以下、適宜図面を参照して本開示の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は、本開示を具体化した一例にすぎず、本開示の技術的範囲を限定するものではない。また、各実施形態において、他の実施形態と共通する構成については、他の実施形態の各構成に用いた符号と同じ符号を付し示すことにより、その詳細な説明を省略する。
[第1実施形態]
図1は、本開示の第1実施形態に係るタイヤ異常判定システム100(以下、単に判定システム100と称する。)の構成を示すブロック図である。判定システム100は、本開示のタイヤ異常判定システムの一例であって、車両50に装着されて使用されるタイヤ1の状態を判定可能に構成されている。詳細には、判定システム100は、タイヤ1の異常の前兆の有無を判定することが可能であり、また、タイヤ1の異常の有無を判定することが可能である。
ここで、判定対象であるタイヤ1は、内部に圧縮空気が充填されない所謂非空気入りタイヤ(non-pneumatic tire)である。
[タイヤ異常判定システム100の構成]
図1に示すように、判定システム100は、主として、異常判定装置10(本開示のタイヤ異常判定装置の一例)と、データベース部30と、を備えており、これらが有線或いは無線による通信ネットワークによって通信可能に接続されている。また、異常判定装置10は、通信装置40と通信可能に接続されている。前記通信ネットワークは、例えば、LANなどで接続された有線通信網、あるいは、専用回線や公衆回線等の無線通信網又は有線通信網である。
異常判定装置10は、判定システム100を構成する一要素である。異常判定装置10は、車両50の制御ユニット60(図2参照)から送信される後述の状態データ(本開示の劣化関連情報の一例)などを用いて、後述の異常判定処理(図7参照)を実行する。これにより、判定システム100は、タイヤ1における異常の前兆の有無、或いは異常の有無を判定できる。また、判定システム100は、前記以上判定処理による判定結果を、車両50に搭載された表示装置502(本開示の表示装置の一例)や、車両50のドライバー(運転手)が所有する情報端末71(本開示の端末装置の一例)、車両50の修理やメンテナンス、タイヤ1の交換などの補修作業を行う補修事業所に設置された情報端末72(本開示の端末装置の一例)などの外部装置に出力する。表示装置502、情報端末71,72は、本開示の所定の出力先の一例である。なお、車両50がICT端末としての機能を有する所謂コネクテッドカーである場合は、車両50そのものを本開示の所定の出力先と捉えることもできる。
異常判定装置10は、各種演算処理を実行可能な情報処理装置或いはサーバー装置であり、具体的には、前記通信ネットワークに接続されたサーバーコンピュータ、クラウドサーバ、或いはパーソナルコンピュータなどのコンピュータである。なお、異常判定装置10は、1台のコンピュータに限らず、複数台のコンピュータが協働して動作するコンピュータシステム、或いはクラウドコンピューティングシステムであってもよい。また、異常判定装置10で実行される各種の処理は、一つ又は複数のプロセッサによって分散して実行されてもよい。異常判定装置10には、判定システム100を稼働するためのプログラム或いはコンピュータソフトウェアがインストールされている。
本実施形態では、判定システム100の一例として、異常判定装置10が一台の車両50との間でデータ通信を行い、後述の状態データなどを取得したり、各種演算処理を実行して前記異常判定処理を行うシステムを例示するが、判定システム100はこのような構成に限られない。例えば、判定システム100は、複数台の車両50との間でデータ通信を行い、車両50それぞれから後述の状態データなどを取得し、各車両50に装着されたタイヤ1それぞれについて前記異常判定処理を実行してもよい。この場合、異常判定装置10は、例えば、複数台の登録済みの車両50を統括的に管理する中央管理センターに設置される。
データベース部30は、前記通信ネットワークに通信可能に接続されたHDD又はSSDなどの記憶装置である。データベース部30には、判定システム100において取り扱われる各種データが格納されている。データベース部30は、異常判定装置10とデータ通信可能な他のサーバー装置内の記憶装置、或いは、前記通信ネットワーク上で単独でデータの送受信が可能なネットワーク接続型記憶装置(Network Attached Storage)などである。なお、データベース部30は、インターネットを介して接続された所謂クラウドストレージであってもよい。また、データベース部30は、異常判定装置10内に設けられた記憶装置であってもよく、また、異常判定装置10とローカルネットワークによって接続された記憶装置であってもよい。
通信装置40は、専用回線や公衆回線、携帯電話回線等を用いた無線通信網によって、車両50や情報端末71,72などの外部装置と異常判定装置10とを通信可能に接続する。通信装置40は、車両50や前記情報端末71,72等の外部装置との間で、データや信号の送受信を行う。例えば、通信装置40は、車両50と通信して、車両50から出力される後述の状態データを受信する。通信装置40は、車両50から前記状態データを受信した場合に、受信した前記状態データを異常判定装置10に送信する。
また、通信装置40は、異常判定装置10から出力される各種演算結果や通知を車両50、或いは情報端末71,72に送信する。通信装置40は、アンテナ(不図示)を備えており、前記アンテナは、車両50の制御ユニット60が備える通信部63(図5参照)や、情報端末71,72が備える通信部(不図示)などとの間で行われる無線通信に用いられる。
情報端末71,72は、スマートフォンや、タブレット端末、ノートパソコン、デスクトップパソコンなどの情報処理装置である。情報端末71は、例えば、車両50の所有者或いはドライバーであるユーザーに関連付けられた情報処理装置であり、具体的には、前記ユーザーが使用する情報処理装置である。また、情報端末72は、車両50の修理やメンテナンスなどの補修作業を行う補修事業所に関連付けられた情報処理装置であり、具体的には、前記補修事業所に設置された情報処理装置、或いは、前記補修事業所の従業員が使用する情報処理装置である。
情報端末71,72は、異常判定装置10で実行される各種演算処理の演算結果や通知を異常判定装置10から受信すると、情報端末71,72が備える表示部の表示画面に前記演算結果や前記通知を表示する。したがって、情報端末71,72には、判定システム100と連携して異常判定装置10から各種情報を受信したり、前記演算結果や前記通知を表示画面に表示したりするためのプログラム或いはコンピュータソフトウェアがインストールされている。
[車両50]
以下、図2乃至図5を参照して、タイヤ1が装着された車両50について説明する。ここで、図2は、車両50の一例を示す模式図である。図3は、車両50に装着されるタイヤ1の構成を示す斜視図であり、図4は、タイヤ1の軸方向の断面図である。図5は、車両50の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、車両50は、例えば四輪の乗用車であり、前後に合計四つの車輪を備えている。車両50の各車輪にタイヤ1が装着されている。本実施形態では、車両50は、例えばフロントエンジン・フロントドライブ車(FF車)であり、前輪に装着されたタイヤ1Fが駆動タイヤであり、後輪に装着されたタイヤ1Rが従動タイヤである。なお、車両50の駆動方式や操舵方式は特に限定されず、車両50は、FF車とは異なる駆動方式であってもよく、前輪操舵方式とは異なる操舵方式であってもよい。
また、車両50は、四輪の乗用車に限られず、四輪以外の乗用車、トラックやバス等の大型車両、自動二輪車、競技用車両、産業用車両、特殊車両、トレーラーや台車等の荷重用車両などであってもよい。
タイヤ1は、これらの多種多様な車両に使用される非空気入りタイヤである。本実施形態では、図3及び図4に示すように、乗用車用のタイヤ1を例示する。タイヤ1は、路面に接地されるトレッド面2Sを有する円環状のトレッドリング2(本開示のトレッド部の一例)と、トレッドリング2の径方向の内側に配置されたハブ部3(本開示のハブ部の一例)と、スポーク部4(本開示のスポーク部の一例)と、を備える。なお、前記径方向は、タイヤ1の回転軸方向に垂直な方向である。
トレッドリング2は、空気入りタイヤにおけるトレッド部に相当する部位であり、トレッド面2Sをなすトレッドゴム2Aと、補強コード層2Bとを有する。補強コード層2Bは、トレッドリング2においてトレッドゴム2Aよりも前記径方向の内側に配置されている。
トレッドゴム2Aとしては、接地に対する摩擦力や耐摩耗性に優れるゴム組成物が好適である。例えば、トレッドゴム2Aは、天然ゴム(NR)やSBR(スチレンブタジエンゴム)等のゴム成分を主成分とするゴム材料で形成される。トレッドゴム2Aは、タイヤ工業で用いられるゴム成分を主成分とするものであればよく、前記ゴム成分は特に限定されない。また、トレッドゴム2Aの表面部分のトレッド面2Sには、種々なパターン形状のトレッド溝(不図示)が形成されている。
補強コード層2Bは、複数の層で構成されており、前記径方向の外側に配置されるアウターブレーカ5と、前記径方向の内側に配置されるインナーブレーカ6と、これらの間に配置される高弾性ゴムからなる剪断ゴム層7と、を有する。
アウターブレーカ5は、複数枚(例えば2枚)のアウタープライにより構成される。前記アウタープライは、タイヤ周方向に対して5度~85度、好ましくは10度~35度の角度でスチールコード等の高弾性の補強コードを傾斜させて配列させたコード層である。各アウタープライそれぞれの前記補強コードは、互いに交差するように配置されている。
インナーブレーカ6は、スチールコード等の高弾性の補強コードをタイヤ周方向に螺旋状に巻回した1枚以上のインナープライにより構成される。剪断ゴム層7は、複素弾性率E*が、好ましくは70MPa以上、更に好ましくは90MPa以上の高弾性ゴムにより構成される。
補強コード層2Bは、高弾性ゴムからなる剪断ゴム層7を前記径方向の両側からアウターブレーカ5とインナーブレーカ6とにより挟み込まれたサンドウィッチ構造を有する。このため、トレッドリング2の剛性が大幅に高められ、高い転動性能を実現することができる。
ハブ部3は、タイヤホイールに相当するものであり、車両50の車軸J(図4参照)に固定される部分である。ハブ部3は、車軸Jに固定される円盤状のディスク部3Aと、ディスク部3Aの前記径方向の外側の端部(外端部)に一体に形成される円筒状のスポーク取付け部3Bと、を有する。ディスク部3Aの中央には、車軸Jの前端部Ja が挿通されるハブ孔3A1が形成されている。また、ディスク部3Aにおいて、ハブ孔3A1の周囲には、車軸Jのボルト部Jbが挿通される複数のボルト挿通孔3A2が形成されている。ハブ部3は、前記タイヤホイールと同様に、例えば、スチール、アルミ合金、マグネシウム合金等の金属材料によって構成されている。もちろん、ハブ部3は、上述の金属材料と同等の剛性、及び強度を有する合成樹脂などの高分子材料で構成されていてもよい。
スポーク部4は、トレッドリング2とハブ部3とを連結するものであり、例えば、合成樹脂などの高分子材料で構成されている。スポーク部4は、高分子材料による注型成形によって、トレッドリング2及びハブ部3と一体に成形される。高分子材料としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などが好適であり、安全性の観点から、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコン系樹脂、ポリイミド系樹脂、メラミン系樹脂などの熱硬化性樹脂が好適であり、特に、弾性特性に優れるウレタン系樹脂がより好適である。
スポーク部4は、トレッドリング2の内周面に接合されるトレッド側環状部8と、ハブ部3の外周面に接合されるハブ側環状部9と、ハブ側環状部9からトレッド側環状部8まで延びる複数のスポーク板4Aと、を有する。なお、スポーク板4Aは、ブレードとも称される。
本実施形態では、車両50に装着されるタイヤ1として、上述した構成の非空気入りタイヤを例示するが、例えば、タイヤ1は、内部に空気が充填されない非空気タイプのタイヤであれば、上述した構成のものに限られない。例えば、タイヤ1は、スポーク部4を備えておらず、ハブ部3からトレッドリング2までの部分が天然ゴム(NR)やSBR(スチレンブタジエンゴム)等のゴム成分(ゴム材料)を含むトレッドゴムによって構成されたものであってもよい。
図5に示すように、車両50には、車輪速センサ51、横加速度センサ52、振動センサ53、温度センサ54、厚みセンサ55、操舵角センサ56、ブレーキセンサ57、トレッド面センサ58などの各種センサが設けられている。センサ51~55は、タイヤ1のハブ部3やスポーク部4などに所定のマウント部材(不図示)を介して固定されている。
車輪速センサ51は、走行中のタイヤ1の車輪速信号(回転速度情報)を検出する。制御ユニット60の制御部61は、車輪速センサ51から受信した前記車輪速信号に基づいてタイヤ1の回転数(タイヤ回転数)や、車両50の走行速度、車両50の進行方向の加速度を算出する。制御部61は、算出された前記タイヤ回転数の累積値を示すタイヤ累積回転数、前記走行速度の時系列変動を示す走行速度変動履歴、前記加速度の時系列変動を示す加速度変動履歴を、タイヤ1を使用したときの車両50の状態を示す状態データの一例として、制御ユニット60の記憶部62に格納する。
横加速度センサ52は、ハブ側環状部9に取り付けられている。横加速度センサ52は、走行中のタイヤ1に加わる横方向の加速度(横方向加速度)を検出する。制御部61は、前記横方向加速度の時系列変動を示す横加速度変動履歴を、前記状態データの一例として、記憶部62に格納する。
過剰な前記タイヤ回転数や、前記走行速度、前記加速度、及び前記横方向加速度は、タイヤ1に大きな負荷をもたらしてタイヤ1を劣化させる原因と考えられる。したがって、前記タイヤ累積回転数、前記走行速度変動履歴、前記加速度変動履歴、及び前記横加速度変動履歴などの前記状態データは、タイヤ1の劣化に影響を与える情報(本開示の劣化関連情報)といえる。
振動センサ53は、タイヤ1のスポーク部4のスポーク板4A、及びハブ部3のスポーク取付け部3Bに取り付けられている。振動センサ53は、車両50の走行時にタイヤ1に生じる振動、具体的には、スポーク板4A及びスポーク取付け部3Bに生じる振動を検出する。本実施形態では、各振動センサ53それぞれは、車両50が予め定められた設定速度で走行する場合にスポーク板4A及びスポーク取付け部3Bに生じる振動値を検出する。前記設定速度は、例えば、低速度範囲(30~60km/h)である。制御部61は、振動センサ53によって検出された振動値や、一定期間ごとの前記振動値の平均値(平均振動値)を、前記状態データの一例として、記憶部62に格納する。
過大な振動は、タイヤ1に大きな負荷をもたらしてタイヤ1を劣化させる原因と考えられる。したがって、前記振動値や前記平均振動値などの前記状態データは、タイヤ1の劣化に影響を与える情報(本開示の劣化関連情報)といえる。
温度センサ54は、走行中又は停止中のタイヤ1のトレッドリング2の温度(トレッド温度)を検出する。温度センサ54は、各タイヤ1のトレッド側環状部8に設けられており、トレッドリング2からトレッド側環状部8に伝達された前記トレッド温度を検出する。制御部61は、前記トレッド温度、及び前記トレッド温度の時系列変動を示すトレッド温度変動履歴を、前記状態データとして、記憶部62に格納する。なお、前記トレッド温度変動履歴は、車両50の走行中に取得された走行中温度履歴と、車両50の停止中に取得された停止中温度履歴とに分けて記憶部62に格納されてもよい。
なお、タイヤ1のトレッドリング2の高温化は、タイヤ1に負荷をもたらしてタイヤ1を劣化させる場合がある。したがって、トレッドリング2の高温化は、タイヤ1を劣化させる原因と考えられる。そのため、前記トレッド温度や前記トレッド温度変動履歴は、タイヤ1の劣化に影響を与える情報(本開示の劣化関連情報)といえる。
厚みセンサ55は、タイヤ1のトレッドリング2の厚み(補強コード層2Bからトレッド面2Sまでの厚み)を検出する。厚みセンサ55は、各タイヤ1のトレッド側環状部8に2つ設けられており、タイヤ1の幅方向に所定間隔を隔てて取り付けられている。制御部61は、トレッドリング2の初期厚みから厚みセンサ55で検出された現在の厚みを減算することによりトレッドゴム2Aの摩耗量(トレッド摩耗量)を算出する。また、制御部61は、前記トレッド摩耗量、及び前記トレッド摩耗量の経時的変化を示すトレッド摩耗履歴を、前記状態データの一例として、記憶部62に格納する。
なお、タイヤ1のトレッドゴム2Aが摩耗すると、走行時に路面からタイヤ1が受ける衝撃や負荷が大きくなり、タイヤ1を劣化させる場合がある。具体的には、前記衝撃や負荷により、ハブ部3やスポーク部4にクラックが生じたり、破損する場合がある。また、トレッドリング2にクラックが生じたり、破裂する場合がある。したがって、トレッドゴム2Aの摩耗は、タイヤ1を劣化させる原因と考えられる。そのため、前記トレッド摩耗量や前記トレッド摩耗履歴は、タイヤ1の劣化に影響を与える情報(本開示の劣化関連情報)といえる。
各センサ51~55は、タイヤ1に設けられた不図示の送信機と接続されており、各センサ51~55の検出値は、前記送信機を介して制御ユニット60に送信される。各センサ51~55は、検出対象の検出値或いはその検出値を示す信号を出力できるものであれば如何なる構成のものであってもよい。また、各センサ51~55は、検出対象の検出値を検出できるのであれば、その取付位置や検出方法についても特に限定されない。なお、各センサ51~55それぞれが、制御ユニット60に無線又は有線を通じて通信可能に接続されている場合は、各センサ51~55それぞれから個別に制御ユニット60に前記検出値が送信されてもよい。
操舵角センサ56は、ハンドル503の回転角である操舵角を検出する。操舵角センサ56は、例えば、ハンドル503のステアリングシャフトに設けられている。操舵角センサ56は、制御ユニット60に無線又は有線を通じて通信可能に接続されており、操舵角センサ56で検出された操舵角(検出値)は、制御ユニット60に送信される。操舵角センサ56は、ハンドル503の操舵角を検出できるものであれば如何なる構成のものであってもよく、また、その取付位置や検出方法についても特に限定されない。
制御部61は、検出された走行中の前記操舵角の時系列変動を示す操舵角履歴を、前記状態データの一例として、記憶部62に格納する。
ブレーキセンサ57は、ドライバーによってブレーキ操作が行われた場合に、その操作の有無や、踏込量(操作量)を検出する。ブレーキセンサ57は、例えば、ブレーキペダルに設けられたロータリエンコーダ或いはポテンショメータなどである。ブレーキセンサ57は、制御ユニット60に無線又は有線を通じて通信可能に接続されており、ブレーキセンサ57で検出された操作の有無(検出値)や踏込量(検出値)は制御ユニット60に送信される。ブレーキセンサ57は、ブレーキ操作に関する検出値を検出できるものであれば如何なる構成のものであってもよく、また、その取付位置や検出方法についても特に限定されない。
制御部61は、走行中のブレーキ操作の累積回数を示すブレーキ操作回数、及びブレーキ操作ごとの前記踏込量の履歴を示す踏込量履歴を、前記状態データの一例として、記憶部62に格納する。
なお、ハンドル503の操舵角、前記ブレーキ操作回数、及び前記踏込量は、車両50に装着されたタイヤ1と路面との摩擦に影響することから、前記操作角、前記ブレーキ操作回数、前記踏込量、前記踏込量履歴は、タイヤ1の劣化に影響を与える情報(本開示の劣化関連情報)といえる。
トレッド面センサ58は、タイヤ1のトレッドリング2の表面のトレッド面2Sにおける前記トレッド溝の有無や、前記トレッド溝の深さを測定するための情報を検出する。トレッド面センサ58としては、例えば、車両50のタイヤハウス(不図示)の内面に設けられた走査型の光距離センサを適用することができる。前記光距離センサは、トレッド面2Sに対してタイヤ幅方向に走査するレーザ光を出射し、トレッド面2Sで反射した反射光を受光することにより、検出対象のトレッド面2Sまでの距離を測定する。また、前記光距離センサは、トレッド面2Sの幅方向の凹凸形状をトレースしたトレースデータを生成して出力する。そのため、制御ユニット60の制御部61は、前記トレースデータに基づいて、トレッド面2Sの前記トレッド溝の有無や、前記トレッド溝の深さを測定することができる。なお、前記光距離センサに替えて、前記タイヤハウスの内面に幅方向に沿って複数配置された反射型のフォトインタラプタ(フォトリフレクタともいう。)を適用することも可能である。また、前記光距離センサに替えて、トレッド面2Sの画像を撮像するカメラや、タイヤ幅方向の形状を検出可能なラインセンサなどを適用することも可能である。
制御部61は、前記トレッド溝の溝深さや、前記溝深さの経時的変化を示すトレッド溝履歴を、前記状態データの一例として、記憶部62に格納する。
なお、トレッド面2Sの前記トレッド溝の前記溝深さは、制動性や排水性能に影響することから、タイヤ1の劣化に影響を与える情報(本開示の劣化関連情報)といえる。
また、車両50には、操作スイッチ59が設けられている。操作スイッチ59は、ドライバーなどによって操作されるスイッチ部材であり、操作スイッチ59が操作されることにより、その操作信号が制御ユニット60に送信される。
また、タイヤ1には、タイヤ1の識別情報(タイヤ識別情報)が記憶されたメモリ67(記憶部の一例)が設けられている。メモリ67は、不揮発性の記憶装置である。メモリ67は、タイヤ1のハブ部3やスポーク部4などに所定のマウント部材(不図示)を介して固定されている。前記識別情報は、タイヤ1を他のタイヤと区別できる情報であればよく、例えば、タイヤ一本ごとに付与されたIDナンバーである。また、前記識別情報には、タイヤ1のサイズ、メーカー名、型番、製品名称、製造年月日などが含まれていてもよい。タイヤ1が車両50に装着されると、前記識別情報が制御ユニット60に送信され、その識別情報が記憶部62に記憶される。
タイヤ1が車両50に装着された状態で、車両50のキースイッチがオンにされると、メモリ67内の前記タイヤ識別情報が制御ユニット60に送信され、制御ユニット60の記憶部62に記憶される。
図5に示すように、車両50は、車両50を統括制御する制御ユニット60を備える。制御ユニット60は、各種演算処理を実行可能な情報処理装置である。制御ユニット60は、制御部61、記憶部62、通信部63、GPS受信部64(本開示の一情報取得部の一例)、出力部65、入力部66などを備える。
通信部63は、制御ユニット60を無線によって所定の通信網に接続し、前記通信網を介して通信装置40などの外部装置との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
GPS受信部64は、車両50の位置を示す位置情報(車両位置情報)を取得する。GPS受信部64は、GPS衛星からの信号を受信し、更に所定の演算処理を行うことにより、地上における車両50の位置を検出する。検出された位置情報は、制御部61に送信されて、車両50の走行位置を特定する処理や、車両50の走行経路を特定する処理などの演算処理に用いられる。
本実施形態では、車両50の停止中又は走行中に特定された前記車両位置情報に基づいて車両50の走行経路が制御部61によって特定される。また、前記車両位置情報に基づいて車両50の走行距離が制御部61によって算出される。制御部61は、前記車両位置情報を前記状態データの一例として、記憶部62に格納する。また、制御部61は、前記走行経路を示す走行経路情報、及び前記走行距離を示す走行距離情報を、前記状態データの一例として、記憶部62に格納する。
なお、車両50の停車位置や走行位置の周辺の環境や、車両50が走行した路面の状態、車両の走行距離は、タイヤ1を劣化させる原因となり得る。例えば、前記環境が劣悪な場合、車両50が荒い路面を走行している場合、或いは走行距離が著しく長い場合は、タイヤ1のトレッドリング2や、ハブ部3、スポーク部4などに過剰な負荷がかかり、タイヤ1を劣化させる場合がある。したがって、前記車両位置情報、前記走行経路情報、及び前記走行距離情報は、タイヤ1の劣化に影響を与える情報(劣化関連情報)といえる。
記憶部62は、各種の情報を記憶するフラッシュメモリなどの不揮発性の記憶媒体又は記憶装置である。例えば、記憶部62には、制御部61に各種処理を実行させるための制御プログラムが記憶されている。前記制御プログラムは、通信部63と通信可能なサーバー装置や外部ストレージなどの外部記憶装置に記憶されており、前記外部記憶装置から読み出されて記憶部62に複製されたものである。或いは、前記制御プログラムは、CD又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、制御ユニット60に電気的に接続される読取装置(不図示)で読み取られて記憶部62に複製されたものであってもよい。
また、記憶部62には、各センサ51~58から送信されてきた検出値やデータなどが記憶されており、また、GPS受信部64により検出された検出値やデータなどが記憶されている。また、記憶部62には、上述した各種状態データ(前記タイヤ累積回転数、前記走行速度変動履歴、前記加速度変動履歴、前記横加速度変動履歴、前記振動値、前記平均振動値、前記トレッド温度変動履歴、前記トレッド厚履歴、前記操舵角履歴、前記ブレーキ操作回数、前記踏込量履歴、前記トレッド溝履歴など)が記憶されている。また、記憶部62には、前記車両位置情報、前記走行経路情報、及び前記走行距離情報などが記憶されている。
出力部65は、制御部61が実行する各種処理の結果などを出力するインターフェースである。例えば、車両50に搭載された計器ユニット501や表示装置502が出力部65に接続されている。制御部61は、例えば、速度情報などを出力部65を介して計器ユニット501に出力する。また、制御部61は、ドライバーなどからの表示要求に応じた各種情報や、後述する異常判定処理(図7参照)によって判定された判定結果などを出力部65を介して表示装置502に出力する。
入力部66は、車両50に設けられた各種センサ51~58や、操作スイッチ59と無線又は有線によって接続するインターフェースである。入力部66に、センサ51~58や操作スイッチ59などから出力される信号が入力される。
制御部61は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶された不揮発性のメモリである。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性のメモリであり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリ(作業領域)として使用される。そして、制御部61は、前記ROM又は記憶部42に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより、後述の各種の処理を実行する。
制御部61は、変換処理部611、表示処理部612などの各種の処理部を含む。制御部61は、前記CPUで前記制御プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。なお、制御部61に含まれる一部又は全部の処理部が電子回路で構成されていてもよい。また、変換処理部611が行う後述の各処理が別々の処理部によって実行されてもよい。また、前記制御プログラムは、複数のプロセッサを前記各種の処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
変換処理部611は、各種センサ51~58から入力部66に入力された検出値やデータを、前記検出値や前記データに関連する前記状態データに変換する処理を行う。また、変換処理部611は、前記検出値や前記データに基づいて、前記検出値や前記データに関連する前記状態データを生成する処理を行う。
ここで、前記状態データは、本開示の劣化関連情報の一例であって、例えば、タイヤ1の回転数(タイヤ回転数)、車両50の走行速度、車両50の加速度、タイヤ1に加わる横方向加速度、タイヤ1のトレッドリング2の温度(トレッド温度)、タイヤ1のトレッド面2Sの前記トレッド溝の溝深さ、タイヤ1のトレッドリング2の摩耗量(トレッド摩耗量)、トレッドリング2における偏摩耗量、車両50の操舵角、ブレーキ操作回数、ブレーキの踏込量、車両50の走行時にタイヤ1(例えばスポーク板4Aやスポーク取付け部3B)に生じる前記振動値、前記平均振動値などを含む。また、前記状態データは、これらの各要素の平均値や最大値、最小値なども含む。また、前記タイヤ回転数及び前記ブレーキ操作回数については、規定走行距離あたりの回転数又は回数が前記状態データに含まれていてもよい。これらの状態データは、車両50の走行中のタイヤ1の劣化に、直接もしくは間接的に影響を及ぼす可能性のある原因に関する情報である。
前記タイヤ回転数、前記走行速度、前記加速度は、車輪速センサ51の検出値(車輪速信号)に基づいて変換又は生成可能である。前記横方向加速度は、横加速度センサ52の検出値に基づいて変換又は生成可能である。タイヤ1の前記振動値は、振動センサ53の検出値に基づいて変換又は生成可能である。前記トレッド温度は、温度センサ54の検出値に基づいて変換又は生成可能である。
トレッド面2Sの前記トレッド溝の深さは、前記トレッド面センサ58から出力されたデータに基づいて変換又は生成可能である。
前記トレッド摩耗量は、厚みセンサ55の検出値に基づいて変換又は生成可能である。前記偏摩耗量は、タイヤ1のトレッドリング2における偏摩耗の程度を示すものである。前記偏摩耗量の具体例の一つは、例えば、トレッドリング2の幅方向両端における厚さの差であり、タイヤ1の内腔面に幅方向に隔てて設けられた一対の厚みセンサ55それぞれの検出値の差分に基づいて変換又は生成可能である。
なお、タイヤ1のトレッドリング2に生じる偏摩耗は、所謂方べり摩耗(外側摩耗、内側摩耗)、両肩摩耗、センター摩耗、トーイン摩耗、トーアウト摩耗、局部摩耗、波状摩耗、ピット状摩耗、のこぎり歯状摩耗(ヒール&トゥー摩耗)などがある。これらの偏摩耗の有無や、偏摩耗の程度(偏摩耗量)については、タイヤ1に装着される厚みセンサ55の配置数や配置位置を適宜調整することによって判定、測定することができる。
前記操舵角は、操舵角センサ56の検出値に基づいて変換又は生成可能である。前記ブレーキ回数及びブレーキの踏込量は、ブレーキセンサ57の検出値に基づいて変換又は生成可能である。
変換処理部611によって得られた上述の各種情報を含む前記状態データは、タイヤ1の識別情報ごとに記憶部62に記憶される。また、記憶部62に記憶されている前記状態データは、例えば、車両50が停止してキーオフされるタイミングで、各タイヤ1のメモリ67に転送されて、メモリ67にも記憶される。このため、車両50からタイヤ1が取り外されて、中古タイヤとしてタイヤ1が別の車両50に装着された場合でも、別の車両50においてもタイヤ1の前記状態データを引き継ぐことができる。
記憶部62に記憶されているこれらの各情報(状態データ)は、タイヤ1の劣化に影響を及ぼす可能性のある原因に関する情報である。例えば、上述の各情報(前記タイヤ回転数、前記走行速度、前記加速度、前記横加速度、前記振動値、前記平均振動値、前記トレッド温度、前記トレッド摩耗量など)の各数値が大きいほど、タイヤ1が受ける負荷が大きく、タイヤ1の各部の劣化又は消耗が促進されると考えられる。逆に、上述した各情報の数値が小さいほど、タイヤ1が受ける負荷が小さく、タイヤ1の各部が劣化し難くなり、消耗し難くなると考えられる。これらの状態データは、後述の異常判定処理(図7参照)に用いられる。
なお、前記トレッド温度は、高速走行時やカーブの多い道路を車両50が走行するなど、走行負荷が高い場合に上昇する傾向がある。また、外観からは視認し難いトレッドリング2の内部にクラックや剥離などの損傷が生じている場合も、前記トレッド温度は、前記損傷が生じていない場合に比べて高くなる傾向がある。これは、トレッドリング2の内部に前記損傷が生じた状態でタイヤ1のトレッド面2Sが路面に接地すると、タイヤ1のトレッドリング2やスポーク部4が過度に変形し、その変形と非接地時の復元とが繰り返されることにより、通常よりもトレッドリング2の温度が上昇すると考えられる。
また、変換処理部611は、GPS受信部64から入力部66に入力された車両50の前記車両位置情報に基づいて、前記車両位置情報から車両50の走行経路を生成する処理や、走行経路の種類(タイプ)ごとの走行距離を算出する処理を行う。前記走行経路は、前記状態データに含まれる。例えば、前記走行経路の情報として、前記走行経路の種類ごとの走行距離が考えられる。具体的には、前記走行経路の情報として、平坦路を走行した距離(平坦路走行距離)、山岳路を走行した距離(山岳路走行距離)、街中の道路を走行した距離(街中走行距離)、高速道路を走行した距離(高速道路走行距離)などが記憶部62に累積記憶される。これらの情報も、タイヤ1の劣化に影響を及ぼす可能性のある原因に関する情報(劣化関連情報)である。すなわち、タイヤ1で走行した総走行距離に対する前記山岳路走行距離や前記高速道路走行距離の比率が高いほど、タイヤ1が受ける負荷が大きく、タイヤ1の各部の劣化又は消耗が促進されると考えられる。逆に、前記平坦路走行距離や前記街中走行距離の比率が高いほど、タイヤ1が受ける負荷が小さく、タイヤ1の各部が劣化し難くなり、消耗し難くなると考えられる。これらの走行距離の情報は、後述の異常判定処理(図7参照)に用いられる。なお、前記平坦路、前記山岳路、前記街中の道路、前記高速道路などは、上述した走行経路の種類の一例である。
表示処理部612は、種々の情報を表示装置502に表示する処理を行う。例えば、表示処理部612は、異常判定装置10から後述の異常判定処理の結果(判定結果)が送信されてきた場合、その判定結果を表示装置502の表示画面に表示させることができる。
[データベース部30]
データベース部30には、記憶領域として、状態データ格納部31、及び事業所データ格納部32が割り当てられている。
状態データ格納部31には、異常判定装置10が車両50から取得した前記状態データがタイヤ1の識別情報ごとに分けて格納されている。タイヤ1には前記識別情報が付与されており、前記識別情報ごとに前記状態データが状態データ格納部31に格納されている。そのため、車両50からタイヤ1が取り外されて、中古タイヤとしてタイヤ1が別の車両50に装着された場合でも、以前の状態データを引き継いで、当該状態データを別の車両50で新たに検出された情報やデータで更新することができる。
事業所データ格納部32には、後述の異常判定処理(図7参照)で用いられる事業所位置情報を含む事業所データ(本開示の事業所位置データの一例)が格納されている。前記事業所位置情報は、車両50の修理やメンテナンス、タイヤ1の修理や交換などの補修作業を行うことが可能な前記補修事業所の位置を示す情報である。例えば、前記事業所位置情報は、予め定められた前記補修事業所の名称、所在情報(住所)、連絡先(電話番号やメールアドレス)などを含む。前記事業所データには、複数の前記補修事業所の前記事業所位置情報が含まれている。
[異常判定装置10]
以下、図6を参照して、異常判定装置10の具体的な構成について説明する。図6は、異常判定装置10の構成を示すブロック図である。
異常判定装置10は、本実施形態の判定システム100を実現するためのものであり、図6に示すように、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、表示部14と、操作部15と、を備えている。
通信部13は、異常判定装置10を有線又は無線で所定のネットワーク(通信網)に接続して、所定の通信プロトコルに従って、前記ネットワークに接続される各デバイスとの間でデータ通信を実行するための通信インターフェースである。具体的には、通信部13は、前記ネットワークを通じて通信装置40やデータベース部30との間でデータ通信を実行する。
記憶部12は、各種の情報やデータを記憶する半導体メモリ、HDD、SSDなどの不揮発性の記憶装置である。本実施形態では、記憶部12が異常判定装置10に設けられた構成を例示するが、例えば、記憶部12内の各種情報やデータの一部又は全部が、前記ネットワークやインターネットなどを通じて異常判定装置10とデータ通信可能な他のサーバー装置や記憶装置などの外部装置に記憶されていてもよい。この場合、異常判定装置10は、必要に応じて、前記外部装置から必要な情報を読み出したり、情報を前記外部装置に記憶させる。
記憶部12には、各種制御処理や、図7に示す後述の異常判定処理などを制御部11に実行させるための制御プログラムが記憶されている。前記制御プログラムは、通信部13と通信可能なサーバー装置や外部ストレージなどの外部記憶装置に記憶されており、前記外部記憶装置から読み出されて記憶部12に格納(複製)されたものである。或いは、前記制御プログラムは、CD又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、異常判定装置10に電気的に接続される読取装置(不図示)で読み取られて記憶部12に格納(複製)されたものであってもよい。
また、記憶部12には、後述の異常判定処理(図7参照)で用いられる事業所位置情報が記憶されている。ここで、前記事業所位置情報は、車両50の修理やメンテナンス、タイヤ1の交換などの補修作業を行う前記補修事業所の位置を示す情報である。例えば、記憶部12には、前記事業所位置情報として、予め定められた複数の前記補修事業所の名称、所在情報(住所)、連絡先(電話番号やメールアドレス)などを含むテーブルデータが記憶されている。
また、記憶部12には、後述する異常判定処理に用いる評価値を算出するための後述の算出式などが記憶される。
前記評価値は、タイヤ1の異常の前兆の有無を判定するために用いられる指標であり、また、タイヤ1の異常の有無を判定するために用いられる指標である。言い換えると、前記評価値は、タイヤ1が走行可能な正常状態であるか否か、タイヤ1が走行可能であるが異常が生じる可能性の高い状態であるか否か、タイヤ1が走行危険な異常状態であるか否かの判定に用いられる指標である。前記評価値は、前記状態データに基づいて定められる。
例えば、前記評価値をSとし、前記タイヤ回転数をx1、前記走行速度の平均速度をx2、過加速度の発生回数をx3、過剰な前記横方向加速度の発生回数をx4、前記振動値をx5、前記トレッド温度の平均温度をx6、前記トレッド摩耗量をx7、前記偏摩耗量をx8、過操舵角の発生回数をx9、前記ブレーキ操作回数をx10、過踏込量の発生回数をx11、とした場合、前記評価値Sは、上述の状態データの各数値を用いて、以下の式(1)の算出式で算出することができる。ここで、前記過加速度は、予め定められた所定の閾値(所定値)を超える加速度である。また、過剰な前記横方向加速度は、所定の閾値(所定値)を超える過剰な横方向加速度である。前記過操舵角は、所定の閾値(所定角度)を超える過剰な操舵角である。前記過踏込量は、所定の閾値(所定量)を超える過剰な踏込量である。
式(1)中の係数tk(t1,t2,t3,・・・,t11)は、前記状態データの各数値xk(x1,x2,x3,・・・,x11)に割り当てられた重み係数であり、各数値xkのいずれを重要視するかによって定められる係数である。また、係数hは、タイヤ1で走行した走行経路に応じて適用される重み係数である。例えば、前記総走行距離に対する前記山岳路走行距離や前記高速道路走行距離の比率が基準距離よりも高い場合に、係数hは、前記基準距離との差(超過量)に応じて定められた1より大きい数値に設定される。係数hが適用される場合、前記評価値Sは、係数hが不適用の場合よりも大きくなる。また、前記総走行距離に対する前記平坦路走行距離や前記街中走行距離の比率が基準値よりも高い場合に、係数hは、前記基準距離との差(超過量)に応じて定められた1よりも小さい数値に設定される。この場合、前記評価値Sは、係数hが不適用の場合よりも小さくなる。なお、前記山岳路走行距離や前記高速道路走行距離の比率が前記基準距離未満であり、前記平坦路走行距離や前記街中走行距離の比率が前記基準距離未満である場合、係数hは「1」に設定される。
上述の計算式から理解できるように、前記評価値Sは、数値tkxkの総和である。したがって、前記評価値Sが大きいほどタイヤ1のダメージが大きく、タイヤ1に剥離や亀裂、損傷が生じている可能性が高いと考えられる。また、前記評価値Sが小さいほどタイヤ1のダメージが小さく、タイヤ1に剥離や亀裂、損傷が生じている可能性が低いと考えられる。つまり、前記評価値Sは、タイヤ1の状態の程度を示す指標であり、数値が小さいほど劣化が進んでおらず良好な状態(正常)であることを示し、数値が大きいほど劣化が進んでおり、タイヤ1に剥離や亀裂、損傷が生じている異常状態であることを示す。
本実施形態では、タイヤ1の状態を判定するための閾値として、第1閾値(本開示の第1基準値の一例)、及び第2閾値(本開示の第2基準値の一例)が用いられる。各閾値は記憶部12に記憶されている。例えば、前記評価値Sが前記第1閾値未満である場合、制御部11は、タイヤ1が正常と判定する。また、前記評価値Sが前記第1閾値以上であり前記第2閾値未満である場合、制御部11は、タイヤ1は異常ではないが、異常の一歩手前の異常の前兆が生じている状態であると判定する。また、前記評価値Sが前記第2閾値以上である場合、制御部11は、タイヤ1は走行危険な異常状態であると判定する。
なお、タイヤ1における異常とは、タイヤ1に剥離や亀裂、損傷が生じている異常状態のことである。また、異常の前兆とは、車両50の走行に問題なく使用可能であるが、タイヤ1が異常状態に至る前の警戒すべき状態のときに表れる事象であり、本実施形態では前記評価値Sの数値によって明示される。したがって、本実施形態では、前記評価値Sが前記第2閾値以上である場合に、タイヤ1に剥離や亀裂、損傷が生じていると評価される。また、前記評価値Sが前記第1閾値以上であり前記第2閾値未満である場合、その範囲内の前記評価値Sの数値が、タイヤ1の異常の前兆として評価される。
なお、前記評価値Sを定めるにあたり、例えば、使用期間、製造後の経過時間、車両50が使用される環境の状態を示す指標を用いてもよい。
表示部14は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ、或いは画面に対して直接にタッチ入力が可能なタッチパネルなどの表示装置である。操作部15は、操作者の操作を受け付けるマウス、キーボード、又はタッチパネルなどの入力装置である。
制御部11は、異常判定装置10の各部の動作を制御する。制御部11は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサである。前記ROMは、前記CPUに各種の演算処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶された不揮発性の記憶媒体である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶媒体であり、前記CPUが実行する各種の演算処理の一時記憶メモリ(作業領域)として使用される。そして、制御部11は、前記ROM又は記憶部12に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUが実行することにより異常判定装置10を制御する。
図6に示すように、制御部11は、データ取得部111、第1判定処理部112(本開示の第1判定処理部の一例)、第2判定処理部113(本開示の第2判定処理部の一例)、第3判定処理部114(本開示の第3判定処理部の一例)、及び出力処理部115(本開示の出力処理部の一例)等の各種の処理部を含む。制御部11は、前記CPUが前記制御プログラムに従った各種の演算処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。制御部11又は前記CPUが、前記制御プログラムを実行するコンピュータまたはプロセッサの一例である。なお、制御部11に含まれる一部又は全部の処理部が電子回路で構成されていてもよい。また、前記制御プログラムは、複数のプロセッサを前記各種の処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
データ取得部111は、本開示の関連情報取得部の一例である。データ取得部111が前記関連情報取得部として動作する場合、データ取得部111は、タイヤ1の劣化に影響を与え得る前記状態データを取得する処理を行う。具体的には、データ取得部111は、通信装置40と車両50との通信が確立すると、車両50から前記状態データを取得する処理を行う。また、データ取得部111は、車両50からタイヤ1の前記識別情報を取得する処理を行う。本実施形態では、データ取得部111は、車両50に状態データ取得要求を送信する。車両50の制御部61は、前記データ取得要求を受信すると、前記状態データ取得要求に応じて、記憶部62内の前記識別情報及びこの識別情報に対応する前記状態データを記憶部62から読み出して、異常判定装置10に送信する。
データ取得部111は、本開示の車両位置情報取得部の一例である。データ取得部111が前記車両位置情報取得部として動作する場合、データ取得部111は、車両50のGPS受信部64(図5参照)が取得した現時点の車両50の位置情報を通信装置40を介して取得する処理を行う。本実施形態では、データ取得部111は、車両50に車両位置取得要求を送信する。車両50の制御部61は、前記車両位置取得要求を受信すると、GPS受信部64から出力される前記車両位置情報を異常判定装置10に送信する。
第1判定処理部112は、データ取得部111によって取得された前記状態データに基づいて、タイヤ1における異常の前兆の有無、或いは、タイヤ1における異常の有無を判定する処理を行う。
具体的には、第1判定処理部112は、前記状態データを用いて、判定対象のタイヤ1の前記評価値Sを算出する。詳細には、第1判定処理部112は、式(1)で示される算出式に、前記状態データに含まれる各数値xkと、予め定められた係数h,tkとを適用することにより、前記評価値Sを算出する。そして、第1判定処理部112は、前記評価値Sが前記第1閾値未満である場合に、タイヤ1が正常と判定する。また、第1判定処理部112は、前記評価値Sが前記第1閾値以上であり前記第2閾値未満である場合に、タイヤ1は異常ではないが、異常の一歩手前の異常の前兆が生じている状態であると判定する。また、第1判定処理部112は、前記評価値Sが前記第2閾値以上である場合に、タイヤ1が走行危険な異常状態であると判定する。
なお、前記第1閾値は、従来のタイヤ検査において検査員によって正常と判断された複数のタイヤ1の前記評価値Sを求め、求められた各数値のうちの最大値に基づいて定めることができる。また、前記第2閾値は、検査員によって異常の前兆が生じていると判断された複数のタイヤ1の前記評価値Sを求め、求められた各数値のうちの最大値に基づいて定めることができる。
なお、本実施形態では、第1判定処理部112が前記評価値Sを用いて異常の前兆の有無、又は異常の有無を判定する例について説明するが、例えば、第1判定処理部112は、前記状態データの各数値xkのうちの少なくとも一つの数値を用いて前記異常の前兆の有無、又は前記異常の有無を判定してもよい。
例えば、タイヤ1のハブ部3やスポーク部4にクラックが生じていたり、スポーク部4からトレッドリング2が剥がれている場合、前記振動値x5が極端に大きくなる。そのため、前記第1判定処理部112は、前記振動値x5が前記第1閾値未満である場合に、タイヤ1が正常と判定してもよい。また、第1判定処理部112は、前記振動値x5が前記第1閾値以上であり前記第2閾値未満である場合に、タイヤ1は異常の前兆が生じている状態であると判定してもよい。また、第1判定処理部112は、前記振動値x5が前記第2閾値以上である場合に、タイヤ1が走行危険な異常状態であると判定してもよい。
第2判定処理部113は、第1判定処理部112によって前記異常の前兆又は前記異常があると判定された場合に、タイヤ1が前記異常に起因して走行不可能な走行不能状態になるまでの走行可能時間、タイヤ1が前記走行不能状態になるまでの走行可能距離、及びタイヤ1で安全に走行可能な制限速度の少なくとも一つ又は複数を判定する処理を行う。ここで、前記走行不能状態とは、タイヤ1のトレッドリング2が完全に剥がれた状態、ハブ部3やスポーク部4が破損してタイヤ1が転動できなくなった状態のことである。
例えば、前記走行不能状態に対応する閾値として、前記第2閾値よりも大きい第3閾値が予め定められている場合、第2判定処理部113は、前記第1判定処理部112によって算出された前記評価値Sと前記第3閾値との差分値を算出し、単位期間あたりの前記評価値Sの増加傾向と、前記差分値とにより、前記走行可能時間を算出することができる。なお、前記増加傾向は、タイミングをずらして前記評価値Sを少なくとも2回算出することにより求めることができる。
また、第2判定処理部113は、前記走行可能時間に前記平均速度x2を乗じることにより、前記走行可能距離を算出することができる。
また、前記評価値Sと制限速度とが予め対応付けられた制限速度対応テーブルが予め定められている場合、前記第2判定処理部113は、前記第1判定処理部112によって算出された前記評価値Sに対応する制限速度を前記制限速度対応テーブルから抽出することにより、前記制限速度を求めることができる。
なお、前記第3閾値は、例えば、前記第2閾値に予め定められた任意の係数(>1.0)を乗じた値を採用することができる。
第3判定処理部114は、第2判定処理部113による判定結果、及びデータ取得部111によって取得された前記車両位置情報に基づいて、事業所データ格納部32の前記事業所データ内に、前記異常の前兆又は前記異常があると判定されたタイヤ1を装着する車両50によって到達可能な位置にある前記補修事業所が有るか否かを判定する。
例えば、第3判定処理部114は、車両50の現在位置から前記走行可能距離の範囲内に所在する前記補修事業所を前記事業所データから抽出する。前記事業所データには、各事業所の所在情報(住所)が含まれているため、第3判定処理部114は、車両50の現在位置から前記所在情報で特定される所在位置までの走行ルートの経路長を求め、その経路長が前記走行可能距離よりも短い前記補修事業所が有るか否かを判定する。この条件を満たす前記補修事業所が有る場合、第3判定処理部114は、当該事業所の名前や位置、連絡先などを含む事業所情報を前記事業所データから抽出する。
また、第3判定処理部114は、車両50が、現在位置から前記走行可能時間以内で到達できる前記補修事業所を前記事業所データから抽出する。例えば、第3判定処理部114は、前記走行ルートの経路長と車両50の前記平均速度とから到達までの所要時間を求め、前記所要時間が前記走行可能時間よりも短い前記補修事業所が有るか否かを判定する。この条件を満たす前記補修事業所が有る場合、第3判定処理部114は、当該事業所の名前や位置、連絡先などを含む事業所情報を前記事業所データから抽出する。
出力処理部115は、判定システム100において実行された各種処理の結果を出力する処理を行う。本実施形態では、出力処理部115は、第1判定処理部112による判定結果(第1判定結果)、第2判定処理部113による判定結果(第2判定結果)、第3判定処理部114による判定結果(第3判定結果)を出力する処理を行う。
前記第1判定結果は、前記異常の前兆の有無を示す情報、或いは前記異常の有無を示す情報を含む。前記第2判定結果は、前記走行可能時間、前記走行可能距離、前記制限速度のいずれか一つ又は複数である。前記第3判定結果は、該当する前記補修事業所の有無を示す情報を含む。また、前記第3判定結果は、タイヤ1に異常等が生じている車両50が到達可能と判定された前記補修事業所がある場合に、その事業所の名称や場所などを示す前記事業所情報を含む。
本実施形態では、出力処理部115は、各判定結果を車両50に出力して、車両50の表示装置502の表示画面に前記補修剤情報に含まれている情報を表示させる処理を行う。また、出力処理部115は、車両50から転送要求があった場合に、その転送要求に応じて前記判定結果を車両50に出力してもよい。なお、出力処理部115は、前記転送要求の有無にかかわらず、各判定結果を車両50に出力してもよい。また、出力処理部115は、必要に応じて、或いは、情報端末71,72からの転送要求に応じて、各判定結果を情報端末71,72に出力してもよい。
また、出力処理部115は、第3判定処理部114によって到達可能な前記補修事業所に設置された情報端末72に各判定結果を出力し、到達不可能な前記補修事業所の情報端末72には各判定結果を出力しないようにしてもよい。
[異常判定処理]
以下、図7及び図8のフローチャートを参照しつつ、判定システム100において実行される異常判定処理の手順の一例とともに、本開示のタイヤ異常判定方法について説明する。当該異常判定処理は、判定対象となるタイヤ1が正常であるか否か、又は、タイヤ1に異常の前兆が生じているか否か、又は、タイヤ1が走行危険な異常状態であるか否かを判定するための処理である。本実施形態では、車両50に装着された状態のタイヤ1に対して前記異常判定処理が行われる。
なお、図7に示すフローチャートの各処理は、車両50が備える制御ユニット60の制御部61によって実行される処理である。また、図8に示すフローチャートの各処理は、異常判定装置10の制御部11によって実行される処理である。また、図7及び図8のフローチャートに含まれる一又は複数のステップが適宜省略されてもよく、また、各ステップは、同様の作用効果を生じる範囲で実行順序が異なってもよい。
図7に示すように、まず、車両50において、ステップS101以降の処理が行われる。具体的には、ステップS101において、制御ユニット60の制御部61は、判定開始タイミングが到来したと判定すると、次のステップS102において、制御部61は、タイヤ1の状態を判定するための状態判定要求を異常判定装置10に送信する処理を行う。
前記判定開始タイミングは、タイヤ1が正常かどうかを判定するべきタイミングであり、例えば、前回の判定時から所定期間が経過したこと、或いは、前回の判定時から車両50が所定距離を走行したこと、のいずれか一つ又は両方の条件を満たしたタイミングである。また、前記判定開始タイミングは、タイヤ1の走行累積時間が所定の設定時間に達したこと、或いは、タイヤ1の走行累積距離が所定の設定距離に達したこと、のいずれか一つ又は両方の条件を満たしたタイミングであってもよい。これらの各条件は、例えば、車両50の記憶部62に記憶されている。また、前記判定開始タイミングは、車両50に設けられた操作スイッチ59などがドライバー又は搭乗者によって操作されて、車両50から判定開始指示が入力されたタイミングであってもよい。
前記状態判定要求の送信後に、異常判定装置10から前記状態判定要求に対する応答信号を受信すると、制御部61は、ステップS103において、前記状態データを取得する処理を行う。具体的には、制御部61は、装着されているタイヤ1に関する前記状態データを記憶部62又はメモリ67から読み出す。このとき、制御部61は、タイヤ1に関する前記タイヤ識別情報を記憶部62又はメモリ67から取得してもよい。
その後、制御部61は、前記状態データを異常判定装置10に送信する処理を行う(S104)。なお、前記応答信号は、前記状態データを異常判定装置10に送信させるための送信要求でもある。
図8に示すように、異常判定装置10において、制御部11は、車両50から前記状態判定要求を受信すると(S201)、前記判定要求に対する応答信号を車両50に送信する(S202)。その後、制御部11は、車両50から送信されてきた前記状態データを受信する(S203)。ステップS203の処理は、制御部11のデータ取得部111により実行される処理である。なお、ステップS203は、本開示の関連情報取得ステップの一例である。
ステップS203において、車両50から送信された前記状態データを取得すると、制御部11は、式(1)に示す算出式と前記状態データを用いて、前記評価値Sを算出する処理を行う(S204)。
前記評価値Sが算出されると、次のステップS205において、制御部11は、前記評価値Sが前記第1閾値未満であるか否かを判定する処理を行う。当該判定ステップS205は、タイヤ1が正常であるか否かを判定するための処理である。前記評価値Sが前記第1閾値未満である場合に、制御部11は、タイヤ1が正常であると判定する。そのため、前記評価値Sが前記第1閾値未満であると判定されると、制御部11は、タイヤ1が正常であると判定し、タイヤ1が正常であることを示す正常情報を車両50に送信する(S207)。
一方、前記評価値Sが前記第1閾値以上であると判定された場合(S205のNo側)、ステップS206の処理が行われる。
ステップS206において、制御部11は、前記評価値Sが前記第1閾値以上であり、前記第2閾値未満であるか否かを判定する処理を行う。当該判定ステップS206は、タイヤ1に異常の前兆が生じているか否を判定するための処理である。前記評価値Sが前記第1閾値以上であり前記第2閾値未満である場合に、制御部11は、タイヤ1に異常の前兆が生じていると判定する。そのため、前記評価値Sが前記第1閾値以上であり前記第2閾値未満であると判定されると、制御部11は、タイヤ1に異常の前兆が生じていると判定し、タイヤ1に異常の前兆が生じていることを示す警戒情報を車両50に送信する(S208)。
一方、ステップS206において、前記評価値Sが前記第2閾値以上であると判定された場合(S206のNo側)、制御部11は、タイヤ1に異常が生じていると判定して、タイヤ1が異常状態であることを示す異常情報を車両50に送信する(S209)。
ステップS206~S207の処理は、制御部11の第1判定処理部112により実行される処理である。また、ステップS206~S207は、本開示の第1判定ステップの一例である。
ステップS207~S209の処理は、制御部11の出力処理部115により実行される処理である。また、ステップS207~S209は、本開示の出力ステップの一例である。
また、第1判定処理部112による判定結果(前記正常情報、前記警戒情報、又は前記異常情報)の転送を要求する転送要求を受信している場合は(S210)、制御部11は、前記転送要求の要求元に、前記判定結果を送信する(S211)。例えば、制御部11が、情報端末71,72からの前記転送要求を受信している場合は、制御部11は、情報端末71,72に前記判定結果を送信する。その後、一連の処理が終了する。一方、前記転送要求を受信していない場合は、ステップS207~S209のいずれかのステップの送信処理の後に、一連の処理が終了する。
図7に示すように、車両50において、制御部61は、異常判定装置10から前記判定結果を受信すると(S105)、その判定結果を表示装置502に出力する処理を行う(S106)。具体的には、制御部61は、前記判定結果を車両50の表示装置502に表示する処理を行う。また、前記補修剤情報に前記価格情報や補修効果が含まれている場合は、これらの情報も表示装置502に表示する。その後、一連の処理が終了する。
以上説明したように、本実施形態の判定システム100では、タイヤ1の劣化に影響を与え得る前記状態データに基づいて、タイヤ1が正常であるか否か、又は、タイヤ1に異常の前兆が生じているか否か、又は、タイヤ1が走行危険な異常状態であるか否かの判定が行われる。そして、その判定結果が表示装置502や情報端末71、情報端末72に出力される。これにより、表示装置502及び情報端末71から前記判定結果を確認したユーザーは、車両50の走行中にタイヤ1の異常をユーザー自身が体感する前に、タイヤ1に異常の前兆が生じていることや、タイヤ1に異常が発生していることを把握できる。また、前記判定結果が情報端末72に出力された場合は、前記補修事業所に関わる作業員は、車両50が前記補修事業所に持ち込まれる前に、タイヤ1の状態を把握することができる。
[第2実施形態]
以下、図9を参照して、本開示の第2実施形態について説明する。第2実施形態は、異常判定装置10において実行される補修剤判定処理の一部が上述の第1実施形態と相違している。以下においては、第1実施形態との相違点について説明し、共通する構成の説明は省略する。
図9は、本実施形態において、異常判定装置10の制御部11によって実行される異常判定処理の他の一例を示すフローチャートである。本実施形態の異常判定処理において、タイヤ1に異常の前兆が生じていると判定された後の処理、及びタイヤ1に異常が生じていると判定された後の処理の内容が上述の第1実施形態と相違し、その他の処理については同じである。
図9に示すように、ステップS206において、前記評価値Sが前記第1閾値以上であり、前記第2閾値未満であると判定されると、制御部11は、次のステップS2061において、タイヤ1が前記走行不能状態になるまでの前記走行可能距離を算出する処理を行う。ステップS2061の処理、及び後述するステップS2064の処理は、制御部11の第2判定処理部により実行される処理である。
その後、制御部11は、ステップS2062において、車両50が走行不能状態になる前に到達することが可能な位置にある前記補修事業所が有るか否かを判定する処理を行う。ステップS2062の処理、及び後述するステップS2066の処理は、制御部11の第3判定処理部により実行される処理である。例えば、制御部11は、車両50の現在位置から前記走行可能距離の範囲内に所在する前記補修事業所が前記事業所データに含まれているか否かを判定する。
そして、前記補修事業所が前記事業所データに含まれていると判定されると、制御部11は、前記事業所データから前記補修事業所を示す前記事業所情報を抽出し(S2063)、その事業所情報とともに前記警戒情報を車両50に送信する(S208)。
一方、図9に示すように、ステップS206において、前記評価値Sが前記第2閾値以上であると判定されると、制御部11は、次のステップS2064において、タイヤ1が前記走行不能状態になるまでの前記走行可能距離を算出する処理を行う。
次のステップS2065では、制御部11は、ステップS2065において、前記走行可能距離に所定の低減率を乗じることにより、前記走行可能距離を所定量だけ減算する処理を行う。タイヤ1が異常状態である場合は、車両50の走行上の安全を担保するために、タイヤ1に異常の前兆が生じている場合と比較して、前記走行可能距離に前記低減率を乗じることが好ましいと考えられる。
その後、制御部11は、ステップS2066において、車両50が走行不能状態になる前に到達することが可能な位置にある前記補修事業所が有るか否かを判定する処理を行う。
そして、前記補修事業所が前記事業所データに含まれていると判定されると、制御部11は、前記事業所データから前記補修事業所を示す前記事業所情報を抽出し(S2067)、その事業所情報とともに前記異常情報を車両50に送信する(S209)。
以上説明したように、第2実施形態に係る判定システム100においても、タイヤ1の劣化に影響を与え得る前記状態データに基づいて、タイヤ1が正常であるか否か、又は、タイヤ1に異常の前兆が生じているか否か、又は、タイヤ1が走行危険な異常状態であるか否かの判定が適切に行われる。
なお、上述の第2実施形態では、ステップS2061及びS2064において、前記走行可能距離を算出する例について説明したが、例えば、ステップS2061及びS2064において、前記走行可能距離、又は前記走行可能時間のいずれか一つ又は両方を算出してもよい。また、制御部11は、ステップS2061及びS2064において、前記制限速度を算出してもよい。この場合、前記制限速度を前記走行可能時間に乗じることにより、前記走行可能距離を算出してもよい。
また、上述の第1実施形態及び第2実施形態では、第1判定処理部112は、前記タイヤ回転数x1、前記平均速度x2、前記過加速度の発生回数x3、過剰な前記横方向加速度の発生回数x4、前記振動値x5、前記平均温度x6、前記トレッド摩耗量x7、前記偏摩耗量x8、前記過操舵角の発生回数x9、前記ブレーキ操作回数x10、前記過踏込量の発生回数x11、係数tk、係数h、及び式(1)の算出式を用いて前記評価値Sを算出する例について説明したが、本開示はこのような算出例に限られない。例えば、上述した各項目の各数値xkのいずれか一つ又は複数と、を用いて前記評価値Sを算出してもよい。また、係数tk、及び係数hを用いずに、各数値xkの総和を前記評価値Sとしてもよい。
また、上述の第1実施形態及び第2実施形態では、前記状態データに基づいて算出された前記評価値Sを用いて、前記異常の前兆の有無、及び前記異常の有無を判定する処理例について説明したが、本開示はこのような処理例に限られない。例えば、制御部11は、前記振動値x5を除く他の前記状態データに基づいて算出された評価値Sを用いて前記異常の前兆の有無を判定し、この評価値Sとは異なる前記振動値x5を用いて前記異常の有無を判定してもよい。この場合、前記振動値x5を除く他の前記状態データは、本開示の第1関連情報の一例であり、前記振動値x5は、本開示の第2関連情報の一例である。
また、メモリ67に記憶されたタイヤ1の製造年月日から算出される、タイヤ1の製造時からの経過年数を前記状態データに含めて、式(1)の算出式を用いて前記評価値Sを算出してもよい。つまり、前記経過年数に応じた重み係数を設定して、その重み係数と式(1)とを用いて前記評価値Sを算出してもよい。また、GPS受信部64の位置情報から算出された移動距離とタイヤ1の回転速度から算出された移動距離との間に誤差がある場合は、その誤差が大きいほど走行時のタイヤ1の外径サイズが規定サイズよりも小さくなっており、タイヤ1が損傷している可能性があると考えられる。そのため、前記誤差を前記状態データに含めて、式(1)の算出式を用いて前記評価値Sを算出してもよい。つまり、前記誤差に応じた重み係数を設定して、その重み係数と式(1)とを用いて前記評価値Sを算出してもよい。
なお、上述の第1実施形態及び第2実施形態では、データ取得部111、第1判定処理部112、第2判定処理部113、第3判定処理部114、出力処理部115が異常判定装置10の制御部11によって実現された構成を例示したが、これらの各処理部の全て又は一部が、車両50の制御ユニット60の制御部61や、車両50が備える車載端末内のプロセッサ、或いは情報端末71,72の制御部によって実現されてもよい。つまり、図8又は図9に示すフローチャートの各ステップの処理が、異常判定装置10、車両50、情報端末71,72のいずれで実行されてもよい。また、制御ユニット60の制御部61によって実現される変換処理部611は、異常判定装置10の制御部11或いは情報端末71,72の制御部によって実現されてもよい。
[第3実施形態]
なお、前記式(1)の算出式を用いて前記評価値Sを算出する算出例は単なる一例である。以下、本開示の第3実施形態として、図10を参照して、第1判定処理部112による異常判定処理の他の処理例について説明する。ここで、図10は、第1判定処理部112の構成を示すブロック図である。
図10に示すように、第1判定処理部112は、前記評価値Sを求める処理を行う評価値学習部210を有する。評価値学習部210は、予め準備された教師データに基づいて構築された学習モデル211(本開示の学習モデルの一例)を用いて、タイヤ1の評価値を求める。ここで、前記教師データは、前記学習モデル211を生成するために用いられる情報であり、データベース部30に割り当てられた記憶領域に格納されている。また、学習モデル211は、例えば機械学習によって予め学習された学習済みモデルである。
一般に、前記機械学習には、教師あり学習(Supervised Learning)、教師なし学習(Unsupervised Learning)、強化学習(Reinforcement Learning)などのアルゴリズムがあり、更に、これらの手法を実現するうえで、特徴量そのものの抽出を学習する「深層学習(ディープラーニング:Deep Learning)」と呼ばれる手法が用いられる。本実施形態では、教師あり学習によって学習済みの学習モデル211を例示して説明する。
学習モデル211は、データベース部30に格納されている前記教師データ、及び所定のアルゴリズムに基づいて予め生成された学習済みモデルである。前記アルゴリズムは、事前に入力された前記教師データから、その入力と出力の関係を学習するアルゴリズムである。
前記教師データは、学習モデル211を学習するためのデータセットである。前記教師データは、学習モデル211に含まれる予測関数を学習するために用いられる。前記教師データには、多数のサンプルタイヤの前記状態データなどの入力値と、これらのデータに対する答えとしての前記評価値(出力値)とが含まれている。前記教師データは、前記入力値と前記出力値とからなる組合せデータを多数含むものである。
学習モデル211を用いて前記評価値を算出する場合、前記状態データとして、例えば、車両50の走行中に各センサ51~58で検出された検出値の履歴情報が用いられてもよい。また、GPS受信部64で測定される走行位置の履歴データや、車両50の走行速度や加速度の履歴データなどの各種履歴データなどが前記状態データとして用いられてもよい。
このような教師データを学習モデル211に与えることで、学習モデル211は、前記教師データにある特徴や有用な規則、知識表現、判断基準などを解析し、入力値と出力値との関係性を示す予測関数を学習する。このような関係性が学習できれば、評価値(出力値)が未知のタイヤ1の前記状態データ(入力値)を前記予測関数に適用することにより、タイヤ1の前記評価値(出力値)の予測が可能となる。
本実施形態では、第1判定処理部112は、前記状態データを学習モデル211に入力することによって、学習モデル211が入力された前記状態データに対応する前記評価値を出力する。
なお、学習モデル211が前記教師データによって学習済みであれば、データベース部30に前記教師データが格納されていなくてもよい。
このような学習モデル211を用いて前記評価値を算出することにより、前記評価値の精度がより向上し、その結果、第1判定処理部112による判定処理の精度が更に向上する。
以上説明した本開示の実施形態は、以下に記す各開示事項(1)~(14)を含む。
本開示(1)の一の局面に係るタイヤ異常判定システムは、車両に装着される非空気入りタイヤの劣化に影響を与え得る劣化関連情報を取得する関連情報取得部と、前記劣化関連情報に基づいて、前記非空気入りタイヤにおける異常の前兆の有無と、前記非空気入りタイヤにおける前記異常の有無とのうちの少なくとも一つを判定する第1判定処理部と、前記第1判定処理部による第1判定結果を所定の出力先に出力する出力処理部と、を備える。
このように構成されているため、前記非空気入りタイヤに生じる異常の前兆の有無、又は異常の有無を判定することが可能となり、また、その判定内容を所定の出力端末を通じて車両の所有者やドライバー、車両の修理事業者などに通知することが可能となる。
本開示(2)は、本開示(1)に記載のタイヤ異常判定システムにおいて、前記第1判定処理部は、前記劣化関連情報に基づいて求められる所定の評価値が予め定められた第1基準値以上であり第2基準値未満である場合に、前記非空気入りタイヤに前記異常の前兆が生じていると判定し、前記評価値が前記第2基準値以上である場合に、前記非空気入りタイヤに前記異常が生じていると判定する。
本開示(3)は、本開示(2)のタイヤ異常判定システムにおいて、前記第1判定処理部は、前記劣化関連情報を入力して、前記評価値を出力する学習モデルを用いて前記評価値を求める。
本開示(4)は、本開示(1)~(3)のいずれか一つのタイヤ異常判定システムにおいて、前記第1判定処理部によって前記異常の前兆又は前記異常があると判定された場合に、前記非空気入りタイヤが前記異常に起因して走行不可能な走行不能状態になるまでの走行可能時間、前記非空気入りタイヤが前記走行不能状態になるまでの走行可能距離、及び前記非空気入りタイヤで安全に走行可能な制限速度の少なくとも一つ又は複数を判定する第2判定処理部を更に備える。前記出力処理部は、前記第2判定処理部による第2判定結果を更に出力する。
本開示(5)は、本開示(4)のタイヤ異常判定システムにおいて、前記出力処理部は、前記第1判定処理部によって前記非空気入りタイヤに前記異常の前兆があると判定された場合に、前記走行可能時間、前記走行可能距離、前記制限速度の少なくとも一つ又は複数を出力する。また、前記出力処理部は、前記第1判定処理部によって前記非空気入りタイヤに前記異常があると判定された場合に、前記走行可能時間、前記走行可能距離、前記制限速度の少なくとも一つ又は複数に所定の低減率を乗じて得られた数値を出力する。
本開示(6)は、本開示(4)又は(5)のタイヤ異常判定システムにおいて、前記車両の位置を示す車両位置情報を取得する車両位置情報取得部と、前記第2判定処理部による前記第2判定結果、及び前記車両位置情報に基づいて、前記非空気入りタイヤの前記異常を修理可能な事業所の位置、又は前記非空気入りタイヤの交換が可能な事業所の位置を示す事業所位置情報を含む事業所位置データ内に、前記異常の前兆又は前記異常があると判定された前記非空気入りタイヤを装着する前記車両で到達可能な前記事業所が有るか否かを判定する第3判定処理部と、を更に備える。前記出力処理部は、前記第3判定処理部による第3判定結果を更に出力する。
本開示(7)は、本開示(1)~(6)のいずれか一つのタイヤ異常判定システムにおいて、前記非空気入りタイヤは、接地面を有する環状のトレッド部と、前記トレッド部の径方向の内側に配置されるハブ部と、前記トレッド部と前記ハブ部とを連結する弾性変形可能な一つ又は複数のスポークからなるスポーク部とを有する。前記第1判定処理部は、前記トレッド部、前記ハブ部、前記スポーク部のいずれか一つ又は複数における前記異常の前兆の有無、又は前記異常の有無を判定する。
本開示(8)は、本開示(1)~(7)のいずれか一つのタイヤ異常判定システムにおいて、前記出力処理部は、前記第1判定処理部によって前記異常の前兆又は前記異常があると判定された前記非空気入りタイヤを装着する前記車両に搭載された表示装置、及び前記車両の運転手又は所有者に関連付けられた端末装置のいずれか一つ又は両方に出力する。
本開示(9)は、本開示(6)のタイヤ異常判定システムにおいて、前記出力処理部は、前記事業所に関連付けられた端末装置に出力する。
本開示(10)は、本開示(1)~(9)のいずれか一つのタイヤ異常判定システムにおいて、前記劣化関連情報は、前記非空気入りタイヤが前記車両に装着されて使用された場合のタイヤの振動値、タイヤに加わる加速度、タイヤの回転数、タイヤのトレッド部の温度、タイヤのトレッド部の摩耗量、前記車両の走行距離、前記車両の走行時間、前記車両の走行速度、前記車両の加速度、前記車両の走行経路、前記車両の操舵角、前記車両におけるブレーキ回数、前記車両におけるブレーキの操作量の少なくとも一つ又は複数である。
本開示(11)は、本開示(1)~(10)のいずれか一つのタイヤ異常判定システムにおいて、前記劣化関連情報が、一つ又は複数の情報を含む第1関連情報と、前記第1関連情報とは異なる一つ又は複数の情報を含む第2関連情報とを有する場合に、前記第1判定処理部は、前記第1関連情報に基づいて前記異常の前兆の有無を判定し、前記第2関連情報に基づいて前記異常の有無を判定する。
本開示(12)の他の局面に係るタイヤ異常判定装置は、車両に装着される非空気入りタイヤの劣化に影響を与え得る劣化関連情報を取得する関連情報取得部と、前記劣化関連情報に基づいて、前記非空気入りタイヤにおける異常の前兆の有無と、前記非空気入りタイヤにおける前記異常の有無とのうちの少なくとも一つを判定する第1判定処理部と、前記第1判定処理部による第1判定結果を所定の出力先に出力する出力処理部と、を備える。
本開示(13)のその他の局面に係るタイヤ異常判定方法は、車両に装着され非空気入りタイヤの劣化に影響を与え得る劣化関連情報を取得する関連情報取得ステップと、前記劣化関連情報に基づいて、前記非空気入りタイヤにおける異常の前兆の有無と、前記非空気入りタイヤにおける前記異常の有無とのうちの少なくとも一つを判定する第1判定ステップと、前記第1判定ステップによる第1判定結果を出力する出力ステップと、を含み、各ステップを一又は複数のプロセッサにより実行する方法である。
本開示(14)のその他の局面に係るプログラムは、車両に装着される非空気入りタイヤの劣化に影響を与え得る劣化関連情報を取得する関連情報取得ステップと、前記劣化関連情報に基づいて、前記非空気入りタイヤにおける異常の前兆の有無と、前記非空気入りタイヤにおける前記異常の有無とのうちの少なくとも一つを判定する第1判定ステップと、前記第1判定ステップによる第1判定結果を出力する出力ステップと、を一又は複数のプロセッサに実行させるためのプログラムである。本開示は、前記プログラムを非一時的に記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であってもよい。