JP7487008B2 - 真空バルブの配置構造 - Google Patents

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Description

この発明の実施形態は、真空バルブの配置構造に関する。
ビルや大型施設に設けられる受配電用の開閉装置として、例えば、遮断器や断路器などの開閉器を具備したスイッチギヤが知られている。スイッチギヤでは、開閉器の構成要素として真空バルブが適用され、真空バルブによって事故電流の遮断や負荷電流の開閉を行うことで、電力が安定して供給される。このため、スイッチギヤには、接地された金属製の筐体の内部に、例えば、上記した開閉器(遮断器や断路器に適用する真空バルブ)が収納されている。
特開2009-193734号公報
ところで、スイッチギヤには、その小型化が求められており、これに応えるためには、開閉器の小型化が必要となる。開閉器を小型化する方法としては、例えば、真空バルブ自体を小型化する方法や、開閉器に適用する複数の真空バルブの配置構造をコンパクト化する方法などが想定される。しかし、真空バルブは、その電気絶縁性や遮断性を一定に維持する必要があるため、当該真空バルブ自体の小型化には一定の限界があった。
本発明の目的は、電気絶縁性や遮断性を一定に維持しつつ、開閉器を小型化することが可能なコンパクトな真空バルブの配置構造を提供することにある。
実施形態によれば、複数の真空バルブを互いに隣り合うように並べて配置させる真空バルブの配置構造であって、真空バルブは、異なる形状の太形部及び細形部を有し、太形部は、細形部よりも大きく構成され、隣り合う2つの真空バルブは、双方の太形部の全体が互いに対向しないように配置され、太形部は、細形部に向かって傾斜した傾斜面を備え、隣り合う2つの真空バルブは、傾斜面が互いに近接しつつ対向するように配置されている。
実施形態に係るスイッチギヤの内部を模式的に示す図。 実施形態に係る真空バルブの断面図。 実施形態に係る真空バルブの配置構造を示す平面図。 実施形態に係る真空バルブの配置構造を示す平面図。 変形例に係る真空バルブの配置構造を示す平面図。 変形例に係る真空バルブの配置構造を示す平面図。 変形例に係る真空バルブの配置構造を示す平面図。 図7のF8に示す方向から見た真空バルブの配置構造の端面図。 変形例に係る真空バルブの配置構造を示す断面図。
[一実施形態]
以下、実施形態に係る真空バルブの配置構造について、添付図面を参照しながら説明する。なお、添付図面に開示された実施形態は、あくまで一例に過ぎず、これにより発明が限定されるものではない。
図1は、スイッチギヤ1の内部構成図である。スイッチギヤ1として、固体絶縁スイッチギヤ(SIS:Solid Insulated Switchgear)を想定する。スイッチギヤ1は、接地(アース)された金属製の筐体2を有し、当該筐体2の内部に、例えば、後述する開閉器(遮断器、断路器)が収納されている。
図1の例において、筐体2の内部は、仕切り壁3によって区画されている。仕切り壁3の一方側には、操作構造4が設けられ、仕切り壁3の他方側には、配電時に電流が流れる主回路構造5が設けられている。主回路構造5は、複数の開閉器6を動作可能に支持する複数の可動部7を備え、可動部7は、仕切り壁3に沿って配置されている。
開閉器6は、それぞれ、真空バルブPと、開閉器操作部Mと、を有している。開閉器操作部Mは、仕切り壁3の一方側に設けられ、操作構造4の構成要素として可動部7に支持されている。真空バルブPは、仕切り壁3の他方側に設けられ、主回路構造5の構成要素として可動部7に支持されている。真空バルブPと可動部7は、例えば、エポキシ樹脂などの絶縁性樹脂材料によって、予め設定された形状にモールド成形されている。
真空バルブPは、複数の接続導管8,9,10を介して電気的に接続されている。更に、可動部7には、例えば、操作ロッドR(図2参照)が内蔵され、真空バルブPと開閉器操作部Mとの間を移動可能に構成されている。このような構成によれば、開閉器操作部Mによって操作ロッドRを移動させることで、真空バルブPを開閉操作(即ち、図2に示す一対の電極E1,E2を切離操作)することができる。
ここで、図1に示すように、外部の電力源(図示しない)から電源ケーブル11を介して供給された高電圧の電力は、主回路構造5で受電された後、当該主回路構造5を介して用途に応じた電圧に変換され、母線12を通って各所に配電される。このとき、上記した開閉器6(即ち、真空バルブP)によって、事故電流の遮断や負荷電流の開閉が行われることで、電力が安定して供給される。
図2は、真空バルブPの内部構成図である。真空バルブPは、真空容器13(絶縁容器ともいう)と、固定側電極E1と、可動側電極E2と、固定側封着部材14と、可動側封着部材15と、気密維持機構16と、を有している。なお、固定側電極E1、可動側電極E2、気密維持機構16は、真空容器13に収容されている。
図2の例において、真空容器13は、真空バルブPの中心を規定するように真っ直ぐに延びた1本の軸線Pxを有し、軸線Pxを中心とした円筒状を成している。円筒状の真空容器13は、軸線Pxに沿った方向で見て、両端(固定側、可動側)が開口されている。なお、双方の開口(固定側開口13a、可動側開口13b)は、固定側封着部材14、及び、可動側封着部材15によって覆われる。
図2に示すように、真空容器13は、アークシールド部17と、固定側容器本体部18と、可動側容器本体部19とを備えている。軸線Pxに沿った方向で見て、アークシールド部17は、固定側容器本体部18と可動側容器本体部19との間に配置されている。換言すると、アークシールド部17の両側に、固定側容器本体部18と可動側容器本体部19とが1つずつ配置されている。
アークシールド部17は、例えば、銅やステンレス鋼などを主成分とする金属材料で形成されている。アークシールド部17は、その内部に、後述する固定側電極E1の固定側接点21、及び、可動側電極E2の可動側接点23を収容することが可能に構成されている。
この場合、固定側接点21及び可動側接点23は、後述する固定側電極E1の固定側通電軸20、及び、可動側電極E2の可動側通電軸22よりも太い直径に構成(即ち、太径化)されている。このため、アークシールド部17は、固定側容器本体部18及び可動側容器本体部19よりも大きく構成(即ち、拡径化)されている。
図2には、アークシールド部17の輪郭形状の一例が示されている。即ち、アークシールド部17は、円筒状突出部17aと、固定側傾斜部17bと、可動側傾斜部17cと、を含んで構成されている。軸線Pxに沿った方向で見て、円筒状突出部17aは、固定側傾斜部17bと可動側傾斜部17cとの間に配置されている。換言すると、円筒状突出部17aの両側に、固定側傾斜部17bと可動側傾斜部17cとが1つずつ配置されている。
円筒状突出部17aは、固定側容器本体部18及び可動側容器本体部19よりも外側(具体的には、軸線Pxに直交する径方向外側)に円筒状に突出して構成されている。固定側傾斜部17bは、円筒状突出部17aから固定側容器本体部18に向かって先細り円錐状に傾斜して構成されている。可動側傾斜部17cは、円筒状突出部17aから可動側容器本体部19に向かって先細り円錐状に傾斜して構成されている。
固定側容器本体部18は、例えば、アルミナなどの絶縁性を有するセラミックスで形成されている。固定側容器本体部18は、その内部に、後述する固定側電極E1の固定側通電軸20を収容することが可能に構成されている。この場合、固定側通電軸20は、固定側電極E1の固定側接点21よりも細い直径に構成(即ち、細径化)されている。このため、固定側容器本体部18は、アークシールド部17よりも小さく構成(即ち、縮径化)されている。
可動側容器本体部19は、例えば、アルミナなどの絶縁性を有するセラミックスで形成されている。可動側容器本体部19は、その内部に、後述する可動側電極E2の可動側通電軸22を収容することが可能に構成されている。この場合、可動側通電軸22は、可動側電極E2の可動側接点23よりも細い直径に構成(即ち、細径化)されている。このため、可動側容器本体部19は、アークシールド部17よりも小さく構成(即ち、縮径化)されている。
図2の例において、固定側通電軸20と可動側通電軸22とは、互いに同一の直径に設定されている。このため、固定側容器本体部18と可動側容器本体部19とは、互いに同一の大きさに構成されている。固定側容器本体部18及び可動側容器本体部19は、真空バルブPの中心を規定する軸線Pxに沿って平行に延在した円筒形を有している。
更に、上記した真空容器13には、固定側電極E1と可動側電極E2とが収容されている。固定側電極E1及び可動側電極E2は、軸線Pxに沿って真っ直ぐに延在されている。固定側電極E1は、固定側通電軸20と、固定側接点21と、を備えている。可動側電極E2は、可動側通電軸22と、可動側接点23と、を備えている。
固定側通電軸20は、両端(一端、他端)を有している。固定側通電軸20の一端は、アークシールド部17の内部に延在されている。固定側通電軸20の他端は、上記した真空容器13の固定側開口13aを越えて延在されている。固定側接点21は、厚板の円板状を成し、固定側通電軸20の一端に設けられている。これにより、固定側接点21は、可動側接点23に対向して配置される。
可動側通電軸22は、両端(一端、他端)を有している。可動側通電軸22の一端は、アークシールド部17の内部に延在されている。可動側通電軸22の他端は、上記した真空容器13の可動側開口13bを越えて延在されている。可動側接点23は、厚板の円板状を成し、可動側通電軸22の一端に設けられている。これにより、可動側接点23は、固定側接点21に対向して配置される。
更に、真空容器13の開口(固定側開口13a、可動側開口13b)は、固定側封着部材14、及び、可動側封着部材15によって覆われている。固定側封着部材14及び可動側封着部材15は、例えば、ステンレス鋼を主成分とする金属材料で形成されている。
固定側封着部材14は、薄板の円板状を成し、その中央に固定側貫通孔14hが設けられている。固定側貫通孔14hは、固定側封着部材14を貫通して構成されている。ここで、真空容器13の固定側開口13aが固定側封着部材14で覆われた状態において、固定側通電軸20の他端は、固定側貫通孔14hを通って延在する。このとき、固定側通電軸20は、固定側貫通孔14hに対して隙間無く接合される。これにより、固定側通電軸20(固定側電極E1)は、軸線Pxに沿って移動不能に位置付けられる。
可動側封着部材15は、薄板の円板状を成し、その中央に可動側貫通孔15hが設けられている。可動側貫通孔15hは、可動側封着部材15を貫通して構成されている。ここで、真空容器13の可動側開口13bが可動側封着部材15で覆われた状態において、可動側通電軸22の他端は、可動側貫通孔15hを通って延在する。このとき、可動側通電軸22は、可動側貫通孔15hに対して隙間を有して非接触に位置付けられる。これにより、可動側通電軸22(可動側電極E2)は、軸線Pxに沿って移動可能に位置付けられる。
なお、可動側通電軸22の他端には、上記した操作ロッドRが連結されている。この場合、開閉器操作部Mによって操作ロッドRを操作して、可動側通電軸22を軸線Pxに沿って移動させる。これにより、可動側接点23を固定側接点21に対して切離させることができる。この結果、真空バルブPを開閉操作(即ち、一対の電極E1,E2を切離操作)することができる。
更に、真空容器13には、気密維持機構16が収容されている。図2の例において、気密維持機構16は、ベローズ24と、カバー25と、を有している。ベローズ24は、例えば、ステンレスなどの薄い金属で構成されている。ベローズ24は、軸線Pxに沿う方向に伸縮可能な蛇腹状を成し、可動側通電軸22の外周を隙間無く覆うように配置されている。
ベローズ24の一端は、可動側封着部材15に隙間無く接合されている。ベローズ24の他端は、カバー25を介して可動側通電軸22に隙間無く接合されている。この場合、ベローズ24の他端を、カバー25を経由させずに、ダイレクトに可動側通電軸22に隙間無く接合させてもよい。
いずれの場合でも、真空容器13の内部は、常に気密状態(即ち、真空状態)に維持される。この結果、真空バルブPの開閉操作に際し、可動側通電軸22を軸線Pxに沿って移動させている間も、真空容器13の内部に外気が浸入することはない。
また、カバー25は、上記したベローズ24を覆うように、可動側通電軸22に接合されている。これにより、例えば、アークにより金属溶融物が飛散した場合でも、その飛散した金属溶融物がベローズ24に付着することはない。
更に、真空容器13は、その外側が絶縁層26によってモールドされている。絶縁層26は、例えば、エポキシ樹脂などの絶縁性樹脂材料で構成されている。絶縁層26は、真空容器13(アークシールド部17、固定側容器本体部18、可動側容器本体部19)の外側輪郭に沿って積層されている。
このとき、アークシールド部17に積層された絶縁層26によって太形部27が構成される。固定側容器本体部18に積層された絶縁層26によって固定側細形部28が構成される。そして、可動側容器本体部19に積層された絶縁層26によって可動側細形部29が構成される。この構成によれば、真空バルブPには、軸線Pxに沿った方向で見て、太形部27の両側に細形部28,29が1つずつ設けられている。
かくして、真空バルブPは、異なる形状の太形部27及び細形部28,29を有し、太形部27は、細形部28,29よりも大きく構成されている。太形部27は、頂面27aと、固定側傾斜面27bと、可動側傾斜面27cと、を備えている。軸線Pxに沿った方向で見て、頂面27aは、固定側傾斜面27bと可動側傾斜面27cとの間に配置されている。換言すると、頂面27aの両側に、固定側傾斜面27bと可動側傾斜面27cとが1つずつ配置されている。
頂面27aは、固定側細形部28及び可動側細形部29よりも外側(具体的には、軸線Pxに直交する径方向外側)に突出した円筒状の輪郭を有して構成されている。固定側傾斜面27bは、頂面27aから固定側細形部28に向かって先細り円錐状に傾斜して構成されている。可動側傾斜面27cは、頂面27aから可動側細形部29に向かって先細り円錐状に傾斜して構成されている。
ここで、絶縁層26でモールドされた真空バルブPの外周輪郭は、断面円形、或いは、断面非円形のいずれの形状も想定される。この場合、当該真空バルブPの外周輪郭が断面円形であれば、太径部及び細径部という表記で規定でき、そうでない場合、太い部分及び細い部分という表記となる。本実施形態では、いずれの形状にも対応すべく、太径部(太い部分)及び細径部(細い部分)の上位概念として、太形部27及び細形部28,29という表現を規定している。
図3及び図4は、本実施形態において、互いに同一の輪郭に設定された複数の真空バルブPの配置構造図である。図3及び図4の例において、3つの真空バルブPが、図示しない同一仮想平面上に沿って、互いに隣り合うように平行に並んだ状態で上記した可動部7に支持されている。
更に、本実施形態では、スペーサ30が適用され、当該スペーサ30によって、隣り合う2つの真空バルブPは、双方の太形部27の全体が互いに対向しないように配置されている。スペーサ30は、軸線Pxに沿った方向で見て、両側にフランジ部30fを備えている。スペーサ30は、上記した絶縁層26と同じ材質、即ち、エポキシ樹脂などの絶縁性樹脂材料で構成されている。
図3の例では、1つのスペーサ30が適用され、当該スペーサ30を、中央に配置された真空バルブPと可動部7との間に介在させる。この場合、一方側のフランジ部30fを真空バルブP(可動側細形部29)の端部に接合し、他方側のフランジ部30fを可動部7に接合する。
これにより、中央の真空バルブPを、両端の真空バルブPに対して、軸線Pxに沿った方向に変位させて配置させることができる。このとき、隣り合う2つの真空バルブPにおいて、双方の太形部27は、その全体が、軸線Pxに直交する方向において互いに対向しないように配置される。
同時に、一方の真空バルブPの太形部27は、他方の真空バルブPの細形部28,29に対向して配置される。具体的には、中央の真空バルブPの太形部27が、両端の真空バルブPの固定側細形部28に対向して配置され、両端の真空バルブPの太形部27が、中央の真空バルブPの可動側細形部29に対向して配置される。
別の捉え方をすると、隣り合う2つの真空バルブPは、軸線Pxに沿った方向で見て、双方の太形部27が互いに一部重なるように配置される。具体的には、軸線Pxに沿った方向で見た状態において、双方の太形部27の外側部分(即ち、軸線Pxに直交する径方向外側部分)が互いに一部重なるように位置付けられる。
ここで、上記したスペーサ30と真空バルブP及び可動部7との接合方法としては、例えば、ボルト締め、接着、溶接など既存の方法を適用することができる。この場合、予めスペーサ30を真空バルブPに一体化させておいても良いし、或いは、予めスペーサ30を可動部7に一体化させておいても良い。これにより、接合プロセスが簡略化され、製造コストの低減を図ることができる。なお、一体化させる方法としては、例えば、スペーサ30と真空バルブP或いは可動部7とを、例えば、エポキシ樹脂などの絶縁性樹脂材料によって、予め設定された形状にモールド成形する。
更に、軸線Pxに沿った方向で見て、スペーサ30の全長は、予め最適な値に設定されている。これにより、隣り合う2つの真空バルブPは、傾斜面27b,27cが互いに近接しつつ対向するように配置される。具体的には、中央の真空バルブPの可動側傾斜面27cが、両端の真空バルブPの固定側傾斜面27bに近接しつつ対向して配置される。
図4の例では、2つのスペーサ30が適用され、当該スペーサ30を、両端に配置された真空バルブPと可動部7との間に介在させる。これにより、図3の例とは逆に、両端の真空バルブPを、中央の真空バルブPに対して、軸線Pxに沿った方向に変位させて配置させることができる。
かくして、隣り合う2つの真空バルブPにおいて、双方の太形部27は、その全体が、軸線Pxに直交する方向において互いに対向しないように配置される。このとき、一方の真空バルブPの太形部27は、他方の真空バルブPの細形部28,29に対向して配置される。更に、予め最適な全長に設定されたスペーサ30によれば、隣り合う2つの真空バルブPにおいて、双方の傾斜面27b,27cは、互いに近接しつつ対向するように配置される。なお、他の構成は、上記した図3の例と同様であるため、その説明は省略する。
以上、本実施形態によれば、隣り合う2つの真空バルブPを、双方の太形部27の全体が互いに対向しないように配置する。これにより、軸線Pxに沿った方向で見て、双方の太形部27の外側部分(即ち、軸線Pxに直交する径方向外側部分)を、互いに一部重なるように位置付けることができる。このとき、真空バルブPの電気絶縁性や遮断性を一定に維持しつつ、複数の真空バルブPが、径方向に密集して配置される。この結果、複数の真空バルブPを径方向に縮小させた分だけ、開閉器を径方向に沿って小型化することができる。かくして、径方向へのコンパクト化を図ることが可能な真空バルブの配置構造が実現される。
本実施形態によれば、軸線Pxに沿った方向で見て、隣り合う2つの真空バルブPを、双方の傾斜面27b,27cが互いに近接しつつ対向するように配置する。これにより、一方の真空バルブPの可動側傾斜面27cを、他方の真空バルブPの固定側傾斜面27bに近接させつつ対向して配置させることができる。このとき、真空バルブPの電気絶縁性や遮断性を一定に維持しつつ、複数の真空バルブPが、軸方向に密集して配置される。この結果、複数の真空バルブPを軸方向に縮小させた分だけ、開閉器を軸方向に沿って小型化することができる。かくして、軸方向へのコンパクト化を図ることが可能な真空バルブの配置構造が実現される。
本実施形態によれば、上記した構造の組み合わせ、即ち、複数の真空バルブPを径方向に縮小させると同時に、複数の真空バルブPを軸方向に縮小させる。これにより、開閉器を径方向のみならず軸方向に沿って小型化することができる。この結果、径方向及び軸方向へのコンパクト化を図ることが可能な真空バルブの配置構造が実現される。
「変形例」
図5及び図6は、変形例において、互いに異なる輪郭に設定された複数の真空バルブPの配置構造図である。図5及び図6の例において、3つの真空バルブPが、図示しない同一仮想平面上に沿って、互いに隣り合うように平行に並んだ状態で上記した可動部7に支持されている。なお、本変形例では、スペーサ30(図4及び図5参照)を適用すること無く、隣り合う2つの真空バルブPは、双方の太形部27の全体が互いに対向しないように配置されている。
図5及び図6の例では、軸線Pxに沿った方向で見て、同一の全長を有する3つ真空バルブPが適用されている。各々の真空バルブPにおいて、固定側細形部28の全長は、可動側細形部29の全長と相違させて設定されている。
図5に示すように、中央に配置された真空バルブPにおいて、固定側細形部28の全長は、可動側細形部29の全長よりも短く設定されている。両端に配置された真空バルブPにおいて、固定側細形部28の全長は、可動側細形部29の全長よりも長く設定されている。
図6に示すように、中央に配置された真空バルブPにおいて、固定側細形部28の全長は、可動側細形部29の全長よりも長く設定されている。両端に配置された真空バルブPにおいて、固定側細形部28の全長は、可動側細形部29の全長よりも短く設定されている。
この場合、図5及び図6の例において、中央の固定側細形部28の全長と、両端の可動側細形部29の全長とは、互いに同一に設定されている。中央の可動側細形部29の全長と、両端の固定側細形部28の全長とは、互いに同一に設定されている。
このような真空バルブPの配置構造によれば、隣り合う2つの真空バルブPにおいて、双方の太形部27は、その全体が、軸線Pxに直交する方向において互いに対向しないように配置される。このとき、一方の真空バルブPの太形部27は、他方の真空バルブPの細形部28,29のうち、全長の長い細形部(28又は29)に対向して配置される。更に、双方の傾斜面27b,27cは、互いに近接しつつ対向するように配置される。かくして、上記した実施形態と同様の効果が実現される。
図7及び図8は、本変形例において、複数の真空バルブPを互いに隣接させた配置構造図である。図7及び図8の例において、3つの真空バルブPが、軸線Pxに沿った方向で見て、真っ直ぐに延びた1本の仮想中心線31に対して同心円状に配置されている。この場合、各々の真空バルブPの軸線Pxが、仮想中心線31に対して平行かつ同心円状に配置されている。
これにより、3つの真空バルブPは、軸線Pxに沿った方向で見て、断面三角形状に配置された状態となる。この状態において、隣り合う2つの真空バルブPは、軸線Pxに沿った方向で見て、双方の太形部27が互いに一部重なるように配置されている。換言すると、隣り合う3つの真空バルブPは、軸線Pxに沿った方向で見て、それぞれの太形部27が2箇所で重なるように配置されている。
このような真空バルブPの配置構造によれば、上記した実施形態(図3及び図4)及び変形例(図5及び図6)のように3つの真空バルブPを互いに平行に並べた配置構造に比べて、更に径方向に縮小化させることができる。これにより、径方向へのコンパクト化を図ることが可能な真空バルブの配置構造が実現される。
図9は、本変形例において、上記した絶縁層26によって一体的にモールド化された複数の真空バルブPの配置構造図である。図9の例において、一対の電極E1,E2を接離可能に収容する3つの真空容器13が、互いに平行に並べて配置されている。この場合、隣り合う2つの真空バルブPにおいて、双方のアークシールド部17は、軸線Pxに直交する方向において互いに対向しないように配置される。絶縁層26は、これら3つの真空容器Pを一体的に覆うように、絶縁性樹脂材料で成形される。
このような真空バルブPの配置構造によれば、上記した実施形態(図3及び図4)及び変形例(図5及び図6)と同様の効果を得ることができる。
以上、本発明の実施形態及び変形例を説明したが、これらの実施形態及び変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態及び変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態及び変形例は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…スイッチギヤ、2…筐体、3…仕切り壁、4…操作機構、5…主回路構造、6…開閉器、7…可動部、P…真空バルブ、R…操作ロッド、E1…固定側電極、E2…可動側電極、13…真空容器、14…固定側封着部材、15…可動側封着部材、16…気密維持機構、17…アークシールド部、17a…円筒状突出部、17b…固定側傾斜部、17c…可動側傾斜部、18…固定側容器本体部、19…可動側容器本体部、20…固定側通電軸、21…固定側接点、22…可動側通電軸、23…可動側接点、26…絶縁層、27…太形部、27a…頂面、27b…固定側傾斜面、27c…可動側傾斜面、28…固定側細形部、29…可動側細形部、30…スペーサ、31…仮想中心線。

Claims (10)

  1. 複数の真空バルブを互いに隣り合うように並べて配置させる真空バルブの配置構造であって、
    前記真空バルブは、異なる形状の太形部及び細形部を有し、前記太形部は、前記細形部よりも大きく構成され、
    隣り合う2つの前記真空バルブは、双方の前記太形部の全体が互いに対向しないように配置され
    前記太形部は、前記細形部に向かって傾斜した傾斜面を備え、
    隣り合う2つの前記真空バルブは、前記傾斜面が互いに近接しつつ対向するように配置されている真空バルブの配置構造。
  2. 複数の真空バルブを互いに隣り合うように並べて配置させる真空バルブの配置構造であって、
    前記真空バルブは、異なる形状の太形部及び細形部を有し、前記太形部は、前記細形部よりも大きく構成され、
    隣り合う2つの前記真空バルブは、双方の前記太形部の全体が互いに対向しないように配置され、
    前記真空バルブの中心を規定する軸線を有し、
    隣り合う2つの前記真空バルブは、前記軸線に沿った方向で見て、双方の前記太形部が互いに一部重なるように配置され、
    前記太形部は、
    前記細形部よりも突出した輪郭を有する頂面と、
    前記頂面から前記細形部に向かって傾斜した傾斜面と、を備え、
    隣り合う2つの前記真空バルブは、前記傾斜面が互いに対向するように配置されている真空バルブの配置構造。
  3. 複数の真空バルブを互いに隣り合うように並べて配置させる真空バルブの配置構造であって、
    前記真空バルブは、異なる形状の太形部及び細形部を有し、前記太形部は、前記細形部よりも大きく構成され、
    隣り合う2つの前記真空バルブは、双方の前記太形部の全体が互いに対向しないように配置され、
    前記真空バルブの中心を規定する軸線を有し、
    隣り合う2つの前記真空バルブは、前記軸線に沿った方向で見て、双方の前記太形部が互いに一部重なるように配置され、
    複数の前記真空バルブは、互いに同一の輪郭に設定され、
    隣り合う2つの前記真空バルブの前記太形部の全体が互いに対向しないように、一方の前記真空バルブを、他方の前記真空バルブに対して、前記軸線に沿った方向に変位させて配置させるスペーサを有している真空バルブの配置構造。
  4. 複数の真空バルブを互いに隣り合うように並べて配置させる真空バルブの配置構造であって、
    前記真空バルブは、異なる形状の太形部及び細形部を有し、前記太形部は、前記細形部よりも大きく構成され、
    隣り合う2つの前記真空バルブは、双方の前記太形部の全体が互いに対向しないように配置され、
    前記真空バルブの中心を規定する軸線を有し、
    隣り合う2つの前記真空バルブは、前記軸線に沿った方向で見て、双方の前記太形部が互いに一部重なるように配置され、
    複数の前記真空バルブが、絶縁層によって一体的にモールド化された状態において、
    一対の電極を接離可能に収容する真空容器が複数配置され、
    前記絶縁層は、複数の前記真空容器を一体的に覆うように、絶縁性樹脂材料で成形されている真空バルブの配置構造。
  5. 複数の真空バルブを互いに隣り合うように並べて配置させる真空バルブの配置構造であって、
    前記真空バルブは、異なる形状の太形部及び細形部を有し、前記太形部は、前記細形部よりも大きく構成され、
    隣り合う2つの前記真空バルブは、双方の前記太形部の全体が互いに対向しないように配置され、
    前記真空バルブの中心を規定する軸線を有し、
    隣り合う2つの前記真空バルブは、前記軸線に沿った方向で見て、双方の前記太形部が互いに一部重なるように配置され、
    複数の前記真空バルブが、前記軸線に沿った方向で見て、真っ直ぐに延びた1本の仮想中心線に対して同心円状に配置された状態において、
    隣り合う2つの前記真空バルブは、前記軸線に沿った方向で見て、双方の前記太形部が互いに一部重なるように配置され、
    隣り合う3つの前記真空バルブは、前記軸線に沿った方向で見て、それぞれの前記太形部が2箇所で重なるように配置されている真空バルブの配置構造。
  6. 隣り合う2つの前記真空バルブにおいて、一方の前記真空バルブの前記太形部は、他方の前記真空バルブの前記細形部に対向して配置されている請求項2~5のいずれか1項に記載の真空バルブの配置構造。
  7. 前記スペーサは、一方の前記真空バルブと一体化されている請求項3に記載の真空バルブの配置構造。
  8. 前記真空バルブを動作させる可動部を有し、
    前記スペーサは、一方の前記真空バルブを動作させる前記可動部と一体化されている請求項3に記載の真空バルブの配置構造。
  9. 前記真空バルブが、同一仮想平面上に3つ並んで配置された状態において、
    前記スペーサは、中央或いは両端に配置された前記真空バルブを前記軸線に沿った方向に変位させる請求項3に記載の真空バルブの配置構造。
  10. 前記真空バルブは、前記軸線に沿った方向で見て、前記太形部の両側に前記細形部が1つずつ設けられていると共に、一方側の前記細形部の全長が他方側の前記細形部の全長よりも長く設定され、
    隣り合う2つの前記真空バルブにおいて、一方の前記真空バルブの前記太形部は、他方の前記真空バルブの前記細形部のうち、全長の長い前記細形部に対向して配置されている請求項2~5のいずれか1項に記載の真空バルブの配置構造。
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