JP7537179B2 - 蛍光印刷物 - Google Patents

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Description

本発明は、蛍光顔料を用いて有効期限等の改竄を防止できる蛍光印刷物に関する。
蛍光顔料は励起光の照射により発光する。しかも、その耐光性は蛍光顔料の種類に応じて異なっている。例えば、ある蛍光顔料は耐光性が高く、このため、長期間太陽光や自然光に晒した後でも、励起光を照射すると発光する。これに対し、別の蛍光顔料は耐光性が低く、太陽光や自然光に晒すと比較的短期間で失活し、この後励起光を照射しても発光しない。
このような蛍光顔料の性質を利用して、例えばチケット等の印刷物の有効期限の改竄を防止する技術が特許文献1及び2に記載されている。
これら技術においては、2種類以上の蛍光顔料を使用する。例えば、2種類以上のこれら蛍光顔料を含む単一の印刷インキで印刷画像を印刷する。あるいは、2種類以上のこれら蛍光顔料をそれぞれ含む2種類以上の印刷インキで重ね刷りする。いずれの場合にも、印刷形成された印刷画像には、2種類以上のこれら蛍光顔料が含まれている。
2種類以上のこれら蛍光顔料の発光色は互に異なっている。このため、この印刷画像に励起光を照射すると、これら蛍光顔料の発光色が混合した混合色に発光する。
一方、2種類以上のこれら蛍光顔料の耐光性は互に異なっている。このため、一定期間、例えばチケットの有効期間を経過した後に励起光を照射すると、耐光性が高い蛍光顔料は発光するが、耐光性が低い蛍光顔料は発光しない。このため、印刷画像は、耐光性が高い蛍光顔料の発光色に発光する。
このように、一定期間経過の有無で印刷画像の発光色が異なるため、その発光色を確認することで、有効期限を経過したものか否かを判断できる。この有効期限を改竄した場合であっても、その改竄に惑わされることなく、的確に有効期限の経過の有無を判断できるのである。
しかも、その確認・判断は励起光を照射して行うもので、この励起光を照射しない太陽光下あるいは自然光のもとでは、このような判別手段が施されていることも分からないから、これを偽造することも不可能である。
特許5793953号公報 特開2019-19240号公報
しかしながら、特許文献1に記載の印刷物では12時間という短時間で印刷画像の発光色が変化する。特許文献2に記載の印刷物でもせいぜい30時間でその発光色が変化する。
そこで、これ以上の長い有効期限を持つ印刷物に適用しようとすると、使用できる蛍光
顔料に制約があった。
さらに、特許文献1では耐光性が異なる2種の蛍光インキ層を分けて印刷しており、作業効率が劣る。特許文献2では蛍光インキを有色インキとしているため、励起光を照射しない目視の状態でも蛍光インキ部が視認でき、蛍光印刷物であることがわかってしまう。
特許文献1及び特許文献2では有効期限等の改竄を防止することを目的としているが、このような改竄に加えて、印刷物そのものの偽造や贋造を防止する技術も強く望まれている。
そこで、本発明は、蛍光印刷部が目視で視認困難であり、有効期限等の改竄防止と共に印刷物そのものの偽造や贋造を防止でき、しかも、使用できる蛍光顔料の制約が少なく作業効率が低下しない蛍光印刷物を提供することを目的とする。
すなわち、請求項1に記載の発明は、基材上に、2種類以上の蛍光顔料を含む印刷画像を有する印刷物であって、
2種類以上の前記蛍光顔料は、励起光を吸収して発光する発光色が互に異なり、
前記蛍光顔料の1つは、励起光を照射しない環境下では白色であり、かつキセノンランプの光を出力100W/cm で48時間超照射すると発光が消失し、
前記蛍光顔料の他の1つは、励起光を照射しない環境下では白色であり、かつキセノンランプの光を出力100W/cm で96時間照射した後も発光が持続する蛍光印刷物である。
次に、請求項2に記載の発明は、2種類以上の前記蛍光顔料のうち、少なくとも1種類
の蛍光顔料が無機顔料であり、前記蛍光顔料を被覆する保護層をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の蛍光印刷物である。
2種類以上の前記蛍光顔料のうち、少なくとも1種類の蛍光顔料が有機顔料であってもよい。
次に、請求項4に記載の発明は、前記印刷画像が多数の網点の集合で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の蛍光印刷物である。
次に、請求項5に記載の発明は、2種類以上の蛍光顔料を含む印刷画像を潜像部として、この潜像部と並列配置された背景部を有することを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の蛍光印刷物である。
次に、請求項6に記載の発明は、励起光を照射しない環境下において、前記背景部が前記潜像部と区別し難い同系色であることを特徴とする請求項5に記載の蛍光印刷物である。
本発明によれば、有効期限等の改竄防止と共に印刷物そのものの偽造や贋造を防止でき、しかも、使用できる蛍光顔料の制約が少なく作業効率が低下しないという効果を奏する。
図1は本発明の第1の具体例に係る断面図である。 図2は本発明の第1の具体例に係る蛍光印刷物の平面図である。 図3は本発明の第1の具体例に係り、図3(a)は潜像部を拡大して示す拡大図、図3(b)は背景部を拡大して示す拡大図である。 図4は本発明の第2の具体例に係り、図4(a)は潜像部を拡大して示す拡大図、図4(b)は背景部を拡大して示す拡大図である。 図5は本発明の第3の具体例に係り、図5(a)は潜像部を拡大して示す拡大図、図5(b)は背景部を拡大して示す拡大図である。 図6(a)~(c)は、それぞれ、本発明の別の例に係る断面図である。
(第1の具体例)
以下、添付図面を参照して、本開示の具体例を説明する。図1は本発明の第1の具体例に係る蛍光印刷物の断面図であり、図2はその平面図である。なお、潜像部を構成する網点の形状及び背景部を構成する網点の形状を説明するため、図2に示した潜像部の領域の一部A及び背景部の領域の一部Bを、図3の(a)、(b)に拡大して図示している。
図1から分かるように、この蛍光印刷物100は、この印刷物100そのものの偽造や贋造を防止するもので、このため、基材10上に秘密情報形成層20及び保護層30をこの順に積層して構成したものである。秘密情報形成層20は潜像部21とその背景部22とを並列配置して構成されている。
基材10は任意のシートでよいが、この基材10を透視して潜像部21を読み取ることを防ぐため、潜像部21を透視することができない程度に不透明なものであることが望ましい。このような基材10としては、通常の印刷用紙、カード紙、板紙等の白色の基材が使用できるが、塩化ビニル、ポリエステル等を主材とする白色不透明なプラスチックシートであっても良い。
次に、秘密情報形成層20は潜像部21の内容を秘密情報とし、これと並列配置した背景部22によって前記潜像部21の内容を認識不可能としたものである。このため、潜像部21は例えば、くじ引き券における「あたり」「一等」等の当落を示す文字や記号である。図ではアルファベットの「T」を潜像部21としている。
潜像部21は、2種類以上の蛍光顔料を含む印刷インキを印刷して形成された領域である。2種類以上のこれら蛍光顔料は、白色であり、かつ励起光を吸収して発光する発光色が互に異なると共にその耐光性も互に異なるものである必要がある。
一般に無機系の蛍光顔料が有機系蛍光顔料より耐光性が高いことから、無機系蛍光顔料と有機系蛍光顔料とを組み合わせて使用することを推奨できる。もっとも、これに限らず、耐光性の異なる複数の有機系蛍光顔料を組み合わせて使用することもできる。
なお、このような蛍光顔料を含む印刷インキは、前述の白色かつ耐光性の異なる蛍光顔料と、ニスやメジウムなどの無色のベースインキを混合したものであり、印刷インキ自体は無色となる。
蛍光顔料の耐光性については、JIS L 0841~0843に示されるブルースケール試験等により具体的な指標が求められる。例えば耐光性が高い蛍光顔料をブルースケール6~7級に相当するものとすれば、258MJ/m以上の光を照射しても蛍光発色が退色しない。逆に耐光性が低い蛍光顔料をブルースケール1級に相当するものとすれば、2.15MJ/m以上の光を照射すると蛍光発色が退色または弱くなる。このような指標を用いて目的に応じた耐光性を有する蛍光顔料を選定することができる。
また、2種類以上のこれら蛍光顔料の発光色も任意でよいが、2種類の蛍光顔料を組み合わせて使用する場合には、これら蛍光顔料の発光色が互に補色の関係にあることが望ま
しい。この場合、期限を経過した後励起光を照射すると耐光性の低く失活した蛍光顔料は発光せず、残余の蛍光顔料が発光するとき、失活の前後の色変化が大きくなって判別しやすくなり、期限経過を明瞭に表示することができる。
なお、期限経過を蛍光顔料の発光色の変化により表示するためには、これら蛍光顔料の発光色が退色するまでに要する時間を適切なものにすることが望ましい。例えば1日~1週間で退色するものを選定する等、印刷物の用途や有効期限、使用場所の環境などに合わせて選定して使い分けることができる。このように、本発明に係る蛍光印刷物は幅広い応用が可能であり、これに用いる蛍光顔料は多様な顔料の中から組み合わせられるため、選定の幅が拡がる。
図3(a)に示すように、潜像部21は、2種類以上の蛍光顔料を含む前記印刷インキの網点21aの集合で構成されている。潜像部21の濃度に応じて、この印刷インキに含まれる蛍光顔料が失活して励起光照射下でも発光しないようになる時間が異なる。潜像部21の濃度は網点21aの径や基材10の表面に占める面積で調整することができる。
基材10の表面に占める網点21aの面積は10~80%の間でよく、その面積が多くなるほど潜像部21の濃度が高くなり、蛍光顔料が失活するまでの時間も長くなる。
一方、背景部22は、蛍光顔料を含有しない汎用の印刷用インキを印刷して形成することができる。光沢のあるグロス調の印刷用インキと光沢のないマット調の印刷用インキのいずれであってもよい。
励起光を照射しない環境下において、背景部22は潜像部21と区別し難いことが望ましく、このため、背景部22は潜像部21とは同系色の白色であることが望ましい。なお、基材10の表面が白色である場合には、背景部22を構成するインキとして無色のインキを使用することも可能である。
また、このように基材10の表面が白色である場合には、後述するように、背景部22はこの基材10の表面で構成することができる。すなわち、この場合には、背景部22には何も印刷せず、むき出しになった基材10表面が背景部22を構成する。
ところで、印刷用インキを印刷して背景部22を構成する場合には、この背景部22も、潜像部21と同様に、印刷インキの網点22aの集合で構成されている。図3(b)は、この状態を説明するため背景部22の一部領域Bを拡大して示す拡大図である。背景部22の濃度も網点22aの径や基材10の表面に占める面積で調整することができる。基材10の表面に占める網点22aの面積も10~80%の間でよい。
なお、第2の具体例として後述するように、濃度の低い網点を潜像部21と背景部22とを含む全面にランダムに点在させてもよい。
また、第3の具体例として後述するように、潜像部21を構成する多数の網点21aのうち一部に白抜けの領域を設けることができ、背景部22を構成する多数の網点22aにも一部に白抜けの領域を設けることができる。
次に、保護層30は潜像部21とその背景部22とで構成される秘密情報形成層20を保護するもので、無色透明な印刷用インキを印刷して形成することができる。潜像部21の表面凹凸とその背景部22表面凹凸とが異なり、このため、両表面の間に光沢の差がある場合には、この保護層30を設けることによってその光沢の差を解消して、潜像部21の認識を困難とすることができる。
保護層30を構成する印刷用インキとしては、光沢のあるグロス調の印刷用インキと光
沢のないマット調の印刷用インキのいずれであってもよく、いずれを使用しても潜像部21の表面と背景部22表面との間の光沢の差を解消することができる。
なお、これら潜像部21、背景部22及び保護層30は、常用の印刷方法で印刷形成することができる。例えば、オフセット印刷法、グラビア印刷法、凸版印刷法、スクリーン印刷法等である。また、そのメジウムあるいはバインダーも任意でよい。例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、塩素化ポリプロピレン系樹脂等である。
この蛍光印刷物100では、励起光を照射しない環境下においては潜像部21の存在自体を認識することができない。白色の蛍光顔料はニスのような色味になるため背景部用印刷インキあるいは白色基材表面と同色に見えるので、潜像部21は目視では視認しづらくなるためである。
これに対し、紫外線等の励起光を照射すると、潜像部21に含有される2種類以上の蛍光顔料が発光して、その混合色が観察できる。一方、背景部22は発光しないから、そのコントラストで潜像部21の内容を認識できる。
また、期限経過後には、励起光を照射しても、耐光性が低く失活した蛍光顔料は発光しないから、その発光色が変化し、有効期限が経過したことが分かる。
このように、潜像部21の存在自体が認識困難であるから、印刷物そのものの偽造や贋造を防止でき、仮にその存在を認知しても、これが有効期限の経過の有無を示すものであることは認識し難いから、有効期限等の改竄を一層確実に防止できる。しかも、蛍光顔料選択の幅が大きいのである。
以上、基材10上に潜像部21とその背景部22とを並列配置して秘密情報形成層20を構成し、この秘密情報形成層20を被覆して保護層30を設けた蛍光印刷物100を例として説明したが、背景部22や保護層30は本発明に必須ではない。
すなわち、図6(a)に示すように、2種類以上の蛍光顔料を含む前記印刷インキで基材10上に潜像部21を印刷形成して、本発明に係る蛍光印刷物200としてもよい。この場合、潜像部21の周囲で露出した基材10表面が背景部23となる。保護層30は存在しない。
この場合でも、励起光を照射しない環境下においては、潜像部21と背景部23とは互いに区別し難い同系色(白色)であることが望ましい。すなわち、基材10表面は潜像部21と区別し難い同系色(白色)とする。
そして、このように白色表面の基材10に潜像部21を配置しただけの蛍光印刷物200であっても、励起光を照射しない環境下においては潜像部21の存在自体を認識することができない。これに対し、紫外線等の励起光を照射することにより蛍光顔料が発光して潜像部21の内容を認識できる。また、期限経過後に、励起光を照射すると、その発光色が変化し、有効期限が経過したことが分かる。
次に、図6(b)は、2種類以上の蛍光顔料を含む前記印刷インキで基材10上に潜像部21を印刷形成し、その周囲で露出した基材10表面を背景部23とすると共に、これら潜像部21と背景部23の両者を被覆して保護層30を設けた蛍光印刷物300を示している。
この場合には、潜像部21表面の光沢と基材10表面で構成された背景部23表面の光沢との間に差があったとしても、保護層30がその差を解消して、潜像部21の認識を困難とすることができる。このため、蛍光印刷物300でも励起光を照射しない環境下においては潜像部21の存在自体を認識することができない。
これに対し紫外線等の励起光を照射することにより、蛍光顔料が発光して潜像部21の内容を認識できる。また、期限経過後に励起光を照射すると、その発光色が変化し、有効期限が経過したことが分かる。
次に、図6(c)は、2種類以上の蛍光顔料を含む印刷インキで基材10上に潜像部21を印刷形成し、その周囲に蛍光顔料を含まない印刷用インキを印刷して背景部22とした蛍光印刷物400の断面図である。
この蛍光印刷物400においても、励起光を照射しない環境下においては潜像部21の存在自体を認識することができない。これに対し、紫外線等の励起光を照射することにより蛍光顔料が発光して潜像部21の内容を認識できる。また、期限経過後に、励起光を照射すると、その発光色が変化し、有効期限が経過したことが分かる。
(第2の具体例)
次に、図4を参照して、本発明の第2の具体例を説明する。
図4は本発明の第2の具体例に係り、図4(a)は潜像部21を拡大して示す拡大図、図4(b)は背景部22を拡大して示す拡大図である。この例は、潜像部21と背景部22とを含む全面に濃度の低い網点xをランダムに点在させたもので、その他は第1の具体例と同様である。
このように濃度の低い網点を全面にランダムに点在させることにより、励起光を照射しない環境下において背景部22は潜像部21とのコントラストをより低下させて、潜像部21の認識を一層困難とすることができる。
(第3の具体例)
次に、図5を参照して、本発明の第3の具体例を説明する。図5は本発明の第3の具体例に係り、図5(a)は潜像部21を拡大して示す拡大図、図5(b)は背景部22を拡大して示す拡大図である。この例は、潜像部21及び背景部22の網点21a、22aの一部を、それぞれ、白抜けの領域21b、22bとして設けたもので、その他は第1の具体例と同様である。
このように潜像部21や背景部22を構成する多数の網点に、共に白抜けの領域を設けることにより、潜像部21と背景部22とのコントラストをより低下させて、潜像部21の認識を一層困難とすることができる。
(実施例1)
実施例1は、前述の第2の具体例として示した構成の蛍光印刷物である。
耐光性の高い蛍光顔料1として、紫外線照射によって緑色に発光する無機系白色蛍光顔料を使用し、一方、耐光性の低い蛍光顔料2として、紫外線照射によって黄色に発光する有機系白色蛍光顔料を使用した。そして、これらの白色蛍光顔料を使用して、潜像部印刷用の印刷用インキを調肉した。この印刷用インキは、固形分中に前記高耐光性蛍光顔料1を20質量%、前記低耐光性蛍光顔料2を4質量%含有するものである。この印刷用インキを使用して、白色基材上に潜像部を印刷した。
次に、無色透明なグロスニスとマットニスとを、グロスニス:マットニス=2:8の質量比で配合して、蛍光顔料を含まない背景部印刷用インキを調肉し、背景部を印刷して実
施例1の蛍光印刷物とした。この蛍光印刷物の断面は図6(c)のとおりである。
なお、これら潜像部と背景部の印刷パターンは図4(a)及び(b)に示すとおり、潜像部を前記潜像部印刷用インキの網点の集合で構成し、背景部を前記背景部印刷用インキの網点の集合で構成すると共に、これら潜像部と背景部の全体に渡って濃度の低い網点を、ランダムに点在させたものである。
この蛍光印刷物を目視したところ、潜像部を背景部から区別することができず、潜像部の内容を認識することはできなかった。一方、紫外線を照射したところ、潜像部が黄色に発光した。
次に、この蛍光印刷物に、キセノンランプの光を、出力100W/cmで、48時間照射した後、紫外線を照射して潜像部の発光色を観察した。また、照射時間を、それぞれ、96時間、168時間、240時間として、同様に潜像部の発光色を観察した。
この結果、照射時間が48時間では潜像部は黄色に発光するが、96時間以上照射すると、潜像部の発光色は緑色に変化することが確認できた。
(実施例2)
実施例2は、前述の第1の具体例として示した構成の蛍光印刷物である。
実施例1と同様に白色基材上に潜像部及び背景部を印刷した後、これら潜像部と背景部とを被覆して、透明なアクリル樹脂を塗布して保護層を形成することにより、実施例2の蛍光印刷物とした。この蛍光印刷物の断面は図1のとおりである。
この蛍光印刷物も目視では潜像部の内容を認識することはできなかった。一方、紫外線を照射したところ、潜像部が黄色に発光した。
また、キセノンランプを照射したところ、照射時間が48時間では潜像部は黄色に発光するが、96時間以上照射すると、潜像部の発光色は緑色に変化することが確認できた。
(実施例3)
前述の第3の具体例として実施例3の蛍光印刷物を作製した。
保護層の材質として透明な塩素化ポリプロピレン樹脂を使用した他は、実施例2と同様に実施例3の蛍光印刷物とした。この蛍光印刷物の断面は図1のとおりである。
この蛍光印刷物も目視では潜像部の内容を認識することはできなかった。一方、紫外線を照射したところ、潜像部が黄色に発光した。
また、キセノンランプを照射したところ、照射時間が48時間では潜像部は黄色に発光するが、96時間以上照射すると、潜像部の発光色は緑色に変化することが確認できた。
100,200,300,400:蛍光印刷物
10:基材
20:秘密情報形成層
21:潜像部 21a:潜像部の網点 21b:潜像部の白抜け
22:背景部 22a:背景部の網点 22b:潜像部の白抜け
23:(基材表面による)背景部
30:保護層
x:濃度の低い網点

Claims (8)

  1. 基材上に、2種類以上の蛍光顔料を含む印刷画像を有する印刷物であって、
    2種類以上の前記蛍光顔料は、励起光を吸収して発光する発光色が互に異なり、
    前記蛍光顔料の1つは、励起光を照射しない環境下では白色であり、かつキセノンランプの光を出力100W/cm で48時間超照射すると発光が消失し、
    前記蛍光顔料の他の1つは、励起光を照射しない環境下では白色であり、かつキセノンランプの光を出力100W/cm で96時間照射した後も発光が持続する、
    蛍光印刷物。
  2. 2種類以上の前記蛍光顔料のうち、少なくとも1種類の蛍光顔料が無機顔料であり、
    前記蛍光顔料を被覆する保護層をさらに備える、
    請求項1に記載の蛍光印刷物。
  3. 前記保護層がアクリル樹脂からなる、
    請求項2に記載の蛍光印刷物。
  4. 前記保護層が塩素化ポリプロピレン樹脂からなる、
    請求項2に記載の蛍光印刷物。
  5. 2種類以上の前記蛍光顔料のうち、少なくとも1種類の蛍光顔料が有機顔料であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の蛍光印刷物。
  6. 前記印刷画像が多数の網点の集合で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の蛍光印刷物。
  7. 2種類以上の蛍光顔料を含む印刷画像を潜像部として、この潜像部と並列配置された背景部を有することを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の蛍光印刷物。
  8. 励起光を照射しない環境下において、前記背景部が前記潜像部と区別し難い同系色であることを特徴とする請求項7に記載の蛍光印刷物。
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