JP7784809B2 - 回転電機 - Google Patents

回転電機

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Description

本発明は、回転電機に関する。
ハイブリッド車及び電気自動車用のモータにおいて、従来の水冷(ウォータージャケット使用)や油滴下冷却よりも冷却性能を向上させることを目的として、モータ巻線を冷媒によって油没させる冷却手法がとられる場合がある(特許文献1)。
特許第2716286号公報
上述の発明について、ステータコアとカバーとの間には、渡り部(空間)が形成される。渡り部においては冷媒が無駄な空隙に流れ込むことがある。これにより、冷媒が巻線間の微細な隙間に入り込まない為、冷却性能が低下する。結果として、渡り部が高温化する課題がある。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、巻線間の微細な隙間に確実に冷媒を入り込ませることができる構造を有する回転電機を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
(1)本発明に係る回転電機(例えば、実施形態の回転電機100)は、巻線(例えば、実施形態の巻線10)と、前記巻線を設置するスロット(例えば、実施形態のスロット20S)を備えたステータコア(例えば、実施形態のステータコア20)と、前記ステータコアを覆うカバー部(例えば、実施形態の第1カバー部30、第2カバー部40)と、前記カバー部と前記ステータコアとの間に形成される空間である渡り部(例えば、実施形態の渡り部50)と、を備え、前記渡り部では、前記巻線の軸方向の端部が露出し、前記巻線の径方向の側面と、前記カバー部の径方向の内側面との間に充填部材(例えば、実施形態の充填部材F)が配置されている。
この発明によれば、巻線の径方向の側面と、カバー部の径方向の内側面との間に充填部材が配置されている。つまり、渡り部の空隙を、充填部材によってなくしている。これにより、巻線を構成する導線同士の隙間に確実に冷媒を入り込ませることができる。
(2)また、前記巻線と前記充填部材の間に、遮蔽部材(例えば、実施形態の遮蔽部材11W)を備えてもよい。
巻線とカバー部との間に設けられた充填部材によっては、巻線の隙間に充填部材が浸透し、前記隙間が埋まることがある。これにより、巻線の隙間に冷媒を入り込ませることができなくなる。
これに対し、この発明によれば、巻線と充填部材の間に、遮蔽部材を備える。これにより、上述の問題が発生することを避けることができる。
(3)また、前記充填部材は、半固体樹脂であってもよい。
この発明によれば、充填部材は、半固体樹脂である。これにより、巻線とカバー部との間の空隙の形状に合わせて、効率的に充填部材を設けることができる。
(4)また、前記充填部材は、発泡剤を含有してもよい。
この発明によれば、充填部材は発泡剤を含有する。これにより、充填部材を渡り部の空隙に設けるときに発泡剤が発泡することで、渡り部の空隙を完全に埋めることができる。
(5)また、巻線と、前記巻線を設置するスロットを備えたステータコアと、ステータコアを覆うカバー部と、カバー部とステータコアによって形成される渡り部と、を備え、前記巻線の径方向の側面と、前記カバー部の径方向の内側面との隙間が、前記巻線を構成する導線同士の隙間よりも小さくてもよい。
この発明によれば、巻線の径方向の側面と、カバー部の径方向の内側面との隙間が、巻線を構成する導線同士の隙間よりも小さい。これにより、カバー部の内部において、冷媒が巻線を構成する導線同士の間に流れやすくすることができる。よって、冷媒による巻線内部の冷却効率を向上することができる。
(6)また、前記巻線の径方向の側面と、前記カバー部の径方向の内側面とが接していてもよい。
この発明によれば、巻線の径方向の側面と、カバー部の径方向の内側面とが接している。これにより、カバー部の形状によって、渡り部の空隙を無くすことができる。よって、巻線を構成する導線同士の隙間に確実に冷媒を入り込ませることができる。
(7)また、前記カバー部は、前記巻線に向かって突出する突出部(例えば、実施形態の突出部30P)を有してもよい。
この発明によれば、カバー部は、巻線に向かって突出する突出部を有する。これにより、渡り部において、突出部のみを巻線に接しさせることができる。よって、例えば、既存の製品に対し、カバー部のみの形状を変更することによって、本発明に係る作用効果を享受することができる。
(8)また、巻線と、前記巻線を設置するスロットを備えたステータコアと、前記ステータコアを覆うカバー部と、前記カバー部と前記ステータコアによって形成される渡り部と、を備え、前記巻線は、前記スロットに位置する部位の占積率に対して、前記渡り部に位置する部位の占積率が低くてもよい。
この発明によれば、巻線は、スロットに位置する部位の占積率に対して、渡り部に位置する部位の占積率が低い。巻線の渡り部に位置する部位において、巻線の有する隙間を広くすることで、冷媒を巻線の内部に入り込ませ易くすることができる。
本発明によれば、巻線間の微細な隙間に確実に冷媒を入り込ませることができる構造を有する回転電機を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る回転電機を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る巻線を示す概略図である。 図2に示す巻線における、直線の拡大断面図である。 本発明の渡り部における冷媒の流路を示す拡大断面図である。 図4においてカバー部を小さくした変形例である。 図4においてカバー部に突出部を設けた変形例である。 図4において充填部材を設けなかった場合の冷媒の流路を示す拡大断面図である。
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態に係る回転電機100を説明する。
図1、図2に示すように、回転電機100は、巻線10と、ステータコア20と、第1カバー部30(カバー部)と、第2カバー部40(カバー部)と、渡り部50と、ロータRと、を備える。
回転電機100は、例えば、ハイブリッド車や電気自動車に用いられるモータである。回転電機100は、ステータコア20に備えられた巻線10に通電することで磁力を発生し、ロータRを回転させる。ロータRは、回転電機100の回転軸である。ロータRは、磁性を有する。ロータRは、巻線10への通電により生じる磁力によって回転する。
巻線10は、導線Lを束状にしたものである。図2、図3に示すように、巻線10は、渡り線11と、直線12と、を備える。
渡り線11は、ステータコア20における軸方向の両端部に位置する部位である。渡り線11は、巻線10の、ステータコア20のスロット20S(後述する)から突出した部分である。
直線12は、ステータコア20のスロット20Sに設置される部位である。直線12は、ステータコア20の周方向に間隔をあけて複数設けられたスロット20Sに設けられている。つまり、直線12は、ステータコア20の周方向に間隔をあけて複数設けられている。また、上述のように、渡り線11は、巻線10の、ステータコア20のスロット20Sから突出した部分である。よって、渡り線11も、ステータコア20の周方向に間隔をあけて複数設けられている。また、導線Lの外径は、0.1mm~3mmであることが好ましい。
ステータコア20は、円筒状の部材である。ステータコア20は、前記円筒状の内部にロータRを収容する。ステータコア20には、例えば、電磁鋼板が好適に用いられる。ステータコア20の円筒状における内周面には、スロット20Sが間隔をあけて環状に設けられている。
スロット20Sは、ステータコア20の長手方向に沿って直線状に設けられる。図3に示すように、スロット20Sは、ステータコア20の長手方向に直交する断面において台形状に形成されている。スロット20Sの内部には、巻線10の直線12が設けられている。
第1カバー部30は、ステータコア20の軸方向における一方の端部を覆う。これにより、ステータコア20の一方の端部に突出した巻線10の渡り線11が外部に露出することを防ぐとともに、ステータコア20の内部に冷媒Cを循環させる際の渡り部50を構成する(後述する)。
第2カバー部40は、ステータコア20の他方の端部を覆う。これにより、ステータコア20の他方の端部に突出した巻線10の渡り線11が外部に露出することを防ぐとともに、ステータコア20の内部に冷媒Cを循環させる際の渡り部50を構成する。
渡り部50は、第1カバー部30又は第2カバー部40とステータコア20によって形成される空間である。図4、図5、図6、図7に示すように、渡り部50の内部には、巻線10の渡り線11が位置する。渡り部50には、巻線10を冷却する冷媒Cが循環する。
冷媒Cは、通電によって発熱した巻線10を冷却する。本実施形態において、冷媒Cは、例えば、一般的なATF(オートマチックトランスミッションフルード)が好適に用いられる。冷媒Cは、渡り部50及びスロット20Sにおいて、巻線10の渡り線11及び直線12の導線L同士の隙間を流れることで、巻線10を冷却する。
図1に示すように、冷媒Cは、回転電機100の内部を循環する。すなわち、まず、第1カバー部30に設けられた入口INから、第1カバー部30側の渡り部50に冷媒Cが侵入する。冷媒Cは、まず、第1カバー部30側の渡り部50を満たす。これにより、第1カバー部30側の渡り線11を冷却する。
次に、第1カバー部30側の渡り部50から、冷媒Cが、ステータコア20のスロット20Sに移動する。これにより、直線12を冷却する。スロット20Sを通過した冷媒Cは、第2カバー部40側の渡り部50に移動する。その後、第2カバー部40側の渡り部50が冷媒Cで満たされる。これにより第2カバー部40側の渡り線11を冷却する。
第2カバー部40側の渡り部50が冷媒Cで満たされると、第2カバー部40に設けられた出口OUTから、冷媒Cが排出される。
出口OUTから排出された冷媒Cは、不図示のオイルクーラ等によって冷却された後、不図示のポンプ等によって再び入口INから第1カバー部30側の渡り部50に進入する。
上述の冷媒Cの循環において、冷媒Cが巻線10を冷却するときは、巻線10を構成する導線Lに冷媒Cが直接触れる。これにより、導線Lの持つ熱が冷媒Cに移動する。ここで、図7に示すように、冷媒Cが渡り線11の内部を通らずにスロット20Sへ移動すると、渡り線11の内部の導線Lが冷媒Cに触れず、十分な冷却性能が得られない。
巻線10の導線L同士の間隔が狭いと、冷媒Cの粘度によっては、導線Lの内部に十分に進入しない。更に、渡り部50の内部において、冷媒Cが渡り線11を通らずにスロット20Sに移動できる経路(空隙)があると、冷媒Cはおのずと前記経路を通ってスロット20Sに移動する。
以下において、第1カバー部30の形状を例に挙げて、渡り線11に確実に冷媒Cを触れさせる構造について説明する。なお、以下の第1カバー部30の形状及び渡り部50に関する記述は、第2カバー部40の形状にも適用可能である。
図4に示す渡り部50において、巻線10におけるステータコア20の軸方向の端部が露出し、巻線10の径方向の側面と、第1カバー部30の径方向の内側面との間に充填部材Fが配置されている。つまり、巻線10の径方向の側面と、第1カバー部30の径方向の内側面との間にある空隙を、充填部材Fによってなくしている。これにより、冷媒Cは、渡り線11を通過しなければスロット20Sに移動することができない状態となる。
充填部材Fには、例えば、エポキシ系の熱硬化性樹脂などの半固体樹脂が好適に用いられる。また、エポキシ系発泡樹脂をはじめとした発泡剤を含有していることがより好ましい。これにより、充填部材Fによって渡り部50の空隙を完全に埋め、冷媒Cが渡り線11の内部を確実に通過するようにする。
渡り部50に充填部材Fを設けるとき、充填部材Fの粘度によっては渡り線11の導線Lの隙間に充填部材Fが浸透することがある。これは、冷媒Cを供給するべき導線Lの隙間を埋め、冷媒Cを入り込ませることができなくなる原因となる。
このため、図4に示すように、渡り線11と充填部材Fとの間には、遮蔽部材11Wが設けられていることが好ましい。これにより、充填部材Fが渡り線11の導線Lの隙間に浸透することを防ぐ。遮蔽部材11Wには、例えば、公知のラップフィルムが好適に用いられる。
遮蔽部材11Wは、図4に示すように、少なくともステータコア20の径方向における渡り線11の両側面に設けられていることが好ましく、ステータコア20の軸方向においてステータコア20に面する側の面に設けられていることがより好ましい。また、渡り線11への冷媒Cの流入路を確保するため、遮蔽部材11Wは、ステータコア20の軸方向において第1カバー部30に面する側の面には設けられないことが好ましい。
また、図5に示すように、第1カバー部30を小さくすることによって、巻線10における渡り線11の径方向の側面と、第1カバー部30の径方向の内側面との隙間が、巻線10を構成する導線L同士の隙間よりも小さくなるようにしてもよい。あるいは、渡り線11の径方向の側面と、第1カバー部30の径方向の内側面とが接するようにしてもよい。これにより、渡り部50の内部に、渡り線11の導線L同士の隙間よりも大きな隙間がなくなれば、冷媒Cを渡り線11の内部を通ってスロット20Sに移動する。
また、図6に示すように、第1カバー部30に、突出部30Pを設け、突出部30Pが渡り線11に接するようにしてもよい。このような形状としても、冷媒Cは渡り線11の内部を通過してスロット20Sに移動する。
また、渡り線11の導線L同士の隙間を大きくすることで、冷媒Cが渡り線11の導線L同士の隙間を通り易くしてもよい。すなわち、スロット20S内に位置する直線12の占積率よりも、渡り線11の占積率を大きくしてもよい。ここで、占積率とは、巻線10の断面における、単位面積あたりの導線Lの密度をいう。本実施形態においては、渡り線11についてはステータコア20の軸方向に平行な断面をいう。また、直線12についてはステータコア20の軸方向に直交する断面をいう。これは、上述の図4、図5、図6に示す第1カバーの形状のいずれの場合であっても適用することができる。
以上説明したように、本実施形態に係る回転電機100によれば、巻線10の径方向の側面と、第1カバー部30及び第2カバー部40の径方向の内側面との間に充填部材Fが配置されている。つまり、渡り部50の空隙を、充填部材Fによってなくしている。これにより、巻線10を構成する導線L同士の隙間に確実に冷媒Cを入り込ませることができる。
巻線10と第1カバー部30及び第2カバー部40との間に設けられた充填部材Fによっては、巻線10の隙間に充填部材Fが浸透し、前記隙間が埋まることがある。これにより、巻線10の隙間に冷媒Cを入り込ませることができなくなる。
これに対し、巻線10と充填部材Fの間に、遮蔽部材11Wを備える。これにより、上述の問題が発生することを避けることができる。
また、充填部材Fは、半固体樹脂である。これにより、巻線10と第1カバー部30及び第2カバー部40との間の空隙の形状に合わせて、効率的に充填部材Fを設けることができる。
また、充填部材Fは発泡剤を含有する。これにより、充填部材Fを渡り部50の空隙に設けるときに発泡剤が発泡することで、渡り部50の空隙を完全に埋めることができる。
また、巻線10の径方向の側面と、第1カバー部30及び第2カバー部40の径方向の内側面との隙間が、巻線10を構成する導線L同士の隙間よりも小さい。これにより、第1カバー部30及び第2カバー部40の内部において、冷媒Cが巻線10を構成する導線L同士の間に流れやすくすることができる。よって、冷媒Cによる巻線内部の冷却効率を向上することができる。
また、巻線10の径方向の側面と、第1カバー部30及び第2カバー部40の径方向の内側面とが接している。これにより、第1カバー部30及び第2カバー部40の形状によって、渡り部の空隙を無くすことができる。よって、巻線10を構成する導線L同士の隙間に確実に冷媒Cを入り込ませることができる。
また、第1カバー部30及び第2カバー部40は、巻線10に向かって突出する突出部30Pを有する。これにより、渡り部50において、突出部30Pのみを巻線10に接しさせることができる。よって、例えば、既存の製品に対し、第1カバー部30及び第2カバー部40のみの形状を変更することによって、本発明に係る作用効果を享受することができる。
また、巻線10は、スロット20Sに位置する部位の占積率に対して、渡り部50に位置する部位の占積率が低い。巻線10の渡り部50に位置する部位において、巻線10の有する隙間を広くすることで、冷媒Cを巻線10の内部に入り込ませ易くすることができる。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、突出部30Pは、図6において第1カバー部30から渡り線11に向けて直角に突出しているが、テーパ状に突出していてもよい。
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
10 巻線
11 線
11W 遮蔽部材
20 ステータコア
20S スロット
30 第1カバー部
30P 突出部
40 第2カバー部
50 渡り部
100 回転電機
C 冷媒
F 充填部材

Claims (4)

  1. 巻線と、
    前記巻線を設置するスロットを備えたステータコアと、
    ステータコアを覆うカバー部と、
    前記カバー部と前記ステータコアによって形成される空間であり、前記巻線を冷却する冷媒が循環する渡り部と、
    を備え、
    前記巻線の径方向の側面と、前記カバー部の径方向の内側面との隙間が、前記巻線を構成する導線同士の隙間よりも小さい、
    回転電機。
  2. 前記巻線の径方向の側面と、前記カバー部の径方向の内側面とが接している、
    請求項1に記載の回転電機。
  3. 前記カバー部は、前記巻線に向かって突出する突出部を有する、
    請求項1又は2に記載の回転電機。
  4. 巻線と、
    前記巻線を設置するスロットを備えたステータコアと、
    前記ステータコアを覆うカバー部と、
    前記カバー部と前記ステータコアによって形成される空間であり、前記巻線を冷却する冷媒が循環する渡り部と、
    を備え、
    前記巻線は、導線を束状にしたものであり、前記渡り部内に位置する渡り線と、前記スロット内に位置する直線と、を備え、
    前記渡り線の前記導線同士の隙間が、前記直線の前記導線同士の隙間よりも大きく、
    前記スロットに位置する前記直線の占積率に対して、前記渡り部に位置する前記渡り線の占積率が低い、
    回転電機。
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