37の代わりにFLR(Field Limiting Ring)が形成されてもよい。また、JTE領域37とFLRとの組み合わせが形成されていてもよい。
ウェル領域31の上面および炭化珪素導電性層45の上面には、ゲート絶縁膜50よりも膜厚が厚いフィールド絶縁膜51、または、ゲート絶縁膜50が形成されている。炭化珪素導電性層45の上面におけるゲート絶縁膜50またはフィールド絶縁膜51の一部には開口、すなわち、終端領域コンタクトホール91が形成されており、終端領域コンタクトホール91を通じて、炭化珪素導電性層45がその上面に形成されたソース電極80と、終端部オーミック電極72を介してオーミック接続されている。
終端領域コンタクトホール91は、ゲート絶縁膜50(またはフィールド絶縁膜51)と層間絶縁膜55とを貫通し、炭化珪素導電性層45とソース電極80とをオーミック接続させ、炭化珪素導電性層45とウェル領域31とを接続させないものとする。また、炭化珪素導電性層45は、終端領域コンタクトホール91の径よりも大きい幅を有する。ここで、ウェル領域31は、ソース電極80と直接オーミック接続されていないものとする。
活性領域においては、層間絶縁膜55およびゲート絶縁膜50を貫通して形成された活性領域コンタクトホール90を介して、オーミック電極70、ショットキー電極71およびコンタクト領域35の上面が、ソース電極80と接続されている。
一方で、半導体基板10の下面には、ドレイン電極84が形成されている。
半導体基板10の第1の主面の面方位が<11-20>方向にオフ角を有する(0001)面である場合、ストライプ状のウェル領域30を<11-20>方向に沿って形成してもよいし、オフ方向と直交する方向に沿って形成してもよい。
<1-2.格子型の構造>
図4は、SBD内蔵SiC-MOSFETである半導体装置の構造の他の例を示す平面図である。図4に示されるように半導体装置101は、SBD領域を囲むMOSFET領域が形成された単位セル領域が平面視で縦横に繰り返し配置されたものであり、「格子型」と呼ぶ。
図4においては、SBD領域にほぼ対応するn型の離間領域21Aと、MOSFET領域にほぼ対応するp型のウェル領域30Aとからなる単位セル領域が、平面視で縦横方向に繰り返し配置されている。
SBD内蔵MOSFETが形成された領域を活性領域と呼び、活性領域の外周に形成された領域を終端領域と呼ぶ。終端領域は、p型のウェル領域31などが形成されたゲートパッド81の形成領域を含む。
図5は、図1に示されたソース電極80から炭化珪素半導体装置の外周部におけるゲート配線82にかけての、ある断面の例を模式的に示す断面図である。
図5において、半導体装置101では、n型で低抵抗の炭化珪素で構成される半導体基板10の上面に、n型の炭化珪素で構成されるドリフト層20が形成されている。
また、図1で示されたゲート配線82の形成領域にほぼ対応して位置するドリフト層20の表層には、p型の炭化珪素で構成されるウェル領域31が設けられている。
図1で示されたソース電極80の形成領域の下部である活性領域には、ドリフト層20の表層に、p型の炭化珪素で構成され、かつ、格子状に形成された複数のウェル領域30Aが設けられている。
ウェル領域30Aのそれぞれの表層には、ウェル領域30Aの外周から所定の間隔だけ内側の位置に、n型の炭化珪素で構成されるソース領域40が形成されている。
また、ウェル領域30Aの表層には、低抵抗p型の炭化珪素で構成されるコンタクト領域35が形成されている。また、ウェル領域30A内には、ウェル領域30Aを貫通するように、ドリフト層20と同じn型の炭化珪素で構成される離間領域21Aが形成されている。離間領域21Aのn型の不純物濃度は、ドリフト層20のn型の不純物濃度と同じであってもよいし、ドリフト層20のn型の不純物濃度よりも高くても低くてもよい。コンタクト領域35は、ウェル領域30Aの表層において、ソース領域40よりも離間領域21Aに近い側に形成されている。
離間領域21Aの上面には、離間領域21Aとショットキー接続するショットキー電極71が形成されている。ここで、ショットキー電極71は、平面視で、少なくとも対応する離間領域21Aを含むように形成されていることが望ましい(図5においては、ショットキー電極71の一部がウェル領域30Aを覆うように形成されている)。
また、コンタクト領域35の上面の一部およびソース領域40の上面の一部を覆って、オーミック電極70が形成されている。そして、オーミック電極70、ショットキー電極71およびコンタクト領域35に接続されるソース電極80が、これらの上面に形成されている。
ウェル領域30Aは、オーミック電極70との間で、低抵抗のコンタクト領域35を介して、電子と正孔との授受を容易に行うことができる。
隣接するウェル領域30A同士の間のドリフト層20が形成されている領域には、n型の離間領域22が形成されている。離間領域22のn型の不純物濃度は、ドリフト層20のn型の不純物濃度と同じでもよいし、ドリフト層20のn型の不純物濃度よりも高くても低くてもよい。
隣接するウェル領域30Aの上面の一部、その間に位置する離間領域22の上面、および、それぞれのウェル領域30A内のソース領域40の上面の一部には、酸化珪素からなるゲート絶縁膜50が形成されている。また、ゲート絶縁膜50の上面のうち、少なくともウェル領域30Aと平面視で重なる部分には、多結晶シリコンからなるゲート電極60が形成されている。
ここで、ゲート電極60が形成されている領域と平面視で重なる、ゲート絶縁膜50を介して対向するウェル領域30Aの表層を、チャネル領域と呼ぶ。
半導体装置100の最外周のウェル領域30Aの外側(終端領域)には、ウェル領域31が形成されている。また、ウェル領域30Aとウェル領域31との間には、ドリフト層20と同じn型である離間領域23が形成されている。離間領域23のn型の不純物濃度は、ドリフト層20のn型の不純物濃度と同じでもよいし、ドリフト層20のn型の不純物濃度よりも高くても低くてもよい。
また、ウェル領域31の上面にも、ゲート絶縁膜50が形成されており、そのゲート絶縁膜50の上部には、ウェル領域30Aの上面に形成されたゲート電極60と電気的に接続されたゲート電極60が形成されている。
ウェル領域31の表層の一部の領域には、ドリフト層20よりも低抵抗でn型の不純物濃度が高い、炭化珪素からなる炭化珪素導電性層45が形成されている。炭化珪素導電性層45は、ウェル領域31よりもシート抵抗が低く、p型のウェル領域31との間にpn接合を形成する。また、炭化珪素導電性層45は、平面視で活性領域を囲んで形成されるウェル領域31の短手方向の幅の半分以上の幅に渡って形成されている。なお、炭化珪素導電性層45がウェル領域31の短手方向の幅の半分以上の幅で形成されている箇所は、ウェル領域31の長手方向の全範囲である必要はなく、一部の範囲だけであってもよい。
また、ゲート電極60とソース電極80との間には、酸化珪素からなる層間絶縁膜55が形成されている。さらに、ウェル領域31の上方に設けられるゲート電極60とゲート配線82とは、層間絶縁膜55に形成されたゲートコンタクトホール95を介して接続されている。また、ウェル領域31の外周側、すなわち、ウェル領域30Aと反対側には、p型で炭化珪素からなるJTE領域37が形成されている。JTE領域37のp型の不純物濃度は、ウェル領域31のp型の不純物濃度よりも低いものとする。なお、JTE領域37の代わりにFLRが形成されてもよい。また、JTE領域37とFLRとの組み合わせが形成されていてもよい。
ウェル領域31の上面および炭化珪素導電性層45の上面には、ゲート絶縁膜50よりも膜厚が厚いフィールド絶縁膜51、または、ゲート絶縁膜50が形成されている。炭化珪素導電性層45の上面におけるゲート絶縁膜50またはフィールド絶縁膜51の一部には開口、すなわち、終端領域コンタクトホール91が形成されており、終端領域コンタクトホール91を通じて、炭化珪素導電性層45がその上面に形成されたソース電極80と、終端部オーミック電極72を介してオーミック接続されている。
終端領域コンタクトホール91は、ゲート絶縁膜50(またはフィールド絶縁膜51)と層間絶縁膜55とを貫通し、炭化珪素導電性層45とソース電極80とをオーミック接続させ、炭化珪素導電性層45とウェル領域31とを接続させないものとする。また、炭化珪素導電性層45は、終端領域コンタクトホール91の径よりも大きい幅を有する。ここで、ウェル領域31は、ソース電極80と直接オーミック接続されていないものとする。
活性領域においては、層間絶縁膜55およびゲート絶縁膜50を貫通して形成された活性領域コンタクトホール90を介して、オーミック電極70、ショットキー電極71およびコンタクト領域35の上面が、ソース電極80と接続されている。
一方で、半導体基板10の下面には、ドレイン電極84が形成されている。
<1-3.ストライプ型と格子型とに共通の補足説明>
ここで、活性領域の終端領域に最も近い領域には、SBD高面密度構造(折り返し構造など)が形成されていてもよい。また、終端領域の活性領域に最も近い領域にも、終端部SBD高面密度構造(JBSなどSBDが多く形成された領域)が形成されていてもよい。
また、活性領域の内部に電流をセンスするセンスセルを備えていてもよい。また、離間領域22のn型の不純物濃度をドリフト層20のn型の不純物濃度よりも高くすることによって、オン抵抗を低くすることができる。
<1-4.プレーナ型(ストライプ型と格子型とで共通)の製造方法>
次に、本実施の形態に関する炭化珪素半導体装置であるプレーナ型SBD内蔵SiC-MOSFETの製造方法について、図6から図9を参照しつつ説明する。なお、図6から図9は、SBD内蔵SiC-MOSFETの製造方法を説明するための断面図である。また、図6から図9においては、ストライプ型の構造における符号が付されているが、格子型の場合であっても同様に適用可能である。
まず、図6に示されるように、第1の主面の面方位がオフ角を有する(0001)面であり、4Hのポリタイプを有する、n型で低抵抗の炭化珪素からなる半導体基板10の上面に、化学気相堆積法(chemical Vapor Deposition:CVD法)によって、1×1015cm-3以上、かつ、1×1017cm-3以下の不純物濃度で、5μm以上、かつ、50μm以下の厚さを有するn型の炭化珪素からなるドリフト層20をエピタキシャル成長させる。
次に、ドリフト層20の上面の一部にフォトレジストなどによって注入マスクを形成する。そして、p型の不純物であるAl(アルミニウム)を、当該注入マスクを介してイオン注入する。この際、Alのイオン注入の深さはドリフト層20の厚さを超えない、たとえば0.5μm以上、かつ3μm以下とする。また、イオン注入されたAlの不純物濃度は、1×1017cm-3以上、かつ、1×1019cm-3以下の範囲であり、ドリフト層20の不純物濃度よりも高くする。その後、注入マスクを除去する。
上記の工程によって、Alがイオン注入された領域が、活性領域においてはウェル領域30となり、終端領域においてはウェル領域31となる。
次に、終端領域のドリフト層20の上面にフォトレジストなどによって注入マスクを形成し、p型の不純物濃度であるAlをイオン注入する。この際、Alのイオン注入の深さはドリフト層20の厚さを超えない、たとえば0.5μm以上、かつ3μm以下とする。また、イオン注入されたAlの不純物濃度は、1×1016cm-3以上、かつ、1×1018cm-3以下の範囲であり、ドリフト層20の不純物濃度よりも高く、かつ、ウェル領域30の不純物濃度よりも低いものとする。その後、注入マスクを除去する。
上記の工程によって、Alがイオン注入された領域がJTE領域37となる。
同様に、所定の領域にウェル領域30の不純物濃度よりも高い1×1016cm-3以上、かつ、1×1018cm-3以下の範囲の不純物濃度でAlをイオン注入することによって、コンタクト領域35を形成する。
次に、ドリフト層20の上面のウェル領域30の内側の所定の箇所が開口するようにフォトレジストなどにより注入マスクを形成し、n型の不純物であるN(窒素)をイオン注入する。Nのイオン注入深さは、ウェル領域30の厚さよりも浅いものとする。また、イオン注入するNの不純物濃度は、1×1018cm-3以上、かつ、1×1021cm-3以下の範囲であり、ウェル領域30のp型の不純物濃度を超えるものとする。
上記の工程によって、Nが注入された領域のうちn型を示す領域がソース領域40となる。
同様に、終端領域のウェル領域31の内側の所定の箇所が開口するようにフォトレジストなどにより注入マスクを形成し、n型の不純物であるN(窒素)をイオン注入する。Nのイオン注入深さは、ウェル領域30の厚さよりも浅いものとする。また、イオン注入するNの不純物濃度は、1×1018cm-3以上、かつ、1×1021cm-3以下の範囲であり、ウェル領域30のp型の不純物濃度を超えるものとする。
上記の工程によって、Nが注入された領域のうちn型を示す領域が炭化珪素導電性層45となる。炭化珪素導電性層45の厚さは、ウェル領域31の厚さよりも小さければよい。
炭化珪素導電性層45とソース領域40とは、同じ工程で、同じ厚さ、不純物濃度で形成されてもよいし、炭化珪素導電性層45とソース領域40とが別の工程で、別の厚さ、別の不純物濃度で形成されてもよい。
次に、熱処理装置によって、アルゴン(Ar)ガスなどの不活性ガス雰囲気中で、たとえば1300℃以上、かつ、1900℃以下の温度で、たとえば30秒以上、かつ、1時間以下でアニールを行う。このアニールによって、イオン注入されたNおよびAlを電気的に活性化させる。このようにしてイオン注入までを終えた段階の構造が、図6に示されている。
次に、図7に示されるように、CVD法またはフォトリソグラフィー技術などを用いて、活性領域(ウェル領域30が形成された領域にほぼ対応する領域)を除く領域の半導体層(炭化珪素導電性層45、ウェル領域31、JTE領域37、ドリフト層20を含む)の上面に、膜厚がたとえば0.5μm以上、かつ、2μm以下であるゲート絶縁膜50の膜厚よりも大きく、酸化珪素からなるフィールド絶縁膜51を形成する。
次に、フィールド絶縁膜51に覆われていない半導体層(炭化珪素導電性層45、ウェル領域31、ドリフト層20、ウェル領域30、コンタクト領域35、ソース領域40を含む)の上面を熱酸化して、所望の厚みのゲート絶縁膜50である酸化珪素膜を形成する。
次に、ゲート絶縁膜50の上面およびフィールド絶縁膜51の上面に、導電性を有する多結晶シリコン膜を減圧CVD法によって形成し、これをパターニングすることでゲート電極60を形成する。
次に、ゲート絶縁膜50よりも膜厚が大きく、かつ、酸化珪素からなる層間絶縁膜55を、減圧CVD法でゲート絶縁膜50、フィールド絶縁膜51、ゲート電極60を覆うように形成する。ここまでの工程を終えた段階の構造が、図7に示されている。
次に、図8に示されるように、層間絶縁膜55とゲート絶縁膜50とを貫き、活性領域内のコンタクト領域35とソース領域40とに到達する活性領域コンタクトホール90Aを形成する。また、層間絶縁膜55とゲート絶縁膜50とを貫き、終端領域内の炭化珪素導電性層45に到達する終端領域コンタクトホール91を形成する。
なお、活性領域コンタクトホール90Aは、活性領域コンタクトホール90のうちの、ショットキー電極71が形成される箇所を除く範囲である。
次に、スパッタ法などによりNiを主成分とする金属膜を形成した後、たとえば600℃以上、かつ、1100℃以下の温度で熱処理を行い、Niを主成分とする金属膜と活性領域コンタクトホール90Aにおける炭化珪素層とを反応させて、炭化珪素層と金属膜との間にシリサイドを形成し、また、Niを主成分とする金属膜と終端領域コンタクトホール91における炭化珪素層とを反応させて、炭化珪素層と金属膜との間にシリサイドを形成する。
次に、上記のように形成されたシリサイド以外の残留している金属膜をウェットエッチングにより除去する。このようにして、活性領域コンタクトホール90Aにおいてオーミック電極70を形成し、終端領域コンタクトホール91において終端部オーミック電極72を形成する。ここまでの工程を終えた段階の構造が、図8に示されている。
次に、図9に示されるように、半導体基板10の下面(第2の主面)にNiを主成分とする金属膜を形成し、さらに熱処理することによって、半導体基板10の下面に裏面オーミック電極(ここでは、図示しない)を形成する。
次に、レジストマスク99を形成して、離間領域21の上面の層間絶縁膜55とゲート絶縁膜50とを除去する。また、レジストマスク99を形成して、ゲートコンタクトホール95となる位置の層間絶縁膜55を除去する。除去する方法としては、ショットキー界面となる炭化珪素層の上面にダメージを与えないウェットエッチングとする。ここまでの工程を終えた段階の構造が、図9に示されている。
次に、レジストマスク99を除去した後、スパッタ法などによって、ショットキー電極となる金属膜を堆積し、フォトレジストなどによるパターニングによって、活性領域コンタクトホール90内の離間領域21の上面にショットキー電極71を形成する。ショットキー電極71の材料は、Ti、Moなどであればよい。
次に、ここまで処理してきたドリフト層20の上面(形成されているウェル領域30、ウェル領域31、コンタクト領域35、ソース領域40、炭化珪素導電性層45、JTE領域37、層間絶縁膜55を含む)にスパッタ法または蒸着法によりAlなどの配線金属を形成し、フォトリソグラフィー技術により所定の形状に当該配線金属を加工することで、オーミック電極70、終端部オーミック電極72およびショットキー電極71に接触するソース電極80を形成する。また、上記の配線金属を所定の形状に加工することで、ゲート電極60に接触するゲートパッド81とゲート配線82とを形成する。
このようにして、図5に示された構造の、本実施の形態に関する半導体装置を製造することができる。
<1-5.動作説明>
次に、本実施の形態に関する半導体装置であるSBD内蔵SiC-MOSFETの動作について説明する。以下では、半導体材料が4H型の炭化珪素である半導体装置を例として説明する。この場合、pn接合の拡散電位はおおよそ2Vである。
本実施の形態に関する半導体装置であるSBD内蔵MOSFETの動作を、3つの状態に分けて簡単に説明する。
1つ目の状態は、ドレイン電極84に対してソース電極80よりも高い電圧が印加され、かつ、ゲート電極60にしきい値以上の正の電圧が印加されている場合で、以下「オン状態」と呼ぶ。
このオン状態では、チャネル領域に反転チャネルが形成され、n型のソース領域40とn型の離間領域22との間にキャリアである電子が流れる経路が形成される。一方、離間領域21とショットキー電極71との接触部に形成されるショットキー接合には、ショットキー接続にとって電流の流れにくい方向、すなわち、逆方向の電界(逆バイアス)が印加されているため電流は流れない。
ソース電極80からドレイン電極84へ流れ込む電子は、ドレイン電極84に印加される正電圧によって形成される電界にしたがって、ソース電極80から、オーミック電極70、ソース領域40、チャネル領域、離間領域22、ドリフト層20および半導体基板10を経由してドレイン電極84に到達する。したがって、ゲート電極60に正電圧を印加することによって、ドレイン電極84からソース電極80にオン電流が流れる。
この際にソース電極80とドレイン電極84との間に印加される電圧をオン電圧と呼び、オン電圧をオン電流の密度で除した値をオン抵抗と呼ぶ。オン抵抗は、上記の電子が流れる経路の抵抗の合計に等しい。オン抵抗とオン電流の二乗との積は、MOSFETが通電時に消費する通電損失に等しいため、オン抵抗は低い方が好ましい。
2つ目の状態は、ドレイン電極84に対してソース電極80よりも高い電圧が印加され、かつ、ゲート電極60にしきい値未満の電圧が印加されている場合で、以下「オフ状態」と呼ぶ。
このオフ状態では、チャネル領域に反転キャリアが存在しないため、オン電流は流れず、オン状態では負荷にかかっていた高電圧がMOSFETのソース電極80とドレイン電極84との間に印加される。また、離間領域21とショットキー電極71との接触部に形成されるショットキー接合には「オン状態」と同じ方向の電界が印加されるため、理想的には電流が流れないが、「オン状態」よりも遥かに高い電界が印加されるため、リーク電流が発生し得る。
リーク電流が大きいとMOSFETの発熱を増大させ、MOSFETおよびMOSFETを用いるモジュールを熱破壊させることがあること。そのため、リーク電流を低減すべく、ショットキー接合にかかる電界は低く抑えられることが好ましい。
3つ目の状態は、ドレイン電極84に対してソース電極80よりも低い電圧、すなわち、MOSFETに逆起電圧が印加された状態で、ソース電極80からドレイン電極84に向かって還流電流が流れる。以下、この状態を「還流状態」と呼ぶ。
この還流状態では、離間領域21とショットキー電極71との接触部に形成されるショットキー接合に順方向の電界(順バイアス)が印加され、ショットキー電極71からn型の離間領域21に向かって電子電流からなるユニポーラ電流が流れる。この時、還流ダイオードの還流電流成分は主にこのユニポーラ成分である。なお、ソース電極80とウェル領域30とはオーミック電極70を介して同電位となっている。
その結果、p型のウェル領域30とドリフト層20との間のpn接合にも順バイアスが印加されるが、pn接合は上記のショットキー接合と並列に形成されており、オフ状態から還流状態になる際に、しきい値電圧がより低いショットキー接合の方がpn接合よりも先にオンするので、還流電流はほぼショットキー接合に流れ、pn接合には流れない。
このように、SBDを内蔵することによって、還流状態においても、pn接合にバイポーラ電流である順方向電流が流れることを抑制することができる。
pn接合にバイポーラ電流が流れ、このような箇所に基底面転位などの起点が存在すると、積層欠陥が拡張し、トランジスタの耐圧が低下してしまうことがある。具体的にはトランジスタがオフ状態のときに漏れ電流が発生し、漏れ電流による発熱によって素子または回路が破壊してしまうことがある。
しかしながら、上記のようにSBDを内蔵することによって、還流時にpn接合にバイポーラ電流が流れることを抑制することができ、その結果、半導体装置の信頼性を高めることができる。
<1-6.他の構造>
上記では、活性領域に、SBDとMOSFETとが一体となった単位セルが備えられる例が説明されたが、活性領域に形成される単位セル内において、SBDとMOSFETとが並列配置されていてもよい。
また、活性領域における単位セルが、p型のウェル領域30の上面にn型のチャネルエピ層28を形成するものであってもよい。具体的には、ゲート絶縁膜50と平面視で重なる部分にn型のチャネルエピ層28が形成された構造であってもよい。図12は、SBD内蔵SiC-MOSFETの構造の例を模式的に示す断面図である。
図12に例が示されるように、チャネルエピ層28がしきい値電圧未満のゲート電圧が印加されている状態においてユニポーラ型のダイオードとして動作するようにし、かつ、このユニポーラ型のダイオードの立ち上がり電圧が、p型のウェル領域30とn型のドリフト層20とから形成されるpnダイオードの動作電圧よりも低く設計されたMOSFETにしてもよい。
このように、還流動作時においてMOSFETのチャネル領域に逆通電させるMOSFETの場合においても、SBD内蔵MOSFETと同様の効果を得ることができる。
<2.トレンチ型>
<2-1.トレンチ型の構造>
図13は、SBD内蔵SiC-MOSFETである半導体装置の一部を上面から見た例を示す平面図である。図13に例が示されるように、半導体装置102の活性領域では、トランジスタが形成されたストライプ状のゲートトレンチGTとショットキー電極が埋め込まれたストライプ状のショットキートレンチSTとが、互いに平行に、かつ、交互に配置されている。
また、活性領域の周囲に設けられた終端領域には、ウェル領域31が形成されている。
図14は、図13に示されるSBD内蔵SiC-MOSFETである半導体装置の活性領域を拡大した平面図である。
図14に例が示されるように、ゲートトレンチGTの一方の側面には、一定間隔に形成されたp型の炭化珪素からなる接続領域36が形成されている。また、ゲートトレンチGTの他方の側面には、一定間隔に形成されたp型の炭化珪素からなる接続領域38が形成されている。 同様に、ショットキートレンチSTの一方の側面には、一定間隔に形成されたp型の炭化珪素からなる接続領域36が形成されている。また、ショットキートレンチSTの他方の側面には、一定間隔に形成されたp型の炭化珪素からなる接続領域38が形成されている。
半導体装置102の終端領域は、プレーナ型のSBD内蔵MOSFETと同様に形成されてもよいし、トレンチ型に合わせて別の構造とされてもよい。ここでは、トレンチ型のSBD内蔵SiC-MOSFETである半導体装置102の活性領域部分について説明する。
図15は、図14に示された活性領域における、接続領域36および接続領域38が形成されていない箇所の半導体装置102の断面図である。一方で、図16は、図14に示された活性領域における、接続領域36および接続領域38が形成されている箇所の半導体装置102の断面図である。
図14、図15および図16に示されるように、半導体装置102では、n型で低抵抗の炭化珪素で構成される半導体基板10の上面に、n型の炭化珪素で構成されるドリフト層20が形成されている。
そして、ドリフト層20の表層部には、p型の炭化珪素で構成されるウェル領域30Bが形成されている。
ウェル領域30Bの表層の一部には、n型の炭化珪素で構成されるソース領域40Bが形成されている。また、ウェル領域30Bの表層におけるソース領域40Bと隣接する部分には、低抵抗p型のコンタクト領域35Bが形成されている。
また、活性領域において、ソース領域40Bとウェル領域30Bとを貫通してドリフト層20に達するゲートトレンチGTが形成されている。また、活性領域の、ゲートトレンチGTが形成される箇所とは異なる箇所において、ソース領域40Bとウェル領域30Bを貫通してドリフト層20に達するショットキートレンチSTが形成されている。
ゲートトレンチGTとショットキートレンチSTとは、交互に、かつ、互いに平行に配置されている。図15および図16では、ゲートトレンチGTとショットキートレンチSTとは同じ深さで形成されているが、深さが両者で異なっていてもよい。また、ゲートトレンチGTとショットキートレンチSTとは、同じ幅で形成されていてもよいし、両者の幅が異なっていてもよい。
ゲートトレンチGT内には酸化珪素からなるゲート絶縁膜50Bを介してゲート電極60Bが形成されている。ゲート絶縁膜50Bは、ソース領域40Bとドリフト層20とに挟まれるウェル領域30Bに側面で接触して設けられる。ゲート電極60Bは、不純物濃度が高い低抵抗多結晶珪素で構成されている。ゲート電極60Bの上面には、酸化珪素からなる層間絶縁膜55Bが形成されている。
ショットキートレンチST内にはショットキー電極71Bとソース電極80とが形成されている。ショットキー電極71Bは、ドリフト層20に接触して形成され、ドリフト層20とショットキー接続する。
ゲートトレンチGTの下面のドリフト層20側には、p型の保護領域32が形成されている。また、ショットキートレンチSTの下面のドリフト層20側には、p型の保護領域33が形成されている。保護領域32と保護領域33とは、同じ深さで同じ不純物濃度である。
図14および図16においては、保護領域32とウェル領域30Bとは、p型の接続領域36によって接続されている。また、図14および図16においては、保護領域33とウェル領域30Bとは、p型の接続領域38によって接続されている。
ソース領域40Bの上面および35Bの上面に跨って、オーミック電極70が形成されている。また、オーミック電極70、ショットキー電極71Bおよびコンタクト領域35Bに接続されるソース電極80が、これらを覆って形成されている。
ウェル領域30Bは、オーミック電極70との間で、低抵抗のコンタクト領域35Bを介して、電子と正孔との授受を容易に行うことができる。
ソース電極80は、ショットキートレンチST内において、ショットキー電極71Bとも接続されている。
ゲート電極60Bが形成されているゲートトレンチGTの側面で、ゲート絶縁膜50Bを介してゲート電極60Bと対向するウェル領域30Bの領域を、チャネル領域と呼ぶ。
また、ショットキートレンチSTの側面で、ショットキー電極71Bとドリフト層20とが接触している箇所には、ショットキーダイオードが形成されている。
一方で、半導体基板10の下面には、ドレイン電極84が形成されている。
なお、終端領域のウェル領域31は、活性領域のウェル領域30Bと同じ深さに形成されてもよいし、活性領域の保護領域32および保護領域33と同様の深さ、すなわち、ゲートトレンチGTおよびショットキートレンチSTの底の深さに形成されてもよい。また、ウェル領域31の表層部に低抵抗n型の炭化珪素導電性層45が形成されてもよい。
さらに、ウェル領域31は、ソース電極80と直接オーミック接続されないように形成されてもよい。
<2-2.トレンチ型の製造方法>
次に、本実施の形態に関する炭化珪素半導体装置であるトレンチ型SBD内蔵SiC-MOSFETの製造方法について、図17から図22を参照しつつ説明する。なお、図17から図22は、SBD内蔵SiC-MOSFETの製造方法を説明するための断面図である。ここでは、接続領域36および接続領域38が形成されていない箇所の断面を用いて説明する。
まず、図17に示されるように、第1の主面の面方位がオフ角を有する(0001)面であり、4Hのポリタイプを有する、n型で低抵抗の炭化珪素からなる半導体基板10の上面に、化学気相堆積法(chemical Vapor Deposition:CVD法)によって、1×1015cm-3以上、かつ、1×1017cm-3以下の不純物濃度で、5μm以上、かつ、50μm以下の厚さを有するn型の炭化珪素からなるドリフト層20をエピタキシャル成長させる。
次に、ドリフト層20の上面に、p型の不純物であるAl(アルミニウム)をイオン注入する。この際、Alのイオン注入の深さはドリフト層20の厚さを超えない、たとえば0.5μm以上、かつ3μm以下とする。また、イオン注入されたAlの不純物濃度は、1×1017cm-3以上、かつ、1×1019cm-3以下の範囲であり、ドリフト層20の不純物濃度よりも高くする。
上記の工程によって、Alがイオン注入された領域が、活性領域においてはウェル領域30Bとなり、終端領域においてはウェル領域31となる。なお、ウェル領域30Bは、エピタキシャル法によってドリフト層20の上面に形成されてもよい。
次に、ウェル領域30Bの表層部の所定の領域にウェル領域30Bの不純物濃度よりも高い、たとえば1×1016cm-3以上、かつ、1×1018cm-3以下の範囲の不純物濃度でAlをイオン注入することによって、コンタクト領域35Bを形成する。
また、ドリフト層20の上面のウェル領域30Bの表層部の所定の領域に、n型の不純物であるNをイオン注入する。Nのイオン注入深さは、ウェル領域30Bの厚さよりも浅いものとする。また、イオン注入するNの不純物濃度は、1×1018cm-3以上、かつ、1×1021cm-3以下の範囲であり、ウェル領域30Bのp型の不純物濃度を超えるものとする。
上記の工程によって、Nが注入された領域のうちn型を示す領域がソース領域40Bとなる。ここまでの工程を終えた段階の構造が、図17に示されている。
次に、図18に示されるように、ソース領域40Bが形成されている箇所にゲートトレンチGTを、ソース領域40Bとコンタクト領域35Bとが形成されていない箇所にショットキートレンチSTをそれぞれ形成する。そして、ゲートトレンチGTの底部にp型不純物であるAlをイオン注入することによって、ゲートトレンチGTの底に保護領域32を形成する。同様に、ショットキートレンチSTの底部にp型不純物であるAlをイオン注入することによって、ショットキートレンチSTの底に保護領域33を形成する。保護領域32の不純物濃度および保護領域33の不純物濃度は、たとえば、1×1017cm-3以上、かつ、1×1019cm-3以下の範囲であればよい。
また、上記の接続領域36および接続領域38については、ストライプ状トレンチの延伸方向と直交する方向からAlなどのp型不純物のイオンを斜めイオン注入して形成すればよい。接続領域36および接続領域38の不純物濃度は、1×1017cm-3以上、かつ、1×1019cm-3以下の範囲の不純物濃度でAlをイオン注入することによって形成すればよい。
ここで、半導体基板10の第1の主面の面方位が<11-20>方向にオフ角を有する(0001)面とした場合、活性領域のゲートトレンチGT、ショットキートレンチSTをともに<11-20>方向に平行に形成すればよい。このようにすると、ショットキートレンチSTの両側の側面(トレンチ側壁)が半導体基板10のオフ方向の影響を受けなくなる。そのため、ショットキートレンチSTのショットキー界面のバリア高さのばらつきを低減することができる。また、ゲートトレンチGTのMOSFETのしきい値電圧が半導体基板10のオフ方向の影響を受けなくなるため、MOSFETのしきい値電圧のばらつきを低減することができる。
次に、熱処理装置によって、Arガスなどの不活性ガス雰囲気中で、1300以上、かつ、1900℃以下の温度で、たとえば30秒以上、かつ、1時間以下でアニールを行う。このアニールによって、イオン注入されたNおよびAlを電気的に活性化させる。ここまでの工程を終えた段階の構造が、図18に示されている。
次に、図19に示されるように、ショットキートレンチSTの内部を酸化珪素などの保護絶縁膜52で充填する。
次に、図20に示されるように、ゲートトレンチGT内に酸化珪素からなるゲート絶縁膜50Bを形成し、さらに、ゲート絶縁膜50Bに囲まれたゲートトレンチGTの内部に、導電性を有する、低抵抗の多結晶シリコン膜からなるゲート電極60Bを減圧CVD法およびパターニングで形成する。
そして、ゲート電極60Bの上面には、ゲート絶縁膜50Bよりも膜厚が大きく、酸化珪素などからなる層間絶縁膜55Bを減圧CVD法で形成する。
次に、活性領域内のコンタクト領域35Bとソース領域40Bとが露出するように、層間絶縁膜55Bとゲート絶縁膜50Bとをウェットエッチングによって除去する。ここまでの工程を終えた段階の構造が、図20に示されている。
次に、図21に示されるように、層間絶縁膜55Bとゲート絶縁膜50Bとが除去されてソース領域40Bとコンタクト領域35Bとが露出している上面に、スパッタ法などによってNiを主成分とする金属膜を形成する。その後、たとえば600℃以上、かつ、1100℃以下の温度の熱処理を行うことによって、Niを主成分とする金属膜と炭化珪素層とを反応させて、炭化珪素層と金属膜との間にシリサイドを形成する。
次に、上記のように形成されたシリサイド以外の残留している金属膜をウェットエッチングによって除去する。これによって、残ったシリサイドがオーミック電極70となる。ここまでの工程を終えた段階の構造が、図21に示されている。
次に、図22に示されるように、ショットキートレンチST内の保護絶縁膜52をフッ酸などによって除去し、ショットキートレンチST内(具体的には、底面および側面)にショットキー電極71Bを形成する。ショットキー電極71Bの材料は、Ti、Moなどであればよい。
次に、ショットキー電極71Bおよびオーミック電極70と接続するように、Alを主とするソース電極80を形成する。ゲートパッド81とゲート配線82とも、ソース電極80と同時に形成すればよい。ここまでの工程を終えた段階の活性領域の構造が、図22に示されている。
さらに、半導体基板10の下面(裏面)に形成された裏面オーミック電極(ここでは、図示しない)の下面に金属膜であるドレイン電極84を形成する。このようにして、図15または図16に示された、本実施の形態に関する半導体装置102を製造することができる。
<2-3.動作説明>
本実施の形態に関する半導体装置であるトレンチ型SBD内蔵SiC-MOSFETの動作は、プレーナ型SBD内蔵SiC-MOSFETと同様である。
還流状態においては、ドレイン電極84に対してソース電極80よりも低い電圧、すなわち、MOSFETに逆起電圧が印加された状態で、ソース電極80からドレイン電極84に向かって還流電流が流れる。
この還流状態では、ドリフト層20とショットキー電極71Bとの接触部に形成されるショットキー接合に順方向の電界(順バイアス)が印加され、ショットキー電極71Bからn型のドリフト層20に向かって電子電流からなるユニポーラ電流が流れる。この時、還流ダイオードの還流電流成分は主にこのユニポーラ成分である。なお、ソース電極80とウェル領域30Bとはオーミック電極70を介して同電位となっている。
その結果、p型のウェル領域30Bとドリフト層20との間のpn接合にも順バイアスが印加されるが、pn接合は上記のショットキー接合と並列に形成されており、オフ状態から還流状態になる際に、しきい値電圧がより低いショットキー接合の方がpn接合より先にオンするので、還流電流はほぼショットキー接合に流れ、pn接合には流れない。
このように、SBDを内蔵することによって、還流状態においても、pn接合にバイポーラ電流である順方向電流が流れることを抑制することができる。
pn接合にバイポーラ電流が流れ、このような箇所に基底面転位などの起点が存在すると、積層欠陥が拡張し、トランジスタの耐圧が低下してしまうことがある。具体的にはトランジスタがオフ状態のときに漏れ電流が発生し、漏れ電流による発熱によって素子または回路が破壊してしまうことがある。
しかしながら、上記のようにSBDを内蔵することによって、還流時にpn接合にバイポーラ電流が流れることを抑制することができ、その結果、半導体装置の信頼性を高めることができる。
<3.全体に対する補足説明>
上記の実施の形態においては、p型の不純物としてアルミニウム(Al)が用いられたが、p型の不純物がホウ素(B)またはガリウム(Ga)であってもよい。また、n型の不純物は、窒素(N)ではなく燐(P)であってもよい。
また、上記の実施の形態で説明されたMOSFETにおいては、ゲート絶縁膜50は、必ずしもSiO2などの酸化膜である必要はなく、酸化膜以外の絶縁膜、または、酸化膜以外の絶縁膜と酸化膜とを組み合わせたものであってもよい。また、ゲート絶縁膜50として炭化珪素を熱酸化した酸化珪素が用いられたが、CVD法による堆積膜の酸化珪素であってもよい。
また、上記実施の形態では、結晶構造、主面の面方位、オフ角およびそれぞれの注入条件など、具体的な例が用いられたが、これらの数値範囲に適用範囲が限られるものではない。
また、半導体装置は、スーパージャンクション構造を有するMOSFETにSBDを内蔵させたものであってもよい。
<4.検査方法について>
以下、本実施の形態に関する検査方法について説明する。発明者らの解析によって、I2t耐量が低いMOSFETには積層欠陥が含まれることが分かった。
半導体装置に内蔵されたSBDはMOSFETとの間でドリフト層を共有する。そのため、積層欠陥によって高抵抗層がSBD部分を塞ぐことで、ボディダイオードと内蔵SBDとの並列関係が解け、結果として、ボディダイオードの動作電圧が下がる。特に、SBD内蔵MOSFETチップが多数並列に接続されたモジュールの場合、ボディダイオードの動作電圧が下がったMOSFETチップに電流が集中して早く破壊してしまうため、全体のI2t耐量がさらに下がってしまう。
そこで、積層欠陥を含むMOSFETチップを除去する(脱落させる)ことで、I2t耐量が低いMOSFETチップをスクリーニングすることができる。しかしながら、積層欠陥は、SiCのドリフト層中に多数含まれており、I2t耐量に影響を及ぼすものはそのうちの一部に過ぎない。
図23は、積層欠陥(stacking fault、すなわちSF)によるゲート電圧への影響の例を示す図である。図23の横軸は、ドレイン電流Ids=4.28μAになる際のゲート電圧Vgsの値を見た場合の値を示す。また、図23の縦軸は、同じ素子でドレイン電流Ids=4.28mAになる際のゲート電圧Vgsの値を見た場合の値を示す。図23においては、積層欠陥がないMOSFETチップが白い丸印で示され、積層欠陥があるMOSFETチップが黒い丸印で示されている。
図23に示されるように、積層欠陥を有するMOSFETチップの大多数は、I2t耐量に影響を及ぼさない、すなわち、I2t耐量が有意に低くなってはいない。よって、積層欠陥を含むMOSFETチップのすべてを脱落させることは非現実的である。
ボディダイオードを動作させ、その動作電圧に基づいてスクリーニングすることができればよいが、SBD内蔵MOSFETはその性質上極力ボディダイオードが動作しない設計になっており、チップ段階の電気特性でスクリーニングすることは困難である。
一方で、SBD内蔵MOSFETが多数並列接続されたモジュールであれば実際に電流サージを印加してスクリーニングすることも可能であるが、スクリーニングによって脱落となるモジュールに搭載された並列接続の複数のMOSFETチップはすべて廃棄することとなるため、コスト増大につながる。
異なるアプローチとして、ボディダイオードの動作電圧を低下させる積層欠陥がボディダイオード以外の特性に及ぼす影響をとらえ、これに基づいて積層欠陥を有するMOSFETチップを脱落させる手法を取ることができる。発明者らの解析によれば、ボディダイオードの動作電圧を低下させる積層欠陥はドレイン電流-ゲート電圧特性に異常を生じさせることが分かっている。
図10は、半導体装置のゲート電圧とドレイン電流との関係の例を示す図である。上記のボディダイオードの動作電圧を低下させる積層欠陥は、ドレイン電極84からソース電極80に流れる電流であるドレイン電流の立ち上がり領域で、ゲート電圧を低くする影響を及ぼす。図10の例では、低い値のドレイン電流であるドレイン電流Id1でのゲート電圧Vg1a(点線を参照)が、ボディダイオードの動作電圧を低下させるような積層欠陥を有さない半導体装置のドレイン電流Id1でのゲート電圧Vg1(実線を参照)に比べて低くなっている。特に、ゲート絶縁膜に接触するp型のウェル領域の表層にn型の低抵抗層(ソース領域)を形成した場合に、この傾向が顕著となる。
よって、上記のようなゲート電圧の変化量に着目することで、ボディダイオードの動作電圧が低いMOSFETチップをスクリーニングすることができる。
上記のゲート電圧の低下は低電流領域で生じ、高電流領域ではこの傾向は消える。そのため、検査対象のMOSFETチップについて、一定のドレイン電圧で、低い値のドレイン電流であるドレイン電流Id1でのゲート電圧と高い値のドレイン電流であるドレイン電流Id2でのゲート電圧との差分をとり、この差分がしきい値を超えるMOSFETチップを脱落させ(すなわち、除外し)、この差分がしきい値を超えないMOSFETチップを選択すればよい。
ここで、ゲート電圧とドレイン電流との組み合わせは、上記のように低電流領域と高電流領域との2つに限られず、3つ以上の領域におけるゲート電圧とドレイン電流との組み合わせを比較してもよい。また、単純な差分以外の演算方法によって、上記の影響(すなわち、ドレイン電流の立ち上がり領域でのゲート電圧を低くする影響)を検出してもよい。
なお、検査に用いるドレイン電流の値は差が大きいほどよく、ドレイン電流のうち最大のものと最小のものとの比は、たとえば100倍以上であるものを選択する。
以上のように、SBD内蔵の半導体装置に本実施の形態に関する検査方法を適用することによって、I2t耐量が低い半導体装置をスクリーニングすることができる。
<第2の実施の形態>
本実施の形態に関する半導体装置の検査方法、および、半導体装置の製造方法について説明する。
発明者らの解析によれば、SBD内蔵MOSFETのボディダイオードの動作電圧を低下させる積層欠陥は、耐圧特性(ドレイン電圧とドレイン電流との関係)にも影響を及ぼすことが分かっている。よって、耐圧特性に着目することでも、同様にボディダイオードの動作電圧を低下させる積層欠陥を含むMOSFETチップをスクリーニングすることができる。
図11は、半導体装置のドレイン電圧とドレイン電流との関係の例を示す図である。図11では、アバランシェ電圧よりも低い値のドレイン電圧であるドレイン電圧Vdm3のもとでゲート電圧を変化させた場合の例が示されている。ここで、ドレイン電圧は、ドレイン電極84とソース電極80との間に印加される電圧である。
図11の例では、低い値のゲート電圧であるゲート電圧Vg3の場合のドレイン電圧Vdm3に対応するドレイン電流Id3(実線を参照)と、高い値のゲート電圧であるゲート電圧Vg4の場合のドレイン電圧Vdm3に対応するドレイン電流Id4(点線を参照)との差分をとり、この差分がしきい値を超える(すなわち、ゲート電圧が大きくした場合に、ドレイン電流が基準以上に大きくなる)MOSFETチップを脱落させ(すなわち、除外し)、この差分がしきい値を超えないMOSFETチップを選択すればよい。
ここで、ゲート電圧とドレイン電圧との組み合わせは、上記のような2つである場合に限られず、3つ以上の組み合わせであってもよい。また、単純な差分以外の演算方法によって、上記の影響(すなわち、ゲート電圧が大きくなった場合に、ドレイン電流が基準以上に大きくなる影響)を検出してもよい。
なお、検査に用いるゲート電圧のうち、最大のものと最小のものの差は、たとえば1V以上であるものを選択する。
<以上に記載された複数の実施の形態によって生じる効果について>
次に、以上に記載された複数の実施の形態によって生じる効果の例を示す。なお、以下の説明においては、以上に記載された複数の実施の形態に例が示された具体的な構成に基づいて当該効果が記載されるが、同様の効果が生じる範囲で、本説明書に例が示される他の具体的な構成と置き換えられてもよい。すなわち、以下では便宜上、対応づけられる具体的な構成のうちのいずれか1つのみが代表して記載される場合があるが、代表して記載された具体的な構成が対応づけられる他の具体的な構成に置き換えられてもよい。
また、当該置き換えは、複数の実施の形態に跨ってなされてもよい。すなわち、異なる実施の形態において例が示されたそれぞれの構成が組み合わされて、同様の効果が生じる場合であってもよい。
以上に記載された実施の形態によれば、SBD領域およびMOSFET領域は、炭化珪素で構成される半導体基板10の第1の主面側に設けられる。また、半導体基板10の第1の主面に、第1の導電型のドリフト層20が設けられる。そして、MOSFET領域が、第2の導電型のウェル領域と、第1の導電型のソース領域と、ゲート絶縁膜50(または、ゲート絶縁膜50B)と、ゲート電極60(または、ゲート電極60B)と、層間絶縁膜55(または、層間絶縁膜55B)とを備える。ここで、第2の導電型のウェル領域は、たとえば、p型のウェル領域30またはウェル領域30Bなどに対応するものである。また、第1の導電型のソース領域は、たとえば、n型のソース領域40またはソース領域40Bなどに対応するものである。ウェル領域30は、ドリフト層20の第1の主面側の表層に設けられる。ソース領域40は、ウェル領域30の表層に設けられる。ゲート絶縁膜50は、ソース領域40とドリフト層20とに挟まれるウェル領域30に接触して設けられる。ゲート電極60は、ゲート絶縁膜50に接触して設けられる。層間絶縁膜55は、ゲート電極60を覆う。また、SBD領域は、ドリフト層20の第1の主面側でドリフト層20とショットキー接合するショットキー電極71(または、ショットキー電極71B)を備える。また、半導体装置は、ソース電極80と、ドレイン電極84とを備える。ソース電極80は、ショットキー電極71と接続される。また、ソース電極80は、層間絶縁膜55を覆う。ドレイン電極84は、半導体基板10の第1の主面の反対側の主面である第2の主面側に設けられる。そして、SBD領域とMOSFET領域とを備える半導体装置の検査方法において、ドレイン電極84からソース電極80に流れる第1のドレイン電流に対応してゲート電極60に印加される第1のゲート電圧を測定する。ここで、第1のドレイン電流は、たとえば、ドレイン電流Id1などに対応するものである。また、第1のゲート電圧は、たとえば、ゲート電圧Vg1またはゲート電圧Vg1aなどに対応するものである。そして、ドレイン電流Id1よりも大きな値の第2のドレイン電流に対応してゲート電極60に印加される第2のゲート電圧を測定する。ここで、第2のドレイン電流は、たとえば、ドレイン電流Id2などに対応するものである。また、第2のゲート電圧は、たとえば、ゲート電圧Vg2などに対応するものである。そして、ゲート電圧Vg1aとゲート電圧Vg2との差分があらかじめ定められたしきい値(たとえば、ゲート電圧Vg1とゲート電圧Vg2との差分を基準とする値)を超えるか否かを検査する。
このような構成によれば、I2t耐量が低いSBD内臓のMOSFETが、積層欠陥に起因してドレイン電流-ゲート電圧特性に異常を生じさせることを利用して、異なるドレイン電流値における対応するゲート電圧の差分に基づいて、I2t耐量が低いSBD内臓のMOSFETを検知することができる。
上記の検査方法は、具体的には、ボディダイオードの表層まで積層欠陥が到達しているものを電気特性から特定するものである。
なお、特段の制限がない場合には、それぞれの処理が行われる順序は変更することができる。
また、上記の構成に本説明書に例が示された他の構成を適宜追加した場合、すなわち、上記の構成としては言及されなかった本説明書中の他の構成が適宜追加された場合であっても、同様の効果を生じさせることができる。
また、以上に記載された実施の形態によれば、ドレイン電流Id1とドレイン電流Id2との比が、100倍以上である。このような構成によれば、検査に用いられるドレイン電流の値の比が大きいほど、対応するゲート電圧の変位量が大きくなる。そのため、検査精度が向上する。
また、以上に記載された実施の形態によれば、半導体装置の検査方法において、ドレイン電極84とソース電極80との間に印加する第1のドレイン電圧を一定として、ゲート電極60に印加する第1のゲート電圧に対応する、ドレイン電極84からソース電極80に流れる第1のドレイン電流を測定する。ここで、第1のドレイン電圧は、たとえば、ドレイン電圧Vdm3などに対応するものである。また、第1のゲート電圧は、たとえば、ゲート電圧Vg3などに対応するものである。また、第1のドレイン電流は、たとえば、ドレイン電流Id3などに対応するものである。そして、ドレイン電圧Vdm3をドレイン電極84とソース電極80との間に印加して、ゲート電極60に印加するゲート電圧Vg4に対応する、ドレイン電極84からソース電極80に流れるドレイン電流Id4を測定する。ここで、第2のゲート電圧は、たとえば、ゲート電圧Vg4などに対応するものである。また、第2のドレイン電流は、たとえば、ドレイン電流Id4などに対応するものである。ここで、ゲート電圧Vg4は、ゲート電圧Vg3とは異なる電圧である。そして、ドレイン電流Id3とドレイン電流Id4との差分があらかじめ定められたしきい値(たとえば、積層欠陥を含まないMOSFETチップでの、ゲート電圧Vg3に対応するドレイン電流とゲート電圧Vg4に対応するドレイン電流との差分を基準とする値)を超えるか否かを検査する。
このような構成によれば、I2t耐量が低いSBD内臓のMOSFETが、積層欠陥に起因してドレイン電流-ドレイン電圧特性に異常を生じさせることを利用して、異なるゲート電圧値における対応するドレイン電流の差分に基づいて、I2t耐量が低いSBD内臓のMOSFETを検知することができる。
上記の検査方法は、具体的には、ボディダイオードの表層まで積層欠陥が到達しているものを電気特性から特定するものである。
なお、特段の制限がない場合には、それぞれの処理が行われる順序は変更することができる。
また、上記の構成に本説明書に例が示された他の構成を適宜追加した場合、すなわち、上記の構成としては言及されなかった本説明書中の他の構成が適宜追加された場合であっても、同様の効果を生じさせることができる。
また、以上に記載された実施の形態によれば、ゲート電圧Vg3とゲート電圧Vg4との差が、1V以上である。このような構成によれば、検査に用いられるゲート電圧の差が十分に大きいことによって、対応するドレイン電流の差も大きくなる。よって、検査精度が向上する。
以上に記載された実施の形態によれば、半導体装置の製造方法において、炭化珪素で構成される半導体基板10の第1の主面に、第1の導電型のドリフト層20を形成する。そして、ドリフト層20の第1の主面側の表層に、第2の導電型のウェル領域30を形成し、ウェル領域30の表層に、第1の導電型のソース領域40を形成し、ソース領域40とドリフト層20とに挟まれるウェル領域30に接触するゲート絶縁膜50を形成し、ゲート絶縁膜50に接触するゲート電極60を形成し、ゲート電極60を覆う層間絶縁膜55を形成することによって、MOSFET領域を形成する。また、ドリフト層20の第1の主面側に、ドリフト層20とショットキー接合するショットキー電極71を形成することによって、SBD領域を形成する。そして、ショットキー電極71と接続され、かつ、層間絶縁膜55を覆うソース電極80を形成する。そして、半導体基板10の第1の主面の反対側の主面である第2の主面側に、ドレイン電極84を形成する。その上で、ドレイン電極84からソース電極80に流れるドレイン電流Id1に対応してゲート電極60に印加される第1のゲート電圧を測定する。ここで、第1のゲート電圧は、たとえば、ゲート電圧Vg1などに対応するものである。そして、ドレイン電流Id1よりも大きな値のドレイン電流Id2に対応してゲート電極60に印加される第2のゲート電圧を測定する。ここで、第2のゲート電圧は、たとえば、ゲート電圧Vg2などに対応するものである。そして、ゲート電圧Vg1とゲート電圧Vg2との差分があらかじめ定められたしきい値を超えない半導体装置を選択する。
このような構成によれば、I2t耐量が低いSBD内臓のMOSFETが、積層欠陥に起因してドレイン電流-ゲート電圧特性に異常を生じさせることを利用して、異なるドレイン電流値における対応するゲート電圧の差分に基づいて、I2t耐量が低いSBD内臓のMOSFETを検知して除去することができる。
なお、特段の制限がない場合には、それぞれの処理が行われる順序は変更することができる。
また、上記の構成に本説明書に例が示された他の構成を適宜追加した場合、すなわち、上記の構成としては言及されなかった本説明書中の他の構成が適宜追加された場合であっても、同様の効果を生じさせることができる。
また、以上に記載された実施の形態によれば、ドレイン電流Id1とドレイン電流Id2との比が、100倍以上である。このような構成によれば、検査に用いられるドレイン電流の値の比が大きいほど、対応するゲート電圧の変位量が大きくなる。そのため、検査精度が向上する。
また、以上に記載された実施の形態によれば、半導体装置の製造方法において、炭化珪素で構成される半導体基板10の第1の主面に、ドリフト層20を形成する。そして、ドリフト層20の第1の主面側の表層に、ウェル領域30を形成し、ウェル領域30の表層に、ソース領域40を形成し、ソース領域40とドリフト層20とに挟まれるウェル領域30に接触するゲート絶縁膜50を形成し、ゲート絶縁膜50に接触するゲート電極60を形成し、ゲート電極60を覆う層間絶縁膜55を形成することによって、MOSFET領域を形成する。また、ドリフト層20の第1の主面側に、ドリフト層20とショットキー接合するショットキー電極71を形成することによって、SBD領域を形成する。そして、ショットキー電極71と接続され、かつ、層間絶縁膜55を覆うソース電極80を形成する。そして、半導体基板10の第1の主面の反対側の主面である第2の主面側に、ドレイン電極84を形成する。その上で、ドレイン電極84とソース電極80との間に印加するドレイン電圧Vdm3を一定として、ゲート電極60に印加するゲート電圧Vg3に対応する、ドレイン電極84からソース電極80に流れるドレイン電流Id3を測定する。また、ドレイン電圧Vdm3をドレイン電極84とソース電極80との間に印加して、ゲート電極60に印加するゲート電圧Vg4に対応する、ドレイン電極84からソース電極80に流れるドレイン電流Id4を測定する。ここで、ゲート電圧Vg4は、ゲート電圧Vg3とは異なる電圧である。そして、ドレイン電流Id3とドレイン電流Id4との差分があらかじめ定められたしきい値を超えない半導体装置を選択する。
このような構成によれば、I2t耐量が低いSBD内臓のMOSFETが、積層欠陥に起因してドレイン電流-ドレイン電圧特性に異常を生じさせることを利用して、異なるゲート電圧値における対応するドレイン電流の差分に基づいて、I2t耐量が低いSBD内臓のMOSFETを検知して除去することができる。
なお、特段の制限がない場合には、それぞれの処理が行われる順序は変更することができる。
また、上記の構成に本説明書に例が示された他の構成を適宜追加した場合、すなわち、上記の構成としては言及されなかった本説明書中の他の構成が適宜追加された場合であっても、同様の効果を生じさせることができる。
また、以上に記載された実施の形態によれば、ゲート電圧Vg3とゲート電圧Vg4との差が、1V以上である。このような構成によれば、検査に用いられるゲート電圧の差が十分に大きいことによって、対応するドレイン電流の差も大きくなる。よって、検査精度が向上する。
<以上に記載された複数の実施の形態の変形例について>
以上に記載された複数の実施の形態では、それぞれの構成要素の材質、材料、寸法、形状、相対的配置関係または実施の条件などについても記載する場合があるが、これらはすべての局面においてひとつの例であって、限定的なものではない。
したがって、例が示されていない無数の変形例と均等物とが、本説明書に開示される技術の範囲内において想定される。たとえば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの実施の形態における少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態における構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
また、以上に記載された少なくとも1つの実施の形態において、特に指定されずに材料名などが記載された場合は、矛盾が生じない限り、当該材料に他の添加物が含まれた、たとえば、合金などが含まれるものとする。
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
(付記1)
SBD領域とMOSFET領域とを備える半導体装置の検査方法であり、
前記SBD領域および前記MOSFET領域が、炭化珪素で構成される半導体基板の第1の主面側に設けられ、
前記半導体基板の前記第1の主面に、第1の導電型のドリフト層が設けられ、
前記MOSFET領域が、
前記ドリフト層の前記第1の主面側の表層に設けられる第2の導電型のウェル領域と、
前記ウェル領域の表層に設けられる第1の導電型のソース領域と、
前記ソース領域と前記ドリフト層とに挟まれる前記ウェル領域に接触して設けられるゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜に接触して設けられるゲート電極と、
前記ゲート電極を覆う層間絶縁膜とを備え、
前記SBD領域が、前記ドリフト層の前記第1の主面側で前記ドリフト層とショットキー接合するショットキー電極を備え、
前記半導体装置が、
前記ショットキー電極と接続され、かつ、前記層間絶縁膜を覆うソース電極と、
前記半導体基板の前記第1の主面の反対側の主面である第2の主面側に設けられるドレイン電極とを備え、
前記半導体装置の検査方法が、
前記ドレイン電極から前記ソース電極に流れる第1のドレイン電流に対応して前記ゲート電極に印加される第1のゲート電圧を測定し、
前記第1のドレイン電流よりも大きな値の第2のドレイン電流に対応して前記ゲート電極に印加される第2のゲート電圧を測定し、
前記第1のゲート電圧と前記第2のゲート電圧との差分があらかじめ定められたしきい値を超えるか否かを検査する、
半導体装置の検査方法。
(付記2)
付記1に記載の半導体装置の検査方法であり、
前記第1のドレイン電流と前記第2のドレイン電流との比が、100倍以上である、
半導体装置の検査方法。
(付記3)
SBD領域とMOSFET領域とを備える半導体装置の検査方法であり、
前記SBD領域および前記MOSFET領域が、炭化珪素で構成される半導体基板の第1の主面側に設けられ、
前記半導体基板の前記第1の主面に、第1の導電型のドリフト層が設けられ、
前記MOSFET領域が、
前記ドリフト層の前記第1の主面側の表層に設けられる第2の導電型のウェル領域と、
前記ウェル領域の表層に設けられる第1の導電型のソース領域と、
前記ソース領域と前記ドリフト層とに挟まれる前記ウェル領域に接触して設けられるゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜に接触して設けられるゲート電極と、
前記ゲート電極を覆う層間絶縁膜とを備え、
前記SBD領域が、前記ドリフト層の前記第1の主面側で前記ドリフト層とショットキー接合するショットキー電極を備え、
前記半導体装置が、
前記ショットキー電極と接続され、かつ、前記層間絶縁膜を覆うソース電極と、
前記半導体基板の前記第1の主面の反対側の主面である第2の主面側に設けられるドレイン電極とを備え、
前記半導体装置の検査方法が、
前記ドレイン電極と前記ソース電極との間に印加する第1のドレイン電圧を一定として、前記ゲート電極に印加する第1のゲート電圧に対応する、前記ドレイン電極から前記ソース電極に流れる第1のドレイン電流を測定し、
前記第1のドレイン電圧を前記ドレイン電極と前記ソース電極との間に印加して、前記ゲート電極に印加する第2のゲート電圧に対応する、前記ドレイン電極から前記ソース電極に流れる第2のドレイン電流を測定し、
前記第2のゲート電圧が、前記第1のゲート電圧とは異なる電圧であり、
前記第1のドレイン電流と前記第2のドレイン電流との差分があらかじめ定められたしきい値を超えるか否かを検査する、
半導体装置の検査方法。
(付記4)
付記3に記載の半導体装置の検査方法であり、
前記第1のゲート電圧と前記第2のゲート電圧との差が、1V以上である、
半導体装置の検査方法。
(付記5)
SBD領域とMOSFET領域とを備える半導体装置の製造方法であり、
炭化珪素で構成される半導体基板の第1の主面に、第1の導電型のドリフト層を形成し、
前記ドリフト層の前記第1の主面側の表層に、第2の導電型のウェル領域を形成し、前記ウェル領域の表層に、第1の導電型のソース領域を形成し、前記ソース領域と前記ドリフト層とに挟まれる前記ウェル領域に接触するゲート絶縁膜を形成し、前記ゲート絶縁膜に接触するゲート電極を形成し、前記ゲート電極を覆う層間絶縁膜を形成することによって、前記MOSFET領域を形成し、
前記ドリフト層の前記第1の主面側に、前記ドリフト層とショットキー接合するショットキー電極を形成することによって、前記SBD領域を形成し、
前記ショットキー電極と接続され、かつ、前記層間絶縁膜を覆うソース電極を形成し、
前記半導体基板の前記第1の主面の反対側の主面である第2の主面側に、ドレイン電極を形成し、
前記ドレイン電極から前記ソース電極に流れる第1のドレイン電流に対応して前記ゲート電極に印加される第1のゲート電圧を測定し、
前記第1のドレイン電流よりも大きな値の第2のドレイン電流に対応して前記ゲート電極に印加される第2のゲート電圧を測定し、
前記第1のゲート電圧と前記第2のゲート電圧との差分があらかじめ定められたしきい値を超えない前記半導体装置を選択する、
半導体装置の製造方法。
(付記6)
付記5に記載の半導体装置の製造方法であり、
前記第1のドレイン電流と前記第2のドレイン電流との比が、100倍以上である、
半導体装置の製造方法。
(付記7)
SBD領域とMOSFET領域とを備える半導体装置の製造方法であり、
炭化珪素で構成される半導体基板の第1の主面に、第1の導電型のドリフト層を形成し、
前記ドリフト層の前記第1の主面側の表層に、第2の導電型のウェル領域を形成し、前記ウェル領域の表層に、第1の導電型のソース領域を形成し、前記ソース領域と前記ドリフト層とに挟まれる前記ウェル領域に接触するゲート絶縁膜を形成し、前記ゲート絶縁膜に接触するゲート電極を形成し、前記ゲート電極を覆う層間絶縁膜を形成することによって、前記MOSFET領域を形成し、
前記ドリフト層の前記第1の主面側に、前記ドリフト層とショットキー接合するショットキー電極を形成することによって、前記SBD領域を形成し、
前記ショットキー電極と接続され、かつ、前記層間絶縁膜を覆うソース電極を形成し、
前記半導体基板の前記第1の主面の反対側の主面である第2の主面側に、ドレイン電極を形成し、
前記ドレイン電極と前記ソース電極との間に印加する第1のドレイン電圧を一定として、前記ゲート電極に印加する第1のゲート電圧に対応する、前記ドレイン電極から前記ソース電極に流れる第1のドレイン電流を測定し、
前記第1のドレイン電圧を前記ドレイン電極と前記ソース電極との間に印加して、前記ゲート電極に印加する第2のゲート電圧に対応する、前記ドレイン電極から前記ソース電極に流れる第2のドレイン電流を測定し、
前記第2のゲート電圧が、前記第1のゲート電圧とは異なる電圧であり、
前記第1のドレイン電流と前記第2のドレイン電流との差分があらかじめ定められたしきい値を超えない前記半導体装置を選択する、
半導体装置の製造方法。
(付記8)
付記7に記載の半導体装置の製造方法であり、
前記第1のゲート電圧と前記第2のゲート電圧との差が、1V以上である、
半導体装置の製造方法。