JP7518105B2 - 予兆診断処理生成装置、予兆診断システム、及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、予兆診断処理生成装置、予兆診断システム、及び予兆診断処理生成機能を実現するプログラムに関する。
高スペックな計算機を利用せず電流データのみを利用して回転機の異常予兆診断を行う技術が、特許文献1に開示されている。この技術により、電流データを利用した回転機の異常予兆診断が可能である。
特開2021-50921号公報
ところで、例えば、工場の生産ラインで利用されている回転機の場合、その回転機の負荷は生産ラインに流れる製造物によって変わり、電流値もその負荷に合わせて変動する。このため、特許文献1に開示された技術では、負荷に合わせて電流値が変動する場合に、異常予兆診断に使用する正常データを定義することが難しい。そのため、回転機から得られる電流データを基に、高精度に異常予兆を検知することができない場合があった。
また、同じく工場の生産ラインで利用される回転機の場合、回転機には、減速機やギアボックス、ベルト、チェーンなど様々な部品が繋がっていることが一般的である。その部品の異常の予兆を回転機の電流値から把握したいニーズがあるが、特許文献1に開示された技術では、異常予兆検知の精度が高くないため、その部品(異常部位)を特定することは難しかった。
上記の状況から、回転機等の回転機構から得られる電流データを基に、高精度に異常予兆を診断できる手法が要望されていた。
上記課題を解決するために、本発明の一態様の予兆診断処理生成装置は、ユーザの指示に基づいて、回転機構を備えた設備から得られる時系列の電流データから特定の条件を満たす電流データのみを抽出するデータ抽出方法を設定する処理と、ユーザの指示に基づいて、抽出された電流データの異常度を算出する異常度算出方法を設定する処理と、データ抽出方法と異常度算出方法とから、対象の設備の異常予兆を診断する予兆診断処理を生成する処理と、を実行する予兆診断処理生成部を備える。
本発明の少なくとも一態様によれば、回転機から得られる電流データを基に、高精度に異常予兆を診断することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の一実施形態に係る予兆診断システムの全体構成例を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る予兆診断処理生成装置の構成例を示すブロック図である。 本発明の一実施形態における処理プログラム保存テーブルの構成例を示す図である。 本発明の一実施形態における予兆診断処理保存テーブルの構成例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る予兆診断処理実行装置の構成例を示すブロック図である。 本発明の一実施形態における予兆診断処理生成装置と予兆診断処理実行装置の間で行われる処理の手順例を示すシーケンスチャートである。 本発明の一実施形態における予兆診断処理生成装置による予兆診断処理生成処理の手順例を示すフローチャート(1)である。 本発明の一実施形態における予兆診断処理生成装置による予兆診断処理生成処理の手順例を示すフローチャート(2)である。 本発明の一実施形態における予兆診断処理生成装置による予兆診断処理生成処理で用いられる予兆診断処理生成画面の情報入力前の例を示す図である。 本発明の一実施形態における予兆診断処理生成装置による予兆診断処理生成処理で用いられる予兆診断処理生成画面の情報入力後の例を示す図である。 本発明の一実施形態における予兆診断処理実行装置による予兆診断処理実行処理の手順例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態における予兆診断処理生成装置による予兆診断処理管理処理の手順例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態における予兆診断処理生成装置による予兆診断処理管理処理で用いられる予兆診断処理管理画面の例を示す図である。 本発明の一実施形態の変形例に係る予兆診断システムの構成例を示すブロック図である。
以下、本発明を実施するための形態の例について、添付図面を参照して説明する。本明細書及び添付図面において実質的に同一の機能又は構成を有する構成要素については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
<一実施形態>
まず、本発明の一実施形態に係る予兆診断システムの全体構成について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る予兆診断システムの全体構成例を示すブロック図である。図1には、予兆診断処理生成装置100と予兆診断処理実行装置200とを含む予兆診断システム1の例が示されている。
予兆診断処理生成装置100は、ネットワークNを通じて、ユーザ端末600から入力されるユーザの指示に基づいて、予兆診断処理実行装置200が実行する予兆診断処理として、予兆診断プログラムを含む各種情報を生成する。ユーザ端末600は、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示装置、及び、マウスやキーボード等の入力装置を備えるPC(パーソナルコンピュータ)である。また、ユーザ端末600は、表示装置と、タッチパネルからなる入力装置を備えたタブレット端末、スマートホンなどでもよい。そして、予兆診断処理生成装置100は、生成した予兆診断処理(予兆診断プログラムを含む各種情報)を、ネットワークNを通じて予兆診断処理実行装置200に転送する。
予兆診断処理実行装置200は、電流センサ300と接続されている。また、電流センサ300は、回転機500の駆動を制御する制御装置400(例えば、インバーターなど)と、予兆診断対象の回転機500とに接続されている。回転機500の例として、モータ、当該モータの回転力を動力とする減速機、ギアボックスや搬送機(ベルト、チェーンなど)など、回転機構を備えた種々の設備(部品)が挙げられる。予兆診断処理実行装置200は、電流センサ300を利用して、制御装置400と回転機500との間に流れる電流の値を定期的に取得する。そして、予兆診断処理実行装置200は、取得した時系列の電流値について、予兆診断処理である予兆診断プログラムを利用して異常の予兆検知を行う。
本実施形態における予兆診断システム1(予兆診断システムの例)は、電流センサ300により取得した設備(例えば、回転機500)の電流データから、ユーザが特定の条件(=特定期間)を満たす電流データのみを抽出するように設定できる機能と、ユーザが異常診断を行いたい設備(部品)に応じて予兆診断アルゴリズムを選択できる機能とを実装する。これにより、電流データのみで高精度な異常予兆の診断を実現する。
図1では、ネットワークNを介して予兆診断処理生成装置100を予兆診断処理実行装置200に接続し、予兆診断処理生成装置100を外部の資源を利用するクラウド型で運用している。ただし、予兆診断処理生成装置100を外部の資源を利用しないオンプレミス型で運用してもよい。
[予兆診断処理生成装置]
次に、予兆診断処理生成装置100の構成について図2を参照して説明する。
図2は、予兆診断処理生成装置100の構成例を示すブロック図である。予兆診断処理生成装置100は、パーソナルコンピュータなどの汎用コンピューターやワークステーションなどが該当する。予兆診断処理生成装置100は、ハードウェアモジュール120、OS(Operating System)160、及びソフトウェアモジュール170を含んで構成される。
ハードウェアモジュール120は、処理部122と、通信インタフェース(図中、通信I/Fと表記)124と、記憶部126とを備える。処理部122は、中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)等から構成される。通信インタフェース124は、予兆診断処理実行装置200とデータ通信を行うための通信機能を有する。各ブロックは、システムバスを介して相互にデータの送受信が可能に接続されている。
記憶部126は、揮発性/不揮発性メモリや大容量ストレージ等により構成される。例えば、揮発性メモリとしてRAM(Random Access Memory)、不揮発性メモリとしてROM(Read Only Memory)、大容量ストレージとしてハードディスク装置などを用いることができる。記憶部126には、処理プログラム保存テーブル130、予兆診断処理保存テーブル140、分析対象ファイル150、及びプログラム群128が記憶されている。また、記憶部126には、処理部122が実行するコンピュータプログラムやパラメータ等が記憶されている。処理部122は、本実施形態に係る各機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記憶部126から読み出して実行し、各種演算や制御を行う。
次に、図3~図4を用いて、処理プログラム保存テーブル130と、予兆診断処理保存テーブル140について説明する。
[処理プログラム保存テーブル]
図3は、処理プログラム保存テーブル130の構成例を示す図である。処理プログラム保存テーブル130は、予兆診断処理実行装置200において実行される予兆診断プログラム(予兆診断処理)を、予兆診断処理生成機能174(図2参照)が生成するために必要な情報を保存するテーブルである。処理プログラム保存テーブル130は、フィールドとして、分類名132、処理内容134、プログラム名136、及びパラメータ138を備える。
分類名132は、記憶部126に記憶されている予兆診断プログラムのプログラム群128を分類した名称を示す。予兆診断プログラムは、分析に利用する時系列の電流値に対して特定の期間の電流値のみを抽出するデータ抽出プログラムと、抽出した電流データに対して周波数変換処理などを行った後、マハラノビス距離などを利用して異常度を算出する異常度算出プログラムに分類される。分類名132には、データ抽出プログラム又は異常度算出プログラムのどちらかが格納される。なお、本実施形態では、データ抽出プログラムと異常度算出プログラムの2つにプログラム群128を分類したが、さらにプログラム群128を外れ値の除去や量子化などを行う前処理プログラムなどに分類してもよい。
処理内容134は、記憶部126に記憶されているプログラム群128の処理内容を示す。例えば、データ抽出プログラムには、分析に利用する電流値の移動平均を算出するアルゴリズムが格納されている。そして、その移動平均のアルゴリズムは、例えば、パラメータ138に基づいて移動平均が特定の範囲に収まる電流値のみを抽出するといった処理である。また、データ抽出プログラムに、電流値に加えて回転機500の回転数を外部システムから取得できる場合には、その回転数が所定の範囲に収まっているときの電流値のみを抽出するといった処理内容などが格納されてもよい。なお、回転数を利用する場合、移動平均が特定の範囲に収まり、かつ回転数が所定の範囲に収まる電流値を抽出するようにしてもよい。
さらに、異常度算出プログラムでは、電流データに周波数変換処理を実施した後、マハラノビス距離を利用して設備(部品)の電流値の異常度を算出する場合、対象の設備によって利用する周波数が異なる。このため、異常度算出プログラムの場合、対象の設備の情報などが処理内容134に格納される。例えば、異常度算出プログラムと紐づけられた処理内容134には、対象の設備の情報として、「減速機向け処理」、「搬送機向け処理」等の情報が格納されている。このようにすることで、本実施形態では、異常度算出方法として、対象の設備に適した異常度算出プログラムを設定することができる。
プログラム名136は、分類名132及び処理内容134が表すプログラム名を示す。プログラム名は、分類名132と処理内容134の組合せで決まる。
パラメータ138は、プログラム名136が示すプログラムを実行するために必要なパラメータを示す。例えば、データ抽出プログラムにおいて、移動平均が特定の範囲に収まる電流値のみを抽出する場合、下限値と上限値がパラメータとして格納される。また、データ抽出プログラムにおいて、移動平均が特定の変動率に収まる電流値のみを抽出する場合、変動率がパラメータとして格納される。
例えば、図3のデータ抽出プログラムに関するレコードのうち1番目のレコードには、分類名132として「データ抽出プログラム」、処理内容134として「移動平均」、プログラム名136として「プログラムA」、パラメータ138として「下限値、上限値」が保存されている。また、例えば、図3の異常度算出プログラムに関するレコードのうち1番目のレコードには、分類名132として「異常度算出プログラム」、処理内容134として「減速機向け処理」、プログラム名136として「プログラムa」が保存されている。異常度算出プログラムの場合、パラメータ138には、パラメータが設定されていない。
なお、本実施形態では、異常度算出プログラムにパラメータが設定されていない例を説明しているが、利用する異常度算出プログラムによっては、異常度算出プログラムに関するレコードにパラメータを格納してもよい。例えば、深層学習を利用して異常度算出プログラムを構成した場合には、パラメータとして、深層学習で使用するニューラルネットワークの層数、結合の重みなどを設定できる。また、異常度算出プログラムにクラスタリングが用いられている場合には、パラメータとして、クラスタ数、取得した電流値とクラスタに含まれる複数の電流値の重心との距離などを設定できる。
[予兆診断処理保存テーブル]
図4は、予兆診断処理保存テーブル140の構成例を示す図である。予兆診断処理保存テーブル140は、予兆診断処理生成機能174(図2参照)によって、予兆診断処理実行装置200で実行される予兆診断プログラム(予兆診断処理)を生成した結果を保存するテーブルである。予兆診断プログラム(予兆診断処理)を生成した結果とは、言い換えると、予兆診断プログラムに関する情報のことである。予兆診断処理保存テーブル140は、フィールドとして、処理名141、分析対象ファイル名142、データ抽出プログラム143、データ抽出パラメータ144、異常度算出プログラム145、及び異常度判定閾値146を備える。
処理名141は、予兆診断プログラム(予兆診断処理)をユーザが識別するための名称を示す。この予兆診断プログラムを識別する名称は、ユーザが予兆診断処理生成機能174を実行する際に、ユーザインタフェース172(図2参照)を介してユーザが設定する。本実施形態では、処理名141を予兆診断処理の対象とする設備の名称としているが、設備を識別できる情報であればよい。例えば、設備の識別情報に、記号、数字、又は、記号と数字の組合せなどを用いてもよい。
分析対象ファイル名142は、ユーザが予兆診断処理生成機能174を利用して予兆診断プログラムを生成する際に利用した電流データが格納されたファイルの名称を示す。このファイル名は、ユーザが予兆診断処理生成機能174を実行する際に、ユーザインタフェース172を介してユーザが設定する。
データ抽出プログラム143は、ユーザが予兆診断処理生成機能174を利用して予兆診断プログラム(予兆診断処理)を生成する際に、ユーザインタフェース172を介してユーザが選択したデータ抽出プログラム(データ抽出方法)の名称を示す。
データ抽出パラメータ144は、ユーザが予兆診断処理生成機能174を利用して予兆診断プログラムを生成する際に、ユーザインタフェース172を介してユーザが設定したデータ抽出プログラムに対するパラメータ値を示す。データ抽出パラメータは、データ抽出方法の一要素であり、電流センサ300により収集された時系列の電流データから分析対象の電流データを抽出するための所定の条件である。
異常度算出プログラム145は、ユーザが予兆診断処理生成機能174を利用して予兆診断プログラム(予兆診断処理)を生成する際に、ユーザインタフェース172を介してユーザが選択した異常度算出プログラム(異常度算出方法)の名称を示す。
異常度判定閾値146は、ユーザが予兆診断処理生成機能174を利用して予兆診断プログラムを生成する際に、ユーザインタフェース172を介してユーザが設定した異常度判定に利用される閾値を示す。予兆診断処理実行装置200は、予兆診断処理生成装置100で生成された予兆診断プログラムの異常度算出プログラムにより、電流データの異常度を算出し、その異常度を異常度判定閾値と比較する。異常度判定閾値は、異常度算出方法の一要素である。
例えば、図4の1番目のレコードには、処理名141として「設備X」、分析対象ファイル名142として「ファイルXXX」、データ抽出プログラム143として「プログラムA」、データ抽出パラメータ144として「下限値が5、上限値が30」、異常度算出プログラム145として「プログラムb」、異常度判定閾値146として「20」が保存されている。
以上が、記憶部126に記憶されている処理プログラム保存テーブル130と予兆診断処理保存テーブル140の説明である。
図2の予兆診断処理生成装置100の説明に戻る。記憶部126には、処理プログラム保存テーブル130と、予兆診断処理保存テーブル140に加えて、分析対象ファイル150、プログラム群128が記憶されている。
分析対象ファイル150は、ユーザが予兆診断処理生成機能174を利用して予兆診断プログラムを生成する際に使用するファイルであり、電流値の情報のみ、又は、タイムスタンプと電流値の情報から構成されるファイルである。分析対象ファイル150において、電流センサ300で電流を測定した順番が保たれているときは、時刻を表すタイムスタンプを不要とすることができる。
プログラム群128は、ユーザが予兆診断処理生成機能174を利用して予兆診断プログラムを生成する際に使用するデータ抽出プログラムならびに異常度算出プログラムである。
ОS160は、予兆診断処理生成装置100の動作を統括的に制御する基本ソフトウェア(Operating System)である。
ソフトウェアモジュール170は、予兆診断処理生成装置100上で動作するソフトウェアである。ソフトウェアモジュール170は、ユーザインタフェース172と、予兆診断処理生成機能174と、予兆診断処理管理機能176と、予兆診断処理転送機能178とを備える。
ユーザインタフェース172は、ユーザが、予兆診断処理生成機能174や予兆診断処理管理機能176、予兆診断処理転送機能178を使用するためのインタフェースであり、Web(World Wide Web)インタフェースなどが該当する。本実施形態では、ユーザインタフェース172は、GUI(Graphical User Interface)である。
予兆診断処理生成機能174(予兆診断処理生成部の一例)は、ユーザインタフェース172を通じてユーザによって指示される内容に基づいて、予兆診断処理実行装置200において実行される予兆診断プログラムを生成する機能である。
予兆診断処理管理機能176(予兆診断処理管理部の一例)は、予兆診断処理生成機能174がユーザインタフェース172を通じてユーザによって指示される内容に基づいて生成した、予兆診断プログラムを管理する機能である。
予兆診断処理転送機能178(予兆診断処理転送部の一例)は、予兆診断処理生成機能174がユーザインタフェース172を通じてユーザによって指示される内容に基づいて生成した、予兆診断プログラムを予兆診断処理実行装置200に転送する機能である。
以上が予兆診断処理生成装置100についての説明である。
[予兆診断処理実行装置]
次に、予兆診断処理実行装置200の構成について図5を参照して説明する。
図5は、予兆診断処理実行装置200の構成例を示すブロック図である。
予兆診断処理実行装置200は、パーソナルコンピュータなどの汎用コンピューターやワークステーションなどが該当する。予兆診断処理実行装置200は、ハードウェアモジュール220、OS240、ソフトウェアモジュール250を含んで構成される。
ハードウェアモジュール220は、処理部222と、通信インタフェース(図中、通信I/Fと表記)224と、タイマ226と、センサインタフェース(図中、センサI/Fと表記)228と、記憶部230とを備える。
処理部222は、中央処理装置(CPU)等から構成される。通信インタフェース224は、予兆診断処理生成装置100とデータ通信を行うための通信機能を有する。タイマ226は、時間を計測する装置であり、ソフトウェアモジュール250を定期的に実行させるために用いられる。センサインタフェース228は、電流センサ300から電流値を取得するために用いられる。各ブロックは、システムバスを介して相互にデータの送受信が可能に接続されている。
記憶部230は、揮発性/不揮発性メモリや大容量ストレージ等により構成される。例えば、揮発性メモリとしてRAM、不揮発性メモリとしてROM、大容量ストレージとしてハードディスク装置などを用いることができる。記憶部230には、予兆診断処理生成装置100より転送され、予兆診断処理実行装置200が実行する予兆診断プログラム232が記憶されている。また、記憶部230には、処理部222が実行するコンピュータプログラムやパラメータ等が記憶されている。処理部222は、本実施形態に係る各機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記憶部230から読み出して実行し、各種演算や制御を行う。
ОS240は、予兆診断処理実行装置200の動作を統括的に制御する基本ソフトウェア(Operating System)である。
ソフトウェアモジュール250は、予兆診断処理実行装置200上で動作するソフトウェアである。ソフトウェアモジュール250は、データ取得機能252と、予兆診断処理実行機能254と、予兆診断処理結果転送機能256とを備える。
データ取得機能252は、センサインタフェース228を介して電流センサ300から電流値を、タイマ226を利用して定期的に取得する機能である。
予兆診断処理実行機能254(予兆診断処理実行部の一例)とは、データ取得機能252にて取得した電流値を利用して、予兆診断プログラム232を実行する機能である。
予兆診断処理結果転送機能256は、予兆診断処理実行機能254を実行した結果、異常の予兆を検知した場合に、異常の予兆を検知したことをメールなどで外部端末に通知する機能である。
以上が予兆診断処理実行装置200の説明である。
[予兆診断プログラム]
次に、予兆診断処理生成装置100と予兆診断処理実行装置200による予兆診断プログラムの生成と実行、管理について図6を参照して説明する。
図6は、本実施形態に係る予兆診断処理生成装置100と予兆診断処理実行装置200の間で行われる処理の手順例を示すシーケンスチャートである。図6には、予兆診断処理生成装置100による予兆診断プログラムの生成と管理、予兆診断処理実行装置200による予兆診断プログラム実行のそれぞれの手順例が示されている。
予兆診断処理生成装置100において、処理部112が、記憶部126に記憶されたプログラムを実行することで、図6に示す予兆診断プログラムの生成と管理の手順が実行される。また、予兆診断処理実行装置200において、処理部222が、記憶部230に記憶されたプログラムを実行することで、図6に示す予兆診断プログラムの実行の手順が実行される。
まず、予兆診断処理生成装置100は、予兆診断処理生成機能174を利用して、予兆診断処理を生成する処理を実行する(S500)。すなわち、予兆診断処理生成装置100は、予兆診断処理として、予兆診断処理実行装置200により実行される予兆診断プログラムを生成する。本明細書において、予兆診断処理を生成する処理を「予兆診断処理生成処理」と記載する。予兆診断処理生成装置100は、予兆診断プログラムを生成すると、その生成した予兆診断プログラムを、予兆診断処理転送機能178を利用して予兆診断処理実行装置200に転送する。
次いで、予兆診断プログラムを取得した予兆診断処理実行装置200は、予兆診断処理実行機能254により、その予兆診断プログラム(予兆診断処理)を実行する処理を行う(S600)。本明細書において、予兆診断処理を実行する処理を「予兆診断処理実行処理」と記載する。
一方、予兆診断処理生成装置100は、生成した予兆診断プログラム(予兆診断処理)を、予兆診断処理管理機能176を利用して、管理する処理を行う(S700)。予兆診断処理管理処理は、ステップS500の予兆診断処理生成処理において過去に生成した予兆診断プログラムの内容を、ユーザインタフェース172を介して、ユーザが把握するための処理である。本明細書において、予兆診断処理を管理する処理を「予兆診断処理管理処理」と記載する。
以下に、予兆診断処理生成処理(S500)、予兆診断処理実行処理(S600)、予兆診断処理管理処理(S700)についてそれぞれ説明する。
[予兆診断処理の生成処理]
はじめに、ステップS500の予兆診断処理生成処理について図7~図10を参照して説明する。
図7は、本実施形態における予兆診断処理生成装置100による予兆診断処理生成処理(S500)の手順例を示すフローチャート(1)である。図8は、本実施形態における予兆診断処理生成装置100による予兆診断処理生成処理(S500)の手順例を示すフローチャート(2)である。図7及び図8に示す例は、予兆診断処理生成装置100が、予兆診断処理生成機能174(図2参照)を利用して、予兆診断処理生成処理(S500)を実行する際の手順例である。
図9は、本実施形態における予兆診断処理生成装置100による予兆診断処理生成処理で用いられる予兆診断処理生成画面の情報入力前の例を示す図である。図10は、本実施形態における予兆診断処理生成装置100による予兆診断処理生成処理で用いられる予兆診断処理生成画面の情報入力後の例を示す図である。図9及び図10では、予兆診断処理生成装置100がユーザインタフェース172として用意している、予兆診断処理生成画面800(GUI)の例が示されている。予兆診断処理生成画面800は、表示領域として、分析対象データ領域810と、分析対象データ抽出処理領域820と、異常度算出処理領域830と、及び異常度表示領域840を備える。
予兆診断処理生成処理の前提として、ユーザ端末600がネットワークNを介して予兆診断処理生成装置100に接続され、ユーザ端末600の表示装置に予兆診断処理生成画面800が表示されるとする。例えば、ユーザが不図示のメニュー画面上で、予兆診断処理生成画面の表示を指示することで、予兆診断処理生成画面800が表示される。ただし、予兆診断処理生成装置100が、表示装置及び入力装置を備え、ユーザが予兆診断処理生成装置100を直接使用して予兆診断処理を生成できる構成としてもよい。
まず、図7において、予兆診断処理生成装置100の予兆診断処理生成機能174は、ユーザが予兆診断処理生成画面800(GUI)を介して、分析対象データ抽出処理領域820に表示された“抽出処理一覧”(図9参照)を選択したかどうかを確認する(S501)。図7を含む各フローチャートの説明では、予兆診断処理生成画面800を含む各画面を「GUI」と記載している。例えば、マウス等で“抽出処理一覧”を選択する代わりに、下向き三角形のマークで示したプルダウンメニュー表示ボタンを操作してもよい。
分析対象データ抽出処理領域820は、分析対象ファイル150に格納された時系列の電流データから分析対象の電流データを抽出するための、データ抽出処理の内容(処理内容)が入力される領域である。ユーザが分析対象データ抽出処理領域820に処理内容を入力することで、予兆診断処理生成機能174は、入力された処理内容の情報を基に、プログラム群128からデータ抽出処理時に使用するデータ抽出プログラム(データ抽出方法)を選択する。
ユーザが“抽出処理一覧”を選択した場合(S501のYES判定)、予兆診断処理生成機能174は、処理プログラム保存テーブル130(図3参照)から分類名132が“データ抽出プログラム”である処理内容134を全て取得し(S502)、予兆診断処理生成画面800の分析対象データ抽出処理領域820にプルダウンメニューとして表示する(S503)。一方、“抽出処理一覧”が選択されていない場合(S501のNO判定)、予兆診断処理生成機能174は、“抽出処理一覧”の選択の有無についてのステップS501の判定処理を繰り返す。
次いで、予兆診断処理生成機能174は、ユーザがステップS503において表示された処理内容134の中からある処理内容を選択したかどうかを判定する(S504)。処理内容が選択されていない場合には(S504のNO判定)、予兆診断処理生成機能174は、ステップS504における処理内容の選択有無の判定処理を繰り返す。
ユーザがステップS503において表示された処理内容134の中からある処理内容を選択した場合(S504のYES判定)、予兆診断処理生成機能174は、処理プログラム保存テーブル130からユーザが選択した処理内容134のパラメータ138を取得する。そして、予兆診断処理生成機能174は、予兆診断処理生成画面800の分析対象データ抽出処理領域820の下側に、ユーザが選択した処理内容134のパラメータ138を表示する(S505)。
ここで、ユーザが選択した処理内容134のパラメータ138が複数ある場合には、複数のパラメータ138の全てを予兆診断処理生成画面800に表示する。例えば、図3の処理プログラム保存テーブル130に、移動平均のパラメータとして、移動平均値の上限値と上限値、移動平均値の変動率が存在する。そのため、図10に示す予兆診断処理生成画面800では、抽出処理として“移動平均”、そのパラメータとして“移動平均値の上限値、上限値”と“移動平均値の変動率”が表示される。
次いで、予兆診断処理生成機能174は、ユーザがステップS505において表示されたパラメータ138を入力したかどうかを判定する(S506)。図10に示す予兆診断処理生成画面800では、“移動平均値の下限値、上限値”のチェックボックスにチェックマークが表示され、ユーザが“移動平均値の下限値、上限値”を選択した例が示されている。パラメータ138が入力されていない場合には(S506のNO判定)、予兆診断処理生成機能174は、ステップS506におけるパラメータ138の入力有無の判定処理を繰り返す。
ユーザがステップS505において表示したパラメータ138を入力した場合(S506のYES判定)、予兆診断処理生成機能174は、ユーザが予兆診断処理生成画面800を介して、異常度算出処理領域830に表示された“異常度算出処理一覧”(図9参照)を選択したかどうかを確認する(S507)。例えば、マウス等で“異常度算出処理一覧”を選択する代わりに、下向き三角形のマークで示したプルダウンメニュー表示ボタンを操作してもよい。
異常度算出処理領域830は、異常度算出処理(異常度算出プログラム)が適用される設備の情報を入力するための領域である。ユーザが異常度算出処理領域830に設備の情報を入力することで、予兆診断処理生成機能174は、入力された設備の情報を基に、プログラム群128から対象の設備(例えば、減速機、搬送機など)の異常度を算出するのに適した異常度算出プログラム(異常度算出方法)を選択する。
ユーザが“異常度算出処理一覧”を選択した場合(S507のYES判定)、予兆診断処理生成機能174は、処理プログラム保存テーブル130から分類名132が“異常度算出プログラム”である処理内容134を全て取得し(S508)、予兆診断処理生成画面800の異常度算出処理領域830にプルダウンメニューとして表示する(S509)。一方、“異常度算出処理一覧”が選択されていない場合(S507のNO判定)、予兆診断処理生成機能174は、“異常度算出処理一覧”の選択の有無についてのステップS507の判定処理を繰り返す。
次いで、予兆診断処理生成機能174は、ユーザがステップS509において表示された処理内容134の中からある処理内容を選択したかどうかを判定する(S510)。処理内容が選択されていない場合には(S510のNO判定)、予兆診断処理生成機能174は、ステップS510における処理内容の選択有無の判定処理を繰り返す。図10には、異常度算出処理領域830に、選択された処理内容として“搬送機向け”が表示された例が示されている。
ユーザがステップS509において表示された処理内容134の中からある処理内容を選択した場合(S510のYES判定)、予兆診断処理生成機能174は、ユーザが予兆診断処理生成画面800の異常度表示ボタン841を押下したかどうかを確認する(S511)。異常度表示ボタン841が押下されていない場合には(S511のNO判定)、予兆診断処理生成機能174は、異常度表示ボタン841が押下されたかどうかのステップS511の判定処理を繰り返す。
異常度表示ボタン841が押下された場合(S511のYES判定)、予兆診断処理生成機能174は、予兆診断処理生成画面800の分析対象データ領域810において分析対象ファイルが選択されているかどうかを確認する(S512)。分析対象ファイルが選択されていない場合には(S512のNO判定)、予兆診断処理生成機能174は、ユーザに対して分析対象ファイルの選択を促す画面(図示略)を表示し、そして、分析対象ファイルが選択されたかどうかのステップS512の判定処理を再度実施する。図10には、分析対象データ領域810に、分析対象ファイルのファイル名として“ファイルXXX”が選択された例が示されている。
分析対象ファイルが選択されている場合(S512のYES判定)、予兆診断処理生成機能174は、処理プログラム保存テーブル130から、ユーザが選択した上記の各種情報に対応するデータ抽出プログラムのプログラム名136を取得する(S513)。図10の予兆診断処理生成画面800に示した入力情報(ユーザの指示)の例の場合には、各種情報に対応するデータ抽出プログラムは、図3の“プログラムA”が該当する。
次いで、予兆診断処理生成機能174は、取得したプログラム名136が示すデータ抽出プログラムをプログラム群128から取得する。そして、予兆診断処理生成機能174は、ユーザが予兆診断処理生成画面800に入力した抽出処理パラメータに合わせて、そのデータ抽出プログラムを実行し、分析対象ファイルに保存されている電流データから設定した条件を満たす特定期間の電流値を取得する(S514)。
次いで、予兆診断処理生成機能174は、処理プログラム保存テーブル130からユーザが選択した異常度算出プログラムのプログラム名136を取得する(S515)。
次いで、予兆診断処理生成機能174は、ステップS515で取得したプログラム名136が示す異常度算出プログラムをプログラム群128から取得し、ステップS514において取得した特定期間の電流値に対して、取得した異常度算出プログラムを実行する(S516)。
次いで、予兆診断処理生成機能174は、異常度算出プログラムを実行した結果を、予兆診断処理生成画面800の異常度表示領域840に表示する(S517)。
次いで、予兆診断処理生成機能174は、ユーザが予兆診断処理生成画面800の閾値設定ボタン842を押下したかどうかを確認する(図8のS518)。閾値設定ボタン842が押下された場合(S518のYES判定)、予兆診断処理生成機能174は、異常度判定閾値を示す破線を表示する(S519)。一方、閾値設定ボタン842を押下されていない場合(S518のNO判定)、予兆診断処理生成機能174は、閾値設定ボタン842が押下されたか否かのステップS518の判定処理を繰り返す。
図10に示す予兆診断処理生成画面800では、異常度算出プログラムを実行した結果として、異常度表示領域840に異常度の時系列の変化を示したグラフ(トレンドグラフ)が表示されている。グラフの横軸は時間、縦軸は異常度を表している。この例では、破線と数値で示すように、異常度判定閾値は“20”に設定されている。例えば、本実施形態では、例えば、ユーザが異常度判定閾値を表す破線をドラッグして上下方向に移動させることにより、異常度判定閾値を増減させることができる。
次いで、ユーザが表示された破線を利用して異常度判定閾値を設定した後、予兆診断処理生成機能174は、ユーザが予兆診断処理生成画面800の予兆診断処理転送ボタン851を押下したかどうかを確認する(S520)。
そして、予兆診断処理転送ボタン851が押下された場合(S520のYES判定)、予兆診断処理生成機能174は、予兆診断処理転送機能178(図2参照)を利用して、予兆診断処理生成画面800の異常度表示に使用したプログラム、データ抽出処理に利用したパラメータ、異常度判定閾値、及び分析対象の電流データのサンプリング周期といった情報を、予兆診断処理実行装置200に転送する(S521)。異常度表示に使用したプログラムは、データ抽出プログラムと異常度算出プログラムである。一方、予兆診断処理転送ボタン851が押下されていない場合(S520のNO判定)、予兆診断処理生成機能174は、予兆診断処理転送ボタン851を押下されたか否かのステップS520の判定処理を繰り返す。
ステップS521の処理後、予兆診断処理生成機能174は、ユーザが予兆診断処理生成画面800の予兆診断処理保存ボタン852を押下したかどうかを確認する(S522)。予兆診断処理保存ボタン852が押下されていない場合(S522のNO判定)、予兆診断処理生成機能174は、予兆診断処理保存ボタン852が押下されたか否かのステップS522の判定処理を繰り返す。
一方、ユーザが予兆診断処理保存ボタン852を押下した場合(S522のYES判定)、予兆診断処理生成機能174は、予兆診断処理生成画面800の異常度表示に使用したプログラム(データ抽出プログラムと異常度算出プログラム)、データ抽出処理に利用したパラメータ、異常度判定閾値、及び分析対象ファイルのファイル名を、予兆診断処理保存テーブル140に保存する(S523)。
ユーザは予兆診断処理保存テーブル140に各種情報を保存する際に、保存するプログラムなどのセットを一意に識別する処理名(図4の処理名141)を設定し、その処理名を含めて予兆診断処理保存テーブル140に保存する。ステップS523の処理後、ステップS500の予兆診断処理生成処理を終了する。
以上が、予兆診断処理生成機能174による予兆診断処理生成処理(S500)についての説明である。
以上のとおり、本実施形態に係る予兆診断処理生成装置100は、ユーザの指示に基づいて、回転機構を備えた設備(例えば、回転機500、減速機、搬送機など)から得られる時系列の電流データから特定の条件(移動平均の上限値と下限値、変動率、回転数など)を満たす電流データのみを抽出するデータ抽出方法(データ抽出プログラム143、データ抽出パラメータ144)を設定する処理と、ユーザの指示に基づいて、抽出された電流データの異常度を算出する異常度算出方法(異常度算出プログラム145、異常度判定閾値146)を設定する処理と、データ抽出方法と異常度算出方法とから、対象の設備の異常予兆を診断する予兆診断処理を生成する処理と、を実行する予兆診断処理生成部(予兆診断処理生成機能174)を備える。
上述した本実施形態に係る予兆診断処理生成装置100(予兆診断処理生成装置の例)では、ユーザの指示に基づいて、回転機構を備えた設備より得られる時系列の電流データから特定の条件を満たす電流データのみを抽出するように設定できる機能と、ユーザの指示に基づいて、異常予兆を診断したい設備に応じて異常度算出方法を設定できる機能とを備える。予兆診断処理実行装置200は、予兆診断処理生成装置100から、ユーザに設定されたデータ抽出方法と異常度算出方法を含む予兆診断処理を取得し、実行する。
それにより、予兆診断処理実行装置200は、予兆診断処理生成装置100から取得したデータ抽出方法を用い、収集した対象設備の電流データから特定の条件を満たす電流データのみを抽出する。また、予兆診断処理実行装置200は、予兆診断処理生成装置100から取得した、対象設備に適した異常度算出方法を用いて電流データの異常を診断できる。それゆえ、回転機構を備えた設備より得られる電流データを基に、高精度に対象設備の異常予兆を診断することができる。
また、本実施形態に係る予兆診断処理生成装置100では、データ抽出方法(データ抽出プログラム143、データ抽出パラメータ144)及び異常度算出方法(異常度算出プログラム145、異常度判定閾値146)を、ユーザが入力操作可能な予兆診断処理生成インタフェース(予兆診断処理生成画面800)、を備えている。予兆診断処理生成部(予兆診断処理生成機能174)は、予兆診断処理生成インタフェースに入力されたユーザの指示に基づいて、データ抽出方法及び異常度算出方法を設定する。
さらに、本実施形態に係る予兆診断処理生成装置100では、予兆診断処理生成インタフェース(予兆診断処理生成画面800)は、データ抽出方法として、電流データを抽出するための処理内容(処理内容134)と、抽出する電流データの範囲(パラメータ138)とをユーザが入力するための領域(分析対象データ抽出処理領域820)を有する。また、予兆診断処理生成インタフェース(予兆診断処理生成画面800)は、異常度算出方法として、異常度を算出する設備の情報(処理内容134)と、算出された異常度と比較される異常度判定閾値とをユーザが入力するための領域(異常度算出処理領域830、異常度表示領域840、閾値設定ボタン842)と、を有する。
本実施形態に係る予兆診断処理生成装置100では、ユーザが異常診断を行いたい設備(部品)に応じて、予兆診断処理(データ抽出方法、異常度算出方法)を設定することができ、かつ高精度に対象設備の異常予兆を診断できることから、電流データから異常予兆がある設備を検出することができる。
[予兆診断処理の実行処理]
次に、ステップS600の予兆診断処理実行処理について図11を参照して説明する。
図11は、本実施形態における予兆診断処理実行装置200による予兆診断処理実行処理の手順例を示すフローチャートである。図11に示す例は、予兆診断処理実行装置200が、予兆診断処理実行機能254(図5参照)を利用して、予兆診断処理実行処理(S600)を実行する際の手順例である。
まず、予兆診断処理実行装置200の予兆診断処理実行機能254は、予兆診断処理生成装置100が生成した予兆診断プログラム並びに、パラメータや異常度判定閾値、サンプリング周期などの情報が記憶部230(図5参照)に存在しているかどうかを確認する(S601)。予兆診断プログラム並びに各種情報が記憶部230に存在していない場合(S601のNO判定)、予兆診断処理実行機能254は、本ステップの判定処理を繰り返す。
一方、確認した予兆診断プログラム並びに各種情報が記憶部230に存在している場合(S601のYES判定)、予兆診断処理実行機能254は、タイマ226(図5参照)の時計情報を利用して、電流センサ300により電流データを取得するタイミングかどうかを確認する(S602)。電流データを取得するタイミングではない場合(S602のNO判定)、予兆診断処理実行機能254は、本ステップの判定処理を繰り返す。
一方、電流データを取得するタイミングである場合(S602のYES判定)、予兆診断処理実行機能254は、データ取得機能252を利用して、センサインタフェース228を介して電流センサ300で測定された電流データを取得する(S603)。
次いで、予兆診断処理実行機能254は、取得した電流データに対して、記憶部230に存在している予兆診断プログラム、並びにパラメータやサンプリング周期などの情報を利用して、異常度の算出を行う(S604)。
次いで、予兆診断処理実行機能254は、算出した異常度を異常度判定閾値と比較し、算出した異常度が異常度判定閾値を超えているかどうかを判定する(S605)。算出した異常度が異常度判定閾値を超えている場合(S605のYES判定)、予兆診断処理実行機能254は、予兆診断処理結果転送機能256(図5参照)を利用して、予兆診断処理生成装置100又はその他の外部装置に対して、異常度が異常度判定閾値を超えたことを通知する(S606)。
ステップS606の処理後、又は、算出した異常度が異常度判定閾値を超えていない場合(S605のNO判定)、予兆診断処理実行機能254は、ステップS602に移行して電流データを取得するタイミングかどうかを確認する。そして、その確認結果に応じて、予兆診断処理実行機能254は、ステップS602~S606の処理を適宜繰り返す。
以上が、予兆診断処理実行機能254による予兆診断処理実行処理(S600)についての説明である。
[予兆診断処理に対する管理処理]
次に、ステップS700の予兆診断処理管理処理について図12及び図13を参照して説明する。
図12は、本実施形態における予兆診断処理生成装置100による予兆診断処理管理処理の手順例を示すフローチャートである。図12に示すフローチャートは、予兆診断処理生成装置100が、予兆診断処理管理機能176(図2参照)を利用して、予兆診断処理管理処理(S700)を実行する際の手順例を示すフローチャートである。
図13は、本実施形態における予兆診断処理生成装置100による予兆診断処理管理処理で用いられる予兆診断処理管理画面の例を示す図である。図13では、予兆診断処理生成装置100がユーザインタフェース172として用意している、予兆診断処理管理画面900(GUI)の一例が示されている。予兆診断処理管理画面900は、表示領域として、処理名一覧領域910と、詳細情報領域920とを備える。詳細情報領域920は、処理名一覧領域910で選択された処理名で識別される予兆診断処理の詳細な情報を表示する領域である。例えば、詳細情報領域920は、予兆診断処理名領域930と、分析対象データ領域940と、分析対象データ抽出処理領域950と、異常度算出処理領域960と、異常度表示領域970とを備える。
予兆診断処理管理処理の前提として、ユーザ端末600がネットワークNを介して予兆診断処理生成装置100に接続され、ユーザ端末600の表示装置に予兆診断処理管理画面900が表示されるとする。例えば、ユーザが不図示のメニュー画面上で、予兆診断処理管理画面の表示を指示することで、予兆診断処理管理画面900が表示される。ただし、予兆診断処理生成装置100が、表示装置及び入力装置を備え、ユーザが予兆診断処理生成装置100を直接使用して予兆診断処理を管理できる構成としてもよい。
はじめに、予兆診断処理生成装置100の予兆診断処理管理機能176は、予兆診断処理管理画面900が表示される際に、予兆診断処理保存テーブル140(図4参照)から処理名141を全て取得し、処理名一覧領域に表示する。
そして、予兆診断処理管理機能176は、ユーザが予兆診断処理管理画面900(GUI)を介して処理名一覧領域に表示された処理名一覧からある処理名を選択したかどうかを確認する(S701)。処理名が選択されていない場合(S701のNO判定)、予兆診断処理管理機能176は、処理名の選択の有無についてのステップS701の判定処理を繰り返す。
一方、ある処理名が選択された場合(S701のYES判定)、予兆診断処理管理機能176は、予兆診断処理保存テーブル140からユーザが選択した処理名が示す内容(予兆診断処理に関する情報)を取得する(S702)。そして、予兆診断処理管理機能176は、取得した内容(予兆診断処理に関する情報)を予兆診断処理管理画面900に表示する(S703)。ステップS703の処理後、予兆診断処理管理機能176は、ステップS701に移行する。
例えば、図13の予兆診断処理管理画面900では、処理名一覧領域910において処理名として“設備X”が選択された例、すなわち、“設備X”に対する予兆診断処理に関する詳細情報領域920の例が表示されている。例えば、予兆診断処理名領域930には、処理名として“設備X”、分析対象データ領域940には、分析対象ファイルとして“ファイルXXX”が表示されている。また、分析対象データ抽出処理領域950には、抽出処理として“移動平均”、抽出処理パラメータとして“移動平均値の下限値:5、上限値:30”が表示されている。また、異常度算出処理領域960には、処理内容として“搬送機向け”、異常度判定閾値として“20”が表示されている。さらに、異常度表示領域970には、“設備X”に対する予兆診断処理で抽出された電流データの異常度の時系列的な変化を表すグラフ(トレンドグラフ)が表示されている。このトレンドグラフは、予兆診断処理生成処理の過程で、図10に示す予兆診断処理生成画面800の異常度表示領域840に表示されたグラフと同じである。
このように、ユーザが作成した予兆診断処理(予兆診断プログラム)に関する情報が予兆診断処理管理画面900に表示される。そのため、ユーザは、予兆診断処理管理画面900を利用して、過去に生成された予兆診断処理(予兆診断プログラム)の内容を確認し、対象設備に適した予兆診断処理を管理することができる。
以上が、予兆診断処理管理機能176による予兆診断処理管理処理(S700)についての説明である。
以上のとおり、本実施形態に係る予兆診断処理生成装置100は、データ抽出方法及び異常度算出方法を、ユーザが管理操作可能な予兆診断処理管理インタフェース(予兆診断処理管理画面900)、を備える。予兆診断処理管理インタフェースは、予兆診断処理を識別するための処理名(処理名141)が一覧表示されて、ユーザが処理名を選択操作可能な処理名一覧領域(処理名一覧領域910)と、選択された処理名(例えば、設備X)で識別される予兆診断処理の詳細な情報(例えば、データ抽出プログラム“A”、下限値“5”、上限値“30”、異常度算出プログラム“b”、異常度判定閾値“20”)を表示する詳細情報領域(詳細情報領域920)と、を有する。
本実施形態に係る予兆診断処理生成装置100では、ユーザが選択した処理名(例えば、設備)に対応する予兆診断処理の詳細な情報が画面に表示されるため、ユーザは、作成した予兆診断処理を処理名(設備)ごとに監視し、その内容を容易に把握することができる。
<変形例>
次に、本発明の一実施形態の変形例に係る予兆診断システムについて図14を参照して説明する。
図14は、本発明の一実施形態の変形例に係る予兆診断システムの構成例を示すブロック図である。図14に示す予兆診断システム1Aでは、予兆診断システム1における電流センサ300の代わりに、コントローラ1000が設けられている。コントローラ1000には制御装置400Aが接続されており、制御装置400Aには、回転機500が接続されている。コントローラ1000として、例えば、プログラム(予め定められている順序)に従って逐次制御を行うPLC(Programmable Logic Controller)などを用いることができる。制御装置400Aは、基本的な機能は制御装置400と同じである。ただし、制御装置400Aは、当該制御装置400Aと回転機500の間に流れる電流を計測する機能を有する。
このように、予兆診断システム1Aは、インバータなどの制御装置400Aを制御するコントローラ1000から、制御装置400Aと回転機500の間に流れる電流の値を定期的に取得する構成である。本実施形態の変形例によれば、予兆診断処理実行装置200は、電流センサ300を設けることなく、制御装置400A及び回転機500の動作を制御するコントローラ1000を用いて、回転機500の電流の値を取得して予兆診断処理を実行することができる。
また、上述した一実施形態において予兆診断処理実行装置200が、予兆診断処理生成装置100における予兆診断処理を生成する機能を備えていてもよい。
なお、本発明は上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、その他種々の応用例、変形例を取り得ることは勿論である。例えば、上述した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために予兆診断システム(予兆診断処理生成装置と予兆診断処理実行装置)の構成を詳細かつ具体的に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成要素を備えるものに限定されない。また、上述した予兆診断処理生成装置及び予兆診断処理実行装置の構成の一部について、他の構成要素の追加又は置換、削除をすることも可能である。
また、上述した予兆診断処理生成装置及び予兆診断処理実行装置の各構成、機能、処理部等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計するなどによりハードウェアで実現してもよい。ハードウェアとして、FPGA(Field Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの広義のプロセッサデバイスを用いてもよい。
また、上述した実施形態にかかる予兆診断処理生成装置及び予兆診断処理実行装置の各構成要素は、それぞれのハードウェアがネットワークを介して互いに情報を送受信できるならば、いずれのハードウェアに実装されてもよい。また、ある処理部により実施される処理が、1つのハードウェアにより実現されてもよいし、複数のハードウェアによる分散処理により実現されてもよい。
また、本明細書において、時系列的な処理を記述する処理ステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的、あるいは個別に実行される処理(例えば、オブジェクトによる処理)をも含むものである。
1,1A…予兆診断システム、 1A…予兆診断システム、 100…予兆診断処理生成装置、 130…処理プログラム保存テーブル、 140…予兆診断処理保存テーブル、 150…分析対象ファイル、 172…ユーザインタフェース、 174…予兆診断処理生成機能、 176…予兆診断処理管理機能、 178…予兆診断処理転送機能、 200…予兆診断処理実行装置、 232…予兆診断プログラム、 252…データ取得機能、 254…予兆診断処理実行機能、 256…予兆診断処理結果転送機能、 300…電流センサ、 400,400A…制御装置、 500…回転機、 800…予兆診断処理生成画面、 900…予兆診断処理管理画面、 1000…コントローラ

Claims (8)

  1. ユーザの指示に基づいて、回転機構を備えた設備から得られる時系列の電流データから特定の条件を満たす電流データのみを抽出するデータ抽出方法を設定する処理と、
    ユーザの指示に基づいて、抽出された前記電流データの異常度を算出する異常度算出方法を設定する処理と、
    前記データ抽出方法と前記異常度算出方法とから、前記設備の異常予兆を診断する予兆診断処理を生成する処理と、を実行する予兆診断処理生成部と、
    前記データ抽出方法及び前記異常度算出方法を、ユーザが入力操作可能な予兆診断処理生成インタフェースと、を備え、
    前記予兆診断処理生成インタフェースは、
    前記データ抽出方法として、前記電流データを抽出するための処理内容と、抽出する前記電流データの範囲とを前記ユーザが入力するための領域と、
    前記異常度算出方法として、前記異常度を算出する設備の情報と、算出された前記異常度と比較される異常度判定閾値とを前記ユーザが入力するための領域と、を有し、
    前記予兆診断処理生成部は、前記予兆診断処理生成インタフェースの各領域に入力された前記ユーザの指示に基づいて、前記データ抽出方法及び前記異常度算出方法を設定する
    予兆診断処理生成装置。
  2. 前記データ抽出方法及び前記異常度算出方法を、ユーザが管理操作可能な予兆診断処理管理インタフェース、を備え、
    予兆診断処理管理インタフェースは、
    前記予兆診断処理を識別するための処理名が一覧表示されて、ユーザが前記処理名を選択操作可能な処理名一覧領域と、選択された前記処理名で識別される予兆診断処理の詳細な情報を表示する詳細情報領域と、を有する
    請求項に記載の予兆診断処理生成装置。
  3. 前記予兆診断処理生成部で生成された、前記データ抽出方法と前記異常度算出方法とを含む前記予兆診断処理を、前記予兆診断処理を実行する予兆診断処理実行装置に転送する予兆診断処理転送部を備える
    請求項に記載の予兆診断処理生成装置。
  4. 前記データ抽出方法では、時系列の前記電流データから、前記特定の条件を満たす電流データとして移動平均値の上限値と下限値の範囲内にある電流データ、又は、移動平均値の変動率を満たす電流データを抽出する
    請求項に記載の予兆診断処理生成装置。
  5. 前記データ抽出方法では、時系列の前記電流データから、前記特定の条件を満たす電流データとして前記設備の回転数が所定の範囲内であるときの電流データを抽出する
    請求項に記載の予兆診断処理生成装置。
  6. 前記データ抽出方法では、時系列の前記電流データから、前記特定の条件を満たす電流データとして移動平均値の上限値と下限値の範囲内にある電流データ、又は、移動平均値の変動率を満たす電流データであって、かつ、前記設備の回転数が所定の範囲内であるときの電流データを抽出する
    請求項に記載の予兆診断処理生成装置。
  7. ユーザの指示に基づいて、回転機構を備えた設備から得られる時系列の電流データから特定の条件を満たす電流データのみを抽出するデータ抽出方法を設定する処理と、
    ユーザの指示に基づいて、抽出された前記電流データの異常度を算出する異常度算出方法を設定する処理と、
    前記データ抽出方法と前記異常度算出方法とから、前記設備の異常予兆を診断する予兆診断処理を生成する処理と、を実行する予兆診断処理生成部と、
    前記データ抽出方法及び前記異常度算出方法を、ユーザが入力操作可能な予兆診断処理生成インタフェースと、
    前記予兆診断処理生成部で生成された前記予兆診断処理に含まれる、前記データ抽出方法と前記異常度算出方法とを実行する予兆診断処理実行部と、を備え
    前記予兆診断処理生成インタフェースは、
    前記データ抽出方法として、前記電流データを抽出するための処理内容と、抽出する前記電流データの範囲とを前記ユーザが入力するための領域と、
    前記異常度算出方法として、前記異常度を算出する設備の情報と、算出された前記異常度と比較される異常度判定閾値とを前記ユーザが入力するための領域と、を有し、
    前記予兆診断処理生成部は、前記予兆診断処理生成インタフェースの各領域に入力された前記ユーザの指示に基づいて、前記データ抽出方法及び前記異常度算出方法を設定する
    予兆診断システム。
  8. 予兆診断処理生成装置が備えるコンピューターに、
    ユーザの指示に基づいて、回転機構を備えた設備から得られる時系列の電流データから特定の条件を満たす電流データのみを抽出するデータ抽出方法を設定する処理と、
    ユーザの指示に基づいて、抽出された前記電流データの異常度を算出する異常度算出方法を設定する処理と、
    前記データ抽出方法と前記異常度算出方法とから、前記設備の異常予兆を診断する予兆診断処理を生成する処理と、
    を実行させるためのプログラムであって、
    前記予兆診断処理生成装置は、前記データ抽出方法及び前記異常度算出方法を、ユーザが入力操作可能な予兆診断処理生成インタフェース、を備え、
    前記予兆診断処理生成インタフェースは、
    前記データ抽出方法として、前記電流データを抽出するための処理内容と、抽出する前記電流データの範囲とを前記ユーザが入力するための領域と、
    前記異常度算出方法として、前記異常度を算出する設備の情報と、算出された前記異常度と比較される異常度判定閾値とを前記ユーザが入力するための領域と、を有し、
    前記データ抽出方法及び前記異常度算出方法を設定する処理が、前記予兆診断処理生成インタフェースの各領域に入力された前記ユーザの指示に基づいて実行される
    プログラム
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