JP7503288B2 - シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材、その製造方法、及びそれに用いる原材料組成物 - Google Patents

シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材、その製造方法、及びそれに用いる原材料組成物 Download PDF

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Description

本発明は、照明器具等を含む発光装置に組み込まれ、それらの光源からの可視光のみならず紫外線のような光を照射すべき側へ反射させたり、太陽電池アセンブリに組み込まれそれへ入射した光を反射して光電変換素子へ集光させたりして、可視光・紫外線を有効活用したり、さらに紫外線によるそれらが付された支持体や周辺材料の劣化を防止できる紫外線反射保護膜や部材として用いるシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材、その製造方法、及びそれの原材料組成物に関するものである。
照明器具、信号機、液晶ディスプレイのバックライトなど発光装置の光源として、発光ダイオード(LED)や高輝度LEDのように所望の波長光を出射する発光素子が用いられている。
また、このような発光ダイオードの中には、可視光の他に、紫外線を出射し、その紫外線を利用して蛍光体により波長変換して、スペクトル特性を調節する半導体発光装置が知られるようになった。また、紫外線の持つ高エネルギーを殺菌作業や印刷インキの硬化作業などに直接用いるために、種々の発光スペクトルを有する紫外線発光ダイオード(UV-LED)が知られており、UV-LEDの用途が広がっている。更には紫外線を含む太陽光を有効利用する方法も広く知られており、例えば、太陽光を入射して光電変換するP型シリコンとN型シリコンとからなるような光電変換素子が、太陽電池アセンブリに、組み込まれている。
そのようなUV-LEDが用いられ、あるいは紫外線を利用する環境において、紫外線が照射される際に、その照射対象物以外の周辺材料や支持体基板を劣化させてしまう問題が生じている。例えば、プリント配線基板にUV-LEDを設置すると、UV-LEDの発光がその基板を紫外線で劣化させてしまう。
この基板の劣化を防ぐために、紫外線吸収材層が設けられるが、紫外線吸収材層自体が劣化してしまうことが散見される。また、吸収材層は、紫外線を吸収するので、紫外線全体を有効に利用することができない。特に紫外線吸収材層は、カーボンブラックのような有色のものが多いため、可視光に対しては、反射機能に乏しく、十分な反射効果を得ることができない。
このため、可視光や紫外線を充分に反射させ光電変換させたり、効率よく波長変換させたりすることができるよう、近紫外線領域、紫外線領域において十分な反射率を有しつつ長波長の可視光や太陽光の光においても高い反射率を維持し、基材などの周辺材料を紫外線から保護し劣化を防止できる基材が望まれている。
これまで、このような発光素子や光電変換素子のように光が入出射する素子を実装する配線基板や、これら素子を取り巻いて収容するパッケージケースは、発光素子からの光を照射すべき側へ反射させたり、太陽電池アセンブリへ入射した光を光電変換素子へ反射させて効率よく集光させてエネルギー変換させたりするために、これらの光を反射可能なセラミック製や樹脂製の反射基材で形成されている。
配線基板やパッケージケースの反射基材がセラミックス製であると、光が漏洩することにより、光の充分な反射効率が得られないばかりか、紫外線を効率よく反射できない。
一方、樹脂製の反射基材として、例えば、特許文献1に、脂環式エポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂、グリシジル(メタ)アクリレート系ポリマー、白色顔料、及び硬化剤を必須成分とする樹脂組成物を、シート状ガラス繊維のような材料に含浸、乾燥させた白色プリプレグが開示されている。
また、反射剤成分を含有する粘度の高い非シリコーン系のワニスを硬化させて、反射基材を形成している。
これら樹脂製やワニス製の反射基材は、一般的に黄変等耐熱性や耐光性に欠けるうえ、波長405nm以下の波長域の光を吸収するため可視光ばかりか紫外線も反射し難い。とりわけ200~385nmの波長領域の紫外線の反射率が特に悪い。しかもこれら樹脂製やワニス製の反射基材は、安価で成形し易いという特長を有するものの、近年の鉛フロー半田化のためにリフロー工程で300℃前後に加熱されるので熱による黄変により初期劣化したり、また近年の発光波長の短波長化や高出力化等の性能向上に伴い一層高輝度の出射光やそれに伴う高熱に耐え切れず黄変して経時劣化したりして、表面が次第に着色し、くすんでしまい、反射効率の低下を招いてしまう。その結果、初期設計の照明特性が次第に変化し、不十分となって暗くなってしまうという問題がある。さらに、紫外線が樹脂を劣化させ、反射性、特に紫外領域の光の反射性の低下を促進してしまうという問題がある。
しかも、このような樹脂や、液晶ポリマー、ポリアミド、ビスマレイミド・トリアジン(BT)樹脂のような樹脂の組成物は粘性が低すぎて一度に高々数μmしか塗布できず、支持体の下地が透けて見えるうえ充分な反射効率が得られない。無理やり、多量に塗ったとしても、液垂れが生じたり表面ばかり優先的に溶媒揮発や硬化を引き起こして皺を生じたり、また、そのせいで塗工面の中央部と端部とで塗膜厚が不均一になったりしてしまう。そのため支持体へのこのような組成物の塗工・乾燥を繰り返して二次元的な樹脂を何層にも形成して、ようやく、所望の反射率を示す数10μm程度の厚さにして、十分に白色化した反射層を形成していた。
LED光源の発光波長である340~500nmの短波長域から長波長の近赤外線領域の波長、のみならず200nm以上の紫外線の光を、十分に反射でき、発光装置のみならず太陽電池アセンブリ等の配線基板やパッケージケースに用いることができ、耐熱性・耐光性に優れ、紫外線によっても損傷しないで、長期間の使用によって反射率が低下せず、熱伝導性に優れ、200~1000nmの波長光、特に紫外線による劣化を十分に保護できる、汎用性の簡易な紫外線反射保護基材が求められている。
さらに、様々な形状の支持体上に反射保護層が設けられる紫外線反射保護基材の簡便な製造方法が求められている。また、可視光のみならず紫外線を充分に反射しつつ紫外線から支持体等の下地を保護できるように原材料組成物の一度の厚塗りにより簡便に反射層を、充分な反射率を示す程度の厚さの膜状、立体状又は板状に成形できる簡便な紫外線反射保護基材の製造方法が求められている。さらに、これら反射基材及びその製造に有用で、単回の塗布で十分な反射効率を有する紫外線反射保護層を形成できる簡易な組成の原材料組成物が求められている。
特開2006-316173号公報
本発明は前記の課題を解決するためになされたもので、200nm以上の紫外線領域から、それよりも長波長の可視光や近赤外線、又は紫外線を含む太陽光のような光を十分に反射でき、可視領域下限近傍の波長380~405nm程度の領域とそれよりも短波長の200nmまでの紫外光とを含む、LED光源の発光波長200~1000nmの広範囲の短波長から近赤外線波長領域、とりわけ240~500nm程度の短波長から可視光線領域の長波長に至る幅広い波長で反射率が高く、その光が照射されても経時的に黄変したり劣化したりせず、耐光性、耐熱性、耐候性、難燃性に優れ、熱伝導性にも優れ、加熱下での紫外線による劣化を抑制する保護性能にも優れ、機械的にも化学的にも安定で、白色のまま長期間、前記の広範な波長域での高い反射率が維持できるうえ、金属や樹脂への接着性に優れ、発光装置のみならず回路基板、太陽電池アセンブリ等の配線基板やパッケージケースなどとして、簡便に成形できて、生産効率が高く、安価に製造できる、紫外線反射保護層を有する、シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材を提供することを目的とする。
また、本発明は、様々な形状の支持体上へ一度の厚塗りにより紫外線反射保護層を形成できる原材料組成物、及びその原材料組成物を用いて、充分な反射率となる厚さの膜状、立体状又は板状の紫外線反射保護層に成形できる簡便なシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材の製造方法を提供すること別の目的とする。
前記の目的を達成するためになされた本発明のシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材は、シリコーン樹脂と、酸化チタンとしてアナターゼ型酸化チタンのみ及び無機粉末のアルミナを含む白色無機フィラー粉末とを含有する紫外線反射保護層が、前記シリコーン樹脂の重合性シリコーン樹脂原材料と、前記白色無機フィラー粉末と、エポキシ系のシランカップリング剤及びビニル/フェニル系のシランカップリング剤とを含む原材料組成物の硬化物であり、板状に形成されている非変形性のシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材であって、前記紫外線反射保護層が、支持体上に形成されており、前記支持体が、イミド樹脂、ビスマレイミド・トリアジン樹脂、ガラス繊維含有エポキシ樹脂、紙フェノール樹脂、ベークライト、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、アラミド樹脂、ポリエーテルエーテル樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、液晶ポリマー、ポリエーテルスルホン樹脂、シクロオレフィン樹脂、シリコーンゴム、シリコーン樹脂、アルミニウム、銅、又はニッケルで形成されている箔又は板であり、前記紫外線反射保護層が、405nmの波長に対して少なくとも70%の反射率を有する。
シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材は、前記白色無機フィラー粉末が、アルミナ以外の無機粉末を含み、前記紫外線反射保護層が、365nmの波長に対して少なくとも30%の反射率を有することが好ましい。
シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材は、前記白色無機フィラー粉末が、前記無機粉末を含み、前記紫外線反射保護層が、240nmの波長に対して少なくとも30%の反射率を有することがより好ましい。
シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材は、前記無機粉末が、前記アルミナ、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化セリウム、酸化カルシム、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、及び炭酸バリウムから選ばれる少なくとも1つの無機顔料、及び/又は、チッ化アルミニウム、チッ化ホウ素、チタン酸バリウム、カオリン、タルク、シリカ、マイカ粉、粉末ガラス、粉末ニッケル、及び粉末アルミニウムから選ばれる少なくとも1つの別な無機粉末を含むものであってもよい。
シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材は、前記紫外線反射保護層が、前記シリコーン樹脂と前記アナターゼ型酸化チタンとを含む第一反射層、及びシリコーン樹脂と前記アナターゼ型酸化チタン以外の無機粉末とを含む第二反射層の積層体であってもよい。
シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材は、前記積層体が、前記第一反射層の上に前記第二反射層が積層されていることが好ましい。
シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材は、前記紫外線反射保護層の硬さが、ゴム硬度をショアA硬度で少なくとも30乃至鉛筆硬度で最大6Hの範囲とすることが好ましい。
シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材は、前記白色無機フィラー粉末が、アスペクト比を少なくとも5とする、透明又は白色の無機粉末を含んでいるものであることが好ましい。
シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材は、前記アスペクト比を少なくとも5とする、前記透明又は白色の無機粉末が、針状又は柱状であることが好ましい。
シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材は、前記アスペクト比を少なくとも5とする前記透明又は白色の無機粉末が、アナターゼ型酸化チタン、チタン酸カリウム、酸化亜鉛及びマイクロガラス繊維から選ばれる少なくとも一つを含むことがより好ましい。
シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材は、前記シリコーン樹脂が、非環状のジメチルシロキシ繰返単位を主成分として含んでいることが好ましい。
シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材は、前記シリコーン樹脂中に含まれる、シロキシ基繰返単位を4~10とする低分子量ポリシロキサンが、最大でも300ppmであるものであってもよい。
シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材は、前記紫外線反射保護層が、1~2000μmの厚さで形成されているものであってもよい。
シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材は、前記シリコーン樹脂が、屈折率を1.35以上、1.65未満とするものであることが好ましい。
シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材は、前記白色無機フィラー粉末が、シランカップリング処理粉末であってシリコーン樹脂中に分散されていることが好ましい。
シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材は、前記アナターゼ型酸化チタンが、Al、Al、ZnO、ZrO、及び/又はSiOで被覆されていることが好ましい。
シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材は、前記白色無機フィラー粉末が、平均粒径0.05~50μmであって、前記シリコーン樹脂中に、2~80質量%含有されていることが好ましい。
シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材は、前記白色無機フィラー粉末の一部が、前記紫外線反射保護層の表面に露出しているものであってもよい。
シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材は、前記紫外線反射保護層に、前記白色無機フィラー粉末と蛍光体粉末とが分散されつつ含有されているものであってもよい。
シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材は、前記紫外線反射保護層の表面が連続して、ナノメートル乃至マイクロメートルオーダーの凹凸形状、プリズム形状、及び/又は梨地面形状の何れかの非鏡面となっているものであってもよい。
シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材は、前記紫外線反射保護層の表面又は裏面の上に、導電パターンが付されているものであってもよい。
シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材は、前記導電パターンが、銅、銀、金、ニッケル、及びパラジウムから選ばれる少なくとも何れかの金属膜で形成されていることが好ましい。
シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材は、前記金属膜が、めっき被膜、金属蒸着被膜、金属溶射膜、又は接着された金属箔膜であることが好ましい。
シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材は、前記紫外線反射保護層が、発光素子、発光装置及び光電変換素子の何れかの背面、外周及び/又は導光材反射面に、配置されているものであってもよい。
シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材は、前記紫外線反射保護層が、支持体上に形成されており、前記支持体が、イミド樹脂、ビスマレイミド・トリアジン樹脂、ガラス繊維含有エポキシ樹脂、紙フェノール樹脂、ベークライト、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、アラミド樹脂、ポリエーテルエーテル樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、液晶ポリマー、ポリエーテルスルホン樹脂、シクロオレフィン樹脂、シリコーンゴム、シリコーン樹脂、アルミニウム、銅、又はニッケルで形成されている箔又は板であってもよい。
シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材は、例えば前記重合性シリコーン樹脂原材料が、付加型シリコーンであるというものである。
シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材は、アルミニウム、銅、又はニッケルの箔又は板の何れかで形成されている前記支持体と前記紫外線反射保護層との間に絶縁層を有するものであってもよい。
シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材は、前記導電パターンが付された前記支持体を覆う前記紫外線反射保護層が、その研磨面で前記導電パターンを露出しているものであってもよい。
シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材は、例えば前記支持体が、非変形性の硬質乃至剛直な前記板であるというものである。
シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材は、前記紫外線反射保護層が、前記導電パターンが付された前記支持体を部分的に被覆しているものであってもよい。
前記の目的を達成するためになされた本発明のシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材の製造方法は、三次元架橋したシリコーン樹脂へと重合させる重合性シリコーン樹脂原材料と、酸化チタンとしてアナターゼ型酸化チタンのみ及び無機粉末のアルミナを含む白色無機フィラー粉末と、エポキシ系のシランカップリング剤及びビニル/フェニル系のシランカップリング剤とを混合させて分散させ含有させて液状又はグリース状で粘性又は塑性のままの原材料組成物とした後、イミド樹脂、ビスマレイミド・トリアジン樹脂、ガラス繊維含有エポキシ樹脂、紙フェノール樹脂、ベークライト、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、アラミド樹脂、ポリエーテルエーテル樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、液晶ポリマー、ポリエーテルスルホン樹脂、シクロオレフィン樹脂、シリコーンゴム、シリコーン樹脂、アルミニウム、銅、又はニッケルで形成されている箔又は板である支持体上で三次元架橋させて前記シリコーン樹脂へ重合させることにより、非変形性の紫外線反射保護層を板状に形成して、前記紫外線反射保護層が、405nmの波長に対して70%以上の反射率を有するシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材にするものである。
シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材の製造方法は、前記重合が、加熱、加湿、加圧及び紫外線照射の少なくとも何れかにより、なされるものであってもよい。
シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材の製造方法は、前記重合が、金型内での射出成形、又は金型での押圧成形の際、加熱及び/又は加圧により、なされるものであってもよい。
シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材の製造方法は、前記金型の表面が、フッ素樹脂でコーティングされていることが好ましい。
シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材の製造方法は、例えば前記支持体が、非変形性の硬質乃至剛直な前記板であるというものである。
シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材の製造方法は、前記原材料組成物中に前記シリコーン樹脂への三次元架橋の架橋剤を含み、前記重合が加熱によってなされるものであってもよい。
シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材の製造方法は、反応性の官能基を有するシラン化合物又はシロキサン化合物からなる接着性付与成分を混合させて分散させ含有させて液状又はグリース状で粘性又は塑性のままの前記原材料組成物とするものであってもよい。
シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材の製造方法は、前記紫外線反射保護層をスクリーン印刷、コンプレッション成形、又はディスペンサーを用いて、板状に形成するものであってもよい。
シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材の製造方法は、前記反応性の官能基が、ビニル基、フェニル基、アルコキシ基、エポキシ環含有基、(メタ)アクリロイル基、アルコキシシリル基、及びカルボニル基から選ばれる何れかであることが好ましい。
シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材の製造方法は、前記原材料組成物を支持体上に付して、前記紫外線反射保護層を形成し、前記支持体が、イミド樹脂、ビスマレイミド・トリアジン樹脂、ガラス繊維含有エポキシ樹脂、紙フェノール樹脂、ベークライト、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、アラミド樹脂、ポリエーテルエーテル樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、液晶ポリマー、ポリエーテルスルホン樹脂、シクロオレフィン樹脂、シリコーンゴム、シリコーン樹脂、アルミニウム、銅、又はニッケルで形成されている箔又は板であってもよい。
シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材の製造方法は、例えば前記重合性シリコーン樹脂原材料が、付加型シリコーンであるというものである。
シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材の製造方法は、失活又は揮発するまで硬化反応を抑制する反応抑制剤を混合させて分散させ含有させて液状又はグリース状で粘性又は塑性のままの前記原材料組成物とするものであってもよい。
前記の目的を達成するためになされた本発明の原材料組成物は、前記のシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材を形成するために用いられる原材料組成物であって、重合性シリコーン樹脂の原材料と、酸化チタンとしてアナターゼ型酸化チタンのみ及び無機粉末であるアルミナを含む白色無機フィラー粉末と、エポキシ系のシランカップリング剤及びビニル/フェニル系のシランカップリング剤とが含有されている液状又はグリース状で粘性又は塑性である原材料組成物であり、405nmの波長に対して少なくとも70%の反射率を有する前記紫外線反射保護層を、イミド樹脂、ビスマレイミド・トリアジン樹脂、ガラス繊維含有エポキシ樹脂、紙フェノール樹脂、ベークライト、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、アラミド樹脂、ポリエーテルエーテル樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、液晶ポリマー、ポリエーテルスルホン樹脂、シクロオレフィン樹脂、シリコーンゴム、シリコーン樹脂、アルミニウム、銅、又はニッケルで形成されている箔又は板である支持体上に、板状に形成するためのものである
原材料組成物は、前記白色無機フィラー粉末が無機粉末を含み、無機粉末が、前記アルミナ、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化セリウム、酸化カルシム、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、及び炭酸バリウムから選ばれる少なくとも1つの無機顔料、及び/又は、チッ化アルミニウム、チッ化ホウ素、チタン酸バリウム、カオリン、タルク、シリカ、マイカ粉、粉末ガラス、粉末ニッケル、及び粉末アルミニウムから選ばれる少なくとも1つの別な無機粉末を含むものであってもよい。
原材料組成物は、失活又は揮発するまで硬化反応を抑制する反応抑制剤を含み、前記反応抑制剤が、メチルビニルシクロテトラシロキサン;3-メチル-1-ブチン-3-オール、3,5-ジメチル-1-へキシン-3-オール、3-メチル-1-ペンテン-3-オール、及びフェニルブチノ-ルから選ばれるアセチレンアルコール類;3-メチル-3-ペンテン-1-イン、及び3,5-ジメチル-1-へキシン-3-インから選ばれるアセチレン化合物;これらのアセチレン化合物と、アルコキシシラン、アルコキシシロキサン、ハイドロジェンシラン、又はハイドロジェンシロキサンとを反応させたシロキサン変性アセチレンアルコール類;ベンゾトリアゾールである窒素含有有機化合物;有機リン化合物;オキシム化合物;又は有機クロム化合物であるものであってもよい。
原材料組成物は、粘度調整のための有機溶剤及び/又は反応性希釈剤が含まれているものであってもよい。
原材料組成物は、反応性の官能基を有するシラン化合物又はシロキサン化合物からなる接着性付与成分を含み、前記反応性の官能基が、ビニル基、フェニル基、アルコキシ基、エポキシ環含有基、(メタ)アクリロイル基、アルコキシシリル基、及びカルボニル基から選ばれる何れかであるものであってもよい。
原材料組成物は、前記重合性シリコーン樹脂の原材料には、それが三次元架橋したシリコーン樹脂中でシロキシ基繰返単位を4~10とする低分子量ポリシロキサンを最大でも300ppmとなるように、前記低分子量ポリシロキサンを含んでいるものであってもよい。
原材料組成物は、アスペクト比を少なくとも5とする、透明又は白色の無機粉末を含むことが好ましい。
原材料組成物は、前記アスペクト比を少なくとも5とする前記透明又は白色の無機粉末が、アナターゼ型酸化チタン、チタン酸カリウム、及びマイクロガラス繊維から選ばれる少なくとも一つを含むことがより好ましい。
本発明のシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材は、紫外線反射保護層中に、シリコーン樹脂よりも高屈折率のアナターゼ型酸化チタンを含む白色無機フィラー粉末が分散されつつ含有されているので、200nm以上の紫外線領域、特に200nm~380nmの近紫外領域から、LED光源の発光波長340~500nm程度の可視光領域、特に380~400nm付近で高い反射率を示す。また、近赤外線領域、例えば1000nmの長波長までの幅広い波長での高輝度光の反射効率が高く、特に従来反射し難かった青色光や近紫外線のような短波長領域でも反射効率が高く、しかも熱伝導性に優れ劣化しにくいものである。またこのシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材は、隠蔽性に優れ、光漏れを引き起こさず、紫外線からの保護に優れている。
シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材は、紫外線反射保護層が、350nm以上の波長域の光を極めて効率よく反射するアナターゼ型酸化チタンを含んでいると、とりわけアナターゼ型酸化チタンとさらにそれ以外のもので200nm以上例えば220nm以上の波長域の光を反射する無機粉末とを含んでいると、200nm~1000nm特に200nm~780nmまでの広範な波長域での反射効率、特に紫外領域での反射効率が高く、またそれによって有機物を光劣化させ易い紫外線からの保護が十分となる。このようなアナターゼ型酸化チタンとそれ以外の無機粉末とを含むことにより、反射効率と保護との相乗効果を奏する。
シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材は、市販のLEDの照射波長のうち、可視領域の380~405nmの波長光を効率的に反射することができるが、それ以外にも紫外領域の365nm、240nmの波長光をも効率的に反射することができるようになる。
シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材は、紫外線反射保護層がこのようなアナターゼ型酸化チタンを含み好ましくはアナターゼ型酸化チタンとそれ以外の無機粉末とを、単層に含んでいてもよく、別々に単層に含んでこれを積層していてもよく、何れの場合でも、反射効率と保護との相乗的な効果を奏する。
シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材は、紫外線反射保護層がアスペクト比5未満の無機粉末を含有していると、光劣化や加熱冷却による熱膨張の変化に対して紫外線反射保護層の亀裂を抑制し、反射率の低下や保護性能の劣化を抑制する。
シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材は、紫外線などの光や熱による黄変・劣化を生じず、高い反射効率のみならず、耐光性、耐熱性、耐候性、難燃性、安定性を高性能のまま維持でき、耐久性に優れている。
このシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材中の反射層となる紫外線反射保護層は、光や熱による分解や変質を引き起こし難い安定な三次元架橋シリコーン樹脂で形成され、好ましくは、非環状のジメチルシロキシ繰返単位を主鎖中に主成分として含むシリコーン樹脂で形成されている。そのため、熱や光で黄変し易いエポキシ樹脂などよりも遥かに、光や熱に安定で、反射効率のみならず経時的な耐光性とりわけ対紫外線耐光性又は対高輝度光耐光性や、耐熱性や、耐候性のような耐久性、さらに難燃性、加工性に優れ、長期間に亘って黄変を引き起こさず、劣化し難いものである。これにより、シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材は、経時的に反射率を維持しつつ、照射される紫外線から支持体や周辺材料を保護することができ、それらの紫外線による劣化を長期に亘り防止することができる。このシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材は、長期間経過しても、紫外線反射保護層が白色のままであるので、高反射性が維持できる。
このシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材は、熱や光に安定なシロキシ繰返単位に起因して、白色無機フィラー粉末、特に分解触媒活性が極めて高いアナターゼ型酸化チタンを含有していてさえ、高輝度発光ダイオードや直射日光や高温に長期間曝されても、黄変も劣化もしない。
このシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材は、白色無機フィラー粉末、特にアナターゼ型酸化チタンにより、可視光のみならず紫外線に対して高い反射率を有し、優れた反射効率で可視光及び紫外線を有効活用することができる。また、シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材において紫外線等の光劣化や加熱冷却による熱膨張の変化に対して亀裂・ひび割れ・裂け目等を引き起こさず損傷を生じることがない。さらにシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材が、照射される紫外線から支持体や周辺材料を保護し、それらの紫外線による劣化を防止することができる。
このシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材は、用いる白色無機フィラー粉末を適宜選択することで各波長域における反射性や耐紫外線劣化を調節したり、必要となる波長域に対して選択的に高い反射率を保持したりすることができ、目的用途に応じた各機能性を選択的に向上させることができる。
このシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材は、紫外線反射保護層に白色無機フィラー粉末や蛍光体が分散され表面からそれらの粒子が露出していると、可視光のみならず200nm以上の紫外線領域の光における反射率が向上するので、発光装置に実装したときの照射効率を向上させることができる。
特にフッ素変性シリコーンゴム、ジメチルシリコーンゴムなどの屈折率が比較的小さいシリコーンゴム原材料を用いると、白色無機フィラー粉末や蛍光体の表面に接する低屈折率のシリコーンゴム原材料との間の屈折率の差が大きくなり、可視光のみならず紫外線に対する反射が効率よく行われ、露出された白色無機フィラー粉末や蛍光体の表面からより効率的に光が反射、発光されるので望ましい。
このシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材の紫外線反射保護層の表面が、鏡面となって反射するものであってもよいが、100nm~10μm程度のナノメートル乃至マイクロメートルオーダーの凹凸形状、プリズム形状、サンドブラスト処理などによる梨地面形状となって非鏡面であると、拡散し易くなって拡散反射率が向上し、可視光及び紫外線等の光の反射ムラを低減することができる。
また、このシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材は、シリコーン樹脂が酸素原子及び/又は架橋性官能基を介して三次元架橋しているので、そのシリコーン樹脂を有する紫外線反射保護層が支持体上で膜状、立体状又は板状に形成できる。また、白色無機フィラー粉末及び重合性シリコーン樹脂原材料を含む液状組成物又はグリース状若しくは塑性の原材料組成物は、最大で2000μmもの厚さに塗工した後に、三次元架橋させて硬化させ、紫外線反射保護層を形成することができる。そのため、シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材は、紫外線反射保護層を可視光のみならず紫外線を出射する発光装置や光学素子の配線基板やアセンブリやパッケージケースに応じた自在な形状にすることが可能であるので、汎用性が高い。また、原材料組成物は、パッケージケースなどの部品を支持体に接着する接着剤を兼ねた反射材を形成するのにも用いることができる。
シリコーン樹脂中のSi原子の1~4個の三次元架橋した各モル数量、酸素原子を介したエーテル結合や架橋性官能基を介した縮合型又は付加型結合のような結合様式を適宜調整することにより、重合性シリコーン樹脂原材料組成物を高粘度にして厚塗り可能に、形成される。また、シリコーン樹脂中に、表面張力が低くて溶融金属などをはじき易い揮発性の残留低分子シロキサンの含有量が少ないと、導電パターンのような金属と、発光ダイオードのような素子の導線との半田付けなどの配線加工を施し易い。
しかもこのシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材は、物理的な研磨・粗面化やざらついた金型による金型成形や化学的なケミカルエッチングのような表面処理によって、その表面自体がナノメートル乃至マイクロメートルオーダーで粗面化又は凹凸化することによって乱反射し易くなると共に、反射性の白色無機フィラー粉末が露出して反射効率が高波長側で90%程度から97~98%程度にまで約数%も一層向上したものとなる。またこのような表面処理されたシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材は、露出した白色無機フィラー粉末の表面がシランカップリング処理されていると金属との接着が容易になり、表面粗さによるアンカー効果、シランカップリングによる化学的結合の向上により難接着性のシリコーン樹脂の表面においても、金属めっき等の金属膜が施され易くなっている。また、反射層自体の強度も向上する。さらに粗面化することにより、ゴミ、異物の付着防止又はゴミ、異物の除去が一層容易になる。
とりわけこのシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材は、導電パターンの付された支持体や配線(回路)基板を覆う紫外線反射保護層が研磨され、導電パターンが露出していたり、導電パターンの付された支持体が紫外線反射保護層で部分的に被覆されていたりすると、支持体や配線基板上の導電パターン部位以外が全て反射層となるので、紫外線、可視光、近赤外線のような200~1000nm、好ましくは200~780nm、さらには240~500nm、特に380~405nmの反射効率が極めて高いものとなっている。研磨は、鏡面研磨であっても粗面研磨であってもよく切削研磨であってもよい。
このシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材は、簡便な工程で簡易に、均質で高品質のものを精密に、確実かつ大量に、安価で製造できるものであるため、生産性が高いものである。
また、このシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材は、200~1000nmの波長域、とりわけ可視光のみならず紫外線を出射する発光ダイオードのような発光素子や、太陽電池素子のような光電変換素子等の各種光学素子のための配線基板やパッケージケース、バックシートその他照明器具部材等の電気部材など様々な分野の機器における紫外領域から近赤外領域までの反射保護基材として、汎用的に用いることができる。
また、本発明のシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材の製造方法によれば、高粘度の重合性シリコーン樹脂原材料組成物を用いて、液垂れすることなく、2000μmもの厚塗りができる。しかも、この製造方法によれば、支持体上に紫外線反射保護層が付される場合、支持体の材質・形状・表面の凹凸性や平滑性の大小又は広狭・硬軟・厚さに関わらず、反射効率と保護との相乗効果を奏するシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材を製造することができる。
そのため、射出成形(LIMS)や、押圧用金型・ローラーなどを用いたスタンプ成形、ディスペンサーでの成形、噴霧や塗布のような塗工によって、三次元架橋したシリコーン樹脂へと重合させて、1~10μmの薄膜から2000μmの厚膜乃至板、又は立体形状に、紫外線反射保護層を形成することができる。これらに用いる金型は、フッ素樹脂例えばポリテトラフルオロエチレン等の離型剤でコーティングされていることが好ましい。
また、この原材料組成物を用いて、紫外線反射保護層を形成するには、シリコーン樹脂原材料組成物を、直接、又は適当な粘度に調整した後、スクリーン印刷、バーコーター、ロールコーター、リバースコーター、グラビアコーター、エアナイフコーター、スプレーコーター、カーテンコーターにより、さらに薄膜の塗工には、高精度のオフセットコーター、多段ロールコーターなどの公知の塗布方法により、塗布してもよい。この厚塗りは、一度でも所期の形状を形成できるため、塗工・乾燥を繰り返す必要がない。
しかも重合性シリコーン樹脂原材料組成物は、適宜溶媒で希釈して用いても、エポキシ樹脂等の原材料組成物のような加熱による硬化時の粘度低下を惹き起さないので、加熱時に変形を起こさずにそのまま硬化し所望の形状・厚さの紫外線反射保護層を形成することができる。
このような重合は、加熱、加湿、紫外線照射や必要により加圧下で簡便に完了し、支持体への接着性に優れた紫外線反射保護層を形成する。そのためこの製造方法は、加工特性に優れ、生産効率が高く、如何なる形状の紫外線反射保護基材でも製造できるので、汎用性に優れ、大量の工業生産に適している。
このシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材の製造方法は、フッ素樹脂で蒸着されたり噴霧塗装されたりして0.1mm程度にコーティングされた金型を用い離型し易くして、所望の任意の形状、任意の表面粗さの紫外線反射保護層を、正確かつ再現性良く、形成することができ、歩留り・生産効率を一層向上させることができる。
このシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材の製造方法は、重合性シリコーン樹脂原材料に、三次元架橋の架橋剤と、及び白色無機フィラー粉末が含有されているシリコーン樹脂原材料組成物を用いることにより、長期間、室温下で安定に保管でき、加熱開始までは重合されないが加熱によって確実に重合が開始し短時間で重合が完了して紫外線反射保護層を形成するので、生産効率の向上に資する。
このシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材の製造方法は、それの原料組成物中、必要に応じて含有される、加熱によって失活又は揮発する反応抑制剤によって、温度依存性及び架橋開始温度制御性を調整し、保存時の不意の硬化を抑制し、所望の硬化処理時に速やかに反応させることができるようになる。また、それの原料組成物中、必要に応じて含有される、接着性付与成分によって、支持体のような被接着体との接着性が向上し、紫外線反射保護層が剥離しない頑健な紫外線反射保護基材を得ることができるようになる。
本発明を適用するシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材を用いた発光装置を示す模式断面図である。 本発明を適用する別なシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材21を用いた発光装置を示す模式断面図である。 本発明を適用する別なシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材10の金型成形による製造過程、及びそれを用いた発光装置1の製造過程を示す模式断面図である。 本発明を適用する別なシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材20の金型成形による製造過程を示す模式断面図である。 本発明を適用する別なシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材20の塗工による製造過程を示す模式断面図である。 本発明を適用する別なシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材10の研削による製造過程を示す模式断面図である。 本発明を適用する別なシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材20の研削による製造過程を示す模式断面図である。 本発明を適用する別なシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材10の盛上による製造過程を示す模式断面図である。 本発明を適用する別なシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材20の噴霧塗装による製造過程を示す模式断面図である。 本発明を適用する別なシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材10を用いた太陽電池を示す模式断面図である。 本発明を適用するシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材における照射波長と反射率との相関関係を示す図である。 本発明を適用する、シリコーン樹脂の種類を変えた、シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材の加熱の有無における照射波長と反射率との相関関係を示す図である。 本発明を適用するシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材の研磨前後における照射波長と反射率との相関関係を示す図である。 実施例1~3及び参考実施例1~7で作製した本発明のシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材、及び本発明を適用外の反射基材における照射波長と反射率との相関関係を示す図である。 実施例4及び参考実施例8で作製した本発明の各シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材における照射波長と反射率との相関関係を示す図である。 UV照射機の光源の分光特性を示す図である。 実施例1及び実施例3と参考実施例1~3及び参考実施例7とで作製した本発明のシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材の加熱及びUV照射処理後における基板側(背面側)の写真である。 実施例3で作製した本発明のシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材の加熱及びUV照射処理後における照射波長と反射率との相関関係を示す図である。 実施例1及び参考実施例2で作製した本発明のシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材の経時的な加熱及びUV照射処理後における照射波長と反射率との相関関係を示す図である。 実施例1及び参考実施例2で作製した本発明のシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材の経時的な加熱及びUV照射処理後における基板側の写真である。 本発明を適用外であるエポキシ樹脂製反射基材の加熱及びUV照射処理後における基板側及び反射保護層側の写真である。
以下、本発明を実施するための形態について、図1~10を参照しながら詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの形態に限定されるものではない。
先ず、本発明のシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材10・20の好ましい一形態について、図1を参照しながら、詳細に説明する。
本発明のシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材10・20は、図1の通り、発光装置の一種である照明器具1に組み込まれるもので、発光素子である発光ダイオード13を装着する配線パターンである銅箔15a・15bを有し、支持体16上に紫外線反射保護層17aが設けられて配線基板にしたシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材20と、その発光素子13を取り巻くパッケージケースである別なシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材10とに、用いられている。
このようなパッケージケースや配線基板であるシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材10・20は、シリコーン樹脂に、それよりも高屈折率の白色無機フィラー粉末が分散されつつ含有された紫外線反射保護層17a・17bが、支持体上16で膜状、立体状又は板状に形成されている。シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材10は、紫外線反射保護層17bであってもよい。シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材20は支持体16と紫外線反射保護層17aであってもよいが、紫外線反射保護層17aのみからなっていてもよい。
シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材10・20の紫外線反射保護層17a・17bは、シリコーン樹脂がむき出しになっており、そこで白色無機フィラー粉末12a・12bである例えばアナターゼ型酸化チタン粒子が含有されその一部が露出している。シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材10・20は、紫外線反射保護層17a・17bが白色を呈し、しかも優れた隠蔽性を有するから、光を漏洩しないようになっている。さらにその部位で、200mm以上の紫外線領域から反射率を有し、380~420nmの短波長側の可視光から長波長の近赤外線までにわたる光の反射率が、極めて高くなっている。
このシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材10・20は、405nmの波長に対して70%以上の反射率を有するものである。さらに、365nmの波長に対して30%以上の反射率、240nmの波長に対して30%以上の反射率を有するものであると一層好ましい。
このようにシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材10・20は、紫外線反射保護層17a・17bによって高反射率であり、高輝度光に長期間曝されても黄変せず白色を維持でき、しかも高い機械的強度を有し、優れた耐光性、耐熱性、耐候性を示すので、耐久性に優れている。このシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材10・20の紫外線反射保護層17a・17b中に含まれる白色無機フィラー粉末12a・12bは、アナターゼ型酸化チタンに限られず、他の無機粉末が含まれていてもよい。この紫外線反射保護層17a・17bは、単層で形成されたものに限られず、複数層が積層され形成された積層体であってもよい。従って、紫外線反射保護層17a・17bの単層中に、その白色無機フィラー粉末12a・12bが、複数種の無機粉末を混合して含んでいるものであってもよく、各層で白色無機フィラー粉末12a・12bに含まれる無機粉末が異なり、層を隔てて異なる種類の無機粉末を含むものであってもよい。
シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材10・20の紫外線反射保護層17a・17b中、シリコーン樹脂100質量部に対し、白色無機フィラー粉末12a・12bが3~400質量部含まれていることが好ましい。また、シリコーン樹脂中に、白色無機フィラー粉末12a・12bが2~80質量%、好ましくは30~70質量%、更に好ましくは40~60質量%含有されていることが好ましい。シリコーン樹脂中に、白色無機フィラー粉末12a・12bが80質量%を超えると、均質に分散しなくなり、2質量%未満であると白色性や隠ぺい性に欠ける。白色無機フィラー粉末は、平均粒径0.05~10μmであると一層好ましい。
白色無機フィラー粉末12a・12bは、アナターゼ型酸化チタンのみからなるものであってもよい。また、白色無機フィラー粉末12a・12bは、上記のような単一種類からなるものに限られず、異なる種類からなる白色無機フィラー粉末であって、その組み合わせを適宜選択することができ、例えばアナターゼ型酸化チタンとアナターゼ型酸化チタン以外の無機粉末とを併せて含むものであってもよく、2種以上の異なる無機粉末を含むものであってもよい。積層の紫外線反射保護層とした場合は、そのうちの一層がアナターゼ型酸化チタン以外の無機粉末のみからなるものであってもよい。尚、この無機粉末としてアナターゼ型酸化チタンを含むものであってもよい。
アナターゼ型酸化チタン以外の無機粉末としては、例えばアルミナ、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化セリウム、酸化カルシム、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウムのような無機顔料;チッ化アルミニウム、チッ化ホウ素、チタン酸バリウム、カオリン、タルク、シリカ、マイカ粉、粉末ガラス、粉末ニッケル、粉末アルミニウムのような無機粉末が挙げられる。405nmの波長に対して70%以上の反射を条件に、ルチル型酸化チタンを含んでもよい。ただし、ルチル型酸化チタンは405nm以下の反射率の改善には寄与しない。無機粉末同士組み合わせて用いてもよく単独で用いてもよい。
紫外線反射保護層17a・17b中、白色無機フィラー粉末12a・12bがアナターゼ型酸化チタンを含む場合、405nmの波長に対して反射率70%以上であることが好ましく、又はアナターゼ型酸化チタン以外の無機粉末をさらに含む場合、シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材10・20の反射率は、365nmの波長に対して30%以上であることが好ましく、40%以上であるとより好ましく、50%以上であると更に好ましく、240nmの波長に対して30%以上であると好ましく、40%以上であるとより好ましく、45%以上であると更に好ましく、55%以上、更に60%以上であるとより一層好ましい。
白色無機フィラー粉末12a・12bがアナターゼ型酸化チタン及び無機粉末を含む場合、アナターゼ型酸化チタンに対して無機粉末をどのくらい含有するかは、無機粉末の種類や紫外線領域の反射率を上げる割合によって調整される。例えば、アルミナ粉末を用いる場合は、405nmの波長に対して70%以上の反射率を維持しつつ、紫外線365nmの波長に対して30%以上の反射率を得るためには、アナターゼ型酸化チタンに対して、5質量%以上、60質量%以下が好ましい。
尚、場合により、可視光領域の反射率を重視しないで、紫外線領域の反射率を重視する場合もあり得る。紫外線反射保護層17a・17b中、白色無機フィラー粉末12a・12bがアナターゼ型酸化チタンを含まず無機粉末を含む場合、シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材10・20の反射率は、405nmの波長に対して50%以上であること好ましく、60%以上であるとより好ましく、85%以上であると更に好ましく、240nmの波長に対して40%以上であると好ましく、45%以上であるとより好ましく、55%以上である更に好ましく、60%以上であるとより一層好ましい。
また、紫外線反射保護層17a・17b中に、アスペクト比を少なくとも5とする透明又は白色の無機粉末を含んでいることが好ましい。このアスペクト比を少なくとも5とする透明又は白色の無機粉末は、アナターゼ型酸化チタンであってもよく、上記で例示した無機粉末であってもよい。従って、白色無機フィラー粉末12a・12bの全てが、アスペクト比を少なくとも5とする無機粉末であるアナターゼ型酸化チタンであってもよく、アナターゼ型酸化チタン以外のアスペクト比を少なくとも5とする無機粉末であってもよい。また白色無機フィラー粉末12a・12bの一部に、アスペクト比を少なくとも5とするアナターゼ型酸化チタンや無機粉末を単独又は複数種の組合せで含むものであってもよい。具体的には、アスペクト比を少なくとも5とするアナターゼ型酸化チタン及び/又はアスペクト比を少なくとも5とする無機粉末と、それ以外のアナターゼ型酸化チタン及び/又は無機粉末が混合されたものが挙げられる。
アスペクト比を少なくとも5とするとは、無機粉末の短軸が、例えば0.001μm以上で5.0以下、好ましくは、0.05μm以上で2.0μm以下、更に好ましくは0.1μm以上で1.0μm以下の平均短軸径に対し、最低でも5倍の平均長軸径を有する無機粉末を示すものである。アスペクト比が、10~600であることが好ましく、20~300であると一層好ましく、30~200であるとなお一層好ましい。アスペクト比が5未満であると、光劣化や加熱冷却による熱膨張の変化に対して紫外線反射保護層の亀裂を抑制することができにくい。アスペクト比が600を超えると、紫外線反射保護層を形成する過程で原材料組成物に配向性が生じたり均質性が低下し、加工性が悪くなる。アスペクト比を少なくとも5とする透明又は白色の無機粉末を含んでいると、例えば紫外線反射保護層が30μmの厚さより厚くても、シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材を320℃で5分間加熱処理のような高温に曝されたときに、室温まで放冷されても、紫外線反射保護層が損傷・ひび割れを引き起こさない。目視でも顕微鏡観察でも確認されない。
アスペクト比を少なくとも5とする透明又は白色の無機粉末は、針状又は柱状であることが好ましく、例えばチタン酸カリウム、より具体的には短軸径(繊維幅)が0.3~0.6μmで長軸径(繊維長)が10~20μmであってKO・8TiOで示される白色針状結晶のティスモDやKO・6TiOで示される白色針状結晶のティスモN(何れも大塚化学株式会社製の商品名)、針状又は柱状酸化チタン、より具体的には短軸径が0.05~0.6μmで長軸径が1~10μmでありアスペクト比が8~25の範囲にある針状又は柱状酸化チタン、例えば、FTL-100、FTL-200、FTL-3100(何れも石原産業株式会社製の商品名)、針状単結晶酸化亜鉛、具体的には平均繊維長さ6~12μmの針状酸化亜鉛のパナテトラ(アムテック社製の商品名)、また、透明なものとして、マイクロガラス繊維として0.6~3.5μmの超極細ガラス繊維フィラトミクタ(日本無機社製の商品名)が挙げられる。これらの中の少なくとも1種類を用いる。尚、柱状又は針状は、柱状又は針状の部分が分岐するようになっていてもよい。
シリコーン樹脂にアルミナや硫酸バリウムのような無機白色顔料のみを分散可能な最大量を含有させても、光の漏洩を生じる恐れがあるが、このような無機白色顔料と共に酸化チタン特に隠蔽力の大きいアナターゼ型酸化チタンが共存していると、光の漏洩が無くなるので一層好ましい。
紫外線反射保護層17a・17bが、405nmの波長に対して反射率70%以上を得ることを条件に熱伝導性改善のために、チッ化アルミニウム、チッ化ホウ素(六方晶・立方晶)、アルミナを配合することが好ましい。なお、これらの熱伝導性材料をシリコーン樹脂に分散充填し、別途熱伝導層又は熱伝導部材として、本発明のシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材10・20を構成する一部として積層又は載置してもよい。
紫外線反射保護層17a・17b表面での光の散乱を増加させ反射率を向上させるために、白色無機フィラー粉末と共に、蛍光体を紫外線反射保護層17a・17bに含有させ、それら粒子を表面から露出させ、光を直接反射したり、光で基底状態から励起状態を経て基底状態へ戻るときに発する蛍光やりん光を発光させたりしてもよい。このような蛍光体として、ハロゲン化リン酸塩蛍光体やEu等の希土類金属含有蛍光体やYAG(イットリウム アルミニウム ガーネット)蛍光体のような無機蛍光物資や有機蛍光物質が用いられる。
その他、補強材としては、シリカ、カオリン炭酸カルシウム、炭酸亜鉛のような補強性無機充填材;シリコーンレジン粉末のような補強性有機充填材などが配合されていてもよい。ケイ酸カルシウム、二酸化チタン等の非補強性無機充填材が配合されていてもよい。これらの補強材は、これ以外の成分の総量100質量部に対し、0~200質量部用いられる。
シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材10・20の紫外線反射保護層17a・17b中の白色無機フィラー粉末12a・12bは、アナターゼ型酸化チタンを含むため、近紫外LED、青色LEDの波長を反射することができる。アナターゼ型酸化チタンが、シリコーン樹脂100質量部に対し3質量部より少ないと十分な反射性が得られず、一方400質量部を超えると加工性が困難となり生産性が低下してしまう。アナターゼ型酸化チタンは、シリコーン樹脂100質量部に対し、30~300質量部含まれているとなお一層好ましい。アナターゼ型酸化チタンは、形状に制限がなく任意の粒形状のもの、例えばフレーク状、不定形状、又は球状の粒子が使用できるが、その粒径が0.05~50μm、好ましくは0.05~30μm、一層好ましくは0.1~10μmであり、また、アナターゼ型酸化チタン表面をAl、Al、ZnO、ZrO、及び/又はSiOなどで処理したアナターゼ型酸化チタンを用いると、アナターゼ型酸化チタンの光触媒による有機質の酸化分解反応を抑制することができるため、より長期間の使用に耐えることができる。
シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材10・20の紫外線反射保護層17a・17bに含有された白色の酸化チタン粉末、特にアナターゼ型酸化チタン粉末は、ルチル型酸化チタンと比較し、遥かに分解触媒活性作用が大きい。アナターゼ型酸化チタン粉末は、無機物からなるタイルや外壁材のような建材などに添加されその建材表面に付着した塵埃等の付着異物を分解するほどの強力な光分解触媒として作用するものであるから、通常、ポリカーボネート、ポリフタルアミド、ポリエーテルエーテルケトンのような熱可塑性樹脂等の様々な高分子化合物に添加されるとそれを分解し黄変させたり、劣化してひび割れを生じさせたりしてしまう。しかし、シリコーン樹脂、特にジメチルシロキシ繰返単位を主成分として含むシリコーン樹脂は、アナターゼ型酸化チタンに対しても化学的に安定であるから、このシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材10・20は長期間に亘り黄変のような変質も変形もしない。さらにアナターゼ型酸化チタン粉末の表面に、Al、Al、ZnO、ZrO、及び/又はSiOなどで表面処理を行うと、分解触媒活性作用が抑制され、より長期間に亘り黄変のような変質を防止できたり、シリコーン樹脂への分散性が向上して紫外線反射保護層17a・17bの反射率が一層向上したりする。表面処理は、アナターゼ型酸化チタンと、これらの表面処理剤と混練、又はこれら表面処理剤を含有する懸濁液への浸漬又は噴霧等によって施される。市販の表面処理アナターゼ型酸化チタンを用いてもよい。アナターゼ型酸化チタンが表面処理されていると白色性が高まり、反射層の反射率が一層向上する。
このシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材10・20の紫外線反射保護層17a・17bの表面が、100nm~10μm程度のナノメートル乃至マイクロメートルオーダーの凹凸形状、角錐状や角柱状のプリズム形状、エッチング処理やサンドブラスト処理などによる梨地面形状となって非鏡面であると、入射した光が四方八方へ拡散し、鏡面のような特定方向への反射よりも拡散反射率が向上し、光の反射ムラを低減して、白色度が高くなって、反射効率が一層向上する。
このシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材10・20の紫外線反射保護層17a・17bは、主鎖中に非環状のジメチルシロキシ繰返単位〔-Si(-CH)-O-〕を主成分として含むシリコーン樹脂、例えば屈折率が1.41であるポリジメチルシロキサンを含んでなるシリコーン樹脂や、主鎖にポリジメチルシロキサンとし主鎖同士が三次元架橋したシリコーン樹脂に、それよりも高屈折率のアナターゼ型酸化チタンを含む白色無機フィラー粉末12a・12bが、含有されたものである。
主鎖中に非環状のジメチルシロキシ繰返単位を主成分として含むシリコーン樹脂は、特に限定されず、硬質シリコーン樹脂、軟質シリコーン樹脂、シリコーンゴムを、包含するものである。シリコーン樹脂は、用途に応じて使い分けるとよい。例えばケーシングなどの立体状に用いる場合は、形状安定の意味から硬質又は軟質のシリコーン樹脂であることが好ましい。支持体が可撓性の材料である場合はシリコーンゴムであることが好ましい。後述する図6,7のように研削により製造される場合は、硬質シリコーン樹脂、軟質シリコーン樹脂であると、所望の厚さに精度良く調整できるので好ましい。
紫外線反射保護層17a・17bの硬さは、ショアA硬度において30以上、より好ましくは50以上であり、及び/又は、鉛筆硬度において6H以下、好ましくは4以下である。ショアA硬度が30未満である場合、柔らかすぎて傷が付きやすく、また埃が付着し易くなる。一方、鉛筆硬度が6Hを超える場合、硬すぎるせいで、屈曲した際、ひびが入ったりする。
このようなシリコーン樹脂に白色無機フィラー粉末を含有した紫外線反射保護層17a・17bの硬度について、紫外線反射保護層17a・17bを単独で用いる場合や、支持体16の上に設ける場合には支持体16の種類に応じて、選択して用いる。支持体16がフィルムのような場合は変形が自在であるが、変形の際、座屈して傷がつかない硬さが必要である。極端に硬いと支持体16との熱膨張率の差により、支持体16と紫外線反射保護層17a・17bの間に剥離やクラックが発生したりする。一般的には、JIS A型硬度計による測定でのショアA硬度で90以下、JIS D型硬度計による測定でのショアD硬度で30未満であると、触ったときの感触でゴムであるという感覚であるが、本願発明においては、ショアD硬度で50以下をゴムの領域として捉えることができ、また、ショアD硬度で40~60までは軟質の樹脂反射層、60を超えるとゴム性はなくなり、樹脂性の高い反射層ということができる。
このようなシリコーン樹脂は、酸素原子及び/又は架橋性官能基を介して、同一主鎖の次の繰返単位又は別な主鎖の繰返単位のSi原子に結合して三次元架橋しているもので、ポリ(ジメチルシロキサン)構造を主鎖とし、その他のポリ(ジアルキルシロキサン)構造やポリ(ジフェニルシロキサン)のようなポリ(ジアリールシロキサン)構造やポリ(架橋性官能基由来架橋基含有シロキサン)を部分的に有していてもよい。
シリコーン樹脂は、より具体的には以下のような物質が挙げられ、三次元的な架橋構造を有することにより、硬質性若しくは軟質性で非弾性、又はゴム弾性を発現している。
本発明のシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材の紫外線反射保護層17a・17bを形成するために用いられるシリコーン樹脂原材料組成物は、付加反応硬化型、有機過酸化物硬化型、縮合硬化型のような種々の硬化型のものが挙げられるが、硬化時間を短縮して製造効率を向上させる観点から、付加反応硬化型のものが好ましい。更に付加反応硬化型のものは、硬化時に硬化収縮が小さくフィルムに塗工し、硬化させた際フィルムの皺の発生を防止することができる。
例えば、このような主鎖中に非環状のジメチルシロキシ繰返単位を主成分として含むシリコーン樹脂は、より具体的には重合度5000~10000程度で平均分子量約40万~80万の高分子体である。このシリコーン樹脂は、ジメチルシロキシ繰返単位〔-Si(-CH)-O-〕のみからなるポリジメチルシロキサン、所謂ジメチル系シリコーンであってもよく、〔-Si(-CH)-O-〕と〔-Si(-CH)(-CH=CH)-O-〕又は更に〔-Si(-CH)(-C)-O-〕とを含むような所謂メチルビニル系シリコーン又はメチルフェニルビニル系シリコーンであってもよい。
そのようなシリコーン樹脂原材料組成物中のシリコーン樹脂原材料は、主要成分として、分子中に単一又は複数のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン、分子中に単一又は複数のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、白金族金属系触媒含有ポリシロキサンが挙げられる。また、金属粉含有のせいによる体積抵抗率の低減を防止しつつ非導電性を確実に発現するため、オルガノポリシロキサンに対し質量比で0.2%以上の微粉末シリカを含有していてもよい。更に、このシリコーン樹脂原材料組成物は、支持体との密着性・接着性を向上させるために、エポキシ基、アルコキシシリル基、カルボニル基、フェニル基のような反応性の官能基を有する接着性付与成分を含有していてもよい。
また本発明のシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材の紫外線反射保護層17a・17bを形成するのに用いられるシリコーン樹脂は、別な架橋性官能基で三次元架橋していてもよい。このような三次元架橋したシリコーン樹脂は、その途中のSi基が、アルキルオキシシリル基やジアルキルオキシシリル基、ビニルシリル基やジビニルシリル基、ヒドロシリル基やジヒドロシリル基であったり、それらの基が複数存在したりすることにより、それら官能基を介して、非環状のジメチルシロキシ繰返単位の主鎖同士が、網目状に三次元的に架橋したものである。シリコーン樹脂は、これら架橋性官能基によって直接的に、及び/又はシランカップリング剤を介して間接的に、主鎖同士が三次元的に架橋していてもよい。その主鎖同士は、夫々の架橋性官能基の間や、架橋性官能基とシランカップリング剤との間で、夫々のアルキルオキシシリル基又はジアルキルオキシシリル基同士が脱アルコール化反応により縮合して架橋したり、ビニルシリル基やジビニルシリル基とヒドロシリル基やジヒドロシリル基とが白金錯体等の白金触媒存在下で、無溶媒中、加熱や光照射によって付加して架橋したりしたものである。シリコーン樹脂はその中でも、付加して架橋したものであることが好ましい。シリコーン樹脂は、主鎖をなすジメチルシロキシ基(-Si(CH)-O-)の繰返単位とジフェニルシロキシ基(-Si(C)-O-)のような繰返単位とを有するものであってもよい。シリコーン樹脂は、主鎖のジメチルシロキシ基の繰返単位を有し、アルキルオキシシリル基、ジアルキルオキシシリル基、ビニルシリル基、ジビニルシリル基、ヒドロシリル基、ジヒドロシリル基で架橋したものであると、一層好ましい。
三次元架橋したシリコーン樹脂は、例えば重合性シリコーン樹脂原材料が三次元架橋して硬化することによって得られる。より具体的には、付加反応硬化型のシリコーン樹脂の原材料を例に説明すると、熱硬化によりシリコーン樹脂を形成するもので、例えば、オルガノポリシロキサンをベースポリマーとし、オルガノハイドロジェンポリシロキサン及び白金系触媒等の重金属系触媒を含むものが挙げられる。
上記オルガノポリシロキサンとしては、下記平均単位式
1 SiO(4-a)/2
(式中、Rは非置換又は置換一価炭化水素基で、好ましくは炭素数1~10、特に1~8のものである。aは0.8~2、特に1~1.8の正数である。)
で示されるものが挙げられる。ここで、Rとしてはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基、ブテニル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基等のアラルキル基や、これらの炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換されたクロロメチル基、クロロプロピル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基等のハロゲン置換炭化水素基、或いはシアノ基で置換された2-シアノエチル基等のシアノ基置換炭化水素基などが挙げられ、Rは同一であっても異なっていてもよいが、Rとしてメチル基、特にジメチルシロキシ基を主成分となるようなメチル基であるものが、反射性発現、耐熱性・耐久性等の観点から好ましい。
また、Rとしてビニル基等の炭素数2~8のアルケニル基を含むもの、特に全Rのうちの1~20モル%がアルケニル基であるものが好ましく、中でもアルケニル基を1分子中に2個以上有するものが好ましく用いられる。このようなオルガノポリシロキサンとしては、例えば、末端に、及び/又は主鎖の途中にビニル基等のアルケニル基を有するジメチルポリシロキサンやジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体等、末端に、及び/又は主鎖の途中にアルケニル基含有ジオルガノポリシロキサンが挙げられ、特に、常温で液状のものが好ましく用いられる。
より具体的には、このようなアルケニル基含有オルガノポリシロキサンは、
2-[Si(R3)2-O]-[Si(R3)(R4)-O]-R2
(Rは同一又は異なり前記Rで例示されたメチル基等の飽和炭化水素基若しくはフェニル基等の芳香族炭化水素基又は前記Rで例示されたアルケニル基、Rは同一又は異なり前記Rで例示された飽和炭化水素基若しくは芳香族炭化水素基、Rは前記Rで例示されたアルケニル基、b、cは正数)で模式的に示されるもので、ブロック共重合であってもランダム共重合であってもよいものである。
このようなアルケニル基含有オルガノポリシロキサンは、直鎖状であっても、分子構造の一部に分枝状の構造を含んでいてもよく、環状体であってもよい。三次元架橋したシリコーン樹脂を含んでいる紫外線反射保護基材17a・17bの機械的強度、弾性、耐繰り返し屈曲性などの物性の点から直鎖状のジオルガノポリシロキサンが好ましい。アルケニル基含有オルガノポリシロキサンは、その繰り返し単位の繰り返し数が、10~10000であることが好ましい。このようなアルケニル基含有ジオルガノポリシロキサンは、25℃における粘度が10~1,000,000cSt程度のものが好ましい。
一方、オルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、直鎖状、分岐状、環状、或いは三次元網状であって、単数又は複数、好ましくは3官能以上(即ち、1分子中にケイ素原子に結合する水素原子(Si-H基)を3個以上有するもの)が好ましく、末端に、及び/又は主鎖の途中にSi-H基を有するものであれば、特に限定されないが、例えば、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルハイドロジェンポリシロキサン等が挙げられ、特に、常温で液状のものが好ましい。また、触媒としては、白金、白金化合物、ジブチル錫ジアセテートやジブチル錫ジラウリレート等の有機金属化合物、又はオクテン酸錫のような金属脂肪酸塩などが挙げられる。これらオルガノハイドロジェンポリシロキサンや触媒の種類や量は、架橋度や硬化速度を考慮して適宜決定すればよい。
前記オルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、下記平均単位式
5 SiO(4-d-e)/2
(式中、RはRで例示された基、特に飽和炭化水素基、d及びeは、0<d<2、0.8≦e≦2となる数)で表されるものである。
具体的には、このようなオルガノハイドロジェンポリシロキサンの例としては、1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7-テトラメチルテトラシクロシロキサン、1,3,5,7,8-ペンタメチルペンタシクロシロキサン等の末端にSi-H基を有するシロキサンオリゴマー;トリメチルシロキシ末端基含有メチルハイドロジェンポリシロキサン、トリメチルシロキシ末端基含有ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、シラノール末端基含有メチルハイドロジェンポリシロキサン、シラノール末端基含有ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、ジメチルハイドロジェンシロキシ末端基含有ジメチルポリシロキサン、ジメチルハイドロジェンシロキシ末端基含有メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルハイドロジェンシロキシ末端基含有ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体のような主鎖の途中にSi-H基を有するホモポリマー又はコポリマーのハイドロジェンポリシロキサンが挙げられる。このようなオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、R5 2(H)SiO1/2単位とSiO4/2単位とを含み、R5 3SiO1/2単位、R5 2SiO2/2単位、R5(H)SiO2/2単位、(H)SiO3/2単位又はR5SiO3/2単位を含んでいてもよいものである。
より具体的には、環状の-[SiH(CH3)]4-、H-[Si(CH3)2-O]-[Si(CH3)2-O]f-[Si(CH3)2]-H(但し、fは0~200の数)、(CH3)3SiO-[Si(CH3)2-O]g-OSi(CH3)3(但し、gは0~200の数)、(CH3)3SiO-[Si(CH3)2-O]h-[Si(CH3)2-O]i-OSi(CH3)3(但し、hは0~200、iは1~100の数)が挙げられる。
このオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、例えば、R5SiHCl2やR5 2SiHCl(但し、R5は前記と同じ)のようなクロロシラン化合物を共加水分解し、又はこれらクロロシラン化合物とR5 3SiClやR5 2SiCl2(但し、R5は前記と同じ)のような別なクロロシラン化合物とを共加水分解して調製してもよく、さらにそれを平衡化して調製してもよい。
このオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、アルケニル基含有オルガノポリシロキサンと共に、用いられる。アルケニル基含有オルガノポリシロキサンのアルケニル基の1モル当量に対し、オルガノハイドロジェンポリシロキサンのSiH基が0.5~4モル当量となるように、両者が配合されていることが好ましい。
白金族金属系触媒含有ポリシロキサンに用いられる白金族金属系触媒は、アルケニル基含有オルガノポリシロキサンのアルケニル基と、オルガノハイドロジェンポリシロキサンのSiH基との付加反応を促進するためのヒドロシリル化反応触媒である。この触媒は、各種金属触媒が挙げられ、具体的には、白金、白金ブラック、ロジウム、パラジウムのような白金族金属単体;H2PtCl4・mH2O、H2PtCl6・mH2O、NaHPtCl6・mH2O、KHPtCl6・mH2O、Na2PtCl6・mH2O、K2PtCl4・mH2O、PtCl4・mH2O、PtCl2、Na2HPtCl4・mH2O(但し、mは0~6の数)のような塩化白金錯体、塩化白金酸錯体及び塩化白金酸錯塩;アルコール変性塩化白金酸;塩化白金酸-オレフィン錯体;白金、パラジウム等の白金族金属をアルミナ、シリカ、カーボン等の担体に担持させた担体金属;ロジウム-オレフィン錯体;クロロトリス(トリフェニルフォスフィン)ロジウムのようなウィルキンソン触媒;塩化白金、塩化白金酸又は塩化白金酸塩とビニル基含有の鎖状又は環状シロキサンとの錯体などが挙げられる。白金族金属系触媒は、アルケニル基含有オルガノポリシロキサンやオルガノハイドロジェンポリシロキサンと共存させて、それらに対して0.1~500ppm程度の触媒量、用いられてもよく、予め担持させていてもよい。
シリコーン樹脂は、例えば、トリオルガノシロキシ単位(R3SiO1/2単位:M単位、)、ジオルガノシロキシ単位(R2SiO単位:D単位)、モノオルガノシロキシ単位(RSiO3/2単位:T単位)、シロキシ単位(SiO2単位:Q単位)を任意に組み合わせた樹脂(但し、オルガノ基Rは、同一又は異なり、メチル基のようなアルキル基やフェニル基、又はビニル基のような架橋性官能基に由来する基)であることが好ましい。これらの組み合わせにより、シリコーン樹脂は、三次元架橋が形成されたMQ樹脂、MDQ樹脂、MTQ樹脂、MDTQ樹脂、TD樹脂、TQ樹脂、TDQ樹脂などの任意の組み合わせの樹脂を用いることができる。
このシリコーン樹脂が、繰返単位のSi原子が酸素原子又は架橋性官能基を介して次なる繰返単位のSi原子に結合して三次元架橋している。
シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材10・20は、電気部品に装着され得るものであるから、電気接点障害やくもりの原因となるものでシリコーン樹脂中に含有される低分子シロキサン例えばシロキシ基繰返単位が4~10(D4~D10)の環状低分子量シロキサンを、予め300ppm、好ましくは50ppm未満にまで除去したシリコーン樹脂で形成されていると、なお一層好ましい。具体的には、市販の低分子シロキサン低減グレードの重合性シリコーン樹脂原材料を用いたり、低分子シロキサン除去処理として、加熱オーブン処理(例えば200℃で4時間加熱処理)、真空加熱処理(例えば真空下200℃で2時間加熱)などの加熱処理を施したりしたシリコーン樹脂原材料を用いることができる。また、これらの処理に加えて、超音波溶媒抽出などの手段を施して成型品から低分子シロキサン除去することもできる。シリコーン樹脂原材料から低分子シロキサンを除去できるが、成形品から低分子シロキサンを除去する方が、より低レベルにまで除去できるので、好ましい。
シリコーン樹脂原材料組成物は、通常の硬化性シリコーン樹脂組成物と同様に、2液に分け、使用時にこの2液を混合して硬化させる所謂二液型の組成物でもよいが、組成物を使用する際の作業性等の点からは一液型とすることが好ましい。しかし、シリコーン樹脂原材料組成物の液性の安定性を考慮して二液型、三液型の場合とすることもできる。このシリコーン樹脂原材料組成物は、通常の条件で硬化でき、例えば好ましくは加熱により、又は紫外線照射により、架橋させて、硬化させ、硬質性若しくは軟質性の非弾性、又はゴム弾性を発現させることができる。
このようなシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材10・20は、表面未処理の支持体16上に紫外線反射保護層17aが形成されていてもよい。重合性シリコーン樹脂原材料の三次元架橋による硬化の際に、シリコーン樹脂の密着性・接着性が優れていることから、支持体16と紫外線反射保護層17aとの接着強度が高い。
支持体を予め表面処理することは必ずしも必要でないが、シリコーン樹脂原材料組成物の塗工の前に、支持体の塗工面側を予め、コロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線処理、フレーム処理、イトロ処理又は粗面処理のような表面処理された支持体上に反射層が形成されていると、表面処理された支持体16上に紫外線反射保護層17a・17bが、一層強固に密着して接着するのでなお好ましい。これらのコロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、フレーム処理又はイトロ処理は、支持体上に重合性シリコーン樹脂原材料組成物が付される直前に行われることが好ましい。
また、これらの支持体16と紫外線反射保護層17aとが、コロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、フレーム処理又はイトロ処理により強固に接着をしていればよく、接着体となる反応性基含有ポリシロキサン溶液で表面処理されていてもよい。
支持体16と紫外線反射保護層17aとを接触によってより一層強固に接着させるには、両者又は一方の接着体となる面に、シランカップリング剤のような機能性シラン化合物を用いてもよい。このような機能性シラン化合物は、OH基との反応性が高い反応性基を含有するポリシロキサンが挙げられる。
このような反応性基含有ポリシロキサンとして、下記化学式(1)
Figure 0007503288000001
(式(1)中、nは3~4の数であって、反応性基である-OCHの少なくとも何れかが、反射層及び金属箔層の表面の官能基例えばOH基と反応するものである)で示される化合物が挙げられる。この化合物は、繰返単位が、ブロック共重合、又はランダム共重合したものであってもよい。このビニルメトキシシロキサンホモポリマーのようなビニルアルコキシシロキサンホモポリマーの溶液に浸漬したりその溶液を塗布したり、反応性を向上させるために、それを白金触媒懸濁液に浸し、活性シリル基中のビニル基に白金触媒を保持させてもよい。
そのシランカップリング処理の有無によるシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材10・20の曲げ強度と硬度とを、表1に示す。
Figure 0007503288000002
表1から明らかな通り、このシランカップリング処理によりシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材10・20の強度が、向上している。
シリコーン樹脂原材料に白色無機フィラー粉末を含有したシリコーン樹脂原材料の組成物は、重合性シリコーン樹脂原材料に白色無機フィラー粉末やシリコーンゴムパウダーの添加量又は有機溶剤や反応性希釈剤の添加量を適宜調整して加えて調製することができ、用途に応じて、液状、グリース状、又は可塑度で定義されるような可塑物である塑性となるように適度に調整して用いることができる。例えば、スプレー、ディスペンサー、或いはスクリーン印刷するときのレジストインクとしては、液状のものとして、粘度を0.5~500Pa・s、より好ましくは10~200Pa・sとすることが好ましい。また、熱プレス成形をする場合は、国際規格ISO 7323に基づく可塑度としては、100~500mm/100のミラブルタイプ又は可塑物としての原材料組成物として用いることが好ましい。
シリコーンゴムパウダー及び白色無機フィラー粉末を用いる場合、粘度や硬度を調整するために、その添加量としてシリコーン樹脂原材料100質量部に対し、3~400質量部、好ましくは50~300質量部添加されることが好ましい。白色無機フィラー粉末の添加量がこの範囲よりも少な過ぎると十分な反射が得られず、逆に白色無機フィラー粉末の添加量がこの範囲よりも多過ぎると加工性が悪くなってしまう。シリコーン樹脂原材料組成物を、薄く塗布する場合には、白色無機フィラー粉末の添加量が多い程、高い反射率を発現し、一方、厚く塗布する場合には、これらの添加量が少なくても十分な反射率が得られる。シリコーンゴムパウダーは、前記範囲内で、白色無機フィラー粉末と共に加えられる。
また、有機溶剤は、保存安定性、塗工性向上、塗工量の制御、粘度の調整などのために、添加されてもよい。有機溶剤を用いる場合、その添加量としてシリコーン樹脂原材料100質量部に対し、100~10000質量部添加されることが好ましい。有機溶剤がこの範囲よりも少ない場合には塗布、印刷時において糸引き、目詰まりが生じ生産性が落ちてしまう。一方、有機溶剤がこの範囲よりも多い場合には、厚塗りができなかったり、一度塗りで十分な反射率が得られなかったりする。有機溶媒は、各種コーティング方法や要求される反射率、膜厚、粘度に応じ、適宜調整して用いられる。有機溶剤は、シリコーン樹脂原材料、架橋剤、反応抑制剤と反応しないものが適宜用いられ、具体的には、トルエン、キシレン、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、ヘキサンが挙げられる。有機溶剤で粘度を調整する場合、有機溶剤を添加によって白色無機フィラー粉末の充填濃度が相対的に低下するが、硬化後に有機溶剤が揮発すると、白色無機フィラー粉末の充填濃度が粘度調整前の高濃度に戻ることとなるため、塗膜厚みが薄くて高濃度の印刷が可能となる。
反応性希釈剤は、特に一液型接着剤の粘度調整用に使われるもので、有機溶媒と異なり揮発せず、そのままシリコーン樹脂として硬化するものである。反応性希釈剤として、例えば液状シリコーン樹脂用反応性希釈剤(モメンティブ・マテリアルズ・パフォーマンス社製 商品名:ME91)が挙げられる。反応性希釈剤は、シリコーン樹脂原材料100質量部に対し、0.1~30質量部、好ましくは1~20質量部添加されて用いられる。添加量がこの範囲より少な過ぎると、粘度の調整ができず、添加量がこの範囲より多過ぎると、シリコーン樹脂としても物性が弱くなる。反応性希釈剤は、シリコーン樹脂へと硬化するものであるため、有機溶剤を大量に使用した場合のように硬化後に揮発して肉痩せするようなことが起こらない。そのため、肉厚の反射層を形成するのに有用である。
有機溶媒と反応性希釈剤との量は、反射層の厚さや印刷・塗布等の塗工方法に応じ、適宜調整される。
重合性シリコーン樹脂原材料に白色無機フィラー粉末を含有した液状又はグリース状若しくは塑性の原材料組成物は、シリコーン樹脂への三次元架橋の架橋剤、例えば前記のようなハイドロジェンオルガノポリシロキサンや白金族金属系触媒含有ポリシロキサン、過酸化物のような架橋剤が、含有されていてもよい。
重合性シリコーン樹脂原材料に白色無機フィラー粉末を含有した液状、又はグリース状若しくは塑性の原材料組成物は、加熱によって失活又は揮発する反応抑制剤が、含有されていてもよい。反応抑制剤は、この原材料組成物の保存中に、必要に応じて添加されている触媒の活性を低下させることなく、シリコーン樹脂原材料、例えばアルケニル基含有オルガノポリシロキサンオルガノハイドロジェンポリシロキサン付加反応を抑制し、保存安定性を高めるものである。反応抑制剤は、例えば、メチルビニルシクロテトラシロキサン類;3-メチル-1-ブチン-3-オール、3,5-ジメチル-1-へキシン-3-オール、3-メチル-1-ペンテン-3-オール、フェニルブチノ-ルのようなアセチレンアルコール類;3-メチル-3-ペンテン-1-イン、3,5-ジメチル-1-へキシン-3-インなどのアセチレン化合物;これらのアセチレン化合物とアルコキシシラン、アルコキシシロキサン、ハイドロジェンシラン、又はハイドロジェンシロキサンとを反応させたシロキサン変性アセチレンアルコール類;ベンゾトリアゾールのような窒素含有有機化合物;有機リン化合物;オキシム化合物;有機クロム化合物が挙げられる。
これにより、この原材料組成物は、加熱前には三次元架橋が開始しないから長期間保存ができ、一方、加熱によって三次元架橋が速やかに開始し迅速に三次元架橋が完了して硬化し、紫外線反射保護層17a・17bを形成する。しかも液状又はグリース状若しくは塑性組成物が有機溶媒で希釈されたものであったとしても、有機溶媒の揮発が無い時のみならず揮発したときでさえ、塗装したり成形したりしても均一な塗膜又は成形体を形成することができるので、紫外線反射保護層17a・17bにむらができない。
架橋剤や反応抑制剤は、重合性シリコーン樹脂原材料100質量部に対して、夫々0.01~10質量部含有されていることが好ましい。
このような原材料組成物は、レジストとしても用いられるものである。この原材料は、加熱硬化型のレジストであり、例えば100℃以上に加熱されると硬化する。その硬化の際に、反応抑制剤を適宜選択することによりそれの温度依存性及び架橋開始温度制御性によって、硬化温度を適宜調整することができる。
この原材料組成物に、付加反応型の場合、主成分に加え、架橋剤、白金触媒、反応抑制剤、補強剤、用途に応じたその他の種々の添加剤が配合されていてもよい。
この原材料組成物に、接着成分として接着性付与成分が含有されていてもよい。接着性付与成分は、ビニル基、フェニル基、アルコキシ基、2,3-エポキシプロピル基(C23O-)のようなエポキシ環含有基、(メタ)アクリロイル基のような反応性の官能基を有するシラン化合物やシロキサン化合物が挙げられる。このような接着性付与成分は、具体的には、CH2=CHSi(OCH3)3、C65Si(OCH3)3、CH2=CHSi(OCH24OCH3)3、C23O-CH2O(CH2)3Si(OCH3)3、C23O-CH2O(CH2)3SiCH3(OCH3)2、CH2=CH-CO-O(CH2)3SiCH3(OCH3)2、CH2=CCH3-CO-O(CH2)3SiCH3(OCH3)2、2-(2,3-エポキシプロピルオキシプロピル)-2、4,6,8-テトラメチル-シクロテトラシロキサン、2-(2,3-エポキシプロピルオキシプロピル)-2、4,6,8-テトラメチル-6-(トリメトキシシリルエチル)シクロテトラシロキサンなどが挙げられる。
図11は、シリコーン樹脂100質量部中に、シランカップリング処理されたAlで表面処理されたアナターゼ型酸化チタン、Alで表面処理されたルチル型酸化チタン、アルミナ(Al)の200質量部が、各々分散されつつ含有されたシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材について、照射波長と、それの反射率との相関関係を示す図である。
図11から明らかな通り、波長400nmで、ルチル型酸化チタン含有のものの反射率は僅か30%程度であるのに対し、アナターゼ型酸化チタン含有のものの反射率は80%を超えている。しかもアナターゼ型酸化チタン含有のものは、ルチル型酸化チタン含有のものよりも、波長380~420nmで特に、反射率が40%も高くなっている。一方、波長420~1000nmの領域ではルチル型酸化チタンの反射率が6%高い。
アナターゼ型酸化チタンの屈折率は2.45~2.55であるのに対し、ルチル型酸化チタンの屈折率は2.61~2.90である。一方、アルミナの屈折率は約1.76である。アナターゼ型酸化チタンはルチル型酸化チタンと同様にアルミナよりも屈折率が高いから、より白色を呈する。
アルミナは、酸化チタンよりも屈折率が低い反面、熱伝導性が高く、放熱性に優れている。しかも図11から明らかな通り、アルミナ含有のものは、反射率が80%程度であるものの、アナターゼ型酸化チタン含有のもの及びルチル型酸化チタン含有のものよりも短波長側で反射率を有する。ベースポリマーをポリジメチルシロキサンのようなジメチルシロキシ繰返単位が主成分であるシリコーン樹脂にすることにより、白色無機フィラー粉末をアルミナにしても、波長400nm以上で反射率が90%以上とすることができ、シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材として好適となる。
従って、シリコーン樹脂を用いつつ白色無機フィラー粉末を適宜選択することにより、反射性と放熱性とを有することができるが、白色無機フィラー粉末として、反射性を向上させるアナターゼ型酸化チタンを含み、更にアルミナを併用することにより放熱性向上を図ることができ、反射性及び熱放射性を調節するという目的用途に応じたシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材10・20を、得ることができる。
図12は、ポリフェニルシロキサンのみから成るシリコーン樹脂100質量部中に、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタンの200質量部が、各々分散されつつ含有されたシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材を150℃で1000時間加熱した前後において、照射波長と、それの反射率との相関関係を示す図である。
図12から明らかな通り、ルチル型酸化チタン含有のものは、全てその反射率が100%を超えていた。また、ポリジメチルシロキサンのみからなるシリコーン樹脂は、ポリフェニルシロキサンのみからなるシリコーン樹脂よりも、全波長領域において、反射率が高い結果であった。
シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材10・20の紫外線反射保護層17a・17bは、シリコーン樹脂原材料と白色無機フィラー粉末12a・12bと必要に応じシランカップリング剤とが含有された液状又はグリース状若しくは塑性の原材料組成物を用いて、付加反応により無溶媒下で加熱硬化するものであり、型を用いて、コンプレッション成形、射出成形、トランスファー成形、射出成形(LIMS)、押し出し成形、カレンダー成形のような方法で支持体上に形成される。このような液状又はグリース状若しくは塑性組成物は、コーターを用いて1~2000μmの適切な厚さとなるように調整しながら、塗布されてもよい。チップ及びデバイスを組み合わせて電子回路を実装するチップオンボードの場合、チップが搭載される部分を残して、スクリーン印刷等の手法で、この原料組成物を塗布される。
シランカップリング剤は、反応性官能基として、アルキルオキシ基やビニル基やアミノ基やエポキシ基を有するものが挙げられる。カップリング剤としては、シランカップリング剤の他に、チタネートやアルミネートのカップリング剤でもよい。この組成物にシランカップリング剤が含まれていると、それが含まれていない場合よりも、シリコーン樹脂が、白色無機フィラー粉末例えばアナターゼ型酸化チタンを網目構造の中に確りと取り込むため、それの強度が顕著に強くなる。特に、シランカップリング剤処理された白色無機フィラー粉末含有のシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材10・20の紫外線反射保護層17a・17bは、白色無機フィラー粉末がシランカップリング剤を介してシリコーンと架橋しているため、曲げ強度、濡れ性・分散性が向上しており、高品質のものとなる。このようなシランカップリング処理は、例えばアナターゼ型酸化チタンに対し1質量%のシランカップリング剤を添加し、ヘンシェルミキサーで撹拌して表面処理を行い、100~130℃で、30~90分間、乾燥させるというものである。
研磨は、具体的には、粗さ500~10000番の研磨布紙、例えば紙やすりで擦ったり、微粒子含有研磨剤で磨いたり、砥石で磨くホーニングを行ったり、布皮などの柔軟材料で擦るバフ研磨を行ったり、表面をエンボス加工してやすりのような凹凸を付したローラーを高速回転させながら接触させたりして、シリコーン樹脂の表面に白色無機フィラーを露出させるものである。粗面化は、具体的には、金属粗粒、砂又は研磨剤を吹き付けるサンドブラストや梨地加工を行ったり、研磨剤を懸濁した液を噴射するウェットブラストを行ったり、金属やすり等で擦傷したり、金属ブラシや金属タワシやスチールウールで毛掻いたり、紫外線照射による洗浄処理や、コロナ放電処理により、有機物を除去して、シリコーン樹脂の表面に、白色無機フィラーが露出するまで物理的に付して表面加工するというものである。ケミカルエッチングは、具体的には、塩酸、硫酸、硝酸、フッ化水素酸のような強酸による酸処理を行ったり、苛性ソーダなどでアルカリ処理をしたりして、シリコーン樹脂の表面に、白色無機フィラーが露出するまで化学的に付して表面加工するというものである。紫外線反射保護層17a・17bの研磨による粗面化の場合、材料硬度はJIS K 6253 に準拠したJIS A硬度計で60以上あると容易に研磨することができるので望ましい。
このような研磨や粗面化やケミカルエッチングにより露出した白色無機フィラー粒子の表面で、光が反射することから、反射効率が一層向上する。物理的研磨がより好ましい。
図13は、ポリジメチルシロキサンのみから成るシリコーン樹脂100質量部中に、白色無機フィラー粉末としてアナターゼ型酸化チタンとルチル型酸化チタンの100質量部が、夫々分散されつつ含有されたシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材について、#1500の紙やすりで、表面を擦って研磨した前後における照射波長と、それの反射率との相関関係を示す図である。
図13から明らかな通り、これらの粗面化したシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材は、ポリジメチルシロキサン、ポリフェニルシロキサンにおいても白色無機フィラー粉末がアナターゼ型酸化チタンであるかルチル型酸化チタンであるかに関わらず、波長200~1000nmの広範囲に亘り、反射率は3%程度高い。しかも、シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材は、JIS K7375に準拠し、標準白板を100としたとき、同じく100程度の反射率相対値を示し、反射効率が高いことが示された。
特に、図13に示す通り、アナターゼ型酸化チタンを含有するポリジメチルシロキサンのみから成るシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材は、360~400nm付近の反射率が80%を越え、反射効率が極めて高いものであった。
これらの表面を粗面化したシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材10・20の紫外線反射保護層17a・17bは、金属と接着し易く、そのシリコーン樹脂の表面で、金属膜が確りと付され易くなる。また、カップリング処理された白色無機フィラーを用いたシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材10・20の紫外線反射保護層17a・17bは金属と接着し易く、そのシリコーン樹脂の表面で、金属膜が確りと付され易くなる。金属膜は、銅、銀、金、ニッケル、パラジウム等のめっき被膜、金属蒸着被膜、接着剤、金属溶射で接着された金属箔膜が挙げられる。
シリコーン樹脂は、通常、難接着性のため、金属膜が付され難い。しかし、このシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材10・20の紫外線反射保護層17a・17bを用いれば、金属膜との密着性が良い。
金属膜は、シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材10・20に直接、めっきされ、金属蒸着され、又は金属箔膜を接着剤で接着されて形成されていてもよい。シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材10・20の紫外線反射保護層17a・17bが予めコロナ処理、プラズマ処理、紫外線処理、フレーム処理、イトロ処理され、あるいはポリパラキシリレンでコーティング処理されて下塗りされ、その上に蒸着等による金属膜で被覆されてもよい。
金属膜の形成方法の一例は、以下の通りである。白色無機フィラー粉末が含有されて板状に形成されたシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材10・20の紫外線反射保護層17a・17bに、マスキング材としてフィルムを貼付する。次にポリパラキシリレン類である「パリレンC」(日本パリレン株式会社製の商品名;「パリレン」は登録商標;-[(CH)-CCl-(CH)]-)の被膜を設けるため、「パリレンC」の原料ダイマーである粉末状のモノクロロパラキシリレン類2量体を気化室に入れ減圧下で加熱して、蒸発したダイマーが熱分解室に誘導され反応性の高いパラキシリレンモノマーのラジカルとした後、反射基材に蒸着させて0.5~5ミクロン、好ましくは1~2ミクロンのポリパラキシリレン類コーティング処理し、下塗り層を形成して調製する。その下塗り層の上に、真空蒸着により、金属層として厚さ数ミクロンの銀層を形成させる。その後、マスキング材を剥がすと、金属膜が付されてしかもガス透過係数や絶縁抵抗の小さいシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材10・20が得られる。
金属蒸着に代え、金属めっき、金属箔膜の接着であってもよく、それの調製方法は、特に限定されない。
めっきの方法としては、まず白色無機フィラー粉末が含有されて板状に形成されたシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材10・20の紫外線反射保護層17a・17bを、酸又はアルカリを用いて表面を粗面化し、その後、無電解ニッケルめっきによってニッケルめっきし、その後電解めっきにより銅めっきをする。さらに用途に合わせ金や銀のめっきを行う。
銅箔を貼り合わせる方法としては、銅箔の裏面に接着剤層を形成し、その接着剤層側を、白色無機フィラー粉末が含有されて板状に形成されたシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材20に貼り合わせ油圧プレスにて加熱硬化させ、架橋接着をする。銅箔はロール状の連続シートであってもそれを裁断した個別シートであってもよい。巻かれているロール状に巻かれた銅箔を、引き出し、シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材20と貼り合わせてから、再度、ロール状に巻き取られてもよい。
支持体16の上に金属層を設け、その金属層に回路をエッチングにより形成し、発光ダイオードチップを結線する部分及び搭載する部分を除いて、シルク印刷によりシリコーン樹脂原材料組成物を塗布し、シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材10・20の紫外線反射保護層17a・17bを形成する場合、前記回路と紫外線反射保護層17a・17bの間に、ガスバリア層を設けてもよい。シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材10・20の紫外線反射保護層17a・17bは、三次元架橋したシリコーン樹脂及び無機フィラー粉末よりなるので、エポキシ樹脂などの通常の樹脂よりもガス透過性が高いため、回路の金属層が腐食され酸化皮膜を形成するため紫外線反射保護層17a・17bと金属層の間で剥離が発生する場合がある。これを防止するためガスバリア性を有する皮膜を紫外線反射保護層17a・17bと金属層の間に形成するとよい。ガスバリア層は、可撓性であっても非可撓性であってもよい。ガスバリア層の厚みとしては、1~30μmが好ましく、材料としては、シリコーン樹脂よりガス透過性が小さい樹脂であれば適宜選択して使用することができるが、エポキシ樹脂などのフォトレジストや、パラキシリレンコート、ポリイミド樹脂、ポリパラキシリレン、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリアミドが挙げられる。
シリコーン樹脂は、気体透過性が大きく腐食性ガスを透過し易いため金属層が腐食してしまう。そこでこれを防止するためにガスバリア性のある樹脂をガスバリア層としてコーティングし、その上にシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材10・20の紫外線反射保護層17a・17bを設けておくことが好ましい。
シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材10・20の紫外線反射保護層17a・17bの上に金属箔や金属めっきを付してもよい。また、銅箔にシリコーン樹脂原材料組成物を塗工し基板に貼り合わせてエッチングしパターンを作製してもよく、基板にシリコーン樹脂を塗工しその後めっきを付してもよい。
このシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材10・20は、紫外線反射保護層17a・17bがシリコーン樹脂を用いていることから、非接着性を有している。そのためそこへ、埃や塵のようなゴミ・異物が付着した場合は、粘着ローラーを用いて、なぞれば、シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材10・20に粘着することなくゴミ、異物が容易に粘着ロールへ粘着され除去される。またこのシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材10・20は、非接着性であるが、絶縁性が高いため静電気により、埃や塵のようなゴミ・異物が吸着して付着し易い。そこでシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材10・20の反射面にシリコーンハードコート層をコーティングすることにより、これらゴミ・異物の付着を防止することができる。また、ゴミ・異物が付着したとしてもエアーを吹き付けることにより容易に除去することができる。このシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材10・20に用いることができるシリコーンハードコート剤としては、シリカやフッ素パウダーが分散されたシリコーンハード剤や、エアーバックの表面処理に使用されるシリコーンコーティング剤が使用できる。
次に、図1を参照しながら、このシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材であるパッケージケース10の紫外線反射保護層17a・17bを有するシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材20とが、主鎖中にジメチルシロキシ繰返単位を主成分として含むシリコーン樹脂と、アナターゼ型酸化チタン粒子とを含有した例の発光装置である照明器具について、具体的に説明する。
配線基板の一部をなすシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材20の紫外線反射保護層17a・17bは、アナターゼ型酸化チタン粒子12bを含有しているシリコーン樹脂で、成形されている。シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材20上の発光ダイオード13への装着面側の表面からアナターゼ型酸化チタン粒子12bの一部が露出している。シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材20のその表面に、導電金属膜である銅膜15a・15bが、付され、電源(不図示)へ接続される導電パターンを形成している。発光ダイオード13から伸びた2本のリード線14a・14bが、その銅膜15aと銅膜15bとに、夫々接続されている。そのシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材20の表面上の導電パターン部位以外の部位は、シリコーン樹脂がむき出しになっており、そこでアナターゼ型酸化チタン粒子12bの一部が露出しているために、白色を呈し、しかも優れた隠蔽性を有するから光を遺漏漏洩しないようになっている。さらにその部位で、光、特に200mm以上の紫外線領域、中でも380~420nmの波長域のみならずそれ以上の可視領域の光と、それより長波長の赤外線のような熱線との光の反射率が、極めて高くなっている。
また、パッケージケース10も、シリコーン樹脂に同種のアナターゼ型酸化チタン粒子12aを含有する原材料組成物により、成形されている。パッケージケース10は、発光ダイオード13を取り巻きつつ、傾斜した内壁11によってその出射方向へ向かって末広がりに開口しており、配線基板のシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材20上で発光ダイオード13の装着面側の表面に、接着剤層(不図示)を介して一体に接着されている。このパッケージケース体10も、アナターゼ型酸化チタン粒子12aのために、白色を呈し、しかも優れた隠蔽性を有するから光漏れすることがなく、光、特に200mm以上の紫外線領域から反射率を有し、380nm以上550nm付近まで、中でも400nm~500nm付近の可視光の反射率が極めて高いものとなっている。
これら紫外線反射保護層17aを有するシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材20もパッケージケース10であるシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材も、化学的に安定で変色し難いポリジメチルシロキサンのような主鎖中に非環状のジメチルシロキシ繰返単位を主成分として含みつつ三次元架橋したシリコーン樹脂で紫外線反射保護層17a・17bが形成されているために、高反射率であり、紫外線や高輝度光に長期間曝されても黄変せず白色を維持でき、しかも高い機械的強度を有し、優れた耐光性、耐熱性、耐候性を示すので、耐久性に優れている。
シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材20の紫外線反射保護層17a上の発光ダイオード13の非装着面側の表面に、支持体16が、付されて、照明器具1となっている。発光ダイオード13が装着されたシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材20とパッケージケース10との複数組が、整然と四方八方に並べられた照明器具であってもよい。パッケージケース10の出射方向側の開口が、ガラス製や樹脂製の透明板や透明フィルムで覆われていてもよい。その透明板や透明フィルムが、それの透過光の波長を所期の波長へ変換する顔料、色素、蛍光剤、りん光剤を含有していてもよい。パッケージケース10の出射方向側の開口が、凸レンズ、凹レンズ、フレネルレンズのようなレンズで、覆われていてもよい(不図示)。
シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材20の紫外線反射保護層17aは、支持体16上に、スクリーン印刷のような各種印刷、噴霧、刷毛塗り、塗布等の塗工によって形成される。
このような支持体16は、非変形性の硬質乃至剛直な膜状、板状、円筒のような筒状・球体状・椀状等の立体状など如何なる形状であってもよく、所謂フレキシブルプリントサーキット(FPC)のようにフレキシブルであって柔軟な軟質のシートや撓むと付勢される程度の硬質なシートであってもよく、巻き取り可能なロール状であってもよく、様々な素子に内蔵されてさほど面積をとらない微小なワーキングチップであってもよい。支持体は、導電性を有するものや、熱伝導性・放熱性を有するものであってもよい。おもて面に反射層、必要に応じ、うら面に粘着剤層・接着剤層を有していてもよい。また支持体16は、その上に絶縁層が形成されているものであってもよい。
支持体16は、有機材料、無機材料の何れでもよく、シリコーン樹脂、イミド樹脂、ビスマレイミド・トリアジン樹脂、ガラス繊維含有エポキシ樹脂(ガラエポ)、紙フェノール樹脂、ベークライト、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、プラスチックフィルムとしてはポリカーボネート樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、アラミド樹脂、ポリエーテルエーテル樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、液晶ポリマー、ポリエーテルスルホン樹脂、シクロオレフィン樹脂、シリコーン樹脂、及びシリコーンゴム、アルミニウム、銅、又はニッケルなどを原材料に用いて成形したものやアルミニウム箔、銅箔、ニッケル箔、アルミニウム板、銅板、ニッケル板などが挙げられるが、これに限定されるものではない。配線基板の一部をなすシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材20は、主鎖中にジメチルシロキシ繰返単位を主成分として含む高価なシリコーン樹脂を含むものであるが、安価な支持体16に薄く付されただけで、十分な反射効果を奏するから、生産コストの削減に資する。
その場合、膜状のシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材20の紫外線反射保護層17a・17bは、その原材料含有組成物を塗布して、10~200μmの被膜として支持体16上に付されていることが好ましい。
パッケージケース10とシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材20を有する配線基板とは、以下のようにして使用される。この発光ダイオード13に、陰極側銅膜15a及びリード線14aと、陽極側銅膜15b及びリード線14bとにより、印加すると、発光ダイオード13は、発光する。発光した光の一部は、パッケージケース10の出射方向側の開口から、直接、外界へ照射される。発光した光の別な一部は、パッケージケース10の内壁11、又は配線基板表面上の導電パターン以外をなすシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材20の部位で反射して、出射方向側の開口から、外界へ照射される。
シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材10・20は、その紫外線反射保護層17a・17bがシリコーン樹脂及びアナターゼ型酸化チタンを含む白色無機フィラー粉末12a・12bを含有する単層構造である例を示したが、少なくとも2層が積層されている積層構造のものであってもよい。単層である紫外線反射保護層17a・17b中に含まれる白色無機フィラー粉末12a・12bが異なる種類を含むもので、例えばアナターゼ型酸化チタン及び無機粉末を含むものや、2種以上の無機粉末を含むもの具体的には前記に例示されたような無機粉末のうち複数種類の無機粉末を含むものであってもよく、紫外線反射保護層17a・17bが2層以上を積層したものであって、例えば一層目と二層目とで無機粉末が異なるものであってもよい。
積層された紫外線反射保護層17a・17bは、各層においてシリコーン樹脂中に分散されている白色無機フィラー粉末12a・12bに含まれるアナターゼ型酸化チタンや無機粉末の種類やそれらの含有量が夫々異なるものである。例えば、シリコーン樹脂と白色無機フィラー粉末12a・12bの主成分としてアナターゼ型酸化チタンとを含有する第一反射層の上に、シリコーン樹脂と白色無機フィラー粉末12a・12bの主成分としてアナターゼ型酸化チタン以外の無機粉末とを含有する第二反射層が、積層されている積層体であると好ましい。積層体は、2層に限定されず、複数の層が積層されたものであってもよい。
積層された紫外線反射保護層17a・17bは、シリコーン樹脂とアナターゼ型酸化チタンとを含む第一反射層、及びシリコーン樹脂とアナターゼ型酸化チタン以外の無機粉末とを含む第二反射層の積層体であると、アナターゼ型酸化チタンとそれ以外の無機粉末とを含む単一反射層よりも、紫外線反射性と保護性との相乗効果がより一層高まる。
別なシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材10・20の態様は、図2の通り、別な照明器具に実装されて用いられるもので、配線基板21が、高屈折率の白色無機フィラー粉末であるアナターゼ型酸化チタン粒子12cを含有しているシリコーン樹脂で、ガラスクロス22を内在しつつ成形されて、その表面に、導電金属膜である銅膜15a・15bの導電パターンが形成され、発光ダイオード13のリード線14a・14bがその銅膜15aと銅膜15bとに、夫々接続されているというものである。更に、発光ダイオード13の接続部分を残して導電パターンを紫外線反射保護層17aで被覆してもよい(不図示)。紫外線反射保護層は17a・17b、その表面に導電パターンが付されたものであってもよく、その裏面に導電パターンが付されたものであってもよい。
別なシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材10の態様は、図3(d)の通り、別な照明器具に実装されて用いられるもので、配線パターンや導線パターンを成す導電金属膜15a・15b、例えば銅膜が、剛直なプラスチックなど適切な材料で形成された支持体16上に付され、高屈折率の白色無機フィラー粉末であるアナターゼ型酸化チタン粒子12を含有するシリコーン樹脂で形成された紫外線反射保護層17bを兼ねるパッケージケース10が、シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材10として、支持体16及び銅膜15a・15bを覆っている。
図3のシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材10は、以下のようにして、製造される。先ず、同図(a)のように、ガラス繊維布にエポキシ樹脂を含浸させたガラスエポキシ基板などの支持体16に、印刷、ケミカルエッチング等により、所望の形状の導線パターンを成す導電金属膜15a・15bを形成する。次いで、支持体16及び導電金属膜15a・15bを覆うように重合性シリコーン樹脂原材料の液状又はグリース状若しくは塑性の組成物を塗工し、略半球状の突起を多数有する金型31で、最厚部を100~2000μm、最薄部と10~100μmとなるように、押圧しながら、加熱すると、重合性シリコーン樹脂原材料が三次元架橋しつつ硬化し、紫外線反射保護層17bを兼ねたパッケージケース10が、支持体16及び導電金属膜15a・15bと密着して成形される。金型31をパッケージケース10から、離型させると、その離型された部位に形成された内壁11が、反射面となる。次いで、同図(c)のように、パッケージケース10の最薄部に、導電金属膜15a・15bに到達するまでの穴32を開ける。同図(d)のように、そこへ発光ダイオードを挿入して、適宜、半田等の接続材でその陰陽端子を導電金属膜15a・15bに接続させる。必要に応じて、ダイシングソー33で所定の大きさに切断すると、照明器具用の発光ダイオードチップが形成される。
図4に示すように、所望の形状の導線パターンの導電金属膜(回路)15a・15bが付された支持体16へ、重合性シリコーン樹脂原材料の液状組成物を塗工した後、サンドブラスト表面処理された金型31で、押圧しながら、加熱すると、重合性シリコーン樹脂原材料が三次元架橋しつつ硬化し、紫外線反射保護層17aを兼ねたシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材20が成形される。導電金属膜15a・15bとシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材20との間にエポキシ樹脂やポリイミドワニスなどで剥離防止のために形成されたバリア層を有していてもよい(不図示)。
図5に示すように、所望の形状の導線パターンの導電金属膜15a・15bが付された柔軟な支持体シート原料ロールから支持体シートを引き出し、導電金属膜15a・15b側の表面に、塗工ノズル34から流れ出る重合性シリコーン樹脂原材料を塗工した後、サンドブラスト処理されたローラー35で、押圧しながら、加熱すると、重合性シリコーン樹脂原材料が三次元架橋しつつ硬化し、紫外線反射保護層17aを兼ねたシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材20が成形される。必要に応じ、ダイシングソー33で、所望の大きさに切断してもよい。
図4~5のようにして形成されたシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材20は、図6(a)のようなやや先細りのグラインダー36や、同図(b)のような略半球状のグラインダー36を回転させつつ、導電金属膜15a・15bが露出するまで、パッケージケースの窪みを形成するように厚み方向へ切削され、その後、必要に応じ、発光ダイオードの実装などにより、照明器具(不図示)へと導いてもよい。図6(c)のように、円盤状のグラインダー36を回転させつつ、導電金属膜15a・15bが露出するまでそれに沿って溝状に、切削されてもよい。
又は、シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材20は、図7のように、ローラー状のグラインダー36を高速回転させつつ、導電金属膜15a・15bに達するまで、切削研磨し、支持体16上に、導電金属膜15a・15bと紫外線反射保護層17aとなるシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材20とが隙間なく仕切られたまま露出していてもよい。
シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材20は、図8に示すように、支持体16へ付された所望の形状の導線パターンの導電金属膜15a・15bに発光素子である発光ダイオード13を接続しておき、それを取り巻き盛上げるように、ディスペンサーなどのノズル34から流し出した重合性シリコーン樹脂原材料を、垂らして、成形されてもよい。
また、シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材20は、図9に示すように、窪みを有するパッケージケースを兼ねる支持体16の表面に、重合性シリコーン樹脂原材料を噴霧塗装した後、加熱して、反射層となるシリコーン樹脂製紫外線反射保護基20を形成してもよい。
シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材10・20を成形する際のこれらの金型から離型の度に、又は数回~10回の離型の度に、離型剤、例えば、ダイフリー(ダイキン工業株式会社製の商品名)を金型に塗布して、離型性を一層向上させてもよい。
別なシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材10の態様は、図10の通り、太陽電池2のアセンブリとして組み込まれるもので、太陽電池素子27である光電変換素子を装着したパッケージケース10に、用いられているというものである。パッケージケース10は、アナターゼ型酸化チタン粒子12aを含有するシリコーン樹脂で、椀状に複数窪んだ列が幾重にも並んで、成形されている。太陽電池素子27は、内部の略球状のp型シリコン半導体27aとその周りを覆ってPN接合しているn型シリコン半導体27bとからなる。n型シリコン半導体27bの下端が研磨によって欠落しており、そこからp型シリコン半導体27aが露出している。n型シリコン半導体27bは、負電極の電極エレメント層である銅膜18bのみに接続し、一方p型シリコン半導体27aは、正電極の電極エレメント層である銅膜18aのみに接続している。両電極である銅膜18a・18bは、その間で積層されている絶縁体層19で、隔離され絶縁されている。パッケージケース10は、太陽電池素子27を取り巻きつつ、椀状に窪んだ内壁11によってその出射方向へ向かって末広がりに開口しており、銅膜18bへ接着剤層(不図示)を介して一体に接着されている。
このパッケージケース10であるシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材は、以下のようにして使用される。図10のようにこの太陽電池アセンブリ2の太陽電池素子27に向けて光例えば太陽光を入射させる。例えば真上からの入射太陽光は真直ぐに太陽電池素子27の頂部に垂直に入射する。その真上よりもやや外れた入射太陽光は、パッケージケース10の内壁11で反射し、太陽電池素子27の側面へ略垂直に入射する。このようにして、太陽電池アセンブリ2へ入射した光は、n型シリコン半導体27bとp型シリコン半導体27aとのPN接合界面に効率よく到達し、光起電力が生じ、回路にすると、光電流が流れる。
また、図1~図10のようなシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材10・20のシリコーン樹脂の表面、即ち配線基板上の発光ダイオード13への装着面側の表面や、パッケージケース10の内壁11の表面が、研磨、粗面化及び/又はケミカルエッチングによって、表面処理されており、白色無機フィラー粒子の一部が、そのシリコーン樹脂の表面から、露出していてもよい。
パッケージケース10と、配線基板のシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材20上で発光ダイオード13の装着面側の表面とは、接着剤層を介して一体に接着される。シリコーン樹脂製接着剤として、例えば、低分子シロキサンカット品SE-9186L(東レ・ダウコーニング株式会社製;商品名)が挙げられる。
シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材10・20は、一般的な白熱電球やハロゲンランプやLED等による電気スタンドのような照明器具をはじめとする様々な発光装置の他、太陽電池のように光を反射するのに用いてもよく、電気ストーブや燃焼ストーブ等の熱源近傍の壁や什器に貼付して赤外線を反射させ加熱効率を上げたり壁や什器の対熱保護のために用いられたりしてもよい。
以下、本発明の実施例を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下に、本発明のシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材を作製した例を実施例1~3及び参考実施例1~7に示す。
(実施例1)白色無機フィラー粉末がアナターゼ型酸化チタンであるシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材の作製
重合性シリコーン樹脂原材料として付加型シリコーンA(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製「LUMISIL 400 A」)及び白色無機フィラー粉末としてアナターゼ型酸化チタン(石原産業株式会社製「A-220」)を含むA液と、重合性シリコーン樹脂原材料として付加型シリコーンB(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製「LUMISIL 400 B」)、白色無機フィラー粉末としてアナターゼ型酸化チタン(石原産業株式会社製「A-220」)、及びエポキシ系のシランカップリング剤(信越化学工業株式会社製「KR-517」)を含むB液とを、下記表2に示された配合比となるよう計量し、個別に三本ロールで混練し、A液及びB液を合計で200質量部となるよう一つに混ぜ、さらにビニル/フェニル系のシランカップリング剤(信越化学工業株式会社製「KR-511」)からなるC液の10質量部を加えて、原材料組成物を調製した。尚、下記表2の配合量は質量部である。
この原材料組成物を塗料として、支持体であるエポキシ製基板(利昌工業株式会社製「FR-4」)に、スクリーン印刷機を用いて印刷し、オーブンにより150℃で1時間の硬化条件で硬化させ、厚さ34±1μmの紫外線反射保護層を有するシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材を作製した。
(参考実施例1)白色無機フィラー粉末がルチル型酸化チタンであるシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材の作製
A液及びB液の白色無機フィラー粉末をルチル型酸化チタン(石原産業株式会社製「CR-93」)に変更し、下記表3に示された配合比にしたこと以外は実施例1と同様にして、シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材を作製した。尚、下記表2の配合量は質量部である。
(参考実施例2)白色無機フィラー粉末がアルミナであるシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材の作製
A液及びB液の白色無機フィラー粉末をアルミナ(昭和電工株式会社製「AS-05」)に変更し、下記表3に示された配合比にしたこと以外は実施例1と同様にして、シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材を作製した。
(参考実施例3)白色無機フィラー粉末が硫酸バリウムであるシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材の作製
A液及びB液の白色無機フィラー粉末を硫酸バリウム(堺化学工業株式会社製「沈降性硫酸バリウム300」)に変更し、下記表3に示された配合比にしたこと以外は実施例1と同様にして、シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材を作製した。
(参考実施例4)白色無機フィラー粉末がカオリンであるシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材の作製
A液及びB液の白色無機フィラー粉末をカオリン(BASF社製「トランスリンク77」)に変更し、下記表3に示された配合比にしたこと以外は実施例1と同様にして、シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材を作製した。
(参考実施例5)白色無機フィラー粉末が珪藻土であるシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材の作製
A液及びB液の白色無機フィラー粉末を珪藻土(WORLD MINERALS社製「CelTix」)に変更し、下記表3に示された配合比にしたこと以外は実施例1と同様にして、シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材を作製した。
(参考実施例6)白色無機フィラー粉末が水酸化アルミニウムであるシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材の作製
A液及びB液の白色無機フィラー粉末を水酸化アルミニウム(日本軽金属株式会社製「B103」)に変更し、下記表3に示された配合比にしたこと以外は実施例1と同様にして、シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材を作製した。
(参考実施例7)白色無機フィラー粉末が水酸化マグネシウムであるシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材の作製
A液及びB液の白色無機フィラー粉末を水酸化マグネシウム(協和化学工業株式会社製「キスマ5A」)に変更し、下記表3に示された配合比にしたこと以外は実施例1と同様にして、シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材を作製した。
(実施例2)白色無機フィラー粉末がアナターゼ型酸化チタン及びアルミナであるシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材の作製
A液及びB液に、白色無機フィラー粉末としてアナターゼ型酸化チタン(石原産業株式会社製「A-220」)及びアルミナ(昭和電工株式会社製「AS-05」)を下記表2に示された配合比で含むこと以外は実施例1と同様にして、シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材を作製した。
(実施例3)紫外線反射保護層が積層体であるシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材の作製
実施例1と同様に調製された原材料組成物をエポキシ製基板(利昌工業株式会社製「FR-4」)の上に実施例1と同様に印刷して第一反射層を形成し、その上に参考実施例2と同様に調製された原材料組成物を同じく印刷して第二反射層を形成して、この2層を併せた厚さが34±1μmである紫外線反射保護層を有するシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材を作製した。
Figure 0007503288000003
Figure 0007503288000004
(反射率測定1)
実施例1~3及び参考実施例1~7で作製したシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材を紫外線反射保護層側から分光光度計(島津製作所社製「UV-3600 Plus」)を用いて反射率を測定し、得られた結果を図14に示した。また、実施例1~3及び参考実施例1,2,5~7その分光波長405nm、365nm及び240nmにおける各反射率を下記表4に示した。同様に、比較例1としてアルミニウム基材のみの比較試験片を用いて反射率を測定し、得られた結果を図14及び下記表4に示した。
Figure 0007503288000005
図14及び表4より、405nmにおける反射率が70%以上あるシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材は、実施例1であるアナターゼ型酸化チタンを用いたものであった。参考実施例2のアルミナを用いたものは69.8%と極めて70%にほぼ等しいと言ってよく、粒形や濃度によっては、70%に入る無機粉末と言える結果となった。
365nmで反射率が30%に満たないものは、参考実施例1のルチル型酸化チタン単独で用いたもの、実施例1のアナターゼ型酸化チタンを単独で用いたもの、実施例2のアナターゼ型酸化チタンとアルミナとを混合して用いたものであった。アナターゼ型酸化チタンとアルミナとを混合せず、二層に分けて用いた実施例3では30%を超えるものとなった。
240nmの反射率が30%に満たないものは、実施例1のアナターゼ型酸化チタンを単独で用いたもの、実施例2のアナターゼ型酸化チタンとアルミナを混合して用いたもの、参考実施例1のルチル型酸化チタン単独で用いたものであった。
このように、405nm%付近の近紫外線領域での十分な反射保護機能を有するものは、アナターゼ型酸化チタンを用いたシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材であることが明らかとなった。
更に、短波長側での、反射保護機能を持たせるためには、アナターゼ型酸化チタンと短波長での反射性能を持つ酸化チタン以外の白色無機粉末を用いることが必要であり、405nmにおける反射率とそれよりも短波長側での反射率を維持するためには、両者の組み合わせが必要であり、その組み合わせにおいて、混合するよりも別々の層に分けて用いることが好ましいことが明らかとなった。
また、アルミナを用いたシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材は、365nm及び240nmにおける反射率が大きいので、405nmを超える波長領域の反射率を考慮しなくてもよい場合は、405nm未満の短波長紫外線に対する紫外線反射保護層として好ましく使用できる。
(実施例4)白色無機フィラー粉末がアナターゼ型酸化チタンであるシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材の作製
支持体としてアルミニウム板を用いたこと以外は実施例1と同様にして、シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材を作製した。
(参考実施例8)白色無機フィラー粉末がルチル型酸化チタンであるシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材の作製
支持体としてアルミニウム板を用いたこと以外は参考実施例1と同様にして、シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材を作製した。
(反射率測定2)
実施例4及び参考実施例8で作製した各シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材を上記反射率測定1と同様に反射率を測定した。その結果を図15に示し、分光波長365nm、385nm、405nm、450nm及び550nmにおける各反射率を下記表5に示した。
Figure 0007503288000006
図15及び表5より、実施例4のアナターゼ型酸化チタンを用いたシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材は、450nm及び550nmにおいて、それぞれ、88.7%、86.0%であり、405nmにおいても87.8%と高い反射率が維持された。385nmにおいては68.8%と低くなるが、近紫外線を有意に反射していた。一方、参考実施例8のルチル型酸化チタンを用いたシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材は、450nm及び550nmの反射率がそれぞれ94.6%、93.4%と実施例4よりも高い可視光反射率を示すが、405nmでは58.5%と非常に低く、更に、385nmにおいては、13.9%と極端に低くなることが明らかとなった。
(保護性能評価測定1)
実施例1及び実施例3と参考実施例1~3及び参考実施例7とで作製した各シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材を、紫外線反射保護層を上にしてヒーター(温度:120℃)の上に置き、上からUV光源の照射機(HOYA CANDEO OPTRONICS社製「EXECURE4000」)を用いてUV光(距離20mm、365nmで1000mW/cmの照射強度)を16分間照射した。なお、このUV照射機の光源の分光特性を図16に示した。
次に、この加熱下でUV光照射した後の各シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材を、紫外線反射保護層を設けた側とは反対側のエポキシ製基板面を目視にて、変色劣化状態を観察し、エポキシ製基板に対する紫外線反射保護層の保護性能を評価した。同様に、比較例2としてエポキシ製基板のみの比較試験片を用いて保護性能を評価した。その結果を図17に示した。図17中、実施例1で作製したシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材の加熱及びUV照射処理後の写真を(a)、実施例3で作製したシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材の加熱及びUV照射処理後の写真を(b)、参考実施例1で作製したシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材の加熱及びUV照射処理後の写真を(c)、参考実施例2で作製したシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材の加熱及びUV照射処理後の写真を(d)、参考実施例3で作製したシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材の加熱及びUV照射処理後の写真を(e)、参考実施例7で作製したシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材の加熱及びUV照射処理後の写真を(f)、比較例2であるエポキシ製基板のみの比較試験片に加熱及びUV照射処理後の写真を(a')、比較例2であるエポキシ製基板のみの比較試験片にUV照射のみ処理した後の写真を(b')としてぞれぞれ示した。また、実施例3で作製したシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材の加熱及びUV照射処理後の反射率について、上記反射率測定1と同様に測定した測定結果を図18(a)に示した。
図17より、実施例1及び実施例3で作製したシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材は着色が認められず、高い保護性能を示すことが明らかとなった。一方、参考実施例2、参考実施例3、及び参考実施例7で作製したシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材は、その順にエポキシ基板が徐々に濃い茶色に変色する結果となった。参考実施例1で作製したシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材は上記参考実施例のものよりも有意に着色が抑制されていたが、実施例1及び実施例3のものと比較すると薄く茶色に着色していた。紫外線反射保護層がなくエポキシ基板のみである比較例2は、濃い茶色に強く変色していた。加熱処理をせずUV照射だけの場合には、薄い茶色の変色が生じた。
図17及び図18(a)より、実施例3で作製したシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材は、短波長を反射しつつ基材の劣化を防ぎ保護することができることが明らかとなった。
(保護性能評価測定2)
実施例1、実施例3、及び参考実施例2で作製した各シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材を、上記保護性能評価測定1と同様の加熱及びUV照射手段で、処理時間を5分、10分、15分、30分と変えて、経時試験を行った。それらを上記反射率測定1と同様に反射率を測定し、上記保護性能評価測定1と同様に評価した。実施例3で作製したシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材の経時的な加熱及びUV照射処理後における反射率の測定結果を図18(b)に示し、実施例1で作製したシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材の経時的な加熱及びUV照射処理後における反射率の測定結果を図19(a)に示し、参考実施例2で作製したシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材の経時的な加熱及びUV照射処理後における反射率の測定結果を図19(b)に示した。また、各シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材の経時的な加熱及びUV照射処理後の写真を図20に示した。図20中、実施例1で作製したシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材の処理時間30分後のものを(a)、参考実施例2で作製したシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材の処理時間が5分後、10分後、15分後、30分後のものを夫々(c)、(d)、(e)、(f)として示した。
図18(b)、図19、及び図20に示されるように、実施例1で作製したシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材は30分処理しても変色は起きなかった。一方、参考実施例2で作製した各シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材は着色の変化が処理時間とともに徐々に濃くなる傾向にあった。また、各シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材は、加熱及びUV照射の処理の有無や経時的な処理時間において、殆ど差異はなく、いずれも一定した反射率を有することが明らかとなった。
(比較例3)
重合性シリコーン樹脂原材料に替えてUV硬化性エポキシ樹脂(日立化成株式会社製「ヒタロイド7851」)と、白色無機フィラー粉末としてアナターゼ型酸化チタンとを用いて調製したエポキシ塗料を、エポキシ製基板(利昌工業株式会社製「FR-4」)に、スクリーン印刷機を用いて印刷し、オーブンにより80℃で30分の硬化条件で硬化させ、本発明の適用外であるエポキシ樹脂製反射基材を作製した。このエポキシ樹脂製反射基材を上記保護性能評価測定1と同様に評価し、その結果を図21に示した。図21中、基材背面側を(a’)及び反射保護層側を(b’)として示した。
図21から明らかなように、反射保護層が着色し、基板は着色していなかった。このことからエポキシ樹脂がUV硬化である為インク内に重合開始剤が入っており、これによりUV光が当たった際、光の吸収が起こり、反射保護層が劣化してUV光の透過を阻止し、基材側まで光の透過をしないものと推測される。
本発明のシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材は、可視光のみならず紫外線を射出する発光ダイオードのような発光素子、白熱電球、ハロゲンランプ、水銀灯、蛍光灯のような発光装置に装着するもので、発光した光を反射して所望の方向へ出射させるために、それら発光光源に実装される配線基板やパッケージケースに用いられる。また、このシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材は、太陽電池素子のような光電変換素子に装着するもので、入射する光を反射して、光電変換素子へ集光させるために、それら光電変換素子に実装される配線基板やパッケージケースに用いられる。
本発明のシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材の製造方法は、それら発光装置の作製に有用である。
また、本発明の原材料組成物は、シリコーン樹脂製紫外線反射保護基材を塗布、噴霧、浸漬、成型等により簡易に形成するのに有用である。
また、本発明の原材料組成物は、室温に対して安定して保管することができるので、缶に入れ、レジストインクとして製品となる。また、適宜に粘度を調整して、反射層を形成するのに有用である。
1は発光装置、2は太陽電池アセンブリ、10はシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材のパッケージケース、11は内壁、12・12a・12bは白色無機フィラー粉末、13は発光ダイオード、14a・14bはリード線、15a・15bは銅膜、16は支持体、17a・17bは紫外線反射保護層、27は太陽電池素子、27aはp型シリコン半導体、27bはn型シリコン半導体、18a・18bは銅膜、19は絶縁体層、20・21はシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材の基板、22はガラスクロス、31は金型、32は穴、33はダイシングソー、34は塗工ノズル、35はローラー、36はグラインダーである。

Claims (46)

  1. シリコーン樹脂と、酸化チタンとしてアナターゼ型酸化チタンのみ及び無機粉末のアルミナを含む白色無機フィラー粉末とを含有する紫外線反射保護層が、前記シリコーン樹脂の重合性シリコーン樹脂原材料と、前記白色無機フィラー粉末と、エポキシ系のシランカップリング剤及びビニル/フェニル系のシランカップリング剤とを含む原材料組成物の硬化物であり、板状に形成されている非変形性のシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材であって、
    前記紫外線反射保護層が、支持体上に形成されており、
    前記支持体が、イミド樹脂、ビスマレイミド・トリアジン樹脂、ガラス繊維含有エポキシ樹脂、紙フェノール樹脂、ベークライト、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、アラミド樹脂、ポリエーテルエーテル樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、液晶ポリマー、ポリエーテルスルホン樹脂、シクロオレフィン樹脂、シリコーンゴム、シリコーン樹脂、アルミニウム、銅、又はニッケルで形成されている箔又は板であり、
    前記紫外線反射保護層が、405nmの波長に対して少なくとも70%の反射率を有することを特徴とするシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材。
  2. 前記白色無機フィラー粉末が、アルミナ以外の無機粉末を含み、前記紫外線反射保護層が、365nmの波長に対して少なくとも30%の反射率を有することを特徴とする請求項1に記載のシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材。
  3. 前記白色無機フィラー粉末が、前記無機粉末を含み、前記紫外線反射保護層が、240nmの波長に対して少なくとも30%の反射率を有することを特徴とする請求項に記載のシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材。
  4. 前記無機粉末が、前記アルミナ、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化セリウム、酸化カルシム、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、及び炭酸バリウムから選ばれる少なくとも1つの無機顔料、及び/又は、チッ化アルミニウム、チッ化ホウ素、チタン酸バリウム、カオリン、タルク、シリカ、マイカ粉、粉末ガラス、粉末ニッケル、及び粉末アルミニウムから選ばれる少なくとも1つの別な無機粉末を含むことを特徴とする請求項2又は3に記載のシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材。
  5. 前記紫外線反射保護層が、前記シリコーン樹脂と前記アナターゼ型酸化チタンとを含む第一反射層、及びシリコーン樹脂と前記アナターゼ型酸化チタン以外の無機粉末とを含む第二反射層の積層体であることを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載のシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材。
  6. 前記積層体が、前記第一反射層の上に前記第二反射層が積層されていることを特徴とする請求項5に記載のシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材。
  7. 前記紫外線反射保護層の硬さが、ゴム硬度をショアA硬度で少なくとも30乃至鉛筆硬度で最大6Hの範囲とすることを特徴とする請求項1に記載のシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材。
  8. 記白色無機フィラー粉末が、アスペクト比を少なくとも5とする、透明又は白色の無機粉末を含んでいることを特徴とする請求項1~7の何れか1項に記載のシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材。
  9. 前記アスペクト比を少なくとも5とする、前記透明又は白色の無機粉末が、針状又は柱状であることを特徴とする請求項8に記載のシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材。
  10. 前記アスペクト比を少なくとも5とする前記透明又は白色の無機粉末が、アナターゼ型酸化チタン、チタン酸カリウム、酸化亜鉛及びマイクロガラス繊維から選ばれる少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項8又は9に記載のシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材。
  11. 前記シリコーン樹脂が、非環状のジメチルシロキシ繰返単位を主成分として含んでいることを特徴とする請求項1に記載のシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材。
  12. 前記シリコーン樹脂中に含まれる、シロキシ基繰返単位を4~10とする低分子量ポリシロキサンが、最大でも300ppmであることを特徴とする請求項1に記載のシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材。
  13. 前記紫外線反射保護層が、1~2000μmの厚さで形成されていることを特徴とする請求項1に記載のシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材。
  14. 前記シリコーン樹脂が、屈折率を1.35以上、1.65未満とすることを特徴とする請求項1に記載のシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材。
  15. 前記白色無機フィラー粉末が、シランカップリング処理粉末であってシリコーン樹脂中に分散されていることを特徴とする請求項1に記載のシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材。
  16. 前記アナターゼ型酸化チタンが、Al、Al、ZnO、ZrO、及び/又はSiOで被覆されていることを特徴とする請求項1に記載のシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材。
  17. 前記白色無機フィラー粉末が、平均粒径0.05~50μmであって、前記シリコーン樹脂中に、2~80質量%含有されていることを特徴とする請求項1に記載のシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材。
  18. 前記白色無機フィラー粉末の一部が、前記紫外線反射保護層の表面に露出していることを特徴とする請求項1に記載のシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材。
  19. 前記紫外線反射保護層に、前記白色無機フィラー粉末と蛍光体粉末とが分散されつつ含有されていることを特徴とする請求項1に記載のシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材。
  20. 前記紫外線反射保護層の表面が連続して、ナノメートル乃至マイクロメートルオーダーの凹凸形状、プリズム形状、及び/又は梨地面形状の何れかの非鏡面となっていることを特徴とする請求項1に記載のシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材。
  21. 前記紫外線反射保護層の表面又は裏面の上に、導電パターンが付されていることを特徴とする請求項1に記載のシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材。
  22. 前記導電パターンが、銅、銀、金、ニッケル、及びパラジウムから選ばれる少なくとも何れかの金属膜で形成されていることを特徴とする請求項21に記載のシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材。
  23. 前記金属膜が、めっき被膜、金属蒸着被膜、金属溶射膜、又は接着された金属箔膜であることを特徴とする請求項22に記載のシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材。
  24. 前記紫外線反射保護層が、発光素子、発光装置及び光電変換素子の何れかの背面、外周及び/又は導光材反射面に、配置されていることを特徴とする請求項1に記載のシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材。
  25. 前記重合性シリコーン樹脂原材料が、付加型シリコーンであることを特徴とする請求項に記載のシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材。
  26. アルミニウム、銅、又はニッケルの箔又は板の何れかで形成されている前記支持体と前記紫外線反射保護層との間に絶縁層を有することを特徴とする請求項25に記載のシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材。
  27. 記支持体が非変形性の硬質乃至剛直な前記板であることを特徴とする請求項に記載のシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材。
  28. 前記紫外線反射保護層が、前記導電パターンが付された前記支持体を部分的に被覆していることを特徴とする請求項21に記載のシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材。
  29. 三次元架橋したシリコーン樹脂へと重合させる重合性シリコーン樹脂原材料と、酸化チタンとしてアナターゼ型酸化チタンのみ及び無機粉末のアルミナを含む白色無機フィラー粉末と、エポキシ系のシランカップリング剤及びビニル/フェニル系のシランカップリング剤とを混合させて分散させ含有させて液状又はグリース状で粘性又は塑性のままの原材料組成物とした後、イミド樹脂、ビスマレイミド・トリアジン樹脂、ガラス繊維含有エポキシ樹脂、紙フェノール樹脂、ベークライト、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、アラミド樹脂、ポリエーテルエーテル樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、液晶ポリマー、ポリエーテルスルホン樹脂、シクロオレフィン樹脂、シリコーンゴム、シリコーン樹脂、アルミニウム、銅、又はニッケルで形成されている箔又は板である支持体上で三次元架橋させて前記シリコーン樹脂へ重合させることにより、非変形性の紫外線反射保護層を板状に形成して、前記紫外線反射保護層が、405nmの波長に対して70%以上の反射率を有するシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材にすることを特徴とするシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材の製造方法。
  30. 前記重合が、加熱、加湿、加圧及び紫外線照射の少なくとも何れかにより、なされることを特徴とする請求項29に記載のシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材の製造方法。
  31. 前記重合が、金型内での射出成形、又は金型での押圧成形の際、加熱及び/又は加圧により、なされることを特徴とする請求項29に記載のシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材の製造方法。
  32. 前記支持体が、非変形性の硬質乃至剛直な前記板であることを特徴とする請求項29に記載のシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材の製造方法。
  33. 前記原材料組成物中に前記シリコーン樹脂への三次元架橋の架橋剤を含み、前記重合が加熱によってなされることを特徴とする請求項29に記載のシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材の製造方法。
  34. 反応性の官能基を有するシラン化合又はシロキサン化合物からなる接着性付与成分を混合させて分散させ含有させて液状又はグリース状で粘性又は塑性のままの前記原材料組成物とすることを特徴とする請求項29に記載のシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材の製造方法。
  35. 前記紫外線反射保護層をスクリーン印刷、コンプレッション成形、又はディスペンサーを用いて、板状に形成することを特徴とする請求項29に記載のシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材の製造方法。
  36. 前記反応性の官能基が、ビニル基、フェニル基、アルコキシ基、エポキシ環含有基、(メタ)アクリロイル基、アルコキシシリル基、及びカルボニル基から選ばれる何れかであることを特徴とする請求項34に記載のシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材の製造方法。
  37. 前記重合性シリコーン樹脂原材料が、付加型シリコーンであることを特徴とする請求項29に記載のシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材の製造方法。
  38. 失活又は揮発するまで硬化反応を抑制する反応抑制剤を混合させて分散させ含有させて液状又はグリース状で粘性又は塑性のままの前記原材料組成物とすることを特徴とする請求項29又は34に記載のシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材の製造方法。
  39. 請求項1乃至28に記載のシリコーン樹脂製紫外線反射保護基材を形成するために用いられる原材料組成物であって、重合性シリコーン樹脂の原材料と、酸化チタンとしてアナターゼ型酸化チタンのみ及び無機粉末のアルミナを含む白色無機フィラー粉末と、エポキシ系のシランカップリング剤及びビニル/フェニル系のシランカップリング剤とが含有されている液状又はグリース状で粘性又は塑性である原材料組成物であって、
    405nmの波長に対して少なくとも70%の反射率を有する前記紫外線反射保護層を、イミド樹脂、ビスマレイミド・トリアジン樹脂、ガラス繊維含有エポキシ樹脂、紙フェノール樹脂、ベークライト、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、アラミド樹脂、ポリエーテルエーテル樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、液晶ポリマー、ポリエーテルスルホン樹脂、シクロオレフィン樹脂、シリコーンゴム、シリコーン樹脂、アルミニウム、銅、又はニッケルで形成されている箔又は板である支持体上に、板状に形成するためのものであることを特徴とする原材料組成物。
  40. 前記白色無機フィラー粉末が無機粉末を含み、無機粉末が、前記アルミナ、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化セリウム、酸化カルシム、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、及び炭酸バリウムから選ばれる少なくとも1つの無機顔料、及び/又は、チッ化アルミニウム、チッ化ホウ素、チタン酸バリウム、カオリン、タルク、シリカ、マイカ粉、粉末ガラス、粉末ニッケル、及び粉末アルミニウムから選ばれる少なくとも1つの別な無機粉末を含むことを特徴とする請求項39に記載の原材料組成物。
  41. 失活又は揮発するまで硬化反応を抑制する反応抑制剤を含み、前記反応抑制剤が、メチルビニルシクロテトラシロキサン;3-メチル-1-ブチン-3-オール、3,5-ジメチル-1-へキシン-3-オール、3-メチル-1-ペンテン-3-オール、及びフェニルブチノ-ルから選ばれるアセチレンアルコール類;3-メチル-3-ペンテン-1-イン、及び3,5-ジメチル-1-へキシン-3-インから選ばれるアセチレン化合物;これらのアセチレン化合物と、アルコキシシラン、アルコキシシロキサン、ハイドロジェンシラン、又はハイドロジェンシロキサンとを反応させたシロキサン変性アセチレンアルコール類;ベンゾトリアゾールである窒素含有有機化合物;有機リン化合物;オキシム化合物;又は有機クロム化合物であることを特徴とする請求項39に記載の原材料組成物。
  42. 粘度調整のための有機溶剤及び/又は反応性希釈剤が含まれていることを特徴とする請求項39に記載の原材料組成物。
  43. 反応性の官能基を有するシラン化合物又はシロキサン化合物からなる接着性付与成分を含み、前記反応性の官能基が、ビニル基、フェニル基、アルコキシ基、エポキシ環含有基、(メタ)アクリロイル基、アルコキシシリル基、及びカルボニル基から選ばれる何れかであることを特徴とする請求項39に記載の原材料組成物。
  44. 前記重合性シリコーン樹脂の原材料には、それが三次元架橋したシリコーン樹脂中でシロキシ基繰返単位を4~10とする低分子量ポリシロキサンを最大でも300ppmとなるように、前記低分子量ポリシロキサンを含んでいることを特徴とする請求項39に記載の原材料組成物。
  45. アスペクト比を少なくとも5とする、透明又は白色の無機粉末を含むことを特徴とする請求項39又は40に記載の原材料組成物。
  46. 前記アスペクト比を少なくとも5とする前記透明又は白色の無機粉末が、アナターゼ型酸化チタン、チタン酸カリウム、酸化チタン及びマイクロガラス繊維から選ばれる少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項45に記載の原材料組成物。
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