JP7509237B2 - 探索装置、集約装置、探索システム、探索方法及び探索プログラム - Google Patents

探索装置、集約装置、探索システム、探索方法及び探索プログラム

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JP7509237B2 JP2022568330A JP2022568330A JP7509237B2 JP 7509237 B2 JP7509237 B2 JP 7509237B2 JP 2022568330 A JP2022568330 A JP 2022568330A JP 2022568330 A JP2022568330 A JP 2022568330A JP 7509237 B2 JP7509237 B2 JP 7509237B2
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Description

本開示は、探索装置、集約装置、探索システム、探索方法及び探索プログラムに関する。
地震や津波の発生時には、被災エリアの速やかな探索を行い、迅速に被災者を発見・救助することが重要である。近年では、災害時にロボットなどを活用して被災者を特定・救出するケースも見られるが、人手による救助方法が未だ一般的である。大規模災害発生時など、広大な被災エリアにおいて、有限な救助リソースを最大限効率化して配置するためには、予め何らかの方法で被災エリア内の被災者の位置情報を正確に収集することが必要である。
一般的な方法として、上空からの目視確認や画像解析による発見、GPS(Global Positioning System)を使用した被災者所有の携帯端末の位置特定などが挙げられる。例えば、GPSを使用した方法では、周辺に高い建物などが存在しないオープンスカイ環境においては、数m~十数mの測位精度により被災者の位置情報を取得することができる。しかし、GPS測位で使用される信号は直進性が強く、建物などに反射してしまうため、屋内にある端末の位置測位には利用できない。また、端末が屋外にある場合でも、大規模災害時において瓦礫の下にいる被災者の特定などには利用できない。
このような環境下において、GPSの代替として利用される測位方式がキャリア携帯基地局の電波受信状況を利用した測位手法である。これは、実際に携帯端末の測位でGPSによる測位によって測位結果を取得できない場合に利用される手法である。
例えば、特許文献1には、ワイヤレス通信ネットワークにおいて、移動端末が基地局から受信した無線信号を用いて測位基準信号シーケンスの到着時間を推定し、推定した到着時間等から移動端末の位置を推定する技術が開示されている。
また、特許文献2には、ドローンや車両などに簡易基地局を搭載した臨時の移動体基地局を用いて、被災者の携帯端末の位置を特定する技術が開示されている。
さらに、特許文献3には、ネットワーク制御装置と少なくとも3つの無線基地局を備えるシステムにおいて、各無線基地局がアップリンク到着時刻を測定し、移動体端末の位置を決定する技術が開示されている。
そして、特許文献4には、位置探索要求に対する応答を被探索端末が自動で行い、応答を受信した最近接の無線基地局の位置を、探索要求者に通報する技術が開示されている。この技術では、被探索端末の存在する領域が判明した場合、方向探知機を用いて被探索端末のより正確な位置を決定することができる。
特表2019-531483号公報 特開2019-27791号公報 特表2001-516194号公報 特開平6-165249号公報
上記のように、基地局の電波を利用して被災者の携帯端末の位置情報を取得する技術が知られている。しかし、一般に、4G(第4世代移動通信システム)用の基地局の電波到達距離は数百m~数kmである。したがって、1つの基地局からの電波を利用して被災者の位置特定をすると、極めて不十分な測位精度しか得られない。そのため、図14に示すように、携帯端末が受信している複数の基地局電波情報を利用した3点測位などを行うことで被災者の位置推定範囲を狭めるなどの方法がとられている。同図では、端末側で複数の基地局900a~900cから受信した電波の情報を参照し、その重なりの中心点(同図の星印)を測位結果として算出する。端末の位置は、同図の網掛け領域内となり、この面積が測位誤差となる。基地局は4つ以上であってもよく、基地局の密度が高いほど、高い測位精度が期待できる。しかし、この方法によっても測位誤差は50m~200mほどであり、これは大規模災害時において、許容できる測位精度ではない。また、災害による地上インフラ(基地局や基地局を立てている建物)の破壊などにより、このような方法が利用できないケースも想定される。
そこで、災害時においては、特許文献2で開示されるような、ドローンや車両に簡易基地局を搭載した移動体基地局を用いて測位を行うことが望ましい。このような移動体基地局は、被災エリアを柔軟に移動することができる。例えば、特許文献2では、移動体基地局を徐々に移動させ、携帯端末から受信する電波の状況から携帯端末位置の推定範囲を狭めるなどの方法をとっている。
しかしながら、特許文献2で開示された技術を用いても、十分な測位精度を得ることは困難である。本開示はこのような課題を解決するためになされたものであり、高い精度で被災者所有の端末を探索することが可能な探索装置、集約装置、探索システム、探索方法及び探索プログラムを提供することを目的とする。
本開示にかかる探索装置は、
複数地点において端末に第1の通信要求信号を送信する送信部と、
前記第1の通信要求信号に対する第1の応答信号を前記端末から受信する受信部と、
前記端末の概位置を算出する算出部と、
を備え、
前記受信部は、前記第1の通信要求信号の前記端末における受信時刻を含む前記第1の応答信号を受信し、
前記算出部は、前記第1の通信要求信号の送信時刻と前記受信時刻とから得られる時刻差を算出し、前記複数地点のうち少なくとも2地点における前記時刻差に基づいて得られるOTDOA(Observed Time Difference Of Arrival)を用いて前記端末の概位置を算出するものである。
本開示にかかる集約装置は、
複数地点において端末に第1の通信要求信号を送信し、前記第1の通信要求信号に対する第1の応答信号を前記端末から受信する複数の探索装置から、前記第1の通信要求信号の送信時刻と前記第1の通信要求信号の前記端末における受信時刻とを受信する通信部と、
前記送信時刻と前記受信時刻とから得られる時刻差を算出し、前記複数地点のうち少なくとも2地点における前記時刻差に基づいて得られるOTDOAを用いて前記端末の概位置を算出する算出部と、
を備えるものである。
本開示にかかる探索システムは、
第1の通信要求信号に応じて第1の応答信号を送信する端末と、
複数地点において前記端末に第1の通信要求信号を送信する送信部と、前記第1の通信要求信号の前記端末における受信時刻を含む前記第1の応答信号を前記端末から受信する受信部とを有する複数の探索装置と、
前記複数の探索装置から前記第1の通信要求信号の送信時刻と前記受信時刻とを受信する通信部と、前記送信時刻と前記受信時刻とから得られる時刻差を算出し、前記複数地点のうち少なくとも2地点における前記時刻差に基づいて得られるOTDOAを用いて前記端末の概位置を算出する算出部と、を有する集約装置と、
を備えるものである。
本開示にかかる探索方法は、
コンピュータが、
複数地点において端末に第1の通信要求信号を送信するステップと、
前記第1の通信要求信号に対する第1の応答信号を前記端末から受信するステップと、
前記端末の概位置を算出するステップと、
を備え、
前記受信するステップでは、前記第1の通信要求信号の前記端末における受信時刻を含む前記第1の応答信号を受信し、
前記算出するステップでは、前記第1の通信要求信号の送信時刻と前記受信時刻とから得られる時刻差を算出し、前記複数地点のうち少なくとも2地点における前記時刻差に基づいて得られるOTDOAを用いて前記端末の概位置を算出するものである。
本開示にかかる探索プログラムは、
複数地点において端末に第1の通信要求信号を送信するステップと、
前記第1の通信要求信号に対する第1の応答信号を前記端末から受信するステップと、
前記端末の概位置を算出するステップと、
をコンピュータに実行させ、
前記受信するステップでは、前記第1の通信要求信号の前記端末における受信時刻を含む前記第1の応答信号を受信し、
前記算出するステップでは、前記第1の通信要求信号の送信時刻と前記受信時刻とから得られる時刻差を算出し、前記複数地点のうち少なくとも2地点における前記時刻差に基づいて得られるOTDOAを用いて前記端末の概位置を算出するものである。
本開示により、高い精度で被災者所有の端末を探索することが可能な探索装置、集約装置、探索システム、探索方法及び探索プログラムを提供することができる。
実施形態1にかかる探索装置の構成を示すブロック図である。 実施形態2にかかる探索システムの構成を示すブロック図である。 実施形態2にかかる探索装置の探索エリア捜索フェーズにおける動作の説明図である。 実施形態2にかかる探索装置の端末特定フェーズにおける動作の説明図である。 実施形態2にかかる探索装置の端末特定フェーズにおける動作の説明図である。 実施形態2において用いられるOTDOAの説明図である。 実施形態2において用いられるAoAの説明図である。 実施形態2において用いられるAoDの説明図である。 実施形態2においてOTDOAとAoAとが組み合わせて用いられる場合の説明図である。 実施形態2においてOTDOAとAoAとが組み合わせて用いられる場合の説明図である。 実施形態2にかかる探索システムの探索エリア捜索フェーズにおける処理を示すシーケンス図である。 実施形態2にかかる探索システムの端末特定フェーズにおける処理を示すシーケンス図である。 実施形態2にかかる探索装置のハードウエア構成例を示す図である。 基地局による3点測位の説明図である。
<実施形態1>
以下、図面を参照して本開示の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態にかかる探索装置10の構成を示すブロック図である。探索装置10は、送信部11、受信部12、算出部13を備えている。
送信部11は、複数地点において端末に第1の通信要求信号を送信する。
受信部12は、第1の通信要求信号に対する第1の応答信号を端末から受信する。
算出部13は、端末の概位置を算出する。
受信部12は、第1の通信要求信号の端末における受信時刻を含む第1の応答信号を受信する。
算出部13は、第1の通信要求信号の送信時刻と受信時刻とから得られる時刻差を算出する。また、算出部13は、第1の通信要求信号を送信した複数地点のうち少なくとも2地点における時刻差に基づいて得られるOTDOA(Observed Time Difference Of Arrival)を用いて端末の概ねの位置(以下、概位置)を算出する。
以上説明したように、本実施形態にかかる探索装置10は、複数地点において端末に通信要求信号を送信し、この信号の端末における受信時刻を含む応答信号を受信する。探索装置10は、通信要求信号の送信時刻と、受信した応答信号に含まれる受信時刻とから得られる時刻差を算出する。また、探索装置10は、複数地点のうち少なくとも2地点における時刻差に基づいて得られるOTDOAを用いて端末の概位置を算出する。これにより、探索装置10は、高い精度で被災者所有の端末を探索することができる。
<実施形態2>
実施形態2は、上述した実施形態1の具体例である。図2は、本実施形態にかかる探索システム1000の全体構成を示すブロック図である。
探索システム1000は、探索装置100a及び100b、集約装置200、携帯端末300、捜索者端末400を備えている。
探索システム1000は、例えば、上述したような災害時において、被災者が所有する携帯端末300を、空中を移動可能な探索装置100により探索するシステムである。探索装置100は、携帯端末300の位置を特定し、その結果を、捜索者が所有する捜索者端末400に通知する。図2では、探索装置100a及び100bと、これらが取得する情報を集約する集約装置200が示されているが、探索装置100は、単独で携帯端末300の探索が可能である。したがって、ここでは、主として、探索装置100aが単独で携帯端末300を探索する方法を説明する。
探索システム1000が実行する処理は、大きく分けて2つのフェーズに分けられる。第1のフェーズは探索エリア捜索フェーズ、第2のフェーズは端末位置特定フェーズである。
図3は、探索エリア捜索フェーズにおける探索装置100aの動作を示す図である。災害時における移動体基地局の利用には、主に車両やドローンなどが用いられる。本実施形態では、細かい動きが可能な上、地上の障害物に左右されることなく移動が可能なドローンの利用を想定する。したがって、探索装置100aは、例えば、GPSを受信可能なアンテナと簡易基地局を搭載したドローンであってもよい。
探索エリア捜索フェーズでは、まず、被災エリア全体を複数の領域に区切り、探索装置100aの探索エリアとして設定する。探索エリアは、例えば、図3に示すような1km四方の正方形が示す領域である。探索エリアは、探索装置100aから発することのできる電波の到達距離に応じて、適宜設定されてよい。例えば、探索装置100aが発することのできる電波の到達距離未満の長さを一辺の長さとして、探索エリアを設定することができる。
探索装置100aは、この探索エリアを十分覆うことが可能な電波強度において、携帯端末300への通信要求信号(第1の通信要求信号)を繰り返し送信しながら移動する。ここでは、探索エリア方向に向けて、電波角を絞った状態で通信要求を送信する。これは、端末位置特定フェーズにおいて、電波角を用いた測位の安定性を向上させるためである。
探索装置100aは、例えば、同図に示すように、探索エリアの頂点である地点Aから探索を開始する。探索装置100aは、携帯端末300への通信要求信号を送信しながら、同図に示す矢印のように移動し、地点Bにおいて本フェーズにおける処理を終了する。
探索装置100aは、ある地点において通信要求を送信し、一定時間内に携帯端末300からの応答信号(第1の応答信号)を受信すると、そこに含まれる電波情報を保管する。携帯端末300から受信する応答信号には、通信要求信号の携帯端末300における受信時刻が含まれる。また、この応答信号には、後述するOTDOAに用いられた地点からの通信要求信号のAoD、携帯端末300を識別する端末IDなどが含まれてもよい。
また、以降の説明では、携帯端末300からの応答信号に含まれるこれらの受信時刻、AoD、端末IDなどの情報を、応答情報と称して説明することがある。
探索装置100aは、応答信号を受信した場合、又は一定時間経過後も携帯端末300からの応答信号を受信しなかった場合、次の位置へ移動する。
探索装置100aは、探索エリア内において、通信要求信号の到達していない領域が生じないよう、探索エリアに沿うように移動する。探索装置100aは、常に一定の距離を移動してもよいし、異なる距離を移動してもよい。例えば、探索エリア内に携帯端末300が1台しか存在しないことが判明している場合などは、応答信号を受信した地点から次の地点への移動距離を通常より長くしてもよい。これにより、探索にかかる時間を短縮することができる。また逆に、探索エリア内に複数の携帯端末300が存在していることが判明している場合や、特定のエリアの探索を集中的に行う場合などは、次の地点への移動距離を通常より短くしてもよい。さらに、探索装置100aは、探索の状況に応じて、通信要求信号の電波角を広げてもよいし、絞ってもよい。
探索装置100aは、携帯端末300との信号の送受信及び移動を繰り返し行い、探索エリアの2辺の移動を完了した時点で本フェーズを終了したものと判定する。そして、探索装置100aは、端末位置特定フェーズへ移行する。
図4及び図5は、端末位置特定フェーズにおける探索装置100aの動作を示す図である。本フェーズでは、探索装置100aは、まず、探索エリア捜索フェーズで得られた携帯端末300からの応答信号に含まれる情報を活用し、算出部170により携帯端末300の概位置を算出する。本実施形態では、5G(第5世代移動通信システム)で導入されるセルベース測位(基地局電波情報を活用した測位)を用いて携帯端末300の概位置を算出する。これにより、探索装置100が1台又は少数しか確保できない場合でも、被災エリアを適切に探索することができる。また、短い移動時間で探索することができるため、探索装置100の電池消費を抑えることができる。
端末位置特定フェーズでは、まず、算出部170が、上記探索エリア捜索フェーズで保管した情報に基づいて、応答のあった携帯端末300の概位置を算出する。具体的には、探索装置100aは、探索エリア捜索フェーズで得られた電波受信時刻や電波受信角度の情報から求められるOTDOA、AoA(Angle of Arrival)、AoD(Angle of Departure)の組み合わせにより、概位置を算出する。図4及び図5では、算出した概位置を星印で示している。
ここで、図6から図10を用いて、算出部170による概位置の算出方法について説明する。
図6は、OTDOAを用いた測位方法の説明図である。例えば、同図の地点A及びBに基地局があり、各基地局から同時刻において携帯端末300に通信要求信号を送信し、携帯端末300がこれを受信したとする。地点A及びBの基地局の時刻は同期されているものとする。
携帯端末300は、各基地局からの通信要求信号の送信時刻(同時刻)と、携帯端末300におけるそれぞれの通信要求信号の受信時刻を用いて、それぞれの基地局からの信号到達時刻差tA及びtBを算出する。また、この到達時刻差tA及びtBの時間差(tA-tB)を用いて、電波の到来時間差が等しい地点を繋ぐことで、同図のようなOTDOAの曲線を得ることができる。通常利用されるOTDOAの測位手法では、複数の基地局を利用してこの曲線を複数作成し、その交点を携帯端末300の位置として算出する。
本実施形態では、探索装置100aが移動しながら地点A及びBにおいて携帯端末300と通信することができるので、複数の基地局を必要とすることなく、同図に示すようなOTDOAの曲線を得ることができる。具体的には、探索装置100aは、地点A及びBにおける通信要求信号の携帯端末300における受信時刻を、それぞれの地点において携帯端末300から取得する。算出部170は、それぞれの地点における電波の送信時刻と、取得した受信時刻とを用いて、各地点から携帯端末300までの電波の到来時間を算出することでOTDOAによる曲線を得ることができる。
同図では、地点A、B間のOTDOAの曲線を示しているが、例えば、3地点において携帯端末300の応答を得られた場合には、2つのOTDOAの曲線を得ることができる。この場合、算出部170は、得られた2つの曲線が重なった部分を携帯端末300の概位置として算出することができる。さらに多くの地点において携帯端末300からの応答を得られた場合には、より多くのOTDOAの曲線を得ることができるので、算出部170は、それらの重なった部分を概位置とすることでより高精度に測位を行うことができる。
また、探索装置100を複数用いる場合には、上記と同様、1台の探索装置100が複数地点の応答情報からOTDOAによる曲線を求めてもよいし、複数の探索装置100間の時刻を同期することで、上述した基地局の場合と同様にして、OTDOAによる曲線を求めてもよい。後者の場合、時刻同期がなされた複数の探索装置100から、同時刻において携帯端末300への通信要求信号を送信する。複数の探索装置100は、携帯端末300からそれぞれの通信要求信号の受信時刻を取得する。探索装置100の情報を集約する集約装置200により情報を集約することで、OTDOAを算出することができる。
図7は、AoAを用いた測位方法の説明図である。AoAは、基地局側で端末から受信した電波の電波角を使用し、測位を行う手法である。AoAでは、複数の基地局でアップリンクの電波の到来角を測定することで、得られた直線の交点を測位結果とする。
本実施形態では、探索装置100aが複数地点に移動し、それぞれの地点において携帯端末300からの電波を受信する。よって、探索装置100aは、例えば、地点A及びBにおいて、携帯端末300から受信した電波の到来角A1及びB1をそれぞれ測定する。そして、算出部170は、到来角A1により得られた直線A10と、到来角B1により得られた直線B10との交点を、測位結果として算出する。
図8は、AoDを用いた測位方法の説明図である。AoDは、端末側で基地局から受信した電波の到来角を使用し、測位を行う手法である。AoDでは、複数の基地局から受信した電波の到来角から得られる直線の交点を、端末の測位結果とする。
本実施形態では、探索装置100aが複数地点に移動し、それぞれの地点において携帯端末300に対して通信要求信号を送信する。よって、携帯端末300は、例えば、探索装置100aが地点A及びBから送信した通信要求を、同じ位置において受信する。携帯端末300は、地点A及びBにおいて、探索装置100aから受信した電波の到来角A2及びB2をそれぞれ測定する。携帯端末300は、地点Aからの探索装置100aへの応答に到来角A2を、地点Bからの探索装置100aへの応答に到来角B2を、それぞれ含めて返信する。そして、算出部170は、到来角A2により得られた直線A20と、到来角B2により得られた直線B20との交点を、測位結果として算出する。
図9は、OTDOAとAoAとを組み合わせて用いる場合の説明図である。同図では、OTDOAとAoAの組み合わせを示しているが、OTDOAとAoDの組み合わせを用いる場合も同様に考えることができる。
同図に示すように、OTDOAで得られた(tA-tB)の曲線と、AoAで得られた直線A10及びB10とを組み合わせることで、これらの線で囲まれた扇形を形成することができる。算出部170は、この扇形の中心点を、携帯端末300の概位置として算出する。
同様に、OTDOAで得られた(tA-tB)の曲線と、AoDで得られた直線A20及びB20とを組み合わせることで、これらの線で囲まれた扇形を形成することができる。算出部170は、この扇形の中心点を、携帯端末300の概位置として算出する。
さらに、算出部170は、これらを組み合わせて、さらに精度の高い概位置を算出することもできる。例えば、OTDOA及びAoAによって作られる扇型の中心点をaとし、OTDOA及びAoDによって作られる扇型の中心点をbとする。算出部170は、中心点a及びbを結んだ直線abの中心点cを、携帯端末300の概位置として算出することができる。
また、探索エリア内に複数の携帯端末300が存在する場合、算出部170は、端末IDごとに携帯端末300の概位置を算出する。また、同じ端末IDの携帯端末300から3つ以上の地点において応答信号を受信した場合、算出部170は、それらの応答情報を用いて、より高い精度の概位置を算出することができる。例えば、3地点から携帯端末300の応答があった場合、算出部170は、OTDOAによって得られる曲線の交点d、AoAによって得られる直線の交点e、AoDによって得られる直線の交点fを結んだ三角形defの中心点を概位置とする。これにより、2地点からの電波情報を用いた場合よりも精度の高い概位置を算出することができる。
さらに、算出部170は、別の方法により概位置を算出してもよい。例えば、探索装置100aが、地点A、B、Cの3地点から携帯端末300の応答を受信したとする。算出部170は、3地点のうち2地点(例えば、地点A及びB)の電波情報から、OTDOAとAoAによる扇形を得ることができる。また、算出部170は、AoAに代えてAoDを用いることができるので、OTDOAとAoDによる扇形を得ることもできる。よって、算出部170は、地点A及びBの電波情報から、2つの扇形を得ることができる。ここで、算出部170は、この2地点と異なる組み合わせの2地点(例えば、地点A及びC)の電波情報を同様に用いることで、上述した扇形とは別の2つの扇形を得ることができる。この場合、算出部170は、合計で4つの扇形を得る。算出部170は、これら4つの扇形の中心を結んだ四角形の中心を算出し、これを携帯端末300の概位置としてもよい。これにより、算出部170は、さらに高い精度において概位置を得ることができる。
なお、算出部170は、必要に応じて電波情報の補正を行い、概位置を算出することができる。
例えば、AoA又はAoDによって得られた直線の交点が、探索装置100aから送信された電波のビーム角から外れる場合がある。この場合、算出部170は、当該交点がビーム角の範囲内に収まるよう、交点の位置を補正し、再度、AoA又はAoDの直線を引き直す。具体的には、ビーム外にある補正前の交点を、その交点と直交する電波の直線上に移動させ、移動後の位置をAoA又はAoDにより得られた直線の交点とする。
また、3地点以上において携帯端末300からの応答を得られた場合、算出部170は、必要に応じて、OTDOAにより得られた複数の曲線のいずれか又は全てを用いることなく、概位置を算出してもよい。
例えば、図10に示すように、地点A及びBの電波情報から得られたOTDOAの曲線と、同地点において得られたAoAによる直線A10及びB10とによっては、扇形を形成できない場合がある。このような場合、算出部170は、これらの曲線及び直線を用いずに、別の2地点(例えば、地点A及びC)で得られた電波情報を用いて概位置を算出する。このように、算出部170は、取得した電波情報を適宜補正することで、高い精度で概位置を算出することができる。
図4に戻り説明を続ける。概位置の算出後、探索装置100aは、携帯端末300について、より詳細な位置を特定する。まず、探索装置100aは、図4に示すように、算出した携帯端末300の概位置まで移動する。探索装置100aは、周囲の障害物などの環境などに応じて、概位置の近傍までの移動を行ってもよい。
探索装置100aは、概位置から所定の距離まで届く程度の微弱な電波を用いて、携帯端末300の概位置から360度方向に、携帯端末300に対する通信要求信号(第2の通信要求信号)を所定の順序により送信する。所定の距離は、例えば、概位置から10m、20m、40m、70m、100mなどであり、探索装置100aは、それぞれの距離まで届く程度の微弱な電波を送信する。また、所定の順序は、例えば、概位置から到達する電波の距離が10m→20m→40m→70m→100mと、徐々に電波が届くエリアが広がるように、予め設けておく。探索装置100aは、微弱な電波による通信要求信号の送信から一定時間を経過した後、携帯端末300からの応答信号(第2の応答信号)が受信されない場合、所定の順序に従い、概位置から到達する電波の距離を広げて通信要求信号を再度送信する。
図5は、携帯端末300から応答信号を受信した場合の探索装置100aの動作を示す図である。同図では、概位置から10mの距離まで届く通信要求信号を送信したときには応答がなく、その後、電波の到達する距離を概位置から20mにまで広げた結果、応答があった場合の動作を示している。
探索装置100aが携帯端末300から応答信号を受信した場合、算出部170は、応答信号に含まれる情報に基づいて、携帯端末300のより詳細な位置をさらに算出し、携帯端末300の位置を特定する。
具体的には、探索装置100aは、概位置から携帯端末300に送信された通信要求信号のAoDを含む応答信号を、携帯端末300端末から受信する。算出部170は、このAoDに基づいて、携帯端末300の位置をさらに算出する。
また、算出部170は、応答信号を受信したときだけでなく、応答信号を受信しなかったときの通信要求信号の電波の到達する距離を含めて、携帯端末300の位置を特定する。図5の例では、算出部170は、概位置から20mの距離まで届く通信要求信号に対しては応答があったこと及び概位置から10mの距離まで届く通信要求信号に対しては応答がなかったことを用いて、携帯端末300の位置を算出する。
算出部170は、これらの情報を受信して、応答信号から得られたAoDに基づいて、携帯端末300の位置をさらに算出する。ここで、応答信号から得られるAoDには、例えば±10度などの誤差範囲を予め設けておく。算出部170は、この誤差を考慮して、携帯端末300の位置を算出する。図5の例では、網掛けにより示した領域が算出した携帯端末300の位置である。同図に示されるように、携帯端末300から応答がなかった範囲の情報を反映することで、その領域を除外して携帯端末300の位置を特定することができる。
探索装置100aは、算出部170が特定した携帯端末300の位置を捜索者端末400に送信する。本フェーズにおいて複数の携帯端末300が検出されている場合、探索装置100aは、位置の特定が完了していない携帯端末300の概位置に移動し、上記と同様の処理を行う。探索装置100aは、全ての携帯端末300について位置の特定が完了するまで、上記の処理を繰り返す。全ての携帯端末300の位置の特定が完了すると本フェーズは終了する。
なお、探索エリアの形状、面積、探索装置100aの移動経路等は、上記に限られない。これらは、被災エリアの状況や探索装置100の数などにより適宜変更されてよい。
続いて、探索装置100の構成について詳細に説明する。
探索装置100は、移動装置110、アンテナ120、移動制御部130、要求制御部140、基地局部160、保管部180、通信部190、時刻同期部150、算出部170を備えている。なお、探索装置100a及び100bは、探索装置100と同様の構成を備えている。
移動装置110は、探索装置100が正確に、かつ素早く移動するための飛行機能を備えている。移動装置110は、例えばマルチコプターなどの無人航空機である。移動装置110は、移動制御部130からの命令によって自律飛行を行うことができる。
探索装置100は、移動装置110が、各機能部を備える小型コンピュータ、簡易基地局(基地局部160)、GPSアンテナ(アンテナ120)、を搭載することで実現される。探索装置100は、例えばドローンのような飛行体である。
探索装置100の移動可能時間は30分程度、総移動可能距離は10km程度を想定している。移動装置110は、ジャイロセンサや磁気方位センサ、アンテナ120からの現在位置情報などを用いて、移動制御部130からの要求通りのポイントへの移動が可能である。移動装置110は、ドローンに限らず、例えば、ヘリコプタや自動車などであってもよい。また、移動装置110の性能は、上述の移動可能時間や総移動可能距離に限られない。
アンテナ120は、例えば、複数の衛星電波情報を受信し、cm級の測位が可能なGPSアンテナである。これにより、探索装置100は、携帯端末300から応答信号を受信した地点及び時刻を高い精度により取得することができる。アンテナ120は、受信した電波情報を移動制御部130へ送信する。
移動制御部130は、アンテナ120から受信した衛星の電波情報から、現在位置を特定し、移動装置110へ位置情報及び移動要求を送信する。移動制御部130は、現在位置に応じて移動装置110を制御し、探索装置100を目的位置へ移動させる。目的位置への移動完了後、移動制御部130は、要求制御部140に対して現在位置情報を通知する。
また、移動制御部130は、算出部170より得られた携帯端末300の測位結果を受信し、同様に目的位置への移動要求を移動装置110へ送信する。目的位置への移動完了後、移動制御部130は、要求制御部140に対して現在位置情報を通知する。移動制御部130は、要求制御部140より応答情報等の保管の処理が完了した旨の通知を受信した後、移動装置110を制御し、探索装置100を次の目的位置へ移動させる。
移動制御部130は、探索エリア捜索フェーズについての終了判定を行う。移動制御部130は、探索エリア捜索フェーズにおける探索エリア内の処理が完了した場合には、本フェーズが終了したと判定する。例えば、移動制御部130は、探索装置100aが、1携帯端末300との信号の送受信を繰り返し行いながら、探索エリアの2辺の移動を完了した時点で本フェーズを終了したものと判定する。
移動制御部130は、要求制御部140の移動要求に従い、探索装置100を端末の概位置まで移動させる。
要求制御部140は、移動制御部130より現在位置情報の通知を受信し、基地局部160に対して通信要求を送信する。
要求制御部140は、基地局部160より携帯端末300の応答情報を受信した場合、保持している現在位置情報と、携帯端末300側の電波受信情報とを関連付けて、保管部180に送信する。また、基地局部160より携帯端末300の情報がない旨の通知を受信した場合、要求制御部140は、その情報を現在位置と関連付けて保管部180に送信する。要求制御部140は、保管部180に対する全ての情報の送信完了後、移動制御部130に対して、処理完了の通知を送信する。
要求制御部140は、探索エリア内に存在する携帯端末300の概位置一覧を算出部170から受信する。要求制御部140は、概位置の緯度経度をそれぞれ指定し、移動制御部130に対して移動要求を送信する。
要求制御部140は、算出部170から受信した測位結果を保管部180に送信する。
要求制御部140は、端末位置特定フェーズの終了判定を行う。要求制御部140は、探索エリア内の全ての携帯端末300について位置の特定が完了したか否かを判定し、全ての携帯端末300について位置の特定が完了した場合には本フェーズを終了すると判定する。
基地局部160は、実施形態1で説明した送信部11及び受信部12の一例である。基地局部160は、送信部161と受信部162を備えている。送信部161及び受信部162は、実施形態1で説明した送信部11及び受信部12にそれぞれ対応する。
送信部161は、移動装置110により探索装置100が移動するのに伴い、探索エリア長を十分に覆うように、複数地点において携帯端末300に第1の通信要求信号を送信する。
受信部162は、第1の通信要求信号に対する第1の応答信号を携帯端末300から受信する。また、受信部162は、第1の通信要求信号の携帯端末300における受信時刻を含む第1の応答信号を受信する。さらに、受信部162は、OTDOAに用いられた地点からの第1の通信要求信号のAoDを含む第1の応答信号を携帯端末300から受信する。また、受信部162は、これらの情報と共に、携帯端末300を識別する端末IDを第1の応答信号により受信する。端末IDは、例えば、携帯端末300の不揮発性メモリ等に記憶されている各携帯端末300に固有の識別情報である。
概位置の算出後、探索装置100aが概位置に移動すると、送信部161は、概位置から特定の距離に到達する電波を用いて、携帯端末300に第2の通信要求信号をさらに送信する。受信部162は、概位置からの第2の通信要求信号のAoDを含む第2の応答信号を携帯端末300からさらに受信する。送信部161は、第2の応答信号が送信部161により受信されない場合、概位置から到達する電波の距離を広げて第2の通信要求信号を再度送信する。
送信部161は、要求制御部140からの通信要求に基づいて、上記第1及び第2の通信要求信号を送信する。送信部161は、受信部162が受信した第1及び第2の応答信号に、それぞれの応答信号に対応する通信要求信号の送信時刻、AoAを補完し、これらの情報を要求制御部140に測位応答として送信する。
保管部180は、探索エリア捜索フェーズにおける携帯端末300からの応答情報を要求制御部140より受信し、端末IDと関連付けて、これを保管する。
また、保管部180は、端末特定フェーズにおいて、要求制御部140より測位結果を受信し、これを端末IDと関連付けて保管する。そして、保管部180は、端末特定フェーズにおいて、通信部190を介し、測位結果を捜索者端末400に対して送信する。
なお、複数の探索装置100を用いて探索を行う場合には、探索装置100を管理するサーバ(不図示)側で全ての応答情報の管理を行う。よって、この場合、保管部180は、保管している情報を、通信部190を介してサーバに送信する。
通信部190は、保管部180に保管されている測位結果を捜索者端末400に送信する。また、複数の探索装置100を用いて探索を行う場合、通信部190は、端末特定フェーズの終了後、保管部180に保管されているデータをサーバに送信する。
時刻同期部150は、複数の探索装置100を活用して災害エリアを探索する際に、探索装置100間の時刻を同期する。これにより、OTDOA算出の際に誤差の発生を防ぐことができる。なお、本実施形態のように、探索装置100aが単独で探索を行う場合には、他の探索装置100との時刻同期は不要である。
算出部170は、実施形態1で説明した算出部13の一例である。算出部170は、携帯端末300の概位置を算出する。
また、算出部170は、第1の通信要求信号の送信時刻と、第1の通信要求信号の携帯端末300における受信時刻とから得られる時刻差を算出する。算出部170は、複数地点のうち少なくとも2地点における時刻差に基づいて得られるOTDOAを用いて、携帯端末300の概位置を算出する。
探索装置100aは、探索エリア捜索フェーズにおいて、2辺から探索エリアを覆うように通信要求を送信し続けている。よって、携帯端末300は、少なくとも2地点から発信された通信要求を受信し、それに対して応答信号を送信している。したがって、算出部170は、2地点における応答情報から、図6を用いて説明したような、OTDOAによる曲線(tA-tB)を得ることができる。
また、算出部170は、OTDOAに用いられた地点における第1の応答信号のAoAをさらに用いて携帯端末300の概位置を算出する。具体的には、図9に示すように、OTDOAにより得られた曲線(tA-tB)と、AoAにより得られた直線A10、B10によって、扇形が形成される。算出部170は、形成された扇形の中心点を、携帯端末300の概位置として算出する。
そして、算出部170は、AoDをさらに用いて携帯端末300の概位置を算出する。具体的には、上記の算出方法において、算出部170は、第1の応答信号のAoAに代えて、第1の応答信号に含まれる第1の通信要求信号のAoDを用いて概位置を算出してもよい。この場合、算出部170は、OTDOAにより得られた曲線(tA-tB)と、AoDにより得られた直線A20及びB20(図8参照)とでできる扇形の中心点を、携帯端末300の概位置として算出する。
算出部170は、OTDOAとOTDOAに用いられた地点における第1の応答信号のAoAとを用いて第1の概位置を算出し、OTDOAとAoDとを用いて第2の概位置を算出し、第1及び第2の概位置を用いて、第3の概位置を算出してもよい。具体的には、算出部170は、上記で算出したOTDOAとAoAによる概位置を第1の概位置として、OTDOAとAoDによる概位置を第2の概位置として保持する。算出部170は、第1及び第2の概位置を結んだ直線の中心点を、携帯端末300の第3の概位置として算出する。これにより、より高い精度で携帯端末300の概位置を算出することができる。なお、算出部170が行う概位置の算出は、上記の方法には限定されず、上記の方法と他の測位方法と組み合わせてもよい。
算出部170は、算出した概位置を要求制御部140に送信する。探索エリア内に複数の携帯端末300が存在する場合、算出部170は、携帯端末300を識別する端末IDごとに概位置を算出する。そして、算出部170は、全ての携帯端末300の概位置を要求制御部140に応答する。
また、算出部170は、端末位置特定フェーズにおいて、第2の通信要求信号のAoDに基づいて、携帯端末300の位置をさらに算出する。これにより、算出部170は、携帯端末300のより詳細な位置を特定できる。
集約装置200は、探索エリア捜索フェーズにおいて複数の探索装置100を用いる場合に、各探索装置100が取得した応答情報を集約し、携帯端末300の概位置を算出する装置である。例えば、図9の例では、地点A及びBにおける通信を探索装置100aが単独で行うのではなく、地点Aでは探索装置100a、地点Bでは探索装置100bがそれぞれ携帯端末300と通信を行う。探索装置100a及び100bで受信した応答情報を集約装置200に集約することにより、上述の説明と同様の効果を得ることができる。
図2に示すように、集約装置200は、通信部290、保管部280、算出部270を備えている。
通信部290は、複数の探索装置100から、第1の通信要求信号の送信時刻と第1の通信要求信号の携帯端末300における受信時刻とを受信する。既に説明したように、探索装置100のそれぞれは、複数地点において携帯端末300に第1の通信要求信号を送信し、第1の通信要求信号に対する第1の応答信号を携帯端末300から受信するものである。
また、通信部290は、OTDOAに用いられた地点における第1の応答信号のAoAをさらに受信する。
さらに、通信部290は、保管部280に保管されている応答情報をサーバに送信する。
保管部280は、探索エリア捜索フェーズにおける携帯端末300からの応答情報を、各探索装置100から通信部290を介して受信し、端末IDと関連付けて、これを保管する。保管部280は、所定のタイミングにおいて、保管している応答情報を、通信部290を介してサーバに送信する。
算出部270は、第1の通信要求信号の送信時刻と第1の通信要求信号の携帯端末300における受信時刻とから得られる時刻差を算出する。また、算出部270は、複数地点のうち少なくとも2地点における時刻差に基づいて得られるOTDOAを用いて携帯端末300の概位置を算出する。
また、算出部270は、OTDOAに用いられた地点における第1の応答信号のAoAをさらに用いて携帯端末300の概位置を算出する。
続いて、図11及び図12を用いて、探索システム1000における処理を説明する。図11は、探索エリア捜索フェーズにおける探索システム1000の処理の流れを示すシーケンス図、図12は、端末位置特定フェーズにおける1000の処理の流れを示すシーケンス図である。
まず、図11を用いて、探索エリア捜索フェーズにおける探索システム1000の処理を説明する。
アンテナ120は、移動制御部130に対し、衛星信号情報を送信する(S101)。移動制御部130は、現在位置を計算し(S102)、目的移動位置を計算する(S103)。移動制御部130は、移動装置110に対し、目的移動位置への移動要求を送信する(S104)。移動装置110は、目的の移動位置に向かい移動する(S105)。目的位置に到着すると、移動装置110は、その旨を移動制御部130に対し送信する(S106)。移動制御部130は、アンテナ120に対し、衛星信号情報を要求する(S107)。アンテナ120は、移動制御部130に対し、衛星信号情報を送信する(S108)。
移動制御部130は、現在位置を計算し(S109)、要求制御部140に対し、現在位置を通知する(S110)。要求制御部140は、基地局部160に対し、通信要求を送信する(S111)。基地局部160は、携帯端末300に対し、通信要求を送信する(S112)。携帯端末300は、基地局部160に対し、端末ID、受信時刻、AoDを含む応答信号を送信する(S113)。基地局部160は、要求制御部140に対し、これらの情報を含む応答信号を送信する(S114)。要求制御部140は、保管部180に対し、応答端末情報と現在位置を送信する(S115)。保管部180は、これらの情報を保管し、要求制御部140に対し、保管完了の旨を通知する(S116)。
要求制御部140は、移動制御部130に対し、処理完了の旨を通知する(S117)。移動制御部130は、探索エリア捜索フェーズについての終了判定を行う(S118)。探索エリア捜索フェーズが終了していないと判定した場合、移動制御部130は、アンテナ120に対し、衛星信号情報を要求する(S119)。探索システム1000は、S101からS119の処理を探索エリア捜索フェーズ終了まで繰り返す。探索エリア捜索フェーズが終了したと判定した場合、移動制御部130は、端末位置特定フェーズの処理に移行する。
続いて、図12を用いて、端末位置特定フェーズにおける探索システム1000の処理を説明する。
S118において探索エリア捜索フェーズが終了したと判定した場合、移動制御部130は、要求制御部140に対し、終了通知を送信する(S201)。要求制御部140は、算出部170に対し、測位要求を送信する(S202)。算出部170は、保管部180に対し、保管している応答情報の取得要求を送信する(S203)。保管部180は、算出部170に対し、保管している応答情報を送信する(S204)。算出部170は、測位計算を行い、携帯端末300の概位置を算出する(S205)。算出部170は、要求制御部140に対し、算出した携帯端末300の概位置の一覧を送信する(S206)。
要求制御部140は、移動制御部130に対し、移動要求を送信する(S210)。移動制御部130は、移動装置110に対し、移動要求を送信する(S211)。移動装置110は、目的位置である携帯端末300の概位置に向かい移動する(S212)。移動装置110は、目的位置まで移動すると、移動制御部130に対し、目的位置に到達した旨を送信する(S213)。移動制御部130は、アンテナ120に対し、衛星信号情報を送信する(S214)。アンテナ120は、移動制御部130に対し、衛星信号情報を送信する(S215)。
移動制御部130は、現在位置を計算し(S216)、要求制御部140に対し、現在位置を通知する(S217)。要求制御部140は、基地局部160に対し、通信要求を送信する(S218)。基地局部160は、携帯端末300に対し、通信要求を送信する(S219)。携帯端末300は、基地局部160に対し、端末ID、受信時刻、AoDを含む応答信号を送信する(S220)。基地局部160は、要求制御部140に対し、これらの情報を含む応答信号を送信する(S221)。S219に対する携帯端末300からの応答信号がない場合、要求制御部140及び基地局部160は、電波の到達範囲を広げて通信要求を再度送信する(S218~S221)。
要求制御部140は、算出部170に対し、測位要求を送信する(S222)。算出部170は、測位計算を行い、携帯端末300の詳細な位置を算出し、携帯端末300の位置を特定する(S223)。算出部170は、要求制御部140に対し、測位結果を送信する(S224)。要求制御部140は、保管部180に対し、特定した端末位置を送信する(S225)。保管部180は、通信部190に対し、特定した端末位置を送信する(S226)。通信部190は、特定した端末位置を捜索者端末400に通知する(S227)。
通信部190は、保管部180に対し、捜索者端末400への通知が完了した旨を通知する(S228)。保管部180は、要求制御部140に対し、上記通知を送信する(S229)。要求制御部140は、端末位置特定フェーズについての終了判定を行う(S230)。端末位置特定フェーズが終了していないと判定した場合、要求制御部140は、移動制御部130に対し、移動要求を送信する(S231)。探索システム1000は、S210からS231の処理を端末位置特定フェーズ終了まで繰り返す。S230において、端末位置特定フェーズが終了したと判定された場合、探索システム1000は処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態にかかる探索システム1000では、探索エリア捜索フェーズにおいて、探索装置100が移動しながら、複数地点において通信要求信号を携帯端末300に送信し、探索エリア内の携帯端末300を探索する。
また、端末位置特定フェーズにおいて、探索装置100は、携帯端末300からの応答情報を用いて携帯端末300の概位置を算出する。さらに、探索装置100は、算出した概位置から、特定の距離に到達する電波を用いて、携帯端末300の位置をより詳細に算出する。
これにより、探索システム1000は、高い精度で携帯端末300を探索することができる。
本実施形態では、大規模災害発生時の救助・救急分野への適用を想定して、上述の説明を行った。本開示は、例えば、地震や津波などにより特定のエリア全体で建物の倒壊や地上インフラ(キャリア携帯基地局)の破壊の可能性がある災害において、地上インフラやGPSが使用できない場合に、迅速な被災者の位置特定が必要となるような場面での利用が可能である。
一般に、測位の実施にかかる携帯端末の電池の消耗は激しい。また、被災者が被災した時点で、端末の電池がフル充電されているとは限らない。また、ドローンなど移動体基地局側の消費電力量の問題もある。現在主に使用されている一般的なドローンの平均飛行可能時間は30分程度とされている。人手による探索が可能な範囲(概ね誤差15m程度)まで測位精度を保ちつつ、移動体基地局の移動に伴う消費電力を削減する必要がある。一度に多くの移動体基地局を動作可能な状況下であればよいが、被災エリアの被害が広範囲に広がった場合、1台又はごく少数の移動体基地局による探索が必要なケースも想定される。
本開示では、上述の説明の通り、1台の探索装置100のみで測位を行うことができるので、移動体基地局の台数に限りがある場合でも、効率的に探索を行うことができる。
また、例えば、特許文献2では、移動体基地局を徐々に動かしながら、何度も携帯端末からの応答を確認する方法で測位精度を高めている。具体的には、応答要求信号を出す移動体基地局がエリア内を探索し、応答があった場合、一度自身の発している電波範囲外に移動する。その後、徐々に元々の電波範囲内に戻りながら、応答要求信号に対する応答を確認することで携帯端末を特定する。しかし、この方法では、1つの携帯端末の特定に時間を要してしまう。また、移動体基地局の移動距離及び移動時間の増加により、上述した電池消費に関する課題もある。
これに対し、本開示では、探索エリア内の複数箇所で受信した電波情報(応答の有無、電波受信時刻、AoD)を用いて、少ない探索で携帯端末の概位置を算出し、概位置から微弱な電波を用いて携帯端末の位置を特定することができる。よって、特許文献2などの関連する技術と比較して、移動体基地局の移動距離を抑えることができる。本開示は、探索にかかる時間を短縮し、電池消費にかかる影響を軽減することで、より効率的に被災者の救出を行うことができる。
<ハードウエアの構成例>
探索装置100の及び集約装置200の各機能構成部は、各機能構成部を実現するハードウエア(例:ハードワイヤードされた電子回路など)で実現されてもよいし、ハードウエアとソフトウエアとの組み合わせ(例:電子回路とそれを制御するプログラムの組み合わせなど)で実現されてもよい。以下、探索装置100等の各機能構成部がハードウエアとソフトウエアとの組み合わせで実現される場合について、さらに説明する。
図13は、探索装置100等を実現するコンピュータ500のハードウエア構成を例示するブロック図である。コンピュータ500は、スマートフォンやタブレット端末などといった可搬型のコンピュータであってもよい。コンピュータ500は、探索装置100等を実現するために設計された専用のコンピュータであってもよいし、汎用のコンピュータであってもよい。
例えば、コンピュータ500に対して所定のアプリケーションをインストールすることにより、コンピュータ500で、探索装置100等の各機能が実現される。上記アプリケーションは、探索装置100等の機能構成部を実現するためのプログラムで構成される。
コンピュータ500は、バス502、プロセッサ504、メモリ506、ストレージデバイス508、入出力インタフェース510、及びネットワークインタフェース512を有する。バス502は、プロセッサ504、メモリ506、ストレージデバイス508、入出力インタフェース510、及びネットワークインタフェース512が、相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。ただし、プロセッサ504などを互いに接続する方法は、バス接続に限定されない。
プロセッサ504は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、又は FPGA(Field-Programmable Gate Array)などの種々のプロセッサである。メモリ506は、RAM(Random Access Memory)などを用いて実現される主記憶装置である。ストレージデバイス508は、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)、メモリカード、又は ROM(Read Only Memory)などを用いて実現される補助記憶装置である。
入出力インタフェース510は、コンピュータ500と入出力デバイスとを接続するためのインタフェースである。例えば入出力インタフェース510には、キーボードなどの入力装置や、ディスプレイ装置などの出力装置が接続される。
ネットワークインタフェース512は、コンピュータ500をネットワークに接続するためのインタフェースである。このネットワークは、LAN(Local Area Network)であってもよいし、WAN(Wide Area Network)であってもよい。
ストレージデバイス508は、探索装置100等の各機能構成部を実現するプログラム(前述したアプリケーションを実現するプログラム)を記憶している。プロセッサ504は、このプログラムをメモリ506に読み出して実行することで、探索装置100等の各機能構成部を実現する。
プロセッサの各々は、アルゴリズムをコンピュータに行わせるための命令群を含む1又はそれ以上のプログラムを実行する。このプログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、実施形態で説明された1又はそれ以上の機能をコンピュータに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)又は実体のある記憶媒体(tangible storage medium)に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、random-access memory(RAM)、read-only memory(ROM)、フラッシュメモリ、solid-state drive(SSD)又はその他のメモリ技術、CD-ROM、digital versatile disc(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、またはその他の形式の伝搬信号を含む。
なお、本開示は上記実施形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
例えば、上述の説明では、移動体基地局である探索装置100としてドローンを想定したが、これに限られない。探索装置100は、例えば、車両などであってもよい。その場合、探索において移動可能な範囲が制限されるものの、電池残量による影響を無視することができるので、より時間をかけて探索を行うことができる。
また、上述の説明では、大規模災害時において実際に稼働できる移動体基地局に限りがある場合を想定し、可能な限り少ない台数での実施形態を用いて説明したが、これに限られない。利用可能な移動体基地局の台数が限られていない場合には、より多くの移動体基地局を用いて測位を行うことで、測位精度を高めることが可能である。
さらに、本開示は、大規模災害時における被災者の救助等以外の分野への適用が可能である。例えば、本開示は、山岳部における遭難者の特定などに適用することができる。山岳部は、GPSのマルチパスの影響を受けやすく、GPSの精度が悪い地帯の1つとされている。また、地上インフラの設置も測位に不十分であるケースが多い。したがって、本開示のような移動体基地局及び端末の特定方法を適用することで、山岳部においても早急な救助を行うことができる。
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
複数地点において端末に第1の通信要求信号を送信する送信部と、
前記第1の通信要求信号に対する第1の応答信号を前記端末から受信する受信部と、
前記端末の概位置を算出する算出部と、
を備え、
前記受信部は、前記第1の通信要求信号の前記端末における受信時刻を含む前記第1の応答信号を受信し、
前記算出部は、前記第1の通信要求信号の送信時刻と前記受信時刻とから得られる時刻差を算出し、前記複数地点のうち少なくとも2地点における前記時刻差に基づいて得られるOTDOA(Observed Time Difference Of Arrival)を用いて前記端末の概位置を算出する
探索装置。
(付記2)
前記算出部は、前記OTDOAに用いられた地点における前記第1の応答信号のAoA(Angle of Arrival)をさらに用いて前記概位置を算出する
付記1に記載の探索装置。
(付記3)
前記受信部は、前記OTDOAに用いられた地点からの前記第1の通信要求信号のAoD(Angle of Departure)を含む前記第1の応答信号を受信し、
前記算出部は、前記AoDをさらに用いて前記概位置を算出する
付記1又は2に記載の探索装置。
(付記4)
前記受信部は、前記OTDOAに用いられた地点からの前記第1の通信要求信号のAoDを含む前記第1の応答信号を受信し、
前記算出部は、
前記OTDOAと前記OTDOAに用いられた地点における前記第1の応答信号のAoAとを用いて第1の概位置を算出し、
前記OTDOAと前記AoDとを用いて第2の概位置を算出し、
前記第1及び第2の概位置を用いて、第3の概位置を算出する
付記1に記載の探索装置。
(付記5)
前記送信部は、前記概位置から特定の距離に到達する電波を用いて前記端末に第2の通信要求信号をさらに送信し、
前記受信部は、前記概位置からの前記第2の通信要求信号のAoDを含む第2の応答信号を前記端末からさらに受信し、
前記算出部は、前記第2の通信要求信号のAoDに基づいて、前記端末の位置をさらに算出する
付記1から4のいずれか1項に記載の探索装置。
(付記6)
前記送信部は、前記第2の応答信号が受信されない場合、前記概位置から到達する電波の距離を広げて前記第2の通信要求信号を再度送信する
付記5に記載の探索装置。
(付記7)
複数地点において端末に第1の通信要求信号を送信し、前記第1の通信要求信号に対する第1の応答信号を前記端末から受信する複数の探索装置から、前記第1の通信要求信号の送信時刻と前記第1の通信要求信号の前記端末における受信時刻とを受信する通信部と、
前記送信時刻と前記受信時刻とから得られる時刻差を算出し、前記複数地点のうち少なくとも2地点における前記時刻差に基づいて得られるOTDOAを用いて前記端末の概位置を算出する算出部と、
を備える集約装置。
(付記8)
前記通信部は、前記OTDOAに用いられた地点における前記第1の応答信号のAoAをさらに受信し、
前記算出部は、前記AoAをさらに用いて前記概位置を算出する
付記7に記載の集約装置。
(付記9)
第1の通信要求信号に応じて第1の応答信号を送信する端末と、
複数地点において前記端末に第1の通信要求信号を送信する送信部と、前記第1の通信要求信号の前記端末における受信時刻を含む前記第1の応答信号を前記端末から受信する受信部とを有する複数の探索装置と、
前記複数の探索装置から前記第1の通信要求信号の送信時刻と前記受信時刻とを受信する通信部と、前記送信時刻と前記受信時刻とから得られる時刻差を算出し、前記複数地点のうち少なくとも2地点における前記時刻差に基づいて得られるOTDOAを用いて前記端末の概位置を算出する算出部と、を有する集約装置と、
を備える探索システム。
(付記10)
前記通信部は、前記OTDOAに用いられた地点における前記第1の応答信号のAoAをさらに受信し、
前記算出部は、前記AoAをさらに用いて前記概位置を算出する
付記9に記載の探索システム。
(付記11)
コンピュータが、
複数地点において端末に第1の通信要求信号を送信するステップと、
前記第1の通信要求信号に対する第1の応答信号を前記端末から受信するステップと、
前記端末の概位置を算出するステップと、
を備え、
前記受信するステップでは、前記第1の通信要求信号の前記端末における受信時刻を含む前記第1の応答信号を受信し、
前記算出するステップでは、前記第1の通信要求信号の送信時刻と前記受信時刻とから得られる時刻差を算出し、前記複数地点のうち少なくとも2地点における前記時刻差に基づいて得られるOTDOAを用いて前記端末の概位置を算出する
探索方法。
(付記12)
複数地点において端末に第1の通信要求信号を送信するステップと、
前記第1の通信要求信号に対する第1の応答信号を前記端末から受信するステップと、
前記端末の概位置を算出するステップと、
をコンピュータに実行させ、
前記受信するステップでは、前記第1の通信要求信号の前記端末における受信時刻を含む前記第1の応答信号を受信し、
前記算出するステップでは、前記第1の通信要求信号の送信時刻と前記受信時刻とから得られる時刻差を算出し、前記複数地点のうち少なくとも2地点における前記時刻差に基づいて得られるOTDOAを用いて前記端末の概位置を算出する
探索プログラム。
以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記によって限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
この出願は、2020年12月11日に出願された日本出願特願2020-205674を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
10 探索装置
11 送信部
12 受信部
13 算出部
100、100a、100b 探索装置
110 移動装置
120 アンテナ
130 移動制御部
140 要求制御部
150 時刻同期部
160 基地局部
161 送信部
162 受信部
170 算出部
180 保管部
190 通信部
200 集約装置
270 算出部
280 保管部
290 通信部
300 携帯端末
400 捜索者端末
500 コンピュータ
502 バス
504 プロセッサ
506 メモリ
508 ストレージデバイス
510 入出力インタフェース
512 ネットワークインタフェース
900a~900c 基地局
1000 探索システム

Claims (9)

  1. 複数地点において端末に第1の通信要求信号を送信する送信手段と、
    前記第1の通信要求信号に対する第1の応答信号を前記端末から受信する受信手段と、
    前記端末の概位置を算出する算出手段と、
    を備え、
    前記受信手段は、前記第1の通信要求信号の前記端末における受信時刻を含む前記第1の応答信号を受信し、
    前記算出手段は、前記第1の通信要求信号の送信時刻と前記受信時刻とから得られる時刻差を算出し、前記複数地点のうち少なくとも2地点における前記時刻差に基づいて得られるOTDOA(Observed Time Difference Of Arrival)を用いて前記端末の概位置を算出し、
    前記送信手段は、前記概位置から特定の距離に到達する電波を用いて前記端末に第2の通信要求信号をさらに送信し、
    前記受信手段は、前記概位置からの前記第2の通信要求信号のAoD(Angle of Departure)を含む第2の応答信号を前記端末からさらに受信し、
    前記算出手段は、前記第2の通信要求信号のAoDに基づいて、前記端末の位置をさらに算出する
    探索装置。
  2. 前記算出手段は、前記OTDOAに用いられた地点における前記第1の応答信号のAoA(Angle of Arrival)をさらに用いて前記概位置を算出する
    請求項1に記載の探索装置。
  3. 前記受信手段は、前記OTDOAに用いられた地点からの前記第1の通信要求信号のAoDを含む前記第1の応答信号を受信し、
    前記算出手段は、前記第1の通信要求信号のAoDをさらに用いて前記概位置を算出する
    請求項1又は2に記載の探索装置。
  4. 前記受信手段は、前記OTDOAに用いられた地点からの前記第1の通信要求信号のAoDを含む前記第1の応答信号を受信し、
    前記算出手段は、
    前記OTDOAと前記OTDOAに用いられた地点における前記第1の応答信号のAoAとを用いて第1の概位置を算出し、
    前記OTDOAと前記第1の通信要求信号のAoDとを用いて第2の概位置を算出し、
    前記第1及び第2の概位置を用いて、第3の概位置を算出する
    請求項1に記載の探索装置。
  5. 前記送信手段は、前記第2の応答信号が受信されない場合、前記概位置から到達する電波の距離を広げて前記第2の通信要求信号を再度送信する
    請求項1から4のいずれか1項に記載の探索装置。
  6. 複数地点において端末に第1の通信要求信号を送信し、前記第1の通信要求信号に対する第1の応答信号を前記端末から受信する複数の探索装置から、前記第1の通信要求信号の送信時刻と前記第1の通信要求信号の前記端末における受信時刻とを受信する通信手段と、
    前記送信時刻と前記受信時刻とから得られる時刻差を算出し、前記複数地点のうち少なくとも2地点における前記時刻差に基づいて得られるOTDOAを用いて前記端末の概位置を算出する算出手段と、
    を備え
    前記探索装置は、前記概位置から特定の距離に到達する電波を用いて前記端末に第2の通信要求信号をさらに送信し、
    前記探索装置は、前記概位置からの前記第2の通信要求信号のAoDを含む第2の応答信号を前記端末からさらに受信し、
    前記算出手段は、前記第2の通信要求信号のAoDに基づいて、前記端末の位置をさらに算出する集約装置。
  7. 第1の通信要求信号に応じて第1の応答信号を送信する端末と、
    複数地点において前記端末に第1の通信要求信号を送信する送信手段と、前記第1の通信要求信号の前記端末における受信時刻を含む前記第1の応答信号を前記端末から受信する受信手段とを有する複数の探索装置と、
    前記複数の探索装置から前記第1の通信要求信号の送信時刻と前記受信時刻とを受信する通信手段と、前記送信時刻と前記受信時刻とから得られる時刻差を算出し、前記複数地点のうち少なくとも2地点における前記時刻差に基づいて得られるOTDOAを用いて前記端末の概位置を算出する算出手段と、を有する集約装置と、
    を備え
    前記送信手段は、前記概位置から特定の距離に到達する電波を用いて前記端末に第2の通信要求信号をさらに送信し、
    前記受信手段は、前記概位置からの前記第2の通信要求信号のAoDを含む第2の応答信号を前記端末からさらに受信し、
    前記算出手段は、前記第2の通信要求信号のAoDに基づいて、前記端末の位置をさらに算出する探索システム。
  8. コンピュータが、
    複数地点において端末に第1の通信要求信号を送信し、
    前記第1の通信要求信号に対する第1の応答信号を前記端末から受信し、
    前記端末の概位置を算出し、
    前記第1の応答信号の受信では、前記第1の通信要求信号の前記端末における受信時刻を含む前記第1の応答信号を受信し、
    前記端末の概位置の算出では、前記第1の通信要求信号の送信時刻と前記受信時刻とから得られる時刻差を算出し、前記複数地点のうち少なくとも2地点における前記時刻差に基づいて得られるOTDOAを用いて前記端末の概位置を算出し、
    前記概位置から特定の距離に到達する電波を用いて前記端末に第2の通信要求信号をさらに送信し、
    前記概位置からの前記第2の通信要求信号のAoDを含む第2の応答信号を前記端末からさらに受信し、
    前記第2の通信要求信号のAoDに基づいて、前記端末の位置をさらに算出する
    探索方法。
  9. 複数地点において端末に第1の通信要求信号を送信し、
    前記第1の通信要求信号に対する第1の応答信号を前記端末から受信し、
    前記端末の概位置を算出すること
    をコンピュータに実行させ、
    前記第1の応答信号の受信では、前記第1の通信要求信号の前記端末における受信時刻を含む前記第1の応答信号を受信し、
    前記端末の概位置の算出では、前記第1の通信要求信号の送信時刻と前記受信時刻とから得られる時刻差を算出し、前記複数地点のうち少なくとも2地点における前記時刻差に基づいて得られるOTDOAを用いて前記端末の概位置を算出し、
    前記コンピュータに、
    前記概位置から特定の距離に到達する電波を用いて前記端末に第2の通信要求信号をさらに送信し、
    前記概位置からの前記第2の通信要求信号のAoDを含む第2の応答信号を前記端末からさらに受信し、
    前記第2の通信要求信号のAoDに基づいて、前記端末の位置をさらに算出することをさらに実行させ
    探索プログラム。
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