JP7522028B2 - カラオケ装置 - Google Patents

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Description

本発明はカラオケ装置に関する。
カラオケ装置は、ある楽曲のカラオケ演奏に合わせて、当該ある楽曲の歌詞をテロップ表示させることができる。
楽曲の歌詞を構成する文字には漢字が含まれていることがある。従って、常用漢字全ての学習が終了していない小中学生がカラオケ歌唱を行う場合、テロップ表示された歌詞を判読できないことがありうる。
そこで、楽曲によっては、テロップ表示された歌詞にルビを付すことができる場合がある。また、利用者の年齢に応じて歌詞を読み易くする技術が知られている。
たとえば、特許文献1には、複数のビデオメモリのそれぞれに異なった年代別歌詞パターンの歌詞字幕イメージを記憶させ、利用者の年齢属性情報に基づいて選択された歌詞字幕イメージデータを表示する技術が開示されている。
また、特許文献2には、歌唱状況が「家族」と推定された場合、コマンダの外部に接続されたモニタには通常の歌詞を表示し、タッチパネルには漢字の判読が困難な子供のために平仮名表記の歌詞を表示することができる技術が開示されている。
特開2006-126523号公報 特開2012-215849号公報
ここで、たとえば小学一年生と中学三年生では判読できる漢字の数に大きな差がある。一方、特許文献1または特許文献2の技術を利用して歌詞を平仮名のみの表示とした場合、利用者が判読できる漢字まで平仮名で表示されることになるため、かえって歌詞が読み難くなる。
本発明の目的は、小中学生の利用者に対して読み易い歌詞のテロップ表示を行うことが可能なカラオケ装置を提供することにある。
上記目的を達成するための一の発明は、楽曲の歌詞をテロップ表示するための歌詞テロップデータ、及び歌詞に含まれる漢字に対するルビを表示するためのルビ文字データを記憶する第1の記憶部と、所定数の常用漢字それぞれに対し、配当学年を対応付けた配当学年テーブルを記憶する第2の記憶部と、カラオケ歌唱を行う利用者の学年を取得する取得部と、前記カラオケ歌唱を行う楽曲の歌詞テロップデータ、前記配当学年テーブル、及び取得した前記利用者の学年に基づいて、当該利用者が判読できない漢字を特定する特定部と、前記カラオケ歌唱を行う楽曲の歌詞をテロップ表示させる際、特定した前記漢字を前記ルビ文字データに基づく仮名に置き換えて表示させる表示制御部と、を有するカラオケ装置である。
本発明の他の特徴については、後述する明細書及び図面の記載により明らかにする。
本発明によれば、小中学生の利用者に対して読み易い歌詞のテロップ表示を行うことができる。
第1実施形態に係るカラオケ装置を示す図である。 第1実施形態に係るカラオケ本体を示す図である。 第1実施形態に係る楽曲Xの歌詞テロップデータを示す図である。 第1実施形態に係る楽曲Xのルビ文字データを示す図である。 第1実施形態に係る配当学年テーブルを示す図である。 第1実施形態に係るカラオケ装置の処理を示すフローチャートである。 第1実施形態に係る歌詞のテロップ表示を示す図である。 第2実施形態に係るカラオケ本体を示す図である。 第2実施形態に係るカラオケ装置の処理を示すフローチャートである。 変形例1に係る歌詞のテロップ表示を示す図である。
図1~図7を参照して、実施形態に係るカラオケ装置について説明する。
==カラオケ装置==
カラオケ装置Kは、楽曲のカラオケ演奏、及び利用者がカラオケ歌唱を行うための装置である。図1に示すように、カラオケ装置Kは、カラオケ本体10、スピーカ20、表示装置30、マイク40、及びリモコン装置50を備える。
カラオケ本体10は、選曲された楽曲のカラオケ演奏制御、歌詞や背景映像等の表示制御、マイク40を通じて入力された音声信号の処理といった、カラオケ演奏やカラオケ歌唱に関する各種の制御を行う。スピーカ20はカラオケ本体10からの放音信号に基づいて放音するための構成である。表示装置30はカラオケ本体10からの信号に基づいて映像や画像を画面に表示するための構成である。マイク40は利用者のカラオケ歌唱の歌唱音声をアナログの音声信号に変換してカラオケ本体10に入力するための構成である。リモコン装置50は、カラオケ本体10に対する各種操作をおこなうための装置である。
図2に示すように、本実施形態に係るカラオケ本体10は、記憶手段10a、通信手段10b、入力手段10c、演奏手段10d、及び制御手段10eを備える。各構成はインターフェース(図示なし)を介してバスBに接続されている。
[記憶手段]
記憶手段10aは、各種のデータを記憶する大容量の記憶装置である。記憶手段10aは、楽曲データ、背景映像データ、及び楽曲の属性情報を記憶する。
楽曲データは、個々の楽曲を特定するための楽曲識別情報が付与されている。楽曲識別情報は、楽曲を識別するための楽曲ID等、各楽曲に固有の情報である。楽曲データは、伴奏データ、リファレンスデータ等を含む。伴奏データは、カラオケ演奏音の元となるデータである。リファレンスデータは、カラオケ演奏された楽曲の歌唱すべき主旋律を示すデータである。背景映像データは、カラオケ演奏時に表示装置30等に表示される背景映像に対応するデータである。楽曲の属性情報は、たとえば、歌手名、楽曲の音楽ジャンル情報、楽曲のテンポ情報等を含む。
本実施形態において、記憶手段10aの記憶領域の一部は、第1の記憶部100a及び第2の記憶部100bとして機能する。
(第1の記憶部)
第1の記憶部100aは、歌詞テロップデータ、及びルビ文字データを記憶する。歌詞テロップデータ及びルビ文字データは、楽曲毎に記憶されている。
歌詞テロップデータは、表示装置30等の表示画面に楽曲の歌詞をテロップ表示するためのデータである。一の楽曲は複数の歌詞により構成されている。よって、一の歌詞テロップデータには、複数の歌詞に対応するデータが含まれている。各歌詞は、カラオケ演奏に合わせて順次、表示装置30等の表示画面に表示される。また、各歌詞は複数の文字(漢字または仮名)により構成されている。
図3は、楽曲Xの歌詞テロップデータを示す。楽曲Xは、複数の歌詞WS1~WSnにより構成されている。歌詞WS1~歌詞WSnは、それぞれ歌詞テロップIDが付与されている。歌詞テロップIDは、歌詞を識別するための情報である。また、各歌詞を構成する各文字には、タイムコードが付与されている。タイムコードは、表示装置30等の表示画面に表示された文字を色替えするタイミングを示すものである。
ルビ文字データは、歌詞に含まれる漢字に対するルビを表示するためのデータである。ルビは仮名(平仮名または片仮名)である。ルビ文字データは、歌詞毎に設定されている。
図4は、楽曲Xのルビ文字データを示す。ルビ文字データは、歌詞WS1~歌詞WSnに対応するルビ文字IDが付与されている。ルビ文字IDは、歌詞に対応するルビを識別するための情報である。一のルビ文字IDには複数のルビが紐付けられている。また、各ルビには、タイムコードが付与されている。
歌詞を構成する文字のタイムコードと、ルビのタイムコードとが一致する場合、当該ルビは当該文字に対して付与される。たとえば、楽曲Xにおいて最初にテロップ表示される歌詞WS1は、「暗い泉に銀色の影を映して」である(図3参照)。また、文字「暗」のタイムコードとルビ「くら」のタイムコードが一致する。すなわち、文字「暗」に対して付与されるルビは「くら」である。同様に、文字「泉」のタイムコードとルビ「いずみ」のタイムコードが一致する。すなわち、文字「泉」に対して付与されるルビは「いずみ」である。また、文字「銀」のタイムコードとルビ「ぎん」のタイムコードが一致する。すなわち、文字「銀」に対して付与されるルビは「ぎん」である。また、文字「色」のタイムコードとルビ「いろ」のタイムコードが一致する。すなわち、文字「色」に対して付与されるルビは「いろ」である。また、文字「影」のタイムコードとルビ「かげ」のタイムコードが一致する。すなわち、文字「影」に対して付与されるルビは「かげ」である。また、文字「映」のタイムコードとルビ「うつ」のタイムコードが一致する。すなわち、文字「映」に対して付与されるルビは「うつ」である。
カラオケ装置Kは、楽曲Xのカラオケ演奏に合わせて、歌詞テロップIDに基づき、歌詞WS1、歌詞WS2・・・の順で表示装置30等の表示画面に歌詞を表示させつつ、ルビ文字IDに基づき、歌詞に含まれる漢字にルビを付すことができる。
(第2の記憶部)
第2の記憶部100bは、所定数の常用漢字それぞれに対し、配当学年を対応付けた配当学年テーブルを記憶する。
常用漢字は、義務教育期間に学習する漢字である。常用漢字は、小学生で学習する漢字(1026文字)及び中学生で学習する漢字(1110文字)からなる。配当学年は、常用漢字を学習する学年(小学一年生から小学六年生、及び中学生)のいずれかである。
配当漢字テーブルは、たとえば「教育漢字・学年別漢字配当表」(http://bun.natubunko.net/kotoba/kyoikukanji-2020/)に基づいて作成される。
図5は、小学生で学習する漢字(1026文字)のみを含む配当学年テーブルを示す。図5に示すように、たとえば「六」は配当学年が「1」であるため、小学一年生で学習する漢字であり、「泉」は配当学年が「6」であるため、小学六年生で学習する漢字である。1026文字は、「所定数」の一例である。
なお、配当学年テーブルは、中学生で学習する漢字(1110文字)を含んでもよい。
[通信手段・入力手段・演奏手段]
通信手段10bは、リモコン装置50との通信を行うためのインターフェースを提供する。入力手段10cは、利用者が各種の指示入力を行うための構成である。入力手段10cは、カラオケ本体10に設けられたボタン等である。或いは、リモコン装置50が入力手段10cとして機能してもよい。演奏手段10dは、制御手段10eの制御に基づき、楽曲のカラオケ演奏、及びマイク40を通じて入力された歌唱音声に基づく信号の処理を行う。
[制御手段]
制御手段10eは、カラオケ装置Kにおける各種の制御を行う。制御手段10eは、CPUおよびメモリ(いずれも図示無し)を備える。CPUは、メモリに記憶されたプログラムを実行することにより各種の機能を実現する。
本実施形態においてはCPUがメモリに記憶されるプログラムを実行することにより、制御手段10eは、取得部200、特定部300、及び表示制御部400として機能する。
(取得部)
取得部200は、カラオケ歌唱を行う利用者の学年を取得する。
利用者は、カラオケ装置Kを利用する際、リモコン装置50等を介して自己の利用者識別情報の入力を行う。カラオケ装置Kは、入力された利用者識別情報に基づいてログイン処理を行い、サーバ装置(図示なし)から当該利用者の属性情報を受信する。利用者識別情報は、個々の利用者を識別するための利用者ID等、各利用者に固有の情報である。利用者識別情報は、各利用者がカラオケ装置Kを初めて利用する際に設定することができる。利用者の属性情報は、利用者の生年月日、性別、歌唱履歴等である。なお、ログイン処理は公知の技術を用いることができる。
取得部200は、受信した属性情報に含まれる生年月日と現在(利用者がカラオケ装置Kを利用する際)の年月日に基づいて利用者の学年を取得する。
なお、利用者は、カラオケ装置Kを利用する際、リモコン装置50等を介して直接、自己の学年を入力してもよい。或いは、取得部200は、カラオケ装置Kが有する撮影手段(図示なし)で撮影した利用者の画像を解析し、推定した利用者の年齢を用いておおよその学年を取得してもよい。
(特定部)
特定部300は、カラオケ歌唱を行う楽曲の歌詞テロップデータ、配当学年テーブル、及び取得した利用者の学年に基づいて、当該利用者が判読できない漢字を特定する。
利用者が楽曲を選曲した場合、カラオケ装置Kは、第1の記憶部100aから選曲された楽曲の歌詞テロップデータ及びルビ文字データを読み出す。
特定部300は、読み出された歌詞テロップデータを参照し、文字コードに基づいて楽曲の歌詞に含まれる漢字を抽出する。また、特定部300は、第2の記憶部100bから配当学年テーブルを読み出す。特定部300は、読み出した配当学年テーブルを参照し、抽出した漢字毎の配当学年を特定する。そして、特定部300は、特定した配当学年と利用者の学年とを対比し、配当学年が利用者の学年以上である漢字を、利用者が判読できない漢字として特定する。
なお、カラオケ装置の利用時期によって、同じ学年の利用者であっても学習済みの漢字の数に差がある。たとえば、同じ小学五年生であっても、4月の時点と3月の時点では学習済みの漢字が185文字も異なる。
そこで、特定部300は、予め設定した利用時期の条件を参照して、利用者が判読できない漢字を特定してもよい。利用時期の条件は、たとえば「2月~3月」のような、利用者の学年における漢字の学習が完了していると思われる時期である。
利用時期の条件を満たす場合、特定部300は、配当学年が利用者の学年より高い学年である漢字を、利用者が判読できない漢字として特定する。たとえば、利用者の学年が小学三年生であり、且つ利用時期の条件を満たす場合、特定部300は、配当学年が小学4年生以上の漢字を、利用者が判読できない漢字として特定する。
(表示制御部)
表示制御部400は、カラオケ歌唱を行う楽曲の歌詞をテロップ表示させる際、特定した漢字をルビ文字データに基づく仮名に置き換えて表示させる。
利用者の選曲した楽曲をカラオケ演奏する際、表示制御部400は、利用者が選曲した楽曲のカラオケ歌唱に合わせ、歌詞テロップデータに基づいて歌詞をテロップ表示させる。また、テロップ表示される歌詞に漢字が含まれている場合、表示制御部400は、ルビ文字データに基づいて漢字にルビを付して表示させることができる。
ここで、本実施形態に係る表示制御部400は、テロップ表示される歌詞に含まれる漢字のうち、特定部300により特定された漢字については、ルビ文字データが示すルビの仮名に置き換えて表示させる。
==カラオケ装置Kの動作について==
次に、図6及び図7を参照して本実施形態におけるカラオケ装置Kの動作の具体例について述べる。図6は、カラオケ装置Kの動作例を示すフローチャートである。この例において、第1の記憶部100aは、図3に示した歌詞テロップデータ、及び図4に示したルビ文字データを記憶している。また、第2の記憶部100bは、図5に示した配当学年テーブルを記憶している。なお、本実施形態では、小学生である利用者の学年に応じて漢字を仮名に置き換えるものとし、利用者が中学生以上の場合には、通常の歌詞テロップを表示させ、利用者が小学生未満の場合には、全ての漢字を仮名に置き換えるものとする。
利用者Uは、カラオケ装置Kを利用する際、リモコン装置50を介して、自己の利用者IDを入力する。カラオケ装置Kは、入力された利用者識別情報に基づいてログイン処理を行い、サーバ装置(図示なし)から利用者Uの属性情報を受信する。受信した利用者Uの属性情報には利用者Uの生年月日である「2010年4月30日」が含まれているとする。
取得部200は、受信した属性情報に含まれる生年月日「2010年4月30日」を、現在の年月日である「2020年12月20日」と比較することにより、カラオケ歌唱を行う利用者Uの学年「小学四年生」を取得する(利用者の学年を取得。ステップ10)。
ここで、利用者Uがリモコン装置50を介して楽曲Xを選曲したとする。この場合、カラオケ装置Kは、第1の記憶部100aから楽曲Xの歌詞テロップデータ及びルビ文字データを読み出す(歌詞テロップデータ、及びルビ文字データの読み出し。ステップ11)。
その後、カラオケ装置Kは、楽曲Xのカラオケ演奏を開始する(カラオケ演奏を開始。ステップ12)。特定部300は、第2の記憶部100bから配当学年テーブルを読み出す。そして、特定部300は、ステップ11で読み出された歌詞テロップデータ、配当学年テーブル、及びステップ10で取得した利用者Uの学年に基づいて、利用者Uが判読できない漢字を特定する(利用者が判読できない漢字を特定。ステップ13)。
たとえば、特定部300は、ステップ11で読み出された楽曲Xの歌詞テロップデータを参照し、文字コードに基づいて楽曲Xの歌詞WS1に含まれる漢字「暗」、「泉」、「銀」、「色」、「影」、「映」を抽出する。
特定部300は、配当学年テーブルを参照し、抽出した漢字毎の配当学年を特定する。図5の配当学年テーブルによると、「暗」及び「銀」は配当学年が小学三年生であり、「泉」及び「映」は配当学年が小学六年生であり、「色」は配当学年が小学二年生である。一方、「影」は配当学年テーブルに含まれない。すなわち、「影」は、小学生では学習しない漢字である。
特定部300は、配当学年が小学四年生(利用者の学年)以上である漢字を、利用者が判読できない漢字として特定する。この場合、特定部300は、小学四年生である利用者Uが判読できない漢字として「泉」、「影」、「映」の3文字を特定する。
表示制御部400は、カラオケ歌唱を行う楽曲Xの歌詞WS1をテロップ表示させる際、ステップ13で特定した漢字をルビ文字データに基づく仮名に置き換えて表示させる(特定した漢字を仮名に置き換えて表示。ステップ14)。
具体的に、表示制御部400は、ステップ13で特定した漢字のタイムコードと、ルビ文字データのタイムコードとを対比し、一致するタイムコードが付与されたルビで漢字を置き換える。
上記例の場合、表示制御部400は、「泉」を「いずみ」、「影」を「かげ」、「映」を「うつ」に置き換えることで、楽曲Xの歌詞WS1を「暗いいずみに銀色のかげをうつして」とテロップ表示する(図7参照)。
置き換えられた仮名のタイムコードは、対応する漢字のタイムコードに基づいて新たに設定される。たとえば、「い」「ず」「み」のタイムコードは、「泉」のタイムコード「***_**c」に基づいて、それぞれ設定される。
カラオケ装置Kは、楽曲Xのカラオケ演奏が終了するまで(ステップ15でYの場合まで)、ステップ13及びステップ14の処理を繰り返し行い、楽曲Xの歌詞WS1~WSnのテロップ表示を行う。
なお、ここでは、楽曲Xのカラオケ演奏に伴い、判読できない漢字の特定、及び仮名への置き換えの処理を行う例について述べたがこれに限られない。たとえば、楽曲Xの予約が確定した段階で、特定部300は、楽曲Xの全ての歌詞について判読できない漢字の特定を行うことができる。また、表示制御部400は、特定された漢字を仮名に置き換えた歌詞テロップデータを予め作成し、カラオケ演奏に伴って作成した歌詞テロップデータに基づくテロップ表示を行ってもよい。
以上から明らかなように、本実施形態に係るカラオケ装置Kは、楽曲の歌詞をテロップ表示するための歌詞テロップデータ、及び歌詞に含まれる漢字に対するルビを表示するためのルビ文字データを記憶する第1の記憶部100aと、所定数の常用漢字それぞれに対し、配当学年を対応付けた配当学年テーブルを記憶する第2の記憶部100bと、カラオケ歌唱を行う利用者の学年を取得する取得部200と、カラオケ歌唱を行う楽曲の歌詞テロップデータ、配当学年テーブル、及び取得した利用者の学年に基づいて、当該利用者が判読できない漢字を特定する特定部300と、カラオケ歌唱を行う楽曲の歌詞をテロップ表示させる際、特定した漢字をルビ文字データに基づく仮名に置き換えて表示させる表示制御部400と、を有する。
このようなカラオケ装置Kによれば、歌詞に含まれる漢字のうち、利用者が学習していない漢字を仮名に置き換えてテロップ表示することができる。よって、常用漢字全ての学習が終了していない小学生や中学生であっても、歌詞を把握することができるため、カラオケ歌唱を行いやすくなる。また、利用者が既に学習済みの漢字はそのまま表示されるため、歌詞が読み難くなることもない。すなわち、本実施形態に係るカラオケ装置によれば、小中学生の利用者に対して読み易い歌詞のテロップ表示を行うことができる。
<第2実施形態>
次に、図8及び図9を参照して、第2実施形態に係るカラオケ装置について説明する。本実施形態では、利用者が漢字の歌詞を適切に発声できたか否かによって、利用者の学年を変更する例について述べる。第1実施形態と同様の構成については説明を省略する。
[制御手段]
本実施形態においてはCPUがメモリに記憶されるプログラムを実行することにより、制御手段10eは、取得部200、特定部300、表示制御部400、及び評価部500として機能する。
(評価部)
評価部500は、漢字で表示された歌詞を利用者が適切に発声できたか否かを評価する。
たとえば、利用者は、表示装置30等の表示画面に表示される歌詞テロップを参照しながらカラオケ歌唱を行う。評価部500は、利用者の歌唱音声に基づく歌唱音声信号を音声認識処理し、テキストデータをそれぞれのタイムコードとともに取得する。
評価部500は、取得したテキストデータと、カラオケ歌唱を行う楽曲のルビ文字データとを対応するタイムコードに基づいて比較し、一致度を求める。一致度は、たとえば歌詞毎に10点を満点とする得点で表すことができる。評価部500は、一致度を予め設定した条件に当てはめ、漢字で表示された歌詞を適切に発声できたか否かを評価する。そして、評価部500は、評価結果(「適切に発声できた」、または「適切に発声できなかった」)を特定部300に出力する。
たとえば、一致度が「9.0点」であり、条件が「8.0点以上」であるとする。この場合、評価部500は「適切に発声できた」との評価結果を特定部300に出力する。なお、評価部500は、評価の結果と併せて、求めた得点を出力してもよい。
(特定部)
本実施形態に係る特定部300は、評価部500による評価結果に基づいて、取得した利用者の学年を変更する。
たとえば、取得部200により取得された学年が「小学五年生」であったとする。この場合、特定部300は、カラオケ歌唱を行う楽曲の歌詞テロップデータ、配当学年テーブル、及び取得した利用者の学年「小学五年生」に基づいて、利用者が判読できない漢字を特定する。表示制御部400は、カラオケ歌唱を行う楽曲の歌詞をテロップ表示させる際、特定した漢字をルビ文字データに基づく仮名に置き換えて表示させる。利用者は、特定した漢字が仮名に置き換えられた歌詞を参照しながらカラオケ歌唱を行う。
その後、評価部500から漢字で表示された歌詞を利用者が適切に発声できなかったという評価結果が出力されたとする。
この場合、特定部300は、取得した利用者の学年を「小学五年生」から一学年下げた「小学四年生」に変更する。なお、変更する学年は、一学年に限られない。たとえば、二学年下げることでもよい。
==カラオケ装置Kの動作について==
次に、図9を参照して本実施形態におけるカラオケ装置Kの動作の具体例について述べる。図9は、カラオケ装置Kの動作例を示すフローチャートである。この例において、第1の記憶部100aは、図3に示した歌詞テロップデータ、及び図4に示したルビ文字データを記憶している。また、第2の記憶部100bは、図5に示した配当学年テーブルを記憶している。
ステップ20からステップ24は、第1実施形態のステップ10からステップ14と同様である。
利用者Uは、歌詞WS1のテロップ表示を参照しながら、楽曲Xのカラオケ歌唱を行う。
評価部500は、漢字で表示された歌詞WS1を利用者Uが適切に発声できたか否かを評価する(漢字の発声を評価。ステップ25)。
たとえば、利用者Uは、図7に示した歌詞WS1「暗いいずみに銀色のかげをうつして」のテロップ表示を参照しながら、カラオケ歌唱を行う。
評価部500は、歌詞WS1に含まれる漢字「暗」、「銀」、「色」それぞれについて、適切に発声できたか否かを評価する。
全ての漢字について適切に発声できた場合、評価部500は、一致度として「10点」を求める。一方、たとえば適切に発声できない漢字が一つあった場合、評価部500は、一致度として「6.7点」を求める。評価部500は、評価の値を予め設定した条件に当てはめることで、歌詞WS1に含まれる漢字を適切に発声できたか否かを評価する。
歌詞に含まれる漢字を適切に発声できなかった場合(ステップ26でNの場合)、特定部300は、取得した利用者Uの学年を一学年下げる変更を行う(学年を一学年下げる。ステップ27)。
たとえば、評価部500は、一致度「6.7点」を予め設定した条件「8.0点以上」に当てはめることで、歌詞WS1に含まれる漢字を適切に発声できなかったと評価したとする。この場合、特定部300は、取得した利用者Uの学年を「小学四年生」から「小学三年生」に下げる変更を行う。特定部300は、歌詞WS1の次の歌詞WS2については、利用者Uの学年を「小学三年生」として、判読できない漢字の特定を行う。
カラオケ装置Kは、楽曲Xのカラオケ演奏が終了するまで(ステップ28でYの場合まで)、ステップ23からステップ27の処理を繰り返し行う。
なお、上記例では、漢字で表示された歌詞を利用者が適切に発声できなかった場合のみについて説明した。一方、特定部300は、漢字で表示された所定数の歌詞を利用者が適切に発声できた場合、利用者の学年を上げることも可能である。所定数は、「5」、「8」、或いは全歌詞の1/3等、予め設定されている。
たとえば、上記例で、評価部500は、所定数「8」の歌詞、すなわち歌詞WS1~歌詞WS8に含まれる漢字を適切に発声できたと評価したとする。この場合、特定部300は、取得した利用者Uの学年を「小学四年生」から「小学五年生」に上げる変更を行う。特定部300は、歌詞WS8の次の歌詞WS9については、利用者Uの学年を「小学五年生」として、判読できない漢字の特定を行う。
以上から明らかなように、本実施形態に係るカラオケ装置Kは、漢字で表示された歌詞を利用者が適切に発声できたか否かを評価する評価部500を有する。本実施形態に係る特定部300は、評価部500による評価結果に基づいて、取得した利用者の学年を変更する。このように、漢字で表示された歌詞を利用者が適切に発声できたか否かによって学年を変更(学年を上げる、または学年を下げる)ことにより、利用者の漢字の習熟度合いに応じた歌詞をテロップ表示させることができる。
<変形例1>
表示制御部400は、カラオケ歌唱を行う楽曲の歌詞に含まれる漢字のうち、仮名に置き換えずに表示する漢字に対し、ルビ文字データに基づいて、所定位置に所定サイズのルビを表示することができる。所定位置は、漢字の上方等、漢字に対するルビの位置であり、所定サイズは、たとえば漢字の半分のサイズ等、漢字に対するルビの大きさである。所定位置及び所定サイズは、予め設定されている。
たとえば、図7の例において、表示制御部400は、漢字で表示する「暗」、「銀」、「色」の3文字について、その上方に漢字の半分のサイズで「くら」、「ぎん」、「いろ」のルビを表示させることができる(図10参照)。このように利用者の学習済みの漢字に対してルビを付すことにより、学習が不十分な利用者であっても歌詞を把握できるため、カラオケ歌唱をスムーズに行うことができる。
<変形例2>
歌詞の中には、2以上の漢字が連続する熟語が含まれる場合がある。また、このような連続する漢字それぞれの配当学年が異なる場合がある。
そこで、特定部300は、楽曲の歌詞に含まれる連続する二以上の漢字について、それぞれの配当学年が異なる場合、配当学年が最も高い一の漢字を抽出し、その他の漢字の配当学年を抽出した漢字の配当学年として、利用者が判読できない漢字を特定することができる。
たとえば、楽曲Xの歌詞WS1に含まれる「銀色」の場合、「銀」の配当学年は小学三年生であり、「色」の配当学年は小学二年生である。
この場合、特定部300は、配当学年が最も高い「銀」を抽出する。そして、特定部300は、「銀」と連続する「色」の配当学年を、本来の配当学年である「小学二年生」ではなく、抽出した「銀」の配当学年である「小学三年生」として、仮名に置き換えるべき漢字かどうかを特定する。
ここで、小学三年生である利用者がカラオケ歌唱を行う場合、実施形態の例では、表示制御部400は、「銀色」を「ぎん色」に置き換えて歌詞を表示させる。一方、本変形例において、表示制御部400は、「銀色」を「ぎんいろ」に置き換えて歌詞を表示させる。このように連続する二以上の漢字について、一括で仮名に置き換えることにより、熟語の一部だけが仮名で表示されることがない。よって、利用者は歌詞を読み易くなる。
<変形例3>
歌詞に含まれる二以上の漢字が連続する熟語の中には、特有の読み方をするものがある。このような文字は、個々の漢字を学習済みであっても、小中学生の利用者にとっては正確な判読は困難である。よって、カラオケ装置Kは、このような文字については利用者の学年によらず仮名に置き換えて表示させることができる。
この場合、特定部300は、歌詞に含まれる漢字それぞれについて一般的な読み方(小中学生で学習する読み方)を検索する。漢字の読み方は、たとえば記憶手段10aに予め記憶させた漢字のデータベースを利用して検索することができる。
特定部300は、ある漢字について、検索した読み方とルビ文字データとを比較する。特定部300は、読み方が一致しない漢字について、利用者が判読できない漢字として特定する。
たとえば、「水面」の熟語が含まれる歌詞があるとする。また、漢字「水」の配当学年は小学一年生であり、漢字「面」の配当学年は小学三年生である。この場合、特定部300は、漢字「水」の読み方として「すい」、「みず」を検索し、漢字「面」の読み方として「めん」、「おもて」、「つら」を検索したとする。
特定部300は、検索した読み方の組み合わせ「すいめん」、「すいおもて」、「すいつら」、「みずめん」、「みずおもて」、「みずつら」を、歌詞「水面」に対応するルビ文字データが示す「みなも」と比較する。
この場合、一致する組み合わせが無いため、特定部300は、「水面」を仮名に置き換える漢字として特定する。表示制御部400は、「水面」の漢字を含む歌詞をテロップ表示させる際、特定した漢字「水面」をルビ文字データに基づき仮名「みなも」に置き換えて表示させる。
このように、特有の読み方をする熟語については利用者の学年によらず仮名に置き換えることにより、利用者は歌詞を読み易くなる。また、歌詞に含まれる漢字や熟語の中には、たとえば「魂(ソウル)」、「地球(ほし)」のように特殊な読み方をさせるものがあり、このような文字は年齢に関係なく判読は困難である。このような文字についても上述の処理を行うことができる。
<その他>
上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定するものではない。上記の構成は、適宜組み合わせて実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
100a 第1の記憶部
100b 第2の記憶部
200 取得部
300 特定部
400 表示制御部
500 評価部
K カラオケ装置

Claims (4)

  1. 楽曲の歌詞をテロップ表示するための歌詞テロップデータ、及び歌詞に含まれる漢字に対するルビを表示するためのルビ文字データを記憶する第1の記憶部と、
    所定数の常用漢字それぞれに対し、配当学年を対応付けた配当学年テーブルを記憶する第2の記憶部と、
    カラオケ歌唱を行う利用者の学年を取得する取得部と、
    前記カラオケ歌唱を行う楽曲の歌詞テロップデータ、前記配当学年テーブル、及び取得した前記利用者の学年に基づいて、当該利用者が判読できない漢字を特定する特定部と、
    前記カラオケ歌唱を行う楽曲の歌詞をテロップ表示させる際、特定した前記漢字を前記ルビ文字データに基づく仮名に置き換えて表示させる表示制御部と、
    を有するカラオケ装置。
  2. 漢字で表示された歌詞を前記利用者が適切に発声できたか否かを評価する評価部を有し、
    前記特定部は、前記評価部による評価結果に基づいて、取得した前記利用者の学年を変更することを特徴とする請求項1記載のカラオケ装置。
  3. 前記表示制御部は、前記カラオケ歌唱を行う楽曲の歌詞に含まれる漢字のうち、仮名に置き換えずに表示する漢字に対し、前記ルビ文字データに基づいて、所定位置に所定サイズのルビを表示することを特徴とする請求項1または2記載のカラオケ装置。
  4. 前記特定部は、楽曲の歌詞に含まれる連続する二以上の漢字について、それぞれの配当学年が異なる場合、配当学年が最も高い一の漢字を抽出し、その他の漢字の配当学年を抽出した漢字の配当学年として、前記利用者が判読できない漢字を特定することを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載のカラオケ装置。
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