JP7485429B1 - 無菌コネクター - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第1(第2)接合面111を有する第1(第2)本体部11と、第1係合部材12と、第1(第2)本体部11の第1(第2)接合面111の裏面側に設けられた、第1(第2)チューブを締め付ける先端部を有する、第1(第2)チューブと嵌合する第1(第2)嵌合部と、を備える、同形の第1、第2コネクター1を備え、第1(第2)チューブの端面21が、第1(第2)接合面111よりも突出した位置となるように構成され、第1接合面111と第2接合面111が対向するように第1コネクター1と第2コネクター1が係合された際に、第1チューブ2の端面と第2チューブ2の端面が圧接されるように構成されている、無菌コネクター。
【選択図】図3
Description
第1チューブに取り付けられる第1コネクターと、第2チューブに取り付けられる第2コネクターと、を備える無菌コネクターであって、前記第1コネクターが、第1接合面を有する第1本体部と、前記第2コネクターと係合させるための第1係合部材と、前記第1本体部の前記第1接合面の裏面側に設けられた、前記第1チューブを締め付ける先端部を有する、前記第1チューブと嵌合する第1嵌合部と、を備え、前記第2コネクターが、第2接合面を有する第2本体部と、前記第1コネクターと係合させるための第2係合部材と、前記第2本体部の前記第2接合面の裏面側に設けられた、前記第2チューブを締め付ける先端部を有する、前記第2チューブと嵌合する第2嵌合部と、を備えており、前記第1コネクター及び前記第2コネクターは、同形をなしており、前記第1チューブの端面が前記第1接合面よりも突出した位置となるように前記第1コネクターが前記第1チューブに取り付けられ、又は、前記第2チューブの端面が前記第2接合面よりも突出した位置となるように前記第2コネクターが前記第2チューブに取り付けられており、前記第1接合面と前記第2接合面が対向するように前記第1コネクターと前記第2コネクターが係合された際に、前記第1チューブの端面と前記第2チューブの端面が圧接されるように構成されている、無菌コネクター。
前記第1嵌合部が、前記第1チューブを締め付けない第1空間部を備え、前記第2嵌合部が、前記第2チューブを締め付けない第2空間部を備える、構成1に記載の無菌コネクター。
前記第1チューブが、前記第1空間部において前記第1本体部へ向かうに従って外径が大きくなる第1太径部を有し、前記第2チューブが、前記第2空間部において前記第2本体部へ向かうに従って外径が大きくなる第2太径部を有する、構成2に記載の無菌コネクター。
前記第1チューブの端面が、前記第1チューブの長手方向に沿った断面において凸の曲線を有しており、又は、前記第2チューブの端面が、前記第2チューブの長手方向に沿った断面において凸の曲線を有している、構成1から3の何れかに記載の無菌コネクター。
前記第1チューブの先端部及び前記第2チューブの先端部が、フランジ状に構成されている、構成1から4の何れかに記載の無菌コネクター。
前記第1チューブ及び前記第2チューブの内径が変化しないように構成されている、構成1から5の何れかに記載の無菌コネクター。
前記第1コネクターが、前記第1接合面及び前記第1チューブの端面を覆う第1保護シートを備え、前記第2コネクターが、前記第2接合面及び前記第2チューブの端面を覆う第2保護シートを備え、前記第1本体部及び第2本体部は、ポリプロピレンによって構成されており、前記第1保護シート及び前記第2保護シートは、ポリエチレンによって構成されており、前記第1保護シート及び前記第2保護シートは、前記第1本体部及び第2本体部に熱溶着で固定されており、かつ、前記第1コネクターと前記第2コネクターが係合された後に除去される、構成1から6の何れかに記載の無菌コネクター。
前記第1コネクターが、前記第1接合面及び前記第1チューブの端面を覆う第1保護シートを備え、前記第2コネクターが、前記第2接合面及び前記第2チューブの端面を覆う第2保護シートを備え、前記第1本体部及び第2本体部は、ポリカーボネートによって構成されており、前記第1保護シート及び前記第2保護シートは、ポリエチレンによって構成されており、前記第1保護シート及び前記第2保護シートは、前記第1本体部及び第2本体部に接着剤を介して固定されており、かつ、前記第1コネクターと前記第2コネクターが係合された後に除去される、構成1から6の何れかに記載の無菌コネクター。
本実施形態の無菌コネクターは、流体を流通させるための管である2本のチューブを相互に接続するためのものであり、接合部からの雑菌等の侵入を防止するように構成された、無菌コネクターである。
すなわち、一方のチューブ(第1チューブ)の端部に取り付けられた第1コネクターと、他方のチューブ(第2チューブ)の端部に取り付けられた第2コネクターとを係合することで、第1チューブと第2チューブが無菌的に接合されるものである。
本実施形態の無菌コネクターの第1コネクター(第1保護シートを含む)と第2コネクター(第2保護シートを含む)、及び、第1チューブと第2チューブは同形をなしている(雌雄同形)。以下、一方のコネクター(第1コネクター1)と一方のチューブ(第1チューブ2)の構成について説明をする。
第1接合面111を有する第1本体部11と、
第2コネクター(第1コネクター1と同様の構成)と係合させるための第1係合部材である係合突起12と、
第2コネクターの第2係合部材(係合突起12と同型)と係合する係合穴13と、
第1本体部11の第1接合面111の裏面側に設けられた、第1チューブ2を締め付ける先端部141を有する、第1チューブ2と嵌合する第1嵌合部14と、
位置合わせのためのボス15と、
第2コネクターのボスを受け入れるボス穴16と、
を備えている。
また、図3-5に示されるように、第1コネクターは第1チューブ2の端面21を覆う第1保護シート3を備えている。なお、第1保護シート3は、第1コネクターと第2コネクターとが相互に係合された後に除去される。なお、図4、5では見易さの観点からやや誇張した(第1保護シート3の厚さが厚い等の)、概略図としている。
第1本体部11の中心部には、第1チューブ2を挿通させる穴が形成されており、この穴の第1接合面111側には、第1チューブ2のフランジ部22を受け入れるザグリ(凹部)が形成されている。
本実施形態の第1本体部11は、ポリプロピレンによって構成されている。
なお、ここでは外径形状が概ね円盤状の第1本体部を例としているが、第1本体部の外径形状は任意の形状とするものであってよい。
第1嵌合部14は、第1チューブ2と嵌合してこれを保持する保持部としての機能を有し、本実施形態では、図2,4等に示されるように、直径が異なる2つの円筒状部材を接合した構成を有している。
先端部141は、その内径が第1チューブ2の外径よりもわずかに小さく形成されており、第1チューブ2に取り付けられた状態で、第1チューブ2を締め付けるように(少なくとも第1チューブ2の外周と接触するように)構成されている。なお、先端部141の“先端”は、第1チューブ2の端部(第1コネクター1が取り付けられる端部)の側を先端側としてみた場合には、“基端”である。
一方、拡径部142は、その内径が第1チューブ2(第1太径部23)の外径よりも大きく(第1太径部23の最大径の箇所では同等に)形成されており、その内部に第1空間部Sを形成するように構成されている。なお、変形例として、拡径部を、その内径が第1太径部23の外形と同径又は第1太径部よりも小さく(拡径部の内面と第1太径部23とが接触するように)形成することも可能である。
図4に示されるように、第1チューブ2は、拡径部142内の第1空間部Sにおいて第1本体部11へ向かうに従って外径が大きくなる第1太径部23を有している。
また、第1チューブ2は、図4に示されるように、第1チューブ2の先端部が肉厚に(フランジ状に)構成されたフランジ部22を有し、第1チューブ2の端面21が凸(図3において“下に凸”)の曲線を有している。
また、図4に示されるように、第1チューブ2に第1コネクター1が取り付けられた際においても、第1チューブ2の内径が実質的に変化しないように構成されている。
本実施形態の第1保護シート3は、ポリエチレンによって構成されている。第1保護シート3は、具体的には、タイベック(登録商標)を利用することができる。
第1保護シート3は、コネクターの係合後に除去することが可能なように、第1本体部11よりも外側まで至るように構成され(図3参照)、第1本体部11に熱溶着で固定されている。コネクターの接合後に、外側に飛び出している部分を引っ張ることで、第1保護シート3を除去することが可能なように構成されている。
詳しくは、第1保護シート3は、第1チューブを無菌的に封止する封止部3-1と、コネクター接合後にユーザーが引っ張って除去するための引張部3-3と、封止部3-1と引張部3-3との間で折り返される折返し部3-4とを有する。かかる構成により、無菌コネクターどうしが接合され、チューブの端面どうしで保護シートが強く挟まれた状態でも、引張部3-3を矢印3-5方向に引っ張ることで、保護シートを除去することが可能になり(図5参照)、無菌コネクターどうしを無菌的かつ液密に接続することが可能になる。
ところで、本実施の形態では、封止部3-1は、第1チューブ2の端面を覆うように第1本体部11の第1接合面111に固定されるが、その固定方法は、用途や材質によって最適な方法を選択することができる。例えば第1コネクター1がポリプロピレンで構成されている場合には、熱溶着によって、両者を固定することができる。あるいは、第1コネクター1がポリカーボネートで構成されている場合には、接着剤を介して、両者を固定することができる。なお、いずれの場合においても、第1保護シート3は、第1接合面111に固定される固定領域3-2が、第1チューブ2の端面21を囲むように、第1接合面111に固定される。このように、端面21よりも外側の領域で、第1保護シート3と第1接合面111とを固定することにより、コネクター内部を無菌的に維持することが可能になる。
第1本体部11を、第1チューブ2に嵌合させるステップ
第1嵌合部14に、第1チューブ2を挿通するステップ
第1本体部11に、第1嵌合部14を接合(接着や熱溶着など)させるステップ
第1保護シート3を、第1本体部11の第1接合面111に固定するステップ
上記各ステップにより、図1~4(図1,2については、第1保護シート3は不図示)で示されるような第1コネクター1の取り付け状態とする。上記からも理解されるように、比較的簡易で簡素な作業によって、第1コネクター1の取り付け状態とすることができる。
各チューブに取り付けられた第1コネクター1と第2コネクター1を、それぞれの第1接合面111と第2接合面111が対向するように突き合わせて(図5(a)参照)、第1係合突起12と第2係合穴13及び第2係合突起12と第1係合穴13をそれぞれ係合させる。これにより、第1コネクター1と第2コネクター1(無菌コネクターどうしが)固定される。
その後、第1保護シート3及び第2保護シート3の飛び出ている部分(引張部3-3)を合わせて引っ張ることで、第1保護シート3及び第2保護シート3を同時に除去する。
これにより、図5(b)(コネクターの接続状態を示す断面概略図)に示したような接続状態となる。
第1(第2)チューブ2の端面21は、第1(第2)接合面111よりも突出した構成であり、第1コネクター1と第2コネクター1が係合された際には、第1チューブの端面21と前記第2チューブの端面21が、第1保護シート3及び第2保護シート3を介して圧接される。その後、第1保護シート3及び第2保護シート3を同時に除去することで、第1チューブ2と第2チューブ2とが無菌的に、かつ液密に接合されることになる。なお、第1(第2)チューブ2は、シリコンチューブ等の、可撓性、弾性、柔軟性を有する部材であり、第1(第2)フランジ部22が圧接されることで、図5(b)のような接続状態となる。
本実施形態では、第1チューブの端面21と第2チューブの端面21が、その断面(第1チューブ2の長手方向に沿った断面)形状(図3)において凸の曲線を有しており、第1チューブの端面21と第2チューブの端面21が線接触として接触することになり、両者の密封度を向上することができるため、両者の無菌性、液密性を高めることができる。ただし本発明はこれに限られるものではなく、第1チューブの端面21と第2チューブの端面21の突出量、チューブの硬度や材質などにあわせて、第1チューブの端面21と第2チューブの端面21の断面形状を、より密封度の高い形状とすることが好ましい。
加えて、本実施形態の無菌コネクターによれば、図4からも理解されるように、第1(第2)チューブ2の内径が実質的に変化しないように構成されているため、液送時のコネクター部分におけるロス(圧損)が可及的に低減される。特に、図5(b)に示すように、第1及び第2コネクターを係合した状態においても、第1チューブと第2チューブの内径を同等に維持することができるため、チューブ間に液体がとどまる現象を最小化することができる。
さらに、嵌合部14の先端部141で第1チューブ2を締め付けるように構成されることから、第1チューブ2を引っ張った際などに、その力が端面21に及ぶことが防止され、チューブどうしの無菌性の維持にさらに寄与するものである。
なお、本実施の形態では、第1(第2)空間部Sが「第1(第2)チューブ2を締め付けない」ものである。第1チューブ2は、フッ素系樹脂チューブやシリコンチューブ等で形成された可撓性、弾性、柔軟性を有するチューブであり、このような可撓性、弾性、柔軟性を有するチューブの第1太径部23は、チューブに外力が作用した際(引っ張られた際)などにおいて、第1空間部S内で変形を生じる。第1空間部Sが「第1チューブ2を締め付けない」ものであることにより、この変形が阻害されず、第1太径部23は、空間部S内で撓みを生じる。第1太径部23が撓むことで、第1チューブ2に加わった外力が、第1チューブ2の端面21に至って変形させるといった不具合の発生をより低減させることが期待される。ただし、第1チューブ2の材質等に応じて、嵌合部14を、空間部Sを持たないように(拡径部142が太径部23と接触するように、あるいは、拡径部142が太径部23を締め付けるように)構成することも可能である。
例えば、第1(第2)本体部をポリカーボネート、第1(第2)保護シートをポリエチレンによってそれぞれ構成し、第1(第2)保護シートを、第1(第2)本体部に接着剤を介して固定するものとしてもよい。
また、実施形態では、第1チューブの端面21と第2チューブの端面21の双方が、その断面形状において凸の曲線を有しているものを例としているが、本発明をこれに限るものではない。例えば、第1チューブの端面と第2チューブの端面の何れか一方が断面形状において凸の曲線を有しており、他方は平面状のものであってもよい。「係合時において、第1チューブの端面と第2チューブの端面21が接触し始める際に、線接触として接触する構成」であれば、面同士の面接触よりも接触個所の接触圧力を高めることができ、密封度を向上することができるものである。なお、前述の「第1(第2)チューブの端面を第1(第2)接合面よりも突出させる構造」による、第1(第2)チューブの端面同士の圧接により、面接触においても十分な密封度が得られる場合には、第1チューブの端面と第2チューブの端面が、その接触し初めにおいて面接触するような構成であってもよい。
11...第1(第2)本体部
111...第1(第2)接合面
12...第1係合部材
13...係合穴
14...第1(第2)嵌合部
141...先端部
2...第1(第2)チューブ
21...端面
22...フランジ部
23...第1(第2)太径部
3...第1(第2)保護シート
S...第1(第2)空間部
Claims (8)
- 第1チューブに取り付けられた第1コネクターと、第2チューブに取り付けられた第2コネクターと、を備える無菌コネクターであって、
前記第1コネクターが、
第1接合面を有する第1本体部と、
前記第2コネクターと係合させるための第1係合部材と、
前記第1本体部の前記第1接合面の裏面側に設けられた、前記第1チューブを締め付ける先端部を有する、前記第1チューブと嵌合する第1嵌合部と、
前記第2コネクターと係合された後に除去される、前記第1接合面及び前記第1チューブの端面を覆う第1保護シートと、
を備え、
前記第2コネクターが、
第2接合面を有する第2本体部と、
前記第1コネクターと係合させるための第2係合部材と、
前記第2本体部の前記第2接合面の裏面側に設けられた、前記第2チューブを締め付ける先端部を有する、前記第2チューブと嵌合する第2嵌合部と、
前記第1コネクターと係合された後に除去される、前記第2接合面及び前記第2チューブの端面を覆う第2保護シートと、
を備えており、
前記第1コネクター及び前記第2コネクターは、同形をなしており、
前記第1チューブの端面が前記第1接合面よりも突出した位置となるように前記第1コネクターが前記第1チューブに取り付けられ、又は、前記第2チューブの端面が前記第2接合面よりも突出した位置となるように前記第2コネクターが前記第2チューブに取り付けられており、前記第1接合面と前記第2接合面が対向するように前記第1コネクターと前記第2コネクターが係合された際に、前記第1チューブの端面と前記第2チューブの端面が圧接されるように構成されている、無菌コネクター。 - 前記第1嵌合部が、前記第1チューブを締め付けない第1空間部を備え、
前記第2嵌合部が、前記第2チューブを締め付けない第2空間部を備える、請求項1に記載の無菌コネクター。 - 前記第1チューブが、前記第1空間部において前記第1本体部へ向かうに従って外径が大きくなる第1太径部を有し、
前記第2チューブが、前記第2空間部において前記第2本体部へ向かうに従って外径が大きくなる第2太径部を有する、請求項2に記載の無菌コネクター。 - 前記第1チューブの端面が、前記第1チューブの長手方向に沿った断面において凸の曲線を有しており、又は、
前記第2チューブの端面が、前記第2チューブの長手方向に沿った断面において凸の曲線を有している、請求項1から3の何れかに記載の無菌コネクター。 - 前記第1チューブの先端部及び前記第2チューブの先端部が、フランジ状に構成されている、請求項1から3の何れかに記載の無菌コネクター。
- 前記第1チューブ及び前記第2チューブの内径が変化しないように構成されている、請求項1から3の何れかに記載の無菌コネクター。
- 前記第1本体部及び第2本体部は、ポリプロピレンによって構成されており、
前記第1保護シート及び前記第2保護シートは、ポリエチレンによって構成されており、
前記第1保護シート及び前記第2保護シートは、前記第1本体部及び第2本体部に熱溶着で固定されている、請求項1から3の何れかに記載の無菌コネクター。 - 前記第1本体部及び第2本体部は、ポリカーボネートによって構成されており、
前記第1保護シート及び前記第2保護シートは、ポリエチレンによって構成されており、
前記第1保護シート及び前記第2保護シートは、前記第1本体部及び第2本体部に接着剤を介して固定されている、請求項1から3の何れかに記載の無菌コネクター。
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