JP7505947B2 - 油分離エレメント、油分離器及び圧縮システム - Google Patents

油分離エレメント、油分離器及び圧縮システム Download PDF

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Description

本開示は、油分離エレメント、油分離器及び圧縮システムに関する。
特許文献1には、圧縮機の吐出ガスの流入口を取り囲むケーシングを設け、ケーシング内におけるガス流入口に対向する位置に吸音材層を配置した消音部を備えた油分離器が開示されている。この消音部では、ガス流入口から消音部のケーシング内に流入した吐出ガスは、吸音材層に衝突し、エネルギが吸収された後、ケーシングに設けられたガス出口から油分離器の容器内部空間に流出するようになっている。
なお、特許文献1記載の消音部の構造例の大半は、ガス流入口よりもガス出口が上方に設けられている。特許文献1の図6及び図7に示された構造例は、唯一、ガス流入口の下方にガス出口が設けられている。
特開平8-128388号公報
特許文献1の消音部では、スラッジ等の異物の排出が容易ではなく、例えば繊維状のステンレス鋼で構成される吸音材層に異物が蓄積してしまう(目詰まりの発生)。
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、消音性能と異物の排出性能とを両立可能な油分離エレメント、油分離器及び圧縮システムを提供することを目的とする。
本発明の少なくとも一実施形態に係る油分離エレメントは、
油を含むガスの入口管部と、
前記入口管部が連通する内側空間を取り囲むように設けられ、前記ガスは通過可能であり、且つ、前記油の流通を阻害するように構成された側周壁部と、
を備える油分離エレメントであって、
前記入口管部よりも下方に位置する1以上の開口を有し、前記1以上の開口の総開口面積が前記入口管部の開口面積の0.4倍以上である。
本発明の少なくとも一実施形態に係る油分離器は、
容器本体と、
前記容器本体内に設けられる油分離エレメントと、
を備え、
前記油分離エレメントは、
油を含むガスの入口管部と、
前記入口管部が連通する内側空間を取り囲むように設けられ、前記ガスは通過可能であり、且つ、前記油の流通を阻害するように構成された側周壁部と、
を含み、
前記油分離エレメントの下側領域に、前記容器本体に油溜まり部が存在しない状態において、前記容器本体の内部空間のうち前記側周壁部の外側空間と前記内側空間とを連通させる開口が形成される。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、油分離エレメントを部分的に油溜まり部に浸漬した状態又は油分離エレメントの下端が油溜まり部の油面に接した状態で使用することで、消音効果が得られる。また、油分離エレメントに設けられた開口から異物とともに油を排出可能となり、油分離エレメントにおける異物の蓄積を抑制することができる。
一実施形態に係る圧縮システムを備えた冷凍サイクルを示す図である。 一実施形態に係る油分離器の内部構造を示す図である。 図2のA-A線に沿った断面図である。 一実施形態に係る油分離エレメントの構成例を示す図である。 一実施形態に係る油分離エレメントの構成例を示す図である。 一実施形態に係る油分離エレメントの構成例を示す図である。 一実施形態に係る油分離エレメントの構成例を示す図である。 油分離エレメントの側周壁部の構成例を示す断面図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
図1は、一実施形態に係る圧縮システムを備えた冷凍サイクルを示す図である。
同図に示すとおり、冷凍サイクル1は、圧縮機2及び油分離器10を含む圧縮システム3と、凝縮器4、膨張弁6及び蒸発器8とを備える。
圧縮システム3の構成機器である圧縮機2は、蒸発器8からの冷媒ガス(例えば、アンモニアに代表される自然冷媒)が流入する吸込口2Aと、圧縮された冷媒ガスが流出する吐出口2Bと、を含む。圧縮機2の吐出口2Bには、油分離器10へと吐出ガスを導くための吐出ガスライン2Cが接続される。圧縮機2には、冷媒ガス以外にも、冷媒ガスの冷却や圧縮機2の可動部の潤滑を目的として、油分離器10の排油口16から油(冷凍機油)が供給される。
なお、圧縮機2は特に限定されず、例えば、スクリュ圧縮機であってもよいし、レシプロ圧縮機であってもよい。
圧縮機2とともに圧縮システム3を構成する油分離器10は、容器本体11と、容器本体11内に設けられる油分離エレメント20と、を含む。
図1に示す例示的な実施形態では、油分離エレメント20は、圧縮機2からの吐出ガス中に含まれる油を分離する。油分離エレメント20によってガスから分離された油は、容器本体11内の下部に形成される油溜まり部12に集められ、排油口16から圧縮機2へと返送される。一方、油分離エレメント20を通過したガスは、容器本体11の内部空間のうち油溜まり部12の上方の気相部13を経てガス出口14から流出する。
油分離器10の具体的構造については、後で詳述する。
油分離器10によって油が分離された冷媒ガスは、ガス出口14から流出した後、凝縮器4、膨張弁6及び蒸発器8を順に通過し、圧縮機2の吸込口2Aに再び吸い込まれる。
図2は、一実施形態に係る油分離器の内部構造を示す図である。図3は、図2のA-A線に沿った断面図である。
幾つかの実施形態では、図2及び図3に示すとおり、油分離器10は、容器本体11と、容器本体11内に設けられる油分離エレメント20と、を含む。
容器本体11の内部空間は、下方領域である油溜まり部12と、上方領域である気相部13とに区分され、油溜まり部12は排油口16に連通し、気相部13はガス出口14に連通する。図2に示す例では、ガス出口14が容器本体11の最上部に設けられ、排油口16が容器本体11の最下部に設けられるが、ガス出口14及び排油口16がそれぞれ気相部13及び油溜まり部12に連通する限りにおいて、両者の具体的位置は特に限定されない。排油口16は、油分離器10でガスから分離回収した油の出口であり、図1に示す例では、圧縮機2に至る油返送ラインに接続される。
なお、容器本体11は、図2及び図3に示す例では円筒形状である。他の実施形態では、容器本体は、断面が非円形(多角形)である角柱形状である。また、図2及び図3に示す例では、容器本体11は、高さ方向の寸法(高さH)が、水平方向に沿った寸法(幅及び奥行)よりも大きいが、容器本体11の各寸法の大小関係はこの例に限定されるものではない。
幾つかの実施形態では、容器本体11は、1以上のサイトグラス18(18A,18B)を有する。
サイトグラス18は、ガラス窓を通して容器本体11の内部の様子を目視確認するための機器である。例えば、油溜まり部12の油面が管理範囲内に収まっていることを確認するために、2個のサイトグラス18(18A,18B)が油面の上限位置と下限位置とにそれぞれ設置されてもよい。
上記構成の容器本体11内には、油分離エレメント20が設けられる。
なお、油分離エレメント20は、油分離エレメント20における油分離を行う部分が容器本体11内に収容されていれば足り、油分離エレメント20のうち油分離に直接関係しない部分が容器本体11の外部に存在していてもよい。
ここで、図4A~図4Dを参照して、油分離エレメント20の具体的構成について述べる。図4A~図4Dは、それぞれ、実施形態に係る油分離エレメント20(20A~20D)の構成例を示す図である。
なお、図4Aに示す油分離エレメント20Aは、図2及び図3に示した油分離エレメント20と同一の構造である。図2及び図3に示す油分離器10において、図4B~図4Dに示す他の構成例の油分離エレメント20を用いてもよい。
幾つかの実施形態では、図4A~図4Dに示すとおり、油分離エレメント20(20A~20D)は、油分離エレメント20の内側空間100に連通する入口管部22と、内側空間100を取り囲む側周壁部30と、を含む。
また、側周壁部30の上端および下端に隣接して、それぞれ、蓋板24,26が設けられており、蓋板24,26によって側周壁部30の内部の充填物(後述する金属繊維38)を保持するようになっている。図4A及び図4Bに示す油分離エレメント20A,20Bでは、上側の蓋板24に入口管部22が設けられる。
図4A及び図4Bに示す例では、入口管部22は、水平方向に延在する直管部分と、内側空間100に開口するように鉛直方向に延在する直管部分とが、エルボ部分を介して繋がった構造である。これに対し、図4C及び図4Dでは、水平方向に延在する直管部分により構成される入口管部22が側周壁部30を貫通して設けられる。
また、油分離エレメント20は、図4A~図4Dに示すように、入口管部22よりも下方に位置する1以上の開口32を有する。油分離エレメント20の開口32は、内側空間100に連通するように設けられ、入口管部22から内側空間100に導入されたガスに含まれる油(および異物)を排出する機能を有する。
図4A~図4Dに示す例では、開口32は、側周壁部30の高さ方向の中央位置よりも下側に設けられる。より具体的には、図4A~図4Cの例では、開口32は下側の蓋板26に設けられる。これに対し、図4Dに示す油分離エレメント20Dでは、開口32は側周壁部30に設けられた貫通穴により形成される。また、開口32の個数は特に限定されず、図4A、図4C及び図4Dに示すように1個の開口32を設けてもよいし、図4Bに示すように複数の開口32を設けてもよい。図4Bに示す油分離エレメント20Bにおいて、蓋板26の中央開口にパンチングメタル33が設けられ、パンチングメタル33が複数の開口32を有している。
幾つかの実施形態では、入口管部22よりも下方において内側空間100に連通する1以上の開口32の総開口面積は、入口管部22の開口面積(流路断面積)の0.4倍以上である。
本発明者らの知見によれば、圧縮システム3において、吐出ガスの流量をF[L/min]としたとき、1%~10%程度の体積流量F[L/min]の油が含まれ得る。さらに、本発明者らが、典型的な条件として、吐出ガス流量Fに対する油の体積流量Fの比F/Fを0.065とし、油の粘性約100cPとして、体積流量Fの油を開口32から流出させるために必要な開口32の面積を試算したところ、入口管部22の開口面積Sに対して約0.45倍の開口面積Sが必要であった。実際には、開口32以外にも、側周壁部30の油溜まり部12に浸漬された部位を介して油が僅かに流通し得るため、上述したように、油分離エレメント20の開口32の開口面積は、入口管部22の開口面積(流路断面積)の0.4倍以上であれば足りると考えられる。
入口管部22の開口面積Sに対する開口32の開口面積Sの比S/Sは、油および異物の排出促進の観点から大きいことが望ましい。例えば、前記比S/Sは、0.5以上であってもよく、0.7以上であってもよい。
図2及び図3に戻り、上記構成の油分離エレメント20(20A~20D)の油分離器10内における配置について説明する。
油分離エレメント20は、側周壁部30の中心軸が鉛直方向に沿い、且つ、開口32が油分離エレメント20の下側領域に位置するような姿勢で配置される。油分離エレメント20は、油分離の機能を担う側周壁部30の全体が容器本体11によって覆われるのに対し、入口管部22が容器本体11を貫通し、入口管部22の一部は油分離器10の外側に延在している。このように、入口管部22の一部が油分離器10の外部に存在する場合、吐出ガスライン2Cと入口管部22との接続を油分離器10の外部で行うことができ、圧縮システム3の組立てが容易になる。他の実施形態では、入口管部22の全体が容器本体11内に収容される。
幾つかの実施形態では、図2及び図3に示すように、油分離エレメント20は、支持部材19を介して容器本体11の内面に支持される。
図2及び図3に示す例では、支持部材19は、下側の蓋板26に固定される。支持部材19の数は特に限定されないが、図3に示す例では、2本の支持部材19が、入口管部22を挟んで両側に配置される。
なお、図2及び図3には、円筒形状の容器本体11と同芯状に設けられた円筒形状の側周壁部30を例示したが、側周壁部30は、内側空間100を取り囲む形状であれば、角柱形状を含む他の形状であってもよい。
上記構成の油分離器10において、油分離器10の不使用時(例えば、油分離器10の製造直後)、容器本体11内に油溜まり部12が形成されていない状態において、容器本体11の気相部13と側周壁部30の内側空間100とは開口32を介して連通する。
これに対し、油分離器10の使用時には、図2に示すように、容器本体11内に油溜まり部12が形成され、側周壁部30の下端部は油溜まり部12に浸漬された状態又は油溜まり部12の油面に接した状態となる。このため、油分離エレメント20の内側空間100は、側周壁部30と油溜まり部12の油面とによって、容器本体11の気相部13(油分離エレメント20の外側空間)から仕切られる。その結果、内側空間100に流入した油を含むガスは、側周壁部30を通過して、容器本体11の気相部13(油分離エレメント20の外側空間)へと流れることになる。このとき、ガスに含まれる油は側周壁部30によって捕捉され、実質的にガスのみが気相部13へと通過する。
側周壁部30は通気性を有するが、側周壁部30を通過する際の圧力損失が存在するため、図2に示すとおり、油分離エレメント20の内側空間100における油溜まり部12の油面は、油分離エレメント20の外側空間における油面よりも低くなる。
油分離器10の使用時において、油分離エレメント20の開口32は、油分離エレメント20の内側空間100における油溜まり部12の油面よりも低所に位置する。このとき、油溜まり部12の油は、開口32を介して、油分離エレメント20の内側空間100と油分離エレメント20の外側とで行き来し得る。
これにより、万が一、入口管部22を介して油分離エレメント20の内側空間100に流入したガスに異物が随伴していても、開口32を介して異物が油分離エレメント20の外へと排出され、油分離エレメント20における異物の蓄積を抑制できる。このとき、排油口16からの排油に伴い、油溜まり部12内で油の流動が生じれば、油分離エレメント20の内側空間100から開口32を介した異物の排出が促進される。なお、開口32を介して排出された異物は、不図示のオイルフィルタによって取り除かれるようになっていてもよい。
典型的な油分離器10の使用条件では、油溜まり部12の油面高さは、容器本体11の内部空間の高さをHとしたとき、容器本体11の内部空間の下端位置を基準として0.15H~0.6Hの高さ範囲内である。
このことを考慮し、幾つかの実施形態では、開口32の位置は、容器本体11の内部空間の高さをHとしたとき、容器本体11の内部空間の下端位置を基準として0.1H以上0.5H以下の高さ範囲に設定される。
上述のとおり、油分離器10の使用時、側周壁部30の下端部および開口32は油溜まり部12に浸漬されることが望ましい。
このため、油分離器10の使用時において、油溜まり部12の油面の位置が、側周壁部30の下端部および開口32よりも上方にあるか否かを視認できるように、1以上のサイトグラス18(18A,18B)との関係で、容器本体11内における側周壁部30を決定してもよい。
具体的には、容器本体11内において、図2に示すように、側周壁部30の下端部よりも上方に1以上のサイトグラス18(18A)が位置するように側周壁部30を配置してもよい。この場合、油溜まり部12に側周壁部30の下端部が浸漬された状態で、サイトグラス18Aを介して油面の位置を視認可能となる。
同様に、開口32よりも上方に少なくとも1個のサイトグラス18Aが位置するように、開口32の高さ位置を設定してもよい。これにより、油分離器10の使用時において、開口32が油溜まり部に浸漬されているか否かをサイトグラス18Aにより視認可能となる。
また、図2には図示していないが、容器本体11の気相部13にデミスタを設け、側周壁部30を通過したガスに随伴する僅かな油のミストを除去してもよい。この場合、デミスタは、側周壁部30の上端よりも上方に設置される。
以上述べたとおり、油分離器10の使用時に油分離エレメント20のうち開口32が設けられた部位を油溜まり部12に浸漬すれば、入口管部22が連通する側周壁部30の内側空間100と、側周壁部30の外側空間(気相部13)とが、油分離エレメント20及び油溜まり部12の油面によって仕切られた状態となる。このため、入口管部22から流入したガスは、側周壁部30の内側空間100から外側空間(気相部13)に向かって側周壁部30の内部を通過する際、エネルギが吸収され、騒音が低減される。
また、油分離エレメント20に設けられた開口32から油とともに異物を排出可能となり、油分離エレメント20における異物の蓄積を抑制することができる。
なお、上記構成の油分離エレメント20は開口32を有するため、油分離エレメント20による消音機能が発揮されるためには、油分離器10の使用時において適切に油溜まり部12が形成されて、開口32が油溜まり部12に浸漬されなければならない。仮に開口32が油溜まり部12に浸漬されない場合、側周壁部30の内側空間100と、側周壁部30の外側空間(気相部13)とが、油分離エレメント20の側周壁部30及び油溜まり部12の油面によって仕切られた状態とはならない。この場合、ガスが開口32を通過可能となってしまい、側周壁部30をガスが通過する際のエネルギの吸収が起こらず、期待通りの消音効果は得られない。
よって、期待通りの消音効果が発現しているか否かにより、油分離器10内における油面低下を検知することも可能である。油分離器10内の油面低下を検知できれば、給油量の不足に起因した圧縮機2の運転停止や損傷を回避でき、有益である。
図5は、油分離エレメント20の側周壁部30の構成例を示す断面図である。
側周壁部30は、通気性と油捕捉機能を有する限りにおいてその具体的な構成は特に限定されない。例えば、図5に示すように、側周壁部30は、内側パンチングメタル34と、内側パンチングメタル34の外周側に設けられる外側パンチングメタル36と、内側パンチングメタル34および外側パンチングメタル36の間に設けられる金属繊維38と、を含んでいてもよい。
この場合、金属繊維38は、内側パンチングメタル34と外側パンチングメタル36との間の径方向隙間を埋めるように、側周壁部30の全周に亘って充填され、金属繊維層を形成していてもよい。
不図示の他の実施形態では、側周壁部30は、グラスウールのような非金属繊維や、金属メッシュ材、非金属メッシュ材等を含む。
側周壁部30が、図5に示すように、パンチングメタル(34,36)を含む場合において、油分離エレメント20の開口32は、パンチングメタル(34,36)に設けられた孔よりも大きい寸法を有する。
これにより、開口32からの異物の排出を促進することができ、油分離エレメント20における異物の蓄積を抑制できる。
以下、幾つかの実施形態に係る油分離エレメント20、油分離器10及び圧縮システム3について概要を記載する。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る油分離エレメント20は、
油を含むガスの入口管部22と、
前記入口管部22が連通する内側空間100を取り囲むように設けられ、前記ガスは通過可能であり、且つ、前記油の流通を阻害するように構成された側周壁部30と、
を備える油分離エレメント20であって、
前記油分離エレメント20は、前記入口管部22よりも下方に位置する1以上の開口32を有し、前記1以上の開口32の総開口面積が前記入口管部22の開口面積の0.4倍以上である。
なお、側周壁部30は、内側空間100を取り囲むように全周に亘って連続して形成されるが、側周壁部30の全領域が通気性を有している必要はない。側周壁部30の少なくとも一部が、ガスは通過可能であり、且つ、油の流通を阻害するように構成されていれば足りる。
上記(1)の構成を有する油分離エレメント20のうち開口32が設けられた部位を油溜まり部12に浸漬すれば、入口管部22が連通する側周壁部30の内側空間100と、側周壁部30の外側空間(気相部13)とが、油分離エレメント20の側周壁部30及び油溜まり部12の油面によって仕切られた状態となる。このため、入口管部22から流入したガスは、側周壁部30の内側空間100から外側空間(気相部13)に向かって側周壁部30の内部を通過する際、エネルギが吸収され、騒音が低減される。
また、油分離エレメント20に設けられた開口32から油とともに異物を排出可能となり、油分離エレメント20における異物の蓄積を抑制することができる。
また、油分離エレメント20の1以上の開口32の総開口面積を入口管部の開口面積の0.4倍以上としたので、ガスに含まれる油の排出を促進することができる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成の構成において、
前記1以上の開口32は、前記側周壁部30の高さ方向の中央位置よりも下側に設けられる。
上記(2)の構成によれば、開口32が設けられた油分離エレメント20の下端側を油溜まり部12に浸漬した状態にて油分離エレメント20を使用することで、上記(1)に関して述べた消音効果および異物排出効果を享受できる。
さらに、側周壁部30の高さ方向の中央位置よりも上側に開口32を設ける場合に比べて、側周壁部30のうち油溜まり部12に浸漬されずガスが通過可能な領域を十分に確保しつつ、開口32よりも高所に油溜まり部12の油面を設定しやすくなる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)又は(2)の構成において、
前記油分離エレメント20は、
前記側周壁部30の上端に隣接して設けられ、前記入口管部22を有する蓋板24を備える。
上記(3)の構成によれば、入口管部22を有する蓋板24を油分離エレメント20の上端に隣接して設けたので、側周壁部30に入口管部22を設ける場合に比べて、側周壁部30のうち油溜まり部12に浸漬されずにガスが通過可能な領域を確保しやすくなる。
(4)本発明の少なくとも一実施形態に係る油分離器10は、
容器本体11と、
前記容器本体11内に設けられる油分離エレメント20と、
を備え、
前記油分離エレメント20は、
油を含むガスの入口管部22と、
前記入口管部22が連通する内側空間100を取り囲むように設けられ、前記ガスは通過可能であり、且つ、前記油の流通を阻害するように構成された側周壁部30と、
を含み、
前記油分離エレメント20の下側領域に、前記容器本体11に油溜まり部12が存在しない状態において、前記容器本体11の内部空間のうち前記側周壁部30の外側空間(気相部13)と前記内側空間100とを連通させる開口32が形成される。
上記(4)の構成によれば、開口32が形成された油分離エレメント20の下側領域を油溜まり部12に浸漬すれば、入口管部22が連通する側周壁部30の内側空間100と、側周壁部30の外側空間(気相部13)とが、油分離エレメント20の側周壁部30及び油溜まり部12の油面によって仕切られた状態となる。このため、入口管部22から流入したガスは、側周壁部30の内側空間100から外側空間(気相部13)に向かって側周壁部30の内部を通過する際、エネルギが吸収され、騒音が低減される。
また、油分離エレメント20に設けられた開口32から油とともに異物を排出可能となり、油分離エレメント20における異物の蓄積を抑制することができる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(4)の構成において、
前記開口32は、前記容器本体11の内部空間の高さをHとしたとき、前記内部空間の下端位置を基準として0.1H以上0.5H以下の高さ範囲に位置する。
典型的な油分離器10の使用条件では、0.15H~0.6Hの高さ範囲に油溜まり部12の油面が位置する。
上記(5)の構成によれば、典型的な油分離器10の使用条件として想定される油溜まり部12の油面高さを考慮して0.1H以上0.5H以下の高さ範囲に開口32が位置するようにしたので、油分離器10の使用時に油分離エレメント20の開口32が油溜まり部12に浸漬した状態を容易に実現できる。これにより、上記(4)で述べたとおり、消音性能と異物の排出性能とを両立できる。
(6)幾つかの実施形態では、上記(4)又は(5)の構成において、
前記油分離エレメント20は、前記油分離器10の使用時に前記容器本体11の内部に形成される油溜まり部12に前記側周壁部30の下端部が浸漬されるように配置される。
上記(6)の構成によれば、油分離器10の使用時に油分離エレメント20の開口32が油溜まり部12に浸漬した状態となるので、上記(4)で述べたとおり、消音性能と異物の排出性能とを両立できる。
(7)幾つかの実施形態では、上記(4)~(6)の何れかの構成において、
前記側周壁部30は、
内側パンチングメタル34と、
前記内側パンチングメタル34の外周側に設けられる外側パンチングメタル36と、
前記内側パンチングメタル34および前記外側パンチングメタル36の間に設けられる金属繊維38と、
を含む。
上記(7)の構成によれば、ガスの流通性を確保しつつ、ガスに含まれる油ミストを金属繊維38で捕捉し、油溜まり部12に導くことができる。また、金属繊維38により、ガスのエネルギを吸収して、高い消音効果を実現することができる。
(8)幾つかの実施形態では、上記(7)の構成において、
前記開口32は、前記内側パンチングメタル34及び前記外側パンチングメタル36に設けられた孔よりも大きい寸法を有する。
上記(8)の構成によれば、側周壁部30を構成するパンチングメタル(34,36)の孔よりも大きな寸法の開口32を油分離エレメント20に設けることで、この開口32を介した異物の排出が促進される。
(9)幾つかの実施形態では、上記(4)~(8)の何れかの構成において、
前記容器本体11は、前記側周壁部30の下端部よりも上方に位置する1以上のサイトグラス(18A,18B)を有する。
上記(9)の構成によれば、油溜まり部12の油面を確認するためのサイトグラス(18A,18B)よりも下方に側周壁部30の下端部が位置するため、油分離器10の使用時において、側周壁部30の下端部が油溜まり部12に浸漬された状態を容易に実現できる。
(10)幾つかの実施形態では、上記(4)~(9)の何れかの構成において、
前記容器本体11は、前記開口32よりも上方に位置する1以上のサイトグラス(18A,18B)を有する。
上記(10)の構成によれば、油溜まり部12の油面を確認するためのサイトグラス(18A,18B)よりも下方に油分離エレメント20の開口32が位置するため、油分離器10の使用時において、油分離エレメント20の開口32を含む部位が油溜まり部12に浸漬された状態を容易に実現できる。
(11)本発明の少なくとも一実施形態に係る圧縮システム3は、
ガスを圧縮するための圧縮機2と、
前記ガスに含まれる油を分離するための上記(4)~(10)の何れかの構成の油分離器10と、
を備える。
上記(11)の構成によれば、上記(4)で述べた理由から、油分離エレメント20による消音性能と異物の排出性能とを両立できるので、騒音が少なく、油分離エレメント20の交換頻度が低い圧縮システム3を実現できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
例えば、上述の実施形態では、圧縮システム3が冷凍サイクル1の構成機器である例について説明したが、圧縮システム3はこの用途に限定されるものではない。同様に、上述の実施形態では、油分離器10が圧縮システム3の構成機器である例について説明したが、油分離器10は、油を含むガスが導入され、油とガスとを分離する用途で広く一般に使用可能である。
本明細書において、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
また、本明細書において、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
また、本明細書において、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
1 冷凍サイクル
2 圧縮機
2A 吸込口
2B 吐出口
2C 吐出ガスライン
3 圧縮システム
4 凝縮器
6 膨張弁
8 蒸発器
10 油分離器
11 容器本体
12 油溜まり部
13 気相部
14 ガス出口
16 排油口
18,18A サイトグラス
19 支持部材
20,20A,20B,20D 油分離エレメント
22 入口管部
24,26 蓋板
30 側周壁部
32 開口
33 パンチングメタル
34 内側パンチングメタル
36 外側パンチングメタル
38 金属繊維
100 内側空間

Claims (9)

  1. 油を含むガスの入口管部と、
    前記入口管部が連通する内側空間を取り囲むように設けられ、前記ガスは通過可能であり、且つ、前記油の流通を阻害するように構成された側周壁部と、
    を備える油分離エレメントであって、
    前記入口管部よりも下方に位置する1以上の開口を有し、前記1以上の開口の総開口面積が前記入口管部の開口面積の0.4倍以上である油分離エレメントであって、
    前記側周壁部の下端部は、前記油分離エレメントが組付けられる油分離器の使用時に前記油分離器の容器本体の内部に形成される油溜まり部に浸漬され、
    前記側周壁部は、
    内側パンチングメタルと、
    前記内側パンチングメタルの外周側に設けられる外側パンチングメタルと、
    前記内側パンチングメタルおよび前記外側パンチングメタルの間に設けられる金属繊維と、
    を含む
    油分離エレメント。
  2. 前記1以上の開口は、前記側周壁部の高さ方向の中央位置よりも下側に設けられる
    請求項1に記載の油分離エレメント。
  3. 前記側周壁部の上端に隣接して設けられ、前記入口管部を有する蓋板を備える
    請求項1又は2に記載の油分離エレメント。
  4. 容器本体と、
    前記容器本体内に設けられる油分離エレメントと、
    を備え、
    前記油分離エレメントは、
    油を含むガスの入口管部と、
    前記入口管部が連通する内側空間を取り囲むように設けられ、前記ガスは通過可能であり、且つ、前記油の流通を阻害するように構成された側周壁部と、
    を含み、
    前記油分離エレメントの下側領域に、前記容器本体に油溜まり部が存在しない状態において、前記容器本体の内部空間のうち前記側周壁部の外側空間と前記内側空間とを連通させる開口が形成される油分離器であって、
    前記油分離エレメントは、前記油分離器の使用時に前記容器本体の内部に形成される油溜まり部に前記側周壁部の下端部が浸漬されるように配置され、
    前記側周壁部は、
    内側パンチングメタルと、
    前記内側パンチングメタルの外周側に設けられる外側パンチングメタルと、
    前記内側パンチングメタルおよび前記外側パンチングメタルの間に設けられる金属繊維と、
    を含む
    油分離器。
  5. 前記開口は、前記容器本体の内部空間の高さをHとしたとき、前記内部空間の下端位置を基準として0.1H以上0.5H以下の高さ範囲に位置する
    請求項4に記載の油分離器。
  6. 前記開口は、前記内側パンチングメタル及び前記外側パンチングメタルに設けられた孔よりも大きい寸法を有する
    請求項に記載の油分離器。
  7. 前記容器本体は、前記側周壁部の下端部よりも上方に位置する1以上のサイトグラスを有する
    請求項4乃至の何れか一項に記載の油分離器。
  8. 前記容器本体は、前記開口よりも上方に位置する1以上のサイトグラスを有する
    請求項4乃至の何れか一項に記載の油分離器。
  9. ガスを圧縮するための圧縮機と、
    前記ガスに含まれる油を分離するための請求項4乃至の何れか一項に記載の油分離器と、
    を備える圧縮システム。
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