JP7786112B2 - 低浸透圧液の併用による針状体を利用した細胞内反応の制御手段 - Google Patents

低浸透圧液の併用による針状体を利用した細胞内反応の制御手段

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Description

本発明は、針状体に固定化された細胞内導入因子を、多数の細胞内へ簡便かつ効率的に導入する方法、ならびにそれを利用する細胞内反応の制御手段に関する。
今日、細胞内反応を制御するための様々な技術や手法が開発・報告されている。しかしながら、それらの多くは遺伝子組換え技術やゲノム編集技術を利用するものであり、これらは概ね煩雑な作業や、多大な費用等を伴うものであり、作業するものにとって大きな負担となっていた。このため、当該分野においては依然として、細胞内反応を制御するための新たな技術や手法が切望されていた。
特許文献1には、細胞内又は細胞間タンパク質抗原に対する抗体を固定化した細胞挿入用針状材料が開示されており、当該針状材料を細胞に位置合わせし、上下動作を行って細胞に挿入することで、生きたままの細胞において、細胞内または細胞間タンパク質について定量、評価等が行えることが記載されている。
特許文献2、3には、フォトリソグラフィーとドライエッチング及びウェットエッチング法を用いて成形された、支持体上に多数のナノニードルが配列した細胞挿入部材が開示されており、各ナノニードルに、遺伝子又は遺伝子発現に関与する物質等や抗体等のマーカー物質と結合する物質を固定化しておくことで、基板上の配列した多数の細胞に、同時に多数のナノニードルを挿入して、多数の細胞において、細胞が生きた状態で、遺伝子の発現状態を解析したり、標的細胞を選択的につり上げたりできることが記載されている。
しかしながら、これらの針状材料やナノニードルは、細胞内等に挿入する際にその位置合わせや上下動作の操作が煩雑である場合があり、作業するものにとって大きな負担となる場合があった。また、針状材料やナノニードルを細胞膜に押し当てた際に、細胞膜が内側に深く沈み込むだけで貫通できず、針状材料やナノニードルを細胞内まで挿入できない場合があり(非特許文献1)、これが操作の成功率を低下させる原因となる場合があった。
特開2006-246731号公報 特開2013-183706号公報 特開2006-166884号公報
Trine Berthingら、Nanotechnology.2012 Oct 19;23(41):415102.
本発明は、簡便かつ効率的な操作で多数の細胞に対して所定の因子を導入することを可能とする、細胞内反応を制御するための新たな技術や手法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、細胞を低浸透圧液中に置くことによって、細胞の体積を大きくすることができ、また、当該体積を大きくした細胞と針状体とを接触させた場合に、体積を大きくしていない細胞を接触させた場合と比べて、針状体の針状部が効率的に細胞内へと挿入されることを見出した。そして、細胞内導入因子を針状体に固定化し、これを当該体積を大きくした細胞と接触させることによって、当該導入因子を多数の細胞内へと簡便かつ効率的に導入することができ、細胞内反応を制御、分析等行えることを見出した。
本発明は、これらの新規知見に基づくものであり、以下の発明を包含する。
[1] a.細胞内導入因子が固定化されている針状体と、細胞とを接触させ、前記針状体の一部分を前記細胞内へ挿入して、前記細胞内導入因子を前記細胞内に導入する工程、ならびに、
b.前記針状体の一部分を前記細胞より抜き出す工程、
を含む、改変細胞の製造方法であって、
前記工程aの開始前、及び/又は前記工程aの間、前記細胞を低浸透圧液中に置くことを含む、方法。
[2] 前記低浸透圧液が90%~5%希釈培地からなる、[1]の方法。
[3] 前記低浸透圧液の浸透圧が264mOsm/kg H2O以下、20mOsm/kg H2O超である、[1]又は[2]の方法。
[4] 前記針状体の一部分を細胞内へ挿入する、及び/又は細胞より抜き出すために、遠心力、磁力、水流、水圧、及び静電相互作用からなる群から選択される一又は複数の外力を用いる、[1]~[3]のいずれの方法。
[5] 前記細胞内導入因子が、細胞内分子に結合可能な結合体であり、前記針状体を前記細胞より抜き出して、前記細胞内において前記結合体に結合した細胞内分子を前記針状体と共に、前記細胞より抜き出すことを含む、[1]~[4]のいずれかの方法。
[6] 前記結合体が、核酸、タンパク質、ペプチド、又は低分子化合物である、[5]の方法。
[7] 前記結合体が抗体又はその断片である、[5]又は[6]の方法。
[8] 前記細胞内導入因子が生理活性物質であり、前記針状体を前記細胞より抜き出して、前記細胞内導入因子を前記細胞内に留置することを含む、[1]~[4]のいずれかの方法。
[9] 前記生理活性物質が、核酸、ペプチド、タンパク質、糖類、多糖、脂肪酸、コレステロール、脂質、シグナル伝達物質、リガンド物質、ホルモン物質、サイトカイン、イオン、金属粒子、磁性微粒子、無機化合物、量子ドット、有機化合物及び薬剤からなる群から選択される一又は複数の物質である、[8]の方法。
[10] 前記生理活性物質と前記針状体との間の結合が、細胞内で分離可能な結合である、[8]又は[9]の方法。
[11] 前記細胞内導入因子と前記針状体との間の結合が、静電気的結合、疎水性相互作用による結合、キレート結合、細胞内で切断される共有結合、光切断リンカーを介した結合、酵素切断リンカーを介した結合からなる群より選択される少なくとも1種である、[10]の方法。
[12] 前記針状体が針状粒子である、[1]~[11]のいずれかの方法。
[13] 前記針状粒子の針状部の長さが1~50μmである、[12]の方法。
[14] 前記針状粒子が酸化亜鉛である、[12]又は[13]の方法。
[15] 前記針状体が基材に固定化された形態を有する、[1]~[14]のいずれかの方法。
[16] 前記基材がその表面にバインダーを有し、前記針状体の一部分が前記バインダーにより前記基材に固定化されている、[15]の方法。
[17] 前記バインダーが、タンパク非吸着性材料からなる、[16]の方法。
[18] 前記針状体が、フォトリソグラフィー、ドライエッチング、ウェットエッチング、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される一又は複数を用いて製造されたものである、[15]の方法。
[19] 前記基材の前記針状体を有する面に、細胞を収容できる微細凹凸構造を有する、[1]~[18]のいずれかの方法。
[20] [1]~[19]のいずれかの方法において使用するための、低浸透圧液。
[21] [1]~[19]のいずれかの方法により製造された改変細胞の状態を解析する工程を含む、前記細胞内導入因子の機能を解析する方法。
[22] 前記改変細胞の状態を解析する工程が、細胞の増殖速度、生存率、代謝、活性酸素種の定量、遺伝子発現からなる群から選択される一又は複数について解析する、[21]の方法。
[23] a.細胞内導入因子が固定化されている針状体と、細胞とを接触させ、前記針状体の一部分を前記細胞内へ挿入して、前記細胞内導入因子を前記細胞内に導入する工程、ならびに、
b.前記針状体の一部分を前記細胞より抜き出す工程、
を含む、細胞の改変方法であって、
前記工程aの開始前、及び/又は前記工程aの間、前記細胞を低浸透圧液中に置くことを含む、方法。
[24] 針状体の一部分を細胞内へ挿入する方法であって、
針状体の一部分を細胞内へ挿入する工程の開始前、及び/又は前記工程の間、前記細胞を低浸透圧液中に置くことを含む、方法。
本発明によれば、簡便かつ効率的な操作で多数の細胞に対して所定の因子を導入することを可能とする、細胞内反応を制御するための新たな技術や手法を提供することができる。
図1は、各種培地比率(浸透圧)を有する溶液で処理した細胞の、直径/体積(黒丸)と生存率(白四角)の測定結果を示すグラフ図である。 図2は、針状粒子が固定化された細胞処理用複合基材の作製方法を示す概略図である。 図3は、各種培地比率(浸透圧)を有する溶液中に置かれた細胞に、抗グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ(Glyceraldehyde-3-phosphate dehydrogenase、以下、単に「GAPDH」と記載する)抗体でコーティングされたパナテトラの針状部を挿入、抜去して得られた細胞における、GAPDHの残存率を示すグラフ図である。
本発明において「針状体」とは、少なくとも一つの針状部を備える微細な構造体を意味する。
「針状部」は、細長く、先端、幅が十分に小さく、細胞に挿入した場合に、当該細胞に与えるダメージが小さいか、ほとんどなく、好ましくは全くダメージを与えない形状を有する。前記形状を有する限り、針状部は例えば、円筒形、円錐形、筒状(角柱状等)角錐形等(これらに限定はされない)の形状を有していてもよく、その先端は鋭利であってもよいし、鋭利でなくてもよい。細胞に対する低侵襲性や、挿入効率の観点から、好ましくは円筒形や円錐形が好ましい。針状部の長さは、0.5~100μm、好ましくは1~50μm、より好ましくは5~40μm、さらに好ましくは10~30μm(例えば、10μm、20μm等)である。また、針状部のアスペクト比は特に限定されるものではないが、5:1~50:1程度、好ましくは10:1~40:1とすることができる。
「針状体」は、細胞に対して毒性が小さいか、ほとんどなく、好ましくは全く毒性のない材料からなり、このような材料としては、金属酸化物(例えば、酸化亜鉛等)、無機物(例えば、石英、酸化ニッケル、シリカ、アルミナ、ダイアモンド、チタニア、ジルコニア等)、金属(例えば、金、銀、銅、白金、アルミニウム等)、金属結晶(例えば、タングステン、チタン、シリコン結晶、ジルコニウム等)、ガラス、樹脂(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ポリオレフィン、環状オレフィンコポリマー、ポリエステル、ポリスチレン、ポリアクリル酸メチル、ポリ乳酸、ポリエーテルエーテルケトン、フッ素樹脂等)、窒化シリコン、シリコン等が挙げられ(これらに限定はされない)、針状の固体材料を好適に用いることができる。
「針状体」の形態は、細胞への針状部の挿入、抜去を可能とするものであればよく、特に限定されるものではないが、例えば、「針状体」は針状粒子や、基材に固定化された形態を有することができる。
「針状体」の形態に関し「針状粒子」とは少なくとも一つの針状部を備える微細なつぶを意味する。針状粒子の形状は、中心部にて一又は複数の針状部が配置/結合されてなる形状を有し、例えば、棒状、L字形、V字形、T字形、Y字形、放射状(例えば、トライポッド状、クワトロポッド状、テトラポッド状等)等の形状を取り得るが、これらに限定はされない。複数の針状部を備える場合、各針状部は同じ形状及び/又は長さを有するものであってもよいし、それぞれ異なる形状及び/又は長さを有するものであってもよい。中心部において、複数の針状部は互い直接連結した構造を有していてもよいし、核となる部材に一又は複数の針状部が連結した構造を有していてもよい。一つの針状粒子の大きさは、備える針状部の長さや数に応じて変化し得るが、半径0.5μm~100μmの球体を想定して、それに収まる程度の大きさとすることができる。
なお、本明細書において、「針状体」、「針状粒子」、及び「針状部」の大きさに関する数値は平均値で表される。
好ましくは、本発明において針状粒子は、複数の針状部を備える酸化亜鉛からなり、より好ましくは長さ10~20μmの酸化亜鉛の単結晶からなる針状部がテトラポッド状に配置されてなる形状を有する。このような針状粒子としては、例えば、パナテトラ(登録商標)WZ-0501(アムテック製)等を好適に用いることができる。
また、「針状体」の形態に関し「基材に固定化された形態」とは、針状体(もしくは針状部)をその表面に複数備える基材を意味する。「基材」はその表面に針状体を固定化して支持体として機能できるものであればよく、特に限定されるものではないが、例えば、樹脂(ポリスチレン、ポリエチレン(例えば、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE,Linear Low Density Polyethylene)、超低密度ポリエチレン(VLDPE,Very Low Density Polyethylene/ULDPE,Ultra Low Density Polyethylene)、低密度ポリエチレン(LDPE,Low Density Polyethylene)、又はこれらの組み合わせ)、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、スチレン-ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸エステルポリマー、フッ素樹脂等)、シリカゲル、架橋デキストラン、ポリサッカライド、アガロース等の多糖類、ガラス、金属、磁性物質、ならびに、これらの組み合わせ等が挙げられる。基材の形状は針状体を固定化できるものであればよく特に限定されるものではないが、例えば、膜(フィルム又はメンブラン)、平板、トレー、粒子(ビーズ)、球、容器(試験管、チューブ、マイクロプレート、マイクロチューブ、セル、キュベット、ディッシュ、フラスコ、バッグ)、繊維、ゲル等の任意の形状とすることができる。具体的には例えば、ポリエチレンフィルム、ポリエチレンプレート、磁性ビーズ等が挙げられるが、これらに限定はされない。
基材の表面への針状体の固定化は、細胞へその針状部を挿入、抜去した後も、両者の結合を維持することができる限り、任意の手段を用いて行うことができる。基材の表面への針状体の固定化は、例えば、物理的吸着法、共有結合法、イオン結合法、基材への埋め込み、バインダー(接着剤)の利用等により行うことができるが、これらに限定はされない。
本発明において利用可能な「バインダー」としては、基材の表面へ針状体を固定化できるものであればよく、特に限定されるものではないが、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリレート)(Poly HEMA)、ポリビニルピロリドン、酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂、変成シリコーン樹脂、2-シアノアクリル酸エチル、ポリスチレン、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレン・ブタジエンゴム、ニトロセルロース、デンプン、デキストリン、アルギン酸、アガロース、ゲル状タンパク質(ゼラチン、エラスチン、フィブリン等)等が挙げられ、これらの一又は複数の組み合わせを利用することができる。バインダーは、基材の表面の所定の領域に塗布され、塗布されたバインダーが固化することで、当該バインダーにその一部分が接した、好ましくはその一部分が埋め込まれた針状体を接着して当該基材の表面に固定化する。好ましくは、バインダーは、下記に詳述する「細胞内導入因子」との結合性や吸着性が低いものが好ましく、このようなバインダーとしては、PVA、Poly HEMA等が挙げられる。このようなバインダーを利用することによって、基材に固定化された針状体に、細胞内導入因子を固定化しようとした場合に、細胞内導入因子の針状体以外の部分(例えば、基材)への結合や吸着を抑制することができ、針状体に固定化されない細胞内導入因子のロスを抑制することができる。また、バインダーには細胞表面タンパクと相互作用する分子を含ませることができる。このような分子として、例えば、フィブロネクチン、ラミニン、コラーゲン、カドヘリン又はそれらの断片等が挙げられ、これらの一又は複数の組み合わせを利用することができる。このような分子は例えばバインダー成分と予め混合した後に基材上に一緒に塗布されてもよいし、あるいは基材上のバインダーに対して塗布されてもよく、簡便な方法で含ませることができる。このような分子を利用することによって、細胞を処理する際、通常の培養環境から変化することによる細胞の状態の悪化を抑制することができる。
あるいは別の態様において、基材表面への針状体の固定化は、基材と針状体(もしくは針状部)を一体成形又は一体加工により製造することによって行うことができる。これは例えば、従来公知の手法(例えば、特開2006-246731号公報、特開2013-183706号公報、特開2006-166884号公報)に準じた、フォトリソグラフィー、ドライエッチング、ウェットエッチング、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される一又は複数の手法を用いて行うことができる。
基材の表面には、固定化された針状体と共に細胞を収容することが可能な、微細凹凸構造が形成されていてもよい。微細凹凸構造は、細胞を収容して側壁(例えば、凹部の内壁)と底部により保持し、細胞の横方向への動き(例えば、基材の表面に対する水平方向の動き)を制限して、細胞の横方向への動きに伴い生じ得る、針状体による大きな損傷(例えば、切断、切り裂き等)を低減又は防止することができる。本発明において「微細凹凸構造」の形状は、前記効果を奏することが可能な形状であればよく特に限定されないが、例えば、球冠状、擂り鉢状(円錐状、角錐状)、筒状(円柱状、角柱状等)等の形状に窪んだ形状(凹部)を有する。この凹部の底部には、針状体が配置・固定化される。凹部の大きさは、前記効果を奏することが可能な大きさであればよく特に限定されないが、例えば、開口部の直径もしくは対角線の長さが1~500μm、深さ1~500μm程度とすることができる。各凹部には一個の細胞が収容されてもよいし、複数個の細胞が収容されてもよい。
なお、本明細書中、「基材に固定化された形態」の針状体(針状粒子)を、「細胞処理用複合基材」と称する場合がある。
本発明において針状体には、「細胞内導入因子」が固定化されている。
本発明の一実施形態において、「細胞内導入因子」としては、細胞内分子に結合可能な結合体が挙げられる。「細胞内分子に結合可能な結合体」は、導入された細胞内において標的とする細胞内分子と結合、好ましくは選択的に結合、より好ましくは特異的に結合して複合体を形成可能なものであればよく、標的とする細胞内分子に応じて適宜選択することができる。このような結合体としては例えば、核酸(DNA、RNA、DNA-RNAハイブリッド等)、タンパク質(抗体、抗原、酵素、基質、補酵素、リガンド、受容体、複合体のサブユニット、またはそれらの断片等)、ペプチド、低分子化合物等(例えば、Y-27632、Z-VAD-FMK等)が挙げられるが、これらに限定はされない。本発明において「細胞内分子に結合可能な結合体」は、それ自体が任意の遺伝子の発現に直接影響を与えるものではないものが好ましい。ここで「直接影響を与えるものではない」とは、当該結合体の導入に起因して、細胞内の任意のシグナル伝達経路が直接活性化されないことを意味する。好ましくは、本発明において「細胞内分子に結合可能な結合体」は、標的とする細胞内分子と結合、好ましくは選択的に結合、より好ましくは特異的に結合することができる抗体又はその断片である。抗体の「断片」としては、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fv、scFv、dsFv、ジアボディー、sc(Fv)2等が挙げられ、これらフラグメントの多量体(例えば、ダイマー、トリマー、テトラマー、ポリマー)も本発明において利用することができる。
本発明のまた別の態様において、「細胞内導入因子」としては、導入された細胞内において任意の機能を発揮するもの、又は任意の機能を発揮すると予測されるものが挙げられる。このような因子としては例えば、生理活性物質等が挙げられる。「生理活性物質」としては、例えば、核酸(DNA、RNA、DNA-RNAハイブリッド等)、プラスミド、ウイルス粒子、染色体等;タンパク質、アミノ酸、オリゴペプチド、ポリペプチド、マルチサブユニットタンパク質;糖類、多糖、脂肪酸、コレステロール、脂質、シグナル伝達物質、リガンド物質、ホルモン物質、サイトカイン、イオン、金属粒子、磁性微粒子、無機化合物、量子ドット、有機化合物、薬剤等からなる群から選択される一又は複数の物質が挙げられるが、これらに限定はされない。
本発明において「針状体」と「細胞内導入因子」との結合(固定化)方法は、用いる「細胞内導入因子」の種類に応じて、適宜選択することができる。例えば、用いる「細胞内導入因子」が、上述の「細胞内分子に結合可能な結合体」である場合には、針状体と前記結合体との結合(固定化)は、針状部を細胞へ挿入、その後引き抜いた際においても、当該結合が維持されている強度があればよく、当業者に周知の方法を用いて行うことができる。当該結合方法としては例えば、物理的吸着法、共有結合法、イオン結合法等が挙げられるが、好ましくは共有結合法である。例えば、共有結合法は前記結合体がタンパク質やペプチドである場合、針状部の表面の官能基(例えば、ヒドロキシ基、アミノ基、N-ヒドロキシスクシンイミジル基、スルフヒドリル基、エポキシ基、ビニル基等)とタンパク質やペプチドのカルボキシ末端とを化学的に反応させてエステル結合又はアミド結合等を形成させることにより行うことができる。必要に応じて、針状部の表面は官能基を導入するために処理することが可能であり、これは例えば、ポリリジン、ポリエチレンイミンビニルトリアルコキシシラン、3-メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、アミノアルキルトリアルコキシシラン、エポキシ含有アルキルトリアルコキシシラン等を用いて行うことができる。
針状粒子と細胞内分子に結合可能な結合体との結合(固定化)は、互いに直接結合されていてもよいし、あるいは、リンカーを介して間接的に結合されていてもよい。
また、用いる「細胞内導入因子」が、上述の「生理活性物質」である場合には、少なくとも針状部を細胞へ挿入するまでは両者の結合(固定化)が維持される一方で、細胞内においては結合が分離/切断され、当該因子の細胞内への放出を可能とする結合が好ましい。このような結合方法としては例えば、静電気的結合;疎水性相互作用による結合;キレート結合;ジスルフィド結合(S-S結合)等の細胞内で切断され得る共有結合;光切断リンカーを介した結合;エステラーゼ等の酵素認識配列を有するリンカー(酵素切断リンカー)を介した結合等が挙げられ(これらに限定はされない)、当業者に周知の方法を用いて行うことができる(特開2006-166884号公報等)。
一つの針状体に固定化されている細胞内導入因子は全て同じものであってもよいし、複数種の異なる細胞内導入因子が固定化されていてもよい。また、複数の針状体について、全て同じ細胞内導入因子が固定化されていてもよいし、あるいは、針状体ごとに異なる細胞内導入因子が固定化されていてもよい。
本発明において、針状体には予め所定の細胞内導入因子が固定化されていてもよいし、あるいは、使用に際して、針状体に所望の細胞内導入因子を上述のとおり固定化した後に用いてもよい(すなわち、提供時の針状体には予め所定の細胞内導入因子が固定化されていなくてもよい)。
細胞内導入因子が固定化されている針状体は、細胞内反応を制御するために用いることができ、細胞内反応が制御された改変細胞の製造方法において使用することができる。以下、特に言及しない限り、針状体は複数の針状体を意味する。
本製造方法は、
a.細胞内導入因子が固定化されている針状体と、細胞とを接触させ、それによって前記針状体の一部分を細胞内に挿入して、前記細胞内導入因子を細胞内に導入すること、その後、
b.前記針状体の一部分を前記細胞より抜き出すこと、
を含む。
本製造方法は、前記工程aの開始前又は前記工程aの間、前記細胞を低浸透圧液中に置くことを特徴とする。
本発明において対象となる細胞は特に限定されず、接着細胞、及び浮遊細胞のいずれであってもよく、その種類は例えば、多能性幹細胞もしくはその分化誘導細胞、造血幹細胞、間葉系幹細胞、神経幹細胞、リンパ球、神経細胞、グリア細胞、神経節細胞、膵島細胞、副腎髄質細胞、心筋細胞、肝細胞、線維芽細胞、上皮細胞、内皮細胞、筋芽細胞、網膜上皮細胞、角膜幹細胞、骨芽細胞、破骨細胞、肝細胞等が挙げられるが、これらに限定はされない。細胞の由来は特に限定されず、例えば、ヒト、マウス、ラット、サル、イヌ、ブタ、ウシ、モルモット、ハムスター等の哺乳動物細胞を好ましく利用することができる。
本発明において、「多能性幹細胞(pluripotent stem cell)」とは、胚性幹細胞(ES細胞)及びこれと同様の分化多能性、すなわち生体の様々な組織(内胚葉、中胚葉、外胚葉の全て)に分化する能力を潜在的に有する細胞を指す。ES細胞と同様の分化多能性を有する細胞としては、「人工多能性幹細胞」(「iPS細胞」とも称される場合がある)が挙げられる。好ましくは、本発明において、多能性幹細胞とはヒト多能性幹細胞である。「人工多能性幹細胞」とは、哺乳動物体細胞又は未分化幹細胞に、Oct3/4、Sox2、Klf4及びc-Myc等の特定の因子(核初期化因子)を導入して再プログラミングすることにより得られる細胞を指す。また、上述の多能性幹細胞の「分化誘導細胞」とは、多能性幹細胞を分化誘導して得られた所定の表現型やマーカーの発現により特徴付けられる細胞を意味する。「マーカー」とは、「マーカータンパク質」、「マーカー遺伝子」など、所定の細胞型により特異的に発現される細胞抗原又はその遺伝子を意味する。
本発明において細胞は、生体より採取された細胞であってもよいし、培養細胞であってもよく、さらにこれら細胞を凍結融解した細胞であってもよい。細胞は、解離又は分散した状態のものを使用するのが好ましい。
本発明において細胞には、錘を結合してもよい。錘を結合することによって細胞の重量が増し、細胞と針状体との接触時の衝撃を高めて、針状体の針状部が細胞内へ挿入されるのを容易にする(すなわち、挿入確率を高める)ことができる。「錘」としては、樹脂、金属、磁性物質、及びそれらの組み合わせ等からなるから群から選択される一又は複数を用いることができる。錘の形態は特に限定されないが、例えばビーズ状の形態とすることができる。例えば、本発明においては、ダイナビーズ(登録商標、株式会社ベリタス)等の磁気ビーズを、細胞の「錘」として好適に利用することができる。細胞と錘との結合は、当業者に周知の方法を用いて行うことができ、例えば、抗体又はその断片、アビジン・ビオチン、ストレプトアビジン・ビオチン等の一又は複数を用いて行うことができる。
細胞内への、針状体の針状部の挿入は、細胞と針状体とを接触させることにより行うことができる。この細胞と針状体との接触は、細胞に針状体を添加することによって(又は、針状体に細胞を添加することによって)、あるいは基材に固定化された形態の針状体(細胞処理用複合基材)に細胞を添加することによって行うことができる。必要に応じて、細胞と針状体との接触には、外力を加えてもよい。ここで「外力」とは、細胞及び/又は針状体に加えられる力を意味し、遠心力、磁力、静電相互作用、水流(水圧)等が挙げられ、これらより選択される一又は複数を用いることができる。遠心は細胞に損傷を与えない条件であればよく、例えば、100~30000gにて30~600秒行うことができる。水流(水圧)はピペッティング操作によりもたらすことができる。外力を用いることによって、細胞と針状体との接触時の衝撃を高めて、針状体の針状部が細胞内へ挿入されるのを容易にする(すなわち、挿入確率を高める)ことができる。外力の付与は、一又は複数回行うことができる。
本発明において、細胞内への針状粒子の針状部の挿入は、低浸透圧液中にて行う。
本発明において、「低浸透圧」とは細胞内液と比べて低い浸透圧を意味し、「低浸透圧液」とは、細胞内液と比べて低い浸透圧を有する培地を意味する。本明細書において「培地」とは、細胞の生育及び/又は生存を維持することが可能な液体を意味し、このような培地には、培養培地、緩衝液、ならびに、ジメチルスルホキシド、塩類及び糖類からなる群から選択される一又は複数を含む溶液(例えば、生理食塩水やブドウ糖液、細胞凍結保存液等)等が挙げられるが、これらに限定はされない。
細胞を低浸透圧液中に置くことにより、細胞外の水分が細胞内へと流入するため、細胞の体積を増大させることができ、これによって、針状体の針状部が細胞内へ挿入されるのを容易にする(すなわち、挿入確率を高める)ことができる。これは、細胞の体積を増大させることによって、細胞膜の張りを高めることができ、針状体の針状部が細胞膜に接触した際に、細胞膜が内側に深く沈み込むのを抑制し、針状体の針状部が細胞膜を貫通するのを容易にするためと考えられる。すなわち、一態様において、本発明は、針状体の針状部を細胞内へ効率的に(高い挿入確率にて)挿入する方法を提供するものである。
本発明における低浸透圧液は、細胞を液中に置いた場合に当該細胞の体積を増大させる(細胞の直径を指標とした場合に、その長さが例えば、1.01倍以上、1.02倍以上、1.03倍以上、1.04倍以上、1.05倍以上、1.06倍以上、1.07倍以上、1.08倍以上、1.09倍以上であり、その上限は1.3倍以下、1.2倍以下、1.15倍以下、1.1倍以下程度になることが好ましい)ことが可能であればよく、その浸透圧や組成は、用いる細胞に応じて適宜決定することができる。
細胞の体積を増大させることが可能な低浸透圧液の決定は、簡単な予備検討により行うことが可能であり、すなわち、所定の組成、及び/又は浸透圧を有する低浸透圧液中に目的の細胞を置いて、上記体積の増大が得られるかを確認することにより行うことができる。目的の細胞の体積を増大させることが可能な低浸透圧液が一度決定されれば、予備検討は毎回行う必要はなく、決定された低浸透圧液をその後も利用することができる。
一態様において、本発明における低浸透圧液として、希釈培地を用いることができる。希釈培地とは、目的の細胞の生育及び/又は生存を維持するのに通常用いられる培地を希釈して得られる培地を意味し、例えば、通常用いられる培地の濃度を100%とした場合に、90%~5%、好ましくは80%~10%、より好ましくは80%~20%、さらに好ましくは70%~30%の濃度に希釈された培地を利用することができる。培地の希釈には、特に限定はされないが超純水等を利用することができる。
また、一態様において、本発明における低浸透圧液は、目的の細胞が哺乳動物細胞、好ましくはヒト細胞であれば、264mOsm/kg H2O以下、20mOsm/kg H2O超、例えば、260~25mOsm/kg H2O、好ましくは260~30mOsm/kg H2O、より好ましくは250~30mOsm/kg H2O、さらに好ましくは200~30mOsm/kg H2O、とりわけ好ましくは196~84mOsm/kg H2O(例えば、100~30mOsm/kg H2O)の範囲より選択される浸透圧を有する培地を利用することができる。
細胞を低浸透圧液中に置く処理は、細胞を低浸透圧液中に加えることによって、あるいは、細胞に低浸透圧液を加えることによって行うことができる。当該処理は、細胞内へ針状粒子の針状部を挿入する工程の開始前に行うことが有効であるが、また当該挿入が新たに生じ得る限り当該工程中に行うことも有効である。
細胞内への針状粒子の針状部の挿入は、低浸透圧液中、細胞培養環境下にて行うことが好ましく、例えば、37℃、5%CO2の培養条件を維持しながら行うことができる。挿入時間が短い場合には、室温、大気環境下等で行うことも可能である。
そして、針状体に固定化されている細胞内導入因子が、前記「細胞内分子に結合可能な結合体」である場合には、細胞内への針状体の針状部の挿入は、細胞内において挿入した針状体に固定化された前記結合体と、細胞内の目的とする細胞内分子とが結合するのに十分な時間維持されればよく、この時間は前記結合体や目的とする細胞内分子の種類に応じて、当業者が適宜設定することが可能であるが、例えば、1~120分間、好ましくは5~60分間、より好ましくは30分間程度とすることができ、この間、細胞を静置することにより行うことができる。
その後、針状部を前記結合体に結合した目的とする細胞内分子と共に、細胞より抜き出すことによって、当該細胞内において目的とする細胞内分子の量を低減、又は消失させることができ、これにより当該細胞内分子の機能が除去、又は低減された改変細胞を得ることができる。
あるいは、針状体に固定化されている細胞内導入因子が、前記「生理活性物質」である場合には、細胞内への針状体の針状部の挿入は、細胞内において針状体に固定化された前記生理活性物質が針状体より放出されるのに十分な時間維持されればよく(必要に応じて、結合の切断処理を行う)、この時間は前記生理活性物質等や結合の種類に応じて、当業者が適宜設定することが可能であるが、例えば、1~120分間、好ましくは5~60分間、より好ましくは30分間程度とすることができ、この間、細胞を静置することにより行うことができる。
その後、針状部を細胞より抜き出し、前記生理活性物質は細胞内に留置することによって、当該細胞内における前記生理活性物質の量を増加させることができ、これにより当該生理活性物質の機能が導入、又は増強された改変細胞を得ることができる。
細胞からの針状部の抜き出しは、外力を加えて、接触している細胞と針状体とを引き離すことによって行うことができる。ここで「外力」とは上記定義のものを用いることができる。
本方法において、細胞内への針状体の針状部の挿入、及び細胞からの針状部の抜き出しの工程は、同一の細胞に対して一又は複数回行うことができる。ここで「複数回」とは、2回以上、3回以上、4回以上、又は5回以上であり、その上限は特に限定されないが、細胞の負担を低減し、その生存状態及び生理状態を良好に保つとの観点から、15回以下、又は10回以下が好ましい。また、ここで「複数回行う」とは、連続して前記工程を複数回行う場合だけでなく、一定の時間間隔をおいて前記工程を複数回行う場合も意味する。
得られる改変細胞は、導入した細胞内導入因子の機能に応じて様々である。導入した細胞内導入因子が、前記「細胞内分子に結合可能な結合体」であり、例えば、前記結合体と結合する細胞内分子が細胞の活性化を抑制又は阻害する機能を有する因子である場合には(例えば、T細胞におけるCIN85、Sts-2、Cbl等のような因子(Mei Suen Kongら、Science Signaling 05 Feb 2019:Vol.12,Issue 567,eaav4373))、当該因子の機能を除去、又は低減することにより、当該因子の細胞内反応が制御された、すなわち、活性化された改変細胞を得ることができる。また、例えば、前記結合体と結合する細胞内分子が細胞の分化誘導を抑制又は阻害する機能を有する因子である場合には、当該因子の機能を除去、又は低減することにより、当該因子の細胞内反応が制御された、すなわち、分化誘導された改変細胞を得ることができる(改変細胞の例はこれらに限定はされない)。
導入した細胞内導入因子が、前記「生理活性物質」であり、例えば、それが細胞の活性化を促進する機能を有する因子である場合には、当該因子の機能を導入、又は増強することにより、当該因子の細胞内反応が制御された、すなわち、活性化が促進された改変細胞を得ることができる。また、例えば、当該生理活性物質が、細胞の分化誘導を促進する機能を有する因子である場合には、当該因子の機能を導入、又は増強することにより、当該因子の細胞内反応が制御された、すなわち、分化誘導された改変細胞を得ることができる(改変細胞の例はこれらに限定はされない)。
また別の態様において、得られた改変細胞は、導入した細胞内導入因子の機能を解析するために用いることができる。
導入した細胞内導入因子の機能の解析は、上記方法により得られた改変細胞の状態を解析することにより行うことができる。解析対象となる改変細胞の状態としては、例えば、細胞の増殖速度、生存率、代謝、活性酸素種、遺伝子発現等(これらに限定はされない)が挙げられ、これら選択される一又は複数の状態を定量・解析する。
例えば、導入した細胞内導入因子が前記「細胞内分子に結合可能な結合体」である場合に、得られた改変細胞において、増殖速度、生存率、代謝、活性酸素種、又は遺伝子発現が、未改変の細胞と比べて、低下、抑制、又は消失している場合には、前記結合体がそのような機能を有すること、すなわち前記結合体が標的とする細胞内分子が増殖速度、生存率、代謝、活性酸素種、又は遺伝子発現の維持又は促進に寄与する機能を有すると判断することができる。あるいは、例えば、得られた改変細胞において、増殖速度、生存率、代謝、活性酸素種、又は遺伝子発現が、未改変の細胞と比べて、増加、又は誘導されている場合には、前記結合体がそのような機能を有すること、すなわち前記結合体が標的とする細胞内分子が増殖速度、生存率、代謝、活性酸素種、又は遺伝子発現を抑制又は阻害する機能を有すると判断することができる。
あるいは、導入した細胞内導入因子が前記「生理活性物質」である場合に、得られた改変細胞において、増殖速度、生存率、代謝、活性酸素種、又は遺伝子発現が、未改変の細胞と比べて、低下、抑制、又は消失している場合には、当該生理活性物質が細胞の増殖速度、生存率、代謝、活性酸素種、又は遺伝子発現の低下、抑制、又は消失に寄与する機能を有すると判断することができる。あるいは、例えば、得られた改変細胞において、増殖速度、生存率、代謝、活性酸素種、又は遺伝子発現が、未改変の細胞と比べて、増加、又は誘導されている場合には、当該生理活性物質が増殖速度、生存率、代謝、活性酸素種、又は遺伝子発現を増加、又は誘導する機能を有すると判断することができる。
なお、改変細胞における遺伝子発現の解析においては、解析対象となる遺伝子及びそれにコードされるタンパク質は任意のものを用いることができるが、細胞の挙動が明確となるように、前記目的とする細胞内分子や前記結合体、及び導入される前記生理活性物質とは異なるものが好ましい。
以下、本発明を実施例により、更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実験1:低浸透圧液を用いた細胞の処理(予備検討)
1-1.細胞の準備
Jurkat E6.1(DSファーマバイオメディカルより購入)をALyS505N-0(細胞科学研究所製)に2%ウシ胎児血清(Thermo Fisher製)を添加した培地で培養した。
1-2.培地の調製
RPMI1640(浸透圧280mOsm/kg H2O;Thermo Fisher製)、及び超純水を用意し、それぞれ所定の比率で混合することで培地の比率が100%,90%,80%,70%,60%,50%,40%,30%,20%,10%、又は0%となる溶液を調製した。
1-3.細胞の浸漬処理、評価
Jurkat5×105個を、各種培地比率を有する上記溶液1mLに懸濁し、4℃で10分間静置し、続いて37℃で20分間静置した。その後、懸濁液の一部を取り、NucleoCounter NC-200(Chemometec製)を用いて、細胞の生存率、及び細胞の直径を測定した。NucleoCounter NC-200を用いた細胞の直径の測定は、蛍光物質で染色された細胞に由来する蛍光の広がりから算出される。
1-4.測定結果
各種培地比率を有する上記溶液で処理した細胞の、生存率及び直径の測定結果を図1に示す。
培地比率100%の溶液で処理した場合と比べて、培地比率を低下させた(90%,80%,70%,60%,50%,40%,30%,20%,10%)溶液で処理した細胞の直径は大きくなることが確認された(黒丸)。より具体的には、培地比率100%の溶液で処理した細胞の直径は、13.4μmであったのに対して、培地比率30%の溶液で処理した細胞の直径は、14.5μmであった。
培地比率が30%よりも低い(20%,10%)溶液で処理した細胞の直径は、顕著に大きくなることが確認されたが、これら細胞の生存率(白四角)は著しく低下することが確認された。
培地比率0%の溶液(超純水)で処理した細胞の直径は、培地比率100%の溶液で処理した場合と同程度であったが、細胞の生存率が著しく低下することが確認された。
以上の結果より、培地比率が30%程度の低浸透圧液中に細胞を置くことによって、細胞の生存率を著しく低下させることなく、細胞の直径、すなわち体積を大きくできることが確認された。
実験2:低浸透圧液を用いた細胞処理用複合基材の処理による細胞の改変
2-1.細胞処理用複合基材の作製
本実験における、針状粒子が固定化された細胞処理用複合基材の作製方法の概要を図2に示す。直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)製フィルムの上に、φ4mmの穴を開けたLLDPE製フィルム(マスキング)をかぶせ、水溶性の感光性樹脂(BIOSURFINE(登録商標)AWP(東洋合成製))の1%水溶液を添加した後、シリコーン製のヘラで余剰液を掻き出した。
針状粒子(パナテトラ(登録商標)WZ-0501L(アムテック製);平均針長さ20μm)の5%エタノール分散液を上記基材に滴下し、バーコーター(No.20)を用いて、パナテトラのコーティングを行った。
マスキングを剥がし、低圧水銀ランプ(TUV15W/G15T8(フィリップス製))で感光性樹脂をUV架橋してパナテトラを接着した。UV照射条件は距離12cmにて30分間とした。次いで、水で洗浄し、接着が不十分な余剰パナテトラを洗い流した。
LDPE製のリング型部材(内径4mm)と基材上のパナテトラコーティング済みの箇所(φ4mm)の中心をそろえて重ね合わせ、ヒートシールして、容器状の細胞処理用複合基材を作製した。
得られた細胞処理用複合基材について観察用に一部を取り出し、その底面を切り出して超深度マルチアングル顕微鏡(VHX-D500(キーエンス製))で観察したところ、水溶性感光性樹脂にその一部分が埋め込まれて固定化されている針状粒子状のパナテトラのコーティングが観察された。
2-2.細胞処理用複合基材への抗体のコーティング
上記2-1.で得られた細胞処理用複合基材に50μg/mLの濃度にて25μLの抗GAPDH抗体(Biolegend製)を入れ、37℃にて2時間静置して、パナテトラを抗体でコーティングした。得られた抗体コーティング細胞処理用複合基材は、60μLのPBS(ナカライテスク製)で1回洗浄した後に、以下の細胞処理に用いた。
2-3.細胞の調製
Jurkat E6.1(DSファーマバイオメディカルより購入)を、2%ウシ胎児血清(Thermo Fisher製)を添加したALyS505N-0(細胞科学研究所製)で培養した。
細胞数と同数のDynabeads Human T-Activator CD3/CD28(Thermo Fisher製)を細胞培養物に加えて、4℃にて1時間反応させ、Jurkatの表面にビーズを結合させて錘とした。
2-4.細胞処理用複合基材による細胞の処理及び評価
上記2-2.で得られた抗GAPDH抗体コーティング細胞処理用複合基材に、上記2-3.でビーズを結合させた細胞を、RPMI1640培地(浸透圧:280mOsm/kg H2O;Thermo Fisher製;比較例1)、又は超純水で希釈して培地比率が70%、50%、又は30%となる溶液(浸透圧:各196,140,84mOsm/kg H2O;各実施例1、2、3)と共に1.0×105個加えて、遠心(2000g、4℃、3分)し、抗GAPDH抗体でコーティングされたパナテトラの針状部を当該細胞に挿入して、そのまま37℃にて30分間静置した。
細胞をピペッティング操作で浮かして、細胞処理用複合基材より剥がし、Fixation Buffer(R&D systems製)にて固定し、Alexa488(登録商標)標識抗GAPDH抗体(Biolegend製)で染色し、フローサイトメーターCytoFLES S(Beckman coulter製)で蛍光強度を解析した。パナテトラ・抗GAPDH抗体コートのない容器に細胞を入れたものを溶液毎に2個ずつ用意し、フローサイトメーター解析時に、一つは抗GAPDH抗体で染色してポジティブコントロール(ポジコン)とし、もう一つはAlexa488(登録商標)標識したisotype抗体(Biolegend製)で処理してネガティブコントロール(ネガコン)とした。
GAPDHの残存率の解析は、正常な形状の細胞集団をソートし、その中からFSC、及びGAPDHの蛍光強度の中央値を算出し、下記計算方法でGAPDHの相対的な残存量を評価した。
2-5.結果
抗GAPDH抗体でコーティングされたパナテトラの針状部を細胞に挿入、留置し針状部の抗GAPDH抗体と細胞内のGAPDHとを結合させ、その後、針状部が抜去された際に、抗GAPDH抗体と結合しているGAPDHが一緒に細胞外に抜き出されるため、当該処理に付された細胞におけるGAPDHの蛍光強度は、当該処理に付されていない細胞のそれと比べて、低減していることが確認された。
そして、細胞をRPMI1640培地(浸透圧:280mOsm/kg H2O;Thermo Fisher製;比較例1)、又は超純水で希釈して培地比率が70%、50%、又は30%となる溶液(浸透圧:各196,140,84mOsm/kg H2O;各実施例1、2、3)を用いて上記処理に付した場合の、GAPDHの残存率の解析結果を、図3に示す。
培地比率100%の溶液を併用して処理した細胞(比較例1)と比べて、培地比率を低下させた(70%,50%,30%)溶液を併用して処理した細胞(実施例1-3)におけるGAPDHの残存率が低くなること、すなわち、より多くのGAPDHが細胞内より除去されたことが確認された。
上述の実験1及び2結果より、培地比率を低下させた溶液(すなわち、浸透圧を低下させた培地)に細胞を置くことにより、当該細胞の体積を大きくすることができること、それによって、細胞内導入因子が固定化されている針状部の細胞内への挿入効率を高めることができ、簡便な操作で多数の細胞に細胞内導入因子を導入・作用させることができ、細胞の改変を効率的に行えることが確認された。

Claims (24)

  1. a.細胞内導入因子が固定化されている針状体の複数個が固定化された基材に細胞を加えて前記針状体と前記細胞とを接触させ、前記針状体の一部分を前記細胞内へ挿入して、前記細胞内導入因子を前記細胞内に導入する工程、ならびに、
    b.前記針状体の一部分を前記細胞より抜き出す工程、
    を含む、改変細胞の製造方法であって、
    少なくとも前記工程aの間、前記細胞を低浸透圧液中に置くことを含む、方法。
  2. 前記低浸透圧液が90%~5%希釈培地からなる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記低浸透圧液の浸透圧が264mOsm/kg H2O以下、20mOsm/kg H2O超である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記針状体の一部分を細胞内へ挿入する、及び/又は細胞より抜き出すために、遠心力、磁力、水流、水圧、及び静電相互作用からなる群から選択される一又は複数の外力を用いる、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記細胞内導入因子が、細胞内分子に結合可能な結合体であり、前記針状体を前記細胞より抜き出して、前記細胞内において前記結合体に結合した細胞内分子を前記針状体と共に、前記細胞より抜き出すことを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記結合体が、核酸、タンパク質、ペプチド、又は低分子化合物である、請求項5に記載の方法。
  7. 前記結合体が抗体又はその断片である、請求項5又は6に記載の方法。
  8. 前記細胞内導入因子が生理活性物質であり、前記針状体を前記細胞より抜き出して、前記細胞内導入因子を前記細胞内に留置することを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記生理活性物質が、核酸、ペプチド、タンパク質、糖類、多糖、脂肪酸、コレステロール、脂質、シグナル伝達物質、リガンド物質、ホルモン物質、サイトカイン、イオン、金属粒子、磁性微粒子、無機化合物、量子ドット、有機化合物及び薬剤からなる群から選択される一又は複数の物質である、請求項8に記載の方法。
  10. 前記生理活性物質と前記針状体との間の結合が、細胞内で分離可能な結合である、請求項8又は9に記載の方法。
  11. 前記細胞内導入因子と前記針状体との間の結合が、静電気的結合、疎水性相互作用による結合、キレート結合、細胞内で切断される共有結合、光切断リンカーを介した結合、酵素切断リンカーを介した結合からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項10に記載の方法。
  12. 前記針状体が針状粒子である、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記針状粒子の針状部の長さが1~50μmである、請求項12に記載の方法。
  14. 前記針状粒子が酸化亜鉛である、請求項12又は13に記載の方法。
  15. 前記針状体が容器状の基材に固定化された形態を有する、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記基材がその表面にバインダーを有し、前記針状体の一部分が前記バインダーにより前記基材に固定化されている、請求項15に記載の方法。
  17. 前記バインダーが、タンパク非吸着性材料からなる、請求項16に記載の方法。
  18. 前記針状体が、フォトリソグラフィー、ドライエッチング、ウェットエッチング、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される一又は複数を用いて製造されたものである、請求項15に記載の方法。
  19. 前記基材の前記針状体を有する面に、細胞を収容できる微細凹凸構造を有する、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 請求項1~19のいずれか一項に記載の方法において使用するための、低浸透圧液。
  21. 請求項1~19のいずれか一項に記載の方法により製造された改変細胞の状態を解析する工程を含む、前記細胞内導入因子の機能を解析する方法。
  22. 前記改変細胞の状態を解析する工程が、細胞の増殖速度、生存率、代謝、活性酸素種の定量、遺伝子発現からなる群から選択される一又は複数について解析する、請求項21に記載の方法。
  23. a.細胞内導入因子が固定化されている針状体の複数個が固定化された基材に細胞を加えて前記針状体と前記細胞とを接触させ、前記針状体の一部分を前記細胞内へ挿入して、前記細胞内導入因子を前記細胞内に導入する工程、ならびに、
    b.前記針状体の一部分を前記細胞より抜き出す工程、
    を含む、細胞の改変方法であって、
    少なくとも前記工程aの間、前記細胞を低浸透圧液中に置くことを含む、方法。
  24. 基材に固定化された複数個の針状体の一部分を細胞内へ挿入する方法であって、
    前記基材に細胞を加えて、前記針状体と前記細胞とを接触させ前記針状体の一部分を細胞内へ挿入する工程のは少なくとも、前記細胞を低浸透圧液中に置くことを含む、方法。
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