以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている諸要素及びその組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
なお、実施例を説明する図において、同一の機能を有する箇所には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
また、以下の説明では、情報の一例として「xxxデータ」といった表現を用いる場合があるが、情報のデータ構造はどのようなものでもよい。すなわち、情報がデータ構造に依存しないことを示すために、「xxxデータ」を「xxxテーブル」と言うことができる。さらに、「xxxデータ」を単に「xxx」と言うこともある。そして、以下の説明において、各情報の構成は一例であり、情報を分割して保持したり、結合して保持したりしても良い。
なお、以下の説明では、「プログラム」を主語として処理を説明する場合があるが、プログラムは、プロセッサ(例えばCPU(Central Processing Unit))によって実行されることで、定められた処理を、適宜に記憶資源(例えばメモリ)及び/又は通信インターフェースデバイス(例えばポート)を用いながら行うため、処理の主語がプログラムとされても良い。プログラムを主語として説明された処理は、プロセッサ或いはそのプロセッサを有する計算機が行う処理としても良い。
図1は、一実施例に係る機械学習システムの動作の概要を説明する図面である。本図を用いて一実施例の概要を説明し、その後、後続の図を用いて詳細を説明する。
図中の11は、モデルと、モデルが学習対象とするセンサデータとの対応付けを示したものである。モデルAは、輝度センサと、温度センサと、水圧センサとを入力として、学習を実行する。モデルBは、水圧センサを入力として、学習を実行する。モデルCは、温度センサと、振動センサとを入力として学習を実行する。モデルDは、振動センサを入力として学習を実行する。モデルEは、温度センサと、水圧センサとを入力として学習を実行する。
図中の12は、センサデータを基準に、保守イベント(保守作業)に影響を受けたセンサデータの対応付けを示したものである。121に示すように、保守ID:MaintenanceId1の錆止め塗布の保守が実施されたた場合、輝度センサが保守イベントの影響を受け、センサデータの傾向が変わったとする。その後、保守ID:MaintenanceId1で特定されるイベントにより傾向が変わった輝度センサデータ等が一定期間以上経過して蓄積された場合に、輝度センサデータを入力として学習されたモデルであるモデルAは、図中1211の範囲に示すセンサデータを入力とし、再学習する。このときの、再学習に利用されたセンサデータの種類とその期間を記録しておく。ただし、モデルAは、再学習の実施が完了するまでの間、誤検知を引き起こす可能性がある。
図中122に示すように、保守ID:MaintenanceID2のパーツ交換の保守が実施されたた場合、輝度センサと、温度センサと、水圧センサとが、保守イベントの影響を受け、センサデータの傾向が変わったとする。その後、保守ID:MaintenanceId2イベントにより傾向が変わった各センサデータ等が、一定期間以上経過し、蓄積された場合に、これらのセンサデータを入力として学習されたモデルであるモデルBとモデルDとが再学習をする。具体的には、モデルBは、図中1221に示す範囲のセンサデータ等を入力とし、再学習する。モデルDは、図中1222に示す範囲のセンサデータ等を入力とし、再学習する。このときの、再学習に利用されたセンサデータの種類とその期間を記録しておく。ただし、モデルBとモデルDは、再学習の実施が完了するまでの間、誤検知を引き起こす可能性がある。
図中123に示すように、再度、保守ID:MaintenanceId1の錆止め塗布の保守が実施されたた場合について説明する。このときも、輝度センサが保守イベントの影響を受け、センサデータの傾向が変わったとする。保守ID:MaintenanceId1の保守イベントは、前述のとおり121で実施されており、その時、モデルの再学習に利用されたセンサデータの種類とその期間を記録していたため、モデルAは、1回目の保守ID:MaintenanceId1の保守イベントが実施された際、再学習に利用された図中1211のセンサデータを用いて、再学習する。このとき、モデルAは、一定期間以上経過し、センサデータが蓄積されることを待たずに、再学習を実施することができるため、モデルが誤検知を引き起こす期間を短縮できる可能性がある。
図中124に示すように、再度、保守ID:MaintenanceId2のパーツ交換の保守が実施された場合について説明する。このときも、輝度センサと、温度センサと、水圧センサとが、保守イベントの影響を受け、センサデータの傾向が変わったとする。保守ID:MaintenanceId2の保守イベントは、前述のとおり122で実施されており、その時、モデルの再学習に利用されたセンサデータの種類とその期間を記録していたため、モデルBは、1回目の保守ID:MaintenanceId2の保守イベントが実施された際、再学習に利用された図中1221のセンサデータを用いて、再学習する。モデルDは、1回目の保守ID:MaintenanceId2の保守イベントが実施された際、再学習に利用された図中1222のセンサデータを用いて、再学習する。このとき、モデルBとモデルDとは、一定期間以上経過し、センサデータが蓄積されることを待たずに、再学習を実施することができるため、モデルが誤検知を引き起こす期間を短縮できる可能性がある。
図中125に示すモデルは、運用の途中で新規に作成されたモデルを示したものである。前述したように、モデルEは、温度センサと水圧センサを入力とする。これは、モデルA、モデルB、モデルC、モデルEのどのモデルとも、入力とするセンサが異なる。モデルEが作成された後、図中124に示す保守ID:MaintenanceId2のパーツ交換の保守を実施した場合、モデルEにとっては、この保守ははじめての保守にあたるが、過去に、保守ID:MaintenanceId2の保守は実施されており、かつ、モデルEが入力とする、水圧センサを入力とした再学習が実施されているため、モデルEが再学習に利用できるデータは、過去の保守ID:MaintenanceId2のパーツ交換の保守を実施した後のデータである、図中1251に示す範囲のセンサデータを用いて、再学習する。
図2は、実施例1に係る機械学習システムのシステム構成の概略を示した図である。
図2に示す本実施例の機械学習システムは、機械学習モデル20と、モデル管理部21と、モデル-センサ対応付けテーブル22と、イベント管理部23と、イベント-センサ対応付けテーブル24と、対応付け管理部25と、更新候補モデル情報26と、対応付け処理部27と、計算部28と、表示部29とを有する。
本実施例の機械学習システムは、各種情報処理が可能な装置、一例としてコンピュータ等の情報処理装置である。機械学習システムは、CPUに代表されるプロセッサ及びメモリを有し、さらに、ストレージ及び入力装置を有する。
プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等である。メモリ及びストレージは、例えばHDD(Hard Disk Drive)などの磁気記憶媒体、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、SSD(Solid State Drive)などの半導体記憶媒体等を有する。また、DVD(Digital Versatile Disk)等の光ディスク及び光ディスクドライブの組み合わせもメモリ及びストレージとして用いられる。その他、磁気テープメディアなどの公知の記憶媒体もメモリ及びストレージとして用いられる。
ストレージには、ファームウェアなどのプログラムが格納されている。機械学習システムの動作開始時(例えば電源投入時)にファームウェア等のプログラムをこのストレージから読み出してメモリで実行し、機械学習システムの全体制御を行う。また、ストレージには、プログラム以外にも、機械学習システムの各処理に必要なデータ等が格納されている。
なお、本実施例の機械学習システムは、複数の情報処理装置が通信ネットワークを介して通信可能に構成された、いわゆるクラウドにより構成されてもよい。
機械学習モデル20は、図2において図略の輝度センサ等の各種センサから出力されるセンサデータを入力データとし、この入力データに基づいて公知の機械学習アルゴリズムに従って学習を行ったものである。図1で詳述したように、本実施例の機械学習システムは複数の機械学習モデル20を有し、好ましくは、個々の機械学習モデル20の入力データであるセンサデータは異なりうる。ここに、センサデータが異なるとは、機械学習モデル20の入力データが1つ以上存在する場合、これら入力データの1つでも異なることを意味する。
モデル管理部21は、(機械学習)モデル20と、モデル20が入力として学習を実行するセンサデータとの対応付けが記述されたデル-センサ対応付けテーブル22を管理する。
モデル-センサ対応付けテーブル22は、モデル管理部21が管理する情報が記録される。これは、後述の図3のテーブルのように記録しても良い。
イベント管理部23は、例えば、保守といったイベントと、イベントに影響を受けたセンサデータとの対応付けが記述されたイベント-センサ対応付けテーブル24を管理する。イベントは、本実施形態では、例えば、保守をあげて例示するが、保守でなくてもよく、例えば、台風や、積雪などでも良い。イベントとは、その事象が発生したことが原因となり、センサデータの傾向が通常と変わる事象を指す。
イベント-センサ対応付けテーブル24は、イベント管理部23が管理する情報が記録される。これは、後述の図4のように記録しても良い。
対応付け管理部25は、モデル管理部21が管理する情報と、イベント管理部23が管理する情報とを対応付け、保守イベントが発生した際、この保守イベントに影響を受けたモデルを特定する。
更新候補モデル情報26は、対応付け管理部25が管理する情報が記録される。これは、後述の図6のテーブルのように記録しても良い。
対応付け処理部27は、第2の実施形態にて示す、モデル20とセンサとの対応付け、及び、イベントとセンサの対応付けを参照し、モデル20の入力として使用されたセンサデータの期間を提示する。詳細は図9及び図10に示す。計算部28は、イベントにより影響を受けたセンサデータを特定するための、影響度合い等を計算する。
表示部29は、計算部28から送出される表示制御信号に基づいて所定の画面を表示する。入力装置は、機械学習システムのオペレータ(図略)からの入力指示動作に基づいて、入力指示信号を機械学習システムを構成する各部に送出する。
なお、図2において、モデル20、モデル-センサ対応付けテーブル22はデータサイエンティスト等により入力されるか、予め用意されているものとする。また、イベント-センサ対応付けテーブル24は機械学習システムの運用者が入力してもよい。
図3は、モデル20と、モデル20が入力として学習を実行するセンサデータとの対応付けを管理するモデル-センサ対応付けテーブル22を例示したものである。
モデル-センサ対応付けテーブル22では、モデル20を特定するためのモデルIDやモデル名などのモデル識別子と、そのモデル20が入力として学習を実行するセンサデータを出力するセンサIDやセンサ名などのセンサ識別子の対応付けが管理されている。
例えば、モデルAは輝度センサ、温度センサ、水圧センサを入力とし、振動センサは入力としない。モデルBは、水圧センサを入力とし、輝度センサと、温度センサと、振動センサは入力としない。このように、モデル識別子毎に、学習の入力として利用されているセンサ識別子が管理される。ただし、本実施形態が利用するモデルと、モデルが入力として学習を実行するセンサデータとの対応付けは、必ずしも図3と同一でなくても良い。つまり、モデルと、モデルの入力となる情報の関係性がわかればよい。
図4は、保守などのイベントと、イベントに影響を受けたセンサデータとの対応付けを管理するイベント-センサ対応付けテーブル24を例示したものである。
イベント-センサ対応付けテーブル24では、保守イベントを特定するための保守IDや保守名などの保守識別子と、センサを特定するためのセンサIDやセンサ名などのセンサ識別子毎の影響度の対応付けが管理されている。
計算部28は、保守IDがMaintenanceID1である保守イベント、すなわちパーツ1の錆止め塗布が実施された日時と、その保守イベントにより影響を受けたセンサを特定するために、センサ識別子毎に影響度を記録する。影響度とは、保守イベントが実施された時間の前後で、センサデータに変化があった度合いを示した値である。影響度は、例えば、以下の式で算出する。
上式において、寄与度は特許4832609号、異常度は特許5480440号に開示されたものを使用している。詳細は参照先の公報に譲るが、概略を説明すると、異常度は、センサデータを正規化して得られる特徴ベクトルを求め、この特徴ベクトルをクラスタリングしてクラスタ中心との距離が最も大きい特徴ベクトルの絶対値をクラスタ半径とし、異常度の計算対象となるセンサデータの特徴ベクトルのクラスタ中心までの距離dをクラスタ半径rで除した値として求められる。そして、異常度の差は、保守イベントが実施された時間の前後における異常度の差分として求められる。また、寄与度は、算出された異常度に対して、その異常度の算出に用いた複数のセンサデータを構成する各センサデータの寄与の程度を示すものであり、センサデータとクラスタを構成するセンサデータの代表値との差分を上述した距離dで除した値として求められる。
当然、影響度は、必ずしも上記の式である必要はない。保守などのイベントの前と、後とで、センサデータに変化があった度合いがわかる値もしくは、高、中、低などの表現であっても良い。もし、モデルの入力となる情報が画像の場合は、画像の輝度などの変化が影響度に相当する。つまり、モデルの入力となる情報が、イベントの影響を受けたか否かがわかればよい。
図5は、本実施例の機械学習システムの動作を説明するためのフローチャートであり、保守作業などのイベントの影響を受け、センサデータが変化したため、再学習すべきモデルを特定するための処理を図示したフロー図である。
保守などのイベントが発生した場合、イベント管理部23は、イベント-センサ対応付けテーブル24に、保守IDや保守名といった、保守イベント識別子と、日時を記録する(ステップ51)。
次に、イベント管理部23は、イベント-センサ対応付けテーブル24に、センサ識別子毎に、計算部28が計算した影響度を記録する(ステップ52)。
そして、ステップS52で算出した影響度が、あらかじめ設定済のしきい値よりも高い場合(ステップ53においてYES)、その影響度を持つセンサ識別子に対して、対応付け管理部25が、モデル-センサ対応付けテーブル22を参照し、前記センサ識別子が入力に含まれるモデルを特定する(ステップ54)。なお、しきい値は、モデルの再学習が必要になるセンサデータの変化を、モデルを作成したデータサイエンティストなどに確認し、予め設定しておくことを推奨するが、この限りではない。
そして、対応付け管理部25は、ステップ54にて特定したモデルを、例えば、後述する図6や図10に示すように、GUIなどで表示部を介して提示する(ステップ55)。
図6は、イベント識別子と、イベントによって影響を受け再学習が必要になる可能性があるモデル識別子とを、対応付けたテーブルである。
例えば、例示するイベント―センサ対応付けテーブル24において、保守IDがMaintenanceId1のパーツ1錆止め塗布の保守が実施された際、センサIDがSensor1となる輝度センサの影響度が図4に示すように1.49であったとする。このとき、仮にしきい値を0.5とすると、輝度センサの影響度1.49はしきい値より大きいため、保守IDがMaintenanceId1の保守イベントは輝度センサに影響を与えたと判断することができる。
そこで、対応付け管理部25は、輝度センサが入力に含まれるモデル20を、モデル-センサ対応付けテーブル22を参照し、特定する。モデル-センサ対応付けテーブル22を参照すると、輝度センサが入力に含まれるモデル20は、モデルAということがわかる。
従って、パーツ1錆止め塗布の保守イベントが実施された場合は、モデルAを再学習する可能性が高いため、モデルAが「更新要」、それ以外のモデルB、モデルC、モデルDは、「更新不要」となる。このようなことが、他のイベント、例えば、パーツ1の交換や、パーツ1の接続などによっても実施され、それぞれのイベント毎に、再学習が必要な可能性が高いモデルが特定される。
以上が、実施例1の機械学習システムにおける処理の流れとなる。このような情報の管理及び処理を行うことで、保守などのイベントが発生した際、そのイベントに影響を受け、再学習を実施した方が良い可能性が高いモデル20を特定できる。これにより、モデル20が誤検知を引き起こす可能性を低減することができる。
次に、実施例2に係る機械学習システムについて説明する。
図7は、図3に示した実施例1におけるモデル-センサ対応付けテーブル22と同様に、モデル20と、モデル20が入力として学習を実行するセンサデータとの対応付けを管理する、実施例2に係るモデル-センサ対応付けテーブル22テーブルを示す図である。そのため、本図は、図3との差分を中心に説明する。
モデルIDやモデル名などのモデル識別子と、前記モデル識別子が作成された日時などと、モデル20毎に定められた許容度と、モデル20が入力として学習するセンサデータのおおよその目安期間が対応付けされる。さらに、図3にて示した、モデルが入力として学習を実行するセンサデータを出力するセンサIDやセンサ名などのセンサ識別子の対応付けが管理されている。
モデル20毎に定められた許容度とは、モデルが再学習を実施すべき目安となる値となる。例えば、保守前後において、前述のモデルの異常度が、本テーブルの許容度を超えた場合、そのモデル識別子を有するモデルを再学習することを推奨する。この許容度は、モデル毎に異なる可能性があるため、本テーブルにてモデル毎に定めても良い。
モデル20が入力として学習するセンサデータのおおよその目安期間とは、モデル20が学習するために利用するセンサデータの期間である。例えば、モデルAは、約30日分の輝度センサデータ、約30日分の温度センサデータ、及び約30日分の水圧センサデータを入力として、モデル20を学習する。モデルBは、約15日分の水圧センサデータを入力として、モデル20を学習する。目安学習期間を示すことで、後述の図9、図10に示す処理フローにおける、過去のセンサデータを用いて再学習する際に参考にできる。
図8は、図4に示した実施例1におけるイベント-センサ対応付けテーブル24と同様に、保守などのイベントと、イベントに影響を受けたセンサデータとの対応付けを管理する、実施例2に係るイベント-センサ対応付けテーブル24を示した図である。そのため、本図は、図4との差分を中心に説明する。
保守IDや保守名などの保守識別子と、センサIDやセンサ名などのセンサ識別子毎に、保守イベントの前後でモデル20の入力となるセンサデータに変化があり、モデル20の再学習が実施された場合、センサ識別子毎に、再学習の際に利用されたセンサデータであった場合、利用された期間が記録される。
例えば、MaintenanceId1により特定される、パーツ1への錆止め塗布の保守イベントが実施され、実施例1と同様に、保守イベントによる影響を受け、輝度センサデータの傾向が変わったとする。その後、データサイエンティスト等の判断により、実施例1に示した手法等により、輝度データを入力とするモデルAの再学習が実施されたものとする。
この時、輝度センサデータにおいて、再学習に利用された期間を記録しておく。つまり、図8の輝度センサデータの欄に、再学習に利用された期間として2017/08/29-2017/09/27と記録する。こうすることにより、MaintenanceId1により特定される保守イベントの影響にて、モデル20の再学習が実施され、その後、輝度センサデータの上記期間のデータを用い、再学習が実施されたことを把握できる。
図9は、保守などのイベントの影響を受け、センサデータが変化したため、再学習すべきモデル20を特定し、さらに、再学習に利用すべきセンサデータを提示する、図7及び図8にて示した情報を管理する、処理を図示したフローチャートである。
保守などのイベントが発生した場合、イベント管理部23は、イベント-センサ対応付けテーブル24に、保守IDや保守名といった、保守イベント識別子と、日時を記録する(ステップ901)。
次に、イベント管理部23は、イベント-センサ対応付けテーブル24に、センサ識別子毎に、計算部28が計算した影響度を記録する(ステップ902)。
そして、ステップ902で記録された影響度が、あらかじめ設定済のしきい値よりも高い場合(ステップ903においてYES)、その影響度を持つセンサ識別子に対して、対応付け管理部25が、モデル-センサ対応付けテーブル22を参照し、前記センサ識別子が入力に含まれるモデルを特定する(ステップ904)。一方、影響度が、あらかじめ設定済のしきい値以下の場合(ステップ903においてNO)、処理を終了する。
なお、しきい値は、モデルの再学習が必要になるセンサデータの変化を、モデルを作成したデータサイエンティストなどに確認し、予め設定しておくことを推奨するが、この限りではない。
次に、モデル管理部21は、ステップ904にて特定したモデルの許容度を取得し、さらにモデルが出力している異常度を比較し、異常度が、許容度よりも高い場合(ステップ905においてYES)、対応付け処理部27が、イベント-センサ対応付けテーブル24を参照し、ステップ901に示した保守イベントと同様の保守イベントを検索する(ステップ906)。一方、異常度が、許容度以下の場合(ステップ905においてNO)、処理を終了する。
ステップ905に示した異常度とは、実施例1と同様に、モデル20が、入力するセンサデータに対して、異常検知の診断した結果、異常として判定する度合いである。異常度は、特許5480440号を参照している。
対応付け処理部27は、ステップ906の結果を得て、過去に、例えば、同一保守IDを有する同様の保守イベントがあり(ステップ907)、かつ、イベント-センサ対応付けテーブル24にて管理する、センサ毎の影響が過去の影響と同様の傾向であった場合(ステップ908)、イベント-センサ対応付けテーブル24より、ステップ908に該当する、しきい値を超えているセンサデータの学習期間を提示する(ステップ909)。ここで、ステップ908に示した過去の影響と同様の傾向とは、例えば、過去の保守実施前から保守実施後のセンサデータの値の変化が、およそ20~30パーセントの間にて増減した、等、過去の値と全く同一の数値でなくても良く、大雑把な傾向が同様であればよい。
ステップ909の判断を元に、モデルが提示されたセンサデータを入力とする等して再学習が実施された場合(ステップ910)、イベント管理部23は、イベント-センサ対応付けテーブル24に、前記イベントIDに対して、センサ毎の再学習に利用された期間を記録し(ステップ911)、処理を終了する。なお、ステップ907とステップ908の分岐がNoの場合は、ステップ910へ移動し、ステップ910の分岐がNoの場合は、処理を終了する。
次に、実施例3に係る機械学習システムについて説明する。
図10は、実施例2に係る図9と同様に、保守などのイベントの影響を受け、センサデータが変化したため、再学習すべきモデル20を特定し、さらに、再学習に利用すべきセンサデータを提示する、図7及び図8にて示した情報を管理する、処理を図示したフローチャートである。
図9との差分は、二重線にて示したステップ921、ステップ922、ステップ923、ステップ924にて示した処理である。本処理において、前述の図1の説明の最後にて述べた、運用の途中で新規モデル20を作成した場合においても、新規モデル20の再学習の入力となるセンサデータを提示することが可能となる。
ステップ908までは、図9のステップ901~907に示す処理と同じであるためステップ908以降の処理を説明する。
対応付け処理部27は、センサ毎の影響が過去の影響と同様の傾向であり(ステップ908においてYES)、かつ、新規モデル20のモデル作成日が過去の保守イベントより後であり(ステップ921においてYES)、さらに新規モデル20が入力とするセンサデータが過去の保守イベント後の再学習で利用されていた場合(ステップ922においてYES)、イベント―センサ対応付けテーブル24より、ステップ908に該当する、しきい値を超えているセンサデータの学習期間を提示する(ステップ909)。
ステップ921の処理がYESである場合(ステップ923)、新規モデル20は過去の保守イベント時には存在していないため、イベント管理部23はモデル20の再学習等の見直しを提示しても良い(ステップ924)。また、ステップ910以降の処理も、図9と同様である。なお、ステップ921、ステップ922、ステップ924の分岐がNoの場合は、ステップ910へ移動する。
図11は、実施形態に係る機械学習システムにおけるGUI1001の例を図示した図である。
保守イベント一覧には、保守ID(MaintenanceId1)や保守名(パーツ1錆止め塗布)などの保守識別子毎に、保守が実施された日時(2017/08/27 XX:XX:XX -2017/8/28 XX:XX:XX)が表示される。
例えば、利用者は、詳細を確認したい保守識別子を選択し、保守イベントの詳細表示ボタン1002を押下する。すると、保守イベントの詳細表示欄1003に、保守識別子の詳細情報が表示される。
表示される情報は、保守IDや保守名といった保守識別子や、保守が実施された日時や、保守内容の説明(例えば、〇〇号機の〇〇部のパーツ1が、経年劣化により錆等が発生したため、パーツ1に錆止め塗料を塗布した。など)が書かれていても良い。
また、その保守識別子において、影響を受けたモデル識別子(ModelIdA)が表示され、モデル識別子の詳細情報として、モデルIDやモデル名(モデルA)、モデルに入力として含まれるセンサ識別子(Sensor1など)、影響度の値、さらに、過去の同一保守IDにて再学習が実施された際の、再学習の入力センサデータとして利用された期間などが表示されていてもよい。また、GUIにて、本実施形態で示した、例えば、モデルが保守により影響を受けたと想定する影響度などの、しきい値の変更を行えても良い。
なお、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために構成を詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、各実施例の構成の一部について、他の構成に追加、削除、置換することが可能である。
一例として、本実施形態では、過去に実施された同一の保守識別子時のセンサデータを用いて再学習を行い、モデル20を作成する説明を行ったが、過去のセンサデータを用いた再学習ではなく、過去に利用されたモデル20をそのまま用いるとしても良い。
また、本実施形態では、保守に影響を受けたセンサデータが溜まる前に、過去のセンサデータを用いて再学習を実施する例を述べたが、その後、保守に影響を受けたセンサデータが蓄積された後、現在のセンサデータを用いて、モデル20を再学習するとしても良い。
さらに、本実施形態では、期間中、一種類の保守イベントが実施される例を示したが、実際の保守業務においては、複数種類の保守イベントを同時に実施する可能性もある。例えば、MaintenanceId1の保守イベントと、MaintenanceId2の保守イベントが同時期に実施される場合である。この場合、もし、過去にMaintenanceId1の保守イベントが実施された際の情報(例えば、イベント-センサ対応付けテーブル24のMaintenanceId1行に記載の情報)と、MaintenanceId2の保守イベントが実施された際の情報(例えば、イベント-センサ対応付けテーブル24のMaintenanceId2行に記載の情報)とが存在していれば、それらの影響度の加算から、MaintenanceId1とMaintenanceId2とが同時期に実施された際の影響度を推測することが可能となる。そのため、複数種類の保守イベントが同時期に実施された場合であっても、保守に影響を受けたモデル20を特定し、過去の再学習に利用されたセンサデータを提示することが可能となる場合がある。
さらに、本実施形態の図5、図9、図10で示す処理フローの条件の分岐は、しきい値判定などで自動化しても良いし、人の判断が入っても良い。
さらに、本実施形態において、過去のセンサデータを用い、再学習を実施し、再学習したモデルをシステムで採用するか否かは、運用者が確認し、採用の要否を判断するとしても良い。
本実施形態でモデル20が再学習の際の入力とするセンサデータの保存場所は特に限定しないが、保守イベントに影響を受けたセンサデータを、アクセスが容易な場所に別で保存しておくなどしても良い。
本実施例にて示した、寄与度や異常度や、許容度の計算方法は、一例である。
実施例1~3に示すテーブルおよび処理フローおよびGUIはあくまで一例であり、必ずしもこれと同じ内容を有する必要はなく、また、他の情報が入っていてもよい。
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部または全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、本発明は、実施例の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードによっても実現できる。この場合、プログラムコードを記録した記憶媒体をコンピュータに提供し、そのコンピュータが備えるプロセッサが記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施例の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体、及びそれを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。このようなプログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、CD-ROM、DVD-ROM、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)、光ディスク、光磁気ディスク、CD-R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどが用いられる。
また、本実施例に記載の機能を実現するプログラムコードは、例えば、アセンブラ、C/C++、perl、Shell、PHP、Java(登録商標)、Python等の広範囲のプログラムまたはスクリプト言語で実装できる。
さらに、各実施例の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードのすべてまたは一部は、予め機械学習システムのストレージに格納されていてもよいし、必要に応じて、ネットワークに接続された他の装置の非一時的記憶装置から、または機械学習システムが備える図略の外部I/Fを介して、非一時的な記憶媒体からストレージに格納されてもよい。
さらに、実施例の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを、ネットワークを介して配信することによって、それをコンピュータのハードディスクやメモリ等の記憶手段またはCD-RW、CD-R等の記憶媒体に格納し、コンピュータが備えるプロセッサが当該記憶手段や当該記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出して実行するようにしてもよい。
上述の実施例において、制御線や情報線は、説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。全ての構成が相互に接続されていてもよい。