以下に、本発明にかかる電子機器の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、第1実施形態に係る電子機器10Aの模式斜視図である。図2は、ディスプレイ16の第1表示部21と第2表示部22とが積層状態にある電子機器10Aを上から見下ろした模式的な平面図である。図3は、ディスプレイ16の第1表示部21と第2表示部22とが展開状態にある電子機器10Aを上から見下ろした模式的な平面図である。図4は、ディスプレイ筐体12Aの模式断面側面図である。
電子機器10Aは、クラムシェル型のノート型PCである。電子機器10Aは、本体筐体11とディスプレイ筐体12Aをヒンジ14で相対的に回動可能に連結した構成である。本実施形態ではノート型PCの電子機器10Aを例示しているが、電子機器はノート型PC以外、例えばタブレット型PC(図18参照)、スマートフォン、又は携帯用ゲーム機等でもよい。ディスプレイ筐体12Aはディスプレイ16を搭載している。
ヒンジ14は、例えば2つが両サイド近傍に設置され、本体筐体11の連結縁11aとディスプレイ筐体12Aの連結縁12aとを回動可能に連結する。ヒンジ14には摩擦を利用したトルク付与機能があり、ディスプレイ筐体12Aは任意角度で停止可能となっている。本体筐体11とディスプレイ筐体12Aとは、互いに折り重なった状態(図1参照)を基準の0度として、例えば180度まで回動することとができる。本体筐体11は、薄い扁平な箱体である。本体筐体11の上面11bにはキーボード装置(入力装置)18及びタッチパッド(入力装置)19が臨んでいる。
以下、本体筐体11、ディスプレイ筐体12Aの説明ではオペレータがキーボード装置18を操作する姿勢を基準とし、本体筐体11の幅方向(左右)をX方向、その一方で図1における左側をX1方向、逆の右側をX2方向とし、図1でX方向に直交する方向をY方向とする。ディスプレイ筐体12Aの厚み方向をZ方向とする。これら各方向は、説明の便宜上定めた方向であり、電子機器10Aの使用状態又は設置姿勢等によって変化する場合も当然にあり得る。
キーボード装置18は本体筐体11おける連結縁11aに近い側で、X方向のほぼ全幅に亘って設けられている。キーボード装置18におけるGキー、HキーおよびBキーの中間には傾動方向によりカーソルを移動させるポインティングデバイス18aが設けられている。タッチパッド19は、本体筐体11おける連結縁11aから遠い側で、X方向略中央に設けられている。タッチパッド19の中心とポインティングデバイス18aとはX方向位置がほぼ一致する。本体筐体11の内部にはマザーボード、バッテリ装置、各種のモジュールカード、記憶装置などの電子部品や機械部品等が設けられる。マザーボードは電子機器10Aを制御する。
ディスプレイ筐体12Aについては、本体筐体11と折り重なった状態で該本体筐体11と対面する側を表面12b、その反対側を裏面12cとする。ディスプレイ筐体12Aは、薄い扁平な箱状の筐体であり、連結縁12aと反対側の縁にはカメラ、マイクなどの電子デバイス20が設けられている。
ディスプレイ16は、例えば柔軟性、可撓性のあるOLED(organic electro-luminescence)などであり、第1表示部21と第2表示部22とを有する。第1表示部21と第2表示部22とは互いの屈曲縁23で接続されており、積層された積層状態(図2参照)と展開されて同一面を形成する展開状態(図3)との間で展開可能に構成されている。積層状態で第1表示部21と第2表示部22とは屈曲部23でU字状に折り返されている。第1表示部21と第2表示部22とを積層状態から展開状態に展開することを展開動作と呼ぶ。第2表示部22について、第1表示部21と接続されている箇所が屈曲縁23であり、上下の回動縁22c,22dが屈曲縁23を基準に回動する。屈曲縁23と対向する箇所を端部縁22eと呼ぶ。
第1表示部21の第1表示面21aは表面12bにある。第2表示部22の第2表示面22aは積層状態では裏面12cにあり、展開状態では表面12bにある。第1表示部21と第2表示部22とは、必ずしも連続的な一体型である必要はなく独立的な構成であってもよい。第1表示面21aの反対側の第1非表示面21b、および第2表示面22aの反対側の第2非表示面22bには、屈曲縁23で屈曲可能なバックプレート24が設けられている。第1表示部21は積層状態で表面12bのほぼ全面を占めている。
屈曲縁23は、第1表示部21と第2表示部22との境でY方向に沿っており、第1表示部21のX1側の縁に相当する。第1表示部21と第2表示部22とはY方向幅が等しく、展開状態ではX方向に連続して長方形を形成する。つまり、第2表示部22は展開状態で第1表示部21をX1方向に延長するように配置される。第2表示部22は、第1表示部21と比較すると本体筐体11の横幅よりも突出して延長して配置されるため、第1表示部21と第2表示部22とでは表示内容を区別してもよい。例えば、第1表示部21には従来のノートパソコンと同様の表示を行い、第2表示部22にはアシスタント機能などによる付加的な表示を行ってもよい。第2表示部22のX方向幅は第1表示部21の半分になっているが、これに限られなく、例えばX方向幅が同幅であってもよい。図3では、第2表示部22の範囲を仮想線で示している。電子機器10Aでは、展開状態で第2表示部22が第1表示部21に対して左側に延長するように配置されるが、ディスプレイ筐体12Aの構成を上下逆にすれば右側に延長されるのはもちろんである。
ディスプレイ筐体12Aには、さらにフラップ25、ベゼル26、ベース部27、スライダ28、および保持部材29が設けられている。
ベゼル26は固定ベゼル30とスライド可能なフレーム31とから構成されており、積層状態で第1表示部21の周囲を覆う。固定ベゼル30はX1方向が開口した角型U字形状であり、第1表示部21の上下の縁およびX2側の縁を覆う。電子機器10Aでは、固定ベゼル30が連結縁12aを構成し、本体筐体11に対してヒンジ14によって回動可能に連結されている。第1表示部21と固定ベゼル30とは一体的になっており相対変位しない。つまり、第1表示部21が固定ベゼル30を介して本体筐体11に対して連結縁12aで回動可能に連結されている。
フレーム31はX2側が開口した角型U字形状であり、上フレーム31a、下フレーム31bおよびX1側の縦フレーム31cから構成されている。ベース部27はフレーム31と一体的に構成されている。フレーム31は展開動作に連動し、第1表示部21に対して相対的に変位するようになっている。上フレーム31aは、積層状態で第1表示部21の上縁の一部および回動縁22cを覆い、展開状態で回動縁22cを覆う。下フレーム31bは、積層状態で第1表示部21の下縁の一部および回動縁22dを覆い、展開状態で回動縁22dを覆う。縦フレーム31cは、積層状態で屈曲縁23を覆い、展開状態で端部縁22eを覆い、それぞれ保護する。なお、積層状態における端部縁22eは、後述するようにリアカバー32の縁と対向して保護される。つまり、第2表示部22の屈曲縁23、回動縁22c、22d、端部縁22eは積層状態および展開状態においてフレーム31およびリアカバー32によって覆われて保護される。
フラップ25は適度に硬い板状部材であり、第1非表示面21bと第2非表示面22bとの間に掛け渡され、フラップ25は一端25aがベース部27に接続され、展開動作に応じて第1非表示面21bに対して傾動およびスライド可能に構成さる。また、他端25bは第2非表示面22bにおけるX方向の略中間部に対して接続され、展開動作に応じて傾動可能に構成されている。一端25a、他端25bはリビングヒンジまたはフリップヒンジなどであり摩擦要素は含まないが、設計条件によりヒンジ14のようなトルク付与機能を有していてもよい。これにより第2表示部22を任意角度に保持することができ、例えば第2表示部22を傾斜させた状態で小型の単独表示部として用いることができる。
ベース部27(図6も参照)はフレーム31に対してX2側に一体的に構成されている。ベース部27およびフレーム31は第1表示部21および固定ベゼル30に対して相対的にX方向にスライド変位可能に構成されている。ベース部27は裏面視で枠状になっており、上下枠27a,27bは上下フレーム31a,31bの延長上にあり、左枠27cがフレーム31との間を仕切り、右枠27dは積層状態でディスプレイ筐体12Aの右端と一致する位置にある。上下枠27a,27bには互いに対面する側に突出する突起27e(図4参照)が形成されている。フラップ25の一端25aは左枠27cまたはその近傍に接続されており、これにより第1非表示面21bに対してスライド可能となっている。
ベース部27の裏側はリアカバー32で覆われ枠内は視認されない。リアカバー32とバックプレート24との間には空間Sが確保されており、ディスプレイ基板33が設けられている。ディスプレイ基板33はディスプレイ16の表示制御をする。リアカバー32は適度な厚みがあり、積層状態で第2表示部22の端部縁22eと対面して保護する。積層状態において、ディスプレイ筐体12Aの裏面12cは、X1側の半分を第2表示部22が占め、X2側の半分をリアカバー32が占めている。
スライダ28は上下に離れた2つの脚部28aと、該脚部28aに支持されてY方向に延在する係合片28bとを有する。脚部28aはバックプレート24および第1表示部21の第1非表示面21bに固定されている。係合片28bの両端はZ方向で突起27eと重なって係合している。つまり、スライダ28とベース部27とはX方向に相対的にスライド可能に構成されている。2つの脚部28aは突起27eの端面に略接し、ベース部27がY方向にがたつくことがない。
図5は、電子機器10Aにおける展開動作を説明する図であり、(a)は積層状態の模式断面図であり、(b)は移行途中の模式断面図であり、(c)は展開状態の模式断面図である。図6は、展開動作をディスプレイ筐体12Aの裏面で説明する図であり、(a)積層状態の模式図であり、(b)は移行途中模式図であり、(c)は展開状態の模式図である。図6、図9ではリアカバー32を省略している。
保持部材29は、図5に示すように10個の磁石29a~29mによって構成されている。以下、保持部材29は磁石29とも呼ぶ。磁石29a~29gは第1表示部21から第2表示部22にかけてバックプレート24に設けられている。磁石29h,29iはベース部27に設けられている。磁石29kはフラップ25における一端25aに近い箇所に設けられている。磁石29mはフラップ25における他端25bに近い箇所に設けられている。各磁石29a~29kはそれぞれY方向に沿って複数設けられていてもよい。磁石29a~29kおよび後述する他の磁石の磁力は過度に強くはなく、吸着し合った状態から人手により離間させることができる。
図5(a)に示すように、積層状態において、磁石29aと磁石29hとが吸着し、磁石29bと磁石29iとが吸着し、磁石29cと磁石29jとが吸着し、磁石29dと磁石29kと磁石29gとが吸着し、磁石29eと磁石29fとが吸着し第1表示部21、第2表示部22、フラップ25、ベース部27の相対的位置が規定され、積層状態が安定的に保持される。
図5(a)、図6(a)に示すように積層状態では、スライダ28はベース部27におけるX1側の端部近傍にある。積層状態から展開動作を行うには、第2表示部22の端部縁22eなどを引き出す。そうすると磁石29同士による吸着から解放され、図5(b)、図6(b)に示すように、第2表示部22は屈曲縁23を中心として回動する。他端25bが一時的に引き出されることによりフラップ25は傾斜し、X1方向に変位する。ベース部27およびフレーム31は第1表示部21およびスライダ28に対してX方向にスライド可能になっているため、一端25aに引かれてX1方向にスライドする。
図5(c)、図6(c)に示すように展開状態では、第1表示部21と第2表示部22とが同一面を形成するように配置される。フレーム31は移動し、縦フレーム31cが端部縁22eと対面するように覆って保護する。展開状態ではスライダ28はベース部27におけるX2側の端部近傍に移る。
展開状態において、磁石29cと磁石29hとが吸着し、磁石29dと磁石29iとが吸着し、磁石29eと磁石29jとが吸着し、磁石29fと磁石29kとが吸着し、第1表示部21、第2表示部22、フラップ25、ベース部27の相対的位置が規定され、展開状態が安定的に保持される。また、各磁石29はホール素子などにより検出が可能であり、積層状態、移行途中の状態、および展開状態の識別が可能となる。
展開状態から積層状態に戻す動作はこれと逆の操作を行えばよい。スライダ28は見かけ上はスライドしないが、ベース部27を基準にすると相対的にスライドする。このように、電子機器10Aでは屈曲縁23を中心として第2表示部22が回動し、リンク作用のあるフラップ25の一端25aがスライドしてフレーム31およびベース部27を変位させるように動作し、スライダ・クランク機構と似た機構となっている。
ところで、ディスプレイ16にOLEDを適用するとその性質上ある程度の硬さがあるため、屈曲縁23は図5(a)で示すように長さLの円弧形状となる。展開動作において第2表示部22は屈曲縁23を中心として回動するが、該屈曲縁23には機構部がないため何らの制約もない。したがって、図5(c)で示すように展開状態となったとき屈曲縁23に相当する部分、つまり第1表示部21から第2表示部22に亘る箇所は連続的な平面になる。
図7は、比較例にかかる機構の模式断面図であり、(a)は積層状態を示し、(b)は展開状態を示す。この比較例にかかる機構では第1表示部21の第1非表示面21bにバックプレート24aが設けられ、第2表示部22の第2非表示面22bにバックプレート24bが設けられ、バックプレート24aとバックプレート24bとの各端部間が短いヒンジリンク34で連結されている。このような機構では、図7(b)で示すように展開状態でヒンジリンク34の制約により屈曲縁23に相当する部分に余長による弛みが生じる懸念がある。これに対して、本実施の形態にかかる電子機器10Aでは、屈曲縁23に特段の機構がないためこのような不都合が生じことがなく、第1表示部21と第2表示部22とを積層状態と展開状態との間で展開可能にする機構を簡便かつ廉価に構成することができる。
また、電子機器10Aではフラップ25が積層状態で第1表示部21および第2表示部22と重なり、展開状態で第2表示部22と重なるため、フラップ25に設けた磁石29j,29kが他の磁石29と吸着しあって積層状態または展開状態を好適に保持することができるが、図7に示す比較例ではフラップ25に相当する部材がなく、磁石による状態維持が困難である。
本実施の形態にかかる電子機器10Aはディスプレイ16が巻き出し、巻取り式ではなく基本的には手動式である。OLEDは比較的硬く巻き取り、巻き出のためには大きい出力のモータや支持機構が必要であるが、本実施の形態では不要であり、結果として小型軽量に構成することができる。
電子機器10Aでは積層状態で屈曲部23がX1側に露呈される。この屈曲部23も表示面の一部であってフレーム31の縦フレーム31cによって保護される。フレーム31は展開動作に連動して第1表示部21に対して相対的に変位するため、該展開動作に支障がなく、展開状態では縦フレーム31cが端部縁22eを保護する。
次に、第2実施形態に係る電子機器10Bについて説明する。以下の各実施形態において上記の電子機器10Aまたは実施例同士で同様の構成要素には同符号を付してその詳細な説明を省略する。電子機器10Bでは上記のディスプレイ筐体12Aに代えてディスプレイ筐体12Bを有する。
図8は、電子機器10Bにおける展開動作を説明する図であり、(a)は積層状態の模式断面図であり、(b)は移行途中の模式断面図であり、(c)は展開状態の模式断面図である。図9は、電子機器10Bにおける展開動作をディスプレイ筐体の裏面で説明する図であり、(a)積層状態の模式図であり、(b)は移行途中模式図であり、(c)は展開状態の模式図である。
上記の電子機器10Aでは第1表示部21が固定ベゼル30を介して本体筐体11に対して連結縁12aで回動可能に連結されているのに対し、電子機器10Bでは、フレーム31およびベース部27が本体筐体11に対してヒンジ14によって連結縁12aで回動可能に連結されている。つまり、フレーム31およびベース部27は本体筐体11に対して変位不能である。
電子機器10Aおよび電子機器10Bでは、フレーム31とベース部27とが一体的になって、第1表示部21に対して相対変位する点で同じである。電子機器10Aでは、第1表示部21が本体筐体11に対して相対変位不能に構成されておりフレーム31およびベース部27が本体筐体11に対してX1方向に変位するのに対し、電子機器10Bでは、フレーム31およびベース部27が本体筐体11に対して相対変位不能に構成されており第1表示部21が本体筐体11に対してX2方向に変位する。電子機器10Bでは、展開状態で第2表示部22は表裏が逆になるがX方向に変位することなく、第1表示部21が右側に延長するように配置される。ただし、ディスプレイ筐体12Bの構成を上下逆にすれば左側に延長されるのはもちろんである。
次に、第3実施形態に係る電子機器10Cについて説明する。電子機器10Cでは上記のディスプレイ筐体12Aに代えてディスプレイ筐体12Cを有する。
図10は、ディスプレイ筐体12Cの模式断面側面図である。図11は、電子機器10Cにおける展開動作を説明する図であり、(a)は積層状態の模式断面図であり、(b)は移行途中の模式断面図であり、(c)は展開状態の模式断面図である。図12は、展開動作をディスプレイ筐体12Cの裏面で説明する図であり、(a)積層状態の模式図であり、(b)は移行途中模式図であり、(c)は展開状態の模式図である。図10は、展開動作における移行途中、つまり図11(b)、図12(b)の状態に対応している。図11では本体筐体11を省略している。
電子機器10Cでは、ベース部27が第1表示部21の第1非表示面21bにおけるX1側の略半分の範囲にあり、積層状態で第1表示部21と第2表示部22とに挟まれている。リアカバー32は第1非表示面21bにおけるX2側の略半分の範囲を覆っている。つまり、リアカバー32とベース部27とはX方向に隣接して積層状態で第1非表示面21bのほぼ全面を占める。ベース部27は第1非表示面21bに対して一体的に固定されている。つまり、この実施例ではベース部27と第1表示部21とは相対移動しない。
ベース部27は、上記例(図4参照)と同様に上フレーム31a、下フレーム31bおよび縦フレーム31cから構成されているが、上記例で突起27eが上下枠27a,27bの中間高さに設けられているのに対し、電子機器10Cでは上下枠27a,27bの端部から突出している。
スライダ35は、ベース部27の開口から露呈する接続片35aと、Y方向に延在する係合片35bとを有する。係合片35bの両端はZ方向で突起27eと重なって係合している。つまり、スライダ35とベース部27とはX方向に相対的にスライド可能に構成されている。接続片35aは係合片35bから短く突出しており、フラップ25の一端25aが接続されている。つまり、一端25aは展開動作に応じて傾動可能かつX方向にスライド可能になっている。突起27eと第1表示部21との間にはガイド溝36が形成される。換言すれば、第1非表示面21bにはガイド溝36によって案内されるスライダ35が設けられ、フラップ25の一端25aはスライダ35に対して傾動可能に接続されている。
接続片35aの両端は突起27eの端面に略接し、さらに、係合片35bの両端は上下枠27a,27bに略接し、フラップ25がY方向にがたつくことがない。ディスプレイ筐体12Cには磁石29c,29e,29f,29g,29j,29kを有するが上記例とは多少位置が異なる場合がある。スライダ35には磁石29mが設けられている。
図11(a)に示すように、積層状態において、磁石29cと磁石29mとが吸着し、磁石29gと磁石29iとが吸着し第1表示部21、第2表示部22、フラップ25、ベース部27の相対的位置が規定され、積層状態が安定的に保持される。
図11(a)、図12(a)に示すように積層状態では、スライダ35はベース部27におけるX2側の端部近傍にある。積層状態から展開動作を行うには、第2表示部22の端部縁22eなどを引き出す。そうすると磁石29同士による吸着が解除され、図11(b)、図12(b)に示すように、第2表示部22は屈曲縁23を中心として回動する。他端25bが一時的に引き出されることによりフラップ25は傾斜し、X1方向に変位する。ベース部27は第1表示部21に対して固定されているため、スライダ35が一端25aに引かれてX1方向にスライドする。
図11(c)、図12(c)に示すように展開状態では、第1表示部21と第2表示部22とが同一面を形成するように配置される。展開状態ではスライダ35はベース部27におけるX1側の端部近傍に移る。
展開状態において、磁石29eと磁石29mとが吸着し、磁石29fと磁石29kとが吸着し、第1表示部21、第2表示部22、フラップ25、ベース部27の相対的位置が規定され、展開状態が安定的に保持される。
第4実施形態に係る電子機器10Dについて説明する。電子機器10Bでは上記のディスプレイ筐体12Aに代えてディスプレイ筐体12Dを有する。
図13は、電子機器10Dにおける展開動作を説明する図であり、(a)は積層状態の模式断面図であり、(b)は移行途中の模式断面図であり、(c)は展開状態の模式断面図である。図13では本体筐体11を省略している。
ディスプレイ筐体12Dでは、上記のディスプレイ筐体12C(図11参照)に対してスライドボード37が付加されている。スライドボード37は板状のスライダであり、X方向幅、Y方向幅および厚みは例えばフラップ25と同じ程度である。スライドボード37のX1側の端部はフラップ25の一端25aおよびスライダ35と接続されている。換言すると一端25aはスライダ35およびスライドボード37に対して傾動可能に接続されている。スライドボード37はスライダ35の一部と見做すこともできる。
リアカバー32には、X1側に開口して第1非表示面21bに沿う層状の隙間38が形成されている。スライドボード37のX2側の部分は隙間38に挿入されており、該隙間38に対して出没可能である。隙間38はスライドボード37がちょうど嵌り込むようになっており、該スライドボード37はがたつくことなくX方向に案内される。
電子機器10Dおよびディスプレイ筐体12Dでは、スライダ35だけでなくスライドボード37がフラップ25の一端25aをスライドさせるため、該一端25aが安定的に動作可能である。スライドボード37が撓みを生じない程度に十分高強度である場合にはスライダ35を省略してもよい。
第5実施形態に係る電子機器10Eについて説明する。電子機器10Eでは上記のディスプレイ筐体12Aに代えてディスプレイ筐体12Eを有する。
図14は、ディスプレイ16の第1表示部21と第2表示部22とが積層状態にある電子機器10Eを上から見下ろした模式的な平面図である。図15は、ディスプレイ16の第1表示部21と第2表示部22とが展開状態にある電子機器10Eを上から見下ろした模式的な平面図である。
電子機器10Eは、積層状態では第1表示部21と第2表示部22とが重なり、展開状態で第2表示部22が第1表示部21をX方向に延長するように配置される点で上記の各実施例と同様である。上記の各実施例では第1表示部21および第2表示部22のいずれか一方がX1方向またはX2方向に突出するのに対し、電子機器10Eでは積層状態から展開状態に移行するとき、第1表示部21がX方向の一方(この場合X2方向)にスライド変位し、第2表示部22は逆方向(この場合X1方向)に展開するようになっている。
展開状態で、第1表示部21と第2表示部22とを合わせたディスプレイ16全体のX方向の中心C0は、本体筐体11のX方向の物理的な中心C1と一致するようになっている。つまり、ディスプレイ16は本体筐体11の縁を基準とした左右の張り出し幅W1,W2が等しくなるようにセンタリングされる。これにより、ユーザは左右バランスよくディスプレイ16を見ることができ、さらに重量的なバランスがよい。
ディスプレイ16のX方向の中心C0は、ポインティングデバイス18aおよびタッチパッド19のX方向の中心C2と一致するようにしてもよい。C1が物理的な中心であるのに対しC2は操作上の中心となっている。これにより、ユーザはディスプレイ16の視認と入力操作とをバランスよく行うことができる。
中心C0は、中心C1と中心C2との間にあってもよい。キーボード装置18のFキー18bおよびJキー18c(図2参照)にはホームポジションを示す凸部または凹部が形成されていることが多い。すなわち、「F」キーと「J」キーとの間が概ねの操作中心とも見做されるため、中心C0はこの範囲に設定してもよい。また、キーボード装置18がテンキーを有する構成である場合には、物理的な中心C1は、操作中心C2より右側にやや離れた位置となり、これらを包含すると、展開状態で、第1表示部21と第2表示部22とが同一平面に並んだディスプレイ16の中心C0は、左側のFキー18bから右側のJキー18cまたは物理的な中心C1との間にあるとよい。ただし、設計思想によりこれらの位置以外にあってもよい。
図16は、電子機器10Eにおける展開動作を説明する図であり、(a)は積層状態の模式断面図であり、(b)は移行途中の模式断面図であり、(c)は展開状態の模式断面図である。
ディスプレイ筐体12Eでは、固定ベゼル30がヒンジ14によって本体筐体11に対して連結縁12aで回動可能に連結されている。ベース部27は固定ベゼル30と一体的に構成されており変位不能である。第1表示部21は固定ベゼル30とは別体でありX方向に相対的にスライド可能になっている。この場合の固定ベゼル30は右縁枠がない。ディスプレイ筐体12Eはフレーム31を設けていないが、これら以外の基本的構造はディスプレイ筐体12Bと同じである。
図16(a)に示すように、積層状態では第1表示部21、第2表示部22、フラップ25、ベース部27およびスライダ28の配置はディスプレイ筐体12B(図8(a)参照)で対応する構成要素と同じである。
電子機器10Eでは、電子機器10Bと同様に、ベース部27が本体筐体11に対して相対変位不能に構成されており第1表示部21が本体筐体11に対してX2方向に変位し、一部が本体筐体11の右端よりも幅W1だけ突出する。一方、第2表示部22は屈曲縁23を中心として回動して一部が本体筐体11の左端よりも幅W2だけ突出するように展開する。
幅W1,W2は、第2表示部22における屈曲縁23からフラップ25の他端25bの接続位置までの距離Laによって決定される。計算上、W1=La×2である。W1+W2は定数であるから、W1とW2とは増減が逆になる。電子機器10BはW2=0の場合に相当する。
電子機器10Eによれば、積層状態および展開状態のいずれの状態においても表示部と本体筐体11またはキーボード装置18などの入力装置との配置を適正化することができる。
第6実施形態に係る電子機器10Fについて説明する。電子機器10Bでは上記のディスプレイ筐体12Aに代えてディスプレイ筐体12Fを有する。
図17は、ディスプレイ16の第1表示部21と第2表示部22とが展開状態にある電子機器10Fを上から見下ろした模式的な平面図である。ディスプレイ筐体12Fは、第1表示部21と、第2表示部22と、第1表示部21に対して相対的にX方向にスライド変位可能なベース部27を有する点でディスプレイ筐体12A(図2~図6参照)と同じである。
ディスプレイ筐体12Fは、ディスプレイ筐体12Aに対して回動接続部材42が付加された構成になっている。すなわち、ディスプレイ筐体12Aでは第1表示部21および固定ベゼル30が本体筐体11に対して回動可能に連結されているのに対し、ディスプレイ筐体12Fでは回動接続部材42が連結縁12aを形成して本体筐体11に対してヒンジ14により回動可能に連結されている。また、第1表示部21および固定ベゼル30は回動接続部材42に対して、X方向にスライド可能に構成されている。
電子機器10Fでは、図17の実線で示すように、積層状態から展開状態に移行するとき、第2表示部22が展開にともなってX1方向に変位し、第1表示部21は変位しない。その後仮想線で示すように、ユーザはディスプレイ16、固定ベゼル30およびフレーム31を一体的にX2方向にスライドさせることで、ディスプレイ16の中心C0を本体筐体11の物理中心C1または操作中心C2などに合わせて使用することができる。このスライド機構には位置決めインデックス機構、ロック機構、摩擦付与機構などが設けられていてもよい。
図示を省略するが、変形例として上記のディスプレイ筐体12B(図8参照)に対して回動接続部材42を設けてもよい。ディスプレイ筐体12Bではベース部27が本体筐体11に対して回動可能に連結されているのに対し、変形例では回動接続部材42が連結縁12aを形成して本体筐体11に対してヒンジ14により回動可能に連結され、ベース部27が回動接続部材42に対して、X方向にスライド可能に構成する。
そうすると、積層状態から展開状態に移行するとき、第1表示部21はX2方向に変位し、第2表示部22は展開にともなって表裏が逆になるが変位しない。その後、ユーザはディスプレイ16、固定ベゼル30およびフレーム31を一体的にX1方向にスライドさせることで、ディスプレイ16の中心C0を本体筐体11の物理中心C1または操作中心C2などに合わせて使用することができる。
第7実施形態に係る電子機器10Gについて説明する。電子機器10Gはタブレット型であり本体筐体11はない。図18は、積層状態にある電子機器10Gの模式斜視図である。図19は、移行途中状態にある電子機器10Gの模式斜視図である。図19ではリアカバー32を取り外している。電子機器10Gは、電子機器10Fのディスプレイ筐体12Eと同様に、第1表示部21に対して相対的にX方向にスライド変位可能なベース部27およびリアカバー32を有し、第2表示部22がX1方向に展開するとき、第1表示部21は逆のX2方向にスライド変位するように構成されている。電子機器10Gは、ベース部27およびリアカバー32に対して第1表示部21と第2表示部22とが逆方向に変位するため重量バランスがよく、例えば片手でベース部27およびリアカバー32を把持した状態で安定的な展開が可能である。電子機器10Gでは空間Sに制御基板43やバッテリなどが設けられている。
第8実施形態に係る電子機器10Hについて説明する。電子機器10Hでは上記のディスプレイ筐体12Aに代えてディスプレイ筐体12Hを有する。
図20は、ディスプレイ16の第1表示部21と第2表示部22とが積層状態にある電子機器10Hを上から見下ろした模式的な平面図である。図21は、ディスプレイ16の第1表示部21と第2表示部22とが展開状態にある電子機器10Hを上から見下ろした模式的な平面図である。図22は、電子機器10Hにおける展開動作を説明する図であり、(a)は積層状態の模式断面図であり、(b)は移行途中の模式断面図であり、(c)は展開状態の模式断面図である。
上記の各実施例では、第1表示部21は長方形であって、連結縁12aに沿うX方向が長辺で、それに直交するY方向の短辺となっており、第2表示部22は展開状態で第1表示部21のX方向を延長するように配置されている。それに対して電子機器10Hのディスプレイ筐体12Hは、第1表示部21の形状は同じであるが第2表示部22は展開状態で第1表示部21のY方向に沿い上に向かって延長するように配置される。
この場合の第2表示部22は、X幅は第1表示部21と同じで、Y幅は第1表示部21の半分程度となっている。屈曲縁23は第1表示部21における連結縁12aと対向する上縁に沿っている。積層状態でディスプレイ筐体12Hの裏面12cは上半分が第2表示部22の第2表示面22aが占め、下半分をリアカバー32が占める。展開状態で、第2表示部22は表裏が逆になり、上側に展開し、端部縁22eが上片となる。
フラップ25は、第1表示部21の第1非表示面21bと第2表示部22の第2非表示面22bとの間に掛け渡されているが、上記の実施例では第1非表示面21bおよび第2非表示面22bと接続される一端25aおよび他端25bがY方向に延在しているのに対し、ディスプレイ筐体12HではX方向に延在している。第1表示部21と第2表示部22との展開に応じて、一端25aは第1非表示面21bに対して傾動およびスライド可能に構成され、他端25bは第2非表示面22bに対して傾動可能に構成されているのは上記例と同じである。
ディスプレイ筐体12Hにおけるベゼル26は固定ベゼル40とスライド可能なフレーム41とから構成されており、積層状態で第1表示部21の周囲を覆う。固定ベゼル40は上記の固定ベゼル30に相当する部材であるが形状が異なり、上方が開口した角型U字形状であり、第1表示部21の下の縁および左右の縁を覆う。電子機器10Hでは、固定ベゼル40が連結縁12aを構成し、本体筐体11に対してヒンジ14によって回動可能に連結されている。
フレーム41は上記のフレーム31に相当する部材であるが形状が異なり、下方が開口した角型U字形状であり、左フレーム41a、右フレーム41bおよび上方の横フレーム41cから構成されている。ベース部27はフレーム41と一体的の構成されている。フレーム41は展開動作に連動し、第1表示部21に対して相対的に変位するようになっている。左フレーム41aは、積層状態で第1表示部21の左縁の一部および回動縁22cを覆い、展開状態で回動縁22cを覆う。右フレーム41bは、積層状態で第1表示部21の右縁の一部および回動縁22dを覆い、展開状態で回動縁22dを覆う。横フレーム41cは、積層状態で屈曲縁23を覆い、展開状態で端部縁22eを覆う。
このような電子機器10Hでは、展開状態において本体筐体11や積層状態のディスプレイ筐体12Hの見かけ上の大きさの制限を超える大画面が得られる。また、第2表示部22は上方に展開されるため左右幅が抑えられ、狭所で使用可能である。左右に別置き型スピーカなどを置くのにも適する。
本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。