JP7482304B1 - 孫の手を改善した背痒み対処器具 - Google Patents
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Abstract
Description
本願は「孫の手改善器具」、「背中への薬塗り器具」、「背中保湿ケア器具」、「背痒み対処器具」である。
以後は、本願で出願しようとしている物品を本願器具と記載する。そして従来の孫の手や本願器具を含めての器具類を総称して、背痒み対処器具と記載する。
A(背中に痒みを感じる)
B(孫の手で背中を掻く)
C(痒みが一時的に治まる)
このように痒みが治まるのは、あくまで一時的であり、しばらくすれば再び痒みを感じる。以後A~Cの繰返しとなる。痒みなどの感覚神経は、ヒフの感覚受容器とも表現される。触覚、圧覚、痛覚、温度覚(冷覚、温覚)があり、痒みはこれらの組合せ等で生じると考えられている。
孫の手は、以上のように痒みが治まる器具であり、昔から使われ続けてきた。しかしながらヒフや感覚神経を精密に観察調査すると、不適切行為であった事がわかってきた。それどころか悪循環に陥る欠陥器具であった。
A(背中に痒みを感じる)
B(孫の手で背中を掻く)
C(痒みが一時的に治まる)
D(ヒフを硬い器具で掻いた事によって、角質層が傷付き、乾燥肌になる)
E(乾燥肌ゆえ、より痒みを感じやすい肌に変質してゆく)
F(慢性的に背中に痒みを感じるようになってしまう)
以後A~Fを繰返すが、その使用頻度に応じて肌の乾燥具合はさらに悪化していく。
B(孫の手で背中を掻く)
C(痒みが一時的に治まる)
D(ヒフを硬い器具で掻いた事によって、角質層が傷付き、乾燥肌になる)
E(乾燥肌ゆえ、より痒みを感じやすい肌に変質してゆく)
F(慢性的に背中に痒みを感じるようになってしまう)
G(乾燥肌を繰返し傷付けていると、痒み神経がヒフ表層に伸びてしまって、より痒みを過敏に感じる過敏肌になる)
以後A~Gを繰返すが、その度に乾燥肌は悪化し、過敏神経は表層へ伸びるので、痒み頻度が増す。
このように孫の手は使うほどに肌質が悪化し、痒みを慢性的に感じるようになっていく。孫の手使用期間が長くなるにつれて、孫の手を居間に1本、寝床に1本、トイレや車にも備え置きたくなってゆく。このように孫の手は悪循環に陥り易い。
乾燥肌や過敏肌を治すには、その程度に応じて数ヵ月を要する。だが保湿クリームの「1度塗るだけの処置」と「塗ってから30回揉む処置」では、ヒフ改善効果に大差が出る。「30回揉む処置」のほうが短期間で肌質改善できる。クリーム成分が肌に浸み込む深さに差がつくからである。
類似例を挙げれば、台所での食器洗い用のスポンジに洗剤を垂らした場合である。スポンジへ洗剤を垂らし、スポンジを5回、10回と揉み込むほどに洗剤はスポンジ深層へと入り込み、泡だってゆく。肌へ保湿クリームを塗った場合も、これと同様である。塗り揉むというか、揉み込むというか、マッサージする事によって、クリームは深層へ浸透していく。
ここで改めて、なぜ背中に痒みを感じるようになるかを説明する。器具名の「孫の手」が示唆するように、60才頃から加齢で全身が乾燥肌ぎみになってゆく。乾燥肌では痒みを感じ易くなる。痒み患部が手指の届く範囲であれば、柔らかな指で必要最小限だけ掻く事で痒みを治めていた。ところが背中は手指が届かぬゆえ、硬い棒状器具で掻くようになり、その器具が孫の手器具となっていった。だが孫の手は硬質の器具ゆえ、背中ヒフ細胞を傷付ける。それゆえ長期的には症状悪化を招くこととなっていた。
大袈裟ながら「背痒み症状」を病気と表現すれば、「背中を掻く事」は対症療法であり、しかも一時的に症状が治まるだけで、症状を悪化させていたのである。根本的に治療するには「保湿ケア」が正しかったのである。患者は、まずこの誤解を解く必要がある。
困難要因A,背中は自分で目視確認できないので、塗り残しし易い。
困難要因B,背中は感覚が鈍く、位置座標感覚も粗いので、感触を頼りにしても塗り残しし易い。
困難要因C,背骨沿いや肩甲骨の凹凸高低差があるので、塗り残しし易い。
塗り残してはならない理由は、「今、痒い箇所」だけでなく「背中全面」を保湿ケアする必要があるからである。ケアしない箇所があれば、その箇所は乾燥肌になり、やがて痒みを感じるようになる。それゆえ今は痒みを感じていない箇所もまとめて、保湿ケアしておく必要がある。
前記の困難要因Cは、背痒み対処器具を使うために、手を背中へ回す姿勢になると、肩甲骨が浮き出て凹凸高低差が大きくなるので、より塗り残しし易くなる、という事である。
特許文献2は、柄の先端に液薬剤円筒を2本針金で挟み持つ構成である。背中の痒みを液薬剤で治そうとするものである。しかしながら液薬剤は痒みを一時的に抑えるだけで、乾燥肌は治らない。乾燥肌のままでは、痒みを感じつづける。それゆえ不完全な対処であった。
特許文献3は、柄の先端に円筒ローラー付き構成であって、背中にクリームを塗り擦るのに適した構成のように思える。しかしながら平坦な壁床へ低粘性のペンキ塗りするのならともかく、凸凹な背中で高粘性のクリームを塗ろうとしても、円筒ローラーは思い通りに機能しない。塗りムラが多くなるし、クリームはローラー側面に溜まりがちになる。そしてローラーではヒフを前後動させられないので、塗り揉みマッサージ効果はほとんど得られない。
特許文献4は、柄の先端に凹凸付き半球面体が付いた構成である。この構成ならば塗り揉みマッサージ効果が得られる。しかしながら新たな不具合が生じる。半球面体の凹凸にクリームが残りがちなのである。器具残りクリームは、指回収して、指届くヒフ範囲に塗るほうが始末良い。器具に残るクリームは無駄になる。また器具を片付ける時点になれば、片付け場所が汚れてしまうので、器具残りクリームは拭き取る必要が有る。ところが凹凸付き半球面体では、器具残りクリームが拭き取り難い問題があった。
非特許文献2は平面ゴムベラなので肌へ圧力を加えられず、塗り揉みマッサージは出来ない。
特許文献3、4は猫手形ゴムベラであるが肌へ圧力を加え難く、塗り揉みマッサージの効果は乏しいと思われる。肩甲骨回りの凹凸に適応できない。また器具残りクリームの指回収は煩わしい形状である。
課題1、背中に保湿クリームを塗り残しなく塗ること。
課題2、背中を塗り揉みマッサージすること。
課題3、器具側塗り残りクリームも指回収し易くすること。
器具側塗り残りクリームとは、本願器具の先端に保湿クリームを補充塗りし、そのクリームを背中に塗り、塗り揉みマッサージした後の時点でも、器具先端に付着したまま残っているクリームを意味する。卑近な例えでいえば、バターナイフに残ったバター、歯ブラシに残った歯磨き粉、に相当する。
ここでいう指回収とは、器具先端に付着したまま残っているクリームを指で拭い取る意味である。
解決手段の具体的な構成を説明すると、腕長さ程度の柄を形成し、この柄の先端に握り拳程度の大きさの概略半球面体を柄と直交する向きに取付け、この概略半球面体と柄の高低差は握り拳の半分程度の段差とし、この概略半球面体の表面は平滑な表面に形成する事を解決手段とする。
さらには概略半球面体は、中空構造かつ重ね合せ出来るスタック構造(STACK)に形成するほうが望ましい。
ここでいう柄とは従来の、孫の手の柄と同じである。
ここでいう腕長さとは、想定使用者である大人の腕長さである。もちろん厳密に同一長さという訳ではない。長さ程度なので、使い易い範囲の増減を含む。欧米人向けを想定する場合には欧米人の腕長さに換算される。
ここでいう柄と直交する向きに取付けるとは、半球面体の凸部頂点からの垂直線を、柄の長尺軸に対して直交する向きにして取付ける、という意味である。
ここでいう握り拳程度の大きさも、腕長さ適用方法と同じである。想定使用者たる大人の握り拳を基準として、多少の増減範囲を含む大きさを意味する。
ここでいう概略半球面体とは、球体を半分に切った形状の他、ラグビーボールや米俵のような楕円球体を縦割りしたような球面体も非回転体形状も含むとする。別の表現をすれば、凹みや角の無い形状である。
構成要件(握り拳程度の大きさの概略半球面体)には、(凹凸面での塗り均し作用)が有る。困難要因Cでの説明通り、背中ヒフの背骨沿いや肩甲骨の凹凸高低差がある。この凹部に嵌まる形状寸法かつ高低差のある器具でなければ、背中凹部に塗ることは出来ない。本願器具は(握り拳程度の器具)ゆえ、背中凹部に届き、塗れるのである。たとえばトタン波板にクリームを塗る器具は、トタン溝深さ以上の高低差が必要になるのと同様である。
また構成要件(概略半球面体)には、(塗り均し作用)が有る。本願器具でクリームを塗る場合は、概略半球面体にクリームを載せ、背中に概略半球面体を擦りつけて塗っていく。この動作時、余剰分クリームは概略半球面体の前面に溜りつつ、概略半球面体の頂点のクリームが無くなれば補充する作用を果たす。また本願器具をヒフへ押付ける強さに応じて、ヒフ皺が概略半球面体の前面に位置するようになる。概略半球面体の前面の余剰分クリームにヒフ皺が接触して、塗られることとなる。
身近な具体例で説明するならば、手の甲に指でクリームを塗り均す状況と同等である。指にクリームを塗り載せ、手の甲に塗る。余剰分クリームは指腹の前面に溜まりつつも、手の甲に塗り均されていく。
また構成要件(握り拳程度の大きさの概略半球面体)には、(塗り揉みマッサージ作用)も有している。背中の凹凸は握り拳程度の曲率と高低差なので、背中凹部でも概略半球面体を押付けれる。概略半球面体を押付けながら前後させれば、塗り揉みマッサージが可能となる。
先行技術文献の構成では、上記作用が無い事は、背景技術項にて記載した通りである。
捕捉説明するが本願器具の施術初回は、痒みを我慢できる程度に弱めるだけで、痒みは消えない。あくまで痒み無き健全肌への改善には2~6週間かかる。それゆえ施術初期は文字通り、「隔靴掻痒」なもどかしさを感じる。だが施術を続ければ、痒み無き保湿肌になる。「急がば回れ」の諺どおりの器具である。恥を晒せば、発明者の私はブラシ式孫の手を試作し、自身で試した結果、背中全面が化膿する憂き目をみた。それを本願器具によって、元の健康肌に戻せた次第である。
本願器具の具体的な施術方法は、実施例の項で説明する。だが施術は、保湿クリーム塗り工程と、塗り揉みマッサージ工程を行う。本願器具の概略半球面体は、握り拳程度の曲率と高低差なので、背中凹部も塗り残しなくクリームを塗れる作用が有る。特に肩甲骨回りは凹凸が大きいが、本願器具は高低差が有るので塗れる。また概略半球面体の形状には、塗り均すというか、塗り拡げる作用が有る。肌上にクリーム過剰部分があれば、そのクリームは概略半球面体の前面で均し取られる。そしてクリームがまだ塗られてない肌に接すれば、概略半球面体の前面に溜まっていたクリームは肌へ塗られてゆく。これらの作用によって、本願器具は凸凹な背中全面にクリームを塗れる。特許文献3のローラー構成は、低粘性のペンキを壁面へ塗るのなら有効だが、高粘性のクリームは均せない。非特許文献2ヘラ構成も均せない。
上記のように本願機器には、凹凸面での塗り均し作用と塗り揉みマッサージ作用が有るので、保湿クリームでの施術を行えて、肌質改善効果が得られるものである。
また本願器具の概略半球面体の表面は平滑なので、塗り揉みマッサージ後に概略半球面体の表面に残っているクリームは、容易に指で拭って回収できる。回収したクリームは、手指で届く範囲へ塗る。つまり背中上部(肩裏)や背中下部(腰裏)に塗る。このようにする事で、クリームを無駄なく使える。そして本願器具を収納するうえでも、清掃不要となる。特許文献4、非特許文献3,4のように細かな凹凸のある器具では、クリームの指回収はし難い。そしてティッシュやブラシで器具清掃する手間がかかる。
本願器具は、杓部分がスタック構造で重ね合せ可能なので、製造、運搬、保管、販売展示などを場所効率(スペースパフォーマンス)良く行える効果がある。
実施例2限定効果であるが、杓部分が横長形状なので、効率的に塗り拡げ、マッサージが行える効果がある。筆記具で例えれば、細字ペンよりも、太字ペンのほうが、早く紙面を塗りつぶせるのと同じである。ましてや同じヒフ箇所を30往復させるのであるから、施術幅の太さは影響が大きい。施術幅が倍になれば、施術の手間も所要時間も半減する。杓部分が横長形状の本願器具には、手間簡便化、時間短縮化の効果が有る。
仮に背中にホクロがあり、そのホクロ周辺をマッサージする場合で説明する。本願器具の半球面体をホクロに押し当てれば、ホクロ周辺ヒフは凹む。半球面体を往復動させれば、一緒にホクロの位置座標もズレ動く。半球面体とホクロが相対的にズレれば、ホクロは平常なヒフ位置に戻る。このようにホクロは「往復横ズレ動作」と「凹み戻り動作」をする。マッサージ時にヒフが凹んだり、戻ったり、往復横ズレ動作する事によって、保湿クリームはヒフ深層へと浸透し易くなる訳である。背中凹部へこの作用効果を与えられるのは、本願器具のみであり、先行技術では出来ない。
背中へクリームを塗るには、この杓部分1にクリームを塗り載せる。柄部分2を持って、杓部分1を背中へ当て、背中ヒフへクリームを塗り拡げる。マッサージも同様の動作である。
杓部材4は横長の楕円形なので、塗り拡げもマッサージもより効率的に行える。杓部材4とヒフの接触範囲が横長になるので、柄部材4の押引き動作による施術面積は拡がる。筆記具で例えれば、細字ペンよりも、太字ペンのほうが、早く紙面を塗りつぶせるのと同じである。
図3のHで示したのが、この本願器具7の器具高低差である。器具高低差Hは、背中凹部以上の寸法なので、クリーム塗布もマッサージも可能となる。
またマッサージ後、杓部材4に付着して残ったクリームは、指で掬い取り、肩裏や腰裏へ塗る。杓部材4は球面形状かつ平滑表面なので、容易に掬い取れる。
さらに本願器具7は、重ね合せ可能なので、製造、運搬、保管、販売展示などを場所効率良く行える利点がある。
最後に、「孫の手は間違った器具」とあえて過剰表現した。時代の流れの中で、より良い対処法が見出された。その誤解と新規理解を早く進める為の表現である。過去の時代状況で、孫の手は便利に役立つ器具であった。
5…柄部材 6…持ち手 7…本願器具(実施例2) H…器具高低差
Claims (3)
- 腕長さ程度の柄を形成し、この柄の先端に概略半球面体を柄と直交する向きに取付けると共に、この柄から高低差をつけて概略半球面体を位置させ、この概略半球面体の表面は平滑な表面に形成し、この概略半球面体は中空構造であり、背痒み対処器具同士の表凸面と裏凹面が深く嵌り合うことが出来る、嵌り合いスタック構造である事を特徴とする、背痒み対処器具。
- 請求項1記載の背痒み対処器具の概略半球面体と柄の高低差は、肩甲骨回りの凹凸以上である事を特徴とする、背痒み対処器具。
- 請求項1または請求項2記載の背痒み対処器具の概略半球面体は、握り拳程度の横長楕円形であり、楕円長径軸線が柄と直交する向きに取付けた事を特徴とする、背痒み対処器具。
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