JP7492860B2 - 移動型無線通信ユニット - Google Patents

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Description

この発明は、無線ネットワーク通信を端末装置との間で行なうための無線基地局を含む移動型無線通信ユニットに関するものであり、特に全体が車両等の移動体上に搭載可能に構成された移動型無線通信ユニットに関する。
3GPP仕様に基づく高速通信規格(例えば、LTE(Long Term Evolution)あるいはWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access))の無線通信ネットワークにおいては、無線通信アクセス網を収容するEPC(Evolved Packet Core)をエリア内に構築することが必須であり、端末装置が接続する無線基地局は該EPCを介してIPパケットの送受信制御を受ける。一方、携帯電話、スマートフォンあるいはタブレットPCなどの無線端末装置(以下、単に「端末装置」ともいう)の普及に伴い、海上や過疎地域、あるいは災害等により通信機能が喪失した地域など、EPCや無線基地局がインフラ的に整備されていない地域(以下、「無線非整備地域」と称する)においても、端末装置を利用したいという要望が高まっている。
こうした要望に応えるべく、例えば特許文献1には、無線基地局とEPC機能部とを一体化した複合型の移動型無線通信ユニットが提案されている。このような移動型無線通信ユニットを上記のような無線非整備地域に設置することで、該ユニットに含まれる無線基地局部により小規模ながら通信可能エリアが構築され、ユニット内のEPC機能部が通信制御を行なう形で、前記無線基地局部に接続する複数の端末装置間で無線通信を行なうことが可能となる。
こうした移動型無線通信ユニットは車両などの移動体に搭載することもできる。しかしながら、無線基地局を移動させながら端末装置との間で無線ネットワークを構築しようとした場合、移動先の他局通信波との間で干渉を生じる可能性がある。これを解決するために、特許文献2には、移動基地局とは別に固定設置される管理サーバを設け、該管理サーバ及び衛星通信等を介して無線基地局の移動先の通信状態を公共ネットワークより取得し、他局通信波との間で干渉を生じることが予測される場合には、移動基地局に対し送信出力を低減させる制御を実行させる無線通信システムが提案されている。
特開2016- 12841号公報 特開2010- 28369号公報
しかし、上記の方法では、無線基地局の移動先の通信状態を把握するために、管理サーバを含めた大規模な通信ネットワークの整備が必要となる難点がある。また、公共ネットワークからの情報取得が困難な地域を走行する車両などに移動型無線通信ユニットが搭載されている場合には、本質的に採用できない方式であることも問題である。さらに、干渉を生じることが予測される場合には、移動基地局に対し送信出力を低減させる制御を行なうと、送信出力が不足して、その間は当該移動基地局との間での無線通信が困難となる、あるいは不能となる問題がある。
本発明の課題は、公共ネットワークからの情報取得が不能な場合においても、簡易な構成により無線基地局の移動先の通信状態を把握することが可能であり、ひいては移動先の他局通信波との干渉を効果的に回避できる移動型無線通信ユニットを提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の移動型無線通信ユニットは、移動体上に設置されて移動体とともに移動しつつ端末装置からの無線接続が可能とされ、端末装置に無線送信波を送信する送信部を備える無線基地局部と、無線基地局部に有線接続され該無線基地局部とともに移動可能に構成された基地局制御部とを備えた移動型無線通信ユニットであって、無線基地局部を停波させた状態で無線基地局部の設置位置周辺の他局通信波を検出する他局通信波検出部が、基地局制御部に有線接続される形で設けられる一方、無線基地局部には、基地局制御部から受信する設定指示に基づいて送信部の送信周波数を可変設定する送信周波数設定部が設けられ、基地局制御部には、他局通信波検出部から取得する他局通信波の周波数を含む検出情報を解析し、無線送信波による他局通信波への干渉軽減のための周波数変更制御を実行するか否かの判定を、解析の結果に基づいて実行する解析判定部と、解析判定部が周波数変更制御を実行するとの判定を行った場合に、送信周波数設定部に対し周波数変更制御として、無線基地局部の送信部の送信周波数を他局通信波の周波数から遠ざかる向きに変更する制御の指示を行なう送信周波数設定指示部と、が設けられてなることを特徴とする。
本発明の移動型無線通信ユニットは、無線基地局部を停波させた状態で他局通信波検出部に無線基地局部の設置位置周辺の他局通信波を検出させるとともに、他局通信波検出部から取得する他局通信波の周波数を含む検出情報を解析する。そして、無線送信波による他局通信波送信への干渉軽減のための周波数変更制御を実行するか否かの判定を、その解析の結果に基づいて実行し、周波数変更制御を実行するとの判定が行われた場合に、無線基地局の送信周波数設定部に対し送信部の送信周波数を他局通信波の周波数から遠ざかる向きに変更設定するようにした。よって、公共ネットワーク等からの情報取得が不能な場合においても、簡易な構成により無線基地局の移動先の通信状態を把握することが可能であり、ひいては移動先の他局通信波との干渉を効果的に回避できるとともに、移動型無線通信ユニットが実現する。また、無線基地局部に対し送信出力を低減させる制御が必須ではなくなり、変更制御の実行後にあっても、送信出力が不足して無線通信が困難になったり、あるいは不能となったりする問題も生じにくい。
本発明の移動型無線通信ユニットの使用概念を示す模式図。 図1の移動型無線通信ユニットの構成の概略を示すブロック図。 図2の電気的構成の詳細を示すブロック図。 無線基地局部の無線通信部の電気的構成の詳細を示すブロック図。 IPパケットの概念図。 3GPPのコントロールプレーンのプロトコルスタックを概念的に示す図。 3GPPのユーザプレーンのプロトコルスタックを概念的に示す図。 3GPPの下りリンクのチャネルマッピングを概念的に示す図。 同じく上りリンクのチャネルマッピングを概念的に示す図。 周波数バンドチャネル、及びリソースブロックの関係を示す概念図。 スペクトルアナライザによる他局通信波の受信波形スペクトル(スペアナ波形)の一例を示す図。 干渉判定を行なう際の、他局通信波の下限周波数及び上限周波数と自局送信波の下限周波数及び上限周波数との関係を説明する図。 送信出力制御の第一例にかかる通信処理フロー図。 他局他局通信波との干渉時における停波及び周波数変更の流れを示す通信処理フロー図。 送信出力制御の第二例にかかる通信処理フロー図。 復調後の他局通信波の波形がデジタルベースバンド信号波形であるか否かを判定する方法の一例を示す模式図。 PBCHを用いて配信される、MIBが組み込まれた無線データフレームの概念を示す図。 チャネル変更処理の流れを示すフローチャート。 チャネル変更処理の第一の具体例を示す説明図。 同じく第二の具体例を示す説明図。 同じく第三の具体例を示す説明図。 同じく第四の具体例を示す説明図。 UEの無線基地局部に対するアタッチシーケンスを示す通信フロー図。
以下、本発明を実施するための形態を添付の図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の移動型無線通信ユニットの使用概念の一例を示す模式図である。移動型無線通信ユニット(以下、単に「移動型無線通信ユニット」ともいう)1は3GPPで規定された方式(本実施形態では、LTEとするが、WiMAXなど他の方式であってもよい)の通信プロトコルスタックに従い、UE(端末装置)5との間で無線通信を行なうものとして構成されている。
移動型無線通信ユニット1は、移動体である大型車両WSに設置されており、UE(端末装置)5が接続可能となるセル50を形成する。また、大型車両WSの周囲には小車両FBが随伴走行しており、セル50内の小車両FBの乗員がUE5を携行している。それらUE5は、移動型無線通信ユニット1に対し無線ベアラ57により無線接続されている。
なお、UE5は大型車両WSの乗員が携行するものであってもよい。そして、図1では、移動型無線通信ユニット1を搭載した大型車両WSが基地局500に接近し、基地局500が発する他局通信波のセル50と干渉を生じつつある状態が示されている。
図2は、移動型無線通信ユニット1の機能ブロック構成を示すものである。移動型無線通信ユニット1は、UE(端末装置)5が無線ベアラ57を介して接続可能な無線基地局部(eNodeB(evolved NodeB))4と、無線基地局部4に有線接続され、該無線基地局部4に対する上位ネットワーク制御部として機能するEPC(Evolved Packet Core)機能部3とを有する。
EPC機能部3は、コントロールプレーン側のゲートウェイとなるMME(Mobility Management Entity)2、ユーザプレーン側のゲートウェイとなるS-GW(Serving Gateway)6、及び上流側ネットワーク要素、ここでは、ルータ8との結節点に位置し、上流側ネットワーク要素側に向けたIPアドレス管理を行なうP-GW(PDN (Packet Data Network) Gateway)7を有する。そして、ルータ8には他局通信波解析部10及び送信周波数設定指示部11が接続されている。EPC機能部3と上記の上流側ネットワーク要素が基地局制御部20を構成する。
また、無線基地局部4には複数のUE5が無線ベアラ57を介して無線接続される。コントロールプレーン側において無線基地局部(eNodeB)4は、S1-MMEインターフェースを介してMME2に接続される。また、ユーザプレーン側において無線基地局部4は、S1-Uインターフェースを介してS-GW6に接続される。また、S-GW6はS5インターフェースを介してP-GW7と接続される。
図3は、移動型無線通信ユニット1の電気的構成を示すブロック図である。基地局制御部20はマイコンハードウェアを主体に構成されており、CPU301、プログラム実行領域となるRAM302、マスクROM303(恒久的に書換えが不要なマイコンハードウェア周辺制御用等のファームウェアを格納している;以下、同様)及びそれらを相互に接続するバス306等からなる。
また、バス306にはフラッシュメモリ305が接続され、ここにEPC機能部3の機能実現用のLTEプロトコルスタックを含む通信ファームウェア305aと、前記LTEプロトコルスタックをプラットフォームとして、図2のMME2、S-GW6及びP-GW7の各機能を仮想的に実現するMMEエンティティ305b、S-GWエンティティ305c及びP-GWエンティティ305dの各プログラムがインストールされている。
さらに、フラッシュメモリ305には、前述のルータ8の機能を仮想的に実現する仮想ルータエンティティ305e、他局通信波解析部10の機能を仮想的に実現する他局通信波解析エンティティ305g、及び送信周波数設定指示部11の機能を仮想的に実現する送信周波数設定指示部エンティティ305iも格納されている。また、バス306には通信インターフェース304が接続されている。他局通信波解析エンティティ305g及び送信周波数設定指示部エンティティ305iは互いに共同して解析判定部の機能を実現する。なお、前述の構成では、図2のMME2、S-GW6及びP-GW7をコンピュータハードウェア上での仮想機能ブロックとして構成しているが、各々独立したハードウェアロジックにより構成してもよい。
無線基地局部4はマイコンハードウェアを主体に構成されており、CPU401、プログラム実行領域となるRAM402、マスクROM403及びそれらを相互に接続するバス406等からなる。バス406にはフラッシュメモリ405が接続され、ここに無線基地局用のLTEプロトコルスタックを含む通信ファームウェア405aが格納されている。また、バス406には無線ベアラの構築によりUEと無線接続するための無線通信部412と、通信インターフェース404とが接続されている。通信インターフェース404は基地局制御部20の通信インターフェース304と有線の通信バス31により接続されている。そして、フラッシュメモリ405には、無線通信部412に対し送信出力設定を行なう送信制御ファームウェア405bが格納されている。
無線通信部412は、使用するLTEバンド内にて送受信波のチャネルを変更設定できるようになっている。本実施形態では、LTEバンドとしてバンド28が採用されている。バンド28は、地上波アナログテレビ放送の停波に伴い空きを生じたVHF帯(700MHz帯)に設定されている。バンド28は低周波数帯のため通信速度が幾分遅い関係上、都市部など端末加入者の多いエリア等での採用が積極的に進められておらず、電波リソースの利用状況がそれほどひっ迫していないためスムーズな接続が期待できる。また、低周波数帯であるということは、電波の遠方到達性に優れ、1つの移動型無線通信ユニットのセルカバレッジの拡大を図ることができる。また、地下や障害物があっても繋がりやすい特性を有し、例えば海上や鉱山などで本発明の無線ネットワークシステムを構築する上でも好適であるといえる。
次に、移動型無線通信ユニット1は、着脱式の二次電池モジュール21(例えば、リチウムイオン二次電池モジュールやニッケル水素二次電池モジュールなど)と、無線基地局部4及び基地局制御部20の各回路ブロックと、二次電池モジュール21からの入力電圧を各回路ブロックの駆動電圧に変換して出力する電源回路部22とが可搬型筐体23に一体的に組付けられた構造を有する。これにより、移動型無線通信ユニット1は、二次電池モジュール21から駆動電源電圧を自律的に調達でき、商用交流などの外部電源電圧が使用不能な設置場所(例えば海上など)においても問題なく使用可能である。可搬型筐体23は金属ないし強化型樹脂製の箱型である。
放電により二次電池モジュール21の出力電圧が下がった場合は、可搬型筐体23から二次電池モジュール21を取り外し、例えば図示しない商用交流電源や自家発電装置に接続された専用の充電器に装着して充電することが可能である。また、電源回路部22は、上記商用交流や移動体に設けられた集中電源部などの外部電源電圧も受電できるようになっており、上記駆動電源電圧に変換出力が可能である。さらに、当該外部電源電圧により二次電池モジュール21の充電を実行できるように構成することもできる。例えば電源回路部22が商用交流等から受電している状態で、停電により該受電が途絶えた場合は二次電池モジュール21からの受電に切り替えることで、移動型無線通信ユニット1の動作が継続可能となるように構成することもできる。
図4は、無線通信部412の電気的構成の一例を示すブロック図である。無線通信部412は、図3のマイコンハードウェアのバス406との間でデジタル信号の入出力を行なうためのインターフェース部101と、該インターフェース部101のフロントエンド側に設けられた受信側ブロック102及び送信側ブロック103と、送受信アンテナ105(以下、単にアンテナ105ともいう)と、受信側ブロック102及び送信側ブロック103と送受信アンテナ105と相互接続するデュプレクサ104とを備える。
受信側ブロック102及び送信側ブロック103は、適応変調を実施するための複数の変復調方式、例えばQPSK(Quadrature Phase shift Keying)、16QAM(16Quadrature Amplitude Modulation)あるいは64QAM(16Quadrature Amplitude Modulation)に対応するものであるが、回路構成自体は周知であるため、ここではQPSKの変復調回路として構成したもので代表させて説明する。
送信側ブロック103(送信部)は、インターフェース部101から入力されるシリアル送信データ信号の波形をシリアル/パラレル変換部220により2チャネル(Ich/Qch)のパラレルビット信号に分離し、各々D/A変換部217,219及びローパスフィルタ216,218を介してアナログベースバンド信号に変換する。各チャネルのアナログベースバンド信号は乗算器215,213にて、電圧制御発信回路VCOと位相同期ループ回路PLLとからなる発信回路212からの正弦波搬送波(一方が移相器214により90°進角される)により直交周波数変調波とされ、デュプレクサ221にて混合され、さらにパワーアンプ211で増幅された後、バンドパスフィルタ210、出力調整用のアッテネータ209、デュプレクサ104及びアンテナ105を経て送信波として出力される。アッテネータ209は本実施形態では周知のステップアッテネータとして構成され、マイコンハードウェア側からの送信出力切替信号により、希望周波数帯域での通過インピーダンス値を段階的に切り替えることが可能である。
受信側ブロック102は、アンテナ105が受信する受信波を、バンドパスフィルタ110を通過させた後に低雑音アンプ111にて増幅し、さらに乗算器113,115にて、発信回路112からの正弦波復調信号(一方が移相器114により90°進角される)により復調してIch及びQchのベースバンド信号に復調する。これらのベースバンド信号はさらにローパスフィルタ116,118及びA/D変換器117,119によりパラレルビット信号に変換され、さらにパラレル/シリアル変換部120によりシリアル受信データ信号としてインターフェース部101に入力される。
また、受信側ブロック102は、移動型無線通信ユニット1(すなわち、無線基地局部4)の設置位置周辺の他局通信波を検出する他局通信波検出部に兼用されている。また、バンドパスフィルタ110は、送信側ブロック103を経てアンテナ105より送出される無線送信波の占有周波数帯域を包含する(すなわち、該占有周波数帯域に対応する)帯域幅を有するものであり、該バンドパスフィルタを通過した他局通信波のみを検出する役割を果たす。これにより、他局通信波検出部の構成簡略化が実現している。ただし、他局通信波検出部構成する無線受信部を、上記受信側ブロック102と別に設けるようにしてもよい。
自局送信波と他局通信波との干渉が問題になるのは、例えば、自局送信波と他局通信波との周波数帯域が重なる場合はもちろんであるし、他局通信波が自局送信波の隣接チャネル帯域の入る場合も、自局送信波による他局通信波へのスプリアス干渉が問題となることがある。本発明においては、他局通信波との干渉が問題になると判定された場合に、自局自局送信波の周波数帯域を変更する制御がなされるが、その変更後の周波数帯域が別の他局通信波と干渉する可能性もある。上記のバンドパスフィルタ110の通過帯域は、これらの点を考慮して、無線通信部412が採用するLTEバンドの下限周波数から上限周波数に至る周波数区間を包含するように設定されている。
他局通信波は、送信側ブロック103が停波した状態でアンテナ105により受信される。これにより、他局通信波の検出に際して送信側ブロック103の出力波との干渉を回避でき、検出精度を高めることができる。そして、検出された他局通信波はバンドパスフィルタ110を通過して低雑音アンプ111で増幅され、その出力がスペクトルアナライザ250に分配される。スペクトルアナライザ250は、その検出波形をサンプリングしてフーリエ変換し、周波数スペクトル(以下、「スペアナ波形」ともいう)を生成する。その周波数スペクトルの出力はA/D変換器251を経てインターフェース部101に周波数スペクトルデータ(一例として図11)として入力される。無線基地局部4のマイクロプロセッサ部では、他局通信波解析アプリケーション405cの実行により周波数スペクトルデータが解析され、検出された他局通信波の周波数帯域(下限周波数及び上限周波数)及び強度E(例えば、スペクトラムのピーク強度や積分平均強度として演算される)における等が算出される。
次に、図3のEPC機能部3に組み込まれている送信周波数設定指示部エンティティ305iは、検出された他局通信波の周波数帯域に対し、自局送信波に設定されているチャネル(送信周波数チャネル)の周波数帯域が重なっていること(あるいは、3MHz以内の周波数ギャップを挟んで隣接していること)、かつ、その強度Eが予め定められた閾強度E1を超えることを条件として、無線基地局部4に対し送信周波数の変更制御を指示する処理を担う。具体的には、送信周波数設定指示部エンティティ305iは、送信側ブロック103(送信部)に現在設定されている送信周波数チャネルを、当該送信周波数チャネルが属する周波数バンド(上記のLETバンド)内の他の周波数チャネルに変更設定する制御を無線基地局部4に対して指示する処理を行なう。これにより、自局送信波の周波数変更制御を同一バンド内のチャネル切替により簡単に実施することができる。
次に、図5は、UE5と移動型無線通信ユニット1との間のデータ伝送に使用するIPパケットの構造を示す模式図である。IPパケット1300はIPヘッダ1301とペイロード1302とからなり、IPヘッダ1301にはPDU識別番号、データの送信元アドレス1301a、送信先アドレス1301bなどが書き込まれる。図6及び図7は、LTEシステムにおける無線プロトコルスタックを示し、図6はユーザプレーンのプロトコルスタックを、図7はコントロールプレーンのプロトコルスタックを示している。該無線プロトコルスタックは、OSI参照モデルのレイヤ1~レイヤ3に区分されており、レイヤ1はPHY(物理)層である。レイヤ2は、MAC(Medium Access Control:メディアアクセス制御)層、RLC(Radio Link Control:無線リンク制御)層、及びPDCP(Packet Data Convergence Protocol:パケットデータ暗号化)層を含む。レイヤ3は、RRC(Radio Resource Control:無線リソース制御)層及びNAS(Non-Access Stratum:非アクセス)層を含む。
各層の役割は以下の通りである。
・PHY層:符号化・復号、変調・復調、アンテナマッピング・デマッピング、及びリソースマッピング・デマッピングを行なう。UE5及び中継無線通信部9のPHY層と無線基地局部(eNodeB)4のPHY層との間では、物理チャネルを介してデータ及び制御信号が伝送される。
・MAC層:データの優先制御、HARQによる再送制御処理、及びランダムアクセス手順等を行なう。UE5のMAC層と無線基地局部4のMAC層との間では、トランスポートチャネルを介してデータ及び制御信号が伝送される。無線基地局部4のMAC層は、上下リンクのトランスポートフォーマット(トランスポートブロックサイズ、変調・符号化方式(MCS))及びUE5への割当リソースブロックを決定するスケジューラを含む。
・RLC層:MAC層及びPHY層の機能を利用してデータを受信側のRLC層に伝送する。UE5のRLC層と無線基地局部4のRLC層との間では、論理チャネルを介してデータ及び制御信号が伝送される。
・PDCP層:PDUのヘッダ圧縮・伸張、及び暗号化・復号化を行なう。
・RRC層:制御信号を取り扱う制御プレーンでのみ定義される。UE5のRRC層と無線基地局部4のRRC層との間では、各種設定のためのメッセージ(RRCメッセージ)が伝送される。RRC層は、無線ベアラの確立、再確立及び解放に応じて、論理チャネル、トランスポートチャネル及び物理チャネルを制御する。UE5のRRCと無線基地局部4のRRCとの間に接続(RRC接続)がある場合、UE5はRRCコネクティッドモードとなり、そうでない場合はRRCアイドルモードとなる。
以上の層はコントロールプレーン及びユーザプレーンの双方にて使用される。一方、コントロールプレーンのみ、UE5及びMME2には、RRC層よりさらに上位にセッション管理及びモビリティ管理等を行なうNAS層が設けられる。また、無線基地局部4のEPC機能部3側とのユーザデータ伝送インターフェースには、GTP-U(GPRS(General Packet Radio Service)Tunneling Protocol for User Plane)層が設けられている。GTP-U層は、接続先のUE5の識別や、使用する無線ベアラの識別を行なうためのものである。
次に、図8は、LTEシステムにおける下りリンクのチャネルマッピングを示す。ここでは、論理チャネル(Downlink Logical Channel)、トランスポートチャネル(Downlink Transport Channel)及び物理チャネル(Downlink Physical Channel)相互間のマッピング関係を示している。以下、順に説明する。
・DTCH(Dedicated Traffic Channel:専用トラフィックチャネル)は、データの送信のための個別論理チャネルである。DTCHは、トランスポートチャネルであるDLSCH(Downlink Shared Channel:下りシェアドチャネル)にマッピングされる。
・DCCH(Dedicated Control Channel:専用制御チャネル):UE5とネットワークとの間の個別制御情報を送信するための論理チャネルである。DCCHは、UE5が無線基地局部4とRRC接続を有する場合に用いられる。DCCHは、DLSCHにマッピングされる。
・CCCH(Common Control Channel:共通制御チャネル):UE5及び中継無線通信部9と無線基地局部4との間の送信制御情報のための論理チャネルである。CCCHは、UE5が無線基地局部4との間でRRC接続を有していない場合に用いられる。CCCHは、DLSCHにマッピングされる。
・BCCH(Broadcast Control Channel:放送制御チャネル):システム情報配信のための論理チャネルである。BCCHは、トランスポートチャネルであるBCH(Broadcast Channel、放送チャネル)又はDLSCHにマッピングされる。
・PCCH(Paging Control Channel:ページング制御チャネル):ページング情報、及びシステム情報変更を通知するための論理チャネルである。PCCHは、トランスポートチャネルであるPCH(Paging Channel:ページングチャネル)にマッピングされる。
また、トランスポートチャネルと物理チャネルとの間のマッピング関係は以下の通りである。
・DLSCH及びPCH:PDSCH(Physical Downlink Shared Channel:物理下りシェアドチャネル)にマッピングされる。DLSCHは、HARQ、リンクアダプテーション、及び動的リソース割当をサポートする。
・BCH:PBCH(Physical Broadcast Channel:物理ブロードキャストチャネル)にマッピングされる。
次に、図9は、LTEシステムにおける上りリンクのチャネルマッピングを示す。図8と同様に、論理チャネル(Downlink Logical Channel)、トランスポートチャネル(Downlink Transport Channel)及び物理チャネル(Downlink Physical Channel)相互間のマッピング関係を示している。以下、順に説明する。
・CCCH(Common Control Channel:共通制御チャネル):UE5とEPC機能部3との間の制御情報を送信するために使用される論理チャネルであり、EPC機能部3と無線リソース制御(RRC:Radio Resource Control)接続を有していないUE5によって使用される。
・DCCH(Dedicated Control Channel:専用制御チャネル):1対1(point-to-point)の双方向の論理チャネルであり、UE5とEPC機能部3と間で個別の制御情報を送信するために利用するチャネルである。専用制御チャネルDCCHは、RRC接続を有しているUE5によって使用される。
・DTCH(Dedicated Traffic Channel:専用トラフィックチャネル):1対1の双方向論理チャネルであり、特定のUE又は中継無線通信部専用のチャネルであって、ユーザ情報の転送のために利用される。
・ULSCH(Uplink Shared Channel:上りリンク共用チャネル):HARQ)、動的適応無線リンク制御、間欠送信(DTX:Discontinuous Transmission)がサポートされるトランスポートチャネルである。
・RACH(Random Access Channel:ランダムアクセスチャネル):制限された制御情報が送信されるトランスポートチャネルである。
・PUCCH(Physical Uplink Control Channel:物理上りリンク制御チャネル):下りリンクデータに対する応答情報(ACK(Acknowledge)/NACK(Negative acknowledge))、下りリンクの無線品質情報、および、上りリンクデータの送信要求(スケジューリングリクエスト:Scheduling Request:SR)を無線基地局部4に通知するために使用される物理チャネルである。
・PUSCH(Physical Uplink Shared Channel:物理上りリンク共用チャネル):上りリンクデータを送信するために使用される物理チャネルである。
・PRACH(Physical Random Access Channel:物理ランダムアクセスチャネル):主にUE5から無線基地局部4への送信タイミング情報(送信タイミングコマンド)を取得するためのランダムアクセスプリアンブル送信に使用される物理チャネルである。ランダムアクセスプリアンブル送信はランダムアクセス手順の中で行なわれる。
図9に示すように、上りリンクでは、次のようにトランスポートチャネルと物理チャネルのマッピングが行われる。上りリンク共用チャネルULSCHは、物理上りリンク共用チャネルPUSCHにマッピングされる。ランダムアクセスチャネルRACHは、物理ランダムアクセスチャネルPRACHにマッピングされる。物理上りリンク制御チャネルPUCCHは、物理チャネル単独で使用される。また、共通制御チャネルCCCH、専用制御チャネルDCCH、専用トラフィックチャネルDTCHは、上りリンク共用チャネルULSCHにマッピングされる。
次に、LTEシステムの下りリンクにおいては、UE5は無線基地局部4に対してOFDM(Orthogonal Frequency-Division Multiplexing、直交周波数分割多重)アクセス(OFDMA)により無線接続する。OFDMA方式は、周波数分割多重と時間分割多重とを複合させた二次元の多重化アクセス方式として特徴づけられる。具体的には、直交する周波数軸と時間軸のサブキャリアを分割してUE5に割り振り、各サブキャリアの信号がゼロ(0点)になるように、周波数軸上で直交するサブキャリアを分割する。サブキャリアを分割して周波数軸上に割り当てることにより、あるサブキャリアがフェージングの影響を受けても影響のない別のサブキャリアを選択することができるので、ユーザは無線環境に応じてより良好なサブキャリアを使用でき、無線品質を維持できる利点が生ずる。
そして、OFDMA方式においては、周波数軸と時間軸とが張る仮想平面上で定義されるリソースブロック(Resource Block:以下、RBともいう)が無線リソースとして採用される。RBは図10に示すように、上記平面を180kHz/0.5msecでマトリックスに区切ったブロックとして定義され、各ブロックは周波数軸上では15kHz間隔で隣接する12個のサブキャリアを、時間軸上ではフレームの1スロット分(7シンボル)を含む。このRBは時間軸上で隣接する2つ(1msec)を1組としてUE5に割り当てられる。他方、LTEシステムの上りリンクにおいても、SC-FDM(Single Career Frequency-Division Multiplexing)アクセス(SC-FDMA)が採用される点を除き、同様の概念のリソースブロックが無線リソースとして用いられる。OFDMAでは1つのリソースブロックが周波数軸上で12のサブキャリア(帯域幅:15kHz)に分割されるのに対し、SC-FDMAはサブキャリアへの分割がなされないシングルキャリア方式である。
図23は、UE5の無線基地局部4に対するアタッチシーケンスを示す通信フローである。UE5は、TS09にて探索用電波の送信によりセルサーチを行なう。一方、TS10にて無線基地局部4は自セルに向け、PBCHを用いて報知情報を送出している。UE5はセルサーチによってこの報知情報を検出し、TS11にて無線基地局部(eNodeB)4を経由してMME2に対し、アタッチ要求を創出する。MME2はこれを受け、TS12にてS-GW6に対しベアラ設定要求を送信する。S-GW6はTS13にて、P-GW7との間でS5インターフェース上に物理回線のベアラ設定処理を実行する。ベアラが設定されればS-GW6はTS14にてMME2に、ベアラ設定応答を送信する。
MME2は、端末無線ベアラ群として使用可能な設定チャネル番号を決定し、TS16で、無線ベアラ設定要求(アタッチ受入れ)を無線基地局部4に決定した設定チャネル番号とともに通知する。これを受けた無線基地局部4はTS17にて設定するべき無線ベアラ(無線リンク)の設定チャネル番号を含むMIB(Master Information Block)をUE5に送信する。
TS18にてUE5は端末側チャネルを、受信したMIBに含まれる設定チャネル番号に設定し、設定完了を返信する。これを受け、TS19にて無線基地局部4はセッション開始要求(アタッチ受入れ)をUE5に通知する。TS20にてUE5は端末側無線ベアラを設定し、セッション開始応答を無線基地局部4に返す。TS21にて、無線基地局部4は、セッション開始応答をMME2に通知する。以下、TS22にて、ユーザデータの転送処理が実施される。
次に、本発明の移動型無線通信ユニット1において送信側ブロック103からの送信波(以下、自局送信波ともいう)の周波数設定を行なう際の、無線基地局部(eNodeB)4、送信周波数設定指示部11及び他局通信波解析部10との間で実行される通信手順を、図13の通信フロー図を用いて説明する。図13の処理は繰り返し実行される。
T101では、送信周波数設定指示部11にて他局通信波検出のインターバルを規定するタイマーを起動する(タイマー初期化のステップは表示を省略している)。T102で該タイマーによる計時が満了すればT103に進み,無線基地局部4に接続中のUE(端末装置)の数である接続UE数(接続中端末装置数)の送信を要求する。無線基地局部4はこれを受けて自身に接続中のUE数を調べ、接続UE数Nとしてこれを返す。送信周波数設定指示部11ではT104にて、取得した接続UE数Nが予め定められた閾接続数Nc(Ncは1であってもよい)以上であるか否かを判定する。閾接続数Nc以上の時はT101に戻り、タイマーを初期化してT101に戻る。
一方、閾接続数Nc未満の時はT105に進み、他局通信波を検出させるため無線基地局部4に停波を要求する。無線基地局部4ではこれを受け、送信側ブロック103を停波設定し、応答を返す。この処理により、無線基地局部4に一定数以上のUE(端末装置)5が接続されている場合には、他局通信波の検出ひいては停波がなされないので、通信中のUE5との間の通信途絶や、新たなUE5のアタッチ等が阻害されることがない。送信周波数設定指示部11はT106にて他局通信波解析部10に対し停波されたことを通知する。
無線基地局部4では、この停波期間中に受信側ブロック102にて他局通信波を受信し、スペクトルアナライザ250(「スペアナ」ともいう)にてその受信波形の周波数スペクトル(スペアナ波形)を生成する。他局通信波はバンドパスフィルタ110を通過しているので、図11のようにその周波数スペクトル(スペアナ波形)にピークが現れる場合、検出された他局通信波は無線基地局部4からの送信波と同一の周波数バンドに属し、無線基地局部4の送信波による干渉を受ける可能性がある。そこで、他局通信波解析部10はT107にて無線基地局部4から他局通信波のスペアナ波形を取得する。そして、T108にて、スペアナ波形上でピークを検索し(例えば、ピーク強度、ピーク帯域幅(半値幅等)及び中心周波数などの解析を行なうことができる)、その高さから他局通信波の強度Eを算出する。さらに、他局通信波と自局送信波との重なり判定に必要な情報、例えばピークの下限周波数及び上限周波数(図11:fL,fU)の解析を行なう。なお、この情報は、例えばピークの中心周波数と帯域幅の情報であってもよい。
T109では、他局通信波解析部10は解析の完了を送信周波数設定指示部11に通知する。送信周波数設定指示部11はこれを受け、他局通信波解析部10から上記他局通信波の強度Eを取得し、T110で該強度Eが閾強度Ec以上であるか否かを調べる。閾強度Ec未満のときは他局通信波との干渉のおそれがないと判定し、T114に進んで停波前のチャネルを選択する。一方、T110で強度Eが閾強度Ec以上となっている場合にはT111に進み、他局通信波解析部10から他局通信波の下限周波数及び上限周波数fL,fUの解析結果を取得する。T112では、取得した他局通信波の下限周波数及び上限周波数fL,fUが、無線基地局部4の送信波の下限周波数及び上限周波数に対応して設定された規定範囲内に入っているか否かを調べる。
本実施形態では、自局送信波の隣接チャネル帯域に他局通信波が重なることによるスプリアス干渉の抑制も図ることができるよう、上記規定範囲を定めている。具体的には、図12に示すように、現在設定中の送信波チャネル帯域の下限周波数をf’L、上限周波数をf’Uとし、LTEバンド内のチャネル間の空白帯域幅をΔfとして、解析により得られた他局通信波の下限周波数fLにΔfを加算した周波数を上記規定範囲の上限周波数fL+Δfとし、他局通信波の上限周波数fUからΔfを減算した周波数を上記規定範囲の下限周波数fU-Δfとしている。図13のT112ではf’U+Δf<fLであるか否かが、T113ではfU<f’L-Δfであるか否かが判定され、そのいずれかが成立している場合にT114に進み、他局通信波への干渉のおそれがないと判断し、停波前に設定されていた送信波チャネル(つまり、現在設定中のチャネル)を選択し、その使用を継続する制御を行なう。
一方、f’U+Δf<fL及びfU<f’L-Δfがいずれも成立していない場合は他局通信波への干渉があると判断してT115に進み、現在設定中の送信波チャネルを、図10に示す同一LTEバンド(ここでは、バンド28)内の使用されていない別のチャネルに切り替え設定するチャネル変更制御(周波数変更制御)が行われる。図18は、そのチャネル変更制御の流れの一例を示すフローチャートである。まず、T1151では、設定中の自局チャネル番号Cpをリードする。T1152では、自局チャネルのどちらで干渉の可能性があるかについて、判断を行なう。具体的には、図12に示すように、検出された他局通信波の下限周波数fLについて、f’L<fL<f’U+Δfが成立していれば、他局通信波帯域(A)のごとく、干渉(あるいは重なり)が自局チャネル(送信波チャネル)の高周波数側で生じていると判断される。また、検出された他局通信波の上限周波数fUについて、f’L-Δf<fL<f’Uが成立していれば、他局通信波帯域(B)のごとく、干渉(あるいは重なり)が自局チャネルの低周波数側で生じていると判断される。
図19に示すように、自局チャネル(図19ではCH4)が、その低周波数側にて他局通信波への干渉あるいは重なりが生じている場合は、図18にてT1153に進み、現在設定中の送信波のチャネルを、高周波数側の別のチャネル、例えば現在のチャネル番号(Cp)に対し所定数、例えば1だけ加算した番号のチャネル(Cr=Cp+1:図19ではCH5)に変更する設定を行なう。ここで、図20のように、現在のチャネル番号(Cp)が最大値(図19では9)ないしこれに準ずる値の場合、上記所定数加算したチャネル番号の値Crが、上記最大値を超えてしまうことがある(図18のT1154でyesの場合)。この場合は、図18にてT1155へ進み、上記所定数よりも1だけ多い数を現在のチャネル番号Cpから減じた値を変更後のチャネル番号Crとする設定を行なう(図20ではCr=Cp-2=7)。
また、 図21に示すように、自局チャネル(図21ではCH4)が、その高周波数側にて他局通信波への干渉あるいは重なりが生じている場合は、図18にてT1156に進み、現在設定中の送信波のチャネルを、低周波数側の別のチャネル、例えば現在のチャネル番号(Cp)に対し所定数、例えば1だけ減算した番号のチャネル(Cr=Cp-1:図21ではCH3)に変更する設定を行なう。図22のように、現在のチャネル番号(Cp)が最小値(図22では1)ないしこれに準ずる値の場合、上記所定数減算したチャネル番号の値Crが、上記最小値を下回ることがある(図18のT1157でyesの場合)。この場合は、図18にてT1158へ進み、上記所定数よりも1だけ多い数を現在のチャネル番号Cpに加算した値を変更後のチャネル番号Crとする設定を行なう(図22ではCr=Cp+2=3)。
なお、現在のチャネル番号Cpに対し加算ないし減算する上記所定値は1に限らず、例えば2以上の数であってもよい。特に、干渉する他局通信波の帯域が現在のチャネルの帯域とほぼ一致しているような場合は、現在のチャネル番号Cpの隣接チャネルを避け、次隣又はそれ以上に遠いチャネルに設定することがより望ましい(この場合、現在のチャネル番号Cpに対し加算ないし減算する上記所定値を2以上に設定する)。また、接他局通信波への干渉あるいは重なりが生じていると判断され場合、同一周波数バンド内で、検出された他局通信波の中心周波数から常に最も遠い周波数チャネルに変更設定するように処理を行なってもよい。この場合は、他局通信波の中心周波数が属する周波数チャネルの番号を干渉チャネル番号として特定し、その干渉チャネル番号との差分の絶対値が最も大きくなる周波数チャネルを、変更後の周波数チャネルとして採用すればよい。図18~図22においては、その具体例を破線の矢印にて示している。
上記のごとく、自局送信波を一旦停波して他局通信波を検出・解析することにより、自局送信波の周波数(チャネル)の設定内容(変更あるいは維持)が決定されれば、以下、図14の通信フローに従い、その新たな周波数(チャネル)の設定内容に従い、自局送信波の送出再開処理がなされる。まず、TS21にて無線基地局部4は、送信周波数設定指示部11からの停波要求を受信する。これを受けて無線基地局部4は、TS22にて停波設定を実行し、MME2に停波実行を通知する。また、TS23ではUE5との間の無線リンクを解放する。このとき、無線基地局部4とEPC機能部3との間で無線ベアラの構築状態は維持されている。
UE5はこれを受けてRRCアイドルモードに移行し、TS24で再びセルサーチを開始する。また、無線基地局部4は、無線リンク解放に伴いTS25にて自セルに向け、報知情報の送信を再開している。UE5はセルサーチによってこの報知情報を検出し、TS26にて無線基地局部(eNodeB)4との間でセルの再選択と無線リンクの確立シーケンスを実行する。無線基地局部4は無線リンクの確立を受け、TS27にてMME2を経てS-GW6に対しベアラ更新要求を送信する。TS28にてS-GW6はP-GWとの間でベアラ更新処理を行ない、TS29にてMME2を経て無線基地局部4に対し、ベアラ更新の応答を行なう。このとき、MME2は無線基地局部4に使用可能なチャネル番号を通知する。無線基地局部4は通知されたチャネル番号をMIBに組み込み、TS30にてUE5にこれを送信する。UE5はTS31にて端末用無線ベアラのチャネルを設定し、無線基地局部4に対してチャネル設定の完了を返信する。TS32にて、以下、新たに設定されたチャネルにてユーザデータの転送処理が再開される。
なお、図4の構成では、受信側ブロック102のバンドパスフィルタ110を他局通信波の検出に使用するバンドパスフィルタに兼用していたが、図4に一点鎖線で示すように、他局通信波の検出にのみ使用する専用のバンドパスフィルタ110’(さらには、低雑音アンプ111’及びアンテナ105’)を別途設けるようにしてもよい。一方、バンドパスフィルタ110による他局通信波の選択性が十分に高い場合には、帯域及び中心周波数の解析を省略すること、ひいてはスペクトルアナライザ250を省略することが可能である。この場合、インターフェース部101にはバンドパスフィルタ110を通過した受信波形がフーリエ変換されずにA/D変換器251にてデジタル化され、インターフェース部101に入力される。他局通信波解析アプリケーション405c(図3)は、このデジタル化波形データをインターフェース部101から取得し、その振幅の最大値から他局通信波の強度Eを特定することができる。
次に、他局通信波の検出部は、無線送信波を復調部と同一方式にて他局通信波を復調する他局通信波復調部を備えるものとして構成することも可能である。この場合、解析判定部は、検出情報の内容として他局通信波復調部により復調後の他局通信波の信号波形を解析し、該信号波形がデジタルベースバンド信号波形を示すものであるか否かに基づいて送信強度低減制御を実行するとの判定を行なうように構成される。他局通信波に対する干渉(特に混信等)が問題となるのは、他局通信波が無線基地局部4の送信波と周波数帯域が近接しているか重なっており、かつ、同一方式で復調可能な場合であるから、検出した他局通信波を上記のように復調し、その復調後の他局通信波の信号波形がデジタルベースバンド信号波形を示すものであるか否かを判定することにより、無線基地局部に対する出力低減制御をより的確に実施することができる。
この場合のハードウェア構成は、他局通信波検出用の復調部を別途設ける形としてもよいが、受信側ブロック102の復調部を他局通信波復調部に兼用することにより、回路構成の簡略化を図ることができる。例えば図4に示すように、受信側ブロック102のA/D変換器117,119が出力するデジタル化された各チャネル(I,Q)の復調信号を、一点鎖線で示すように復調信号Sdi,Sdq(双方とも使用してもよいし、一方のみを使用してもよい)として分配する形でインターフェース部101に入力することができる。
他局通信波解析アプリケーション405cは、復調信号Sdi,Sdqを取得し、例えば図15(追って詳述)に示す方式にて、取得した信号波形がデジタルベースバンド信号波形を示すものであるか否かを判定する。デジタルベースバンド信号波形が示す情報の具体的内容にまで踏み込んで解析を行なう場合は、信号波形が示すデジタルベースバンド信号の内容に含まれる周波数設定情報に基づいて周波数変更制御を実行するとの判定を行なうことが可能である。具体的には、例えば次のような手法が可能である(この場合、復調信号Sdi,Sdqは双方ともに使用され、また、パラレル/シリアル変換部120の出力を用いるようにしてもよい)。
LTEシステムにおいては、上記の報知情報の送信量を運用・環境ごとに柔軟に変更するために、PBCHを用いた固定的な報知情報リソースと、PDSCHを用いた可変的に使用できる無線リソースとが組み合わせて使用される。ここで固定的なリソースであるPBCHを用いるのは、UE5が最初に取得する情報として報知情報が定められており、UE5がeNodeB4からの通知を受けることなしに受信できる必要があるためである。UE5は固定的なリソースであるPBCHを最初に受信し、PBCHからPDSCHを受信するための最低限の情報を得て、その情報をもとにPDSCHにて送られる報知情報を読むようにしている。PDSCHはRB単位で割り当て可能な可変リソースであるため、PDSCHにて送信する報知情報の量は可変である。これにより報知情報に使用するリソース量の変更が実現され、ネットワーク運用や環境により異なる報知情報量に応じた無線リソースの割り当てが可能となる。
このPBCHにより送信される報知情報のうち前述のMIBは、図17に示すように、無線フレームの先頭(すなわち、サブフレーム番号=0)で送信されるものであり、時間リソース及び周波数リソースが常に固定された形で割り当てられる。その、送信情報は、例えばPDSCHにより他の報知情報(例えばSIB(System Information Block))を受信するための情報(使用周波数帯域を含む)、及び無線フレーム番号(SFN : System Frame Number)などである。
MIBは、具体的にはPBCH上でサブフレーム番号=0にて10ms周期で送信されることが決まっており、割り当てられる時間リソース及び周波数リソース共に固定である。よって、例えば無線基地局部4の送信波が使用するPBCHの周波数帯域上で、サブフレーム番号=0となる無線フレームが10ms周期で到来しているか否かを調べることにより、他局通信波が該当する周波数帯域上で同じ方式により無線送受信を行っていることを容易に特定できる。この場合、PBCH上で受信される無線フレームの先頭はMIBであると推定されるから、その内容を読み取ることで他局通信波の周波数情報(例えば、チャネル情報や前述の下限周波数fL及び上限周波数fU)を正確に特定することも可能となる。
他方、より簡便な方法として、次のような方式を採用することも可能である。具体的には、復調信号波形を一定の時間間隔でサンプリングし、そのサンプリング点S1~S5の信号レベルを読み取る。復調信号がもし意味のあるデジタルベースバンド信号波形に復調されていれば、理想的にはその波形は図16の上に示すような一定パルス間隔の方形波状となる。そして、サンプリング点S1~S5の信号レベルが、互いに異なる2つの基準レベルAHないしALを各々中心として、いずれかの周辺に偏って現れる場合には、取得した信号波形がデジタルベースバンド信号波形であると推定できる。この場合、例えばサンプリング点群の信号レベルの平均値を閾値とし、サンプリング点群を該閾値との大小関係で2群に分け、各群の平均値をAHないしALとして定めることができる。なお、より高精度の判定を行いたい場合は、サンプリング間隔を短くし、AH近傍のサンプリング点が連続して現れる個数と、AL近傍のサンプリング点が連続して現れる個数とに基づいてビット間隔を推定し、そのビット間隔がほぼ一定であれば取得した信号波形をデジタルベースバンド信号波形であると推定する。
一方、取得した信号波形が意味のあるデジタルベースバンド信号波形に復調されなかった場合は、図16の下に示すようにサンプリング点S1~S5の信号レベルが不定となったり、あるいは2レベル化する場合も、ビット間隔が一定でなくなったりするなどのイレギュラーな結果を示すこととなる。この場合は、信号波形をデジタルベースバンド信号波形でないと推定する。
図15は、上記の場合の処理の流れを示すものである。該処理は多くの部分で図13と共通しているので、主にその相違点について説明し、共通する処理ステップには図13と同じ番号を付与して詳細な説明は略する。まず、T101~T106の停波に至るまでの処理は図13と全く同じである。続いて、T121では他局通信波解析部10は無線基地局部4から他局通信波の検出波形を取得する。具体的には、図4においてスペクトルアナライザ250を省略した前述の構成において、バンドパスフィルタ110の通過受信波形をA/D変換器251にて直接デジタル化した波形を取得する。T123ではその波形振幅から他局通信波の強度を解析する。T124では他局通信波解析部10は解析の完了を送信周波数設定指示部11に通知する。送信周波数設定指示部11はこれを受け、他局通信波解析部10から上記他局通信波の強度Eを取得し、T110で該強度Eが閾強度Ec以上であるか否かを調べる。閾強度Ec未満のときの処理は図13の場合と同じである。一方、T124で強度Eが閾強度Ec以上となっている場合にはT125に進み、他局通信波解析部10に他局通信波の復調波の解析を要求する。他局通信波解析部10はT126で無線基地局部4から他局通信波の復調波を取得し、T127で上記説明したいずれかの方式により解析を行なう。
T128では、他局通信波解析部10は解析の完了を送信周波数設定指示部11に通知する。送信周波数設定指示部11はこれを受け、上記他局通信波の解析結果、ここでは、例えば下限周波数fL及び上限周波数fUの情報を取得する。以下の処理は図13と同じである。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、あくまで例示であって、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、本発明において「他局」は、自局通信波による通信を故意に妨害するために妨害電波を送信する妨害電波送信局も概念として含み、この場合も本発明の効果を同様に享受できる。
1 移動型無線通信ユニット
2 MME
3 EPC機能部
4 無線基地局部(eNodeB)
5 UE(端末装置)
6 S-GW
7 P-GW
8 ルータ
9 中継無線通信部
10 他局通信波解析部
11 送信周波数設定指示部
20 基地局制御部
21 二次電池モジュール
22 電源回路部
23 可搬型筐体
30 通信バス
31 通信バス
50 セル
57 無線ベアラ
101 インターフェース部
102 受信側ブロック
103 送信側ブロック
104 デュプレクサ
105 送受信アンテナ
105’ アンテナ
110 バンドパスフィルタ
110’ バンドパスフィルタ
111 低雑音アンプ
111’ 低雑音アンプ
112 発信回路
113 乗算器
114 移相器
115 乗算器
116 ローパスフィルタ
117 A/D変換器
118 ローパスフィルタ
119 A/D変換器
120 シリアル変換部
209 アッテネータ
210 バンドパスフィルタ
211 パワーアンプ
212 発信回路
213 乗算器
214 移相器
215 乗算器
216 ローパスフィルタ
217 D/A変換部
218 ローパスフィルタ
219 D/A変換部
220 パラレル変換部
221 デュプレクサ
250 スペクトルアナライザ
251 A/D変換器
301 CPU
302 RAM
303 マスクROM
304 通信インターフェース
304A 上流側通信インターフェース
304B 下流側通信インターフェース
305 フラッシュメモリ
305a 通信ファームウェア
305b MMEエンティティ
305c S-GWエンティティ
305d P-GWエンティティ
305e 仮想ルータエンティティ
305f 出力設定テーブル
305g 他局通信波解析エンティティ(解析判定部)
305i 送信周波数設定指示部エンティティ(解析判定部)
306 バス
401 CPU
402 RAM
403 マスクROM
404 通信インターフェース
405 フラッシュメモリ
405a 通信ファームウェア
405b 送信制御ファームウェア
405c 他局通信波解析アプリケーション
406 バス
412 無線通信部
500 基地局
1300 IPパケット
1301 IPヘッダ
1301a 送信元アドレス
1301b 送信先アドレス
1302 ペイロード
WS 大型車両

Claims (10)

  1. 移動体上に設置されて前記移動体とともに移動しつつ端末装置からの無線接続が可能とされ、前記端末装置に無線送信波を送信する送信部を備える無線基地局部と、前記無線基地局部に有線接続され該無線基地局部とともに移動可能に構成された基地局制御部とを備えた移動型無線通信ユニットであって、
    前記無線基地局部を停波させた状態で前記無線基地局部の設置位置周辺の他局通信波を検出する他局通信波検出部が、前記基地局制御部に有線接続される形で設けられる一方、
    前記無線基地局部には、前記基地局制御部から受信する設定指示に基づいて前記送信部の送信周波数を可変設定する送信周波数設定部が設けられ、
    前記基地局制御部には、前記他局通信波検出部から取得する前記他局通信波の周波数を含む検出情報を解析し、前記無線送信波による前記他局通信波への干渉軽減のための周波数変更制御を実行するか否かの判定を、前記解析の結果に基づいて実行する解析判定部と、前記解析判定部が前記周波数変更制御を実行するとの判定を行った場合に、前記送信周波数設定部に対し前記周波数変更制御として、前記無線基地局部の前記送信部の送信周波数を前記他局通信波の周波数から遠ざかる向きに変更する制御の指示を行なう送信周波数設定指示部と、が設けられており、
    前記無線基地局部は、前記端末装置からの受信波を受信する受信部を備えるとともに、該受信部が前記他局通信波検出部に兼用されてなることを特徴とする移動型無線通信ユニット。
  2. 移動体上に設置されて前記移動体とともに移動しつつ端末装置からの無線接続が可能とされ、前記端末装置に無線送信波を送信する送信部を備える無線基地局部と、前記無線基地局部に有線接続され該無線基地局部とともに移動可能に構成された基地局制御部とを備えた移動型無線通信ユニットであって、
    前記無線基地局部を停波させた状態で前記無線基地局部の設置位置周辺の他局通信波を検出する他局通信波検出部が、前記基地局制御部に有線接続される形で設けられる一方、
    前記無線基地局部には、前記基地局制御部から受信する設定指示に基づいて前記送信部の送信周波数を可変設定する送信周波数設定部が設けられ、
    前記基地局制御部には、前記他局通信波検出部から取得する前記他局通信波の周波数を含む検出情報を解析し、前記無線送信波による前記他局通信波への干渉軽減のための周波数変更制御を実行するか否かの判定を、前記解析の結果に基づいて実行する解析判定部と、前記解析判定部が前記周波数変更制御を実行するとの判定を行った場合に、前記送信周波数設定部に対し前記周波数変更制御として、前記無線基地局部の前記送信部の送信周波数を前記他局通信波の周波数から遠ざかる向きに変更する制御の指示を行なう送信周波数設定指示部と、が設けられており、
    前記無線基地局部は、前記端末装置からの受信波を受信する受信部と、該受信波を復調する復調部を備え、
    前記他局通信波検出部は、前記無線送信波を前記復調部と同一方式にて前記他局通信波を復調する他局通信波復調部を備え、
    前記解析判定部は、前記検出情報の内容として前記他局通信波復調部により復調後の前記他局通信波の信号波形を解析し、該信号波形がデジタルベースバンド信号波形を示すものであるか否かに基づいて前記周波数変更制御を実行するとの判定を行なうことを特徴とする移動型無線通信ユニット。
  3. 移動体上に設置されて前記移動体とともに移動しつつ端末装置からの無線接続が可能とされ、前記端末装置に無線送信波を送信する送信部を備える無線基地局部と、前記無線基地局部に有線接続され該無線基地局部とともに移動可能に構成された基地局制御部とを備えた移動型無線通信ユニットであって、
    前記無線基地局部を停波させた状態で前記無線基地局部の設置位置周辺の他局通信波を検出する他局通信波検出部が、前記基地局制御部に有線接続される形で設けられる一方、
    前記無線基地局部には、前記基地局制御部から受信する設定指示に基づいて前記送信部の送信周波数を可変設定する送信周波数設定部が設けられ、
    前記基地局制御部には、前記他局通信波検出部から取得する前記他局通信波の周波数を含む検出情報を解析し、前記無線送信波による前記他局通信波への干渉軽減のための周波数変更制御を実行するか否かの判定を、前記解析の結果に基づいて実行する解析判定部と、前記解析判定部が前記周波数変更制御を実行するとの判定を行った場合に、前記送信周波数設定部に対し前記周波数変更制御として、前記無線基地局部の前記送信部の送信周波数を前記他局通信波の周波数から遠ざかる向きに変更する制御の指示を行なう送信周波数設定指示部と、が設けられており、
    前記基地局制御部は、前記無線基地局部から該無線基地局部に接続中の端末装置数を取得する接続中端末装置数取得部を備え、
    前記基地局制御部には、前記接続中の端末装置数が予め定められた閾接続数未満の時にのみ、前記無線基地局部を停波させた状態で前記他局通信波検出部に対し、前記他局通信波を検出させる他局通信波検出制御部が設けられていることを特徴とする移動型無線通信ユニット。
  4. 移動体上に設置されて前記移動体とともに移動しつつ端末装置からの無線接続が可能とされ、前記端末装置に無線送信波を送信する送信部を備える無線基地局部と、前記無線基地局部に有線接続され該無線基地局部とともに移動可能に構成された基地局制御部とを備えた移動型無線通信ユニットであって、
    前記無線基地局部を停波させた状態で前記無線基地局部の設置位置周辺の他局通信波を検出する他局通信波検出部が、前記基地局制御部に有線接続される形で設けられる一方、
    前記無線基地局部には、前記基地局制御部から受信する設定指示に基づいて前記送信部の送信周波数を可変設定する送信周波数設定部が設けられ、
    前記基地局制御部には、前記他局通信波検出部から取得する前記他局通信波の周波数を含む検出情報を解析し、前記無線送信波による前記他局通信波への干渉軽減のための周波数変更制御を実行するか否かの判定を、前記解析の結果に基づいて実行する解析判定部と、前記解析判定部が前記周波数変更制御を実行するとの判定を行った場合に、前記送信周波数設定部に対し前記周波数変更制御として、前記無線基地局部の前記送信部の送信周波数を前記他局通信波の周波数から遠ざかる向きに変更する制御の指示を行なう送信周波数設定指示部と、が設けられており、
    前記基地局制御部は、前記無線基地局部から該無線基地局部に接続中の端末装置数を取得する接続中端末装置数取得部を備え、
    前記解析判定部は、前記接続中の端末装置数が予め定められた閾接続数未満の時にのみ、前記周波数変更制御を実行するとの判定を行なうことを特徴とする移動型無線通信ユニット。
  5. 前記解析判定部は、前記検出情報の内容として前記他局通信波の強度を解析し、該強度が予め定められた閾強度を超えることを条件として、前記周波数変更制御を実行するとの判定を行なう請求項1記載の移動型無線通信ユニット。
  6. 前記解析判定部は、前記検出情報の内容として前記他局通信波が占有する周波数帯域を解析し、該周波数帯域が前記無線送信波の周波数帯域と重なりを生じていることを条件として、前記周波数変更制御を実行するとの判定を行なう請求項1又は請求項に記載の移動型無線通信ユニット。
  7. 前記他局通信波検出部は、前記無線送信波の占有周波数帯域に対応する帯域幅を有したバンドパスフィルタを備え、該バンドパスフィルタを通過した他局通信波のみを検出するものである請求項6記載の移動型無線通信ユニット。
  8. 前記解析判定部は、前記信号波形がデジタルベースバンド信号波形を示すものであった場合に、前記信号波形が示すデジタルベースバンド信号の内容に含まれる周波数設定情報に基づいて前記周波数変更制御を実行するとの判定を行なう請求項2記載の移動型無線通信ユニット。
  9. 前記無線基地局部の前記復調部が前記他局通信波復調部に兼用されてなる請求項2に記載の移動型無線通信ユニット。
  10. 前記送信周波数設定指示部は、解析判定部が前記周波数変更制御を実行するとの判定を行った場合に、前記無線基地局部の前記送信周波数設定部に対し、前記送信部に現在設定されている送信周波数チャネルを、当該送信周波数チャネルが属する周波数バンド内の他の周波数チャネルに変更設定する指示を行なうものである請求項1記載の移動型無線通信ユニット。
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