JP7684552B2 - 室炉式コークス炉の燃焼室端部の煉瓦組積構造体 - Google Patents

室炉式コークス炉の燃焼室端部の煉瓦組積構造体 Download PDF

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Description

本発明は、室炉式コークス炉の燃焼室端部の煉瓦組積構造に関する。
コークス炉では、原料の石炭を乾留してコークスを製造する。原料の石炭の供給、石炭乾留のための加熱、および石炭乾留後のコークスの取り出しが繰り返し行われる。コークス炉の炉体は、温度変化による熱応力、石炭乾留中の石炭膨張圧、コークス押し出し時の側圧などにより変形し、乾留に必要な気密性が保てなくなる場合がある。ここで、まずは、室炉式コークス炉の構造について説明し、その後、炉体変形の説明を行う。
図1は、室炉式コークス炉の一例を説明する概略図であり、(A)は部分側面図、(B)は部分平面図、(C)は部分正面図(押出機側)である。図1において、Xは炉長方向、Yは炉団長方向、Zは炉高方向を示している。
図1に示すように、室炉式コークス炉100(以下、単に「コークス炉」という)の炉体101の上部には、炉長方向Xに細長い炭化室102と燃焼室103とが、炉団長方向Yに交互に複数配列され、下部には蓄熱室104が設けられている。炭化室102には炉頂側に複数の装入口105が設けられている。これらの装入口105から原料の石炭を炭化室102内に供給する、そして、隣接する燃焼室103での燃焼ガスの燃焼熱により間接的に加熱して乾留して、コークスを製造する。
炭化室102の炉長方向Xの両側には、製造したコークスを取り出すための窯口109が設けられており、石炭の乾留処理時には炭化室102を密閉するために、炉枠2(図2参照)に炉蓋(図示省略)を取り付けて窯口109を塞ぐ。また、乾留後には、炉蓋が外されて、一方の窯口109側に押出機(図示省略)を配し、その押出ラムを炭化室102内に挿入して、炭化室102内のコークスを押し出し、他方の窯口109側に配置したガイド車で回収する。なお、ここでは図示を省略しているが、燃焼室103内には、炉団長方向Yに延びる隔壁(図3のビンダー部15の煉瓦壁)で仕切られた、複数の燃焼室フリュー3(図3の第1フリュー3a,第2フリュー3bなど)が設けられている。
炉体101は煉瓦により構築された煉瓦組積構造体であり、繰り返す膨張や収縮により緩まないように、炉締金物により、炉体101に締め付け力(炉締力)を作用させて拘束している。図1に示すように、炉体101の各燃焼室103の炉外には、各燃焼室103の炉団長方向Yの略中央に、一対のバックステイ106(押出機側バックステイ106aおよびガイド車側バックステイ106b)が炉高方向Zに直立して、炉長方向Xに対向するように設置される。バックステイ106は剛性の高いH形鋼であり、各バックステイ106a,106bには、炉高方向Z上下に各2本のクロスタイロッド107と呼ばれる棒鋼が連結され、スプリング108が取り付けられる。炉締力はこのスプリング108の弾性力(復元力)によるものであり、スプリング108の炉締力がバックステイ106に伝達され、炉体101を炉長方向X内方に締め付けている。以下に、炉体101の煉瓦構造とその締め付けについて、図面を用いて説明する。
コークス炉100の炉体101は、複数の煉瓦を平面状に組んだ状態の、2種類の1段煉瓦組み構造(以下、「組み煉瓦」という)を、炉高方向に交互に積んで構築される。構築した際に炉高方向Zに縦目地が連続するのを避けるため、使用する煉瓦の形状や煉瓦の組み方の異なる2つの組み煉瓦を交互に積み重ねることにより、一段毎に縦目地(以下、単に「目地」という)が交互にずれるようする。
図2は、従来のコークス炉100の炉長方向Xの端部の構成の概略を示す部分横断面図である。図2において、(A)は2種類の組み煉瓦のうちの一方の(以下、第1組み煉瓦101Aという)の煉瓦構成を示し、(B)は2種類の組み煉瓦のうちの他方(以下、第2組み煉瓦101Bという)の煉瓦構成を示す。なお、ここでは、押出機側バックステイ106aが配される側の煉瓦構成のみについて説明し、ガイド車側バックステイ106b側の説明は、押出機側バックステイ106a側と略同様であるため省略する。
図2に示すように、押出機側バックステイ106a(以下、単にバックステイ106aという)と炉体101の燃焼室103の炉壁との間には、ディスタンスピース4と保護板5とが配置されている。バックステイ106aに伝達された炉締力は、ディスタンスピース4、保護板5を介して煉瓦構造物である炉体101に伝達される。
保護板5は、燃焼室103の炉長方向X端部の炉壁外面を覆う高剛性の板状材であり、側壁面全体を押圧する。ディスタンスピース4は棒状の鋼材であり、バックステイ106aと保護板5の間にできる隙間に略水平に挿入される。バックステイ106aはスプリング108(図1参照)が上端および下端の2箇所のみに力が加えられて撓み、その中央部分に隙間が生ずるため、隙間の大きさに応じた厚さのディスタンスピース4が炉高方向に複数挿入される。バックステイ106aと保護板5との接触面積を確保して十分な炉締力を炉体の側壁に伝達するとともに、側壁に対して炉締力を垂直に作用させる。なお、以下の説明において、ディスタンスピース4(DP)を用いて、炉締力をコークス炉の燃焼室の炉団長方向中央部に作用させる方式を、DP方式という。
ここで、以下の説明において使用する炉体101の各部の呼び方について、図3を用いて説明する。図3(A)に示すように、燃焼室103の炉長方向X端の外壁側面部分を側壁部10と呼び、この部分に配置される煉瓦を側壁煉瓦20,30(図2、図5など参照)という。炭化室102と燃焼室フリュー列(燃焼室フリュー3a,3b,…)とを隔てる仕切り壁部分をロイファー部12と呼び、この部分に配置される煉瓦をロイファー煉瓦22(図2など参照)という。また、燃焼室フリュー3同士を隔てる仕切り壁部分をビンダー部15と呼び、この部分に配置される煉瓦をビンダー煉瓦25,35(図2、図5など参照)という。また、燃焼室フリュー3(以下、単に、フリュー3という)のうち、側壁部10を側壁とする最も端(炉長方向最端)に位置するものを第1フリュー3a(または、端フリュー3a)といい、その隣に位置するものを第2フリュー3bという。なお、本説明においては、側壁煉瓦20は、側壁部10に配置される煉瓦のうち、ロイファー部12と接合している煉瓦および端フリュー3aに面している煉瓦を指す。
また、ロイファー部12については、図3(B)に示すように、端フリュー3a(第1フリュー)と炭化室102が相対している部分Kをロイファー端部11と呼び、この部分に配置される煉瓦をロイファー端煉瓦21,31(図2、図5など参照)という。さらに、ロイファー部12において、ビンダー部15の延長線範囲S内の部分を交差部14と呼ぶ。
図2に戻り、炉体101の第1組み煉瓦101Aと第2組み煉瓦101Bの構成について説明する。炉体101を構成する第1組み煉瓦101Aと第2組み煉瓦101Bとは、それぞれがカギ型の接合面で組んだ複数の煉瓦で構成されており、両組み煉瓦101A,101Bは互いが炉長方向Xに延びる中心軸で反転させた構成となっている。燃焼室103の炉長方向X端の側壁である側壁部10には、1つの断熱煉瓦6と4つの側壁煉瓦20(両端は粘土煉瓦でその間の2つは硅石煉瓦)が使用されている。ロイファー部12(ロイファー端部11を含む)およびビンダー部15には、ロイファー煉瓦22(ロイファー端煉瓦21を含む)およびビンダー煉瓦25として、複数の硅石煉瓦が使用されている。
以下に、上述した従来型の炉体101の問題点について説明する。図4は、図2(A)に示す第1組み煉瓦101Aの煉瓦構造(操業開始前の状態)の経年変形を示す説明図であり、(A)はロイファー端部11の2箇所に亀裂が入った状態、(B)は亀裂により変形が進み炭化室102の窯口109が狭小化した状態を示す。なお、第1組み煉瓦101Aを反転させた構成である第2組み煉瓦101Bの経年変形も、第1組み煉瓦101Aと略同様であるので説明を省略する。
まずは亀裂の発生について説明する。コークス炉100の炉体101のロイファー端部11には、図4(A)に示すように、縦方向(炉高方向)に貫通する2本の縦貫通亀裂Cが発生する。縦貫通亀裂Cの位置は、図2に示す一点鎖線の位置である。図2に示すように、第1組み煉瓦101Aと第2組み煉瓦101Bのどちらか一方のロイファー端煉瓦21の目地位置であり、煉瓦同士の接合部である目地は、操業時の急激な温度変化により目地開きを起こす。また、第1組み煉瓦101Aと第2組み煉瓦101Bの他方のロイファー端煉瓦21においては、目地位置とはずれた箇所だが、一方のロイファー端煉瓦21の目開きの直上、直下に位置する。そのため、一方のロイファー端煉瓦21の目地開きにより、他方のロイファー端煉瓦21に大きな剪断力が掛かり、剪断応力により縦亀裂が生じる。最終的には炉高方向Zに目地開きした目地と縦亀裂とが交互に連続発生し、貫通した縦貫通亀裂Cとなる。
次に、窯口狭小化について説明する。図4(B)に示すように、バックステイ106aによる炉締力の作用点は、コークス炉100の保護板5の炉団長方向Yの中心となる。そのため、保護板5は中央部のみが内方に押されることにより撓み、炉締力は燃焼室103の側壁部10の中央部に主に作用し、炉団長方向Yにカギ型目地で接合されている4つの側壁煉瓦20は押し広げられる(黒矢印)。また、上述したように、側壁煉瓦20に接合されていたロイファー端煉瓦21は、縦貫通亀裂Cによって分断されており炉長方向Xの拘束力が低下している。そのため、カギ型の接合面で組まれた側壁部10の側壁煉瓦20は、外側に回転する方向に炉締力が作用して隣接する炭化室102側に迫り出し、これに追従して分断された状態にあるロイファー端煉瓦21も回転して炭化室102側に迫り出す(白矢印)。側壁煉瓦20およびロイファー端煉瓦21の迫り出しにより、2つの燃焼室103の間に設けられている炭化室102の窯口109(図1参照)が狭小化する。
上述した2本の亀裂の発生と窯口狭小化には、以下のような問題がある。窯口狭小化で炭化室102内に迫り出した部分は、コークス押出作業を行う際に押出ラムの押出抵抗となる。無理に押出作業を行うと、炉壁に掛かる側圧が大きくなり崩壊を引き起こすため、応急的な対処として切削される。しかしながら、切削により炉壁が薄くなるため、炉壁耐力が低下して窯口寿命が短くなるという問題がある。また、ロイファー端煉瓦21の2本亀裂により分断された部分(以下、分断煉瓦という)は、分断により拘束力は弱くなっている。そのため、乾留時の石炭膨張やコークス押出作業などにより、炭化室側から炉団長方向Yに力が掛かった際には端フリュー3aへ脱落するリスクがある。
ここで、コークス炉の炉体の亀裂や変形の問題解決手段として、以下の技術が開示されている。特許文献1には、熱亀裂を防止し、変形を抑制して炉壁の長寿命化を実現するための、炭化室と燃焼室フリューの炉壁煉瓦の煉瓦組積構造に関する技術が開示されている。この技術は、炭化室と燃焼室との仕切り壁であるロイファー煉瓦22及び燃焼室フリュー同士の仕切り壁であるビンダー煉瓦25を有するコークス炉の炉壁煉瓦組積構造において、燃焼室フリューを挟む、炉長方向の前記ビンダー煉瓦25の端部は、前記ロイファー煉瓦22と一体化し、該煉瓦は反対側の炭化室に面する部分にも点対称の関係で更に設置され、ビンダー部分には該煉瓦を連結する形の煉瓦を配置され、前記各煉瓦によってリング状の煉瓦ユニットを構成し、該煉瓦ユニットは燃焼室の1フリューに一つ飛び毎に設置し、その間は直方体のロイファー煉瓦22で連結され、かつ、前記ロイファー煉瓦22は前記ビンダー煉瓦25の延長線内のみに垂直接合面である目地を有することを特徴とする。
また、特許文献2には、バックステイによる炉締力の作用点に着目し、室炉式コークス炉における炉体の締付け力を燃焼室の高さ方向に均一に伝達することができる締付け方法に関する技術が開示されている。この技術は、コークス炉の各燃焼室の炉長方向両端の炉外側に配置され、コークス炉の高さ方向の上下端に近い2か所に設置したクロスタイロッドで連結されたバックステーの燃焼室側の、燃焼室と相対する部分の、高さ方向に複数段、炉団方向に各2個ずつ炉締金物を設置し、前記クロスタイロッドの両端に設けた炉締スプリングによって得た炉締力を、前記炉締金物、燃焼室の炉長方向両端に配置したドアフレーム(炉枠)と保護板を介して燃焼室の炉長方向に付与するコークス炉の炉体締付け方法において、前記バックステーの、前記ドアフレームと前記炉締金物の間に設けた開口部に炉締伝達装置を貫通させ、前記炉締金物から前記炉締伝達装置を介してドアフレームに炉締力を伝達することを特徴としている。
特開2010-209345号公報 特開2016-113476号公報
特許文献1に記載の技術は、炭化室と燃焼室との仕切り壁および燃焼室フリュー同士の仕切り壁に関するものであり、燃焼室の炉長方向の両端部の煉瓦組積構造(以下、端部煉瓦組積構造ともいう)について検討したものではなく、煉瓦の迫り出し現象による炭化室の窯口狭小化問題を解決するものではなかった。
特許文献2に記載の技術では、炉締伝達装置を用いて、保護板の炉団長方向の両端側に炉締力を伝達する。しかしながら、構造が複雑で部品点数も多いためコストが掛かり、また、適切な炉締力を維持するためのスプリングの調整作業の負荷が大きいという問題があった。さらに、既設のコークス炉の場合、移動機(押出機およびガイド車)の軌条との位置関係で、炉締伝達装置を配置するスペースを確保できない場合がある。また、コークス炉を建て直す場合においても、炉締伝達装置を配置するスペースを設けるには、移動機軌条の移設を行う必要がある。しかしながら、高炉へのコークスの供給を止めないために、建て直し対象以外のコークス炉では共用の移動機を継続使用しながら操業を続けているため移設は簡単ではなく、移動機共用も不可能となる。また、設備取合のためにコークス炉容積を縮小することも考えられるが、コークスの生産量が減少してしまう。
本発明は、炉締力の伝達位置に関わらず、コークス炉の窯口狭小化を抑制することができる室炉式コークス炉の燃焼室端部の煉瓦組積構造を提供することを目的とする。
すなわち、本発明の要旨とするところは以下の通りである。
(1)複数の煉瓦を平面状に組んだ第1組み煉瓦と第2組み煉瓦とを備え、
前記第1組み煉瓦は、燃焼室の炉長方向端の側壁を構成する側壁煉瓦と、前記燃焼室の炉長方向最端の燃焼室端フリューと炭化室との仕切り壁であるロイファー端煉瓦と、を有し、
前記側壁煉瓦には、(燃焼室端フリュー側側面の炭化室側端部に、)前記ロイファー端煉瓦の一端側である組込部を組み受ける肩部が形成されており、
前記ロイファー端煉瓦は、炉頂側から視認した平面視において、燃焼室端フリュー側側面の略中央部に傾きが不連続的に変化する屈曲点と、前記屈曲点から前記側壁煉瓦側に前記燃焼室端フリューの内方に張り出すように形成された拡張部と、を有し、
前記ロイファー端煉瓦は、前記側壁煉瓦と組み合わせた際に、前記組込部が前記肩部と接合する組込接合面以外に、前記拡張部が前記燃焼室端フリュー側側面と接合する拡張接合面を有し、
前記組込接合面の炉長方向に垂直な面は、前記拡張接合面よりも前記炉長方向における炉端側にある、室炉式コークス炉の燃焼室端部の煉瓦組積構造。
(2)前記ロイファー端煉瓦は、前記屈曲点から前記拡張接合面に向かうにつれて、平面視における炉団長方向の幅が広くなるように形成されている、(1)の室炉式コークス炉の燃焼室端部の煉瓦組積構造。
(3)前記拡張接合面が、前記側壁煉瓦の前記燃焼室端フリュー側側面と、平面視において略同一直線上に位置する、(1)又は(2)の室炉式コークス炉の燃焼室端部の煉瓦組積構造。
(4)前記第1組み煉瓦の前記屈曲点は、前記第2組み煉瓦の目地と炉高方向において略重なる位置にある、(1)乃至(3)の何れか1つの室炉式コークス炉の燃焼室端部の煉瓦組積構造。
(5)前記第1組み煉瓦において、前記燃焼室の炉長方向端の側壁は炉団長方向で分割した2つの側壁煉瓦からなり、
前記2つの側壁煉瓦の接合面は凹凸嵌合部を有し、
前記2つの側壁煉瓦の接合面は前記凹凸嵌合部を除いて略平面状である、(1)乃至(4)の何れか1つの室炉式コークス炉の燃焼室端部の煉瓦組積構造。
本発明は、第1組み煉瓦のロイファー端煉瓦21に拡張部を形成することにより、ロイファー端部に入る亀裂が1本のみとなるように構成して、窯口狭小化を抑制する。
室炉式コークス炉の一例を説明する概要図であり、(A)は部分側面図、(B)は部分平面図、(C)は部分正面図(押出機側)である。 従来のコークス炉の炉長方向の端部の構成の概略を示す部分横断面図であり、(A)は第1組み煉瓦の構成を示し、(B)は第2組み煉瓦の構成を示す。 (A)は炉体の各部の呼び方の概略について説明する説明図であり、(B)は、炉体の一部(ロイファ―部)の呼び方の詳細について説明する図である。 従来のコークス炉の第1組み煉瓦の煉瓦構造の経年変形を示す説明図であり、(A)は亀裂が入った状態、(B)は炭化室窯口が狭小化した状態を示す。 本発明の実施形態1の室炉式コークス炉の燃焼室端部の煉瓦組積構造を示し、(A)は第1組み煉瓦を構成する3つの煉瓦の形状を説明する説明図であり、(B)は第1組み煉瓦の構成を示す概略図、(C)は第2組み煉瓦1Bの構成を示す概略図である。 実施形態1を示し、第1組み煉瓦の上に第2組み煉瓦を重ねた状態を示す図である。 本発明の実施形態1の変形例の室炉式コークス炉の燃焼室端部の煉瓦組積構造を示し、(A)は第1組み煉瓦を構成する2つの煉瓦の形状を説明する説明図であり、(B)は第1組み煉瓦の構成を示す概略図である。 実施形態1の変形例を示し、第1組み煉瓦の上に第2組み煉瓦を重ねた状態を示す図である。
本発明者らは、構造解析や実機検証により鋭意検討し、コークス炉の窯口狭小化現象は、DP方式による燃焼室側壁部中心への炉締力の作用と、炉体(煉瓦構造体)の2本亀裂の発生とが組み合わさることにより発生していると考えた。そして、窯口狭小化の改善対策として、炉締力を炉体に付与する側(金物)の構成を変更することが空間的制約により困難である場合を考慮して、炉体側の構成について検討した。本発明は、煉瓦組積構造の変更により、窯口狭小化や、燃焼室フリュー側への陥没や脱落のリスクのある分断煉瓦の発生を抑制するものである。
発明者らは、図2に示す従来の煉瓦組積構造の問題点がロイファー端部11に亀裂が2本入る2本亀裂構造であり、この2本亀裂構造は、燃焼室103の側壁部10(断熱煉瓦6を除く)が4分割され(4つの煉瓦で構成され)目地数が多く剛性が低いことと、目地割りがカギ型であるため、側壁煉瓦20の回転を助長しやすいことに起因すると考えた。そこで、これらの対策として、側壁煉瓦20の大型化による目地数の減少と、目地形状の変更により、回転剛性を向上させることとした。さらに、ロイファー端煉瓦21の形状の変更により、ロイファー端部11に発生する亀裂を1本(1本亀裂構造)とするとともに、側壁部側の拡幅により炉締力伝達効率を上げることにより、窯口狭小化を抑制することを考えた。炉体101の亀裂は1本も発生しないことが理想であるが、コークス製造後の炭化室102には相対的に低温な石炭が装入されて炉体101には熱収縮による応力が掛かるため、操業を継続する中で炉体101の亀裂の発生を完全に防ぐことは難しいためである。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、適宜同一の名称または符号を付することにより重複説明を省略する。
〔燃焼室端部の煉瓦組積構造:実施形態1〕
本発明の一例である室炉式コークス炉1の炉体101の燃焼室端部の煉瓦組積構造は、複数の煉瓦を平面状に組んだ2種類の1段煉瓦組み構造(第1組み煉瓦1Aおよび第2組み煉瓦1Bと)を備え、これらを炉高方向Zに交互に積んで構築される。第1組み煉瓦1Aは、燃焼室103の炉長方向端の側壁を構成する側壁煉瓦30と、燃焼室103の炉長方向X最端の燃焼室端フリュー3aと炭化室102との仕切り壁であるロイファー端煉瓦31と、燃焼室端フリュー3aとこれに隣接する燃焼室フリュー3bと炭化室102との仕切り壁である繋ぎ煉瓦36と、を有する。側壁煉瓦30および繋ぎ煉瓦36は、それぞれ、ロイファー端煉瓦31の一端側およびロイファー端煉瓦31の他端側を組み受ける肩部Tを有する。ロイファー端煉瓦31の燃焼室端フリュー側側面は、炉頂側から視認した平面視において略中央部に傾きが不連続的に変化する屈曲点Qを有し、ロイファー端煉瓦31は、平面視において、屈曲点Q(以下、境界Qともいう)の位置の炉団長方向Yの幅(実施形態1では、図5のhの長さ)よりも、側壁煉瓦30の燃焼室端フリュー側側面との接合面(後述する拡張接合面v)の位置の炉団長方向Yの幅(実施形態1では、図5のvおよびwの長さ)の方が大きくなるように形成されている。ここで、燃焼室端部とは、燃焼室103の端フリュー3aの周壁を構成する煉瓦群をいう。
図5は、本発明の一例である実施形態1の室炉式コークス炉1の燃焼室端部の煉瓦組積構造を示し、図5(B)は一方の組み煉瓦(以下、第1組み煉瓦1Aという)の構成を、図5(C)は他方の組み煉瓦(以下、第2組み煉瓦1Bという)の構成を示す概略図である。また、図5(A)は、図5(B)に示す第1組み煉瓦1Aのうちの、紙面上側に位置する3つの煉瓦30,31,36の形状を説明する説明図である。なお、図5は、炉頂側から視認した状態(平面視形状)を示し、各煉瓦はこの平面視形状と横断面形状とが略同一である。また、説明の便宜上、炉長方向Xにおいて移動機軌条が配置される側(図5における左側)を外側とし、その反対側の燃焼室の中央側(図5における右側)を内側という。
図5(B),(C)に示すように、第1組み煉瓦1Aおよび第2組み煉瓦1Bにおいて、粘土煉瓦7は断熱煉瓦6の両側に配置され、炉締力は断熱部材である断熱煉瓦6および粘土煉瓦7を介して、燃焼室103の炉長方向X端の側壁煉瓦30に伝達される。炉体本体部を構成する側壁煉瓦30,30Y、ロイファー端煉瓦31、ビンダー煉瓦35、繋ぎ煉瓦36、および角煉瓦37などには、硅石煉瓦が使用される。使用する煉瓦の種類の違いは、コークス炉1内の配置される位置によりさらされる温度領域が異なるためであり、煉瓦の特性(熱膨張率、熱伝導率、耐摩耗性など)が考慮されている。また、炉体本体部に同じ硅石煉瓦を使用することで、煉瓦の膨張差による炉体本体部の変形が低減される。なお、炉締力は、従来例と同様、主に燃焼室103の側壁部10の中央部に作用する。
(第1組み煉瓦の構成)
まずは、第1組み煉瓦1Aの構成について説明する。
図5(A),(B)、図3に示すように、第1組み煉瓦1Aにおいて、燃焼室103の側壁部10は、炉団長方向Yに組まれた(炉団長方向Yで分割した)長さの異なる2つの側壁煉瓦30からなる。2つの側壁煉瓦30の接合面である目地部分には、平面視半円形状の炉高方向Zに延びる凹状溝と凸条とが嵌め合う部分である凹凸嵌合部P(以下、「平面視半円形状の炉高方向Zに延びる凹凸嵌合部P」を、単に、凹凸嵌合部Pという)が炉長方向の中央部に形成されている。2つの側壁煉瓦30の接合面は、この凹凸嵌合部P以外の部分において略平面状であり、2つの側壁煉瓦30は、凹凸嵌合部Pにより組み合わされている。各側壁煉瓦30は、外側側面が隣接する断熱煉瓦6および粘土煉瓦7の形状に沿うように形成されており、粘土煉瓦7とは凹凸嵌合部Pにより組み合わされている。また、側壁煉瓦30の内側側面は略平面状であり、炭化室102側端部にはロイファー端煉瓦31の組込部31bを組み受けるために、ロイファー端煉瓦31側の角部を平面視略矩形状部分を切り欠くようにして形成したL字状の段差部である肩部T(以下、「平面視略矩形状の切欠きである肩部T」を、単に、肩部Tという)が形成されている。以下の説明において、ロイファー端煉瓦31の組込部31bが肩部Tと接合する接合面を組込接合面tという。
2つのロイファー端部11は、それぞれ、1つのロイファー端煉瓦31からなる。ロイファー端煉瓦31は、平面視略矩形状の本体部31xと、平面視略直角三角形状の拡張部31yとからなる。本体部31xは、炉長方向Xの両端部分である組込部31bと、両組込部31bに挟まれた部分である本体中部31aとからなる。各組込部31bは略同形状であり、それぞれ側壁煉瓦30の肩部Tと繋ぎ煉瓦36の肩部Tとに組み受けられ、凹凸嵌合部Pにより組み合わされている。拡張部31yは、本体中部31aの端フリュー3a側側面において、その炉長方向Xの略中央を境界Qとした側壁煉瓦30側の領域に、端フリュー3a内方に張り出すように形成されている。横断面略直角三角形である柱状の拡張部31yは、斜辺部分側面nが端フリュー3aに面している。また、短い隣辺部である側壁煉瓦側側面vは、本体中部31aの側壁煉瓦側側面wと略同一平面上(平面視において略同一直線上)に位置しており、ロイファー端煉瓦31が側壁煉瓦30に組み受けられた状態において、側壁煉瓦30の端フリュー3a側側面uに当接する接合面である。以下の説明において、ロイファー端煉瓦31の拡張部31yが側壁煉瓦30の燃焼室端フリュー側側面に当接する接合面を拡張接合面vという。
また、拡張部31yの端フリュー3a側側面は、炉頂側から視認した平面視において略くの字形状であり、略中央部の境界Qは傾きが不連続的に変化する屈曲点である。ロイファー端煉瓦21の炉団長方向の幅は屈曲点から側壁煉瓦側に向かって広くなり、屈曲点を境界として側壁煉瓦側の領域(斜辺部分側面n)は、炉団長方向Yの鉛直面に対して傾斜角度が一定の傾斜面となっている。ロイファー端煉瓦31(側壁部側の組込部31bを除く)の炉団長方向Yの幅は、本体中部31aの炉長方向略中央を境界Q(亀裂誘発箇所)として、内側部分(右側部分)は一定の大きさであり、外側部分(左側部分)は側壁煉瓦30との接合面である拡張接合面vに向かうにつれて略一定の割合で大きくなる。
ここで、組込接合面tの炉長方向に垂直な面は、拡張接合面vよりも炉長方向Xにおける炉端側に位置している。すなわち、ロイファー端煉瓦31の本体部31xの一端側である組込部31bは、側壁煉瓦30側(側壁部10)に入り込むように組み込まれる。ロイファー端煉瓦31の組込部31bを組み受ける側壁煉瓦30の肩部Tの炉長方向Xの長さe(ロイファー端煉瓦31と側壁煉瓦30との組み合う長さ)は、側壁煉瓦30の炉団長方向Y端部(炭化室102側)における幅f(炉長方向Xの長さ)の20%以上40%以下であることが好ましく、25%以上35%以下であることがより好ましい。20%より小さいと、組込部31bと肩部Tとが組み合う量が小さくなり、ロイファー端煉瓦31を迫り出さないように保持するのが難しくなる。また、40%より大きいと側壁煉瓦30側の幅が小さくなりすぎて側壁煉瓦30の剛性が低下する。
また、ロイファー端煉瓦31において、拡張部31yの最大幅g(炉団長方向Yの最大長さ)は、本体部31xの幅h(炉団長方向Yの長さ)の35%以上65%以下であることが好ましく、40%以上60%以下であることがより好ましい。35%より小さいと、側壁煉瓦30からロイファー端煉瓦31への炉締力伝達効果の目的が果たせない。また、65%より大きいと、ロイファー端煉瓦31の厚みが増すことで炭化室102端の伝熱量が減り、コークスが未乾留状態になる虞がある。
ビンダー部15は、2つの繋ぎ煉瓦36と両繋ぎ煉瓦36に挟まれたビンダー煉瓦35とからなる平面視略逆コの字状の組み煉瓦(以下、単に、コの字組み煉瓦40Xという)により構成されている。繋ぎ煉瓦36は平面視略L字形状であり、ビンダー部15の一部とロイファー部12の一部とを一体化したL字型煉瓦である。繋ぎ煉瓦36は、交差部14を含み、同じく交差部14に接するビンダー部15の一部と、交差部14に接する内側のロイファー部12の一部とを含んでおり、端フリュー3a(第1フリュー)とこれに隣接する第2フリュー3bと炭化室102とを仕切る仕切り壁である。繋ぎ煉瓦36のL字型コーナーのロイファー部12相当位置(交差部14に相当)には、ロイファー端煉瓦31の組込部31bを組み受けることのできる肩部Tが形成されている。また、L字型コーナーの内角にはR(アール)が形成されている。R部を有することにより、応力集中が緩和されるとともに、曲げに対する剛性も上げることになる。2つの繋ぎ煉瓦36において、ロイファー部12相当部分の炉長方向Xの長さは同じであるが、ビンダー部15相当部分の炉団長方向Yの長さは異なっている。そのため、両繋ぎ煉瓦36に挟まれる平面視略I字形状のビンダー煉瓦35はその中心が燃焼室103の中心線から外れた位置となっている。
(第2組み煉瓦の構成)
次に、第2組み煉瓦1Bの構成について説明する。
図5(C)に示すように、第2組み煉瓦1Bにおいて、燃焼室端部(燃焼室103の端フリュー3aの周壁を構成する煉瓦群、すなわち、側壁部10、ロイファー端部11、交差部14、およびビンダー部15に位置する煉瓦群)は、2つの平面視略コの字状の組み煉瓦(コの字組み煉瓦40X,Y)を向かい合うように組み合わせた構成となっている。2つのコの字組み煉瓦40X,Yのうち、内側(図面の右側)に配置される一方は、コの字組み煉瓦40Xであり、第1組み煉瓦1Aのコの字組み煉瓦40Xを、燃焼室103の中心線とビンダー煉瓦35の中心線の交点を中心として、180度回転させた配置となっている。もう一方のコの字組み煉瓦40Yは、2つの角煉瓦37と両角煉瓦37に挟まれた側壁煉瓦30Yとからなる。角煉瓦37は平面視略L字形状であり、側壁部10の一部とロイファー部12の一部とを一体化したL字型煉瓦である。また、L字型コーナーの内角にはR(アール)が形成されている。側壁煉瓦30Yは平面視略I字形状であり、2つの角煉瓦37と凹凸嵌合部Pにより組み合わされる。また、コの字組み煉瓦40Yの外側(図面の左側)側面は、隣接する断熱煉瓦6および粘土煉瓦7の形状に沿うように形成され、角煉瓦37は、粘土煉瓦7と凹凸嵌合部Pにより組み合わされている。コの字組み煉瓦40Xとコの字組み煉瓦40Yとは、凹凸嵌合部Pにより組み合わされる。
(第1組み煉瓦と第2組み煉瓦の目地位置)
次に、第1組み煉瓦1Aと第2組み煉瓦1Bとを積み重ねた際の目地位置の関係について説明する。図6は、第1組み煉瓦1Aの上に第2組み煉瓦1Bを積み重ね、炉頂方向から視認した状態を示す概略図である。第1組み煉瓦1Aの目地位置は破線で示し、第1組み煉瓦が見えている箇所はハッチングで示している。図6に示すように、燃焼室端部において、第1組み煉瓦1Aの目地と第2組み煉瓦1Bの目地とは、重ならないように構成されている。第2組み煉瓦1Bのコの字組み煉瓦40Yとコの字組み煉瓦40Xとの接合面である目地Mについては、第1組み煉瓦1Aのロイファー端煉瓦31の炉団長方向Yの幅が変化する境界Q(亀裂誘発箇所)と重なる位置に設けられている。
〔煉瓦組積構造の特徴と効果〕
本発明の室炉式コークス炉の燃焼室端部の煉瓦組積構造において、複数の煉瓦を平面状に組んだ第1組み煉瓦と第2組み煉瓦とを備え、第1組み煉瓦は、燃焼室の炉長方向端の側壁を構成する側壁煉瓦と、燃焼室の炉長方向最端の燃焼室端フリューと炭化室との仕切り壁であるロイファー端煉瓦と、を有し、側壁煉瓦には、(燃焼室端フリュー側側面の炭化室側端部に、)ロイファー端煉瓦の一端側である組込部を組み受ける肩部が形成されており、ロイファー端煉瓦は、炉頂側から視認した平面視において、燃焼室端フリュー側側面の略中央部に傾きが不連続的に変化する屈曲点と、屈曲点から側壁煉瓦側に燃焼室端フリューの内方に張り出すように形成された拡張部と、を有し、ロイファー端煉瓦は、側壁煉瓦と組み合わせた際に、組込部が肩部と接合する組込接合面以外に、拡張部が燃焼室端フリュー側側面と接合する拡張接合面を有し、組込接合面の炉長方向に垂直な面は、拡張接合面よりも炉長方向における炉端側にあることが必須の構成である。
(目地数および目地形状)
本実施形態の燃焼室端部の煉瓦組積構造は、上述のように第1組み煉瓦1Aにおいて、側壁部10に使用する側壁煉瓦30を大型化して、2つの側壁煉瓦30により構成している。これにより、側壁部10の目地数が1つとなるため剛性が向上する。また、2つの側壁煉瓦30の目地割りを、回転力が掛かりやすいカギ型接合面から凹凸嵌合部Pを平面に設けた接合面に変更することにより、剛性をさらに向上させ、側壁煉瓦30およびロイファー端煉瓦31が回転して迫り出し現象が起きることを抑制している。
(1本亀裂構造)
本実施形態では、燃焼室端部のロイファー端部11において、その炉長方向Xの略中央部に1本の亀裂が発生するように構成した煉瓦組積構造としている。具体的には、第1組み煉瓦1Aにおいて、ロイファー端煉瓦31の中央部に亀裂誘発箇所を形成し、その両端部は隣り合う煉瓦に食い込むように組み合わせて亀裂の発生を抑制している。また、第1組み煉瓦1Aの亀裂誘発箇所および目地の位置を考慮して、第2組み煉瓦1Bの煉瓦の形状や目地位置を決めている。
以下に、1本亀裂構造の煉瓦組積構造とその効果について、詳細に説明する。
第1組み煉瓦1Aのロイファー端部11の亀裂誘発箇所は、拡張部31yによりロイファー端煉瓦31の炉長方向略中央部に形成された炉団長方向Yの拡幅開始箇所である境界Qである。ロイファー端煉瓦31の端フリュー3a側側面を平面視略くの字状に形成することにより、その屈曲点である境界Qには応力が集中するため亀裂が発生し易くなる。
これに対し、第1組み煉瓦1Aのロイファー端煉瓦31の一端側は、組込部31bが隣り合う側壁煉瓦30の肩部Tに食い込むように組み受けられる構成となっている。また、ロイファー端煉瓦31の拡張部31yは、側壁煉瓦30の端フリュー3a側側面に当接する構成となっている。側壁煉瓦30を大型化したことにより、ロイファー端煉瓦31の本体部31xの一端部側全体(組込部31b)を組み受ける大きさの肩部Tを形成することができ、ロイファー端煉瓦31をしっかり保持することができる。
また、第1組み煉瓦1Aのロイファー端煉瓦31は、平面視において炉団長方向Yの幅が一定ではなく、側壁煉瓦30との接触面積が大きくなるように、側壁煉瓦30側が拡幅されている。本体部31xに拡張部31yを形成することにより、接触面積が拡張接合面vの面積分増加する。側壁煉瓦30と接するロイファー端煉瓦31の接触面積を大きくなることにより、側壁煉瓦30に作用する炉締力の、ロイファー部12への伝達効率を向上させることができ、炉体101全体の煉瓦の拘束力を強めることができる。なお、ロイファー端煉瓦31の形状は、上述のものに限らず、応力が集中するように設けられた屈曲点と、側壁煉瓦30との接触面積が大きくなるように形成された拡張部を有する構成であればよい。
第1組み煉瓦1Aのロイファー端煉瓦31の他端側は、組込部31bが隣り合う繋ぎ煉瓦36の肩部Tに食い込むように組み受けられる構成となっている。繋ぎ煉瓦36は交差部14を含むロイファー部12の一部とビンダー部15の一部とを一体化したL字型煉瓦であるため、ロイファー端煉瓦31の本体部31xの他端部側全体(組込部31b)を組み受ける大きさの肩部Tを形成することができ、ロイファー端煉瓦31をしっかり保持することができる。また、L字型煉瓦である繋ぎ煉瓦36は、その両端2箇所で隣り合う煉瓦と組み合っており、コーナー部分である交差部14に形成された肩部Tに、ロイファー端煉瓦31から大きな力が加わっても支持することができる。
煉瓦積み構造においては、第1組み煉瓦1Aのロイファー端煉瓦31の亀裂誘発箇所は、第2組み煉瓦1Bの繋ぎ煉瓦36と角煉瓦37の目地部分と重なる(図5(B),(C)の一点鎖線参照)。そのため、第1組み煉瓦1Aの亀裂誘発箇所には、第1組み煉瓦1Aおよび第2組み煉瓦1Bを炉高方向Zに貫通する縦貫通亀裂が発生しやすい。また、煉瓦積み構造において、第1組み煉瓦1Aのロイファー端煉瓦31の目地と重なる箇所は、第2組み煉瓦1Bにおける繋ぎ煉瓦36または角煉瓦37のL字型コーナー部分となっており、繋ぎ煉瓦36および角煉瓦37亀裂の目地位置とは離れている。そのため、第1組み煉瓦1Aのロイファー端煉瓦31の目地箇所は、亀裂が発生しにくい。
上述のような第1組み煉瓦1Aおよび第2組み煉瓦1Bの煉瓦組み構造と、第1組み煉瓦1Aおよび第2組み煉瓦1Bの煉瓦積み構造により、発生する亀裂を1本として、分断煉瓦(ロイファー端煉瓦31の一部)の発生を防ぎ、窯口狭小化を抑制することができる。また、第1組み煉瓦1Aのロイファー端煉瓦31に拡張部31yを形成して、側壁煉瓦30との接合する接合面積を拡げることにより、側壁煉瓦30に作用する炉締力を効率的に伝達することができる。炉体101のロイファー部12に配置される煉瓦の拘束力を高めて、窯口狭小化を含めた炉体101の変形を抑制することができる。拘束力が弱くなっている分断煉瓦の陥没や脱落も抑制できる。
〔燃焼室端部の煉瓦組積構造:変形例〕
次に変形例について、2つの図面を用いて説明する。
図7は、本発明の一例である実施形態1の変形例である室炉式コークス炉1xの燃焼室端部の煉瓦組積構造を示し、(A)は第1組み煉瓦を構成する2つの煉瓦の形状を説明する説明図であり、(B)は第1組み煉瓦1Cの構成を示す概略図である。なお、図7において、実施形態1の第1組み煉瓦1Aの構成からの変更箇所がわかるように、変更前の構成(煉瓦形状や目地位置)を二点鎖線で示している。また、室炉式コークス炉1xの第2組み煉瓦の構成は実施形態1の第2組み煉瓦1Bと同じであるので、図示および説明を省略し、実施形態1の第1組み煉瓦1Aと異なる構成についてのみ説明する。図8は、変形例である室炉式コークス炉1xについて、第1組み煉瓦1Cの上に第2組み煉瓦1Bを積み重ね、炉頂方向から視認した状態を示す概略図である。第1組み煉瓦1Aの隠れている目地位置を破線で示し、第1組み煉瓦の見えている箇所および目地位置はハッチングおよび実線で示している。
図7に示すように、変形例の第1組み煉瓦1Cと実施形態1の第1組み煉瓦1Aでは、側壁煉瓦30とロイファー端煉瓦31との接合面(組込接合面tおよび拡張接合面v)の位置が異なり、第1組み煉瓦1Cは第1組み煉瓦1Aの接合面を炉長方向X内側に移動させたような構成となっている。具体的には、実施形態1では、拡張接合面vが側壁部10とロイファー端部11との境目(図3(B)参照)に設けられていたが、変形例では、拡張接合面vがロイファー端部11に含まれる位置に設けられており、側壁部10に配置される各側壁煉瓦30zは側壁部10の一部とロイファー端部11側に張り出した一部分とからなるJ字型煉瓦である。側壁煉瓦30zのロイファー端部11相当箇所の端フリュー3a側側面は、ロイファー端煉瓦31の端フリュー3a側側面の延長面上に位置し、1つの傾斜面を形成している。変形例では、側壁煉瓦30とロイファー端煉瓦31との接合面の位置が異なるが、上記実施形態1と基本的な構造は変わりなく、実施形態1と略同様の作用効果を奏することができる。側壁煉瓦30zのJ字型コーナーの内角にはR(アール)が形成されている。R部を形成することにより、応力を分散できる。なお、側壁煉瓦30は、ロイファー端煉瓦31との接合部分に肩部Tが切り欠くように設けられているため、ロイファー端煉瓦31の拡張部31y(拡張接合面v)に当接する箇所は突条となっている。剛性を保つためには、この突条の幅が所定の幅以上となるように、接合面の位置や傾斜面の傾斜角度を調整することが好ましい。
〔構造解析による検証〕
第1組み煉瓦の煉瓦構造について、2次元モデルでの数値構造解析(2次元FEM解析)を行い、その効果を検証した。なお、設定した解析条件および境界条件については、予め3次元モデルでの解析結果および実現象との整合性を確認している。
解析は、従来例の第1組み煉瓦101A、実施形態1の第1組み煉瓦1Aの2ケースについて、燃焼室103に炉締力1kgf/cm2と側圧0.1kgf/cm2を与え、側壁煉瓦30とロイファー端煉瓦31の間の目地部分における最大引張応力と最大目地開き量を評価対象とした。解析結果、実施形態1の最大引張応力は従来例の42%であり、最大目地開き量は従来例の58%であった。従来例より両値が大きく減少し、窯口狭小化の抑制効果が期待できることが検証された。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。上述の実施例では、コークス炉の燃焼室の炉団長方向中央部に炉締力が作用する構成について例示したが、これに限られず、炉団長方向両端部に炉締力が作用する構成のものについて適用することも可能である。
1,1x/100…コークス炉、101…炉体、1a,1c/101a…第1組み煉瓦、1b/101b…第2組み煉瓦、102…炭化室、103…燃焼室、104…蓄熱室、106…バックステイ(106a 押出機側バックステイ,106b ガイド車側バックステイ)、107…クロスタイロッド、108…スプリング、3…フリュー(3a 第1フリュー(端フリュー),3b 第2フリュー)、5…保護板、6…断熱煉瓦、7…粘土煉瓦、10…側壁部、11…ロイファー端部、12…ロイファー部、14…交差部、15…ビンダー部、20,30…側壁煉瓦、21,31…ロイファー端煉瓦、22…ロイファー煉瓦、25,35…ビンダー煉瓦、31x…本体部(31a 本体中部,31b 組込部)、31y…拡張部、36…繋ぎ煉瓦、37…角煉瓦、40X,40Y…コの字組み煉瓦、C…縦貫通亀裂、M…目地、P…凹凸嵌合部、Q…屈曲点(境界)、T…肩部、X…炉長方向、Y…炉団長方向、Z…炉高方向

Claims (5)

  1. 複数の煉瓦を平面状に組んだ第1組み煉瓦と第2組み煉瓦とを備え、
    前記第1組み煉瓦は、燃焼室の炉長方向端の側壁を構成する側壁煉瓦と、前記燃焼室の炉長方向最端の燃焼室端フリューと炭化室との仕切り壁であるロイファー端煉瓦と、を有し、
    前記側壁煉瓦には、(燃焼室端フリュー側側面の炭化室側端部に、)前記ロイファー端煉瓦の一端側である組込部を組み受ける肩部が形成されており、
    前記ロイファー端煉瓦は、炉頂側から視認した平面視において、燃焼室端フリュー側側面の略中央部に傾きが不連続的に変化する屈曲点と、前記屈曲点から前記側壁煉瓦側に前記燃焼室端フリューの内方に張り出すように形成された拡張部と、を有し、
    前記ロイファー端煉瓦は、前記側壁煉瓦と組み合わせ部において、前記組込部が前記肩部と接合する組込接合面以外に、前記拡張部が前記燃焼室端フリュー側側面と接合する拡張接合面を有し、
    前記組込接合面の炉長方向に垂直な面は、前記拡張接合面よりも前記炉長方向における炉端側にあり、
    前記第2組み煉瓦は、燃焼室の炉長方向端部に、平面視略コの字状の組み煉瓦(以下「コの字組み煉瓦」という。)を、コの字の先端が炉内側を向くように配置し、前記コの字組み煉瓦は、2つの角煉瓦を有し、前記角煉瓦は平面視略L字形状である、
    室炉式コークス炉の燃焼室端部の煉瓦組積構造
  2. 前記ロイファー端煉瓦は、前記屈曲点から前記拡張接合面に向かうにつれて、平面視における炉団長方向の幅が広くなるように形成されている、請求項1の室炉式コークス炉の燃焼室端部の煉瓦組積構造
  3. 前記拡張接合面が、前記側壁煉瓦の前記燃焼室端フリュー側側面と、平面視において略同一直線上に位置する、請求項1又は請求項2の室炉式コークス炉の燃焼室端部の煉瓦組積構造
  4. 前記第1組み煉瓦の前記屈曲点は、前記第2組み煉瓦の目地と炉高方向において略重なる位置にある、請求項1乃至請求項3の何れか1項の室炉式コークス炉の燃焼室端部の煉瓦組積構造
  5. 前記第1組み煉瓦において、前記燃焼室の炉長方向端の側壁は炉団長方向で分割した2つの側壁煉瓦からなり、
    前記2つの側壁煉瓦の接合面は凹凸嵌合部を有し、
    前記2つの側壁煉瓦の接合面は前記凹凸嵌合部を除いて略平面状である、請求項1乃至請求項4の何れか1項の室炉式コークス炉の燃焼室端部の煉瓦組積構造
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