JP7728850B2 - フォトクロミック化合物、フォトクロミック組成物、フォトクロミック物品及び眼鏡 - Google Patents
フォトクロミック化合物、フォトクロミック組成物、フォトクロミック物品及び眼鏡Info
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Description
本発明及び本明細書において、一般式1で表される化合物に含まれる置換基及び後述する各種一般式で表される化合物に含まれる各種置換基は、それぞれ独立に、
ヒドロキシ基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等の炭素数1~18の直鎖若しくは分岐のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数5~18の単環若しくはビシクロ環等の複環の環状脂肪族アルキル基、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等の構成原子数1~24の直鎖若しくは分岐のアルコキシ基、構成原子数1~24の非芳香族環状置換基、トリフルオロメチル基等の炭素数1~18の直鎖若しくは分岐のパーフルオロアルキル基、トリフルオロメトキシ基等の直鎖若しくは分岐のパーフルオロアルコキシ基、メチルスルフィド基、エチルスルフィド基、ブチルスルフィド基等の構成原子数1~24の直鎖若しくは分岐のアルキルスルフィド基、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、フェナントリル基、ピラニル基、ペリレニル基、スチリル基、フルオレニル基等のアリール基、フェニルオキシ基等のアリールオキシ基、フェニルスルフィド基等のアリールスルフィド基、ピリジル基、フラニル基、チエニル基、ピロリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、インドリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、カルバゾリル基、ジアゾリル基、トリアゾリル基、キノリニル基、フェノチアジニル基、フェノキサジニル基、フェナジニル基、チアンスリル基、アクリジニル基等のヘテロアリール基、アミノ基(-NH2)、モノメチルアミノ基等のモノアルキルアミノ基、ジメチルアミノ基等のジアルキルアミノ基、モノフェニルアミノ基等のモノアリールアミノ基、ジフェニルアミノ基等のジアリールアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、チオモルホリノ基、テトラヒドロキノリノ基、テトラヒドロイソキノリノ基等の環状アミノ基、エチニル基、メルカプト基、シリル基、スルホン酸基、アルキルスルホニル基、ホルミル基、カルボキシ基、シアノ基及びフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子からなる群から選ばれる置換基Rm;又は、
Rmに更に1つ以上の同一若しくは異なるRmが置換した置換基;
であることができる。2つ以上の置換基が結合して環構造を形成してもよい。
一般式4中のR10~R15、B及びB’、
一般式5中のR10~R17、B及びB’、
一般式6中のR10~R17、B及びB’、
一般式7中のR10~R19、B及びB’、
一般式8中のR10~R21、B及びB’、
一般式9中のR10~R19、B及びB’、
一般式10中のR10~R20、B及びB’、
一般式11中のR10~R19、B及びB’、
は、それぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。
ただし、
一般式3中のR10~R15、B及びB’のいずれか1つは下記一般式2で表される部分構造を表す。
一般式4中のR10~R15、B及びB’のいずれか1つは下記一般式2で表される部分構造を表す。
一般式5中のR10~R17、B及びB’のいずれか1つは下記一般式2で表される部分構造を表す。
一般式6中のR10~R17、B及びB’のいずれか1つは下記一般式2で表される部分構造を表す。
一般式7中のR10~R19、B及びB’のいずれか1つは下記一般式2で表される部分構造を表す。
一般式8中のR10~R21、B及びB’のいずれか1つは下記一般式2で表される部分構造を表す。
一般式9中のR10~R19、B及びB’のいずれか1つは下記一般式2で表される部分構造を表す。
一般式10中のR10~R20、B及びB’のいずれか1つは下記一般式2で表される部分構造を表す。
一般式11中のR10~R19、B及びB’のいずれか1つは下記一般式2で表される部分構造を表す。
一形態では、一般式7中、R12~R15が、いずれも水素原子を表すことができる。
本発明の一態様は、一般式1で表されるフォトクロミック化合物を1種以上含むフォトクロミック組成物に関する。
また、本発明の一態様は、一般式1で表されるフォトクロミック化合物を1種以上含むフォトクロミック物品に関する。
上記フォトクロミック物品は、フォトクロミック物品の種類に応じて選択された基材を含むことができる。基材の一例として、眼鏡レンズ基材としては、プラスチックレンズ基材又はガラスレンズ基材が挙げられる。ガラスレンズ基材は、例えば無機ガラス製のレンズ基材であることができる。プラスチックレンズ基材としては、(メタ)アクリル樹脂をはじめとするスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アリル樹脂、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート樹脂(CR-39)等のアリルカーボネート樹脂、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、イソシアネート化合物とジエチレングリコール等のヒドロキシ化合物との反応で得られたウレタン樹脂、イソシアネート化合物とポリチオール化合物とを反応させたチオウレタン樹脂、分子内に1つ以上のジスルフィド結合を有する(チオ)エポキシ化合物を含有する硬化性組成物を硬化した硬化物(一般に透明樹脂と呼ばれる。)を挙げることができる。レンズ基材としては、染色されていないもの(無色レンズ)を用いてもよく、染色されているもの(染色レンズ)を用いてもよい。レンズ基材の屈折率は、例えば、1.50~1.75程度であることができる。ただしレンズ基材の屈折率は、上記範囲に限定されるものではなく、上記の範囲内でも、上記の範囲から上下に離れていてもよい。ここで屈折率とは、波長500nmの光に対する屈折率をいうものとする。また、レンズ基材は、屈折力を有するレンズ(いわゆる度付レンズ)であってもよく、屈折力なしのレンズ(いわゆる度なしレンズ)であってもよい。
フォトクロミック層は、基材の表面上に直接又は一層以上の他の層を介して間接的に設けられた層であることができる。フォトクロミック層は、例えば、重合性組成物を硬化した硬化層であることができる。一般式1で表されるフォトクロミック化合物の1種以上と、重合性化合物の1種以上と、を少なくとも含む重合性組成物を硬化した硬化層として、フォトクロミック層を形成することができる。例えば、かかる重合性組成物を基材の表面上に直接塗布するか、又は基材上に設けられた層の表面に塗布し、塗布された重合性組成物に硬化処理を施すことによって、一般式1で表されるフォトクロミック化合物の1種以上を含む硬化層として、フォトクロミック層を形成することができる。塗布方法としては、スピンコート法、ディップコート法、スプレーコート法、インクジェット法、ノズルコート法、スリットコート法等の公知の塗布方法を採用することができる。硬化処理は、光照射及び/又は加熱処理であることができる。重合性組成物は、1種以上の重合性化合物に加えて、1種以上の添加剤(例えば重合開始剤等)を更に含むことができる。重合性化合物の重合反応が進行することによって重合性組成物が硬化し硬化層が形成され得る。
本発明及び本明細書において、重合性化合物とは、1分子中に1つ以上の重合性基を有する化合物をいい、「重合性基」とは、重合反応し得る反応性基をいうものとする。重合性基としては、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、ビニルエーテル基、エポキシ基、チオール基、オキセタン基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、イソシアネート基等を挙げることができる。
エピスルフィド系化合物は、1分子内に2個以上のエピスルフィド基を有する化合物である。エピスルフィド基は、開環重合し得る重合性基である。エピスルフィド系化合物の具体例としては、ビス(1,2-エピチオエチル)スルフィド、ビス(1,2-エピチオエチル)ジスルフィド、ビス(2,3-エピチオプロピル)スルフィド、ビス(2,3-エピチオプロピルチオ)メタン、ビス(2,3-エピチオプロピル)ジスルフィド、ビス(2,3-エピチオプロピルジチオ)メタン、ビス(2,3-エピチオプロピルジチオ)エタン、ビス(6,7-エピチオ-3,4-ジチアヘプチル)スルフィド、ビス(6,7-エピチオ-3,4-ジチアヘプチル)ジスルフィド、1,4-ジチアン-2,5-ビス(2,3-エピチオプロピルジチオメチル)、1,3-ビス(2,3-エピチオプロピルジチオメチル)ベンゼン、1,6-ビス(2,3-エピチオプロピルジチオメチル)-2-(2,3-エピチオプロピルジチオエチルチオ)-4-チアヘキサン、1,2,3-トリス(2,3-エピチオプロピルジチオ)プロパン、1,1,1,1-テトラキス(2,3-エピチオプロピルジチオメチル)メタン、1,3-ビス(2,3-エピチオプロピルジチオ)-2-チアプロパン、1,4-ビス(2,3-エピチオプロピルジチオ)-2,3-ジチアブタン、1,1,1-トリス(2,3-エピチオプロピルジチオ)メタン、1,1,1-トリス(2,3-エピチオプロピルジチオメチルチオ)メタン、1,1,2,2-テトラキス(2,3-エピチオプロピルジチオ)エタン、1,1,2,2-テトラキス(2,3-エピチオプロピルジチオメチルチオ)エタン、1,1,3,3-テトラキス(2,3-エピチオプロピルジチオ)プロパン、1,1,3,3-テトラキス(2,3-エピチオプロピルジチオメチルチオ)プロパン、2-[1,1-ビス(2,3-エピチオプロピルジチオ)メチル]-1,3-ジチエタン、2-[1,1-ビス(2,3-エピチオプロピルジチオメチルチオ)メチル]-1,3-ジチエタン等を挙げることができる。
チエタニル系化合物は、1分子内に2個以上のチエタニル基を有するチエタン化合物である。チエタニル基は、開環重合し得る重合性基である。チエタニル系化合物の中には、複数のチエタニル基と共にエピスルフィド基を有するものがある。かかる化合物は、上記のエピスルフィド系化合物の例に挙げられている。その他のチエタニル系化合物には、分子内に金属原子を有している含金属チエタン化合物と、金属を含んでいない非金属系チエタン化合物とがある。
ポリアミン化合物は、一分子中にNH2基を2つ以上有する化合物であり、ポリイソシアネートとの反応でウレア結合を形成することができ、ポリイソチオシアネートとの反応でチオウレア結合を形成することができる。ポリアミン化合物の具体例としては、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、ノナメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、メタキシレンジアミン、1,3-プロパンジアミン、プトレシン、2-(2-アミノエチルアミノ)エタノ-ル、ジエチレントリアミン、p-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、メラミン、1,3,5-ベンゼントリアミン等が挙げられる。
エポキシ系化合物は、分子内にエポキシ基を有する化合物である。エポキシ基は、開環重合し得る重合性基である。エポキシ系化合物は、一般に、脂肪族エポキシ化合物、脂環族エポキシ化合物及び芳香族エポキシ化合物に分類される。
ラジカル重合性基を有する化合物は、ラジカル重合し得る重合性基である。ラジカル重合性基としては、アクリロイル基、メタクリロイル基、アリル基、ビニル基等が挙げられる。
本発明の一態様は、上記フォトクロミック物品の一形態である眼鏡レンズを備えた眼鏡に関する。この眼鏡に含まれる眼鏡レンズの詳細については、先に記載した通りである。上記眼鏡は、かかる眼鏡レンズを備えることにより、例えば屋外ではフォトクロミック化合物が太陽光の照射を受けて着色することでサングラスのように防眩効果を発揮することができ、屋内に戻るとフォトクロミック化合物が退色することで透過性を回復することができる。上記眼鏡について、フレーム等の構成については、公知技術を適用することができる。
純度の分析には高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いた。HPLCとしては、島津製作所製LC-2040Cを用いた。カラムにはYMC-Triart C18を用い、測定温度を40℃に設定した。移動相はトリフルオロ酢酸を0.1%含んだ水とアセトニトリルの混合溶媒を用い、流速は0.4mL/min.とした。
質量分析には日本ウォーターズ製ACQUITY UPLC H-Classシステム(UPLC)に質量分析ユニットとしてSQD2を装備した装置を用いた。カラムはACQUITY UPLC BEH C18を用い、測定温度を40℃に設定した。移動相はギ酸を添加した水とアセトニトリルの混合溶媒を用い、濃度勾配を付けて流速0.61mL/min.で流した。イオン化はエレクトロスプレーイオン化(ESI)法を用いた。
CHN(炭素・水素・窒素)元素分析は燃焼法により実施した。
表1に示す反応物から、以下の方法によって下記例示化合物1を得た。
アルゴン雰囲気下、表1に示す反応物1(1.0g,4mmol)及び反応物2(3.5g,8mmol)のトルエン溶液(36mL)に、p-トルエンスルホン酸一水和物(0.15g,0.80mmol)を添加し、室温で終夜撹拌した。水酸化ナトリウム水溶液(1.0M,37mL)を添加し、約20分間撹拌した。不純物をろ過で取り除き、トルエン(30mL×2)で抽出後、併せた有機層を水(20mL×2)で洗浄し、濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2:200g,ヘプタン/クロロホルム(体積基準)=70/30~60/40)で精製した(1.2g,褐色固体)。得られた固体をヘプタン/酢酸エチル(2/1(体積基準),90mL)に懸濁させ、約30分間超音波処理を行い、ろ過及び乾燥することにより、最終生成物として、例示化合物1を薄紫色固体(0.8g)として得た。以下において、例示化合物1とは、表1中の実施例1の生成物を示す。他の実施例についても同様である。比較化合物1とは、表1の比較例1の精製物を示す。他の比較例についても同様である。
核磁気共鳴装置(NMR)にて構造同定を行った。
HPLCにより純度を分析したところ面積比で表1に示す値であった。
質量分析の結果、表1に示す精密質量の計算値に対し、表1に示す実測値(M+,相対強度100)であった。
燃焼法によるCHN元素分析の結果、表1に示す計算値に対し、実測値は表1に示す値であった。
以上の分析結果より総合的に目的化合物である、例示化合物1が生成していることを確認した。
化合物の合成に使用した反応物1及び反応物2として、それぞれ表1に示す反応物を使用した点以外は上記と同様の操作により、例示化合物2~16及び比較化合物1~3をそれぞれ得た。
得られた生成物の分析を、先に記載した方法によって行った。分析結果を表1(表1-1~表1-5)に示す。
<溶液スペクトルの測定、退色速度の評価>
実施例1~16及び比較例1~3について、各化合物を、安定剤を含有しないクロロホルムに溶解し、この化合物のクロロホルム溶液を調製した。
調製した溶液を入れた1cm角の石英分光セルに蓋をし、紫外線光源として浜松ホトニクス製UV-LED(LIGHTNINGCURE LC-L1V5及びL14310-120を組み合わせたもの、出力70%)を用いて紫外線を15秒間照射した。紫外線照射中は小型スターラーで溶液を撹拌した。紫外線照射終了から10秒以内に紫外可視分光光度計(島津製作所製UV-1900i、測定波長700~400nm、波長2nm刻み、サーベイモード)で吸光度を計測した。吸光度の計測は室温(20~30℃)で行った。なお、溶液の濃度は第一吸収波長(最も長波長に観察される吸収強度のピーク)の吸光度が0.95~1.05になるように調製した。更に10秒おきに吸光度の計測を行い、吸光度の減衰を計測した。第一回目の吸光度測定の第一吸収波長のピークが1になるように規格化し、その後の吸光度の減衰を計測し、時間による吸光度変化から退色の初期100秒間(11回の吸光度測定)のデータを一次反応のモデルで解析し、反応速度定数を求めた。[A0]を着色体の初期濃度、即ち、吸光度を規格化した値である1、[A]を一定時間後の着色体の濃度、即ち、規格化された吸光度の値、tを時間(秒)、kを速度定数とすると一次反応は以下の式で表すことができる。
表1に、実施例1~16及び比較例1~3のそれぞれについて求められた反応速度定数を示す。表1に示す結果から、実施例1~16の各化合物が、比較例1~3の比較化合物1~3と比べて退色速度が速いことが確認できる。
<フォトクロミック組成物(重合性組成物)の調製>
プラスチック製容器内で、(メタ)アクリレートの合計100質量部に対して、68質量部のポリエチレングリコールジアクリレート、12質量部のトリメチロールプロパントリメタクリレート、20質量部のネオペンチルグリコールジメタクリレートを混合し、(メタ)アクリレート混合物を調製した。この(メタ)アクリレート混合物100質量部に対して、3質量部となるように例示化合物1を混合した。更に、光重合開始剤(フェニルビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド)、酸化防止剤[ビス(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオン酸)][エチレンビス(オキシエチレン)]及び光安定化剤(セバシン酸ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル))を混合し、十分に撹拌した後、シランカップリング剤(γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン)を撹拌しながら滴下した。その後、自動公転方式撹拌脱泡装置で脱泡した。
以上の方法により、フォトクロミック組成物を調製した。
プラスチックレンズ基材(HOYA社製商品名EYAS:中心厚2.5mm、直径75mm、球面レンズ度数-4.00)を濃度10質量%の水酸化ナトリウム水溶液(液温60℃)に5分間浸漬処理することでアルカリ洗浄し、更に純水で洗浄し乾燥させた。その後、このプラスチックレンズ基材の凸面に対して、水系ポリウレタン樹脂液(ポリカーボネートポリオール系ポリウレタンエマルジョン、粘度100cPs、固形分濃度38質量%)を室温且つ相対湿度40~60%の環境において、ミカサ社製スピンコーターMS-B150を用い、回転数1500rpmで1分間スピンコート法により塗布した後、15分間自然乾燥させることにより、厚さ5.5μmのプライマー層を形成した。
上記で調製したフォトクロミック組成物を、上記プライマー層の上に滴下し、ミカサ社製MS-B150を用い、回転数500rpmから1500rpmまで1分間かけてスロープモードで回転数を変化させ、更に1500rpmで5秒間回転させるプログラムを用いたスピンコート法により塗布した。その後、プラスチックレンズ基材上に形成されたプライマー層上に塗布された上記フォトクロミック組成物に対し、窒素雰囲気中(酸素濃度500ppm以下)で紫外線(主波長405nm)を40秒間照射し、この組成物を硬化させてフォトクロミック層を形成した。形成されたフォトクロミック層の厚さは45μmであった。
こうして、フォトクロミック物品(眼鏡レンズ)を作製した。
JIS T7333:2005に準じた以下の方法によって視感透過率を求めた。
上記眼鏡レンズの凸面に向けて、キセノンランプを光源に用いてエアロマスフィルターを介した光を15分間照射し、フォトクロミック層を着色させた。この照射光はJIS T7333:2005に規定されているように放射照度及び放射照度の許容差が表2に示す値となるように行った。この着色時の透過率を大塚電子製分光光度計により測定した。
退色速度は以下の方法により評価した。
上記眼鏡レンズの光照射前(未着色状態)の透過率(測定波長:550nm)を大塚電子製分光光度計により測定した。ここで測定された透過率を「初期透過率」と呼ぶ。
各眼鏡レンズに対し、キセノンランプを光源に用いてエアロマスフィルターを介した光を15分間照射し、フォトクロミック層を着色させた。この照射光はJIS T7333:2005に規定されているように放射照度及び放射照度の許容差が表2に示す値となるように行った。この着色時の透過率を初期透過率と同様に測定した。ここで測定された透過率を「着色時透過率」と呼ぶ。
その後、光照射を止めた時間から透過率が、[(初期透過率-着色時透過率)/2]となるまでに要する時間を測定した。
例示化合物1を含む上記眼鏡レンズは、着色時の視感透過率T%が36%、半減時間が245秒であった。
以上の結果から、上記眼鏡レンズが、紫外線照射前後で視感透過率が変化し、また、紫外線の照射を止めると経時的に元の状態に戻るフォトクロミック性能を示す眼鏡レンズ(フォトクロミックレンズ)であることが確認された。
Claims (14)
- 下記一般式3で表されるフォトクロミック化合物。
(一般式3中のR 10 ~R 15 は、それぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。ただし、一般式3中のR 11 、B及びB’のいずれか1つは下記一般式2で表される部分構造を表す。R 11 が下記一般式2で表される部分構造を表す場合、B及びB’は、それぞれ独立に無置換若しくは置換基を有するアリール基を表す。B及びB’の一方が下記一般式2で表される部分構造を表す場合、他方は無置換若しくは置換基を有するアリール基を表す。)
(一般式2中、aは1であり、Azは下記(b)または下記(c)のアジン環基を表し、bは0または1であり、bが1の場合、Lは無置換若しくは置換基を有するアリーレン基又は無置換若しくは置換基を有するヘテロアリーレン基を表し、cは1である。*は隣り合う原子との結合位置を表す。)
(上記(b)において、R 1 及びR 2 はフェニル基を表し、R 3 は水素原子を表す。上記(c)において、R 1 及びR 2 は、それぞれ独立にフェニル基又はメトキシ基を表す。*は、bが1の場合はLとの結合位置を表し、*は隣り合う原子との結合位置を表す。) - 下記一般式5で表されるフォトクロミック化合物。
(一般式5中のR 10 ~R 17 は、それぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。B及びB’の一方は下記一般式2で表される部分構造を表し、他方は無置換若しくは置換基を有するアリール基を表す。)
(一般式2中、aは1であり、Azは下記(b)または下記(c)のアジン環基を表し、bは0または1であり、bが1の場合、Lは無置換若しくは置換基を有するアリーレン基又は無置換若しくは置換基を有するヘテロアリーレン基を表し、cは1である。*は隣り合う原子との結合位置を表す。)
(上記(b)において、R 1 及びR 2 はフェニル基を表し、R 3 は水素原子を表す。上記(c)において、R 1 及びR 2 は、それぞれ独立にフェニル基又はメトキシ基を表す。*は、bが1の場合はLとの結合位置を表し、*は隣り合う原子との結合位置を表す。) - 下記一般式7で表されるフォトクロミック化合物。
(一般式7中のR 10 ~R 19 は、それぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。ただし、一般式7中のR 13 、B及びB’のいずれか1つは下記一般式2で表される部分構造を表す。R 13 が下記一般式2で表される部分構造を表す場合、B及びB’は、それぞれ独立に無置換若しくは置換基を有するアリール基を表す。B及びB’の一方が下記一般式2で表される部分構造を表す場合、他方は無置換若しくは置換基を有するアリール基を表す。)
(一般式2中、aは1であり、Azは下記(b)または下記(c)のアジン環基を表し、bは0または1であり、bが1の場合、Lは無置換若しくは置換基を有するアリーレン基又は無置換若しくは置換基を有するヘテロアリーレン基を表し、cは1である。*は隣り合う原子との結合位置を表す。)
(上記(b)において、R 1 及びR 2 はフェニル基を表し、R 3 は水素原子を表す。上記(c)において、R 1 及びR 2 は、それぞれ独立にフェニル基又はメトキシ基を表す。*は、bが1の場合はLとの結合位置を表し、*は隣り合う原子との結合位置を表す。) - 一般式7中、R12~R15が、いずれも水素原子を表す、請求項3に記載のフォトクロミック化合物。
- 下記一般式10で表されるフォトクロミック化合物。
(一般式10中のR 10 ~R 20 は、それぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。B及びB’の一方は下記一般式2で表される部分構造を表し、他方は無置換若しくは置換基を有するアリール基を表す。)
(一般式2中、aは1であり、Azは下記(b)または下記(c)のアジン環基を表し、bは0または1であり、bが1の場合、Lは無置換若しくは置換基を有するアリーレン基又は無置換若しくは置換基を有するヘテロアリーレン基を表し、cは1である。*は隣り合う原子との結合位置を表す。)
(上記(b)において、R 1 及びR 2 はフェニル基を表し、R 3 は水素原子を表す。上記(c)において、R 1 及びR 2 は、それぞれ独立にフェニル基又はメトキシ基を表す。*は、bが1の場合はLとの結合位置を表し、*は隣り合う原子との結合位置を表す。) - 請求項1~5のいずれか1項に記載のフォトクロミック化合物を含むフォトクロミック組成物。
- 重合性化合物を更に含む、請求項6に記載のフォトクロミック組成物。
- 請求項7に記載のフォトクロミック組成物を硬化した硬化物を含むフォトクロミック物品。
- 基材と、前記硬化物であるフォトクロミック層とを有する、請求項8に記載のフォトクロミック物品。
- 眼鏡レンズである、請求項8又は9に記載のフォトクロミック物品。
- ゴーグル用レンズである、請求項8又は9に記載のフォトクロミック物品。
- サンバイザーのバイザー部分である、請求項8又は9に記載のフォトクロミック物品。
- ヘルメットのシールド部材である、請求項8又は9に記載のフォトクロミック物品。
- 請求項10に記載の眼鏡レンズを備えた眼鏡。
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