JP7490547B2 - 磁場調整システム、磁場調整方法、及び、粒子線治療システム - Google Patents

磁場調整システム、磁場調整方法、及び、粒子線治療システム Download PDF

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Description

本発明は、電流により静磁場を発生させる電磁石装置に関し、電磁石装置が発生する静磁場を所望の磁場に調整するための磁場調整システムに関する。
静磁場を発生する電磁石装置は、粒子線治療システムの粒子線加速器や磁気共鳴撮像装置等に用いられており、その適用においては広範囲にわたり高強度な均一磁場を得ることが要求される。電流により発生させる静磁場は、電流が流れるコイルからの位置や周囲に存在する部材に発生する渦電流の影響などによって磁場の均一性を高精度に保つことが難しい。そのため、従来、磁性材料からなる小さな部材(磁性材料片)を静磁場空間の近傍に多数配置し、これを付加・除去することにより、磁場を調整している。
例えば、特許文献1に記載された磁場調整機構では、静磁場方向と直交する面内に、磁性材料片として無数の螺子部材を配置可能にし、任意の位置に螺子部材を付加或いは除去することにより静磁場の誤差成分を矯正し、高強度の均一磁場を得るようにしている。
特開2011-240182号公報
しかし、特許文献1などの従来法による磁場調整では、静磁場空間の近傍に磁性材料片を付加したりそれを除去したりするため、安全性の観点から磁性材料片の付加・除去時には、高強度の磁場を消磁し、測定時に再度、励磁する必要がある。また、静磁場空間が電磁石装置内に密閉される構造の電磁石を調整対象とする場合は、磁性材料片の付加・除去の度に電磁石装置の分解・再組立てが必要である。電磁石装置の分解・再組立て時には、磁極、継鉄、コイルの位置関係がずれる可能性がある。通常、目的とする均一度を達成するまで、磁性材料片の配置(付加または除去)と磁場測定とを繰り返す必要があるが、速やかに磁場調整を収束させるためには、電磁石の分解・再組立てに伴う誤差混入がないことが望ましい。
本発明の目的は、磁場の調整において、電磁石装置の分解・再組立て、消磁・再励磁の工程を省略可能にすること、これにより迅速な磁場の調整を可能にする磁場調整システムを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明では、磁場調整用の磁性材料片を付加したり除去したりするのではなく、静磁場を調整すべき領域(以下、関心領域という)に対する距離を調整することによって磁場調整を行う。このため、関心領域の近傍に予め、磁場調整用の磁性材料片と磁性材料片の設置位置を調節する機構を配置し、磁性材料片の設置位置と関心領域との距離を調整することによって、関心領域の磁場調整を達成する。
即ち、本発明の磁場調整システムは、電磁石装置により静磁場が発生している空間の磁場を調整する磁場調整システムであって、前記空間に配置された複数の磁性材料片と、前記電磁石装置の磁石との間で、前記複数の磁性材料片の各々を支持する支持機構と、前記複数の補正鉄を静磁場の方向に沿って移動する位置調整機構とを備えたことを特徴とする。
また本発明の磁場調整方法は、電磁石装置の内部に配置された複数の磁場調整用の磁性材料片の位置を調整し、前記電磁石装置の内部に生成する磁場分布を調整する方法であって、前記電磁石装置が発生する磁場を計測するステップ1と、計測した磁場に基づいて、前記磁場と平行な方向の前記磁性材料片の移動量を算出するステップ2と、算出した移動量に従って前記磁性材料片を移動するステップ3と、前記磁性材料片を移動した後に磁場を再計測するステップ4と、を含み、再計測した磁場が所定の磁場分布となるまで、前記ステップ1からステップ4を繰り返すことを特徴とする。
さらに本発明の粒子線治療システムは、イオン発生源及び電磁石を備え、前記イオン発生源が発生するイオンを加速する加速器と、加速されたイオンビームを照射する照射装置と、を備え、前記電磁石が、上述の磁場調整システムを備えることを特徴とする。
本発明は、磁性材料片を空間内で移動する機構を設けることで磁場を調整する。これにより、磁性材料片を静磁場空間から出し入れする必要がなく、磁場調整時の電磁石装置の分解・再組立て作業及び消磁・再励磁の工程を不要にすることができる。結果として、電磁石装置の分解・再組立て時に起因する磁極、継鉄、コイルの位置ずれが生じないため、位置ずれに起因する誤差磁場が混入させず、磁場調整を高精度化できる。さらに誤差磁場の混入抑止により、磁場調整に必要な磁性材料片移動量の収束性を向上し、磁場調整と磁場測定の反復回数を削減できる。また、電磁石装置の分解・再組立て、消磁・再励磁に要する時間を短縮でき、磁場調整を高速化できる。また、従来、人手が必要であった、磁場の消磁・再励磁、分解・再組立て工程を削減することにより、磁場調整の全自動化が可能となる。
本発明の実施形態に係る磁場調整システムの補正鉄支持機構と電磁石装置の位置関係を示す概略側面図。 図1の磁場中央平面から見た電磁石装置における補正鉄の配置を示す図。 実施形態1の補正鉄の支持機構の概略側面図。 実施形態1の位置調整機構の概略側面図。 磁場中央平面側から見た水平移動機構の平面図で、左図は水平移動機構のみを示す図、右図は電磁石装置に水平移動機構を組み込んだ状態を示す図。 実施形態1の磁場測定系を含む位置調整機構の概略側面図。 実施形態2の磁場調整システムの機能ブロック図。 実施形態2の磁場調整システムの制御フローチャート。 補正鉄の位置調整量を計算するアルゴリズム。 実施形態3の補正鉄位置調整機構の概略側面図。 実施形態4の補正鉄位置調整機構の概略側面図。 粒子線治療システムの概略を示す図。
以下、本発明の磁場調整システムと磁場調整方法の実施形態について図面を用いて説明する。
<実施形態1>
最初に、本発明の磁場調整システムが適用される電磁石装置の全体構成を説明する。
磁場調整システムが適用される電磁石装置10の一例としてH型電磁石を用いた電磁石装置を図1に示す。この電磁石装置10は、図1に示すように、所定の間隔をもって配置される上下一対のコイル14と、コイル14を収納するコイルケース15と、コイル14を取り囲むように配置される継鉄13と、を備えている。コイル14で囲まれる継鉄の部分に電磁石磁極12(以下、単に磁極という)が固定されている。磁極12は、上下のコイル間の空間に面し、空間に対し凹んだ凹部が形成されている。上下の磁極に挟まれた空間を、以下、磁極間ギャップ(あるいは単にギャップ)という。
上記構成において、コイル14は電磁石装置100の中心軸Cまわりの電流を流し、それによって磁極12の上下間に電磁石中心軸C方向の磁場が誘導される。誘導する磁場分布はコイル電流、電磁石磁極12の形状、継鉄13の形状によって変化するが、コイル14によって形成される空間の中心領域が最も磁場強度が高く、種々の電磁石装置100の用途において利用される領域となる。本実施形態の磁場調整システムでは、この領域を関心領域Rとして上述した種々の原因で変化しうる磁場分布を均一にするための調整を行う。
本実施形態の電磁石装置では、関心領域Rに所望の磁場分布を発生させるため、図1に示すように、H型電磁石の上下の磁極12の間の空間(磁極間ギャップ)に磁性材料片32を配置するための支持機構(以下、単に支持機構という)30を設ける。支持機構30は、中心軸C方向に垂直な面である中央平面Pに関して、面対称となるように設置されている。本実施形態では、上下の対応する位置に配置された磁性材料片32を対として、中央平面Pに対して対称的に、垂直方向に移動させて関心領域との距離を変化させることにより、関心領域の磁場強度分布を調整する。
磁性材料片32としては、例えば鉄片(補正鉄)が用いられる。以下、磁性材料片が補正鉄であるとして説明する。補正鉄32は、電磁石装置の磁極12、継鉄13、コイル14がつくる磁場によって磁化する。補正鉄32は強磁性材料である純鉄を使用することが好ましい。これにより、磁化された補正鉄32が関心領域Rに作る磁場強度を極力大きくし、磁場調整範囲を広く設定することができる。補正鉄32は、図2に示すように、磁極間ギャップに、ほぼ均等に多数配置されており、支持機構30によってギャップ内に支持され、且つ後述の移動機構によりギャップ内で磁場方向と同じ方向に移動することができる。
上下の支持機構30は、それぞれ、補正鉄を支持する支持基盤31と、補正鉄32を支持する支持棒33と、補正鉄32の落下止め34(下側の支持機構30については、補正鉄32の上側への移動を制限する部材として機能する)とを有する。
支持基盤31は、SUSもしくはCFRP(炭素繊維強化プラスチック)等の非磁性材料製の固定具16を介して、電磁石磁極12に固定されている。
以下、図3を参照して、支持機構30の詳細を説明する。図3では、説明を簡単にするために、上側の支持機構30の一部のみを示す。
支持棒33は、図3に示すように、その軸方向が、電磁石装置中心軸C方向に平行となる向きに、支持基盤31に固定されている。固定方法は特に限定されないが、スポット溶接(SUS)、はめ合わせもしくは接着剤(CFRP)等による。支持棒33は、補正鉄32が支持棒33に沿って移動し、任意の場所で固定できるように、周囲にねじ溝が切られている。補正鉄32は、支持棒33が貫通する穴が中央に形成され、その穴に面した内周面に、支持棒33のねじ溝に螺合するねじ溝が形成されている。また補正鉄32の外周には、後述する位置調整機構と係合する形状が形成されている。位置調整機構により、補正鉄32にトルクを与えて、支持棒33に対して回転させることで、補正鉄32は、支持棒33のねじ溝に沿って移動し、これにより、補正鉄32の空間位置(中心軸C方向の位置)を調整することができる。なお、補正鉄32が調整後に微小な振動で位置変更されることを防止し、位置調整の分解能を向上するために、ねじ溝は細目ねじ溝とすることが好ましい。補正鉄32は支持棒33のねじ溝が切ってある範囲内で位置調節可能とする。
支持棒33は、支持基盤31と同様に、SUSやCFRP等の、電磁力で変形しない十分な厚さ・強度の非磁性材料とする。非磁性材料とすることで、支持基盤31及び支持棒33が関心領域Rにつくる磁場は、補正鉄32が関心領域Rにつくる磁場に対して十分に小さく、無視できるものとすることができる。
落下止め34は、位置調節時に補正鉄32が支持棒33から外れるのを防止する部材であり、支持棒33の下端(下側の支持棒33にあっては上端)に固定されている。支持機構30の組み立てに際しては、前述の補正鉄32、支持棒33、落下止め34を組み合わせた補正鉄機構ユニットを、関心領域Rの磁場調整分解能に応じて、複数用意し、支持基盤31に固定する。これにより磁場調整分解能に応じて関心領域Rの磁場強度分布を変更することできる。
次に補正鉄32を磁極間ギャップ内で移動させるための機構(位置調整機構)20について、図4を参照して説明する。図4は、本実施形態の位置調整機構の側面概略図を示し、ここでも支持機構は一部のみを示している。
位置調整機構20は、大きく分けて、上述した補正鉄32にトルクを与え、補正鉄32を回転させるための回転機構と、回転機構を所望の補正鉄に位置づけるための移動機構(水平移動機構)とを備える。
水平移動機構は、中央面Pに対し平行に敷設され、電磁石中心軸Cを中心として、回転可能なレール21と、レール21に沿って移動可能なステージ22と、を含む。レール21を回転させるための機構の一例を図5に示す。この例では、レール21は、図5に示すように、リング状の回転用ガイド201の2か所で、レール回転駆動部(超音波モータを含む)27に支持されており、超音波モータが駆動することで、回転用ガイド201で囲まれる領域内を回転用ガイド201と平行な面内で回転する。回転用ガイド201は、ステージ22の可動範囲が、関心領域Rと同じかそれより広くなるようにするため、支持基盤31よりも直径が大きく、磁極間ギャップの中央平面P近傍であって、支持基盤31が固定された位置よりも外側に配置される。回転用ガイド201は、例えば、磁極12に支持基盤31を固定する非磁性材料の固定具16と同様の固定具16で固定される。
レール21には、ステージ22をレール21上で移動させるための機構として、ラックアンドピニオン(ボールねじ機構)等の駆動機構(ギアボックス)28とその動力源となる超音波モータ29が備えられている。超音波モータ29が作動することで、ピニオンの回転がラックの直進運動に変換されて、レール21がその軸方向に移動し、レール21に固定されたステージ22の位置を調整する。
レール21、ステージ22、及びそれらを駆動するための部材は、測定磁場に影響を与えないため、また、たわみを生じさせないために、非磁性かつ曲げ強さが大きいSUSやCFRPで構成することが好ましい。特に、磁場印加中にステージ22及びレール21を稼働する際、渦電流が発生する可能性があることを考慮すると、導電率の低いCFRPが望ましい。
再度、図4を参照して、補正鉄32の位置調整機構の詳細をさらに説明する。ステージ22は、ボールねじ機構によりレール21に連結されている。レール21の回転範囲、及び、ステージ22の可動範囲は、ギャップ間に配置したすべての補正鉄32の位置調整が可能となるように設定されている。
ステージ22は、ステージ22がレール21上を移動するための動力源として、超音波モータ23を備える。超音波モータ23は、また、補正鉄32に対しトルクを与える回転機構としても作用する。超音波モータ23は非磁性材料から構成されているので、測定磁場に影響を与えず、強磁場環境下でも動作が可能である。ステージ22はレール21、超音波モータ23と組み合わせて、任意の補正鉄32の近傍に移動することができる。
なおステージ22の駆動力源として、超音波モータを用いずに、調整したい電磁石から十分離れた領域で電気モータを動作させ、動力伝達用のシャフトを用いることで、ステージ近傍まで駆動力を伝達することも考えられる。但し、この場合、強磁場環境下で導電材料を運動させることにより、渦電流が生じることを防ぐために、強度が高い非磁性材料であって、導電率が低いCFRPを用いることが望ましい。
さらにステージ22には、補正鉄32にトルクを与えられるための機構(回転機構)として、補正鉄把持機構25(以下、単に把持機構という)と、把持機構25を支持するシャフト24が備えられている。シャフト24は、把持機構25をその軸に沿って上下移動させるとともに、超音波モータ23が生成するトルクを、把持機構25を介して、補正鉄32に伝達する。把持機構25は、補正鉄32の外周面と係合する形状を持ち、これによって補正鉄32を把持し、超音波モータ23からシャフト24を介して把持機構25に発生したトルクを補正鉄32に与えることができる。係合構造は、例えば、補正鉄32を多角形(例えば六角形)の形状とし、把持機構25を断面が多角形(例えば六角形)の筒状の部材とし、把持機構25の筒内に補正鉄32を嵌合させることで、把持機構25に生じた回転を補正鉄32に伝達することができ、補正鉄32を支持棒33に対し移動させることができる。
補正鉄32の回転に従って、補正鉄32は支持棒33に沿って、電磁石中心軸C方向に移動し、関心領域Rとの距離を変化させる。補正鉄32が関心領域Rにつくる磁場強度は、両者の距離によって増減するため、補正鉄32の位置変更により、補正鉄32近傍の磁場強度分布を調整することができる。
このような調整を支持基盤31に備え付けた全ての補正鉄機構ユニットで実施することにより、関心領域Rの磁場強度分布を任意の分布へと調整する。
なお図4では、関心領域Rの片側(上側)に配置された補正鉄の位置調整機構を示しているが、下側に配置された補正鉄の位置調整についても、図4の機構を上下反転させた同様の機構を設けて行ってもよいし、レール21だけを反転させて、上側と同様に行ってもよい。前者の場合には、レール21は上下で1本のレールを共有してもよい。それにより、調面対称に置かれた補正鉄位置を同時に同量(向きは逆で)移動させることができ、位置調整のための水平移動の回数を低減でき、また位置調整機構の構成を簡単にすることができる。
磁場分布の調整は、基本的には、電磁石装置100が発生する磁場の強度分布(磁場分布)を計測し(ステップ1)、計測した磁場に基づいて、磁場と平行な方向の補正鉄の移動量を算出し(ステップ2)、算出した移動量に従って補正鉄を移動し(ステップ3)、補正鉄を移動した後に磁場を再計測する(ステップ4)。再計測した磁場が所定の磁場分布となるまで、ステップ1からステップ4を繰り返す。
ステップ1における磁場の計測は、磁場測定器を測定すべき空間(ここでは関心領域R)に挿入し、複数の位置で検出することにより行う。磁場測定器としては、例えば、1ないし複数の磁気センサを搭載した磁気センサプローブを用いることができる。磁場測定の高速化、及び、信頼性の向上のために、磁気センサプローブは、磁気センサアレイを構成する複数の磁気センサを搭載していることが好ましい。
磁気センサとしては、直流磁場を高精度に測定するために、核磁気共鳴(NMR)素子センサにより絶対値構成した3軸ホールセンサを用いることが好ましい。関心領域Rが電磁石中央平面Pである場合、3軸ホールセンサのうち、1軸成分は電磁石中心軸C方向とし、磁場強度分布の測定用として用いる。残り2成分は、磁気センサの位置調整のために用いる。このため磁気センサプローブには、磁気センサの位置を調整する機構が備えられているものを用いる。電磁石中央平面Pに関して対称な主電磁石であれば、電磁石中央平面P内の成分はゼロとなるはずである。これを利用し、残り2成分の測定値から、磁気センサの位置ずれに起因する誤差を補正する。すなわち、中心軸C方向と直交する2成分がゼロとなるように磁気センサの位置ずれを補正する。
磁気センサプローブ(磁場測定器)を空間内で移動させる機構は、上述した磁場調整システムの補正鉄支持機構や位置調整機構とは独立した機構でもよいが、上述した位置調整機構の水平移動機構を利用することが好ましい。磁気センサ41を搭載した磁気センサプローブ42を用い、水平移動機構のステージ22に搭載した構成の一例を図6に示す。この例では、磁気センサプローブ42は、ステージ22の端部に固定されており、レール21の回転とステージ22のレール21に沿った移動に伴い、関心領域Rの任意の位置に移動させることができる。
本実施形態によれば、電磁石装置10内に、複数の補正鉄をそれぞれ支持する機構を設けるとともに、電磁石装置内で、支持機構に支持されている補正鉄の磁場中心軸方向の位置を調整する位置調整機構を設けて、補正鉄の削除や追加ではなく、磁場中心軸方向の位置を調整可能にしたことにより、磁場の調整において電磁石装置の分解再組立てを不要とし、調整の収束性を改善することができる。
また本実施形態は、補正鉄の位置調整機構を電磁石装置外から制御することが可能となり、磁場調整の自動化を実現できる。
<実施形態2>
本実施形態の磁場調整システムは、磁場強度分布を自動的に行う機能を備えていることが特徴である。補正鉄の支持機構及び位置調整機構は、上述した実施形態1の構成に限らないが、ここでは実施形態1の構成を例に、本実施形態の磁場調整システムを説明する。
図7は、磁場調整を自動的に行うための制御器50を備えた磁場調整システム100の概要を示す機能ブロック図である。図示するように、この磁場調整システム100は、上述した補正鉄を調整するための機構(支持機構及び位置調整機構)と制御器50とを備えている。さらに関心領域R内の磁場を測定する磁気センサなどの磁場測定器40を備えていてもよい。磁場測定器40は、磁場調整システムとは独立した装置としてもよいが、電磁石装置10によって形成される内部空間(磁極間ギャップ)が密閉された空間や真空に保たれた空間である場合には、制御器50が磁場測定器40の制御も行うために、磁場測定の制御を行う磁場調整システム100に予め組み込まれていることが望ましい。
制御器50は、磁場測定器40からの測定結果を入力し、それをもとに補正鉄32の移動量を算出し、その移動量に基づいて超音波モータ23等の位置調整機構の駆動系に制御信号を送り、補正鉄32の位置を調整する。磁場測定と補正鉄位置の調整とを複数回繰り返し、磁場分布が所定の誤差範囲内に収束したならば、調整を終了する。このような機能を実現する制御器50としては、CPUとメモリを備えた汎用の計算機やワークステーションを用いることができる。
制御器50は、図7に示すように、補正鉄の位置調整機構20の動作を制御する機構制御部51、磁気センサ41の位置調整や測定を制御する磁気センサ制御部52、補正鉄の位置調整量を算出する移動量算出部53、及び記憶部(メモリを含む)54を備えている。制御部50の各部の機能は、記憶部54に格納された制御用或いは計算用のプログラムをCPUが読みこむことで実現される。また制御部50の機能の一部或いは全部は、ASICやFPGA等のハードウェアで実現することも可能である。制御器50が計算機等で構成される場合には、必要に応じて、ユーザーが条件等を入力したり、制御器50からの出力を提示したりするユーザーインターフェイスUI部55を備えていてもよい。
以下、制御器50が行う移動量算出及び制御の詳細を説明する。
図8に、磁場調整の制御フローチャートを示す。磁場調整は、上述したように、磁場測定と補正鉄32の位置調整を反復することで実施する。まず、磁場を測定する前に、磁気センサ制御部52が、設定した磁場測定点に磁気センサ41のセンサヘッド位置を合わせるステージ位置合わせを実施する(S801)。まずレール回転駆動部27によりレール21を所定の角度にセットした後、レール21に沿ってセンサヘッドを移動する。センサヘッド位置は、ステージ22を駆動する超音波モータ29に搭載したロータリエンコーダにより、超音波モータ29の回転数を監視することで把握することができる。具体的には、制御器50は、超音波モータ29の回転数と、ギアボックスのギア比、及び、ステージ22をレール21上で移動させるボールねじのピッチから、レール21上でステージ22が移動した距離を換算する。各磁気センサ41のステージ中心からのセンサヘッド相対位置は予め計測しておくことで分かっているので、ステージ22の移動位置から、電磁石装置に対する磁気センサ41(センサヘッド)の絶対位置を把握することができる。
次に、設定した磁場測定点において、各磁気センサ41の測定磁場のデータ取り込みを開始し、磁場強度を測定する(S802)。磁場は静磁場であるが、磁気センサ41に用いるホールセンサの温度ドリフトを取り除くため、数秒~数10秒間データを取得し、平均化処理することにより、測定点での磁場強度を決定する。この磁場測定の工程を設定した全ての磁場測定点において実施することで、関心領域Rの磁場強度分布を作成する。
次に、得られた磁場強度分布を目標とする磁場強度分布と比較する(S803)。具体的には、例えば、目標とする磁場強度分布と測定磁場分布の各磁場測定点での差分を計算し、差分の絶対値の最大値、差分の平均値、差分の誤差二乗平均値(RMSE)を計算する。これら算出量のうち、全ての項目で、設定した基準値以下であれば、磁場調整を終了する。
基準値以上であれば、補正鉄32の位置を調整することにより、磁場強度分布を調整する。磁場強度分布は次の手順で調整する。まず、移動量算出部53が、目標とする磁場強度分布と測定した磁場強度分布の差分を計算し、この差分を打ち消すために必要な補正鉄位置の修正量(位置調整量)を算出する(S804)。この補正鉄32の位置調整量の算出アルゴリズムについては、後述する。
算出した補正鉄位置の修正量データをもとに、機構制御部51が補正鉄32の位置調整を実施する。このため、まず調整すべき補正鉄位置の近傍へとステージ22を移動する(S805)。レール21の所定角度における測定が終了していなければ、その角度において、超音波モータ29によるステージ22の移動を行い、所定角度の測定が終了していれば、超音波モータ28によりレール21の角度を異ならせ、その角度でステージ22を移動する。ステージ22の移動は、磁場測定時のステージの移動と同様であり、超音波モータ29に搭載したロータリエンコーダによって測定される超音波モータ29の回転量を、ギアボックス28のギア比とボールねじのピッチを用いて、ステージ22の電磁石装置に対する相対位置を取得する。制御器50は、このステージ22の位置と、予め測定しておいた把持機構25のステージ中心位置からの相対距離を用いて換算することにより、把持機構25の位置を監視する。把持機構25の位置を調整の最適位置へ調整した後、超音波モータ23によるトルクを補正鉄32へ伝達し、補正鉄32を回転させて支持棒33に沿って移動させることで、電磁石中心軸C方向へ移動させる。この際、制御器50は、支持棒33に切ってあるねじ溝のピッチと、超音波モータ23におけるロータリエンコーダで取得する回転数を用いて、補正鉄32の移動量を算出し、定置制御することにより、補正鉄32を目標位置へと移動させる(S806)。
ステップS805及びS806を全ての補正鉄機構ユニットに対して、実施する。全ての補正鉄32の位置調整後、再度、ステップS801に戻り、磁場測定を実施し、関心領域Rの磁場強度分布を更新する。更新した磁場強度分と目標磁場分布との比較(S803)を繰り返す。以上の磁場測定(S801,S802)、比較(S803)、補正鉄位置調整の工程(S804~S806)を反復し、目標磁場分布へ収束するまで、反復を繰り返す。
目標値へ収束させる際、修正量をそのまま反映すると、1ステップ毎に行き過ぎ量が生じ、目標値付近で振動し、収束に多くの反復回数を必要とすることが起こり得る。このような調整時の振動的な挙動を抑制するために、補正鉄32の位置調整量に0.5程度の緩和係数を乗じることが好ましい。これにより、収束性を改善することができる。
次にステップS804における位置調整量の算出アルゴリズムを説明する。位置調整量の算出のためのフローチャートを図9に示す。
本実施形態では、前提として、全補正鉄が電磁石装置の生成する磁場によって磁化飽和しており、磁化方向は電磁石装置が磁極ギャップ間につくる磁場方向(電磁石中心軸C方向)であることを仮定し、位置調整量を算出する。飽和磁化がつくる磁場強度の計算式として、磁気モーメントがつくる磁場の式を用いる。
まず、関心領域Rに生成したい磁場分布を目標磁場、測定によって得られた磁場分布を評価磁場とし、両者の差分を計算し、それを評価する(S901)。具体的には、両者の差分から、差分の絶対値の最大値、差分の平均値、差分の誤差二乗平均値(RMSE)を計算する。これら3つの量を、収束条件として予め設定した基準値と比較する(S902)。全ての項目で基準値を下回っていた場合、評価磁場と目標磁場は十分に一致した分布であるとみなし、位置調整量はゼロであるとして、算出を終了する。
いずれかの項目で基準値以上であった場合、位置調整量の計算に移行する。このため、まず、補正鉄iについて、現在の補正鉄位置hにおいて、磁場測定点jに補正鉄iがつくる磁場強度Bi(h,j)、現在の補正鉄位置から微小距離だけずらした位置で、磁場測定点jに補正鉄iがつくる磁場強度Bi(h+Δ,j)、の2つの磁場強度を計算する。磁場強度Bi(h+Δ,j)からの磁場強度Bi(h,j)を減算すると、補正鉄iを微小距離ずらした場合の磁場強度変化が得られる。
[数1]
Δbi=Bi(h+Δ,j)-Bi(h,j)
この磁場強度変化の値を、補正鉄iについて全ての磁場測定点(j=1~M)について計算する。全ての補正鉄i(i=1~N)について同様の計算を行う(S903)。
ステップS903により、各補正鉄を単位微小距離ずらした際の、各磁場測定点に対する磁場強度変化が得られる。全ての補正鉄について得られた磁場強度変化はM×N行の行列Aであり、応答行列と呼ぶ。この応答行列を制御部50内の記憶部54に格納する(S904)。
補正鉄の微小距離移動による磁場変化が線形であることを仮定すれば、この応答行列A、補正鉄の移動量Δz、測定点の磁場強度変化量Δbとしたとき、磁場変化は、AΔz=Δb と記述できる。移動量算出部52は、この連立方程式の逆問題として、各測定点で生じるべき磁場強度の変化量Δbと応答行列Aを用いて、各補正鉄の移動量Δzを算出する(S905)。
この逆問題の算出において、簡単な例:M=N(正方行列かつ正則行列)の場合には、式(2-1)により、逆行列をかけて移動量を算出することができる。M≠Nの場合には、一般に解が一つに定まらないが、解のうち、最小二乗解を求めるには、行列AのMoore-Penroseの一般化逆行列Aを用いた式(2-2)により、算出できる。
[数2]
Δz=A-1Δb (2-1)
Δz=AΔb (2-2)
また、M×N行列の逆問題の解析手法として打切り特異値分解法を用いてもよい。特異値分解法は、応答行列Aを特異値分解し、基準値よりも絶対値が大きい特異値のみを用いて、逆行列を求め、逆問題を解く手法である。その場合は、Aの特異値分解を、式(3)を用いて式(4)として一般化逆行列Aを得る。
Figure 0007490547000001
式(3)中、Uはm行m列のユニタリ行列、VT はn行n列のユニタリ行列Vの転置行列を表す。
Figure 0007490547000002
式(4)中、Σ+は対角行列Σの各対角成分に対して、逆数をとったもの。
打ち切り特異値分解では、Σの各対角成分のうち、絶対値がある閾値以上の値のみを用いることで、逆数計算(式(2-2))の際に左辺Δbの変化に対して安定して解を求めることができる。これにより、各補正鉄の移動量が算出できる。
次に、算出した移動量だけ移動した補正鉄がつくる磁場を計算する(S906)。
位置r’に存在する飽和磁化の磁気モーメントが位置rにつくる磁場Bは次式(5)で表される。
Figure 0007490547000003
(式中、μは透磁率、Mは飽和磁化の磁気モーメント、r’は補正鉄が存在する位置を表し、dr’はその微小量である。)
補正鉄iが、移動した位置から各測定点に対して生成する磁場強度を計算し、これを全ての補正鉄について足し合わせる。算出した補正鉄移動後の磁場強度分布を評価磁場として更新し、更新した評価磁場を用いて、再度、目標磁場と評価磁場の比較(S902)を実施し、基準値を満たしていなければ再度移動量を計算する(S905~S906)。これらステップS901~S906を反復することにより、基準値を満たす移動量を算出する。この反復においても、収束性を改善するために、算出した移動量に0.5程度の緩和係数を乗じた値を補正鉄の移動量として用いる。
以上のステップS901~S906により図8のステップS804が終了する。
本実施形態によれば、制御部50が、補正鉄の位置調整量の算出やそれに従った位置調整機構の制御を行うことで、磁場調整を自動的に行うことができる。但し、本実施形態において制御部50が行うとした機能の一部を、制御部50とは別の機構のコントロラーを介してマニュアルで行ったり、別の計算機で計算したりすることで、半自動化することも可能であり、そのような磁場調整システムも本発明に包含される。
次に、補正鉄の支持機構及び位置調整機構が実施形態1とは異なる磁場調整システムの実施形態を説明する。
<実施形態3>
本実施形態は、補正鉄の支持機構として、ジャッキ機構を用い、その先端部に磁性材料を固定した機構を採用する。以下、図10を参照して、本実施形態の磁場調整システムの補正鉄支持機構及び位置調整機構を説明する。なお電磁石装置10が発生する磁場と直交する方向の補正鉄の配置は、図2に示した実施形態1の配置と同様である。本実施形態でも図10では電磁石装置10の磁場中央平面Pから片側(上側)のみを示しているが、補正鉄の配置は下側についても同様であり、中央平面Pを対象に上下に配置されている。
図10に示すように、本実施形態の支持機構(ジャッキ機構)60は、パンタグラフジャッキ、もしくは、ラボジャッキ等の、複数の支持筐体62と、複数の支持筐体を連結するねじ棒61とを有する。ねじ棒61は、非磁性材料の丸棒で形成されており、端部を残してねじ溝が切られている。支持筐体62は、非磁性材料の複数本のアーム62a,62bを交差させ、アームの各端部において、ねじ止め65した構造を有する。接続するアーム間は、摩擦なく滑らかに回転できるようにする。図に示す例では、上側のアーム62が、支持基盤31に回転可能に固定され、下側の2本のアーム62を連結する部材67に補正鉄32が固定されている。
支持筐体62のアーム連結部のうち、1箇所にねじ棒61が滑らかに回転できる軸受け63を設け、軸受け63と同軸の延長線上の1箇所にねじ棒61に嵌合する雌ねじ穴66を設ける。これら二箇所でねじ棒61とアーム62a,62bからなる支持筐体62が接続され、ねじ棒61を回転させることで、軸受け63と雌ねじ穴66間の距離が変化する。支持筐体62のアームの長さは一定であるため、軸受け63と雌ねじ穴66間の距離が変化するに伴い、アームと水平面がなす角度が変化し、垂直方向に伸縮する。すなわち支持筐体62は、ねじ棒61の回転に従い、図10の左側の状態から右側の状態、或いはその逆に変化し、これにより先端に固定された補正鉄の関心領域Rからの距離を変化させることができる。
なお図10では、支持筐体62は2本のアームで構成された左右一対のものが示されているが、アームの数や支持筐体62の数は、それぞれ図示するものに限定されず、3以上でもよい。
位置調整機構は、ねじ棒61を回転させることによって補正鉄32の位置を変化させる機構であり、ねじ棒61を回転させる機構であれば特に限定されないが、図10に示す例では、多関節ロボットアーム70を用いている。
多関節ロボットアーム70は、レール21に沿って移動可能なステージ22に、上下動可能なシャフト24を介して固定されている。レール21、ステージ22及びシャフト24の構成は、実施形態1(図5)と同様であり、レール21を回転させるとともにステージ22をレール21上で移動させることにより、関心領域Rに面した所望の位置、調整が必要な全補正鉄32の近傍に、ステージ22を位置づけることができ、またシャフト24の上下機構によってシャフト24に搭載された多関節ロボットアーム70を任意の補正鉄支持機構(ジャッキ機構)に位置づけることができる。またステージ22に磁気センサ41を搭載した磁気センサプローブ42を搭載してもよいことは実施形態1と同様であり、レール21とステージ22からなる移動機構を上下に配置する或いは磁場調整時に一つの機構を上下反転させてもよいことは実施形態1と同様である。
多関節ロボットアーム70は、複数(この例では3つ)のアーム71と、アーム間を連結する複数の関節73と、先端のアーム71に接続された把持部75とを備え、さらにシャフト24の上端に、多関節ロボットアーム70を駆動する駆動部77が固定されている。
把持部75によりねじ棒61を回転するため、把持部75先端の形状は、例えば、六角ナットドライバーのような形状になっており、一方、把持部75で把持されるねじ棒61の端部64は断面が六角形のねじ頭構造を持ち、把持部75の六角ナットドライバーをねじ棒61に嵌合させて、把持部75を回転させることでねじ棒61を回転させることができる。把持部75の回転は、多関節ロボットアーム70の各関節73の角度を調節することにより実現できる。各関節73の駆動は、磁場環境下でも動作可能な超音波モータにより行うことができ、各超音波モータの回転数をロータリエンコーダにより監視する。ロータリエンコーダの情報は、データバスを介して、多関節ロボットアームの駆動を制御する制御器に送信され、ロボットアーム70の先端(把持部75)の位置の制御及び把持部75の回転を行うことができる。
なお多関節ロボットアーム70の駆動力源として、超音波モータを用いるのではなく、調整したい電磁石から十分離れた領域で電気モータを動作させ、動力伝達用のシャフトを用いることで、ステージ近傍まで駆動力を伝達してもよい。但し、この場合、強磁場環境下で導電材料を運動させることにより、渦電流が生じるのを防止するために、強度が高い非磁性材料であって、導電率が低いCFRPを用いることが望ましい。
本実施形態においても、磁場調整方法は図8に示したフローと同様であり、磁場測定(S802)と、その結果(S803:目標磁場との比較結果)に基づいて補正鉄の移動(S804~S806)、ここでは多関節ロボットアーム70の水平方向の移動と対象補正鉄位置への位置付け及び多関節ロボットアームの関節の駆動と、磁場再測定(S801、S802)とを、所望の磁場分布となるまで繰り返す。
この磁場調整は、実施形態2の手法にて自動化することができる。すなわち、磁気センサプローブ42で測定した結果を制御器50(図7)に入力するとともに、ロータリエンコーダの情報を制御器50で受信する。制御器50は、図9に示す移動量算出アルゴリズムに従って、補正鉄位置(ねじ棒回転量に換算した量)を算出し、補正鉄を算出した位置となるようにロボットアーム先端位置(回転を含む)を駆動する超音波モータに信号を送信する。
本実施形態によれば、電磁石装置内に組み込んだジャッジ機構とロボットアームとの組み合わせにより、実施形態1と同様に、電磁石装置100の分解、再組立てを行うことなく、補正鉄の磁場中心軸C方向の移動によって磁場分布を任意の磁場分布に調整することができる。これにより磁場調整の際の繰り返し作業の収束性を向上することができる。
<実施形態4>
本実施形態の磁場調整システムは、磁極間の配置を変更可能な補正鉄支持機構として、油圧シリンダと油圧シリンダの先端に磁性材料を固定したものを備える。本機構は位置調節機構としても動作し、前述した実施形態1や実施形態2のように位置調整機構を別途備えるものではなく、補正鉄支持機構と位置調節機構は一体となっている。
本実施形態における補正鉄支持機構の概略側面図を図11に示す。図示するように、本実施形態の補正鉄支持機構は、電磁石に対して補正鉄機構を固定する支持基盤31に、複数の油圧シリンダ補正鉄ユニット80を配置する構造をとる。支持構造31は、SUSやCFRPといった高強度の非磁性材料で構成し、電磁石に対する固定と各油圧シリンダ補正鉄ユニットに動作油を供給する役割を持つ。
油圧シリンダ補正鉄ユニット80は、中空円筒のシリンダチューブ85とシリンダチューブ85内を移動する円筒状のピストン86とシリンダチューブ85を覆うカバー89とからなる非磁性材料の油圧シリンダ81、及び、磁性材料の補正鉄32で構成されている。補正鉄32は、ピストン86に直結したピストンロッド84の先端部に固定されている。シリンダチューブ85内部はピストン86によって二分され、二分された各領域88a、88bに作動油が流し込まれる。ピストン86によって二分された領域(キャップ側88a、ロッド側88b)は、ピストン86とシリンダチューブ85間に取り付けたパッキン87によってシールし、シリンダチューブ85内部で作動油が移動することがなっている。
油圧シリンダの作動油は、支持基盤31内部の配管(不図示)、及び、各油圧シリンダ補正鉄ユニットへの作動油供給管82、83を介して供給される。動作ポンプにより、ロッド側88bに作動油を供給することで、ピストン86はキャップ側88aへと移動する。同様に、動作ポンプにより、キャップ側88aに作動油を供給することで、ピストン86はロッド側88bへと移動する。キャップ側、ロッド側に接続したポンプの圧力を制御することで、ピストンロッド84先端部に備えつけられた補正鉄32の磁場方向の移動量を制御することができる。すなわち磁場調整に際しては、制御器50(図7)において、キャップ側、ロッド側に接続したポンプ圧力を監視し、それを制御することで、補正鉄32と関心領域との距離を変更し、関心領域における磁場強度分布を調整する。
本実施形態でも磁場調整の手順は図8に示すフローと同様であるが、本実施形態は、上述した実施形態1や3と異なり、補正鉄32の位置を調整するための位置調整機構を要さず、補正鉄機構内部の油圧アクチュエータにより位置制御するため、磁場測定時には関心領域を走査できる磁気センサを別途必要とする。このような磁場測定系としては、図11に示したように、実施形態1及び3の位置調整機構と同様の機構、すなわち回転が可能なレール21、レール21に沿って移動可能なステージ22、磁気センサ41を搭載し、ステージ22に固定された磁気センサプローブ42とにより構成される機構を採用することができる。
以上、実施形態3、4として、実施形態1とは補正鉄32の支持機構及び位置調整機構が異なる実施形態を説明したが、これら実施形態において図面により示した具体的な機構は、非磁性であるという制約を満たす限り、公知の移動機構で代替することが可能であり、そのような実施形態も本願発明に包含される。
<適用の実施形態>
本発明の磁場調整システムは、磁場分布の調整が必要な電磁石装置に適用可能であるが、以下、粒子線治療システムの電磁石装置に適用する例を説明する。
図12に粒子線治療システムの一例を示す。この粒子線治療システム200は、イオン発生源210が発生するイオンを加速する加速器220と、加速器220で加速されたイオンビームを照射する照射装置250と、加速器220から出力されたイオンビームを照射装置250に輸送する輸送系240と、治療対象を支持する支持台260と、加速器220や輸送系240に備えられた電磁石や高周波電源等を制御する制御系270とを備えている。加速器220は、内部に真空の空間が形成された電磁石装置230を含み、電磁石装置230に設けられた貫通孔にイオン発生源210が接続され、その内部空間にイオンが送り込まれる。
電磁石装置230は、内部空間に静磁場を発生させるための一対のコイルを継鉄で連結した構造を有し、イオンビームが加速される軌道面において、主磁場(静磁場)が均一となるように磁場分布が調整されている。電磁石装置230の内部には、図示しないが、イオンビームを加速するための高周波電源と接続されたディー電極や、イオンビームを内部空間から取り出すためのキッカ磁場発生用コイルなどが配置されている。
輸送系240は、輸送管241と、その周囲に配置された複数の偏向電磁石242と、四極電磁石243とを含む。輸送管241の内部を進むイオンビームは、偏向電磁石242の機能によって所望の方向へ偏向され、この偏向電磁石242が複数台設けられることで任意の位置まで導かれる。また四極電磁石243の収束または発散作用によってイオンビームの状態が調整される。偏向電磁石242や四極電磁石243の出力は通過するイオンビームのエネルギーによって調整されるように構成されており、その調整は制御系270によって制御されている。
このような輸送系240を介して治療エリア近傍まで運ばれたイオンビームは照射装置250を通り、支持台260に配置された治療対象の患部に対して照射される。イオンビームを所望の位置に照射させるための機構は種々存在し、例えば、照射装置250及び輸送系の一部を回転するガントリーに搭載し、治療対象に対し任意の角度からイオンビームを照射可能にしたものや、照射装置250にイオンビームを偏向する走査電磁石を設けたものなどがあるが、本実施形態では公知の機構を採用することができる。さらに照射位置や線量をモニタする装置などが設置されている場合もあり、これらモニタする装置からの情報を、制御系270に入力し、制御系270はその情報をもとに照射のための機構を制御する。
本実施形態の粒子線治療システム200は、加速器220の電磁石装置230として、本発明の磁場調整システムを備えた電磁石装置を採用したものであり、電磁石装置230内に複数の磁性材料片(補正鉄)が配置され、複数の磁性材料片の各々を支持する支持機構が備えられている。さらに複数の磁性材料片を静磁場の方向に沿って移動する位置調整機構を備えている。磁性材料片およびその支持機構は、イオンビームの軌道面に対し面対称に設けられる。
位置調整機構には、磁場測定器が備えられていることが好ましい。粒子線治療システム内に組み込まれた磁場調整システムも、その動作は、上述した各実施形態の磁場調整システムと同様であり、磁場測定器からの測定結果をもとに、位置調整機構による磁性材料片の移動量(調整量)を算出し、算出された移動量で磁性材料片の位置調整を行う。移動量の算出及びそれに基づく位置調整機構の制御は、電磁石装置230に配置された磁場調整システムの専用の制御器(図7:50)で行ってもよいし、粒子線治療システム200の制御系270で行うものとしてもよい。
本実施形態の粒子線治療システム200によれば、加速器220を構成する電磁石装置230が磁場調整システムを備えることにより、イオンビームを加速する軌道面において、それと直交する方向の静磁場として所望の磁場分布を達成することができ、ディー電極によって形成される加速軌道の精度を高めることができる。
10:電磁石装置、12:磁極、14:コイル、20:位置調整機構(水平移動機構)、21:レール、22:ステージ、30:支持機構、31:支持基盤、32:補正鉄(磁性材料片)、33:支持棒、34:落下止め、40:磁場測定系、41:磁気センサ、42:磁気センサプローブ、50:制御器、51:機構制御部、52:磁気センサ制御部、53:移動量算出部、60:ジャッジ機構(支持+位置調整機構)、61:ねじ棒、62:支持筐体、70:多関節ロボットアーム(位置調整機構)、71:アーム、73:関節、75:駆動部、77:把持部、80:油圧シリンダ補正鉄ユニット、81:油圧シリンダ、84:ピストンロッド、85:シリンダチューブ、86:ピストン、100:磁場調整システム、200:粒子線治療システム、210:イオン発生源、220:加速器、230:電磁石装置、240:輸送系、250:照射装置、260:支持台、270:制御系。

Claims (14)

  1. 電磁石装置により静磁場が発生している空間の磁場を調整する磁場調整システムであって、
    前記空間に配置された複数の磁性材料片と、前記電磁石装置の磁石との間で、前記複数の磁性材料片の各々を支持する支持機構と、前記複数の磁性材料片を静磁場の方向に沿って移動する位置調整機構と、前記空間の磁場を測定する磁場測定器の測定結果を入力し、前記磁性材料片の移動量を算出し、前記位置調整機構を制御する制御器と、を備えたことを特徴とする磁場調整システム。
  2. 請求項1の記載の磁場調整システムであって、
    前記磁場測定器は、前記位置調整機構に搭載されていることを特徴とする磁場調整システム。
  3. 請求項1に記載の磁場調整システムであって、
    前記支持機構は、外周の少なくとも一部にネジ部を有し、静磁場方向を軸方向とする棒状の部材を含み、前記磁性材料片は前記ネジ部に螺合して前記支持機構に支持されていることを特徴とする磁場調整システム。
  4. 請求項3に記載の磁場調整システムであって、
    前記位置調整機構は、前記磁性材料片の外周を把持し、前記磁性材料片にトルクを与える把持部と、前記把持部を静磁場方向と直交する面内で移動する水平移動機構と、を含むことを特徴とする磁場調整システム。
  5. 請求項1に記載の磁場調整システムであって、
    前記支持機構は、複数のアームを備え、静磁場方向の長さが可変であるリンク機構を含み、前記磁性材料片は前記リンク機構の静磁場方向の端部に固定されていることを特徴とする磁場調整システム。
  6. 請求項5に記載の磁場調整システムであって、
    前記位置調整機構は、前記リンク機構の静磁場方向の長さを変えるロボットアームと、前記ロボットアームを静磁場方向と直交する面内で移動する水平移動機構と、を含むことを特徴とする磁場調整システム。
  7. 請求項1に記載の磁場調整システムであって、
    前記電磁石装置に固定された支持基盤と、前記支持基盤に固定され、一端に前記磁性材料片が固定され、前記磁性材料片を前記静磁場の方向に沿って移動可能な複数の油圧シリンダと、をさらに含み、前記複数の油圧シリンダは前記支持機構及び前記位置調整機構を兼ねることを特徴とする磁場調整システム。
  8. 請求項7に記載の磁場調整システムであって、
    前記支持基盤は、前記油圧シリンダに作動油を供給する供給路を備えることを特徴とする磁場調整システム。
  9. 請求項1に記載の磁場調整システムであって、
    前記電磁石装置は、静磁場が形成される空間を挟んで一対の磁石が配置されており、
    前記磁性材料片及び前記支持機構は、前記一対の磁石のそれぞれの近傍に、前記静磁場の方向と直交する面に対し面対称に配置されていることを特徴とする磁場調整システム。
  10. イオン発生源及び電磁石を備え前記イオン発生源が発生するイオンを加速する加速器と、加速されたイオンビームを照射する照射装置と、を備えた粒子線治療システムであって、
    前記電磁石は、請求項1ないしのいずれか一項に記載の磁場調整システムを備えることを特徴とする粒子線治療システム。
  11. イオン発生源及び電磁石を備え前記イオン発生源が発生するイオンを加速する加速器と、加速されたイオンビームを照射する照射装置と、を備えた粒子線治療システムであって、さらに、前記電磁石により静磁場が発生している空間の磁場を調整する磁場調整システムを含み、
    前記磁場調整システムは、
    前記空間に配置された複数の磁性材料片と、前記電磁石との間で、前記複数の磁性材料片の各々を支持する支持機構と、前記複数の磁性材料片を静磁場の方向に沿って移動する位置調整機構とを備えることを特徴とする粒子線治療システム。
  12. 請求項11に記載の粒子線治療システムであって、
    前記電磁石の内部に配置された磁性材料片の位置調整機構を制御する制御器をさらに備えることを特徴とする粒子線治療システム。
  13. 電磁石装置の内部に配置された複数の磁場調整用の磁性材料片の位置を調整し、前記電磁石装置の内部に生成する磁場分布を調整する方法であって、
    前記複数の磁性材料片は電磁石装置内に磁場方向に沿って位置を調整可能に支持されており、
    前記電磁石装置が発生する磁場を計測するステップ1と、
    計測した磁場に基づいて、前記磁場と平行な方向の前記磁性材料片の移動量を算出するステップ2と、
    算出した移動量に従って前記磁性材料片を移動するステップ3と、
    前記磁性材料片を移動した後に磁場を再計測するステップ4と、を含み、
    前記ステップ1からステップ4までを自動で行い、
    再計測した磁場が所定の磁場分布となるまで、前記ステップ1からステップ4を繰り返すことを特徴とする磁場調整方法。
  14. 請求項13に記載の磁場調整方法であって、
    前記電磁石装置は一対の磁石を含み、前記複数の磁性材料片は前記一対の磁石それぞれの近傍に、磁場方向と直交する中央平面に対し面対称配置されており、
    前記ステップ2及びステップ3は、面対称の位置にある一対の磁性材料片を一セットとして行うことを特徴とする磁場調整方法。
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