JP7546577B2 - 化粧品を分配するための流体ディスペンサ - Google Patents

Description

本発明は、請求項１のプリアンブルに係る化粧用組成物を分配するための流体ディスペンサ、請求項３３に係る流体ディスペンサの製造方法、並びに請求項３６に係るそのような流体ディスペンサに使用するためのリザーバ、及び請求項３７に係るそのような流体ディスペンサへのリザーバの使用に関する。

従来、香水は、選択された溶媒中にフレグランス又は芳香化合物を溶解又は分散した溶液に関する。香料製品に使用するとても一般的な溶媒は、エタノール又は水とエタノールとの混合物である。しかし、香料製品にエタノールが含まれる場合、敏感肌の人又は子供によるそのような製品の使用は妨げられる。例えば、オイルベースの香水など、アルコールを含まないフレグランス品もある。これらの香水は、フレグランスと混合する１種以上のオイルを含む。これらの製品の欠点の１つは、用具が脂ぎった汚れをもたらし、適用された表面をべたつかせたりする可能性がある点である。脂質、リン脂質、ポリマーマトリックスの混合物などの適切な組成物中にフレグランスをカプセル化することも知られている。しかし、このようなカプセル化されたフレグランスの製造は非常に煩雑である。その上、香水を完全に使い切るには数ヶ月～数年かかるため、水溶液中でのフレグランスの安定した分散と、香水の分解又は気化を防ぐための適切な保管とを達成することも重要な側面となる。

上記の点にもかかわらず、既存の香水ディスペンサは、一般に、内容物が使用された後に廃棄される使い捨て製品として設計されている。その結果、このようなディスペンサは、環境面の観点から望ましくない。その上、適用される製品、すなわち香水は、すぐに使用できる製品として香水ディスペンサ内に存在している。そのため、ディスペンサ全体をユーザが持ち運ばなければならず、旅行者にとっては実用的でない可能性がある。

最後になるが、ユーザは、香水濃度が異なる溶液（例えば、「オードパルファム」と「オードトワレ」）、又は異なるフレグランス及び／若しくは芳香化合物の溶液（例えば、「シャネルＮｏ．５」と「シャネル・エゴイスト」）を求める場合に、異なるディスペンサを購入しなければならない。

本発明の目的は、先行技術の欠点を改善することである。特に、本発明の目的は、分配される化粧用組成物の生成及び保管に関して改善された、化粧品を分配するための流体ディスペンサ、特に香水ディスペンサを提供することである。

この目的は、請求項１記載の流体ディスペンサによって達成される。特に、化粧用組成物、特に香水を分配するための流体ディスペンサ、特に香水ディスペンサであって、ハウジングと、ハウジングに配置されたディスペンサヘッドと、ハウジングに設けられた少なくとも１つの第１の収容部と、ハウジングに設けられた少なくとも１つの第２の収容部と、を備える流体ディスペンサが提供される。ディスペンサヘッドは、流体ディスペンサから化粧用組成物を分配するように構成される。第１の収容部は、第１の流体を含む第１のリザーバに接続可能であり、第２の収容部は、第２の流体を含むように構成された第２のリザーバに接続可能であるか、又は接続されている。流体ディスペンサは、ディスペンサヘッド、第１の収容部、及び第２の収容部と流体連通している混合エリアを更に備える。混合エリアは、混合エリア内で一回分の第１の流体が第２の流体と混合されると、化粧用組成物が生成されるように構成される。

流体ディスペンサの混合エリアが第１及び第２の収容部とそれぞれ流体連通しているので、第１の収容部と接続されている第１のリザーバに提供された第１の流体と、第２の収容部と接続されている第２のリザーバに提供された第２の流体とを、それぞれの収容部から混合エリアに導出することができる。その上、混合エリアがディスペンサヘッドとも流体連通しているので、次いで、このように生成された化粧用組成物を混合エリアからディスペンサヘッドに導出することができる。すなわち、化粧用組成物の調製に必要な流体及び／又は望ましい流体は、別個のリザーバに提供される。前記流体は、次いで、混合エリア内で互いに混合されるか、又は一方が他方に分散されると、化粧品が生成される。それゆえ、本発明による流体ディスペンサによって、必要に応じて化粧品を生成することが可能となる。それにより、すぐに使用できる化粧用組成物の保管及び安定性に関連する上述したような欠点が克服される。

流体ディスペンサは、化粧品が、分配される実質的に直前（essentially immediately before）に生成されるように構成されることが好ましい。本発明の文脈では、実質的に直ちに（essentially immediately）とは、ユーザによるディスペンサの利用過程中に、第１及び第２の流体から化粧品が生成されることを意味する。このことは、ユーザが、化粧用組成物を利用したい場合に、ディスペンサの作動デバイス（以下を更に参照）を作動させると、第１及び第２の流体から化粧用組成物が生成され、生成の直後にディスペンサから分配されることを意味する。前記利用過程は、典型的に、数秒以下、好ましくは数マイクロ秒～数ミリ秒の範囲である。

流体ディスペンサには、ちょうど２つの収容部又は２つよりも多くの収容部を設けることができる。簡略化のために、本明細書では、収容部を２つだけ備える流体ディスペンサについて言及する。しかし、２つの収容部を備える流体ディスペンサに関する説明は、３つ以上の収容部を備える流体ディスペンサにも同様に適用されることに留意すべきである。

ディスペンサヘッドは、好ましくはアトマイザに相当し、生成された化粧用組成物が、生成されるとすぐに、ディスペンサから噴霧され、ユーザに適用されるようになっている。

混合エリア内で一回分の第１の流体を第２の流体と混合できるようにするために、流体ディスペンサ、例えば、第１の収容部及び／若しくは第１のリザーバ、又は流体ディスペンサの更なる構成要素が、一回分の第１の流体を混合エリアに供給するように構成されることが好ましい。一回分の第１の流体とは、好ましくは、予め選択された分量又は総量の第１の流体を意味する。このために、一回分の第２の流体が、混合エリア内で一回分の第１の流体と混合されることが同様に好ましい。

流体ディスペンサ、特に混合エリア又は流体ディスペンサの更なる構成要素は、第１の流体の液滴を生成するように構成されてよい。すなわち、ある分量又は総量の第１の流体が、連続した液体の流れの形態で第１の収容部から混合エリアに提供されるときに、前記連続した液体の流れは、液滴に区分又は分割される。しかし、第１のリザーバ及び／又は第１の収容部が、第１の流体を既に液滴の形態で混合エリアに提供するように構成されることも考えられる。この場合、混合エリアは、第１の流体の液滴が液滴のままであることを実現する。混合エリアに供給される液滴と、混合エリアで生成される液滴との空間的な寸法は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。例えば、特定の直径を有する液滴が混合エリアに供給され、次いで、混合エリアが液滴の直径の縮小を実現すること、すなわち、混合エリアがより小さなサイズの液滴を生成することが考えられる。以下では、一回分の第１の流体及び／又は一回分の第２の流体の生成、並びに液滴の生成に関する様々な態様について詳細に説明する。

すなわち、第１の態様では、流体ディスペンサは、少なくとも分配装置と、少なくとも第１の計量供給装置及び／又は少なくとも第２の計量供給装置とを更に備えてよい。分配装置は、その作動時に、第１の計量供給装置及び／又は第２の計量供給装置を作動させるように構成される。すなわち、分配装置は、流体ディスペンサのユーザによって作動させられると、第１の計量供給装置及び／又は第２の計量供給装置を作動させるように構成される。第１の計量供給装置が流体ディスペンサ内に存在する場合、第１の計量供給装置は、第１の収容部及び混合エリアと流体連通している。同様に、流体ディスペンサ内に第２の計量供給装置が存在する場合、第２の計量供給装置は、第２の収容部及び混合エリアと流体連通している。第１の計量供給装置は、分配装置による作動時に、好ましくは、分配装置によって生成された第１の計量供給装置トリガ信号の受信時に、一回分の第１の流体を生成するように構成される。同様に、第２の計量供給装置は、分配装置による作動時に、好ましくは、分配装置によって生成された第２の計量供給装置トリガ信号の受信時に、一回分の第２の流体を生成するように構成される。

分配装置は、第１の計量供給装置及び第２の計量供給装置が、同時に又は互いに時間的に遅らせて作動させられるように構成されてよい。例えば、分配装置は、第１の計量供給装置トリガ信号及び第２の計量供給装置トリガ信号が、分配装置によって同時に又は互いに時間的に遅らせて生成されるように構成されてよい。第１の計量供給装置と第２の計量供給装置が異なる時点で作動させられる場合、第１の時点と第２の時点との間の時間差は、以下でより詳細に説明するように、分配サイクル内の数マイクロ秒～数ミリ秒の範囲とすることができる。

分配装置は、好ましくは、分配装置が作動させられた場合にのみ、混合エリアが第１の流体と第２の流体との両方を含むように構成される。言い換えれば、化粧用組成物は、分配装置が作動させられた場合にのみ生成されることが好ましい。再び言い換えれば、混合エリアは、分配装置がユーザによって作動させられていない場合に、少なくとも第１の流体を含まないことが好ましい。分配装置は、分配装置が作動させられていない場合に、混合エリアに第１の流体も第２の流体も存在しないように構成されることさえ考えられる。それゆえ、分配装置が休止状態にある場合には、例えば、化粧用組成物が分配された後には、混合エリアに第１の流体も第２の流体も存在しないか、又は、以下でより詳細に説明するように、混合エリアに第２の流体のみが存在し、第１の流体は存在しない。このために、第１の流体及び該当する場合には第２の流体の有無は、あらゆる形態、例えば液滴の形態又は「連続した」、すなわち非液滴の形態のこれらの流体を意味することに留意すべきである。

分配装置は、好ましくは、化粧用組成物を分配のために混合エリアからディスペンサヘッドに移送するように更に構成される。すなわち、分配装置は、二重の機能を果たすことができる。すなわち、分配装置は、一回分の第１の流体及び一回分の第２の流体を生成するように、第１及び第２の計量供給装置を作動させるように構成することができるとともに、化粧用組成物を分配のために混合エリアからディスペンサヘッドに移送するように更に構成することができる。

分配装置は、第１のステップで、一回分の第１の流体及び／又は一回分の第２の流体を生成するために第１の計量供給装置及び／又は第２の計量供給装置を作動させ、時間的に見て第１のステップの後に行われる第２のステップで、混合エリアからディスペンサヘッドに化粧用組成物を移送するように構成されてよい。

例えば、第１の計量供給装置と第２の計量供給装置は、分配装置によって同じ分配サイクル内で同時に作動させられることが考えられる。その後、混合エリアからディスペンサヘッドへの化粧用組成物の移送を分配装置によって実現することができる。化粧用組成物の移送の前に計量供給装置を作動させることが考えられる。分配サイクルは、ここでは、一回分の第１の流体を生成するように第１の計量供給装置を作動させ、次いで、その一回分の用量が混合エリアに流入し、化粧用組成物を混合エリアからディスペンサヘッドに移送するプロセスとして理解される。ただし、最初に、第１の計量供給装置が分配装置によって作動させられ、続いて、第２の計量供給装置が分配装置によって作動させられるか、又はその逆が同様に考えられる。すなわち、第１及び第２の計量供給装置の作動が交互ベースで行われる。次いで、両方の計量供給装置の作動後に、混合エリアからディスペンサヘッドへの化粧用組成物の移送が分配装置によって実現される。このために、異なるシナリオを区別することができる。第１に、第１の計量供給装置と第２の計量供給装置とを同じ分配サイクル内で交互に作動させることが考えられる。第１の計量供給装置と第２の計量供給装置とを同じ分配サイクル内で作動させることは、分配サイクルの初期段階では、混合エリアに第１の流体も第２の流体も存在しないことを意味する。ユーザは、化粧用組成物を利用したい場合に、一回分の第１の流体及び一回分の第２の流体を対応する計量供給装置によって生成する第１のステップで分配装置を作動させ、前記一回分の用量が、混合エリア内で化粧用組成物を生成するように混合エリアに流入する。化粧用組成物は、生成されるとすぐに、第１のステップの後に行われる第２のステップで、流体ディスペンサから分配することができる。第２に、第１の計量供給装置と第２の計量供給装置とを後続の２つの分配サイクル中に交互に作動させることが考えられる。この場合、以下でより詳細に説明するように、分配サイクルの初期状態では、一回分の第２の流体が既に生成されている。ユーザは、化粧用組成物を利用したい場合に、一回分の第１の流体を第１の計量供給装置によって生成する第１のステップで分配装置を作動させ、前記一回分の用量が、一回分の第２の流体と混合するように混合エリアに流入し、それにより、混合エリア内で化粧用組成物が生成される。化粧用組成物は、生成されるとすぐに、第１のステップの後に行われる第２のステップで、流体ディスペンサから分配することができる。

分配装置は、好ましくは、ディスペンサヘッドを含み、ディスペンサヘッドは、作動時に化粧用組成物を分配するように、混合エリアからディスペンサヘッドに化粧用組成物を移送するように構成される。このために、ディスペンサヘッドは、当該技術分野で知られているディスペンサヘッドと同様に構成されることが考えられる。すなわち、本発明によるディスペンサヘッドは、流体ディスペンサのハウジングに対して変位可能に構成することができ、例えば、ディスペンサヘッドの押し下げにより、ハウジングに向けてディスペンサヘッドを変位させることで、化粧用組成物の移送、特に、ディスペンサヘッドからの化粧用組成物の分配がもたらされるようになっている。

分配装置は、段階的に動作し、ユーザにフィードバックを提供するように構成された作動装置を含むことが更に好ましい。次いで、ユーザが作動装置の第１の段階を作動させた場合、分配装置は、第１のステップで第１の計量供給装置及び／又は第２の計量供給装置を作動させ、それにより、一回分の第１の流体及び／又は一回分の第２の流体が生成される。好ましくは予め設定された時間の後、このことは、混合エリアにおける一回分の第１の流体及び／又は一回分の第２の流体の存在を示し、作動装置は、ユーザにフィードバックを提供する。フィードバックは、例えば、点滅光などの光信号、振動などの触覚信号、ビープ音などの音信号の形態で提供することができる。フィードバックに応じて、ユーザは、次いで、作動装置の第２の段階を作動させることができ、その結果、分配装置は、第２のステップで化粧用組成物を混合エリアからディスペンサヘッドに移送する。作動装置は、ユーザが押したり触ったりすることができるボタン又はスイッチなどの操作要素の形態で設けることができ、ボタン又はスイッチは、第１の計量供給装置及び／又は第２の計量供給装置と接続されており、好ましくは電気的に接続されている。前記ボタン又はスイッチは、ユーザが最初に押したり触ったりすることで計量供給装置が作動し、更に押したり触ったりすることで化粧用組成物が混合エリアからディスペンサヘッドに移送されるように構成することができる。しかし、他の実施形態が同様に考えられる。例えば、ボタン又はスイッチなどの操作要素がディスペンサヘッドに配置されていて、ディスペンサヘッドが作動可能であることが考えられる。作動可能なディスペンサヘッドは、当該技術分野で知られているようなディスペンサヘッド、例えば、流体ディスペンサのハウジングに向かって押し下げることができるディスペンサヘッドとすることができる。この場合、第１のステップで、ユーザがボタン又はスイッチを押したり触ったりすることで、第１及び／又は第２の計量供給装置を作動させると、一回分の第１の流体及び／又は一回分の第２の流体が生成される。フィードバックを受けると、ユーザは、次いで、ディスペンサヘッドを押し下げ、それにより、化粧用組成物が混合エリアからディスペンサヘッドに移送される。再び別の実施形態では、ディスペンサヘッド自体は、少なくとも２つの段階を採用することができるように構成されることが考えられる。例えば、ディスペンサヘッドは、押し下げられて、第１及び／又は第２の計量供給装置が作動させられる第１の段階となるように構成され、前記第１の段階から押し下げられて、化粧用組成物が分配のために混合エリアからディスペンサヘッドに移送される第２の段階となるように更に構成されることが考えられる。

作動装置は、混合エリアの状態を検知することができ、混合エリアの検知された状態に応じてユーザにフィードバックを提供することができる検知要素を含むことが更に考えられる。混合エリアの状態は、混合エリアにおける第１の流体及び／又は第２の流体の有無に対応することができる。したがって、このために、検知要素は、混合エリアと接続されていることが更に好ましい。例えば、検知要素は、混合エリアに接続された圧力センサとすることができ、圧力センサは、混合エリアに存在する流体が及ぼす圧力を検出する。前記検知された圧力が、予め設定された圧力値と等しい場合、圧力センサは、ユーザにフィードバック信号を送ることができる。ユーザが、ボタン又はスイッチの形態の操作要素を押したり触ったりするなどして作動装置の第１の段階を作動させた場合、分配装置は、第１のステップで第１の計量供給装置及び／又は第２の計量供給装置を作動させ、それにより、一回分の第１の流体及び／又は一回分の第２の流体が生成される。一回分の第１の流体及び／又は一回分の第２の流体が混合エリアに存在するとすぐに、検知要素は、この存在を検知し、ユーザにフィードバックを提供する。フィードバックは、例えば、点滅光などの光信号、振動などの触覚信号、ビープ音などの音信号の形態で提供することができる。フィードバックに応じて、ユーザは、次いで、ボタン又はスイッチを更に押したり触ったりするなどして、操作要素の第２の段階を作動させることができ、その結果、分配装置は、第１のステップで生成された化粧用組成物を第２のステップで混合エリアからディスペンサヘッドに移送することができる。

分配装置は、好ましくは混合エリアを備える。すなわち、混合エリアは、好ましくは分配装置内に配置されている。

分配装置は、第２の計量供給装置の少なくとも一部を含むことが更に好ましい。代替的には、分配装置と第２の計量供給装置とは、互いに別個に構成され、好ましくは流体通路を介して、互いに流体接続されていることが同様に好ましい。いずれの場合にも、第２の計量供給装置が、第２の収容部と混合エリアとの間に確立された流体連通内に少なくとも部分的に設けられていることが好ましい。しかし、第２の計量供給装置は、第２の収容部と混合エリアとの間に確立された流体連通内に完全に設けられていることも考えられる。

その上、分配装置は、第１の計量供給装置の少なくとも一部を含むことも考えられる。しかし、分配装置と第１の計量供給装置とは、互いに別個に構成され、好ましくは流体通路を介して、互いに流体連通していることが好ましい。実際のところ、第１の計量供給装置は、第１の収容部と混合エリアとの間に確立された流体連通内に少なくとも部分的に設けることができる。しかし、第１の計量供給装置は、第１の収容部と混合エリアとの間に確立された流体連通内に完全に設けられていることも考えられる。

第１の計量供給装置及び／又は第２の計量供給装置は、ポンプ、好ましくはマイクロポンプ若しくはピストンポンプ、及び／又はベンチュリノズルであってよい。

マイクロポンプは、当該技術分野で知られているような、機械式マイクロポンプ又は非機械式マイクロポンプであってよい。機械式マイクロポンプの例は、圧電マイクロポンプや蠕動マイクロポンプなどの膜マイクロポンプを包含する。非機械式マイクロポンプは、例えば、バルブレスマイクロポンプ、キャピラリポンプ、及び化学的駆動ポンプを包含する。ピストンポンプは、好ましくは、当該技術分野で知られているようなピストンポンプ、すなわち、容積式ポンプの一種に相当する。ベンチュリノズルは、同様に好ましくは、当該技術分野で知られているようなベンチュリノズル、すなわち、第１の流体及び／又は第２の流体が通って流れるときに、ベンチュリ効果、すなわち、流体圧力の低下を実現するパイプ又はチューブに相当する。それゆえ、第１及び第２の計量供給要素は、市販の構成要素に相当し得る。

第１の計量供給装置、特に前記ポンプは、好ましくは、約１マイクロリットル～２００マイクロリットルの範囲、好ましくは約５～３０マイクロリットルの範囲、より好ましくは約５マイクロリットル～２０マイクロリットルの範囲で、一回分の第１の流体を調製するように構成される。付加的又は代替的には、第１の計量供給装置、特に前記ポンプは、好ましくは、４０マイクロリットル未満、好ましくは３０マイクロリットル未満、特に好ましくは２０マイクロリットル未満となる一回分の第１の流体を調製するように構成される。同様に、第２の計量供給装置、特に前記ポンプは、約１マイクロリットル～２００マイクロリットルの範囲、好ましくは約５～３０マイクロリットルの範囲、より好ましくは約５マイクロリットル～２０マイクロリットルの範囲で、一回分の第２の流体を調製するように構成される。付加的又は代替的には、第２の計量供給装置、特に前記ポンプは、好ましくは、４０マイクロリットル未満、好ましくは３０マイクロリットル未満、特に好ましくは２０マイクロリットル未満となる一回分の第２の流体を調製するように構成される。

第１の計量供給装置は、第１の流体の様々な用量を生成することができるように調節可能であることが更に好ましい。第２の計量供給装置は、第２の流体の様々な用量を生成することができるように調節可能であることが同様に好ましい。第１の計量供給装置及び第２の計量供給装置は、一回分の第１の流体が一回分の第２の流体よりも少ないか、又はその逆であるように設定されている及び／又は調節可能であることが更に好ましい。すなわち、化粧用組成物は、好ましくは、１種以上の芳香性精油、１種以上の芳香化合物、又はそれらの混合物を含む第１の流体と、水溶液、好ましくは水を含む第２の流体とを混合することによって形成される香水に相当する（以下も更に参照）ので、一回分の第１の流体が一回分の第２の流体よりも少ないことが好ましい。したがって、この背景技術に対して、一回分の第１の流体が約１０マイクロリットル～２０マイクロリットルの範囲で生成されるように、第１の計量供給装置が構成又は設定されており、一回分の第２の流体が６０～７０マイクロリットルの範囲で生成されるように、第２の計量供給装置が構成又は設定されていると好ましい。

その上、第１の計量供給装置は、一回分の第１の流体を第１の流体の液滴として生成するように構成されてよい。付加的又は代替的には、第２の計量供給装置は、一回分の第２の流体を第２の流体の液滴として生成するように構成されてよい。

第１の流体の液滴及び第２の流体の液滴は、計量供給装置の種類に応じて、特に、計量供給装置に適用される動作条件に応じて生成することができる。例えば、計量供給装置がマイクロポンプに相当する場合、マイクロポンプのある開放時間又はある振動周波数により流体の液滴を形成することができる。しかし、計量供給装置の種類、特に、計量供給装置に適用される動作条件は、計量供給装置を通る流体の連続した流れを同様にもたらし得ることに留意すべきである。例えば、第１の計量供給装置及び第２の計量供給装置が、ともに圧電マイクロポンプに相当し、第１の計量供給装置が、第１の流体の液滴を生成できる第１の振動周波数で駆動される一方、第２の計量供給装置が、第２の流体の連続した流れが得られるように、第１の振動周波数よりも高い第２の振動周波数で駆動されることが考えられる。

第１の計量供給装置は、ハウジング内、又は第１のリザーバ上、又は第１のリザーバ内、又はディスペンサヘッド内に設けられていてよい。付加的又は代替的には、第２の計量供給装置は、ハウジング内、又は第２のリザーバ上、又は第２のリザーバ内、又はディスペンサヘッド内に設けられていてよい。

それゆえ、第１の計量供給装置及び／又は第２の計量供給装置を流体ディスペンサの一体構成要素として設けることが考えられる。例えば、計量供給装置は、ディスペンサヘッド内又はハウジング内に、好ましくは上述したような流体通路内に、又は第１の収容部及び／又は第２の収容部と前記流体通路との間のインタフェースに配置することができる。しかし、第１の計量供給装置及び／又は第２の計量供給装置は、いずれの場合にも、流体ディスペンサから取り外し可能である構成要素を構成することが同様に考えられる。例えば、第１の計量供給装置及び／又は第２の計量供給装置はそれぞれ、第１のリザーバ及び第２のリザーバの上又は中に配置することができる。以下でより詳細に説明するように、第１のリザーバ及び／又は第２のリザーバは、流体ディスペンサに取り外し可能に接続可能である容器又はカプセルの形態で設けることができる。それゆえ、前記容器又はカプセルは、容器内又はカプセル内に含まれる流体を一回分として容器又はカプセルから分配することを可能にする計量供給装置を含み、前記計量供給装置が、流体ディスペンサからの容器又はカプセルの取り外しによって流体ディスペンサから取り外し可能であることが考えられる。

混合エリアは、混合チャンバ内に設けられていてよく、第１の収容部、第２の収容部、及びディスペンサヘッドは、混合チャンバと流体連通している。

すなわち、流体ディスペンサは、混合エリアを画定又は包含する混合チャンバを備えることができ、前記混合チャンバは、第１及び第２の収容部並びにディスペンサヘッドと流体連通しており、好ましくは、対応する流体通路を介して流体接続されている。

混合チャンバは、ハウジング内又はディスペンサヘッド内に配置されていてよい。

例えば、混合チャンバは、ハウジング内に形成することができ、又はハウジング内若しくはディスペンサヘッド内にそれぞれ形成された凹部内に配置することができる。すなわち、混合チャンバは、ハウジング又はディスペンサヘッドの一体部品として設けることができ、ハウジング及び混合チャンバ又はディスペンサヘッド及び混合チャンバはそれぞれ、単一の部品要素として構成される。代替的には、混合チャンバ及びハウジング又は混合チャンバ及びディスペンサヘッドは、別個の独立した部品として設けることができ、混合チャンバは、ハウジング又はディスペンサヘッドにそれぞれ挿入可能である。

混合チャンバが混合エリアを含む場合、第１の計量供給装置は、第１の収容部と混合チャンバとの間に確立された流体連通内に少なくとも部分的又は全体的に配置することができる。同様に、第２の計量供給装置は、第２の収容部と混合チャンバとの間に確立された流体連通に少なくとも部分的又は全体的に配置することができる。

混合チャンバは、剛性材料又は可撓性材料及び／若しくは圧縮性材料を含んでよい。考えられる剛性材料は、プラスチック、好ましくは熱硬化性ポリマー、ガラス、アルミニウムなどの金属、又はそれらの組み合わせである。考えられる可撓性材料及び／又は圧縮性材料は、プラスチック、好ましくは、ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）、ポリエチレン（ＰＥ）、ポリプロピレン（ＰＰ）、又はそれらの組み合わせなどの熱可塑性プラスチックである。これらの材料のうちの２つ以上を層状に設けることも更に考えられる。

可撓性材料及び／又は圧縮性材料を含む混合チャンバが、容積可変の混合チャンバを可能にする。例えば、第１の流体及び／又は第２の流体が混合チャンバに入った場合に、混合チャンバの第１の容積が増加し、第１の容積よりも大きな第２の容積を採用することができる。化粧用組成物が混合チャンバから除去された場合に、混合チャンバの容積は再び減少することができる。この意味で、混合チャンバは、可撓性及び／又は圧縮性のバッグ又はパウチと見なすことができる。

第１の変形例では、分配装置は、分配チャンバと、分配チャンバ内に配置された作動要素とを備えてよく、分配チャンバは、混合チャンバ及びディスペンサヘッドと流体連通している。分配装置は、好ましくは、作動要素の作動時に、化粧用組成物が混合チャンバからディスペンサヘッドに移送可能であるように構成される。混合エリア、特に混合チャンバ、が分配装置と流体連通しているので、分配装置の作動により、化粧用組成物が混合エリア、特に混合チャンバ、からディスペンサヘッドに移送される。

作動要素は、分配チャンバ内に変位可能に取り付けられていてよく、ディスペンサヘッドは、ばね付勢されていて、ハウジングに変位可能に配置されていてよい。この場合、分配装置は、好ましくは、第１の流体の流れ及び／又は第２の流体の流れが混合チャンバに入る間に、作動要素が初期位置から最終位置に移動可能であるように構成される。作動要素の初期位置では、作動要素は、好ましくは、分配チャンバの底壁に載置されている。作動要素の最終位置では、作動要素は、好ましくは、前記底壁から離間して配置されている。好ましくは、ディスペンサヘッドは、初期位置から最終位置に移動可能であるように同様に構成される。ディスペンサヘッドの初期位置では、ディスペンサヘッドは、好ましくは、そのばね仕掛け設計の結果、ハウジングから第１の距離だけ離間して配置されている。ディスペンサヘッドの第２の位置では、ディスペンサヘッドは、ばねの力に抗して、第１の距離よりも小さな第２の距離だけハウジングから離間して配置されているようにハウジングに向かって移動している。この場合、作動要素とディスペンサヘッドが互いに動作可能に接続することができ、それにより、ディスペンサヘッドの初期位置から最終位置への移送が、作動要素の最終位置から初期位置への移動をもたらすようになっており、それにより、混合チャンバ内に存在する化粧用組成物が、ディスペンサヘッドに移送されることが更に好ましい。作動要素は、好ましくは、分配チャンバ内に変位可能に配置されたピストンである。ディスペンサヘッドの変位は、混合チャンバからディスペンサヘッドへの化粧用組成物の移送をもたらすので、ディスペンサヘッドは、上述した作動装置の一部ひいては分配装置の一部を形成すると言える。

代替的には、作動要素は、ばね付勢されていて、分配チャンバ内に変位可能に取り付けられていることが考えられる。作動要素は、好ましくは、ばね仕掛けのピストンである。ピストン上のばねの様々な配置が考えられる。例えば、ばねは、ディスペンサヘッドからハウジングに向かって延びる押圧方向に関して、ピストンの前又は後に配置することができる。言い換えれば、ばねは、流体ディスペンサをその設置位置で見た場合に、ピストンの上方又は下方に配置することができる。いずれにせよ、作動要素は、初期位置から最終位置に移動可能であることが好ましい。しかし、このような場合とは対照的に、ここでは、作動要素が、そのばね仕掛けの設計の結果として、初期位置で分配チャンバの底壁から離間して配置されていて、作動要素がその離間した位置にある間に、第１の流体及び／又は第２の流体が混合チャンバに流入できることが好ましい。混合チャンバ内に存在する化粧用組成物は、作動要素がそのばね力に抗して分配チャンバの底壁に向かって最終位置に移動する間に、混合チャンバからディスペンサヘッドに移送することができる。作動要素の作動は、分配装置の作動によって引き起こされる。完全を期すためにもう一度述べると、分配装置は、好ましくは、その作動装置を作動させることによって作動する。この場合、前記作動装置は、特に、流体ディスペンサのハウジングに向かって押し下げられ得る作動可能なディスペンサヘッドを含み、前記動作が、ばね仕掛けのピストンの形態の作動要素に伝達されることが好ましい。

好ましくは、ディスペンサヘッドは、好ましくは流体通路を介して、特に好ましくは、作動要素を通って延在するか又は作動要素と分配チャンバの内壁との間に延在する流体通路を介して、混合エリアと流体接続されている。

すなわち、混合エリアからディスペンサヘッドへの化粧用組成物の移送を様々な方法で達成することができる。例えば、混合エリア、特に混合チャンバと、ディスペンサヘッドとが、流体通路を介して互いに流体連通していることが考えられる。前記流体通路は、混合チャンバに設けられた出口開口を、ディスペンサヘッドに設けられた入口開口と接続することができる。その上、分配装置が、内部に作動要素が配置された分配チャンバを含む場合、作動要素と分配チャンバの内壁との間に流体通路を形成することができる。このために、分配チャンバの断面が作動要素の断面よりも大きいことが好ましい。作動要素の作動時に、化粧用組成物は、次いで、分配チャンバの内壁と作動要素との間に形成された流体通路を通って流れることができる。代替的には、流体通路は、作動要素内に形成されていて、作動要素を通して混合チャンバからディスペンサヘッドに化粧用組成物を移送できるように、作動要素を通って延在することが同様に考えられる。

分配チャンバは、混合チャンバに相当してよい。すなわち、分配チャンバと混合チャンバとを同じ構成要素によって設けることができる。代替的には、分配チャンバと混合チャンバは、互いに別個に構成することができ、好ましくは流体通路を介して、互いに流体接続されていてよい。後者の場合、分配チャンバは、第２のリザーバから分配チャンバを介して混合チャンバに第２の流体を移送することができるように、第２の収容部及び混合チャンバと流体連通している。その上、分配装置は、作動要素の作動後に、第２の流体が第２のリザーバから混合チャンバに移送可能であるように構成されることも考えられる。代替的には、流体ディスペンサは、混合チャンバと混合チャンバの外部との間の流体連通を可能にする少なくとも第１の平衡装置を更に備え、第１の平衡装置は、作動要素の作動後に、平衡流体が混合チャンバの外部から混合チャンバ内に移送可能であるように構成されることが考えられる。平衡流体は、好ましくは空気、特に好ましくは周辺空気に相当する。これらの異なる状態については、以下の例を用いて説明する。

実際のところ、先述したように、分配装置は、第１のステップで、一回分の第１の流体及び一回分の第２の流体を生成するために第１の計量供給装置及び第２の計量供給装置を作動させ、それにより、混合エリアで化粧用組成物が生成され、第２のステップで、混合エリアからディスペンサヘッドに化粧用組成物を移送するように構成することができる。分配装置が段階的に動作する作動装置を含むことについても既に述べた。それゆえ、第１の例として、第１の計量供給装置は、第１の収容部を混合チャンバと接続する流体通路内に配置されたマイクロポンプに相当し、第２の計量供給装置は、分配チャンバ内に変位可能に取り付けられたばね仕掛けのピストンを含むことが考えられる。このために、第２の計量供給装置のばね仕掛けのピストンは、分配装置の作動要素を構成している。すなわち、分配装置は、第２の計量供給装置の少なくとも一部を含む。例えば、ボタン又はスイッチを触ることにより、ユーザが分配装置を作動させた場合、作動させられた分配装置は、一回分の第１の流体を混合チャンバ内に移送するように、第１の計量供給装置を作動させる。先の分配サイクル中の第２の計量供給装置の作動のため、一回分の第２の流体が混合チャンバ内に既に存在しているので、それにより、化粧用組成物が生成される。次いで、ユーザが、ばね仕掛けのピストンを押すことによって分配装置を更に作動させた場合、場合によっては作動装置からフィードバック信号を受信したときに、作動要素は、化粧用組成物を混合チャンバから分配ヘッドに移送する。例えば、ばね仕掛けのピストンなど、予荷重又はプリテンション式作動要素を使用することにより、ばねがピストンに及ぼす力により、ピストンが、自動的に、すなわち、外部からの影響なしに、作動要素の作動後に圧縮状態から非圧縮状態に移動する。このような動作により、自動的に、すなわち、外部からの影響なしに、毛管力又は作動要素の移動によって生じる圧力差などの結果として、第２のリザーバから混合チャンバに第２の流体が引き込まれる。その結果、休止状態で、すなわち、作動後であるが分配装置の更なる作動前に、第２の流体が混合チャンバ内に存在する。分配装置の更なる作動時に、分配装置は、例えば、第１の計量供給要素トリガ信号を第１の計量供給装置に送信することにより、第１の計量供給装置を作動させ、第１の流体の液滴が、混合チャンバ内に既に存在する第２の流体に加えられる。それにより、更なる化粧用組成物が生成される。混合チャンバ内に第２の流体が持続的に存在することが望ましくない場合、上述した第１の平衡装置を備える流体ディスペンサを使用することができる。それゆえ、第２の例として、第１の計量供給装置及び第２の計量供給装置は、それぞれの場合でマイクロポンプに相当し、一方のマイクロポンプが、第１の収容部を混合チャンバと接続する流体通路内に配置されていて、他方のマイクロポンプが、第２の収容部を混合チャンバと接続する流体通路内に配置されていることが考えられる。第１の例と同様に、分配装置は、ばね仕掛けのピストンが移動可能に内部に配置された分配チャンバを含むことができる。分配チャンバは、混合チャンバに相当する。第１の平衡装置は、好ましくは、ボールを含む機械式弁などの弁に相当し、混合チャンバ（分配チャンバ）と、混合チャンバ（分配チャンバ）の外部、例えば、混合チャンバ（分配チャンバ）を収容するハウジングの一部との間の流体連通を可能にする。ハウジングの前記部分は、混合チャンバ（分配チャンバ）が内部に配置された別の収容部とすることができる。ハウジングの前記部分など、混合チャンバ（分配チャンバ）の外部は、好ましくは、周辺空気のような平衡流体を含む。この場合、混合チャンバ（分配チャンバ）と外部との間に確立された流体連通により、第１の平衡装置を介して、混合チャンバ（分配チャンバ）の外部から混合チャンバ（分配チャンバ）内への、及び、混合チャンバ（分配チャンバ）内から混合チャンバ（分配チャンバ）の外部への平衡流体の移送が可能になる。休止状態、すなわち、流体ディスペンサの更なる作動前には、混合チャンバ（分配チャンバ）内に平衡流体が存在する。これは、休止状態で混合チャンバ（分配チャンバ）内に第２の流体が存在する上述した前者の状態とは対照的である。分配装置の第１の作動時ひいては計量供給装置の作動時に、第１の流体及び第２の流体は、混合チャンバ（分配チャンバ）に流入し、それによって化粧用組成物が生成される。ユーザが、ばね仕掛けのピストンを押す分配装置の第２の作動時に、前記化粧用組成物は、混合チャンバからディスペンサヘッドに移送される。前記第２の作動後に、ばねがピストンに及ぼすばね力により、ピストンがその非圧縮状態に戻る。しかし、第１の例とは異なり、この動作により、平衡流体が混合チャンバ（分配チャンバ）の外部から混合チャンバ（分配チャンバ）の内部に引き込まれる。すなわち、この後者の場合、混合チャンバ（分配）には、要求に応じて、第１の流体だけでなく、第２の流体も充填される。上記の例は、いずれの場合でも、混合チャンバが分配チャンバに相当する流体ディスペンサに関するが、混合チャンバ及び分配チャンバが、互いに接続されている２つの異なる構成要素に相当する状態に同様に適用されることに留意すべきである。

第２の変形例では、分配装置は、少なくとも１つの圧力アセンブリを備え、圧力アセンブリは、作動時に混合チャンバに圧力を及ぼし、それにより、化粧用組成物が混合チャンバからディスペンサヘッドに移送可能であるように構成されてよい。

圧力アセンブリは、流体などの圧力要素と、好ましくは少なくとも第２の平衡装置を介して、互いに流体連通している少なくとも第１の圧力チャンバ及び第２の圧力チャンバとを備えてよい。第２の平衡要素は、好ましくはポンプに相当する。混合チャンバは、好ましくは、第２の圧力チャンバ内に配置されており、圧力アセンブリは、圧力アセンブリの作動時に、圧力要素の少なくとも一部が第１の圧力チャンバから第２の圧力チャンバに移送され、それにより、化粧用組成物が混合チャンバからディスペンサヘッドに移送可能であるように構成される。第２の圧力アセンブリは、化粧用組成物が混合チャンバからディスペンサヘッドに移送された後に、圧力要素が第２の圧力チャンバから第１の圧力チャンバに戻るように構成されることが更に好ましい。圧力アセンブリは、好ましくは、分配装置の作動装置を介して作動させられ、作動装置は、ここでも再び、ボタン若しくはスイッチ、作動可能なディスペンサヘッド、又はそれらの組み合わせを含むことができる（上記参照）。

第３の変形例では、分配装置は、分配チャンバと、分配チャンバ内に変位可能に配置された作動要素とを備えてよく、分配チャンバは、第２の収容部と流体連通しているか、又は第２の収容部を包含しており、分配チャンバは、第１の収容部、ディスペンサヘッド、及びベンチュリノズルと更に流体連通している。

冒頭で述べたように、第１の計量供給装置及び／又は第２の計量供給装置は、ベンチュリノズルによって設けることができる。すなわち、一回分の第１の流体及び／又は一回分の第２の流体は、ベンチュリノズルによって生成することができる。

ベンチュリノズルが混合エリアを備えることが好ましい。このために、第１の収容部は、ベンチュリノズルと流体連通し、好ましくは流体通路を介して流体接続されていることが考えられる。この場合、混合エリアは、ベンチュリノズル内で、前記流体通路がベンチュリノズルに接続又は合流する領域に設けられる。第２の収容部は、分配チャンバと流体連通し、好ましくは流体通路を介して流体接続されていることが、更に好ましい。代替的には、第２の収容部は、分配チャンバによって包含されることも考えられる。

その上、作動要素は、作動要素の作動時に、第２のリザーバから混合エリアへの第２の流体の流れが生成され、それにより、化粧用組成物が混合エリア内で生成されるように構成されることが考えられる。作動要素は、好ましくはピストンであり、特に好ましくは、ユーザが作動させ得るばね仕掛けのピストンである。それゆえ、作動によって画定される分配チャンバ内の容積が増加するように作動要素を近位方向に沿って引くことにより、ユーザが分配装置を作動させると、第１のステップで、第２のリザーバから分配チャンバに一回分の第２の流体が引き込まれる。次いで、近位方向とは反対に進む遠位方向に沿って作動要素を押すことにより、ユーザが分配装置を更に作動させた場合、第２の流体は、分配チャンバからベンチュリノズルを介してディスペンサヘッドに向かって分配される。ベンチュリノズルを通って第２の流体が流れる間に、一回分の第１の流体が、ベンチュリ効果の結果として、第１の収容部からベンチュリノズルに引き込まれる。それにより、化粧用組成物がベンチュリノズル内で生成される。遠位方向に沿った前記押し込み動作中に、化粧用組成物は、ディスペンサヘッドから容易に分配される。

流体ディスペンサは、液滴生成器を更に備えてよく、液滴生成器は、ディスペンサヘッド、第１の収容部、及び第２の収容部と流体連通していて、第１の流体が前記液滴生成器内で流れるときに、第１の流体の液滴を生成するように構成される。液滴生成器は、上述したような第１の計量供給装置及び／又は第２の計量供給装置と同一のものと見なすことができる。液滴生成器は、混合エリアを備えるか、又は混合エリアと流体連通していてもよい。前者の場合、混合エリアは、液滴生成器の構成要素であり、好ましくは液滴生成器内に配置されている。後者の場合、混合エリアは、別個の構成要素であり、液滴生成器の外側に配置されている。この後者の場合による液滴生成器は、好ましくは、一回分の第１の流体の液滴を第２の流体に供給するように構成される。

それゆえ、第１の態様では、混合エリア、特に液滴生成器は、第１の流体通路及び第２の流体通路をそれぞれ介して、第１の収容部及び第２の収容部と流体連通していてよく、第１の流体通路は、第１の流体の液滴が第２の流体中に分散し、それにより、化粧品が生成されるように、混合エリア内、特に液滴生成器内で第２の流体通路に合流している。第１の態様による液滴生成器は、好ましくはマイクロ流体デバイスである。

第２の態様では、第１の収容部と液滴生成器とは、第１の流体通路を介して流体連通していてよく、第２の収容部と液滴生成器とは、第２の流体通路を介して流体連通しており、液滴生成器内で生成された第１の流体の液滴は、液滴生成器から、第２の流体通路内で流れる第２の流体中に分散し、それにより、化粧用組成物が生成される。第２の態様による液滴生成器は、好ましくは圧電素子を備え、第１の流体の液滴は、圧電素子の作動時に液滴生成器内で生成される。

流体ディスペンサは、第１の収容部、第１の収容部と接続されている場合の第１のリザーバ、第２の収容部、第２の収容部と接続されている場合の第２のリザーバ、第１の計量供給装置、第２の計量供給装置、及び液滴生成器のうちの少なくとも１つと連通している少なくとも１つの選択デバイスを更に備えてよく、それにより、選択された一回分の第１の流体が、第１の収容部から分配され、及び／又は、選択された一回分の第１の流体が、第１のリザーバから分配され、及び／又は、選択された一回分の第２の流体が、第２の収容部から分配され、及び／又は、選択された一回分の第２の流体が、第２のリザーバから分配され、及び／又は、選択された一回分の第１の流体が、第１の計量供給装置によって生成され、及び／又は、選択された一回分の第２の流体が、第２の計量供給装置によって生成され、及び／又は、選択された一回分の第１の流体の液滴が、液滴生成器内で生成される。選択デバイスは、好ましくは、少なくとも第１の選択モードと第２の選択モードとの間で調節可能である。

第１の選択モードは、例えば、選択デバイスが第１の選択モードに設定されているときには、選択デバイスが第２の選択モードに設定されているときよりも少ない液滴が単位時間当たりに生成されるように、第２の選択モードとは異なることが好ましい。同様のことが、第１及び／又は第２の流体の第１及び／又は第２の収容部からの分配、また、前記リザーバが収容部と接続されている場合には、第１及び／又は第２のリザーバからの分配、に当てはまる。その上、選択デバイスは、２つよりも多くの選択モードの間で調節可能であることが考えられる。

それゆえ、選択デバイスは、化粧用組成物の組成を調節することを可能にする。例えば、より多くの又はより少ない第１の流体を第２の流体と混合する点で、第１及び第２の流体の濃度を変化させることができる。この調節又は変化は、ディスペンサを使用する瞬間にユーザが必要に応じて実現することができる。

第１の流体と第２の流体は、本質的に互いに混ざり合わないことが好ましい。本質的に混ざり合わないとは、第１の流体を第２の流体中に、又はその逆に分散させることができることを意味する。その上、第１及び第２の流体によってエマルジョンを形成することが考えられる。このために、第１及び第２の流体を互いに能動的に混合することによって、エマルジョンの生成を補助又は可能にする混合要素を混合エリアの領域に設けることが考えられる。

第１の流体は、好ましくは、１種以上の芳香性精油、１種以上の芳香化合物、又はそれらの混合物からなる群から選択され、及び／又は、第２の流体は、好ましくは、水溶液、好ましくは水に相当する。

第１の流体は、好ましくは、高濃縮された１種以上の芳香化合物及び／又は１種以上の芳香性精油の形態で提供され、すなわち、第１の流体は、好ましくは、純粋な１種以上の芳香化合物及び／又は純粋な１種以上の芳香性精油として提供される。第２の流体は、好ましくは水である。

言い換えれば、流体ディスペンサは、アルコールを含まず、それゆえに皮膚の弱い人又は子供に非常に適した化粧用組成物の生成を可能にする。しかし、第２の流体は、水－エタノール溶液などの水溶液によって提供されることも考えられる。

第１の流体は、フレグランスと見なすことができ、第２の流体は、前記フレグランスの担体と見なすことができる。選択デバイスを適宜調節することにより、ユーザは、例えば、
－ 最大で４０体積％のフレグランスと最大で６０体積％の担体からなり、いわゆるエクストレパルファンをもたらす成分、
－ 約１０～１４体積％のフレグランスと約８６～９０体積％の担体からなり、いわゆるオードパルファンをもたらす成分、
－ 約６～９体積％のフレグランスと約９１～９４体積％の担体からなり、いわゆるオードトワレをもたらす成分、
を含む化粧用組成物、特に香水を生成することができる。

化粧品は、好ましくは、安定剤、及び／又は防腐剤、及び／又は酸化防止剤、及び／又は乳化剤、及び／又は界面活性剤などの添加剤を本質的に含まない。

化粧用組成物が分配される本質的に直前に化粧用組成物の成分を混合することにより、例えば、分散液の安定化のために使用する添加剤を省くことができる。

第１のリザーバは、第１の収容部に取り外し可能に接続可能である第１の容器の形態で設けられていてよく、前記第１の容器は、好ましくはカプセルの形状を有する。付加的又は代替的には、第２のリザーバは、第２の収容部に取り外し可能に接続可能である第２の容器の形態で設けられていてよく、前記第２の容器は、好ましくはカプセルの形状を有する、又は、第２のリザーバは、第２の収容部に接続されていて、ハウジングの一体部分であってよい。前者の場合、流体ディスペンサ自体の下側部分を構成する第２の容器の形態で第２のリザーバを設けることが考えられる。このために、前記第２の容器は、流体ディスペンサの上側部分、特に流体ディスペンサの前記上側部分に設けられた対応する接続要素と、好ましくは取り外し可能に接続することができる接続要素を備えることが好ましい。例えば、流体ディスペンサの下側部分は、流体ディスペンサの上側部分に設けられた雌ねじ山とねじ接続を確立することができる雄ねじ山を備えてもよい。

それゆえ、一方では、第１のリザーバを容器の形態で、特に、第１の流体、特に好ましくは、上述したような、高濃縮された１種以上の芳香化合物及び／又は１種以上の芳香性精油からなる第１の流体が、予め充填されたカプセルの形態で設けることが考えられる。また、第２のリザーバは、容器の形態で、特に、第２の流体、特に好ましくは、例えば、アルコール含有水溶液などの水ではない第２の流体が、予め充填されたカプセルの形態で設けることができる。第１及び／又は第２のリザーバが空になった場合、又はユーザが、異なる組成を含む化粧用組成物を生成したい場合、ユーザは、第１及び／又は第２のリザーバを単に取り外して交換することができる。このために、ユーザが、第２の流体を充填することができるように第２のリザーバを設計することも考えられる。この場合、ユーザは単に、第２のリザーバを流体ディスペンサから取り外し、第２のリザーバに水などを充填し、次いで、充填された第２のリザーバを流体ディスペンサに再接続することができる。しかし、一方で、第２の収容部と第２のリザーバとは、単一の部品要素として設けることも考えられ、第２の収容部は、第２のリザーバを少なくとも部分的に包囲する筐体と見なすことができる。すなわち、第２のリザーバをハウジングの一体部分として設けることが考えられる。第２のリザーバへの第２の流体の充填又は第２のリザーバからの第２の流体の除去を可能にするために、第２のリザーバは、好ましくは、第２の流体を第２のリザーバに充填することができる、及び／又は第２の流体を第２のリザーバから排出することができる１つ以上の開口を含む。これらの設計には多くの利点が関連する。例えば、流体ディスペンサは、流体を使い切った後に廃棄する必要がなく、新たな流体を再充填するだけで流体ディスペンサを再使用することができる。加えて、ユーザは、同じ流体ディスペンサによって異なる化粧用組成物を生成するように、異なる第１及び／又は第２の流体組成物を使用することができる。更に、ユーザは、異なる状況に応じて、異なる容量を規定する複数の取り外し可能な第２の容器の中から選ぶことができる。例えば、在宅時には標準的な容器を、旅行中にはより小さな容器を選ぶことができ、それらの両方は接続可能であり、例えば、第２の収容部に挿入可能である。

第１の収容部及び／又は第２の収容部は、第１のリザーバ及び／又は第２のリザーバを取り外し可能に部分的又は完全に挿入することができる、ハウジングの凹部及び／又は開口の形態で設けることができる。次いで、リザーバは、接続要素なしで、例えば、形状接続及び／又は摩擦接続によってのみ、凹部内に保持又は維持することができる。しかし、これらの収容部の一方又は両方に、第１及び第２のリザーバに設けられた対応する接続要素との接続を可能にする接続要素を設けることが同様に考えられる。例えば、第１及び／又は第２の収容部と第１及び／又は第２のリザーバとには、第１及び／又は第２のリザーバをスクリュー接続によって第１及び／又は第２の収容部に接続できるように、対応するねじ山を設けることができる。言うまでもなく、接続要素は、ねじ要素に限定されるものではなく、収容部とリザーバとの間に、好ましくは解除可能な接続を確立するように構成されたあらゆる種類の接続要素が考えられる。これらの接続は、当業者には周知であり、特に、例えば、スナップ式接続又はラッチ接続を含む。

流体ディスペンサは、好ましくは、少なくとも１つの作動デバイス及び／又は作動装置を更に備える。作動デバイスは、第１の収容部、第１の収容部と接続されている場合の第１のリザーバ、第２の収容部、第２の収容部と接続されている場合の第２のリザーバ、液滴生成器、及びディスペンサヘッドのうちの少なくとも１つに作動信号を送信し、それにより、第１の収容部からの第１の流体の放出、及び／又は、第１のリザーバからの第１の流体の放出、及び／又は、第２の収容部からの第２の流体の放出、及び／又は、第２のリザーバからの第２の流体の放出、及び／又は、液滴生成器からの第１の流体の液滴の放出、及び／又は、流体ディスペンサからの化粧用組成物の分配が可能であるように構成される。それゆえ、作動デバイスは、作動時に、流体の放出、流体の混合、及び化粧用組成物の分配をそれぞれ可能にする。このようにして、化粧用組成物は、ユーザが使用しようとするときにのみ新たに生成される。作動装置は、第１の計量供給装置、第２の計量供給装置、圧力アセンブリのうちの少なくとも１つを作動させ、それにより、第１の計量供給装置による第１の流体の液滴の生成、及び／又は、第２の計量供給装置による第２の流体の液滴の生成、及び／又は、圧力アセンブリによる混合チャンバからディスペンサヘッドへの化粧用組成物の移送が可能であるように構成される。

作動デバイスは、好ましくは、分配装置の作動装置を備えるか、又は分配装置の作動装置と動作可能に接続される。この場合、作動デバイスの作動は、作動装置の作動をもたらし、それにより、第１及び／又は第２の計量供給装置が作動させられ、化粧用組成物が混合エリアからディスペンサヘッドに移送される。

流体ディスペンサは、作動デバイス、第１の収容部、第１の収容部と接続されている場合の第１のリザーバ、第２の収容部、第２の収容部と接続されている場合の第２のリザーバ、作動装置、分配装置、第１の計量供給装置、第２の計量供給装置、圧力アセンブリ、液滴生成器、及びディスペンサヘッドのうちの少なくとも１つに力を供給するように構成された少なくとも１つの力供給源を更に備えてよい。少なくとも１つの力供給源は、電源又は機械的な力供給源の形態で設けることができる。例えば、力供給源は、電力を供給するように適合させられたバッテリ又は太陽電池であってよい。一方、力供給源は、前記構成要素と動作可能に接続され、作動時に前記構成要素を作動させる機械的デバイスに相当してよい。代替的には、機械的デバイスは、機械的エネルギーを電気的エネルギーに変換するように構成することもでき、前記電気的エネルギーが前記構成要素に供給される。

流体ディスペンサは、第１のリザーバ内の第１の流体の量を示すように構成された、及び／又は、第２の収容部内の第２の流体の量を示すように構成された、及び／又は、混合チャンバ内の第１の流体並びに／若しくは第２の流体の量を示すように構成された、及び／又は、混合チャンバ内の化粧用組成物の量を示すように構成された少なくとも１つのレベルインジケータを更に備えてよい。レベルインジケータは、第１及び第２のリザーバの充填レベルをユーザに知らせ、リザーバをそれぞれ交換又は再充填する必要があることをタイムリーに示す。

ハウジングは、少なくとも第１のハウジング部及び第２のハウジング部で構成することができ、ハウジングの第１のハウジング部及び第２のハウジング部は、互いに回転可能に設計されており、第１の収容部は、ハウジングの第１のハウジング部内に配置されており、第２の収容部は、ハウジングの第２のハウジング部内に配置されている。

既に冒頭で述べたように、流体ディスペンサは、いずれの場合にも、第１及び／又は第２のリザーバに接続可能である２つ以上の第１及び／又は第２の収容部を備えることができる。例えば、流体ディスペンサは、異なる第１の流体を含む２つの第１のリザーバが挿入される２つの第１の収容部と、第２の流体が挿入される１つの第２の収容部とを備えることができる。異なる第１の流体は、それらを作る特定の芳香性精油又は芳香化合物が異なってよい。第１の位置では、混合エリアは、第２の収容部及びそこに含まれる第２の流体、並びに一方の第１の収容部及びそこに含まれる第１の流体と流体連通している。ユーザは、化粧用組成物の化学組成を変更したい場合に、２つのハウジング部を互いに回転させることができ、それにより、混合エリアが、他方の第１の収容部及びそこに含まれる第１の流体と流体連通する状態になる。この第２の位置では、異なる第１の流体が用いられるため、第１の位置で生成される化粧用組成物とは異なる化粧用組成物が生成される。このために、流体ディスペンサは、ハウジング部が中間位置を採用することができるように構成されることが好ましい。前記中間位置は、第１の位置と第２の位置との間に採用され、混合エリアと第１の収容部との間に流体連通が確立されていない位置に相当する。ここでユーザが作動デバイスを作動させると、流体ディスペンサ内に含まれる残った化粧用組成物のみが、流体ディスペンサから分配される。しかし、新たな化粧用組成物は生成されない。それゆえ、この中間位置は洗浄位置と見なすことができる。

更なる態様では、化粧用組成物、特に香水を分配するための流体ディスペンサ、特に香水ディスペンサを製造する方法が提供される。流体ディスペンサは、好ましくは、上述したような流体ディスペンサである。方法は、
－ ハウジングを設けるステップと、
－ 流体ディスペンサから化粧用組成物を分配するように構成されたディスペンサヘッドをハウジングに配置するステップと、
－ 第１の流体を含む少なくとも１つの第１のリザーバに接続可能である少なくとも１つの第１の収容部をハウジングに設けるステップと、
－ 第２の流体を受けるように構成された第２のリザーバに接続可能であるか、又は接続されている少なくとも１つの第２の収容部をハウジングに設けるステップと、
－ ディスペンサヘッド、第１の収容部、及び第２の収容部と流体連通している混合エリアをハウジングに設けるステップと、
を含む。混合エリアは、混合エリア内で一回分の第１の流体が第２の流体と混合されると、化粧用組成物が生成されるように構成される。

更なる態様では、上述したような流体ディスペンサに使用するための、好ましくはカプセルの形態のリザーバが提供される。リザーバには、化粧用組成物の生成に使用される流体が充填可能である及び／又は充填されている。

すなわち、前記リザーバには、第１の流体又は第２の流体を、予め充填することができる。その上、カプセルは、付加的又は代替的には、第１の流体及び／又は第２の流体が充填可能である及び／又は再充填可能であるように構成されることが考えられる。

更なる態様では、上述したような流体ディスペンサにおける、好ましくはカプセルの形態のリザーバの使用が提供される。リザーバには、化粧用組成物の生成に使用する流体が充填可能である及び／又は充填可能である。ここでも、前記リザーバには、第１の流体又は第２の流体が予め充填されている、及び／又は、カプセルは、第１の流体及び／若しくは第２の流体が充填可能である及び／若しくは再充填可能であるように構成されることが考えられる。

前記リザーバは、いずれの場合にも、流体ディスペンサに設けられた第１の収容部に接続可能である第１のリザーバ及び／又は第２の収容部に接続可能である第２のリザーバと同一のものと見なすことができる。したがって、第１のリザーバ及び第２の収容部に接続可能である第２のリザーバに関する上記のあらゆる説明は、これらの更なる態様によるリザーバに同様に適用される。例えば、リザーバは、一回分の第１の流体（第２の流体）を混合エリアに供給するように構成することができる。付加的又は代替的には、リザーバは、選択デバイス及び／又は作動デバイス及び／又は力供給源及び／又はレベルインジケータと通信するか、又は通信しているように構成することができる。その上、リザーバは、流体ディスペンサの第１の収容部（第２の収容部）に設けられた対応する接続要素と、好ましくは解除可能である接続を確立するように構成された接続要素を備えることができる。代替的には、リザーバの幾何学的な寸法は、第１の収容部（第２の収容部）の幾何学的な寸法と相互に対応しており、それにより、リザーバが第１の収容部（第２の収容部）に少なくとも部分的に挿入されると、リザーバと第１の収容部（第２の収容部）との間に形状接続及び／又は摩擦接続が確立されるようになっていることが考えられる。

リザーバへの第１の流体（第２の流体）の充填又はリザーバからの第１の流体（第２の流体）の除去を可能にするために、リザーバには、第１の流体（第２の流体）がリザーバに出入りできる１つ以上の開口を設けることができる。前記１つ以上の開口は、リザーバに含まれる流体を流体ディスペンサの混合エリアに分配できるように、リザーバと第１の収容部（第２の収容部）との間に流体連通を確立するように更に構成することができる。しかし、リザーバは、リザーバと混合エリアとの間の流体連通を確立するように構成された他の手段を備えることが同様に考えられる。前記他の手段は、例えば、リザーバ又は弁に対して流体を充填／除去するように構成された１つ以上の開口とは、別の１つ以上の開口とすることができる。

本発明の好ましい実施形態を、図面を参照しながら以下に説明するが、図面は、本発明の好ましい実施形態を説明するためのものであり、それらを限定するためのものではない。
第１の位置にある、第１の態様による流体ディスペンサの断面図である。 第２の位置にある、図１ａによる流体ディスペンサの断面図である。 第３の位置にある、図１ａによる流体ディスペンサの断面図である。 第４の位置にある、図１ａによる流体ディスペンサの斜視図である。 第１の態様による流体ディスペンサに使用するための液滴生成器の断面図である。 更なる態様による流体ディスペンサに使用するための液滴生成器の断面図である。 更なる態様による流体ディスペンサに使用するための液滴生成器の断面図である。 第１の態様による液滴生成器を備える流体ディスペンサの断面図である。 図５のＡ部の拡大図である。 閉鎖位置にある、流体ディスペンサに使用するカプセルの斜視図である。 開放位置にある、図７ａによるカプセルの斜視図である。 第１の態様による作動要素が閉鎖位置にある、図７ａによるカプセルの部分断面図である。 作動要素が開放位置にある、図７ｂによるカプセルの部分断面図である。 閉鎖位置にある、カプセル及び作動要素を備える更なる態様による流体ディスペンサの部分断面図である。 開放位置にある、カプセル及び更なる態様による作動要素を備える更なる態様による流体ディスペンサの部分断面図である。 更なる態様による流体ディスペンサの断面図である。 第１の位置にある、更なる態様による流体ディスペンサの水平断面図である。 中間位置にある、図１１ａによる流体ディスペンサの水平断面図である。 第２の位置にある、図１１ａによる流体ディスペンサの水平断面図である。 更なる態様による流体ディスペンサの分配装置、第１の計量供給装置、及び第２の計量供給装置の断面図である。 更なる態様による流体ディスペンサの分配装置、第１の計量供給装置、及び第２の計量供給装置の断面図である。 第１の位置にある、更なる態様による流体ディスペンサの分配装置、第１の計量供給装置、及び第２の計量供給装置の断面図である。 第２の位置にある、図１４ａによる流体ディスペンサの分配装置の断面図である。 更なる態様による流体ディスペンサの分配装置、第１の計量供給装置、及び第２の計量供給装置の断面図である。 更なる態様による流体ディスペンサの分配装置、第１の計量供給装置、及び第２の計量供給装置の断面図である。 第１の位置にある、分配装置の作動装置の部分断面図である。 第２の位置にある、図１７ａによる分配装置の作動装置の部分断面図である。 第３の位置にある、図１７ａによる分配装置の作動装置の部分断面図である。 分配装置、第１の計量供給装置、及び第２の計量供給装置を備える更なる態様による流体ディスペンサの断面図である。

本発明による、香水を分配するための香水ディスペンサのような、化粧用組成物２を分配するための流体ディスペンサ１の幾つかの態様が、図１～図１８に開示されている。これらの図に示される流体ディスペンサ１は、それぞれの場合で、ハウジング３と、ハウジング３に配置されたディスペンサヘッド４と、ハウジング３に設けられた少なくとも１つの第１の収容部１６と、ハウジング３に設けられた少なくとも１つの第２の収容部１７とを備える点で共通する。ディスペンサヘッド４は、流体ディスペンサ１から化粧用組成物２を分配するように構成される。第１の収容部１６は、第１の流体６を含む第１のリザーバ５に接続可能であり、第２の収容部１７は、第２のリザーバ７に接続可能であるか、又は接続されている。第２のリザーバ７は、第２の流体８を含むように構成される。流体ディスペンサ１は、ディスペンサヘッド４、第１の収容部１６、及び第２の収容部１７と流体連通している混合エリア１８を更に備える。混合エリア１８は、混合エリア１８内で一回分の第１の流体６が第２の流体８と混合されたときに化粧用組成物２が生成されるように構成される。以下で詳細に説明するように、一回分の第１の流体の生成は（潜在的には一回分の第２の流体の生成も）幾つかの方法で達成することができる。

図１ａ～図１ｄを参照すると、ディスペンサヘッド４と、ハウジング３に設けられた２つの収容部１６，１７とを備える流体ディスペンサ１が開示されている。本質的矩形のカプセルの形態を有し、第１の流体６が充填される第１のリザーバ５が、第１の収容部１６内に完全に収容されている。このために、第１の収容部１６は、第１の流体６を含む第１のリザーバ５をユーザが外側から第１の収容部１６に挿入することができるように、ハウジング３の外側からハウジング３の内側に向かって延在する凹部の形状を有する。第１の収容部１６の寸法と第１のリザーバ５の寸法とは、第１のリザーバ５が、形状閉鎖及び／又は摩擦接続のみによって第１の収容部１６内に保持されるように設定されている。第２の収容部１７及び第２のリザーバ７は、単一の部品要素として設けられており、第２の収容部１７は、第２のリザーバ７を少なくとも部分的に包囲する筐体として設計されている。第２の流体８は、流体ディスペンサ１の外側から第２のリザーバ７に延びる開口（図示せず）を介して、第２のリザーバ７に対して充填及び除去することができる。

以下で図２～図６を参照してより詳細に説明するように、混合エリア１８は、第１の流体通路１１及び第２の流体通路１２をそれぞれ介して、第１の収容部１６及び第２の収容部１７と流体連通している。混合エリア１８は、流体の液滴１０を生成するように構成された液滴生成器９に含まれるか、又は、流体の液滴１０を生成するように構成された液滴生成器９’と流体連通している。図１ａ～図１ｄでは、液滴生成器９，９’は、両方の液滴生成器の構成が考えられることを表すために、破線の矩形によって概略的にのみ示されている。それゆえ、図１ａ～図１ｄは、流体ディスペンサ１の一般的な動作原理を説明することを主な目的としており、化粧用組成物２の生成に関する詳細については、図２～図４に関して詳細に説明する。

すなわち、図１ａ及び図１ｂから分かるように、作動装置（図示せず）の作動時に、作動装置は、一回分の第２の流体８が第２の流体通路１２に放出されるように、第２の収容部１７に作動信号Ｓを送信する。このために、第２の流体通路１２に設けられるとともに、作動装置と通信している弁２０が作動し、作動した弁２０は、第２のリザーバ７から第２の流体通路１２に沿って弁２０を通過する第２の流体８の流れを可能にする。液滴生成器９に含まれるか、又は液滴生成器９’と流体連通している、破線の矩形で概略的に示される混合エリア１８に、前記第２の流体８は流入し続ける。図には示されていないが、第１の収容部１６もまた、このような弁を含み、弁の作動により、第１の流体６が第１の収容部１６から第１の流体通路１１を介して混合エリア１８に放出される。それゆえ、図１ｃでは、第１の流体６と第２の流体８との両方が、対応する流体通路１１，１２を介して混合エリア１８に流入し、それによって化粧用組成物２が生成される。次いで、前記化粧用組成物２は、第２の流体通路１２を介して、混合エリア１８からディスペンサヘッド４に向かって流れ、ディスペンサヘッド４に流入した後に、そこから分配される（図１ｄを参照）。容易に分かるように、化粧用組成物２は、分配される本質的に直前に生成される。

既に述べたように、化粧用組成物２は、異なる方法で生成することができる。例えば、化粧用組成物２は、第１及び第２の流体６，８を互いに混合することによって生成することができる。そのために、第１の流体通路１１と第２の流体通路１２とは、互いに合流することができ、合流エリアは混合エリア１８に相当する。この状態は、図２に示されており、このような混合エリア１８が、液滴生成器９に含まれる。すなわち、前記混合エリア１８は、マイクロ流体デバイス９の一部である。流体通路１１，１２の直径又は流体通路１１，１２が互いに合流する角度などの幾何学的な配置や、粘度などの流体６，８の固有のパラメータに応じて、２つの流体通路１１，１２の合流により液滴１０が生成される。ここで、第１の流体６は、１種以上の芳香性精油、１種以上の芳香化合物、又はそれらの混合物からなる群から選択され、第２の流体８は水に相当し、第１の流体通路１１は第２の流体通路１２に合流する。その結果、第２の流体８中に分散した状態の第１の流体６の液滴１０が含まれる化粧用組成物２が生成される。図３及び図４に示される状態は、液滴生成器９’と流体連通している混合エリア１８に相当する。特に、液滴生成器９’は、第１の流体通路１１によって第１の収容部１６と流体連通しており、第１の流体６が第１の収容部１６から液滴生成器９’に流入できるようになっている。液滴生成器９’は、圧電素子などの液滴生成要素を含み、液滴生成要素の作動時に、液滴生成器９’内で第１の流体６の液滴１０が生成される。次いで、第１の流体６の前記液滴１０は、第２の流体通路１２内を流れる第２の流体８中に分散する。図３では、第１の流体６の液滴１０は、液滴生成器９’を第２の流体通路１２に接続する中間流体通路１３によって、第２の流体８中に分散する。しかし、第１の流体６の生成された液滴１０が液滴生成器９’から第２の流体通路１２に直接分散するように、液滴生成器９’を第２の流体通路１２に隣接して配置し、中間流体通路１３を省くことが同様に考えられる。図４に示される状態は、第２の流体通路１２が、流体６，８の流れ方向に関して、液滴生成器９’の後で再び合わさる２つのサブ通路１２ａ，１２ｂに分割されている点で、図３による状態とは異なる。それゆえ、液滴生成器９，９’は、ｉ）図２に示される液滴生成器９の場合には、他方の流体中に分散する一方の流体の液滴が、２つの流体の特定の交流中に生じ、ｉｉ）図３及び図４に示される液滴生成器９’の場合には、一方の流体のみの液滴が最初に生成され、前記液滴がその後に他方の流体中に分散する点で、本質的に互いに異なる。

図５には、第１の流体６を含むカプセルの形態の第１のリザーバ５が配置された第１の収容部１６と、第２の流体８が充填される一体形成された第２のリザーバ７を有する第２の収容部１７とを備える流体ディスペンサ１が示されている。その上、第１及び第２の収容部１６，１７は、それぞれ、第１及び第２の流体通路１１，１２によって混合エリア１８と流体連通している。図６に最もよく見られるように、本例による流体ディスペンサ１は、第１及び第２の流体通路１１，１２の合流エリアによって形成された混合エリア１８を備える。すなわち、本流体ディスペンサ１は、第２の流体８への第１の流体６の分散時に第１の流体６の液滴１０が第２の流体８内に生成される、マイクロ流体デバイスとして構成された液滴生成器９を備える。ここで、ディスペンサヘッド４は、アトマイザとして設計されており、化粧用組成物２は、混合エリア１８内で生成されるとすぐに、ディスペンサ１から噴霧され、ユーザに適用することができる。その上、流体ディスペンサ１は、前記リザーバ５，７の流体内容物の使用切れをユーザにタイムリーに知らせるために、第１のリザーバ５内の第１の流体６の量及び／又は第２のリザーバ７内の第２の流体８の量を示すように構成されたレベルインジケータ１９を更に備えることができる。第１及び第２のリザーバ５，７に設けられるとともに、前記リザーバ５，７に含まれる流体６，８の量を検知するように構成された、検知手段と通信している、ハウジング３に配置されたインジケータライトによって、レベルインジケータ１９を設けることができる。前記検知手段は、リザーバ５，７内の流体６，８の重さを測定する重量センサであってもよい。

図７ａ～図９ｂは、第１の流体６及び第２の流体８をそれぞれ含む、カプセルの形態の第１及び／又は第２のリザーバ５，７の詳細を示している。すなわち、流体６，８は、カプセルの形状を有するリザーバ５，７によって流体ディスペンサ１に提供することができる。本図では、前記カプセル５，７は矩形の外形をしている。しかし、他の任意の形状も考えられる。例えば、カプセル５，７は、円形、楕円形、又は多面体の形態を有することができる。矩形のカプセル５，７の場合、前記カプセル５，７は、流体６，８を充填することができる内部空間２２を画定する６つのカプセル壁２１ａ～２１ｆによって構成される。カプセル５，７に対する流体６，８の充填及び除去を可能にするために、カプセル５，７は開口２３を含む。カプセル５，７の閉鎖状態、すなわち、カプセル５，７から流体６，８が分配されない状態では、開口２３は、閉鎖要素２４によって閉鎖されている。ここで、閉鎖要素２４は膜によって設けられている。このために、膜の直径ｄｃは、カプセル壁２１ａの開口２３の直径ｄａよりも大きい。開放状態、すなわち、カプセル５，７から流体６，８が分配される状態では、カプセル開口２３の開放を可能にするために、膜２４は、ガイドレール２５に摺動可能に配置されている。前記ガイドレール２５は、カプセル５，７の内部空間２２に取り付けられ、開口２３を含むカプセル壁２１ａから反対側のカプセル壁２１ｆに向かって延在している。図８ａ及び図８ｂに最もよく見られるように、流体ディスペンサ１は、開口２３を開閉するために、膜２４と相互作用するように構成された作動要素２６を備える。特に、開口２３を開放するために、作動要素２６は、カプセル５，７の膜２４を押圧し、それにより、膜２４は、カプセル開口２３からカプセル５，７の内部空間２２に向かってガイドレール２５に沿って摺動する。その結果、カプセル５，７の開口２３が開放され、カプセル５，７内に含まれる流体６，８は、カプセル５，７から出ることができる。本例では、作動要素２６は、収容部１６，１７を混合エリア１８と接続する流体通路１１，１２内に配置されている（図９ａ及び図９ｂを参照）。その上、カプセル５，７は、その開口２３が流体通路１１，１２に面するように流体ディスペンサ１内に配置することができる。作動要素２６を作動させることにより、膜２４は、カプセル５，７の内部空間２２に向かって変位し、それにより、開口２３が開放され、流体６，８は、重力及び／又は他の力に基づいて、カプセル５，７内から流体通路１１，１２に流入することができる。これらの図では、作動要素２６は、遠位端２９にピストン２８を有するプランジャ２７で構成される。その近位端３０では、作動要素２６は、付勢されたばね要素３１に接続されている。そして前記付勢されたばね要素３１は、作動デバイスに接続されており、作動デバイスの作動時に、ばね要素３１が及ぼすばね力が勝って、作動要素２６が変位し、ピストン２８によって膜２４に作用する押圧力のため、カプセル５，７の開口２３が開放される。作動デバイスの非作動時には、作動要素は、ばね要素３１が及ぼす付勢ばね力により、初期位置に移送される。前記初期位置では、カプセル５，７の開口２３は、膜２４によって再び閉鎖されている。開口２３の閉鎖を容易にするために、膜２４と作動要素２６のピストン２８とは、相互に引き合う磁気要素を含み、作動要素２６がその初期位置に移動すると、磁気要素間の磁力が膜２４を閉鎖位置に引き込むことが考えられる。カプセル５，７の開口２３が閉鎖要素２４によって閉鎖されると、カプセルは、その内容物を失うことなく、流体ディスペンサから取り外すことができる。その結果、空になっていないカプセルを流体ディスペンサから取り外し、後の段階で再び使用することができる。この態様は、例えば、別の流体を含むカプセルをユーザが一時的に使用したい場合に適切である。

異なる化粧用組成物２を簡単に生成することができるようにするために、流体ディスペンサ１は、異なる第１及び第２の流体６，８をそれぞれ含む第１のリザーバ５及び第２のリザーバ７に、それぞれ接続可能な２つ以上の第１の収容部１６及び／又は２つ以上の第２の収容部１７を備えることができる。例えば、異なる第１の流体６は、それらを作る特定の芳香性精油又は芳香化合物が異なってよく、異なる第２の流体８は、異なる水溶液に相当してもよい。このために、多部品ハウジング３を備える流体ディスペンサ１が提供される。このような流体ディスペンサ１は、図１０に示されており、多部品ハウジング３は、第１のハウジング部３ａ、第２のハウジング部３ｂ、及び第３のハウジング部３ｃによって構成され、第１のハウジング部３ａは、第２及び第３のハウジング部３ｂ，３ｃに対して回転可能であるように設計されている。特に、第１のハウジング部３ａは、流体ディスペンサ１の中心長手方向軸Ｌに沿って延びる回転軸Ｒを中心として回転可能である。第１のハウジング部３ａは、３つの第１の収容部１６を含み、各第１の収容部１６に、第１の流体６を含むカプセルの形態の第１のリザーバ５が挿入される。第２のハウジング部３ｂは、第２のハウジング部３ｂと一体形成された第２の収容部１７を備える。第３のハウジング部３ｃは、第２のハウジング部３ｂの上端３３に隣接する第１のハウジング部３ｂの下端３２から、第１のハウジング部３ａの中心を通って、第１のハウジング部３ａの上端３４を越えて延在する。ディスペンサヘッド４は、第３のハウジング部３ｃに設けられており、混合エリア１８は、第３のハウジング部３ｃ内に配置されている。混合エリア１８は、第１の流体通路１１を介して第１の収容部１６の１つと流体連通しており、第２の流体通路１２を介して第２の収容部１７と流体連通している。このために、混合エリア１８が、図２を参照して上述したように液滴生成器９に含まれるか、又は図３及び図４を参照して上述したように液滴生成器９’と流体連通しているかは、関係ない。両方の液滴生成器の構成が考えられる。第２の流体通路１２は、第２のハウジング部３ｂ内及び第３のハウジング部３ｃ内に配置されていて、第２のリザーバ７から混合エリア１８を介してディスペンサヘッド４に向かって延びている。その結果、第２の流体通路１２及び混合エリア１８は、第１のハウジング部３ａの回転中に回転せず、動かない。第１のハウジング部３ａとの境界で、第３のハウジング部３ｃにインタフェース３５が設けられている。前記インタフェース３５は、化粧用組成物２の生成に使用する流体６が入った第１の収容部１６の１つのドッキングポイントとして機能する。この第１の収容部１６は、以下では、アクティブな第１の収容部１６ａと呼ばれる。このために、インタフェース３５は、第１の流体通路１１を介して、混合エリア１８とアクティブな第１の収容部１６ａとの間に流体連通を確立するように構成される。

図１１ａ～図１１ｃを参照すると、図１０による流体ディスペンサ１による異なる化粧用組成物２の生成が概略的に示されている。これらの図では、流体ディスペンサ１は、中央に配置された、ここでは円形のディスペンサヘッド４と、ディスペンサヘッド４の周囲に配置された、異なる第１の流体６を含む、この場合には３つの円形のカプセル５を有する３つの第１の収容部１６とを示すように、上部から見た断面図として示される。図１１ａに示される第１の位置では、混合エリア１８は、第２の収容部１７及びそこに含まれる第２の流体８と、アクティブな第１の収容部１６ａ及びそこに含まれる第１の流体６とに流体連通している。ユーザは、化粧用組成物２の化学組成を変更したい場合に、第１のハウジング部３ａを回転軸Ｒを中心として回転させる。それにより、流体ディスペンサ１は、図１１ｂに示される中間位置となり、第１の収容部１６のいずれも混合エリア１８と流体連通しなくなる。図１１ｂの破線の円は、アクティブな収容部１６ａと混合エリアとの間の流体連通を確立することができる、第１の収容部１６に要求される位置を示している。ここでユーザが作動デバイスを作動させた場合、流体ディスペンサ１に含まれる残った化粧用組成物２のみが流体ディスペンサ１から分配される。しかし、新たな化粧用組成物２は生成されない。したがって、このステップは、清浄ステップと見なすことができる。ユーザが第１のハウジング部３ａを回転軸Ｒを中心として更に回転させた場合、別の第１の収容部１６がアクティブな第１の収容部１６ａとなる（図１１ｃを参照）。この第２の位置で、混合エリア１８は、第２の収容部１７及びそこに含まれる第２の流体８と、この別のアクティブな第１の収容部１６ａ及びそこに含まれる第１の流体６とに再び流体連通している。作動デバイスが作動させられた場合、図１１ａによる第１の位置で生成される化粧用組成物２とは異なる化粧用組成物２が生成される。

図１２～図１８を参照して、流体ディスペンサ１の分配装置３８、第１の計量供給装置３６、及び第２の計量供給装置３７の異なる態様について説明する。いずれの場合も、前記分配装置３８は、その作動時に第１の計量供給装置３６及び第２の計量供給装置３７を作動させるように構成される。明瞭にする目的で、ハウジング３又は第１及び第２のリザーバ５，７などの、流体ディスペンサ１の特定の態様が、これらの図の大半で省略されている。しかし、第１の計量供給装置３６は、ハウジング３内、第１のリザーバ５上、第１のリザーバ５内、又はディスペンサヘッド４内に設けることができることに留意すべきである。同様に、第２の計量供給装置３７は、ハウジング３内、第２のリザーバ７上、第２のリザーバ７内、又はディスペンサヘッド４内に設けることができる。第１の計量供給装置３６は、第１の収容部１６及び混合エリア１８と流体連通していて、分配装置３８による作動時に一回分の第１の流体６を生成するように構成される。また、第２の計量供給装置３７は、第２の収容部１７及び混合エリア１８と流体連通していて、分配装置３８による作動時に一回分の第２の流体８を生成するように構成される。それゆえ、第１の計量供給装置３６及び第２の計量供給装置３７の作動時に、一回分の第１の流体６及び一回分の第２の流体８が、計量供給装置３６，３７によって生成され、混合エリア１８に流入し、それによって化粧用組成物２が生成される。示される実施形態では、混合エリア１８は、混合チャンバ３９内に設けられており、第１の収容部１６、第２の収容部１７、及びディスペンサヘッド４は、混合チャンバ３９と流体連通している。混合チャンバ３９は、ハウジング３内又はディスペンサヘッド４内に配置することができる。分配装置３８は、第１の計量供給装置３６及び第２の計量供給装置３７を同時に又は互いに時間的に遅らせて作動させるように構成される。分配装置３８は、分配のために、化粧用組成物２を混合エリア１８からディスペンサヘッド４に移送するように更に構成される。第１の計量供給装置３６及び第２の計量供給装置３７は、好ましくは第１のステップで、分配装置３８によって作動させられ、化粧用組成物２は、時間的に見て第１のステップの後に行われる第２のステップで、混合エリア１８からディスペンサヘッド４に移送される。

図１２～図１６に示される実施形態では、分配装置３８は、ユーザによる作動時に、分配装置３８によって生成された第１の計量供給装置トリガ信号によって第１の計量供給装置３６を作動させるように構成される。しかし、第２の計量供給装置３７の作動が、図１２及び図１３では機械的に実現され、図１４ａ～図１６では、分配装置３８によって生成された第２の計量供給装置トリガ信号によって実施される。図１８による実施形態では、第１の計量供給装置３６と第２の計量供給装置３７との両方が機械的に作動させられる。

図１２～図１６に示される実施形態では、第１の計量供給装置３６は、いずれも、第１の収容部１６を混合エリア１８と接続する流体通路５１に配置されたマイクロポンプに相当する。すなわち、分配装置３８と第１の計量供給装置３６とは、互いに別個に構成され、流体通路５１を介して互いに流体接続されている。マイクロポンプ３６は、ユーザによる分配装置３８の作動時に、分配装置３８によって生成された第１の計量供給装置トリガ信号の受信時に、一回分の第１の流体６を生成するように構成される。しかし、第２の計量供給装置３７は、ピストンポンプによって設けられている（図１２及び図１３を参照）か、又はマイクロポンプによって設けられている（図１４ａ、図１５、及び図１６を参照）。以下で説明するように、ピストンポンプの形態の第２の計量供給装置３７は、機械的に作動する一方、マイクロポンプの形態の第２の計量供給装置３７は、ユーザによる分配装置３８の作動時に分配装置３８によって再び生成された第２の計量供給装置信号によって作動する。

第２の計量供給装置３７がピストンポンプによって設けられている場合、分配装置３８は、分配チャンバ４０と、分配チャンバ４０内に配置された作動要素４１とを含むことが好ましい（図１２及び図１３を参照）。分配チャンバ４０は、混合チャンバ３９及びディスペンサヘッド４と流体連通している。作動要素４１は、分配チャンバ４０内に変位可能に取り付けられたばね仕掛けのピストンに相当する。分配装置３８は、ピストン４１の作動時に、化粧用組成物２を混合チャンバ３９からディスペンサヘッド４に移送することができるように構成される。これらの図から容易に分かるように、ピストンポンプ３７は、分配チャンバ４０内に変位可能に配置されたピストン４１を備える。その上、ピストンポンプ３７の形態の第２の計量供給装置３７のピストン４１は、分配装置３８のピストン４１の形態の作動要素４１に相当する。その結果、分配装置３８は、ピストンポンプ３７の形態の第２の計量供給装置３７の少なくとも一部を含む。第２の収容部１７を分配チャンバ４０に接続するチューブ内又は通路５４内に設けられた弁座にボール５２が配置されている。更に、図には示されていないが、ピストン４１はディスペンサヘッド４と接続されている。ユーザが、ディスペンサヘッド４をハウジング３に向かって押し下げるなどして作動させた場合、それによってピストン４１も作動させられる。特に、ピストン４１は下方に移動し、この動作中に、分配チャンバ４０内に存在するあらゆる流体が排出される。図１２及び図１３に示される実施形態は互いに異なっていて、図１２の実施形態では、分配チャンバ４０が混合チャンバ３９に相当する一方、図１３の実施形態では、分配チャンバ４０と混合チャンバ３９が互いに別個に構成され、流体通路５０を介して互いに流体接続されている。更に、図１２に示される前者の場合、流体通路５１は、マイクロポンプ３６の形態の第１の計量供給装置から分配チャンバ４０に繋がっており、したがって、分配チャンバ４０は、ここでは混合チャンバ３９に相当する。それゆえ、化粧用組成物２は、混合チャンバ３９に相当する分配チャンバ４０内で生成される。ピストンの形態の作動要素４１が作動させられた場合、化粧用組成物２は、分配のために混合チャンバ３９である分配チャンバ４０からディスペンサヘッド４に移送される。図１３に示される後者の場合、流体通路５１は、マイクロポンプ３６の形態の第１の計量供給装置から混合チャンバ３９に繋がっており、混合チャンバは、流体通路５０を介して分配チャンバ４０と流体接続されている。ピストンの形態の作動要素４１が作動させられた場合、第２の流体８が分配チャンバ４０から混合チャンバ３９に移送され、それにより、化粧用組成物２が生成され、その後、化粧用組成物２は、分配のために混合チャンバ３９からディスペンサヘッド４に移送される。いずれの場合にも、分配装置３８、すなわち第２の計量供給装置３７は、ピストン４１の作動後に、第２の流体８を第２のリザーバ７から分配チャンバ４０内に自動的に移送することができるように構成される。ピストン４１の作動は、ばね５３が及ぼすばね力に抗するピストン４１の変位に相当する。例えば、ディスペンサヘッド４を押し下げることにより、ピストン４１は、分配チャンバ４０の底壁５５に向かって下方に移動させられ、ばね５３が圧縮された圧縮状態になる。次いで、ユーザがディスペンサヘッド４を解放した場合、圧縮されたばね５３は、自動的に、すなわち、外部からの影響なしに、ピストン４１をその圧縮状態から非圧縮状態に移動させる。この動作中に、第２の流体８は、毛管力及び／又はピストン４１の移動によって生じる圧力差の結果として、第２のリザーバ７から分配チャンバ４０に引き込まれる。その結果、休止状態では、すなわち、作動後であるものの分配装置３８の更なる作動前には、第２の流体８が分配チャンバ４０内に存在する。図１２及び図１３における混合エリア１８からディスペンサヘッド４への化粧用組成物２の移送は、異なる方法で行われる。すなわち、図１２の実施形態では、分配チャンバ４０の断面ＣＤがピストン４１の断面ＣＰよりも大きく、ピストン４１と分配チャンバ４０の内壁５７との間に流体通路５６が形成されるようになっている。ピストン４１の作動時に、化粧用組成物２は、流体ディスペンサ１から分配するために、分配チャンバ４０から、すなわち、ここでは混合チャンバ３９から、前記流体通路５６を通ってディスペンサヘッド４に流入することができる。しかし、他の構成が同様に考えられる。例えば、流体通路が、ピストンを通って及び／又はピストンをばね付勢しているばねを通って延在することができる。しかし、図１３に示される実施形態では、別個の流体通路５８が混合チャンバ３９から延びており、別個の流体通路５８は、混合チャンバ３９から前記別個の流体通路５８を介してディスペンサヘッド４を通して化粧用組成物２を分配できるように、混合チャンバ３９をディスペンサヘッド４に接続する。

図１４ａ及び図１４ｂに示される流体ディスペンサ１では、分配装置３８は、分配チャンバ４０内に変位可能に取り付けられたピストンの形態の作動要素４１を同様に備え、分配チャンバ４０は混合チャンバ３９に相当する。しかし、この流体ディスペンサ１は、第２の計量供給装置３７が、第１の計量供給装置３６と同様にマイクロポンプに相当する点と、ディスペンサヘッド４がばね付勢されていて、ハウジング３に変位可能に配置されている点で、図１２及び図１３による流体ディスペンサ１とは異なる。すなわち、分配装置３８は、第２の計量供給装置３７を備えない。更に、分配装置３８は、第１の流体６及び／又は第２の流体８が分配チャンバ４０に、すなわち混合チャンバ３９に流入する間に、ピストン４１が初期位置から最終位置に移動可能であるように構成される。分配チャンバ４０内に流体が存在しない初期位置では、ピストンは、分配チャンバ４０の底壁５５に載置されている。この状態は図１４ａに示されている。流体６，８が計量供給装置３６，３７によって分配チャンバ４０内に分配された場合、流体６，８は、ピストン４１を分配チャンバ４０の底壁５５から次第に遠ざけ、ピストン４１が前記底壁５５から離間して配置される最終位置に移動させる。この状態は、図１４ｂに示されている。初期位置では、ディスペンサヘッド４は、そのばね仕掛けの設計の結果、ハウジング３から第１の距離だけ離間して配置されている。第２の位置では、ディスペンサヘッド４は、ディスペンサヘッド４をハウジング３と接続するばね５９が及ぼすばね力に抗して、第１の距離よりも小さな第２の距離だけハウジング３から離間して配置されているように、ハウジング３に向かって移動させられている。また、この場合、ディスペンサヘッド４とピストン４１とは、ディスペンサヘッド４の最終位置から初期位置への移動が、ピストン４１の最終位置から初期位置への移動をもたらすように、互いに動作可能に接続されており、それにより、混合チャンバ３９内に存在する化粧用組成物２は、ディスペンサヘッド４に移送される。ディスペンサヘッド４とピストン４１との間の動作可能な接続は、ディスペンサヘッド４の上壁６１に配置された第１の接続要素６０ａと、ピストン４１に配置された第２の接続要素６０ｂとの間に確立される解除可能な接続によって達成される。これらの第１及び第２の接続要素６０ａ，６０ｂは、両者間で磁気的な吸引力を確立する磁気要素に相当してよく、又は、例えば、プラグ接続若しくは押し込み接続の状態になるように構成される。流体６，８が分配チャンバ４０に流入したためにピストン４１が上方に移動した場合、その第２の接続要素６０ｂは、ディスペンサヘッド４の第１の接続要素６０ａと接触状態になる。次いで、ユーザがディスペンサヘッド４を押し下げて作動させた場合、接続要素６０ａ，６０ｂの間の接続により、ピストン４１の下向きの移動も生じる。それにより、化粧用組成物２は、図１２及び図１３による実施形態とは対照的に、ピストン４１を通って延びる流体通路６２を通ってディスペンサヘッド４から分配される。マイクロポンプ３６，３７は、いずれの場合にも、対応する流体通路５１，６３を介して混合チャンバ３９と流体連通している。その上、各流体通路５１，６３には、混合チャンバ３９に近接して弁６４が配置されている。前記弁６４は、ピストン４１の下方への移動中に、混合チャンバ３９から流体通路５１，６３への流体６，８の押し込みを防止する。ここで、このような弁６４は、第１及び第２の収容部１６，１７から混合チャンバ３９及び／若しくは分配チャンバ４０への流体６，８の望ましくない引き込み、並びに／又は混合チャンバ３９及び／若しくは分配チャンバ４０から流体通路への流体６，８の望ましくない押し込みをそれぞれ防止するために、任意の流体通路内に存在してよいことに留意すべきである。例えば、示されていないが、図１２による流体ディスペンサ１の、マイクロポンプ３６を混合チャンバ３９と接続する流体通路５１内に、及び／又は、図１３による流体ディスペンサ１の、第２の収容部１７を分配チャンバ４０と接続する流体通路５４内に、弁を配置することが考えられる。これらの弁は、好ましくは、分配装置３８によって作動可能である。

図１５及び図１６に示される実施形態は、いずれの場合にも、マイクロポンプの形態の第２の計量供給装置３７を備える。その上、第１及び第２の計量供給装置３６，３７は、いずれの場合にも、流体通路５１，６３によって混合チャンバ３９に接続される。各流体通路５１，６３は、混合チャンバ３９から収容部１６，１７への流体６，８の望ましくない押し込み、又は収容部１６，１７から混合チャンバ３９への流体６，８の望ましくない引き込みをそれぞれ防止する弁６４を備える。図１５による実施形態では、分配装置３８は、分配チャンバ４０と、分配チャンバ４０内に移動可能に配置されたばね仕掛けのピストン４１とを含む。図１５から容易に分かるように、分配チャンバ４０は、混合チャンバ３９に相当する。それゆえ、分配装置３８の作動時に、マイクロポンプ３６，３７は、一回分の第１の流体６及び一回分の第２の流体８が分配チャンバ４０、すなわち混合チャンバ３９に流入することができように作動され、それによって化粧用組成物２が生成される。次いで、前記化粧用組成物２を、ピストン４１の作動時に分配チャンバ４０から分配することができ、化粧用組成物２が、分配チャンバ４０の内壁５７とピストン４１との間に形成された流体通路５６を通って流れる。図１２及び図１３の実施形態とは対照的に、図１５による流体ディスペンサ１は、分配チャンバ４０、すなわち混合チャンバ３９と、混合チャンバ３９、すなわち分配チャンバ４０の外部６６との間の流体連通を可能にする第１の平衡装置６５を備える。混合チャンバ３９（分配チャンバ４０）の外部６６は、周辺空気などの平衡流体を含む。第１の平衡装置６５は、ここでは、混合チャンバ３９（分配チャンバ４０）を外部６６に接続する流体通路６７内に配置されたボール５２を有する弁に相当する。混合チャンバ３９（分配チャンバ４０）から化粧用組成物２が分配された後、ピストン４１は、分配チャンバ４０の底壁５５に向かって下方に移動し、ピストン４１のばね仕掛けの設計により、ピストン４１が自動的に再び押し上げられる。この上方への移動中に、第１の平衡装置６５が作動し、図１２及び図１３を参照して説明してきた状態と同様に、毛管力又はピストン４１の移動によって生じる圧力差の結果として、平衡流体が外部６６から混合チャンバ３９（分配チャンバ４０）に引き込まれる。その結果、休止状態では、すなわち、作動後であるものの分配装置３８の更なる作動前には、平衡流体が混合チャンバ３９（分配チャンバ４０）内に存在する。

図１２～図１５による流体ディスペンサ１の混合チャンバ３９は、いずれの場合にも、剛性材料を含むか、又は剛性材料からなる。更に、混合チャンバ３９は、ハウジング３又はディスペンサヘッド４の一体部分として構成される。これは、ハウジング３又はディスペンサヘッド４とは別個の構成要素を構成し、可撓性の圧縮性材料で形成される、図１６による流体ディスペンサ１の混合チャンバ３９とは対照的である。図１６の実施形態では、第１及び第２の計量供給装置３６，３７は、対応する流体通路５１，６３を介して混合チャンバ３９に接続されたマイクロポンプに相当する。分配装置３８の作動時に、一回分の第１及び第２の流体６，８が、マイクロポンプ３６，３７によって生成され、対応する流体通路５１，６３を介して混合チャンバ３９に流入することができ、それによって化粧用組成物２が生成される。本実施形態の分配装置３８は、作動時に混合チャンバ３９に圧力を及ぼすように構成された圧力アセンブリ４４を含み、それにより、化粧用組成物２が混合チャンバ３９からディスペンサヘッド４に移送される。圧力アセンブリ４４は、流体の形態の圧力要素と、第２の平衡装置４７を介して互いに流体連通している第１の圧力チャンバ４５及び第２の圧力チャンバ４６とを含む。第２の平衡装置４７は、ここでは、第１の圧力チャンバ４５を第２の圧力チャンバ４６に接続する流体通路６８内に配置されたポンプに相当する。混合チャンバ３９は、第２の圧力チャンバ４６内に配置されている。圧力アセンブリ４４は、圧力アセンブリ４４の作動時に、圧力要素の少なくとも一部を第１の圧力チャンバ４５から第２の圧力チャンバ４６に移送するように構成される。このようにして、圧力要素は、混合チャンバ３９に圧力を及ぼす。ディスペンサヘッド４の押圧など、分配装置３８の更なる作動時に、化粧用組成物２は、混合チャンバ３９からディスペンサヘッド４に移送され、圧力要素は、第２の圧力チャンバ４６から第１の圧力チャンバ４５に戻される。

図１７ａ～図１７ｃは、分配装置３８の可能な作動を概略的に示している。前述したように、分配装置３８は、第１のステップで、一回分の第１の流体６及び一回分の第２の流体８を生成するために第１の計量供給装置３６及び第２の計量供給装置３７を作動させ、時間的に見て第１のステップの後に行われる第２のステップで、混合エリア１８からディスペンサヘッド４に化粧用組成物２を移送するように構成される。

このために、分配装置３８は、段階的に動作し、ユーザにフィードバックＦを提供するように構成された作動装置６９を備えることが好ましい。図１７ａ～図１７ｃでは、作動装置６９は、ユーザが押すことができるボタン又はスイッチなどの操作要素７０を備え（図１７ａを参照）、ボタン又はスイッチ７０は、第１の計量供給装置３６及び第２の計量供給装置３７に接続されている。前記ボタン又はスイッチ７０は、ユーザによる最初の押し下げにより、第１の段階で計量供給装置３６，３７が作動し、それにより、一回分の第１の流体６及び一回分の第２の流体８が生成されるように構成される（図１７ｂ参照）。好ましくは予め設定された時間の後に、それは、混合エリアにおける一回分の第１の流体及び一回分の第２の流体の存在を示し、作動装置は、ユーザにフィードバックＦを提供する（図１７ｃを参照）。フィードバックＦに応じて、ユーザは、次いで、作動装置６９の第２の段階を作動させることができ、その結果、分配装置３８は、第２の段階で化粧用組成物２を混合エリア１８からディスペンサヘッド４に移送する。この第２の段階による作動は、様々な方法で実現することができる。例えば、分配装置３８が可動ピストンの形態の作動要素４１を備える場合（図１２～図１５を参照）、作動装置６９の第２の段階の作動は、ディスペンサヘッド４の機械的な作動に相当する。すなわち、ディスペンサヘッド４が押し下げられ、前記動作がピストン４１に伝達され、それにより、化粧用組成物２が混合チャンバ３９から分配される。このために、ボタン又はスイッチ７０がディスペンサヘッド４に配置されていて、作動装置６９がディスペンサヘッド４も備えることが好ましい。しかし、ボタン又はスイッチ７０は、流体ディスペンサ１の他の部分、例えば、ハウジング３の外側に配置されていることが同様に考えられる。分配装置３８が圧力アセンブリ４４を備える場合（図１６を参照）、作動装置６９の第２の段階の作動は、圧力アセンブリ４４の機械的及び非機械的、好ましくは電気的な作動に相当することが好ましく、機械的な作動は、ディスペンサヘッド４を下方に押圧する又は移動させることによって行われ、非機械的な作動は、第２の平衡装置４７の作動によって行われ、第２の平衡装置４７は、第２の圧力チャンバ４６から第１の圧力チャンバ４５に圧力要素を戻す移送を実現する。このために、ボタン又はスイッチ７０は、圧力要素を第１の圧力チャンバ４５から第２の圧力チャンバ４６に、又はその逆に移送するように、圧力アセンブリ４４を作動させるように更に構成されることが好ましい。前記ボタン又はスイッチ７０は、ディスペンサヘッド４又は流体ディスペンサ１の任意の他の部分、例えば、ハウジング３の外側などに配置することができる。

図１８は、分配チャンバ４０と、分配チャンバ４０内に変位可能に配置された作動要素４１とを備える分配装置３８の別の実施形態を示している。ここで、作動要素４１は、ばね仕掛けのピストンであり、ピストン４１は、分配チャンバ４０内に配置されるとともに、分配チャンバ４０の外側に配置されたばね５３と動作可能に接続されている。分配チャンバ４０は、対応する流体通路５１，６３を介して、第１の収容部１６及び第２の収容部１７と流体連通している。分配チャンバ４０は、ディスペンサヘッド４及びベンチュリノズル４８と更に流体連通している。ベンチュリノズル４８は、第１の流体６及び／又は第２の流体８が通流するときに、ベンチュリ効果、すなわち流体圧力の低下を実現するパイプ又はチューブに相当する。本例において、ベンチュリノズル４８を構成するパイプ又はチューブは、分配チャンバ４０とディスペンサヘッド４との間に配置されている。図１８から分かるように、第１の収容部１６と接続されている流体通路５１は、ベンチュリノズル４８に合流し、それにより、混合エリア１８は、前記流体通路５１がベンチュリノズル４８に合流する領域でベンチュリノズル４８内に設けられている。ただし、第２の収容部１７と接続されている流体通路６３は、分配チャンバ４０に接続される。分配チャンバ４０内で、第２の収容部１７と接続されている流体通路６３が分配チャンバ４０に合流する領域には、ボール５２を有する弁６４が配置されている。上で概説したように、前記弁６４は、ピストン４１の作動中に分配チャンバ４０から第２の収容部１７への流体６，８の不要な押し出しを防止する。分配チャンバ４０内で作動要素４１によって画定される容積Ｖを増加させるように近位方向Ｐに沿って作動要素４１を引くことによって、ユーザが分配装置３８を作動させた場合、第１のステップでは、第２のリザーバ７から分配チャンバ４０内に一回分の第２の流体８が引き出される。次いで、近位方向Ｐとは反対側に進む遠位方向Ｄに沿って作動要素４１を押すことにより、ユーザが分配装置３８を更に作動させると、第２の流体８は、ベンチュリノズル４８を介して分配チャンバ４０からディスペンサヘッド４に向かって分配される。第２の流体８がベンチュリノズル４８を通流する間に、一回分の第１の流体６が、ベンチュリ効果の結果として、第１の収容部１６からベンチュリノズル４８に引き込まれる。それにより、化粧用組成物２がベンチュリノズル４８内で生成される。遠位方向Ｄに沿った作動要素４１の前記押し込み動作中に、化粧用組成物２は、生成されるだけでなく、ディスペンサヘッド４から容易に分配される。

これらの異なる実施形態には、異なる分配サイクルが関連する。分配サイクルは、ここでは、一回分の第１の流体６を生成するように第１の計量供給装置３６を作動させ、次いで、その一回分の用量が混合エリア１８に流入し、化粧用組成物２を分配のために混合エリア１８からディスペンサヘッド４に移送するプロセスとして理解される。図１２及び図１３に示される実施形態に関連する分配サイクルは、以下の通りである。すなわち、第１の計量供給装置３６及び第２の計量供給装置３７を後続の２つの分配サイクル中に交互に作動させる。この場合、分配サイクルの初期状態では、第２の計量供給装置３７がピストンポンプによって設けられているため、一回分の第２の流体８が既に生成されており、ピストンポンプは、前回の分配サイクルでの分配装置３８の作動後に、第２の収容部１７から混合チャンバ３９（図１２）又は分配チャンバ４０（図１３）に一回分の第２の流体８を自動的に引き込む。ユーザは、化粧用組成物２を利用したい場合に、例えば、上述されたようなボタン又はスイッチ７０を押すことにより、第１のステップで分配装置３８を作動させ、分配装置３８は、一回分の第１の流体６を生成するために、マイクロポンプ３６を作動させる。前記一回分の用量は、混合エリア１８に流入し、先の分配サイクルで生成された一回分の第２の流体８と混合することができ、それによって化粧用組成物２が生成される。化粧用組成物２は、生成されるとすぐに、第１のステップの後に行われる第２のステップで、例えば、ディスペンサヘッド４を押し下げることにより、流体ディスペンサ１から分配することができる。図１４ａ～図１６に示される実施形態による化粧用組成物２の生成は、同じ分配サイクル中に行われる。すなわち、マイクロポンプの形態の第１及び第２の計量供給装置３６，３７の交互作動又は同時作動のいずれかが第１のステップで行われ、一回分の第１の流体６及び一回分の第２の流体８が生成され、混合チャンバ３９に流入することができ、それによって化粧用組成物２が生成される。すなわち、初期状態では、第１の流体６も第２の流体８も混合チャンバ内に存在していない。マイクロポンプ３６，３７の作動は、好ましくは、上で概説したような、ユーザが触ったり押したりすることができるボタン又はスイッチ７０によって達成される。その後、化粧用組成物２は、例えば、ディスペンサヘッド４を押し下げることにより（図１４ａ、図１４ｂ、及び図１５）、又は圧力アセンブリ４４を作動させることにより（図１６）、混合チャンバ３９から分配される。図１８による実施形態の場合、第１及び第２の計量供給装置３６，３７が交互に作動し、分配チャンバ４０及びピストン４１によって設けられた第２の計量供給装置３７が、近位方向Ｐに沿ってピストン４１を引くことによって第１のステップで作動させられ、ベンチュリノズル４８によって設けられた第１の計量供給装置３６が、遠位方向Ｄに沿ってピストン４１を押すことによって第２のステップで作動させられる。本明細書で説明した全ての実施形態は、分配装置３８が作動させられた場合にのみ、混合エリア１８が第１の流体６及び第２の流体８の両方を含むように、分配装置３８が構成される点で共通する。言い換えれば、化粧用組成物２は、ユーザによって作動させられた場合にのみ生成される。

１ 流体ディスペンサ
２ 化粧用組成物
３ ハウジング
３ａ～３ｃ ハウジング部
４ ディスペンサヘッド
５ リザーバ
６ 流体
７ リザーバ
８ 流体
９，９’ 液滴生成器
１０ 液滴
１１ 流体通路
１２ 流体通路
１３ 流体通路
１６ 収容部
１６ａ アクティブな収容部
１７ 収容部
１８ 混合エリア
１９ レベルインジケータ
２０ 弁
２１ａ～２１ｆ 壁
２２ 内部空間
２３ 開口
２４ 閉鎖要素
２５ ガイドレール
２６ 作動要素
２７ プランジャ
２８ ピストン
２９ 遠位端
３０ 近位端
３１ ばね要素
３２ 下端
３３ 上端
３４ 上端
３５ インタフェース
３６ 第１の計量供給装置
３７ 第２の計量供給装置
３８ 分配装置
３９ 混合チャンバ
４０ 分配チャンバ
４１ 作動要素
４４ 圧力アセンブリ
４５ 第１の圧力チャンバ
４６ 第２の圧力チャンバ
４７ 第２の平衡装置
４８ ベンチュリノズル
４９ 作動デバイス
５０ 流体通路
５１ 流体通路
５２ ボール
５３ ばね
５４ 通路
５５ 底壁
５６ 流体通路
５７ 内壁
５８ 流体通路
５９ ばね
６０ａ，６０ｂ 接続要素
６１ 上壁
６２ 流体通路
６３ 流体通路
６４ 弁
６５ 第１の平衡装置
６６ 外部
６７ 流体通路
６８ 流体通路
６９ 作動装置
７０ 操作要素
Ｓ 作動信号
Ｒ 回転軸
Ｌ 中心長手方向軸
ｄａ 直径
ｄｃ 直径
ＣＤ 断面
ＣＰ 断面
Ｆ フィードバック
Ｐ 近位方向
Ｄ 遠位方向
Ｖ 容積

Claims (36)

1. 化粧用組成物（２）を分配するための流体ディスペンサ（１）であって、
   ハウジング（３）と、
   前記ハウジング（３）に配置されているとともに、前記流体ディスペンサ（１）から前記化粧用組成物（２）を分配するように構成されたディスペンサヘッド（４）と、
   前記ハウジング（３）に設けられた少なくとも１つの第１の収容部（１６）であって、第１の流体（６）を含む第１のリザーバ（５）に接続可能である第１の収容部（１６）と、
   前記ハウジング（３）に設けられた少なくとも１つの第２の収容部（１７）であって、第２の流体（８）を受けるように構成された第２のリザーバ（７）に接続可能であるか、又は接続されている、第２の収容部（１７）と、
   を備え、
   前記流体ディスペンサ（１）は、
   前記ディスペンサヘッド（４）、前記第１の収容部（１６）、及び前記第２の収容部（１７）と流体連通している混合エリア（１８）を更に備え、
   前記混合エリア（１８）は、前記混合エリア（１８）内で一回分の前記第１の流体（６）が前記第２の流体（８）と混合されると、前記化粧用組成物（２）が生成されるように構成され、
   少なくとも分配装置（３８）と、
   少なくとも第１の計量供給装置（３６）及び少なくとも第２の計量供給装置（３７）と、
   を更に備え、
   前記分配装置（３８）は、前記流体ディスペンサのユーザによる作動時に、前記第１の計量供給装置（３６）及び前記第２の計量供給装置（３７）を作動させるように構成され、
   前記第１の計量供給装置（３６）は、前記第１の収容部（１６）及び前記混合エリア（１８）と流体連通しており、
   前記第２の計量供給装置（３７）は、前記第２の収容部（１７）及び前記混合エリア（１８）と流体連通しており、
   前記第１の計量供給装置（３６）は、前記分配装置（３８）による作動時に、前記分配装置（３８）によって生成された第１の計量供給装置トリガ信号の受信時に、前記一回分の前記第１の流体（６）を生成するように構成され、
   前記第２の計量供給装置（３７）は、前記分配装置（３８）による作動時に、前記分配装置（３８）によって生成された第２の計量供給装置トリガ信号の受信時に、一回分の前記第２の流体（８）を生成するように構成され、
   前記分配装置（３８）、前記第１の計量供給装置（３６）、前記第２の計量供給装置（３７）のうちの少なくとも１つに力を供給するように構成された少なくとも１つの力供給源を更に備え、
   次の（ｉ）及び（ｉｉ）の少なくとも一方であり、
   （ｉ）前記第１の計量供給装置は、（ａ）約１マイクロリットル～２００マイクロリットルの範囲又は（ｂ）４０マイクロリットル未満となる前記一回分の前記第１の流体を調製するように構成され、前記第２の計量供給装置は、（ａ）約１マイクロリットル～２００マイクロリットルの範囲又は（ｂ）４０マイクロリットル未満となる前記一回分の前記第２の流体を調製するように構成される、及び
   （ｉｉ）前記第１の計量供給装置（３６）及び前記第２の計量供給装置（３７）は、マイクロポンプである、
   前記分配装置（３８）と前記第１の計量供給装置（３６）とは、互いに別個に構成され、流体通路（５１）を介して、互いに流体接続され、
   前記分配装置（３８）と前記第２の計量供給装置（３７）とは、互いに別個に構成され、流体通路（６３）を介して、互いに流体接続されている、
   ことを特徴とする、流体ディスペンサ（１）。
2. 前記流体ディスペンサ（１）は、前記化粧用組成物（２）が、分配される本質的に直前に生成されるように構成される、請求項１に記載の流体ディスペンサ（１）。
3. 前記混合エリア（１８）は、前記第１の流体（６）の液滴（１０）を生成するように構成される、請求項１又は２に記載の流体ディスペンサ（１）。
4. 前記分配装置（３８）は、前記第１の計量供給装置（３６）及び前記第２の計量供給装置（３７）が、同時に又は互いに時間的に遅らせて作動させられるように構成され、及び／又は、
   前記分配装置（３８）は、前記第１の計量供給装置トリガ信号及び前記第２の計量供給装置トリガ信号が、前記分配装置（３８）によって同時に又は互いに時間的に遅らせて生成されるように構成される、
   請求項１～３のいずれか１項に記載の流体ディスペンサ（１）。
5. 前記分配装置（３８）は、前記分配装置（３８）が作動させられた場合にのみ、前記混合エリア（１８）が前記第１の流体（６）と前記第２の流体（８）との両方を含むように構成される、請求項１～４のいずれか１項に記載の流体ディスペンサ（１）。
6. 前記分配装置（３８）は、前記化粧用組成物（２）を分配のために前記混合エリア（１８）から前記ディスペンサヘッド（４）に移送するように更に構成される、請求項１～５のいずれか１項に記載の流体ディスペンサ（１）。
7. 前記分配装置（３８）は、第１のステップで、前記一回分の前記第１の流体（６）及び／又は前記一回分の前記第２の流体（８）を生成するために前記第１の計量供給装置（３６）及び／又は前記第２の計量供給装置（３７）を作動させ、時間的に見て前記第１のステップの後に行われる第２のステップで、前記混合エリア（１８）から前記ディスペンサヘッド（４）に前記化粧用組成物（２）を移送するように構成される、請求項６に記載の流体ディスペンサ（１）。
8. 前記分配装置（３８）は、前記混合エリア（１８）を備える、請求項１～７のいずれか１項に記載の流体ディスペンサ（１）。
9. 前記第１の計量供給装置（３６）は、前記ハウジング（３）内、又は前記第１のリザーバ（５）上、又は前記第１のリザーバ（５）内、又は前記ディスペンサヘッド（４）内に設けられている、及び／又は、
   前記第２の計量供給装置（３７）は、前記ハウジング（３）内、又は前記第２のリザーバ（７）上、又は前記第２のリザーバ（７）内、又は前記ディスペンサヘッド（４）内に設けられている、
   請求項１～８のいずれか１項に記載の流体ディスペンサ（１）。
10. 前記混合エリア（１８）は、混合チャンバ（３９）内に設けられており、前記第１の収容部（１６）、前記第２の収容部（１７）、及び前記ディスペンサヘッド（４）は、前記混合チャンバ（３９）と流体連通している、請求項１～９のいずれか１項に記載の流体ディスペンサ（１）。
11. 前記混合チャンバ（３９）は、前記ハウジング（３）内又は前記ディスペンサヘッド（４）内に配置されている、請求項１０記載の流体ディスペンサ（１）。
12. 前記混合チャンバ（３９）は、剛性材料又は可撓性材料及び／若しくは圧縮性材料を含む、請求項１０又は１１に記載の流体ディスペンサ（１）。
13. 前記分配装置（３８）は、分配チャンバ（４０）と、前記分配チャンバ（４０）内に配置された作動要素（４１）とを備え、前記分配チャンバ（４０）は、前記混合チャンバ（３９）及び前記ディスペンサヘッド（４）と流体連通しており、
    前記分配装置（３８）は、前記作動要素（４１）の作動時に、前記化粧用組成物（２）が前記混合チャンバ（３９）から前記ディスペンサヘッド（４）に移送可能であるように構成される、
    請求項１０～１２のいずれか１項に記載の流体ディスペンサ（１）。
14. 前記作動要素（４１）は、前記分配チャンバ（４０）内に変位可能に取り付けられており、前記ディスペンサヘッド（４）は、ばね付勢されていて、前記ハウジング（３）に変位可能に配置されており、又は、
    前記作動要素（４１）は、ばね付勢されていて、前記分配チャンバ（４０）内に変位可能に取り付けられている、
    請求項１３に記載の流体ディスペンサ（１）。
15. 前記ディスペンサヘッド（４）は、前記混合エリア（１８）と流体接続されている、請求項１３又は１４に記載の流体ディスペンサ（１）。
16. 前記分配チャンバ（４０）は、前記混合チャンバ（３９）に相当する、又は、
    前記分配チャンバ（４０）と前記混合チャンバ（３９）とは、互いに別個に構成され、互いに流体接続されている、
    請求項１３～１５のいずれか１項に記載の流体ディスペンサ（１）。
17. 前記分配装置（３８）は、前記作動要素（４１）の作動後に、前記第２の流体（８）が前記第２のリザーバ（７）から前記混合チャンバ（３９）内に移送可能であるように構成される、又は、
    前記流体ディスペンサ（１）は、前記混合チャンバ（３９）と前記混合チャンバ（３９）の外部（６６）との間の流体連通を可能にする少なくとも第１の平衡装置（６５）を更に備え、前記第１の平衡装置（６５）は、前記作動要素（４１）の作動後に、平衡流体が前記混合チャンバ（３９）の前記外部（６６）から前記混合チャンバ（３９）内に移送可能であるように構成される、
    請求項１３～１４のいずれか１項に記載の流体ディスペンサ（１）。
18. 前記分配装置（３８）は、少なくとも１つの圧力アセンブリ（４４）を備え、前記圧力アセンブリ（４４）は、作動時に前記混合チャンバ（３９）に圧力を及ぼし、それにより、前記化粧用組成物（２）が前記混合チャンバ（３９）から前記ディスペンサヘッド（４）に移送可能であるように構成される、請求項１０～１２のいずれか１項に記載の流体ディスペンサ（１）。
19. 前記圧力アセンブリ（４４）は、流体の圧力要素と、互いに流体連通している少なくとも第１の圧力チャンバ（４５）及び第２の圧力チャンバ（４６）とを備え、
    前記混合チャンバ（３９）は、前記第２の圧力チャンバ（４６）内に配置されており、
    前記圧力アセンブリ（４４）は、前記圧力アセンブリ（４４）の作動時に、前記圧力要素の少なくとも一部が前記第１の圧力チャンバ（４５）から前記第２の圧力チャンバ（４６）内に移送され、それにより、前記化粧用組成物（２）が前記混合チャンバ（３９）から前記ディスペンサヘッド（４）に移送可能であるように構成される、
    請求項１８に記載の流体ディスペンサ（１）。
20. 前記第１の計量供給装置及び／又は前記第２の計量供給装置は、液滴生成器（９，９’）であり、前記液滴生成器（９，９’）は、前記ディスペンサヘッド（４）、前記第１の収容部（１６）、及び前記第２の収容部（１７）と流体連通していて、前記第１の流体（６）が前記液滴生成器（９，９’）内で流れるときに、前記第１の流体（６）の液滴（１０）を生成するように構成され、
    前記液滴生成器（９）は、前記混合エリア（１８）を備える、又は、
    前記液滴生成器（９’）は、前記混合エリア（１８）と流体連通している、
    請求項１～９のいずれか１項に記載の流体ディスペンサ（１）。
21. 前記混合エリア（１８）は、第１の流体通路（１１）及び第２の流体通路（１２）をそれぞれ介して、前記第１の収容部（１６）及び前記第２の収容部（１７）と流体連通しており、前記第１の流体通路（１１）は、前記第１の流体の液滴（１０）が前記第２の流体（８）中に分散し、それにより、前記化粧用組成物（２）が生成されるように、前記混合エリア（１８）内で前記第２の流体通路（１２）に合流している、請求項１～２０のいずれか１項に記載の流体ディスペンサ（１）。
22. 前記第１の収容部（１６）と前記液滴生成器（９’）とは、第１の流体通路（１１）を介して流体連通しており、
    前記第２の収容部（１７）と前記液滴生成器（９’）とは、第２の流体通路（１２）を介して流体連通しており、
    前記液滴生成器（９’）内で生成された前記第１の流体の前記液滴（１０）は、前記液滴生成器（９’）から、前記第２の流体通路（１２）内で流れる前記第２の流体（８）中に分散し、それにより、前記化粧用組成物（２）が生成される、
    請求項２０に記載の流体ディスペンサ（１）。
23. 前記第１の収容部（１６）、前記第１の収容部（１６）と接続されている場合の前記第１のリザーバ（５）、前記第２の収容部（１７）、前記第２の収容部（１７）と接続されている場合の前記第２のリザーバ（７）、前記第１の計量供給装置（３６）、及び前記第２の計量供給装置（３７）のうちの少なくとも１つと連通している少なくとも１つの選択デバイスを更に備え、それにより、選択された一回分の前記第１の流体（６）が、前記第１の収容部（１６）から分配され、及び／又は、選択された一回分の前記第１の流体が、前記第１のリザーバ（５）から分配され、及び／又は、選択された一回分の前記第２の流体（８）が、前記第２の収容部（１７）から分配され、及び／又は、選択された一回分の前記第２の流体（８）が、前記第２のリザーバ（７）から分配され、及び／又は、選択された一回分の前記第１の流体（６）が、前記第１の計量供給装置（３６）によって生成され、及び／又は、選択された一回分の前記第２の流体（８）が、前記第２の計量供給装置（３７）によって生成され、
    前記選択デバイスは、少なくとも第１の選択モードと第２の選択モードとの間で調節可能である、
    請求項１～２２のいずれか１項に記載の流体ディスペンサ（１）。
24. 前記第１の流体（６）は、１種以上の芳香性精油、１種以上の芳香化合物、又はそれらの混合物からなる群から選択され、及び／又は、
    前記第２の流体（８）は、水溶液に相当する、
    請求項１～２３のいずれか１項に記載の流体ディスペンサ（１）。
25. 前記第１のリザーバ（５）は、前記第１の収容部（１６）に取り外し可能に接続可能である第１の容器の形態で設けられており、及び／又は、
    前記第２のリザーバ（７）は、前記第２の収容部（１７）に取り外し可能に接続可能である第２の容器の形態で設けられており、若しくは、
    前記第２のリザーバ（７）は、前記第２の収容部に接続されていて、前記ハウジング（３）の一体部分である、
    請求項１～２４のいずれか１項に記載の流体ディスペンサ（１）。
26. 少なくとも１つの作動デバイス（４９）及び／又は作動装置（６９）を更に備え、
    前記作動デバイス（４９）は、前記第１の収容部（１６）、前記第１の収容部（１６）と接続されている場合の前記第１のリザーバ（５）、前記第２の収容部（１７）、前記第２の収容部（１７）と接続されている場合の前記第２のリザーバ（７）、及び前記ディスペンサヘッド（４）のうちの少なくとも１つに作動信号（Ｓ）を送信し、それにより、前記第１の収容部（１６）からの前記第１の流体（６）の放出、及び／又は、前記第１のリザーバ（５）からの前記第１の流体の放出、及び／又は、前記第２の収容部（１７）からの前記第２の流体（８）の放出、及び／又は、前記第２のリザーバ（７）からの前記第２の流体（８）の放出、及び／又は、前記流体ディスペンサ（１）からの前記化粧用組成物（２）の分配が可能であるように構成され、
    前記作動装置（６９）は、前記第１の計量供給装置（３６）、前記第２の計量供給装置（３７）、前記圧力アセンブリ（４４）のうちの少なくとも１つを作動させ、それにより、前記第１の計量供給装置（３６）による前記第１の流体（６）の液滴（１０）の生成、及び／又は、前記第２の計量供給装置（３７）による前記第２の流体（８）の液滴（１０）の生成、及び／又は、前記圧力アセンブリ（４４）による前記混合チャンバ（３９）から前記ディスペンサヘッド（４）への前記化粧用組成物（２）の移送が可能であるように構成される、請求項１８又は１９に記載の流体ディスペンサ（１）。
27. 前記力供給源は、前記作動デバイス（４９）、前記第１の収容部（１６）、前記第１の収容部（１６）と接続されている場合の前記第１のリザーバ（５）、前記第２の収容部（１７）、前記第２の収容部（１７）と接続されている場合の前記第２のリザーバ（７）、前記作動装置（６９）、前記圧力アセンブリ（４４）、及び前記ディスペンサヘッド（４）のうちの少なくとも１つに力を供給するように構成されている、及び／又は、
    前記第１のリザーバ（５）内の前記第１の流体（６）の量を示すように構成された、及び／又は、前記第２の収容部（１７）内の第２の流体の量を示すように構成された、及び／又は、前記混合チャンバ（３９）内の第１の流体（６）並びに／若しくは第２の流体（８）の量を示すように構成された、及び／又は、前記混合チャンバ（３９）内の化粧用組成物（２）の量を示すように構成された少なくとも１つのレベルインジケータ（１９）を更に備える、
    請求項２６に記載の流体ディスペンサ（１）。
28. 前記ハウジング（３）は、少なくとも第１のハウジング部（３ａ）及び第２のハウジング部（３ｂ）で構成され、
    前記ハウジング（３）の前記第１のハウジング部（３ａ）及び前記第２のハウジング部（３ｂ）は、互いに回転可能に設計されており、
    前記第１の収容部（１６）は、前記ハウジング（３）の前記第１のハウジング部（３ａ）内に配置されており、前記第２の収容部（１７）は、前記ハウジング（３）の前記第２のハウジング部（３ｂ）内に配置されている、請求項１～２７のいずれか１項に記載の流体ディスペンサ（１）。
29. 前記流体ディスペンサは、香水ディスペンサであって、前記化粧用組成物（２）は、香水である、請求項１に記載の流体ディスペンサ（１）。
30. 前記ディスペンサヘッド（４）は、前記作動要素（４１）を通って延在するか又は前記作動要素（４１）と前記分配チャンバ（４０）の内壁（５７）との間に延在する流体通路（５６；５８；６２）を介して、前記混合エリア（１８）と流体接続されている、請求項１５に記載の流体ディスペンサ（１）。
31. 前記液滴生成器（９）は、マイクロ流体デバイスである、請求項２０に記載の流体ディスペンサ（１）。
32. 前記液滴生成器（９’）は、圧電素子を備え、前記第１の流体の前記液滴（１０）は、前記圧電素子の作動時に前記液滴生成器（９’）内で生成される、請求項２２に記載の流体ディスペンサ（１）。
33. 前記第１の容器は、カプセルの形状を有する、及び／又は、前記第２の容器は、カプセルの形状を有する、請求項２５に記載の流体ディスペンサ（１）。
34. 化粧用組成物（２）を分配するための流体ディスペンサ（１）を製造する方法であって、前記方法は、
    ハウジング（３）を設けるステップと、
    前記流体ディスペンサ（１）から前記化粧用組成物（２）を分配するように構成されたディスペンサヘッド（４）を前記ハウジング（３）に配置するステップと、
    第１の流体（６）を含む少なくとも１つの第１のリザーバ（５）に接続可能である少なくとも１つの第１の収容部（１６）を前記ハウジング（３）に設けるステップと、
    第２の流体（８）を受けるように構成された第２のリザーバ（７）に接続可能であるか、又は接続されている少なくとも１つの第２の収容部（１７）を前記ハウジング（３）に設けるステップと、
    前記ディスペンサヘッド（４）、前記第１の収容部（１６）、及び前記第２の収容部（１７）と流体連通している混合エリア（１８）を前記ハウジング（３）に設けるステップと、
    を含み、
    前記混合エリア（１８）は、前記混合エリア（１８）内で一回分の前記第１の流体（６）が前記第２の流体（８）と混合されると、前記化粧用組成物（２）が生成されるように構成され、
    少なくとも分配装置（３８）と、
    少なくとも第１の計量供給装置（３６）及び少なくとも第２の計量供給装置（３７）と、
    を更に備え、
    前記分配装置（３８）は、前記流体ディスペンサのユーザによる作動時に、前記第１の計量供給装置（３６）及び前記第２の計量供給装置（３７）を作動させるように構成され、
    前記第１の計量供給装置（３６）は、前記第１の収容部（１６）及び前記混合エリア（１８）と流体連通しており、
    前記第２の計量供給装置（３７）は、前記第２の収容部（１７）及び前記混合エリア（１８）と流体連通しており、
    前記第１の計量供給装置（３６）は、前記分配装置（３８）による作動時に、前記分配装置（３８）によって生成された第１の計量供給装置トリガ信号の受信時に、前記一回分の前記第１の流体（６）を生成するように構成され、
    前記第２の計量供給装置（３７）は、前記分配装置（３８）による作動時に、前記分配装置（３８）によって生成された第２の計量供給装置トリガ信号の受信時に、一回分の前記第２の流体（８）を生成するように構成され、
    前記分配装置（３８）、前記第１の計量供給装置（３６）、前記第２の計量供給装置（３７）のうちの少なくとも１つに力を供給するように構成された少なくとも１つの力供給源を更に備え、
    次の（ｉ）及び（ｉｉ）の少なくとも一方であり、
    （ｉ）前記第１の計量供給装置は、（ａ）約１マイクロリットル～２００マイクロリットルの範囲又は（ｂ）４０マイクロリットル未満となる前記一回分の前記第１の流体を調製するように構成され、前記第２の計量供給装置は、（ａ）約１マイクロリットル～２００マイクロリットルの範囲又は（ｂ）４０マイクロリットル未満となる前記一回分の前記第２の流体を調製するように構成される、及び
    （ｉｉ）前記第１の計量供給装置（３６）及び前記第２の計量供給装置（３７）は、マイクロポンプである、
    前記分配装置（３８）と前記第１の計量供給装置（３６）とは、互いに別個に構成され、流体通路（５１）を介して、互いに流体接続され、
    前記分配装置（３８）と前記第２の計量供給装置（３７）とは、互いに別個に構成され、流体通路（６３）を介して、互いに流体接続されている、
    方法。
35. 前記流体ディスペンサ（１）は、香水ディスペンサであって、前記化粧用組成物（２）は、香水である、請求項３４に記載の方法。
36. 化粧用組成物（２）を分配するための流体ディスペンサ（１）の使用であって、前記流体ディスペンサ（１）は、香水ディスペンサであって、前記化粧用組成物（２）は、香水であり、前記流体ディスペンサ（１）は、
    ハウジング（３）と、
    前記ハウジング（３）に配置されているとともに、前記流体ディスペンサ（１）から前記化粧用組成物（２）を分配するように構成されたディスペンサヘッド（４）と、
    前記ハウジング（３）に設けられた少なくとも１つの第１の収容部（１６）であって、第１の流体（６）を含む第１のリザーバ（５）に接続可能である第１の収容部（１６）と、
    前記ハウジング（３）に設けられた少なくとも１つの第２の収容部（１７）であって、第２の流体（８）を受けるように構成された第２のリザーバ（７）に接続可能であるか、又は接続されている、第２の収容部（１７）と、
    を備え、
    前記流体ディスペンサ（１）は、
    前記ディスペンサヘッド（４）、前記第１の収容部（１６）、及び前記第２の収容部（１７）と流体連通している混合エリア（１８）を更に備え、
    前記混合エリア（１８）は、前記混合エリア（１８）内で一回分の前記第１の流体（６）が前記第２の流体（８）と混合されると、前記化粧用組成物（２）が生成されるように構成され、
    少なくとも分配装置（３８）と、
    少なくとも第１の計量供給装置（３６）及び少なくとも第２の計量供給装置（３７）と、
    を更に備え、
    前記分配装置（３８）は、前記流体ディスペンサのユーザによる作動時に、前記第１の計量供給装置（３６）及び前記第２の計量供給装置（３７）を作動させるように構成され、
    前記第１の計量供給装置（３６）は、前記第１の収容部（１６）及び前記混合エリア（１８）と流体連通しており、
    前記第２の計量供給装置（３７）は、前記第２の収容部（１７）及び前記混合エリア（１８）と流体連通しており、
    前記第１の計量供給装置（３６）は、前記分配装置（３８）による作動時に、前記分配装置（３８）によって生成された第１の計量供給装置トリガ信号の受信時に、前記一回分の前記第１の流体（６）を生成するように構成され、
    前記第２の計量供給装置（３７）は、前記分配装置（３８）による作動時に、前記分配装置（３８）によって生成された第２の計量供給装置トリガ信号の受信時に、一回分の前記第２の流体（８）を生成するように構成され、
    前記分配装置（３８）、前記第１の計量供給装置（３６）、前記第２の計量供給装置（３７）のうちの少なくとも１つに力を供給するように構成された少なくとも１つの力供給源を更に備え、
    次の（ｉ）及び（ｉｉ）の少なくとも一方であり、
    （ｉ）前記第１の計量供給装置は、（ａ）約１マイクロリットル～２００マイクロリットルの範囲又は（ｂ）４０マイクロリットル未満となる前記一回分の前記第１の流体を調製するように構成され、前記第２の計量供給装置は、（ａ）約１マイクロリットル～２００マイクロリットルの範囲又は（ｂ）４０マイクロリットル未満となる前記一回分の前記第２の流体を調製するように構成される、及び
    （ｉｉ）前記第１の計量供給装置（３６）及び前記第２の計量供給装置（３７）は、マイクロポンプである、
    前記分配装置（３８）と前記第１の計量供給装置（３６）とは、互いに別個に構成され、流体通路（５１）を介して、互いに流体接続され、
    前記分配装置（３８）と前記第２の計量供給装置（３７）とは、互いに別個に構成され、流体通路（６３）を介して、互いに流体接続されている、
    使用。
    

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