以下、図面を参照して、本開示を実施するための一実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本開示を説明するための一例であり、特許請求の範囲に記載した発明の技術的範囲が、以下の記載に限定されるものではない。
[1.第1実施形態]
[1.1 全体構成]
図1を参照して、本実施形態におけるシステム1の全体構成を説明する。図1に示すように、システム1は、制御装置10と、測色装置20と、表示装置30とを備えて構成される。また、制御装置10は、測色装置20と、表示装置30とに接続されている。
制御装置10は、測色装置20と、表示装置30との制御を行う装置である。例えば、制御装置10は、PC(Personal Computer)やサーバといったコンピュータである。
測色装置20は、測色を行う装置であり、測色を行うことができる測色カメラや、測定器等の装置により構成される。
表示装置30は、ユーザに対する各種情報を表示する装置である。表示装置30は、入力された映像信号を入力し、当該映像信号に基づく画像を、補正データを用いて補正し、補正後の画像を表示する。
[1.2 機能構成]
[1.2.1 制御装置]
図2を参照して、制御装置10の機能構成について説明する。図2に示すように、制御装置は、制御部100と、色データ取得部110と、表示部140と、操作部150と、記憶部160と、測色装置制御信号出力部170と、表示装置制御信号出力部180と、補正データ出力部190とを備えて構成される。
制御部100は、制御装置10の全体を制御する。制御部100は、記憶部160に記憶されている各種プログラムを読み出して実行することにより各種機能を実現しており、1又は複数の演算装置(例えば、CPU(Central Processing Unit))により構成されている。
色データ取得部110は、色データを取得する。色データ取得部110は、例えば、USB(Universal Serial Bus)端子として構成され、測色装置20から送信される色データ(測定データ)を取得する。
なお、本実施形態における色データは、CIE XYZ表色系で規定されている三刺激値XYZ値であるとして説明する。
表示部140は、各種情報を表示する。表示部140は、例えば、LCD(Liquid crystal display)、有機EL(electro-luminescence)パネル、マイクロLED(Light Emitting Diode)ディスプレイ等のパネルを用いた表示装置により構成される。
操作部150は、制御装置10を使用するユーザの操作を受け付ける。操作部150は、マウス、キーボードといった種々の操作装置や、タッチ入力を検出する入力装置によって構成される。タッチ入力を検出する方式は、例えば、抵抗膜方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式といった、一般的な検出方式であればよい。
記憶部160は、制御装置10の動作に必要な各種プログラムや、各種データを記憶する。記憶部160は、例えば、半導体メモリであるSSD(Solid State Drive)や、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置により構成される。
測色装置制御信号出力部170は、測色装置20の制御を行うための制御信号を出力する。例えば、測色装置制御信号出力部170は、測色装置20と通信を行い、測色装置20に対して測色を実行させるための制御信号を出力する。測色装置制御信号出力部170は、例えば、測色装置20と接続するためのケーブルを差し込み可能な端子として構成される。
表示装置制御信号出力部180は、表示装置30の制御を行うための制御信号を出力する。例えば、表示装置制御信号出力部180は、表示装置30と通信を行い、表示装置30に対して、電源を入れたり、表示装置30に予め記憶されている内部パターンである色パターンを表示させたりするための制御信号を出力する。表示装置制御信号出力部180は、例えば、表示装置30と接続するためのケーブルを差し込み可能な端子として構成される。なお、色パターンについては、後述する。
補正データ出力部190は、表示装置30の特性を補正するために用いられる補正データを出力する。補正データ出力部190は、例えば、表示装置30と接続するためのケーブルを差し込み可能な端子として構成される。
補正データは、例えば、明るさを補正するためのガンマ値や、入力された階調に対して出力する階調を変換するルックアップテーブル(以下、「LUT」と表す)や、3次元ルックアップテーブル(3DLUT)である。
なお、本実施形態では、補正データは3DLUTであるとして説明する。3DLUTとは、所定の色空間(例えば、RGB色空間)における変換前の色度(入力値)と、当該色度に対する変換後の色度(出力値)とを対応付けたテーブルであり、例えば、図5(b)に示したテーブルである。
例えば、表示装置30が表示することができる色が、1つの色成分あたり8bitの階調(0~255の出力量(出力される光の量))を持つRGB色空間による色度で表現される場合、補正データには1677万色のそれぞれについて、入力値と出力値とが記憶される必要がある。しかし、1677万色のそれぞれについて測色し、補正データを生成することは事実上不可能である。
そこで、0~255の出力量のうち、0、32、64、96、128、160、192、224、255の9種類の出力量を選択し、当該選択した出力量から組み合わせ可能な色度を入力値とする。そして、入力値によって表される色の画像が測色されることにより、当該入力値に対応する出力値が求められる。例えば、補正データが3DLUTである場合、図5(b)に示すような9×9×9のサイズの3DLUTが生成(設定)され、表示装置30に記憶される。
なお、表示装置30に記憶される3DLUTは、初期値として、入力値に対して、入直値と同じ値が出力値として設定される。また、表示装置30に記憶される3DLUTは、補正データ出力部190から出力される補正データ(3DLUTデータ)によって更新され、表示装置30毎に、装置に固有の3DLUTが記憶される。
[1.2.2 測色装置]
図3を参照して、測色装置20の機能構成について説明する。図3に示すように、測色装置20は、制御部200と、制御信号入力部210と、測色部220と、色データ出力部230と、記憶部260とを備えて構成される。
制御部200は、測色装置20の全体を制御する。制御部200は、記憶部260に記憶されている各種プログラムを読み出して実行することにより各種機能を実現しており、1又は複数の演算装置(例えば、CPU)により構成されている。
制御信号入力部210は、測色装置20の制御を行うための制御信号を入力する。制御信号入力部210は、例えば、制御装置10と接続するためのケーブルを差し込み可能な端子として構成される。
測色部220は、測色を行う。測色部220は、例えば、物体から反射した光を分光し、分光された各波長の反射率を測定することが可能な分光測色計等によって構成される。
色データ出力部230は、測色部220による測色の結果である色データを出力する。色データ出力部230は、例えば、制御装置10と接続するためのケーブルを差し込み可能な端子として構成される。
記憶部260は、測色装置20の動作に必要な各種プログラムや、各種データを記憶する。記憶部260は、例えば、半導体メモリであるSSDや、HDD等の記憶装置により構成される。
[1.2.3 表示装置]
図4を参照して、表示装置30の機能構成について説明する。図4に示すように、表示装置30は、制御部300と、制御信号入力部310と、映像信号入力部320と、表示部340と、記憶部360と、補正データ入力部390とを備えて構成される。
制御部300は、表示装置30の全体を制御する。制御部300は、記憶部360に記憶されている各種プログラムを読み出して実行することにより各種機能を実現しており、1又は複数の演算装置(例えば、CPU)により構成されている。
制御信号入力部310は、表示装置30の制御を行うための制御信号を入力する。制御信号入力部310は、例えば、制御装置10と接続するためのケーブルを差し込み可能な端子として構成される。
映像信号入力部320は、映像信号を入力する。映像信号入力部320は、例えば、端子として構成され、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)(登録商標)や、ディスプレイポート、USB TypeC等の方式で接続される。
表示部340は、各種情報を表示する。表示部340は、例えば、LCD、有機ELパネル、マイクロLEDディスプレイ等のパネルにより構成される。
記憶部360は、表示装置30の動作に必要な各種プログラムや、各種データを記憶する。記憶部360は、例えば、半導体メモリであるSSDや、HDD等の記憶装置により構成される。
記憶部360は、補正データ362、調整済補正データ364を記憶する。また、記憶部360は、記憶領域として、色パターン画像記憶領域366と、調整用画像記憶領域368とを確保する。
補正データ362は、表示装置30の特性を補正するために用いられるデータであり、例えば、3DLUTである。調整済補正データ364は、補正データ362を調整した後の補正データである。
色パターン画像記憶領域366は、色パターン画像を記憶する。色パターン画像とは、表示装置30に表示される単色の画像である。色パターン画像は、例えば、RGB色空間において、R成分(赤)、G成分(緑)、B成分(青)の出力量が、それぞれ、0(最小値)、32、64、96、128、160、192、224、255(最大値)の何れかを取る、729種類の画像である。
調整用画像記憶領域368は、補正データ362を調整するために用いられる画像(調整用の画像)を記憶する。本実施形態の調整用画像は、所定の色空間(例えば、RGB色空間)の各色成分のうち、第1の色成分の値を取り得る値の最大値(例えば、255)にし、第2の色成分の値を取り得る値の最小値(例えば、0)にし、第3の色成分の値を変化させた複数の画像である。
調整用画像は、例えば、RGB色空間において、第1の色成分をB成分、第2の色成分をG成分、第3の色成分をRとしたときの複数の画像である。この場合、調整用画像記憶領域368には、調整用画像として、B成分の出力量を255(最大値)とし、R成分の出力量を0から255までの何れかの値とし、G成分の出力値を0(最小値)とした色度によって表される色を表示させるための単色の画像が記憶される。R成分の出力量が、0、4、8、・・・、252と4ずつ変化する画像を調整用画像とする場合、当該調整用画像は、64種類の画像となる。
なお、本実施形態では、調整用画像の色成分のうち、出力量が最大値に固定された色を原色という。また、調整用画像の色成分のうち、出力量が変化される色を補色という。したがって、B成分の出力量を255(最大値)とし、R成分の出力量を0から255までの何れかの値とし、G成分の出力値を0(最小値)とした色度によって表される色を表示させるための単色の画像は、原色がBで補色がGの調整用画像である。同様にして、原色がBで補色がRの調整用画像も、調整用画像記憶領域368に記憶される。
さらに、調整用画像記憶領域368には、原色がRで補色がG又はBの何れかである調整用画像と、原色がGで補色がR又はBの何れかである調整用画像とが記憶される。
補正データ入力部390は、補正データを入力する。補正データ入力部390は、例えば、制御装置40と接続するためのケーブルを差し込み可能な端子として構成される。
また、制御部300は、記憶部360に記憶されたプログラムを実行することにより、表示補正部302として機能する。
表示補正部302は、映像信号入力部320を介して入力された映像信号に基づく画像を、補正データ362又は調整済補正データ364によって補正し、当該補正した画像を表示部340に表示する。なお、補正データは、ユーザの操作に基づいて、補正データ362又は調整済補正データ364から選択されればよい。
例えば、表示補正部302は、映像信号に基づく画像に含まれる各画素の色度を入力値とし、当該入力値を補正データ362又は調整済補正データ364によって定義された出力値に変換する。なお、表示補正部302は、定義されていない入力値を変換する場合、定義されている入力値に対する出力値を線形補間することで、出力値を求める。そして、表示補正部302は、色度を変換した後の画像を表示部340に表示する。
[1.3 従来例]
つづいて、図を参照して、表示装置30の表示部340(パネル)の補正データを生成する従来の方法を説明する。
従来、補正データは、面間カラーマッチングを実施することにより生成されていた。面間カラーマッチングとは、複数の表示装置30の表示部340の表示面の色再現特性を、目標とする色再現特性に一致させることをいう。
面間カラーマッチングが実施されることにより、複数の表示装置30の表示部340の色再現特性は、共通の色再現特性に統一される。この結果、表示面間の色の個体差、バラツキを低減することを可能である。さらに複数の表示装置30がマルチディスプレイとして構成される場合であっても、設置者は、設置導入時の調整をすることなく、複数の表示装置30を用いて、マルチディスプレイ全体で一体感のある高品位な表示をさせることが可能となる。
面間カラーマッチングの具体的な手法を、図5を用いて説明する。図5(a)は、面間カラーマッチングの手順を示した図である。図5(a)に示すように、面間カラーマッチングは、以下の(1)から(7)までの手順を実施することにより行われる。
(1)制御装置10は、表示装置30の電源を入れる等の制御を行う。
(2)制御装置10は、表示装置30に所定の色パターン画像を表示部340(パネル)上に表示させる。
(3)制御装置10は、測色装置20を制御して、表示装置30の表示部340に表示された色を測色する制御を行う。
(4)測色装置20は、表示装置30の表示部340に表示された色を測色する。
(5)制御装置10は、測色装置20から、色データとしてXYZ値を取得する。
(6)制御装置10は、表示装置30の色再現特性が、既に設定されている目標とする色再現特性に合うように、測色装置20から取得したXYZ値が、(2)の色パターン画像と対応する目標のXYZ値となるように、補正データを生成する。
(7)制御装置10は、表示装置30に、補正データを転送する。
ここで、測色は、表示装置30に色パターンの画像を表示させた状態において、測色装置20で、表示装置30の表示面(表示部340)の中央部の色を測定することで行われる。
また、(6)において、制御装置10は、測色装置20から取得したXYZ値を、対応する目標となるXYZ値に一致させるために出力するR成分、G成分、B成分の出力量を算出する。そして、制御装置10は、(2)において表示させた色パターンの色度を入力値とし、当該算出した出力量を出力値とした補正データを生成する。
制御部100は、上述した(2)から(6)までの手順を、表示装置30に記憶された色パターン画像の全てに対する色データ(測定データ)が取得されるまで繰り返し実行する。これにより、制御部100は、3DLUTデータにおける全ての入力値に対応する出力値を設定することができる。
なお、補正データを生成する方法は、既存の方法を用いることができる。例えば、特開2019-095711号公報に記載の方法などを用いることができる。
つづいて、図6を参照して、色再現特性について説明する。図6(a)は、xy色度図である。図6(a)の(1-a)は、B成分が最大値であり、R成分及びG成分が最小値である画像(例えば、(R成分,G成分,B成分)=(0,0,255))が、ある表示装置30の表示部340において表示されたときに測定された色度である。ここでは、図6において、1台目の表示装置30における色域を点線(A)で、2台目の表示装置30における色域を点線(B)で示している。
なお、B成分の出力量が最大値であり、他の色成分の出力量が最低値である画像を、本実施形態では原色Bという。同様にして、R成分の出力量が最大値であり、他の色成分の出力量が最低値である画像を原色Rといい、G成分の出力量が最大値であり、他の色成分の出力量が最低値である画像を原色Gという。また、図6において示されている色度(3)は、原色Bの目標となる色度である。
ここで、1台目の表示装置30において測定された原色Bの色度が(1-a)であるとする。ここで、1台目の表示装置30の色域は、図6の点線(A)で示した範囲であるため、当該色度の目標となる色度(3)は、表示装置30の色域外にある。この場合、図6(a)の(1)に示すように、測定された色度(1-a)は、色度(1-b)までしか近づけられない。したがって、当該表示装置30は、原色Bを、目標となる色度にすることができない。この場合、当該表示装置30の補正データにおける原色Bに対応する出力値はあまり変わらない。
一方、2台目の表示装置30において測定された原色Bの色度が、(2-a)であるとする。ここで、2台目の表示装置30の色域は、図6の点線(B)で示した範囲であるため、測定された色度に対して、当該色度の目標となる色度(3)は、2台目の表示装置30の色域内の付近にある。この場合、図6(a)の(2)に示すように、色度(2-a)は、色度(2-b)まで近づけることができる。つまり、この場合の表示装置30は、目標の色度(3)にできるだけ近づけることができる。この場合、表示装置30の補正データにおける原色Bに対応する出力値は、目標となる色度が表示できるようにするために、変更される。
例えば、図6(b)に示すように、入力値(R成分,G成分,B成分)=(0,0,255)に対して、出力値(R成分,G成分,B成分)=(70,0,255)となるように変更される。これは、(R成分,G成分,B成分)=(0,0,255)(原色B)の色度が、目標となる色度に近づけられたことにより、出力すべきR成分が増加したことを示す。この場合、表示装置30は、(R成分,G成分,B成分)=(0,0,255)が色度である画素を表示させる場合、当該画素におけるR成分の出力量を70だけ増加させた上で表示させる。
次に、図7を参照して、正面視と斜め視とにおける色の見え方の違いについて説明する。正面視とは、ユーザによって表示装置30が正面の方向から見られる状態をいう。より具体的には、正面視とは、表示装置30が設置された場所を上から見た場合、ユーザの目の位置と表示装置30の表示部340の中心の位置とを結んだ直線と、表示装置30の表示部340の長手方向とが成す角が、略直角である方向から見られる状態である。また、斜め視とは、ユーザによって表示装置30が斜めの方向から見られる状態(正面視ではない状態)をいう。
図7(a)及び(b)は、原色Bが表示されている表示装置30に対して、補色成分であるR成分を増加させる変更を加えた場合において測定された色度を示したxy色度図である。なお、図7(a)は、図7(b)において点線で示した領域を拡大した図である。また、正面視における色の見え方(色度)の変化は丸の記号で示し、斜め視における色の見え方(色度)の変化はアスタリスクの記号で示している。
図7(c)は、3DLUTにおける原色Bに対する出力値を示した表である。ここで、補色成分0に対する出力値は、補色となる色成分を出力しない画像の色度を示す。また、R成分変更1~3は、原色Bに対する補色であるR成分の出力値を変更した場合における画像の色度を示す。なお、図7(c)に示した色度は、RGB色空間における色度を表しており、(R成分,G成分,B成分)を示している。
同様にして、図7(d)及び(e)は、原色Bが表示されている表示装置30に対して、補色であるG成分を増加させる変更を加えた場合において測定された色度を示したxy色度図である。図7(f)は、3DLUTにおける原色Bに対する出力値を示した表である。図7(d)及び(e)に記載された記号の意味は、図7(a)及び(b)と同様である。また、図7(f)に示した色度は、図7(c)と同様に、RGB色空間における色度を表している。
図7(a)や図7(d)から明らかなように、正面視では、色の見え方の変化は緩やかである(色の見え方のシフトは小さい)。一方、斜め視では、色の見え方の変化が急である(色の見え方のシフトが大きい)。例えば、斜め視では、R成分を増やすと、原色Bは赤紫色にシフトし、赤紫色が目立ちやすくなる。
つづいて、表示装置30をマルチディスプレイとして構成する場合における、目視の位置による色の見え方の違いについて説明する。
図8は、2台の表示装置30を横に並べた場合を示す。図8に示した表示装置30は、何れも、補正データ(例えば、3DLUT)によって、原色Bの色度が、(R成分,G成分,B成分)=(0,0,255)から(70,0,255)に変換されて出力されるように調整されていることとする。また、2台の表示装置30には、調整後の原色Bが表示されているものとして説明する。
図8(a)は、2台の表示装置30(1番の表示装置と2番の表示装置)が、ユーザによって正面から見られる場合を示した図である。ユーザは、正面から2台の表示装置30を見る場合、2台の表示装置30に同じ青色が表示されていると認識する。
一方、図8(b)は、2台の表示装置30(1番の表示装置と2番の表示装置)が、ユーザによって斜めから見られる場合を示した図である。ここで、一般的に、表示装置30の視野角特性が悪い(視野角が小さい)場合、当該表示装置30が斜めから見られたとき、本来の色とは異なる色がユーザによって認識される。したがって、ユーザは、斜めから2台の表示装置30を見る場合、視野角特性が悪い表示装置30ほど、青色ではなく別の色(例えば、赤紫色)が表示されていると認識する。例えば、図8(b)に示す例において、1番の表示装置は、2番目の表示装置に比べて、より斜めの方向から見られることとなり、ユーザによって別の色が表示されていると感じられることがある。
このように、2台の表示装置30の補正データが同じであっても、ユーザによって見られる位置によって、ユーザによる色の見え方が異なってしまう。
このことは、より多くの表示装置30をマルチディスプレイとして構成した場合も同様である。例えば、図9(a)は、15台の表示装置を配置した図を示す。例えば、視野角特性が悪い表示装置30が両端の位置に配置された場合において、図9(a)に示すマルチディスプレイがユーザによって正面から見られることがある。このとき、両端の位置に配置された表示装置30(例えば、1、5、6、10、11、15番の表示装置30)は、正面に配置された表示装置30に比べて、より斜めから見られることとなる。これにより、正面視における色の見え方とは異なり、他の色に見られてしまうことがある。例えば、表示装置30において青が表示されているのにも関わらず、ユーザによって赤紫色に見えてしまう場合がある。
そこで、本実施形態では、図9(b)に示すように、斜めから見られる可能性が高い表示装置30に対して、斜めから見られる場合における色の見え方の変化を考慮した調整(視野角色相調整)がされた補正データを用いる。例えば、両端の位置に配置された表示装置30(例えば、1、5、6、10、11、15番の表示装置30)において使用される補正データを、正面視によって調整された補正データ(例えば、3DLUT1_Main)から、視野角色相調整が実施された補正データ(例えば、3DLUT1_Sub)に切り替える。これにより、複数の表示装置30がマルチディスプレイによって構成される場合であっても、マルチディスプレイ全体の見え方は、均一化される。
[1.4 処理の流れ]
本実施形態における制御装置10のメイン処理の流れを、図10を参照して説明する。メイン処理は、制御装置10によって実行される処理である。
はじめに、制御部100は、補正データの生成を行う(ステップS102)。例えば、制御部100は、図11(a)に示すように、測色装置20が、表示装置30の表示面(表示部340)に対して垂直方向に配置された状態で、従来例に示した方法によって補正データを生成する。
具体的には、制御部100は、以下の処理を実行することにより、正面視用の補正データを生成する。
(1)制御部100は、表示装置30の電源を入れ、表示装置30に記憶された色パターン画像のうち、1の色パターン画像を表示させるための制御信号を、表示装置制御信号出力部180を介して、表示装置30に対して出力する。
(2)制御部100は、表示装置30の表示部340(対象パネル)を測色させるための制御信号を、測色装置制御信号出力部170を介して測色装置20に対して出力する。
(3)制御部100は、色データ取得部110を介して、測色装置20から色データを取得する。
(4)制御部100は、表示装置30に記憶された全ての色パターン画像に対する色データを取得するまで、(1)から(3)までの処理を繰り返す。
(5)取得した色データに基づき、3DLUTデータを生成する。
また、制御部100は、ステップS102において生成した補正データを、補正データ出力部190を介して、表示装置30に対して、補正データを出力する。このようにして、制御部100は、正面視用の補正データと、斜め視用の補正データとを予め算出(生成)し、当該補正データを取得する。また、表示装置30は、正面視用の補正データを記憶し、当該補正データに基づく表示制御を行う。これにより、表示装置30は、補正データによって補正された画像が表示される。
つづいて、制御部100は、ステップS102の処理により算出された補正データにより調整用画像を補正して表示した表示装置30を正面から撮影して得られる画像(正面視での調整用画像)に現れる、当該調整用画像の色の測色を行う(第1の測色ステップ)(ステップS104)。ここで、図11を参照してステップS104における測色装置20の配置位置について説明する。図11は、測色装置20と表示装置30との位置関係を示した図であり、測色装置20及び表示装置30を上から見た場合を示した図である。
また、本実施形態では、表示装置30を上から見た場合において、表示装置30の長手方向に対して垂直方向の直線L1と、測色装置20と表示装置30の中心とを結んだ直線L2とが成す角θの大きさを測定角度という。
ステップS104において、正面視での調整用画像の測色を行うため、測色装置20は、θの大きさが略0°となる位置である図11の(a)に示す位置に配置される。そして、測色装置20が図11(a)に示す位置に配置された状態で、制御部100は、以下の処理を実行する。
(1)制御部100は、表示装置30に記憶された調整用画像のうち、1の調整用画像を表示させるための制御信号を、表示装置制御信号出力部180を介して、表示装置30に対して出力する。これにより、表示装置30の表示部340には、ステップS102における処理によって予め算出された補正データにより調整用画像が補正された上で表示される。
(2)制御部100は、表示装置30の表示部340(対象パネル)を測色させるための制御信号を、測色装置制御信号出力部170を介して測色装置20に対して出力する。
(3)制御部100は、色データ取得部110を介して、測色装置20から色データを取得する。これにより、制御部100は、調整用画像を表示した表示装置30を正面から撮影し、当該撮影した画像に現れる当該調整用画像の色を測色し、取得する。
(4)制御部100は、表示装置30に記憶された全ての調整用画像に対する色データを取得するまで、(1)から(3)までの処理を繰り返す。
つづいて、制御部100は、調整用画像を表示した表示装置30を、所定の角度(測定角度)から撮影して得られる画像(斜め視での調整用画像)に現れる当該調整用画像の色の測色を行う(第2の測色ステップ)(ステップS106)。ここで、図11を参照してステップS106における測色装置20の配置位置について説明する。ステップS106において、斜め視での調整用画像の測色を行うため、測色装置20は、θの大きさが所定の角度となる位置に配置される。斜め視での調整用画像の測色を行う場合におけるθの大きさは、好ましくは5°≦θ≦60°であり、より好ましくは、20°≦θ≦40°である。なお、本実施形態では、θの大きさは30°であるとする。
制御部100は、測色装置20が、測定角度であるθが30°となる位置である図11の(b)に示す位置に配置された状態で、ステップS104において実行処理と同様の処理を実行する。これにより、制御部100は、斜め視での調整用画像の測色を行う。
つづいて、制御部100は、調整用画像毎に、ステップS104において取得した色データ(第1の測色ステップの測色結果)と、ステップS106において取得した色データ(第2の測色ステップの測色結果)との差分(色差)を算出する(ステップS108)。
色差とは、色度の差分である。例えば、制御部100は、色差を求めるために、ステップS104において取得されたXYZ値及びステップS106において取得されたXYZ値を用いて、以下の式に従って、x及びyの値を算出する。
x = X / X+Y+Z
y = Y / X+Y+Z
ここで、ステップS104において取得されたXYZ値から算出されたxの値と、ステップS106において取得されたXYZ値から算出されたxの値との差分をdxとする。
また、ステップS104において取得されたXYZ値から算出されたyの値と、ステップS106において取得されたXYZ値から算出されたyの値との差分をdyとする。制御部100は、調整用画像毎に、色差として、dxとdyを算出する。
つづいて、制御部100は、ステップS108において算出した差分(色差)に基づき、調整用パラメータを算出する(ステップS110)。調整用パラメータとは、ステップS102の補正データを調整するために用いられるパラメータである。例えば、調整用パラメータは、例えば、3DLUTの出力値に設定可能な出力量の最大値を規定する。
つづいて、制御部100は、ステップS102において生成した補正データを、ステップS110において算出した調整用パラメータに基づいて調整する(ステップS112)。例えば、制御部100は、ステップS102において生成した補正データを複製し、当該複製した補正データに対して調整用パラメータに基づく調整を行うことで、正面視での測色に基づく補正データとは別に、視野角色相調整が実施された補正データ(調整済の補正データ)を生成する。ここで、制御部100は、複製した補正データ(調整未実施の補正データ)の出力量の最大値が、調整用パラメータに規定された最大値となるように、出力値の値を修正することで、調整済の補正データを生成する。
つづいて、制御部100は、補正データ出力部190を介して、表示装置30に対して、調整済の補正データを出力(転送)する(ステップS114)。これにより、制御部100は、表示装置30に対して、ステップS102において生成した補正データ(当初の補正データ)と、ステップS110において生成した補正データ(調整済の補正データ)とを、表示装置30に転送することができる。
なお、表示装置30の制御部300は、補正データ入力部390を介して、制御装置10から調整未実施の補正データを取得した場合、当該取得した補正データを補正データ362として記憶すればよい。また、表示装置30の制御部300は、補正データ入力部390を介して、制御装置10から調整済の補正データを取得した場合、当該取得した調整済の補正データを調整済補正データ364として記憶すればよい。また、表示装置30に予め補正データ(調整未実施の補正データ)が記憶されている場合、制御装置10の制御部100は、ステップS102における処理を実行する代わりに、表示装置30に記憶された補正データを取得してもよい。
[1.5 動作例]
図を説明して、本実施形態の動作例を説明する。図12は、色差及び調整用パラメータの算出に関する図である。図12(a)及び図12(b)は、色差を示した線グラフの例を示す図である。図12(c)は調整用パラメータの例を示す図である。
図12(a)は、Bを原色とし、Rを補色とした場合(R増加 at Blue)の調整用画像の色差を線グラフによって表した図である。なお、測定角度は30度としている。また、実線はdxを、点線はdyを示している。縦軸はdx又はdyの値である。横軸は色度である。なお、横軸は、右に進むにつれて、補色である色成分Rの出力量が大きくなるようにしている。つまり、図12(a)のグラフは、右に進むにつれて、原色BからR成分を増やすことで、表示装置30の表示部340に表示される色が、青色から青紫色へとだんだんと変化する場合における、正面視と斜め視との色値の差分(色差)を示している。
正面視と斜め視との色値の差分が小さい場合は、斜め視と正面視とで色の見え方があまり変わらないことを示す。この場合、カラーマッチング処理によって3DLUTのR成分を積極的に増やしても問題はない。逆に、正面視と斜め視との色値の差分が大きい場合は、正面視と斜め視とで色の見え方が変わってしまう(視野角特性が悪い)ことを示す。この場合、原色Bの補正を行う場合、あまりR成分を増やさないように制御する必要がある。
ここで、制御装置10は、原色Bの地点((R成分,G成分,B成分)=(0,0,255))の色差の値を0として、補色Rを加えた場合の色差を取得する。図12(a)に示したグラフの場合、原色Bの地点から、原色Bに補色Rをある程度加えた地点((R成分,G成分,B成分)=(12,0,255))までは、色差がなだらかに推移している。つまり、原色Bに補色Rの成分を10程度加えた場合の色の見え方と原色Bの色の見え方とは大きくは変わらず、原色Bに補色Rを10程度加えても原色Bの見え方に影響がない。そこで、制御装置10は、色差が大きく変化する地点における補色Rの値に基づき、原色Bの補正データにおける補色Rの上限として、10を取得する。これにより、調整用パラメータにおいて、原色Bでの補色Rの出力量の最大値として10と設定される(図12(c)のD110)。
図12(b)は、Bを原色とし、Gを補色とした場合(G増加 at Blue)の調整用画像の色差を線グラフによって表した図である。測定角度とグラフ上の実線及び点線との意味は図12(a)と同じである。
ここで、図12(b)は、図12(a)と比べて、立ち上がり(グラフの左側)が急峻になっている。これは、正面視と斜め視とで、色の見え方が変わっている(視野角特性が悪い)ことを示しており、より具体的には、G成分を増やすことにより、色の見え方が正面視と斜め視とでは大きく変わることを示す。この場合、G成分を増やすことで、正面視と斜め視とでは色の見え方が変わりやすくなってしまう。したがって、原色Bの補正を行う場合、G成分をできるだけ増やさないように制限することが望ましい。制御装置10は、このような色の見え方の変化に基づき、調整用パラメータとして、原色Bでの補色Gの出力量の最大値として、できるだけ小さな値(例えば、2)を設定する(図12(c)のD112)。なお、正面視と斜め視とで色の見え方が大きく変わってしまう補色成分の出力量の最大値は、例えば、予め決められていてもよいし、システム1のユーザによって設定可能であってもよい。
このようにして、制御装置10は、原色Bからの色差の変化量や、色差の変化の傾き等に基づき、色差の変化の大きさ(グラフの山のなだらかさ)といった、色差の変化に基づき、補色成分の出力量の最大値を設定する。例えば、制御装置10は、色差の変化がなだらかに変化する場合は、補色成分の出力量の最大値をある程度大きい値に設定し、色差の変化が急峻に変化する場合は、補色成分の出力量の最大値を小さい値に設定する。
なお、原色R及び原色Gについても、同様に正面視と斜め視との色差が求められ、当該色差に基づく調整用パラメータが設定される。このようにして、色差に基づき、補正データの出力値の各色成分の上限値(クリッピング用の値)が算出され、調整用パラメータに設定される。
つづいて、図13は、補正データの調整に関する図である。図13(a)は、調整前の補正データを示した図である。図13(a)は、4台の表示装置30を、縦2台、横2台のマルチディスプレイとして構成し、それぞれの表示装置30の表示部340(パネルA、パネルB、パネルC、パネルD)に対応する補正データを示している。
例えば、図13(a)のD120は、パネルAにおいて、原色B((R成分,G成分,B成分)=(0,0,255))の画像を出力する場合の出力値を、(R成分,G成分,B成分)=(33,34,254)とすることを示す。
一方、図13(b)は、図12(c)に示した調整用パラメータに基づいて、図13(a)に示した補正データを調整した後の補正データを示した図である。図13(b)は、図13(a)と同様に、それぞれの表示装置30の表示部340(パネルA、パネルB、パネルC、パネルD)に対応する補正データを示している。
例えば、図13(b)のD122は、パネルAにおいて、原色Bの画像を出力する場合の出力値を、(R成分,G成分,B成分)=(33,34,254)から、(R成分,G成分,B成分)=(2,2,255)に調整されることを示す。
ここで、図12(c)のD110に示されているように、原色Bでの補色Rの出力量の最大値は10である。したがって、パネルAの原色Bを出力する場合、R成分の出力料は10までの値に調整される。同様にして、図12(c)のD112に示されているように、原色Bでの補色Gの出力量の最大値は2である。したがって、パネルAの原色Bを出力する場合、G成分の出力料は2までの値に調整される。この結果、パネルAにおいて、原色Bを出力する場合における色度は、(R成分,G成分,B成分)=(10,2,255)に調整される。
同様にして、パネルA、パネルB、パネルC、パネルDの原色R、原色G、原色Bに対応する補正データの出力値が、調整用パラメータに基づいて調整される。この結果、図13(b)に示すような、調整済の補正データが生成される。
また、原色以外の入力値も同様にして、調整用パラメータに基づいて、出力量の最大値が調整される。
なお、上述した説明以外であっても、矛盾のない範囲において、各装置の構成を変更したり、メイン処理の内容を変更したりしても構わない。
例えば、上述した説明では、色パターンは、表示装置30に記憶されることとして説明したが、色パターンは、制御装置10によって記憶されてもよいし、制御装置10によって動的に生成されてもよい。この場合、制御装置10は、記憶した色パターンを又は動的に生成した色パターンに基づく映像信号を出力可能にすればよい。具体的には、制御装置10は、HDMI(登録商標)や、ディスプレイポート、USB TypeC等の方式で、表示装置30と接続することが可能な端子を備えればよい。また、この場合、図10に示したメイン処理のステップS102及びステップS104において、制御部100は、1の色パターンに基づく映像信号を、表示装置30に対して出力すればよい。
本実施形態によれば、工場出荷時に、表示装置毎に個別に最適化された補正データは、視野角特性による影響を考慮して調整される。これにより、複数の表示装置を並べて1つの大型画面として表示するシステムにおいて、ユーザ(例えば、設置担当者)は、表示装置の設置現場で、両端の位置に配置された表示装置とそれ以外の表示装置とで、適切な補正データを選択することが可能となる。この結果、表示装置の位置によって、ユーザによって見られる角度に大小が生じる場合であっても、表示装置全体の見え方を、均一化させることが可能となる。
[2.第2実施形態]
つづいて第2実施形態について説明する。第2実施形態は第1実施形態と異なり、調整用画像を、所定の色空間の各色成分の値を、それぞれ同じ値にした画像とする実施形態である。
本実施形態では、表示装置30の白色点が調整済みの状態であるとする。また、本実施形態の表示装置30の調整用画像記憶領域368には、白色の画像(白100%の画像、色空間の各色成分の出力値を最大にした画像)が記憶されるとする。白色の画像は、例えば、RGB色空間において、R成分、G成分、B成分の値を、同じ値で、かつ、最大値(例えば、255)にした画像である。
つづいて、本実施形態における制御装置10のメイン処理について説明する。本実施形態におけるメイン処理は、第1実施形態の図10に示した処理と同様の処理であるが、一部の処理を、次のように修正する。
まず、ステップS108において、制御部100は、正面視での調整用画像の測色の結果(色データ)と、斜め視での調整用画像の測色の結果(色データ)との差分から、変調する色相を判定する。
例えば、制御部100は、ステップS108において、色データの差分をRGB色空間の色度で示したとき、R=0、G=-5、B=-5である場合、変調する色相は赤色であると判定する。
なお、制御部100は、別の方法により、変調する色相を判定してもよい。例えば、
ステップS108において、色データの差分がxy色度図で赤方向であれば(正面視の色度から斜め視の色度のシフトの方向が赤方向であれば)、制御部100は、変調する色相は赤色であると判定する。
つづいて、ステップS110において、制御部100は、当該変調する色相を調整用パラメータとする。
ステップS112において、制御部100は、以下の2つの処理を実行する。
(1)変調する色相に関する色成分を持たない入力値(入力色)の選択
制御部100は、変調する色相に関する色成分を持たない入力値(入力色)を選択する。例えば、変調する色相が赤色であれば、赤色の成分を持たない入力値(Rの値が0である入力値)を選択する。
補正データが9×9×9のサイズの3DLUTである場合において、入力値と、変調する色相に対して抑制する色相の関係とを示した表の一部を図14に示す。図14に示した表は、例えば、制御装置10の記憶部160に予め記憶される。
制御部100は、図14に示した表から、変調する色相に関する色成分を持たない入力値(入力色)を選択する。具体的には、変調する色相が赤色の色相である場合、図14に示した表の中から、「Rを抑制」が記載されている入力値を選択する。例えば、変調する色相が赤色の色相である場合、制御部100は、(R,G,B)=(0,128,255)(シアン色)等を選択する。
なお、制御部100は、変調する色相が緑色の色相であれば、変調する色相である緑色に関する色を持たない入力値を選択する。具体的には、制御部100は、図14に示した表から「Gを抑制」に該当する入力値を選択する。
(2)出力値の調整
制御部100は、(1)において選択した入力値に対する出力値を調整する。例えば、変調する色相が赤色であれば、赤色が変調して視認されることを防止するために、制御部100は、入力値に対する出力値のうち、赤色の色成分の出力量を抑制する。例えば、制御部100は、赤色の色成分の出力量を0に置き換えたり、0.5を乗じた値に置き換えたりする。
結果として、入力値が(R,G,B)=(0,128,255)である色に対する出力値が(R,G,B)=(30,128,255)であったとしても、上述した処理により、出力値は(R,G,B)=(5,128,255)といった値に調整される。
なお、本実施形態では、調整用画像が白色の画像であるとして説明したが、例えば、調整用画像は、90%グレーといった画像であってもよい。90%グレーの画像とは、色空間の各色成分の出力値を最大値の90%の値にした画像である。また、調整用画像は、複数(例えば、100%白と90%グレーの2つ)の画像であってもよい。この場合、制御部100は、それぞれの画像において求められる色度の差分から、変調の度合いを算出し、当該算出した変調の度合いを考慮して、補正データの出力値を調整すればよい。
本実施形態によれば、少数の調整用画像を測色することで、補正データの調整を行う音が可能となる。
[3.第3実施形態]
つづいて、第3実施形態について説明する。第3実施形態は、複数の表示装置において、共通した調整用パラメータを用いる実施形態である。本実施形態は、第1実施形態及び第2実施形態に適用することができる。
本実施形態では、制御部100は、複数の表示装置30(例えば、同一の機種)の中から選択された一の表示装置30を用いて調整用パラメータを算出する。つまり、制御部100は、複数の表示装置30から選択された一の表示装置に表示された調整用画像に対して、第1の測色ステップと第2の測色ステップとを実行し、これらの測色結果の差分に基づいて、調整用パラメータを予め算出する。なお、制御部100は、調整用画像を測色する処理や、調整用パラメータを算出する処理を、第1実施形態における図10に示した処理を実行する前に(オフラインで)行う。
具体的には、制御部100は、調整用パラメータを算出する処理として、一の表示装置30に対して、第1実施形態における図10に示した処理のうち、ステップS104からステップS110までの処理を実行する。
なお、選択される表示装置30は、複数の表示装置30における平均的な表示特性を示す表示装置30が選択される。調整用パラメータの算出に用いられる表示装置30は、ユーザによって選択されてもよいし、制御装置10によって自動的に選択されてもよい。制御装置10が表示装置30を選択する場合、例えば、制御装置10の制御部100は、複数の表示装置30における平均的な表示特性を算出し、当該平均的な表示特性に最も近い表示装置30を判定することにより行う。
また、制御部100は、複数の表示装置30(一の表示装置30及び他の表示装置30)に対して、ステップS102における処理を実行することで、表示装置30毎の補正データを算出する。そして、制御部100は、複数の表示装置30(一の表示装置30及び他の表示装置30)に対して、一の表示装置30において算出した調整用パラメータに基づいて、補正データを補正する。この場合、制御部100は、複数の表示装置30に含まれるそれぞれの表示装置30に対して、第1実施形態における図10に示した処理のうち、ステップS102、S112及びステップS114の処理を実行する。
つまり、制御部100は、はじめに、表示装置30毎に補正データを生成し(ステップS102)。つづいて、制御部100は、表示装置30毎に、事前に算出された調整用パラメータ(一の表示装置に表示した調整用画像に基づいて算出された調整パラメータ)に基づいて、補正データを調整する(ステップS112)。さらに、制御部100は、表示装置30毎に、調整した補正データを、対応する表示装置30に出力する(ステップS114)。このようにすることで、制御部100は、複数の表示装置30の補正データを調整する場合において、表示装置30毎の調整用パラメータを算出する処理を省略することができる。
上述した処理により、複数の表示装置30において、調整用パラメータを共通化させることができる。この結果、調整用パラメータを算出するための処理を、表示装置30毎に行う必要がなくなり、補正データを調整するための時間を低減させることが可能となる。
このように、本実施形態の制御装置によれば、少ない時間で、補正データを調整することが可能となる。
[4.第4実施形態]
つづいて、第4実施形態について説明する。第4実施形態は、調整用画像を測色するときに、測色装置20を配置する位置を複数設ける実施形態である。本実施形態は、第1実施形態から第3実施形態の何れの実施形態にも適用することができる。
本実施形態では、制御部100は、第1実施形態の図10に示した処理のうち、ステップS106からステップS114までの処理を、測色装置20を配置する位置毎に実行する。
ここで、測色装置20の位置として、例えば、図15(b)に示した第1の位置、図15(c)に示した第2の位置、図15(d)に示した第3の位置のように、複数の位置を設ける。
これにより、制御部100は、正面視(図15(a))と第1の位置(図15(b))とにおける第1の測定角度θ1に対応する調整用パラメータを算出し、当該調整用パラメータに基づいて調整した第1の調整済補正データを、表示装置30に対して出力する。同様にして、制御部100は、正面視(図15(a))と第2の位置(図15(c))とにおける第2の測定角度θ2に対応する調整用パラメータとにより調整した第2の調整済補正データを、表示装置30に対して出力する。また、制御部100は、正面視(図15(a))と第3の位置(図15(d))とにおける第3の測定角度θ3に対応する調整用パラメータとにより調整した第3の調整済補正データを、表示装置30に対して出力する。
このように、制御部100は、第2の測色ステップにおいて、調整用画像の色を、複数の測定角度(例えば、第1の測定角度θ1と第2の測定角度θ2と第3の測定角度θ3)の方向から測色し、当該複数の測定角度毎に、対応する調整用パラメータを算出する。そのうえで、制御部100は、複数の測定角度毎に、対応する調整用パラメータに基づいて補正データを調整することで、測定角度毎に、対応する調整用パラメータに基づいて調整された補正データを出力することができる。
表示装置30は、制御装置10から出力された第1から第3の調整済補正データを、記憶部360に記憶する。表示補正部302は、ユーザの操作に基づいて、補正データ362又は第1から第3の調整済補正データのうち、補正に用いる補正データを選択し、当該選択した補正データに基づき、映像信号に基づく画像を補正する。このようにすることで、複数の表示装置を並べて1つの大型画面として表示するシステムにおいて、ユーザ(例えば、設置担当者)は、表示装置の設置現場で、表示装置30が見られる方向に対応した測定角度に基づいて調整された補正データを選択することが可能となる。
なお、測色装置20を配置する位置は、2種類であってもよいし、4種類以上であってもよい。
本実施形態によれば、複数の表示装置を並べて1つの大型画面として表示する場合において、表示装置毎にユーザによって見られる角度が異なる場合であっても、ユーザは、対応する補正データを選択し、表示装置に表示される画像を補正することが可能となる。
[5.変形例]
本発明は上述した各実施の形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。すなわち、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施の形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
また、上述した実施形態は、説明の都合上、それぞれ別に説明している部分があるが、技術的に可能な範囲で組み合わせて実行してもよいことは勿論である。
また、上述した実施形態では、補正データ362と異なる調整済補正データ364を出力することとして説明したが、補正データ362を調整してもよい。この場合、調整後の補正データ362だけを記憶する。また、調整済補正データ364は、調整済の補正データとして、例えば補正データ362との差分を記憶してもよい。すなわち、補正データ362と、調整済データ364とに基づいて調整済の補正データを出力してもよい。
また、実施形態において各装置で動作するプログラムは、上述した実施形態の機能を実現するように、CPU等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。そして、これら装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的に一時記憶装置(例えば、RAM)に蓄積され、その後、各種ROM(Read Only Memory)やHDD等の記憶装置に格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行なわれる。
ここで、プログラムを格納する記録媒体としては、半導体媒体(例えば、ROMや、不揮発性のメモリカード等)、光記録媒体・光磁気記録媒体(例えば、DVD(Digital Versatile Disc)、MO(Magneto Optical Disc)、MD(Mini Disc)、CD(Compact Disc)、BD (Blu-ray(登録商標) Disk) 等)、磁気記録媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)等の何れであってもよい。また、ロードしたプログラムを実行することにより、上述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、オペレーティングシステムあるいは他のアプリケーションプログラム等と共同して処理することにより、本発明の機能が実現される場合もある。
また、市場に流通させる場合には、可搬型の記録媒体にプログラムを格納して流通させたり、インターネット等のネットワークを介して接続されたサーバコンピュータに転送したりすることができる。この場合、サーバコンピュータの記憶装置も本発明に含まれるのは勿論である。