JP7494407B1 - 情報処理システム、情報処理方法、およびプログラム - Google Patents

情報処理システム、情報処理方法、およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】設備の異常判定の過検知を抑制しながら、当該異常判定の精度の向上に要する人的資源を削減する。【解決手段】情報処理システムは、設備の状態を監視する。情報処理システムは、データ収集部と、処理部とを備える。データ収集部は、第1時間間隔毎に設備に関する第1状態データを取得するとともに、第1時間間隔より長い第2時間間隔毎に設備に関する第2状態データを取得する。処理部は、第1状態データおよび第2状態データの各々の時系列データに基づいて、設備が正常か否かの判定を行う。第1状態データの時系列データは、第1波形データWv1を含む。処理部は、第2状態データの時系列データに対する補間処理によって第2波形データWv2を生成し、第1波形データWv1および第2波形データWv2に対する加算処理によって第3波形データWv3を生成し、第3波形データWv3を用いて上記判定を行う。【選択図】図3

Description

本開示は、情報処理システム、情報処理方法、およびプログラムに関する。
従来、機械学習によって学習済みとされたモデルを用いて、設備が発する音が正常状態であるのか異常状態であるのかを判定する構成が知られている。たとえば、特許第7142530号(特許文献1)には、設備から発せられる音を集音装置によって集音し、集音装置によって集音された音が正常状態であるか否かを判定する情報処理システムが開示されている。当該情報処理システムにおいては、学習済みモデルによって正常データと判定されなかった音データをスピーカから出力させて、ユーザ操作に応じて、正常データであることを示すラベルおよび異常データであることを示すラベルのいずれかを当該音データに付与することができる。当該情報システムによれば、精度の高い異音判定を可能とするための学習用データを容易に得ることができる。
特許第7142530号
特許文献1に開示された情報処理システムによれば、設備の異常判定の運用開始後において、ユーザによってラベル付けされた音データを学習用データとする追加学習によって、学習済みモデルによる過検知(実際は正常な場合を異常な場合と判定すること)を抑制することができる。しかし、当該学習用データの作成にはユーザによるラベル付与の作業が必要になるため、学習済みモデルの精度の向上に多くの人的資源が割かれ得る。
本開示は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、設備の異常判定の過検知を抑制しながら、当該異常判定の精度の向上に要する人的資源を削減することである。
本開示の一局面に係る情報処理システムは、設備の状態を監視する。情報処理システムは、データ収集部と、処理部とを備える。データ収集部は、第1時間間隔毎に設備に関する第1状態データを取得するとともに、第1時間間隔より長い第2時間間隔毎に設備に関する第2状態データを取得する。処理部は、第1状態データおよび第2状態データの各々の時系列データに基づいて、設備が正常か否かの判定を行う。第1状態データの時系列データは、第1波形データを含む。処理部は、第2状態データの時系列データに対する補間処理によって第2波形データを生成し、第1波形データおよび第2波形データに対する加算処理によって第3波形データを生成し、第3波形データを用いて上記判定を行う。
本開示の他の局面に係る情報処理方法は、設備の状態を監視するための方法である。情報処理方法は、第1時間間隔毎に設備に関する第1状態データを取得するとともに、第1時間間隔より長い第2時間間隔毎に設備に関する第2状態データを取得するステップと、第1状態データおよび第2状態データの各々の時系列データに基づいて、設備が正常か否かの判定を行うステップとを含む。第1状態データの時系列データは、第1波形データを含む。判定を行うステップは、第2状態データの時系列データに対する補間処理によって第2波形データを生成し、第1波形データおよび第2波形データに対する加算処理によって第3波形データを生成し、第3波形データを用いて上記判定を行う。
本開示に係る情報処理システムおよび情報処理方法によれば、取得される時間間隔が互いに異なる第1状態データおよび第2状態データの時系列データから生成された第3波形データを用いて設備が正常か否かの判定を行うことにより、設備の異常判定の過検知を抑制しながら、当該異常判定の精度の向上に要する人的資源を削減することができる。
情報処理システムの構成と、情報処理システムによって監視される工場内の設備とを併せて示す図である。 図1のサーバ装置によるミキシング処理において行われるセンサデータの補間処理の一例を説明するための図である。 図1のサーバ装置によるミキシング処理において行われる音データの波形データと、センサデータの波形データとの加算処理を説明するための図である。 図1のサーバ装置によるミキシング処理の設定画面を示す図である。 情報処理システムにおける全体的な処理の流れを説明するためのフロー図である。 データ収集ユニットで音データおよびセンサデータを行うための準備作業の流れを説明するためのフロー図である。 正常モデルである規範モデルの生成処理の流れを説明するためのフロー図である。 規範モデルを利用した設備監視の処理の流れを説明するためのフロー図である。 データ収集ユニットによって得られたデータの処理について説明するための図である。 端末装置で表示される表示画面の例を表した図である。 設備監視に関するタブが選択されたときに端末装置の画面に表示されるデータの一例を説明するための図である。 設備監視に関するタブが選択されたときに端末装置の画面に表示されるデータの他の例を説明するための図である。 設備監視に関するタブが選択されたときに端末装置の画面に表示されるデータのさらに他の例を説明するための図である。 情報処理システムにおいて実行されるラベル付け処理の流れを説明するためのフロー図である。 誤検知モデルの生成処理の流れを説明するためのフロー図である。 異常モデルの生成処理の流れを説明するためのフロー図である。 端末装置において表示される画面を表した図である。 端末装置において表示される画面を表した図である。 (a)音データの判定グラフ、(b)温度データの判定グラフ、および(c)音データおよび温度データのミキシングデータの判定グラフを併せて示す図である。 (a)音データの判定グラフ、(b)においデータの判定グラフ、および(c)音データおよびにおいデータのミキシングデータの判定グラフを併せて示す図である。 規範モデルと誤検知モデルと異常モデルとを利用した状態監視の処理の流れを説明するためのフロー図である。 端末装置において表示される画面を表した図である。 情報処理システムの機能的構成を説明するための図である。 サーバ装置のハードウェア構成の典型例を表した図である。 端末装置のハードウェア構成の典型例を表した図である。 死活監視の画面を表した図である。
以下、図面を参照しつつ、本開示の各実施の形態に係る情報処理システムについて説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
<A.システム構成>
図1は、情報処理システム1の構成と、情報処理システム1によって監視される工場1000内の設備900とを併せて示す図である。図1においては、監視対象となる設備900の例として、配管設備900A,900Bが示されている。配管設備900Aからは漏水Drという異常が発生している。設備900は、1つあってもよいし、3つ以上であってもよい。また、設備900は、配管設備に限定されず、たとえば、機械設備であってもよい。
図1に示されるように、情報処理システム1は、設備監視の中核をなすクラウドシステム100と、端末装置200と、複数のデータ収集ユニット300(データ収集ユニット)とを備える。なお、端末装置200の数は、1台に限定されるものではない。また、データ収集ユニット300は、1つであってもよい。
情報処理システム1は、データ収集ユニット300とクラウドシステム100とを用いて、設備900に異常が発生していないかをリアルタイムに監視する。なお、1つのデータ収集ユニット300によって、1つの設備900の状態を反映する複数の状態データが取得される。
クラウドシステム100は、たとえば、サーバ装置100A(処理部)と、記憶装置100Bとにより構成される。サーバ装置100Aは、端末装置200と通信可能に接続されている。クラウドシステム100は、サーバ装置単体、あるいは、複数のサーバ装置で構成されていてもよい。サーバ装置100Aと、記憶装置100Bとは、互いに通信可能に接続されている。クラウドシステム100は、少なくとも1つのサーバ装置を含んでいれば、他の装置構成は特に限定されるものではない。
データ収集ユニット300は、設備900の近傍に配置されている。データ収集ユニット300は、サンプリングタイム(第1時間間隔)毎に音データ(第1状態データ)を取得するとともに、音データのサンプリングタイムより長いサンプリングタイム(第2時間間隔)毎にセンサデータ(第2状態データ)を収集する。データ収集ユニット300は、集音装置310と、計測センサ320とを含む。
集音装置310は、マイクとデータ通信装置とを含む。データ通信装置は、サンプリングタイム(たとえば、10ms)毎にマイクで集音された音データ(パケットデータ)を、ネットワークNWを介して、サーバ装置100Aに送信する。典型的には、データ通信装置は、リアルタイムに音データをサーバ装置100Aに送信する。当該音データは、記憶装置100Bに逐次格納される。集音装置310は、マイクとデータ通信装置とが一体化したものであってもよい。
計測センサ320は、サンプリングタイム(たとえば、1s)毎に計測されたセンサデータ(パケットデータ)を、ネットワークNWを介して、サーバ装置100Aに送信する。計測センサ320は、音以外の値(量あるいはレベル)を計測する。計測センサ320のサンプリングタイムは、集音装置310のサンプリングタイムよりも長い。計測センサ320のサンプリングタイムは、たとえば、集音装置310のサンプリングタイムの100倍以上の時間間隔である。計測センサ320によって計測される値には、たとえば、温度、湿度、におい、電流、電圧、回転数、圧力、あるいは流量が含まれる。典型的には、計測センサ320は、リアルタイムにセンサデータをサーバ装置100Aに送信する。当該センサデータは、記憶装置100Bに逐次格納される。
サーバ装置100Aは、記憶装置100Bに蓄積された音データの時系列データ(第1波形データ)およびセンサデータの時系列データに対してミキシング処理を行ってミキシングデータを生成する。サーバ装置100Aは、ミキシングデータを設備900毎に順次解析して、設備900が、正常であるのか、あるいは異常であるのかを判定する。典型的には、サーバ装置100Aは、機械学習によって学習済みとされたモデル(学習済みモデル)を用いて、設備900が正常であるのか、あるいは異常状態であるのかを判定する。サーバ装置100Aは、解析結果を記憶装置100Bに格納する。サーバ装置100Aは、解析の結果、異常が発生したと判定した場合には、端末装置200に対して設備900で異常が発生している旨をリアルタイムに通知する。詳しくは、サーバ装置100Aは、どの設備900で異常が発生しているかを、端末装置200のユーザ(保守・監視員950)に通知する。
端末装置200は、サーバ装置100Aから収集された各種の状態データを表示可能に構成されている。端末装置200では、各種の監視画面を表示できる。端末装置200は、典型的には、ブラウザを用いてサーバ装置100Aから提供される各種情報を表示する。
なお、図1においては、データ収集ユニット300によって収集される波形データが音データの時系列データである場合について説明した。波形データは、音の時系列データに限定されず、たとえば、振動データの時系列データ、あるいは加速度の時系列データであってもよい。
図2は、図1のサーバ装置100Aによるミキシング処理において行われるセンサデータの補間処理の一例を説明するための図である。図2(a)は、センサデータの値と計測時刻との対応を示すタイムチャートである。図2(b)は、図2(a)に対する補間処理によって得られる波形データを示している。
図2(a)においては、センサデータに含まれる、サンプリングタイム毎に計測された複数の計測値と複数の計測時刻との組合せであるプロット点のうち、4つのプロット点P1,P2,P3,P4が示されている。プロット点P1,P2,P3,P4は、時刻t1,t2,t3,t4(t1<t2<t3<t4)にそれぞれ計測されている。時刻t1,t2,t3,t4のうち、互いに隣接する2つの計測時刻の時間間隔はサンプリングタイムに等しい。プロット点P1,P2,P3,P4の計測値は、それぞれA3,A4,A2,A1(A1<A2<A3<A4)である。
サーバ装置100Aは、時系列において互いに隣接する2つのセンサデータの時間間隔において、当該時間間隔の開始時刻あるいは終了時刻のいずれかにおける計測値を振幅値とする、波形データを生成する。当該波形データの周波数は、たとえば44.1kHzである。図2(a)を例に説明すると、サーバ装置100Aは、時間間隔t1~t2において、時刻t1の計測値である振幅A3の波形データを生成する。サーバ装置100Aは、時間間隔t2~t3において、時刻t2の計測値である振幅A4の波形データを生成する。サーバ装置100Aは、時間間隔t3~t4において、時刻t3の計測値である振幅A2の波形データを生成する。サーバ装置100Aは、時間間隔t4~t5において、時刻t4の計測値である振幅A1の波形データを生成する。以下では、図2に示されるような補間処理によって生成されたセンサデータの時系列データをセンサデータの波形データ(第2波形データ)とも称する。
図3は、図1のサーバ装置100Aによるミキシング処理において行われる音データの波形データ(音波形データ)Wv1と、センサデータの波形データ(センサ波形データ)Wv2との加算処理を説明するための図である。図3に示されるように、音波形データWv1およびセンサ波形データWv2は、それぞれキューqa,qbとして保持される。キューqaは、少なくとも1つパケットpaを含む。少なくとも1つパケットpaは、キューqbは、少なくとも1つパケットpbを含む。少なくとも1つパケットpaおよび少なくとも1つパケットpbにおいて、対応する順番n(nは自然数)の2つのパケットpa_n,pb_nの計測時刻は互いに同じかあるいは近接している。サーバ装置100Aは、2つのパケットpa_n,pb_nの値に重み付けをして加算し、ミキシングデータWv3(第3波形データ)を生成する。なお、2つのパケットの値に対する重み付けを伴う加算とは、音データのパケットの値に重みα(第1重み)を乗じた値と、当該パケットに対応するセンサデータのパケットの値に重みβ(第2重み)を乗じた値との加算である。音データの重みαに対するセンサデータの重みβの比率を、ミキシング比率とも呼ぶ。たとえば、ミキシング比率が0.2である場合、パケットpa_nに1が乗ぜられた値に、パケットpb_nに0.2が乗じられた値が加算される。
図4は、図1のサーバ装置100Aによるミキシング処理の設定画面205を示す図である。設定画面205は、端末装置200において表示される。図4に示されるように、設定画面205には、リストボックスLst1,Lst2、追加ボタンBa1,Ba2、削除ボタンBd1,Bd2、数値設定コントロールNud、トグルボタンStg、および反映ボタンBtnが配置されている。反映ボタンBtnが押下されることにより、設定画面205の内容がミキシング処理に反映される。
リストボックスLst1には、波形データが列挙される。ユーザは、リストボックスLst1に列挙された波形データの中からミキシング処理の対象とされる波形データを選択することができる。図4においては、音波形データWv11、音波形データWv12、振動データの波形データ(振動波形データ)Wv21、音波形データWv31、および加速度データの波形データ(加速度波形データ)Wv31が示されている。
追加ボタンBa1を押下することにより、リストボックスLst1に新たな波形データを追加することができる。削除ボタンBd1を押下することにより、選択された波形データをリストボックスLst1から削除することができる。
リストボックスLst2には、波形データとともにミキシング処理の対象とされるセンサデータの時系列データ(センサ時系列データ)が列挙される。ユーザは、リストボックスLst2に列挙されたセンサデータの中からミキシング処理において参照されるセンサデータを選択することができる。図5においては、温度データの時系列データ(温度時系列データ)Ts11、温度時系列データTs12、においデータの時系列データ(におい時系列データ)Ts21、電流データの時系列データ(電流時系列データ)Ts31、および電圧データの時系列データ(電圧時系列データ)Ts41が示されている。
追加ボタンBa2を押下することにより、リストボックスLst2に新たなミキシング対象データを追加することができる。削除ボタンBd2を押下することにより、リストボックスLst2から選択されたミキシング対象データを削除することができる。
数値設定コントロールNudには、ミキシング比率を入力することができる。当該値は、図3の加算処理における2つのパケットの値に対する重み付けに反映される。ミキシング比率を調節することにより、ミキシングデータに基づく異常判定において、異常データの検出漏れ(実際は異常な場合を正常と判定すること)を抑制することができる。その結果、当該異常判定の検出精度を向上させることができる。
トグルボタンStgによって、ミキシング処理の有効化および無効化を切り替えることができる。ミキシング処理が有効化されている場合、リストボックスLst1,Lst2および数値設定コントロールNudの内容に基づくミキシング処理が行われる。ミキシング処理が無効化されている場合、ミキシング処理は行われず、リストボックスLst1において選択された波形データに基づく異常判定が行われる。
図5は、情報処理システム1における全体的な処理の流れを説明するためのフロー図である。なお、後述する各S1~S11は、自動的に順に実行されるのではなく、典型的には、サーバ装置100Aが、ユーザ操作に基づく所定の指示(各ステップを実行させるユーザ指示)を受け付けることにより実行される。また、以下で説明する、規範モデルM1、誤検知モデルM2、および異常モデルM3は、設備900毎に生成される。なお、以下ではステップを単にSと記載する。
図5に示されるように、S1において、クラウドシステム100は、正常な設備900から取得された音データとセンサデータとのミキシングデータを学習用データとした機械学習により、規範モデルM1(正常モデル)を生成する。S2において、クラウドシステム100は、規範モデルM1を利用した設備監視を実行する。具体的には、クラウドシステム100は、規範モデルM1を用いて、データ収集ユニット300によって収集されたデータから生成されたミキシングデータが正常データであるか否かを判定する。
S3において、規範モデルM1によって正常データでないと判定されたミキシングデータに対応する音声データを人間が実際に聞き、人間が異常状態であると判定した場合には、当該ミキシングデータに対して異常状態のラベル付けが行われる。人間が正常状態であると判定した場合(つまり、規範モデルによる判定が誤検知であった場合)には、当該ミキシングデータに対して正常状態のラベル付けが行われる。
S4において、クラウドシステム100は、正常状態のラベル付けがされた音データを用いて、誤検知モデルM2を生成する。なお、S3において、正常状態のラベル付けがされたミキシングデータがない場合には、S4の処理は行われない。
S5において、クラウドシステム100は、異常状態のラベル付けがされた音データを用いて、異常モデルM3を生成する。なお、S3において、異常状態のラベル付けがされたミキシングデータがない場合には、S5の処理は行われない。
S6において、クラウドシステム100は、規範モデルM1と、誤検知モデルM2と、異常モデルM3とを利用した設備監視を実行する。S7において、クラウドシステム100は、誤検知モデルM2を用いて規範モデルM1を更新する。S8において、クラウドシステム100は、更新後の規範モデルM1と、異常モデルM3とを利用した設備監視を実行する。なお、S7の処理は、必須ではなく、実施しなくてもよい。
S9において、S3と同様なラベル付け処理がなされる。S10において、クラウドシステム100は、S9において正常状態のラベル付けがされたミキシングを用いて、誤検知モデルM2を更新する。S11において、クラウドシステム100は、S9において異常状態のラベル付けがされたミキシングデータを用いて、異常モデルM3を更新する。
図6は、データ収集ユニット300で音データおよびセンサデータを行うための準備作業の流れを説明するためのフロー図である。
図6に示されるように、S21において、クラウドシステム100は、集音装置310のデータ通信装置の時計の時刻および計測センサ320の時計の時刻と、設備900の時計の時刻と、サーバ装置100Aの時計の時刻とを同期させるための操作を受け付ける。また、S22において、クラウドシステム100は、集音装置310のマイクの集音時の音量を調整するためのユーザ操作を受け付ける。
S23において、クラウドシステム100は、集音装置310のデータ通信装置および計測センサ320の各々からサーバ装置100Aに対する音データの転送設定をするためのユーザ操作を受け付ける。
上記の調整や設定が完了した後、S24において、データ収集ユニット300は、集音した音および物理量のデータサンプリングを行う。集音装置310のサンプリングの周期は、たとえば、44.1kHzとすることができる。計測センサ320のサンプリングの周期は、たとえば1秒とすることができる。
S25において、集音装置310は、音データをPCM(Pulse Code Modulation)音源化する。集音装置310のデータ通信装置は、PCM音源化された音データ(パケット)をサーバ装置100Aに対して送信する。計測センサ320は、センサデータ(パケット)をサーバ装置100Aに対して送信する。以後、S24,S25,S26の処理が繰り返される。
以下では、図5に示したフロー図の流れに従い、「規範モデルM1の生成(S1)」,「規範モデルM1の利用(S2)」,「誤検知モデルM2および異常モデルM3の生成(S3,S4,S5)」,「誤検知モデルM2および異常モデルM3の利用(S6)」,「規範モデルM1の更新(S7)」の順に説明する。
<B.規範モデルM1の生成>
図7は、正常モデルである規範モデルM1の生成処理の流れを説明するためのフロー図である。典型的には、規範モデルM1は、サーバ装置100Aのプロセッサ151(図19参照)が学習用データ(後述する、特徴量)と、所定の学習用プログラムとを用いることにより生成される。
図7に示されるように、S31において、サーバ装置100Aは、データ収集ユニット300を用いて、設備900が正常に動作している場合における音データおよびセンサデータを取得する。S32において、サーバ装置100Aは、音データおよびセンサデータに対してミキシング処理を行う。S32のミキシング処理は、図2に示される補間処理S321および図3に示される加算処理S322を含む。
S33において、サーバ装置100Aは、ミキシングデータに対して前処理を行う。具体的には、サーバ装置100Aは、ミキシングデータを単位時間毎の単位データDuに区切る。たとえば、サーバ装置100Aは、ミキシングデータをTu秒(1秒以下の所定の秒数)の単位データDuに分割する。さらに、前処理として、ノイズ除去、解析対象の周波数帯を設定すること、バンドパスフィルタの適応等がなされる。
S34において、サーバ装置100Aは、各単位データDuから、所定のアルゴリズムを用いて特徴量を抽出する。S35において、サーバ装置100Aは、抽出された特徴量を用いて機械学習を行う。このような機械学習を繰り返すことにより、規範モデルM1が生成される。
なお、サンプリング周波数を44.1kHz、計測可能な周波数をサンプリング周波数の半分、周波数の分解能を10Hzとすると、特徴量の次元数(入力ベクトルの次元数)は2205となる。
<C.規範モデルM1の利用>
図8は、規範モデルM1を利用した設備監視の処理の流れを説明するためのフロー図である。規範モデルM1を生成した時点では、誤検知モデルM2および異常モデルM3は生成されていないため、情報処理システム1は、規範モデルM1のみを用いて設備監視を行う。
図8に示されるように、S41において、サーバ装置100Aは、データ収集ユニット300を用いて、設備900が正常に動作している場合の音データおよびセンサデータを取得するする。S42において、サーバ装置100Aは、図7のS32と同様に、音データおよびセンサデータに対してミキシング処理を行う。
S52において、サーバ装置100Aは、S41において取得されたデータおよびS42において生成されたミキシングデータを、再生用のデータ(生データ)として記憶装置100Bに記憶させる。詳しくは、サーバ装置100Aは、当該データを時刻情報に関連付けて記憶装置100Bに記憶させる。
S43において、サーバ装置100Aは、図7のS33と同様に、ミキシングデータに対して前処理を行う。具体的には、サーバ装置100Aは、ミキシングデータを単位時間毎の単位データDuに区切る。
S43の後、サーバ装置100A(詳しくは、プロセッサ151)は、S44~S51の各処理を、単位データDuの各々に対して実行する。
S44において、プロセッサ151は、単位データDuから、上記の所定のアルゴリズムを用いて特徴量を抽出する。S45において、プロセッサ151は、抽出された特徴量を規範モデルM1に入力する。S46において、プロセッサ151は、規範モデルM1からの出力を得る。具体的には、規範モデルM1(クラスタ)に対する誤差が算出され、当該誤差が出力される。
S47において、プロセッサ151は、算出された誤差が所定の範囲R1内であるかいなかを判定する。プロセッサ151は、誤差が範囲R1内であると判定した場合(S46においてYES)、S48において、単位データDuを正常データと判定する。なお、範囲R1内か否かの判定として、たとえば、3σ法を用いればよい。
プロセッサ151は、誤差が範囲R1外であると判定した場合(S47においてNO)、S49において、単位データDuを異常データと仮判定する。次いで、S50において、プロセッサ151は、異常の報知処理を実行する。詳しくは、サーバ装置100Aから端末装置200に対して所定の警告通知を行う。この場合、端末装置200は、警告表示等の各種の処理を行う。S51において、プロセッサ151は、判定結果を記憶装置100Bに記憶させる。S50とS51との処理は、並行して行われてもよいし、S51の処理がS50の処理の前であってもよい。
図9は、データ収集ユニット300によって得られたデータの処理について説明するための図である。図9に示されるように、音波形データ、およびミキシングデータは、保存用データDs1,Dsとして記憶装置100Bに保存される。当該ミキシングデータは、判定用データDdとしても処理される。つまり、サーバ装置100Aは、1つのデータ収集ユニット300によって得られた音波形データおよびセンサ時系列データから生成されたミキシングデータ((A)参照))を、保存用データDs((B)参照)として保持するとともに、保存用データDsとは別に、判定用データDd((C)参照)としても保持する。たとえば、プロセッサ151が、保存用データDsをオリジナルデータとし、当該オリジナルデータをコピーすることにより判定用データDdを生成すればよい。保存用データDs1は、集音装置310で集音された音のデータそのもの(生データ)であって、ノイズ等の音を取り除く処理を行なっていないデータである。
プロセッサ151は、判定用データDdを、単位時間Tu毎の単位データDuに区切る。プロセッサ151は、上述したように、単位データDu毎に特徴量を抽出する。
図10は、端末装置200で表示される表示画面の例を表した図である。図10に示されるように、画面201は、複数のタブ211,212,213,214,215と、ダッシュボード270とを含む。
ダッシュボード270は、状態監視の項目271と、通信ログの項目272と、ツールの項目273と、レポートの項目274と、アラートの項目275とを含む。
端末装置200のユーザが、タブ211を選択すると、死活監視の画面が表示される。死活監視は、データ収集ユニット300からの「ping」を監視することにより行われる。端末装置200のユーザが、タブ212を選択すると、Trap監視の画面が表示される。端末装置200のユーザが、タブ213を選択すると、Syslog監視の画面が表示される。端末装置200のユーザが、タブ214を選択すると、プロトコル監視の画面が表示される。端末装置200のユーザが、タブ215を選択すると、設備監視の画面が表示される。
図11は、設備監視に関するタブ215が選択されたときに端末装置200の画面に表示されるデータの一例を説明するための図である。図11に示されるように、端末装置200は、ミキシングデータの波形221を時刻に関連付けて表示する。
図12は、設備監視に関するタブ215が選択されたときに端末装置200の画面に表示されるデータの他の例を説明するための図である。図12に示されるように、端末装置200は、スペクトラム222を表示する。
図13は、設備監視に関するタブ215が選択されたときに端末装置200の画面に表示されるデータのさらに他の例を説明するための図である。図13に示されるように、端末装置200は、規範モデルM1の出力(「評価値」と表記)と、出力の正常範囲とを示したグラフ223を表示する。
波形221、スペクトラム222、グラフ223は、誤検知モデルM2および異常モデルM3の生成の際に活用することができる。
サーバ装置100Aのプロセッサ151が単位データDuを異常データと判定した場合には、端末装置200は、画面に警告表示を行う。たとえば、端末装置200は、画面201(図10参照)に警告表示を示したオブジェクト画像を重畳させることにより、警告表示を行ってもよい。
また、端末装置200あるいはサーバ装置100Aは、端末装置200の近傍に設置された、図示しない表示灯(たとえば、積層表示灯)を発光させることにより、端末装置200のユーザ(保守・監視員950)に対して異常の発生を通知してもよい。また、サーバ装置100Aは、所定のアドレス宛に警告メールを送信してもよい。
<D.誤検知モデルM2および異常モデルM3の生成>
最初に、誤検知モデルM2および異常モデルM3を生成するための事前処理として、データへのラベル付け処理について説明する。次いで、誤検知モデルM2および異常モデルM3の生成について説明する。
図14は、情報処理システム1において実行されるラベル付け処理の流れを説明するためのフロー図である。図14に示されるように、S61において、端末装置200のプロセッサ251は、保存用データDsのうち、規範モデルM1によって異常データと仮判定された単位データDuに対応する部分データDpを特定し、部分データDpに対応する保存用データDs1の部分データDp1を再生する。具体的には、プロセッサ251は、保存用データDs1のうちの部分データDp1をスピーカから出力する。端末装置200は、サーバ装置100Aから部分データDp1を取得することにより、当該部分データDp1を再生する。
より詳しくは、サーバ装置100Aは、異常データと判定された単位データDuの時間情報に基づき、当該時間情報が示す時間帯の部分データDp,Dp1を保存用データDs,Ds1からそれぞれ抽出する。サーバ装置100Aは、抽出された部分データDp1を端末装置200に送信する。端末装置200は、受信した部分データDp1を再生する。
たとえば、端末装置200は、異常データと仮判定された単位データDuが時間的に連続して複数存在しているときには、これら複数の単位データDuに対応する部分データDp1を再生してもよい。典型的には、異常データと仮判定された単位データDuが、所定時間内(たとえば10秒以内)に閾値以上の存在する場合、端末装置200は、この期間の全部または指定された一部を再生可能に構成されている(図18参照)。詳しくは、端末装置200は、再生する区間(期間)をユーザ操作により決定し、決定された区間に含まれる部分データDp1を再生する。
端末装置200のユーザは、S61の再生処理により出力された音を聞くことにより、規範モデルM1によって異常と判定されたミキシングデータの生成に用いられた音データが、本当に異常状態であるのか否かを判定する。すなわち、ユーザは、自ら、当該音データが異常音であったのか、誤検知(正常音)であったかを判定する。
S62において、サーバ装置100Aは、正常データ(誤検知データ)であることを示したオブジェクト231(図18参照)を選択するユーザ操作を端末装置200が受け付けたか否かを判定する。具体的には、サーバ装置100Aは、端末装置200からオブジェクト231が選択されたことを示す信号を受信したか否かを判定する。
オブジェクト231が選択された場合(S62においてYES)、S63において、サーバ装置100Aは、部分データDpに対して正常状態のラベル付けをし、かつ正常状態のラベル付けがなされた部分データDpを記憶装置100Bに格納する。
オブジェクト231が選択されていない場合(S62においてNO)、S64において、サーバ装置100Aは、異常データであることを示したオブジェクト232(図18参照)を選択するユーザ操作を端末装置200が受け付けたか否かを判定する。具体的には、サーバ装置100Aは、端末装置200からオブジェクト232が選択されたことを示す信号を受信したか否かを判定する。
オブジェクト232が選択された場合(S64においてYES)、S65において、サーバ装置100Aは、部分データDpに対して異常状態のラベル付けをし、かつ異常状態のラベル付けがなされた部分データDpを記憶装置100Bに格納する。
オブジェクト232が選択されていない場合(S64においてNO)、S66において、端末装置200は、部分データDp1を繰り返して再生するための操作を受け付けたか否かを判定する。端末装置200は、当該操作を受け付けたと判定した場合(S66においてYES)、処理をS61に進める。端末装置200は、当該操作を受け付けていないと判定した場合(S66においてNO)、処理をS62に進める。
以上により、再生された部分データDp1に対応する部分データDpに対して、正常状態または異常状態を示すラベル付けが完了する。
ところで、図14の処理においては、再生処理だけにより、端末装置200のユーザがラベル付けを行う場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。
ユーザは、再生音の確認だけでは、正常状態か異常状態かを判定できない場合には、図11に示した波形221、図12に示したスペクトラム222、および図13に示したグラフ223の少なくとも1つを画面に表示させてもよい。この場合、ユーザは、再生音の確認と、画面情報の確認とにより、規範モデルM1によって異常と判定されたミキシングデータが、本当に異常状態であるのか、それとも正常状態であったかのかを判定すればよい。この場合にも、当該判定結果に基づき、部分データDpに対するラベル付けが行われる。
なお、図14においては、異常データと仮判定された全ての単位データDuの各々に対応する各部分データDpに対して、正常データのラベルまたは異常データのラベルを付与する構成を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。ユーザが指定(選択)した部分データDpに対してのみ、ラベル付けを行ってもよい(図17,図18参照)。つまり、ユーザが、異常データと仮判定された全ての単位データDuの各々に対応する部分データDp1の全てを再生して当該全ての部分データDp1を聞くことは、必ずしも必要ではない。
図15は、誤検知モデルM2の生成処理の流れを説明するためのフロー図である。図15に示されるように、S71において、サーバ装置100Aのプロセッサ151は、記憶装置100Bから正常データのラベル付けがなされた部分データDpを読み出す。S72において、プロセッサ151は、読み出された部分データDpから、所定のアルゴリズムを用いて特徴量を抽出する。S73において、サーバ装置100Aは、抽出された特徴量を用いて機械学習を行う。
S74において、プロセッサ151は、正常データのラベル付けがなされた部分データDpが全て読み出されたか否かを判定する。なお、部分データDpは、同一の設備900に関するデータである。
プロセッサ151は、全ての部分データDpを読み出していないと判定した場合(S74においてNO)、処理をS72に進める。プロセッサ151は、全ての部分データDpを読み出した判定した場合(S74においてYES)、一連の処理を終了する。
サーバ装置100Aは、このような機械学習を繰り返すことにより、誤検知モデルM2が生成される。
図16は、異常モデルM3の生成処理の流れを説明するためのフロー図である。図16に示されるように、S81において、サーバ装置100Aのプロセッサ151は、記憶装置100Bから異常データのラベル付けがなされた部分データDpを読み出す。S82において、プロセッサ151は、読み出された部分データDpから、所定のアルゴリズムを用いて特徴量を抽出する。S83において、サーバ装置100Aは、抽出された特徴量を用いて機械学習を行う。
S84において、プロセッサ151は、異常データのラベル付けがなされた部分データDpが全て読み出されたか否かを判定する。なお、部分データDpは、同一の設備900に関するデータである。
プロセッサ151は、全ての部分データDpを読み出していないと判定した場合(S84においてNO)、処理をS82に進める。プロセッサ151は、全ての部分データDpを読み出した判定した場合(S84においてYES)、一連の処理を終了する。
サーバ装置100Aは、このような機械学習を繰り返すことにより、異常モデルM3が生成される。
以下では、1つの単位データDuに対応する部分データDpの各々にラベル付けをするのではなく、所定時間(以下では、10秒間とする)内の連続する全ての単位データに対応する部分データDp(10秒間のミキシングデータ)に対してラベル付けを行う例を説明する。つまり、前処理での分割の時間単位(1秒以下)ではなく、10秒間分の部分データDpに対してラベル付けを行う例を説明する。
図17は、端末装置200において表示される画面202を表した図である。図17に示されるように、ダッシュボード270は、状態監視の項目276をさらに含む。項目276は、ユニットリスト(データ収集ユニット300のリスト)の項目2761と、判定結果の項目2762と、ミキシングデータ学習の項目2763と、誤検知データ学習の項目2764を含む。項目276をユーザ操作に基づき展開することにより、項目2761~2764が表示される。
アラートの項目275は、異常履歴の項目2751を含む。ユーザ操作によって、異常履歴の項目2751が選択されると、図示しているように、異常履歴の一覧が表示される。異常履歴の一覧は、複数のレコードを含む。各レコードは、フィールドとして、装置名と、モデルと、日時と、評価値とを少なくとも含む。各レコードには、部分データDpが対応付けられている。
本例では、異常履歴の一覧においては、異常データと仮判定された単位データDuの全てに対応する部分データDpがレコードとして対応付けられているのではなく、異常データと仮判定された単位データDuが一定の割合以上集中している期間に対応する部分データDpが対応付けられている。具体的には、各レコードは、異常データと仮判定された単位データDuが所定時間内(10秒以内)に閾値以上の存在する期間に対応する部分データDpが対応付けられている。
たとえば、前処理での分割の時間単位(単位時間Tu)が0.5秒の場合、10秒間には、20個の単位データDuが含まれる。この20個の単位データDuのうち、たとえば12個以上が異常データと仮判定されると、当該10秒間の部分データDpが、1つのレコードとして管理される。また、上述したように、10秒間分の部分データDpに対してラベル付けが行われる。
図18は、端末装置200において表示される画面203を表した図である。図18に示されるように、ユーザ操作によって、図17の異常履歴の一覧から1つのレコードが選択されると、図示しているように、選択されたレコードに対応した判定結果の画面が表示される。
端末装置200は、選択されたレコード(図17参照)に対応する、データ収集ユニット300(ユニット)、モデル、日時に対応する判定グラフを表示する。判定グラフは、所定時間内(10秒以内)の部分データDpの波形を示している。時間軸(横軸)において、ユーザ操作によって区間を選択可能に構成されている。端末装置200は、選択された区間(たとえば、区間235)のみの音を再生可能である。なお、区間の選択は、たとえば、マウス等のポンタデバイスによって行われる。
ユーザは、ボタン236等を用いて、表示された部分データDpの再生を端末装置200に実行させる。
ユーザ操作によって誤検知のオブジェクト231(具体的には、ボタン)が選択されると、表示された部分データDp(本例の場合、10秒間分のデータ)に対する正常状態のラベル付けが、サーバ装置100Aにおいて実行される。
ユーザ操作によって異常のオブジェクト232(具体的には、ボタン)が選択されると、表示された部分データDp(本例の場合、10秒間分のデータ)に対する異常状態のラベル付けが、サーバ装置100Aにおいて実行される。
なお、判定グラフにおいて、部分データDpの一部が指定され、かつオブジェクト231,232が選択された場合には、サーバ装置100Aは、指定された時間領域の部分データDpに対して、選択されたオブジェクト231,232に応じたラベル付けを行ってもよい。
また、情報処理システム1では、オブジェクト231,232を選択することにより部分データDpに対してラベル付けを行った場合、正常データまたは異常データと判定した理由を書き込めるように構成されている。具体的には、オブジェクト234をユーザが選択することにより、当該理由が書き込める。書き込まれた理由は、ラベル付けがなされた部分データDpと関連付けて、サーバ装置100Aに送信される。
このようなラベル付けの手法によれば、によれば、精度の高い異常判定を可能とするための学習用データ(ラベル付がなされた部分データDp)を容易に得ることが可能となる。なお、上述したラベル付けの手法は、一例であって、上述した画面203を用いた構成に限定されるものではない。ユーザの音声によりラベル付けを行ってもよい。
図19は、(a)音データの判定グラフ、(b)温度データの判定グラフ、および(c)音データおよび温度データのミキシングデータの判定グラフを併せて示す図である。図19においては、規範モデルM1の評価値が閾値を超過している状況が基準時間(たとえば30秒)以上継続している場合が設備に異常が発生している場合であり、それ以外の場合が正常な場合であるとして説明する。温度データの判定グラフは、温度データに対する補間処理(図2参照)によって得られた波形データの判定グラフである。音データの判定グラフにおける閾値は、0.010である。温度データの判定グラフにおける閾値は、0.00018である。ミキシングデータの判定グラフにおける閾値は、0.02である。ミキシングデータにおける音データおよび温度データのミキシング比率は、0.2である。図19に示される時間間隔t11~t15(t11<t12<t13<t14<t15)のうち、実際に異常が発生している時間間隔は、時間間隔t12~t13であるとする。
図19に示されるように、音データの判定グラフにおいては、時間間隔t11~t12は、正常な場合である。時間間隔t12~t13は、異常な場合である。時間間隔t13~t14は、異常な場合である。時間間隔t14~t15は、正常な場合である。時間間隔t13~t14における異常の検知は、過検知である。
温度データの判定グラフにおいては、時間間隔t11~t12は、正常な場合である。時間間隔t12~t13は、異常な場合である。時間間隔t13~t14は、正常な場合である。時間間隔t14~t15は、異常な場合である。時間間隔t14~t15における異常の検知は、過検知である。
ミキシングデータの判定グラフにおいては、時間間隔t11~t12は、正常な場合である。時間間隔t12~t13は、異常な場合である。時間間隔t13~t14は、正常な場合である。時間間隔t14~t15は、正常な場合である。このように、音データおよび温度データのミキシングデータを用いることにより、異常の過検知を防止することができる。その結果、追加学習のために過検知のデータを正常データとしてラベル付けする作業が減少するため、規範モデルM1の精度の向上に要する人的資源を削減することができる。
図20は、(a)音データの判定グラフ、(b)においデータの判定グラフ、および(c)音データおよびにおいデータのミキシングデータの判定グラフを併せて示す図である。図20においては、規範モデルM1の評価値が閾値を超過している状況が基準時間(たとえば30秒)以上継続している場合を、設備に異常が発生している場合であり、それ以外の場合を正常な場合であるとして説明する。においデータの判定グラフは、においデータに対する補間処理(図2参照)によって得られた波形データの判定グラフである。音データの判定グラフは図19と同様であるため、音データの判定グラフについての説明を繰り返さない。においデータの判定グラフにおける閾値は、0.0010である。ミキシングデータの判定グラフにおける閾値は、0.02である。ミキシングデータにおける音データおよびにおいデータのミキシング比率は、0.1である。図20に示される時間間隔t11~t15のうち、実際に異常が発生している時間間隔は、時間間隔t12~t13であるとする。
図20に示されるように、においデータの判定グラフにおいては、時間間隔t11~t12は、正常な場合である。時間間隔t12~t13は、異常な場合である。時間間隔t13~t14は、正常な場合である。時間間隔t14~t15は、異常な場合である。時間間隔t14~t15における異常の検知は、過検知である。
ミキシングデータの判定グラフにおいては、時間間隔t11~t12は、正常な場合である。時間間隔t12~t13は、異常な場合である。時間間隔t13~t14は、正常な場合である。時間間隔t14~t15は、正常な場合である。このように、音データおよびにおいデータのミキシングデータを用いることにより、規範モデルM1に対する追加学習等を要せずに、異常の過検知を防止することができる。その結果、上述したように、規範モデルM1の精度の向上に要する人的資源を削減することができる。
<E.誤検知モデルM2および異常モデルM3の利用>
図21は、規範モデルM1と誤検知モデルM2と異常モデルM3とを利用した状態監視の処理の流れを説明するためのフロー図である。図21に示されるように、S101において、サーバ装置100Aは、データ収集ユニット300を用いて、設備900が正常に動作している場合における音データおよびセンサデータを取得する。S102において、サーバ装置100Aは、図8のS42と同様に、音データおよびセンサデータに対してミキシング処理を行う。
S116において、サーバ装置100Aは、S101において取得されたデータおよびS102において生成されたミキシングデータを、再生用のデータ(生データ)として記憶装置100Bに記憶させる。詳しくは、サーバ装置100Aは、当該データを時刻情報に関連付けて記憶装置100Bに記憶させる。
S103において、サーバ装置100Aは、図8のS43と同様に、取得した音データに対して前処理を行う。具体的には、サーバ装置100Aは、音データを単位時間毎の単位データDuに区切る。
S103の後、サーバ装置100A(詳しくは、プロセッサ151)は、S104~S115の各処理を、単位データDuの各々に対して実行する。
S104において、プロセッサ151は、単位データDuから、上記の所定のアルゴリズムを用いて特徴量を抽出する。S105において、プロセッサ151は、抽出された特徴量を規範モデルM1に入力する。S106において、プロセッサ151は、規範モデルM1からの出力を得る。具体的には、規範モデルM1(クラスタ)に対する誤差が算出され、当該誤差が出力される。
S107において、プロセッサ151は、算出された誤差が所定の範囲R1内であるかいなかを判定する。プロセッサ151は、誤差が範囲R1内であると判定した場合(S107においてYES)、S108において、単位データDuを正常データと判定する。
プロセッサ151は、誤差が範囲R1外であると判定した場合(S107においてNO)、S109において、抽出された特徴量が誤検知モデルM2にマッチするかいなかを判定する。たとえば、誤検知モデルM2が学習済モデルとして構成されている場合、出力層からマッチしているか否かの判定結果が出力される。
プロセッサ151は、特徴量が誤検知モデルM2にマッチしていると判定された場合(S109においてYES)、処理をS108に進める。プロセッサ151は、特徴量が誤検知モデルM2にマッチしていないと判定された場合(S109においてNO)、S110において、抽出された特徴量が異常モデルM3にマッチするかいなかを判定する。たとえば、異常モデルM3が学習済モデルとして構成されている場合、出力層からマッチしているか否かの判定結果が出力される。
プロセッサ151は、特徴量が異常モデルM3にマッチしていると判定された場合(S110においてYES)、S111において、単位データDuを異常データと判定する。次いで、S112において、プロセッサ151は、異常の報知処理を実行する。
プロセッサ151は、特徴量が異常モデルM3にマッチしていないと判定された場合(S110においてNO)、S113において、単位データDuを異常データと仮判定する。次いで、S114において、プロセッサ151は、異常の報知処理を実行する。S115において、プロセッサ151は、判定結果を記憶装置100Bに記憶させる。
<F.規範モデルの更新>
図22は、端末装置200において表示される画面204を表した図である。図22に示されるように、ユーザ操作によって、誤検知データ学習の項目2764が選択されると、図示しているように、誤検知一覧が表示される。誤検知一覧は、ユニット名と、モデルと、日時と、評価値と、詳細とを少なくとも含む。詳細の欄には、ラベル付けが行われたことを示すオブジェクトと、ラベル付けが行われた場合に正常状態のラベルと異常状態のラベルとのうちどちらのラベルが付与されたかを示すオブジェクトとが、レコード毎に表示される。
このような構成によれば、ユーザは、各レコードの部分データDpに対してラベル付けを行ったか否かと、ラベル付けを行った場合に、どちらのラベルを付与した方を容易に判定可能となる。
<G.機能的構成>
図23は、情報処理システム1の機能的構成を説明するための図である。図23に示されるように、情報処理システム1は、クラウドシステム100と、端末装置200と、複数のデータ収集ユニット300とを備える。クラウドシステム100は、典型的には、サーバ装置100Aと、記憶装置100Bとを備える。
各データ収集ユニット300は、各々が設置された付近の設備の音データおよび計測値を収集する。各データ収集ユニット300は、クラウドシステム100に対して、収集したデータを送信する。クラウドシステム100のサーバ装置100Aは、当該データを取得する。
(g1.サーバ装置100A)
サーバ装置100Aは、制御部101と、通信IF(Interface)103とを備える。制御部101は、データ処理部111と、モデル処理部112と、判定部113とを備える。モデル処理部112は、モデル生成部1121と、ラベル付与部1122と、モデル更新部1123とを備える。判定部113は、第1判定部1131と、第2判定部1132と、第3判定部1133とを備える。
制御部101は、サーバ装置100Aの全体的な動作を制御する。具体的には、制御部101は、記憶部(図示せず)等に記憶されたオペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムを実行することにより、サーバ装置100Aの全体的な動作を制御する。制御部101は、典型的には、プロセッサ151(図24参照)が、これらのオペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムを実行することにより実現される。
通信IF103は、外部機器と通信するためのインターフェイスである。サーバ装置100Aは、通信IF103によって、各データ収集ユニット300と、端末装置200と通信する。また、図示しない通信IFによって、サーバ装置100Aは、記憶装置100Bと通信する。
データ処理部111は、データ収集ユニット300によって収集されたデータを、保存用データDsとして記憶装置100Bに記憶させるとともに、判定に用いる判定用データDdとして処理する。詳しくは、データ処理部111は、判定用データDdを単位時間毎の単位データDuに区切る。データ処理部111は、単位データDuを判定部113に送る。
モデル処理部112のモデル生成部1121は、データ処理部111より正常状態の単位データDuを取得して、当該単位データDuに基づき規範モデルM1を生成する。生成された規範モデルM1は、第1判定部1131に送られる。
また、モデル生成部1121は、誤検知モデルM2と、異常モデルM3とを生成する。生成された誤検知モデルM2は、第2判定部1132に送られる。生成された異常モデルM3は、第3判定部1133に送られる。
誤検知モデルM2は、上述したように、正常状態のラベル付けがなされた部分データDpを利用して生成される。異常モデルM3は、上述したように、異常状態のラベル付けがなされた部分データDpを利用して生成される。このようなラベル付は、ラベル付与部1122によって実行される。なお、上記部分データDpは、上述したように、記憶装置100Bに格納されている。
ラベル付与部1122は、端末装置200からの指示に(ユーザによりオブジェクト231,232(図18参照))基づき、部分データDpに対してラベル付けを行う。ラベル付与部1122は、正常データであることを示すラベルと異常データであることを示すラベルとのうちユーザ操作に応じたラベルを、部分データDp(詳しくは、端末装置200のスピーカ295から出力された部分データDp)に対して付与する。
典型的には、ラベル付与部1122は、所定時間(所定の単位期間)において正常データと判定されなかった単位データDuが閾値以上存在する場合、当該所定時間に対応する部分データDpに対して、ユーザ操作に応じたラベルを付与する。
モデル更新部1123は、誤検知データ(すなわち、正常状態のラベル付けがされた部分データDp)を用いて規範モデルM1を更新する。更新のトリガは、典型的には、端末装置200におけるユーザ指示である。なお、これに限らず、モデル更新部1123は、前回の更新から所定の時間が経過すると、自動的に更新処理を行ってもよい。また、モデル更新部1123は、誤検知データの数が所定数以上となると、自動的に更新処理を行ってもよい。モデル更新部1123は、自動的に更新を行うに際し、端末装置200からユーザの許可を得ることを条件としてもよい。
判定部113は、集音された音が正常状態か異常状態かを判定する。第1判定部1131は、上述した規範モデルM1を有する。詳しくは、第1判定部1131は、設備900毎に、規範モデルM1を有する。第1判定部1131は、規範モデルM1を用いて、対象となる設備900が正常状態であるか否かを判定する。詳しくは、第1判定部1131は、規範モデルM1を用いて、各単位データDuが正常データであるか否かを判定する。
第2判定部1132は、上述したように、正常状態のラベルが付与された部分データDpを用いて生成された誤検知モデルM2を有する。詳しくは、第2判定部1132は、設備900毎に、誤検知モデルM2を有する。誤検知モデルM2は、上述したように、運用後に生成される。第2判定部1132は、単位データDuが規範モデルM1によって正常データと判定されなかった場合に、誤検知モデルM2を用いて、単位データDuが正常データであるか否かを判定する。
第3判定部1133は、上述したように、異常状態のラベルが付与された部分データDpを用いて生成された異常モデルM3を有する。詳しくは、第3判定部1133は、設備900毎に、異常モデルM3を有する。異常モデルM3は、上述したように、運用後に生成される。第3判定部1133は、異常モデルM3を用いて、単位データDuが異常データであるか否かを判定する。
制御部101は、単位データDuを異常データと判定(仮判定を含む)した場合には、端末装置200に対して、所定の警告通知を行う。
(g2.端末装置200)
端末装置200は、制御部291と、入力装置292と、通信IF293と、ディスプレイ258と、スピーカ295とを備える。
制御部291は、端末装置200の全体的な動作を制御する。具体的には、制御部291は、端末装置200の記憶部(図示せず)等に記憶されたオペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムを実行することにより、端末装置200の全体的な動作を制御する。制御部291は、典型的には、プロセッサ251(図25参照)が、これらのオペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムを実行することにより実現される。
通信IF293は、外部機器と通信するためのインターフェイスである。端末装置200は、通信IF293によって、サーバ装置100Aと通信する。
入力装置292は、ユーザ操作を受け付ける装置である。入力装置292は、典型的には、キーボード、マウス、またはタッチパネルである。入力装置292は、受け付けた入力を制御部291に送る。当該入力としては、上述した各画面に表示された項目に対する選択操作、データの入力等が挙げられる。
表示制御部2911は、ディスプレイに各種画面を表示する。表示制御部2911は、入力装置292を用いたユーザ操作に基づき、ディスプレイ258に表示させる画面を切り替える。表示制御部2911は、たとえば、画面201~204(図10,図17,図18,図22参照)、波形221(図11参照)、スペクトラム222(図12参照)、グラフ223(図13参照)をディスプレイ258に表示する。なお、波形221は、正常データと判定されなかった単位データDuの波形を含む。
再生処理部2912は、入力装置292を介したユーザ操作に基づき、部分データDpに対応する音データの部分データDp1を、スピーカを用いて再生する。詳しくは、再生処理部2912は、単位データDuが規範モデルM1によって正常データと判定されなかった場合に、記憶装置100Bに記憶された保存用データDsのうち、正常データと判定されなかった単位データDuに対応する音データの部分データDp1をスピーカ295から出力させる。また、再生処理部2912は、単位データDuが誤検知モデルM2によって正常データと判定されなかったことを条件に、記憶装置100Bに記憶された保存用データDsのうち、正常データと判定されなかった単位データDuに対応する音データの部分データDp1を、スピーカ295から出力させる。
制御部291は、単位データDuがサーバ装置100Aの第1判定部1131によって正常データと判定されなかった場合、サーバ装置100Aからの警告通知に基づき、所定の報知を行う。典型的には、制御部291は、スピーカ295から所定の警告音を出力する。また、制御部291は、ディスプレイ258に所定の警告表示を行う。
(g3.ラベル付け)
次に、ラベル付処理の局面に関し、端末装置200とサーバ装置100Aとの処理を、より詳しく説明する。
端末装置200の表示制御部2911は、正常データと判定されなかった単位データDuに対応する部分データDp1を、スピーカ295から出力させるための操作画面(図18参照)をディスプレイ258に表示させる。この操作画面は、オブジェクト231,232を有する。
端末装置200は、当該操作画面に対する操作によって単位データDuに対応する部分データDp1がスピーカ295から出力された後に、オブジェクト231が選択されると、端末装置200は、サーバ装置100Aに対して、部分データDp1に対応する部分データDpが正常データであること示す通知を送信する。この場合、サーバ装置100Aのラベル付与部1122は、サーバ装置100Aが当該通知を受信したことを条件に、当該部分データDpに対して、正常状態のラベルを付与する。
端末装置200は、上記操作画面に対する操作によって単位データDuに対応する部分データDp1がスピーカ295から出力された後に、オブジェクト232が選択されると、端末装置200は、サーバ装置100Aに対して、部分データDp1に対応する部分データDpが異常データであること示す通知を送信する。この場合、サーバ装置100Aのラベル付与部1122は、サーバ装置100Aが当該通知を受信したことを条件に、当該部分データDpに対して、異常状態のラベルを付与する。
このような構成によれば、精度の高い異音判定を可能とするための学習用データ(ラベル付がなされた部分データDp)を容易に得ることが可能となる。
<H.ハードウェア構成>
図24は、サーバ装置100Aのハードウェア構成の典型例を表した図である。図24に示されるように、サーバ装置100Aは、主たる構成要素として、プログラムを実行するプロセッサ151と、データを不揮発的に格納するROM152と、プロセッサ151によるプログラムの実行により生成されたデータ、又は入力装置を介して入力されたデータを揮発的に格納するRAM153と、データを不揮発的に格納するHDD154と、通信IF155と、操作キー156と、電源回路157と、ディスプレイ158とを含む。各構成要素は、相互にデータバスによって接続されている。なお、通信IF155は、他の機器と間における通信を行なうためのインターフェイスである。
サーバ装置100Aにおける処理は、各ハードウェアおよびプロセッサ151により実行されるソフトウェアによって実現される。このようなソフトウェアは、HDD154に予め記憶されている場合がある。また、ソフトウェアは、その他の記憶媒体に格納されて、プログラムプロダクトとして流通している場合もある。あるいは、ソフトウェアは、いわゆるインターネットに接続されている情報提供事業者によってダウンロード可能なプログラムプロダクトとして提供される場合もある。このようなソフトウェアは、読取装置によりその記憶媒体から読み取られて、あるいは、通信IF155等を介してダウンロードされた後、HDD154に一旦格納される。そのソフトウェアは、プロセッサ151によってHDD154から読み出され、RAM153に実行可能なプログラムの形式で格納される。プロセッサ151は、そのプログラムを実行する。
同図に示されるサーバ装置100Aを構成する各構成要素は、一般的なものである。したがって、本開示の本質的な部分は、RAM153、HDD154、記憶媒体に格納されたソフトウェア、あるいはネットワークを介してダウンロード可能なソフトウェアであるともいえる。なお、サーバ装置100Aの各ハードウェアの動作は周知であるので、詳細な説明は繰り返さない。
図25は、端末装置200のハードウェア構成の典型例を表した図である。図25に示されるように、端末装置200は、主たる構成要素として、プログラムを実行するプロセッサ251と、データを不揮発的に格納するROM252と、プロセッサ251によるプログラムの実行により生成されたデータ、又は入力装置を介して入力されたデータを揮発的に格納するRAM253と、データを不揮発的に格納するHDD254と、通信IF255と、操作キー256と、電源回路257と、ディスプレイ258とを含む。各構成要素は、相互にデータバスによって接続されている。なお、通信IF255は、他の機器と間における通信を行なうためのインターフェイスである。
端末装置200における処理は、各ハードウェアおよびプロセッサ251により実行されるソフトウェアによって実現される。このようなソフトウェアは、HDD254に予め記憶されている場合がある。また、ソフトウェアは、その他の記憶媒体に格納されて、プログラムプロダクトとして流通している場合もある。あるいは、ソフトウェアは、いわゆるインターネットに接続されている情報提供事業者によってダウンロード可能なプログラムプロダクトとして提供される場合もある。このようなソフトウェアは、読取装置によりその記憶媒体から読み取られて、あるいは、通信IF255等を介してダウンロードされた後、HDD254に一旦格納される。そのソフトウェアは、プロセッサ251によってHDD254から読み出され、RAM253に実行可能なプログラムの形式で格納される。プロセッサ251は、そのプログラムを実行する。
同図に示される端末装置200を構成する各構成要素は、一般的なものである。したがって、本開示の本質的な部分は、RAM253、HDD254、記憶媒体に格納されたソフトウェア、あるいはネットワークを介してダウンロード可能なソフトウェアであるともいえる。なお、端末装置200の各ハードウェアの動作は周知であるので、詳細な説明は繰り返さない。
<I.その他の機能>
(1)図26は、死活監視の画面を表した図である。図26に示されるように、死活監視の項目2711が選択されると、死活監視の画面が端末装置200のディスプレイ258に表示される。pingが閾値を超えると、端末装置200は、死活監視異常を報知する。たとえば、端末装置200は、項目2711を通常時とは異なる態様で表示する。たとえば、端末装置200は、項目の色を変更する。
また、端末装置200が、図10に示した画面201を表示している状態において、死活監視異常が検知された場合、タブ211を通常時とは異なる態様で表示してもよい。
(2)誤検知モデルM2および異常モデルM3の入力次元数は、規範モデルM1の入力次元数よりも低い。
(3)規範モデルM1と、誤検知モデルM2および異常モデルM3とは、アルゴリズムが異なる。たとえば、誤検知モデルM2および異常モデルM3のアルゴリズムを、SVM(サポートベクターマシン)とすることもできる。
(4)誤検知モデルM2だけではなく異常モデルM3を規範モデルM1に統合することにより、設備900が異常であるか否かをサーバ装置100Aで判定させてもよい。
(5)正常状態のラベルが付与された後、所定の期間内に、誤検知データを用いた規範モデルM1の更新がなされていない場合には、サーバ装置100Aが端末装置200に所定の報知をさせるように、情報処理システム1を構成してもよい。
(6)情報処理システム1は、クラウドシステム100と、端末装置200とを備えるが、クラウドシステム100と端末装置200との機能を、1つの情報処理装置で実行するように、情報処理システム1を構成してもよい。
(7)上記においては、前処理における分割の時間単位(Tu秒)が1秒以下である場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、1秒以上であってもよい。
[付記]
上記に説明した本開示に係る実施の形態は、以下のような構成を含む。
[構成1]
設備の状態を監視する情報処理システムであって、
第1時間間隔毎に前記設備に関する第1状態データを取得するとともに、前記第1時間間隔より長い第2時間間隔毎に前記設備に関する第2状態データを取得するデータ収集部と、
前記第1状態データおよび前記第2状態データの各々の時系列データに基づいて、前記設備が正常か否かの判定を行う処理部とを備え、
前記第1状態データの時系列データは、第1波形データを含み、
前記処理部は、前記第2状態データの時系列データに対する補間処理によって第2波形データを生成し、前記第1波形データおよび前記第2波形データに対する加算処理によって第3波形データを生成し、前記第3波形データを用いて前記判定を行う、情報処理システム。
[構成2]
前記処理部は、前記加算処理において、前記第1状態データの値に第1重みが乗じられた値に、前記第1状態データに対応する前記第2状態データの値に前記第1重みとは異なる第2重みが乗じられた値を加算する、構成1に記載の情報処理システム。
[構成3]
前記処理部は、前記補間処理において、時系列において互いに隣接する2つの第2状態データのうち、いずれか1つの値が前記2つの第2状態データの間の波形の振幅となるように、前記2つの第2状態データの間にデータを補完する、構成1または2に記載の情報処理システム。
[構成4]
前記処理部は、前記設備用の機械学習モデルに前記第3波形データを入力し、前記機械学習モデルの出力に基づいて前記判定を行う、構成1~3のいずれか1つに記載の情報処理システム。
[構成5]
前記第1状態データは、音、振動、および加速度の少なくとも1つを含み、
前記第2状態データは、温度、湿度、におい、電流、電圧、回転数、圧力、および流量の少なくとも1つを含み、構成1~4のいずれか1項に記載の情報処理システム。
今回開示された実施の形態は例示であって、上記内容のみに制限されるものではない。本開示の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 情報処理システム、100 クラウドシステム、100A サーバ装置、100B 記憶装置、101,291 制御部、111 データ処理部、112 モデル処理部、113 判定部、151,251 プロセッサ、152,252 ROM、153,253 RAM、156,256 操作キー、157,257 電源回路、158,258 ディスプレイ、200 端末装置、201~204 画面、205 設定画面、211,212,213,214,215 タブ、221 波形、222 スペクトラム、223 グラフ、231,232,234 オブジェクト、235 区間、270 ダッシュボード、271~276,2711,2751,2761~2764 項目、292 入力装置、295 スピーカ、300 データ収集ユニット、310 集音装置、320 計測センサ、900 設備、900A,900B 配管設備、950 監視員、1121 モデル生成部、1122 ラベル付与部、1123 モデル更新部、1131 第1判定部、1132 第2判定部、1133 第3判定部、2911 表示制御部、2912 再生処理部、A1~A4 振幅、Ba1,Ba2 追加ボタン、Bd1,Bd2 削除ボタン、Btn 反映ボタン、Dd 判定用データ、Dp,Dp1 部分データ、Dr 漏水、Ds,Ds1 保存用データ、Du 単位データ、103,155,255,293 通信IF、Lst1,Lst2 リストボックス、M1 規範モデル、M2 誤検知モデル、M3 異常モデル、NW ネットワーク、Nud 数値設定コントロール、P1~P4 プロット点、R1 範囲、Stg トグルボタン、Wv1,Wv12,Wv31 音波形データ、Wv2 センサ波形データ、Wv3 ミキシングデータ、pa,pb パケット、qa,qb キュー。

Claims (7)

  1. 設備の状態を監視する情報処理システムであって、
    第1時間間隔毎に前記設備に関する第1状態データを取得するとともに、前記第1時間間隔より長い第2時間間隔毎に前記設備に関する第2状態データを取得するデータ収集部と、
    前記第1状態データおよび前記第2状態データの各々の時系列データに基づいて、前記設備が正常か否かの判定を行う処理部とを備え、
    前記第1状態データの時系列データは、第1波形データを含み、
    前記処理部は、前記第2状態データの時系列データに対する補間処理によって第2波形データを生成し、前記第1波形データおよび前記第2波形データに対する加算処理によって第3波形データを生成し、前記第3波形データを用いて前記判定を行う、情報処理システム。
  2. 前記処理部は、前記加算処理において、前記第1状態データの値に第1重みが乗じられた値に、前記第1状態データに対応する前記第2状態データの値に前記第1重みとは異なる第2重みが乗じられた値を加算する、請求項1に記載の情報処理システム。
  3. 前記処理部は、前記補間処理において、時系列において互いに隣接する2つの第2状態データのうち、いずれか1つの値が前記2つの第2状態データの間の波形の振幅となるように、前記2つの第2状態データの間にデータを補完する、請求項1に記載の情報処理システム。
  4. 前記処理部は、前記設備用の機械学習モデルに前記第3波形データを入力し、前記機械学習モデルの出力に基づいて前記判定を行う、請求項1に記載の情報処理システム。
  5. 前記第1状態データは、音、振動、および加速度の少なくとも1つを含み、
    前記第2状態データは、温度、湿度、におい、電流、電圧、回転数、圧力、および流量の少なくとも1つを含み、請求項1~4のいずれか1項に記載の情報処理システム。
  6. 設備の状態を監視する情報処理方法であって、
    第1時間間隔毎に前記設備に関する第1状態データを取得するとともに、前記第1時間間隔より長い第2時間間隔毎に前記設備に関する第2状態データを取得するステップと、
    前記第1状態データおよび前記第2状態データの各々の時系列データに基づいて、前記設備が正常か否かの判定を行うステップとを含み、
    前記第1状態データの時系列データは、第1波形データを含み、
    前記判定を行うステップは、前記第2状態データの時系列データに対する補間処理によって第2波形データを生成し、前記第1波形データおよび前記第2波形データに対する加算処理によって第3波形データを生成し、前記第3波形データを用いて前記判定を行う、情報処理方法。
  7. プロセッサによって実行されると、請求項6に記載の情報処理方法を前記プロセッサに実行させる、プログラム。
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