JP7514912B2 - 生体成分処理システム、生体成分処理装置及び細胞培養方法 - Google Patents

生体成分処理システム、生体成分処理装置及び細胞培養方法 Download PDF

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本発明は、培地を流動して細胞を培養する生体成分処理システム、この生体成分処理システムに使用される生体成分処理装置、及び細胞を培養する際の細胞培養方法に関する。
再生医療では、生体の細胞(生体成分)を採取して培養し、培養した細胞を患者に投与する処置がなされる。細胞を培養する増殖処理では、例えば、特開2017-143775号公報に開示されているように、ケース内に中空糸を有する細胞培養容器(バイオリアクタ)を用いた細胞培養システム(生体成分処理システム)が使用される。この生体成分処理システムには、複数の医療用バッグ及びバイオリアクタを有する生体成分用キットを装置にセットした状態で、細胞を含む液を中空糸内に供給して細胞を中空糸内に付着させた後、さらに細胞培養容器に培地を送り込むことで細胞を増殖させる。
ところで、細胞は、培地に含まれるグルコースを栄養分(エネルギ)として消費し、乳酸を培地に放出する。従って、細胞を培養する培養工程では、細胞数の増加に応じて培地(グルコース)の供給量を増加させる必要がある。しかしながら、従来、培養工程では、時間経過に応じて段階的に培地の供給量を増やす制御を行っているに過ぎない。従って、システムの増殖処理で得られる細胞の細胞数はまばらになり易く、製品としての品質が安定しないという課題がある。
すなわち、細胞の培養処理では、バイオリアクタに供給する培地やガス成分の量を適宜調整して、細胞の増殖度合(細胞数等)を適切に管理し、その品質を安定化させると共に、培地の無駄を抑制することが望まれている。
本発明は、上記の技術に関連するものであり、細胞の培養時の乳酸に関わる情報に基づき細胞への培地の供給を制御することで、品質を安定化させると共に製造コストを低廉化することができる生体成分処理システム、生体成分処理装置及び細胞培養方法に関する。
前記の目的を達成するために、本発明の第1の態様は、細胞を培養するための培地を流動可能な経路を有する生体成分用キットと、前記生体成分用キットがセットされて、前記培地の流動状態を制御する生体成分処理装置とを備える生体成分処理システムであって、前記生体成分処理装置は、前記培地に含まれる乳酸に関わる情報の測定を前記生体成分用キットに対して行う測定部と、前記測定部の測定により得られた前記乳酸に関わる情報と、予め記憶している検量情報とに基づき培養中の細胞数を算出し、前記細胞数に基づき前記細胞への前記培地の供給を制御する制御部とを有する。
また前記の目的を達成するために、本発明の第2の態様は、細胞を培養するための培地を流動可能な経路を有する生体成分用キットがセットされ、前記培地の流動状態を制御する生体成分処理装置であって、当該生体成分処理装置は、前記培地に含まれる乳酸に関わる情報の測定を前記生体成分用キットに対して行う測定部と、前記測定部の測定により得られた前記乳酸に関わる情報と、予め記憶している検量情報とに基づき培養中の細胞数を算出し、前記細胞数に基づき前記細胞への前記培地の供給を制御する制御部とを有する。
またさらに前記の目的を達成するために、本発明の第3の態様は、細胞を培養するための培地を流動可能な経路を有する生体成分用キットと、前記生体成分用キットがセットされて、前記培地の流動状態を制御する生体成分処理装置とを備える生体成分処理システムによる細胞培養方法であって、前記生体成分処理装置の測定部により、前記培地に含まれる乳酸に関わる情報の測定を前記生体成分用キットに対して行う測定ステップと、前記生体成分処理装置の制御部により、前記測定部の測定により得られた前記乳酸に関わる情報と、予め記憶している検量情報とに基づき培養中の細胞数を算出する細胞数算出ステップと、前記制御部により前記細胞数に基づき前記細胞への前記培地の供給を制御する動作制御ステップとを有する。
上記生体成分処理システム、生体成分処理装置及び細胞培養方法は、細胞の培養時の乳酸に関わる情報に基づき細胞への培地の供給を制御することで、品質を安定化させると共に製造コストを低廉化することができる。
本発明の一実施形態に係る生体成分用カセット及び生体成分用キットを適用した生体成分処理システムを示す斜視図である。 生体成分用カセットの分解斜視図である。 カセット本体及びその周辺部を示す平面図である。 細胞培養時における生体成分用キットの液体の経路を概略的に示す説明図である。 図5Aは、パラメータ被検出部の概要を示すブロック図である。図5Bは、培養パラメータ検出部を拡大して示す側面断面図である。 細胞培養時における制御部内の機能ブロック図である。 細胞培養時における時間経過と細胞数及びポンプ回転速度の関係を示すグラフである。 細胞培養方法の手順を示すフローチャートである。
以下、本発明について好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
本発明の一実施形態に係る生体成分処理システム22は、図1に示すように、生体成分を含む液体、及び生体成分を処理する液体を流動可能な生体成分用キット12(以下、単にキット12という)と、キット12がセットされる生体成分処理装置14とを備える。キット12は、液体の複数の経路を集約して生体成分処理装置14にセットされる生体成分用カセット10(以下、単にカセット10という)を有している。
また、キット12は、カセット10の他に、複数の経路を構成する部材として複数のチューブ16、複数の医療用バッグ18、及び生体成分処理装置14に処理される処理部20を備える。キット12は、生体成分処理装置14の動作下に、カセット10及び各チューブ16を経由して、各医療用バッグ18に収容される複数種類の液体を流通させて、処理部20において液体を処理することで目的の製品を得るように構成される。
そして、本実施形態に係る生体成分処理システム22は、再生医療において生体の細胞(生体成分)を増殖する増殖処理に使用され、キット12の処理部20には、細胞増殖用のバイオリアクタ21が適用される。また、キット12内で流動する液体としては、細胞を含む溶液(以下、細胞液という)、細胞の増殖のために供給される培地(培養液)、キット12内を洗浄する洗浄液、及び細胞を剥離する剥離液等があげられる。すなわち、生体成分処理装置14は、キット12のセット状態で、バイオリアクタ21に細胞液を播種し、さらに培地を供給して細胞を培養した後、バイオリアクタ21から増殖した細胞を剥離して回収する増殖処理を行う。以下では、生体成分処理装置14を細胞増殖装置15ともいい、生体成分処理システム22を細胞増殖システム23ともいう。
生体の細胞は、特に限定されるものではないが、例えば、血液に含まれる細胞(T細胞等)、幹細胞(ES細胞、iPS細胞、間葉系幹細胞等)があげられる。培地も、生体の細胞に応じて適切なものが選択されればよく、例えば、緩衝塩類溶液(Balanced Salt Solution:BSS)を基本溶液として、種々のアミノ酸、ビタミン類及び血清等を加えて調製されたものがあげられる。また洗浄液も、特に限定されるものではなく、PBS(Phosphate Buffered Salts)、TBS(Tris-Buffered Saline)等の緩衝液、又は生理食塩水があげられる。また剥離液としては、例えば、トリプシン、EDTA液を適用することができる。
キット12の複数の医療用バッグ18には、細胞液を収容した細胞液バッグ18Aと、洗浄液を収容した洗浄液バッグ18Bと、培地を収容した培地バッグ18Cとが含まれる。さらに、キット12は、複数の医療用バッグ18として空のバッグを有し、この空のバッグには、増殖処理において廃棄される液体が流入する廃液バッグ18Dと、増殖処理において得られた細胞(及び他の液体)を回収する回収バッグ18Eとが含まれる。また医療用バッグ18には、剥離液を収容した剥離液バッグ18Fが別に用意される。剥離液バッグ18Fは、増殖処理の過程で、作業者により、先に接続された医療用バッグ18(例えば、細胞液バッグ18A)と交換される。
細胞液バッグ18A、洗浄液バッグ18B、培地バッグ18C等は、図示しない無菌接合装置を用いて、各々のチューブ16の端部と無菌的に接合される。又は各医療用バッグ18は、各々のチューブ16の端部に離脱不能に固着されており、キット12内の無菌性を確保する構造であってもよい。或いは、キット12が、チューブ16と各医療用バッグ18との間を着脱自在に接続する接続構造(不図示)を適用してもよい。
キット12のバイオリアクタ21は、特に限定されないが、表面積の大きい培養基材を用いることが好ましく、例えば、中空糸を有する構造を適用するとよい。具体的には、バイオリアクタ21は、複数(例えば、1万本以上)の中空糸24と、複数の中空糸24を収容する主空間26aを有する円筒状の容器26とを備える。
複数の中空糸24は、その延在方向に沿って貫通する内腔(不図示)を有し、内腔を構成する中空糸24の内周面において細胞を接着させて培養する。各中空糸24は、容器26の軸方向に沿って収容され、両端部が図示しない保持壁により保持されている。内腔の直径は、例えば、200μm程度に形成され、保持壁の軸方向両側の端部空間26bに連通している。
また、各中空糸24は、当該中空糸24の外側(主空間26a)と内腔との間を連通する図示しない細孔を複数有する。各細孔は、細胞やタンパク質を透過させない一方で、溶液や低分子の物質を透過させることが可能な大きさに形成されている。細孔の直径は、例えば0.005μm~10μm程度に設定される。これにより、中空糸24の内周面に接着した細胞には、細孔を介して培地、所定のガス成分等が供給される。以下、主に中空糸24の内腔に液体を流通する構成をIC(intra capillary)ともいい、主に中空糸24の外側に液体を流通する構成をEC(extra capillary)ともいう。
中空糸24を構成する材料は、特に限定されず、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリテロラフルオロエチレン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、セルロースアセテート、セルローストリアセテート、再生セルロース等の高分子材料があげられる。
容器26は、各中空糸24を略直線状に延在させて収容可能な軸方向長さを有する。容器26は、チューブ16にそれぞれ接続される4つの端子28(第1IC端子28a、第2IC端子28b、第1EC端子28c、第2EC端子28d)を備える。第1IC端子28aは容器26の一端に設けられ、一端側の端部空間26bに連通している。第2IC端子28bは容器26の他端に設けられ、他端側の端部空間26bに連通している。第1EC端子28cは、容器26の外周面上の他端側近傍位置に設けられ、他端寄りの主空間26aに連通している。第2EC端子28dは、容器26の外周面上の一端側近傍位置に設けられ、一端寄りの主空間26aに連通している。
キット12の複数のチューブ16は、細胞液バッグ18Aとカセット10間をつなぐ細胞液チューブ16A、洗浄液バッグ18Bとカセット10間をつなぐ洗浄液チューブ16B、培地バッグ18Cとカセット10間をつなぐ培地チューブ16C、廃液バッグ18Dとカセット10間をつなぐ廃液チューブ16D、回収バッグ18Eとカセット10間をつなぐ回収チューブ16E、バイオリアクタ21の第1IC端子28aとカセット10間をつなぐ第1ICチューブ16F、バイオリアクタ21の第2IC端子28bとカセット10間をつなぐ第2ICチューブ16G、バイオリアクタ21の第1EC端子28cとカセット10間をつなぐ第1ECチューブ16H、及びバイオリアクタ21の第2EC端子28dとカセット10間をつなぐ第2ECチューブ16Iを有する。
第1ECチューブ16Hの途中位置には、所定のガス成分を液体(培地)に混合するガス交換器29が設けられている。例えば、混合するガス成分としては、自然界の空気の混合比に近い成分(窒素N2:75%、酸素O2:20%、二酸化炭素CO2:5%)があげられる。
ガス交換器29の構造は、特に限定されず、バイオリアクタ21と同様に、複数の中空糸29bを容器29a内に設けたものを適用することができる。つまり、ガス交換器29は、第1ECチューブ16Hを流通する液体を中空糸29bの内腔に導き、この中空糸29b内の移動中に容器29a内(中空糸29bの外側の空間)に供給されたガス成分を、中空糸29bの細孔を介して液体に混合させる。
そして、キット12の一部品であるカセット10は、上記の各チューブ16が予め接合されることで、各医療用バッグ18の細胞液、洗浄液、培地、剥離液を、別の医療用バッグ18又はバイオリアクタ21に流通させる中継部として機能する。このカセット10は、細胞増殖装置15にキット12をセットする際に、細胞増殖装置15内の図示しないカセット配置部に取り付けられ、増殖処理におけるチューブ16の配線作業を簡略化させる。
図2に示すように、本実施形態に係るカセット10は、複数のチューブ16が直接接続される軟質なカセット本体40と、このカセット本体40を保持して細胞増殖装置15に固定される硬質なフレーム50とで構成されている。
カセット本体40は、略長方形を呈すると共に、可撓性を有する薄肉のシート状に形成されている。カセット本体40は、樹脂材料からなる2つの樹脂シート42を厚さ方向に重ねて接合(溶着)することで形成される。一対の樹脂シート42の接合では、溶着用の金型に形成された溝に沿うように当該一対の樹脂シート42間に気体を給排気することで、樹脂シート42がそれぞれ断面半円状に隆起した流路壁45となりその内側に流路44が形成される。樹脂シート42を構成する材料は、液体の圧力によって変形可能な柔軟性を有していれば、特に限定されず、例えば、塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂等を適用するとよい。カセット本体40の表面にはエンボス加工が施され、微小な凹凸が形成されていてもよい。カセット本体40の外縁41には、複数のチューブ16と流路44の間を接続する複数のコネクタ60が設けられている。
一方、フレーム50は、カセット本体40よりも硬質な(弾性率が大きい)樹脂材料により構成され、カセット本体40を収容する収容空間52を有する薄い凹形状に形成されている。このフレーム50を構成する材料も、特に限定されず、例えば、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリスルホン、ポリアリレート、メタクリレート-ブチレン-スチレン共重合体等の熱可塑性樹脂を適用するとよい。
フレーム50は、カセット本体40よりも一回り大きな略長方形状の覆い部54と、覆い部54の外周から覆い部54の直交方向に短く突出するサイド部56とを有する。サイド部56は、覆い部54の外周を全周にわたって周回している。フレーム50は、覆い部54と反対側でサイド部56に囲われた開口52aを介して収容空間52を開放しており、カセット本体40の一方の面を露出させる。また、フレーム50は、サイド部56の上辺及び右辺から各々延出して、サイド部56から所定間隔離れたチューブ16を保持する保持フレーム58を有する。サイド部56においてカセット本体40の各コネクタ60に対応する箇所には、各コネクタ60を配置及び保持する係止部70が設けられている。コネクタ60及び係止部70は、カセット本体40を係止する係止機構68を構成している。
係止機構68は、略長方形状のカセット10の四辺にそれぞれ設けられる。これによりフレーム50はシート状のカセット本体40を張った状態で保持して、流路44を面方向に沿って良好に延在させる。
そして、カセット10は、カセット本体40及びフレーム50が一体化され、且つカセット本体40の面方向を重力方向(上下方向)に沿った立位姿勢にして細胞増殖装置15内にセットされる。すなわち細胞増殖装置15内において、カセット10は、図3に示す上下の向きで細胞増殖装置15のカセット配置部に固定される。なお図3中のカセット10は、細胞増殖装置15に取り付けた状態における覆い部54側(細胞増殖装置15のタッチパネル134側)から見た姿勢であり、説明の便宜のためにフレーム50を省いてカセット本体40だけを図示している。
具体的には、カセット本体40の外縁41は、第1短辺41a(図中の左辺)、第2短辺41b(図中の右辺)、第1長辺41c(図中の上辺)、及び第2長辺41d(図中の下辺)により構成される。細胞液チューブ16A、洗浄液チューブ16B及び培地チューブ16Cは、第1長辺41cに接続されている。廃液チューブ16D、回収チューブ16E、第1ICチューブ16F、第2ICチューブ16G、第1ECチューブ16H及び第2ECチューブ16Iは、第2短辺41bに接続されている。
また、細胞増殖システム23は、セット状態で、カセット10の側方近傍位置に4つのポンプ30を配置する。すなわち、細胞増殖装置15は、セット状態で、第1短辺41aの近傍に配置される第1ポンプ30aと、第1長辺41cの近傍に配置される第2ポンプ30b及び第3ポンプ30cと、第2長辺41dの近傍に配置される第4ポンプ30dとを有する。
キット12(カセット10)は、第1~第4ポンプ30a~30dに対応する閉じたチューブ16として、第1ポンプ用チューブ16Jを第1短辺41aに接続し、第2ポンプ用チューブ16K及び第3ポンプ用チューブ16Lを第1長辺41cに接続し、第4ポンプ用チューブ16Mを第2長辺41dに接続している。第1~第4ポンプ用チューブ16J~16Mは、その円弧状に折り返す部分が第1~第4ポンプ30a~30dの円形状の被巻掛部に回り込むように配置される。
第1~第4ポンプ30a~30dは、回り込んでいる各ポンプ用チューブ16J~16Mをしごくように回転することで、内部の液体に流動力を付与する。第1ポンプ30aは後記のIC用ルート44Aに液体を流動させ、第2ポンプ30bは後記のEC用ルート44Bに液体を流動させる。また、第3ポンプ30cはEC用ルート44Bの液体を循環させ、第4ポンプ30dはIC用ルート44Aの液体を循環させる。
細胞増殖システム23は、セット状態で、カセット本体40の第2長辺41dの近傍位置に気泡センサ32を配置する。このため、キット12は、閉じたチューブ16としてセンサ用チューブ16Nを第2長辺41dに接続しており、セット状態で、このセンサ用チューブ16Nが気泡センサ32に対向配置される。
さらに、細胞増殖システム23は、セット状態で、細胞液チューブ16A、洗浄液チューブ16B、培地チューブ16Cの各々に外側クランプ34を配置する。各外側クランプ34は、細胞増殖装置15の制御下に、それぞれのチューブ16の流路を開閉する。またさらに、細胞増殖システム23は、セット状態で、カセット本体40に設けられた所定の流路44を開閉する複数の内側クランプ35を有する。
上記したように、カセット本体40の外縁41の内側には、面方向に沿って延在する所定形状の流路44が形成されている。またカセット本体40は、流路44に連通する複数の圧力被検出部48、液位被検出部80、逆止弁部90、及び流路44と共に構成される複数の流路被開閉部100、複数のパラメータ被検出部110をシート上に備える。
流路44は、詳細な説明は省略するが、第1及び第2ICチューブ16F、16Gと共に中空糸24の内腔に液体を供給するIC用ルート44Aと、第1及び第2ECチューブ16H、16Iと共に中空糸24の外側(主空間26a)に液体を供給するEC用ルート44Bとを構成している。特にバイオリアクタ21に培地を供給する際には、複数の外側クランプ34及び複数の内側クランプ35の各々が適宜開放又は閉塞されることで、IC用ルート44A及びEC用ルート44Bは図4に概略的に示す形態となる。
IC用ルート44Aは、第1ICチューブ16Fに連通する第1ICポート路44A1、及び第2ICチューブ16Gに連通する第2ICポート路44A2をカセット本体40内に有する。そして、IC用ルート44Aは、バイオリアクタ21(中空糸24内)、第1及び第2ICポート路44A1、44A2、第1及び第2ICチューブ16F、16Gとの間で液体を循環する循環回路46Aを形成している。
EC用ルート44Bは、第1ECチューブ16Hに連通する第1ECポート路44B1、及び第2ECチューブ16Iに連通する第2ECポート路44B2をカセット本体40内に有する。そして、EC用ルート44Bは、バイオリアクタ21(中空糸24外)、第1及び第2ECポート路44B1、44B2、第1及び第2ECチューブ16H、16Iとの間で液体を循環する循環回路46Bを形成している。
図3に戻り、圧力被検出部48は、IC用ルート44A及びEC用ルート44Bにおける各ポンプ30の下流側に設けられる。圧力被検出部48は、細胞増殖装置15に設けられた圧力センサ36に対向配置されることで、流路44の圧力を検出させる。また、液位被検出部80は、IC用ルート44Aに設けられ、流動する液体を貯留空間80aに一時的に貯留してIC用ルート44Aに液体を流出すると共に、液体とは別ルートに気体を流出させる。この液位被検出部80は、細胞増殖装置15に設けられた液位センサ37(上部センサ37a、下部センサ37b)に対向配置され、内部に貯留される液体の液位を検出させる。逆止弁部90は、この気体を流出させるルートに設けられ、このルートから液位被検出部80への気体又は液体の流入を規制する。
流路被開閉部100は、複数の切り欠き102により構成され、細胞増殖装置15の複数の内側クランプ35に各々配置される。内側クランプ35は、切り欠き102に挿入される変位体35a及び固定体35bを有し、変位体35aを固定体35bに近接させることで所定の流路44を閉塞し、変位体35aを固定体35bから離間させることで所定の流路44を開放する。流路被開閉部100の流路44には、上記の気体の流出ルート、IC用ルート44A、EC用ルート44Bから廃液バッグ18Dに向かう廃液ルート44C、IC用ルート44Aから回収バッグ18Eに向かう回収ルート44D及び第2ICポート路44A2がある。
パラメータ被検出部110は、バイオリアクタ21を流動する液体の細胞の培養に関するパラメータを検出可能としたものである。細胞の培養に関するパラメータとしては、例えば、流路44を流動する液体の溶存酸素量、pH、グルコース量、溶存二酸化炭素量、乳酸量があげられる。溶存酸素量、pH、グルコース量は、細胞に供給する培養環境のパラメータに相当する。溶存二酸化炭素量、乳酸量は、細胞の代謝によって生じるパラメータに相当する。1つのパラメータ被検出部110は、これら5種類のパラメータのうちいずれか1つを検出可能としている。
すなわち、細胞増殖システム23は、カセット10に設けられたパラメータ被検出部110と、細胞増殖装置15に設けられた光学センサ120とにより、細胞の培養時に細胞に関するパラメータを検出する培養パラメータ検出部122を構成している。細胞増殖システム23(細胞増殖装置15)は、培養パラメータ検出部122の検出結果に基づきバイオリアクタ21に供給する培地やガス成分の量を調整する(フィードバックする)。
そして、本実施形態では、パラメータ被検出部110は、第2ECポート路44B2に複数(3つ)設けられて、それぞれ異なる種類のパラメータを検出する構成となっている。これらのうちの1つは乳酸量を検出する乳酸被検出部110aとなっており、これらのうちの別の1つはグルコース量を検出するグルコース被検出部110bとなっている。3つのパラメータ被検出部110は、第2ECポート路44B2の延在方向に沿って等間隔に並設されている。なお、パラメータ被検出部110は、乳酸被検出部110aのみが設けられていてもよく、5種類のパラメータ全てを検出するため5つ設けられていてもよい。また、パラメータ被検出部110は、第2ECポート路44B2に設けられることに限定されず、他の流路44(例えば、第2ICポート路44A2)に設けられていてもよい。
図5Aに示すように、各パラメータ被検出部110は、蛍光チップ112(チップ111)を有し、セット状態で、光学センサ120の対向位置にそれぞれ配置される。蛍光チップ112は、液体に含まれる所定の物質(酸素、H+、OH-、グルコース、二酸化炭素、乳酸のいずれか)に反応して呈色するように構成される。各光学センサ120は、細胞増殖装置15の制御部136の制御下に、蛍光チップ112の特性に応じた波長の測定光を各蛍光チップ112に出射して、蛍光チップ112から生じる励起光を受光する。これにより光学センサ120は、蛍光チップ112の呈色度合に基づく検出信号を制御部136に送信する。
具体的には図5Bに示すように、各パラメータ被検出部110は、流路44内に設けられる上記の蛍光チップ112と、カセット本体40に形成され蛍光チップ112を収容する膨出部116とを有する。蛍光チップ112は、カセット本体40を構成する一対の樹脂シート42において細胞増殖装置15の配置面15aに接触する樹脂シート42a(覆い部54側の樹脂シート42bとは反対側)に接合されている。
蛍光チップ112は、細胞の培養に関する所定のパラメータ(溶存酸素量、pH、グルコース量、溶存二酸化炭素量、乳酸量)を光学測定するために適宜の積層構造をとり得る。蛍光チップ112(積層構造)の所定の層は、培地に含まれる所定の物質に反応して呈色する被検出層となっている。例えば、乳酸被検出部110aの蛍光チップ112aの被検出層には、ラクテートデヒドロゲナーゼ(LDH)、ペルオキシダーゼ(POD)等の染色剤が適用される。また例えば、グルコース被検出部110bの蛍光チップ112bの被検出層には、グルコースオキシダーゼ(GOD)、ペルオキシダーゼ(POD)、グルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)等を主に有する染色剤が適用される。
また、細胞増殖装置15において培養パラメータ検出部122を構成する部分には、光学センサ120と、配置凹部124とが設けられている。光学センサ120は、蛍光チップ112の構成(パラメータ)に基づき所定波長の測定光を出射する発光部120aと、蛍光チップ112から生じる励起光を受光する受光部120bとを有する。例えば、乳酸被検出部110aに対向する光学センサ120(光学センサ121A)は、蛍光チップ112aの励起光を受光して乳酸量に関わる検出信号を制御部136に出力する。同様に、グルコース被検出部110bに対向する光学センサ120(光学センサ121B)は、蛍光チップ112bの励起光を受光してグルコース量に関わる検出信号を制御部136に出力する。
なお、細胞に関わるパラメータ(培地に含まれる乳酸量、グルコース量)の検出手段は、蛍光チップ112及び光学センサ120を用いた光学測定に限定されず、種々の検出手段を採用し得る。例えば、細胞増殖システム23は、別の検出手段として、酵素に反応した物質が生じる電子(電流値)を検出する酵素電極法を採用することができる。この場合、パラメータ被検出部110は、蛍光チップ112に代えて酵素を有する電極(不図示)を備え、セット状態で、この電極に対して細胞増殖装置15の端子が接続される構成を採ればよい。
配置凹部124は、細胞増殖装置15の配置面15aから所定の深さ(膨出部116の突出量よりも短い寸法)に形成され、その底部に光学センサ120を有する。配置凹部124は、カセット10のセット時に、カセット本体40(樹脂シート42a)の膨出部116を案内可能とし、膨出部116の平坦部を底部に配置及び接触させる。
図1に戻り、キット12が取り付けられる細胞増殖装置15は、箱状の装置本体130と、キット12の各医療用バッグ18を保持するスタンド132とを備える。また、装置本体130の外面には、増殖処理を行う際の操作や表示を行うタッチパネル134(表示操作部)が設けられる。さらに、装置本体130の内部には、カセット10を立位姿勢で固定し、またバイオリアクタ21を適宜の高さ位置に保持するカセット配置部(不図示)と、細胞増殖システム23の動作を制御する上記の制御部136とが設けられている。
制御部136は、図示しないプロセッサ、入出力インタフェースを有すると共にメモリ136aを有し、メモリ136aに記憶されたプログラム(不図示)をプロセッサが実行することで、増殖処理においてポンプ30、外側クランプ34、内側クランプ35等を適宜動作させる。また制御部136は、細胞の培養時に、プログラムの実行下に図6に示すような機能部を構築して、各光学センサ120から検出信号を受信し、その検出結果に基づきポンプ30の駆動を調整(フィードバック制御)する。
詳細には、制御部136の内部には、入力情報取得部140、乳酸量測定制御部142、乳酸量算出部144、培地供給量算出部146、細胞数算出部148、ポンプ制御部150、グルコース量測定制御部152及びグルコース量算出部154が構築される。
入力情報取得部140は、タッチパネル134に接続され、タッチパネル134を操作した際の作業者の指示情報を受信してメモリ136aに記憶する。この指示情報には、細胞の状態(細胞数)と乳酸量との関係を示す検量情報Aが含まれる。制御部136は、図示しない表示制御部により適宜の案内画像をタッチパネル134に表示し、この案内画像に応じて作業者により入力された検量情報Aをメモリ136aに記憶する。また、検量情報Aは、図示しないインターネット等を介してダウンロードすることでメモリ136aに記憶される形でもよい。
ここで、検量情報Aとは、乳酸量と細胞数との関係を示すマップ情報(又は回帰分析した近似式)として構築される。この検量情報Aは、培養する目的の細胞をシャーレ(培養床)等に播種して培地を供給することで培養し、時間経過に伴って増殖していく細胞数と、シャーレ内の細胞から放出される乳酸量を測定することで得られる。なお、検量情報Aは、目的の細胞の検量情報Aが予め分かっている場合には事前試験を実施しなくてもよい。例えば、DNA等が異なる細胞でも、培養中に放出される乳酸量と、増殖する細胞数との関係に殆ど違いがみられないような細胞を培養する場合には、事前に提供された検量情報Aを用いてもよい。また例えば、細胞増殖システム23において同じ細胞を複数回培養する場合には、2回目以降は1回目と同じ検量情報Aを用いてよい。
乳酸量測定制御部142は、光学センサ121Aに接続され、光学センサ121Aによる乳酸被検出部110aの光学測定を適宜のタイミングで実施する。乳酸量の検出タイミングは、特に限定されるものでないが、例えば、数秒単位又は数分単位で実施するとよい。乳酸量測定制御部142は、乳酸被検出部110aを光学測定した検出信号(励起光の光量の情報)を受信すると、その情報を乳酸量に関わる情報としてメモリ136aに記憶し、また乳酸量算出部144に出力する。
乳酸量算出部144は、予め保有する適宜の算出式又は検量線の情報を用いて、乳酸量測定制御部142が取得した乳酸量に関わる情報から乳酸量を算出する。乳酸量の算出では、励起光の光量の情報から吸光度を算出し、吸光度から乳酸量を算出するとよい。また乳酸量算出部144は、培地の種類、他のパラメータ等に応じて算出過程の乳酸量に関して適宜の補正を実施するとよい。乳酸量算出部144は、算出した乳酸量をメモリ136aに記憶すると共に、細胞数算出部148に出力する。
ここで、本実施形態に係る細胞増殖システム23は、細胞の培養(培養工程)時に、EC用ルート44Bから培地の一部を廃液ルート44Cに導いて培地を廃液している(図4参照)。そのため、培地に含まれる乳酸も培地と共にEC用ルート44Bから廃棄されることになり、バイオリアクタ21を流動する培地に含まれる乳酸量は、実際の細胞数と一致しなくなる。そのため、乳酸量算出部144は、細胞数の算出時に、廃棄される乳酸量を勘案して乳酸量を補正する処理を行う。
具体的には、制御部136は、培地供給量算出部146を有し、培地バッグ18Cからバイオリアクタ21に供給される培地の供給量を算出する。循環回路46A、46Bを循環している培地に対して新たに供給される培地の供給量を認識すれば、廃液ルート44Cに流出(オーバーフロー)される培地の流出量を推定できるからである。このため、培地供給量算出部146は、培地の細胞増殖装置15に設けられたポンプ30の回転速度を検出するエンコーダ31の検出信号、上記の圧力センサ36の検出信号等を取得し、適宜の計算式を用いてこれらの情報から培地の供給量を算出する。培地の供給量は、制御部136によるポンプ30の駆動制御において算出している値を活用してもよい。
乳酸量算出部144は、培地供給量算出部146から算出された培地の供給量を受けると、培地の排出量に換算し、さらに培地の排出量に基づき廃液ルート44Cに流出する乳酸量を補正する。例えば、循環している培地の全体量は概ね一定であり、その循環から流出する培地に含まれる乳酸も培地の流出量に合わせて排出されると言える。ただし時間経過にともない培地に対する乳酸量(濃度)は高まるので、乳酸量算出部144は、培地の流出量と乳酸の濃度に基づき流出する乳酸量を算出し、培地の流出量に応じた乳酸量の流出分を加える補正処理を行う。これにより培養工程時における乳酸の総量を良好に算出することができる。なお培養工程において培地を廃液しない構成では、乳酸量と細胞数が概ね一致すると言えるので、この補正処理を実施しなくてもよい。
一方、細胞数算出部148は、乳酸量算出部144で算出された乳酸量と、入力情報取得部140により保有される検量情報Aとに基づき細胞数を算出する。すなわち検量情報Aは、乳酸量と細胞数の関係を示す情報であるため、制御部136は、乳酸量を算出すれば細胞数を円滑に導出することができる。
バイオリアクタ21内で培養される細胞は、細胞分裂により増殖するため、図7のグラフに示すように、例えば、時間経過(日数経過)に伴い指数関数的に増加していく。細胞数算出部148は、培養工程において、乳酸量に基づき細胞数をリアルタイムに監視(算出)することができる。細胞数算出部148は、算出した細胞数の情報をメモリ136aに記憶すると共に、ポンプ制御部150に出力する。
図6に戻り、ポンプ制御部150は、培養工程において、細胞数算出部148が算出した細胞数に基づき培地の目標供給量を設定して、細胞増殖装置15のポンプ30の駆動制御を制御する。また、ポンプ制御部150は、ポンプ30の駆動制御時に、培地供給量算出部146による培地の供給量を取得して目標供給量に近づくようにフィードバック制御を行う構成であるとよい。
また、本実施形態に係るポンプ制御部150は、培地の目標供給量の設定において、乳酸量に基づく細胞数の算出結果だけでなく、グルコース量の算出結果を用いて目標供給量を設定する。このため、制御部136は、グルコース量測定制御部152及びグルコース量算出部154によりグルコース量を算出し、ポンプ制御部150に出力する。
グルコース量測定制御部152は、光学センサ121Bに接続され、光学センサ121Bによるグルコース被検出部110bの光学測定を適宜のタイミングで実施する。グルコース量測定制御部152は、グルコース被検出部110bを光学測定した検出信号(励起光の光量の情報)を受信すると、その情報をグルコース量に関わる情報としてメモリ136aに記憶し、またグルコース量算出部154に出力する。
グルコース量算出部154は、予め保有する適宜の算出式又は検量線の情報を用いて、グルコース量測定制御部152が取得したグルコース量に関わる情報からグルコース量を算出する。
そして、ポンプ制御部150は、細胞数算出部148から入力された細胞数、及びグルコース量算出部154から入力されたグルコース量に基づき、培地の目標供給量を設定する。例えば、ポンプ制御部150は、グルコース量が予め保有する上限閾値Tu以上となった場合に、算出した細胞数に関わらず(グルコース量を優先して)培地の目標供給量を低く設定する。またポンプ制御部150は、グルコース量が予め保有する下限閾値Tl以下となった場合に、算出した細胞数に関わらず培地の目標供給量を高くするように設定する。
一方、グルコース量が上限閾値Tuより低く、下限閾値Tlより高い場合に、ポンプ制御部150は、細胞数に応じた目標供給量を設定する。例えば、ポンプ制御部150は、細胞数に対応するポンプ30の回転速度(目標供給量)のマップ情報を予め保有しており、算出された細胞数に基づきポンプ30の回転速度を設定する。
ここで、従来の細胞増殖システムの制御では、図7中の細い2点鎖線に示すように、時間経過(日数経過)に応じてポンプ30の回転速度を段階的に増やすようにしていた。このため、実際の細胞数に対して培地を多く供給するように設定しており、培地を無駄に使用していた。
これに対し、本実施形態に係る細胞増殖システム23は、細胞の培養工程において、算出した細胞数に基づき細胞数に合った目標供給量で培地を供給する。すなわち図7中の太い2点鎖線に示すように、細胞数の増加に沿って培地の目標供給量をリアルタイムに増加させることで、従来の培地の目標供給量に比べて培地の無駄を抑制することができる。
本実施形態に係る生体成分処理システム22(細胞増殖システム23)及び生体成分処理装置14(細胞増殖装置15)は、基本的には以上のように構成されるものであり、以下その動作について説明する。
図1に示すように、細胞増殖システム23の増殖処理では、作業者が細胞増殖装置15内にカセット10を含むキット12の一部を挿入する。また作業者は、細胞増殖装置15のポンプ30、気泡センサ32、外側クランプ34にキット12の適宜のチューブ16を配置する。さらにカセット10の配置時には、内側クランプ35に流路被開閉部100が配置されると共に、光学センサ120(配置凹部124)にパラメータ被検出部110が配置される。これにより、カセット10は、図3に示すように、その面方向が重力方向に沿った姿勢となって細胞増殖装置15にセットされる。さらに、キット12の各医療用バッグ18も、作業者によりスタンド132に吊り下げられる。
上記のセット後に、増殖処理では、プライミング工程、培地置き換え工程、播種工程、培養工程、剥離工程及び回収工程を順次実施する。プライミング工程では、洗浄液バッグ18Bの洗浄液を、カセット10内で2つのルート(IC用ルート44A、EC用ルート44B)に流通させ、所定のチューブ16、バイオリアクタ21、カセット本体40の各ルートに存在する気体を除去する。また除去する気体を廃液バッグ18Dに導く。培地置き換え工程では、プライミング工程と同様に、所定のチューブ16、バイオリアクタ21、カセット本体40の各ルートに培地バッグ18Cの培地を導き、培地で満たす。
さらに培地置き換え工程後の播種工程では、細胞液バッグ18Aの細胞液を、IC用ルート44Aを介してバイオリアクタ21の中空糸24の内腔に供給しつつ、EC用ルート44Bに存在する培地を循環させてガス成分をバイオリアクタ21に供給する。
そして、播種工程後の培養工程では、図4に示すように、IC用ルート44A及びEC用ルート44Bの両方から培地を供給してバイオリアクタ21内に播種された細胞を培養する。この培養工程は、他の工程に比べて長時間(例えば数日間)実施することにより、中空糸24の内周面の細胞を増殖させる。なお、細胞増殖システム23は、培養工程においてIC用ルート44Aを用いずに、EC用ルート44Bから培地を供給する動作を行ってもよい。
培養工程時に、細胞増殖システム23は、培地に含まれる乳酸やグルコースに基づき培地の供給を制御する。詳細には、図8に示す処理手順で細胞培養方法を実施する。
細胞培養方法において、細胞増殖システム23の作業者は、目的の細胞についてシャーレ等を用いて事前培養を行う(ステップS10:事前試験ステップ)。すなわち、作業者は、シャーレに対して細胞の播種及び培地の供給を行い、時間経過に伴って増殖した細胞数と、その細胞が生じる乳酸量とを検出し、培養した細胞に関して乳酸量と細胞数との関係を示す検量情報Aを作成する。
事前試験ステップの後、細胞増殖装置15は、作業者により得られた検量情報Aが登録及び設定される(ステップS11:検量情報取得ステップ)。この際、入力情報取得部140は、適宜の画面を表示して作業者による検量情報Aの入力を案内する。なおステップS10、S11(培養工程実施前の処理)は他の工程(プライミング工程、培地置き換え工程、播種工程)の実施前に行うことができる。
そして、細胞増殖装置15は、作業者の操作指示に基づき培地バッグ18Cからバイオリアクタ21に培地を供給する培養工程を開始する。乳酸量測定制御部142は、光学センサ121Aの動作を制御してキット12の乳酸被検出部110aに対し光学測定を行う(ステップS12:測定ステップ)。これにより乳酸量測定制御部142は、光学センサ121Aが検出した検出信号(乳酸に関わる情報)を取得し、この情報をメモリ136aに記憶する。
次に、制御部136の乳酸量算出部144は、取得した乳酸に関わる情報から乳酸量を算出する(ステップS13:乳酸量算出ステップ)。この乳酸量算出時に、乳酸量算出部144は、上記したように廃液ルート44Cに流出する培地の流出量(培地バッグ18Cから循環回路46A、46Bに供給される培地の供給量)に基づき廃棄される乳酸量を算出し、全体の乳酸量を補正する。
その後、制御部136の細胞数算出部148は、算出された乳酸量と、予め記憶された検量情報Aとに基づき細胞数を算出する(ステップS14:細胞数算出ステップ)。
制御部136のポンプ制御部150は、算出された細胞数に基づき培地の目標供給量を設定し、この目標供給量に応じたポンプ30の回転速度を算出してポンプ30の動作を制御する(ステップS15:動作制御ステップ)。上記したようにポンプ制御部150は、細胞数に基づく目標供給量の設定時に、グルコース量測定制御部152及びグルコース量算出部154により算出されたグルコース量を勘案して目標供給量を設定する。これにより細胞の代謝が変動しても、増殖した細胞数に対する培地の過不足をなくすことができる。
また、培養工程後の剥離工程では、IC用ルート44Aから剥離液を供給してバイオリアクタ21内で培養された(増殖した)細胞を剥離する。また剥離工程におけるEC用ルート44Bでは、バイオリアクタ21との間でガス成分を含む培地を循環させる。さらに、剥離工程後の回収工程では、IC用ルート44Aに培地を供給することで剥離工程において剥離した細胞をバイオリアクタ21から流出させて回収バッグ18Eに導く。この際EC用ルート44Bでも培地及びガス成分を供給する。
以上の工程により、細胞増殖システム23は、バイオリアクタ21において培養した細胞を回収バッグ18Eに良好に貯留していくことができる。なお、本発明は、上記の実施形態に限定されず、発明の要旨に沿って種々の改変が可能である。
上記の実施形態から把握し得る技術的思想及び効果について、以下に記載する。
本発明の第1の態様は、細胞を培養するための培地を流動可能な経路を有する生体成分用キット12と、生体成分用キット12がセットされて、培地の流動状態を制御する生体成分処理装置14とを備える生体成分処理システム22であって、生体成分処理装置14は、培地に含まれる乳酸に関わる情報の測定を生体成分用キット12に対して行う測定部(光学センサ121A)と、測定部の測定により得られた乳酸に関わる情報と、予め記憶している検量情報Aとに基づき培養中の細胞数を算出し、細胞数に基づき細胞への培地の供給を制御する制御部136とを有する。
上記の生体成分処理システム22は、細胞の培養時に乳酸に関わる情報を測定して、乳酸に関わる情報に基づき細胞数を算出することで、リアルタイムに増殖していく細胞に対して培地を適切に供給することができる。これにより生体成分処理システム22は、培地の無駄な使用を抑制して製造コストを大幅に低廉化させることができる。さらに生体成分処理システム22は、細胞の増殖度合を良好に管理することが可能となり、培養により得られた培養物の品質を安定化させることができる。
また、制御部136は、乳酸に関わる情報に基づき乳酸量を算出し、乳酸量に対応する細胞数を検量情報Aから導出する。生体成分処理システム22は、このように乳酸量を算出することで、増殖時の細胞数をより良好に監視することができる。
また、生体成分用キット12は、細胞を培養する処理部20と、処理部20から培地を流出させる廃液ルート44Cとを有し、制御部136は、廃液ルート44Cにおいて培地と共に流出する乳酸の流出量を算出して乳酸量を補正する。これにより、生体成分処理システム22は、乳酸量を精度よく算出することが可能となり、より正確な細胞数を乳酸量から良好に導くことができる。
また、生体成分用キット12は、処理部20との間で培地を循環させる循環回路46A、46Bと、循環回路46A、46Bから培地を流出させる廃液ルート44Cとを有し、制御部136は、循環回路46A、46Bから流出する乳酸の流出量を算出する。これにより、生体成分処理システム22は、循環回路46A、46Bから流出する乳酸量を勘案して循環回路46A、46Bの乳酸量を算出することができ、細胞数を一層精度よく推定することができる。
また、検量情報Aは、細胞の培養の実施前に、生体成分処理装置14への作業者の入力操作に基づき予め設定される。これにより、作業者が設定した検量情報Aに基づき乳酸に関わる情報から細胞数を算出することができ、一層安定的に細胞数を監視することができる。
また、生体成分処理装置14は、培地に含まれるグルコースに関わる情報の測定を生体成分用キット12に対して行うグルコース測定部(光学センサ121B)を有し、制御部136は、グルコース測定部の測定により得られたグルコースに関わる情報に基づきグルコース量を算出し、グルコース量に基づき細胞への培地の供給を制御する。これにより、生体成分処理システム22は、グルコース量に基づく供給量で培地を細胞に供給することができ、増殖した細胞に対するグルコースの不足を抑制することが可能となる。
また、制御部136は、グルコース量が上限閾値Tu以上の場合に、細胞数に関わらず培地の目標供給量を低くする一方で、グルコース量が下限閾値Tl以下の場合に、細胞数に関わらず培地の目標供給量を高くする。これにより生体成分処理システム22は、検出したグルコース量に応じた制御を優先することになり、例えば細胞の代謝が変化して、増殖した細胞数に対しグルコースの過不足が生じそうになったとしても培地を適切に供給することができる。
また、生体成分用キット12は、培地を収容した医療用バッグ18と処理部20との間に設けられ生体成分処理装置14にセットされる生体成分用カセット10を有し、生体成分用カセット10は、培地が流通する流路44を有すると共に、培地に含まれる乳酸に反応する乳酸被検出部110aを流路44の途上に有し、測定部(光学センサ120)は、生体成分用カセット10のセット状態で、乳酸被検出部110aに対向配置されて当該乳酸被検出部110aに対して測定を行う。これにより、生体成分処理システム22は、乳酸に関わる情報を良好に測定させることができる。
また、本発明の第2の態様は、細胞を培養するための培地を流動可能な経路を有する生体成分用キット12がセットされ、培地の流動状態を制御する生体成分処理装置14であって、当該生体成分処理装置14は、培地に含まれる乳酸に関わる情報の測定を生体成分用キット12に対して行う測定部(光学センサ121A)と、測定部の測定により得られた乳酸に関わる情報と、予め記憶している検量情報Aとに基づき培養中の細胞数を算出し、細胞数に基づき細胞への培地の供給を制御する制御部136とを有する。これにより、生体成分処理装置14は、培地に含まれる乳酸に関わる情報に基づきリアルタイムに増殖していく細胞の増殖具合を良好に監視することができる。そして、生体成分処理装置14は、細胞に培地を適切に供給することで、製造コストの低廉化を図ると共に、培養により得られた培養物の品質を安定化させることができる。
また、本発明の第3の態様は、細胞を培養するための培地を流動可能な経路を有する生体成分用キット12と、生体成分用キット12がセットされて、培地の流動状態を制御する生体成分処理装置14とを備える生体成分処理システム22による細胞培養方法であって、生体成分処理装置14の測定部(光学センサ121A)により、培地に含まれる乳酸に関わる情報の測定を生体成分用キット12に対して行う測定ステップと、生体成分処理装置14の制御部136により、測定部の測定により得られた乳酸に関わる情報と、予め記憶している検量情報Aとに基づき培養中の細胞数を算出する細胞数算出ステップと、制御部136により細胞数に基づき細胞への培地の供給を制御する動作制御ステップとを有する。これにより、細胞培養方法では、細胞の培養時の乳酸に関わる情報に基づき細胞への培地の供給を制御することが可能となり、品質を安定化させると共に製造コストを低廉化することができる。
なお、生体成分処理システム22(生体成分処理装置14、細胞培養方法)はグルコース量を検出する構成(培養パラメータ検出部122)を備えていなくてもよい。この場合、生体成分処理システム22は、細胞数に応じたポンプ30の回転速度(目標供給量:培地の単位時間当たりの流速)を予め定めておき、乳酸量を検出する培養パラメータ検出部122の信号に基づきポンプ30を動作させる構成とすればよい。

Claims (8)

  1. 細胞を培養するための培地を流動可能な経路を有する生体成分用キットと、
    前記生体成分用キットがセットされて、前記培地の流動状態を制御する生体成分処理装置とを備える生体成分処理システムであって、
    前記生体成分処理装置は、前記培地に含まれる乳酸に関わる情報の測定を前記生体成分用キットに対して行う測定部と、
    前記測定部の測定により得られた乳酸に関わる前記情報から乳酸量を算出し、前記乳酸量と予め記憶している検量情報とに基づき培養中の細胞数を算出し、前記細胞数に基づき前記細胞への前記培地の供給を制御する制御部とを有し、
    前記生体成分用キットは、
    複数の中空糸を有するバイオリアクタと、
    前記中空糸の内腔に前記細胞を含む液体を循環させるIC用ルートと、
    前記バイオリアクタの前記中空糸の外側に連通して前記培地を循環させるEC用ルートと、
    重ね合わされて接合された一対の可撓性シートによって形成され、前記IC用ルートの一部を構成するICポート路と、前記EC用ルートの一部を構成するECポート路とが集積された生体成分用カセットと、
    前記生体成分用カセットの前記ECポート路に設けられ、前記培地に含まれる乳酸に反応する乳酸被検出部と、
    前記培地を前記EC用ルートに供給するポンプと、
    前記EC用ルートから前記培地を排液する廃液ルートと、を備え、
    前記制御部は、前記細胞の培養時に前記EC用ルートに供給される前記培地の供給量及び排出量を算出し、前記排出量と乳酸の濃度とに基づいて乳酸流出量を算出し、前記測定部の測定で得られた乳酸に関わる前記情報から算出した前記乳酸量に対して、前記培地の流出量に応じた前記乳酸流出量を加える補正処理を行なう、
    生体成分処理システム。
  2. 請求項1記載の生体成分処理システムにおいて、
    前記制御部は、補正処理された前記乳酸量に対応する前記細胞数を前記検量情報から導出する
    生体成分処理システム。
  3. 請求項1又は2記載の生体成分処理システムにおいて、
    前記検量情報は、前記細胞の培養の実施前に、前記生体成分処理装置への作業者の入力操作に基づき予め設定される
    生体成分処理システム。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載の生体成分処理システムにおいて、
    前記生体成分処理装置は、前記培地に含まれるグルコースに関わる情報の測定を前記生体成分用キットに対して行うグルコース測定部を有し、
    前記制御部は、前記グルコース測定部の測定により得られた前記グルコースに関わる情報に基づきグルコース量を算出し、前記グルコース量に基づき前記細胞への前記培地の供給を制御する
    生体成分処理システム。
  5. 請求項記載の生体成分処理システムにおいて、
    前記制御部は、前記グルコース量が上限閾値以上の場合に、前記細胞数に関わらず前記培地の目標供給量を低くする一方で、前記グルコース量が下限閾値以下の場合に、前記細胞数に関わらず前記培地の目標供給量を高くする
    生体成分処理システム。
  6. 請求項1~のいずれか1項に記載の生体成分処理システムにおいて
    記測定部は、前記生体成分用カセットのセット状態で、前記乳酸被検出部に対向配置されて当該乳酸被検出部に対して測定を行う
    生体成分処理システム。
  7. 細胞を培養するための培地を流動可能な経路を有する生体成分用キットがセットされ、前記培地の流動状態を制御する生体成分処理装置であって、
    当該生体成分処理装置は、前記培地に含まれる乳酸に関わる情報の測定を前記生体成分用キットに対して行う測定部と、
    前記測定部の測定により得られた乳酸に関わる前記情報と、予め記憶している検量情報とに基づき培養中の細胞数を算出し、前記細胞数に基づき前記細胞への前記培地の供給を制御する制御部とを有し、
    前記生体成分用キットは、
    複数の中空糸を有するバイオリアクタと、
    前記中空糸の内腔に前記細胞を含む液体を循環させるIC用ルートと、
    前記バイオリアクタの前記中空糸の外側に連通して前記培地を循環させるEC用ルートと、
    重ね合わされて接合された一対の可撓性シートによって形成され、前記IC用ルートの一部を構成するICポート路と、前記EC用ルートの一部を構成するECポート路とが集積された生体成分用カセットと、
    前記生体成分用カセットの前記ECポート路に設けられ、前記培地に含まれる乳酸に反応する乳酸被検出部と、
    前記培地を前記EC用ルートに供給するポンプと、
    前記EC用ルートから前記培地を排液する廃液ルートと、を備え、
    前記制御部は、前記細胞の培養時に前記EC用ルートに供給される前記培地の供給量及び排出量を算出し、前記排出量と乳酸の濃度とに基づいて乳酸流出量を算出し、前記測定部の測定で得られた乳酸に関わる前記情報から算出した乳酸量に対して、前記培地の流出量に応じた前記乳酸流出量を加える補正処理を行なう、
    生体成分処理装置。
  8. 細胞を培養するための培地を流動可能な経路を有する生体成分用キットと、
    前記生体成分用キットがセットされて、前記培地の流動状態を制御する生体成分処理装置とを備える生体成分処理システムによる細胞培養方法であって、
    前記生体成分処理装置の測定部により、前記培地に含まれる乳酸に関わる情報の測定を前記生体成分用キットに対して行う測定ステップと、
    前記生体成分処理装置の制御部により、前記測定部の測定により得られた乳酸に関わる前記情報から乳酸量を求め、前記乳酸量と予め記憶している検量情報とに基づき培養中の細胞数を算出する細胞数算出ステップと、
    前記制御部により前記細胞数に基づき前記細胞への前記培地の供給を制御する動作制御ステップとを有し、
    前記生体成分用キットは、
    複数の中空糸を有するバイオリアクタと、
    前記中空糸の内腔に前記細胞を含む液体を循環させるIC用ルートと、
    前記バイオリアクタの前記中空糸の外側に連通して前記培地を循環させるEC用ルートと、
    重ね合わされて接合された一対の可撓性シートによって形成され、前記IC用ルートの一部を構成するICポート路と、前記EC用ルートの一部を構成するECポート路とが集積された生体成分用カセットと、
    前記生体成分用カセットの前記ECポート路に設けられ、前記培地に含まれる乳酸に反応する乳酸被検出部と、
    前記培地を前記EC用ルートに供給するポンプと、
    前記EC用ルートから前記培地を排液する廃液ルートと、を備え、
    前記細胞数算出ステップにおいて、前記制御部は、前記細胞の培養時に前記EC用ルートに供給される前記培地の供給量及び排出量を算出し、前記排出量と乳酸の濃度とに基づいて乳酸流出量を算出し、前記測定部の測定で得られた乳酸に関わる前記情報から算出した前記乳酸量に対して、前記培地の流出量に応じた前記乳酸流出量を加える補正処理を行なう、
    細胞培養方法。
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