以下、添付の図面に基づき、本発明について説明する。なお、本発明を説明するための各図面において、同一の機能もしくは形状を有する部材及び構成部品などの構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。
図1は、本発明の実施の一形態に係る画像形成装置の概略構成図である。ここで、本明細書中における「画像形成装置」には、プリンタ、複写機、ファクシミリ、印刷機、又は、これらのうちの二つ以上を組み合わせた複合機などが含まれる。また、以下の説明で使用する「画像形成」とは、文字及び図形などの意味を持つ画像を形成するだけでなく、パターンなどの意味を持たない画像を形成することも意味する。まず、図1を参照して、本実施形態に係る画像形成装置の全体構成及び動作について説明する。
図1に示されるように、本実施形態に係る画像形成装置100は、用紙などのシート状の記録媒体に画像を形成する画像形成部200と、記録媒体に画像を定着させる定着部300と、記録媒体を画像形成部200へ供給する記録媒体供給部400と、記録媒体を装置外へ排出する記録媒体排出部500を備えている。
画像形成部200には、作像ユニットとしての4つのプロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkと、各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkが備える感光体2に静電潜像を形成する露光装置6と、記録媒体に画像を転写する転写装置8が設けられている。
各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkは、カラー画像の色分解成分に対応するイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの異なる色のトナー(現像剤)を収容している以外、基本的に同じ構成である。具体的に、各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkは、表面に画像を担持する像担持体としての感光体2と、感光体2の表面を帯電させる帯電部材3と、感光体2の表面に現像剤としてのトナーを供給してトナー画像を形成する現像装置4と、感光体2の表面を清掃するクリーニング部材5を備えている。
転写装置8は、中間転写ベルト11と、一次転写ローラ12と、二次転写ローラ13を備えている。中間転写ベルト11は、無端状のベルト部材であり、複数の支持ローラによって張架されている。一次転写ローラ12は、中間転写ベルト11の内側に4つ設けられている。各一次転写ローラ12が中間転写ベルト11を介して各感光体2に接触することにより、中間転写ベルト11と各感光体2との間に一次転写ニップが形成されている。二次転写ローラ13は、中間転写ベルト11の外周面に接触し、二次転写ニップを形成している。
定着部300においては、定着装置20が設けられている。定着装置20は、無端状のベルトから成る定着ベルト21と、定着ベルト21に対向する対向回転体としての加圧ローラ22などを備えている。定着ベルト21と加圧ローラ22は、それぞれの外周面において互いに接触し、ニップ部(定着ニップ)を形成する。
記録媒体供給部400には、記録媒体としての用紙Pを収容する給紙カセット14と、給紙カセット14から用紙Pを送り出す給紙ローラ15が設けられている。以下、「記録媒体」を「用紙」として説明するが、「記録媒体」は紙(用紙)に限定されない。「記録媒体」は、紙(用紙)だけでなくOHPシート又は布帛、金属シート、プラスチックフィルム、あるいは炭素繊維にあらかじめ樹脂を含浸させたプリプレグシートなども含む。また、「用紙」には、普通紙以外に、厚紙、はがき、封筒、薄紙、塗工紙(コート紙及びアート紙など)、トレーシングペーパなども含まれる。
記録媒体排出部500には、用紙Pを画像形成装置外に排出する一対の排紙ローラ17と、排紙ローラ17によって排出された用紙Pを載置する排紙トレイ18が設けられている。
次に、図1を参照しつつ本実施形態に係る画像形成装置100の印刷動作について説明する。
画像形成装置100において印刷動作が開始されると、各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkの感光体2及び転写装置8の中間転写ベルト11が回転を開始する。また、給紙ローラ15が、回転を開始し、給紙カセット14から用紙Pが送り出される。送り出された用紙Pは、一対のタイミングローラ16に接触することにより静止し、用紙Pに転写される画像が形成されるまで用紙Pの搬送が一旦停止される。
各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkにおいては、まず、帯電部材3によって、感光体2の表面を均一な高電位に帯電させる。次いで、原稿読取装置によって読み取られた原稿の画像情報、あるいは端末からプリント指示されたプリント画像情報に基づいて、露光装置6が、各感光体2の表面(帯電面)に露光する。これにより、露光された部分の電位が低下して各感光体2の表面に静電潜像が形成される。そして、この静電潜像に対して現像装置4がトナーを供給し、各感光体2上にトナー画像が形成される。各感光体2上に形成されたトナー画像は、各感光体2の回転に伴って一次転写ニップ(一次転写ローラ12の位置)に達すると、回転する中間転写ベルト11上に順次重なり合うように転写される。かくして、中間転写ベルト11上にフルカラーのトナー画像が形成される。なお、画像形成装置100においては、各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkのいずれか一つを使用して単色画像を形成したり、いずれか2つ又は3つのプロセスユニットを用いて2色又は3色の画像を形成したりすることもできる。また、感光体2から中間転写ベルト11へトナー画像が転写された後は、クリーニング部材5によって各感光体2上の残留トナーなどが除去される。
中間転写ベルト11上に転写されたトナー画像は、中間転写ベルト11の回転に伴って二次転写ニップ(二次転写ローラ13の位置)へ搬送され、タイミングローラ16によって搬送されてきた用紙P上に転写される。その後、用紙Pは、定着装置20へと搬送され、定着ベルト21と加圧ローラ22によって用紙P上のトナー画像が加熱及び加圧されることにより、トナー画像が用紙Pに定着される。そして、用紙Pは、記録媒体排出部500へ搬送され、排紙ローラ17によって排紙トレイ18へ排出される。これにより、一連の印刷動作が終了する。
続いて、図2に基づき、本実施形態に係る定着装置の構成について詳しく説明する。
図2に示されるように、本実施形態に係る定着装置20は、定着ベルト21及び加圧ローラ22のほか、電磁誘導加熱部23と、ニップ形成部材24と、ステー25と、ガイド部材26、温度センサ27などを備えている。
定着ベルト21は、用紙Pの未定着トナー担持面に接触して未定着トナー(未定着画像)を用紙Pに定着する回転体(定着部材)であり、可撓性を有する無端状のベルトにより構成される。定着ベルト21の直径は、例えば15~120mmになるように設定されている。本実施形態においては、定着ベルト21の内径が25mmに設定されている。
具体的に、定着ベルト21は、内周面側から、基材層、弾性層、離型層が順次積層されていて、その全体の厚さが1mm以下に設定されている。基材層は、層厚が30~50μmであって、ニッケル、ステンレスなどの金属材料、あるいはポリイミドなどの樹脂材料により形成されている。弾性層は、層厚が100~300μmであって、シリコーンゴム、発泡性シリコーンゴム、フッ素ゴムなどのゴム材料により形成されている。定着ベルト21が弾性層を有していることにより、ニップ部における定着ベルト21表面の微小な凹凸が形成されなくなるため、用紙P上のトナー画像に熱が均一に伝わりやすくなる。離型層は、層厚が10~50μmであって、PFA(テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ポリイミド、ポリエーテルイミド、PES(ポリエーテルサルファイド)などの材料により形成されている。定着ベルト21が、離型層を有していることにより、トナー(トナー画像)に対する離型性(剥離性)が確保される。
また、定着ベルト21は、基材層、弾性層、離型層とは別に、電磁誘導加熱部23によって電磁誘導加熱される発熱層を有している。具体的には、図3に示されるように、定着ベルト21は、その内周面側から外周面側に向かって順に、基材層210、発熱層211、弾性層212、離型層213を有している。また、発熱層211は、弾性層212と離型層213との間に設けられてもよいし、基材層210を発熱層として用いてもよい。発熱層211の材料としては、ニッケル、ステンレス、鉄、銅、コバルト、クロム、アルミニウム、金、白金、銀、スズ、パラジウム、これらのうち複数の金属から成る合金などを用いることができる。
加圧ローラ22は、定着ベルト21に対向して配置される対向回転体である。加圧ローラ22は、例えば外径が25mmに設定されたローラであり、定着ベルト21の外周面に接触してニップ部Nを形成する。
具体的に、加圧ローラ22は、中実の鉄製芯金220と、この芯金220の外周面に設けられる弾性層221と、弾性層221の外周面に設けられる離型層222を有している。弾性層221は、例えば厚みが3.5mmであり、シリコーンゴムなどにより形成される。離型層222は、例えば厚みが40μm程度であり、フッ素樹脂などにより形成される。
電磁誘導加熱部23は、励磁コイル31、コア32、コイルガイド33を有する加熱源である。励磁コイル31は、定着ベルト21の一部を覆うように細線を束ねたリッツ線を定着ベルト21の長手方向に延在させている。なお、ここでいう「定着ベルトの長手方向」とは、図2における紙面垂直方向のことをいい、ニップ部を通過する用紙の幅方向(通紙方向と直交する方向)、あるいは、加圧ローラの回転軸方向と同じ方向を意味する。また、以下の説明中における「定着ベルトの長手方向」も同じ方向を意味する。コイルガイド33は、耐熱性の高い樹脂材料などから成り、励磁コイル31及びコア32を保持する。コア32は、フェライトなどの強磁性体(比透磁率が1000~3000程度である。)から成る半円筒状部材である。コア32には、定着ベルト21に向けて効率の良い磁束を形成するため、センターコア及びサイドコアが設けられている。また、コア32は、励磁コイル31に対向するように配置されている。
ニップ形成部材24は、定着ベルト21の内周面に接触し、定着ベルト21を介して加圧ローラ22に圧接されることによりニップ部Nを形成する部材である。ニップ形成部材24は、機械的強度が高く耐熱温度200℃以上の耐熱性材料により構成されている。ニップ形成部材24の材料としては、ポリイミド、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)などの耐熱性樹脂が好ましい。また、ニップ形成部材24は、金属材料により形成されてもよい。ニップ形成部材24がこのような強度及び耐熱性に優れる材料により形成されることにより、トナー定着温度域において、熱によるニップ形成部材24の変形を防止でき、安定したニップ部Nの状態を確保し、出力画質の安定化を図れる。
ニップ形成部材24のニップ部N側の面には、摺動シート28が設けられている。摺動シート28は、例えば、PTFE製の糸から形成されものにシリコーンオイルなどの潤滑剤を含浸させて形成されている。ニップ形成部材24がこのような摺動シート28を介して定着ベルト21の内周面に接触していることにより、定着ベルト21が回転した際の摺動抵抗が低減され、定着ベルト21の摩耗を抑制できる。なお、摺動シート28を省略し、ニップ形成部材24が定着ベルト21の内周面に直接接触してもよい。
ステー25は、ニップ形成部材24を支持する支持部材である。ステー25によってニップ形成部材24のニップ部N側の面とは反対の面が定着ベルト21の長手方向に渡って支持されることにより、ニップ形成部材24が加圧ローラ22の加圧力によって撓むのが抑制され、定着ベルト21と加圧ローラ22との間に均一な幅のニップ部Nが形成される。また、ステー25は、その剛性を確保するため、SUS又はSECCなどの鉄系金属材料によって構成されることが好ましい。
ガイド部材26は、定着ベルト21が安定して回転するように、定着ベルト21を内側からガイドする部材である。ガイド部材26は、定着ベルト21の内周面に倣って円弧状の断面形状を有し、ステー25に固定されている。
温度センサ27は、定着ベルト21の温度を検知する温度検知部材である。本実施形態においては、温度検知部材として、定着ベルト21の外周面に対して非接触に配置され、定着ベルト21の外周面近傍の雰囲気温度を検知する非接触式の温度センサを用いている。また、温度検知部材は、定着ベルト21の表面に接触し、その表面温度を検知する接触式の温度センサであってもよい。
このように構成された定着装置20は、次のように動作する。
定着ベルト21及び加圧ローラ22が図2中の矢印方向に回転すると、定着ベルト21は電磁誘導加熱部23との対向位置において加熱される。詳しくは、励磁コイル31に高周波の交番電流が流れることにより、定着ベルト21の周囲に磁力線が双方向に交互に切り換わるように形成される。このとき、定着ベルト21の発熱層の表面に渦電流が生じて、発熱層自身の電気抵抗によってジュール熱が発生する。このジュール熱によって、発熱層が電磁誘導加熱されて、定着ベルト21が加熱される。
また、温度センサ27によって定着ベルト21の温度が検知され、検知された温度に基づき電磁誘導加熱部23が制御されることにより、定着ベルト21の温度が所定の温度(定着温度)となるように維持される。この状態において、図2に示されるように、未定着トナー(未定着画像)を担持する用紙Pが、定着ベルト21と加圧ローラ22との間(ニップ部N)に進入すると、回転する定着ベルト21及び加圧ローラ22によって用紙Pが搬送される。そして、用紙Pがニップ部Nを通過することにより、用紙P上の未定着トナーが加圧及び加熱され、用紙Pにトナー画像が定着される。
続いて、図4及び図5に基づき、本実施形態に係る加圧ローラ及び定着ベルトの支持構造及び駆動機構の構成について説明する。
図4に示されるように、定着ベルト21及び加圧ローラ22は、定着装置20が備えるフレーム部材である一対の側板30A,30Bによって回転可能に支持されている。具体的に、加圧ローラ22は、その回転軸(芯金220)の両端部22a,22b側が各側板30A,30Bに対して回転可能に取り付けられることにより支持されている。一方、定着ベルト21は、各側板30A,30Bに取り付けられたステー25と、ステー25によって支持されるガイド部材26及びニップ形成部材24によって回転可能に保持されている。
また、図4に示されるように、加圧ローラ22の回転軸(芯金220)の一端部22a側(図4の左端側)には、画像形成装置本体の駆動源から回転駆動力が伝達される駆動力伝達歯車40が設けられている。駆動力伝達歯車40は、定着装置20が画像形成装置本体に装着された際に、画像形成装置本体に設けられている駆動歯車に対して連結され、駆動力伝達可能な状態となる。この状態において、画像形成装置本体の駆動源から駆動力伝達歯車40に回転駆動力が伝達されることにより、加圧ローラ22が回転駆動される。また、加圧ローラ22が回転駆動されると、その加圧ローラ22の回転駆動に伴って定着ベルト21が従動回転する。
定着ベルト21の長手方向(図4中の矢印X方向)における両端面21a,21bには、各端面21a,21bに接触する端面接触部材としての一対のキャップ部材29A,29Bが設けられている。図5に示されるように、各キャップ部材29A,29Bは、筒状の周壁部291と、周壁部291の軸方向における一端部に設けられた端壁部292を有している。各キャップ部材29A,29Bの端壁部292には、ステー25を挿通させるための孔部293が設けられている。また、各キャップ部材29A,29Bが定着ベルト21の両端部に装着された状態においては、各周壁部291の内周面が定着ベルト21の両端部の外周面に対向するように配置され、各端壁部292が定着ベルト21の長手方向Xにおける両端面21a,21b(以下、単に「定着ベルトの両端面」という。)に接触するように配置される。なお、ここでいう定着ベルト21の「端部」とは、図6に示される定着ベルト21の長手方向Xにおける中央Cを含む中央側の領域よりも両端側の領域Eを意味する。「中央Cを含む中央側の領域」は、定着ベルト21を長手方向Xに三等分した場合の1つ分以上で長手方向全長未満の大きさの領域を意味する。また、定着ベルト21の上記「端面」とは、定着ベルト21の長手方向Xにおける最端の縁であって、長手方向Xに対して交差する面21a,21bを意味する。
また、図5に示されるように、各周壁部291の内周面と定着ベルト21の両端部の外周面との間には、それぞれ弾性部材36A,36Bが配置されている。各弾性部材36A,36Bは、環状の部材であり、シリコーンゴムなどの摩擦係数が高い材料により形成されている。このような弾性部材36A,36Bが各周壁部291の内周面と定着ベルト21の外周面との間に介在し、各周壁部291と定着ベルト21の外周面に対して接触していることにより、定着ベルト21が回転すると、その回転力が各弾性部材36A,36Bを介して各キャップ部材29A,29Bに伝達される。これにより、各キャップ部材29A,29Bは定着ベルト21と一体的に回転する。
また、一対のキャップ部材29A,29Bのうち、一方(図4の左側)のキャップ部材29Aには、後述の回転部材37に対して回転力を伝達するための第一歯車41が設けられている。第一歯車41は、一方のキャップ部材29Aのベルト端面側とは反対側の面(図4の左側の面)に固定されている。このため、キャップ部材29Aが回転すると、キャップ部材29Aと一体的に第一歯車41が回転する。また、第一歯車41には、キャップ部材29Aと同じように、ステー25を挿通させるための孔部410が設けられている(図5参照)。
回転部材37は、円盤状の部材であり、一方(図4に左側)の側板30Aに回転可能に設けられている。回転部材37が有する回転軸の一端部(側板30Aに設けられる端部とは反対側の端部)には、上記第一歯車41と噛み合う第二歯車42が設けられている。第二歯車42は、回転部材37の回転軸に固定されている。このため、回転部材37が回転すると、回転部材37と一体的に第二歯車42が回転する。
また、本実施形態に係る定着装置20は、回転部材37の回転を検知する回転検知部材としてのフォトインタラプタ38を備えている。フォトインタラプタ38は、回転部材37を挟むように配置される投光部と受光部を有している。回転部材37には、回転方向に並ぶ複数のスリットが設けられており、回転部材37が回転すると、投光部から照射された光(例えば赤外線)がスリットを通過して受光部に受光される。このとき、スリットを通過した光の回数がカウントされることにより、回転部材37の回転(単位時間当たりの回転数又は回転角)が検知される。なお、回転検知部材は、投光部及び受光部を有する光学式のセンサに限らず、磁気式のセンサであってもよい。
このように、本実施形態においては、フォトインタラプタ38によって回転部材37の回転が検知されることにより、定着ベルト21の回転の有無及び回転数を検知できる。詳しくは、加圧ローラ22の回転に伴って定着ベルト21が従動回転すると、定着ベルト21と一緒に第一歯車41が回転し、この第一歯車41の回転に伴って第二歯車42が回転することにより、第二歯車42と一体的に回転部材37が回転する。すなわち、本実施形態においては、定着ベルト21が回転すると、定着ベルト21に連動して回転部材37が回転するので、回転部材37の回転を検知することにより、定着ベルト21の回転を検知できる。これにより、万が一、加熱中に定着ベルト21が停止した場合であっても、その停止を把握でき、定着ベルト21の異常昇温を回避できる。
ところで、加圧ローラの回転に伴って定着ベルトが従動回転すると、定着ベルトは、その内側に配置されているニップ形成部材又は摺動シートなどの摺動部材に対して摺動する。このとき、定着ベルトと摺動部材の間には摺動抵抗が発生するため、一般的に、定着ベルトと摺動部材の間には、グリス又はオイルなどの潤滑剤が介在されている。本実施形態に係る定着装置においても、同じ目的で、図2に示される定着ベルト21と摺動シート28との間に、潤滑剤を介在させている。
しかしながら、定着ベルトの回転運動などの影響によって、潤滑剤が定着ベルトの端部へ移動すると、図5に示される定着ベルト21の端面21a,21bとキャップ部材29A,29Bとの間に潤滑剤が侵入し、さらに潤滑剤が定着ベルト21の端面21a,21bを経由して定着ベルト21の外周面へ移動すると、潤滑剤が弾性部材36A,36Bに付着する虞がある。そして、弾性部材36A,36Bに潤滑剤が付着すると、定着ベルト21と弾性部材36A,36Bとの間、又は弾性部材36A,36Bとキャップ部材29A,29Bとの間における摩擦力が低下するため、弾性部材36A,36Bがスリップし、キャップ部材29A,29Bが定着ベルトと一体的に回転できなくなる。その場合、フォトインタラプタ38によって定着ベルト21の回転を正確に検知できなくなるため、加熱中に定着ベルト21が停止した場合は、定着ベルト21の温度が異常に上昇する虞がある。
ここで、定着ベルトと弾性部材の間、及び弾性部材とキャップ部材の間への潤滑剤の侵入を抑制する対策として、定着ベルトの回転方向全体に渡って、定着ベルトと弾性部材の間、及び弾性部材とキャップ部材の間に隙間が生じないように、各部材を密着させる方法がある。しかしながら、回転方向全体に渡って各部材を密着させるように構成すると、定着ベルトの端部に弾性部材及びキャップ部材を装着しにくくなる。特に、製造時に生じる寸法誤差によって定着ベルトの径が大きくなった場合は、弾性部材及びキャップ部材の装着が困難になる。また、弾性部材及びキャップ部材の装着ができたとしても、定着装置の使用に伴う温度上昇により、弾性部材及びキャップ部材が熱膨張すると、定着ベルトに負荷がかかり、定着ベルトが損傷する虞がある。このため、定着ベルト、弾性部材及びキャップ部材を回転方向全体に渡って密着させる方法は、潤滑剤の侵入を抑制する対策として好ましくない。
また、別の対策として、弾性部材を定着ベルトの長手方向に長くする方法がある。この場合、弾性部材の端に潤滑剤が付着しても、それ以外の部分において弾性部材の摩擦力を確保できるため、弾性部材のスリップを回避できる。しかしながら、弾性部材を長くすると、定着装置のサイズが大きくなってしまうため、小型化には不利となる。また、弾性部材の端に付着した潤滑剤が徐々に広がることにより、結果的に弾性部材の摩擦力が低下してしまうため、長期に亘って弾性部材の摩擦力を維持することは困難である。
さらに、熱の影響により弾性部材が劣化すると、弾性部材に亀裂が生じる問題もある。すなわち、弾性部材に亀裂が生じ、毛細管現象により亀裂に潤滑剤が侵入すると、潤滑剤が弾性部材に付着する虞がある。特に、弾性部材が配置される定着ベルトの端部側は、小サイズの用紙を通紙した際に用紙によって定着ベルトの熱が奪われにくく高温になりやすいため、弾性部材に亀裂が生じる虞がある。
以上の事情を鑑み、本実施形態に係る定着装置においては、弾性部材に対する潤滑剤の付着を防止するため、次のような対策を講じている。以下、弾性部材に対する潤滑剤の付着を防止するための本実施形態の構成及びその作用について説明する。
図7は、本実施形態に係る定着装置の構成及びその作用を説明するための図である。
図7に示されるように、本実施形態に係る定着装置20においては、キャップ部材29Aに設けられる第一歯車41と、第一歯車41に噛み合う第二歯車42が、両方とも、はすば歯車(ヘリカルギヤ)により構成されている。はすば歯車は、平歯車とは異なり、外周面に設けられる複数の歯が歯車の回転軸に対して螺旋状に傾斜する歯車である。
図7に示されるように、第一歯車41と第二歯車42とが互いに噛み合う噛み合い部においては、第一歯車41から第二歯車42へ回転力が伝達されることにより、第一歯車41の歯が第二歯車42の歯を押し動かす際の反力Fが第一歯車41に生じる。この反力Fは、第一歯車41の歯筋方向(歯の傾斜方向)に対して垂直な方向に発生するため、反力Fは、第一歯車41の回転軸41xに対して傾斜する方向に発生する。
ここで、反力Fは、回転軸41xに対して直交する成分Fyと、回転軸41xに対して平行な成分Fxとに分解できるところ、回転軸41xに対して平行な成分であるスラスト力Fxは、図7における右方向に向かって発生する。このため、第一歯車41は、スラスト力Fxを受けて、図7における右側(キャップ部材29Aの端面21aに接近する方向)へ付勢され、これに伴って、一方のキャップ部材29Aも右側へ付勢される。これにより、一方のキャップ部材29Aの端壁部292は、これに対向する定着ベルト21の端面21aに対して押し当てられる。
また、一方のキャップ部材29Aが定着ベルト21の端面21aに対して押し当てられることにより、この押圧力によって定着ベルト21が他方のキャップ部材29Bへ向かって押される。これにより、他方のキャップ部材29Bは、これに対向する側板30Bに対して押し当てられる。このとき、他方のキャップ部材29Bは、対向する側板30Bとの接触により軸方向(図7の右方向)への移動が規制されるため、定着ベルト21の端面21bが他方のキャップ部材29Bの端壁部292に対して押し当てられる。
このように、本実施形態においては、第一歯車(第一はすば歯車)41及び第二歯車(第二はすば歯車)42の噛み合いにより生じるスラスト力Fxによって各キャップ部材29A,29Bが定着ベルト21の両端面21a,21bに対して押し当てられるので、各キャップ部材29A,29Bと定着ベルト21の各端面21a,21bとの接触状態を良好に維持できる。すなわち、各キャップ部材29A,29Bは、側板30A,30Bに固定されておらず、定着ベルト21に対して長手方向Xへ移動可能に装着されているが、第一歯車41の回転により生じるスラスト力Fxによって図7における左側のキャップ部材29Aがこれと対向する定着ベルト21の端面21aに押し付けられる。そして、これに伴い定着ベルト21の反対側の端面21bがこれに対向するキャップ部材29Bに押し付けられることにより、定着ベルト21の各端面21a,21bに対する各キャップ部材29A,29Bの接触状態が良好に維持される。また、加圧ローラ22と定着ベルト21の回転が停止した後においても、第一歯車41及び第二歯車42の噛み合いにより、第一歯車41が設けられたキャップ部材29Aの位置(定着ベルト21の長手方向Xにおける位置)が保持されるので、定着ベルト21の各端面21a,21bに対する各キャップ部材29A,29Bの押し付け状態は解除されることなく維持される。これにより、定着ベルト21の内部にある潤滑剤が端面21a,21bを経由して定着ベルト21の外部に漏れ、定着ベルト21の各端部の外周面とキャップ部材29A,29Bの間に潤滑剤が侵入するのを抑制できる。その結果、潤滑剤が各弾性部材36A,36Bに付着するのを防止でき、スリップの発生を回避できるようになるため、定着ベルト21の回転検知の信頼性が向上する。
また、本実施形態に係る構成によれば、定着ベルトと弾性部材、又は弾性部材とキャップ部材を回転方向全体に渡って密着させたり、弾性部材を定着ベルトの長手方向に長くしたりしなくても、スリップの発生を回避できる。このため、部材同士を密着させることによる組立性の低下及び熱膨張に伴う定着ベルトの損傷、弾性部材を長くすることによる装置の大型化を防止でき、組立性及び小型化に優れ、信頼性の高い定着装置を提供できるようになる。
また、本実施形態においては、図8に示されるように、第一歯車41の外径D1が定着ベルト21の外径D2以下となるようにしている。なお、ここでいう「第一歯車の外径」は、第一歯車の複数の歯の歯先を連続して繋いだ歯先円の径(最大外径)を意味し、「定着ベルトの外径」は、定着ベルトが加圧ローラなどの加圧力を受けない無負荷状態において、その外周面の径を意味する。このように、本実施形態においては、第一歯車41の外径D1を定着ベルト21の外径D2以下としていることにより、第一歯車41が第二歯車42から受ける反力Fのスラスト力Fxが、定着ベルト21の外周面よりも内径側において発生する。
一方、本実施形態とは異なり、第一歯車41の外径D1が定着ベルト21の外径D2よりも大きい場合は(図9参照)、スラスト力Fxが定着ベルト21の外周面よりも外径側において発生する。この場合、図9に示されるように、スラスト力Fxの荷重が定着ベルト21の端面21aにおいて安定して受けられないため、キャップ部材29Aの姿勢が不安定になる。
このように、図9に示される例においては、キャップ部材29Aの姿勢が不安定になるため、定着ベルト21の端面21aとキャップ部材29Aとの間への潤滑剤の侵入を効果的に抑制できない虞がある。これに対して、本実施形態においては、図9に示される例とは異なり、スラスト力Fxが定着ベルト21の外周面よりも内径側において発生するため、キャップ部材29Aを定着ベルト21の端面21aに対して安定して接触させることができる。このため、定着ベルト21の端面21aとキャップ部材29Aとの間への潤滑剤の侵入を効果的に抑制することが可能である。
また、本実施形態のような厚さが1mm程度の薄肉の定着ベルトとは異なり、定着ローラなどの厚肉の回転体の場合は、回転体の内径と外径との間に差があるので、第一歯車41の外径D1が回転体の内径より大きい場合もあり得る。そのような場合であっても、第一歯車41の外径D1が回転体の外径D2以下であればよい。第一歯車41の外径D1が回転体の外径D2以下であることにより、本実施形態と同じように、キャップ部材を定着ベルトの端面に対して安定して接触させることができる。
また、図10に示されるように、第一歯車41及び第二歯車42のそれぞれの回転軸41x、42xに対する歯の傾斜角度(ねじれ角)θ1,θ2は、1度以上30度以下(1°≦θ1,θ2≦30°)であることが好ましい。各歯の傾斜角度θ1,θ2が1度未満であると、キャップ部材29Aを定着ベルト21の端面21aに押し当てるスラスト力Fxが効果的に得られなくなり、反対に、各歯の傾斜角度θ1,θ2が30度よりも大きいと、スラスト力Fxが大きくなり過ぎ、定着ベルト21を損傷させる虞があるからである。従って、各歯の傾斜角度θ1,θ2を1度以上30度以下とすることにより、定着ベルト21の破損を抑制しつつ、各キャップ部材29A,29Bを定着ベルト21の各端面21a,21bに接触させ、潤滑剤の侵入を効果的に抑制することが可能である。さらに潤滑剤の侵入を効果的に抑制するには、各歯の傾斜角度θ1,θ2が、10度以上20度以下(10°≦θ1,θ2≦20°)であることが好ましい。
なお、第一歯車41及び第二歯車42のそれぞれの歯の向きは、図10に示される向きに限らない。すなわち、第一歯車41に生じるスラスト力Fxの向きは、ニップ部Nに用紙Pを送る際の定着ベルト21及び加圧ローラ22の回転方向に応じて異なるので、定着ベルト21及び加圧ローラ22が本実施形態とは反対方向に回転する構成においては、第一歯車41及び第二歯車42の各歯の向きを反対向きに傾斜させる必要がある。従って、第一歯車41及び第二歯車42の各歯の向きは、用紙に画像を定着させる際の定着ベルト21及び加圧ローラ22の回転方向に応じて適宜設定されるとよい。
また、定着ベルト21が金属材料を含む基材(基材層)を有する場合は、定着ベルト21の強度が高まるため、摩擦などによる定着ベルト21の破損を生じにくくさせることができる。これに対して、定着ベルト21の基材(基材層)がポリイミドなどの樹脂材料により形成されている場合は、金属製の基材を有する定着ベルトに比べて、定着ベルト21の剛性が低くなるので、各キャップ部材29A,29Bと定着ベルト21の各端面21a,21bとが接触しやすくなり、これらの密着性を高めることができる。
また、図11に示される例のように、画像形成装置本体に対して定着装置20を定着ベルト21の長手方向Xに位置決めする位置決め部50がある場合は、位置決め部50が、定着ベルト21の長手方向Xにおける中央Cに対して第一歯車41とは反対側に配置されることが好ましい。位置決め部50は、例えば、定着装置20の外装部(フレーム部材)に設けられた位置決め凸部51と、この位置決め凸部51と係合可能に設けられた画像形成装置本体側の位置決め凹部52によって構成される。なお、位置決め部50を構成する凸部及び凹部の凹凸関係は、図11に示される例とは反対であってもよい。すなわち、定着装置側の位置決め部が凹部で、画像形成装置本体側が凸部であってもよい。
上記実施形態と同じように、図11に示される例においても、加圧ローラ22の回転に伴って定着ベルト21が従動回転すると、第一歯車41と第二歯車42との噛み合い部においてスラスト力Fxが発生するため、このスラストFxによって一方(図11の左側)のキャップ部材29Aが定着ベルト21の端面21aに押し当てられる。また、この押し当て力によって、他方(図11の右側)のキャップ部材29Bがこれと対向する側板30Bに押し当てられるため、定着ベルト21はその長手方向Xにおける中央Cよりも他方のキャップ部材29B側(図11の右側)において位置決めされる。
このように、図11に示される例においては、第一歯車41が定着ベルト21の中央Cを挟んで位置決め部50とは反対側に配置されていることにより、定着ベルト21の位置決め箇所(他方のキャップ部材29Bと側板30Bとの接触位置)が、定着装置20の位置決め箇所(位置決め部50の位置)と同じ側(図11における中央Cよりも右側)となる。この場合、定着ベルト21の位置決め箇所と定着装置20の位置決め箇所が近くなるため、これらの位置決め箇所間における相対的位置ずれも少なくなる。その結果、画像形成装置本体に対する定着ベルト21の位置ずれも少なくなるため、定着ベルト21の位置決め精度が向上する。
また、小型化を図るには、図11に示されるように、駆動力伝達歯車40、第一歯車41及び第二歯車42が、いずれも定着ベルト21の長手方向Xにおいて中心Cに対して同じ側に配置されることが好ましい。駆動力伝達歯車40、第一歯車41及び第二歯車42が、同じ側に配置される場合は、駆動力伝達歯車40と噛み合う画像形成装置本体側の歯車、駆動源のほか、第二歯車42が設けられる回転部材37、及び回転部材37の回転を検知するフォトインタラプタ38などを同じ側に配置できる。このため、電源及びフォトインタラプタ38などに接続される配線の設置スペースを集約でき、小型化を図れるようになる。
ここで、定着装置においては、定着ベルトと加圧ローラが、用紙に画像を定着する際の回転方向とは反対方向にも回転可能に構成されているものがある。例えば、図12に示されるように、ニップ部Nに挟まった用紙Pを除去しやすくするために、定着ベルト21及び加圧ローラ22を逆回転させて用紙Pを搬送方向上流側へ移動させる場合などである。
また、その他の例としては、図13に示されるような構成において、定着ベルト21に対する加圧ローラ22の加圧を解除する場合がある。定着装置が長期間使用されずに放置されていると、定着ベルトに対する加圧ローラの圧接箇所において加圧ローラの弾性層が塑性変形し、異音の発生、画像不良の発生の原因となるため、加圧ローラの加圧を解除し、加圧ローラの塑性変形を防止する。また、ニップ部に挟まった用紙を除去しやすくする目的で、加圧ローラの加圧を解除することもある。
図13に示される例においては、定着ベルト21に対する加圧ローラ22の加圧を解除するカム部材45が設けられ、カム部材45には、加圧ローラ22に設けられた駆動力伝達歯車40と噛み合うカム歯車46が設けられている。加圧ローラ22の加圧を解除する際は、加圧ローラ22を逆回転させることにより、カム部材45を図14に示されるように回転させる。これにより、カム部材45によってレバー47が押し動かされ、加圧ローラ22が定着ベルト21から離間し、加圧ローラ22の加圧が解除される。このとき、加圧ローラ22が定着ベルト21に対して完全に離間するまでは、加圧ローラ22の回転が定着ベルト21に伝達されるため、加圧ローラ22の逆回転に伴って定着ベルト21も逆回転する。
このように、定着装置においては、種々の目的により定着ベルトと加圧ローラを逆回転させる構成が存在するが、上記のような本発明の実施形態においては、定着ベルトと加圧ローラを逆回転させると、次のような問題が発生する。
本発明の実施形態においては、第一歯車41と第二歯車42がはすば歯車であるため、加圧ローラ22と定着ベルト21が逆回転すると、第一歯車41及び第二歯車42との噛み合い部において発生するスラスト力Fxの向きが反対方向となる。すなわち、図15に示されるように、加圧ローラ22と定着ベルト21の逆回転に伴って、第一歯車41と第二歯車42が逆回転すると、これらの噛み合い部においてキャップ部材29Aを定着ベルト21の端面21aに対して離間させる方向のスラスト力Fxが発生する。従って、加圧ローラ22と定着ベルト21を逆回転させた場合は、各キャップ部材29A,29Bと定着ベルト21の両端面21a,21bとの接触状態を良好に維持できなくなる虞がある。
このような逆回転による弊害を抑制する方法として、逆回転時間を短くする方法が挙げられる。定着ベルト21及び加圧ローラ22の逆回転時間を短くすることにより、第一歯車41及び第二歯車42との噛み合い部において生じるスラスト力Fxの発生時間が短くなるので、キャップ部材29Aが定着ベルト21の端面21aから離間しにくくなる。定着ベルト21と加圧ローラ22を逆回転させる時間としては、例えば、一枚の用紙に対して画像を定着する際の定着ベルト21及び加圧ローラ22の回転時間(正回転の時間)よりも短くすることが好ましい。
また、定着ベルト21と加圧ローラ22の逆回転時の回転速度を、画像を定着する際の回転速度(正回転速度)より遅くしてもよい。この場合、逆回転時に生じる定着ベルト21及び加圧ローラ22の回転トルクが正回転時の回転トルクよりも小さくなるので、第一歯車41が受ける反力Fも小さくなり、キャップ部材29Aを定着ベルト21の端面21aに対して離間させる方向のスラスト力Fxも小さくなる。このため、逆回転時の回転速度を遅くすることにより、キャップ部材29Aが定着ベルト21の端面21aから離間しにくくなる。
また、逆回転による弊害を回避する方法として、一方向の回転のみを伝達する(反対方向の回転は伝達しない)一方向回転伝達部材としてのワンウェイクラッチを用いる方法が挙げられる。
図16に示される例は、第一歯車41に、キャップ部材29Aの正回転のみを第一歯車41に伝達するワンウェイクラッチ43が設けられた例である。この場合、図16に示されるように、用紙Pに画像を定着するために、定着ベルト21と加圧ローラ22が用紙Pをニップ部Nに通過させる方向に回転すると、ワンウェイクラッチ43がキャップ部材29Aの回転(正回転)を第一歯車41へ伝達する。このため、正回転動作時においては、第一歯車41と第二歯車42が回転し、第一歯車41と第二歯車42との噛み合い部において、キャップ部材29Aを定着ベルト21の端面へ接近させる方向のスラスト力が発生する。
一方、図17に示されるように、逆回転動作時においては、ワンウェイクラッチ43がキャップ部材29Aから第一歯車41へ回転(逆回転)を伝達しないので、第一歯車41及び第二歯車42は回転(逆回転)しない。このため、逆回転動作時においては、第一歯車41と第二歯車42との噛み合い部において、キャップ部材29Aを定着ベルト21の端面から離間させる方向のスラスト力は生じず、キャップ部材29Aが定着ベルト21の端面から離間するのを抑制できる。
続いて、図18に示される例は、駆動力伝達歯車40に、駆動力伝達歯車40の正回転のみを加圧ローラ22へ伝達するワンウェイクラッチ44が設けられた例である。この場合、図18に示されるように、正回転動作時は、ワンウェイクラッチ44が駆動力伝達歯車40から加圧ローラ22へ回転(正回転)を伝達するので、加圧ローラ22及び定着ベルト21が回転(正回転)し、用紙Pをニップ部Nへ通過させる。なお、カム歯車46には、正回転を伝達しない別のワンウェイクラッチが設けられているため、カム部材45は回転しない。また、このとき、定着ベルト21の回転に伴って第一歯車41及び第二歯車42が回転するので、第一歯車41及び第二歯車42との噛み合い部において、キャップ部材29Aを定着ベルト21の端面へ接近させる方向のスラスト力が発生する。
一方、図19に示されるように、逆回転動作時においては、ワンウェイクラッチ44が駆動力伝達歯車40から加圧ローラ22へ回転(逆回転)を伝達しないので、加圧ローラ22及び定着ベルト21は回転(逆回転)しない。このため、第一歯車41及び第二歯車42も回転(逆回転)せず、キャップ部材29Aを定着ベルト21の端面から離間させる方向のスラスト力も生じない。従って、キャップ部材29Aが定着ベルト21の端面から離間するのを抑制できる。なお、カム部材45は、駆動力伝達歯車40の逆回転によって回転するので、カム部材45がレバー47を押し動かし、加圧ローラ22の加圧が解除される。
図18及び図19に示される例においては、図16及び図17に示される例とは異なり、逆回転動作時に定着ベルト21及び加圧ローラ22が逆回転しない。従って、定着ベルト21及び加圧ローラ22を逆回転させてニップ部Nに挟まった用紙を除去しやすくしたい場合は、図16及び図17に示される構成を採用するのがよい。また、図18及び図19に示される例において、図16及び図17に示される例と同じように、ワンウェイクラッチ44を、駆動力伝達歯車40ではなく、第一歯車41に設けてもよい。
以上、本発明の各実施形態について説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加え得ることは勿論である。
例えば、本発明は、図20~図25に示されるような構成の定着装置にも適用可能である。以下、図20~図25に示される各定着装置の構成について説明する。
図20に示される定着装置60は、加熱源として、上記実施形態のような電磁誘導加熱式の加熱源ではなく、基材55上に抵抗発熱体56が設けられた面状又は板状のヒータ63を備えている。基材55は、アルミナ、窒化アルミなどのセラミック、又はガラス、マイカ、ポリイミドなどの耐熱性と絶縁性を有する材料により形成される。また、基材55は、ステンレス、鉄、アルミニウムなどの金属材料の上に絶縁層を形成したものであってもよい。抵抗発熱体56は、銀パラジウム(AgPd)及びガラス粉末などを調合したペーストを基材55の表面にスクリーン印刷などにより塗工し、その後、基材55を焼成することによって形成される。また、抵抗発熱体56は、絶縁層57によって覆われている。絶縁層57は、耐熱性ガラス、セラミック、ポリイミドなどの材料により形成される。
図21に示されるように、ヒータ63は、長方形の板状に形成されており、その長手方向が定着ベルト61の長手方向となるように配置される。抵抗発熱体56は、基材55(ヒータ63)の長手方向に渡って間隔をあけて複数配置されている。また、各抵抗発熱体56が設けられている基材55の面には、複数の電極部58と複数の給電線59が設けられている。各抵抗発熱体56は、基材55の長手方向両端部に設けられた各電極部58に対し給電線59を介して並列に接続されている。また、各抵抗発熱体56及び各給電線59は、絶縁層57によって覆われている。一方、各電極部58は、給電端子としてのコネクタが接続できるように、絶縁層57によって覆われておらず露出している。
図20に示されるように、ヒータ63は、ヒータホルダ64によって保持され、定着ベルト61の内周面に接触するように配置される。従って、ヒータ63が発熱すると、定着ベルト61がその内側から加熱される。定着ベルト61は、上記実施形態における定着ベルトと同じように、基材層、弾性層、離型層を有する無端状のベルトにより構成されている。ただし、定着ベルト61は、電磁誘導加熱される発熱層は有していない。基材層、弾性層、離型層の材料は、上記実施形態と同じ材料を適用可能である。
ヒータ63が定着ベルト61に対して接触する箇所においては、加圧ローラ62が定着ベルト61を介してヒータ63に圧接される。これにより、定着ベルト61と加圧ローラ62との間にニップ部Nが形成される。加圧ローラ62は、上記実施形態に係る加圧ローラと基本的に同じ構成である。
ヒータホルダ64は、定着ベルト61の内側に配置され、ヒータ63を保持する加熱源保持部材である。ヒータホルダ64は、ヒータ63の熱により高温になりやすいため、耐熱性の材料によって構成されることが好ましい。特に、ヒータホルダ64が、LCP(液晶ポリマー)、PEEKなどの低熱伝導性の耐熱性樹脂によって構成される場合は、ヒータホルダ64の耐熱性を確保しつつ、ヒータ63からヒータホルダ64への伝熱が抑制されるので、効率的に定着ベルト61を加熱できる。
ヒータホルダ64は、支持部材としてのステー65によって支持されている。ステー65は、定着ベルト61の内側に配置され、ヒータホルダ64のニップ部N側の面とは反対の面を支持する。これにより、ヒータホルダ64が加圧ローラ62の加圧力によって定着ベルト61の長手方向に渡って撓むのが抑制され、定着ベルト61と加圧ローラ62との間に均一な幅のニップ部Nが形成される。ステー65は、その剛性を確保するため、ステンレス、SECC(電気亜鉛めっき鋼板)などの鉄系金属材料によって形成されることが好ましい。
ヒータホルダ64には、ガイド部材66が一体に設けられている。ガイド部材66は、定着ベルト61の回転方向におけるニップ部Nの上流側と下流側に配置されている。ガイド部材66は、定着ベルト61が回転する際、定着ベルト61の内周面に接触することにより定着ベルト61を内側からガイドする。
また、定着ベルト61の内側には、ヒータ63の温度を検知する温度検知部材としての温度センサ67が配置されている。図20に示される温度センサ67は、ヒータ63のニップ部N側とは反対側の面に接触して温度を検知する接触式の温度センサであるが、ヒータ63に対して非接触に配置され、ヒータ63近傍の雰囲気温度を検知する非接触式の温度センサであってもよい。
本実施形態に係る定着装置60においては、画像形成装置本体に設けられている電源からヒータ63に電力が供給されることにより、抵抗発熱体56が発熱する。これにより、定着ベルト61が加熱される。また、温度センサ67によって検知されるヒータ63の温度に基づいてヒータ63の発熱量が制御されることにより、定着ベルト61の温度が所定の温度(定着温度)となるように維持される。この状態において、図20に示されるように、未定着トナーを担持する用紙Pが、定着ベルト61と加圧ローラ62との間(ニップ部N)に進入することにより、用紙P上の未定着トナーが加圧及び加熱され、用紙Pにトナー画像が定着される。
温度センサ67の位置は、図20に示されるような用紙搬送方向におけるニップ部Nの中央Mのほか、図22に示される実施形態のように、ニップ部Nの中央Mよりも用紙搬送方向上流側に配置されていてもよい。言い換えれば、温度センサ67は、ニップ部Nの入り口側に配置されていてもよい。ニップ部Nの入り口側は、ニップ部Nに進入する用紙Pによって定着ベルト61の熱が特に奪われやすい領域であるため、温度センサ67によって入り口側の温度を検知することにより、画像の定着性を確保し、トナー画像を十分に加熱できない定着オフセットの発生を効果的に抑制できる。
次に、図23に示される実施形態においては、用紙Pを通過させる定着用のニップ部N1と、ヒータ63によって定着ベルト61を加熱する加熱用のニップ部N2が、それぞれ別の位置に形成されている。具体的に、本実施形態においては、定着ベルト61の内側に、ヒータ63のほかニップ形成部材68が配置され、ヒータ63とニップ形成部材68に対してそれぞれ加圧ローラ69,70が定着ベルト61を介して押し当てられることにより、定着用のニップ部N1と加熱用のニップ部N2が形成されている。
続いて、図24に示される定着装置60は、図23に示す定着装置において、ヒータ63側の加圧ローラ69が省略され、ヒータ63が定着ベルト61の曲率に合わせて円弧状に形成された例である。それ以外は、図23に示す構成と同じである。この場合、ヒータ63が円弧状に形成されていることにより、定着ベルト61とヒータ63とのベルト回転方向の接触長さを確保し、定着ベルト61を効率良く加熱できる。
続いて、図25に示される定着装置60は、一対のベルト71,72の間に、ローラ73が配置された例である。この例においては、図25における左側のベルト71内に配置されるヒータ63がベルト71を介してローラ73に接触し、右側のベルト72内に配置されるニップ形成部材74がベルト72を介してローラ73に接触することによって、加熱用のニップ部N1と定着用のニップ部N2が形成される。
また、本発明に係る画像形成装置は、図1に示されるカラー画像形成装置に限らず、モノクロ画像形成装置や、複写機、プリンタ、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機などであってもよい。
例えば、本発明は、図26に示されるような構成の画像形成装置にも適用可能である。図26に示される画像形成装置100は、感光体ドラムなどから成る画像形成手段80と、一対のタイミングローラ81などから成る用紙搬送部と、給紙装置82と、定着装置83と、排紙装置84と、読取部85を備えている。給紙装置82は複数の給紙トレイを備え、それぞれの給紙トレイが異なるサイズの用紙を収容する。
読取部85は原稿Qの画像を読み取る。読取部85は、読み取った画像から画像データを生成する。給紙装置82は、複数の用紙Pを収容し、搬送路へ用紙Pを送り出す。タイミングローラ81は搬送路上の用紙Pを画像形成手段80へ搬送する。
画像形成手段80は、用紙Pにトナー画像を形成する。具体的には、画像形成手段80は、感光体ドラムと、帯電ローラと、露光装置と、現像装置と、補給装置と、転写ローラと、クリーニング装置と、除電装置を含む。定着装置83は、トナー画像を加熱及び加圧して、用紙Pにトナー画像を定着させる。トナー画像の定着された用紙Pは、搬送ローラなどにより排紙装置84へ搬送される。排紙装置84は、画像形成装置100の外部に用紙Pを排出する。
次に、図27に基づき、本実施形態に係る定着装置83について説明する。なお、図27に示される構成において、図20に示される上記実施形態の定着装置60と共通する構成の部分については、同一の符号を付すことによりその説明を省略する。
図27に示されるように、定着装置83は、定着ベルト61と、加圧ローラ62と、ヒータ63と、ヒータホルダ64と、ステー65と、温度センサ67などを備えている。
定着ベルト61と加圧ローラ62との間にニップ部Nが形成される。ニップ部Nのニップ幅は10mm、定着装置83の線速は240mm/sである。
定着ベルト61は、ポリイミドの基体と離型層とを備え、弾性層を有していない。離型層は、例えばフッ素樹脂から成る耐熱性のフィルム材によって形成される。定着ベルト61の外径は約24mmである。
加圧ローラ62は、芯金と弾性層と離型層とを含む。加圧ローラ62の外径は24~30mmであり、弾性層の厚みは3~4mmである。
ヒータ63は、基材と、断熱層と、抵抗発熱体などを含む導体層と、絶縁層とを含み、全体の厚みが1mmに設定される。また、ヒータ63の用紙搬送方向の幅は13mmである。
上記実施形態と同じように、図11に示される例においても、加圧ローラ22の回転に伴って定着ベルト21が従動回転すると、第一歯車41と第二歯車42との噛み合い部においてスラスト力Fxが発生するため、このスラストFxによって一方(図11の左側)のキャップ部材29Aが定着ベルト21の端面21aに押し当てられる。また、この押し当て力によって、他方(図11の右側)のキャップ部材29Bがこれと対向する側板30Bに押し当てられるため、定着ベルト21はその長手方向Xにおける中央Cよりも他方のキャップ部材29B側(図11の右側)において位置決めされる。
また、複数の抵抗発熱体56により、中央の発熱部35Bと、これとは独立して発熱可能な両端側の発熱部35A,35Cが構成されている。例えば、3つの電極部58A~58Cのうち、図28の左端の電極部58Aと中央の電極部58Bに通電すると、両端側の発熱部35A,35Cが発熱する。また、両端の電極部58A,58Cに通電すると、中央の発熱部35Bが発熱する。例えば、小サイズ用紙に定着動作を行う場合は、中央の発熱部35Bのみを発熱させ、大サイズ用紙に定着動作を行う場合は、全ての発熱部35A~35Cを発熱させることにより、用紙のサイズに応じた加熱が可能である。
また、図29に示されるように、本実施形態に係るヒータホルダ64は、ヒータ63を収容して保持する凹部64bを有している。凹部64bは、ヒータホルダ64のヒータ63側に形成されている。また、凹部64bは、ヒータ63とほぼ同じサイズの矩形(長方形)に形成された面(底面)64b1と、その面641bの外郭を形成する4つの辺に沿って面641bと交差するように設けられた4つの壁部(側面)64b2,64b3により構成されている。なお、ヒータ63の長手方向X(抵抗発熱体56の配列方向)と交差する方向に配置される一対の壁部64b2のうち、一方の壁部64b2を省略し、凹部64bがヒータ63の長手方向の一端部において開口するように構成してもよい。
また、図30に示されるように、本実施形態に係るヒータ63及びヒータホルダ64は、コネクタ86によって保持される。コネクタ86は、樹脂製(例えばLCP)のハウジングと、ハウジング内に設けられた複数のコンタクト端子などを有している。
コネクタ86は、ヒータ63及びヒータホルダ64に対して、ヒータ63の長手方向X(抵抗発熱体56の配列方向)とは交差する方向に取り付けられる(図30のコネクタ86からの矢印方向参照)。また、コネクタ86は、ヒータ63の長手方向X(抵抗発熱体56の配列方向)におけるいずれか一方の端部側であって、加圧ローラ62の駆動モータが設けられる側とは反対側において、ヒータ63及びヒータホルダ64に取り付けられる。なお、コネクタ86のヒータホルダ64に対する取り付け時に、コネクタ86とヒータホルダ64のうちの一方に設けられた凸部が、他方に設けられた凹部に係合し、凸部が凹部内を相対移動する構成としてもよい。
コネクタ86が取り付けられた状態においては、ヒータ63とヒータホルダ64がその表側と裏側からコネクタ86によって挟まれるようにして保持される。この状態において、各コンタクト端子がヒータ63の各電極部に接触(圧接)されることにより、コネクタ86を介して各抵抗発熱体56と画像形成装置に設けられた電源とが電気的に接続される。これにより、電源から各抵抗発熱体56へ電力が供給可能な状態となる。
また、図30に示されるフランジ87は、定着ベルト61の長手方向における両端部に設けられ、定着ベルト61の両端部を内側から保持するベルト保持部材である。フランジ87は、ステー65の両端に挿入され、定着装置のフレーム部材である一対の側板に固定される。
図31は、本実施形態に係る温度センサ67と、通電遮断部材であるサーモスタット88の配置を示す図である。
図31に示されるように、本実施形態に係る温度センサ67は、定着ベルト61の長手方向Xにおける中央C側と端部側のそれぞれの内周面に対向するように配置されている。また、これらの温度センサ67のうちいずれか一方は、ヒータ63の抵抗発熱体同士間の上記分割領域B(図28参照)に対応する位置に配置される。
また、定着ベルト61の中央C側と端部側においては、通電遮断部材としてのサーモスタット88が定着ベルト61の内周面に対向するように配置されている。各サーモスタット88は、定着ベルト61の内周面の温度又は内周面近傍の雰囲気温度を検知する。サーモスタット88によって検知された温度があらかじめ設定された閾値を超えた場合は、ヒータ63への通電が遮断される。
また、図31及び図32に示されるように、定着ベルト61の両端部を保持するフランジ87には、スライド溝87aが設けられている。スライド溝87aは、定着ベルト61の加圧ローラ62に対する接離方向に延在する。スライド溝87aには定着装置の筐体の係合部が係合する。この係合部がスライド溝87a内を相対移動することにより、定着ベルト61は加圧ローラ62に対する接離方向へ移動可能に構成されている。
以上、本発明を適用可能な他の定着装置及び画像形成装置の構成について説明したが、斯かる構成の定着装置及び画像形成装置においても本発明を適用することにより、上記実施形態と同様の効果を得られる。すなわち、本発明を適用することにより、定着ベルトの端面とこれに接触する端面接触部材の接触状態を良好に維持できるので、定着ベルトの端面と端面接触部材との間への潤滑剤の侵入を効果的に抑制できるようになる。
また、本発明に係る定着装置において、定着ベルトの内周面に接触し、回転する定着ベルトに対して相対的に摺動する摺動部材は、図2に示されるようなニップ形成部材24又は摺動シート28のほか、図20~図25に示されるようなヒータ63、図23又は図24に示されるニップ形成部材68、図25に示されるニップ形成部材74も含まれる。
また、定着ベルトと摺動部材との間に介在する潤滑剤は、グリスであってもよいし、オイルであってもよい。グリスはオイルに比べて粘度が高いため、潤滑剤としてグリスを用いた場合は、定着ベルトの端面とこれに接触する端面接触部材との間に潤滑剤が侵入しにくくなり、スリップがより一層生じにくくなる。一方、潤滑剤としてオイルを用いた場合は、定着ベルトと摺動部材との間の摩擦抵抗を効果的に低減できるので、定着ベルトの摩耗が生じにくくなる。
また、上記実施形態においては、定着ベルト21の外周面と各キャップ部材29A,29Bの内周面との間に、弾性部材36A,36B(図5参照)を介在させる場合を例に説明したが、図33に示される例のように、弾性部材36A,36Bを有しない構成であってもよい。すなわち、キャップ部材29A,29Bが摩擦係数の高い部材によって構成される場合など、定着ベルト21の回転によりキャップ部材29A,29Bが従動回転する場合は、弾性部材36A,36Bを省略し、キャップ部材29A,29Bの外周面を定着ベルト21の外周面に直接接触させてもよい。
また、本発明は、次のような構成の定着装置にも適用可能である。
図34は、本発明を適用可能な別の実施形態に係る定着装置の概略構成図である。
図34に示すように、本実施形態に係る定着装置60は、回転体あるいは定着部材としての定着ベルト61と、対向回転体あるいは加圧部材としての加圧ローラ62と、加熱源としてのヒータ63と、加熱源保持部材としてのヒータホルダ64と、支持部材としてのステー65と、温度検知部材としての温度センサ(サーミスタ)67と、第1高熱伝導部材89を備えている。定着ベルト61は、無端状のベルトから成る。加圧ローラ62は、定着ベルト61の外周面に接触して、定着ベルト61との間にニップ部Nを形成する。ヒータ63は、定着ベルト61を加熱する。ヒータホルダ64は、ヒータ63を保持する。ステー65は、ヒータホルダ64を支持する。温度センサ67は、第1高熱伝導部材89の温度を検知する。すなわち、本実施形態に係る定着装置60は、上記図20に示される定着装置と比べて、第1高熱伝導部材89を備えている以外、基本的に同じ構成である。なお、図34の紙面に直交する方向は、定着ベルト61、加圧ローラ62、ヒータ63、ヒータホルダ64、ステー65、第1高熱伝導部材89の長手方向であり、以下、この方向を単に長手方向と呼ぶ。また、この長手方向は搬送される用紙の幅方向、定着ベルト61のベルト幅方向、そして、加圧ローラ62の軸方向でもある。
ここで、本実施形態におけるヒータ63は、上記図28に示されるヒータと同じように、複数の抵抗発熱体56が、ヒータ63の長手方向に互いに間隔をあけて配置されている。しかしながら、複数の抵抗発熱体56が互いに間隔をあけて配置される構成においては、抵抗発熱体56同士の間隔である分割領域Bにおけるヒータ63の温度が、抵抗発熱体56が配置される部分に比べて低くなる傾向にある。このため、分割領域Bにおいては、定着ベルト61の温度も低くなり、定着ベルト21の温度が長手方向に渡って不均一になる虞がある。
そのため、本実施形態においては、分割領域Bにおける温度落ち込みを抑制して、定着ベルト61の長手方向の温度ムラを抑制するために、上記第1高熱伝導部材89を設けている。以下、第1高熱伝導部材89についてより詳細に説明する。
図34に示されように、第1高熱伝導部材89は、図の左右方向において、ヒータ63とステー65との間に配置され、特にヒータ63とヒータホルダ64との間に挟まれる。つまり、第1高熱伝導部材89の一方の面は、ヒータ63の基材55の裏面に当接し、第1高熱伝導部材89の他方の面(一方の面とは反対側の面)は、ヒータホルダ64に当接している。
ステー65は、ヒータ63などの厚み方向に延在する二つの垂直部65aの当接面65a1をヒータホルダ64に当接させ、ヒータホルダ64、第1高熱伝導部材89、ヒータ63を支持する。長手交差方向(図34の上下方向)において、当接面65a1は抵抗発熱体56が設けられる範囲よりも外側に設けられる。これにより、ヒータ63からステー65への伝熱を抑制でき、ヒータ63が定着ベルト61を効率よく加熱できる。
図35に示されるように、第1高熱伝導部材89は、一定の厚みを有する板状の部材であり、例えば、その厚みが0.3mm、長手方向方向の長さが222mm、長手交差方向の幅が10mmに設定される。本実施形態においては、第1高熱伝導部材89が単一の板材により構成されるが、複数の部材からなってもよい。なお、図35においては、図34に記載のガイド部材66が省略されている。
第1高熱伝導部材89は、ヒータホルダ64の凹部64bに嵌め込まれ、その上からヒータ63が取り付けられることで、ヒータホルダ64とヒータ63とに挟み込まれて保持される。本実施形態においては、第1高熱伝導部材89の長手方向の幅がヒータ63の長手方向の幅と略同じに設定されている。第1高熱伝導部材89及びヒータ63は、凹部64bの長手方向と交差する方向に配置される両側壁(長手方向規制部)64b1によって、長手方向の移動が規制される。このように、第1高熱伝導部材89の定着装置9内における長手方向の位置ずれが規制されることにより、長手方向の狙いの範囲に対して熱伝導効率を向上させることができる。また、第1高熱伝導部材89及びヒータ63は、凹部64bの長手方向に配置される両側壁(配列交差方向規制部)64b2によって、長手交差方向の移動が規制される。
第1高熱伝導部材89が配置される長手方向(矢印X方向)の範囲は、図35に示される範囲に限らない。例えば、図36に示されるように、抵抗発熱体56が配置される長手方向の範囲のみに第1高熱伝導部材89が配置されてもよい(図36におけるハッチング部参照)。また、図37に示される例のように、長手方向(矢印X方向)の間隔(分割領域)Bに対応する位置で、その全域のみに第1高熱伝導部材89を配置することもできる。なお、図37においては、便宜上、抵抗発熱体56と第1高熱伝導部材89が図37の上下方向にずらして示されているが、両者は長手交差方向(矢印Y方向)のほぼ同じ位置に配置される。また、第1高熱伝導部材89は、抵抗発熱体56の長手交差方向(矢印Y方向)の一部に渡って配置されてもよいし、図38に示される例のように、第1高熱伝導部材89が抵抗発熱体56の長手交差方向(矢印Y方向)の全体に渡って配置されていてもよい。さらに、図38に示されるように、第1高熱伝導部材89を、長手方向の間隔Bに対応する位置に加えて、その間隔Bを間にはさむ両側の抵抗発熱体56にまたがって配置することもできる。この「第1高熱伝導部材89を両側の抵抗発熱体56にまたがって配置する」とは、第1高熱伝導部材89が両側の抵抗発熱体56と長手方向の位置が少なくとも一部重なることを意味する。また、第1高熱伝導部材89は、ヒータ63の全ての間隔Bに対応する位置に配置されてもよいし、図38に示される例のように、一部の間隔B(この場合1箇所)に対応する位置だけ配置されてもよい。ここで、「第1高熱伝導部材89が間隔Bに対応する位置に配置される」とは、間隔Bと第1高熱伝導部材89の少なくとも一部が長手方向において重なることを意味する。
加圧ローラ62の加圧力により、第1高熱伝導部材89はヒータ63とヒータホルダ64との間に挟み込まれてこれらの部材に密着する。第1高熱伝導部材89がヒータ63に接触することにより、ヒータ63の長手方向の熱伝導効率が向上する。そして、第1高熱伝導部材89が、長手方向において、ヒータ63の間隔Bに対応する位置に配置されることにより、間隔Bにおける熱伝導効率を向上させることができ、間隔Bへ伝達される熱量を増やし、間隔Bにおける温度を上昇させることができる。これにより、ヒータ63の長手方向の温度ムラを抑制でき、定着ベルト61の長手方向の温度ムラを抑制できる。その結果、用紙に定着される画像の定着ムラ及び光沢ムラを抑制できる。また、間隔Bにおいて十分な定着性能を確保するために、ヒータ63の発熱量を多くする必要が無くなり、定着装置の省エネ化を実現できる。特に、抵抗発熱体56が配置される長手方向全域に渡って第1高熱伝導部材89が配置される場合は、ヒータ63による主な加熱領域(つまり、通紙される用紙の画像形成領域)全域において、ヒータ63の伝熱効率を向上させ、ヒータ63ひいては定着ベルト61の長手方向の温度ムラを抑制できる。
さらに、第1高熱伝導部材89とPTC特性を有する抵抗発熱体56との組み合わせにより、小サイズ用紙通紙時の非通紙領域による過昇温をより効果的に抑制できる。このPTC特性とは、温度が高くなると抵抗値が高くなる(一定電圧をかけた場合に、ヒータ出力が下がる)特性である。すなわち、抵抗発熱体56がPTC特性を有していることにより、非通紙領域における抵抗発熱体56の発熱量を効果的に抑制できると共に、第1高熱伝導部材89によって、温度が上昇した非通紙領域の熱量を通紙領域へ効率的に伝達できるので、これらの相乗効果により非通紙領域による過昇温を効果的に抑制できる。
また、間隔Bの周辺においても、間隔Bの発熱量が小さいことによりヒータ63の温度が低くなるため、第1高熱伝導部材89を配置することが好ましい。例えば、図39に示される間隔Bの周辺の領域を含む拡大分割領域Cに対応する位置に、第1高熱伝導部材89を配置することにより、間隔B及びその周辺における長手方向の熱伝達効率を向上させ、ヒータ63の長手方向の温度ムラをより効果的に抑制できる。また、第1高熱伝導部材89が、全ての抵抗発熱体56が配置される領域の長手方向全体に渡って配置されている場合は、ヒータ63(定着ベルト61)の長手方向の温度ムラをより確実に抑制できる。
続いて、定着装置のさらに別の実施形態について説明する。
図40に示される定着装置60は、ヒータホルダ64と第1高熱伝導部材89との間に第2高熱伝導部材90を有している。第2高熱伝導部材90は、ヒータホルダ64,ステー65、第1高熱伝導部材89などの部材の積層方向(図40における左右方向)において、第1高熱伝導部材89と異なる位置に設けられる。より詳しくは、第2高熱伝導部材90は、第1高熱伝導部材89に重ね合わせされて設けられる。また、本実施形態においては、上記図34に示される実施形態と同じように、温度センサ(サーミスタ)67が設けられているが、図40は、温度センサ67が配置されていない断面を示している。
第2高熱伝導部材90は、基材55よりも熱伝導率の高い部材、例えばグラフェン又はグラファイトにより構成される。本実施形態においては、第2高熱伝導部材90が、厚み1mmのグラファイトシートにより構成される。また、第2高熱伝導部材90は、アルミニウム、銅、銀などの板材により構成されてもよい。
図41に示されるように、第2高熱伝導部材90は、ヒータホルダ64の凹部64bに複数配置され、各第2高熱伝導部材90同士の間には長手方向の間隔が介在している。ヒータホルダ64の第2高熱伝導部材90が設けられる部分には、その他の部分よりも一段深い窪みが形成されている。第2高熱伝導部材90は、長手方向の両側において、ヒータホルダ64との間に隙間が設けられている。これにより、第2高熱伝導部材90からヒータホルダ64への伝熱が抑制され、ヒータ63によって定着ベルト61が効率的に加熱される。なお、図41においては、図34に記載のガイド部材66が省略されている。
図42に示されるように、第2高熱伝導部材90(ハッチング部参照)は、長手方向(矢印X方向)において、間隔Bに対応する位置で、隣り合う抵抗発熱体56の少なくとも一部に重なる位置に配置されている。特に、本実施形態においては、第2高熱伝導部材90が、間隔B全域に渡って配置されている。なお、図42(および後述の図44)においては、第1高熱伝導部材89が、全ての抵抗発熱体56が配置される領域の長手方向全体に渡って配置されている場合を示しているが、第1高熱伝導部材89の配置範囲はこれに限らない。
本実施形態のように、第1高熱伝導部材89に加えて、長手方向の間隔Bに対応する位置で、隣り合う抵抗発熱体56の少なくとも一部に重なる位置に第2高熱伝導部材90が配置されていることにより、間隔Bにおける長手方向の熱伝達効率をより一層向上させ、ヒータ63の長手方向の温度ムラをより効果的に抑制できる。また、最も好ましくは、図43に示されるように、間隔Bに対応する位置でその全域にのみ第1高熱伝導部材89及び第2高熱伝導部材90を設ける。これにより、間隔Bに対応する位置において、その他の領域と比較して特に熱伝達効率を向上させることができる。なお、図43においては、便宜上、抵抗発熱体56と第1高熱伝導部材89及び第2高熱伝導部材90が、図の上下方向にそれぞれずらして示されているが、これらは長手交差方向(矢印Y方向)のほぼ同じ位置に配置される。ただし、これに限るものではなく、第1高熱伝導部材89及び第2高熱伝導部材90は、抵抗発熱体56の長手交差方向の一部に配置されていてもよいし、長手交差方向の全体を覆うようにして配置されていてもよい。
また、第1高熱伝導部材89及び第2高熱伝導部材90の両方が上記グラフェンシートにより構成されてもよい。この場合、グラフェンの面に沿う所定の方向、つまり、厚み方向ではなく長手方向に熱伝導率の高い第1高熱伝導部材89及び第2高熱伝導部材90を形成できる。このため、ヒータ63及び定着ベルト61の長手方向の温度ムラを効果的に抑制できる。
グラフェンは薄片状の粉体である。グラフェンは、図46に示されるように、炭素原子の平面状の六角形格子構造から成る。グラフェンシートとは、シート状のグラフェンであり、通常、単層である。また、グラフェンシートは、炭素の単一層に不純物を含んでいてもよいし、フラーレン構造を有するものであってもよい。フラーレン構造は、一般的に、同数の炭素原子が5員環および6員環でかご状に縮環した多環体を形成して成る化合物として認識されており、例えば、C60、C70およびC80フラーレン又は3配位の炭素原子を有する他の閉じたかご状構造である。
グラフェンシートは、人工物であり、例えば化学気相蒸着(CVD)法により作製され得る。
グラフェンシートには市販品を用いることができる。グラフェンシートの大きさ、厚み、あるいは後述するグラファイトシートの層数などは、例えば透過型電子顕微鏡(TEM)によって測定される。
また、グラフェンを多層化したグラファイトは大きな熱伝導異方性を持つ。グラファイトは、図47に示すように、炭素原子の縮合六員環層面が平面状に広がった層を有し、この層が何重にも重なった結晶構造を有する。この結晶構造における炭素原子間は、層内での隣接する炭素原子同士は共有結合をなし、層間の炭素原子同士はファン・デル・ワールス結合をなす。そして、共有結合はファン・デル・ワールス結合に比べてその結合力が大きく、層内での結合と層間での結合とでは大きな異方性を持つ。つまり、第1高熱伝導部材89あるいは第2高熱伝導部材90をグラファイトにより構成することにより、第1高熱伝導部材89あるいは第2高熱伝導部材90における長手方向の伝熱効率が厚み方向(つまり、部材の積層方向)に比べて大きくなり、ヒータホルダ64への伝熱を抑制できる。従って、ヒータ63の長手方向の温度ムラを効率よく抑制するとともに、ヒータホルダ64側へ流出する熱を最小限に抑えることができる。また第1高熱伝導部材89あるいは第2高熱伝導部材90をグラファイトにより構成することにより、700度程度まで酸化しない優れた耐熱性を第1高熱伝導部材89あるいは第2高熱伝導部材90に持たせることができる。
グラファイトシートの物性や寸法は、第1高熱伝導部材89あるいは第2高熱伝導部材90に求められる機能に応じて適宜変更できる。例えば、高純度のグラファイトあるいは単結晶グラファイトを用いる、あるいは、グラファイトシートの厚みを大きくすることにより、その熱伝導の異方性を高めることができる。また、定着装置を高速化するために、厚みの小さいグラファイトシートを用いて定着装置の熱容量を小さくしてもよい。また、ニップ部N及びヒータ63の幅が大きい場合には、それに合わせて第1高熱伝導部材89あるいは第2高熱伝導部材90の長手方向の幅を大きくしてもよい。
機械的強度を高める観点から、グラファイトシートの層数は11以上であることが好ましい。またグラファイトシートは部分的に単層と多層の部分とを含んでいてもよい。
第2高熱伝導部材90は、長手方向において、間隔B(さらに拡大分割領域C)に対応する位置で、隣り合う抵抗発熱体56の少なくとも一部に重なる位置に設けられればよく、図42の配置に限らない。例えば、図44に示される例のように、第2高熱伝導部材90Aは、長手交差方向(矢印Y方向)において、基材55よりも長手交差方向の両側へ飛び出して設けられていてもよい。また、第2高熱伝導部材90Bは、長手交差方向において、抵抗発熱体56が設けられる範囲に設けられていてもよい。また、第2高熱伝導部材90Cは、間隔Bの一部に設けられていてもよい。
また、図45に示される別の実施形態においては、第1高熱伝導部材89とヒータホルダ64との間に厚み方向(図45における左右方向)の隙間が設けられている。つまり、ヒータ63、第1高熱伝導部材89、及び第2高熱伝導部材90が配置されるヒータホルダ64の凹部64b(図41参照)の一部の領域に、断熱層としての逃げ部64cが設けられている。逃げ部64cは、第2高熱伝導部材90(図45においては図示省略)が設けられる部分以外の長手方向の一部の領域に設けられる。また、逃げ部64cは、ヒータホルダ64の凹部64bの深さをその他の部分よりも深くすることにより形成されている。これにより、ヒータホルダ64と第1高熱伝導部材89との接触面積を最小限にとどめることができるので、第1高熱伝導部材89からヒータホルダ64への伝熱が抑制され、ヒータ63によって定着ベルト61を効率的に加熱できるようになる。なお、長手方向の第2高熱伝導部材90が設けられる断面においては、上記図40に示される実施形態のように、第2高熱伝導部材90がヒータホルダ64に当接する。
また、本実施形態においては、逃げ部64cが、長手交差方向(図45における上下方向)において、抵抗発熱体56が設けられた範囲全域に渡って設けられている。これにより、第1高熱伝導部材89からヒータホルダ64への伝熱が効果的に抑制され、ヒータ63による定着ベルト61の加熱効率が向上する。なお、断熱層として、逃げ部64cのように空間を設ける構成の他、ヒータホルダ64よりも熱伝導率の低い断熱部材を設ける構成であってもよい。
また、本実施形態においては、第2高熱伝導部材90を第1高熱伝導部材89とは異なる部材として設けたが、これに限らない。例えば、第1高熱伝導部材89の間隔Bに対応する部分を、その他の部分よりも厚みを大きくすることにより、第1高熱伝導部材89が第2高熱伝導部材90の機能を兼ねるようにしてもよい。
以上の説明においては、本発明を、ベルト式加熱装置(回転体駆動装置)の一例である定着装置に適用する場合を例に説明した。しかしながら、本発明は、定着装置に限らず、用紙に塗布されたインクなどの液体を乾燥させる乾燥装置、被覆部材としてのフィルムを用紙などのシートの表面に熱圧着させるラミネータ、包材のシール部を熱圧着するヒートシーラーなどの加熱装置であってもよい。また、本発明は、ヒータなどの加熱源を有しない回転体駆動装置にも適用可能である。