JP7534737B2 - 木粉粒子懸濁液及びその製造方法、並びに、木粉粒子懸濁液を使用した塗膜の製造方法 - Google Patents

木粉粒子懸濁液及びその製造方法、並びに、木粉粒子懸濁液を使用した塗膜の製造方法 Download PDF

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特許法第30条第2項適用 (1)富山県産業技術研究開発センター研究報告No.34 2020 P.3-4(発行日:令和2年7月20日 発行者:富山県産業技術研究開発センター) (2)北日本新聞(発行日:令和3年1月6日 発行者:北日本新聞社)
本発明は、木の未成熟材の部分を採取する方法と、懸濁液中に木材の木粉から分離したセルロースナノファーバーとリグニンやヘミセルロースを混在させた木粉粒子懸濁液及びその製造方法並びに木粉粒子懸濁液を使用した塗膜の製造方法に関する。
セルロースナノファイバー(CNF)は、環境に優しい次世代の材料として着目され、チキソ性を負荷するゲルや添加剤、あるいはその強い強度から補強剤として様々な応用が試みられている。しかし、親水性(水に混ざりやすい性質)のCNFを疎水性(水に混ざりにくい性質)のプラスチックなどに混ぜるにはコストがかさむなど、製造コストなどに普及に向けた課題も残っている。
また、スギ木粉の製造に関する研究においては、スギ等の木粉の一部を、リグニンとセルロースナノファイバーからなるリグノセルロースナノファイバー(LCNF)にすることでCNFとリグニンの特長とを持たせることができ、その膜に木材由来の構造に特長を持たせることが研究されている。そして、この木粉を原材料にして適切な条件で混練型WPC用コンパウンドを製造すると、木粉は顔料オーダー(10μm以下)まで微細繊維化できることが報告され、混練型WPC用コンパウンドなどの応用技術が開発されてきた。
非特許文献1には、ナノファイバー製造の基本として、「木質組織を効果的にナノ化する方法としては、紙パルプ分野で行われている、叩解(こうかい)処理が有効と考えられた。叩解プロセスは、パルプ原料を水に浸漬し、機械的にせん断力や圧力を加えることで、太いパルプ繊維をさらに微細な繊維にしたり、表面の一部を毛羽立たせたりすることで(内部・外部フィブリル化)、繊維の絡まり合いや繊維間の水素結合の量を増大させて紙の強度を向上させる方法である。実験室的な叩解処理は、木粉やパルプを固形分濃度5wt%程度で水に分散させた後、ボールミルを用いた湿式粉砕で調製することができる。このような単純な湿式粉砕プロセスでは、その工程で精製等を行っていない。そのため、木質を原料として直接的にナノ解繊した場合、得られた 超微細繊維は、リグニンやヘミセルロースを含有したLCNFである。」と記載されている。
また、木質からの効率的ナノファイバー製造としては、「前項では、湿式ボールミル粉砕によるLCNF製造について述べたが、ボールミル処理は、大量・連続処理が困難であり、高コストなプロセスである。そこで種々の湿式粉砕方法について検討を行った結果、電動石臼タイプ(グラインダー)のディスク型粉砕機(スーパーマスコロイダー、増幸産業(株))が効果的であった(固形分濃度は5wt%程度)。しかし、試験を進めると原料として用いる樹種によってナノ解繊効率が大きく異なり、ボールミルと比較してせん断力の高くないディスクミルでは、広葉樹のような硬質な木質では効率が大きく低下した。装置の運転条件(ディスク間クリアランス、回転数等)を最適化させることも検討したが、より確実な方法として、原料となる木質組織を事前に脆弱化させることによる、効率化プロセスについて検討を進めた。その結果、予備的粗粉砕処理と水熱処理を組み合わせることで木質組織を脆弱化できることが分かった。・・・予備的粉砕処理としては湿式高速カッターミル(ミクロマイスター、増幸産業(株))や乾式でのカッターミル粉砕等による微細化(1mm~100μm程度)が効果を示した。水熱処理は、専用の圧力容器などを用いて100℃以上の加圧熱水により、木質成分を部分的に加水分解させる方法を用いた。前述したように、木質組織の強靱化要因として、積層した細胞壁構造とヘミセルロース等の接着作用がある。上記の予備粉砕処理では、強固な組織構造(タガ様の構造)が部分的に破壊され、水熱処理ではヘミセルロースが部分的に加水分解され、接着剤の作用が弱まる。これらプロセスにより、木質の強靱化要因は部分的に破壊または分解され、木質組織は大きく脆弱化する。最終段階として、ディスクミル処理を行うことで、効率的かつ効果的に木質組織をほぐしてナノファイバーが製造できる。」と記載されている。
ここで、非特許文献2には、「ボカスギ大径材の樹幹内強度分布の解明」と題して、ボカスギのヤング率などを測定した結果が示されている。図9に、非特許文献2における図2~図4を示している。
非特許文献2には、「1 背景 県内のスギ人工林では長伐期化が進んでいます。特に、県西部に多い挿木品種ボカスギは、樹齢60年生以上が6割を占め、丸太の末口直径が30cm以上に成長した大径材の出材が見込まれます(図1)。材の有効利用には、その特徴に応じた用途開発が必要ですが、大径化したボカスギの強度や材質については、これまで十分に分かっていません。そこで、大径化したボカスギ立木1本分について、材質の指標となる密度や仮道管長等と強度の指標となるヤング率を測定し、それらの樹幹内の分布を検討しました。」と記載されている。
また、「2 研究成果の概要 1)材質の樹幹内分布 樹齢62年生のボカスギ(樹高32.9m、胸高直径52cm)1本から4mごとに円盤を切り出し、密度、年輪幅、仮道管長(TL)、ミクロフィブリル傾角(MFA)を測定しました。一般的に樹幹内では、髄周辺の未成熟材の部分は柔軟で弱く、その周囲の成熟材の部分は堅固で強い性質があります。その境界である未成熟界を仮道管長とミクロフィブリル傾角の傾向から算出しました。さらに、実務的な判定指標を検討したところ、未成熟界は年輪幅6mm境界と概ね一致しました(図2、3)。この年輪幅6mm境界は、製材の日本農林規格(JAS)に採用されており、製材工場が使いやすい指標と言えます。密度は、樹高位置が高いほど高くなる傾向がみられました。半径方向(水平方向)では、髄から50mm付近でやや低いものの、概ね一定の傾向がみられました(図4)」と記載されている。
また、非特許文献3には、「木材の心材・辺材、芯持材、未成熟材の理解」として題して、基本単語の概念が説明されている。以下、その要約部分を抜粋する(表1)。
リグノセルロースナノファイバーの製造と樹脂複合化技術 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsk/81/0/81_23/_pdf/-char/ja ボカスギ大径材の樹幹内強度分布の解明taffrc.pref.toyama.jp/nsgc/center/webfile/t1_98327e479120dfec4d4745c3bd8e0cc2.pdf 木材の心材・辺材、芯持材、未成熟材の理解https://kinomemocho.com/zatu_shinzai_shinmochizai.html
本願発明者らは、木粉の一部をリグノセルロースナノファイバー(LCNF)にすることでCNFと両親媒性の特性を持つリグニンの特長を持たせることができ、それを膜にした場合、木粉由来の構造による優れた断熱性と、密着性(付着性)の特長を持たせることができると考えた。その応用としては、暑熱対策用の塗料やその風合いを活かした工芸的な高級品などが挙げられる。また、CNFは強固な水素結合により木粉粒子同士の強固な結合が付加でき、その研究開発を行った。
実験の結果、原料として用いる樹種によっては、ナノファイバーへの解繊効率が異なることや、木材の部位や含水率によって製造される木粉性状が異なった。また、ナノファイバーを含んでいない従来法の木粉を塗料に用いた場合、塗料中で微粉砕した木質粉が凝集、沈殿して、塗料化が困難だった(図10)。すなわち、始めは分散していても、時間の経過に伴って木質粉が凝集、沈殿してしまう点や、木粉同士が強固に結合して、均一な塗膜を形成するという塗料化は困難であった。なお、原料として用いる樹種によっては、せん断力が高い装置が必要になる課題もあった(非特許文献1)。さらに、この木粉を塗料原料とする場合は、バインダーとしてポリプロピレン樹脂などが大量に必要になり、水を加えながらの加工だけで塗料にするようなことは困難であった。また、温度条件などによっては、優れた断熱性を保持させることや、密着性(付着性)に優れた、薄い膜(塗膜)を製造することもできなかった(非特許文献1)。すなわち、セルロースナノファイバーを作製するには、機械的処理で数十回と非常に多く行う必要があるため、生産性が悪かった。また、必要以上に処理を行うと、乾燥過程で膜の収縮が大きく亀裂の問題や、基材との密着性が悪くなり良好な塗膜を形成することが出来なかった。
ここで、塗装材等に好適な木粉粒子懸濁液の原料としては、木材一般からでも採取可能であり、湿式粉砕法により加工することは可能ではあるが、特に木の未成熟材の部分において、水分がある程度保たれているものであれば、伐採された後の切り株であっても、根が付いている場合には、水の循環により水分量が確保されているので、より好ましいことを、本願発明者は、研究により明らかにした。
しかしながら、木の未成熟部分は、木の心材との区別が難しいことに加えて、水分量がある程度保持されている必要があることと、その木材の樹齢等によっては、より上記木粉粒子懸濁液の原料としては好適ではない原料が採取されてしまう恐れがあった。
そこで本発明の目的は、木の未成熟部分が上記木粉粒子懸濁液の原料として好適であることと、その原料を採取する方法(木の未成熟材部分を採取する方法)を提供することを目的とする。また、本発明の目的は、密着性(付着性)に優れた薄い膜(塗膜)で断熱性(熱導電性)に優れた塗料や、水を加えながらの加工だけでも木粉塗膜にすることができる木粉粒子懸濁液及びその製造方法並びに塗膜の製造方法を提供することにある。
本願発明者らは、スギ、ヒノキなどの針葉樹又はミズナラなどの広葉樹を原料とすることで、容易にセルロースナノファイバー(CNF)化できることを発見し、その材料木粉粒子を用いることで木材由来の構造による優れた密着性(付着性)、断熱性(熱導電性)、意匠性(造膜性)を持つ膜が形成できることを見出した。なお、熱帯多雨林では、高温多湿のため土壌中の有機物はすぐに無機物に分解されてしまうが、針葉樹では気温が低いために土壌中の有機物はなかなか分解されずに残っている。
その膜(塗膜)は、木材由来の構造による優れた断熱性と、造膜性に優れる特長を持たせた暑熱対策用の塗料や、その風合いを活かした工芸的な高級品などへの応用が考えられる。さらに、CNFを含有させることで、硬さなどバルク木材より優れた特性を示す膜(塗膜)を作製することができた。
本発明は、スギ、ヒノキなどの針葉樹から又はミズナラなどの広葉樹から、未成熟材の部分を採取する木の未成熟材部分を採取する方法であって、地面から所定高さ位置で伐採された残りの根が付いた木の年輪を判断して、塗装剤(外壁塗装剤、床塗装剤、又は、これらの下地処理剤を含む。)、顔料、吸着剤、防黴(カビ)剤等の木粉粒子懸濁液の原料を切削により採取することを特徴とする木の未成熟材部分を採取する方法である。また、前記未成熟材の部分は、地面からの高さ位置が2m~3mであって、樹齢が約20~30年以上の場合には、その木材の中心から樹齢15年以内の部分であることを特徴とする請求項1記載の木の未成熟材部分を採取する方法である。
ここで、スギにおいてはその心材は粒径数μmが非常に多く、スギ等の根元部の心材は、細胞が未成熟(軟質)である(未成熟材を多く含む。)。この部分は、スギ等の部位によって、微細繊維化のしやすさが異なることや、熱伝導性が低いという特性や、吸湿の機能を有することが分かった。これらの部分は、木材の区分・分級によって、簡便に選別可能である。また、木材の種類によっては、心材や未成熟材の部分はその色調やにおいや年輪等によって選別が可能である(上記機能を見極めるためには、年輪による判断がより好ましい)。そして、前記請求項1又は2記載の木の未成熟材部分より採取したものから、塗装剤(外壁塗装剤、床塗装剤、又は、これらの下地処理剤を含む。)、顔料、吸着剤、防黴(カビ)剤等の懸濁液の原料に、湿式粉砕法により水分の調整(木粉量が水に対し1~20重量%)のみの調整を行なって、塗装剤(外壁塗装剤、床塗装剤、又は、これらの下地処理剤を含む。)、顔料、吸着剤、防黴(カビ)剤等の懸濁液に好適な木粉粒子懸濁液を製造することができる。
また、本発明は木材を衝撃粉砕機などで乾式粉砕した後、湿式粉砕法(木質粉よりも水の重量%が多い条件下で)で処理されるセルロースナノファーバーを含む木粉粒子の懸濁液において、ナノファイバー化された表面をもつ木粉と、懸濁液中に木粉から分離したセルロースナノファーバーとリグニンやヘミセルロースを混在させた状態の木粉粒子懸濁液で、木粉の平均粒径を50μm以下に、かつ、前記懸濁液に含まれるセルロースナノファイバーの濃度を重量比で木粉の50%以下にしたことを特徴とする木粉粒子懸濁液である。また、本発明は、木材を衝撃粉砕機などで乾式粉砕した後、次に湿式粉砕(木質粉よりも水の重量%が多い条件下で)で処理されるセルロースナノファーバーを含む木粉粒子の懸濁液において、原材料として切り出した木材を室内にて自然乾燥した後に、微粉砕と分級を行い、ナノファイバー化された表面をもつ木粉と、懸濁液中に木粉から分離したセルロースナノファーバーとリグニンやヘミセルロースを混在させた状態の木粉粒子懸濁液で、木粉の平均粒径を50μm以下に、かつ、前記懸濁液に含まれるセルロースナノファイバーの濃度を重量比で木粉の50%以下にしたことを特徴とする木粉粒子懸濁液の製造方法である。この場合の配合比としては、水80~99重量%、木粉(木質粉)が1~20重量%が好ましい。
本発明によれば、スギ等の針葉樹を微粒子用粉砕機で微粉砕すると、表面の一部がナノファイバー化して、水のみで塗料化でき、強固な木質膜を形成可能な塗料組成物となる。原材料はスギ等の木材の木粉と水のみであるため、安全性が高い。この材料は吸水性や吸油性や吸着性が良く、水による濡れ性に優れるため、ほかの材料と混ぜることでさまざまな用途での活用が可能となる。砥石によって構成された石臼(グラインダー)形式の摩砕機(電動石臼タイプのディスク型粉砕機)により微粒化することで、表面(表層、表裏面)のみを効率よく微粒化することができる。そして、前記木粉にリグニンやヘミセルロースを含有した状態で湿式にて磨り潰して、リグノセルロースナノファイバーとすることができる。なお、平均粒径50μm以下に磨り潰し(と毛羽立て)を行うようにするために、原料を水に浸漬しての叩解(こうかい)処理でも良いが、生産効率の点からは、前記石臼形式の摩砕機(電動石臼タイプのディスク型粉砕機)を使用することが好ましい。
これらスギ、ヒノキなどの針葉樹又はミズナラなどの広葉樹であって、地面からの高さが2m~3m付近で伐採された残りの根の付いた部分の未成熟部分であることがより好ましい。すなわち、伐採される前の地面からの高さが2m~3m以下の部分であっても良いが、伐採された後の山に放置されている根が付いた部分であっても何ら構わない。むしろ、伐採された後の根の付いた部分である方が、未成熟部分であることが認識しやすく(年輪等からも判断がし易く)、その抽出がし易いのみならず、根付いているために伐採されて根からの水の吸収が行われない部分とは異なり、山林に伐採されて放置されている場合でもあっても、若木の時に形成した未成熟細胞はそのまま活きており、組織的にもろく、湿式粉砕で微繊維状に粉砕されやすい(木粉塗料の材料に適しており)。樹齢に関係なくその経時変化などは全くない。たとえ、地中で数千年経過した神代スギなどでも塗料化が可能である(根が付いた状態であれば、水の供給があり、菌などで木繊維が分解されていない限りは、その未成熟部分を使用可能と考えられる)。根付いた状態の伐採の残りであれば、むしろ本来の未成熟状態が若木の時からの状態で維持されていると言え、木粉塗料の材料等の木粉粒子懸濁液や、木粉粒子懸濁液を使用した塗膜の製造方法に適用されて好適なものである。これらの部分は、製材等においては、通常廃棄処分される部分であったり(非特許文献2)、山林で切り出すときに放置される部分であったりするが、その伐採の残りを利用できるので(前記未成熟部分が理想的な形で保存されていると言える。)、環境に優しい原料の発見として期待できる。
また、本発明の塗膜の製造方法は、原材料として切り出した木材を室内にて自然乾燥した後に、微粉砕と分級を行い、次にナノファイバー化された表面をもつ木粉と、懸濁液中に木粉から分離したセルロースナノファーバーとリグニンやヘミセルロースを混在させた状態の木粉粒子懸濁液を作製し、その木粉の平均粒径を50μm以下に、かつ、含まれるセルロースナノファイバーの濃度を重量比で木粉の50%以下にした木粉粒子懸濁液を使用して塗膜を形成することを特徴とする。
ここで、前記木粉粒子は、スギ、ヒノキなどの針葉樹又はミズナラなどの広葉樹における未成熟材を使用した木粉粒子懸濁液と、前記針葉樹における成熟材を使用した木粉粒子懸濁液とを混合するものであり、これら同種のものを使用して、前記前記針葉樹における辺材又は成熟材を使用した木粉粒子懸濁液を下塗り塗膜として製膜した後、前記針葉樹における心材又は未成熟材を使用した木粉粒子懸濁液を使用して上塗り塗膜とすることを特徴とする。本発明によれば、密着性等の他、吸湿性に優れ、凹凸感の意匠性を高めることができる。
また、前記未成熟材の割合として少なくとも20重量%以上含むことが好ましい。前記未成熟材の粒径(粉砕した粒径)は、樹高が低い部位の方が処理木粉のアスペクト比が低く、微粉砕化しやすくなる。一方、辺材、心材では、辺材の方が処理木粉のアスペクト比が高く、微粉砕化しやすくなる。
ここで、本発明で使用する未成熟材、成熟材、辺材、芯材について説明する。図1と表1に示すように、「心材」とは、スギ等の木材としての丸太の横断面で中心部の濃色の部分を心材(赤身)と呼ぶ。心材には心材物質が形成されていて一般に腐りにくい。また、「未成熟材」とは、中心からある程度の年数までは繊維の長さも短く、強度も小さく、製材しても欠点の出やすい部分が続くが、これを未成熟材といい、針葉樹では中心から10~15年輪程度とされている。なお未成熟材の外側を成熟材と呼ぶ。専門的には、「成熟期の形成層によって形成された木部を成熟材、未成熟期の形成層によって形成された木部を未成熟材」と定義している(非特許文献3)。なお、心材は、樹木が10年ほどの齢に達すると幹や仇などの中心部から形成されるが、未成熟材は、樹齢に関係なく成長する初期から形成されるものである。
本発明によれば、セルロースを含有した状態で平均粒径50μm以下にすることにより、木材由来の構造による優れた密着性(付着性)、断熱性、吸湿性、意匠性(造膜性)等に優れる特長を持たせることが可能になる。より具体的には、木粉表面で部分的にCNF化した微細繊維が(表層が部分的にCNF化する、或いは、表面が毛羽立つ状態になる)、塗膜を形成する過程で物理的に絡み合い(表面のCNFが絡み合って、或いは、表面の毛羽立ちが絡み合った状態になる)、水素結合などでさらに強固に結合したと推察される。
また、次の効果があることが推測された。(1)前記木材に含まれる含有水分は有機成分を含み、種特有であるが、その抽出成分は木粉同士を強固に結合する。(2)基材に対しては、基材との密着性を高める成分、バインダーの役割を果たす成分、或いは、上塗りに適した成分が含まれる。
以上の効果のため、この懸濁液を塗料として使用した場合には、密着性(付着性)や速乾性(超速乾性)や吸湿性に優れ、市販のアルミ塗装用アクリル樹脂とほぼ同等の値を示すと考えられる。
更なる膜特性や塗りやすさの向上には、別途CNFを添加することも有効であった。
また、熱伝導率が0.06W/mKとグラスウールと同等の木粉塗膜(塗料膜、塗装用膜、塗膜)が製造できた。さらに、木質粉によっては防黴(カビ)性能に優れた膜とすることができ、この木粉塗料で塗装すると、表面に凹凸のある独自の意匠感のある塗膜が形成された。したがって、外壁塗装剤や床塗装剤、又は、これらの下地処理剤としての使用に好適である。
そして、スギ、ヒノキ、ミズナラなどの木材では、その地面からの高さが2m~3m以内の部分を使用することが好ましい。未成熟の部分(10~15年輪程度)は、百年経過しても強度は低いままで変化しない。また、樹齢60年以上では、心材部A2のほとんどは未成熟材A3ということになる(図1)。また、地面からの高さが2m~3m以内の部分では、土の部分に近いことから、土壌中の有機成分も吸収して多く含まれていると考えられる。これらの部分は、製材等では廃棄処分とされたり、伐採の際に山林に放置されたりするものではあるので、そのリサイクルは、環境に優しい材料の利用と言える。未成熟材(軟質)A3は微細化がしやすく、木材の区分・分級によって(種にもよるが、色調やにおいが異なる場合が多い)、簡便に選別が可能なため、製造も容易である。また、これらの部分は、木の色合いが残っており、屋内の壁や柱などに塗る際も使いやすく、アルミ材などの金属にも塗れる。これらの特徴から本発明の液は、製造コストも低く抑えられ、一般に使われている塗料と同程度で製造できる。
本発明において、原料としては、スギ、ヒノキ、ミズナラを粉砕・分級した木粉を用いた。処理した懸濁液から膜を作製し、熱伝導特性、防黴試験、摩擦係数の試験を行った。前記木粉粒子は、スギ、ヒノキなどの針葉樹又はミズナラなどの広葉樹の木粉粒子である。これらは、樹齢は問わず、地面からの高さ位置が2m~3m付近で伐採された残りの根が付いた部分の前記未成熟材であることがより好ましい。また、200メッシュ(目開き75μm)の篩目を通過する粒度で分級することが好ましい。
(グラインダー処理によるリグノCNFの構造)
図2に条件を変えて作製したスギ木粉の顕微鏡像を示す。図2(a)は原料となる辺材部分A1のスギ木粉で、100μm程度の大きさで、歪な形態粒子と細かな微粒子が観察される。それを分級し粗い粒子を原料とした場合、図2(b)は、薄い色の20μm程度の粒子になっていたことを示す。辺材部分A1の分級微粒子の処理後は、粗い粒子の処理より細かな30~50μmの大きさの細かな粒子になったことを示す(図2(d))。一方、細かな心材部分A2をグラインダー処理したものは、CNFになっていると考えられる色の薄い数μmの粒子が非常に多いことを示す(図2(c))。本発明のCNF化には、これらの部位(心材A2と未成熟材A3)が適していることが分かった。
なお、スギ、ヒノキ、ミズナラの辺材A1を加えることも可能である。これにより、粗い粉砕でも、砥石を搭載した磨砕機等で互いに混ざり合わせることができる。上記のように未成熟材に辺材(或いは成熟材)を混合することで(未成熟材の割合として少なくとも20重量%以上含むことで)、断熱性に優れ、吸湿する機能を発揮し、凹凸感のある意匠性を給えることができる。
(レオメータによる木粉ゲルの粘弾性評価)
レオメータを用いて、スギの辺材A1の粒度を変えて調製した濃度が2%の木粉塗料(あるいは木材塗料)の粘度や貯蔵弾性率を調べ、その構造解析を行った。図3(a)は粗い木粉を原料とした場合と図3(b)は粒度の細かな木粉を原料とした場合の懸濁液の粘度ηのせん断速度dγ/dt依存性を示す。
レオメータのプレート間距離が200μmと大きい条件の測定で、粗い粒子を原料とした懸濁液のηは、1×103mPa・s以下の大きさであった。また、ηのdγ/dt依存性は少ない傾向があった。これは、この木粉塗料(あるいは木材塗料)はニュートン流体としての粘度特性であることを示し、ナノファイバー化が余り進んでいないことを示している。一方、心材A2と未成熟材A3の細かな木粉を原料とした場合は、ηは2×10mPa・sと粗い場合の20倍以上もあり、また、ηのdγ/dt依存性も大きくなった。この液は、擬塑性流体としての特性を示していた。これらの結果からも、木材の材料の部位・粒度によって、解繊し易い部分とそうでない部分があることが分かった。ナノファイバー化しやすいのは、原材料の粒度が細かい方であり(心材A2と未成熟材A3)、この部位がリグノセルロースナノファイバーを作製するために、有効な原料となることが分かった。ここで、「擬塑性流体」とは、降伏値は持たず、力を加えることにより粘度が下がるものをいう。力を加えるまでは高い粘度を示すため、あたかもビンガム流体のような振る舞う性質を有する。ビンガム流体(塑性流体)とは、バターはナイフで力を加えるとトーストに塗ることができるが、ある程度の力を加えないと動き出すことはないが、このバターを流動させるために必要な力を降伏応力といい、その値を降伏値という。特に降伏値を持ちながら、流れ出すとニュートン流体のように一定の粘度となる挙動を示すものを「ビンガム流体(塑性流体)」という。
(木材の部位の影響)
図2(d)のようにスギ辺材A1から調製したものは、粗い粒子の処理より細かな30~50μmの大きさの細かな粒子になった。一方、図2(c)のようにスギ心材A2やスギ未成熟材A3から調製したものは、数μmの粒子が非常に多く、微細繊維化にはこの部位が適していることが分かった。
スギ等の根元材の心材部A2やスギ未成熟材A3は、樹齢が若いときに形成した細胞組織が未成熟な未成熟材の割合が多く、強度性能も劣っていた(図1)。一方、根元材の辺材部A1は、樹齢が高く、細胞組織が成熟し、強度性能も高い成熟材の割合が大きい。スギ根元材の心材部A2sやスギ未成熟材A3が微細繊維化に適していると考えられる。これらの部位(心材A2と未成熟材A3)は、その色や年輪から容易に判定できるので、このように切り出して、材料を選定・選別することも容易である(非特許文献2参照)。そして、前記スギ、ヒノキ、ミズナラの辺材A1は、地面からの高さが2m以内の部分を使用したとしても、幹の部分が太く、これら部位(A1,A2,A3)は、その色や年輪から容易に判定でき、上記密着性(付着性)、熱伝導性、意匠性等に優れるという作用効果を有する。
(原材料木粉の粒度および部位の影響)
粒度の粗い木粉(粒度:60メッシュパス-100メッシュオン(目開き150~250μm)と、粒度の細かい木粉(200メッシュパス(目開き75μmパス))から調製した木粉塗料と、部位(スギ心材およびスギ辺材、粒度:200メッシュパス)を変えて調製した木粉塗料の解繊状態を顕微鏡にて観察した。
(原材料木粉の粒度の影響)
図2(b)のように粒度の粗い木粉を原料とした場合は、20μm程度の粒子になっていた。一方、図2(c)のように粒度の細かい木粉を原料とした場合は、数μmの粒子が非常に多く、微細化には粒度の細かい木粉の方が適していることが分かった。
前記木材をピンミル粉砕(ピンディスク回転式の粉砕機により)すると、前記木材を構成する早材部や柔細胞などの軟質な組織は、粒径の小さな木粉に粉砕され、反対に、晩材部などの堅い組織は、粒度が大きく粉砕されると考えられる。ナノファイバー化も同様に、軟質な部分の方がし易い傾向があると考えられる。
ここで、「晩材」とは、木材の一成長輪のうち、成長期の後期に形成される部分をいう。針葉樹では細胞壁が厚く直径の小さな仮道管が、また広葉樹では細い道管がそれぞれ形成される。この部分は密度が高く、しばしば濃い色にみえる。なお、年輪の中で生長の早い春にできる材部を早材(春材)と呼び、細胞の形も大きく細胞膜も薄い。夏以降の生長の遅くなる時期にできた材部を晩材(秋材、夏材)と呼び、細胞の形は小さく細胞膜は厚い。
本発明は前記スギ、ヒノキなどの針葉樹又はミズナラなどの広葉樹を原料とし(樹齢は問わず、地面からの高さ位置が2m~3m付近で伐採された残りの根が付いた部分の前記未成熟材であることがより好ましい。)、水のみを加えてかき混ぜて塗料化して(天然塗料化して)、性能を持たせたことを特徴とする。あるいはヒノキの未成熟材及び/又は心材を原料とした場合は、防黴(カビ)性能も持たせたことを特徴とする。ここで、前記はヒノキのであり、ヒノキオールなどの防黴(カビ)成分が表面に現れた塗膜とすることができる。
バイオマス材料である木粉の一部を、ナノファイバーの構造を付加したリグノセルロースナノファイバーにすることで、その塗膜は木材由来の構造による優れた断熱性と造膜性に優れる特長を有し、また、これを水性木材防腐剤や水性木材防虫剤としたり、防黴(カビ)性能に優れた木質膜としたり、また、顔料や吸着剤としたり、熱伝導率が0.06W/mKとグラスウールと同等の木粉塗膜(塗料膜、塗膜、塗膜)が製造できる。
各種木材原料を磨砕機(増幸産業株式会社のマスコロイダー)で微細化処理して、木粉塗料を調製し、その性能を評価した。その結果、以下のことが明らかとなった。
1.原材料の木粉粒度または部位によって、上記砥石を搭載した磨砕機で微細化されやすさが異なり、粉砕しやすい原材料ほど、粒子が細かくなると同時に表面のナノファイバー化が進行し易い傾向があった。
2.本発明の調製した木粉塗料は、一般塗料と同等の密着性(付着性)があった。
3.本発明の木粉塗料の塗膜を常温から160℃の範囲で加熱プレスすると、非常に硬度の高い塗膜になった。すなわち、加熱プレス処理を施すことにより、リグノセルロース成分が樹脂化して、表面硬度が高くなるが、加熱温度が160℃でが最も高くなった(後述)。なお、常温でプレスしても、密着性の優れた塗膜が形成可能である。
4.本発明の木粉塗料の塗膜は、熱伝導率が低く断熱性にすぐれていた。
5.本発明のヒノキ心材から調製した塗膜は、防黴(カビ)性能にすぐれていた。
6.本発明の木粉塗料は、独特な意匠感(凹凸)のある塗膜が形成できた。特に、未成熟材に辺材(或いは成熟材)を混合すること、凹凸感のある意匠性を給えることができた。
本発明の木の未成熟材部分を採取する方法によれば、地面から所定高さ位置で伐採された残りの根が付いた部分の木材であっても、その伐採された面の年輪、色、臭い等から所定の水分量が含まれていることを判断して、塗装剤(外壁塗装剤、床塗装剤、又は、これらの下地処理剤を含む。)、顔料、吸着剤、防黴(カビ)剤等の木粉粒子懸濁液の原料を切削により容易に採取することが可能になる。
また、本発明の木粉粒子懸濁液の製造方法によれば、ナノファイバー化が容易なスギ、ヒノキの針葉樹を原料として粉砕することで、その懸濁液中のCNF含有量を多くすることができ、かつ、歪な微粒子の残存量を少なくすることができるために、その木粉微粒子を使用した場合の塗膜は、膜密度が上がり木材由来の構造による優れた断熱性、造膜性に優れる特長を持たせることができること、木粉から密着性に優れた塗膜が製造できること、塗膜係数が0.14というような非常に小さくできること、ヒノキの高い防黴(カビ)性能が発揮されることなどが確認できた。地面からの高さが2m以内の部分である前記スギ、ヒノキ、ミズナラの未成熟材であっても同様である。これらのことから本懸濁液は、水性塗料、水系塗料、粉体塗料や、合成樹脂塗料などの原料などに使用することができる。
そして、1.断熱性、密着性に優れること、2.接触感、平滑性に優れること、3.合成樹脂、無機系との複合化が容易であること、ヒノキの場合は4.抗菌性や防カビ性などの有効成分を有していることから、防食、防腐、防黴、防蟻、防汚、防水、殺菌などの塗膜形成成分(塗膜形成組成物)として使用、遮熱、撥水、蛍光、蓄光、迷彩、有害化学物質吸着などの塗膜形成成分(塗膜形成組成物)として使用、平滑化、光沢付与、彩色、模様、意匠、景観創出などの塗膜形成成分(塗膜形成組成物)として使用可能である。また、塗装剤(外壁塗装剤、床塗装剤、又は、これらの下地処理剤にも適用可能であり、これらを複数層の塗膜とすることで、密着性や意匠性を高めることができる。
なお、ポリプロピレン系樹脂やアルキド系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂(アミノ樹脂)、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂、フッ素系樹脂などの場合は、懸濁液と混合して用いることもできる。
本発明で使用する未成熟材、成熟材、辺材、芯材を説明する図である。 条件を変えて作製したスギ木粉の顕微鏡像を示す図である。 グラインダー処理した木粉懸濁液の粘度ηのせん断速度dγ/dt依存性を示す図である。 本発明で使用する木材の部分とそれを用いた製造方法と木粉塗膜とした場合の防黴(カビ)性能と木粉塗膜とした場合の熱伝導率を示す図である。 木質粉の部分CNF化を示す図である。 各種塗膜のJIS Z 2911試験の結果を示す図である。 塗装方法を変えて試作した木粉塗料塗装アルミ板の外観を示す図である。 塗装アルミ板の塗膜の原材料別の平面引っ張り強さを示す図である 非特許文献2における図2~図4を示す図である。 従来の問題点を示す図である。
以下、本発明を適用した実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(木粉の部分のCNF化)
図5(a)は、木粉の部分CNF化について説明する図であり、図5(b)は木粉塗膜の形成について説明する図である。
まず、原材料木紛を、前記の部位を選別してピンミル粉砕(S1)すると、微細繊維化に適した木紛が得られる。次に、微細繊維化に適した木粉に湿式グラインダー処理を行う(S2)。湿式グラインダー処理では、使用する臼の粗さは#46以下、あるいは、#46~#120の範囲である。
このようにして、部分CNF化した木粉が得られる(S3)。部分CNF化した木粉は、拡大図をS4に示すように、表面のみCNF化(表面を毛羽立たせるか、髭が生じたような微粒化)された木粉である。木粉粒子の平均粒径としては、10μm以下が好ましく(あるいは3~10μm)の微粒子化を図ることが好ましい(図5(a))。
S4に示す表面のみCNF化された木粉は、図5(b)に示すように、木粉の表面のCNFが絡み合って強固に結合し(図5(a)において、表面のみCNF化(表面の毛羽立たせた部分)Baは3μm以下)、バインダーとして働き、高硬度で断熱性に優れた塗膜を形成する。原材料はスギ等の木材の木粉と水のみであるため、安全性が高い。吸水性や吸油性が良く、水による濡れ性に優れるため、他の材料(等)と混ぜることでさまざまな用途での使用が可能となる。
なお、この場合の基材(塗装用基材)K1としては、特に限定されず、一般的に使用されている種々の基材(アクリル製やアルミ製の合成樹脂製の基材)を用途に応じて適宜選択して使用することができる。
(木粉塗料・木材塗料の調製)
富山県産ボカスギ、ヒノキの根元丸太材および岩手県産ミズナラ材から、表2に示す原材料を切り出し、室内にて自然乾燥した後、ピンミル粉砕装置(グラインダー)で微粉砕・振動篩で分級して、平均粒径500μm以下の木粉を調製した。次に、湿式法にてこの木粉を上記砥石(摩耗輪G#80またはG#46)を搭載した磨砕機に投入し、3回処理を繰返し、木粉塗料(固形分10%)を調製した。その結果、全ての原材料にて木粉塗料(あるいは木材塗料)が製造可能であることを確認した。ここで使用した富山県産ボカスギ、ヒノキは、富山県西部に多い挿木品種であり、樹齢60年生以上が6割を占め、胸高直径が40cm以上に成長した大径材である。
表2には、各種木材から調整した木粉塗料の種類を示す。ここで、「メッシュ」とは、篩の網目の大きさを表す単位で、1インチ(2.54cm)がいくつに仕切られているか、すなわちこの中に何本の網目が通っているかを表す値(新JIS)のことである。表2(a)の(1)に示す微粉砕処理前の木粉粒度が「粗い」とは、60~100メッシュの篩目(目開き150~200μm)を通過する粒度であり、(2)に示す木粉粒度が「細かい」とは、200メッシュ(目開き75μm)(新JIS)の篩目を通過する粒度である。また、(3)に示すマスコロイダー摩耗輪Noは、数が大きいほど細かく微粉砕される。なお、「マスコロイダー」は、増幸産業株式会社の製品名である。
(木粉塗料の性状)
a)付着性(平面引っ張り強さ)
木粉塗料(あるいは木材塗料)塗装アルミ板の塗膜の外観と原材料別の平面引張り強さを図7および図8(a)に示す。木粉塗料塗膜の平面引張り強さは、すべての原材料で約12~14N/cmの範囲となり、既存のアルミ塗装用アクリル樹脂(約13N/cm)と比較して、ほぼ同等の塗膜の付着性を示した。上記砥石を搭載した磨砕機(砥石によって構成された石臼形式の摩砕機)によって、木粉表面で部分的にCNF化した微細繊維が、塗膜を形成する過程で物理的に絡み合い、水素結合などでさらに強固に結合したと推察される(図5)。
b)表面硬さ(鉛筆硬度)
木粉塗装したアルミ板の構成としては、図8(b)(c)に示すように、木粉塗料(あるいは木材塗料)とアクリル樹脂(アクリルプライマー)で塗装したアルミ板にプレス処理を行った。
プレス温度別の表面硬度(鉛筆硬度)を測定した。全ての原材料において、鉛筆硬度はプレス温度が高くなるとともに向上し、特に、プレス温度160℃では、鉛筆硬度は6H~7Hと非常に高くなった。市販のPC等に使用される硬質シートの鉛筆硬度が3H~4H、また、自動車塗膜JIS(JIS D 0202)で塗膜硬度の評価が最大5Hと規定されていることを鑑みても、160℃でプレスした木粉塗膜は、既存の塗膜と比較しても非常に硬い。また、常温でプレスすることも可能であり(焼き付けて塗装を行わずとも)、密着性に優れ、被塗装体の外観を綺麗にし、その表面を保護する効果を有する(図8(b)参照)機能を持たせることも可能であった。
鉛筆硬度は、プレス温度が高くなるととともに向上し、プレス温度160℃では6H~7Hと非常に高くなった。また、木の色合いが残っており、屋内の壁や柱などに塗る際も使いやすくなる。
c)熱伝導性
前記スギ等を用いた木粉粒子懸濁液Mとすると、熱伝導性が低い断熱材としての応用が期待できる。懸濁液中のナノファイバーの量や木粉粒子の大きさによりその値が変化するかを調べるために、定常法-熱流計法にて熱伝導率を評価した。表4にスギの心材A2と未成熟材A3と、辺材A1の木粉塗料(あるいは木材塗料)を塗膜にした場合の結果を示す。
木粉は、膜にならずパラパラの状態であるが、0.045W/(m・K)の非常に小さな熱伝導率を示した。辺材部分A1の膜はグラインダー処理することで、0.105W/(m・K)まで大きくなった。一方、心材部分A1と未成熟材A3では、その処理によって0.062から0.082W/(m・K)と少ししか増加しなかった。これは、辺材A1の方が粒子が細かく、かつ、ナノファイバー化している部分の体積が大きくなったことで、膜密度が向上したことを示している。以上のことから、スギの場合、断熱材として塗膜を使用する場合は、心材部分を使用した方が適していることが明らかになった。
d)木粉塗料の調製(水を含む木製微粒子Mを用いた塗料の調整)
富山県産ボカスギ、ヒノキの根元丸太材および岩手県産ミズナラ材から、表2に示す原材料を切り出し、室内にて自然乾燥した後、ピンミル粉砕装置で微粉砕・振動篩で分級して、粒径500μm以下の木粉を調製した。次に、この木粉を上記砥石(摩耗輪G#80またはG#46)を搭載した磨砕機に投入し、処理を3回繰返すことで、木粉塗料(固形分10%)を調製した。その結果、全ての原材料にて木粉塗料である木粉粒子懸濁液Mが製造可能であることを確認した。
作製した木粉懸濁液(水を含む木製微粒子)Mから膜を作製し、その防黴(カビ)性能を試験した。スギを使用した塗膜と、ヒノキを使用した塗膜に関して、JIS Z 2911試験を行った。図6にその結果を示す。黒い部分が黴である。スギ塗膜の防黴(カビ)性能は、グラインダー処理によって4:(菌糸はよく発育し、発育部分の面積は試料の全面積の50%以上)から5:(菌糸の発育は激しく、試料全面を覆っている)に劣化したが、ヒノキ塗膜では、2:(肉眼でカビの発育が認められ、発育部分の面積は試料の全面積の25%未満)から0:(肉眼及び顕微鏡下でカビの発育は認められない)結果になった。スギはナノファイバー化により生分解性が高まり、黴が繁殖しやすくなったが、ヒノキは木材内部のヒノキオールなどの防黴成分が表面に現れ、その繁殖が抑制できたと考えられる。また、ヒノキには、その抽出した精油の中で、悪臭の成分と化学反応することで分解する(消臭効果)作用があるので、これを更に上記懸濁液に混合しても良い。
木粉粒子懸濁液Mから基材との密着性に優れた塗膜Mmを作製することができた。この塗膜Mmの熱伝導率や防黴特性を調べた結果、熱伝導率が0.1W/(m・K)以下と非常に小さく、高い断熱性能があることが確かめられた。その他、塗膜Mmの摩擦係数が0.14と非常に小さいことや、木の風合いもあることが確認でき、建築用の高機能性断熱膜あるいは、工芸的な応用展開が可能になることを示した。また、ヒノキの高い防黴性能も確認できた。これらの特長を活かした応用が期待できる。
(木粉塗料の外観意匠)
塗装面に凹凸による意匠性を付与するために、スギ辺材および木粉塗料(あるいは木材塗料)に、混合する塗料と同じ部位から選別した粗木粉(32メッシュパス-60メッシュオン(目開き500μmパス-250μmオン))を、木粉塗料(木材塗料)の固形分に対して50%および100%混入した塗料を調製し、意匠感の異なる木粉塗料塗装アルミ板(厚さ1mm)に対して厚さ0.1~0.2mmの木粉塗膜Mmを試作した。その結果、表面に凹凸のある木粉塗料独自の意匠感のある塗膜を形成させることが可能となった(図7)。
ここで、下塗りの工程(中塗材・上塗材をの密着力を上げるために、下地をしっかり固めるための工程)をアクリル塗料で行い、その後、中塗り工程(模様つけ・弾力性付与・断熱性付与などの機能的な付加価値をもたせる場合に行われる工程)を、木粉粒子懸濁液(粒度の粗い木粉から調整)M1で行った(図7(a))。また、更に、上塗り工程(耐候性・遮熱性などを付与する工程)を木粉粒子懸濁液で、粒度の粗い木粉から調整)M2で行った。
また、基材(樹脂製基材)K1としてアルミ板(厚さ1mm)を使用したが、その他の化粧板を使用することができる(アクリル板等)。また、アクリル樹脂塗料のみならず、ポリウレタン樹脂塗料、フッ素樹脂塗料、エポキシ樹脂塗料、塩化ビニル樹脂塗料に、前記木粉粒子懸濁液Mを使用することができる。
また、本発明としては、前記スギ、ヒノキなどの針葉樹およびミズナラなどの広葉樹における心材又は未成熟材を使用した木粉粒子懸濁液と、前記針葉樹における辺材又は成熟材を使用した木粉粒子懸濁液とするものであり、これら同種のものを使用して、前記前記針葉樹における辺材又は成熟材を使用した木粉粒子懸濁液を下塗り塗膜として製膜した後、前記針葉樹における心材又は未成熟材を使用した木粉粒子懸濁液を使用して上塗り塗膜とする。上記未成熟材の割合としては、少なくとも20重量%以上含むことが好ましい。20重量%よりも少ないと、未成熟材の性能(密着性、断熱性等)が十分に発揮されないが、辺材(熟成材)との混合による場合、凹凸の意匠性には影響がなかった。
本発明を適用する木粉粒子懸濁液Mを用いて水性塗料とすると、水のみを加えるだけで、外壁塗装剤、床塗装剤、又は、これらの下地処理剤として塗装することができる。また、常温でプレスすることも可能であり(焼き付けて塗装を行わずとも)、密着性に優れ、被塗装体の外観を綺麗にし、その表面を保護する効果を有する(図8(b)参照)。
この水性塗料物を、実施例1~5(固形分で5~20重量%)及び、比較例1~3(固形分で25~50重量%)で調製し、高速ミキサーで2000rpmで5分間混合させた。
(基材への付着性の試験)
基材との付着性の試験は、アルミ板K1の中央に縦20cm×横10cmの帯状になるように塗装し、1~2時間室温で乾燥させた。次に実施例1~5と比較例1~3の懸濁液について、実施例に基づいて得られた木粉粒子懸濁液を、塗装器具を用いて塗装した。その後、常温プレスにより硬化させた塗膜を作製した(図8(b))。基材への付着性の評価は、刷毛で擦るようにしたときに、塗料の塗布状態が維持される場合を○、塗装部分が剥がれる場合を△、刷毛による擦ることなく時間の経過で剥がれる場合を×とする3段階で評価した。なお、樹齢60年以上のボカスギと、樹齢10年未満のボカスギとで、未成熟材の木粉粒子や成分において違いは生じなかった。また、なお、樹齢60年以上のミズナラと、樹齢10年未満のミズナラとで、未成熟材の木粉粒子や成分において違いは生じなかった。
(上塗り付着性試験)
上記実施例1~5と比較例1~3に基づき調整して得られた水溶性塗料を、エアスプレーにより、温度25℃、湿度70%の条件下でアクリル板K1に木粉粒子懸濁液を塗装し、常温プレスにより硬化させた塗膜を作製した(図8(b))。次に上塗り塗装として、常温プレスにより硬化させた塗膜を作製した(図8(b))。上塗りの付着性の評価は、刷毛で擦るようにしたときに、塗料の塗布状態が維持される場合を○、塗装部分が剥がれる場合を△、刷毛による擦ることなく時間の経過で剥がれる場合を×とする3段階で評価した。
(吸着剤としての試験)
木材にはアンモニアガスなどを吸着する性能があり、その吸着性は吸湿性を測定することで明らかにすることができる。そこで、塗膜の吸着性としての試験として、上述した基材への付着性や上塗り付着性を行ったものを、塩化カリウム水溶液を挿入して湿度85%調整した所定の容器に入れて、吸湿性の測定を行った。この試験で吸湿性があることが明らかになれば、塗膜に木材と同様の吸着性があること、また、木粉粒子懸濁液が吸着剤として使用可能であることが示唆される。木材と同様の吸湿性があるものは○、やや吸湿性があるものは△、吸湿性が悪い場合を×とする3段階で評価した。その結果表5に示すように、前記木材の木粉粒子が1~20重量%で水または溶剤が80~99重量%の配合比である場合の実施例1~5では、基材K1への付着性、上塗り剤としての付着性、吸着剤の試験において、いずれも良好(◎)であった。
(チクソトロピー)
チキソトロピー(チクソトロピー)とは、かき混ぜたり、振り混ぜたりすることにより、力を加えることで、粘度が下がる現象をいう。かき混ぜることによって、粘度が低下するという点では、擬塑性流体もチキソトロピーも同じであるが、2つの大きな違いは、与える力だけでなく、時間経過に伴い粘度が変化するか、しないかという点にある。チキソトロピーを示す流体は、一定の力をかけ続けることで粘度が下がったり、下がった粘度がある一定時間放置したりすると元に戻ったりする。なお、身近なものでチキソトロピーの性質を応用しているのが、ペンキなどの塗料になる。ペンキは、かき混ぜることにより、粘度が下がって塗りやすい状態となり、ハケやローラーで壁に容易に塗ることができる。ペンキを塗る前によくかき混ぜるというのは、単に色ムラをなくすだけでなく、チキソ性を引き出す作業でもある。さらに、壁に塗られたペンキは直後に粘度が上がり(元に戻り)、垂れない状態となって乾燥する。
本発明を水性湿潤塗料に適用すると、水性樹脂のようなバインダ、溶媒、必要に応じて顔料やその他の添加剤のような水性塗料成分と水とを含有している水性塗料となり、濡れ性を示すのに十分な程度に表面張力が低下され、さらにその表面張力が均一であり、表面張力の局部的なバラつきによる塗膜表面の粗さを抑え、優れたチクソトロピー性能を示す。
以上の結果から、本発明の木粉粒子懸濁液は、外壁塗装剤や床塗装剤、又は、これらの下地処理剤としての使用に好適である。下地処理剤としては、アクリル樹脂等の合成樹脂で外壁塗装や床塗装をする場合の前処理として使用するものであり、速乾性やアクリル樹脂等の合成樹脂との密着性や外壁や床材との密着性が要求されるが、本願発明の木粉粒子懸濁液を塗布することで、硬度の高い塗膜が形成できるとともに、常温によるプレス成型でも密着性に優れた塗膜を成型することができた。
以上、本実施の形態では、主に塗膜や塗料組成物としてのCNFを含む木粉懸濁液の製造方法について説明した。本発明は、塗料、顔料、吸着剤等様々な塗膜に適用することができるもので、外壁塗装剤や床塗装剤、又は、これらの下地処理剤としての使用に好適である。更なる作業性の向上や膜特性の向上には、本発明の木粉粒子懸濁液に別途CNFを更に水分調整ながら添加することも可能である。
A1 根元の辺材、
A2 心材、
A2s 根元の心材、
A3 未成熟材、
A3s 根元の未成熟材、
A4 成熟材、
M 木粉粒子懸濁液、
M1 木粉粒子懸濁液(粒度の粗い木粉から調整)、
M2 木粉粒子懸濁液(粒度の細かい木粉から調整)、
Mm 木粉塗膜(塗膜)、
Mt 塗料、
K1 基材(樹脂製基材)

Claims (9)

  1. スギ、ヒノキなどの針葉樹、又は、ミズナラなどの広葉樹である木材から採取された未成熟材部分からなる木粉粒子の懸濁液において、湿式粉砕法による処理によりナノファイバー化された表面をもつ木粉粒子と、懸濁液中に木粉粒子から分離したセルロースナノファバーとリグニンやヘミセルロースを混在させた状態で、木粉粒子の平均粒径を50μm以下、かつ、懸濁液に含まれるセルロースナノファイバーの濃度を重量比で木粉の50%以下となっていることを特徴とする木粉粒子懸濁液。
  2. 前記木材の樹齢は問わず、地面からの高さ位置が2m~3m付近で伐採された残りの根が付いた部分であることを特徴とする請求項1に記載の木粉粒子懸濁液。
  3. 前記木材の木粉粒子が1~20重量%で、水が80~99重量%の配合比であることを特徴とする請求項1又は2に記載の木粉粒子懸濁液。
  4. スギ、ヒノキなどの針葉樹又はミズナラなどの広葉樹である木材を乾式粉砕した後、未成熟材部分を湿式粉砕法で処理したセルロースナノファバーを含む木粉粒子の懸濁液の製造方法において、原材料として切り出した前記木材を室内にて自然乾燥した後、微粉砕と分級を行い、ナノファイバー化された表面をもつ木粉粒子と、懸濁液中に木粉粒子から分離したセルロースナノファバーとリグニンやヘミセルロースを混在させた状態の木粉粒子懸濁液とするとともに、木粉粒子の平均粒径を50μm以下に、かつ、前記懸濁液に含まれるセルロースナノファイバーの濃度を重量比で木粉粒子の50%以下にすることを特徴とする木粉粒子懸濁液の製造方法。
  5. 前記木材は、樹齢は問わず、地面からの高さ位置が2m~3m付近で伐採された残りの根が付いた木であり、未成熟材部分を含ませることを特徴とする請求項に記載の木粉粒子懸濁液の製造方法。
  6. 前記湿式粉砕処理される木粉粒子は、200メッシュ(目開き75μm)より小さな篩目を通過する粒度で分級することを特徴とする請求項に記載の木粉粒子懸濁液の製造方法。
  7. 前記木粉粒子が1~20重量%で、水が80~99重量%となるように配合することを特徴とする請求項からのうちいずれか1項に記載の木粉粒子懸濁液の製造方法。
  8. 前記木粉粒子が前記木材の成熟材と前記木材の未成熟材部分との混合であるとともに未成熟材部分の割合として少なくとも20重量%以上とすることを特徴とする請求項に記載の木粉粒子懸濁液の製造方法。
  9. アクリルやアルミニウムなどを含む合成樹脂製や金属の基材に塗布される塗膜の製造方法において、スギ、ヒノキなどの針葉樹又はミズナラなどの広葉樹であり、地面から所定高さ位置で伐採された残りの根が付いた木材を原材料として切り出してから、前記木材を室内にて自然乾燥した後、微粉砕と分級を行い、次に前記木材の未成熟材部分を湿式粉砕法の処理にて、ナノファイバー化された表面をもつ木粉粒子と、懸濁液中に木粉粒子から分離したセルロースナノファバーとリグニンやヘミセルロースを混在させた状態で、木粉粒子の平均粒径を50μm以下に、かつ、前記懸濁液に含まれるセルロースナノファイバーの濃度を重量比で木粉の50%以下にした木粉粒子懸濁液を、前記合成樹脂製及び前記金属の基材に塗布した後、常温でプレスして塗膜を形成することを特徴とする木粉粒子懸濁液を使用した塗膜の製造方法。
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