以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。以下の実施形態は、ドローンなどの無人航空機(以下、「UAV(Unmanned Aerial Vehicle)」という)による物品の配送を管理する配送管理システムに対して本発明を適用した場合の実施形態である。UAVは、無人飛行体の一例である。なお、以下の実施形態では、店舗で販売(提供)される商品(物品の一例)を注文者(配送依頼者の一例)が使用する端末(以下、「注文者端末」という)から注文処理サーバに対して注文することで該商品が配送先へ配送されるケースを例にとって説明する。
[1.配送管理システムSの構成及び動作概要]
先ず、図1及び図2を参照して、本実施形態に係る配送管理システムSの構成及び動作概要について説明する。図1は、配送管理システムSの概要構成例を示す図である。図1に示すように、配送管理システムSは、注文処理サーバPS、監視タスク管理サーバMS、及び複数のオペレータ端末OTn(n=1,2・・・)等を含んで構成される。ここで、監視タスク管理サーバMSは、本発明の飛行制御情報設定装置の一例である。監視タスク管理サーバMS、及び複数のオペレータ端末OTnは、本発明の無人飛行体監視システムを構成することができる。また、監視タスク管理サーバMSは、注文処理サーバPSと一体的に構成されてもよい。オペレータ端末OTnは、オペレータOn(n=1,2・・・)により使用される。例えば、オペレータ端末OT1は、オペレータO1により使用され、オペレータ端末OT2は、オペレータO2により使用される。注文処理サーバPS、監視タスク管理サーバMS、及びオペレータ端末OTnは、それぞれ、通信ネットワークNWに接続される。通信ネットワークNWは、例えば、インターネット、移動体通信ネットワーク及びその無線基地局等から構成される。
図2は、UAV1が商品を配送先へ配送する様子を示す概念図である。図2の例では、商品の配送に利用される複数のUAVm(m=1,2,3・・・)は、それぞれ、異なる拠点Pm(m=1,2,3・・・)に配備されるようになっている。複数のUAVmのうち、UAV1は第1の無人飛行体の一例であり、UAV2は第2の無人飛行体の一例である。商品は店舗Fo(o=1,2,3・・・)で販売されるため、UAVmは拠点Pmから店舗Foに商品を取りに行くようになっている。例えば、図2に示すように、商品の注文が確定した後、UAV1は、設定された飛行制御情報にしたがって、拠点P1から該商品を販売する店舗F1へ飛行し、該商品を店舗F1で積載して配送先へ飛行する。飛行制御情報は、UAV1の飛行を制御するための情報であり、UAV1の飛行速度と飛行経路とのうち少なくとも何れか一方のパラメータを含む。なお、1つの拠点Pmには複数のUAVmが配備されてもよい。例えば、拠点P1にUAV1とUAV2とが配備されてもよい。また、拠点Pmと店舗Foとは同じ場所にあってもよい。例えば、拠点P1内に店舗F1が設置されてもよい。この場合、UAV1は、拠点P1から店舗F1へ飛行しなくてもよい。
注文処理サーバPSは、通信ネットワークNWを介してアクセスしてきた注文者端末UT(例えば、スマートフォン等の携帯端末)からの注文を受け付けて処理するサーバであり、受け付けられた注文に関する情報を監視タスク管理サーバMSへ送信する。ここで、注文に関する情報には、例えば、注文ID(注文の識別情報)、注文者のユーザID(注文者の識別情報)、注文者により注文された商品の商品ID(商品の識別情報)、商品名、商品を販売する店舗ID(店舗Foの識別情報)、及び配送先の位置情報(例えば、緯度及び経度)などが含まれる。なお、商品に関する情報(例えば、商品名、商品の写真画像)は、注文処理サーバPSから注文者に対して選択可能に提示される(つまり、注文者端末UTに表示される)。
また、注文処理サーバPSは、注文者に対して商品の配送可能時間枠(例えば、異なる複数の配送可能時間枠)を選択可能に提示する(つまり、注文者端末UTに表示させる)。かかる配送可能時間枠は、監視タスク管理サーバMSから提供される。注文者に対して提示された配送可能時間枠から該注文者により任意の配送可能時間枠が選択されることで商品の注文が確定する。ここで、配送可能時間枠とは、配送先に商品を配達できる時間帯である。換言すると、配送可能時間枠とは、商品を積載したUAVmが配送先に到着する予定時間帯である。或いは、配送可能時間枠は、配送先に到着したUAVmが地面等に着陸し、UAVmから受取人が商品を受け取り可能となる予定時間帯であってもよい。
監視タスク管理サーバMSは、商品の配送に利用されるUAVmを監視するための監視タスクに関する情報を管理するサーバである。監視タスクとは、例えば、UAVmの状態やUAVmの周辺状況を監視する作業(仕事)ということができる。監視タスクは、UAVmの監視を要する要監視タイミング(UAVmの要監視タイミング)でオペレータOnによりオペレータ端末OTnを介して実行される。監視タスクには、状況に応じてUAVmの飛行制御(例えば、移動制御、ホバリング制御)を行うための端末操作(つまり、オペレータ端末OTnの操作)が含まれてもよい。また、監視タスクは、オペレータOnの監視スケジュールにおいて該監視タスクを実行可能な時間帯に割り当てられる。
本実施形態では、例えば監視拠点にいるオペレータO1が、異なる拠点Pmにて配送を実施する複数のUAVmのそれぞれについて監視タスクを実行する場面を想定している。安全な配送を行うために、各UAVmの店舗Fo上空到着時や着陸時など、オペレータO1による監視タスクが必要なタイミングにおいて、オペレータO1が使用するオペレータ端末OT1にUAVmに関する情報が表示される。つまり、例えば、拠点P1を出発したUAV1が店舗F1上空に到着していても、同じタイミングで店舗F2にてUAV2の配送準備が完了しており、その監視タスクをオペレータO1が実行中の場合、UAV1についての監視タスクは実行不可ということになる。
なお、本実施形態における監視には、オペレータOnが視覚を通じて注視する(注意して見る)ことが含まれる。したがって、要監視タイミングとは、注視(要注視)タイミングともいうことができる。また、要監視タイミングは、監視対象となるUAVmによる1配送に係る配送スケジュールにおいて時間を隔てた複数のタイミングであることが望ましい。これにより、1配送に係る配送スケジュールにおいて、UAVmの要監視タイミングで実行されるべき監視タスクをオペレータOnに効率良く実行させることができる。ただし、要監視タイミングは、監視対象となるUAVmによる1配送に係る配送スケジュールにおいて1つのタイミングであっても構わない。ここで、タイミングは、時点(換言すると、時刻)であってもよいし、時間帯であってもよい(つまり、ある程度の時間幅を有してもよい)。配送スケジュールは、例えば、UAVmが拠点Pmから離陸し、店舗Foを経由して配送先に着陸するまで(或いは、配送先から離陸するまで)のスケジュールである。
また、監視タスク管理サーバMSは、UAVmに関するUAV情報をUAVmから通信ネットワークNWを介して定期的または不定期で受信するようになっている。ここで、UAV情報には、例えば、UAVmの各種センサにより検知された位置、状態、及びバッテリ残量などが含まれる。また、UAV情報には、UAVmのカメラにより撮影されたUAV映像が含まれてもよい。UAV映像には、例えば、UAVmの離着陸の障害になりうる障害物が含まれることもある。また、監視タスク管理サーバMSは、UAVmの周辺状況に関するUAV周辺情報を店舗Foや拠点Pmに設置された各種センサから通信ネットワークNWを介して定期的または不定期で受信してもよい。UAV周辺情報には、店舗Foや拠点Pmに設置された気象センサにより検知された風向き、風速、及び降雨量が含まれる。また、UAV周辺情報には、店舗Foや拠点Pmに設置されたカメラにより撮影されたUAVmの周辺映像が含まれてもよい。周辺映像には、例えば、UAVmの離着陸の障害になりうる障害物が含まれることもある。また、監視タスク管理サーバMSは、天候管理サーバから、UAVmが位置する地域の天候をUAV周辺情報として通信ネットワークNWを介して定期的または不定期で受信してもよい。
[1-1.監視タスク管理サーバMSの構成及び機能]
次に、図3を参照して、監視タスク管理サーバMSの構成及び機能について説明する。図3は、監視タスク管理サーバMSの概要構成例を示す図である。図3に示すように、監視タスク管理サーバMSは、通信部11、記憶部12、及び制御部13等を備える。通信部11は、通信ネットワークNWを介して行われる通信の制御を担う。通信部11は、注文に関する情報を注文処理サーバPSから受信する。また、通信部11は、UAV情報とUAV周辺情報とのうち少なくとも何れか一方をUAVm等から受信する。記憶部12は、例えば、ハードディスクドライブ等から構成され、オペレーティングシステム、及びアプリケーションを含む各種プログラム等を記憶する。ここで、アプリケーションには、飛行制御情報設定方法を実行するためのプログラムが含まれる。また、記憶部12は、UAVmから受信されたUAV情報とUAV周辺情報とのうち少なくとも何れか一方をUAVmの機体ID(UAVmの識別情報)に対応付けてUAVmごとに逐次更新しつつ蓄積するバッファメモリを有する。
また、記憶部12は、要監視タイミング算出用テーブルを記憶する。図4は、要監視タイミング算出用テーブルの一例を示す図である。図4に示すように、要監視タイミング算出用テーブルには、複数の要監視タイミングの基準時間が、飛行速度(上限、通常、下限)ごと、且つ飛行経路(近道、通常、遠回り)ごとに対応付けられて登録されている。ここで、要監視タイミングの基準時間は、要監視タイミングを算出するための時間である。要監視タイミングは、UAVmの飛行速度と飛行経路とのうち少なくとも何れか一方の変化に応じて変化するようになっている。飛行速度(予定速度)は、上限(例えば、20m/s)、通常(例えば、13m/s)、及び下限(例えば、1m/s)の3つに区分されているが、2つまたは4つ以上に区分されてもよい。
図4の例では、飛行経路(飛行ルート)は、近道、通常、及び遠回りの3つに区分されているが、2つまたは4つ以上に区分されてもよい。近道は、例えば、UAVmが1の地点から他の地点までを飛行距離が最も短い経路で飛行することを示す。遠回りは、例えば、UAVmが1の地点から他の地点までを飛行距離が最も長い経路で飛行することを示す。通常は、例えば、UAVmが1の地点から他の地点までを近道の飛行距離より長く、且つ遠回りの飛行距離より短い経路で飛行することを示す。なお、飛行経路は、例えば、拠点Pm、店舗Fo、及び配送先が決まった際(つまり、注文が受け付けられた際)に決定されるようになっている。
また、UAVmの飛行速度を上限、通常、及び下限の何れかに固定としたときに、UAVmが近道の飛行経路で飛行した場合の所要時間は、UAVmが通常の飛行経路で飛行(ホバリングを含んでもよい)した場合の所要時間より所定分(例えば、10分)早くなるように設定される。同様に、UAVmが通常の飛行経路で飛行した場合の所要時間は、UAVmが遠回りの飛行経路で飛行した場合の所要時間より所定分(例えば、10分)早くなるように設定されている。なお、要監視タイミング算出用テーブルに代えて、飛行速度と飛行経路との少なくとも何れか一方を入力とし、要監視タイミングを出力とする関数が用いられてもよい。
また、図4の例では、要監視タイミングの例として、拠点離陸時、店舗着陸時、店舗離陸時、配送先飛行時、及び配送先着陸時が示されている(5つ)。ここで、“時”は“直前”であってもよい。それぞれの要監視タイミングで実行されるべき監視タスクのタスク種別は互いに異なる。なお、タスク種別は、図4に示す数(5つ)よりも少なくてもよいし、多くてもよい。また、拠点Pmと店舗Foとが同じ場所にある場合、拠点離陸時、店舗着陸時、及び店舗離陸時は、店舗離陸時に纏めることができる。
ここで、店舗離陸時は、例えば、商品を積載したUAVmが配送のために店舗Foから離陸(これを「配送開始」ともいう)するタイミングを示す。このタイミングは、要監視タイミング算出用テーブルの基準時間が参照されることで、配送開始時間T(時点)または配送開始時間Tを基準とする時間帯に設定される。かかる時間帯の長さは、要監視タイミングでの監視タスクの実行に要するタスク所要時間と等しい時間長であるとよい(他の要監視タイミングについても同様)。なお、要監視タイミング算出用テーブルにおいて、配送開始時間Tは、基準となるため、例えば、“0:00”として登録されている。
店舗着陸時は、例えば、拠点Pmから離陸したUAVmが店舗上空に到着し着陸(例えば、店舗Foの架台に着陸)するタイミング(店舗着陸時の要監視タイミングともいう)を示す。飛行速度“上限”と飛行経路“近道”の組合せにおける該タイミングは、要監視タイミング算出用テーブルの基準時間が参照されることで、例えば、配送開始時間Tから“ta”分(例えば、10分)前の時点または該時点を基準とする時間帯に設定される。また、飛行速度“上限”と飛行経路“通常”の組合せにおける該タイミングは、要監視タイミング算出用テーブルの基準時間が参照されることで、例えば、配送開始時間Tから“tai”分(例えば、20分)前の時点または該時点を基準とする時間帯に設定される。
また、飛行速度“上限”と飛行経路“遠回り”の組合せにおける該タイミングは、要監視タイミング算出用テーブルの基準時間が参照されることで、例えば、配送開始時間Tから“taj”分(例えば、30分)前の時点または該時点を基準とする時間帯に設定される。なお、飛行速度と飛行経路の他の組合せにおける店舗着陸時の要監視タイミングについても、要監視タイミング算出用テーブルの基準時間が参照されることで、同じように設定される。
拠点離陸時は、例えば、UAVmが拠点Pmから離陸するタイミング(拠点離陸時の要監視タイミングともいう)を示す。飛行速度“上限”と飛行経路“近道”の組合せにおける該タイミングは、要監視タイミング算出用テーブルの基準時間が参照されることで、配送開始時間Tから“tb”分前の時点または該時点を基準とする時間帯に設定される。“tb”分は、“ta”分と、拠点Pmから店舗Foまでの所要時間“tx”分との和になる。“tx”分は、UAVmの飛行速度“上限”と、拠点Pmから店舗Foまでの飛行経路“近道”に応じた飛行距離とから算出される。また、飛行速度“上限”と飛行経路“通常”の組合せにおける該タイミングは、要監視タイミング算出用テーブルの基準時間が参照されることで、配送開始時間Tから“tbi”分前の時点または該時点を基準とする時間帯に設定される。“tbi”分は、“tai”分と、拠点Pmから店舗Foまでの所要時間“txi”分との和になる。“txi”分は、UAVmの飛行速度“上限”と、拠点Pmから店舗Foまでの飛行経路“通常”に応じた飛行距離とから算出される。
また、飛行速度“上限”と飛行経路“遠回り”の組合せにおける該タイミングは、要監視タイミング算出用テーブルの基準時間が参照されることで、配送開始時間Tから“tbj”分前の時点または該時点を基準とする時間帯に設定される。“tbj”分は、“taj”分と、拠点Pmから店舗Foまでの所要時間“txj”分との和になる。“txj”分は、UAVmの飛行速度“上限”と、拠点Pmから店舗Foまでの飛行経路“遠回り”に応じた飛行距離とから算出される。なお、飛行速度と飛行経路の他の組合せにおける拠点離陸時の要監視タイミングについても、要監視タイミング算出用テーブルの基準時間が参照されることで、同じように設定される。
配送先飛行時は、例えば、店舗Foから離陸したUAVmが配送途中位置に到達するタイミング(配送先飛行時の要監視タイミングともいう)を示す。配送途中位置とは、店舗Foから配送先までの飛行経路のうちの所定割合(例えば、50%)の位置である。飛行速度“上限”と飛行経路“近道”の組合せにおける該タイミングは、要監視タイミング算出用テーブルの基準時間が参照されることで、配送開始時間Tから“te”分後の時点または該時点を基準とする時間帯に設定される。“te”分は、店舗Foから配送途中位置までの所要時間である。“te”分は、UAVmの飛行速度“上限”と、店舗Foから配送途中位置までの飛行経路“近道”に応じた飛行距離とから算出される。また、飛行速度“上限”と飛行経路“通常”の組合せにおける該タイミングは、要監視タイミング算出用テーブルの基準時間が参照されることで、配送開始時間Tから“tei”分後の時点または該時点を基準とする時間帯に設定される。“tei”分は、店舗Foから配送途中位置までの所要時間である。“tei”分は、UAVmの飛行速度“上限”と、店舗Foから配送途中位置までの飛行経路“通常”に応じた飛行距離とから算出される。
また、飛行速度“上限”と飛行経路“遠回り”の組合せにおける該タイミングは、要監視タイミング算出用テーブルの基準時間が参照されることで、配送開始時間Tから“tej”分後の時点または該時点を基準とする時間帯に設定される。“tej”分は、店舗Foから配送途中位置までの所要時間である。“tej”分は、UAVmの飛行速度“上限”と、店舗Foから配送途中位置までの飛行経路“遠回り”に応じた飛行距離とから算出される。なお、飛行速度と飛行経路の他の組合せにおける配送先飛行時の要監視タイミングについても、要監視タイミング算出用テーブルの基準時間が参照されることで、同じように設定される。
配送先着陸時は、例えば、店舗Foから離陸したUAVmが配送先上空に到着し着陸するタイミング(配送先着陸時の要監視タイミングともいう)を示す。飛行速度“上限”と飛行経路“近道”の組合せにおける該タイミングは、要監視タイミング算出用テーブルの基準時間が参照されることで、配送開始時間Tから“tf”分後の時点または該時点を基準とする時間帯に設定される。“tf”分は、店舗Foから配送先までの所要時間(飛行継続時間)である。“tf”分は、UAVmの飛行速度“上限”と、店舗Poから配送先までの飛行経路“近道”に応じた飛行距離とから算出される。また、飛行速度“上限”と飛行経路“通常”の組合せにおける該タイミングは、要監視タイミング算出用テーブルの基準時間が参照されることで、配送開始時間Tから“tfi”分後の時点または該時点を基準とする時間帯に設定される。“tfi”分は、店舗Foから配送先までの所要時間である。“tfi”分は、UAVmの飛行速度“上限”と、店舗Poから配送先までの飛行経路“通常”に応じた飛行距離とから算出される。
また、飛行速度“上限”と飛行経路“遠回り”の組合せにおける該タイミングは、要監視タイミング算出用テーブルの基準時間が参照されることで、配送開始時間Tから“tfj”分後の時点または該時点を基準とする時間帯に設定される。“tfj”分は、店舗Foから配送先までの所要時間である。“tfj”分は、UAVmの飛行速度“上限”と、店舗Poから配送先までの飛行経路“遠回り”に応じた飛行距離とから算出される。なお、飛行速度と飛行経路の他の組合せにおける配送先着陸時の要監視タイミングについても、要監視タイミング算出用テーブルの基準時間が参照されることで、同じように設定される。
以上のように、監視タスクは、異なる複数のタスク種別に区別することができる。例えば、拠点離陸時の監視タスクと、店舗着陸時の監視タスクと、店舗離陸時の監視タスクと、配送先飛行時の監視タスクと、配送先着陸時の監視タスクとは、タスク種別が互いに異なる。ただし、タスク種別が異なる監視タスクであっても、監視タスクの内容(例えば、何を注視するか)は同一の場合もあるし異なる場合もある。
さらに、記憶部12には、店舗管理データベース(DB)121、機体管理データベース(DB)122、ユーザ管理データベース(DB)123、オペレータ管理データベース(DB)124、配送計画管理データベース(DB)125、及び監視計画管理データベース(DB)126等が構築される。店舗管理データベース121は、商品を販売する店舗Foに関する情報を管理するためのデータベースである。店舗管理データベース121には、例えば、店舗ID、及び店舗Foの位置情報(例えば、緯度及び経度)等が店舗Foごとに対応付けられて格納(登録)される。
機体管理データベース122は、商品の配送に利用されるUAVmに関する情報を管理するためのデータベースである。機体管理データベース122には、例えば、UAVmの機体ID、稼働状況、利用可能時間帯、及びUAVmが配備された拠点Pmの位置情報等がUAVmごとに対応付けられて格納される。稼働状況は、稼働中(例えば、配送準備のために移動中、配送に利用中、帰還中)、使用不可、または待機中を示し、適宜更新される。利用可能時間帯は、UAVmを配送に利用可能な年月日及び時間帯を示す。
ユーザ管理データベース123は、配送サービスの利用会員としてのアカウントが作成されたユーザに関する情報を管理するためのデータベースである。ここで、アカウントが作成されたユーザは、注文者として注文者端末UTを介して商品の注文を注文処理サーバPSに行うことができる。ユーザ管理データベース123には、ユーザID、氏名、住所、メールアドレス、及び電話番号がユーザごとに対応付けられて格納される。なお、ユーザ管理データベース123には、商品の配送先の住所または位置情報が事前登録されてもよい。
オペレータ管理データベース124は、オペレータOnに関する情報を管理するためのデータベースである。オペレータ管理データベース124には、例えば、オペレータOnのオペレータID(オペレータOnの識別情報)、オペレータOnの監視スケジュール、オペレータOnが使用するオペレータ端末OTnのアクセス情報(例えば、IPアドレス)等がオペレータOnごとに対応付けられて格納される。オペレータOnの監視スケジュールには、例えば、オペレータOnが監視タスクを実行可能な時間帯(年月日及び時間帯)と実行不能な時間帯(年月日及び時間帯)との少なくとも何れか一方が含まれる。監視タスクを実行不能な時間帯には、例えば、他のUAVmを監視するための監視タスクが既に割り当てられている時間帯(つまり、監視タスクが既に入っている時間帯)や休憩時間帯などが含まれる。
配送計画管理データベース125は、配送計画に関する情報を管理するためのデータベースである。配送計画管理データベース125には、注文ID、及び決定された配送計画等が注文(配送)ごとに対応付けられて格納される。配送計画には、例えば、配送対象となる商品の商品ID、該商品を配送するUAVmの機体ID、UAVmの配送スケジュール、及びUAVmの飛行制御情報等が含まれる。配送計画中に示されるUAVmは、配送への利用が決定されたUAVmである。配送スケジュールには、配送可能時間及び配送開始時間等が含まれる。飛行制御情報は、各要監視タイミングに対応する区間(例えば、拠点Pm~店舗Fo)ごとの制御情報である。なお、1配送は、1つの注文IDと、1つのUAVmに対応している。例えば、注文ID“d0001”で識別される注文に係る商品はUAV1により配送され、注文ID“d0002”で識別される注文に係る商品はUAV2により配送される。
監視計画管理データベース126は、監視計画に関する情報を管理するためのデータベースである。監視計画管理データベース126には、注文ID、及び決定された監視計画等が注文ごとに対応付けられて格納される。ここで、監視計画とは、どのオペレータOnがどの要監視タイミングでどのUAVmについて監視タスクを実行するかを示す計画(換言すると、監視タスクの実行計画)である。図5は、監視計画管理データベース126の内容の一例を示す図である。図5に示すように、注文ID“d0001”に対応付けられた監視計画では、タスク種別ごとに、監視タスクを実行するオペレータOnのオペレータIDが対応付けられている。また、監視計画において、監視対象となるUAVmの機体IDがオペレータIDに対応付けられているとよい。なお、図5の例では、要監視タイミングは時間帯(年月日を省略)で表されており、この時間帯(要監視タイミングに係る時間帯)において監視タスクが実行されることになる。
制御部13は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)等を備える。図6は、制御部13における機能ブロック例を示す図である。制御部13は、例えばROMまたは記憶部12に記憶されたプログラム(プログラムコード群)に従って、図6に示すように、配送可能時間枠抽出部131、配送可能時間枠提示部132(提示部の一例)、監視スケジュール取得部133(第1取得部の一例)、要監視タイミング取得部134(第2取得部の一例)、飛行制御情報設定部135(設定部の一例)、監視計画生成部136(割当部の一例)、監視計画変更部137(変更部の一例)、監視タスク情報送信部138(送信部の一例)、飛行制御部139、及び遅延制御部140等として機能する。
配送可能時間枠抽出部131は、例えば注文に関する情報が受信されたときに、該注文に係る商品の配送に要する推定時間等に基づいて、該注文に係る商品の配送可能時間枠を所定数(例えば、3つ以上)抽出する。ここで、商品の配送に要する推定時間は、該商品のピックアップ及び積載などの準備時間、及びUAVmが配送先に到達するまでの所要時間等から推定される。かかる所要時間は、例えば、UAVmの飛行速度と、UAVmの拠点Pmから配送先までの飛行経路に応じた飛行経路とから算出される。このとき、例えば、図4に示す飛行速度と飛行経路の組合せのそれぞれについて所要時間が算出され、それぞれの所要時間を含む上記推定時間が複数算出される。なお、配送可能時間枠の抽出にあたり、適宜、機体管理データベース122で管理されているUAVmの利用可能時間帯等が参照されてもよい。
配送可能時間枠抽出部131は、上記算出された複数の推定時間のうち、最も短い推定時間(例えば、20分)に基づいて(例えば、UAVmが店舗Foから出発可能となる時刻を始点として)最も早く到来する配送可能時間(12:00)を算出し、且つ、最も長い推定時間(例えば、80分)に基づいて最も遅く到来する配送可能時間(13:00)を算出する。そして、配送可能時間枠抽出部131は、最も早く到来する配送可能時間から最も遅く到来する配送可能時間を含む配送可能時間枠を抽出する。ここで、最も早く到来する配送可能時間は、例えば、図4に示す飛行速度“上限”と飛行経路“近道”の組合せでの所要時間を含む上記推定時間に対応する。一方、最も遅く到来する配送可能時間は、図4に示す飛行速度“下限”と飛行経路“遠回り”の組合せでの所要時間を含む上記推定時間に対応する。
配送可能時間枠として、例えば、“12:00(始点)~13:00(終点)”が抽出された場合、さらに、かかる配送可能時間枠から所定時間遅延させた配送可能時間枠が1つ以上抽出されるとよい。例えば、所定時間を60分とすると、配送可能時間枠は、“13:00~14:00”、“14:00~15:00”・・・、というように抽出される。このような複数の配送可能時間枠の一部は重複してもよい。この場合、配送可能時間枠は、例えば、“12:00~13:00”、“12:30~13:30”、“13:00~14:00”というように複数抽出される。なお、抽出された配送可能時間枠には、注文ID、及び配送可能時間枠内に配送可能時間に配送先で商品を受け渡し可能なUAVm(機体ID)が対応付けられる。
配送可能時間枠提示部132は、商品の注文者に対してUAVmによる該商品の配送可能時間枠(配送可能時間枠抽出部131により抽出された配送可能時間枠)を選択可能に所定数提示(つまり、注文者の注文者端末UTに表示)することを制御する。かかる配送可能時間枠の提示は、注文処理サーバPSが配送可能時間枠提示部132により提供された配送可能時間枠を示す情報を注文者端末UTへ送信することで行われる。なお、配送可能時間枠提示部132は、配送可能時間枠を示す情報を、注文処理サーバPSを介さずに監視タスク管理サーバMSから注文者端末UTへ直接送信してもよい。
図7は、注文者端末UTに表示された配送可能時間枠選択画面の一例を示す図である。図7に示す配送可能時間枠選択画面には、配送可能時間枠として、“12:00~13:00”、“13:00~14:00”、“14:00~15:00”が表示されている。例えば、“12:00~13:00”に対応付けられた“選択する”ボタンBが注文者により指定されると、ボタンBの表示内容が“選択中”に変わる。そして、選択された配送可能時間枠を示す情報(例えば、注文IDを含む)が注文者端末UTから注文処理サーバPSを介して監視タスク管理サーバMSへ送信される。
監視スケジュール取得部133は、例えば注文者により選択された配送可能時間枠を示す情報が受信されたときに、複数のオペレータOnのそれぞれの監視スケジュールをオペレータ管理データベース124から取得する。要監視タイミング取得部134は、UAVmの監視を要する要監視タイミングであって、UAVmの飛行速度と飛行経路とのうち少なくとも何れか一方の変化に応じて変化する要監視タイミングを取得する。つまり、要監視タイミング取得部134は、最短の要監視タイミングから最長の要監視タイミングまでの複数の要監視タイミングを含む要監視タイミング枠(範囲)を取得する。ここで、最短の要監視タイミングとは、例えば、飛行速度“上限”と飛行経路“近道”の組合せに対応する要監視タイミングである。一方、最長の要監視タイミングとは、例えば、飛行速度“下限”と飛行経路“遠回り”の組合せに対応する要監視タイミングである。なお、要監視タイミング枠は、タスク種別(例えば、拠点離陸時の監視タスク、店舗着陸時の監視タスク等)ごとに取得されるとよい。
より具体的には、要監視タイミング取得部134は、注文者により選択された配送可能時間枠と、要監視タイミング算出用テーブルとに基づいて、該配送可能時間枠に対応付けられたUAVmの監視を要する要監視タイミング枠を取得する。例えば、配送可能時間枠抽出部131により抽出された配送可能時間枠に含まれる配送可能時間(例えば、最も早く到来する配送可能時間“12:00”)と、店舗Foから配送先までの所要時間(例えば、“tf”分)とから配送開始時間Tが上記組合せごとに算出される。算出された配送開始時間Tには、注文ID及び配送可能時間が対応付けられる。
そして、算出された配送開始時間Tが上記組合せごとに要監視タイミング算出用テーブルに当てはめられることで、上記組合せごとに要監視タイミングが取得される。これにより、上記組合せごとの要監視タイミングを含む要監視タイミング枠が取得(例えば、タスク種別ごとに取得)される。なお、要監視タイミング算出用テーブルに代えて、飛行速度と飛行経路との少なくとも何れか一方を入力とし、要監視タイミングを出力とする関数が用いられてもよい。
飛行制御情報設定部135は、要監視タイミング取得部134により取得された監視スケジュールにおいてオペレータOnが監視タスクを実行可能な時間帯に、要監視タイミング取得部134により取得された要監視タイミング枠内の要監視タイミングが含まれるようにUAVmの飛行速度と飛行経路とのうち少なくとも何れか一方の設定(例えば、タスク種別ごとに設定)を行う。つまり、飛行制御情報設定部135は、注文者により選択された配送可能時間枠にUAVmが商品を配送(つまり、配達)でき、且つオペレータOnが監視タスクを実行可能な時間帯に要監視タイミング枠内の要監視タイミングが含まれるようにUAVmの飛行速度と飛行経路とのうち少なくとも何れか一方の設定を行う。これにより、注文者の希望時間通りに物品を配送させ、且つ監視タスクをオペレータOnに実行させるための要監視タイミングを適切に調整することができる。
図8は、オペレータO1,O2のそれぞれの監視スケジュールSC1,SC2と、タスク種別ごとの要監視タイミング枠TW1~4との時間的関係を示す概念図である。監視スケジュールSC1,SC2のそれぞれには、オペレータO1,O2のそれぞれが監視タスクを実行可能な時間帯TOKと実行不能な時間帯TNGとが示されている。例えば、監視スケジュールSC1においてオペレータO1が監視タスクを実行可能な時間帯TOKに、配送先着陸時の要監視タイミング枠TW4“12:00~13:00”内の要監視タイミング(この例では、12:50から13:00までの10分)が含まれるように、飛行速度と飛行経路とのうち少なくとも何れか一方が設定される。また、監視スケジュールSC1においてオペレータO1が監視タスクを実行可能な時間帯TOKに、店舗離陸時の要監視タイミング枠TW3“11:20~12:20”内の要監視タイミング(この例では、12:00から12:10までの10分)が含まれるように、飛行速度と飛行経路とのうち少なくとも何れか一方が設定される。他のタスク種別の要監視タイミング枠TW1及びTW2についても同様の設定が行われる。
より具体的には、飛行制御情報設定部135は、UAVmの飛行速度と飛行経路とのうち少なくとも何れか一方を変化させること(あくまでも、飛行制御情報設定部135内で仮想的に変化させる演算)によってオペレータO1が監視タスクを実行可能な時間帯TOKに、要監視タイミング枠TW1~TW4のそれぞれの要監視タイミングが含まれるように設定を行う。例えば、飛行制御情報設定部135は、監視タスクを実行可能な時間帯TOKに含ませるために要監視タイミングを早める場合、UAVmの飛行速度が速くなるように当該飛行速度を変化させるか、またはUAVmの飛行経路が短くなるように当該飛行経路を変化させる。これにより、要監視タイミングを早めることができる。或いは、飛行制御情報設定部135は、監視タスクを実行可能な時間帯TOKに含ませるために要監視タイミングを早める場合、UAVmの飛行速度が速くなるように当該飛行速度を変化させるとともに、UAVmの飛行経路が短くなるように当該飛行経路を変化させる。これにより、要監視タイミングを、より一層、早めることができる。
一方、飛行制御情報設定部135は、監視タスクを実行可能な時間帯TOKに含ませるために要監視タイミングを遅らせる場合、UAVmの飛行速度が遅くなるように当該飛行速度を変化させるか、またはUAVmの飛行経路が長くなるように当該飛行経路を変化させる。これにより、要監視タイミングを遅らせることができる。或いは、飛行制御情報設定部135は、監視タスクを実行可能な時間帯TOKに含ませるために要監視タイミングを遅らせる場合、UAVmの飛行速度が遅くなるように当該飛行速度を変化させるとともに、UAVmの飛行経路が長くなるように当該飛行経路を変化させる。これにより、要監視タイミングを、より一層、遅らせることができる。
なお、飛行制御情報設定部135は、監視タスクを実行可能な時間帯にUAVmの要監視タイミングを含ませることが困難(不可)である場合に、UAVmの飛行経路を変化させることによって監視タスクを実行可能な時間帯に要監視タイミングが含まれるように設定を行ってもよい。これにより、監視タスクをオペレータOnに実行させるための要監視タイミングを、より効率良く調整することができる。これは、UAVmの飛行経路を変化させる制御より、UAVmの飛行速度を変化させる制御の方が消費電力等の観点から効率的であるという考えに基づくものである。
なお、図8の例では、オペレータO1の監視スケジュールSC1においてオペレータO1が監視タスクを実行可能な時間帯TOKに、要監視タイミング枠TW1~4のそれぞれの要監視タイミングが含まれるようにUAVmの飛行速度と飛行経路とのうち少なくとも何れか一方の設定が行われる。これにより、1つのUAVmを監視するための複数の監視タスクを1人のオペレータO1に実行させるための複数の要監視タイミングを適切に調整することができる。これとは別の例として、飛行制御情報設定部135は、オペレータO1の監視スケジュールSC1においてオペレータO1が監視タスクを実行可能な時間帯TOKに、要監視タイミング枠TW1~4のうち一部の要監視タイミング枠(例えば、TW1及びTW2)内の要監視タイミングが含まれるようにUAVmの飛行速度と飛行経路とのうち少なくとも何れか一方の設定を行ってもよい。この場合、飛行制御情報設定部135は、オペレータO2の監視スケジュールSC2においてオペレータO2が監視タスクを実行可能な時間帯TOKに、要監視タイミング枠TW1~4のうち残りの要監視タイミング枠(例えば、TW3及びTW4)内の要監視タイミングが含まれるようにUAVmの飛行速度と飛行経路とのうち少なくとも何れか一方の設定を行うことになる。
監視計画生成部136は、飛行制御情報設定部135により飛行速度と飛行経路とのうち少なくとも何れか一方の設定が行われることにより、例えばオペレータO1の監視スケジュールにおいて監視タスクを実行可能な時間帯に含まれるようになった要監視タイミングで実行されるべき監視タスクを該時間帯に割り当てることで監視計画を生成(決定)する。例えばUAV1の要監視タイミング枠TW~4のそれぞれの要監視タイミングで実行されるべき監視タスクが、オペレータO1の監視スケジュールに割り当てられることで、それぞれの要監視タイミングで実行されるべき監視タスクを1人のオペレータO1(オペレータID“o0001”)に一気通貫でより効率良く実行させることができる(例えば、図5に示す注文ID“d0001”参照)。上記のように、注文者により選択された配送可能時間枠に対応する監視計画が決定されると、注文に係る配送計画が決定される。なお、例えばオペレータO1の監視スケジュールには、UAV1の拠点P1とは異なる拠点P2に配備される他のUAV2を監視するための監視タスクが既に割り当てられている場合もある。これにより、複数の拠点Pmのそれぞれに配備されるUAVmの要監視タイミングで実行されるべき監視タスクを1人のオペレータO1に効率良く実行させることができる。
或いは、監視計画生成部136は、オペレータO1の監視スケジュールにおいて監視タスクを実行可能な時間帯に含まれるようになった要監視タイミング(例えば、要監視タイミング枠TW1,2のそれぞれの要監視タイミング)で実行されるべき監視タスクを該時間帯に割り当て、オペレータO2の監視スケジュールにおいて監視タスクを実行可能な時間帯に含まれるようになった他の要監視タイミング(例えば、要監視タイミング枠TW3,4のそれぞれの要監視タイミング)で実行されるべき監視タスクを該時間帯に割り当てることで監視計画を生成してもよい。これにより、1つのUAVmの要監視タイミング群内の要監視タイミングのそれぞれで実行されるべき監視タスクの実行負担を複数のオペレータOnに分散することができる。
或いは、監視タスクを実行するオペレータOnがタスク種別ごとに固定されてもよい(つまり、タスク種別ごとの完全分業)。この場合、監視計画生成部136は、例えば、オペレータO1の監視スケジュールにおいて監視タスクを実行可能な時間帯に含まれるようになったUAV1及びUAV2それぞれの第1のタスク種別の監視タスク(例えば、店舗離陸時の監視タスク)を割り当てる一方、オペレータO2の監視スケジュールにおいて監視タスクを実行可能な時間帯に含まれるようになったUAV1及びUAV2それぞれの第2のタスク種別の監視タスク(例えば、配送先着陸時の監視タスク)を割り当てることで監視計画を生成する。これにより、複数のUAVmのそれぞれの要監視タイミングで実行されるべき監視タスクをタスク種別ごとに複数のオペレータOnに分業させることができる。そのため、タスク種別ごとの監視タスクの専門性を高めることが可能となり、該監視タスクをオペレータOnに、より適切に実行させることができる。
飛行制御情報設定部135によりUAV1の飛行速度と飛行経路とのうち少なくとも何れか一方を変化させることによっても、例えばオペレータO1の監視スケジュールにUAV2を監視するための監視タスクが既に割り当てられた時間帯が含まれているため、オペレータO1が監視タスクを実行可能な時間帯にUAV1の要監視タイミングを含ませることが困難(不可)である場合が想定される。この場合、監視計画変更部137は、UAV2の既に設定された飛行速度と飛行経路とのうち少なくとも何れか一方を変更することでUAV2の要監視タイミングを該要監視タイミングが含まれる要監視タイミング枠内で変更する。さらに、監視計画変更部137は、オペレータO1の監視スケジュールにおいてUAV2を監視するための監視タスクが既に割り当てられている時間帯をUAV2の要監視タイミングの変更に応じて変更(オペレータO1が監視タスクを実行可能な時間帯に変更)する。
そして、飛行制御情報設定部135は、監視計画変更部137により時間帯が変更されることで生じた空き時間帯に、UAV1の要監視タイミング枠内の要監視タイミングが含まれるようにUAV1の飛行速度と飛行経路とのうち少なくとも何れか一方の設定を行う。これにより、オペレータO1が監視タスクを実行可能な時間帯にUAV1の要監視タイミングを含ませることが困難である場合であっても、UAV2の要監視タイミングを適切に変更することでUAV1の監視を要する監視タスクをオペレータO1に実行させるための要監視タイミングを適切に調整することができる。
図9は、UAV2を監視するための監視タスクが既に割り当てられた時間帯が変更される例を示す概念図である。図9の例では、オペレータO1の監視スケジュールSC1においてUAV2を監視するための監視タスクが既に割り当てられた時間帯T21“12:50~13:00”が、時間帯T22“13:00~13:10”に変更されることで時間帯T21が空き時間帯として生じる。かかる時間帯T21は、UAV2の要監視タイミング枠TW4内に含まれる要監視タイミングに対応していることが上記変更前に確認される。そして、変更により生じた空き時間帯T21に、UAV1の要監視タイミング枠TW4内の要監視タイミングが含まれるようにUAV1の飛行速度と飛行経路とのうち少なくとも何れか一方が設定される。こうして、オペレータO1の監視スケジュールにおいて空き時間帯T21に含まれるようになったUAV1の要監視タイミングで実行されるべき監視タスクが該時間帯T21に割り当てられる。
監視タスク情報送信部138は、監視対象となるUAVmの要監視タイミングの到来に応じて、該要監視タイミングで実行されるべき監視タスクをオペレータOnに実行させるための情報(以下、「監視タスク情報」という)を該オペレータOnが使用するオペレータ端末OTnに送信(例えば、プッシュ配信)する。これにより、UAVmの要監視タイミングで実行されるべき監視タスクをオペレータOnに迅速且つ適切に実行させることができる。なお、「要監視タイミングの到来に応じて」には、現在時刻が要監視タイミングに係る時間帯の始点になった場合、または現在時刻が該始点の数秒前になった場合を意味する。監視タスク情報には、オペレータOnに監視タスクの実行を促すメッセージが含まれるとよい。かかるメッセージには、監視タスクの内容を示す情報が含まれてもよい。また、監視タスク情報には、オペレータ端末OTnに監視タスク実行画面を表示(例えば、ポップアップ)させる制御指令が含まれてもよい。
図10は、オペレータ端末OT1に表示された監視タスク実行画面の一例を示す図である。図10に示す監視タスク実行画面には、監視対象となるUAV1に関するUAV情報及びUAV1の周辺状況に関するUAV周辺情報が表示されているとともに、オペレータO1に監視タスクの実行を促すメッセージMが表示されている。UAV情報及びUAV周辺情報は、監視タスク管理サーバMSから逐次受信される。図10に示すように、UAV位置表示領域51には、UAV1の位置が表示される。UAV状態表示領域52には、UAV1の状態が表示される。UAVバッテリ表示領域53には、UAV1のバッテリ残量が表示される。なお、タスク種別ごとに異なる監視タスク実行画面を表示させてもよい。
風向き&風速表示領域54には、UAV1が位置している店舗Foまたは拠点P1に設置された気象センサにより検知された風向き及び風速が表示される。降雨量表示領域55には、UAV1が位置している店舗Foまたは拠点P1に設置された気象センサにより検知された降雨量が表示される。天候表示領域56には、UAV1が位置する地域の天候が表示される。UAVカメラ映像表示領域57には、UAV1のカメラにより撮影されたUAV映像が表示される。周辺カメラ映像表示領域58には、UAV1が位置している店舗Foや拠点P1に設置されたカメラにより撮影されたUAV1の周辺映像が表示される。オペレータO1は、監視タスク実行画面に表示された情報を見ながら監視タスクを実行することになる。
飛行制御部139は、飛行制御情報設定部135により設定された、UAVmの飛行速度と飛行経路とのうち少なくとも何れか一方に基づいて、UAVmの飛行を間接的に制御する。例えば、飛行制御部139は、UAVmの飛行速度と飛行経路とのうち少なくとも何れか一方を含む飛行制御情報を、通信部11を介してUAV1mへ送信する。例えば、上記決定された監視計画に示される各要監視タイミングに対応する区間ごとの飛行制御情報がUAV1mへ送信される。これにより、設定された要監視タイミングで監視タスクをオペレータOnに実行させるためにUAVmの飛行を適切に制御することができる。
ところで、配送スケジュールが決定された例えばUAV1の状態や周辺状況等により、該配送スケジュールに遅延が発生する場合、遅延制御部140は、UAV1の要監視タイミングを遅延させる。つまり、遅延制御部140は、監視計画管理データベース126に登録された監視計画においてUAV1の要監視タイミングを、UAV1の配送スケジュールの遅延時間に応じて遅らせるように更新(変更)する。さらに、遅延制御部140は、変更された要監視タイミングで監視タスクを実行するオペレータO1の監視スケジュールにおいて該監視タスクが割り当てられている時間帯をUAV1の配送スケジュールの遅延時間に応じて遅らせるように更新(変更)する。
このようにUAV1の要監視タイミングが遅延された場合において、オペレータO1の監視スケジュールにUAV1以外の例えばUAV2を監視するための監視タスクが割り当てられている場合、遅延制御部140は、UAV1の遅延後の要監視タイミングとUAV2の要監視タイミングの少なくとも一部が重複するか否かを判定する。そして、UAV1の遅延後の要監視タイミングとUAV2の要監視タイミングの少なくとも一部が重複する場合、飛行制御情報設定部135は、オペレータO1の監視スケジュールにおいて監視タスクを実行可能な時間帯にUAV2の要監視タイミング枠内の要監視タイミングが含まれるようにUAV2の飛行速度と飛行経路とのうち少なくとも何れか一方の再設定を行う。かかる再設定の方法は上述した設定の方法と同様である。これにより、UAV1の配送スケジュールに遅延が発生することでUAV1の遅延後の要監視タイミングとUAV2の要監視タイミングの少なくとも一部が重複するようになった場合であっても、UAV1及びUAV2のそれぞれの監視タスクをオペレータO1に実行させるための要監視タイミングを適切に調整することができる。こうして再設定が行われることにより、オペレータO1の監視スケジュールにおいて監視タスクを実行可能な時間帯に含まれるようになった要監視タイミングで実行されるべき監視タスクが該時間帯に割り当てられることで監視計画が変更される。
ただし、UAV2の飛行速度と飛行経路とのうち少なくとも何れか一方を変化させることによって、オペレータO1が監視タスクを実行可能な時間帯にUAVmの要監視タイミングを含ませることができない場合が想定される。この場合、遅延制御部140は、オペレータO1以外の他のオペレータOnの監視スケジュールにおいて監視タスクを実行可能な時間帯に、UAV2の要監視タイミングで実行されるべき監視タスクを割り当てることで監視計画を変更してもよい。つまり、UAV2の要監視タイミングで実行されるべき監視タスクがオペレータO1から他のオペレータOn(つまり、オペレータOnの監視スケジュール)に付け替えられる。これにより、UAV1及びUAV2のそれぞれの要監視タイミングで実行されるべき監視タスクをオペレータOnに適切に実行させることができる。
図11は、UAV2の要監視タイミングで実行されるべき監視タスクがオペレータO1の監視スケジュールからオペレータO4の監視スケジュールに付け替えられる例を示す概念図である。図11の例では、UAV1の決定された配送スケジュールに遅延が発生することにより、店舗着陸時に対応する要監視タイミング“11:30~11:40”が“11:50~12:00”に変更され、店舗離陸時に対応する要監視タイミング“12:00~12:10”が“12:20~12:30”に変更され、配送先着陸時に対応する要監視タイミング“12:50~13:00”が“13:10~13:20”に変更されている。このため、UAV1の遅延後の要監視タイミングとUAV2の要監視タイミングの少なくとも一部が重複するので、UAV2の要監視タイミングで実行されるべき監視タスクがオペレータO1の監視スケジュールからオペレータO4の監視スケジュールに付け替えられることになる。
なお、UAV2の要監視タイミングで実行されるべき監視タスクを付け替え可能なオペレータOnがいない場合、遅延制御部140は、注文者に対して配送キャンセルを示すメッセージを通知してもよい。かかるメッセージの通知は、注文者のメールアドレス宛に該メッセージが記述された電子メールが送信されることで行われてもよいし、注文者の電話番号宛てに該メッセージがSMSにより送信されることで行われてもよい。或いは、メッセージの通知は、注文者の注文者端末UTにおいて常駐している通知用アプリケーションに該メッセージがプッシュ配信されることで行われてもよい。
[2.配送管理システムSの動作]
次に、図12及び図13を参照して、配送管理システムSの動作について説明する。図12は、監視タスク管理サーバMSにおける制御部13の監視計画決定処理の一例を示すフローチャートである。図13は、監視タスク管理サーバMSにおける制御部13の監視タスク情報送信処理の一例を示すフローチャートである。
(2-1.監視計画決定処理)
先ず、図12に示す処理の前提として、注文処理サーバPSにより注文者端末UTからの注文が受け付けられたものとする。図12に示す処理は、例えば、注文処理サーバPSから注文に関する情報が監視タスク管理サーバMSにより受信された場合に開始される。
図12に示す処理が開始されると、制御部13は、受信された注文に関する情報に基づいて、上述したように、該注文に係る商品の配送に要する推定時間を推定する(ステップS1)。
次いで、制御部13は、ステップS1で推定された推定時間等に基づいて、注文に係る商品の配送可能時間枠を、上述したように配送可能時間枠抽出部131により複数(例えば、3つ)抽出する(ステップS2)。
次いで、制御部13は、機体管理データベース122を参照(つまり、各UAVmの利用可能時間帯等を参照)して、ステップS2で抽出された配送可能時間枠ごとに、該配送可能時間に配送先で商品を受け渡し可能なUAVmを1つ特定する(ステップS3)。こうして特定されたUAVm(機体ID)には、注文に関する情報に含まれる注文ID、及びステップS2で抽出された配送可能時間枠が対応付けられる。
次いで、制御部13は、ステップS2で抽出された配送可能時間枠を示す情報を、配送可能時間枠提示部132により注文者の注文者端末UTへ送信させる(ステップS4)。これにより、注文者端末UTに複数の配送可能時間枠が選択可能に表示される。そして、注文者端末UTに表示された配送可能時間枠のうち何れか1つの配送可能時間枠が注文者により選択されると、該選択された配送可能時間枠を示す情報(例えば、注文IDを含む)が監視タスク管理サーバMSへ送信される。これにより、受け付けられた注文が確定する。
次いで、制御部13は、注文者により選択された配送可能時間枠を示す情報を受信すると(ステップS5)、複数のオペレータOnのそれぞれの監視スケジュールを、監視スケジュール取得部133によりオペレータ管理データベース124から取得する(ステップS6)。
次いで、制御部13は、ステップS5で受信された情報に示される配送可能時間枠と、記憶部12に記憶されている要監視タイミング算出用テーブルとに基づいて、該配送可能時間枠に対応付けられたUAVmの監視を要する要監視タイミング枠を、上述したように要監視タイミング取得部134により取得する(ステップS7)。かかる要監視タイミング枠は、例えばタスク種別ごとに取得される。
次いで、制御部13は、ステップS6で取得された監視スケジュールにおいてオペレータOnが監視タスクを実行可能な時間帯に、ステップS7で取得された要監視タイミング枠内の要監視タイミングが含まれるようにUAVmの飛行速度と飛行経路とのうち少なくとも何れか一方を変化させる(ステップS8)。なお、ステップS8~S15の処理は、例えばタスク種別ごとに行われる。
次いで、制御部13は、ステップS8でUAVmの飛行速度と飛行経路とのうち少なくとも何れか一方を変化させることによって、オペレータOnが監視タスクを実行可能な時間帯にUAVmの要監視タイミングを含ませることができたか否かを判定する(ステップS9)。かかるUAVmは、例えば、注文者により選択された配送可能時間枠に対応付けられたUAV1である。オペレータOnが監視タスクを実行可能な時間帯に要監視タイミングを含ませることができないと判定された場合(ステップS9:NO)、処理はステップS10へ進む。一方、オペレータOnが監視タスクを実行可能な時間帯に要監視タイミングを含ませることができたと判定された場合(ステップS9:YES)、処理はステップS15へ進む。
ステップS10では、制御部13は、ステップS6で取得された監視スケジュールにおいて他のUAVm(例えば、UAV2)を監視するための監視タスクが既に割り当てられているか否かを判定する。監視タスクが既に割り当てられていると判定された場合(ステップS10:YES)、処理はステップS11へ進む。一方、監視タスクが既に割り当てられていないと判定された場合(ステップS10:NO)、処理はステップS14へ進む。
ステップS11では、制御部13は、他のUAVm(例えば、UAV2)の既に設定された飛行速度と飛行経路とのうち少なくとも何れか一方を変更することでUAVmを監視するための監視タスクが既に割り当てられた時間帯を、該時間帯に対応する要監視タイミングが含まれる要監視タイミング枠内で変更する。ここで、既に割り当てられた時間帯の変更は、オペレータOnが監視タスクを実行可能な時間帯内で行われる。そして、処理はステップS12へ進む。
ステップS12では、制御部13は、オペレータOnが監視タスクを実行可能な時間帯(つまり、ステップS11で時間帯が変更されることで生じた空き時間帯)に、ステップS7で取得された要監視タイミング枠内の要監視タイミングが含まれるようにUAVmの飛行速度と飛行経路とのうち少なくとも何れか一方を変化させる。
次いで、制御部13は、ステップS12でUAVmの飛行速度と飛行経路とのうち少なくとも何れか一方を変化させることによって、オペレータOnが監視タスクを実行可能な時間帯にUAVmの要監視タイミングを含ませることができたか否かを判定する(ステップS13)。オペレータOnが監視タスクを実行可能な時間帯に要監視タイミングを含ませることができないと判定された場合(ステップS13:NO)、処理はステップS14へ進む。一方、オペレータOnが監視タスクを実行可能な時間帯に要監視タイミングを含ませることができたと判定された場合(ステップS13:YES)、処理はステップS15へ進む。
ステップS14では、制御部13は、注文者により選択された配送可能時間枠で商品を配送不可を示す情報とともに、該配送可能時間枠とは異なる他の配送可能時間枠を注文者の注文者端末UTへ送信させ、ステップS5に戻り、上記と同様の処理を行う。ここで、他の配送可能時間枠は、ステップS2で抽出された配送可能時間枠である。
一方、ステップS15では、制御部13は、オペレータOnが監視タスクを実行可能な時間帯に要監視タイミングが含まれるようになったときの飛行速度と飛行経路とのうち少なくとも何れか一方を含む飛行制御情報を設定する。こうして設定された、UAVmの飛行制御情報には、該UAVmの機体ID、及び、注文に関する情報に含まれる注文IDが対応付けられる。
次いで、制御部13は、オペレータOnの監視スケジュールにおいて監視タスクを実行可能な時間帯に含まれるようになった要監視タイミングで実行されるべき監視タスクを、監視計画生成部136により該時間帯に割り当てることで監視計画を生成(決定)する(ステップS16)。こうして決定された監視計画は、確定した注文の注文IDに対応付けられて監視計画管理データベース126に格納される。
次いで、制御部13は、注文者により選択された配送可能時間枠に対応付けられたUAVmの配送スケジュールを含む配送計画を決定する(ステップS17)。こうして決定された配送計画、及びステップS15で設定された飛行制御情報は、確定した注文の注文IDに対応付けられて配送計画管理データベース125に格納される。
次いで、制御部13は、ステップS15で設定された飛行制御情報、及び配送スケジュールを、飛行制御部139によりUAV1mへ送信し(ステップS18)、図12に示す処理を終了する。これにより、UAVmの飛行制御部は、受信された配送スケジュールにしたがって、注文された商品の配送するために拠点Pmから離陸した後、受信された飛行制御情報に含まれる飛行速度と飛行経路とのうち少なくとも何れか一方に基づいて、UAVmの飛行を直接的に制御する。なお、UAVmの飛行速度及び飛行経路のうち、飛行制御部139により送信される飛行制御情報に含まれない方のパラメータは、UAVmに予め固定的に設定されてもよい。
(2-2.監視タスク情報送信処理)
次に、図13に示す処理の前提として、監視計画管理データベース126に格納されている監視計画のうち、現在時刻から所定時間(例えば、24時間)内に到来する要監視タイミングを含む監視計画を登録するための監視リストが用いられるものとする。図13に示す処理は、例えば、所定周期(例えば、数秒間隔)で開始される。
図13に示す処理が開始されると、制御部13は、監視リストに登録されている監視計画のうち、要監視タイミングが到来した(例えば、要監視タイミングの始点が現在時刻を経過した)監視計画があるか否かを判定する(ステップS21)。要監視タイミングの到来した監視計画があると判定された場合(ステップS21:YES)、処理はステップS22へ進む。一方、要監視タイミングの到来した監視計画がないと判定された場合(ステップS21:NO)、処理は終了する。
ステップS22では、制御部13は、要監視タイミングの到来した監視計画に含まれる該要監視タイミングに対応付けられた例えばオペレータO1が使用するオペレータ端末OT1のアクセス情報、及び該要監視タイミングでの監視を要する例えばUAV1の機体IDを取得する。次いで、制御部13は、ステップS22で取得された機体IDにより特定されるUAV1のUAV情報及びUAV周辺情報をバッファメモリから取得する(ステップS23)。
次いで、制御部13は、ステップS22で取得されたアクセス情報にしたがって、通信ネットワークNWを介して、オペレータ端末OT1とのアクセスを確立し、上述した監視タスク情報、ステップS23で取得されたUAV情報及びUAV周辺情報を、監視タスク情報送信部138によりオペレータ端末OT1へ送信する(ステップS24)。なお、制御部13は、オペレータ端末OT1とのアクセスが確立している間、UAV1のUAV情報及びUAV周辺情報を、オペレータ端末OT1へ逐次送信するように制御する。
そして、オペレータ端末OT1は、監視タスク情報、UAV情報及びUAV周辺情報を受信すると、例えば、図10に示すように、オペレータO1に監視タスクの実行を促すメッセージMとともに、UAV1のUAV情報及びUAV周辺情報を監視タスク実行画面に表示する。これにより、オペレータO1は、UAV1を監視するための監視タスクを実行することになる。
以上説明したように、上記実施形態によれば、監視タスク管理サーバMSは、オペレータOnが監視タスクを実行可能な時間帯を含む監視スケジュールを取得するとともにUAVmの飛行速度と飛行経路とのうち少なくとも何れか一方の変化に応じて変化する要監視タイミング(UAVmの要監視タイミング)を取得し、オペレータOnの監視スケジュールにおいてオペレータOnが監視タスクを実行可能な時間帯に、UAVmの要監視タイミングが含まれるようにUAVmの飛行速度と飛行経路とのうち少なくとも何れか一方の設定を行うように構成したので、監視タスクをオペレータOnに実行させるための要監視タイミングを適切に調整することができる。
なお、上記実施形態は本発明の一実施形態であり、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態から種々構成等に変更を加えてもよく、その場合も本発明の技術的範囲に含まれる。上記実施形態においては店舗Foで販売される商品を注文者が注文する場合を例にとって説明したが、本発明は商品以外の物品を配送する場合にも適用可能である。かかる場合の例として、配送依頼者により要求された救援物資や支援物資が避難場所などに配送される場合が挙げられる。また、上記実施形態においては、無人飛行体としてUAVを例にとって説明したが、無人飛行体の例として飛行ロボットなどに対しても本発明は適用可能である。
<付記>
[1]本開示に係る飛行制御情報設定装置は、物品の配送に利用される無人飛行体を監視するための監視タスクを実行するオペレータの監視スケジュールであって、前記オペレータが前記監視タスクを実行可能な時間帯を含む前記監視スケジュールを取得する第1取得部と、前記無人飛行体の監視を要する要監視タイミングであって、前記無人飛行体の飛行速度と飛行経路とのうち少なくとも何れか一方の変化に応じて変化する前記要監視タイミングを取得する第2取得部と、前記オペレータの監視スケジュールにおいて当該オペレータが前記監視タスクを実行可能な時間帯に前記要監視タイミングが含まれるように前記無人飛行体の飛行速度と飛行経路とのうち少なくとも何れか一方の設定を行う設定部と、を備えることを特徴とする。これにより、監視タスクをオペレータに実行させるための要監視タイミングを適切に調整することができる。
[2]上記[1]に記載の飛行制御情報設定装置において、前記設定部は、前記監視タスクを実行可能な時間帯に含ませるために前記要監視タイミングを早める場合、前記無人飛行体の飛行速度が速くなるように当該飛行速度を変化させるか、または前記無人飛行体の飛行経路が短くなるように当該飛行経路を変化させることを特徴とする。これにより、要監視タイミングを早めることができる。
[3]上記[1]に記載の飛行制御情報設定装置において、前記設定部は、前記監視タスクを実行可能な時間帯に含ませるために前記要監視タイミングを早める場合、前記無人飛行体の飛行速度が速くなるように当該飛行速度を変化させるとともに、前記無人飛行体の飛行経路が短くなるように当該飛行経路を変化させることを特徴とする。これにより、要監視タイミングを、より一層、早めることができる。
[4]上記[1]に記載の飛行制御情報設定装置において、前記設定部は、前記監視タスクを実行可能な時間帯に含ませるために前記要監視タイミングを遅らせる場合、前記無人飛行体の飛行速度が遅くなるように当該飛行速度を変化させるか、または前記無人飛行体の飛行経路が長くなるように当該飛行経路を変化させることを特徴とする。これにより、要監視タイミングを遅らせることができる。
[5]上記[1]に記載の飛行制御情報設定装置において、前記設定部は、前記監視タスクを実行可能な時間帯に含ませるために前記要監視タイミングを遅らせる場合、前記無人飛行体の飛行速度が遅くなるように当該飛行速度を変化させるとともに、前記無人飛行体の飛行経路が長くなるように当該飛行経路を変化させることを特徴とする。これにより、要監視タイミングを、より一層、遅らせることができる。
[6]上記[1]乃至[5]の何れか一つに記載の飛行制御情報設定装置において、前記第2取得部は、複数の前記要監視タイミングを取得し、前記オペレータの監視スケジュールにおいて前記監視タスクを実行可能な時間帯に、前記複数の前記要監視タイミングが含まれるように前記無人飛行体の飛行速度と飛行経路とのうち少なくとも何れか一方の設定を行うことを特徴とする。これにより、1つの無人飛行体を監視するための複数の監視タスクを1人のオペレータに実行させるための複数の要監視タイミングを適切に調整することができる。
[7]上記[1]乃至[6]の何れか一つに記載の飛行制御情報設定装置において、前記設定部は、配送依頼者により選択された配送可能時間枠に前記無人飛行体が前記物品を配送でき、且つ前記監視タスクを実行可能な時間帯に前記要監視タイミングが含まれるように前記無人飛行体の飛行速度と飛行経路とのうち少なくとも何れか一方の設定を行うことを特徴とする。これにより、配送依頼者の希望時間通りに物品を配送させ、且つ監視タスクをオペレータに実行させるための要監視タイミングを適切に調整することができる。
[8]上記[1]乃至[7]の何れか一つに記載の飛行制御情報設定装置において、前記設定部は、前記無人飛行体の飛行速度を変化させることによって前記監視タスクを実行可能な時間帯に当該無人飛行体の前記要監視タイミングを含ませることが困難である場合に、前記無人飛行体の飛行経路を変化させることによって前記監視タスクを実行可能な時間帯に前記要監視タイミングが含まれるように設定を行うことを特徴とする。これにより、監視タスクをオペレータに実行させるための要監視タイミングをより効率良く調整することができる。
[9]上記[1]乃至[8]の何れか一つに記載の飛行制御情報設定装置において、前記無人飛行体は第1の無人飛行体であり、前記監視スケジュールには、前記第1の無人飛行体とは異なる第2の無人飛行体を監視するための監視タスクが既に割り当てられた時間帯が含まれており、前記第1の無人飛行体の飛行速度と飛行経路とのうち少なくとも何れか一方を変化させることによっても、前記オペレータが前記監視タスクを実行可能な時間帯に前記第1の無人飛行体の前記要監視タイミングを含ませることが困難である場合、前記第2の無人飛行体の飛行速度と飛行経路とのうち少なくとも何れか一方を変更することで前記第2の無人飛行体の前記要監視タイミングを変更し、且つ前記監視スケジュールにおいて当該第2の無人飛行体を監視するための監視タスクが既に割り当てられている時間帯を前記要監視タイミングの変更に応じて変更する変更部を更に備え、前記設定部は、前記変更部により前記時間帯が変更されることで生じた空き時間帯に前記第1の無人飛行体の前記要監視タイミングが含まれるように前記第1の無人飛行体の飛行速度と飛行経路とのうち少なくとも何れか一方の設定を行うことを特徴とする。これにより、オペレータが監視タスクを実行可能な時間帯に第1の無人飛行体の要監視タイミングを含ませることが困難である場合であっても、第2の無人飛行体の要監視タイミングを適切に変更することで第1の無人飛行体の監視を要する監視タスクをオペレータに実行させるための要監視タイミングを適切に調整することができる。
[10]上記[1]乃至[9]の何れか一つに記載の飛行制御情報設定装置において、前記設定部により前記飛行速度と飛行経路とのうち少なくとも何れか一方の設定が行われることにより、前記オペレータの監視スケジュールにおいて前記監視タスクを実行可能な時間帯に含まれるようになった前記要監視タイミングで実行されるべき前記監視タスクを当該時間帯に割り当てる割当部を更に備えることを特徴とする。これにより、設定された要監視タイミングで実行されるべき監視タスクをオペレータの監視スケジュールに適切に割り当てることができる。
[11]上記[1]乃至[10]の何れか一つに記載の飛行制御情報設定装置において、前記無人飛行体には、第1の無人飛行体及び第2の無人飛行体が含まれ、1の前記オペレータの前記監視スケジュールには、前記第1の無人飛行体を監視するための監視タスクと、前記第2の無人飛行体を監視するための監視タスクとが割り当てられており、前記第1の無人飛行体の配送スケジュールに遅延が発生した場合、当該第1の無人飛行体の前記要監視タイミングを遅延させる遅延制御部を更に備え、前記第1の無人飛行体の遅延後の前記要監視タイミングと前記第2の無人飛行体の前記要監視タイミングの少なくとも一部が重複する場合、前記設定部は、前記オペレータの監視スケジュールにおいて当該オペレータが前記監視タスクを実行可能な時間帯に前記第2の無人飛行体の前記要監視タイミングが含まれるように当該第2の無人飛行体の飛行速度と飛行経路とのうち少なくとも何れか一方の再設定を行うことを特徴とする。これにより、第1の無人飛行体の配送スケジュールに遅延が発生することで該第1の無人飛行体の遅延後の要監視タイミングと第2の無人飛行体の要監視タイミングの少なくとも一部が重複するようになった場合であっても、第1の無人飛行体及び第2の無人飛行体のそれぞれの監視タスクをオペレータに実行させるための要監視タイミングを適切に調整することができる。
[12]上記[10]に記載の飛行制御情報設定装置において、前記無人飛行体には、第1の無人飛行体及び第2の無人飛行体が含まれ、1の前記オペレータの前記監視スケジュールには、前記第1の無人飛行体を監視するための監視タスクと、前記第2の無人飛行体を監視するための監視タスクとが割り当てられており、前記第1の無人飛行体の配送スケジュールに遅延が発生した場合、当該第1の無人飛行体の前記要監視タイミングを遅延させる遅延制御部を更に備え、前記第1の無人飛行体の遅延後の前記要監視タイミングと前記第2の無人飛行体の前記要監視タイミングの少なくとも一部が重複する場合、前記割当部は、前記1の前記オペレータまたは他の前記オペレータの監視スケジュールにおいて前記監視タスクを実行可能な時間帯に、当該第2の無人飛行体の前記要監視タイミングで実行されるべき前記監視タスクを割り当てることを特徴とする。これにより、第1の無人飛行体の配送スケジュールに遅延が発生することで該第1の無人飛行体の遅延後の要監視タイミングと第2の無人飛行体の要監視タイミングの少なくとも一部が重複するようになった場合であっても、第1の無人飛行体及び第2の無人飛行体のそれぞれの要監視タイミングで実行されるべき監視タスクをオペレータに適切に実行させることができる。
[13]上記[1]乃至[12]の何れか一つに記載の飛行制御情報設定装置において、前記設定部により設定された、前記無人飛行体の飛行速度と飛行経路とのうち少なくとも何れか一方に基づいて、前記無人飛行体の飛行を制御する飛行制御部を更に備えることを特徴とする。これにより、設定された要監視タイミングで監視タスクをオペレータに実行させるために無人飛行体の飛行を適切に制御することができる。
[14]上記[1]乃至[13]の何れか一つに記載の飛行制御情報設定装置において、前記物品の配送依頼者に対して前記無人飛行体による前記物品の配送可能時間枠を選択可能に所定数提示する提示部を更に備え、前記第2取得部は、前記提示部により提示された配送可能時間枠のうち前記配送依頼者により選択された配送可能時間枠に基づいて、前記要監視タイミングを取得する。これにより、配送依頼者の希望時間通りに物品を配送させ、且つ監視タスクをオペレータに実行させるための要監視タイミングを適切に調整することができる。
[15]上記[1]乃至[14]の何れか一つに記載の飛行制御情報設定装置において、前記監視スケジュールには、前記無人飛行体の拠点とは異なる拠点に配備される他の無人飛行体を監視するための監視タスクが既に割り当てられていることを特徴とする。これにより、複数の拠点に配備される各無人飛行体の監視を要する要監視タイミングで実行されるべき監視タスクをオペレータに効率良く実行させることができる。
[16]上記[1]乃至[15]の何れか一つに記載の飛行制御情報設定装置において、前記要監視タイミングの到来に応じて、当該要監視タイミングで実行されるべき前記監視タスクを前記オペレータに実行させるための情報を当該オペレータが使用する端末に送信する送信部を更に備えることを特徴とする。これにより、無人飛行体の要監視タイミングで実行されるべき監視タスクをオペレータに迅速且つ適切に実行させることができる。
[17]上記[1]乃至[16]の何れか一つに記載の飛行制御情報設定装置において、前記要監視タイミングは、前記無人飛行体による1配送に係る配送スケジュールにおいて時間を隔てた複数のタイミングのうち少なくとも1つのタイミングであることを特徴とする。これにより、1配送に係る配送スケジュールにおいて、無人飛行体の要監視タイミングで実行されるべき監視タスクをオペレータに効率良く実行させることができる。
[18]本開示に係る無人飛行体監視システムは、物品の配送に利用される無人飛行体を監視するための監視タスクを実行するオペレータの監視スケジュールであって、前記オペレータが前記監視タスクを実行可能な時間帯を含む前記監視スケジュールを取得する第1取得部と、前記無人飛行体の監視を要する要監視タイミングであって、前記無人飛行体の飛行速度と飛行経路とのうち少なくとも何れか一方の変化に応じて変化する前記要監視タイミングを取得する第2取得部と、前記オペレータの監視スケジュールにおいて当該オペレータが前記監視タスクを実行可能な時間帯に前記要監視タイミングが含まれるように前記無人飛行体の飛行速度と飛行経路とのうち少なくとも何れか一方の設定を行う設定部と、を備えることを特徴とする。
[19]本開示に係る配送可能時間制御方法は、コンピュータにより実行される飛行制御情報設定方法であって、物品の配送に利用される無人飛行体を監視するための監視タスクを実行するオペレータの監視スケジュールであって、前記オペレータが前記監視タスクを実行可能な時間帯を含む前記監視スケジュールを取得するステップと、前記無人飛行体の監視を要する要監視タイミングであって、前記無人飛行体の飛行速度と飛行経路とのうち少なくとも何れか一方の変化に応じて変化する前記要監視タイミングを取得するステップと、前記オペレータの監視スケジュールにおいて当該オペレータが前記監視タスクを実行可能な時間帯に前記要監視タイミングが含まれるように前記無人飛行体の飛行速度と飛行経路とのうち少なくとも何れか一方の設定を行うステップと、を含むことを特徴とする。