JP7483427B2 - 検知装置、センサ調整システム、車両、及びセンサの調整方法 - Google Patents

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本開示は、検知装置、センサ調整システム、車両、及びセンサの調整方法に関する。
近年、車線逸脱防止支援、障害物の検出・衝突回避、自動操舵、及び、駐車支援等の種々の用途のために車両にカメラ等の種々のセンサが搭載されている。車両の周辺又は車両内部の検出対象を正確に検知するために、センサは、車両に対して正確に位置決めされることが好ましい。このため、車両に対するセンサの向きを所定の方向に調整する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平6-253204号公報
車両に対して後付けでセンサを設置するような場合、高精度にセンサの取り付け向きを調整することは、困難な場合がある。センサの向きは、簡単かつ正確に調整できることが好ましい。
本開示の一実施形態に係る検知装置は、車両に搭載され、センサと、筐体と、鏡面又は光源とを備える。前記センサは、前記車両の周辺または前記車両の内部空間に対してセンシングを行う。前記筐体は、前記センサを保持する。前記鏡面は、前記筐体の表面に位置し前記センサのセンシング方向に対して法線方向が所定の関係を有する。前記光源は、前記筐体の表面に位置し、前記センサの前記センシング方向と所定の関係を有する方向に光線を射出する。
本開示の他の一実施形態に係る検知装置は、車両に搭載され、センサと、筐体と、前記筐体に設けられた取付部とを備える。前記センサは、前記車両の周辺または前記車両の内部空間に対してセンシングを行う。前記筐体は、前記センサを保持する。前記取付部は、前記センサのセンシング方向に対して鏡面の法線方向が所定の関係を有するように、前記鏡面を前記筐体に取り付け可能である。又は、前記取付部は、前記センサの前記センシング方向と所定の関係を有する方向に光線を射出するように、光源を前記筐体に取り付け可能である。
本開示の一実施形態に係るセンサ調整システムは、車両に搭載される検知装置と、光源とを備える。前記検知装置は、センサ、筐体及び鏡面を含む。前記センサは、前記車両の周辺または前記車両の内部空間に対してセンシングを行う。前記筐体は、前記センサを保持する。前記検知装置は、前記筐体の表面に位置し前記センサのセンシング方向に対して法線方向が所定の関係を有する鏡面を含む。前記光源は、前記鏡面に向けて光線を射出するように構成される。
本開示の一実施形態に係る車両は、センサ、筐体、並びに、鏡面及び光源の何れか一方を含む検知装置を備える。前記センサは、車両の周辺または車両の内部空間に対してセンシングを行う。前記筐体は、前記センサを保持する。前記鏡面は、前記筐体の表面に位置し前記センサのセンシング方向に対して法線方向が所定の関係を有する。前記光源は、前記筐体の表面に固定され前記センサの前記センシング方向と所定の関係を有する方向に光線を射出する。
本開示の一実施形態に係るセンサの調整方法は、鏡面に対して、光源から光線を照射することを含む。前記鏡面は、車両に搭載され、前記車両の周辺または前記車両の内部空間に対してセンシングを行うセンサを保持する筐体の表面に位置し、前記センサのセンシング方向に対して法線方向が所定の関係を有する鏡面である。さらに、前記センサの調整方法は、前記鏡面により前記光線が前記光源の方向に反射されるように、前記筐体の向きを調整することを含む
本開示の一実施形態に係るセンサの調整方法は、光源から、前記センサのセンシング方向と所定の関係を有する方向に光線を射出することを含む。前記光源は、車両に搭載され、前記車両の周辺または前記車両の内部空間に対してセンシングを行うセンサを保持する筐体の表面に固定される光源である。前記センサの調整方法は、前記光線が目標点を照射するように、前記筐体の向きを調整することを含む。
本開示の実施形態によれば、簡単かつ正確に車両に搭載されるセンサの向きの調整を行うことができる。
一実施形態に係る検知装置の斜視図である。 図1の検知装置に含まれるカメラと鏡面の方向を説明する図である。 車両に搭載された図1の検知装置を含むセンサ調整システムを示す平面図である。 車両に搭載された図1の検知装置を含むセンサ調整システムを示す側面図である。 較正部材を含むセンサ調整システムを示す平面図である。 較正部材を含むセンサ調整システムを示す側面図である。 一実施形態に係る検知装置に着脱可能なミラーを取り付けた状態を示す斜視図である。 図5のミラーの取り付けを説明する図である。 他の一実施形態に係る検知装置の斜視図である。 車両に搭載された図7の検知装置を含むセンサ調整システムを示す平面図である。 車両に搭載された図7の検知装置を含むセンサ調整システムを示す側面図である。 一実施形態に係る検知装置に着脱可能な光源を取り付けた状態を示す斜視図である。
以下、本開示の実施形態が、図面を参照して説明される。以下の説明で用いられる図は模式的なものである。図面上の寸法比率等は現実のものとは必ずしも一致していない。
(検知装置の構成)
本開示の一実施形態に係る検知装置10は、車両に搭載される。検知装置10は、図1に示されるように、第1カメラ11、第2カメラ12、第1カメラ11及び第2カメラ12を保持する筐体13、並びに、表面に鏡面を備えたミラー15を含む。第1カメラ11及び第2カメラ12は、センサであるステレオカメラの一部を構成する。第1カメラ11及び第2カメラ12は、それぞれ、撮像光学系及び撮像素子を備える。撮像光学系はレンズを含む。図1において、第1カメラ11及び第2カメラ12のレンズの一部が表示されている。第1カメラ11及び第2カメラ12の撮像素子は、筐体13の内部に収容される。
以下の説明において、左右方向は、筐体13の第1カメラ11及び第2カメラ12が配置された面に向かって、第1カメラ11及び第2カメラ12のレンズの並ぶ方向である。第1カメラ11及び第2カメラ12のレンズの並ぶ方向は、基線長方向ともよぶ。図1に示した例において、第1カメラ11は、正面から見て右側に位置する。第2カメラ12は正面から見て左側に位置する。前側は、筐体13の第1カメラ11及び第2カメラ12のレンズの配置された側とする。後側は、筐体13の前側の反対側とする。前後方向は、前側と後側とを結ぶ方向である。上下方向は、左右方向及び前後方向の双方に直交する方向とする。上下方向は、鉛直方向に一致してよい。左右方向及び前後方向は、水平面内にあってよい。
検知装置10は、さらに、筐体13を保持する保持部20と、保持部20が載置される台座30を有してよい。保持部20及び台座30は、筐体13の向きを調整可能な調整機構として機能する。
保持部20は、筐体13を左右方向に延びる一軸回りに回転調整可能に保持する。例えば、保持部20は、筐体13を第1回転軸線A1の回りに回転調整可能に保持する。保持部20は、筐体13を回転調整可能な任意の態様で保持する。図1に図示する例において、保持部20は、立設部21と基部22とを有する。基部22は、検知装置10が配置される面に平行な板状の部材である。立設部21は、基部22に直交し筐体13の左右の面を少なくとも部分的に囲むように配置される板状の部材である。例えば、筐体13は、保持部20との間で第1回転軸線A1の回りに回転調整し、且つ、任意の方法で向きを維持したまま固定するすることができる。例えば、保持部20は、筐体13を第1回転軸線A1の回りの回転軸により軸支してよい。例えば、保持部20に対する筐体13の傾きは、保持部20に螺合して筐体13の側面に当接するネジ等により、筐体13の側面を押圧することにより固定されてよい。
台座30は、保持部20の基部22を上下方向に延びる一軸回りに回転調整可能に支持する。例えば、台座30は、基部22を第2回転軸線A2の回りに回転調整可能に保持する。第2回転軸線A2は、例えば、上下方向に延びる回転軸線である。台座30は、基部22を回転調整可能な任意の態様で支持する。図1に図示する例において、台座30は、基部22の下側の面に当接する板状の部材である。台座30は、車両内に水平方向に配置されてよい。例えば、保持部20は、台座30との間で第2回転軸線A2の回りに回転調整し、且つ、任意の方法で姿勢を維持したまま固定するすることができる。これによって、筐体13は、第2回転軸線A2の回りに回転調整し、且つ、向きを維持したまま固定することができる。
筐体13を支持及び固定するため、筐体13、保持部20、台座30は、ネジ、ネジ穴、又は、凹凸等の任意の構造を有してよい。
検知装置10の主要部が、図2に示される。第1カメラ11の撮像光学系の光軸O1及び第2カメラ12の撮像光学系の光軸O2は、同じ対象物を撮像可能な方向を向いている。第1カメラ11及び第2カメラ12は、撮像した画像に少なくとも同じ対象物が含まれるように、光軸O1,O2及び位置が定められる。第1カメラ11の光軸O1及び第2カメラ12の光軸O2は、互いに平行になるように向けられる。この平行は、厳密な平行に限られず、組み立てのずれ、取り付けのずれ、及びこれらの経時によるずれを許容する。
第1カメラ11の光軸O1及び第2カメラ12の光軸O2は、それぞれ、撮像可能な空間の範囲の中心を向いている。光軸O1及び光軸O2の向く方向は、それぞれ、第1カメラ11及び第2カメラ12のセンシング方向ということができる。
第1カメラ11及び第2カメラ12は、光軸O1及びO2に交差する方向において離れて位置する。第1カメラ11と第2カメラ12との位置の違いにより、第1カメラ11及び第2カメラ12のそれぞれで撮像された2つの画像において、互いに対応する被写体の位置が異なる。このため、第1カメラ11から出力される第1画像と、第2カメラ12から出力される第2画像とは、互いに視差を有するステレオ画像となる。ステレオ画像は、被写体までの距離の測定に使用される。第1カメラ11及び第2カメラ12を含むステレオカメラは、画像センサとともに距離センサとして機能する。
ミラー15は、前側に鏡面を有する。ミラー15は、鏡面が第1カメラ11及び第2カメラ12と所定の位置関係となるように、配置される。例えば、ミラー15は、鏡面が左右方向において第1カメラ11と第2カメラ12との中心に位置してよい。ミラー15は、鏡面が前後方向において第1カメラ11及び第2カメラ12の双方または何れか一方の撮像光学系の入射瞳と同じ位置に位置してよい。言い換えると、ミラー15の鏡面は、第1カメラ11及び第2カメラ12の双方又は何れか一方の瞳面上に位置してよい。
ミラー15の鏡面の法線Nの方向は、第1カメラ11の光軸O1の向く方向、及び、第2カメラ12の光軸O2の向く方向と、所定の関係を有する。例えば、ミラー15は、法線Nの方向が、第1カメラ11の光軸O1及び第2カメラ12の光軸O2の双方、又は、何れか一方と、平行になるように配置されてよい。言い換えれば、ミラー15の鏡面の法線Nの方向は、第1カメラ11の光軸O1及び第2カメラ12の光軸O2の双方、又は、何れか一方に沿う方向である。例えば、第1カメラ11の光軸O1及び第2カメラ12の光軸O2が、特定の俯角で固定されるように設計されている場合、ミラー15の法線Nは、第1カメラ11及び第2カメラ12の基線長方向に垂直、且つ、取り付け時に水平方向を向く角度に設定されてよい。この場合、基線長に沿う方向に見たとき、ミラー15の法線Nと、第1カメラ11の光軸O1及び第2カメラ12の光軸O2とは、俯角に相当する角度を成す。
ミラー15の鏡面は、図1に示すように第1回転軸線A1及び第2回転軸線A2の双方又は何れか一方が通るように配置されてよい。
(検知装置の向きの調整方法)
図3A及び図3Bに示すように、ミラー15は、検知装置10の向きを調整するために使用される。検知装置10の向きの調整には、光線を射出する光源40が使用される。光線は、一方向に直進性を有する。光線は可視光とすることができる。光線を射出する光源40としては、レーザを使用することができる。光源40としては、疑似平行光線を射出する他の光源を使用しうる。疑似平行光線を射出する光源としては、例えば、指向性の高いLED光源を採用しうる。光源40は、ステージ41の上に載置される。検知装置10と光源40とは、センサ調整システムに含まれる。
一実施形態において、検知装置10は、車両100の周辺をセンシングするため、車両100の前側に配置される。検知装置10は、例えば、車両100の進行方向前方を撮像する。この場合、検知装置10は、車両100のウインドシールドの内側に配置され、ウインドシールドを介して車両100の外部を撮像できる。他の実施形態において、検知装置10は、車両100のフロントバンパー又はボンネット等に固定されていてよい。検知装置10が配置される位置は、図3Aに示されるように、車両100のフロント部分の中央に限られず、種々の位置に配置されうる。他の実施形態において、車両100の内部空間に対してセンシングを行うため、検知装置10は、車両100の内側に第1カメラ11及び第2カメラ12を向けて配置されてよい。以下では、検知装置10が車両100の前側に配置され、車両100の前方をセンシング方向とする場合について説明する。
検知装置10の取り付け向きの調整方法は、例えば、以下の手順により行う。まず、車両100に対して、光源40が正確に位置決めされる。検知装置10の向きの調整を行う場合、車両100と光源40とが、所定の位置関係となるように配置される必要がある。例えば、光源40は、車両100の前方の正面中央に配置される。光源40と車両100との位置関係を正確に設定するために、種々の方法を採用することができる。例えば、車両100のウインドシールドと車両100の内部空間に、位置決め用のマークをそれぞれ配置して、光源40から射出された光が、2つのマークを同時に通過するように、車両100と光源40とが位置決めされてよい。車両100と光源40との位置決めのため、ステージ41は光源40の位置及び向きを調整可能な機構を有してよい。
車両100と光源40との位置を正確に決めた後、車両100に検知装置10を取り付け、光源40からミラー15に向けて、光線が照射される。ミラー15の鏡面で反射された光線は、図3A及び図3Bに示すように、光源40の方向に戻る。ミラー15の鏡面の法線Nの方向と、光源40から光線がミラー15の鏡面に入射する方向とが異なると、光線が正確に光源40の方向に戻らない。その場合、筐体13の角度を調整することによって、光線が光源40の方向に戻るように調整する。光源40の前面には、光源40を出射した光線が通過する領域のみに穴を有する板状の部材を配置して、ミラー15で反射された戻り光の位置を確認しやすくしてよい。
ミラー15により反射された光線が、光源40の方向に戻ることにより、筐体13の向きを正確に位置決めすることができる。これにより、第1カメラ11及び第2カメラ12の向きが、正確に調整される。例えば、第1カメラ11の光軸O1及び第2カメラ12の光軸O2が、ミラー15の鏡面の法線Nの方向に平行な場合、光軸O1及び光軸O2は、光源40の方向に正確に調整することができる。例えば、光源40がミラー15に対して水平な方向に位置し、ミラー15の鏡面の法線方向に対して、光軸O1及び光軸O2が下向きに所定角度傾いて配置されている場合、光軸O1及び光軸O2は、所定角度の俯角を有するように、正確に調整することができる。
一実施形態において、ミラー15の鏡面が、第1カメラ11及び第2カメラ12の撮像光学系の入射瞳面上に位置する。この場合、入射瞳位置を基準として第1カメラ11及び第2カメラ12の向きを調整することが容易になる。例えば、第1カメラ11と第2カメラ12との間に光軸方向のずれがある場合でも、瞳位置を基準にすることにより、向きの調整が容易になる。さらに、第1回転軸線A1及び第2回転軸線A2が、ミラー15の鏡面を通る場合、ミラー15の向きを変えても、光線のミラー15への入射位置が変化しないので、筐体13の向きの調整がし易い。
一実施形態において、ミラー15の鏡面は、第1カメラ11の光軸O1及び第2カメラ12の光軸O2から等距離に位置する。言い換えれば、ミラー15は、基線長方向において、第1カメラ11及び第2カメラ12から等距離に位置する。このようにすることによって、第1カメラ11及び第2カメラ12の光軸O1,O2の方向及び焦点距離等にばらつきがある場合に、誤差を許容範囲に収めることが容易になる。ミラー15を第1カメラ11の光軸O1及び第2カメラ12の光軸O2から等距離に位置させることは、必須ではない。ミラー15は、第1カメラ11及び第2カメラ12の何れか一方側により近く配置されてよい。
(ステレオカメラの較正)
一実施形態において、付加的に、図3A及び図3Bで検知装置10の向きを調整した状態において、ステレオカメラである第1カメラ11及び第2カメラ12の較正を行うことができる。一般に、ステレオカメラで正確な距離測定を行うためには、2台のカメラの光軸のずれ、カメラの回転、焦点距離、及び、レンズの歪み等を、補正する必要がある。ステレオカメラの較正には、2次元平面上に複数の点が識別可能に配置された較正用チャートが使用される。較正用チャートは、例えば、白黒の正方形が交互に配列されたパターン(言い換えれば、市松模様、又は、チェッカー模様)を用いることができる。
第1カメラ11及び第2カメラ12の較正のため、図4A及び図4Bに示すように、車両100と光源40との間に、較正用部材50を挿入可能とすることができる。較正用部材50は、板状の部材とすることができる。較正用部材50の検知装置10側を向いた面には、較正用チャート51が配置される。較正用部材50の光源40側の面には反射面52が配置される。
較正用部材50は、好ましくは、較正用チャート51及び反射面52が、光源40から射出される光線に対して直交するように配置される。較正用チャート51は、第1カメラ11及び第2カメラ12を含むステレオカメラの基線長に対して、平行になることが好ましい。しかし、較正用チャート51を正確に好ましい向きに位置決めするのは難しい場合がある。較正用チャート51が好ましい向きからずれると、較正に誤差が生じうる。
第1カメラ11及び第2カメラ12の較正は次のように行う。まず、光源40から光線を射出させ、反射面52により反射された戻り光の光源40付近での位置が測定される。反射面52により反射された戻り光の位置と、較正用部材50を挿入する前にミラー15により反射された戻り光の位置から、第1カメラ11の光軸O1及び第2カメラ12の光軸O2と較正用チャート51との相対角度を算出することができる。第1カメラ11及び第2カメラ12と較正用チャート51との相対角度が分かると、較正用チャート51上の各点の第1カメラ11及び第2カメラ12により観察されるべき位置が、計算によって算出される。相対角度を考慮することによって、第1カメラ11及び第2カメラ12の較正の精度を向上させることができる。算出した相対角度は、較正を行う際のパラメータとして、較正を行う演算処理に組み込むことができる。
したがって、第1カメラ11及び第2カメラ12を搭載した筐体13の向きを調整することに加え、第1カメラ11及び第2カメラ12を含むステレオカメラの正確な較正が可能となる。
(ミラーの取付構造)
一実施形態において、図5及び図6に示すように、ミラー15は、筐体13に対して着脱可能とすることができる。この場合、ミラー15は、検知装置10Aを車両100に取り付けるとき、及び、検知装置10Aの向きを調整するときにのみ、筐体13に取り付けられる。図5に示すように、ミラー15は、ミラースタンド16によって保持されてよい。図5に示すように、ミラースタンド16は、筐体13の上側の面に取り付けられてよい。ミラー15の取り付けられる位置はこれに限られない。ミラー15は、筐体13の前側の面に取り付けられてよい。
筐体13は、ミラースタンド16を取り付けるための取付部17を有してよい。取付部17は、例えば、図6に示すように、複数の取付ピン用のピン穴を含む。ミラースタンド16は、例えば、それぞれ板状であって取り付け時において筐体13の上面に沿う部分と、筐体13に垂直な部分とを有する、左右方向から見てL字状の部材とすることができる。例えば、ミラースタンド16の筐体13の上面に沿う部分には、取付部17と対応する位置に貫通穴が設けられる。この場合、取付ピン18を、ミラースタンド16貫通穴及び取付部17のピン穴に挿入することにより、ミラースタンド16が所定の位置に固定される。
ミラー15を着脱可能とする構造は上述のものに限られない。例えば、ミラースタンド16を位置決めするために、筐体13とミラースタンド16とに互いに嵌合する構造を設けることができる。または、筐体13に、ミラー15又はミラースタンド16を差し込むための溝を設けることができる。
ミラー15を着脱可能とすることにより、ミラー15は検知装置10の取付及び調整時のみ装着すればよいので、検知装置10の製品コストを低減することができる。また、ミラー15を着脱可能に設置できる構造を設けることで、車両の種類に依らず正確な角度調整を行うことができる。
(光源を有する検知装置)
一実施形態に係る検知装置10Bは、図7に示すように、図1の検知装置10のミラー15に代えて、筐体13の表面に固定され光線を射出する光源61を有する。その他の構成は、図1の検知装置10と同様である。光源61の光線を射出する方向は、第1カメラ11及び第2カメラ12の光軸O1、O2の方向と所定の関係を有する。光源61の光線を射出する方向は、光軸O1及びO2の少なくとも何れか一方に沿う方向とすることができる。
光源61は、第1カメラ11及び第2カメラ12を保持する筐体13の向きを調整するために使用される。筐体13の向きを調整するためには、図8A及び図8Bに示すように、ターゲット板70が使用される。ターゲット板70は、検知装置10B側に目標点が示された面を向けて配置される板状の部材である。目標点は、検知装置10Bが正確に位置決めされたとき、光源61からの光線が照射されるべき点である。ターゲット板70と車両100とを正確に位置決めした後、検知装置10Bの筐体13の向きが、光線が目標点を照射するように調整される。これによって、検知装置10でミラー15を用いた場合と同様に、第1カメラ11及び第2カメラ12の向きを正確に位置決めすることが可能になる。
一実施形態において、光源61の光線を射出する射出面は、第1カメラ11及び第2カメラ12の少なくとも何れかの撮像光学系の入射瞳面上に位置することができる。これにより、入射瞳位置を基準として第1カメラ11及び第2カメラ12の向きを調整することが容易になる。さらに、第1回転軸線A1及び第2回転軸線A2が、光源61の射出面を通る場合、ミラー15の向きを変えても、光源61の光線の射出位置が変化しないので、筐体13の向きの調整がし易い。
一実施形態において、光源61の光線を射出する射出面は、第1カメラ11の光軸O1及び第2カメラ12の光軸O2から等距離に位置する。言い換えれば、光源61の射出面は、基線長方向において、第1カメラ11及び第2カメラ12から等距離に位置する。このようにすることによって、第1カメラ11の光軸O1及び第2カメラ12の光軸O2の方向及び焦点距離等にばらつきがある場合に、誤差を許容範囲に収めることが容易になる。光源61の光線を射出する射出面を第1カメラ11の光軸O1及び第2カメラ12の光軸O2から等距離に位置させることは、必須ではない。光源61の射出面は、第1カメラ11及び第2カメラ12の何れか一方側により近く配置されてよい。
他の一実施形態に係る検知装置10Cにおいて、図9に示すように、光源61は、筐体13に対して着脱可能としてよい。光源61は、光源スタンド62により保持されてよい。光源61の取付構造は、検知装置10Aにおけるミラー15の取付構造と同一又は類似としうる。光源61を着脱可能とすることによって、検知装置10Cの車両100への取付及び調整を行うときのみ、光源61を取り付けることができる。これによって、比較的高価な光源61を検知装置10Cごとに取り付ける必要がないので、図8A及び図8Bに示した検知装置10Bよりもコストを低減することができる。また、光源61を着脱可能に設置できる構造を設けることで、車両の種類に依らず正確な角度調整を行うことができる。
本開示に係る実施形態について、諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形又は修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形又は修正は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。
例えば、本開示のセンサは、ステレオカメラに限られない。センサは、角度調整を必要とする車両の周辺及び車両の外部空間に対してセンシングを行うセンサであればよい。例えば、センサは、車両の内部の画像を検出するカメラであってよい。センサは、例えば、LIDAR(Light Detection and Ranging)又はミリ波レーダ等であってよい。LIDAR及びミリ波レーダは、パルス状の電磁波(赤外線、ミリ波等)を走査して散乱光を測定する走査型の装置が含まれる。これらの装置は、照射された電磁波が、物体で反射され検出されるまでにかかる時間(time-of-flight)により、物体の各反射点までの距離を算出することができる。LIDAR及びミリ波レーダは、走査型に限られず、フラッシュ型の装置であってもよい。LIDAR及びミリ波レーダは、空間内の所定の範囲をセンシングする。LIDAR及びミリ波レーダの測定可能な範囲の中心を向く方向は、本開示のセンシング方向とみなされる。本開示において、検知装置は車両に搭載されるものとした。本開示の検知装置は、路側機等の固定接地型のセンシング機器に採用することも可能である。
本開示における「車両」には、自動車、軌道車両、産業車両、及び生活車両を含むが、これに限られない。例えば、車両には、滑走路を走行する飛行機を含めてよい。自動車は、乗用車、トラック、バス、二輪車、及びトロリーバス等を含むがこれに限られず、道路上を走行する他の車両を含んでよい。軌道車両は、機関車、貨車、客車、路面電車、案内軌道鉄道、ロープウエー、ケーブルカー、リニアモーターカー、及びモノレールを含むがこれに限られず、軌道に沿って進む他の車両を含んでよい。産業車両は、農業及び建設向けの産業車両を含む。産業車両には、フォークリフト、及びゴルフカートを含むがこれに限られない。農業向けの産業車両には、トラクター、耕耘機、移植機、バインダー、コンバイン、及び芝刈り機を含むが、これに限られない。建設向けの産業車両には、ブルドーザー、スクレーバー、ショベルカー、クレーン車、ダンプカー、及びロードローラを含むが、これに限られない。生活車両には、自転車、車いす、乳母車、手押し車、及び電動立ち乗り2輪車を含むが、これに限られない。車両の動力機関は、ディーゼル機関、ガソリン機関、及び水素機関を含む内燃機関、並びにモーターを含む電気機関を含むが、これに限られない。車両は、人力で走行するものを含む。なお、車両の分類は、上述に限られない。例えば、自動車には、道路を走行可能な産業車両を含んでよく、複数の分類に同じ車両が含まれてよい。
10,10A,10B,10C 検知装置
11 第1カメラ(センサ)
12 第2カメラ(センサ)
13 筐体
15 ミラー(鏡面)
16 ミラースタンド
17 取付部
18 取付ピン
20 保持部材
21 立設部
22 基部
30 台座
40 光源
41 ステージ
50 較正用部材
51 較正用チャート
52 反射面
61 光源
62 光源スタンド
70 ターゲット板
100 車両
A1 第1回転軸線
A2 第2回転軸線
O1,O2 光軸
N 法線

Claims (15)

  1. 車両に搭載され、
    前記車両の周辺または前記車両の内部空間に対してセンシングを行うカメラと、
    前記カメラを保持する筐体と、
    前記筐体の表面に位置し前記カメラのセンシング方向に対して法線方向が所定の関係を有する鏡面、又は、前記筐体の表面に位置し、前記カメラの前記センシング方向と所定の関係を有する方向に光線を射出する光源と、
    を備え、
    前記鏡面または前記光源の前記光線を射出する射出面は、前記カメラの撮像光学系の入射瞳面上に位置する検知装置。
  2. 前記鏡面を備え、前記センシング方向は、前記カメラから前記カメラの測定可能な範囲の中心を向く方向であって、前記車両の進行方向であり、前記鏡面の法線方向は、前記センシング方向に沿う方向である請求項1に記載の検知装置。
  3. 前記光源を備え、前記センシング方向は、前記カメラから前記カメラの測定可能な範囲の中心を向く方向であって、前記車両の進行方向であり、前記光源の前記光線を射出する方向は、前記センシング方向に沿う方向である請求項1に記載の検知装置。
  4. 前記鏡面または前記射出面を基準として、前記カメラの向きを調整可能である
    請求項1から3の何れか一項に記載の検知装置。
  5. 前記撮像光学系は前記カメラのレンズを含み、
    前記鏡面は、前記レンズよりも前記撮像光学系の像側に位置する、
    請求項1又は2に記載の検知装置。
  6. 前記カメラはステレオカメラであり、
    前記鏡面または前記光源の前記光線を射出する射出面は、前記ステレオカメラの複数の撮像光学系のそれぞれの光軸から等距離に位置する、請求項1から5の何れか一項に記載の検知装置。
  7. 前記ステレオカメラの基線長方向に延びる第1回転軸線、及び前記第1回転軸線に直交する第2回転軸線は、前記鏡面又は前記射出面上に位置し、
    前記筐体は、前記第1回転軸線及び、前記第2回転軸線の周りに回転調節される、
    請求項6に記載の検知装置。
  8. 前記鏡面または前記光源は、前記筐体に対して着脱可能である請求項1から7の何れか一項に記載の検知装置。
  9. 前記筐体の向きを調整可能な調整機構を備える、請求項1から8の何れか一項に記載の検知装置。
  10. 車両の周辺または前記車両の内部空間に対してセンシングを行うカメラ、前記カメラを保持する筐体、及び、前記筐体の表面に位置し前記カメラのセンシング方向に対して法線方向が所定の関係を有する鏡面を含み、車両に搭載される検知装置と、
    前記鏡面に向けて光線を射出するように構成された光源と
    を備え、
    前記鏡面は、前記カメラの撮像光学系の入射瞳面上に位置し、
    前記鏡面を基準として前記カメラの向きを調整可能であるカメラ調整システム。
  11. 車両の周辺または前記車両の内部空間に対してセンシングを行うカメラ、前記カメラを保持する筐体、及び前記筐体の表面に位置し前記カメラのセンシング方向に対して法線方向が所定の関係を有する射出面を有する光源を含み、車両に搭載される検知装置と、
    前記検知装置に向かい合うように配置する目標点を備え、
    前記射出面は、前記カメラの撮像光学系の入射瞳面上に位置し、
    前記射出面を基準として前記カメラの向きを調整可能である、カメラ調整システム。
  12. 前記検知装置と前記光源との間に挿入可能な較正用部材を備え、前記較正用部材は第1面に前記カメラを較正するために使用可能な較正用チャートを有し、前記第1面の反対側を向いた第2面に反射面を有する請求項11に記載のカメラ調整システム。
  13. 車両の周辺または車両の内部空間に対してセンシングを行うカメラ、前記カメラを保持する筐体、並びに、前記筐体の表面に位置し前記カメラのセンシング方向に対して法線方向が所定の関係を有する鏡面、及び、前記筐体の表面に固定され前記カメラの前記センシング方向と所定の関係を有する方向に光線を射出する光源の何れか一方を含み、
    前記鏡面または前記光源の前記光線を射出する射出面は、前記カメラの撮像光学系の入射瞳面上に位置し、前記入射瞳位置を基準として前記カメラの向きを調整可能である検知装置を備える車両。
  14. 車両の周辺または前記車両の内部空間に対してセンシングを行うカメラを保持する筐体と、
    前記カメラのセンシング方向に対して法線方向が所定の関係を有する鏡面と、を備え、前記車両に搭載される、検知装置と、
    前記鏡面に対して、第2の光線を照射する第2の光源と、を含み、
    前記鏡面は、前記筐体の表面の前記カメラの撮像光学系の入射瞳面上に位置するように固定され、
    前記鏡面により前記第2の光線が前記第2の光源の方向に反射されるように、前記入射瞳位置を基準として前記筐体の向きを調整する、
    カメラの調整方法。
  15. 両の周辺または前記車両の内部空間に対してセンシングを行うカメラを保持する筐体と、
    前記カメラのセンシング方向と所定の関係を有する方向に第1の光線を射出する第1の光源とを備え、前記車両に搭載される、検知装置と、
    前記第1の光線によって照射される、目標点と、を含み、
    前記第1の光源の射出面は、前記筐体の表面の前記カメラの撮像光学系の入射瞳面上に位置するように固定され、
    前記目標点を照射するように、前記入射瞳位置を基準として前記筐体の向きを調整する、
    カメラの調整方法。
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