以下に、本発明の実施の形態について添付図面を参照しながら説明する。
まず、本便座装置100の概略基本構成について記述する。
図1および図2に示した便座装置100は、便蓋120の開/閉、便座124の開/閉および便座124に対する着座/離座を電気信号で検知する便座装置100である。
この便座装置100は、便蓋開閉状態、便座開閉状態、着座/離座状態を含むステータス集約情報135を一定周期で収集、更新するステータス情報処理部130を備えている。便座装置100はさらに、便座装置100を動作させるトリガーが発生したときに、当該動作を制御する制御部140、141、143、145を備えている。また、便座装置100はさらに、制御部140による動作制御をする前に、ステータス集約情報135にもとづき当該動作の実行の要否、当該動作の実行の態様を判別する条件判別部142、144、146を備えている。
この便座装置100を便器装置本体200に取りつけることで便器装置1が構成される。そして、この便器装置1は、図3~図9に示した便器装置3とおおむね同様の動作を行う装置である。まず、この便器装置3について説明する。便座装置100および便器装置1については後述する。
本便器装置3は、便蓋20の開/閉、便座24の開/閉および便座24に対する着座/離座を電気信号で検知する便器装置3である。
この便器装置3は、便蓋開閉状態、便座開閉状態、着座/離座状態を含むステータス集約情報35を一定周期で収集、更新するステータス情報処理部30を備えている。便器装置3はさらに、便器装置3を動作させるトリガーが発生したときに、当該動作を制御する制御部40、41、43、45を備えている。また、便器装置3はさらに、制御部40による動作制御をする前に、ステータス集約情報35にもとづき当該動作の実行の要否、当該動作の実行の態様を判別する条件判別部42、44、46を備えている。
さらに、便器装置3の詳細な構成、構造および基本動作について説明する。
図3および図4は、便器装置3の基本構成の説明図である。なお、図4(a)(b)は、洗浄方式(構造)が相異する2形態を示す便器装置3の内部を模式的に示した模式的側面図であり、本便器装置3にはいずれの方式のものも適用できる。
この便器装置3は、図4(a)(b)に示すように、トイレ空間内の床や壁などに固定される腰掛式の洋風便器装置である。この便器装置3の本体10は、上方に向けて開口したボウル12がスカート部11に囲まれるように内装され、ボウル12の開口面に対し起倒自在とし、相互に同一の回転軸とした便座24、便蓋20を備えている。なお、便座24、便蓋20は個別の回転軸とし、相互に連動できるような構造であってもよい。
スカート部11の内部空間には、ボウル12内の汚水を排出するとともに、給水口14からボウル12内に洗浄水を供給しボウル12内を洗浄するように制御される便器洗浄部13が配されている。この便器洗浄部13は給水機構と排水機構とを有する。
給水機構は、給水口14と、水道管(不図示)から供給される洗浄水をボウル12内に給水口14を通じて供給する洗浄水供給路15と、洗浄水供給路15の途中に配されている、ボウル12への洗浄水の供給または遮断をする給水弁16とを備えている。
図4(a)に示した排水機構は、ボウル12の底部より後方に延びるように接続された筒状の屈曲状のトラップ17を有し、そのトラップ17はさらに下方に延びて排水口18に接続されている。この種の排水機構としては、サイホン式やサイホンゼット式、サイホンボルテックス式などがあり、サイホン作用により排水状態または封水状態が形成される機構とされている。
また排水機構は、図4(b)に示すような可動式のトラップ17Aを有した構造のものであってもよい。このトラップ17Aは、駆動部(不図示)によって矢印方向に回動して排水状態または封水状態を形成する。図例のトラップ17Aは封水状態の位置にあるが、排水状態ではトラップ17Aの開放端17aが排水口18に向く。なおトラップ17Aはスカート部11内においてトラップケース(不図示)に囲まれて、汚水や臭気が外部に漏れないようになっている。
また便器装置3には、サイホン式、可動式のいずれでもない排水機構、例えば洗い落とし式の排水機構も適用が可能である。
また、図4(a)(b)に示した便器装置3は、水洗タンク(ロータンク)を備えていない、水道直結式のタンクレスタイプとされているが、水洗タンクを備えた構成としてもよい。
また便器装置3は、便蓋20の開閉状態を検知する便蓋開閉検知部21と、便蓋駆動部22とを備え、さらに便器装置3は、便座24の開閉状態を検知する便座開閉検知部25と、便座24を開閉する便座駆動部26とを備えている。便器装置3はさらに、着座検知部28や人体検知部29も備えている。
便蓋開閉検知部21および便座開閉検知部25としては、例えば開角度により開閉状態を検知する構成とされたものが採用される。つまり、これらの検知部によれば、開止状態および閉止状態だけではなく、それらの中途の状態であることも検知される。例えば、便蓋20の閉状態は、閉止の状態だけではなく、閉動作中の便蓋20が閉止する直前の、ボウル12の開口をおおむね塞いだ状態を含むものとしてもよく、それを角度で判断するようにしてもよい。
便蓋駆動部22および便座駆動部26は、それぞれモーターなどで構成されている。便蓋駆動部22は後述する便蓋操作部23からの指示があった場合などに便蓋20を電動で開閉し(起倒させ)、便座駆動部26は後述する便座操作部27からの指示があった場合などに便座24を電動で開閉する(起倒させる)。便蓋20、便座24それぞれに駆動部(モーター)を有してもよいし、1つのモーターで、便蓋20、便座24を個別に動作させる構成であってもよい。
また、本実施形態の便器装置3は、便蓋20や便座24が各駆動部により電動での開閉動作を可能としたものであるが、手動でのみ開閉するものであってもよい。つまり、便蓋駆動部22や便座駆動部26が搭載されていない便器装置3であってもよい。なお、手動で開閉する便蓋20、便座24であっても、開閉状態は便蓋開閉検知部21、便座開閉検知部25で検知される。
着座検知部28としては、例えば便座24に内装された、着座/離座を検知する荷重センサーや、便座24の回転軸部の近傍より着座/離座を検知する赤外線センサーなどが採用される。人体検知部29は、トイレルーム内の人の有無を検知するセンサーとされ、本体10などに設置される。
また、本便器装置3に種々の動作をさせるための操作部50として、洗浄操作部51(大便用洗浄ボタン51aおよび小便用洗浄ボタン51b)、便蓋操作部23、便座操作部27などが、リモコンや本体10に設けてある(図3および図5(a)参照)。図5(a)に示すように、操作部50には局部洗浄関連操作部52の各種のボタンも含まれている。なお、リモコンには送信部(不図示)、本体10には受信部(不図示)が設けてあることはいうまでもない。
便蓋操作部23、便座操作部27のそれぞれは、開閉個別のボタンで構成されてもよいし、1つのボタンで開閉を交互に切り替えできるものであってもよい。後者の場合には、便蓋開閉検知部21(便座開閉検知部25)や、さらにはそれらの検知部とソフトウェアとの協働により、開/閉のいずれの指示であるかが判定されるようになっている。本便器装置3では、図5(a)に示すように後者とされる。
また、洗浄モードなどを設定あるいは設定替えするための設定部54として、飛散防止モード設定ボタン55、自動便器洗浄設定ボタン56、タイマー便器洗浄設定ボタン57などが、本体10の後部に設けてある(図3および図5(b)参照)。なお、上述した便座装置100にも、便器装置3の操作部50と同様の操作部150および便器装置3の設定部と同様の設定部154が設けられている。
飛散防止モードとは、便蓋20が閉じていなければ洗浄が実行されないとする洗浄モードである。このモードは、ボウル12の洗浄時における排泄物に含まれる汚染物質の拡散防止の観点から、ボウル12に排泄した便内の汚染物質を含んだ飛沫が便器の外部に飛散しないように、便蓋20が閉止状態であることを便器洗浄動作の起動条件としたモードである。
つまり、このモード下で洗浄指示があった際には、便蓋開閉検知部21の検知信号にもとづく便蓋開閉状態が便器洗浄動作の起動条件をチェックするために判別される。便蓋20が閉状態であれば便器洗浄がなされ、便蓋20が開状態であれば便器洗浄はなされない。なお、飛散防止モードが設定されているときに洗浄指示があった場合、便蓋20が開状態であれば便蓋20を自動的に閉じる動作が実行され、その後、便器洗浄がなされるようにしてもよい。
また自動便器洗浄設定とは、洗浄指示操作によらず、着座状態から離座へ状態変化が発生したときに洗浄を自動的に実施する機能を有効にする設定である。タイマー洗浄設定とは、洗浄指示操作によらず、所定時刻や一定周期で洗浄を自動的に実施する機能を有効にする設定である。
すなわち、便器洗浄のトリガーとなる洗浄指示の信号は、洗浄操作部51の操作、自動便器洗浄(着座状態から離座への状態変化)、または、タイマー洗浄(所定時刻等)などのタイミングで種々の洗浄指示生成手段により生成される。
また、便器装置3は、装置の異常発生タイミングや種々のタイミングでの装置の状態、トリガーの発生などを報知する報知部60として、ブザーやスピーカ、ディスプレイなどを備えている。ブザーは鳴動態様を異ならせて種々のメッセージを伝えることができる。また、音や音声合成をスピーカより出力するようにしてもよい。
便器装置3は、設定部54で設定された情報や、便蓋開閉検知部21、便座開閉検知部25、着座検知部28、人体検知部29などより入力される情報を、一定周期でステータス集約情報35として取り込むステータス情報処理部30を備えている。ステータス情報処理部30は例えば、タイマー割り込みによる100msec周期、200msec周期などで起動されればよい。
また便器装置3は、種々のトリガー(イベント)の発生により、制御対象5(便器洗浄部13の給水弁16や可動式のトラップ17A用の駆動部(不図示)、便蓋駆動部22、便座駆動部26など)を制御する制御部40を備えている。
制御部40には、便器洗浄部13を制御する便器制御部41と、便蓋駆動部22や便座駆動部26を制御する便座・便蓋制御部43と、報知部60を制御する報知制御部45とが含まれる。その他、局部洗浄装置(不図示)を制御するための局部洗浄制御部(不図示)なども制御部40に含まれる。
これらの制御部41、43、45は、個別の制御対象5に対応したプログラム、プログラム群で構成されてもよいし、複数の制御対象5の制御ロジックを混在させたプログラム、プログラム群で構成されてもよい。
ステータス情報処理部30および制御部40は、CPUやMPUなどのプロセッサの下で実行される種々のプログラムを含んで構成される。なお、制御部41、43、45は相異なるプロセッサで動作するものであってもよい。便器装置3はさらに、プロセッサとともに、タイマー(不図示)および電源部(不図示)を備えている。
ステータス情報処理部30は、一定周期で種々のステータス情報を取りこみできるように、上述したようにタイマー割り込みで周期的に実行されればよい。ステータス情報処理部30は、例えば100msecごとに起動がかけられ、そのタイミングでIOポートよりデータを取りこむような処理を行えばよい。
また、ステータス情報処理部30としては、タイマー割り込みとは異なるハードウェア割り込みによるトリガーで起動がかかるようにして、当該トリガーにより変化したステータスもステータス集約情報35に保存、更新するようにしてもよい。
このようにしてステータス情報処理部30で収集した種々のステータス情報は、ステータス集約情報35に集約される。このステータス集約情報35は、記憶部(不図示)に設けられる。
一方、制御部40は、便器装置3を動作させるためのトリガーが発生したときに、そのトリガーにより起動がかけられる。この種のトリガーとしては、操作部50によるボタン操作や、各種検知部による検知などが含まれる。例えば、洗浄操作部51により洗浄指示があれば、便器装置3は便器洗浄動作をしなければならないから、その洗浄指示というトリガーが制御部40(便器制御部41)に伝えられる。なお、トリガーとしてはハードウェア割り込みなどによる生のトリガーであってもよいし、ソフトウェアにより生成された内部トリガーであってもよい。
また、洗浄指示というイベント(トリガー)としては、洗浄操作部51によるものの他、着座検知部28が検知した、着座、離座間の状態変化によるものも含まれる。ステータス情報処理部30で周期的に更新した着座状態(着座/離座)を監視し、着座から離座へ変化したときに洗浄指示というトリガーを発生させてもよい。もちろん、着座検知部28による離座でハードウェア割り込み(トリガー)が発生するものであってもよい。
また、便器制御部41、便座・便蓋制御部43、報知制御部45はそれぞれ、ステータス集約情報35にもとづき、制御対象5に対する動作の実行の要否や、動作の態様を判別する条件判別部42、44、46を備えている。
この条件判別部42、44、46は、制御部40が起動されたタイミングで動作するのではなく、ステータス情報処理部30とともに周期的に実行されるものであってもよい。例えば、ステータス情報処理部30内で種々の状態を入力したのち、それらのデータを用いて条件判別し、そのように内部で生成された判別データをステータス集約情報35に含ませて保存してもよい。
いずれにせよ制御部40は、あるトリガーにもとづき起動がかかった場合、そのタイミングでは、便器制御部41、便座・便蓋制御部43、報知制御部45のいずれについても、同一タイミングに更新されたステータス集約情報35を参照することとなる。つまり、同じトリガーで便器制御部41、便座・便蓋制御部43、報知制御部45のうちの複数が動作する場合でも、それら複数の制御部41、43、45は同一タイミングで収集されたステータス集約情報35を参照することができる。
したがって、同一トリガーで実行される複数の制御部41、43、45間では、各制御部41、43、45で読みこんだステータスに齟齬が生じるおそれはない。したがって、統一性のあるステータスにもとづき適正な動作が実行され、よって不具合は発生しにくくなる。
また、このような一定周期で更新されるステータス集約情報35をアクセスするプログラムは、ステータス情報処理部30、便器制御部41、便座・便蓋制御部43、報知制御部45などのように、種々のタイミングごと、機能別などに設けられればよい。したがって各プログラムはコンパクトな作りとなり、プログラミングしやすくなるという副次的な効果もある。このようなプログラム構成は、複数のプログラムをリアルタイムに監視、管理するための基本ソフトウェアを配して実現することが望ましい。
ついで、各プログラム(ステータス情報処理部30、便器制御部41、便座・便蓋制御部43、報知制御部45)の動作例について、図6~図9を参照しながら説明する。
図6はステータス情報処理部30の基本動作例を示すフローチャートであり、図7および図8は洗浄指示があった際の便器制御部41の基本動作の2例を示すフローチャートである。図9(a)は便座・便蓋制御部43の基本動作例を示す動作実行表であり、図9(b)は報知制御部45の基本動作例を示す動作実行表である。
ステータス情報処理部30は、上述したように100msecなどの周期で起動され、図6のフローチャート(S101~S106)に示す動作が実行される。具体的には、便蓋開閉検知部21による便蓋開閉状態、便座開閉検知部25による便座開閉状態、着座検知部28による着座/離座状態、設定部54の設定情報およびその他の状態が取りこまれる(図6のS101~S105)。収集されたデータはステータス集約情報35に記憶される。この動作は100msec周期で実行されるから、ステータス集約情報35は100msec周期で更新される。もちろん、状態に変化がなければ更新されてもデータは同値である。
ところで、本便器装置3は飛散防止モードという洗浄モードを有している(図5(b)参照)。この飛散防止モードは、上述したように、洗浄指示があったタイミングに、便蓋20が閉状態である場合に限り洗浄を実行するというモードである。
この飛散防止モードは、上述したように設定部54の飛散防止モード設定ボタン55の操作で設定される。このモードが有効とされている場合は、上記のように便蓋20の開閉状態を判別して起動条件として合致していれば洗浄が実施される。飛散防止モードが設定されていない場合は無条件に洗浄が実施される。
図6の動作例ではステータス情報処理部30は、飛散防止モードの設定の有無に関係なく、同一タイミングで収集された情報にもとづき、「便器洗浄の可否」を決定する(図6のS106)。具体的には、飛散防止モードの設定ありの場合は、便蓋閉であれば便器洗浄可、便蓋開であれば便器洗浄不可と決定する一方、飛散防止モード設定なしの場合は、便蓋開閉状態に関係なく便器洗浄可と決定すればよい。
これに対し便器制御部41は、洗浄指示のトリガーで起動されたときには、ステータス情報処理部30で決定された「便器洗浄の可否」により便器洗浄が可能かどうかを判別し、可のときに便器洗浄の制御を行う(図7のS201のY、S202)。便器洗浄が不可のときには、便器洗浄の制御はなされない(図7のS201のN)。つまり、便器制御部41は飛散防止モードの設定有無は参照しなくてもよい。
なお、離座(便座24への着座状態から離座への状態変化)による洗浄指示の場合には、そのタイミングでは便蓋20は開状態にあるので、便蓋20の閉動作がなされる時間を考慮して、所定時間後に洗浄指示トリガーを発生させることが望ましい。
図6、図7の例では、ステータス情報処理部30が「便器洗浄の可否」という内部ステータスデータを生成する(図6のS106)から、ステータス情報処理部30が条件判別部42の動作の一部を担うこととなる。
もちろん、ステータス情報処理部30で「便器洗浄の可否」のような条件判別データを生成しなくてもよい。便器制御部41でステータス集約情報35の便蓋開閉状態や飛散防止モードの設定状態を参照して、便器洗浄の要否を判断してもよい。
例えば、飛散防止モード下での洗浄に際して、便蓋20が開状態のときに便蓋20の自動閉動作を実行するものにおいては、制御部40が図8のフローチャート(S301~S304)に示す動作を実行するようにしてもよい。
すなわち、制御部40は洗浄指示のトリガーにて起動されたときに、ステータス集約情報35を参照して、便蓋20の閉動作の制御および便器洗浄の制御のための条件判別を行えばよい。
具体的には、便座・便蓋制御部43が、飛散防止モードの設定があり、かつ便蓋20が開状態であることを判別したときに、便蓋20が閉動作するように便蓋駆動部22を制御する(図8のS301のY、S302のY、S303)。
そして、便蓋20が閉止された後(図8のS303の後)に、便器洗浄が実行される(S304)。また、飛散防止モードが設定されていない場合(S301のN)、または飛散防止モードが設定されており、かつ便蓋20が閉状態にある場合(S301のY、S302のN)にも、便器洗浄が実行される(S304)。
飛散防止モードで便蓋20の自動閉動作を実行する図8の例の場合は、便座・便蓋制御部43が洗浄指示トリガーでまず起動され、便蓋20が閉動作するように制御する(図8のS303)。そして、その制御による便蓋閉動作の後の、便蓋開閉検知部21により便蓋閉が検知されたときのトリガーにより便器制御部41が便座・便蓋制御部43により起動され、便器洗浄が実行される(S303、S304)。また、便座・便蓋制御部43は、飛散防止モードが設定されていない場合(S301のN)、または飛散防止モードが設定されており、かつ便蓋20が閉状態にある場合(S301のY、S302のN)にも、便器制御部41を起動する。
ようするに図8の例では、洗浄指示のトリガーで、便座・便蓋制御部43、便器制御部41が順に連携するように起動される。この動作の場合、条件判別のためのステータス集約情報35の参照は、図8に示すように便座・便蓋制御部43内でなされればよい。
このように同一のトリガーで複数の制御部40が動作する場合に、それぞれで同じステータスを参照する必要があるものでは、それぞれが動作するタイミングでステータス集約情報35を参照すればよい。
また、複数の制御部41、43、45が連続して実行される場合は、それらの動作の狭間で、いずれもが参照するステータスデータがステータス情報処理部30の周期処理により更新されるおそれがある。そのような事態になることを考慮して、先行、後続の制御部41、43、45間の専用の受け渡しデータを、ステータス集約情報35内に設けてもよい。
つぎに、便座・便蓋制御部43の制御動作について、図9(a)(b)に示した動作実行表を参照しながら説明する。
便座・便蓋制御部43に対するトリガーとしては、便座操作部27による便座開閉入力および便蓋操作部23による便蓋開閉入力が想定される。上述したように両操作部はいずれも開閉個別に入力されるのではなく、そのときの状態に応じて開指示か閉指示かが判断される。
便座操作部27、便蓋操作部23のいずれの入力も、図9(a)の表にあるような5種のステータスを判別して、動作が実行される(実行なしの場合もある)。具体的には、便座操作部27による便座開閉入力がされたときには、ステータスごとにつぎのような実行態様となる。これらのステータスはステータス集約情報35を参照すればよい。
(1)便蓋20、便座24がともに閉状態であれば、便座開閉入力を便座開指示と判断し、便蓋駆動部22を制御して便蓋20の開動作を実行し、ついで便座駆動部26を制御して便座24の開動作を実行する。
(2)便蓋20が中間位置にあれば、便座開閉入力を開閉いずれの指示とも判断せず、制御、動作は実行しない。
(3)便蓋20が開&便座24が閉であれば、便座開閉入力を便座開指示と判断し、便座駆動部26を制御して便座24の開動作を実行する。
(4)便座24が中間位置にあれば、便座開閉入力を開閉いずれの指示とも判断せず、制御、動作は実行しない。
(5)便蓋開&便座開であれば、便座開閉入力を便座閉指示と判断し、便座駆動部26を制御して便座24の閉動作を実行する。
また、便蓋操作部23による便蓋開閉入力がされたときには、ステータスごとにつぎのような実行態様となる。
(1)便蓋20、便座24がともに閉状態であれば、便蓋開閉入力を便蓋開指示と判断し、便蓋駆動部22を制御して便蓋20の開動作を実行する。
(2)便蓋20が中間位置にあれば、便蓋開閉入力を開閉いずれの指示とも判断せず、制御、動作は実行しない。
(3)便蓋20が開&便座24が閉であれば、便蓋開閉入力を便蓋閉指示と判断し、便蓋駆動部22を制御して便蓋20の閉動作を実行する。
(4)便座24が中間位置にあれば、便蓋開閉入力を開閉いずれの指示とも判断せず、制御、動作は実行しない。
(5)便蓋20が開&便座24が開であれば、便蓋開閉入力を便蓋閉指示と判断し、便座駆動部26を制御して便座24の閉動作を実行し、ついで便蓋駆動部22を制御して便蓋20の閉動作を実行する。
また、便蓋20の閉動作(図8参照)が伴う飛散防止モードが設定されているときに洗浄指示があった場合の便蓋20の閉動作や、その他の便蓋20の自動閉動作は、図9の表の便蓋開閉入力欄のステータス(3)または(5)に相当する動作が実行される。また、便蓋20の自動開動作では、図9の表の便蓋開閉入力欄のステータス(1)に相当する動作が実行される。
つぎに、報知制御部45の制御動作について、図9(b)に示した動作実行表を参照しながら説明する。
この動作実行表は、報知制御部45が、洗浄操作部51の操作または着座検知部28による離座検知による洗浄指示、便蓋開閉検知部21による便蓋20の閉止の2種のトリガーで起動される場合について例示したものである。
報知制御部45は、洗浄指示のトリガーが発生したときに起動された場合には、ステータス集約情報35の「便器洗浄の可否」が可であれば、報知部60(ブザー)を制御して「ピピッ」を出力させる。なお、離座(着座から離座への状態変化)による洗浄指示の場合には、便器洗浄の制御と同様、洗浄指示トリガーの発生を遅らせればよい。
報知制御部45は、便蓋開閉検知部21による便蓋閉止のトリガーが発生したときには、特に条件を判断することなく、報知部60(ブザー)を制御して「ピッ」を出力させる。
このような洗浄指示や便蓋閉止など種々のトリガーによる報知制御部45に対する起動は、生のトリガーにより、あるいは便器制御部41からの連携によりなされればよい。
以上では、ステータス集約情報35に集約されたステータスが、便器洗浄などの動作の起動条件として参照されるものを例示したが、運転条件として参照されるものであってもよい。運転条件とは、ある動作が実行するうえで常時必要とされる条件とれ、その条件が外れた場合にはその動作は停止される。
この運転条件を判別する際にもステータス集約情報35が参照される。つまり、一定周期で起動されるステータス情報処理部30でステータスを収集して状態変化を検出し、その状態変化がある動作の運転条件に合致しなくなったような場合には、その動作を停止させる制御が実行されればよい。この停止制御を行うための条件判別部42、44、46の処理および制御部41、43、45の処理は、ステータス情報処理部30が担ってもよい。
以上には、便器洗浄を制御する便器制御部41、便座24、便蓋20の開閉を制御する便座・便蓋制御部43、および報知部60を制御する報知制御部45について説明したがこれらには限らない。例えば局部洗浄装置の制御を行う場合にも、ステータス集約情報35にもとづいた条件判別がなされればよい。
以上のように、図4に示した便器装置3は便蓋20、便座24を一体としたものであるが、上述したように図2に示した便器装置1は、便座装置100を便器装置本体200に取りつけて構成されたものである(図1および図2参照)。以下、便座装置100および便器装置1について、図1、図2および図5~図9にもとづいて説明する。
本便座装置100が取りつけられる便器装置本体200はサイホン式のタンクトイレとされ、給水弁171が制御されてタンク170の洗浄水がボウル12へ給水される。この給水弁171は、便座装置100に含まれるものであり、便座装置100の制御により動作する構成とされる。この便座装置100は、便器装置本体200のプロセッサとは異なるプロセッサで動作する。
また、便器装置本体200のボウル12などの他の構成は、図4に示した便器装置3の本体10とおおむね同様とされ、それらの構成については図4と同様の符号を付して、それらについては説明を省略する。なお、ここではタンク式の便器装置1を例示したが、これには限らず、便器装置3の例として図4(a)(b)に示した水道直結式のものであってもよい。
ついで、この便座装置100の詳細について説明する。
本便座装置100は、図3の便器装置3と同様に、便蓋120、便座124の開閉検知を行う便蓋開閉検知部121、便座開閉検知部125を備えている。便座装置100はさらに、便蓋120、便座124を動作させるための便蓋駆動部122、便座駆動部126が搭載されている。
また、便座装置100は、図1に示すように、着座検知部128、人体検知部129を備え、さらに便器装置3および便座装置100の種々の操作をするための操作部150、飛散防止モードなどの設定を行うための設定部154、報知部160なども備えている。
なお、操作部150は、上述した図4の便器装置3の操作部50(図5参照)とおおむね同様とされ、便蓋120の開閉操作を行うための便蓋操作部23(図5参照)や、便座124の開閉操作を行うための便座操作部27(図5参照)も備えている。
便座装置100は、種々のトリガー(イベント)の発生により、制御対象105(給水弁131や便蓋駆動部122、便座駆動部126、報知部160、便器装置本体200など)を制御する制御部140を備えている。
制御部140としては、給水弁171を制御する便器制御部141と、便蓋駆動部122や便座駆動部126を制御する便座・便蓋制御部143と、報知部160を制御する報知制御部145とを含んでいる。また、制御部140は、便器装置本体200の他の部位を制御する構成であってもよい。
これらの制御部141、143、145は、個別の制御対象5に対応したプログラム、プログラム群で構成されてもよいし、複数の制御対象105の制御ロジックを混在させたプログラム、プログラム群で構成されてもよい。
ステータス情報処理部130および制御部140は、CPUやMPUなどのプロセッサの下で実行される種々のプログラムを含んで構成される。なお、制御部141、143、145は相異なるプロセッサで動作するものであってもよい。便器装置3はさらに、プロセッサとともに、タイマー(不図示)および電源部(不図示)を備えている。
便器制御部141、便座・便蓋制御部143、報知制御部145はそれぞれ、ステータス集約情報135にもとづき、制御対象105に対する動作の実行の要否や、動作の態様を判別する条件判別部142、144、146を備えている。
ステータス情報処理部130は、一定周期で種々のステータス情報を取りこみできるように、上述したようにタイマー割り込みで周期的に実行されればよい。ステータス情報処理部130は、例えば100msecごとに起動がかけられ、そのタイミングでIOポートよりデータを取りこむような処理を行えばよい。
また、ステータス情報処理部130としては、タイマー割り込みとは異なるハードウェア割り込みによるトリガーで起動がかかるようにして、当該トリガーにより変化したステータスもステータス集約情報135に保存、更新するようにしてもよい。
このようにしてステータス情報処理部130で収集した種々のステータス情報は、ステータス集約情報135に集約される。このステータス集約情報135は、記憶部(不図示)に設けられる。
このように、本便座装置100のステータス情報処理部130および制御部140、141、143、145の構成、動作については図3、図4に示した便器装置3と同様であり、図6~図9に示した動作を実行する。
したがって、この便座装置100によれば、図3の便器装置3と同様、同一トリガーで実行される複数の制御部141、143、145間では、各制御部141、143、145で読みこんだステータス間にタイミングによるずれが生じることを抑制できる。ようするに、この便座装置100によれば、統一性のあるステータスにもとづき適正な動作が実行され、よって不具合は発生しにくくなる。
なお、図2に示したステータス集約情報135は便座装置100が監視、集約する情報であるが、便座装置100、便器装置本体200の共有の情報としてもよい。そうすることで、便座装置100、便器装置本体200間でのステータスの統一性を図ることもできる。