JP7679332B2 - 延焼防止シート、延焼防止シートの製造方法およびバッテリー - Google Patents
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Description
(2)別の実施形態に係る延焼防止シートにおいて、好ましくは、前記接着層は、前記ゴムシートの一方の面に前記断熱シートを接着する第1接着層と、前記ゴムシートの他方の面に前記断熱シートを接着する第2接着層と、から構成され、前記第1接着層および前記第2接着層は、前記ゴムシートの平面視にてライン状または格子状に備えられ、前記第2接着層は、前記ゴムシートの前記一方の面から前記他方の面に向かう厚さ方向において、前記第1接着層と異なる位置に備えられても良い。
(3)別の実施形態に係る延焼防止シートにおいて、好ましくは、前記ゴムシートは、多孔体から主に構成されても良い。
(4)別の実施形態に係る延焼防止シートにおいて、好ましくは、前記ゴムシートは、シリコーンゴムの発泡シートであっても良い。
(5)上記目的を達成するための一実施形態に係る延焼防止シートの製造方法は、上述のいずれかの延焼防止シートの製造方法であって、ゴム状弾性体からなるゴムシートの両面に、前記ゴムシートの平面視にてライン状または格子状に接着剤を塗布して接着層を形成する接着層形成工程と、隣り合う複数の前記熱源の間の伝熱を低減可能な断熱シートを前記接着層上に積層し、前記接着層を介して前記ゴムシートと前記断熱シートとを貼り合わせる積層工程と、を含む。
(6)上記目的を達成するための一実施形態に係るバッテリーは、バッテリーセルを複数備えると共に、上述のいずれかの延焼防止シートを、バッテリーセル同士の間およびバッテリーセルと筐体との間の少なくとも一方に備える。
図1は、本発明の実施形態に係る延焼防止シートの斜視図を示す。図2は、図1の延焼防止シートの斜視図、X-Z平面における一部拡大断面図、およびX-Y平面における断面図をそれぞれ示す。本実施形態では、延焼防止シートの平面に平行な面を、互いに直交するX軸およびY軸を含むX-Y平面とし、X-Y平面に垂直な軸(すなわち、延焼防止シートの厚さ方向の軸)をZ軸と定義する。図2において、X-Y平面における断面図は、延焼防止シートの厚さをシート面(X-Y平面)に平行に切ったときの面を意味する。X-Z平面における断面図は、延焼防止シートをX-Z平面によりシートの厚さ方向に平行に切ったときの面を意味する。
ゴムシート2は、ゴム状弾性体からなるシートである。「ゴム状弾性体」という文言に代えて「弾性体」あるいは「クッション部材」という文言を使用しても良い。ゴムシート2は、複数の熱源同士の間にあってクッション性を発揮させて熱源と断熱シート3との密着性を高める機能と、断熱シート3に加わる荷重によって断熱シート3が破損しないようにする保護部材としても機能とを有する。ゴムシート2は、主に多孔体から構成され、好ましくは多孔性のゴムシートである。ここで、「主に」とは、50%を超える体積を占めることを意味する。以後の「主に」の意味も同様である。ゴムシート2は、多孔体のみ、多孔体が90%、または多孔体が80~51%を占めるシートでも良い。多孔性のゴムシートは、その内部に気泡を有するスポンジ状の部材である。スポンジの孔内の空気は、優れた断熱性を有している。このため、スポンジ状の部材は、延焼防止シート1の低熱伝導性に寄与する。ゴムとしては、例えば、シリコーンゴム、ウレタンゴム、イソプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、天然ゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、ニトリルゴム(NBR)あるいはスチレンブタジエンゴム(SBR)等の熱硬化性エラストマーの他、ウレタン系、エステル系、スチレン系、オレフィン系、ブタジエン系、フッ素系等の熱可塑性エラストマーあるいはそれらの複合物等を含むように構成される。ゴムの中では比較的耐熱性の高いシリコーンゴムをより好適に用いることができる。ゴムシート2は、最も好ましくは、シリコーンゴムの発泡シートである。ゴムシート2は、より延焼防止性能を高めるために、ハロゲン化合物、リン化合物、白金、水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウム等の無機化合物を含有していても良い。ゴムシート2の厚さは、特に制約はないが、好ましくは1~20mm、より好ましくは2~8mmである。
断熱シート3は、複数の熱源同士の間の延焼を有効に防止する機能を有する。断熱シート3は、耐熱性および難燃性に優れたシートであることが好ましく、ゴムシート2より耐熱性が高く、難燃性の高い材料で構成されていることがより好ましい。断熱シート3は、その構成材料を問わないが、例えば、不織布、グラスウール、ロックウール、セルロースファイバー等の繊維系断熱材、ポリスチレンフォーム、ポリエチレンフォーム、ポリプロピレンフォーム等のポリオレフィンフォーム、硬質ウレタンフォーム、フェノールフォーム、アクリルフォーム、シリコーンフォーム等のプラスチック系断熱材、エアロゲル等のナノ多孔体等が挙げられる。また、断熱シート3は、シート状繊維塊を担持体として、シリカエアロゲルを含侵担持させたシリカエアロゲルシートであっても良い。シート状繊維塊としては、ガラス繊維; シリカ繊維、アルミナ繊維、チタニア繊維、炭化ケイ素繊維等のセラミックファイバー; 金属繊維; ロックウール、バサルト繊維等の人造鉱物繊維; 炭素繊維; ウイスカー等を抄造法にて紙状またはボード状にするか、適宜バインダーを添加してシート状に成形した不織布、マット、フェルト等のシート状成形物を用いることができる。これらのうち、シリカエアロゲルの断熱効果を有効に得るためには、シリカエアロゲルの耐熱温度(750℃程度)でも担持体としての形状を保持できる担持体がより好ましい。シリカエアロゲルの空孔率は、60%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。シリカエアロゲルは、単にシート状繊維塊中に含侵され分散しているだけでも良いし、バインダー等を用いてシート状繊維塊の構成繊維状に担持されるようにしても良い。また、断熱シート3は、シリカエアロゲル以外に、ステアタイト(MgO・SiO2)、ジルコニア(ZrO2)、コージライト(2MgO・2Al2O3・5SiO2)、フォルステライト(2MgO・SiO2)、又はムライト(3Al2O3・2SiO2)の内の1又は2以上を備えたシートであっても良い。
接着層5は、ゴムシート2と断熱シート3とを接着する接着剤またはその硬化物を含む層である。接着剤としては、ゴムシート2と断熱シート3とを接着可能であれば特に制約されないが、例えば、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、メラミン系接着剤、ポリエステル系接着剤、シリコーン系接着剤等を用いることができる。これらの中でも、耐熱性およびゴム弾性に優れるシリコーン系接着剤を用いることが好ましい。この実施形態において、接着層5は、硬化性シリコーン系接着剤を硬化して形成される層であり、自己接着シリコーンゴムの硬化体と称することもできる。このような接着層5の材料となる接着剤は、無溶剤のシリコーン系接着剤の一種であり、高い接着力を有するとともに、硬化後には熱安定性、耐候性、良好な耐水性、優れた可塑性を有する。
図3は、図1の延焼防止シートの変形例の斜視図、X-Z平面における一部拡大断面図、およびX-Y平面における断面図をそれぞれ示す。図3において、X-Y平面における断面図は、延焼防止シートの厚さをシート面(X-Y平面)に平行に切ったときの面を意味する。X-Z平面における断面図は、延焼防止シートをX-Z平面によりシートの厚さ方向に平行に切ったときの面を意味する。
接着層5,6は、ゴムシート2と断熱シート3とを接着する接着剤またはその硬化物を含む層である。接着層6は、上述した接着層5と同様の接着剤により構成される。接着層6は、好ましくは、ゴムシート2の一方の面に断熱シート3を接着する第1接着層6aと、ゴムシート2の他方の面に断熱シート3を接着する第2接着層6bと、から構成される。第1接着層5a,6aは、好ましくは、ゴムシート2の平面視にて格子状に備えられる。同様に、第2接着層5b,6bも、また、好ましくは、ゴムシート2の平面視にて格子状に備えられる(図3のX-Y平面における断面図を参照)。より具体的には、第1接着層5a,6aは、ゴムシート2の一方の面上に、平面視にて格子状に塗布された接着剤が硬化して形成された層である。また、第2接着層5b,6bは、ゴムシート2の他方の面上に、平面視にて格子状に塗布された接着剤が硬化して形成された層である。第1接着層5a,6aは、ゴムシート2と断熱シート3とに挟まれた空間において、好ましくは複数の格子状の空隙10を有する。第2接着層5b,6bは、好ましくは、ゴムシート2の一方の面から他方の面に向かう厚さ方向(図3のZ軸方向)において、第1接着層5a,6aと異なる位置に備えられる(図3のX-Z平面における一部拡大断面図を参照)。第2接着層5bは、Z方向において第1接着層5aとずれた位置に配置されている。第2接着層6bも、また、Z方向において第1接着層6aとずれた位置に配置されている。このような構成により、延焼防止シート1の圧縮荷重を減少させることができる。
次に、本発明の実施形態に係る延焼防止シートの好適な製造方法の一例を説明する。
ゴムシート作製工程は、ゴム状弾性体からなるゴムシート2を作製する工程である。より具体的には、まず、ゴムシート2の材料であるシリコーンゴム、架橋剤および着色剤等をミキシングロール等の混練機を用いて混練し、シート状に分出しする。次に、シート状の成形物を加熱処理により硬化させ、ゴムシート2を作製する。なお、延焼防止シートの製造方法において、例えば、購入等の手段によりゴムシート2を作製せずとも準備できる場合は、ゴムシート作製工程(S100)を省略しても良い。
接着層形成工程は、ゴム状弾性体からなるゴムシート2の両面に、ゴムシート2の平面視にてライン状または格子状に接着剤を塗布して接着層5、または接着層5,6を形成する工程である。この実施形態において、接着剤は、好ましくは、未硬化状態(若しくは半硬化状態)の硬化性シリコーン系接着剤である。すなわち、この実施形態において、接着層形成工程は、ゴムシート2の両面に、ゴムシート2の平面視にてライン状または格子状に接着剤を塗布して未硬化状態の接着層を形成する工程である。より具体的には、接着層形成工程は、まず、ゴムシート2の一方の面に、平面視にてライン状または格子状に接着剤を塗布して未硬化状態の第1接着層を形成する。このとき、未硬化状態の第1接着層は、ライン状または格子状に配置された空隙10を備える。次に、ゴムシート2の他方の面に、平面視にてライン状または格子状に接着剤を塗布して未硬化状態の第2接着層を形成する。このとき、第2接着層も、また、ライン状または格子状に配置された空隙10を備える。また、第2接着層は、好ましくは、ゴムシート2の一方の面から他方の面に向かう厚さ方向において、第1接着層と異なる位置に備えられる。
積層工程は、隣り合う複数の熱源の間の伝熱を低減可能な断熱シート3を、接着層5、または接着層5,6上に積層し、これら接着層を介してゴムシート2と断熱シート3とを貼り合わせる工程である。そして、接着層5、または接着層5,6を硬化させて、延焼防止シート1を製造することができる。硬化は、好ましくは、空気中にて室温に放置して、若しくは空気中にて加熱して行われる。ただし、硬化方法は、室温放置や加熱に制約されず、紫外線または電子線の照射、さらには別の方法によって行われても良い。
次に、本発明の実施形態に係る延焼防止シートを備えるバッテリーについて説明する。
上述のように、本発明の好適な各実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されることなく、種々変形して実施可能である。
延焼防止シートの接着層の構成材料となる接着剤として、シリコーン接着剤を用いた。シリコーン接着剤には、信越化学工業(株)製のKE-2090-50AおよびKE-2090-50Bを用いた。
延焼防止シートの構成材料となるゴムシートには、次のように作製したシリコーンスポンジを用いた。まず、硬化性シリコーンゴム組成物(信越化学工業(株)製の品番:KE-9710U)100質量部と、有機過酸化物架橋剤(信越化学工業(株)製の品番:C-1A)0.3質量部と、有機過酸化物架橋剤(信越化学工業(株)製の品番:C-3)2.0質量部と、付加反応型架橋剤(信越化学工業(株)製の品番:C-25A)2.0質量部とを用意し、そこに発泡剤1.0質量部および着色剤1.0質量部を加えて、ミキシングロールを用いてこれらを混錬した。ここで、1質量部は1gに相当する。以後の実施例の記載においても同様である。混錬した混合物をミキシングロールでシート状に分出ししながら、シート状成形物の一方の面にポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを貼り付けた。次に、分出ししたシート状成形物をミキシングロールから剥がし、他方の面にも上記PETフィルムを貼り付けた。このシート状成形物を195℃に昇温した恒温槽に静置し、5分間一次加硫させた。その後、当該シート状成形物を恒温槽から取り出して両面に貼り付けられたPETフィルムを剥がし、200℃で4時間二次加硫させることにより、厚さ5mmのシリコーンスポンジを作製した。
延焼防止シートの構成材料となる断熱シートは、阿波製紙(株)製の断熱シート(品番:I-80F、厚さ0.8mm)を用いた。
(熱連鎖試験)
図6は、熱連鎖試験の試験装置の写真およびその一部Dの拡大写真をそれぞれ示す。
異常発熱バッテリーセルを模した熱源金属板21を600℃に昇温する。
次に、異常発熱時を模した熱源金属板21と隣接するバッテリーセルを模した金属板22間に、サンプルSを設置する。
次に、熱源金属板21とサンプルSの断熱シートとが接触するように、エアシリンダで30kPaにて熱源金属板21を押す。
次に、断熱シート底面側の金属板22の温度プロファイルを15分間記録する。金属板22の最大到達温度は、熱源金属板21のt1の位置と金属板22のt2の位置に熱電対を設けることにより測定した。
<実施例>
(1)実施例1
シリコーン接着剤(品番:KE-2090-50A)50質量部とシリコーン接着剤(品番:KE-2090-50B)50質量部とを混錬した接着剤を、金属パテおよび/またはシリンジを用いて、シリコーンスポンジの両面に、平面視にてライン状(図2を参照)に塗布した(この塗布方法を「ライン」と称する。)。隣り合うラインの間隔は5mm、ラインの幅は1mmとした。次に、ライン状に複数本塗布された接着剤の上にそれぞれ断熱シートを積層し、170℃の恒温槽で5分間加硫し、直径50mmの円形状の延焼防止シートのサンプルを作製した。サンプルは、上記評価方法にて評価した。
接着剤の塗布形態以外を実施例1と同条件とした。具体的には、実施例1で用いた接着剤をシリコーンスポンジの両面に、平面視にて格子状(図3を参照)に塗布した(この塗布方法を「グリッド」と称する。)。格子の縦および横の長さは5mm、格子を構成するラインの幅は1mmとした。次に、格子状に塗布された接着剤の上にそれぞれ断熱シートを積層し、実施例1と同条件で延焼防止シートのサンプルを作製した。サンプルは、上記評価方法にて評価した。
比較例1
接着剤の塗布形態以外を実施例1と同条件とした。実施例1で用いた接着剤をシリコーンスポンジの両面の全領域に塗布した(この塗布方法を「ノーマル」と称する。)。次に、全面塗布状態の接着剤の上にそれぞれ断熱シートを積層し、170℃の恒温槽で5分間加硫し、直径50mmの円形状の延焼防止シートのサンプルを作製した。このサンプルは、シリコーンスポンジの全面に接着剤が塗布されており、接着層に空隙を備えない延焼防止シートである。サンプルは、上記評価方法にて評価した。
次に、実施例1,2および比較例1の各試験片を600℃の熱源に接触させた熱連鎖試験の結果を示す。
Claims (5)
- 複数の熱源同士の間に少なくとも配置され、前記熱源が過熱状態の際に他の熱源への伝熱を抑制して延焼を防止可能な延焼防止シートであって、
ゴム状弾性体からなるゴムシートと、
前記ゴムシートの両面に積層され、隣り合う複数の前記熱源の間の伝熱を低減可能な断熱シートと、
前記ゴムシートと前記断熱シートとの間に介在し、前記ゴムシートの両面に前記断熱シートを接着する接着層と、
を備え、
前記接着層は、
前記ゴムシートの一方の面に前記断熱シートを接着する第1接着層と、
前記ゴムシートの他方の面に前記断熱シートを接着する第2接着層と、
から構成され、
前記第1接着層および前記第2接着層は、前記ゴムシートの平面視にてライン状または格子状に備えられ、
前記第2接着層は、前記ゴムシートの前記一方の面から前記他方の面に向かう厚さ方向において、前記第1接着層と異なる位置に備えられることを特徴とする延焼防止シート。 - 前記ゴムシートは、多孔体から主に構成されることを特徴とする請求項1に記載の延焼防止シート。
- 前記ゴムシートは、シリコーンゴムの発泡シートであることを特徴とする請求項2に記載の延焼防止シート。
- 請求項1から3のいずれか1項に記載の延焼防止シートの製造方法であって、
ゴム状弾性体からなるゴムシートの両面に、前記ゴムシートの平面視にてライン状または格子状に接着剤を塗布して接着層を形成する接着層形成工程と、
隣り合う複数の前記熱源の間の伝熱を低減可能な断熱シートを前記接着層上に積層し、前記接着層を介して前記ゴムシートと前記断熱シートとを貼り合わせる積層工程と、
を含む延焼防止シートの製造方法。 - バッテリーセルを複数備えると共に、請求項1から3のいずれか1項に記載の延焼防止シートを、バッテリーセル同士の間およびバッテリーセルと筐体との間の少なくとも一方に備えるバッテリー。
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