JP7480992B2 - ダンパ及びアイソレータ - Google Patents

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Description

本発明は、ダンパ及びアイソレータに関する。
今日、人工衛星や宇宙機に搭載されている多くの観測機器の高精度化が進んでいる。このため、振動減衰のためのダンパや、防振のための振動アイソレータ(アイソレータ)が必要とされるようになってきている。ここで、ダンパとは、変位や速度に応じた減衰力を発生するデバイスを指す。振動アイソレータとは、バネとダンパを組み合わせて振動を絶縁するデバイスを指す。
宇宙空間における温度環境条件は、場合によっては極低温になりうる。極低温において、粘性ダンパは硬化してしまうため使用することができない。そこで近年、極低温でも使用可能な磁気減衰を振動アイソレータに使用するための研究開発が、行われている。また、磁気減衰では、非接触で減衰を発生させることができる。また、磁気減衰には、摩耗する部品がなく、さらにダンパを伝わる熱を抑えることができるという利点もある。
図18と図19を使用して、特許文献1において開示された2方向渦電流ダンパ1010の説明を行う。この2方向渦電流ダンパ1010は、複数の永久磁石(磁束発生部)1020を有している。以下では、複数の永久磁石1020を区別して言うときは、永久磁石1020-1~1020-8と言う。後述するバックヨークプレート1030等においても、同様である。なお、永久磁石1020-7及び1020-8は、示していない。
この例では、個別に1020-1~1020-8と呼ばれる8つの永久磁石1020がある。永久磁石1020は、一対のバックヨークプレート1030に取り付けられている。永久磁石1020-1~1020-4は、バックヨークプレート1030-1の四隅に取り付けられている。永久磁石1020-5~1020-8は、バックヨークプレート1030-2の四隅に取り付けられている。永久磁石1020-1,1020-3は、永久磁石の磁極の向きが同じになるようにバックヨークプレート1030-1上に配置される。また、永久磁石1020-2及び1020-4の磁極の向きは、永久磁石1020-1及び1020-3とは逆になっている。同様に、永久磁石1020-5,1020-7は永久磁石の磁極の向きが同じになるようにバックヨークプレート1030-2上に配置される。磁石1020-6及び1020-8は、永久磁石1020-5,1020-7とは磁極の向きが逆になっている。バックヨークプレート1030は、鉄又は鉄の磁性合金等の透磁性材料で構成されている。
2方向渦電流ダンパ1010は、永久磁石1020間のギャップに配置された導体板(可動子)1040を有している。導体板1040は、銅、又はアルミニウム等の高導電性であるが、透磁性ではない材料で構成される。導体板1040は、何らかの手段によって永久磁石1020間のエアギャップ内の適所に保持されている。以下で説明するように、減衰力(運動方向と反対の力)は、導体板1040がバックヨークプレート1030及び永久磁石1020に対して相対的に変位するときに発生する。
図19において、磁力線1050が示されている。磁力線1050は、永久磁石1020によって生成され、バックヨークプレート1030を通過する。図19に示されるように、反時計回りの磁力線1050のループは、永久磁石1020-1から発生し、導体板1040、永久磁石1020-5、バックヨークプレート1030-2、永久磁石1020-6、導体板1040、永久磁石1020-2、バックヨークプレート1030-1を通って永久磁石1020-1へ戻る。永久磁石1020-4,1020-8,1020-7,1020-3も同様な磁力線ループを形成する。
導体板1040がバックヨークプレート1030に対して相対的に変位すると、フレミングの左手の法則により、図18に示されるように渦電流ループ1060が導体板1040中に形成される。この渦電流は、バックヨークプレート1030に対する導体板1040の速度Vに比例する。そして、この渦電流ループ1060は、フレミングの右手の法則に従って、導体板1040に電磁力を発生する。相対速度Vに垂直な力ベクトル1072は、互いに打ち消し合う。しかし、力ベクトル1074は、相対速度Vの方向に正味の力を発生する。したがって、力ベクトル1074は、導体板1040の面内運動に対して減衰力を発生することになる。2方向渦電流ダンパ1010では、導体板1040がベース構造に固定され、バックヨークプレート1030がアイソレータプレートに取り付けられてもよい。又は、2方向渦電流ダンパ1010では、導体板1040がアイソレータプレートに取り付けられ、バックヨークプレート1030がベース構造に固定されてもよい。
永久磁石1020は、各バックヨークプレート1030上に2×2(2行2列の形式で)対称配置されている。このため、渦電流減衰が、両方の面内方向(図18の表示面における上下又は左右)の運動に対して同じになる。バックヨークプレート1030、永久磁石1020、及び導体板1040は、長方形状を呈していても正方形状を呈していてもよい。
2方向渦電流式ダンパ1010は、以下のような多くの望ましい特徴を有する。前述したように、2方向渦電流式ダンパ1010は温度に依存しない純粋な磁気減衰を提供する。2方向渦電流式ダンパ1010は、面内方向の両方で等しい減衰を提供するように設計可能である。さらに、2方向渦電流式ダンパ1010は完全に受動的なデバイスであり、電源を必要とせず、エネルギーを消費しない。さらに、2方向渦電流式ダンパ1010は、互いに摩擦する部分がない。そのため、2方向渦電流式ダンパ1010に摩耗する部品はなく、時間の経過とともにパフォーマンスが低下する可能性もない。また、部品間の摩擦によって粉塵が発生する恐れもない。
図20及び図21は、前記2方向渦電流式ダンパ1010を用いた渦電流式振動アイソレータ1100を説明するための図である。なお、図20では、振動アイソレータ1100のいくつかの構成要素は、他の構成要素を見やすくするために省略されている。
図20及び図21に示すように、振動アイソレータ1100は、ペイロード1130の周りに120°の位置間隔で配置された3つの2方向渦電流式ダンパ1010を有している。複数のL字形フレクシャ1110では、一方の脚の端部がベースプレート1102に取り付けられている。複数のフレクシャ1110において、他方の脚の反対側の端部がアイソレータプレート1120に取り付けられている。
フレクシャ1110は、ベースプレート1102に対するアイソレータプレート1120及びペイロード1130の静的位置決めを提供するばねとして機能する。振動アイソレータ1100では、図示されているようにペアで配置された6つのフレクシャ1110が使用されている。
2方向渦電流式ダンパ1010は、バックヨークプレート1030、及び最も内側に取り付けられたダンパマウント1112を含んでいる。ダンパマウント1112は、ペイロード1130を搭載するアイソレータプレート1120に取り付けられる。
図21では、アイソレータプレート1120が追加され、アイソレータプレート1120はフレクシャ1110及びダンパマウント1112に取り付けられている。アイソレータプレート1120はまた、高剛性及び質量低減のために、アルミニウム又は複合材料で形成されていることが望ましい。
上述のように、フレクシャ1110は、ベースプレート1102に対するアイソレータプレート1120のばね力サスペンションを提供する。同時に、アイソレータプレート1120は、ダンパマウント1112を介してバックヨークプレート1030に接続されている。このため、アイソレータプレート1120の動きにより、バックヨークプレート1030と永久磁石1020が、ベースプレート1102に固定されている導体プレート1040に対して相対的に変位する。したがって、2方向渦電流式ダンパ1010は、ベースプレート1102に対するアイソレータプレート1120の動きの減衰を提供する。また、図21では、アイソレータプレート1120の上部にペイロード1130が追加されている。ペイロード1130は、ベース構造から分離されるべきデバイスである。
ペイロード1130は、図では単純な立方体として示されている。実際には、ペイロード1130は、望遠鏡、リアクションホイール又はコンプレッサ、又は宇宙機から振動絶縁される必要があるほとんどすべての他のデバイスであり得る。
3つの2方向渦電流式ダンパ1010をこのように配置することにより、振動アイソレータ1100では、アイソレータプレート1120及びペイロード1130のベースプレート1102に対する相対的な6自由度すべて(3つの直交並進及び3つの直交回転)の運動に対して、減衰力が発生する。
米国特許第9739336号明細書
さて、以上説明したような従来の渦電流式ダンパには、以下のような課題が存在する。
・平板形状の導体板が必要なので大型になってしまう。
・磁石がむき出しになっているため外部への漏洩磁束が大きい。
・一つのダンパで減衰力が2方向に働くため、運動方向ごとに減衰力を設定することができない。
まず、従来の渦電流式ダンパは、平板形状の導体板が必要なので大型になってしまうという課題があった。必要な減衰力を確保するためにはある程度のサイズの導体板が必要であるため、サイズが大型化してしまうという問題があった。このことは、搭載容積が限られる人工衛星や宇宙機において特に大きな問題となりうる。
また、従来の渦電流式ダンパは、磁石がむき出しになっているため外部への漏洩磁束が大きいという課題があった。宇宙機に搭載する観測機器の中には磁場に極めて敏感なものがあるが、従来の渦電流式ダンパはそのような観測機器に適用することができないという問題があった。
また、従来の渦電流式ダンパは、一つのダンパで減衰力が2方向に働くため、運動方向ごとに減衰力を設定することができないという問題があった。一般に、複数自由度の振動アイソレータを構成する場合、搭載物の質量特性により自由度ごとに最適な減衰力は異なる。従来の渦電流式ダンパでは、減衰力を自由度ごとに設定することは困難であった。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、小型に構成しながら外部への漏洩磁束を小さくし、減衰力を1方向のみに作用させたダンパ、及びこのダンパを備えることで方向によって減衰力の異なるアイソレータを提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明のダンパは、導体で筒状に形成された可動子と、前記可動子の内側に配置され、前記可動子の軸線方向の第1側の端部が第1極の極性を有するとともに、前記軸線方向の第2側の端部が、前記第1極とは異なる第2極の極性を有する磁束発生部と、軟磁性体材料で有底筒状に形成され、一部が前記可動子の径方向外側に配置されたヨークと、軟磁性体材料により形成されるとともに、前記軸線方向に貫通する貫通孔が設けられ、前記ヨークの開口を覆う蓋と、前記可動子と結合され、前記貫通孔を通して前記蓋に対して前記可動子とは反対側に突出する連結部材と、を備えることを特徴としている。
この発明によれば、磁束発生部及びヨークに対して可動子が軸線方向に移動する場合には、磁束発生部が軸線方向に発生する磁束の径方向成分により、可動子が移動する向きとは反対向きに減衰力が発生する。一方で、磁束発生部及びヨークに対して可動子が径方向に移動する場合には、可動子が移動する向きには減衰力が発生しない。本発明のダンパでは、減衰力は、軸線方向という1方向のみに作用する。
また、ヨークの径方向内側に磁束発生部が配置されているため、磁束発生部が発生した磁束が、ヨークにより吸収される。従って、本発明のダンパは、従来の渦電流式ダンパに比べて小型に構成しながら、外部への漏洩磁束を小さくし、減衰力を軸線方向の1方向のみに作用させることができる。
また、磁束発生部が発生した磁束が、ヨークだけでなく蓋によっても吸収される。また、可動子に発生した減衰力は、連結部材を介してダンパの外部に取り出される。従って、ダンパの外部への漏洩磁束をさらに小さくしつつ、可動子に発生した減衰力を連結部材を介してダンパの外部に取り出すことができる。
また、本発明のアイソレータは、前記に記載のダンパと、弾性を有する材料で形成され、前記可動子及び前記ヨークにそれぞれ結合された保持部と、を備えることを特徴としている。
この発明によれば、保持部により、ヨークに対して可動子を一定の位置に保持することができる。そして、保持部が弾性変形することで、ヨークに対して可動子で発生した減衰力を、例えば可動子に取り付けられた部材等に伝達することができる。
また、前記アイソレータにおいて、前記保持部は、線状又は帯状に形成され、自身の長手方向の第1端部が前記ヨークに結合されるとともに、前記長手方向の第2端部が前記可動子に結合されていてもよい。
この発明によれば、可動子とヨークとの相対的な位置が変化すると、両端部が可動子及びヨークに結合された保持部のほぼ全体が変形する。従って、保持部を効率よく弾性変形させることができる。
また、前記アイソレータにおいて、前記保持部は、前記軸線に対して離間する向きに向かって凸となるように湾曲していてもよい。
この発明によれば、両端部間の距離が短くなるように保持部が変形したときに、保持部における長手方向の中央部は、軸線に対してさらに離間する向きに移動する。両端部間の距離が長くなるように保持部が変形したときにも、前記中央部は軸線に近づく向きに移動するが、保持部が湾曲しているために、前記中央部はヨーク等に干渉し難い。従って、両端部間の距離が変化するように保持部が変形したときに、保持部の前記中央部がヨーク等に干渉し難くすることができる。
また、前記アイソレータにおいて、前記ヨークに結合された第1部材と、前記可動子に結合された第2部材と、を備えてもよい。
この発明によれば、第1部材及び第2部材を用いて、アイソレータに他の部材を取り付け易くすることができる。
また、前記アイソレータにおいて、前記第1部材及び前記第2部材は、それぞれ平板状に形成され、前記第1部材及び前記第2部材は、前記第1部材及び前記第2部材それぞれの厚さ方向に対向するように配置されていてもよい。
この発明によれば、第1部材及び第2部材に形成された平坦な外面に、他の部材を容易に取り付けることができる。また、保持部の変形量によらず第1部材と第2部材との距離が分かりやすくなり、第1部材及び第2部材に結合するダンパにおける減衰力の設定を容易に行うことができる。
また、前記アイソレータにおいて、前記第1部材と前記第2部材とが対向する方向に対して、前記軸線方向が傾斜していてもよい。
ここで、前記軸線を含み、前記対向する方向に平行な基準面を規定する。
この発明によれば、可動子で発生した減衰力を、基準面に沿い、互いに交差する2方向に分解してそれぞれ作用させることができる。
本発明のダンパによれば、小型に構成しながら外部への漏洩磁束を小さくし、減衰力を1方向のみに作用させることができる。また、本発明のアイソレータによれば、減衰力を、基準面に沿い互いに交差する2方向にそれぞれ個別に設定することができる。
本発明の第1実施形態の渦電流式アイソレータの斜視図である。 同渦電流式アイソレータを模式的に示す正面図である。 同渦電流式アイソレータにおける渦電流式ダンパの断面図である。 同渦電流式ダンパに生じる磁束を説明する断面図である。 同渦電流式ダンパにおいて、可動部119が磁気回路113に対して、z方向に相対的に変位する場合を説明する断面図である。 同渦電流式ダンパにおいて、可動部119が磁気回路113に対して、r方向に相対的に変位する場合を説明する断面図である。 同渦電流式アイソレータにおいて、下部板と上部板とが相対的にx方向に変位した状態の概要を示す図である。 (a)は速度Vxを角度αに基づいて分解する手順を説明する図であり、(b)は発生力Fをx方向の分力とz方向の分力とに分解する手順を説明する図である。 同渦電流式アイソレータにおいて、下部板と上部板とが相対的にz方向に変位した状態の概要を示す図である。 (a)は速度Vzを角度αに沿う成分と角度αに直交する成分とに分解する手順を説明する図であり、(b)は発生力Fをx方向の分力とz方向の分力とに分解する手順を説明する図である。 本発明の第2実施形態の渦電流式アイソレータシステムの平面図である。 同渦電流式アイソレータシステムの正面図である。 本発明の第3実施形態の渦電流式アイソレータシステムの平面図である。 同渦電流式アイソレータシステムの正面図である。 本発明の第4実施形態の渦電流式アイソレータシステムの平面図である。 同渦電流式アイソレータシステムの正面図である。 本発明の実施形態の変形例における渦電流式アイソレータの正面図である。 従来の2方向渦電流ダンパにおける概略の平面図である。 従来の2方向渦電流ダンパにおける概略の側面図である。 従来の渦電流式振動アイソレータにおける一部の構成要素を省略した斜視図である。 従来の渦電流式振動アイソレータの斜視図である。
(第1実施形態)
以下、本発明に係る渦電流式アイソレータ(アイソレータ)の第1実施形態を、図1から図10を参照しながら説明する。
図1及び図2に示すように、渦電流式アイソレータ1は、いわゆる振動アイソレータ(振動絶縁装置)である。渦電流式アイソレータ1は、本実施形態の渦電流式ダンパ(ダンパ)101と、下部板(第1部材)131と、上部板(第2部材)141と、保持部151と、を備えている。なお、図2では、後述するアタッチメント133,143は示していない。
以下では、まず渦電流式ダンパ101の構成及び動作について説明する。
図3に示すように、渦電流式ダンパ101は、可動子102と、永久磁石(磁束発生部)103と、ヨーク104と、蓋105と、シャフト(連結部材)106と、を備えている。ここで、可動子102及びヨーク104は、有底筒状に形成され、永久磁石103、蓋105、及びシャフト106は、円柱状又は円板状に形成されている。可動子102、永久磁石103、ヨーク104、蓋105、及びシャフト106それぞれの中心軸線(軸線)は、共通軸線と同軸に配置されている。以下では、共通軸線を軸線O1と言う。渦電流式ダンパ101を軸線O1方向から見て、軸線O1に直交する方向を径方向と言う。軸線O1回りに周回する方向を周方向という。
ヨーク104は、軟磁性体材料で有底筒状(カップ状)に形成されている。すなわち、ヨーク104は、円板状に形成された底壁部109と、底壁部109の外周縁から軸線O1方向(底壁部109の厚さ方向)の第1側に延びる周壁部110と、を備えている。底壁部109における軸線O1方向の第1側の外面には、くぼみ109aが形成されている。くぼみ109aは、底壁部109の外面における中央部に形成されている。周壁部110は、円筒状に形成されている。
永久磁石103では、軸線O1方向の両端部が着磁されている。より具体的には、永久磁石103において、軸線O1方向の第1側の端部は、N極(第1極)の極性を有している。永久磁石103において、軸線O1方向の第1側とは反対側の第2側の端部は、N極とは異なるS極(第2極)の極性を有している。なお、第1極がN極であり、第2極がS極であるとしたが、第1極がS極であり、第2極がN極であるとしてもよい。
永久磁石103の軸線O1方向の第2側の端部は、くぼみ109aに嵌め込まれている。ヨーク104と永久磁石103とは磁力で引き合うため、そのままでも永久磁石103はくぼみ109aの内側に固定される。しかし、より機械的強度を高めるために、接着剤を使用して永久磁石103をくぼみ109aに固定してもよい。
また、永久磁石103の周囲にコイルを周回させると、コイルに流す電流によって磁束密度を変えることができるようになる。このため、後述する減衰力を変化させることができる。
永久磁石103の軸線O1方向の第1側には、軟磁性体材料で形成された磁極112が配置されている。磁極112における軸線O1方向の第2側の外面には、くぼみ112aが形成されている。くぼみ112aは、永久磁石103の軸線O1方向の第1側の端部と嵌め合っている。磁極112と永久磁石103とは磁力で引き合うため、そのままでも永久磁石103はくぼみ112aに固定される。しかし、より機械的強度を高めるために、接着剤を使用して永久磁石103をくぼみ112aに固定してもよい。
磁極112(永久磁石103)とヨーク104との間には、円環状のギャップ(隙間)S1が形成されている。
蓋105は、軟磁性体材料により円板状に形成されている。蓋105は、蓋105の厚さ方向が軸線O1方向に沿うように配置されている。蓋105には、蓋105を軸線O1方向に貫通する貫通孔105aが設けられている。貫通孔105aは、蓋105の中心部に設けられている。蓋105は、ヨーク104の周壁部110における軸線O1方向の第1側の端部に形成された開口を覆っている。
これら永久磁石103、ヨーク104、蓋105、及び磁極112は、磁気回路113を構成している。
ヨーク104及び蓋105を形成する軟磁性体材料は、飽和磁束密度が高い材料であることが望ましい。例えば、この材料として、純鉄やFe-49CO1-2V合金等が挙げられる。
可動子102は、円板状に形成された底壁部115と、底壁部115の外周縁から軸線O1方向の第2側に延びる周壁部116と、を備えている。周壁部116は、円筒状に形成されている。可動子102は、銅やアルミ等の良導体(導体)で形成されている。可動子102(渦電流式ダンパ101)を極低温で使用する際には、極低温での電気抵抗が低くなる高純度の銅やアルミで可動子102を形成することが望ましい。
周壁部116は、前記ギャップS1内に配置されている。周壁部116と磁極112(永久磁石103)との間、及び周壁部116とヨーク104との間には、それぞれギャップが形成されている。周壁部116は、ギャップS1内で、軸線O1方向及び径方向にそれぞれ移動することができる。
底壁部115は、磁極112と蓋105との間に配置されている。
前記ヨーク104の周壁部(一部)110は、可動子102の周壁部116の径方向外側に配置されている。磁極112全体、及び永久磁石103の軸線O1方向の第1側の端部は、可動子102の内側に配置されている。
ヨーク104及び蓋105により形成された空間内に、永久磁石103、磁極112、及び可動子102が配置されている。
シャフト106は、軸線O1上に配置されている。シャフト106の軸線O1方向の第2側の端部は、可動子102の底壁部115に結合(接合)されている。シャフト106の一部は、蓋105の貫通孔105a内に配置されている。シャフト106は、貫通孔105aを通して蓋105に対して可動子102とは反対側に突出している。
シャフト106における軸線O1方向の第1側の端部は、取り付けフランジ118に結合されている。なお、可動子102、シャフト106、及び取り付けフランジ118で、可動部119を構成している。取り付けフランジ118は、円板状に形成され、軸線O1と同軸に配置されている。
渦電流式ダンパ101では、磁気回路113と可動部119とは機械的に結合されていない。
次に、以上のように構成された渦電流式ダンパ101の動作を詳細に説明する。図4では、渦電流式ダンパ101の動作中に磁気回路113に生じる磁束B1を、磁力線B2として示している。
永久磁石103のN極から発生した磁力線B2は、磁極112を通りヨーク104と蓋105に入っていく。蓋105の貫通孔105aから渦電流式ダンパ101の外部に出ていく磁力線B2はごくわずかである。本実施形態の渦電流式ダンパ101では、磁束B1の漏洩が極めて少ないことがわかる。そして、ヨーク104の底壁部109から永久磁石103のS極へ戻り、磁力線B2のループを形成する。
ここで、軸線O1方向に、第1側が正になるようにz軸を規定する。径方向に、外側が正になるようにr軸を規定する。
さて、図5に示すように、可動部119が磁気回路113に対して、z方向に速度V1で相対的に変位(軸線O1方向の第1側への移動)する場合を説明する。B1rは、磁束B1のr方向(r軸に沿う方向。z軸についても同様)成分である。図4に示した磁力線B2から分かるように、磁束B1rは、渦電流式ダンパ101の中心から径方向外側に向かっている。このとき可動子102は磁界中で運動するので、フレミングの右手の法則に従って、速度V1と磁束B1rに垂直な方向に起電力Eが発生する。すなわち、起電力Eの方向は、図5中の右側においては、方向D1のように紙面(表示面)表側から裏側へ向かう方向である。図5中の左側においては、方向D2のように紙面裏側から表側に向かう方向である。すなわち起電力Eが、可動子102のZ軸回り(軸線O1回り)に発生することになる。このときの起電力Eの大きさは、速度V及び磁束B1rの密度にそれぞれ比例する。可動子102は良導体で形成されているため、起電力Eが発生すると、オームの法則に従って可動子102に電流Iが流れる。
可動子102に電流Iが流れると、今度はフレミングの左手の法則に従って可動子102に電磁力Fが働く。この電磁力Fの方向は、速度V1とは逆方向である。電流Iは速度V1に比例し、電磁力Fは電流Iに比例する。このため、電磁力Fの方向は速度V1と逆向きで、電磁力Fの大きさは速度V1に比例する。すなわち、可動部119が磁気回路113に対し、相対的にz方向に変位する際には、可動部119の変位方向と逆向きに速度V1に比例する電磁力(減衰力)が発生する。可動部119の変位の方向が図5の速度V1とは逆の場合も、全く同様である。
このときの速度V1と電磁力Fとの比例係数を、減衰係数と称する。減衰係数は、単位速度当たりの発生力を示し、単位はN・s/m(ニュートン秒・パー・メートル)である。
次に、図6に示すように、可動部119が磁気回路113に対してr方向に速度V2で変位する場合を説明する。磁束B1zは、磁束B1のz方向成分である。図6の磁力線B2の方向からわかるように、磁束B1zは、可動子102の磁極112より図中上側(軸線O1方向の第1側)においては上向きになり、磁極112より図中下側(軸線O1方向の第2側)においては下向きになる。このとき可動子102には、フレミングの右手の法則に従って、速度V2と磁束B1zに垂直な方向に起電力Eが発生する。すなわち、起電力Eの方向は、可動子102の磁極112より図中上側においては、方向D3,D4のように紙面裏側から表側へ向かう方向である。起電力Eの方向は、可動子102の磁極112より図中下側においては、方向D5,D6のように紙面表側から裏側に向かう方向である。方向D3,D4の起電力Eは、大きさが同じで方向が逆なため相殺しあって、可動子102に電流は流れない。同様に方向D5,D6の起電力も相殺しあって、可動子102に電流は流れない。すなわち、可動部119が磁気回路113に対し相対的にr方向に変位したときには、電磁力(減衰力)は発生しない。
可動部119の変位の方向が図6とは逆の場合も、全く同様である。
図1及び図2に示すように、本実施形態では、保持部151はリーフスプリングである。保持部151は、金属やガラス繊維強化プラスチック(GFRP:Glass-Fiber-Reinforced Plastics)や炭素繊維強化プラスチック(CFRP:Carbon-Fiber-Reinforced Plastics)等のバネ性を持った材料(弾性を有する材料)で形成されている。保持部151は、帯状(板状)に形成された部材を、帯状部材の厚さ方向に向かって凸となるように湾曲させた形状に形成されている。なお、保持部は、線状に形成されてもよい。
なお、下部板131と上部板141と間の熱伝導率を低くしたい場合には保持部151をGFRPやCFRPで形成し、下部板131と上部板141と間の熱伝導率を高くしたい場合には保持部151を金属で形成することが望ましい。
渦電流式アイソレータ1は、保持部151を2つ備えている。2つの保持部151は、凸となるように湾曲することで形成された凹部を、互いに対向させるように配置されている。
下部板131及び上部板141は、それぞれ平板状に形成されている。下部板131及び上部板141は、アルミニウムやチタン等の金属やGFRPやCFRPで形成することができる。下部板131及び上部板141は、それぞれの厚さ方向が上下方向に沿うように配置されている。下部板131及び上部板141は、下部板131及び上部板141それぞれの厚さ方向に対向するように配置されている。上部板141は、下部板131よりも上方に配置されている。下部板131と上部板141とが対向する方向(以下では、対向方向とも言う。)は、本実施形態では上下方向である。なお、対向方向は上下方向に限定されず、上下方向に対して傾斜していてもよい。
本実施形態では、渦電流式ダンパ101の磁気回路113(ヨーク104)に、ダンパアダプタ132が結合されている。ダンパアダプタ132は、側面視で直角三角形状を呈している。磁気回路113における軸線O1方向の第2側の端面は、ダンパアダプタ132における斜辺を構成する外面に結合されている。
さらに、渦電流式ダンパ101の可動部119(取り付けフランジ118)に、ダンパアダプタ142が結合されている。ダンパアダプタ142は、ダンパアダプタ132と同一の形状に形成されている。可動部119における軸線O1方向の第1側の端面は、ダンパアダプタ142における斜辺を構成する外面に結合されている。
渦電流式アイソレータ1は、前記保持部151を2つ備えている。各保持部151の長手方向の第1端部は、下部板131にそれぞれ結合されている。各保持部151における、長手方向の第1端部とは反対の第2端部は、上部板141にそれぞれ結合されている。すなわち、各保持部151の長手方向の第1端部は、下部板131及びダンパアダプタ132を介して磁気回路113(ヨーク104)に結合されている。各保持部151の長手方向の第2端部は、上部板141及びダンパアダプタ142を介して可動部119(可動子102)に結合されている。各保持部151は、軸線O1に対して離間する向きに向かって凸となるように湾曲している。
下部板131は、保持部151、及びダンパアダプタ132を介して磁気回路113(ヨーク104)にそれぞれ結合されている。上部板141は、保持部151、及びダンパアダプタ142を介して可動部119(可動子102)にそれぞれ結合されている。
渦電流式ダンパ101の軸線O1方向は、前記対向方向に対して角度βで傾斜している。言い換えれば、下部板131及び上部板141の厚さ方向に対して、軸線O1方向が角度β傾斜している。
ここで、90°から角度βを引いた値を、角度αと規定する。角度αは、下部板131の上面と軸線O1とがなす角でもある。以下ではこの状態を、渦電流式ダンパ101は板131,141に対して角度αで取付けられているという。
図1に示すように、下部板131、上部板141には、渦電流式アイソレータ1に他の部材を取り付けるためのアタッチメント133,143がそれぞれ固定されている。アタッチメント133は、下部板131よりも下方に向かって突出している。アタッチメント143は、上部板141よりも上方に向かって突出している。
本実施形態では、2つの保持部151の弾性力により、磁気回路113に対する可動部119の相対的な位置が保持されている。このため、2つの保持部151の弾性力は、比較的強い。
以上のように構成された渦電流式アイソレータ1では、下部板131と上部板141とが相対的に変位すると、保持部151による復元力(弾性力)が働く。ここで、x軸、y軸、及びz軸による右手系の直交座標系(以下、xyz直交座標系と言う)を規定する。x軸に沿う方向を、x方向と言う。他の軸についても同様である。
以下、渦電流式アイソレータ1全体の、x方向、y方向、及びz方向の3方向のばね定数を、kx,ky,kzとする。z軸は、上下方向に沿って延びている。ばね定数は、単位変位当たりの復元力を表し、単位はN/mである。
ここで、図2に示すように、軸線O1を含み、上下方向に平行な、基準面S6を規定する。x方向及びz方向は、基準面S6にそれぞれ沿う。y方向は、基準面S6に直交する。
図7は、上部板141が下部板131に対して、x方向に速度Vxで変位した様子を模式的に示している。渦電流式ダンパ101は、板131,141に対して角度αで取り付けられている。このため、渦電流式ダンパ101の可動部119は磁気回路113に対して、図8(a)に示すように、軸線O1方向にVx・cosα、径方向にVx・sinαの速度で相対的に変位する。渦電流式ダンパ101の減衰係数をcとすると、渦電流式ダンパ101の発生力Fは、(1)式のようになる。
F=c・Vx・cosα ・・(1)
また、発生力Fのx方向分力Fxとz方向分力Fzは、図8(b)に示すように、(2)式から(4)式のようにあらわされる。
Fx=F・cosα=c・Vx・cosα=cx・Vx ・・(2)
Fz=F・sinα=c・Vx・sinα・cosα ・・(3)
cx=c・cosα ・・(4)
ここで、cxは、x方向の減衰係数である。
すなわち、本実施形態の渦電流式アイソレータ1において、上部板141が下部板131に対して、x方向に速度Vxで変位すると、変位方向と逆向きに速度に比例する減衰力cx・Vxが発生する。
図9は、上部板141が下部板131に対して、z方向に速度Vzで変位した様子を示している。この時に、渦電流式ダンパ101の可動部119は、図10(a)に示すように、軸線O1方向にVz・sinα、径方向にVz・cosαの速度で、磁気回路113に対して相対的に変位する。
このとき、渦電流式ダンパ101の発生力Fは、(5)式のようになる。
F=c・Vz・sinα ・・(5)
また、渦電流式ダンパ101は板131,141に対して角度αで取り付けられているので、ダンパ発生力Fのx方向分力FxとZ方向分力Fzは、図10(b)に示すように、(6)式から(8)式のようにあらわされる。
Fx=F・cosα=c・Vz・sinα・cosα ・・(6)
Fz=F・sinα=c・Vz・sinα=cz・Vz ・・(7)
cz=c・sinα ・・(8)
ここで、czは、z方向の減衰係数である。
すなわち、本実施形態の渦電流式アイソレータ1において、上部板141が下部板131に対して、z方向に速度Vzで変位すると、変位方向と逆向きに速度に比例する減衰力cz・Vzが発生する。
また、上部板141が下部板131に対してy方向に変位した際には、可動部119は軸方向に動くことはないので、減衰力は発生しない。
以上説明したように、本実施形態の渦電流式アイソレータ1において、減衰係数cの渦電流式ダンパの取り付け角αとすると、x方向の減衰係数cxとz方向の減衰係数czは、(9)式及び(10)式のようになる。
cx=c・cosα ・・(9)
cz=c・sinα ・・(10)
すなわち、減衰係数cと角度αを適切に設定することでx方向とz方向の減衰力を個別に設計できるので、各方向に対し最適な減衰力を設定することができる。
以上まとめると、本実施形態の渦電流式ダンパ101においては、可動部119が磁気回路113に対して軸線O1方向に変位した際には、可動部119の変位方向と逆向きに速度に比例した電磁力が発生する。一方で、可動部119が軸線O1と垂直方向に変位した際には、電磁力は発生しない。また、本実施形態の渦電流式アイソレータ1においては、x方向とz方向の減衰力を個別に設計可能である。
以上説明したように、本実施形態の渦電流式ダンパ101によれば、永久磁石103及びヨーク104に対して可動子102が軸線O1方向に移動する場合には、永久磁石103が軸線O1方向に発生する磁束B1の径方向成分により、可動子102が移動する向きとは反対向きに減衰力が発生する。一方で、永久磁石103及びヨーク104に対して可動子102が径方向に移動する場合には、可動子102が移動する向きには減衰力が発生しない。本実施形態の渦電流式ダンパ101では、減衰力は、軸線O1方向という1方向のみに作用する。
また、ヨーク104の径方向内側に配置され可動子102の内側に永久磁石103が配置されているため、永久磁石103が発生した磁束B1が、ヨーク104により吸収される。従って、本実施形態の渦電流式ダンパ101は、従来の渦電流式ダンパに比べて小型に構成しながら、外部への漏洩磁束を小さくし、減衰力を軸線O1方向の1方向のみに作用させることができる。
一般に、金属の電気抵抗は低温になるほど低くなる。本実施形態の渦電流式ダンパ101では可動子102の電気抵抗が低くなると減衰力が大きくなるため、低温になるほど減衰力が大きくなるという特徴をも有する。
渦電流式ダンパ101は、蓋105及びシャフト106を備えている。永久磁石103が発生した磁束B1が、ヨーク104だけでなく蓋105によっても吸収される。また、可動子102に発生した減衰力は、シャフト106を介して渦電流式ダンパ101の外部に取り出される。従って、渦電流式ダンパ101の外部への漏洩磁束をさらに小さくしつつ、可動子102に発生した減衰力をシャフト106を介して渦電流式ダンパ101の外部に取り出すことができる。
また、本実施形態の渦電流式アイソレータ1は、渦電流式ダンパ101及び保持部151を備えている。保持部151により、ヨーク104に対して可動子102を一定の位置に保持することができる。そして、保持部151が弾性変形することで、ヨーク104に対して可動子102で発生した減衰力を、例えば可動子102に取り付けられた部材等に伝達することができる。
保持部151は、帯状に形成され、保持部151の両端部が、ヨーク104及び可動子102に結合されている。これにより、可動子102とヨーク104との相対的な位置が変化すると、両端部が可動子102及びヨーク104に結合された保持部151のほぼ全体が変形する。従って、保持部151を効率よく弾性変形させることができる。
保持部151は、軸線O1に対して離間する向きに向かって凸となるように湾曲している。両端部間の距離が短くなるように保持部151が変形したときに、保持部151における長手方向の中央部は、軸線O1に対してさらに離間する向きに移動する。両端部間の距離が長くなるように保持部151が変形したときにも、前記中央部は軸線O1に近づく向きに移動するが、保持部151が湾曲しているために、前記中央部はヨーク104等に干渉し難い。従って、両端部間の距離が変化するように保持部151が変形したときに、保持部151の前記中央部がヨーク104等に干渉し難くすることができる。
また、渦電流式アイソレータ1は、下部板131及び上部板141を備えている。下部板131及び上部板141を用いて、渦電流式アイソレータ1に他の部材を取り付け易くすることができる。
下部板131及び上部板141はそれぞれ平板状に形成され、下部板131及び上部板141は、それぞれの厚さ方向に対向するように配置されている。下部板131及び上部板141に形成された平坦な外面に、他の部材を容易に取り付けることができる。また、保持部151の変形量によらず下部板131と上部板141との距離が分かりやすくなり、下部板131及び上部板141に結合する渦電流式ダンパ101における減衰力の設定を容易に行うことができる。
渦電流式アイソレータ1では、下部板131と上部板141とが対向する対向方向に対して、渦電流式ダンパ101の軸線O1方向が傾斜している。従って、可動子102で発生した減衰力を、基準面S6に沿い、互いに交差する例えばx方向及びz方向等の2方向に分解してそれぞれ作用させることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図11及び図12を参照しながら説明するが、前記実施形態と同一の部位には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
図11及び図12に示すように、本実施形態の渦電流式アイソレータシステム2は、アイソレータプレート161と、複数の渦電流式アイソレータ1と、を備えている。
アイソレータプレート161は、平面視で正方形状を呈する板状に形成されている。アイソレータプレート161は、アルミニウムやハニカムサンドイッチパネル等で形成することができる。アイソレータプレート161は、4つの隅部161aを備えている。
複数(本実施形態では4つ)の渦電流式アイソレータ1-1~1-4は、アイソレータプレート161の各隅部161aにそれぞれ結合されている。具体的には、各渦電流式アイソレータ1の上部板141がアイソレータプレート161の隅部161aに、隅部161aの下方からそれぞれ結合されている。
各渦電流式アイソレータ1は、アイソレータプレート161の中心から距離Lの位置に、前記中心を通りz軸に平行な中心軸線O2周りに90°毎に配置されている。複数の渦電流式アイソレータ1-1~1-4は、中心軸線O2周りに4回転対称(90°回転対称)になるように配置されている。
なお、複数の渦電流式アイソレータ1-1~1-4は、中心軸線O2周りに4回転対称にならないように配置されていてもよい。例えば、渦電流式ダンパ101においてヨーク104が特に重いため、回転対称にならないように配置することで、渦電流式アイソレータシステム2における質量のバランスを調節することができる。
アイソレータプレート161には、ペイロード162が搭載されている。渦電流式アイソレータ1-1~1-4の他端(下部板131)は、宇宙機の構造体等に取り付けられる。ペイロード162は、振動を嫌う観測機器もしくは振動を発生する機器である。例として具体的には、望遠鏡、リアクションホイール又はコンプレッサ等が挙げられる。
ここで、第2実施形態から第4実施形態では、xyz直交座標系は、渦電流式アイソレータ1の個別の座標系を意味する。そして、x′軸、y′軸、及びz′軸による右手系の直交座標系(以下、x′y′z′直交座標系と言う)を規定する。x′y′z′直交座標系は、渦電流式アイソレータシステム2全体の座標系を意味する。
ここで、アイソレータプレート161の平行変位方向(x′方向、y′方向、及びz′方向)のばね定数をkx′,ky′,kz′と規定する。アイソレータプレート161の中心を通る各軸周りのねじりばね定数を、krx′,kry′,krz′と規定する。ねじりばね定数とは、単位ねじり角あたりの復元トルクのことであり、単位はN・m/radである。
4つの渦電流式アイソレータ1-1~1-4が4回転対称の位置に配置されていることから、これらを合成したばね定数は、(16)式から(21)式のようになる。
kx′=2kx+2ky ・・(16)
ky′=2kx+2ky=kx′ ・・(17)
kz′=4kz ・・(18)
krx′=2kz・L ・・(19)
kry′=2kz・L=krx′ ・・(20)
krz′=4kx・L ・・(21)
ここで、kx,ky,kzは、渦電流式アイソレータ1のxyz直交座標系におけるばね定数である。
また、アイソレータプレート161の平行変位方向の減衰定数を、cx′,cy′,cz′と規定する。アイソレータプレート161の中心を通る各軸周りの回転減衰係数を、crx′,cry′,crz′と規定する。回転減衰係数とは、単位角速度当たりの減衰トルクのことであり、単位はN・m・s/radである。減衰定数cx′等、回転減衰係数crx′等は、(22)式から(27)式のようになる。
cx′=2cx=2c・cosα ・・(22)
cy′=2cx=2c・cosα=cx′ ・・(23)
cz′=4cz=4c・sinα ・・(24)
crx′=2cz・L=2c・cosα・L ・・(25)
cry′=2cz・L=2c・cosα・L=crx′ ・・(26)
crz′=4cx・L=4c・sinα・L ・・(27)
ここで、cx,cy,czは、渦電流式アイソレータ1のxyz直交座標系における減衰定数である。
すなわち、本実施形態の渦電流式アイソレータシステム2は、剛体運動の6自由度すべての方向に対して、復元力と減衰力を発生できるアイソレータシステムとなっていることがわかる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について図13及び図14を参照しながら説明するが、前記実施形態と同一の部位には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
図13及び図14に示すように、本実施形態の渦電流式アイソレータシステム3は、アイソレータプレート171と、複数の渦電流式アイソレータ1と、を備えている。
アイソレータプレート171は、平面視で三角形状を呈する板状に形成されている。アイソレータプレート171は、3つの隅部171aを備えている。
複数(本実施形態では3つ)の渦電流式アイソレータ1-1~1-3は、アイソレータプレート171の各隅部171aに、隅部171aの下方からそれぞれ結合されている。
各渦電流式アイソレータ1は、アイソレータプレート171の中心から距離Lの位置に、前記中心を通りz軸に平行な中心軸線O2周りに120°毎に配置されている。複数の渦電流式アイソレータ1-1~1-3は、中心軸線O2周りに3回転対称(120°回転対称)になるように配置されている。
なお、複数の渦電流式アイソレータ1-1~1-3は、中心軸線O2周りに3回転対称にならないように配置されていてもよい。
ここで、アイソレータプレート171の平行変位方向のばね定数を、kx′,ky′,kz′と規定する。アイソレータプレート171の中心を通る各軸周りのねじりばね定数を、krx′,kry′,krz′と規定する。
3つの渦電流式アイソレータ1-1~1-3が3回転対称の位置に配置されていることから、これらを合成したばね定数は、(31)式から(36)式のようになる。
kx′=kx+2(kxcos60°+kysin60°)=2kx+√3ky
・・(31)
ky′=ky+2(kxsin60°+kycos60°)=√3kx+2ky
・・(32)
kz′=3kz ・・(33)
krx′=kz・L+2・kz(L/2)=(3/2)kz・L ・・(34)
kry′=2kz・(√3L/2)=(3/2)kz・L=krx′ ・・(35)
krz′=3kx・L ・・(36)
また、アイソレータプレート171の平行変位方向の減衰定数を、cx′,cy′,cz′と規定する。アイソレータプレート171の中心を通る各軸周りの回転減衰係数定数を、crx′,cry′,crz′と規定する。このとき、減衰定数cx′等、回転減衰係数定数crx′等は、(37)式から(42)式のようになる。
cx′=cx+2(cxcos60°)=2cx=2c・cosα ・・(37)
cy′=2(cxsin60°)=√3cx=√3c・cosα ・・(38)
cz′=3cz=3c・sinα ・・(39)
crx′=cz・L+2・cz(L/2)=(3/2)cz・L
=(3/2)c・sinα・L ・・(40)
cry′=2cz・(√3L/2)=(3/2)cz・L=crx′ ・・(41)
crz′=3cx・L=3c・sinα・L ・・(42)
すなわち、本実施形態の渦電流式アイソレータシステム3においても、剛体運動の6自由度すべての方向に対して、復元力と減衰力を発生できるアイソレータシステムとなっていることがわかる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について図15及び図16を参照しながら説明するが、前記実施形態と同一の部位には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
図15及び図16に示すように、本実施形態の渦電流式アイソレータシステム4は、アイソレータプレート181と、複数の保持システム182と、複数の渦電流式ダンパ101と、を備えている。
アイソレータプレート181は、平面視で六角形状を呈する板状に形成されている。アイソレータプレート181は、6つの隅部181aを備えている。
複数の保持システム182は、アイソレータプレート181の3つの隅部181aに、隅部181aの下方からそれぞれ結合されている。保持システム182は、アイソレータプレート181が備える6つの隅部181aのうち、アイソレータプレート181の周方向に1つおきとなる3つの隅部181aに結合されている。
各保持システム182は、2つ保持部151により構成されている。各保持システム182は、アイソレータプレート181の中心から距離L1の位置に、前記中心を通りz軸に平行な中心軸線O2周りに120°毎に配置されている。
また、保持システム182とは中心軸線O2周りに60°位相をずらして、複数の渦電流式ダンパ101がアイソレータプレート181の隅部181aに結合されている。各渦電流式ダンパ101は、隅部181aに、隅部181aの下方から結合されている。
各渦電流式ダンパ101は、前記対向方向(上下方向)に対して軸線O1方向が、角度βで傾斜するように、ダンパアダプタ132,142を介してアイソレータプレート181及び宇宙機の構造体等に取り付けられている。各渦電流式ダンパ101は、アイソレータプレート181の中心から距離L2の位置に、中心軸線O2周りに120°毎に配置されている。
ここで、アイソレータプレート181の平行変位方向のばね定数を、kx′,ky′,kz′と規定する。アイソレータプレート181の中心を通る各軸周りのねじりばね定数を、krx′,kry′,krz′と規定する。3つの渦電流式ダンパ101が3回転対称の位置に配置されていることから、これらを合成したばね定数は、(46)式から(51)式のようになる。
kx′=kx+2(kxcos60°+kysin60°)=2kx+√3ky
・・(46)
ky′=ky+2(kxsin60°+kycos60°)=√3kx+2ky
・・(47)
kz′=3kz ・・(48)
krx′=kz・L+2・kz(L1/2)=(3/2)kz・L1
・・(49)
kry′=2kz・(√3L1/2)=(3/2)kz・L1=krx′
・・(50)
krz′=3kx・L ・・(51)
ここで、kx,ky,kzは、保持システム182の局所座標系であるxyz直交座標系におけるばね定数である。また、アイソレータプレート181の平行変位方向の減衰定数を、cx′,cy′,cz′と規定する。アイソレータプレート181の中心を通る回転減衰係数を、crx′,cry′,crz′と規定する。このとき、減衰定数cx′等、回転減衰係数定数crx′等は、(52)式から(57)式のようになる。
cx′=cx+2(cxcos60°)=2cx=2c・cosα ・・(52)
cy′=2(cxsin60°)=√3cx=√3c・cosα ・・(53)
cz′=3cz=3c・sinα ・・(54)
crx′=cz・L+2・cz(L2/2)=(3/2)cz・L2
=(3/2)c・sinα・L ・・(55)
cry′=2cz・(√3L2/2)=(3/2)cz・L2=crx′
・・(56)
crz′=3cx・L=3c・sinα・L2 ・・(57)
すなわち、本実施形態の渦電流式アイソレータシステム4においても、剛体運動の6自由度すべての方向に対して、復元力と減衰力を発生できるアイソレータシステムとなっていることがわかる。
また、本実施形態においては、渦電流式ダンパ101と保持システム182の取り付け位置(アイソレータプレート181の中心から距離)が異なっているため、第2実施形態や第3実施形態と比較して、設計の自由度が増えるという利点がある。
以上、本発明の第1実施形態から第4実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の構成の変更、組み合わせ、削除等も含まれる。さらに、各実施形態で示した構成のそれぞれを適宜組み合わせて利用できることは、言うまでもない。
例えば、前記第1実施形態では、図17に示す渦電流式アイソレータ1Aのように、渦電流式アイソレータ1のダンパアダプタ132,142に代えて、規制部191A,191Bを備えるとともに、渦電流式ダンパ101の軸線O1方向が、前記対向方向に沿っていてもよい。この変形例では、前記角度βが0°であり、前記角度αが90°である。
規制部191Aでは、一対の延長部材192A,193Aの端部にチャンネル部材194A,195Aがそれぞれ固定されている。より詳しく説明すると、延長部材192Aは、下部板131の外周縁から上方に向かって延びている。延長部材192Aの上端部に、チャンネル部材194Aが固定されている。延長部材193Aは、上部板141の外周縁から下方に向かって延びている。延長部材193Aの下端部に、チャンネル部材195Aが固定されている。チャンネル部材194Aとチャンネル部材195Aとは、互いに係合している。チャンネル部材194A,195Aが係合することで、下部板131に対して上部板141が移動できるx方向及びz方向の範囲が規制されている。
規制部191Bは、規制部191Aと同様に構成されている。すなわち、規制部191Bは、規制部191Aの延長部材192A,193A、チャンネル部材194A,195Aと同様に構成された、延長部材192B,193B、チャンネル部材194B,195Bを備えている。規制部191Bは、渦電流式ダンパ101を挟んで規制部191Aと反対側に配置されている。
チャンネル部材194B,195Bは、チャンネル部材194A,195Aよりも上方に配置されている。
渦電流式ダンパ101では、磁気回路113が下部板131結合され、可動部119が上部板141に結合されている。
渦電流式アイソレータ1Aが規制部191A,191Bを備えることで、自身の弾性力だけでは、磁気回路113に対する可動部119の相対的な位置が保持できないような、比較的弾性力の弱い保持部151を用いることができる。
なお、本変形例の渦電流式アイソレータ1Aでは、板131,141及び規制部191A,191Bに対して渦電流式ダンパ101を図17中に二点鎖線で示すように傾けても、チャンネル部材194A,195A,194B,195Bに渦電流式ダンパ101が干渉し難い。
渦電流式ダンパ101は、蓋105、シャフト106、磁極112、及び取り付けフランジ118を備えなくてもよい。可動子102は、底壁部115を備えなくてもよい。
渦電流式アイソレータ1は、下部板131、上部板141、及び保持部151を備えなくてもよい。
磁束発生部は永久磁石103であるとしたが、磁束発生部はこれに限定されず、電磁石等でもよい。
保持部151は、リーフスプリングであるとした。しかし、保持部は弾性を有する材料で形成されているものであれば、形状等は特に限定されない。
下部板及び上部板の形状は、平板状に限定されない。例えば下部板及び上部板の形状は、対向する方向の外側が平坦である半球状等でもよい。
(産業上の利用可能性)
本発明のダンパ及びアイソレータは、特に人工衛星等の宇宙機に好適である。また、極低温下や真空中等、従来の粘弾性体を用いたアイソレータの使用が難しい場合にも好適である。
1 渦電流式アイソレータ(アイソレータ)
101,101A 渦電流式ダンパ(ダンパ)
102 可動子
103 永久磁石(磁束発生部)
104 ヨーク
105 蓋
105a 貫通孔
106 シャフト(連結部材)
131 下部板(第1部材)
141 上部板(第2部材)
151 保持部
O1 軸線

Claims (7)

  1. 導体で筒状に形成された可動子と、
    前記可動子の内側に配置され、前記可動子の軸線方向の第1側の端部が第1極の極性を有するとともに、前記軸線方向の第2側の端部が、前記第1極とは異なる第2極の極性を有する磁束発生部と、
    軟磁性体材料で有底筒状に形成され、一部が前記可動子の径方向外側に配置されたヨークと、
    軟磁性体材料により形成されるとともに、前記軸線方向に貫通する貫通孔が設けられ、前記ヨークの開口を覆う蓋と、
    前記可動子と結合され、前記貫通孔を通して前記蓋に対して前記可動子とは反対側に突出する連結部材と、
    を備えるダンパ。
  2. 請求項1に記載のダンパと、
    弾性を有する材料で形成され、前記可動子及び前記ヨークにそれぞれ結合された保持部と、
    を備えるアイソレータ。
  3. 前記保持部は、線状又は帯状に形成され、
    自身の長手方向の第1端部が前記ヨークに結合されるとともに、前記長手方向の第2端部が前記可動子に結合されている請求項2に記載のアイソレータ。
  4. 前記保持部は、前記軸線に対して離間する向きに向かって凸となるように湾曲している請求項3に記載のアイソレータ。
  5. 前記ヨークに結合された第1部材と、
    前記可動子に結合された第2部材と、
    を備える請求項2に記載のアイソレータ。
  6. 前記第1部材及び前記第2部材は、それぞれ平板状に形成され、
    前記第1部材及び前記第2部材は、前記第1部材及び前記第2部材それぞれの厚さ方向に対向するように配置されている請求項5に記載のアイソレータ。
  7. 前記第1部材と前記第2部材とが対向する方向に対して、前記軸線方向が傾斜している請求項5又は6に記載のアイソレータ。
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