JP7491082B2 - 分析試料の作製方法、および液体試料の定量方法 - Google Patents

分析試料の作製方法、および液体試料の定量方法 Download PDF

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Description

本発明は、分析試料の作製方法、および液体試料の定量方法に関する。
液体試料中の所定元素の濃度を定量する方法として、例えば誘導結合プラズマ発光分光分析法(Inductively coupled plazma optical emission spectrometry、以下では「ICP/OES」ともいう)がある。この方法で定量を行う場合、前処理として、測定対象である液体試料を、全量ピペットを使用して全量フラスコに移し入れ、適当な酸を添加して純水で一定量に定容する操作が必要となる。この希釈操作は30分間から1時間程度の時間を要するため、測定効率を低下させる要因となる。
上述のICP/OESより迅速な測定法としては、前処理に要する時間が少ない蛍光X線分析法(X-ray fluorescence analysis、以下、単に「XRF」ともいう)が挙げられる(例えば、非文献特許1参照)。XRFは、試料にX線を照射し、当該試料から発生する二次X線(蛍光X線)を用いて、当該試料を構成する元素の定性・定量分析を行う方法である。XRFは、前処理を伴う化学分析法やICP/OES等と比較すると、短時間で分析結果を得ることが可能である。このため、分析コストの削減や、分析結果の迅速な工程へのフィードバックを目的として、原材料の品質管理法として広く利用されている。
XRFを用いて固体の試料を分析する場合には、装置への試料のセットが容易であり、真空中での測定が可能である。例えば特許文献1には、自動粉砕装置、自動プレス装置などを備えた、蛍光X線自動分析システムについて記載されており、XRFは自動化、省力化が可能であるという観点からも、プロセス操業中の分析方法として好適であることが知られている。
一方、XRFを用いて液体の試料を分析する場合には、液体が揮発するため真空系での測定が困難である。そこで、液体試料の場合は、ヘリウム雰囲気下で測定を行う。大気雰囲気下で測定を行うと、液体試料中の軽元素から発生する長波長のX線が空気によって吸収され、精度よく測定を行えないので、高価ではあるがX線を吸収しにくいヘリウムを用いることになる。
しかし、XRFを用いて液体試料を測定する場合、X線照射により液体試料が加熱されて気泡が生じることによって、測定誤差が生じたりすることがある。また、試料の溶解に使用する酸によっては測定に悪影響を及ぼすこともあり、測定誤差を生じさせることがある。このようにXRFを用いて液体試料の測定を行う場合、得られる定量値にばらつきが生じ、測定の再現性が低くなることがある。
測定の再現性を高く維持する観点からは、液体試料に内標準元素を含む内標準物質を添加し、所定元素と内標準成分との二次X線(蛍光X線)強度の比率(強度比)から、所定元素の濃度を定量する方法が提案されている(例えば特許文献2や非特許文献1など)。
また、X線照射による気泡発生や酸による影響を抑制する観点から、液体試料を例えばろ紙に滴下し乾燥させた後に、当該ろ紙に析出する析出物にXRFを適用して所定元素の濃度を定量する方法(いわゆる、ろ紙滴下法)が提案されている。
特開平01-059043号公報 特開2017-181309号公報
中井泉、「蛍光X線分析の実際」、朝倉書店、2005年10月20日、初版第1刷
しかし、本発明者の検討によると、液体試料に内標準物質を添加し、ろ紙滴下法により測定対象元素の濃度を定量する場合、滴下した液体試料を乾燥させたときに、測定対象元素を含む塩と内標準元素を含む塩とが同じ割合で析出せず、どちらか一方の塩が偏析することが確認された。つまり、乾燥により得られる析出物において、場所によって、測定対象元素と内標準元素との比率が異なることがあった。そのため、析出物にX線を照射したときに、その照射位置によって蛍光X線強度の強度比が変動し、定量結果にばらつきが生じることがあった。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、液体試料中の所定成分の濃度を精度よく、かつ再現性高く定量する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上述の課題を解決するために検討を行った。その結果、測定対象元素を含む塩と内標準元素を含む塩との偏析は各元素を含む塩の水への溶解度の差に起因していることが見出された。
一般に、水への溶解度が低い塩と高い塩とを比較すると、乾燥の際に、溶解度の低い塩ほど早く析出し、溶解度の高い塩ほど遅く析出する傾向がある。そのため、測定対象元素を含む塩と、内標準元素を含む塩との溶解度の差が大きいと、一方の塩が先に析出して他方の塩が後に析出するといったように、各塩の析出するタイミングが異なることがある。
しかも、液滴を乾燥させる場合、コーヒーリング効果により塩がより偏析しやすくなる。コーヒーリング効果とは、液滴を乾燥させたときに、析出物がリング状に析出することを示す。液滴の乾燥においては、液滴の中心部分から乾燥が始まり、徐々に外側に向かって乾燥が進むことになる。この乾燥過程で、液滴は外側ほど濃縮されるので、液滴の内側よりも外側ほど析出物が多くなり、塩がリング状に析出することになる。
このように、測定対象元素や内標準元素を含む液滴を乾燥させる場合、各元素が形成する塩の溶解度の違いから、溶解度の高い塩が析出物の外縁部に析出しやすく、その結果として測定対象元素および内標準元素の偏析が生じてしまう。
本発明者は、析出物における偏析部分が測定精度や再現性を低下させることから、析出物のうち偏析が生じやすい外縁部を測定領域から外すことに着目した。そして、析出物の外縁部をマスクしたうえで、その内側の偏析が生じにくい中心部にX線を照射して測定を行ったところ、液体試料に含まれる成分を精度よく、かつ再現性高く測定できることを見出した。本発明は、上記知見に基づいて成されたものである。
すなわち、本発明の第1の態様は、
液体試料に含まれる所定元素の濃度を定量する定量方法であって、
測定対象元素を含む液体試料に、内標準元素を含む内標準物質を添加して混合することで、混合溶液を形成する混合工程と、
前記混合溶液を試料保持体に滴下する滴下工程と、
前記試料保持体に滴下した前記混合溶液を乾燥させ、前記測定対象元素を含む塩と前記内標準元素を含む塩とを析出させることにより、これらの塩を含む析出物が前記試料保持体に保持された分析試料を形成する乾燥工程と、
前記分析試料における前記析出物にX線を照射し、前記測定対象元素および前記内標準元素のそれぞれのX線強度を測定し、その強度比から、前記測定対象元素の濃度を定量する定量工程と、を有し、
前記定量工程では、前記析出物の外縁部をマスクし、その内側の中心部にX線を照射する、
液体試料の定量方法である。
本発明の第2の態様は、第1の態様において、
前記滴下工程では、前記混合溶液を前記試料保持体の縁まで広がるよう滴下し、
前記乾燥工程にて、前記析出物を前記試料保持体の縁まで析出させる。
本発明の第3の態様は、第1又は第2の態様において、
前記定量工程では、試料ホルダにより前記析出物の前記外縁部をマスクしつつ前記中心部を露出させるように前記分析試料を保持する。
本発明の第4の態様は、第1~第3の態様のいずれかにおいて、
前記液体試料が硫酸イオンを含み、
前記乾燥工程で析出させる各塩が硫酸塩である。
本発明の第5の態様は、第1~第4の態様のいずれかにおいて、
前記滴下工程では、前記混合溶液の滴下量を、前記試料保持体の面積1cm2あたり150μg以下とする。
本発明の第6の態様は、第1~第5の態様のいずれかにおいて、
前記試料保持体がろ紙である。
本発明によれば、液体試料中の所定成分の濃度を精度よく、かつ再現性高く定量することができる。
図1は、分析試料における析出物を説明するための図である。 図2は、蛍光X線測定装置を用いて試料を測定する場合を説明するための図である。 図3は、実施例1で作製した分析試料の、電子線マイクロアナライザによる面分析結果の写真である。
<本発明の一実施形態>
以下、本発明の一実施形態について説明をする。本実施形態では、液体試料から分析試料を作製した後、その分析試料について蛍光X線分析を行うことにより、液体試料に含まれる所定成分の濃度を定量する場合を説明する。本実施形態の液体試料の定量方法は、準備工程、混合工程、滴下工程、乾燥工程、および定量工程を有する。以下、各工程について詳述する。
(準備工程)
まず、被測定溶液である液体試料と、内標準物質とを準備する。
液体試料は、測定対象元素を含む水溶液である。このような液体試料としては、測定対象元素などの含有成分が明らかなものであれば特に限定されない。例えば機能性材料を構成する金属化合物を酸溶液に溶解させた水溶液などが挙げられる。
測定対象元素は、蛍光X線分析(XRF)で測定される測定強度が同じような挙動でばらつき、かつ十分な測定感度が得られるものであれば、特に限定されず、実用的にはNa(Z=11)以上の原子番号を持つ元素であれば良い。機能性材料などの金属化合物を溶解させた場合であれば、測定対象元素は遷移金属元素となる。例えば、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、CuおよびZnからなる群から選択される、少なくとも1つ以上の遷移金属元素となる。
なお、液体試料には、測定対象元素以外に、他の成分(以下、共存成分ともいう)が存在していてもよい。このような共存成分としては、例えば、金属化合物を溶解させるときに用いた酸成分に由来する成分などが挙げられる。酸成分として例えば硫酸を用いる場合、共存成分として硫酸イオンが含まれる。また、硝酸であれば、共存成分として硝酸イオンが含まれ、塩酸であれば共存成分として塩化物イオンが含まれる。その他の陰イオンとしては、無機イオンでは、炭酸イオンや水酸化物イオンなどがある。また、酸成分として有機酸を用いた場合であれば、有機酸に由来する陰イオンとしては、例えばギ酸イオン、酢酸イオン、シュウ酸イオンおよびクエン酸イオンなどが挙げられる。
内標準物質は、内標準元素を含むものである。内標準元素は、測定対象元素とは異なる元素であり、液体試料には含まれない元素である。内標準元素は、測定対象元素の種類に応じて適宜変更するとよく、特に限定されない。測定対象元素が遷移金属元素、具体的にはSc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、CuおよびZnからなる群から選択される場合、内標準元素は、測定対象元素とは互いに異なる種類の遷移金属元素から選択することが好ましい。このように選択することにより、内標準元素を、測定対象元素と近い原子量を有する元素から選択することができる。測定対象元素と原子量が近い内標準元素によれば、液体試料に内標準物質を添加して乾燥させたときに、他の共存成分による吸収や励起の影響の受け方を近似させることができる。これにより、最終的に得られる試料をXRFで測定するときに、測定対象元素および内標準元素の各X線強度から求められるX線強度比をより安定させることができる。
(混合工程)
続いて、液体試料に内標準物質を添加し、混合することにより、混合溶液を形成する。得られた混合溶液には、例えば測定対象元素、内標準元素、および共存成分が含まれることになる。
内標準物質は、予め純水に添加して溶解させたうえで、内標準元素を含む溶液(内標準溶液)として添加するとよい。例えば、内標準物質を一定量正確に秤量した後、一定の重量の純水に添加して溶解させることで、所定濃度を有する内標準溶液を液体試料に添加するとよい。
(滴下工程)
続いて、試料保持体として例えばろ紙を準備する。試料保持体としては、ろ紙に限定されず、混合溶液を乾燥させたときに、析出する析出物を保持できるようなものであれば特に限定されない。例えば、ろ紙やガラス部材などを用いることができる。ただ、ガラス部材などは、XRFで測定するときに、ガラスに由来する蛍光X線を発生させて測定精度を低下させるおそれがあるので、測定精度を高く維持する観点からは、ろ紙が好ましい。なお、試料保持体の大きさ(面積)は、析出させる析出物の大きさに応じて適宜変更するとよい。
続いて、試料保持体であるろ紙に対して混合溶液を滴下する。このとき、滴下した混合溶液が試料保持体の縁まで広がるように、滴下量を調整することが好ましい。これにより、析出物を試料保持体の縁まで形成することができる。
混合溶液の滴下量は、特に限定されないが、析出物の面積に応じて適宜変更するとよい。ただし、滴下量が過度に多くなると、得られる析出物において、その厚さ方向や平面方向に測定対象元素や内標準元素の濃度勾配が顕著となり、測定精度が低くなるおそれがある。そのため、測定精度を高く維持する観点からは、滴下量は150μg/cm以下とすることが好ましい。
(乾燥工程)
続いて、混合溶液を滴下した試料保持体を乾燥させる。これにより、混合溶液中の溶媒(例えば水分など)を揮発させ、測定対象元素を含む塩と、内標準元素を含む塩とを析出させる。その結果、これらの塩を含む析出物が試料保持体に保持された、XRF用の分析試料を得る。
ここで、分析試料について図を用いて説明する。図1は、分析試料を上面から見たときの平面図であり、分析試料における析出物を説明するための図である。図1に示すように、分析試料1は、試料保持体2上の混合溶液が滴下して広がった領域に、各元素の塩を含む析出物3が付着した状態となっている。本実施形態では、混合溶液を試料保持体2の縁まで広がるように滴下しているので、析出物3が試料保持体2の縁まで広がっている。上述したように、析出物3においては、図1中の点線で囲まれる内側の中心部4ほど各塩の偏析が少なく、点線の外側の外縁部5ほど顕著となる。
分析試料1では、測定領域が狭くなると測定感度が低下する傾向があるので、測定感度を高く維持する観点からは、析出物3の中心部4の面積が300mm以上であることが好ましい。一方、過度に大きくなると、乾燥に時間を要するなど測定効率が低くなるので、1300mm以下であることが好ましい。析出物3の外縁部4の幅は、析出する塩の溶解度の差によるが、多くとも5mmであり、好ましくは1mm以上3mm以下である。なお、析出物3全体の面積は、測定領域である中心部4の面積として少なくとも300mm以上を確保できれば特に限定されず、例えば450mm以上1100mm以下とするとよい。析出物3の面積は、混合溶液の滴下量を変更することで調整するとよい。
混合溶液の乾燥温度は、試料保持体を変形させないような温度であれば特に限定されない。ろ紙の場合であれば、乾燥温度は80℃以下とすることが好ましい。一方、乾燥時間を短縮させる観点からは乾燥温度を高くするとよく、50℃以上とすることが好ましい。
なお、乾燥方法としては、自然乾燥、ドライヤーを用いた乾燥等でも可能であるが、迅速且つ均一な乾燥を行う観点からは、乾燥機を用いた乾燥が好ましい。
(定量工程)
続いて、得られた分析試料を蛍光X線測定装置に導入し、蛍光X線分析を行う。ここで、分析試料を蛍光X線測定装置に導入し、測定を行う場合を図2を用いて説明する。図2は、蛍光X線測定装置を用いて分析試料を測定する場合を説明するための図である。
まず、図2に示すように、分析試料1を試料ホルダ20に設置する。試料ホルダ20は、分析試料1を収容する筒状の枠体21と、枠体21の底部に設けられ、分析試料1を支持する支持部22とを備えて構成され、支持部22には、その中心部分に分析試料1を露出させる穴部23が形成されている。この試料ホルダ20に対して、枠体21の支持部22上に、マスク穴部25が設けられたリング状のマスク24を介して分析試料1を載置する。分析試料1は、その周縁部が支持部22で支持され、穴部23から一部が露出するように、試料ホルダ20に載置されることになる。このとき、分析試料1における混合溶液を滴下して析出物が付着している領域が穴部23から露出するように、分析試料1を配置する。なお、リング状のマスク24は、ワッシャーとして作用するものであり、支持部22にワッシャー構造を付与することで、マスク24を省略してもよい。
次に、載置した分析試料1上に重し28を載せて、分析試料1に対して均一に荷重をかける。分析試料1をマスク24と重し28とで挟持することにより、測定中における分析試料1の変形や位置ずれ等を抑制することができる。また、分析試料1がろ紙の場合、その平滑性を担保することができる。
この重し28としては、測定対象元素および内標準元素を含まず、これらの元素が発生する蛍光X線の検出を妨害するような波長の蛍光X線を発生しなければ、特に限定されない。このような重し28としては、例えば、PTFE、PFA、PCTFE、PVDF、PVF、ETFE、ECTFE等のフッ素樹脂からなる部材を用いることができる。
本実施形態では、試料ホルダ20の支持部22で分析試料1の縁を支持している。分析試料1においては、析出物3が試料保持体2の全面にわたって縁まで広がるように形成されているので、析出物3の外縁部5が支持部22(もしくはマスク24)でマスクされることになる。一方、析出物3の中心部4はマスク穴部23から露出する。
なお、分析試料1の外縁部5をマスクする部材、例えばリング状のマスク24、もしくはマスク24を省略する場合であれば支持部22の形成材料は、熱で変形しないようなものであれば特に限定されない。例えば真鍮やSUS、アルミニウムなど公知の材料を用いるとよい。
続いて、X線管10で発生させた一次X線Xを分析試料1に対して照射する。具体的には、試料ホルダ20から露出する分析試料1の一部の領域(析出物3の中心部4)に一次X線Xを照射する。この照射により、分析試料1に付着する析出物3に含まれる元素が、それぞれ、固有の蛍光X線Xを発生させる。そして、発生した蛍光X線XをX線検出器30にて検出し、測定対象元素および内標準元素のそれぞれに固有の蛍光X線XのX線強度を測定する。また、これらの強度比を求める。
続いて、予め作成した、測定対象元素および内標準元素についての、濃度比とX線強度比との相関を示す検量線を用いて、求められたX線強度比から、液体試料に含まれる測定対象元素の濃度を定量する。
検量線は、例えば以下のように作成するとよい。具体的には、測定対象元素を所定の濃度で含む溶液と内標準物質とを混合し、測定対象元素と内標準元素とのX線強度比を求めることを、測定対象元素を含む溶液の採取量を変化させて繰り返し行い、各採取量でのX線強度比を求めることにより、測定対象元素と内標準元素についての、濃度比とX線強度比との相関を示す検量線を作成するとよい。
以上により、液体試料における析出物に含まれる測定対象元素の濃度を、内標準元素に基づいて、測定し、液体試料に含まれる測定対象元素の濃度を定量することができる。
<本実施形態に係る効果>
本実施形態によれば、以下に示す1つ又は複数の効果を奏する。
測定対象元素および内標準元素を含む混合溶液を試料保持体(ろ紙)に滴下して乾燥させて得られる析出物では、各元素の塩の水への溶解度の違いなどにより、外縁部ほど各元素の偏析が生じている。具体的には、析出物の外側ほど、各元素を含む塩が偏析しやすく、測定対象元素と内標準元素との比率が変動しやすくなる。例えば、内標準元素を含む塩の溶解度が相対的に高い場合、内標準元素が外縁部で偏析しやすいので、外縁部は中心部よりも内標準元素の比率が高くなる傾向がある。一方、測定対象元素を含む塩の溶解度が相対的に高い場合、測定対象元素が外縁部で偏析しやすいので、外縁部は中心部よりも測定対象元素の比率が高くなる傾向がある。そのため、このような偏析箇所を含むようにXRF測定を行う場合、内標準元素に基づいて測定対象元素の濃度を定量するときに測定精度ばかりか測定の再現性まで低くなってしまう。
この点、本実施形態では、図1および2に示すように、試料保持体2の表面に析出する析出物3のうち外縁部5がマスクされた状態となるように分析試料1を試料ホルダ20に配置したうえで、析出物3の中心部4にX線を照射している。すなわち、偏析の生じやすい外縁部5をマスクして測定領域から除外する一方、偏析の比較的少ない中心部4を測定領域としている。これにより、外縁部5において測定対象元素または内標準元素が偏析している場合であっても、これらの偏析による影響を抑え、測定対象元素の濃度を正確に、かつ再現性よく定量することができる。
また本実施形態では、混合溶液を試料保持体2の縁まで広がるように滴下することで、析出物3を試料保持体2の縁まで全面にわたって析出させている。つまり、析出物3の偏析箇所を試料保持体2の縁側に配置させている。これにより、図2に示すように、試料ホルダ20で分析試料1の縁を保持するときに、試料ホルダ20の支持部22もしくはマスク24で析出物3の外縁部5をマスクすることができる。また一方で、偏析の少ない中心部4の面積を大きく確保することで、測定領域を広げて測定感度を向上させることができ、測定精度を高く維持することができる。
試料保持体2に滴下する混合溶液の滴下量は、試料保持体2の面積1cmあたり150μg以下とすることが好ましい。これにより、分析試料1の析出物3において、測定対象元素や内標準元素の厚さ方向での濃度勾配を低減するとともに、平面方向でも均一に分散させることができる。この結果、定量精度をより高めることができる。
試料保持体2としては、ろ紙を用いることが好ましい。ろ紙によれば、例えばガラスのように、測定対象元素や内標準元素から発生する蛍光X線の検出を阻害しないので、測定対象元素の濃度をより高い精度で定量することができる。
<変形例>
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々に改変することができる。
上述の実施形態では、混合溶液を試料保持体2の縁まで広がるように滴下して塩を析出させる場合を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、混合溶液を縁まで広げずに塩を析出させてもよい。この場合、析出物の外縁部(偏析箇所)が試料保持体の縁から離れるので、幅のより広いマスクを用いて、外縁部をマスクするとよい。
また例えば、混合工程では、重量法を採用して混合溶液を調製するとよい。具体的には、重量として正確に秤量された液体試料に対して、内標準物質を正確に秤量したうえで添加して撹拌することにより、混合するとよい。重量法によれば、混合溶液を形成するまでの過程で、液体重量の秤量操作を行うだけで、液体容量の測定が必要なくなるので、測定精度を高くできるとともに、定量分析に要する時間を短縮することができる。
具体的に説明すると、液体試料の一定容量を分取するような操作では、作業者のプッシュボタン式液体用微量体積計(いわゆる、マイクロピペット)の操作習熟度が未熟な場合には、分取誤差が大きくなり、結果として精確な測定が行えない場合がある。これに対し、液体重量を秤量する操作であれば、たとえ操作習熟度が未熟な場合であっても、誤差が小さく、より厳密な測定操作が容易に可能になる。
しかも、重量法によれば、混合溶液を形成した段階で、液体試料に含まれる測定対象元素と内標準源との比率を、厳密に決定することができる。この結果、混合溶液の一定容量を試料保持体上に滴下する際、未熟な操作習熟度をもって液体容量の測定操作をおこなったとしても、所定元素と内部標準元素との比率自体は保持される。従って、測定精度を低下させることなく、たとえ未熟な操作習熟度であったとしても、液体容量の測定操作方法をもって当該混合溶液を取り扱うことが出来る。
以下、本発明をさらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。
(実施例1)
本実施例では、固体試料である硫酸ニッケル(II)に含まれるNi濃度を定量すべく、硫酸ニッケル(II)を溶解して液体試料を調製し、蛍光X線分析用の分析試料を作製した。
具体的には、まず、予め、硫酸ニッケル(II)を水で溶解して、Ni濃度が50~130g/Lの範囲で一定濃度となるように調製し、液体試料として、硫酸ニッケル(II)溶液を準備した。次に、ポリスチレン製試験管へ、液体試料1mLを、精密天秤を用いて0.1mgの桁まで精確に量り取った。次に、内標準元素としてFeを選択し、ポリスチレン製試験管へ、Fe濃度が40g/Lの内標準物質(硫酸鉄(III)溶液)3mLを、精密天秤を用いて0.1mgの桁まで精確に量り取った。そして、ポリスチレン製試験管を密栓し、攪拌して混合溶液を得た。
調製した混合溶液をマイクロピペットで分取し、外径50mmを有する円形ろ紙(No.5C)の中心部に滴下した。本実施例では、滴下量を180μLとして、混合溶液をろ紙の縁まで広がるように滴下した。滴下して30秒間以上放置した後、混合溶液を含浸させた円形ろ紙を、庫内の温度を50℃に設定した自然対流方式定温乾燥機へ装填し、60分間の加熱を行って乾燥させて、分析試料を得た。得られた分析試料では、塩がろ紙の縁まで析出しており、全面にわたって析出物が析出していた。析出物の面積は1900mmであることが確認された。
続いて、分析試料を試料ホルダ(内径52mmの枠体)内の、マスクが一体的に設けられた支持部(幅7.5mm)に設置した。これにより、析出物の外側から5mmの幅の領域を支持部でマスクし、析出物の外縁部が露出しないようにした。そして、分析試料のX線管と相対しない側に重しとして径50mmを有し40mmの厚みを有するPTFEを載置した。
続いて、分析試料が設置された試料ホルダを、XRF測定装置に装填した。次に、試料ホルダから露出する分析試料に対して、つまり、析出物の中心部に対してX線を照射し、分析試料のNiおよびFeの蛍光X線強度を測定した。そして、NiとFeとのX線強度比を算出し、混合溶液中のNi濃度を定量した。
本実施例では、上述の操作を10回繰り返して行い、10個の分析試料のそれぞれについてNi濃度を測定した。そして、各測定でのNi濃度を比較したところ、測定結果のバラつきが小さく、XRFの繰り返し精度が優れていることが確認された。
(比較例1)
比較例1では、ろ紙に滴下する混合溶液の滴下量を減らして塩の析出する面積を狭めることで分析試料を作製するとともに、析出物の外縁部をマスクせずにX線を照射した以外は、実施例1と同様の手順でNi濃度を求めた。その結果、比較例1では、実施例1と比べてXRFの繰り返し測定で得られるNi濃度が大きくばらつくことが確認された。
実施例1と比較例1との結果の違いについて検討したところ、析出物の外縁部が結果に大きく影響を及ぼすことが確認された。実施例1で作製した分析試料を電子線マイクロアナライザ(EPMA)で測定したところ、図3に示すような面分析結果が得られた。図3は、実施例1で作製した分析試料の、電子線マイクロアナライザによる面分析結果の写真である。
図3に示すように、分析試料の析出物では、内側の中心部ほど、内標準元素を含む塩(硫酸鉄(III))に由来するFeやSが偏析していないことが確認された。一方、析出物の外縁部に向かうほど、FeやSが偏析する傾向が確認された。この偏析箇所は、幅が2mm程度であった。このように、分析試料の析出物では、硫酸鉄(III)に由来するFeおよびSと、測定対象元素を含む塩(硫酸ニッケル(II))に由来するNiおよびSとが、一様に分布していない。なお、このような偏析現象は、比較例1の分析試料でも同様に生じていることが確認された。
実施例1では、分析試料を試料ホルダに載置したときに、析出物における偏析が生じる外縁部を試料ホルダの支持部でマスクすることで、外縁部を測定領域から除外している。これにより、測定で得られるNi濃度を精度よく、かつ再現性高く測定することができる。
これに対して、比較例1では、偏析が生じる外縁部をマスクせずに測定領域に含めている。このため、内標準元素や測定対象元素の偏析による影響を受けやすくなり、測定されるNi濃度が大きくばらついたものと推測される。
以上説明したように、測定対象元素および内標準元素を含む混合溶液を乾燥させて得られる析出物について、外縁部をマスクしてXRF測定を行うことにより、測定対象元素を精度よく、かつ再現性高く定量することができる。
1:分析試料
2:試料保持体
3:析出物
4:中心部
5:外縁部
10:X線管
20:試料ホルダ
21:枠体
22:支持部
23:穴部
24:マスク
25:マスク穴部
28:重し
30:X線検出器
X1:一次X線
X2:蛍光X線

Claims (5)

  1. 液体試料に含まれる所定元素の濃度を定量する定量方法であって、
    測定対象元素を含む液体試料に、内標準元素を含む内標準物質を添加して混合することで、混合溶液を形成する混合工程と、
    前記混合溶液を試料保持体に滴下する滴下工程と、
    前記試料保持体に滴下した前記混合溶液を乾燥させ、前記測定対象元素を含む塩と前記内標準元素を含む塩とを析出させることにより、これらの塩を含む析出物が前記試料保持体に保持された分析試料を形成する乾燥工程と、
    前記分析試料における前記析出物にX線を照射し、前記測定対象元素および前記内標準元素のそれぞれのX線強度を測定し、その強度比から、前記測定対象元素の濃度を定量する定量工程と、を有し、
    前記滴下工程では、前記混合溶液を前記試料保持体の縁まで広がるように滴下し、
    前記乾燥工程では、前記析出物が前記試料保持体の前記縁まで広がって付着し、前記塩の偏析箇所が外縁部に配置された前記分析試料を形成し、
    前記定量工程では、前記分析試料の前記外縁部をマスクし、前記分析試料の内側の中心部に付着する前記析出物にX線を照射する、
    液体試料の定量方法。
  2. 前記定量工程では、試料ホルダにより前記析出物の前記外縁部をマスクしつつ前記中心部を露出させるように前記分析試料を保持する、
    請求項に記載の液体試料の定量方法。
  3. 前記液体試料が硫酸イオンを含み、
    前記乾燥工程で析出させる各塩が硫酸塩である、
    請求項1又は2に記載の液体試料の定量方法。
  4. 前記滴下工程では、前記混合溶液の滴下量を、前記試料保持体の面積1cm あたり150μg以下とする、
    請求項1~3のいずれか1項に記載の液体試料の定量方法。
  5. 前記試料保持体がろ紙である、
    請求項1~4のいずれか1項に記載の液体試料の定量方法。
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