JP7491333B2 - 電子デバイスおよびコンピュータプログラム - Google Patents

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Description

本開示の実施形態はデータ処理分野に関し、より具体的には、データ処理のための方法、装置及びコンピュータ可読記憶媒体に関する。
情報技術の急速な発展に伴い、データ規模も急激に増大している。このような背景や趨勢の下、機械学習はますます広く注目されている。因果の発見は、物事の発生メカニズムを理解するのに役立ち、実生活において幅広く応用されており、例えばサプライチェーン、医療健康、小売り等のさまざまな分野でいずれも応用可能である。ここでいう因果発見とは、複数の要素に関するデータから、複数の要素間に存在する因果関係を発見することを指す。例えば小売りの分野では、因果発見の結果で、さまざまな販売戦略の立案をサポートすることができ、医療健康分野では、因果発見の結果で、患者の治療計画の立案をサポートすることができること等が挙げられる。複数の要素間の因果関係を分析した上で、因果関係をどのように利用し、より深い分析を行うかは、極めて注目に値するとともに解決すべき課題である。
本開示の実施形態は、データ処理のための方法、装置及びコンピュータ可読記憶媒体を提供する。
本開示の第1の態様では、データ処理のための方法が提供される。当該方法は、分析する複数の要素のそれぞれに対応する観測データを取得することと、複数の要素のうちの1つの要素が対象要素として選択されたことに応じて、複数の要素の因果構造を取得することと、因果構造と、複数の要素のそれぞれに対応する観測データとに基づいて、複数の要素における第1要素の、対象要素の対象観測データに対する貢献度を決定することと、を含む。因果構造は、複数の要素の間の因果関係を示す。
本開示の第2の態様では、電子デバイスが提供される。当該デバイスは、プロセッサユニットと、前記少なくとも1つのプロセッサユニットに結合され、前記少なくとも1つのプロセッサユニットによって実行される命令を格納する少なくとも1つのメモリとを備え、前記命令が前記少なくとも1つのプロセッサユニットによって実行される場合、本開示の第1の態様にかかる方法を実行し実現する。
本開示の第3の態様では、コンピュータ可読記憶媒体が提供される。コンピュータ可読記憶媒体には、コンピュータが実行可能な命令が格納されており、コンピュータが実行可能な命令は、プロセッサにより実行される場合、本開示の第1の態様にかかる方法を実行し実現する。
本開示の第4の態様では、コンピュータプログラム製品が提供される。コンピュータプログラム製品はコンピュータプログラム/命令を含む。コンピュータプログラム/命令は、プロセッサにより実行される場合、本開示の第1の態様にかかる方法を実現する。
発明の概要部分は、一連の概念を簡略化して紹介するためのものである。これらについては、以下の実施形態においてさらに説明を行う。発明の概要部分の記述は、本開示の重要又は必要な特徴を標記することを意図したものではなく、本開示の範囲を限定することも意図していない。本開示のその他の特徴は、以下の説明により容易に理解できるはずである。
本発明の目的、利点、及びその他の特徴は、以下の開示内容及び請求項から、より明らかになるはずである。ここでは、あくまで例示を目的として、図面を参照して好ましい実施形態の非限定的な説明を行う。
本開示のいくつかの実施形態にかかる、データ処理システムのブロック図を示す。
本開示のいくつかの実施形態にかかる、アトリビューション分析(Attribution Analysis)に用いられる方法のフローチャートを示す。
本開示のいくつかの実施形態にかかる例示的な因果構造を示す。
本開示のいくつかの実施形態にかかるアトリビューション分析装置のブロック図を示す。
本開示のいくつかの実施形態にかかる、因果点アトリビューション分析に用いられる例示的方法のフローチャートを示す。
本開示のいくつかの実施形態にかかる、要素の基礎データを決定するための例示的方法のフローチャートを示す。
本開示のいくつかの実施形態にかかる、因果構造において因果点アトリビューション分析の結果を提示する例を示す。
本開示のいくつかの実施形態にかかる、因果エッジアトリビューション分析に用いられる例示的方法のフローチャートを示す。
本開示の別のいくつかの実施形態にかかる、因果エッジアトリビューション分析に用いられる例示的方法のフローチャートを示す。
本開示のいくつかの実施形態にかかる、因果構造において因果エッジアトリビューション分析の結果を提示する例を示す。
本開示のいくつかの実施形態にかかる、例示的なアトリビューション分析の可視化されたグラフを示す。 本開示のいくつかの実施形態にかかる、例示的なアトリビューション分析の可視化されたグラフを示す。 本開示のいくつかの実施形態にかかる、例示的なアトリビューション分析の可視化されたグラフを示す。 本開示のいくつかの実施形態にかかる、例示的なアトリビューション分析の可視化されたグラフを示す。 本開示のいくつかの実施形態にかかる、例示的なアトリビューション分析の可視化されたグラフを示す。
本開示の実施形態を実施可能な例示的デバイスの概略ブロック図を示す。
各図において、同一又は対応する図面符号は、同一又は対応する部分を示す。
以下、図面を参照しつつ、本開示の実施形態についてより詳細に説明する。図には本開示のいくつかの実施形態が示されているが、本開示はさまざまな形式で実現することが可能であり、ここに記載された実施形態に限定されると解釈すべきではなく、これら実施形態はむしろ、本開示をより徹底的且つ完全に理解するために提供されるものである。この点は理解されなければならない。また、本開示の図面及び実施形態は例示的なものにすぎず、本開示の保護範囲を限定するためのものではない点も、理解されなければならない。
本開示の実施形態の説明において、「含む」及び類似の用語は開放的なもの、即ち「…を含むが、これらに限定されない」と理解されるべきである。用語「…に基づいて」は、「少なくとも部分的に基づく」と理解されるべきである。用語「1つの実施形態」又は「当該実施形態」は、「少なくとも1つの実施形態」と理解されるべきである。用語「第1」、「第2」等は、異なるか又は同一の対象を示すことができる。以下の文中ではさらに、その他の明確な定義及び暗黙の定義が含まれる可能性がある。
本開示の実施形態において、「因果構造」(causal structure)という用語は一般的に、システム内の各要素間の因果関係を記述した構造を指す。用語「要素」は「変数」とも称される。用語「観測データ」とは、要素(変数)について直接観測できるデータを指す。観測データは、いくつかの例示では数値の形式であり得るため、観測値とも称することができる。
因果構造では、第1要素は第2要素の原因であり、第2要素は第1要素の結果であり得る。この場合、第1要素は第2要素の原因要素(又は原因変数)と称され、第2要素は第1要素の結果要素と称される。ある要素について、その原因要素として1つ又は複数の要素が存在する可能性があり、また、1つ又は複数の要素の結果要素である可能性もある。ある要素の観測データの変化が、別の要素の観測データに直接影響を与える場合、その要素は別の要素の「直接原因」と称することができる。ある要素が、1つ又は複数の他の要素を介して、別の要素の観測データに影響を与える場合、その要素は別の要素の「間接原因」と称することができる。因果構造では、ある要素が原因要素を一切持たずに、他の要素の原因要素としてのみ存在する可能性もある。或いは、結果要素を持たずに、他の要素の結果要素としてのみ存在する可能性もある。
上述のように、実生活では、因果関係の発見は、多くの実際の分野において意義を有する。
顧客サービスの分野では、通信事業者に対する顧客満足度にどの要素が影響するかを決定するために、大量のユーザ消費行動データ(顧客の年齢、月間消費インターネットトラフィック、無料トラフィックの割合、月間消費インターネットトラフィックの総費用等)、満足度調査データや、事業者の戦略データを収集することができる。収集された各種タイプのデータは、要素(又は変数)の観測データとも称される。これらの要素の間に存在する因果関係を発見することにより、顧客満足度に影響を与える1つ又は複数の要素を決定することができる。さらに、その1つ又は複数の要素の観測データを変更するか、又はその1つ又は複数の要素について対応戦略を立てることにより、通信事業者に対する顧客満足度を向上させることができる。
健康分野では、患者の血圧に影響を与える要素を決定するために、心拍数、心拍出量、アレルギー指標、総末梢血管抵抗、カテコールアミン分泌、血圧等、一連の生理指標(即ち、一連の要素の観測データ)を大量の患者から収集することができる。こうした生理指標の間に存在する因果関係を発見することにより、患者の血圧に影響を与える生理指標(即ち要素)を決定することができる。さらに、この生理指標に影響を与えるか、又はこの生理指標に対して対応戦略を策定することにより、患者の血圧を安定させることができる。
商品販売の分野では、対象商品の販売額に影響を与える要素を決定するために、商品の販売促進への投入、商品ディスプレイへの投入、販売員への投入、広告への投入、新製品プロモーションへの投入等、各種要素データを収集することができる。対象商品に関連するその他の要素データ(商品の価格、商品の広告媒体への投入等)のデータ等が収集される。収集された各種タイプのデータは、要素の観測データである。これらの要素の間に存在する因果関係を発見することにより、対象商品の販売額に影響を与える1つ又は複数の要素を決定することができる。さらに、当該1つ若しくは複数の要素の観測データを変更するか、又は当該1つ若しくは複数の要素に対し対応戦略を策定することにより、対象商品の販売額の増加、さまざまな項目への支出計画等を実現することができる。
ソフトウェア開発の分野では、故障率及び/又はソフトウェア開発サイクルに影響を与える要素を決定するために、ソフトウェア開発の各種要素について情報を収集することができる。こうした情報は、ソフトウェア開発の全体的な情報(開発サイクル、開発に投入するリソース等)や、ソフトウェア開発の各フェーズの情報を含むが、これらに限定されない。ソフトウェア開発の各フェーズの情報は、例えば、アーキテクチャフェーズの情報(ソフトウェアアーキテクチャの方法、ソフトウェアアーキテクチャのレベル数等)、コーディングフェーズの情報(コード長、関数の数、プログラミング言語、モジュール数等)、テストフェーズの情報(ユニットテストの正確率又は故障率、ブラックボックステストの正確率又は故障率、ホワイトボックステストの正確率又は故障率等)、ソフトウェアのリリース後の運用フェーズの情報(運用フェーズの正確率又は故障率等)を含むことができる。収集された各種タイプのデータは、要素の観測データである。これらの要素の間に存在する因果関係を発見することにより、ソフトウェア開発サイクル及び/又は故障率に影響を与える1つ又は複数の要素を決定することができる。さらに、当該1つ又は複数の要素の観測データを変更するか、又は当該1つ又は複数の要素について対応戦略を立てることにより、ソフトウェア開発サイクル及び/又は故障率を短縮又は低減することができる。
現在、複数の要素間の因果関係を発見するために、手動又は自動のアルゴリズムが複数提案されている。複数の要素間の因果関係は、特定の因果構造によって表すことができる。因果構造により、ある要素に影響を与える要素と、これらの要素間でどのように相互に影響し合うか(例えば因果関係で示されるように)とを理解することができる。しかし多くの応用場面では、因果構造をさらに活用して各要素の現在の観測データを分析し、その後の適切な戦略を導き得ることが期待される可能性がある。
しかし、因果構造における各要素の、ある結果要素に対する具体的な貢献度を決定することができる適切な技術的解決策は、今のところ存在しない。
本開示の実施形態によれば、データ処理に用いられる解決手段が提供される。この解決手段は、各要素に対応する観測データが与えられたときに、複数の要素の因果構造を利用して、対象要素の対象観測データに対する1つ又は複数の要素の具体的な貢献度を自動的に解析するものである。この解決手段により、対象要素の観測データに対する、各要素自体の貢献、又は要素間の因果関係の貢献を効果的に測定することができる。当該解決手段では、因果関係を有する各要素が対象要素の現在の観測データに与える具体的な影響度を効果的に定量化できるため、さまざまな応用シナリオでの分析と戦略策定に役立つ。
以下、上述した例示的シナリオと結びつけて本開示の各実施形態について詳細に説明する。理解すべき点として、これらは単に説明のために記述されるものであり、本開示の範囲を何ら限定するものではない。
例示的システム
図1は、本開示の実施形態にかかる、データ処理システム100の例示的ブロック図を示す。図1に示すデータ処理システム100は、その中で本開示の実施形態を実現できる1つの例示に過ぎず、本開示の範囲を限定することを意図していないことを理解されたい。本開示の実施形態は、他のシステム又はアーキテクチャにも同様に適用される。図1に示すように、データ処理システム100は、データ前処理装置110、因果学習装置120、及びアトリビューション分析装置130を含む。
データ前処理装置110は、生データ102に対して前処理操作を行うように設定され、前処理済データ112は、因果学習装置120に提供される。生データ102は、関心のある個々の要素に関連する。
例えば、通信事業者の顧客満足度に関する上記シナリオでは、生データ102は、「顧客満足度」に潜在的に関連する複数の要素の観測データを含むことができ、また、「顧客満足度」の観測データも含むことができる。例えば、潜在的に関連する複数の要素は、顧客属性に関する要素(顧客のクラス、顧客番号等)、顧客行動に関する要素(例えば、月間消費インターネットトラフィック、無料トラフィックの割合、月間消費インターネットトラフィックの総費用等)、顧客フィードバックに関する要素(例えば、苦情件数、顧客満足度)、及び、顧客に対して制定した戦略に関する要素(例えば、超過リマインダ数、タイミング等)のうち1つ又は複数を含むことができる。
患者の血圧に関する上記シナリオを例にとると、生データ102は、「血圧」に潜在的に関連する複数の要素の観測データと、「血圧」の観測データとを含むことができる。潜在的に関連する要素は、心拍数、心拍出量、アレルギー指標、総末梢血管抵抗、カテコールアミン分泌等を含むことができる。
商品販売に関する上記シナリオを例にとると、生データ102は、例えば商品の販売促進、商品ディスプレイ、販売員、広告、新製品プロモーション等、対象商品の販売過程で発生するさまざまな項目の支出を含むことができる。対象商品に関連するその他の要素のデータ(商品の価格、商品の広告媒体等)等が収集される。
ソフトウェア開発に関する上記シナリオを例にとると、生データ102は、ソフトウェア開発の全体的な要素(例えば、開発サイクル、開発に投入されたリソース等)及びソフトウェア開発の各フェーズの要素のうち1つ又は複数の観測データを含むことができる。ソフトウェア開発の各フェーズの要素は、例えば、アーキテクチャフェーズの要素(ソフトウェアアーキテクチャの方法、ソフトウェアアーキテクチャのレベル数等)、コーディングフェーズの要素(コード長、関数の数、プログラミング言語、モジュール数等)、テストフェーズの要素(ユニットテストの正確率又は故障率、ブラックボックステストの正確率又は故障率、ホワイトボックステストの正確率又は故障率等)、ソフトウェアのリリース後の運用フェーズの要素(運用フェーズの正確率、運用フェーズの故障率等)を含むことができる。
データ前処理段階において、データ前処理装置110は、各種データ前処理技術を用いて生データ102を処理することができ、処理された生データ102に対して関連要素の選択を行い、因果関係の可能性が低い要素を除去することができる。データ前処理装置110から因果学習装置120に提供される前処理済データ112は、生データ102から探し出された、因果関係を有する可能性のある複数の要素を含むことができる。
因果学習装置120は、前処理済データ112に基づいて因果構造学習を行い、複数の要素間の因果関係を学習するように設定されている。因果学習装置120は、複数の要素間の因果関係を示すための複数の要素の因果構造122を決定することができる。因果学習装置120は、さまざまな因果学習技術を利用して、因果構造122を決定することができる。いくつかの実現形態では、因果学習装置120は、最適化された因果構造122を得るために、複数の要素のうち信頼度が低い因果関係を除去し、各種最適化手段によって、さらには専門家の知識を追加することによって、複数の要素間の因果関係を調整してもよい。
理解すべき点として、本開示の実施形態は、データ前処理装置110におけるデータ前処理と、因果学習装置120における因果学習の技術について具体的に限定しない。
学習された因果構造122は、アトリビューション分析装置130に提供される。本開示の実施形態によれば、アトリビューション分析装置130は、複数の要素のそれぞれに対応する観測データ132が与えられた上で、因果構造122に基づいて、他の要素の観測データに対する1つ又は複数の要素のアトリビューション分析を行い、他の要素の対象観測データに対する1つ又は複数の要素の貢献度134を決定するように設定されている。
アトリビューション分析の動作原理
図2は、いくつかの実施形態にかかるアトリビューション分析(Attribution Analysis)に用いられる方法200のフローチャートを示す。例えば、方法200は、図1に示すアトリビューション分析装置130によって実行することができる。議論を目的として、以下では、アトリビューション分析装置130側から方法200を説明する。理解すべき点として、方法200はさらに、図示されていない付加的動作を含むことができ、且つ/又は示されたいくつかの動作を省略することができる。本開示の範囲は、この点において限定されない。
ブロック210において、アトリビューション分析装置130は、分析する複数の要素のそれぞれに対応する観測データ132を取得する。いくつかの実施形態において、例えば図1に示す環境において、アトリビューション分析装置130は、ユーザ105からのユーザ入力を受け付けてもよい。ユーザ入力は、複数の要素のそれぞれに対応する観測データ132を指定する。ユーザ105は、観測データ132を直接入力してもよいし、又は観測データ132のデータソースを指定し、データソースからアトリビューション分析装置130により観測データ132を取得してもよい。
ブロック220において、アトリビューション分析装置130は、複数の要素のうちの1つの要素が対象要素として選択されたことに応じて、複数の要素の因果構造122を取得する。
いくつかの実施形態において、分析される複数の要素のうちの対象要素をユーザ105が直接指定できるようにしてもよい。例えば、アトリビューション分析装置130はユーザ105のユーザ入力を受け付けてもよい。ユーザ入力において対象要素が指定される。いくつかの実施形態では、具体的シナリオでの分析の必要性に応じて、学習された因果構造から対象要素を自動的に決定するか、又はランダムに選択してもよい。
いくつかの実施形態では、ユーザ又は他の方式によって対象要素が指定された場合、アトリビューション分析装置130は、学習された1つ又は複数の因果構造から、対象要素に関わる因果構造122を決定することができる。例えば、アトリビューション分析装置130は、因果学習装置120から因果構造122を取得することができる。因果構造122は、対象要素を含む複数の要素間の因果関係を示す。因果構造122では対象要素を結果要素としており、また、因果構造122はさらに対象要素の複数の原因要素を示す。
いくつかの実施形態では、因果学習結果のより大きな因果グラフから、当該対象要素と因果関係を有する複数の原因要素を決定し、因果構造122を形成してもよい。つまり、因果学習結果は、より多くの要素間の因果関係を有する可能性があり、関係する対象要素と関連する因果構造の部分を切り取って、その後の分析に用いてもよい。
いくつかの実施形態において、因果構造122における1つの原因要素は、対象要素と直接的な因果関係を有してもよいし、又は、1つ若しくは複数の他の原因要素を介して対象要素と間接的な因果関係を有してもよい。対象要素との因果関係だけでなく、複数の原因要素間にも、直接的/間接的な因果関係が存在する可能性がある。これはすべて、因果構造122で示すことができる。
具体的なアトリビューション分析を説明する前に、まず、因果構造122とそれが示す因果関係について説明する。本開示のいくつかの実施形態において、因果構造122によって示される複数の要素間の因果関係は、線形の因果関係を含むことができる。線形の因果関係とは、一対の原因要素と結果要素について、それらの間の因果関係を一次関数又は線形モデルで表すことができることを示す。本開示のいくつかの実施形態において、因果構造122によって示される複数の要素間の因果関係は、非線形の因果関係を含んでもよい。非線形の因果関係とは、一対の原因要素と結果要素について、それらの間の因果関係を非線形の関数又は非線形モデルで表すことができることを示す。いくつかの実施形態において、因果構造122の1つ又は複数の要素は連続変数であってもよく、これは、このような要素の観測データが連続値を有してもよいことを意味する。例えば、線形因果関係を有する因果構造では、複数の要素が線形の連続変数であり得る。いくつかの実施形態では、1つ又は複数の要素は非連続変数であってもよく、これは、各要素の観測データが離散値を有してもよいことを意味する。
以下では、主に線形因果関係を例に本開示のアトリビューション分析のいくつかの実施形態を説明する。しかし、理解すべき点として、本開示のアトリビューション分析は、非線形因果関係にも同様に適用できる。
因果構造122は、さまざまな形式として表すことができる。1つの実施形態では、因果構造122は、因果グラフによって表すことができる。因果グラフは、複数のノードと、複数のノードを結ぶエッジとを含むことができる。複数のノードはそれぞれ、複数の要素を表すことができる。2つのノードを直接結ぶエッジは、その2つのノードに対応する一対の要素の間の直接的な因果関係を示す。いくつかの実施形態では、因果グラフは、有向非巡回グラフ(DAG)で表されてもよい。2つのノード間のエッジが有向辺であり、エッジが出ていくノードが原因要素であり、エッジの矢印が指し示すノードが結果要素である。因果グラフにおいて、親ノードはあるノードの直接の原因ノードを示し、子ノードはあるノードの直接の結果ノードを示す。
因果グラフのエッジは「因果エッジ」とも称され、因果グラフのノードは「因果点」とも称される。以下の例示的実施形態では、主に因果グラフの例示で因果構造を説明し、「ノード」及び「エレメント」という用語を互換的に使用することができる。「エッジ」、「因果エッジ」及び「因果関係」も互換的に使用することができる。しかしながら理解すべき点として、複数の要素とその因果関係を明確に示すことができるのであれば、他の方法で因果構造を表してもよい。
図3は、本開示のいくつかの実施形態にかかる例示的な因果構造122を示す。因果構造122はDAGで表される。図3の例示では、因果構造122は、6つのエレメント(それぞれ、A、B、C、D、E、Tと表す)の因果関係を示している。
理解すべき点として、図3に示す因果構造122の要素の数及びその因果関係は、説明のためにのみ提供されており、本開示の範囲に対する何らかの限定を暗示するものではない。本開示の実施形態にかかる因果構造は、任意の適切な数のノード又は要素を含むことができる。さらに理解すべき点として、異なる応用シナリオにおいて、要素A、B、C、D、E、Tは、異なる意味を有することができる。
例えば、顧客サービスのシナリオでは、要素A、B、C、D、E、Tは、顧客レベル、月間通話料総額、月間消費トラフィック、無料トラフィック比率、月間消費トラフィック総費用、苦情件数や顧客満足度等のいずれかを含むことができる。患者の血圧に関するシナリオでは、要素A、B、C、D、E、Tは、患者の心拍数、心拍出量、アレルギー指標、総末梢血管抵抗、カテコールアミン分泌、血圧等のうちいずれかを含むことができる。商品販売のシナリオでは、要素A、B、C、D、E、Tは、商品の販売促進、商品ディスプレイ、販売員、広告、新製品プロモーション、商品売上高等のうちいずれかを含むことができる。ソフトウェア開発の分野では、要素A、B、C、D、E、Tは、ソフトウェア開発のための人的資源の量、ソフトウェア開発のための持続時間、関数の数、コード行数、モジュール数、ソフトウェア故障率等のうちいずれかを含むことができる。
図3に示すように、因果構造122はさらに、複数の要素A、B、C、D、E、Tを結ぶ複数のエッジ(「因果エッジ」とも称する)を含む。2つの要素を直接結ぶエッジは、2つの要素間の直接的な因果関係を示し、一方の要素が他方の要素の直接原因となっている。
例えば、図3において、要素Aから要素Dを指し示すエッジは、要素Aが要素Dの直接的原因であることを示し、要素Bから要素Cを指し示すエッジは、要素Bが要素Cの直接的原因であることを示し、要素Cから要素E、要素T、要素Dを指し示す三本のエッジは要素Cが要素E、要素T、要素Dの直接的原因であることを示し、要素Eから要素Tを指し示すエッジと、要素Dから要素Tを指し示すエッジとは、要素Eと要素Dも要素Tの直接的原因であることを示すことができる。
線形因果関係を例とする。因果構造122において、要素間の直接的な因果関係は、一次関数として表すことができる。例えば、要素A、B、C、D、E、Tの間の直接的な因果関係は、以下のように表すことができる。
Figure 0007491333000001
ここで、xA、B、C、D、E、及びyはそれぞれ、要素A、B、C、D、E、Tの値を表す。要素A及びBは他の要素の原因要素であるだけなので、xとxは、他の要素の影響を受けず、直接u、uと表される。その他の要素C、D、E、Tについては、それらの値はすべて自身の直接的な原因要素と関連している。
Figure 0007491333000002
因果グラフで表される因果構造では、ある要素が、直接結ばれた要素に加えて、1つ又は複数の他の要素を介して別の要素を指し示すこともできる。この場合、その要素は別の要素と間接的な因果関係があり、別の要素の間接原因となる。例えば図3において、要素Aから要素Tへの経路は、要素Aから要素Dを指し示すエッジと、要素Dから要素Tを指し示すエッジとを含む。従って、要素Aは要素Tと間接的な因果関係を有し、要素Aは要素Tの間接原因である。同様に、要素Bから要素Eへの経路は、要素Bから要素Cを指し示すエッジと、要素Cから要素Eを指し示すエッジとを含む。従って、要素Bは要素Eの間接原因である。要素Cは要素Tを直接指し示すエッジを有するだけでなく、要素Cはさらに、要素Cから要素Eを指し示すエッジと要素Eから要素Tを指し示すエッジとを含む経路、要素Cから要素Dを指し示すエッジと、要素Dから要素Tを指し示す辺とを含む経路という他の2つの経路を通ることが可能である。従って、要素Cは要素Eと要素Dをそれぞれ介して、要素Tと2つの間接的な因果関係も有することになる。
間接的な因果関係の存在により、1つの原因要素は、結果要素に直接影響を与える可能性があるとともに、他の要素を介して結果要素に間接的に影響を与える可能性がある。例えば、図3の例示的な因果構造では、エレメントTが、関心のある対象だとすると、エレメントA、B、C、D、EはエレメントTの原因エレメントである。エレメントC、D及びEは対象要素Tに直接影響し、エレメントA、B及びCは他の原因要素を介して対象要素Tに間接的に影響を与える。従って、対象要素Tに対して、その直接的な原因要素(例えば、C、D及びE)は、対象要素Tに影響を与える際に、他の間接的な原因要素の影響を包含している可能性がある。例えば、要素Dが対象要素Tに与える影響には、要素A、C及びBの影響も含まれ、要素Eが対象要素Tに与える影響には、要素B及びCの影響も含まれ、要素Cが対象要素Tに与える影響には、要素Bの影響も含まれる。
因果構造における、これらの可能性のある直接的・間接的な影響及び異なる因果関係を考慮して、ブロック230において、アトリビューション分析装置130は、因果構造122と、複数の要素のそれぞれに対応する観測データ132とに基づいて、複数の要素における第1要素の、対象要素の対象観測データに対する貢献度134を決定する。ここでの第1要素とは、対象観測データに対し貢献する任意の要素であって関心がある要素であり、因果構造122で示される対象要素の任意の原因要素であってもよいし、対象要素自身であってもよい。
アトリビューション分析の際、アトリビューション分析装置130は、各要素により異なる方法で対象要素に与えられる影響を考慮することにより、対象要素の対象観測データにおいて各要素によって具体的に生じる貢献度を定量化することができる。つまり、対象観測データは、対象要素自身と、対象要素の複数の原因要素が対象要素に与える影響とから生じるもの、とみなすことができる。貢献度134は、対象観測データにおける「第1要素」の影響の、定量化された指標である。いくつかの実施形態において、アトリビューション分析装置130は、因果構造122の各要素について、又はその中で関心のあるいくつかの要素について、アトリビューション分析を実行することができる。対象観測データに対する貢献度は、1つの要素の対象要素に対する影響が、対象観測データに対して貢献する大きさ、又は貢献の割合を示すことができる。
以下、図面を参照しながら、各タイプの貢献度の決定について詳細に述べる。本開示のアトリビューション分析について具体的に説明する前に、まず、本開示のアトリビューション分析についての発明者の理論的発見を説明する。本開示のアトリビューション分析は、反事実推論に基づくものである。反事実とは事実と相反するものであり、過去に発生した事実の分布を新たに特徴づけて、事実に基づく可能性の仮想分布を構築することを表す。
例えば、結果要素Yと原因要素Xを仮定し、既知の事実がX=x、Y=yである場合、Xが存在しない場合(即ち(X=0))、反事実推論により、反事実YX=0=y’の値を決定することができる。これによって、事実yから反事実y’への変化が、要素Xの不在によってもたらされたものだと決定することができる。対応して、事実yの場合、y-y’はxに帰因し得る、即ち、事実xの事実yに対する貢献度はy-y’であるとみなすことができ、これは次のように表すことができる。
Figure 0007491333000003
ここで、attribution(x)は事実xの事実yに対する貢献度を表し、E(YX=0|X=x,Y=y)は反事実推論を表す。即ち、既知の事実がX=x、Y=yである場合にすべての背景条件Uを概括し、すべての背景条件を不変に保つことにより、YX=0の値(y’と表すことができる)が推測される。
以上の検討から、発明者は、複数の要素の因果構造とその因果関係が既知である場合、反事実を推定できるため、各要素に対しアトリビューション分析を実行することができることを見出した。例えば、結果要素Yと原因要素Xが連続変数であると仮定すると、因果構造は、両者の間の因果関係が線形の因果関係であることを示す。結果要素Yの観測データy(即ちY=y)と原因要素Xの観測データx(即ちX=x)が与えられた場合、観測データxの単位変化がYの変化をもたらす状況を決定することにより、xの変化に対しyが変化する程度を決定することができる。これは、τ=E[Y│do(x+1)]-E[Y│do(x)]と決定することができる。ここで、τは、関数上で見ると、xのyに対する傾きとして表すことができる。そして、xのyに対する貢献度attribution(x)=y-[y+τ(0-x)]=τxを決定することができる。即ち、xのyに対する貢献度は、傾きと観測データとの積として表すことができる。
先の理論に基づけば、複数の原因要素に関わる複雑な因果構造において、任意の原因要素又は対象要素自身の、対象要素の観測データに対する貢献度を分析することが期待される可能性がある。特に、ある原因要素は、対象要素に直接影響を与える可能性があり、又は、1つ若しくは複数の他の原因要素を介して間接的に対象要素に影響を与える可能性がある。従って、これらの要素の貢献度について、さらに詳しく解析する必要がある。以下では、本開示の実施形態にかかる各要素のアトリビューション分析について詳細に説明する。
いくつかの実施形態において、アトリビューション分析の際、決定される貢献度は、第1要素が因果構造122の他の要素から独立して対象観測データに寄与する貢献度を含むことができる。この貢献度は、対象観測データに対する第1要素の「基礎貢献度」と称される。ここで、対象要素が決定されている場合には、単に第1要素の基礎貢献度とも称される。
いくつかの実施形態では、追加で又は選択的に、決定される貢献度は、対象観測データに対する第1要素の総貢献度を含んでもよい。場合によっては、第1要素は、1つ又は複数の他の要素(区別するために「第2要素」と称することもある)の影響を受ける可能性がある。つまり、第1要素も他の原因要素を有する。第1要素と、第1要素を介した少なくとも1つの第2要素の、対象観測データに対する貢献度の合計は、対象観測データに対する第1要素の総貢献度と称される。対象要素が決定されている場合には、対象観測データに対する第1要素の総貢献度は、単に第1要素の総貢献度とも称される。
いくつかの実施形態では、追加で又は選択的に、決定された貢献度は、第1要素と、因果構造における別の要素(区別するために「第3要素」と称することもある)との間の因果関係の、対象観測データに対する関係貢献度を含んでもよい。これは、「因果エッジ貢献度」とも称される。ある要素が対象要素の対象観測データに影響を与えることができるのは、当該要素が対象要素と直接的な因果関係を有するか、又は当該要素が他の要素と直接的な因果関係を有し、この直接的な因果関係がさらに対象要素に影響を与えるからである。従って、異なる要素間の因果関係の、対象要素の対象観測データに対する貢献度を測定することは、各要素間での貢献の伝達経路を理解するのにも役立つ。
図2のアトリビューション分析プロセスは、さまざまな因果分析シナリオについて複数の要素間の因果構造を学習することができれば、そうしたさまざまな因果分析シナリオに応用することができる。アトリビューション分析の結果は、異なるシナリオにおける後続の戦略の指定、結果の提示等において用いることができる。
例を挙げると、通信事業者の顧客満足度に関する上記シナリオにおいて、アトリビューション分析を実行する場合、アトリビューション分析装置130は、当該シナリオでの各要素に対応する観測データを取得することができる。観測データは例えば、顧客レベル、月間通話料総額、月間消費トラフィック、無料トラフィック比率、月間消費トラフィック総費用、苦情件数、顧客満足度等の要素に対応する観測データ132を含むことができる。分析しようとする「対象要素」として「顧客満足度」をユーザが指定した場合、アトリビューション分析装置130は、「顧客満足度」を対象要素とし他の要素を原因要素とする因果構造122を取得することができる。
アトリビューション分析装置130はさらに、観測データ132と因果構造122に基づいて、「顧客満足度」の対象観測データに対する各要素の貢献度を決定する。例えば、「顧客満足度」の観測値が90点(100点満点)であると仮定する。アトリビューション分析を通じてアトリビューション分析装置130は、顧客レベルが「上級」(レベル「3」によって示すことができる)と示されている場合、顧客満足度90点に対する当該顧客レベルの基礎貢献度を、例えば10点として決定することができる。また、アトリビューション分析を通じてアトリビューション分析装置130はさらに、月間通話料総額が600元である場合、90点の顧客満足度に対する、このような通話料レベルの基礎貢献度を、例えば5点として決定することができる。他も同様である。
各要素に対するアトリビューション分析及び貢献解析に基づき、ユーザ又は下流の分析装置は、現在の顧客満足度に対してどの要素の影響がより大きいか、各要素間の貢献度の比較、ひいてはユーザ満足度の異なる統計サイクルにおける同じ要素の貢献度の差異等を決定することができる。これは、ユーザ又は下流の分析装置のその後の戦略決定において、例えば、ユーザ満足度をどのように向上させるか、総通話料、トラフィックコストをどのように調整するか等を決定するのに役立てることができる。
患者の血圧に関する上記シナリオを例にとると、対象要素を例えば「血圧」とすることができる。アトリビューション分析を実行する場合、アトリビューション分析装置130は、例えば、患者の心拍数、心拍出量、アレルギー指標、総末梢血管抵抗、カテコールアミン分泌、血圧等、当該シナリオの各要素に対応する観測データを取得することができる。分析しようとする「対象要素」として「血圧」をユーザが指定した場合、アトリビューション分析装置130は、「血圧」を対象要素とし、他の要素を原因要素とする因果構造122を取得することができる。
アトリビューション分析装置130はさらに、観測データ132と因果構造122に基づいて、「血圧」の対象観測データに対する各要素の貢献度を決定する。「血圧」の収縮期血圧が140mmHgであると仮定する。アトリビューション分析を通じてアトリビューション分析装置130は、患者の心拍数が「100回/分」である場合、現在の収縮期血圧に対する当該心拍数の基礎貢献度を、例えば40mmHgとして決定することができる。また、アトリビューション分析を通じてアトリビューション分析装置130は、心拍出量が6L/分である場合、現在の収縮期血圧に対する、このような心拍出量の基礎貢献度を、例えば20mmHgとして決定することができる。他も同様である。
各要素に対するアトリビューション分析及び貢献解析に基づき、ユーザ又は下流の分析装置は、現在の血圧に対してどの要素の影響がより大きいか、各要素間の貢献度の比較、ひいては異なる患者又は同一患者の異なる血圧における同じ要素の貢献度の差異等を決定することができる。これにより、ユーザ又は下流の分析装置はその後の戦略決定において、例えば、その後の診断及び治療の計画を策定するために、血圧の異常をもたらすのはどのような要素か等を決定するのに役立てることができる。
商品販売に関する上記シナリオを例にとると、対象要素を例えば「対象商品の販売額」とすることができる。アトリビューション分析を実行する場合、アトリビューション分析装置130は、例えば、商品の販売促進、商品ディスプレイ、販売員、広告、及び新製品プロモーションへの支出や、商品売上高等、当該シナリオの各要素に対応する観測データを取得することができる。分析しようとする「対象要素」として「商品売上高」をユーザが指定した場合、アトリビューション分析装置130は、「商品売上高」を対象要素とし、他の要素を原因要素とする因果構造122を取得することができる。
アトリビューション分析装置130はさらに、観測データ132と因果構造122に基づいて、「商品売上高」の対象観測データに対する各要素の貢献度を決定する。本年度の「商品売上高」が1000万だと仮定する。アトリビューション分析を通じてアトリビューション分析装置130は、1000万の売上高に対する、観測された商品の販売促進、商品ディスプレイ、販売員、広告、及び新製品プロモーションへの支出の基礎貢献度を、例えば、それぞれが1000万の中で生み出すことができる売上高として決定することができる。
各要素に対するアトリビューション分析及び貢献解析に基づき、ユーザ又は下流の分析装置は、各要素の支出から売上高への転化価値、現在の売上高に対してどのルートの影響がより大きいか、各要素間の貢献度の比較、ひいては異なる月又は年度の売上高における同じ要素の貢献度の差異等を決定することができる。これは、ユーザ又は下流の分析装置のその後の戦略決定において、例えば、異なるルートへの投資価値、異なるルートへのその後の予算や、予期した売上高を取得するために異なるルートに投入すべき予算等を決定するのに役立てることができる。
ソフトウェア開発に関する上記シナリオを例にとると、対象要素を例えば「ソフトウェア開発サイクル」又は「ソフトウェアの運用フェーズの故障率」とすることができる。アトリビューション分析を行う場合、アトリビューション分析装置130は、例えば、ソフトウェア開発のための人的資源の量、ソフトウェア開発のための持続時間、関数の数、コード行数、モジュール数、ソフトウェア故障率等、当該シナリオの各要素に対応する観測データを取得することができる。分析しようとする「対象要素」として「ソフトウェア故障率」をユーザが指定した場合、アトリビューション分析装置130は、「ソフトウェア故障率」を対象要素とし、他の要素を原因要素とする因果構造122を取得することができる。
アトリビューション分析装置130はさらに、観測データ132と因果構造122に基づいて、「ソフトウェア故障率」の対象観測データに対する各要素の貢献度を決定する。「ソフトウェア故障率」が3回/月だと仮定する。アトリビューション分析を通じてアトリビューション分析装置130は、3回/月の故障率に対する、現在観測された人的資源の量、ソフトウェア開発のための持続時間、関数の数、コード行数、モジュール数の基礎貢献度を、例えば、それぞれがソフトウェア故障率を引き起こした回数として決定することができる。
各要素に対するアトリビューション分析及び貢献解析に基づき、ユーザ又は下流の分析装置は、ソフトウェア故障率に対してどの要素の影響がより大きいか、各要素間の貢献度の比較等を決定することができる。これは、ユーザ又は下流の分析装置のその後の戦略決定において、例えば、ソフトウェア故障率を効果的に低減するためにどの要素から着手するか、ソフトウェア開発プロセスにおける投資をどのように配分するか等を決定するのに役立てることができる。
上記の例示では、要素の基礎貢献度を決定することを例として説明した。しかし、他のタイプの貢献度、例えば総貢献度や関係貢献度も、追加で又は選択的に決定してもよいことが理解されるべきである。
複数の要素(対象要素とその原因要素を含む)それぞれの観測データ132は、任意の応用シナリオにおいて、複数の要素について直接観測された値、又は観測が期待されると予想される値とすることができる。観測データ132は、対応する時点での各要素の取得値とすることができる。いくつかの実施形態において、後続のアトリビューションプロセスでは、別々の時点における観測データに対して個別のアトリビューション分析、即ちattribution(x)=τxを行ってもよい。
いくつかの実施形態ではさらに、異なる時間範囲での複数の要素の複数の値を考慮し、全体的なアトリビューション分析を実現してもよい。例えば、複数の要素それぞれについて、複数の時間範囲での複数のデータ項目を取得してもよい。全体的なアトリビューション分析には、異なるタイプの分析が存在し得る。
1つの実施形態では、グループアトリビューション分析のタイプに、平均分析タイプが含まれてもよい。平均分析タイプによれば、各要素について、アトリビューション分析装置130は、当該要素の複数のデータ項目を平均化し、当該要素に対応する平均値を当該要素の観測データとして取得する。この場合、各要素の貢献度はattribution(x)=τE[x]で表され、要素xの複数のデータ項目の平均値を算出することにより、E[X]を要素Xの観測データとして決定することができる。例えば、商品販売のシナリオでは、複数のルート要素(販売促進、商品ディスプレイ、販売員、広告、新製品プロモーションを含む)と売上高とを含む複数の要素について、過去数年間における、ルート要素ごとの年間の支出と売上高を決定し、年度の平均支出と平均売上高を決定して、その後のアトリビューション分析に用いることができる。
別の実施形態では、グループアトリビューション分析のタイプに、加算分析タイプが含まれてもよい。各要素について、アトリビューション分析装置130は、当該要素の複数のデータ項目を統合して、複数のデータ項目の合計を当該要素の観測データとして得てもよい。この場合、各要素の貢献度はattribution(x)=τSums[X]で表され、要素Xの複数のデータ項目の合計を算出することにより、Sum[X]を要素Xの観測データとして決定することができる。例えば、商品販売のシナリオでは、複数のルート要素(販売促進、商品ディスプレイ、販売員、広告、新製品プロモーションを含む)と売上高とを含む複数の要素について、過去1年間における、ルート要素ごとの月別の支出と売上高を決定し、年度の総支出と総売上高を決定して、その後のアトリビューション分析に用いることができる。
いくつかの実施形態では、例えば平均分析タイプ又は加算分析タイプといったグループアトリビューション分析のタイプは、ユーザ105によって指定されてもよい。例えば、ユーザ105は、異なる時間範囲における複数の要素の複数のデータ項目を提供してもよく、また、分析タイプを指定してもよい。アトリビューション分析装置130は、このようなユーザ入力に基づいて、データ項目を平均化又は統合することにより各要素の観測データを決定し、決定された観測データに基づいて後続のアトリビューション分析を実行してもよい。
図4は、本開示のいくつかの実施形態にかかるアトリビューション分析装置130のブロック図を示す。図4に示すように、アトリビューション分析装置130は、因果点アトリビューション分析ユニット410と因果エッジアトリビューション分析ユニット420を含む。
因果点アトリビューション分析ユニット410は、対象要素の対象観測データに対する1つ又は複数の要素の基礎貢献度及び/又は総貢献度を決定するように設定することができる。因果エッジアトリビューション分析ユニット420は、対象要素の対象観測データに対する、1ペア又は複数ペアの要素の間の因果関係の貢献度を決定するように設定される。アトリビューション分析装置130及び/又は因果エッジアトリビューション分析ユニット420は、複数の要素それぞれ対応する観測データ132及び因果構造122に基づいて、対応するアトリビューション分析を実行することができる。
以下、フローチャートを分析・参照しながら、因果点アトリビューション分析、因果エッジアトリビューション分析の具体的例示について説明する。
理解すべき点として、アトリビューション分析装置130に含まれるこれらユニットは、例示的なものにすぎず、本開示の範囲を限定することを意図していない。いくつかの実施形態において、アトリビューション分析装置130はさらに、図示されていない付加的ユニットを含んでもよく、且つ/又は示されたいくつかのユニットを省略してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、因果エッジアトリビューション分析を実行する必要がなければ、因果エッジアトリビューション分析ユニット420は省略してもよい。いくつかの実施形態において、アトリビューション分析装置130は、因果点アトリビューション分析ユニット410及び/又は因果エッジアトリビューション分析ユニット420の分析結果を視覚的に提示するための結果提示ユニットをさらに備えてもよい。いくつかの実施形態では、因果点アトリビューション分析ユニット410及び/又は因果エッジアトリビューション分析ユニット420はさらに、より多くの機能的なサブユニットに細分化されてもよい。
因果点アトリビューション分析の例示
上述のように、いくつかの実施形態では、個々の要素について、対象要素に対する当該要素の基礎貢献度及び総貢献度を決定することができる。要素の基礎貢献度は、当該要素が他の要素を介さずに単独で対象観測データに寄与する貢献度を示す。要素の総貢献度は、当該要素と、当該要素を介して他の少なくとも1つの要素の、対象観測データに対する貢献度の合計を示す。1つの要素がその直接の原因となる原因要素を有する場合、当該原因要素も当該要素に影響を与えることになる。従って、対象要素に対する当該要素の影響には、その直接原因の影響が含まれることになる。
図5は、本開示のいくつかの実施形態にかかる因果点アトリビューション分析に用いられる例示的方法500のフローチャートを示す。方法500は、例えば、図4に示すアトリビューション分析装置130によって実行することができ、例えば因果点アトリビューション分析ユニット410によって実行することができる。議論を目的として、以下では因果点アトリビューション分析ユニット410側から方法500を説明する。理解すべき点として、方法500はさらに、図示されていない付加的動作を含むことができ、且つ/又は示されたいくつかの動作を省略することができる。本開示の範囲は、この点において限定されない。例えばいくつかの実施形態では、1つの要素の基礎貢献度しか関係せず、その総貢献度に関心がない場合、ブロック540は省略してもよい。
方法500は、因果構造122における任意の所定の第1要素(要素xとして表される)の基礎貢献度及び/又は総貢献度を決定するために用いることができる。
具体的には、ブロック505において、因果点アトリビューション分析ユニット410は、複数の要素それぞれの観測データ132及び因果構造122に基づいて、要素xの基礎データを決定する。1つの要素の基礎データとは、当該要素の観測データのうち、複数の要素における他の要素の影響を受けない部分を示す。要素の基礎データの決定について、図6を参照して具体的に後述する。
ブロック510において、因果点アトリビューション分析ユニット410は、要素xが対象要素であるか否かを決定する。要素xが対象要素ではなく、対象要素の1つの原因要素である場合、ブロック520において、因果点アトリビューション分析ユニット410は、因果構造122が示す要素xと対象要素との因果関係に基づいて、要素xに対する対象要素の変化率を決定する。
対象要素に関し、その原因である要素の貢献について解析する場合、対象要素に対する各要素の基礎貢献度は、当該要素の基礎データと、当該要素に対する対象要素の変化率とにより算出することができる。その理由として、変化率は、対象要素の対象観測データがこの要素の観測データに従って変化する程度を反映することができるからである。従って、対象観測データに対する1つの要素の基礎貢献度は、次のように表すことができる。
Figure 0007491333000004
ここで、φ(x)は要素xの基礎貢献度を、basexkは要素xの基礎データを、τxkは要素xに対する対象要素の変化率を表す。
因果構造において、原因要素の基礎貢献度と、対象要素の自身に対する基礎貢献度との和は、対象要素の対象観測データに等しく、例えば次のとおりである。
Figure 0007491333000005

式(4)において、yは対象要素の対象観測データを表し、φ(y)は対象要素の自身に対する基礎貢献度を表し、nは対象要素の原因要素の数を表す。φ(x)は、原因要素xの基礎貢献度を表し、上記式(3)に従い算出することができる。
上記内容から明らかなように、各要素xの基礎データが決定された場合、要素xに対する対象要素の変化率τxkを決定することにより、式(3)から要素xの基礎貢献度を決定することができる。
いくつかの実施形態では、要素xが対象要素の直接原因である場合、因果構造122が示す直接的な因果関係において、当該要素に対する対象要素の直接変化率を決定することができる。例えば、図3の例示的な因果構造122では、要素D、E及びCが対象要素Tの直接原因であり、直接変化率はそれぞれ、β、β、及びβC3である。
いくつかの実施形態において、要素xは、対象要素の直接原因ではなく、1つ又は複数の他の要素を介して間接的に対象要素に影響を与える可能性がある。例えば、図3の例示的な因果構造122では、エレメントA、B及びCは対象要素Tの間接原因である。
対象要素の間接原因である場合、要素xから対象要素までの経路によって、要素xに対する対象要素の変化率を決定することができる。具体的には、因果グラフで表される因果構造において、因果点アトリビューション分析ユニット410は、要素xから対象要素までの少なくとも1つの経路を決定することができる。少なくとも1つの経路における各経路は、因果グラフの少なくとも1つのエッジを含む。例えば、図3の例示では、要素AはA→D→Tの経路で要素Tに到達する。要素Bは、B→C→D→T、B→C→E→T及びB→C→Tの3つの経路で要素Tに到達することができる。要素Cは、要素Tに直接到達するだけでなく、C→D→T及びC→E→Tの経路で要素Tに間接的に到達する。
さらに、少なくとも1つの経路における各経路について、当該経路に含まれる少なくとも1つのエッジが表す直接的な因果関係における、原因要素に対する結果要素の直接変化率に基づいて、当該経路における、第1要素に対する対象要素の部分変化率を決定する。各経路における部分変化率は、当該経路における各エッジに対応する直接変化率の積であり得る。少なくとも1つの経路について決定された少なくとも1つの部分変化率の和に基づいて、要素xに対する対象要素の変化率を決定する。例えば、各経路の部分変化率を加算することにより、間接変化率を決定することができる。
上述の方法により、図3の例示では、要素A、B及びCも要素Tの間接原因とすることができるので、これらの間接原因に関する要素Tの間接変化率を、それぞれββ(要素Aについて)、(ββC1+ββC2+βC3(要素Bについて)、(ββC1+ββC2+βC3)(要素Cについて)として決定することができる。
ブロック530において、要素xの基礎データと要素xに対する対象要素の変化率とに基づいて、対象観測データに対する要素xの基礎貢献度が決定される。例えば、式(3)を参照すると、要素xの基礎貢献度は、要素xの基礎データと要素xに対する対象要素の変化率との積とすることができる。
図3の因果構造の例示では、要素DとEを対象要素Tの直接原因とし、これらの直接原因に対する要素Tの直接変化率をそれぞれβ、βとして決定し、基礎データはそれぞれu、uとして表されている。対応して、対象要素Tに対する要素Dの貢献度はβであり、対象要素Tに対する要素Eの基礎貢献度はβである。
また、要素A、B及びCは要素Tの間接原因とすることもできる。これらの間接原因に関する要素Tの間接変化率はそれぞれ、ββ(要素Aについて)、(ββC1+ββC2+βC3(要素Bについて)、(ββC1+ββC2+βC3)(要素Cについて)として決定される。要素A、B及びCの基礎データはそれぞれ、u、u、uと表される。
対応して、対象要素Tに対する要素Aの基礎貢献度はββであり、対象要素Tに対する要素Bの基礎貢献度は(ββC1+ββC2であり、対象要素Tに対する要素Cの基礎貢献度は(ββC1+ββC2である。
理解できるように、対象要素の対象要素自身に対する変化率を1とみなすことができる。場合によってはさらに、対象要素の対象要素自身に対する基礎貢献度を決定してもよい。例えば、ブロック510において、要素xを対象要素として決定した場合、ブロック550において、因果点アトリビューション分析ユニット410は、要素xの基礎データを、対象要素に対する要素xの基礎貢献度として決定する。例えば図3の例では、対象要素Tの基礎データがuとして決定された場合、対応して、対象要素の対象要素自身に対する基礎貢献度もuとなる。
いくつかの任意の実施形態において、方法500は任意でブロック540をさらに含んでもよい。ブロック540において因果点アトリビューション分析ユニット410は、対象観測データに対する要素xの総貢献度を決定する。
いくつかの実施形態において、因果点アトリビューション分析ユニット410は、対象観測データに対する要素xの基礎貢献度に少なくとも基づいて、対象観測データに対する要素xの総貢献度を決定することができる。
いくつかの実施形態において、因果点アトリビューション分析ユニット410は、要素xが1つ又は複数の直接原因を有するか否かを決定することができる。要素xが1つ又は複数の直接原因を有する、即ち因果グラフにおいて親ノードを有する場合、因果点アトリビューション分析ユニット410は、その直接原因としての1つ又は複数の要素(「第2要素」と称される)それぞれと、要素xとの間の直接的な因果関係が、対象観測データに寄与する少なくとも1つの関係貢献度を決定することができる。関係貢献度の決定については、具体的に後述する。
因果点アトリビューション分析ユニット410は、対象観測データに対する要素xの基礎貢献度と、少なくとも1つの第2要素との少なくとも1つの関係貢献度との和に基づいて、対象観測データに対する要素xの総貢献度を決定することができる。
Figure 0007491333000006
ここで、atrNode(x)は要素xの総貢献度を表す。φ(x)は要素(x)の基礎貢献度を示す。atrEdge(xPa→x)は、その直接原因である要素xPa(つまり親ノード)と、要素xとの直接的な因果関係が、対象観測データに寄与する関係貢献度を表す。複数の要素xPaが存在する場合、それらと要素xとの直接的な因果関係が対象観測データに寄与する関係貢献度が加算されることになる。
いくつかの実施形態において、因果点アトリビューション分析ユニット410は、要素xに対する対象要素の変化率に少なくとも基づき、また、さらに要素xの観測データに基づき、対象観測データに対する要素xの総貢献度を決定してもよい。対象観測データに対する要素xの総貢献度は、要素xに対する対象要素の変化率と、要素xの観測データとの積とすることができる。
図3の因果関係の例示では、要素DとEを対象要素Tの直接原因とし、これらの直接原因に対する要素Tの直接変化率がそれぞれβ、βと決定される。観測データはそれぞれ、xD、と表される。対応して、対象要素Tに対する要素Dの総貢献度はβであり、対象要素Tに対する要素Eの総貢献度はβである。
また、要素A、B及びCは要素Tの間接原因とすることができる。これらの間接原因に対する要素Tの間接変化率を、(要素Aに対し)ββ、(要素Bに対し)(ββC1+ββC2+βC3、(要素Cに対し)(ββC1+ββC2+βC3)と決定する。要素A、B及びCの観測データはそれぞれ、x、x、xと表される。対応して、対象要素Tに対する要素Aの総貢献度はββである。対象要素Tに対する要素Bの総貢献度は(ββC1+ββC2+βC3である。対象要素Tに対する要素Cの総貢献度は(ββC1+ββC2+βC3)xである。
理解できるように、対象要素の対象要素自身に対する変化率を1とみなすことができる。場合によってはさらに、対象要素の対象要素自身に対する基礎貢献度を決定してもよい。これは対象要素の観測データとして決定することができる。例えば図3の例では、対象要素Tの観測データがxであると決定すると、それに応じて、対象要素Tの対象要素T自身に対する総貢献度はxとみなすことができる。
上述したように、いくつかの実施形態において、アトリビューション分析時に複数の要素の観測データがすでに提供されている場合は、各要素の基礎貢献度を決定するために、因果構造122における要素の基礎データを決定することができる。図6は、本開示のいくつかの実施形態にかかる、要素の基礎データを決定するための例示的方法600のフローチャートを示す。方法600は、例えば、図2に示すアトリビューション分析装置130によって実行することができ、例えば因果点アトリビューション分析ユニット410によって実行することができる。議論を目的として、以下では因果点アトリビューション分析ユニット410側から方法600を説明する。理解すべき点として、方法600はさらに、図示されていない付加的動作を含むことができ、且つ/又は示されたいくつかの動作を省略することができる。本開示の範囲は、この点において限定されない。
本明細書では、各要素の基礎データは、当該要素の観測データのうち、複数の要素における他の要素の影響を受けない部分を示す。因果関係では、任意の所定の要素xに対して、その観測データに影響を与えることができる要素が、当該要素の原因要素となる。従って、要素xの基礎データは、basexk=x-BX paと決定することができる。ここで、xは当該要素の観測データを表す(kの取得値の範囲は、因果構造における全ての要素である)。BX paは、要素xの直接的な原因要素の当該要素に対する影響を表す。対応して、直接的な原因要素がない場合は、要素xの基礎データはbasexk=x、即ち、当該要素の観測データ自体となる。
上述の議論に基づいて、方法600は、因果構造122の任意の所定の要素xの基礎データを決定するために用いることができる。具体的には、ブロック610において、因果点アトリビューション分析ユニット410は、因果構造122の複数の要素の中に、要素xの直接原因としての少なくとも1つの要素が含まれるか否かを決定する。
要素xがその直接原因としての少なくとも1つの要素を有しないことを、因果構造122が示す場合、ブロック615において、因果点アトリビューション分析ユニット410は、要素xの観測データを要素xの基礎データとして決定する。例えば、前述の図3の例示的因果構造122では、要素Aと要素Bは直接的な原因エレメントを有しないので、式(1)で示される直接的な因果関係に従って、要素A及び要素Bの基礎データu、uは、それぞれの観測データx、xにそれぞれ等しくなる。
要素xがその直接原因としての少なくとも1つの要素を有することを因果構造122が示す場合、ブロック620において、その少なくとも1つの要素に対する要素xの少なくとも1つの直接変化率を決定する。
ある要素のその原因要素に対する直接変化率は、通常、因果構造122の直接的な因果関係において示される。例えば、図3の例示的因果構造122において、要素Cについて、その直接的な原因要素Bに対する要素Cの直接変化率を、βとして決定する。要素Dは、要素A及びCの2つの直接的な原因要素を有する。これら2つの要素A及びCに対する要素Dの直接変化率は、それぞれβ、βC1である。同様に、1つ又は複数の直接原因を有する要素E及びTの両方について、それぞれの直接的な原因要素に対するそれらの直接変化率を決定することができる。
ブロック630において、因果点アトリビューション分析ユニット410は、要素x及び直接原因としての少なくとも1つの要素それぞれの観測データと、決定された少なくとも1つの直接変化率とに基づいて、要素xの基礎データを決定する。各要素の観測データと、それらの間の直接変化率とが既知である場合、要素xと、その直接原因としての要素との直接的な因果関係により、要素xの基礎データを算出することができる。
例えば、図3の例示的な因果構造122では、上記式(1)で示された直接的な因果関係に基づいて、要素Cの基礎データは、u=x-βとして決定することができる。ここで、xとxは要素C及び要素Bの観測データであり、βは直接変化率である。その他の要素D、E及びTについても同様に、その基礎データを決定することができ、それぞれu、u、uと表される。
方法600は、因果構造122における各要素の基礎データを決定するために用いることができる。複数の要素の基礎データが決定された後、各要素の因果点アトリビューション分析を実行することができる。例えば方法500の因果点アトリビューション分析に従って、対象要素の対象観測データに対する各要素の基礎貢献度及び/又は総貢献度を決定することができる。
図7は、本開示のいくつかの実施形態にかかる、図3の例示的因果構造122において因果点アトリビューション分析の結果を提示する例を示す。ここでは、対象観測データに対する各要素A、B、C、D、E、Tの基礎貢献度が示されている。これらの基礎貢献度は貢献度の大きさにより示され、また、全ての要素A、B、C、D、E、Tの基礎貢献度の和は、対象要素Tの観測データ「100」に等しい。つまり、全ての原因要素及び対象要素の個別の貢献度により、最終的に対象要素の現在の観測値が導き出される。また、図7はさらに、要素Tの対象観測データ「100」に対する要素A、B、C、D、Eそれぞれの総貢献度を示す。要素の総貢献度は、自身の基礎貢献度と、当該要素を介した他の要素による、対象観測データに対する間接貢献度とを含む。対象要素Tの自身に対する総貢献度は、それ自身の観測データとみなすことができる。
因果エッジアトリビューション分析の例示
図8Aは、本開示のいくつかの実施形態にかかる、因果エッジアトリビューション分析に用いられる例示的方法800のフローチャートを示す。方法800は、例えば、図2に示すアトリビューション分析装置130によって実行することができ、例えば因果エッジアトリビューション分析ユニット420によって実行することができる。理解すべき点として、方法800はさらに、図示されていない付加的動作を含むことができ、且つ/又は示されたいくつかの動作を省略することができる。本開示の範囲は、この点において限定されない。
因果エッジアトリビューション分析の際、所定の要素xについて、対象観測データに対する、要素xと別の要素(「第3要素」と称することもあり、要素xと表される)との因果関係の関係貢献度(atrEdge(x→x)と表される)を決定すると仮定する。従って、この因果関係では、要素xは要素xの原因である。
ブロック811において、因果エッジアトリビューション分析ユニット420は、対象観測データに対する要素xの基礎貢献度及び総貢献度を決定する。要素xの基礎貢献度及び総貢献度は、方法500に従って決定することができ、総貢献度は、要素xに対する対象要素の変化率に基づいて決定することができる。
ブロック812において、因果エッジアトリビューション分析ユニット420は、因果構造122が示す要素xと対象要素との因果関係に基づいて、要素xに対する対象要素の変化率を決定する。要素xに対する対象要素の変化率についても、上記で詳しく述べた。
ブロック813において、因果エッジアトリビューション分析ユニット420は、要素xが要素xの唯一の原因であるか否かを決定する。
要素xが要素xの唯一の原因であることを因果構造122が示す場合、ブロック814において、因果エッジアトリビューション分析ユニット420は、原因としての要素xの総貢献度と、その基礎貢献度との差を、対象観測データに対する要素xと要素xとの因果関係の関係貢献度として決定する。上記式(5)によれば、要素xの総貢献度は、要素xの基礎貢献度、及び、親ノード(即ち要素x)と当該要素xとの直接的な関係貢献度の和である。要素xは、要素xの唯一の原因であり、即ち親ノードが1つしかないため、上記式(5)は次のように修正することができる。
Figure 0007491333000007
要素xの総貢献度と要素xの基礎貢献度が既知である場合、式(6)に基づき、対象観測データに対するx→x間の因果関係の関係貢献度atrEdge(x→x)を決定することができる。これは、要素xの総貢献度atrNode(x)とその基礎貢献度φ(x)との差に等しい。
いくつかの状況において、ブロック813で、さらに少なくとも1つの他の要素(第4要素と称することもあり、xと表される)があり、それが要素xの別の原因であると因果構造122が示すと決定された場合、即ち要素xは複数の親ノードを有する場合、要素xの総貢献度は次のように表される。
Figure 0007491333000008

ここで、要素xPaは、考慮される要素xを含み、且つ、別の少なくとも1つの要素xを含む。
ブロック815において、因果エッジアトリビューション分析ユニット420は、因果構造122に基づいて、対象観測データに対する、少なくとも1つの要素xと要素xとの因果関係の少なくとも1つの関係貢献度を決定する。ここでの関係貢献度の決定は、方法800と同様の方法、又は後述の方法802に基づいて決定することができる。
ブロック816において、因果エッジアトリビューション分析ユニット420は、対象観測データに対する要素xの総貢献度から、別の関係貢献度と、対象観測データに対する要素xの前記基礎貢献度との和を減じることにより、対象観測データに対する要素xと要素xとの因果関係の関係貢献度を決定する。
要素xの総貢献度、要素xの基礎貢献度、少なくとも1つの別の原因要素xの関係貢献度が既知である場合、式(7)に従って、対象観測データに対するx→x間の因果関係の関係貢献度atrEdge(x→x)を決定することができる。これは、要素xの総貢献度atrNode(x)から、その基礎貢献度φ(x)を減じ、さらに、対象観測データに対する少なくとも1つの要素xと要素xとの因果関係の別の関係貢献度を減じることに等しい。
図8Bは、本開示の別のいくつかの実施形態にかかる、因果エッジアトリビューション分析に用いられる例示的方法802のフローチャートを示す。方法802は、例えば、図2に示すアトリビューション分析装置130によって実行することができ、例えば因果エッジアトリビューション分析ユニット420によって実行することができる。理解すべき点として、方法802はさらに、図示されていない付加的動作を含むことができ、且つ/又は示されたいくつかの動作を省略することができる。本開示の範囲は、この点において限定されない。
因果エッジアトリビューション分析の際、所定の要素xについて、要素xと別の要素(「第3要素」と称することもあり、要素xと表される)の因果関係が対象観測データに寄与する関係貢献度(atrEdge(x→x)と表される)を決定すると仮定する。従って、この因果関係では、要素xは要素xの原因である。
ブロック820において、因果エッジアトリビューション分析ユニット420は、因果構造122が示す要素xと要素xの因果関係から、要素xに対する要素xの第1変化率を決定する。要素xと要素xの間に直接的な因果関係がある場合、因果構造122から、要素xに対する要素xの直接変化率を決定することができる。そうでない場合は、上記で述べた方法により2つの要素間の間接変化率を決定することができる。
ブロック822において、因果エッジアトリビューション分析ユニット420は、因果構造122が示す要素xと対象要素との因果関係から、要素xに対する対象要素の第2変化率を決定する。上記で述べた方法により、要素xに対する対象要素の直接/間接変化率を決定することができる。いくつかの実施形態において、要素xが対象要素である場合には、第1変化率を1であるとみなしてもよい。
ブロック824において、因果エッジアトリビューション分析ユニット420は、要素xの観測データ、第1変化率及び第2変化率に基づいて、対象観測データに対する、要素xと要素xとの因果関係の関係貢献度を決定する。例えば、関係貢献度(atrEdge(x→x)と表される)は、要素xの観測データ、第1変化率及び第2変化率の三者の積として決定することができ、これは次のように表すことができる。
Figure 0007491333000009
ここで、τk→iは、要素xが要素xの原因とする因果関係において、要素xに対する要素xの第1変化率を表す。τxiは要素xに対する対象要素の第2変化率を表し、xは要素xの観測データを表す。
いくつかの実施形態では、図3の例示的因果構造122において、対象要素Tに対する各要素間の因果関係の関係貢献度は、次のように決定することができる。
D→Tの関係貢献度=β
E→Tの関係貢献度=β
C→Tの関係貢献度=βC3
A→Dの関係貢献度=ββ
C→Dの関係貢献度=ββC1=ββC1+ββC1β
C→Eの関係貢献度=ββC2=ββC2+ββC2β
B→Cの関係貢献度=(ββC1+ββC2+βC3)β
図9は、本開示のいくつかの実施形態にかかる、図3の例示的因果構造122において因果エッジアトリビューション分析の結果を提示した例を示す。ここでは各要素の基礎貢献度が示されており、さらに対象観測データに対する要素A、B、C、D、E間の直接的な因果関係(2要素間のエッジ)の関係貢献度も示されている。これらの関係貢献度は、貢献度の大きさによって示される。ある要素について、上記式(5)によれば、対象要素に対するその総貢献度は、その基礎貢献度、及び、その直接原因ノードと当該要素との直接的な因果関係の関係貢献度の和に等しい。
貢献度の提示
いくつかの実施形態において、アトリビューション分析装置130は、ユーザ105に、対象要素の対象観測データに対する1つ又は複数の要素の貢献度134を提示することができる。貢献度134は、要素の基礎貢献度、要素の総貢献度、及び/又は要素間の因果関係の関係貢献度を含むことができる。これは、ユーザ105に対しアトリビューション分析結果に関する視覚的情報を提供し、ユーザがそこから有用な情報をより迅速に把握できるようにするのに役立つ。
いくつかの実施形態において、アトリビューション分析装置130は、前記因果構造に関連付けて前記貢献度134を提示することができ、これにより、因果構造における各要素の貢献度134を明確に示すことができる。いくつかの実施形態において、選択的に又は追加で、アトリビューション分析装置130は、要素の観測データそのもの及びその貢献度を比較するために、前記対象観測データと関連付けて前記貢献度134を提示してもよい。例えば、図7と図9では、アトリビューション分析によって決定された貢献度を、因果構造及び観測データと関連付けて提示している。いくつかの実施形態では、アトリビューション分析装置130は、各要素の貢献度134を個別に提示することもできる。例えば、リスト、アイコン等の形式で提示してもよい。
いくつかの実施形態において、アトリビューション分析装置130はさらに、ユーザの選択で、又は自動的に、各要素の貢献度134に基づいてより多くの提示方式を提供してもよい。
以下、図10Aから図10Eの例示と結び付けて、いくつかの視覚的提示の可能な実施形態について説明する。
図10Aは、商品販売シナリオにおける因果構造1001の例を示す。当該因果構造1001は、テレビ広告、新商品プロモーション、販売促進、ディスプレイ、スタッフ及び商品売上の間の因果関係を示している。因果構造1001はさらに、直接的な関係を有する2つの要素(即ち、有向エッジで直接接続された2つのノード)間の直接変化率を示している。
ユーザが対象要素として「商品売上」を指定し、因果構造1001の各要素の観測データ、即ち各原因要素の支出及び商品売上を提供したと仮定すると、上記で述べた例示的実施形態に従って、各要素の基礎貢献度、総貢献度及び関係貢献度を決定することができる。
いくつかの提示の実施形態では、図7又は図9と類似の方法で、因果構造と関連付けて各要素の基礎貢献度、総貢献度及び関係貢献度を提示することができる。任意又は追加で、各要素の観測データをさらに提示してもよい。
いくつかの実施形態では、各要素の貢献度を個別に提示してもよい。例えば、図10B及び図10Cの例示では、それぞれ棒グラフ1002及び1003の形で、異なる年度の年度売上に対する商品の基礎貢献度を提示し、また、年度売上に対する異なる項目(テレビ広告、新製品プロモーション、販売促進、ディスプレイ、スタッフを含む)の基礎貢献も提示している。対象要素(即ち基礎売上高)を含むすべての要素の基礎貢献度の和は、年度売上高と等しい。
いくつかの実施形態ではさらに、複数の要素の異なる観測データ(例えば、2年度の各科目及び2年度の年間売上)のアトリビューション分析により、図10Dの棒グラフ1004に示すように、異なる観測データの下でのこれら要素の貢献度の変化をユーザに提示してもよい。棒グラフ1004は、2018年と比較した2019年における異なる要素の基礎貢献度の変化を示しており、いくつかの要素の貢献度が向上し、いくつかの要素の貢献度が低下したことを明確に読み取ることができる。
いくつかの実施形態では、因果構造の中から、ある要素と対象要素との間の直接的な因果関係を見出せるだけでなく、間接的な因果関係も見出すことができる。因果マップでは、これらの要素が対象要素に対して直接エッジと間接エッジを有することが読み取れる。これは、当該要素が直接的に対象要素に影響を与えることができるか、又は他の要素を介して間接的に対象要素に影響を与えることができることを意味する。例えば、図3の因果構造では、要素Cは要素Tに直接影響を与えることができるし、要素Dと要素Eを介して間接的に要素Tに影響を与えることもできる。図10Aの例示では、「販売促進」は商品売上に直接影響を与えることができる。
通常、要素の総貢献度は、当該要素からの出発した1つ又は複数のエッジの関係貢献度と等しくなり得る。このエッジが対象要素と直接繋がっている場合、当該要素と対象要素との直接的な因果関係が対象観測データに寄与する直接的な関係貢献度を決定することができる。当該要素から出発した1本のエッジが対象要素と間接的に隣接している場合、当該要素と対象要素との間接的な因果関係が対象観測データに寄与する間接的な関係貢献度を決定することができる。従って、要素xの総貢献度は次のとおりである。
atrNode(x)=直接的な関係貢献(x)+Σ間接的な関係貢献(x
ここで、直接的な関係貢献(x)=atrEdge(xk→対象要素)である。
間接的な関係貢献(x)=atrEdge(x→x)は、要素xから要素xまでの間の直接的な因果関係が、対象要素に寄与する関係貢献度を表し、要素xが要素xを介して対象要素に寄与する間接的な関係貢献度を表すのに用いることができる。
いくつかの実施形態では、貢献度を提示する際に、1つの要素の総貢献度を提示するとともに、当該要素の直接的な関係貢献度及び間接的な関係貢献度を提示することができ、これによって対象要素に対する当該要素の直接及び間接の貢献度の大きさを比較することができる。
例えば、図10Aの例示では、「販売促進」は、商品売上高に直接影響することができるし、「ディスプレイ」や「スタッフ」を通じて商品売上高に影響を与えることもできる。図10Eにおいて、「商品売上高」に対する「販売促進」の総貢献度は、「商品売上高」に対する「販売促進」の直接的な関係貢献度1021と、「商品売上高」に対する「販売促進」の間接的な関係貢献度1022の2つの部分を含む。また、「商品売上高」に対する「販売促進」の間接的な関係貢献度1022においてさらに細分化して、1030を提示することができる。これは「販売促進」が「スタッフ」を介して「商品売上高」に寄与する間接的な関係貢献度と、「販売促進」が「ディスプレイ」を介して「商品売上高」に寄与する間接的な関係貢献度とを示す。このように、個々の要素について、当該要素が異なる方面から対象要素へ与える影響を詳細に分析することができる。
例示的デバイスによる実現
図11は、本開示の実施形態を実施可能な例示的デバイス1100のブロック模式図を示す。図1に示すデータ処理システム100又はそのアセンブリである。例えば、アトリビューション分析装置130は、デバイス1100によって実現することができる。
図に示すように、デバイス1100は、中央プロセッサユニット(CPU)1101を含む。CPU1101は、リードオンリーメモリ(ROM)1102に記憶されたコンピュータプログラムの命令、又は記憶ユニット1108からランダムアクセスメモリ(RAM)1103にロードされたコンピュータプログラムの命令に基づき、各種の適切な動作及び処理を実行することができる。RAM1103にはさらに、デバイス1100の操作に必要な各種プログラム及びデータを記憶することができる。CPU1101、ROM1102及びRAM1103はバス1104を介して互いに接続されている。入力/出力(I/O)ポート1105もバス1104に接続されている。
デバイス1100における複数の部材は、I/Oポート1105に接続されている。複数の部材には、キーボード、マウス等の入力ユニット1106、さまざまな種類のディスプレイ、スピーカ等の出力ユニット1107、磁気ディスク、光ディスク等の記憶ユニット1108、及びネットワークインタフェースカード、モデム、無線通信送受信機等の通信ユニット1109が含まれる。通信ユニット1109によって、デバイス1100は、インターネットのようなコンピュータネットワーク及び/又は各種電信ネットワークを介して、他のデバイスと情報/データを交換することができる。
プロセッサユニット1101は、例えば方法200、500、600、800及び/又は802のような上述した各プロセス及び処理を実行するように設定することができる。例えば、いくつかの実施形態において、方法200、500、600、800及び/又は802は、コンピュータソフトウェアプログラムとして実現可能であり、記憶ユニット1108のようなマシン可読媒体に、有形記憶されている。いくつかの実施形態において、コンピュータプログラムの一部又は全部は、ROM1102及び/又は通信ユニット1109を経由してデバイス1100にロード及び/又はインストールすることができる。コンピュータプログラムがRAM1103にロードされCPU1101により実行されると、上述した方法200、500、600、800及び/又は802の1つ又は複数のステップを実行することができる。
本開示の実施形態は、システム、デバイス、方法、コンピュータ可読媒体、及び/又はコンピュータプログラム製品として実現することができる。
本開示のいくつかの実施形態において、コンピュータ可読媒体が提供される。コンピュータ可読媒体には、コンピュータが実行可能な命令又はプログラムが記憶されており、当該コンピュータが実行可能な命令又はプログラムは、プロセッサにより実行される場合、上述した本開示の方法又は機能を実現する。コンピュータ可読記憶媒体は、非一時的コンピュータ可読媒体を含むことができる。本開示のいくつかの実施形態ではさらに、コンピュータプログラム製品が提供される。コンピュータプログラム製品はコンピュータプログラム/命令を含む。コンピュータプログラム/命令は、プロセッサにより実行される場合、上述した方法又は機能を実現する。当該コンピュータプログラム製品は、非一時的コンピュータ可読媒体に有形記憶することができる。
コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行デバイスにより使用される命令を保持し記憶することができる有形デバイスであり得る。コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行デバイスにより使用される命令を保持し記憶することができる有形デバイスであり得る。コンピュータ可読記憶媒体は例えば、電気記憶装置、磁気記憶装置、光記憶装置、電磁気記憶装置、半導体記憶装置又は上述の任意の適切な組合せであり得るが、これらに限られない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例として(全てではない)、ポータブル・コンピュータ・ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、消去・書き込み可能なリードオンリーメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、スタティックRAM(SRAM:Static Random Access Memory)、携帯型コンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、メモリースティック、フロッピーディスク、機械的エンコーダディスク、例えば命令が記憶されているパンチカード又は溝内の突起構造、及び上述の任意の適切な組合せが含まれる。ここで使用されるコンピュータ可読記憶媒体は、例えば無線電波若しくは他の自由伝播する電磁波、導波若しくは他の送信媒体を介して伝播する電磁波(例えば、光ケーブルを介する光パルス)、又は電線で送信される電気信号のような、瞬時の信号そのものであるとは解釈されない。
ここで説明されるコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ可読記憶媒体から各計算/処理デバイスにダウンロードすることができ、又は、ネットワーク、例えばインターネット、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク及び/又は無線ネットワークを介して外部のコンピュータ若しくは外部記憶装置にダウンロードすることができる。ネットワークは、銅線送信ケーブル、光ケーブル送信、無線送信、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイコンピュータ及び/又はエッジサーバを含むことができる。各計算/処理デバイスにおけるネットワークインタフェースカード又はネットワークインタフェースは、コンピュータ可読プログラム命令をネットワークから受信し、当該コンピュータ可読プログラム命令を転送し、各計算/処理デバイスのコンピュータ可読記憶媒体に記憶されるようにする。
本開示の操作を実行するためのコンピュータプログラム命令は、アセンブリ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA:Instruction Set Architecture)、機械語命令、機械関連命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又は、1種類若しくは複数種類のプログラミング言語の任意の組合せで記述されたソースコード若しくは対象コードであり得る。前記プログラミング言語は、Smalltalk、C++等のオブジェクト指向のプログラミング言語、及び、「C」言語又は類似のプログラミング言語のような一般的なプロセス式プログラミング言語を含む。コンピュータ可読プログラム命令は、全てユーザコンピュータ上で実行してもよいし、部分的にユーザコンピュータ上で実行してもよいし、1つの独立したソフトウェアパッケージとして実行してもよいし、ユーザコンピュータ上で部分的に実行するとともにリモートコンピュータ上で部分的に実行してもよいし、或いは、全てリモートコンピュータ又はサーバ上で実行してもよい。リモートコンピュータにかかる状況において、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)又はワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意の種類のネットワークを介して、ユーザコンピュータに接続することができるか、又は、外部のコンピュータに接続することができる(例えばインターネットサービスプロバイダを利用しインターネットを介して接続する)。いくつかの実施形態では、コンピュータ可読プログラム命令のステータス情報を利用して、例えばプログラマブルロジック回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又はプログラマブルロジックアレイ(PLA)のような電子回路をカスタマイズすることができる。当該電子回路は、コンピュータ可読プログラム命令を実行することにより、本開示の各態様を実現することができる。
ここでは、本開示の実施形態にかかる方法、装置(システム)及びコンピュータプログラム製品のフローチャート及び/又はブロック図を参照して、本開示の各態様を説明した。理解すべき点として、フローチャート及び/又はブロック図の各ブロック並びにフローチャート及び/又はブロック図の各ブロックの組合せは、いずれも、コンピュータ可読プログラム命令により実現可能である。
これらのコンピュータ可読プログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ又は他のプログラミング可能なデータ処理装置のプロセッサユニットに提供されて、マシンを生成することができ、これらの命令がコンピュータ又は他のプログラミング可能なデータ処理装置のプロセッサユニットにより実行される場合、フローチャート及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックで規定される機能/動作を実現する装置が生成される。これらのコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよい。これらの命令によって、コンピュータ、プログラミング可能なデータ処理装置及び/又はその他のデバイスは特定の方法で動作を行う。従って、命令が記憶されているコンピュータ可読媒体は、フローチャート及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックで規定される機能/動作を実現する各態様の命令が含まれている製品を含む。
コンピュータ可読プログラム命令を、コンピュータ、他のプログラミング可能なデータ処理装置又は他のデバイスにロードして、コンピュータ、他のプログラミング可能なデータ処理装置又は他のデバイス上で一連の操作ステップを実行させ、コンピュータが実施するプロセスを生成してもよい。これにより、コンピュータ、他のプログラミング可能なデータ処理装置又は他のデバイスで実行される命令に、フローチャート及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックで規定される機能/動作を実現させる。
図中のフローチャート及びブロック図は、本開示の複数の実施形態にかかるシステム、方法、コンピュータプログラム製品の実現可能なアーキテクチャ、機能及び操作を表す。この点において、フローチャート又はブロック図の各ブロックは、1つのモジュール、プログラムセグメント又は命令の一部を示すことができ、前記モジュール、プログラムセグメント又は命令の一部は、規定されるロジック機能を実現するための1つ又は複数の実行可能な命令を含む。代替としてのいくつかの実現形態において、ブロック内に表記される機能は、図中の表記と異なる順序で発生してもよい。例えば、2つの連続するブロックは実際には基本的に並行して実行されてもよいし、場合によっては反対の順序で実行されてもよい。これは、関係する機能によって定められる。また、注意すべき点として、ブロック図及び/又はフローチャートの各ブロック、並びにブロック図及び/又はフローチャートのブロックの組合せは、規定される機能又は動作を実行する、ハードウェアに基づく専用システムで実現してもよいし、或いは、専用のハードウェアとコンピュータ命令との組合せにより実現してもよい。
以上、本開示の各実施形態を説明したが、上述した説明は、例示的なもので、全て網羅したものではなく、開示された各実施形態に限定されない。説明した各実施形態の範囲及び精神から逸脱しない状況において、当業者が複数の修正及び変更を行うことができることは明らかである。ここで使用された用語は、各実施形態の原理、実際の応用や市場での技術改良について最適な説明を行うこと、又は当業者に本明細書で開示された各実施形態を理解させることを意図して、選択したものである。

Claims (14)

  1. 少なくとも1つのプロセッサユニットと、
    前記少なくとも1つのプロセッサユニットに結合され、前記少なくとも1つのプロセッサユニットによって実行される命令を格納する少なくとも1つのメモリと
    を備え、
    前記命令が前記少なくとも1つのプロセッサユニットによって実行される場合、
    分析する複数の要素のそれぞれに対応する観測データを取得することと、
    前記複数の要素のうちの1つの要素が対象要素として選択されたことに応じて、前記対象要素に関わる前記複数の要素の因果構造を取得し、前記少なくとも1つのメモリに記憶することと、
    前記因果構造と、前記複数の要素のそれぞれに対応する前記観測データとに基づいて、前記複数の要素における第1要素の、前記対象要素の対象観測データに対する貢献度を決定することと、
    を含む方法のステップを実行し、
    前記因果構造は、前記複数の要素の間の因果関係を示し、
    前記因果関係は、線形の因果関係であり、
    前記貢献度は、数式(1)により求める、
    attribution(x)=y-E(YX=0|X=x,Y=y) (1)
    ただし、attribution(x)は、事実xの事実yに対する前記貢献度を表し、
    E(YX=0|X=x,Y=y)は、反事実推論を表す、
    電子デバイス。
  2. 前記複数の要素のそれぞれに対応する前記観測データを取得することは、
    前記複数の要素のそれぞれに対応する前記観測データを指定する第1ユーザ入力を受け付けることを含む、
    請求項1に記載の電子デバイス。
  3. 前記複数の要素のそれぞれに対応する前記観測データを取得することは、
    分析のタイプと、複数の時間範囲における前記複数の要素のうちの各要素の複数のデータ項目とを指定する第2ユーザ入力を受け付けることと、
    前記分析のタイプが平均分析タイプである場合、前記複数の要素のうちの各要素の前記複数のデータ項目をそれぞれ平均化することにより、当該要素の観測データを決定することと、
    前記分析のタイプが加算分析タイプである場合、前記複数の要素のうちの各要素の前記複数のデータ項目をそれぞれ統合することにより、当該要素の観測データを決定することと、
    を含む、
    請求項1に記載の電子デバイス。
  4. 前記対象要素を決定することは、
    前記対象要素を指定する第3ユーザ入力を受け付けることを含む、
    請求項1に記載の電子デバイス。
  5. 前記第1要素の、前記対象観測データに対する貢献度を決定することは、
    前記第1要素が前記複数の要素における他の要素から独立して前記対象観測データに寄与する基礎貢献度、
    前記対象観測データに対する前記第1要素の総貢献度であって、前記対象観測データに対する前記第1要素の貢献度と、前記複数の要素における少なくとも1つの第2要素が前記第1要素を介して前記対象観測データに寄与する貢献度との合計を示す総貢献度、及び
    前記対象観測データに対する、前記第1要素と前記複数の要素における第3要素との因果関係の関係貢献度
    のうち少なくとも1つを決定することを含む、
    請求項1に記載の電子デバイス。
  6. 前記因果構造と関連付けて前記貢献度を提示すること、
    前記対象観測データと関連付けて前記貢献度を提示すること、及び
    前記貢献度を個別に提示すること、
    のうち少なくとも1つにより、前記対象観測データに対する前記第1要素の前記貢献度をユーザに提示することをさらに含む、
    請求項1に記載の電子デバイス。
  7. 前記対象観測データに対する前記第1要素の前記基礎貢献度を決定することは、
    前記複数の要素それぞれの観測データと前記因果構造とに基づいて、前記第1要素の基礎データを決定することと、
    前記第1要素が前記対象要素ではない場合、
    前記因果構造が示す前記第1要素と前記対象要素との因果関係に基づいて、前記第1要素に対する前記対象要素の変化率を決定し、且つ
    前記第1要素の前記基礎データと前記第1要素に対する前記対象要素の前記変化率とに基づいて、前記対象観測データに対する前記第1要素の前記基礎貢献度を決定することと、
    前記第1要素が前記対象要素である場合、前記第1要素の前記基礎データを、前記対象観測データに対する前記第1要素の前記基礎貢献度として決定することと、
    を含み、
    前記第1要素の基礎データは、前記第1要素の観測データのうち、前記複数の要素における他の要素の影響を受けない部分を示し、
    前記対象要素の観測データと前記第1要素の観測データが与えられた場合、前記変化率は、前記第1要素の観測データの変化に対する前記対象要素の観測データの変化する程度である、
    請求項5に記載の電子デバイス。
  8. 前記因果構造は因果グラフで示され、前記因果グラフは、前記複数の要素を表す複数のノードと、前記複数のノードを結ぶエッジとを含み、前記複数のノードにおける一対のノードを直接結ぶエッジは、前記一対のノードに対応する一対の要素の間の直接的な因果関係を示し、
    前記第1要素に対する前記対象要素の変化率を決定することは、
    前記第1要素から前記対象要素までの少なくとも1つの経路であって、前記因果グラフの少なくとも1つのエッジをそれぞれ含む少なくとも1つの経路を、前記因果グラフから決定することと、
    前記少なくとも1つの経路における各経路について、当該経路に含まれる少なくとも1つのエッジが表す直接的な因果関係における、原因要素に対する結果要素の直接変化率に基づいて、当該経路における、前記第1要素に対する前記対象要素の部分変化率を決定することと、
    前記少なくとも1つの経路について決定された少なくとも1つの部分変化率の和に基づいて、前記第1要素に対する前記対象要素の変化率を決定することと、
    を含む、
    請求項7に記載の電子デバイス。
  9. 前記第1要素の前記基礎ータを決定することは、
    前記複数の要素に前記第1要素の直接原因としての少なくとも1つの要素が含まれることを、前記因果構造が示す場合、
    前記因果構造が示す、前記少なくとも1つの要素と前記第1要素との直接的な因果関係から、前記少なくとも1つの要素に対する前記第1要素の少なくとも1つの直接変化率を決定し、且つ
    前記第1要素及び前記少なくとも1つの要素それぞれの観測データと、決定された前記少なくとも1つの直接変化率とに基づいて、前記第1要素の基礎データを決定することと、
    前記複数の要素に前記第1要素の直接原因としての要素が含まれないことを、前記因果構造が示す場合、前記第1要素の観測データを前記第1要素の基礎データとして決定することと、
    を含む、
    請求項7に記載の電子デバイス。
  10. 前記因果構造は、前記少なくとも1つの第2要素が前記第1要素の直接原因であることを示し、
    前記対象観測データに対する前記第1要素の総貢献度を決定することは、
    前記対象観測データに対する、前記少なくとも1つの第2要素のそれぞれと前記第1要素との直接的な因果関係の少なくとも1つの関係貢献度を決定することと、
    前記対象観測データに対する前記第1要素の基礎貢献度を決定することと、
    前記対象観測データに対する前記第1要素の前記基礎貢献度と前記少なくとも1つの関係貢献度との和に基づいて、前記対象観測データに対する前記第1要素の総貢献度を決定することと、
    を含む、
    請求項5に記載の電子デバイス。
  11. 前記因果構造は、前記第1要素が前記第3要素の原因であることを示し、
    前記対象観測データに対する、前記第1要素と前記第3要素との前記因果関係の関係貢献度を決定することは、
    前記対象観測データに対する前記第3要素の基礎貢献度及び総貢献度を決定することと、
    前記因果構造が示す前記第3要素と前記対象要素との因果関係に基づいて、前記第3要素に対する前記対象要素の変化率を決定することと、
    前記第1要素が前記第3要素の唯一の原因であることを前記因果構造が示す場合、前記第3要素の総貢献度とその基礎貢献度との差を、前記対象観測データに対する、前記第1要素と前記第3要素との前記因果関係の関係貢献度として決定することと、
    を含み、
    前記対象要素の観測データと前記第3要素の観測データが与えられた場合、前記変化率は、前記第3要素の観測データの変化に対する前記対象要素の観測データの変化する程度である、
    請求項5に記載の電子デバイス。
  12. 前記対象観測データに対する、前記第1要素と前記第3要素との前記因果関係の関係貢献度を決定することは、さらに、
    少なくとも1つの第4要素が前記第3要素の別の原因であることを前記因果構造が示す場合、
    前記因果構造に基づいて、前記対象観測データに対する、前記少なくとも1つの第4要素と前記第3要素との因果関係の別の関係貢献度を決定することと、
    前記対象観測データに対する前記第3要素の前記総貢献度から、前記別の関係貢献度と、前記対象観測データに対する前記第3要素の前記基礎貢献度との和を減じることにより、前記対象観測データに対する、前記第1要素と前記第3要素との前記因果関係の関係貢献度を決定することと、
    を含む、
    請求項11に記載の電子デバイス。
  13. 前記因果構造は、前記第1要素が前記第3要素の原因であることを示し、
    前記対象観測データに対する、前記第1要素と前記第3要素との前記因果関係の関係貢献度を決定することは、
    前記因果構造が示す前記第1要素と前記第3要素との因果関係から、前記第1要素に対する前記第3要素の第1変化率を決定することと、
    前記因果構造が示す前記第3要素と前記対象要素との因果関係から、前記第3要素に対する前記対象要素の第2変化率を決定することと、
    前記第1要素の観測データ、前記第1変化率及び前記第2変化率に基づいて、前記対象観測データに対する、前記第1要素と前記第3要素との前記因果関係の関係貢献度を決定することと、
    を含み、
    前記第1変化率は、前記第1要素の観測データの変化に対する前記第3要素の観測データの変化する程度であり、
    前記第2変化率は、前記第3要素の観測データの変化に対する前記対象要素の観測データの変化する程度である
    請求項5に記載の電子デバイス。
  14. プロセッサにより実行される場合、
    分析する複数の要素のそれぞれに対応する観測データを取得することと、
    前記複数の要素のうちの1つの要素が対象要素として選択されたことに応じて、前記対象要素に関わる前記複数の要素の因果構造を取得し記憶することと、
    前記因果構造と、前記複数の要素のそれぞれに対応する前記観測データとに基づいて、前記複数の要素における第1要素の、前記対象要素の対象観測データに対する貢献度を決定することと、
    を含む方法のステップを実現し、
    前記因果構造は、前記複数の要素の間の因果関係を示し、
    前記因果関係は、線形の因果関係であり、
    前記貢献度は、数式(1)により求める、
    attribution(x)=y-E(YX=0|X=x,Y=y) (1)
    ただし、attribution(x)は、事実xの事実yに対する前記貢献度を表し、
    E(YX=0|X=x,Y=y)は、反事実推論を表す、
    コンピュータプログラム。
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