JP7513890B2 - 設計支援装置、設計支援方法、及び設計支援プログラム - Google Patents
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Description
本発明は、設計支援装置、設計支援方法、及び設計支援プログラムに関する。
従来、素管をダイ内に配置し、素管の長手方向への移動を規制した状態で、素管の一端側よりプラグを押し込んで一端側の外形を拡大させて前記ダイに係止させ、素管の規制を解く一方、素管の係止は維持したまま、プラグをさらに素管の他端側に向かって押し込むことで、素管の外形を維持したまま内形を拡げるしごき加工を加えて薄肉部を形成するしごき加工を行って中空筒状の素管より差厚鋼管を製造する製造方法が知られている(特許文献1)。
プラグを用いた押込み成形を行う場合、加工荷重の低下を目的としてプラグに逃げ部を設ける場合がある。また、逃げ部を有するプラグを用いて差厚鋼管を成形する場合、プラグに設けた逃げ部に鋼管が入りこみ、鋼管外面とダイとの間にすべりが生じ、差厚鋼管の成形が難しくなる可能性がある。特許文献1には、上記のような逃げ部に関する記載がなく、差厚鋼管の成形可否を判定することについても記載されていない。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、差厚鋼管の成形可否を簡易に判定することができる設計支援装置、方法、及びプログラムを提供することを課題とする。
本発明に係る設計支援装置は、中空筒状の素管より製造される差厚鋼管の設計パラメータを決定する設計パラメータ決定部と、前記決定された設計パラメータと、予め定められた加工荷重と、前記設計パラメータに応じて定められる、ダイの形状及びプラグの形状とに基づいて、前記素管をr内に配置し、前記素管の一端側よりプラグを押し込むしごき加工において、前記素管と前記rとの間、又は前記素管と前記プラグとの間のすべりが発生するか否かを判定する判定部と、を含んで構成されている。
本発明に係る設計支援方法は、設計パラメータ決定部が、中空筒状の素管より製造される差厚鋼管の設計パラメータを決定し、判定部が、前記決定された設計パラメータと、予め定められた加工荷重と、前記設計パラメータに応じて定められる、ダイの形状及びプラグの形状とに基づいて、前記素管をダイ内に配置し、前記素管の一端側よりプラグを押し込むしごき加工において、前記素管と前記ダイとの間、又は前記素管と前記プラグとの間のすべりが発生するか否かを判定する。
本発明に係る設計支援プログラムは、中空筒状の素管より製造される差厚鋼管の設計パラメータを決定し、前記決定された設計パラメータと、予め定められた加工荷重と、前記設計パラメータに応じて定められる、ダイの形状及びプラグの形状とに基づいて、前記素管をダイ内に配置し、前記素管の一端側よりプラグを押し込むしごき加工において、前記素管と前記ダイとの間、又は前記素管と前記プラグとの間のすべりが発生するか否かを判定することをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
本発明の一態様である設計支援装置、方法、及びプログラムによれば、差厚鋼管の成形可否を簡易に判定することができる。
以下、添付図面を適宜参照しつつ、本発明の一実施形態に係る設計支援装置について説明する。
<本発明の実施の形態の概要>
従来、差厚鋼管を用いた部品の最適化計算をする場合、まず、部品の板厚分布最適化を専用のソフトで行い、その後、差厚鋼管の成形可否や加工荷重の見積もりを、別途FEM(Finite Element Method)解析を用いて実施していた。FEM解析を用いた結果、人の手によるモデルの作成や、パラメータの選定等が必須であり、パソコン上で計算を完結させることができていなかった。
従来、差厚鋼管を用いた部品の最適化計算をする場合、まず、部品の板厚分布最適化を専用のソフトで行い、その後、差厚鋼管の成形可否や加工荷重の見積もりを、別途FEM(Finite Element Method)解析を用いて実施していた。FEM解析を用いた結果、人の手によるモデルの作成や、パラメータの選定等が必須であり、パソコン上で計算を完結させることができていなかった。
また、しごき加工を用いて差厚鋼管を成形する金型を設計する際はFEM解析を用いて1ケース当たり数時間かかる解析を、10ケースほど流す必要があった。しかし、この方法では、金型設計までにかかる時間が長く、負担が大きい。
そこで、本実施の形態では、成形不良を予測できる理論式を組み込むことで、FEM解析を用いずとも成形不良の予測を可能にし、最適化計算のみで、実際に成形できる差厚鋼管部品の設計ができるようにする。
また、理論式から導いた不良予測式を用いることで、簡便に差厚鋼管用金型の設計指針を得る。
具体的には、スラブ法を用いて、すべりを抑制する力を表す理論式と、すべりを誘発する力を表す理論式とを構築する。図1に示すように、素管1とダイ2との間における素管1を縮径する力をf1’とし、素管1とダイ2との間における、プラグ3平行部に生じる力をf3’とし、素管1とダイ2との間における、素管1を減肉する力をf5’とする。また、力f1’に対する摩擦力をf2’とし、力f3’に対する摩擦力をf4’とし、力f5’に対する摩擦力をf6’とする。また、プラグ3を押し込む方向をZ方向として、力f1’のZ方向成分をf1z’とし、力f2’のZ方向成分をf2z’とする。
また、素管1とプラグ3との間における、プラグ3平行部に生じる力をf3とし、素管1とプラグ3との間における、素管1を減肉する力をf5とする。また、力f3に対する摩擦力をf4とし、力f5に対する摩擦力をf6とする。また、力f5のZ方向成分をf5zとし、力f6のZ方向成分をf6zとする。
すべりを抑制する力の最大値を、f1z’+f2z’+f4’+f6’とし、すべりを誘発する力の最大値を、f4+f5z+f6zとして、すべりを抑制する力の最大値>すべりを誘発する力の最大値、である場合に、すべりが発生せずに成形可能であると判定する。
ここで、すべりを抑制する力の最大値F1、すべりを誘発する力の最大値F2は、以下の式で表される。
・・・(1)
・・・(2)
ただし、
である。
である。
また、t0は、素管肉厚であり、t1は、しごき加工後の薄肉部分の肉厚であり、LPは、プラグ平行部の長さである(図1参照)。rDはダイの内面の半径であり、αPは、プラグ半角であり、μDは、ダイ2と素管1との間の摩擦係数であり、μPは、プラグ3と素管1との間の摩擦係数であり、Y’は、素管の降伏応力である。また、f1’、f2’は、加工荷重として与えられる。
ダイ2と素管1との間の摩擦係数μDと、プラグ3と素管1との間の摩擦係数μPとの組み合わせにおける、すべりの発生有無を、上記理論式を用いて判定した結果と、FEM解析を用いて判定した結果とを図2に示す。図2に示すように、すべりの発生有無の判定結果が切り替わるラインである成形限界ラインが、上記理論式を用いて判定した結果と、FEM解析を用いて判定した結果とでほぼ一致していることが分かる。
[第1の実施形態]
<設計支援装置の構成>
図3は、本発明の第1の実施形態に係る設計支援装置の概略構成を示す模式図である。図3に示すように、本実施形態に係る設計支援装置100は、中空筒状の素管より製造される差厚鋼管を設計支援する装置であって、決定部50と、更新部52と、判定部54と、反復判定部56と、出力部58とを備えている。
<設計支援装置の構成>
図3は、本発明の第1の実施形態に係る設計支援装置の概略構成を示す模式図である。図3に示すように、本実施形態に係る設計支援装置100は、中空筒状の素管より製造される差厚鋼管を設計支援する装置であって、決定部50と、更新部52と、判定部54と、反復判定部56と、出力部58とを備えている。
本実施形態に係る設計支援装置100には、設計対象部品に関するデータが入力される。例えば、軽量化対象の設計対象部品に関するデータとして、素管肉厚を含む部品形状と、ダイと素管との間の摩擦係数、及びプラグと素管との間の摩擦係数を含む成形条件と、素管とダイとの間における素管を縮径する力、及び当該力に対する摩擦力を含む加工荷重と、素管の降伏応力を含む材料条件とが入力される。
決定部50は、入力された、設計対象部品に関するデータに基づいて、素管のしごき加工により製造される差厚鋼管の設計パラメータを決定する。
例えば、しごき加工後の薄肉部分の肉厚を決定し、素管肉厚、及びしごき加工後の薄肉部分の肉厚を含む差厚鋼管の形状の設計パラメータを決定する。また、差厚鋼管の形状に基づいて、プラグ平行部の長さ及びプラグ半角を含むプラグ形状及びダイ形状に関する設計パラメータを決定する。
更新部52は、設計パラメータに関する目的関数を最適化し、かつ、判定部54によってすべりが発生しないと判定されないように、設計パラメータを更新する。例えば、目的関数は、設計対象部品の剛性と、当該設計パラメータの差厚鋼管の剛性との差分、及び設計対象部品の質量と、当該設計パラメータの差厚鋼管の質量との差分を用いて表され、剛性の差分の絶対値が小さいほど、大きい値を出力し、質量の差分が大きいほど、大きい値を出力する。更新部52は、上記目的関数を最適化するように設計パラメータを変更し、変更後の設計パラメータについて判定部54によってすべりが発生すると判定されなかった場合に、当該変更後の設計パラメータを破棄して、上記目的関数を最適化するように設計パラメータを再度変更し、変更後の設計パラメータについて判定部54による判定を行う。一方、更新部52は、上記目的関数を最適化するように設計パラメータを変更し、変更後の設計パラメータについて判定部54によってすべりが発生すると判定されなかった場合に、当該変更後の設計パラメータに更新する。
判定部54は、決定された設計パラメータと、入力された加工荷重と、設計パラメータに応じて定められる、ダイの形状及びプラグの形状とに基づいて、素管をダイ内に配置し、素管の一端側よりプラグを押し込むしごき加工において、素管とダイとの間、又は素管とプラグとの間のすべりが発生するか否かを判定する。具体的には、加工荷重、ダイの形状、プラグの形状、素管の形状、及び素管とダイとの間の摩擦係数を用いて上記(1)式に従って、素管とダイとの間のすべりを抑制する力の最大値F1を算出する。また、ダイの形状、プラグの形状、素管の形状、及び素管と前記プラグとの間の摩擦係数を用いて上記(2)式に従って、素管とプラグとの間のすべりを誘発する力の最大値F2を算出する。そして、素管とダイとの間のすべりを抑制する力の最大値F1と、素管とプラグとの間のすべりを誘発する力の最大値F2とを比較することにより、すべりが発生するか否かを判定する。
反復判定部56は、予め定められた反復終了条件を満たすまで、更新部52による更新を繰り返す。反復終了条件としては、反復回数が上限回数に到達したことや、目的関数の値が収束したことを用いればよい。
出力部58は、最終的に得られた設計パラメータを出力する。
設計支援装置100は、一例として、図4に示すコンピュータ64によって実現される。コンピュータ64は、CPU66、メモリ68、設計支援プログラム76を記憶した記憶部70、モニタを含む表示部26、及びキーボードやマウスを含む入力部28を含んでいる。CPU66、メモリ68、記憶部70、表示部26、及び入力部28はバス74を介して互いに接続されている。
記憶部70はHDD、SSD、フラッシュメモリ等によって実現される。記憶部70には、コンピュータ64を設計支援装置100として機能させるための設計支援プログラム76が記憶されている。CPU66は、設計支援プログラム76を記憶部70から読み出してメモリ68に展開し、設計支援プログラム76を実行する。
<設計支援装置の作用>
次に第1の実施形態の作用を、図5を参照して説明する。まず、オペレータが、設計対象部品に関するデータを、設計支援装置100に入力する。そして、設計支援処理の開始を指示する等の操作を行ったことを契機として設計支援装置100で実行される設計支援処理を説明する。
次に第1の実施形態の作用を、図5を参照して説明する。まず、オペレータが、設計対象部品に関するデータを、設計支援装置100に入力する。そして、設計支援処理の開始を指示する等の操作を行ったことを契機として設計支援装置100で実行される設計支援処理を説明する。
設計支援処理のステップS100において、決定部50は、入力された、設計対象部品に関するデータに基づいて、素管のしごき加工により製造される差厚鋼管の設計パラメータを決定する。
ステップS102において、更新部52は、判定部54による設計パラメータについての判定結果と、設計パラメータに関する目的関数とを用いて、設計パラメータに関する目的関数を最適化し、かつ、判定部54によってすべりが発生すると判定されないように、設計パラメータを更新する。
ステップS104において、反復判定部56は、予め定められた反復終了条件を満たすか否かを判定する。反復終了条件を満たしていない場合には、上記ステップS102へ戻る。一方、反復終了条件を満たした場合には、ステップS106へ移行する。
ステップS106において、上記ステップS102で最終的に得られた設計パラメータを出力部58により出力して、設計支援処理を終了する。
以上説明したように、第1の実施形態に係る設計支援装置100によれば、決定された設計パラメータと、予め定められた加工荷重と、設計パラメータに応じて定められる、ダイの形状及びプラグの形状とに基づいて、しごき加工において、素管とダイとの間、又は素管とプラグとの間のすべりが発生するか否かを判定することにより、差厚鋼管の成形可否を簡易に判定することができる。
また、成形不良を予測できる理論式を組み込むことで、FEM解析を用いずとも成形不良の予測を可能にし、最適化計算のみで、実際に成形できる差厚鋼管部品の設計ができるようにする。
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態に係る設計支援装置について説明する。
次に、第2の実施形態に係る設計支援装置について説明する。
第2の実施形態では、成形可能な金型であるダイ及びプラグの形状の範囲を求める点が、第1の実施形態と異なっている。
<設計支援装置の構成>
図6は、本発明の第2の実施形態に係る設計支援装置の概略構成を示す模式図である。図6に示すように、本実施形態に係る設計支援装置200は、中空筒状の素管より製造される差厚鋼管の金型を設計支援する装置であって、決定部150と、候補生成部152と、判定部154と、出力部156とを備えている。
図6は、本発明の第2の実施形態に係る設計支援装置の概略構成を示す模式図である。図6に示すように、本実施形態に係る設計支援装置200は、中空筒状の素管より製造される差厚鋼管の金型を設計支援する装置であって、決定部150と、候補生成部152と、判定部154と、出力部156とを備えている。
本実施形態に係る設計支援装置200には、差厚鋼管に関するデータが入力される。例えば、差厚鋼管に関するデータとして、素管肉厚、及びしごき加工後の薄肉部分の肉厚を含む差厚鋼管形状と、rと素管との間の摩擦係数、及びプラグと素管との間の摩擦係数を含む成形条件と、素管とダイとの間における素管を縮径する力の上限、及び当該力に対する摩擦力の上限を含む加工荷重の上限と、素管の降伏応力を含む材料条件とが入力される。
決定部150は、入力された、差厚鋼管に関するデータに基づいて、プラグ平行部の長さ、ダイの内面の半径、及びプラグ半角を含むプラグ形状及びダイ形状に関する設計パラメータの初期値を決定する。
候補生成部152は、決定部150によって決定された設計パラメータの初期値に基づいて、ダイの形状及びプラグの形状の組合せ候補を生成する。例えば、プラグ形状及びダイ形状に関する設計パラメータの初期値に含まれるプラグ平行部の長さ、ダイの内面の半径、及びプラグ半角の各々の値を、初期値から所定間隔で値を変更し、変更した値を組み合わせて、ダイの形状及びプラグの形状の組合せ候補を複数生成する。
判定部154は、ダイの形状及びプラグの形状の組合せ候補の各々について、入力された、差厚鋼管に関するデータに含まれる、差厚鋼管形状と、成形条件と、加工荷重の上限と、材料条件とに基づいて、素管をダイ内に配置し、素管の一端側よりプラグを押し込むしごき加工において、素管とダイとの間、又は素管とプラグとの間のすべりが発生するか否かを判定する。
具体的には、加工荷重の上限の範囲で、加工荷重を設定し、加工荷重、ダイの形状、プラグの形状、素管の形状、素管とダイとの間の摩擦係数を用いて上記(1)式に従って、素管とダイとの間のすべりを抑制する力の最大値F1を算出する。また、ダイの形状、プラグの形状、素管の形状、素管とプラグとの間の摩擦係数を用いて上記(2)式に従って、素管とプラグとの間のすべりを誘発する力の最大値F2とを算出する。そして、素管とダイとの間のすべりを抑制する力の最大値F1と、素管とプラグとの間のすべりを誘発する力の最大値F2とを比較することにより、すべりが発生するか否かを判定する。
出力部156は、組合せ候補の各々についての判定部154による判定結果に基づいて、すべりが発生しない、ダイの形状及びプラグの形状の範囲を出力する。具体的には、すべりが発生しないと判定された組み合わせ候補から、すべりが発生しない、ダイの形状及びプラグの形状の組合せの範囲を出力する。
設計支援装置200は、一例として、設計支援装置100と同様に、上記図4に示すコンピュータ64によって実現される。記憶部70には、コンピュータ64を設計支援装置200として機能させるための設計支援プログラム76が記憶されている。
<設計支援装置の作用>
次に第2の実施形態の作用を、図7を参照して説明する。まず、オペレータが、差厚鋼管に関するデータを、設計支援装置200に入力する。そして、設計支援処理の開始を指示する等の操作を行ったことを契機として設計支援装置200で実行される設計支援処理を説明する。
次に第2の実施形態の作用を、図7を参照して説明する。まず、オペレータが、差厚鋼管に関するデータを、設計支援装置200に入力する。そして、設計支援処理の開始を指示する等の操作を行ったことを契機として設計支援装置200で実行される設計支援処理を説明する。
設計支援処理のステップS200において、決定部150は、入力された、差厚鋼管に関するデータに基づいて、プラグ平行部の長さ、ダイの内面の半径、及びプラグ半角を含むプラグ形状及びダイ形状に関する設計パラメータの初期値を決定する。
ステップS202において、候補生成部152は、決定部150によって決定された設計パラメータの初期値に基づいて、ダイの形状及びプラグの形状の組合せ候補を複数生成する。
ステップS204において、判定部154は、ダイの形状及びプラグの形状の組合せ候補の各々について、入力された、差厚鋼管に関するデータに含まれる、差厚鋼管形状と、成形条件と、加工荷重の上限と、材料条件とに基づいて、素管をダイ内に配置し、素管の一端側よりプラグを押し込むしごき加工において、素管とダイとの間、又は素管とプラグとの間のすべりが発生するか否かを判定する。
ステップS206において、組合せ候補の各々についての判定部154による判定結果に基づいて、すべりが発生しない、ダイの形状及びプラグの形状の組合せの範囲を出力部156により出力して、設計支援処理を終了する。
以上説明したように、第2の実施形態に係る設計支援装置200によれば、決定された設計パラメータと、予め定められた加工荷重とに基づいて、設計パラメータに応じて定められる、ダイの形状及びプラグの形状の組合せ候補について、しごき加工において、素管とダイとの間、又は素管とプラグとの間のすべりが発生するか否かを判定することにより、差厚鋼管の成形可能な金型を簡易に判定することができる。また、理論式から導いた不良予測式を用いることで、簡便に差厚鋼管用金型の設計指針を得ることができる。
<実施例1>
上記第1の実施形態に係る設計支援装置100の実施例について説明する。
上記第1の実施形態に係る設計支援装置100の実施例について説明する。
図8に示すトレーリングアーム300A、300Bを、剛性が元のものと同等となるよう設計することを支援する。まず、元のトレーリングアーム300A、300Bの剛性を計算する。そして、元のトレーリングアーム300A、300Bの剛性と、しごき加工後のトレーリングアームの剛性との差分の絶対値が閾値以下となることを制約として、目的関数が最適となるように、トレーリングアーム300A、300Bの形状の最適化計算を行った(図9参照)。表1に示すように、元のトレーリングアーム300A、300B(表1のBASE)では、肉厚が3.6mmで均一となっており、質量が6.0kgとなっている。これに対し、設計支援装置100の最適化計算により得られたトレーリングアーム(表1の差厚鋼管)では、厚肉部分の肉厚が4.2mmで、薄肉部分の肉厚が2.1mmとなっており、質量が5.5kgとなっており、10%の軽量化を達成した。
<実施例2>
上記第2の実施形態に係る設計支援装置200の実施例について説明する。
上記第2の実施形態に係る設計支援装置200の実施例について説明する。
表2に示すように、CASE1では、製品形状として、素管外径、拡管部外径、厚肉部、及び薄肉部を入力し、成形条件として、潤滑剤「塗り分け無」、加工荷重上限「350kNまで」を入力する。また、プラグ形状として、プラグ半角αP、プラグ平行部長さLP、プラグ逃げ部の量CPを出力し、また、ダイ形状として、ダイ半角αDを出力する。設計に要した時間は、FEM解析では、19時間(モデル作成,修正に4時間、解析に15時間)かかるのに対し、設計支援装置200では、30分となった。また、設計で決定された加工荷重は、FEM解析では、約300kNとなり、設計支援装置200では、約340kNとなった。
表2に示すように、CASE2では、製品形状として、素管外径、厚肉部、及び薄肉部を入力し、成形条件として、潤滑剤「塗り分け無」、加工荷重「小さいほうが良い」を入力する。また、拡管部外径を指定しない。また、プラグ形状として、プラグ半角αP、プラグ平行部長さLP、プラグ逃げ部の量CPを出力し、また、ダイ形状として、ダイ半角αDを出力する。設計に要した時間は、FEM解析では、30時間(モデル作成,修正に8時間、解析に22時間)かかるのに対し、設計支援装置200では、30分となった。また、設計で決定された加工荷重は、FEM解析では、約250kNとなり、設計支援装置200では、約150kNとなった。
このように、設計支援装置200では、設計時間が大幅に短縮できることが分かる。また、FEM解析では加工荷重は解析結果として出てくるものであるので、加工荷重の条件を設定することはできないが、設計支援装置200では、加工荷重の条件を設定可能である。
1 素管
2 ダイ
3 プラグ
50 決定部
52 更新部
54 判定部
56 反復判定部
58 出力部
64 コンピュータ
76 設計支援プログラム
100 設計支援装置
150 決定部
152 候補生成部
154 判定部
156 出力部
200 設計支援装置
2 ダイ
3 プラグ
50 決定部
52 更新部
54 判定部
56 反復判定部
58 出力部
64 コンピュータ
76 設計支援プログラム
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150 決定部
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154 判定部
156 出力部
200 設計支援装置
Claims (6)
- 中空筒状の素管より製造される差厚鋼管の設計パラメータを決定する設計パラメータ決定部と、
前記決定された設計パラメータと、予め定められた加工荷重と、前記設計パラメータに応じて定められる、ダイの形状及びプラグの形状とに基づいて、前記素管を前記ダイ内に配置し、前記素管の一端側より前記プラグを押し込むしごき加工において、前記素管と前記ダイとの間、又は前記素管と前記プラグとの間のすべりが発生するか否かを判定する判定部と、
を含む設計支援装置。 - 前記設計パラメータに関する目的関数を最適化し、かつ、前記判定部によって前記すべりが発生すると判定されないように、前記設計パラメータを更新する更新部を更に含み、
予め定められた反復終了条件を満たすまで、前記更新部による更新を繰り返す請求項1記載の設計支援装置。 - 前記設計パラメータに応じて定められる、前記ダイの形状及び前記プラグの形状の組合せ候補を生成する候補生成部と、
前記組合せ候補の各々についての前記判定部による判定結果に基づいて、前記ダイの形状及び前記プラグの形状の範囲を出力する出力部と、
を更に含む請求項1記載の設計支援装置。 - 前記判定部は、
前記加工荷重、前記ダイの形状、前記プラグの形状、前記素管の形状、及び、前記素管と前記ダイとの間の摩擦係数を用いて算出される、前記素管と前記ダイとの間のすべりを抑制する力と、
前記ダイの形状、前記プラグの形状、前記素管の形状、及び、前記素管と前記プラグとの間の摩擦係数を用いて算出される、前記素管と前記プラグとの間のすべりを誘発する力と、
を比較することにより、前記すべりが発生するか否かを判定する請求項1~請求項3の何れか1項記載の設計支援装置。 - 設計パラメータ決定部が、中空筒状の素管より製造される差厚鋼管の設計パラメータを決定し、
判定部が、前記決定された設計パラメータと、予め定められた加工荷重と、前記設計パラメータに応じて定められる、ダイの形状及びプラグの形状とに基づいて、前記素管を前記ダイ内に配置し、前記素管の一端側より前記プラグを押し込むしごき加工において、前記素管と前記ダイとの間、又は前記素管と前記プラグとの間のすべりが発生するか否かを判定する
設計支援方法。 - 中空筒状の素管より製造される差厚鋼管の設計パラメータを決定し、
前記決定された設計パラメータと、予め定められた加工荷重と、前記設計パラメータに応じて定められる、ダイの形状及びプラグの形状とに基づいて、前記素管を前記ダイ内に配置し、前記素管の一端側より前記プラグを押し込むしごき加工において、前記素管と前記ダイとの間、又は前記素管と前記プラグとの間のすべりが発生するか否かを判定する
ことをコンピュータに実行させるための設計支援プログラム。
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