JP7515120B2 - 電気化学装置及び水素生成方法 - Google Patents

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本開示は、電気化学装置及び水素生成方法に関する。
電気分解を用いた水素の製造方法の一つとして、固体酸化物形電気化学セル(SOEC:Solid Oxide Electrolysis Cell)を用いた高温水蒸気電解が知られている。高温水蒸気電解は、電気分解反応に必要なエネルギーとして熱エネルギーを使用することによって高い変換効率を達成できる。固体酸化物形電気化学セルの電解質としては、イットリア安定化ジルコニアなどの酸化物イオン伝導体が用いられる。
高温水蒸気電解では、水素極に水蒸気が供給され、水蒸気が水素と酸化物イオンとに分解される。酸化物イオンは、電解質層を伝導して酸素極に到達し、酸素極で酸素へと変化する。生成された水素と残余の水蒸気とを含む混合ガスが水素極から排出される。
水素の用途を考えると、生成された水素の純度を高めることが望まれる。特許文献1には、水素と水蒸気との混合ガスを凝縮器に通して水を除去し、その後、水素を圧縮して水素貯蔵タンクに貯蔵するように構成された電力貯蔵システムが記載されている。
特開2010-176939号公報
高温水蒸気電解を利用した従来のシステムには、水素と水蒸気との混合ガスから水素を分離する際のエネルギーロスが大きいという課題がある。
本開示は、水素と水蒸気との混合ガスから水素を分離する際のエネルギーロスを低減するための技術を提供する。
本開示は、
酸化物イオン伝導体を電解質として含み、水蒸気を分解して水素と酸素とを生成する第一スタックと、
プロトン伝導体を電解質として含み、前記第一スタックで生成された前記水素と前記第一スタックで分解されなかった前記水蒸気との混合ガスから前記水素を分離する第二スタックと、
前記第一スタック及び前記第二スタックを覆っている断熱材と、
を備えた、電気化学装置を提供する。
本開示の技術によれば、水素と水蒸気との混合ガスから水素を分離する際のエネルギーロスを低減できる。
図1は、本開示の第1実施形態に係る電気化学装置の構成図である。 図2は、本開示の第2実施形態に係る電気化学装置の構成図である。 図3は、本開示の第3実施形態に係る電気化学装置の構成図である。 図4は、本開示の第4実施形態に係る電気化学装置の構成図である。 図5は、本開示の第5実施形態に係る電気化学装置の構成図である。 図6は、本開示の第6実施形態に係る電気化学装置の構成図である。
(本開示の基礎となった知見)
特許文献1に記載された電力貯蔵システムにおいては、水蒸気と水素との混合ガスが凝縮器に通されて混合ガスから水蒸気が除去され、高濃度の水素が得られる。水を凝縮させて除去する場合、飽和水蒸気圧を十分に下げるために混合ガスの温度を十分に下げる必要がある。例えば、水蒸気の濃度を1%以下の濃度まで下げるには、混合ガスの温度を10℃未満まで下げる必要がある。混合ガスを冷却するための冷却機構及びこの冷却機構を動作させるためのエネルギーが不可欠である。
混合ガスから水素を分離するための別の方法としては、ゼオライトなどの吸着材に水を吸着させることによって高濃度の水素を得る方法が存在する。しかし、吸着材の容量には限りがあるため、吸着材の再生処理を定期的に実施する必要がある。吸着材の再生処理は、圧力及び温度をスイングさせて吸着材から水を除去することによって行われる。再生処理に必要な機構を動作させるためのエネルギーが必要である。
水素を選択的に透過させる水素分離膜によって、高濃度の水素を得る方法も存在する。水素分離膜としては、パラジウム膜が良く知られている。水素分離膜の一方の面側と他方の面側との間の水素の濃度差が分離の駆動力であるため、十分な水素の透過量を確保するためには、水素分離膜の一方の面側と他方の面側との間の水素分圧の差を増やすための機構が必要である。あるいは、水素分離膜の面積を十分に大きくする必要がある。圧力差を増やすための機構は、その機構を動作させるためのエネルギーを必要とする。水素分離膜には高価なパラジウムが使用されている。したがって、大面積の水素分離膜は、設備コストの大幅な増加を招く。
上記した従来のどの方法においても、混合ガスから水素を分離して高濃度の水素を得る際には、大きいエネルギーロスが発生する。また、従来のどの方法においても、エネルギーは低温の熱エネルギーの形で消費される。低温の熱エネルギーの回収は容易では無い。したがって、熱エネルギーの回収によってエネルギーロスを低減することも難しい。
本発明者らは、混合ガスから水素を分離するための技術について鋭意検討を重ねた。その結果、本発明者らは、プロトン伝導体を用いることによって、エネルギーロスを低減しつつ高濃度の水素が得られることを見出した。
本発明者らの上記の知見は、これまで明らかにされていなかったものであり、新しい構成の電気化学装置を示すものである。本開示は、具体的には、以下に示す態様を提供する。
(本開示に係る一態様の概要)
本開示の第1態様に係る電気化学装置は、
酸化物イオン伝導体を電解質として含み、水蒸気を分解して水素と酸素とを生成する第一スタックと、
プロトン伝導体を電解質として含み、前記第一スタックで生成された前記水素と前記第一スタックで分解されなかった前記水蒸気との混合ガスから前記水素を分離する第二スタックと、
前記第一スタック及び前記第二スタックを覆っている断熱材と、を備えている。
第1態様によれば、水素と水蒸気との混合ガスから水素を分離する際のエネルギーロスを低減できる。
本開示の第2態様において、例えば、第1態様に係る電気化学装置は、前記第一スタックに接続されており、前記第一スタックに前記水蒸気を導く第一経路と、前記第一スタックと前記第二スタックとを接続し、前記第一スタックから前記第二スタックに前記混合ガスを導く第二経路と、前記第二スタックで分離された前記水素が流れる第三経路と、をさらに備えていてもよい。第2態様によれば、連続的かつ安定的に高濃度の水素が得られる。
本開示の第3態様において、例えば、第1又は第2態様に係る電気化学装置は、前記第一スタックに供給されるべき前記水蒸気を液相の水から生成する蒸発器をさらに備えていてもよい。第3態様によれば、水蒸気電解に必要な水蒸気を第一スタックに安定的に供給できる。
本開示の第4態様において、例えば、第3態様に係る電気化学装置では、前記第一スタック、前記第二スタック及び前記蒸発器が前記断熱材によって覆われていてもよい。第4態様によれば、水を蒸発させるためのエネルギーを電気化学装置の運転時に筐体の内部に存在する熱で賄うことができる。
本開示の第5態様において、例えば、第1から第4態様のいずれか1つに係る電気化学装置は、前記第一スタックと前記第二スタックとに電力を供給する電源をさらに備えていてもよい。第5態様によれば、第一スタック及び第二スタックに必要な電気エネルギーを確実に供給できる。したがって、第5態様によれば、高濃度の水素を効率的に生成することができる。
本開示の第6態様において、例えば、第1から第4態様のいずれか1つに係る電気化学装置は、前記第一スタックに電力を供給する第一電源と、前記第二スタックに電力を供給する第二電源と、をさらに備えていてもよい。第6態様によれば、第一電源及び第二電源を個別に制御可能である。
本開示の第7態様において、例えば、第1から第6態様のいずれか1つに係る電気化学装置では、前記プロトン伝導体は、BaZr1-x1M1x13-δ、BaCe1-x2M2x23-δ及びBaZr1-x3-y3Cex3M3y33-δからなる群より選ばれる少なくとも1つを含んでいてもよい。M1、M2及びM3は、それぞれ、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Y、Sc、In及びLuからなる群より選ばれる少なくとも1つを含んでいてもよく、x1の値が0<x1<1を満たし、x2の値が0<x2<1を満たし、x3の値が0<x3<1を満たし、y3の値が0<y3<1を満たし、δの値は0<δ<0.5を満たす。これらのプロトン伝導体は、高いプロトン伝導性を有する。
本開示の第8態様において、例えば、第7態様に係る電気化学装置では、前記プロトン伝導体は、BaZr1-x1M1x13-δからなっていてもよい。BaZr1-x1Ybx13-δは、高いプロトン伝導性を有する。
本開示の第9態様に係る水素生成方法は、
酸化物イオン伝導体を電解質として含む第一スタックを用い、水蒸気を分解して水素と酸素とを生成することと、
プロトン伝導体を電解質として含む第二スタックを用い、前記第一スタックで生成された前記水素と前記第一スタックで分解されなかった前記水蒸気との混合ガスから前記水素を分離することと、を含む。
第9態様によれば、高濃度の水素を効率的に生成することができる。
本開示の第10態様に係る電気化学装置は、
酸化物イオン伝導体を電解質として含む第一スタックと、
プロトン伝導体を電解質として含む第二スタックと、
前記第一スタック及び前記第二スタックを覆っている断熱材と、
を備え、
酸素と、前記第二スタックを通過した水素とを用い、前記第一スタックにおいて発電反応が行われる。
第10態様によれば、電気エネルギーを外部に供給することができる。
本開示の第11態様に係る電気化学装置は、
酸化物イオン伝導体を電解質として含む第一スタックと、
プロトン伝導体を電解質として含む第二スタックと、
前記第一スタック及び前記第二スタックを覆っている断熱材と、
前記第一スタックに水素を含むガスを導く水素供給経路と、
を備え、
酸素と、前記水素供給経路から供給された水素とを用い、前記第一スタックにおいて発電反応が行われる。
第11態様によれば、第二スタックを介することなく、電気エネルギーを外部に供給することができる。
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。本開示は、以下の実施形態に限定されない。
(第1実施形態)
図1は、本開示の第1実施形態に係る電気化学装置100の構成を示している。電気化学装置100は、第一スタック10及び第二スタック20を備えている。第一スタック10は、1又は複数の第一セルを有する。第一スタック10は、典型的には、積層された複数の第一セルを有する。第一セルは、第一電解質層11、第一電極12及び第二電極13によって構成されている。第一電極12と第二電極13との間に第一電解質層11が配置されている。第二スタック20は、1又は複数の第二セルを含む。第二スタック20は、典型的には、積層された複数の第二セルを有する。第二セルは、第二電解質層21、第三電極22及び第四電極23によって構成されている。第三電極22と第四電極23との間に第二電解質層21が配置されている。図1では、第一スタック10及び第二スタック20は、それぞれ、便宜上、単一のセルで表されている。
第一電解質層11は、酸化物イオン伝導体を電解質として含む。第二電解質層21は、プロトン伝導体を電解質として含む。
電気化学装置100は、断熱性を有する筐体31をさらに備えている。筐体31は、断熱材によって構成されている。第一スタック10及び第二スタック20は、筐体31に格納されている。言い換えれば、第一スタック10及び第二スタック20は、断熱材によって覆われている。筐体31は、電気化学装置100の運転時における外部への熱エネルギーの放出を抑制する。図1では、単一の筐体31が、第一スタック10及び第二スタック20を覆っている。ただし、本実施形態は、これに限定されない。例えば、2つの筐体が、第一スタック10及び第二スタック20のそれぞれを覆っていてもよい。
断熱材の種類は特に限定されず、断熱性を有する汎用の材料を用いることができる。断熱材としては、グラスウール、スーパーウール、ロックウール、セラミックファイバー、ミネラルウール、ケイ酸カルシウム、硬質ウレタンフォームなどが挙げられる。断熱材として、フュームドシリカを主成分とし、無機繊維状物質と赤外線遮断材とが配合された特殊耐熱断熱材を使用してもよい。断熱材は、真空断熱材であってもよい。真空断熱材は、外被材及び芯材で作られており、その内部が減圧されて封止されている。外装材は、例えば、金属箔と樹脂フィルムとを積層することによって得られる。金属ラミネートフィルムである。芯材は、例えば、グラスウールなどの多孔質構造材である。以上の材料から選択される1種又は2種以上を第一スタック10及び第二スタック20の周囲に配置する。必要に応じて、断熱材の固定及び収容のために金属板などの支持材で第一スタック10及び第二スタック20を覆うことによって、断熱性を有する筐体31を構成することができる。
第一スタック10は、水蒸気を分解して水素と酸素とを生成する。この過程は、SOECを用いた高温水蒸気電解である。第一スタック10で生成された水素と第一スタック10で分解されなかった水蒸気との混合ガスは、第一スタック10から第二スタック20に送られる。第二スタック20は、プロトン伝導体の働きによって、混合ガスから水素を選択的に分離する。なお、一般的にプロトン伝導体において、高酸素分圧下のもと、ホール伝導が生じる。しかしながら図1が示すように、第一スタック10から生じる混合ガスを、プロトン伝導体を有する第二スタック20に供給することで、第二スタック20が高酸素分圧下に曝されることを抑制できる。その結果、第二スタック20におけるホール伝導が低減される。したがって、高酸素分圧下にプロトン伝導体が曝される構成と比べて、第二スタック20はエネルギーロス(例えば、水素分離のロスおよびリーク電流のロス)が低減される。これにより、高濃度の水素を得ることができる。
プロトン伝導体の動作温度も高温であるため、断熱材によって覆われて高温に維持された状態で第一スタック10及び第二スタック20の両者を動作させることができる。第一スタック10及び第二スタック20が断熱材で覆われていると、高温水蒸気電解に必要な熱エネルギーを第一スタック10に供給しやすい。また、第二スタック20においてプロトンが伝導する過程で熱が発生する。本実施形態によれば、第二スタック20で発生した熱を第一スタック10で水蒸気電解に必要な熱エネルギーの一部として利用できる。その結果、エネルギーロスの削減が可能となる。言い換えれば、電気化学装置100の運転時のエネルギー効率が向上する。
筐体31の内部には、筐体31の内部の温度を上昇させるための加熱装置が設けられていてもよい。加熱装置としては、バーナー、抵抗加熱ヒータ、赤外線ヒータなどが挙げられる。
本明細書において「水素」及び「酸素」は、特に断らない限り、それぞれ、「水素ガス」及び「酸素ガス」を意味する。
電気化学装置100は、水素生成システムとして運転され、後述するように、燃料電池システムとして運転されることもある。水素生成システムは、水素を生成するためのシステムである。燃料電池システムは、電力を生成するためのシステムである。
第一スタック10において、第一電解質層11に使用される酸化物イオン伝導体としては、安定化ジルコニア、ランタンガレート系酸化物、セリア系酸化物などが挙げられる。第一電解質層11は緻密体であってもよい。
第一電極12は、水蒸気の電気化学的な酸化反応を進行させるための触媒を含む。触媒として、Niなどの金属を用いることができる。第一電極12は、サーメットで構成されていてもよい。サーメットとは、金属とセラミックス材料との混合物である。サーメットとしては、Ni-YSZ、Niとセリア系酸化物との混合物などが挙げられる。第一電極12がサーメットで構成されていると、水蒸気を酸化させるための反応活性点を増やす効果が期待できる。水蒸気の拡散を促進するために、第一電極12は多孔体であってもよい。
第二電極13は、酸化物イオンの電気化学的な酸化反応を進行させるための触媒を含む。触媒として、Mn、Fe、Co及びNiからなる群より選ばれる少なくとも1つを含む酸化物が挙げられる。触媒の具体例としては、ランタンストロンチウムコバルト鉄複合酸化物(LSCF)、ランタンストロンチウムコバルト複合酸化物(LSC)、ランタンストロンチウム鉄複合酸化物(LSF)、ランタンストロンチウムマンガン複合酸化物(LSM)、バリウムストロンチウムコバルト鉄複合酸化物(BSCF)、サマリウムストロンチウムコバルト複合酸化物(SSC)、ランタンニッケル鉄複合酸化物、ランタンニッケル複合酸化物、バリウムガドリニウムランタンコバルト複合酸化物などが挙げられる。触媒は、Mn、Fe、Co及びNiからなる群より選ばれる少なくとも1つを含む酸化物と、他の酸化物又は金属との複合体であってもよい。生成した酸素の拡散を促進するために、第二電極13は多孔体であってもよい。
第二スタック20において、第二電解質層21に使用されるプロトン伝導体としては、プロトン伝導性酸化物が挙げられる。具体的に、第二電解質層21は、BaZr1-x1M1x13-δ、BaCe1-x2M2x23-δ及びBaZr1-x3-y3Cex3M3y33-δからなる群より選ばれる少なくとも1つをプロトン伝導体として含みうる。M1、M2及びM3は、それぞれ、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Y、Sc、In及びLuからなる群より選ばれる少なくとも1つを含みうる。x1の値が0<x1<1を満たす。x2の値が0<x2<1を満たす。x3の値が0<x3<1を満たす。y3の値が0<y3<1を満たす。δの値が0<δ<0.5を満たす。これらのプロトン伝導体は、高いプロトン伝導性を有する。高いプロトン伝導性を有する固体電解質を用いることによって、第二スタック20の電気化学性能を向上させることができる。プロトン伝導体は、BaZr1-x1Ybx13-δからなっていてもよい。BaZr1-x1Ybx13-δは、高いプロトン伝導性を有する。変数δは、酸化物の結晶格子における酸素の欠陥量を組成上に表すための値である。δの値は、x1、x2、x3、y3、温度、酸素分圧、水蒸気分圧などに応じて変化する。第二電解質層21は緻密体であってもよい。
第三電極22は、水素を電気化学的に酸化するための触媒を含む。触媒として、Niなどの金属を用いることができる。第三電極22は、サーメットで構成されていてもよい。サーメットとしては、Niとプロトン伝導性酸化物との混合物、例えば、NiとBaZr1-x1Ybx13-δとの混合物などが挙げられる。第三電極22がサーメットで構成されていると、水素を酸化させるための反応活性点を増やす効果が期待できる。水素及び水蒸気の拡散を促進するために、第三電極22は多孔体であってもよい。
第四電極23は、プロトンを電気化学的に還元するための触媒を含む。触媒として、Niなどの金属を用いることができる。第四電極23は、サーメットで構成されていてもよい。サーメットとしては、Niとプロトン伝導性酸化物との混合物、例えば、NiとBaZr1-x1Ybx13-δとの混合物などが挙げられる。第四電極23がサーメットで構成されていると、プロトンを還元するための反応活性点を増やす効果が期待できる。水素の拡散を促進するために、第四電極23は多孔体であってもよい。
「緻密体」とは、例えば、相対密度が85%以上の相対密度を有する材料を意味する。相対密度は、アルキメデス法又は水銀圧入法によって測定されうる。「多孔体」とは、例えば、20%以上の空隙率を有する材料を意味する。空隙率は、アルキメデス法又は水銀圧入法によって測定されうる。
電気化学装置100は、第一経路3、第二経路4及び第三経路5を備えている。第一経路3は、第一スタック10に水蒸気を導く経路であり、第一スタック10に接続されている。詳細には、第一経路3は、筐体31の外部から筐体31の内部に延びており、第一スタック10の第一電極12に接続されている。第一経路3の始端は、例えば、外部の水源に接続されている。第二経路4は、第一スタック10から第二スタック20に混合ガスを導く経路であり、第一スタック10と第二スタック20とを接続している。詳細には、第二経路4は、第一スタック10の第一電極12と第二スタック20の第三電極22とを接続している。第三経路5は、第二スタック20で分離された水素が流れる経路であり、第二スタック20に接続されている。詳細には、第三経路5は、第二スタック20の第四電極23に接続されている。第三経路5は、筐体31の内部から筐体31の外部に延びており、水素貯蔵設備などに接続されている。
第一経路3を通じて、水蒸気電解に必要な水蒸気が第一スタック10に供給される。第二経路4を通じて、第一スタック10から第二スタック20に混合ガスが供給される。第三経路5を通じて、分離された水素が電気化学装置100の外部へと供給される。本実施形態の構成によれば、これらの一連の工程を適切に進行させることができ、連続的かつ安定的に高濃度の水素が得られる。
電気化学装置100は、第四経路6及び第五経路7をさらに備えている。第四経路6は、第二スタック20から排出された混合ガスが流れる経路であり、第二スタック20に接続されている。詳細には、第四経路6は、第二スタック20の第三電極22に接続されている。第四経路6は、筐体31の内部から筐体31の外部に延びている。第五経路7は、第一スタック10で生成された酸素が流れる経路であり、第一スタック10に接続されている。詳細には、第五経路7は、第一スタック10の第二電極13に接続されている。第五経路7は、筐体31の内部から筐体31の外部に延びており、酸素貯蔵設備などに接続されている。
各経路は、金属配管などの耐熱性を有する配管によって構成されている。
電気化学装置100は、蒸発器30をさらに備えている。蒸発器30は、第一スタック10に供給されるべき水蒸気を液相の水(図1では、H2O(l)と表記)から生成する。本実施形態において、蒸発器30は、第一経路3に配置されている。蒸発器30によれば、液相の水を原料として用いて水蒸気を生成できるとともに、水蒸気電解に必要な水蒸気を第一スタック10に安定的に供給できる。
本実施形態において、蒸発器30は、第一スタック10及び第二スタック20とともに筐体31に格納されている。言い換えれば、第一スタック10、第二スタック20及び蒸発器30が断熱材で覆われている。このような構成によれば、水を蒸発させるためのエネルギーを電気化学装置100の運転時に筐体31の内部に存在する熱で賄うことができる。そのため、電気化学装置100の運転時のエネルギー効率が向上する。
蒸発器30としては、フィンチューブ熱交換器、プレート式熱交換器、シェルアンドチューブ式熱交換器などの公知の熱交換器を使用できる。液相の水を蒸発させるために高温の熱媒体が使用される。高温の熱媒体は、筐体31の内部に存在する高温の空気などの気体であってもよい。また、高温の熱媒体は、筐体31の内部に存在する高温の空気によって加熱されたオイルなどの液体であってもよい。高温の熱媒体は、電気化学装置100の外部から蒸発器30に供給されてもよい。
蒸発器30は、筐体31の外部に配置されていてもよい。蒸発器30が省略され、電気化学装置100の外部で生成された水蒸気が第一経路3に直接導入されてもよい。例えば、高温の熱源が別途存在する場合には、蒸発器30は、高温の熱源を用いて筐体31の外部で水蒸気を生成するように構成されうる。あるいは、水蒸気自体が余剰に存在する場合には、蒸発器30を省略して第一経路3に水蒸気を直接導入してもよい。
電気化学装置100は、電源40をさらに備えている。電源40は、第一スタック10と第二スタック20とに電力を供給する。本実施形態では、電源40は、第一スタック10及び第二スタック20に共用されている。電源40は、第一スタック10の第二電極13と第二スタック20の第四電極23とに接続されている。第一スタック10の第一電極12と第二スタック20の第三電極22とが電気的に接続されている。つまり、第一スタック10と第二スタック20とが直列に接続されている。電源40によれば、第一スタック10及び第二スタック20に必要な電気エネルギーを確実に供給でき、これにより、高濃度の水素を効率的に生成することができる。電源40が第一スタック10及び第二スタック20に共用されていることは、コストの低減に資する。
次に、電気化学装置100の運転を詳細に説明する。電気化学装置100においては、水蒸気を分解して水素と酸素とを生成する工程と、水素と水蒸気との混合ガスから水素を分離する工程とが並行して進む。水素と酸素とを生成する工程は、酸化物イオン伝導体を電解質として含む第一スタック10を用いて行われる。混合ガスから水素を分離する工程は、プロトン伝導体を電解質として含む第二スタック20を用いて行われる。混合ガスは、第一スタック10で生成された水素と第一スタック10で分解されなかった水蒸気とを含む。これらの工程を実施することによって、高濃度の水素を効率的に生成することができる。
第一経路3に液相の水が導入されると、水は、第一経路3に設けられた蒸発器30で蒸発する。これにより、水蒸気が生成される。水蒸気は、第一経路3を通じて第一スタック10の第一電極12に到達する。電源40をオンにすると、第一スタック10の第一電極12に電子が供給される。第一電極12において、水蒸気の還元反応が起こり、水素と酸化物イオンとが生成される。水素及び未反応の水蒸気は、第一スタック10から排出され、第二経路4を通じて第二スタック20に供給される。酸化物イオンは、第一電解質層11を伝導して第二電極13に到達する。第二電極13において、酸化物イオンの酸化反応が起こり、酸素が生成される。酸素は、第二電極13から排出され、第五経路7を通じて電気化学装置100の外部に導かれる。
第二経路4を通じて、第一スタック10の第一電極12から第二スタック20の第三電極22に水素と水蒸気の混合ガスが供給される。第三電極22において、水素の酸化反応が起こり、プロトンが生成される。プロトンは、第二電解質層21を伝導して第四電極23に到達する。第四電極23において、プロトンの還元反応が起こり、水素が生成される。水分子は第二電解質層21を殆ど伝導せず、プロトンのみが第二電解質層21を伝導するため、高濃度の水素を得ることができる。水素は、第三経路5を通じて電気化学装置100の外部に導かれる。水素は、例えば、水素貯蔵設備に貯蔵される。未反応の水素及び未反応の水蒸気は、第二スタック20から排出され、第四経路6を通じて電気化学装置100の外部に導かれる。バーナー又は触媒燃焼によって水素を燃焼させてもよい。燃焼熱は、筐体31の内部の温度を各反応に適した温度に維持するために使用されうる。
各電極での反応は以下の通りである。
第一電極12:2H2O+4e-→2H2+2O2-
第二電極13:2O2-→O2+4e-
第三電極22:H2→2H++2e-
第四電極23:2H++2e-→H2
各電極での反応を著しく阻害しない限り、各経路を流通するガスには、他の成分が含まれていてもよい。例えば、第一電極12にNiが使用されている場合、Niの酸化を抑制するために水蒸気に水素を混ぜて第一経路3に供給してもよい。
電気化学装置100の運転時において、第一スタック10及び第二スタック20の周囲の温度は、例えば、500℃以上1000℃以下に保たれている。第一スタック10及び第二スタック20が筐体31に格納されているので、第一スタック10及び第二スタック20のそれぞれを反応に適した温度で動作させることができる。筐体31によって、放熱ロスも低減されうる。
第二スタック20における一連の水素分離反応は発熱反応である。一方、第一スタック10における一連の水蒸気電解反応は吸熱反応である。第二スタック20で発生した熱を筐体31の内部に閉じ込め、第一スタック10での吸熱反応に利用することによって、熱を効率良く利用することができる。その結果、エネルギーロスを更に低減することができる。第二スタック20で発生した熱を第一スタック10での吸熱反応に利用するための手段としては、種々の熱交換手段を使用できる。例えば、複数の経路を構成する配管を互いに接触させることによって、配管の中を流れる流体を互いに熱交換させる熱交換器が挙げられる。第一スタック10及び第二スタック20が単一の筐体31に格納されているだけでも、第二スタック20で発生した熱は、第一スタック10での吸熱反応に利用されうる。
本実施形態において、蒸発器30は筐体31に格納されている。この場合、第一スタック10及び第二スタック20の動作時に筐体31の内部に存在する熱を蒸発器30における水の蒸発に使用できる。例えば、第三経路5、第四経路6又は第五経路7を流れるガスの熱エネルギーを熱交換によって回収し、蒸発器30に供給する。このようにすれば、電気化学装置100の外部に放出される熱エネルギーを低減できる。したがって、電気化学装置100の運転時のエネルギー効率を向上させることができる。
以下、他のいくつかの実施形態について説明する。第1実施形態と他の実施形態とで共通する要素には同じ参照符号を付し、それらの説明を省略することがある。各実施形態に関する説明は、技術的に矛盾しない限り、相互に適用されうる。技術的に矛盾しない限り、各実施形態は、相互に組み合わされてもよい。
(第2実施形態)
図2は、本開示の第2実施形態に係る電気化学装置200の構成を示している。電気化学装置200は、電源40に代えて、第一電源41及び第二電源42を備えている。第一電源41は、第一スタック10に電力を供給する。第一電源41は、第一スタック10の第一電極12及び第二電極13のそれぞれに接続されている。第二電源42は、第二スタック20に電力を供給する。第二電源42は、第二スタック20の第三電極22及び第四電極23のそれぞれに接続されている。
先に説明した電源40によれば、第一スタック10と第二スタック20とが直列に接続されている。したがって、第一スタック10及び第二スタック20のそれぞれに等しい値の電流が流れる。しかし、第一スタック10における水蒸気電解反応に適した電流値は、第二スタック20における電気化学的な水素分離に適した電流値と異なる可能性がある。本実施形態によれば、第一電源41及び第二電源42を個別に制御が可能である。この場合、第一スタック10及び第二スタック20のそれぞれに適した大きさの電力を供給できるので、電気化学装置200は優れた制御性を有する。
(第3実施形態)
図3は、本開示の第3実施形態に係る電気化学装置300の構成を示している。電源40が外部負荷43に置き換わったことを除き、電気化学装置300は、図1を参照して説明した電気化学装置100の構成と同じ構成を有する。第一スタック10及び第二スタック20の構成は、第1実施形態で説明した通りである。
電気化学装置300の各電極で進行する反応は、第1実施形態の電気化学装置100の各電極で進行する反応とは逆の反応である。本実施形態では、外部から供給された酸素と、第二スタック20を通過した水素とを用い、第一スタック10において発電反応が行われる。本実施形態によれば、電気エネルギーを外部に供給することができる。この点に関して、本実施形態は、第1実施形態と異なる。
電気化学装置300の運転を詳細に説明する。
第一スタック10及び第二スタック20の動作温度は、例えば、500℃以上1000℃以下である。このことは、本実施形態と第1実施形態とで共通である。
第三経路5に水素が導入されると、水素は、第二スタック20の第四電極23に流入する。第四電極23において、水素の酸化反応が起こり、プロトンが生成される。プロトンは、第二電解質層21を伝導して第三電極22に到達する。第三電極22において、プロトンの還元反応が起こり、水素が生成される。水素は、第二スタック20から排出され、第二経路4を通じて第一スタック10に供給される。
第二経路4を通じて、第二スタック20の第三電極22から第一スタック10の第一電極12に水素が供給される。第五経路7を通じて、酸素を含むガスが第二電極13に供給される。酸素を含むガスの典型例は空気である。第二電極13において、酸素の還元反応が起こり、酸化物イオンが生成される。酸化物イオンは、第一電解質層11を伝導して第一電極12に到達する。第一電極12において、酸化物イオン及び水素から水蒸気及び電子を生成する電気化学反応が進行する。水蒸気及び未反応の水素は、第一スタック10から排出され、第一経路3を通じて電気化学装置300の外部に導かれる。バーナー又は触媒燃焼によって水素を燃焼させてもよい。
各電極での反応は以下の通りである。
第一電極12:2H2+2O2-→2H2O+4e-
第二電極13:O2+4e-→2O2-
第三電極22:2H++2e-→H2
第四電極23:H2→2H++2e-
本実施形態によれば、第三経路5に導入されるべきガスに水素だけでなく水蒸気、二酸化炭素などの不純物が含まれていたとしても、純粋な水素を第二スタック20で生成して第一スタック10に供給することができる。その結果、第一スタック10において、発電性能の向上、炭素析出の抑制といった効果が得られる。第三経路5に導入されるべきガスは、例えば、メタンなどの原料ガスを改質することによって得られた水素含有ガスであってもよく、水蒸気電解によって得られた水素含有ガスであってもよい。
第一スタック10で進行する反応は、水素及び酸素から水蒸気及び電気エネルギーを生成する電気化学反応(すなわち、燃料電池反応)である。電気エネルギーは、第一スタック10に接続された外部負荷43に供給されうる。電気エネルギーの一部は、第二スタック20におけるプロトン伝導のエネルギーに使用される。電気化学装置300は、燃料電池システムとして機能し、電気エネルギーを生成する。
各電極での反応を著しく阻害しない限り、各経路を流通するガスには、他の成分が含まれていてもよい。例えば、第三電極22にNiが使用されている場合、Niの酸化を抑制するために微小流量にて第四経路6に水素を導入してもよい。第二電解質層21のプロトン伝導性を高めるために、第三経路5又は第四経路6に微小流量にて水蒸気を導入してもよい。
(第4実施形態)
図4は、本開示の第4実施形態に係る電気化学装置400の構成を示している。電気化学装置400において、外部負荷43は、第一スタック10にのみ接続されている。第二スタック20には、第二電源42が接続されている。第一スタック10において生成された電気エネルギーが外部負荷43に供給される。第二スタック20におけるプロトンの伝導は、第二電源42から供給された電気エネルギーを用いて進行する。第一スタック10で生成される電気エネルギー及び第二スタック20で消費される電気エネルギーを個別に制御することができるので、電気化学装置400は優れた制御性を有する。
(第5実施形態)
図5は、本開示の第5実施形態に係る電気化学装置500の構成を示している。電気化学装置500において、外部負荷43は、第一スタック10にのみ接続されている。第二スタック20には、第二電源42が接続されている。第二スタック20の第三電極22には、第四経路6が接続されている。
第三電極22には、第四経路6を通じて水素を含むガスが供給される。この点で、電気化学装置500は、第4実施形態の電気化学装置400とは異なる。水素を含むガスは、第三電極22を通過した後、第二経路4を通じて第一スタック10に供給される。このとき、第二スタック20では電気化学反応は進行せず、電源42も動作しない。第一スタック10の第一電極12及び第二電極13のそれぞれにおいて以下の反応が進行する。
第一電極12:2H2+2O2-→2H2O+4e-
第二電極13:O2+4e-→2O2-
本反応は、燃料電池反応である。本反応によって電気エネルギーが生成されうる。生成された電気エネルギーは外部負荷43に供給される。
第4実施形態に係る電気化学装置400とは異なり、本実施形態によれば、第二スタック20での電気化学反応、すなわちプロトンの伝導が進行しない。そのため、第二スタック20においてプロトンを伝導するための電気エネルギーが不要になり、電気化学装置500の効率の向上が期待できる。
(第6実施形態)
図6は、本開示の第6実施形態に係る電気化学装置600の構成を示している。電気化学装置600において、外部負荷43は、第一スタック10にのみ接続されている。第二スタック20には、第二電源42が接続されている。電気化学装置600は、第六経路8を備えている。第六経路8は、水素を含むガスを第一スタック10に供給するための水素供給経路である。本実施形態では、第六経路8は、第一スタック10に接続されている。詳細には、第六経路8は、第一スタック10の第一電極12に接続されている。第六経路8は、筐体31の内部から筐体31の外部に延びており、水素貯蔵設備などに接続されている。
第六経路8は、第一スタック10の第一電極12に直接接続されていてもよく、第二経路4に接続されていてもよい。第六経路8が第二経路4に接続されているとき、水素を含むガスは、第六経路8及び第二経路4を通じて第一スタック10の第一電極12に供給されうる。
第一スタック10の第一電極12及び第二電極13のそれぞれにおいて以下の反応が進行する。
第一電極12:2H2+2O2-→2H2O+4e-
第二電極13:O2+4e-→2O2-
本反応は、燃料電池反応である。本反応によって電気エネルギーが生成されうる。生成された電気エネルギーは外部負荷43に供給される。このとき、第二スタック20では電気化学反応は進行せず、電源42も動作しない。
第4実施形態に係る電気化学装置400とは異なり、本実施形態によれば、第二スタック20での電気化学反応、すなわちプロトンの伝導が進行しない。そのため、第二スタック20においてプロトンを伝導するための電気エネルギーが不要になり、電気化学装置600の効率の向上が期待できる。
本開示に係る電気化学装置は、水素生成装置又は燃料電池システムとして利用できる。
3 第一経路
4 第二経路
5 第三経路
6 第四経路
7 第五経路
8 第六経路
10 第一スタック
11 第一電解質層
12 第一電極
13 第二電極
20 第二スタック
21 第二電解質層
22 第三電極
23 第四電極
30 蒸発器
31 筐体(断熱材)
40 電源
41 第一電源
42 第二電源
43 外部負荷
100,200,300,400,500,600 電気化学装置

Claims (9)

  1. 酸化物イオン伝導体を電解質として含み、水蒸気を分解して水素と酸素とを生成する第一スタックと、
    プロトン伝導体を電解質として含み、前記第一スタックで生成された前記水素と前記第一スタックで分解されなかった前記水蒸気との混合ガスから前記水素を分離する第二スタックと、
    前記第一スタック及び前記第二スタックを覆っている断熱材と、
    を備え、
    前記第一スタックで生成された前記水素は前記第一スタックを通過した後、前記第二スタックを通過するよう構成されている、
    電気化学装置。
  2. 前記第一スタックに接続されており、前記第一スタックに前記水蒸気を導く第一経路と、
    前記第一スタックと前記第二スタックとを接続し、前記第一スタックから前記第二スタックに前記混合ガスを導く第二経路と、
    前記第二スタックで分離された前記水素が流れる第三経路と、
    をさらに備えた、
    請求項1に記載の電気化学装置。
  3. 前記第一スタックに供給されるべき前記水蒸気を液相の水から生成する蒸発器をさらに備えた、
    請求項1又は2に記載の電気化学装置。
  4. 前記第一スタック、前記第二スタック及び前記蒸発器が前記断熱材によって覆われている、
    請求項3に記載の電気化学装置。
  5. 前記第一スタックと前記第二スタックとに電力を供給する電源をさらに備えた、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の電気化学装置。
  6. 前記第一スタックに電力を供給する第一電源と、
    前記第二スタックに電力を供給する第二電源と、
    をさらに備えた、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の電気化学装置。
  7. 前記プロトン伝導体は、BaZr1-x1M1x13-δ、BaCe1-x2M2x23-δ及びBaZr1-x3-y3Cex3M3y33-δからなる群より選ばれる少なくとも1つを含み、
    M1、M2及びM3は、それぞれ、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Y、Sc、In及びLuからなる群より選ばれる少なくとも1つを含み、
    x1の値が0<x1<1を満たし、
    x2の値が0<x2<1を満たし、
    x3の値が0<x3<1を満たし、
    y3の値が0<y3<1を満たし、
    δの値が0<δ<0.5を満たす、
    請求項1から6のいずれか1項に記載の電気化学装置。
  8. 前記プロトン伝導体は、BaZr1-x1M1x13-δからなる、
    請求項7に記載の電気化学装置。
  9. 酸化物イオン伝導体を電解質として含む第一スタックを用い、水蒸気を分解して水素と酸素とを生成することと、
    プロトン伝導体を電解質として含む第二スタックを用い、前記第一スタックで生成された前記水素と前記第一スタックで分解されなかった前記水蒸気との混合ガスから前記水素を分離することと、
    前記第一スタック及び前記第二スタックを覆っている断熱材により前記第一スタック及び前記第二スタックを断熱することと、
    を含み、
    前記第一スタックで生成された前記水素は前記第一スタックを通過した後、前記第二スタックを通過する、
    水素生成方法。
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