JP7629068B2 - 波形加工中間物及びエンボス加工中間物を有した多層板紙を製造するシステム及び方法 - Google Patents

Description

背景
近代の製紙技術は製紙工場で抄紙機を使用して、板紙製品（すなわち段ボール）を製造するために板紙メーカによって利用できる紙のロールを製造する。その結果、紙のロールは連続的に作動する機械から製造できる。近代の抄紙機は典型的には、木質繊維（他の繊維も利用可能）を含む木材パルプを含んだ幾種類かの物質から紙を製造する。これら繊維は細長であることが多く、互いに整列（配向性一致）するのに適している。これら繊維は、当初は抄紙機のヘッドボックスから移動中のスクリーン上に供給できるスラリ形態である。近代の抄紙機においては、これら繊維は互いに整列し、スクリーンが移動する方向に整列される傾向にある。内在繊維のこの整列方向は紙の主方向であり、機械方向と同一方向である。よって、この主方向は単に機械方向（ＭＤ）と呼ばれることが多く、製造される紙は関連するＭＤ値を有する。

紙が板紙製品の製造に使用されるとき、板紙製品の部分あるいは層は波形化できる。伝統的な波形化機は、基礎をなす紙製品を紙の横断方向（ＣＤ）に波形化するので、機械方向の紙の自然の強度の偏向性の利点を活用できない。また、機械方向の相対的に大きな紙の自然強度の質は、板紙製造ソリューションにおいて横断方向の波形化技術によっては利用されないままである。その結果、従来の板紙製品を製造する会社は、板紙製品の強度を制限している旧来の製造プロセスに拘泥している。

図面の簡単な説明
請求項の特徴および付随する利点の多くは、添付の図面に照らして以下の詳細な説明を読むことによって理解が進むので、容易に把握されるであろう。

ここに開示する主題の１以上の実施例による１以上の板紙製品の一部であり得る波形加工中間物の等角破断図である。

ここに開示する主題の１以上の実施例による１以上の板紙製品の一部であり得るエンボス加工中間物の等角破断図である。

ここに開示する主題の１実施例による少なくとも１つの波形加工中間物及び少なくとも１つのエンボス加工中間物を有した板紙製品の等角破断図である。

ここに開示する主題の１実施例による図３Ａ及び図３Ｂまたは図５Ａ及び図５Ｂの板紙製品を製造するように構成されている機械の特徴の図である。

ここに開示する主題の１実施例による、波形加工中間物及びエンボス加工中間物を有するとともに、それら中間物同士間に配置された面材を有している、板紙製品の等角破断図である。

詳細な説明
以下の説明は、当業者に、ここに開示する主題を実施して利用させるように提供されている。ここで説明されている一般的な原理は、この詳細な説明の真意と範囲から逸脱せずに、上述されているもの以外の実施態様および適用態様にも適用できる。ここに開示されている発明は、記述されている実施例に限定されることは意図されておらず、ここに開示または暗示されている原理および特徴と一致する最も広い範囲に解釈されるべきである。

概略的には、ここに開示する主題は、少なくとも１つの波形加工中間物（波形加工された中間物）（波形化溝部とも言う。）および少なくとも１つのエンボス加工中間物（エンボス加工された中間物）（エンボス化溝部とも言う。）を有した紙製品から製造される板紙製品を製造するためのシステムおよび方法に向けられている。この板紙製品はさらに、波形加工中間物あるいはエンボス加工中間物あるいはそれら両方に接着的に結合された１枚以上の面材（裏打ち材または壁材とも言う。）を含むことができる。一般的に波形加工中間物は、波形化プロセスによって導入された溝部を有し、導入された溝部が紙製品の機械方向に垂直である（あるいは、少なくとも合致しない）ようにする紙製品として特徴付けができる。すなわち、波形加工中間物は紙の横断方向に溝部を有する。エンボス加工中間物は、エンボス化プロセスによって導入された溝部を有し、導入されたそれら溝部が紙製品の機械方向に整列している紙製品として特徴付けられる。

波形加工中間物及びエンボス加工中間物が接着的に結合されるとともに、両外面上に面材が配置されるように板紙製品が製造されるとき、板紙製品の得られる特徴は、波形加工中間物のみを使用する従来の板紙製品よりも優れたものとなる。これは、エンボス加工中間物が、紙製品の機械方向の自然強度を利用する縦方向（線方向）エンボス加工プロセスによって製造されるからである。同一の板紙製品に横断方向に波形加工された中間物と縦方向（直線方向）にエンボス加工された中間物とを有するという基本概念の追加的変更が可能であり、それには、波形加工中間体とエンボス加工中間体との間に面材を配置すること、及び、板紙製品の一方または両方の外側壁に面材を有すること、が含まれる。ここに開示する主題の様々な実施例のこれら利点および追加の特徴が、図１から図５に関連させて以下で説明されている。

種々な実施例の説明に入る前に、横断方向の波形加工及び縦方向（直線方向）のエンボス加工に関する簡単な説明が行われる。簡単に上述したように、従来の板紙製品は従来式に製造された波形加工中間物、すなわち横断方向に波形加工された中間物を含んでいる。横断方向に波形加工された中間物は紙製品のほとんどの内在繊維に垂直に形成された溝部を有する。このことにより、溝部は、内在繊維の大部分と整列せず、よって紙のＭＤ値の自然強度の利点を（ＣＤ値と比較して）享受しない。そのような紙のＭＤ値の非活用は、特定の板紙強度を実現すべきときに板紙製品の製造の機会の喪失につながる。すなわち、必要な板紙強度を実現するのに、必ず、より多くの紙（より重量の大きい紙、より大型の溝部、等々）を使うことになる。

縦方向（線方向）にエンボス加工された中間物は、導入された溝部が紙製品のＭＤ値に整列されている、という点で、横断方向に波形加工された中間物と異なる。このことにより、溝部は、内在繊維の大部分と整列し、紙のＭＤ値の自然強度の利点を（ＣＤ値と比較して）完全に活用する。紙のＭＤ値を活用することで、特定の板紙強度を実現すべき場合に板紙製品の製造において効率化が導かれる。すなわち、必要とされる板紙強度を実現するのに、必ず、より少ない紙（より軽量の紙、より小型の溝部、等々）を使うことになる。縦方向にエンボス加工した中間物の作成、製造および使用の特徴は米国特許願第１５／０７７２５０「機械方向にエンボス加工することで紙製品に溝部を導入するシステムと方法」（２０１６年３月２２日出願）においてさらに詳細に記述されている。その内容の全体を全目的のために、ここに援用する。よって、縦方向にエンボス加工された中間物の特徴については、簡素化のために、これ以上の説明はせず、これから図１から図５について説明する。

図１は、ここに開示される主題の１以上の実施例による１以上の板紙製品の一部であり得る波形加工中間物１２０の等角破断図である。この図は、従来から知られているかもしれない波形化プロセスで形成できる波形加工中間物１２０の一部を等角破断図で示している。すなわち、溝部１２１は、溝部１２１が紙製品の大部分の内在繊維１２５と垂直に（例えば、合致しないように）形成されて機械方向１２２と合致しないよう形成されるように、横断波形化技術において当初の紙製品を波形化ロールに通過させることにより、形成される。簡単に上述したように、溝部１２１が紙の横断方向に（例えば、大部分の内在繊維１２５と合致しないように）形成されるので、横断方向に波形加工されている中間物１２０は紙製品の機械方向の自然強度を活用しない。

機械方向１２２の紙の自然強度を活用しないにもかかわらず、図１の横断方向に波形加工した中間物１２０は製造コストが比較的に安価であり、容易に入手できる産業用波形化機械によって広範囲にわたり製造されている。そのような波形加工中間物１２０は、図３Ａと図３Ｂに関して以下で説明するように板紙製品の一要素／一層であってよい。

図２は、ここに開示される主題の１以上の実施例による１以上の板紙製品の一部であり得るエンボス加工中間物１３０の等角破断図である。この図はエンボス加工プロセスで形成できるエンボス加工中間物１３０の一部を等角破断図で示している。すなわち、溝部１３１は、溝部１３１が紙の内在繊維１２５の大部分と合致して形成されるよう、縦方向エンボス化技術を利用して溝部を形成するために当初の紙製品をエンボス化ロールに通過させて形成される。溝部１３１は機械方向１２２にも合致するように形成される。縦方向にエンボス加工された中間物１３０は、溝部１３１が紙の機械方向１２２に（例えば、内在繊維１２５の大部分と合致するように）形成されるので、機械方向１２２の紙の自然強度を活用する。従って、縦方向にエンボス加工された中間物１３０は機械方向１２２の紙の自然の強度を確実に活用する。図３Ａと図３Ｂに関して以下で説明するように、そのようなエンボス加工中間物１３０を板紙製品の別の部材／層とすることができる。

図３Ａは、ここに開示する主題の一実施例による、少なくとも１つの波形加工中間物１２０と少なくとも１つのエンボス加工中間物１３０とを有した板紙製品１００の等角破断図である。この実施例では、板紙製品は第１の面材１１０、波形加工中間物１２０、エンボス加工中間物１３０および第２の面材１４０を含んでいる。図示のごとく、第１の面材１１０は、波形加工中間物１２０の一側に結合された頂側外壁を形成できる（但し、板紙製品１００の整列に関する頂／底の方向は随意）。この結合は、接着剤が塗布されている箇所において面材１１０が波形加工中間物１２０に接着されるように、波形加工中間物１２０の頂側において、それぞれの溝部の頂部に塗布される接着剤を介して実施できる。他の実施例では、接着剤は、波形加工中間物１２０への結合に先立って、面材１１０の全体に塗布されてもよい。

同様に、第２の面材１４０は、エンボス加工中間物１３０の一側に結合された底側外壁（ここでも、頂／底方向は随意）を形成できる。この結合は、接着剤が塗布されている箇所において面材１４０がエンボス加工中間物１３０に接着されるように、エンボス加工中間物１３０の底側において、それぞれの溝部の頂部に塗布される接着剤を介して実行できる。他の実施例では、接着剤は、エンボス加工中間物１３０への結合に先立って、面材１４０の全体に塗布されてもよい。

さらに、波形加工中間物１２０及びエンボス加工中間物１３０は、接着剤でそれぞれに対して接着できる。波形加工中間物１２０の溝部が横断方向に整列し、エンボス加工中間物１３０の溝部が機械方向に整列しているので、これら２つの中間物の間の接触点はそれぞれの溝部の頂部の交点となるであろう。このように、一方の中間物を他方に対して直接的に保持する接着剤によって、波形加工中間物１２０及びエンボス加工中間物１３０は相互に固定される。

４層全てが組み立てられ固定されると、得られる板紙製品１００は従来の板紙製品よりも強力になる。なぜなら、縦方向にエンボス加工された中間物１３０は基礎をなす紙製品のさらに高いＭＤ値の利点を有するからである。図３Ｂに図示するように、これら４層は、組み立てられると、波形加工中間物１２０の溝部に垂直な（または、少なくとも合致しない）溝部を有したエンボス加工中間物１３０を特徴とする。これにより、追加の板紙強度が得られる。なぜなら、それぞれの中間物の溝部が互いに対して垂直である（または、少なくとも合致しない）からである。図示されていない他の実施例は、少なくとも１つの中間物が波形加工中間物１２０でありかつ少なくとも１つの中間物がエンボス加工中間物１３０であるような、中間物及び面材の任意の組み合わせを含むことができる。

図３Ａと図３Ｂで示す実施例においては、波形加工中間物１２０はＣ形溝部として知られる溝部の外形で示されている。この溝部の外形は、溝部の高さ、溝部のピッチ、溝部の数／フィート（３０．４８ｃｍ）等々である溝部の様々な計測値を表すパラメータの標準化されたセットである。他の標準化された溝部の外形には、Ａ形溝部、Ｂ形溝部、Ｅ形溝部、Ｆ形溝部、およびＲ形溝部が含まれる。よって、この実施例では、波形加工中間物１２０は正弦波形状のＣ形溝部のパターンを含んでいる。さらに、エンボス加工中間物１３０もＣ形溝部で示されているが、もちろん、溝部は基礎をなす紙の機械方向に対して縦方向である。また、エンボス加工中間物１３０は、溝部の外形が三角形のパターンにより特徴付けられる異なる形状を有する。図示しない他の実施例では、エンボス加工中間物１３０は、Ｅ形溝部の外形のごとき波形加工中間物１２０とは異なる溝部の外形を有することができる。

さらに別の実施例（非図示）においては、波形加工中間物１２０の溝部と、エンボス加工中間物１３０の溝部とは組み立てられたときに相互に整列できる。それでも、波形加工中間物１２０は、紙の横断方向に導入された波形化溝部を有するであろうし、エンボス加工中間物１３０は、紙の機械方向に導入された溝部を有するであろう。しかし、紙のＭＤ値を活用する縦方向にエンボス加工された中間物１３０の利点を依然として有しつつ、２つの中間物１２０及び１３０の溝部を整列させるために、これら２つの中間物の一方を、板紙組み立てプロセスの最中に９０°回転移動させてもよい。

図示されていない別実施例においては、板紙製品１００は、図３Ａ及び図３Ｂの板紙製品に示すように４層を含むことができるが、エンボス加工中間物１３０の代わりに板紙製品１００は刻み目加工中間物（非図示）を含むことができる。刻み目加工中間物は、刻み目線が実際に溝加工中間物を形成するように刻み目加工プロセスを介して溝部外形を示すことができる。よって、この実施例では、板紙製品１００は第１の面材１１０、波形加工中間物１２０、刻み目線加工中間物（非図示）、および第２の面材１４０を含むことができる。さらなる実施例は、面材１１０及び１４０の一方または両方に、機械方向あるいは横断方向の追加の刻み目加工を含むことができる。

図３Ａ及び図３Ｂに関して説明したように、エンボス加工中間物１３０の溝部は機械方向１２２に合致する。よって、紙の内在長繊維１２５（図２）は溝部の方向に整列したままである。内在長繊維１２５（図２）をそれぞれの溝部と整列させると、（ＣＤ値と比較して）紙のさらに大きなＭＤ値を有しつつ溝部が整列される。横断方向の波形化技術は必然的に紙のＣＤ値に整列された溝部を有することにつながる。それとは異なり、縦方向エンボス化プロセスは、溝部を機械方向に整列させることで紙のＭＤ値の利点を享受する。よって、溝部を導入するエンボス加工プロセスは、板紙製品１００のごとき得られる板紙製品の特定の強度の達成に使用される総繊維量の減少を可能にする。

縦方向にエンボス加工された中間物１３０を有したそのような板紙製品は、幾つかのレベルでさらなる効率化を可能にし、紙メーカ及び板紙／箱メーカの関心を再調整するのに成功する。第１に、縦方向エンボス加工により、紙メーカは、最初に抄紙機のスクリーン上に注がれるときにパルプ繊維の整列（又は、むしろ非整列）を注意深く制御する必要性を無視することが可能になる。紙メーカは、横断方向の強度を向上させるため、内在長繊維が機械方向に自然整列しないようにするヘッドボックスを含んだ抄紙機を使用するかもしれない。縦方向エンボス加工により、横断方向に改善された強度の必要性は減少あるいは不要化される。従って、紙メーカは抄紙機の速度の改善に専念できる。

第２に、板紙メーカは板紙製品を少ない紙材料で製造できる。ここで説明する縦方向エンボス化層１３０は、製造に少ない材料で済む溝部加工中間物に導く。すなわち、従来の波形化機では、溝部加工中間物に必要な紙の量は面材部分に必要な紙の量よりも（長さにおいて）大きくなる。よって、効率の向上は２要因的（２倍）であり、段ボールの製造に使用される全紙量は少なくなり、溝部と面材の両方のＭＤ値を整列（調和）させることで、得られる板紙の強度は大きくなる。

図１から図３に関して説明した実施例は、正弦波形状の溝部を示す波形加工中間物１２０を有する。さらに、エンボス加工中間物１３０は三角形状の溝部外形を有して示されている。しかし、他の実施例は、いずれか一方の中間物の溝部のために、鋸歯形状、台形形状、または任意の曲線形状を含む、異なる形状を含むことができる。図１から図３の板紙製品１００の追加の特徴を図４の機械に関して以下で説明する。

図４は、ここに開示する主題の１実施例による図１の板紙製品１００（または他の板紙製品）を製造するように構成された機械４００の特徴の図である。この実施例では、この機械は、板紙製品の製造に使用される紙の５つの供給ロール４１０、４２０、４３０、４４０および４４５を含んでいる。これら供給ロールには、第１の面材供給ロール４１０、波形加工中間物供給ロール４２０、エンボス加工中間物供給ロール４３０、第２の面材供給ロール４４０、および中央面材供給ロール４４５が含まれる。この波形加工中間物供給ロール４２０に巻かれている紙は波形加工前のものであり、エンボス加工中間物供給ロール４３０に巻かれている紙はエンボス加工前のものである。それぞれの供給ロールのための紙の重量及び組成は異なることができ、それぞれの目的に沿って特別にデザインされたものでよい。

それぞれのロールからの紙はそれぞれのロールから解巻（引き出し）されて、紙の様々な層を組み合わせて所望の板紙製品を形成するように構成されているコンバイナ（組み合わせ機）４５０に供給できる。様々な実施例においては、機械４００の供給ロールの組み合わせは図４に示すものとは異なっていてもよい。例えば、図４に示す供給ロールの構成は、（図５Ａ及び図５Ｂに関して以下で説明するように）５層の板紙製品を製造することができる。図３Ａ及び図３Ｂの板紙製品１００を製造するために４つだけの供給ロールを使用することもできる。このような実施例において、供給ロールは、第１の面材供給ロール４１０、波形加工中間物供給ロール４２０、エンボス加工中間物供給ロール４３０および第２の面材供給ロール４４０の４つである。図４に関する残りの説明はこの実施例に焦点が当てられている。

コンバイナ４５０に入る前に、それら供給ロールからの紙の少なくとも一部は、その紙を中間物に形成するステージ（段階、台）を通ることができる。本開示および産業界で使用されているごとく、中間物とは、溝部を有した紙に形成済みの紙製品のことを意味してもよい。よって、波形加工中間物供給ロール４２０は、互いに整列されている第１の波形加工ロール４２１ａ及び第２の波形加工ロール４２１ｂ内に紙を供給することができる。紙が波形加工ステージ（例えば、波形加工ロール４２１ａと４２１ｂ）を出ると、それは図１に関して上述したような波形加工中間物１２０になる。続いて波形加工中間物１２０はコンバイナ４５０に供給され、他の材料と組み合わされる。同様に、エンボス加工中間物供給ロール４３０は紙を、互いに整列されている第１のエンボス加工ロール４３１ａ及び第２のエンボス加工ロール４３１ｂ内に供給できる。紙がエンボス加工ステージ（例えば、エンボス加工ロール４３１ａと４３１ｂ）を出ると、それは図２に関して上述したようなエンボス加工中間物１３０になる。その後、エンボス加工中間物１３０はコンバイナ４５０に供給され、他の材料と組み合わされる。

図３Ａ及び図３Ｂの板紙製品を製造する実施例において、第１の面材１１０、波形加工中間物１２０、エンボス加工中間物１３、および第２の面材１４０は、接着剤処理、硬化処理、湿潤処理、乾燥処理、加熱処理および化学処理等の様々な技術を駆使してコンバイナ４５０で組み合わされる。得られる板紙製品１００は少なくとも１枚の横断波形加工中間物１２０及び少なくとも１枚の縦方向エンボス加工中間物１３０の特徴を備えている。

他の機械４００の実施例は、紙、面材および中間物の異なる組み合わせで異なる板紙製品を製造するように構成できる。例えば、第３の面材４４６を横断波形加工中間物１２０と縦方向エンボス加工中間物１３０との間に配置されるように供給するために別の面材供給ロール４４５を含むことができる。よって、一緒に組み立てられた５層を有する板紙製品を製造するように５層がコンバイナ４５０に供給されてもよい。このような板紙製品を、図５Ａ及び図５Ｂを参照して、説明する。

図５Ａは、ここに開示する主題の１実施例による板紙製品５００であって、波形加工中間物１２０及びエンボス加工中間物１３０を有し、それら中間物１２０と１３０の間に配置された面材４４６を有した板紙製品５００の断面斜視図である。この実施例では、板紙製品５００は５層、すなわち、第１の面材１１０、波形加工中間物１２０、中央面材４４６、エンボス加工中間物１３０、および第２の面材１４０、を含んでいる。図示されているように、第１の面材１１０は、波形加工中間物１２０の一側に結合されている頂側外壁（但し、板紙製品５００の整列に対する方向の言及は随意）を形成できる。この結合は、接着剤が塗布された箇所において面材１１０が波形加工中間物１２０に結合されるように、波形加工中間物１２０の頂側において、それぞれの溝部の頂部に塗布される接着剤を介して実施できる。同様に、第２の面材１４０はエンボス加工中間物１３０の一側に結合されている底側外壁（ここでも、方向の言及は随意）を形成できる。結合は、接着剤が塗布された箇所において面材１４０がエンボス加工中間物１３０に結合されるように、エンボス加工中間物１３０の底側において、それぞれの溝部の頂部に塗布される接着剤を介して実施できる。

さらに、波形加工中間物１２０及びエンボス加工中間物１３０は、接着剤を使用して中央面材４４６にも接着できる。このように、波形加工中間物１２０及びエンボス加工中間物１３０は、それぞれの中間物を中央面材３３６に保持している接着剤により、互い同士固定されている。５層全てが組み立てられて固定されると、得られる板紙製品５００は従来の板紙製品よりも丈夫になる。なぜなら、縦方向にエンボス加工された中間物１３０が、基礎となる紙製品の大きなＭＤ値を利用しているからである。図５Ｂに示すように、これら５層は組み立てられると、波形加工中間物１２０の溝部に垂直な（あるいは少なくとも合致しない）溝部を有したエンボス加工中間物１３０を特徴とする。このことにより、追加の板紙構造及び強度が得られる。なぜなら、それぞれの中間物の溝部は互いに対して垂直である（あるいは少なくとも合致しない）からである。

ここで説明した主題には様々な修正および代用構成が適用できるが、それらの実施例の一部は図示されており、上記に詳細に説明されている。しかしながら、本願請求項を、ここに開示した特定の形に限定する意図はなく、むしろ、請求項の真意及び範囲内の全ての修正、代案構成および均等物をカバーすることが意図されている。
［構成１］
板紙製品であって、
機械方向と横断方向とを有した第１の紙から形成される第１の中間物であって、該第１の紙の機械方向に整列している１以上の溝部を有した第１の中間物と、
機械方向と横断方向とを有した第２の紙から形成される第２の中間物であって、前記第１の中間物に対して固定されており、前記第２の紙の横断方向に整列している１以上の溝部を有した第２の中間物と、
を含んでいる、板紙製品。
［構成２］
前記第１の中間物に接着された面材をさらに含んでいる、構成１に記載の板紙製品。
［構成３］
前記第２の中間物に接着された面材をさらに含んでいる、構成１に記載の板紙製品。
［構成４］
前記第１の中間物は前記第２の中間物に直接的に接着されている、構成１に記載の板紙製品。
［構成５］
前記第１の中間物と前記第２の中間物との間に固定されるように、前記第１の中間物に接着されかつ前記第２の中間物に接着された面材をさらに含んでいる、構成１に記載の板紙製品。
［構成６］
前記第１の中間物は、エンボス加工を通じて導入される溝部をさらに含んでいる、構成１に記載の板紙製品。
［構成７］
前記第１の中間物は、刻み目加工を通じて導入される溝部をさらに含んでいる、構成１に記載の板紙製品。
［構成８］
前記第２の中間物は、波形加工を通じて導入される溝部をさらに含んでいる、構成１に記載の板紙製品。
［構成９］
前記第１の中間物は、Ｅ形溝部外形に対応する大きさを有した溝部をさらに含んでいる、構成１に記載の板紙製品。
［構成１０］
前記第２の中間物は、Ｃ形溝部外形に対応する大きさを有した溝部をさらに含んでいる、構成１に記載の板紙製品。
［構成１１］
前記第１の中間物の溝部は、前記第２の中間物の溝部と合致していない、構成１に記載の板紙製品。
［構成１２］
改良した構造を備えた板紙製品を製造する方法であって、
第１の紙を機械方向にエンボス加工することであって、前記エンボス加工により、前記機械方向に導入された溝部を有したエンボス加工中間物が得らえる、エンボス加工することと、
第２の紙を横断方向に波形加工することであって、前記波形加工により、前記横断方向に導入された溝部を有した波形加工中間物が得らえる、波形加工することと、
前記エンボス加工中間物を前記波形加工中間物に対して固定することと、
を含んでいる、方法。
［構成１３］
前記エンボス加工中間物を前記波形加工中間物に直接的に接着することをさらに含んでいる、構成１２に記載の方法。
［構成１４］
前記エンボス加工中間物を面材の第１の側に接着することと、前記波形加工中間物を面材の第２の側に接着することと、をさらに含んでいる、構成１２に記載の方法。
［構成１５］
前記波形加工中間物から離れて配置されるように面材を前記エンボス加工中間物に接着することをさらに含んでいる、構成１２に記載の方法。
［構成１６］
前記エンボス加工中間物から離れて配置されるように面材を前記波形加工中間物に接着することをさらに含んでいる、構成１２に記載の方法。
［構成１７］
前記エンボス加工中間物は、Ｅ形溝部外形を有した溝部を含んでおり、前記波形加工中間物はＣ形溝部外形を有した溝部を含んでいる、構成１２に記載の方法。
［構成１８］
機械であって、
波形化ステージに紙を供給するように構成された第１の紙供給ロールと、
エンボス化ステージに紙を供給するように構成された第２の紙供給ロールと、
横断方向に波形加工された中間物を製造するために前記波形化ステージに供給された前記紙を横断方向に波形加工するように構成された少なくとも１対の波形化ロールと、
縦方向にエンボス加工された中間物を製造するために前記エンボス化ステージに供給された前記紙を縦方向にエンボス加工するように構成された少なくとも１対のエンボス化ロールと、
前記横断方向に波形加工された中間物を前記縦方向にエンボス加工された中間物と結合させるステージと、
を含んでいる、機械。
［構成１９］
更に、
前記波形加工された中間物及び前記エンボス加工された中間物の結合体に面材を結合させるために、第１の面材が前記横断方向に波形加工された中間物及び前記縦方向にエンボス加工された中間物のうちの一方に接着されるように、前記結合させるステージに前記第１の面材を供給するように構成された第３の紙供給ロールと、
第２の面材が前記横断方向に波形加工された中間物及び前記縦方向にエンボス加工された中間物のうちの他方に接着されるように、前記結合させるステージに前記第２の面材を供給するように構成された第４の紙供給ロールと、
を含んでいる、構成１８に記載の機械。
［構成２０］
面材が前記横断方向に波形加工された中間物に接着されるとともに前記縦方向にエンボス加工された中間物に接着されるように、前記結合させるステージに前記面材を供給するように構成された第３の紙供給ロールをさらに含んでいる、構成１８に記載の機械。

Claims (8)

1. 板紙製品を製造する方法であって、
   機械方向と横断方向とを有した第１の紙から形成される第１の中間物であって、前記第１の紙の機械方向に整列された１以上の溝部を有した第１の中間物を形成することと、
   機械方向と横断方向とを有した第２の紙から形成される第２の中間物であって、前記第２の紙の横断方向に整列された１以上の溝部を有した第２の中間物を形成することと、
   前記第１の中間物及び前記第２の中間物が互いに重なるように、かつ、前記第１の紙の前記機械方向と前記第２の紙の前記機械方向とが互いに平行に固定されるように、かつ、前記第１の中間物の前記溝部が前記第２の中間物の前記溝部と合致しないで固定されるように、前記第１の中間物を前記第２の中間物に固定することと、
   を含み、
   前記第１の中間物を生成することは、前記第１の中間物に、エンボス加工を通じて溝部を導入することをさらに含み、
   前記第２の中間物を生成することは、前記第２の中間物に、波形加工を通じて溝部を導入することをさらに含む、
   方法。
2. 前記第１の中間物に面材を接着することをさらに含む、請求項１に記載の方法。
3. 前記第２の中間物に面材を接着することをさらに含む、請求項１に記載の方法。
4. 前記第１の中間物を前記第２の中間物に固定することは、前記第１の中間物を前記第２の中間物に直接的に接着することをさらに含む、請求項１に記載の方法。
5. 前記第１の中間物を前記第２の中間物に固定することは、前記第１の中間物と前記第２の中間物との間に固定されるように、面材を前記第１の中間物に接着するとともに前記面材を前記第２の中間物に接着することをさらに含む、請求項１に記載の方法。
6. 前記第１の中間物は、Ｅ形溝部外形に対応する大きさを有した溝部をさらに含んでいる、請求項１に記載の方法。
7. 前記第２の中間物は、Ｃ形溝部外形に対応する大きさを有した溝部をさらに含んでいる、請求項１に記載の方法。
8. 前記第１の中間物を前記第２の中間物に固定することは、前記第１の中間物の上に前記第２の中間物を配置することをさらに含む、請求項１に記載の方法。